(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】検査装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/21 20060101AFI20231011BHJP
H01J 37/20 20060101ALI20231011BHJP
H01J 37/22 20060101ALI20231011BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20231011BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20231011BHJP
G01B 11/02 20060101ALI20231011BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
H01J37/21 B
H01J37/20 D
H01J37/20 A
H01J37/22 502H
H01J37/22 502L
H01J37/28 B
H01L21/66 J
G01B11/02 H
G01B11/26 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516088
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2021075767
(87)【国際公開番号】W WO2022069274
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジェン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジウェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,イーシャン
【テーマコード(参考)】
2F065
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA24
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2F065RR08
4M106AA01
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(57)【要約】
複数のターゲット高さに対する基板の作用高さを調節するための検査装置が開示される。検査装置は、放射ビームを提供するように構成された放射源と、各々が基板に反射する複数のビームレットに放射ビームを分割するように構成されたビームスプリッタとを含む。各ビームレットは、複数の波長の光を含む。検査装置は、複数の光反射コンポーネントであって、各光反射コンポーネントは、基板に反射するビームレットの1つに関連付けられ、基板に反射するビームレットに基づいて基板の高さ又は水平度を検出することによって基板に対する異なるターゲット高さをサポートするように構成される、複数の光反射コンポーネントを含む。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射ビームを提供するように構成された放射源と、
各々が基板に反射する複数のビームレットに前記放射ビームを分割するように構成されたビームスプリッタと、
複数の光反射コンポーネントであって、各光反射コンポーネントは、前記ビームレットの1つに関連付けられ、前記基板に反射する前記関連付けられたビームレットに基づいて前記基板の高さ又は水平度の検出を可能にすることによって前記基板に対する異なるターゲット高さをサポートするように構成される、前記複数の光反射コンポーネントと
を含む、検査装置。
【請求項2】
前記光反射コンポーネントから前記ビームレットを受け取ることによって、前記基板上に投影されたパターンの複数の画像を検出するように構成された検出器であって、各画像は異なるビームレットによって形成される、前記検出器を更に含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記異なるターゲット高さの第1のターゲット高さに対応する基準画像と前記画像の第1の画像を比較し、
前記比較に基づいて前記第1のターゲット高さからの前記基板の第1の偏差値を決定する
ように構成されたコントローラ回路を更に含む、請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記第1の画像は、前記光反射コンポーネントの1つに関連付けられた前記ビームレットの1つによって形成され、前記光反射コンポーネントの前記1つは、前記第1のターゲット高さに対する前記基板の前記第1の偏差値の測定を可能にするように構成される、請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記第1のターゲット高さに前記基板を位置決めするために前記基板を保持するように構成されたステージの高さを調節するように構成された回路を有するステージ動作コントローラであって、前記ステージの前記高さは、前記第1の偏差値に基づいて調節される、前記ステージ動作コントローラを更に含む、請求項3に記載の検査装置。
【請求項6】
前記第1の偏差値を少なくとも部分的に補償するために前記基板に入射する荷電粒子ビームの焦点を調節するためのビームコントローラを更に含む、請求項3に記載の検査装置。
【請求項7】
前記コントローラ回路は、
前記第1の画像を前記パターンの光強度画像として生成することと、
前記光強度画像と前記基準画像との相互相関を行って前記第1の偏差値を決定することと
によって、前記第1の画像を前記基準画像と比較するように構成される、請求項3に記載の検査装置。
【請求項8】
前記基準画像は、前記パターンを基準基板の表面上に投影することによって得られる、請求項3に記載の検査装置。
【請求項9】
前記放射源は、広帯域放射又は狭帯域放射の少なくとも一方を提供するように構成される、請求項1に記載の検査装置。
【請求項10】
前記放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成して広帯域放射を形成するように構成され、各ビームレットは、複数の波長の光を含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項11】
前記複数の波長の光によって、前記基板の材料の変化に起因して生じる前記高さの検出誤差を最小限に抑えることが容易になる、請求項10に記載の検査装置。
【請求項12】
前記放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成するためのプリズムを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項13】
前記放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成するための複数のダイクロイックミラーを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項14】
前記ビームスプリッタは、光分割コンポーネントのセットを含み、前記光分割コンポーネントのセットは、前記ビームレットの各々を同じエネルギーで前記基板上に誘導するために様々な反射対透過比を有するように構成される、請求項1に記載の検査装置。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、レベルセンサを含む検査システムにおいて基板の作用高さを調節するための方法を前記コンピュータに実行させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
レベルセンサの放射源からの放射ビームによってパターンを基板上に投影することであって、前記放射ビームは、各々が前記基板に反射する複数のビームレットに分割される、前記投影することと、
前記基板に反射する前記ビームレットを受け取ることによって前記パターンの複数の画像を生成することであって、各画像は、異なるビームレットによって形成され、異なるターゲット高さからの前記基板の偏差値の測定をサポートする、前記生成することと、
第1のターゲット高さからの前記基板の前記偏差値の測定をサポートする前記画像の第1の画像に基づいて、前記第1のターゲット高さからの前記基板の第1の偏差値を決定することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年10月1日に出願された米国特許出願第63/086,293号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、荷電粒子ビーム検査装置内のレベルセンサに関し、より詳細には、マルチ作用高さレベルセンサに関する。
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成又は完成回路コンポーネントは、それらが設計に従って製造され、欠陥がないことを保証するために検査が行われる。走査電子顕微鏡(SEM)など、光学顕微鏡又は荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡を利用する検査システムを採用することができる。ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小し続けるにつれて、欠陥検出における精度及び歩留まりがより重要になる。
【0004】
[0004] しかしながら、検査ツールの撮像分解能及びスループットは、ICコンポーネントのフィーチャの小型化に何とかして遅れまいとしている。このような検査ツールの精度、分解能、及びスループットは、ウェーハの変位を検出する際の精度の欠如によって制限されることがある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書で提供される実施形態は、粒子ビーム検査装置、より詳細には、複数の荷電粒子ビームを使用する検査装置を開示する。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、検査装置は、放射ビームを提供するように構成された放射源と、各々が基板に反射する複数のビームレットに放射ビームを分割するように構成されたビームスプリッタであって、各ビームレットは複数の波長の光を含む、ビームスプリッタと、複数の光反射コンポーネントであって、各光反射コンポーネントは、基板に反射するビームレットの1つに関連付けられ、基板に反射するビームレットに基づいて基板の高さ又は水平度を検出することによって基板に対する異なるターゲット高さをサポートするように構成される、複数の光反射コンポーネントとを含む。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、マルチ作用高さ検査装置は、複数のターゲット高さの1つに基板を保持するように構成されたステージと、レベルセンサと、コントローラ回路とを含む。レベルセンサは、(a)放射ビームを提供するように構成された放射源と、(b)各々が基板に反射する複数のビームレットに放射ビームを分割するように構成されたビームスプリッタであって、各ビームレットは複数の波長の光を含む、ビームスプリッタと、複数の光反射コンポーネントであって、各光反射コンポーネントは、基板に反射するビームレットの1つに関連付けられ、基板に反射するビームレットに基づいて基板の高さ又は水平度を検出することによって基板に対する異なるターゲット高さをサポートするように構成される、複数の光反射コンポーネントと、(c)基板に反射するビームレットの各々から画像を検出するように構成された検出器とを含む。コントローラ回路は、ターゲット高さの第1のターゲット高さに対応する基準画像と画像の第1の画像を比較して、第1のターゲット高さからの基板の偏差値を決定するように構成される。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、レベルセンサを含む検査システムにおいて基板の作用高さを調節するための方法は、レベルセンサの放射源からの放射ビームによってパターンを基板上に投影することであって、放射ビームは、各々が基板に反射する複数のビームレットに分割され、各ビームレットは、複数の波長の光を含む、投影することと、基板に反射するビームレットを受け取ることによってパターンの複数の画像を生成することであって、各画像は、異なるビームレットによって形成され、異なるターゲット高さからの基板の偏差値の測定をサポートする、生成することと、第1のターゲット高さからの基板の偏差値の測定をサポートする画像の第1の画像に基づいて、第1のターゲット高さからの基板の第1の偏差値を決定することとを含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、上述した方法をコンピューティングデバイスに実施させるためにコンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である命令セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体。
【0010】
[0010] 本開示の実施形態の他の利点は、添付の図面と併せて取り入れられる以下の説明から明らかになるであろう。以下の説明では、例示及び例として、本発明の特定の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
【
図2】[0012]本開示の実施形態と一致する、
図1の電子ビーム検査システムの一部であり得る例示的な電子ビームツールを示す概略図である。
【
図3A】[0013]本開示の実施形態と一致する、例示的なレベリングセンサを含む例示的な検査システムを示す概略図である。
【
図3B】[0014]本開示の実施形態と一致する、ウェーハ高さに応じたレベリングセンサの動作を示す概略図である。
【
図4A】[0015]本開示の実施形態と一致する、マルチ作用高さレベリングセンサを備えた検査システムを示す。
【
図4B】[0016]本開示の実施形態と一致する、第2のマルチ作用高さレベリングセンサを示す。
【
図4C】[0017]本開示の実施形態と一致する、第3のマルチ作用高さレベリングセンサを示す。
【
図4D】[0018]本開示の実施形態と一致する、第4のマルチ作用高さレベリングセンサを示す。
【
図5】[0019]本開示の実施形態と一致する、ウェーハのレベルを決定するためのレベリングセンサの動作を示す概略図である。
【
図6】[0020]本開示の実施形態と一致する、複数のターゲット高さに対するウェーハの偏差値又は垂直変位を決定するプロセスのフロー図である。
【
図7】[0021]本開示の実施形態と一致する、ウェーハの水平度を決定するプロセスのフロー図である。
【
図8】[0022]本明細書で開示される方法、フロー、モジュール、コンポーネント、又は装置の実現を補助できるコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0023] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路で構築される。多くの回路は、同じシリコン片上にまとめて形成することができ、集積回路又はICと呼ばれる。これらの回路のサイズは、劇的に減少しており、その結果、更に多くの回路を基板に適合させることができる。例えば、スマートフォンのICチップは、親指の爪ほどの大きさであるが、それにもかかわらず、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪のサイズの1/1000未満である。これらの極めて小さいICの作成は、多大な時間を要する複雑及び高価なプロセスであり、数百もの個々のステップを伴う場合が多い。1つのステップにおける誤差でさえ、完成ICに欠陥をもたらす可能性があり、完成ICが無用なものとなる。従って、製造プロセスの目標の1つは、プロセスで作成される機能可能なICの数を最大化するため、すなわちプロセスの総歩留まりを向上させるために、そのような欠陥を回避することである。
【0013】
[0024] 歩留まりを向上させる要素の1つは、十分な数の機能可能な集積回路を生産することを保証するために、チップ作成プロセスをモニタすることである。プロセスをモニタする方法の1つは、それらの形成の様々な段階でチップ回路構造を検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して行うことができる。SEMは、これらの極めて小さい構造を撮像するために使用することができ、実際には構造の「ピクチャ」を撮影する。画像は、構造が正しく形成されたかどうか、また構造が正しい場所に形成されたかどうかを判断するために使用することができる。構造に欠陥がある場合、欠陥が再発する可能性が低くなるようにプロセスを調整することができる。
【0014】
[0025] 電子ビーム検査システムでは、レベリングセンサ(又はZセンサ)は、検査サンプルをターゲット高さに維持して検査サンプルを一次電子ビームの焦点(例えば、
図2の102)に保持するために、検査サンプル(例えば、基板又はウェーハ)の(例えば、Z軸における)高さ変化を検出する。ICコンポーネントの物理的なサイズが小さくなり、検査画像(例えば、SEM画像)の品質がビーム焦点とサンプル高さとの僅かな変位(例えば、数十ナノメートル)で大幅に低下する可能性があるので、サンプルの高さ変位の高感度検出が必要となる。電子ビーム検査システムの進化に伴って、検査サンプルを撮像するために、様々な着地エネルギーの電子ビームが使用され得る。着地エネルギーが変化すると、電子ビームの焦点が変化し、これにより、検査サンプルのターゲット高さ(例えば、検査サンプルと検査システムの対物レンズとの間の距離)を調節することが必要となる。これらのマルチ着地エネルギーシステムは、様々な着地エネルギーをサポートするために、複数のターゲット高さにおける高さ変位の検出を必要とする。例えば、ターゲット高さは、1つのLEで1.5mm、第2のLEで4.5mmであることがあり、これらのターゲット高さの各々において、検査サンプルの高さ変位及びレベルの検出が必要となる場合がある。
【0015】
[0026] 従来のZセンサには様々な制約がある。例えば、いくつかの既存のZセンサは、狭いダイナミックレンジ(例えば、≦±0.1mm)内で単一のターゲット高さの変化を検出することができる。いくつかのマルチターゲット高さZセンサが提案されているが、これらのZセンサには欠点もある。例えば、いくつかのZセンサは、異なるターゲット高さにおいて波長を分割するので、複数のターゲット高さでの広帯域スペクトル用に設計されておらず、この波長の分割は、狭帯域スペクトルに敏感な材料を有する検査サンプルの不正確な測定の原因となり得る。いくつかの他のZセンサは、広帯域スペクトルを使用するように設計されているが、用いられるコンポーネントが、広域スペクトルに適さない場合があり、アパーチャ数を減少させ、従って、感度を低下させることがあるので理想的ではない。その上、かかるZセンサは、構築が非常に複雑である。いくつかのZセンサは、異なるターゲット高さに対する検査サンプルの高さを検出するために可動部を使用し、このような可動コンポーネントは、システムの不安定性の原因となることがある。更に、いくつかの従来のZセンサは、検査システムの基準面に対する検査サンプルのレベル(例えば、検査サンプルが電子ビームツールのコラムに平行であること)の検出に役立たない。かかるZセンサは、検査サンプルがコラムに平行であることを確実にしない場合があるので、検査サンプルの潜在的な引っかき傷及びアーク放電の原因となることがある。
【0016】
[0027] 本開示の実施形態は、複数のターゲット高さに対する検査サンプルの高さ(又はターゲット高さからの偏差)を高精度で検出するためのマルチ作用高さZセンサを提供する。Zセンサは、構成可能な広帯域放射源(例えば、光源)と、光学レンズ群と、光反射コンポーネント(例えば、ビームスプリッタ又はダイクロイックミラー)と、1つ又は複数の検出器(例えば、電荷結合素子(CCD)/相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサに基づくカメラ)とを含み得る。かかるマルチ作用高さZセンサの利点の1つは、マルチ作用高さZセンサが、異なるターゲット高さに対する検査サンプルの偏差の測定を可能にするので、単一ターゲット高さZセンサよりも広範囲の高さ変化の検出を容易にし得ることである。別の利点は、マルチ作用高さZセンサは、同じ電子ビーム検査システムでの複数の着地エネルギーの電子ビームの使用を可能にして検査サンプルの高品質の撮像を可能にし得ることである。更に別の利点は、あらゆる波長の放射(例えば、250nm~10μmの広帯域放射)を使用することによって偏差の測定に対する基板上の材料の影響が最小限に抑えられ、それゆえ、検査サンプル高さの測定の精度が高められることであり得る。なお更に別の利点は、検査サンプルが基準面に平行になるように検査サンプルを位置合わせする際に使用され得る、マルチ作用高さZセンサによって検査サンプルの傾きの検出が可能となることである。更に、このようなZセンサ(例えば、可動部のない)を構築することと、最新の電子ビーム検査システムを改造してZセンサを組み込むか又はZセンサを最新の電子ビーム検査システムと一体化させることも容易である。
【0017】
[0028] ここで、例示的な実施形態について詳細に言及し、例示的な実施形態の例を添付図面に示す。以下の説明では、異なる図面における同じ番号が、別段の表示のない限り、同じ又は同様の要素を表す、添付図面を参照する。例示的な実施形態の以下の説明に記載する実装形態は、全ての実装形態を表すものではない。むしろ、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙される開示の実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。例えば、いくつかの実施形態は電子ビームを利用する文脈で説明されているが、本開示は、そのように限定されるものではない。他のタイプの荷電粒子ビームも同様に適用され得る。更に、光学撮像、光検出、X線検出などの、他の撮像システムも使用され得る。
【0018】
[0029] 本書では、ICの製造について具体的に言及される場合があるが、本明細書の説明は、多くの他の可能な適用例を有することが明示的に理解されるべきである。例えば、本明細書の説明は、集積光学系、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターン及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造に用いられ得る。当業者であれば、このような代替的な適用例の文脈では、本書での「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語の使用は、より一般的な「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」という用語とそれぞれ交換可能であると見なされるべきであることを理解するであろう。
【0019】
[0030] 本文書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線放射(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及びEUV(極端紫外線放射、例えば、5~20nmの範囲内の波長を有する)を含む、全てのタイプの電磁放射を包含するように使用される。
【0020】
[0031] ここで、
図1を参照すると、
図1は、本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。
図1に示されるように、荷電粒子ビーム検査システム100は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20、電子ビームツール40及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内に位置する。説明及び図面は、電子ビームを対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するために使用されないことが理解される。
【0021】
[0032] EFEM 30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM 30は、追加の装填ポートを含み得る。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、検査予定のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ若しくは他の材料で作られたウェーハ)又はサンプルを含むウェーハ前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取る(以下では、ウェーハ及びサンプルは、集合的に「ウェーハ」と呼ばれる)。EFEM 30の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20にウェーハを移送する。
【0022】
[0033] 装填・ロックチャンバ20は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、装填/ロック真空ポンプシステムは、大気圧を下回る第1の圧力に達するように装填・ロックチャンバ20内の気体分子を取り除く。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20からメインチャンバ10にウェーハを移送する。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、メインチャンバ真空ポンプシステムは、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するようにメインチャンバ10内の気体分子を取り除く。第2の圧力に達した後、ウェーハに対して、電子ビームツール40による検査が行われる。いくつかの実施形態では、電子ビームツール40は、シングルビーム検査ツールを含み得る。他の実施形態では、電子ビームツール40は、マルチビーム検査ツールを含み得る。
【0023】
[0034] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続することができ、また他のコンポーネントにも電子的に接続することができる。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査システム100の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータであり得る。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。
図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20及びEFEM 30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部でもあり得ることが理解される。
【0024】
[0035] 本開示は、電子ビーム検査システムを収納するメインチャンバ10の例を提供するが、本開示の態様は、広い意味において、電子ビーム検査システムを収納するチャンバに限定されないことに留意すべきである。むしろ、前述の原理は、他のチャンバにも適用できることが理解される。
【0025】
[0036] ここで、
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施形態と一致する、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部であり得る例示的な電子ビームツール40の概略図を示す。電子ビームツール40(本明細書では装置40とも称される)は、電子源101、ガンアパーチャ103を有するガンアパーチャプレート171、プレビームレット形成機構172、コンデンサーレンズ110、供給源変換ユニット120、一次投影光学系130、サンプルステージ(
図2に図示せず)、二次結像系150及び電子検出デバイス140を含む。一次投影光学系130は、対物レンズ131を含むことができる。電子検出デバイス140は、複数の検出要素140_1、140_2及び140_3を含むことができる。ビームセパレータ160及び偏向走査ユニット132は、一次投影光学系130内に配置することができる。装置40の一般的に知られている他の構成要素を必要に応じて追加/省略できることが理解され得る。
【0026】
[0037] 電子源101、ガンアパーチャプレート171、コンデンサーレンズ110、供給源変換ユニット120、ビームセパレータ160、偏向走査ユニット132及び一次投影光学系130は、装置100の主光軸100_1と位置合わせすることができる。二次結像系150及び電子検出デバイス140は、装置40の副光軸150_1と位置合わせすることができる。
【0027】
[0038] 電子源101は、カソード、抽出器又はアノードを含み得、一次電子は、カソードから放出され、次いで抽出又は加速され、一次ビームクロスオーバー(虚像又は実像)101sを形成する一次電子ビーム102を形成することができる。一次電子ビーム102は、クロスオーバー101sから放出されると視覚化することができる。
【0028】
[0039] 供給源変換ユニット120は、画像形成要素アレイ(
図2に図示せず)、収差補償器アレイ(図示せず)、ビーム制限アパーチャアレイ(図示せず)及び事前曲げマイクロ偏向器アレイ(図示せず)を含み得る。画像形成要素アレイは、複数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズを含んで、一次電子ビーム102の複数のビームレットを用いてクロスオーバー101sの複数の平行画像(虚像又は実像)を形成することができる。
図2は、一例として3つのビームレット102_1、102_2及び102_3を示し、供給源変換ユニット120は、いかなる数のビームレットも処理できることが理解される。
【0029】
[0040] いくつかの実施形態では、供給源変換ユニット120は、ビーム制限アパーチャアレイ及び画像形成要素アレイ(両方とも図示せず)を備え得る。ビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャを含み得る。必要に応じて、いかなる数のアパーチャも使用できることが理解される。ビーム制限アパーチャは、一次電子ビーム102のビームレット102_1、102_2及び102_3のサイズを制限するように構成され得る。画像形成要素アレイは、主光軸100_1に向けて角度を変化させることにより、ビームレット102_1、102_2及び102_3を偏向させるように構成された画像形成偏向器(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、主光軸100_1から離れるほど、より大きくビームレットを偏向させることができる。更に、画像形成要素アレイは、複数の層(図示せず)を含み得、偏向器は、別個の層に設けられ得る。偏向器は、互いに独立して個別に制御されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、サンプル1の表面上に形成されるプローブスポット(例えば、102_1S、102_2S及び102_3S)のピッチを調整するように制御され得る。本明細書で言及される場合、プローブスポットのピッチは、サンプル1の表面上の2つの直接隣接するプローブスポット間の距離として定義することができる。
【0030】
[0041] 画像形成要素アレイの中央に位置する偏向器は、電子ビームツール40の主光軸100_1と位置合わせされ得る。従って、いくつかの実施形態では、中央の偏向器は、ビームレット102_1の軌跡を直線に維持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、中央の偏向器は、省略され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、一次電子源101は、必ずしも供給源変換ユニット120の中心と位置合わせされなくてもよい。更に、
図2は、ビームレット102_1が主光軸100_1上にある装置40の側面図を示すが、ビームレット102_1は、異なる側から見ると、主光軸100_1から外れ得ることが理解される。すなわち、いくつかの実施形態では、ビームレット102_1、102_2及び102_3の全てがオフアクシスであり得る。オフアクシス構成要素は、主光軸100_1に対してオフセットされ得る。
【0031】
[0042] 偏向されたビームレットの偏向角度は、1つ以上の判断基準に基づいて設定され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、オフアクシスビームレットを、半径方向外向きに又は主光軸100_1から離れるように(例示せず)偏向させることができる。いくつかの実施形態では、偏向器は、オフアクシスビームレットを、半径方向内向きに又は主光軸100_1に向かって偏向させるように構成され得る。ビームレットの偏向角度は、ビームレット102_1、102_2及び102_3がサンプル1上に垂直に着地するように設定され得る。対物レンズ131などのレンズに起因する画像のオフアクシス収差は、レンズを通過するビームレットの経路を調整することにより減らすことができる。従って、オフアクシスビームレット102_2及び102_3の偏向角度は、プローブスポット102_2S及び102_3Sが小さい収差を有するように設定され得る。オフアクシスプローブスポット102_2S及び102_3Sの収差を減らすために、ビームレットは、対物レンズ131の正面焦点又はその近くを通過するように偏向され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、プローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sが小さい収差を有しながら、ビームレット102_1、102_2及び102_3がサンプル1上に垂直に着地するように設定され得る。
【0032】
[0043] コンデンサーレンズ110は、一次電子ビーム102を集束するように構成される。供給源変換ユニット120の下流のビームレット102_1、102_2及び102_3の電流は、コンデンサーレンズ110の集束力を調整するか、又はビーム制限アパーチャアレイ内の対応するビーム制限アパーチャの径方向サイズを変えることにより変化させることができる。電流は、ビーム制限アパーチャの径方向サイズ及びコンデンサーレンズ110の集束力を変更することの両方により変えることができる。コンデンサーレンズ110は、その第1の原理的平面が移動可能となるように構成され得る調整可能コンデンサーレンズであり得る。調整可能コンデンサーレンズは、磁性を有するように構成することができ、その結果、オフアクシスビームレット102_2及び102_3は、回転角度を有して供給源変換ユニット120を照射することができる。回転角度は、集束力又は調整可能コンデンサーレンズの第1の主平面の位置に応じて変わる場合がある。それに応じて、コンデンサーレンズ110は、コンデンサーレンズ110の集束力が変えられながら、回転角度を不変に保つように構成され得る抗回転コンデンサーレンズであり得る。いくつかの実施形態では、コンデンサーレンズ110は、コンデンサーレンズ110の集束力及び第1の主平面の位置が変化した場合に回転角度が変わらない、調整可能な抗回転コンデンサーレンズであり得る。
【0033】
[0044] 電子ビームツール40は、プレビームレット形成機構172を含み得る。いくつかの実施形態では、電子源101は、一次電子を放出し、一次電子ビーム102を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ガンアパーチャプレート171は、一次電子ビーム102の周辺の電子を遮断して、クーロン効果を減らすように構成され得る。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成機構172は、一次電子ビーム102の周辺の電子を更に切断して、クーロン効果を更に減らし得る。一次電子ビーム102は、プレビームレット形成機構172を通過した後、3つの一次電子ビームレット102_1、102_2及び102_3(又はビームレットの任意の他の番号)にトリミングされ得る。電子源101、ガンアパーチャプレート171、プレビームレット形成機構172及びコンデンサーレンズ110は、電子ビームツール40の主光軸100_1と位置合わせされ得る。
【0034】
[0045] プレビームレット形成機構172は、クーロンアパーチャアレイを含み得る。プレビームレット形成機構172の、本明細書ではオンアクシスアパーチャとも称される中央アパーチャと、供給源変換ユニット120の中央偏向器とは、電子ビームツール40の主光軸100_1と位置合わせされ得る。プレビームレット形成機構172は、複数のプリトリミングアパーチャ(例えば、クーロンアパーチャアレイ)を備え得る。
図2では、3つのビームレット102_1、102_2及び102_3は、一次電子ビーム102が3つのプリトリミングアパーチャを通過し、一次電子ビーム102の残りの大部分が遮断されているときに生成される。すなわち、プレビームレット形成機構172は、3つのビームレット102_1、102_2及び102_3を形成しない、一次電子ビーム102からの電子の多く又は大部分をトリミングすることができる。プレビームレット形成機構172は、一次電子ビーム102が供給源変換ユニット120に入る前に、プローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sを形成するために最後的に使用されない電子を遮断することができる。いくつかの実施形態では、ガンアパーチャプレート171が電子源101の近くに設けられて、電子を早期に遮断することができる一方、プレビームレット形成機構172も設けられて、複数のビームレットの近傍の電子を更に遮断することができる。
図2は、プレビームレット形成機構172の3つのアパーチャを示すが、必要に応じて任意の数のアパーチャがあり得ることが理解される。
【0035】
[0046] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成機構172は、コンデンサーレンズ110の下方に配置され得る。プレビームレット形成機構172を電子源101のより近くに配置することにより、クーロン効果をより効果的に減らすことができる。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成機構172を電子源101の十分近くに配置することができ、しかも依然として製造可能な場合、ガンアパーチャプレート171を省略することができる。
【0036】
[0047] 対物レンズ131は、検査のために、ビームレット102_1、102_2及び102_3をサンプル1上に集束させるように構成され得、サンプル1の表面上に3つのプローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sを形成することができる。クーロン交互作用効果を減らすために、ガンアパーチャプレート171は、使用されない一次電子ビーム102の周辺電子を遮断することができる。クーロン交互作用効果は、プローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sの各々のサイズを拡大させ、従って検査解像度を劣化させる可能性がある。
【0037】
[0048] ビームセパレータ160は、静電双極子場E1及び磁気双極子場B1(
図2には両方とも図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタタイプのビームセパレータであり得る。それらの場が印加された場合、静電双極子場E1によってビームレット102_1、102_2及び102_3の電子にかかる力は、磁気双極子場B1によって電子にかかる力に対して、大きさが等しく、方向が反対方向である。従って、ビームレット102_1、102_2及び102_3は、ビームセパレータ160をゼロ偏向角度で直線に通過することができる。
【0038】
[0049] 偏向走査ユニット132は、ビームレット102_1、102_2及び102_3を偏向させて、サンプル1の表面のあるセクションの3つの小さい走査エリアにわたってプローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sを走査させることができる。プローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sにおけるビームレット102_1、102_2及び102_3の入射に応答して、3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seがサンプル1から放出され得る。二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seの各々は、二次電子(エネルギー≦50eV)及び後方散乱電子(50eVと、ビームレット102_1、102_2及び102_3の着地エネルギーとの間のエネルギー)を含むエネルギー分布を有する電子を含むことができる。ビームセパレータ160は、二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seを二次結像系150に向かって導くことができる。二次結像系150は、二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seを電子検出デバイス140の検出要素140_1、140_2及び140_3上に集束させることができる。検出要素140_1、140_2及び140_3は、対応する二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seを検出し、例えばサンプル1の対応する走査エリアの画像を構築するために、対応する信号を生成することができる。
【0039】
[0050]
図2では、3つのプローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sによってそれぞれ発生した3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seは、主光軸100_1に沿って電子源101に向けて上方に移動し、対物レンズ131及び偏向走査ユニット132を相次いで通過する。3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seは、副光軸150_1に沿って二次結像系150に入るように、ビームセパレータ160(ウィーンフィルタなど)によって方向転換される。二次結像系150は、3つの検出要素140_1、140_2及び140_3を含む電子検出デバイス140上に3つの二次電子ビーム102_1se~102_3seを集束させる。従って、電子検出デバイス140は、3つのプローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sによってそれぞれ走査された3つの走査領域の画像を同時に生成することができる。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス140及び二次結像系150は、1つの検出ユニット(図示せず)を形成する。いくつかの実施形態では、対物レンズ131、偏向走査ユニット132、ビームセパレータ160、二次結像系150及び電子検出デバイス140など(ただし、これらに限定されない)の、二次電子ビームの経路上の電子光学要素は、1つの検出システムを形成することができる。
【0040】
[0051] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、画像処理システムを含み得、画像処理システムは、画像取得器(図示せず)及びストレージ(図示せず)を含む。画像取得器は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイス及び同様のもの又はそれらの組合せを含み得る。画像取得器は、中でもとりわけ、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機又はそれらの組合せなどの媒体を通して装置40の電子検出デバイス140に通信可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から信号を受信し、画像を構築することができる。従って、画像取得器は、サンプル1の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成、取得画像へのインジケータの重畳及び同様のものなどの様々な後処理機能を実行することもできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリ及び同様のものなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器と結合し、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存し、及び後処理された画像を保存するために使用することができる。
【0041】
[0052] いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から受信された1つ又は複数の撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に対応し得る。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得るか、又は複数の画像を伴い得る。単一の画像は、ストレージに格納することができる。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。領域の各々は、サンプル1の特徴を含む撮像エリアを1つずつ含み得る。取得画像は、時系列にわたって複数回サンプリングされたサンプル1の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得るか、又はサンプル1の異なる撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに格納することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、サンプル1の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成することができる。
【0042】
[0053] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓中に収集された電子分布データは、ウェーハ表面に入射した一次ビームレット102_1、102_2及び102_3の各々の対応する走査経路データと組み合わせて、検査中のウェーハ構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル1の内部又は外部の構造の様々な特徴を明らかにするために使用することができ、従ってウェーハに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。
【0043】
[0054] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検査中にサンプル1を動かすように電動ステージ(図示せず)を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、ある方向に一定の速さで継続的にサンプル1を動かせるようにすることができる。他の実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、走査プロセスのステップに応じて、サンプル1が動く速さを経時的に変更できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seの画像に基づいて、一次投影光学系130又は二次結像系150の構成を調整することができる。
【0044】
[0055]
図2は、電子ビームツール40が3つの一次電子ビームを使用することを示すが、電子ビームツール40が2つ以上の一次電子ビームを使用し得ることが理解される。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0045】
[0056] ここで、本開示の実施形態と一致する、例示的なレベリングセンサを含む検査システム300を示す
図3Aについて言及する。
図3Aに示すように、検査システム300は、電子ビームツール310と、検査されるサンプル(例えば、基板321又はウェーハ321)が配置されるステージ320と、レベリングセンサ330とを含む。電子ビームツール310は、ウェーハ321上のROIの画像を形成するために、ウェーハ321上の関心領域(ROI)に一次電子ビーム312を放出して、ウェーハ321から生じる二次電子を収集し得る。検査システム300は、
図1のEBIシステム100の一部であり得、又は電子ビームツール310は、
図2の電子ビームツール40であり得る。本開示の文脈では、荷電粒子及び電子が交換可能に使用され得ることを理解されたい。同様に、荷電粒子ビームを説明する特許請求される装置又は方法の要素は、必要に応じて電子ビームと交換可能に使用され得る。
【0046】
[0057] 実際には、ウェーハ321は、ステージ320がウェーハ321を安定して支持し、例えば、水平方向のX-Y軸、垂直方向のZ軸、ステージ傾き、又はステージ回転に沿って滑らかに移動する間に、検査システム300において高倍率で観察され得る。X軸及びY軸における移動は視野(FOV)の選択に使用され得る一方で、Z軸における移動は、画像解像度、焦点深度などの変更に必要である場合がある。いくつかの実施形態では、ステージ320の垂直変位は、標準試料の高さ測定又は高さセンシングに基づいて、機器較正のために日常的に決定され得る。例えば、金属線、フォトレジスト層、ウェーハ上に堆積された反射膜などの、パターン形成された標準的なフィーチャを含むウェーハは、機器、センサ、モータ、又はステージを較正するために使用され得る。ウェーハ321はパターン形成されたフィーチャを含むので、通常、ウェーハ321の表面は不均一であり、それゆえ、ウェーハ321の検査中に画像解像度のためにウェーハ321の高さを調節することができる。
【0047】
[0058] いくつかの実施形態では、レベリングセンサ330は、ウェーハ321の垂直変位を決定するために使用され得る。本明細書で言及される、ウェーハ321の垂直変位は、ターゲット位置とZ軸におけるウェーハ321の実際の位置との差に相当し得る。レベリングセンサ330は、レベリングセンサ330の出力が分析され、ウェーハ高さを更に調節するか又は電子ビーム312の焦点面を更に調節するために使用されるように、高さコントローラ340(後に詳述する)と通信し得る。レベリングセンサ330などの、1つ又は複数の光学式高さセンサは、所望の高さセンシングの複雑さ及び精度に基づいて用いられ得る。
【0048】
[0059] いくつかの実施形態では、レベリングセンサ330は、選択的光透過性物体333を通して一次光ビーム332をウェーハ321上に投影する光源331と、ウェーハ321からの二次光ビーム335の画像を捕捉する検出器336とを含むことができる。選択的光透過性物体333を通過した一次光ビーム332によって形成される投影パターンは、ウェーハ321上に投影される。二次光ビーム335は、ウェーハ321の表面から散乱された光ビーム、ウェーハ321の表面から回折された光ビーム、又はウェーハ321の表面から散乱された光ビームとウェーハ321の表面から回折された光ビームとの組合せを含み得る。二次光ビーム335の画像は、ウェーハ321上の投影パターンに対応することができる。
【0049】
[0060] いくつかの実施形態では、レベリングセンサ330は、光源331とウェーハ321との間の第1の光学系334と、ウェーハ321と検出器336との間の第2の光学系337とを更に含み得る。第1の光学系334は、一次光ビーム332をウェーハ321上に集束させるように構成された1つ又は複数の光学レンズを含むことができる。第2の光学系337は、二次光ビーム335を検出器336上に集束させるように構成された1つ又は複数の光学レンズを含むことができる。検出器360は、二次光ビーム335の画像を形成するために二次光ビーム335を検出する電荷結合素子(CCD)カメラ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサであり得る。
【0050】
[0061] いくつかの実施形態では、レベリングセンサ330は、関心領域(例えば、一次電子のプローブスポット)の高解像度検査画像を得ることができるように一次電子ビーム312が集束される位置でのウェーハ321の高さ変位を決定するために使用することができる。
【0051】
[0062] ここで、ウェーハ高さに応じたレベリングセンサ330の動作を示す、
図3Bを参照する。
図3Bでは、一次電子ビーム312の光軸は、参照番号312_1で垂直方向の点線として示されており、一次電子ビーム312のプローブスポット(例えば、102_1S、102_2S、又は102_3S)は、X軸におけるx=0に位置するものとして示されている。
図3Bに示すように、ウェーハ321がZ軸におけるターゲット高さ321_Tに位置決めされると、ウェーハ321上に投影される投影パターンの中心は、ウェーハ321上の一次電子ビーム312のプローブスポット(すなわち、x=0)と一致する。ウェーハ321がターゲット高さ321_Tよりも高い位置321_Hに位置決めされると、投影パターンの中心は、一次電子ビーム312のターゲットプローブスポットと一致しない(すなわち、ターゲットプローブスポットはx=0にある)。むしろ、投影パターンの中心は、位置x<0に位置決めされ得る。本開示の実施形態によれば、検出器336によって得られた画像に基づいて、ターゲットとされる一次ビーム312の焦点と一致するように、投影パターンの中心が右側に、すなわちx=0に移動するように、ウェーハ321の高さを下げる必要があると判断することができる。ウェーハ321がターゲット高さ321_Tよりも低い位置321_Lに位置決めされると、投影パターンの中心は、一次電子ビーム312のターゲットプローブスポットと一致しない(すなわち、ターゲットプローブスポットはx=0にある)。むしろ、投影パターンの中心は、位置x>0に位置決めされ得る。本開示の実施形態によれば、検出器336によって得られた画像に基づいて、ターゲットとされる一次ビーム312の焦点と一致するように、投影パターンの中心が左側に、すなわちx=0に移動するように、ウェーハ321の高さを上げる必要があると判断することができる。
【0052】
[0063]
図3Aに戻ると、レベリングセンサ330は、レベリングセンサ330の出力が分析され、ウェーハ高さを更に調節するために使用されるように、高さコントローラ340と通信し得る。高さコントローラ340は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば、
図1の電子ビーム検査システム100又は
図3Aの検査システム300)の一部であり得るか又はそれとは別個であり得ることが理解される。いくつかの実施形態では、高さコントローラ340は、コントローラ50の一部であり得、画像取得器、測定回路、又はストレージなどを含み得る。いくつかの実施形態では、高さコントローラ340は、画像処理システムを含み得、画像取得器、ストレージなどを含み得る。また、様々な実施形態では、高さコントローラ340は、レベリングセンサ330の一部であり得るか又はそれとは別個であり得ることが理解される。
【0053】
[0064]
図3Aに示すように、高さコントローラ340は、本開示の実施形態による信号プロセッサ341及びアナライザ342を含み得る。信号プロセッサ341は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例えば、信号プロセッサ341は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイス、及び同様のもの、又はそれらの組合せを含み得る。信号プロセッサ341は、中でもとりわけ、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機、又はそれらの組合せなどの媒体を通して検出器336に通信可能に結合され得る。信号プロセッサ341は、検出器336から信号を受信し、検出器336からの信号に基づいて光強度画像を構築するように構成され得る。
【0054】
[0065] いくつかの実施形態では、アナライザ342は、ウェーハ321がターゲット高さに位置決めされているかどうか又はウェーハ321がターゲット高さから変位しているかどうかを判断するように構成され得る。アナライザ342は更に、ウェーハ321の垂直変位の程度を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アナライザ342は、ウェーハ321上の投影パターンの測定データを基準データと相互相関させるように構成される。いくつかの実施形態では、アナライザ342は、ウェーハ321上の投影パターンの光強度画像を所定の基準光強度画像と相互相関させるように構成することができる。本開示の実施形態によれば、基準光強度画像は、ターゲットウェーハ321を検査するために現在使用されている投影パターンと同等の投影パターンを使用することによって得られる光強度画像であり得る。いくつかの実施形態では、基準光強度画像は、公称基準ウェーハ上に投影パターンを投影し、次いで公称基準ウェーハ上の投影パターンの投影されたパターンを測定することによって得ることができる。ここでは、基準ウェーハは、平坦面を有し、基準光強度画像を撮影するときにターゲット位置に(例えば、ターゲット高さに)配置することができる。いくつかの実施形態では、基準光強度画像は、ターゲットウェーハ321を検査する前に撮影することができ、検査システム300の内部又は外部に位置することができるストレージ(図示せず)に格納され得る。アナライザ342は、ストレージに格納された基準光強度画像にアクセスすることができ、又は必要に応じてストレージから基準光強度画像を受け取ることができる。
【0055】
[0066] いくつかの実施形態では、アナライザ342は、漸減する投影パターンに対応する測定された光強度画像と基準光強度画像との相互相関結果に基づいて、ウェーハ321の垂直変位を決定することができる。投影パターンの中心が位置x=0(例えば、一次電子ビームの焦点)と一致しない場合、相互相関グラフは、x≠0において最大ピーク値を有する。いくつかの実施形態では、アナライザ342は、シフトに基づいてウェーハ321の垂直変位を決定することができる。例えば、相互相関グラフの最大ピーク値がx=5にある場合、アナライザ342は、ウェーハ321を上昇させて投影パターンの中心Cを位置x=0に移動させるべきであると判断することができる。相互相関グラフの最大ピーク値がx=-5にある場合、アナライザ342は、ウェーハ321を下降させて投影パターンの中心Cを位置x=0に移動させるべきであると判断することができる。いくつかの実施形態では、アナライザ342は、相互相関グラフの最大ピーク値のシフト量に基づいて、ウェーハ321の垂直変位を決定することができる。いくつかの実施形態では、ウェーハの垂直変位と投影パターンのシフト量との関係は、実験、測定、試験などに基づいて予め確立することができる。
【0056】
[0067] いくつかの実施形態では、高さコントローラ340は、決定された垂直変位に応じてウェーハ321の高さを調節するように構成されたステージ動作コントローラ343を更に含むことができる。ステージ動作コントローラ343は、アナライザ342によって決定された垂直変位に基づいてウェーハ321を移動させるようにステージ320を制御し得る。
【0057】
[0068] いくつかの実施形態では、高さコントローラ340は、決定された垂直変位に応じて電子ビーム312の焦点面を調節するように構成されたビームコントローラ344を更に含むことができる。ビームコントローラ344は、アナライザ342によって決定された垂直変位に基づいて電子ビーム312の焦点をz軸の上方又は下方に移動させるように、電子ビーム312の着地エネルギー(例えば、電圧)を調節し得る。
【0058】
[0069]
図3A及び
図3Bの前述の実施形態は、単一のターゲット高さ(例えば、ターゲット高さ321_T)に対するウェーハ321の偏差又は垂直変位を決定するために使用され得るレベリングセンサ330について述べる。以下の段落では、複数のターゲット高さに対するウェーハ321の垂直変位を決定するために使用され得るレベリングセンサについて説明する。いくつかの実施形態では、ターゲット高さは、電子ビームツール310の底面である表面460などの基準面とZ軸における電子ビーム312の焦点との間の距離である。換言すれば、ターゲット高さは、規定の着地エネルギーの電子ビーム312がウェーハ321上に集束するz軸におけるターゲット平面と電子ビームツール310の表面460との間の距離である。
【0059】
[0070]
図4Aは、本開示の実施形態と一致する、マルチ作用高さレベリングセンサ430を備えた検査システム400を示す。いくつかの実施形態では、検査システム400は、検査システム300と同様である。検査システム400などの、いくつかの検査システムは、ウェーハ321を検査するための様々な着地エネルギーの電子ビームを使用し得る。着地エネルギーが変化すると、電子ビームの焦点が変化し、その結果、様々な高さ(例えば、第1のターゲット高さ421a、第2のターゲット高さ421b、第3のターゲット高さ421c、又は他のターゲット高さ)にウェーハ321を位置決めする必要が生じる。従って、マルチ着地エネルギーシステムは、様々な着地エネルギーをサポートするために、複数のターゲット高さの各々におけるウェーハ321の高さ変位の検出を必要とする場合がある。例えば、第1のターゲット高さ421aは、電子ビーム312の第1の着地エネルギーでの6mmであり得、第2のターゲット高さ421bは、電子ビーム312の第2の着地エネルギーでの4.5mmであり得、第3のターゲット高さ421cは、電子ビーム312の第3の着地エネルギーでの1.5mmであり得、レベリングセンサ430は、これらのターゲット高さの各々におけるウェーハ321の垂直変位及びレベルを検出しなければならない場合がある。レベリングセンサ430は、レベリングセンサ430の出力が分析され、ウェーハの高さを更に調節するために使用されるように、高さコントローラ340などの、コントローラ回路と通信し得る。
【0060】
[0071] いくつかの実施形態では、レベリングセンサ430は、放射源431と、ビームスプリッタコンポーネント404と、受光コンポーネント408と、検出器436とを含み得る。放射源431は、選択的光透過性物体433を通して一次光ビーム432をウェーハ321上に投影する。ビームスプリッタコンポーネント404は、一次光ビーム432を、ビームレット433a~cなどの、多数のビームレットに分割し、これらのビームレットの各々は、ウェーハ321の異なる位置においてウェーハ321上に投影される。選択的光透過性物体333を通過した一次光ビーム332によって形成される投影パターンは、一次ビームレット433a~cによって異なる位置でウェーハ321上に投影される。一次ビームレット433a~cは、ウェーハ321の表面に当たると、それぞれ二次ビームレット435a~cとしてウェーハ321から反射又は回折される。例えば、一次ビームレット433aは、現在の高さ421xに位置決めされたウェーハ321から、二次ビームレット435aとして反射又は回折され、一次ビームレット433bは、二次ビームレット435bとして反射又は回折され、一次ビームレット433cは、二次ビームレット435cとして反射又は回折され、以下同様である。二次ビームレット435a~cは、受光コンポーネント408によって受光され、この受光コンポーネント408は、二次ビームレット435a~cを二次光ビーム435として検出器436に更に誘導する。検出器436は、各画像が異なる二次ビームレット435a~cによって形成される複数の画像を形成するために、二次ビームレット435a~cを検出する。例えば、第1の画像は、二次ビームレット435aによって形成され、第2の画像は、二次ビームレット435bによって形成され、第3の画像は、二次ビームレット435cによって形成され、以下同様である。更に、各画像は、ウェーハ321上の異なる関心領域(ROI)におけるウェーハ321上の投影パターンに対応する。例えば、第1の画像は、第1のROI 445aの画像に対応し、第2の画像は、第2のROI 445bに対応し、第3の画像は、第3のROI 445cに対応し、以下同様である。
【0061】
[0072] いくつかの実施形態では、受光コンポーネント408は、光反射コンポーネント408a~cなどの、多数の光反射コンポーネントを含む。一例として、光反射コンポーネントは、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー、又は他の光反射コンポーネントを含み得る。光反射コンポーネント408a~cは、異なるターゲット高さ(例えば、複数のターゲット高さに対するウェーハ321の垂直変位の決定)をサポートするように特定の角度で配置される。すなわち、各光反射コンポーネントは、異なるターゲット高さに対するウェーハ321の垂直変位の決定を補助するように構成される。例えば、第1の光反射コンポーネント408aは、第1のターゲット高さ421aに対するウェーハ321の垂直変位の検出を補助するように構成され得、第2の光反射コンポーネント408bは、第2のターゲット高さ421bに対するウェーハ321の垂直変位の検出を補助するように構成され得、第3の光反射コンポーネント408cは、第3のターゲット高さ421cに対するウェーハ321の垂直変位の検出を補助するように構成され得、以下同様である。
【0062】
[0073] 検出器436によって検出された画像は、特定のターゲット高さに対するウェーハ321の垂直変位を検出するために、高さコントローラ340を使用して分析される。少なくとも
図3A及び
図3Bを参照して説明したように、高さコントローラ340は、ウェーハ321上に投影されたパターンの検出画像又は測定画像を基準画像と比較することによって規定のターゲット高さに対するウェーハ321の垂直変位を決定するように構成され得る。例えば、第1のターゲット高さ421aに対するウェーハ321の第1の垂直変位451aを決定するために、高さコントローラ340は、第1のターゲット高さ421aをサポートするように構成された第1の光反射コンポーネント408aを介して形成された、ウェーハ321上に投影されたパターンの第1の画像を第1のターゲット高さ421aに対応する基準画像と比較するように構成され得る。いくつかの実施形態では、基準画像は、規定のターゲット高さに位置決めされた公称基準ウェーハ上に投影パターンを投影し、次いで公称基準ウェーハ上の投影パターンの投影されたパターンを測定することによって得られ得る。いくつかの実施形態では、第1のターゲット高さ421aに対応する基準画像は、第1のターゲット高さ421aに位置決めされた公称基準ウェーハ上に投影パターンを投影し、次いで公称基準ウェーハ上の投影パターンの投影されたパターンを測定することによって得られ得る。いくつかの実施形態では、検出画像を基準画像と比較することは、少なくとも
図3A及び
図3B又は、全体が参照により組み込まれる、米国仮特許出願第62/989,488を参照して説明するように、検出画像の光強度画像を基準画像の光強度画像と相互相関させることと、相互相関に基づいてウェーハ321の垂直変位を決定することとを含む。
【0063】
[0074] 第1のターゲット高さ421aに位置決めされるようにウェーハ321がその現在の高さ421xからz軸を移動しなければならない高さの量である、第1の垂直変位451aを決定した後に、高さコントローラ340によって、ウェーハ321が第1のターゲット高さ421aに位置決めされ得るように、ステージ320の高さが、第1の垂直変位451aに基づいて調節され得る。例えば、高さコントローラ340は、第1の垂直変位451aに基づいて現在の高さ421xから第1のターゲット高さ421aにウェーハ321を移動させるようにステージ320をステージ動作コントローラ343に制御させる制御信号を生成し得る。
【0064】
[0075] 第2のターゲット高さ421b及び第3のターゲット高さ421cに対する垂直変位も同様に決定され得る。例えば、第2のターゲット高さ421bに対するウェーハ321の第2の垂直変位451bを決定するために、高さコントローラ340は、第2のターゲット高さ421bをサポートするように構成された第2の光反射コンポーネント408bを介して形成された、ウェーハ321上に投影されたパターンの第2の画像を第2のターゲット高さ421bに対応する基準画像と比較するように構成され得る。別の例では、第3のターゲット高さ421cに対するウェーハ321の第3の垂直変位451cを決定するために、高さコントローラ340は、第3のターゲット高さ421cをサポートするように構成された第3の光反射コンポーネント408cを介して形成された、ウェーハ321上に投影されたパターンの第3の画像を第3のターゲット高さ421cに対応する基準画像と比較するように構成され得る。
【0065】
[0076] 前述の段落では、垂直変位451a~cに基づいてステージ320の高さを調節することについて説明したが、いくつかの実施形態では、電子ビーム312の焦点は、ステージ320の高さを調節することに加えて又はその代わりに、垂直変位を補償するように調節され得る。例えば、ビームコントローラ344は、第1のターゲット高さ421aに対するウェーハ321の第1の垂直変位451aを補償するために、電子ビーム312が、第1のターゲット高さ421aに集束する代わりに、現在の高さ421xに集束するように、第1の垂直変位451aに基づいて電子ビーム312の焦点を調節するように構成され得る。別の例では、ビームコントローラ344は、電子ビーム312が現在の高さ421xと第1のターゲット高さ421atとの間の特定の高さに集束するように、第1の垂直変位451aの一部に基づいて電子ビーム312の焦点を調節するように構成され得、ステージ動作コントローラ343は、ステージ320が特定の高さに位置決めされるように、第1の垂直変位451aの残りの部分に基づいてステージ320の高さを調節するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ビームコントローラ344は、電子ビーム312の着地エネルギー(例えば、電圧)を調節することによって電子ビーム312の焦点を変化させ得る。垂直変位を補償するために電子ビーム312の焦点を調節することに関する更なる詳細が、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2020/136094号で説明されている。
【0066】
[0077] いくつかの実施形態では、ビームスプリッタコンポーネント404は、例えば、第1のビームスプリッタ404a、第2のビームスプリッタ404b、第3のビームスプリッタ404cなどの、多数のビームスプリッタを含む。一例として、ビームスプリッタは、プリズム、ミラー、又は他のビーム分割コンポーネントであり得る。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタは、非偏光ビーム分割素子であり得る。いくつかの実施形態では、ビームスプリッタは、例えば、ビームレット433a~cがウェーハ321の表面に当たるときに全てのビームレット433a~cが同じエネルギーを有することを確実にするために、反射対透過比を変化させるように構成され得る。ビームスプリッタは、各ビームスプリッタが、対応するビームレットを異なるターゲット高さに誘導するように、異なる角度で構成され得る。例えば、第1のビームスプリッタ404aは、一次ビームレット433aが第1のターゲット高さ421aに誘導されるような、すなわち、ウェーハ321が第1のターゲット高さ421aに位置決めされると、一次ビームレット433aが入射し、対応する二次ビームレット435xが、ウェーハ321から、ウェーハ321上の所望のプローブスポット445zから反射されるような角度で位置決めされる。例を続けると、第2のビームスプリッタ404bは、一次ビームレット433bが第2のターゲット高さ421bに誘導されるような、すなわち、ウェーハ321が第2のターゲット高さ421bに位置決めされると、一次ビームレット433bが入射し、対応する二次ビームレット435yが、ウェーハ321から、ウェーハ321上の所望のプローブスポット445zから反射されるような角度で位置決めされ得る。同様に、第3のビームスプリッタ404cは、一次ビームレット433cが第3のターゲット高さ421cに誘導されるような、すなわち、ウェーハ321が第3のターゲット高さ421cに位置決めされると、一次ビームレット433cが入射し、対応する二次ビームレット435zが、ウェーハ321から、ウェーハ321上の所望のプローブスポット445zから反射されるような角度で位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、プローブスポット445zは、ウェーハ321が規定のターゲット高さに位置決めされたときに規定の着地エネルギーの電子ビーム312が集束するウェーハ321の一部であり得る。
【0067】
[0078] いくつかの実施形態では、ビームスプリッタコンポーネント404及び受光コンポーネント408は、検査システム400内に対称に配置され得る。例えば、ビームスプリッタコンポーネント404及び受光コンポーネント408は、一次電子ビーム312の光軸312_1(例えば、
図3Bに示す)に沿って対称に配置され得る。
【0068】
[0079] いくつかの実施形態では、検出器436は、検出器336と同じように、各画像が異なる二次ビームレット435a~cに対応する複数の画像を形成するために、二次光ビーム435を検出するCCDカメラ又はCMOSセンサであり得る。いくつかの実施形態では、検出器436は、各センサが複数の画像のうちの異なる画像を検出する複数のセンサを含み得る。
【0069】
[0080] いくつかの実施形態では、放射源431は、広帯域放射又は狭帯域放射を提供し得る構成可能な光源を含み得る。例えば、放射源431は、異なる波長の放射を結合して、広い波長範囲(例えば、250nm~10μm、又は他の範囲)を有する一次光ビーム432を生成し得る。かかる波長範囲は、光源401a、401b、又は401cなどの、様々なタイプの光源からの放射を結合することによって得られ得る。一例として、光源401a、401b、又は401cは、発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)、レーザダイオード、量子カスケードレーザ、又は他のタイプの光源を含み得る。いくつかの実施形態では、放射源431は、放射合成コンポーネント(例えば、Xキューブプリズム、又は他の照明結合コンポーネント)を使用して、光源401a、401b、又は401cからの放射を結合し得る。ビームスプリッタコンポーネント404を通過した、放射源431からの一次光ビーム432は、複数の一次ビームレット433a~cに分割され得る。いくつかの実施形態では、一次光ビーム432は一次ビームレット433a~cに分割されるが、一次光ビーム432の波長は、一次ビームレット433a~c間で分割されず、一次ビームレット433a~cの各々は、一次光ビーム432の全ての波長を有し得る。従って、一次光ビーム432が広帯域スペクトルを有する場合、一次ビームレット433a~cの各々は、広帯域光を含み得る。いくつかの実施形態では、ウェーハ321を撮像するために広帯域光を使用することによって、材料の変化と測定に対する材料の影響とが、広帯域スペクトル内の一次光ビーム432の波長を調整することによって補償され得るので、ウェーハ321の垂直変位を測定する際のウェーハ321の表面に対する材料の影響が最小限に抑えられ得る。
【0070】
[0081] レベリングセンサ430は、レベリングセンサ330と異なり、複数のターゲット高さに対するウェーハ321の垂直変位を決定するためにレベリングセンサ430が使用され得る点において、
図3Aのレベリングセンサ330と異なるが、レベリングセンサ430は、レベリングセンサ330のコンポーネントと同様である少なくともいくつかのコンポーネントを含み得る。例えば、レベリングセンサ430は、光源431とウェーハ321との間の、第1の光学系334のような、第1の光学系434と、ウェーハ321と検出器436との間の、第2の光学系337のような、第2の光学系437とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の光学系434は、一次光ビーム432をウェーハ321上に集束させるように構成された1つ又は複数の光学レンズを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の光学系437は、二次光ビーム435を検出器436上に集束させるように構成された1つ又は複数の光学レンズを含み得る。
【0071】
[0082] いくつかの実施形態では、ウェーハ321が傾きを有する(例えば、表面460に平行でない)場合には、ウェーハ321が電子ビームツール310の表面460に接触することがあり、その結果、引っかき傷及びアーク放電が生じる可能性がある。かかる有害事象は、ウェーハ321のレベルを決定し、ウェーハ321が表面460に平行でない場合にレベルを補正することによって防止され得る。いくつかの実施形態では、レベリングセンサ430は、検査システム400の基準面に対するウェーハ321のレベルを決定するためにも使用され得る。例えば、レベリングセンサ430は、ウェーハ321が電子ビームツール310の表面460に平行であるかどうかを判断するために使用され得る。
【0072】
[0083]
図5は、本開示の実施形態と一致する、ウェーハのレベルを決定するためのレベリングセンサの動作を示す概略図である。
図5は、検査システム400のレベリングセンサ430及び光学顕微鏡502を伴う電子ビームツール310の上面
図500、レベリングセンサ430を伴う電子ビームツール310の正面
図525、及び光学顕微鏡502を伴う電子ビームツール310の正面
図550を示す。いくつかの実施形態では、検査システム400は、ウェーハ321上に印刷されたパターンを撮像すること、ウェーハ321を位置合わせすること、及び他の目的を含む、様々な目的で使用され得る、光学顕微鏡502を含む。光学顕微鏡502はまた、ウェーハ321のレベルを決定するためのレベリングセンサ430と共に使用され得る。
【0073】
[0084] いくつかの実施形態では、規定のターゲット高さにおけるステージ320又はウェーハ321の第1の高さは、式を使用してレベルセンサの軸BB’に沿ったウェーハ表面プロファイルを測定することによって(例えば、レベリングセンサ330又はレベリングセンサ430を使用して)測定され得る。
【数1】
ここで、z(k)は、位置kにおける高さであり、H(k)は、検出器436上のパターンシフトであり、Mは倍率であり、φは一次光ビーム入射角である。電子ビームツール310の中心である、位置「k=0」におけるこの第1の高さは、式(1)を使用して測定され、z(0)と呼ばれることがある。定数Cは、2つ以上の位置における高さに基づいて測定され得る。例えば、k=0である場合、
【数2】
が得られる。k=0からx軸に沿った別の位置、例えばk=aにステージをシフトさせることによって、
【数3】
が得られる。定数Cは、以下のように式1Bと式1Cを等式化することによって決定され得る。
z1(0)=Z2(a) (1D)
【0074】
[0085] レベリングセンサ430の軸BB’に直交する軸CC’に沿った、電子ビームツール310とウェーハ321との間の第1の傾斜角αは、
【数4】
として表現され得る。
【0075】
[0086] いくつかの実施形態では、電子ビームツール310及びウェーハ321は、投影方向BB’に沿って回転し得るので、1次元情報では、ウェーハ321を表面460と位置合わせするのに十分でない場合がある。いくつかの実施形態では、ウェーハ321が電子ビームツール310の表面460に平行であることを保証するために、別の方向での傾きの測定が必要となる場合がある。そのような追加の傾き測定は、光学顕微鏡502などの検査システム400の既存のコンポーネントを使用して達成されることがあり、それにより、新たなセンサが不要になる。上面
図500は、検査システム400におけるレベリングセンサ430と光学顕微鏡502との相対的位置を示す。いくつかの実施形態では、光学顕微鏡502は、ウェーハ321のy軸に沿った傾きの測定値を得るために、ウェーハのx軸に沿って位置決めされ得る。ステージ320の高さは、ウェーハ321の鮮明な画像を得るために光学顕微鏡502の焦点面に合わせて調節され得、この高さは、ZAと呼ばれる。y軸に沿ったウェーハ321の第2の傾きβは、式を使用して表され得る。
【数5】
ここで、Lは、電子ビームツール310の中心「0」と光学顕微鏡502の中心「A」との間の距離である。
【0076】
[0087] 軸CC’に沿った第1の傾きαと、y軸に沿った第2の傾きβとに基づいて、x軸に沿った第3の傾きγは、以下のように算出され得る。
【数6】
ここで、θは、x軸とレベリングセンサ430のBB’軸との間の角度である。上記の式を解くことによって、x軸に沿った第3の傾きγが得られ得る。
【0077】
[0088] いくつかの実施形態では、様々な傾きの上記の測定値は、高さコントローラ340を使用して得られ得る。上記の傾き測定値の1つ又は複数を得た後に、高さコントローラ340は、ウェーハ321が電子ビームツール310の表面460に平行になるように、上記の傾き測定値に基づいてステージ320の高さを調節するように構成され得る。
【0078】
[0089] 高さコントローラ340は、様々な方法で実装され得る。例えば、高さコントローラ340は、レベリングセンサ430の一部であり得る。別の例では、高さコントローラ340は、ウェーハ321の画像を得るために使用される、SEMの一部であり得る。別の例では、高さコントローラ340は、分散方式で、例えば、検査システム400内の第1の部分と、クラウドベースシステムなどの、検査システム400に対して遠く離れたコンピュータシステム内の第2の部分とで実装され得る。クラウドベースシステムの実装において、いくつかの実施形態では、高さコントローラ340の第1の部分は、検出器436によって捕捉された画像をクラウドベースシステム内の高さコントローラ340の第2の部分に送信し得る。高さコントローラ340の第2の部分は、ウェーハ321の垂直変位又は水平度を決定するために画像を分析し、ステージ320を調節するために第1の部分に制御信号を送信し得る。次いで、第1の部分は、ウェーハ321が規定のターゲット高さにあること又は電子ビームツール310の表面460に平行であることを確実にするために、ウェーハ321の垂直変位又は水平度に基づいてステージ320を調節し得る。
【0079】
[0090]
図4Bは、本開示の実施形態と一致する、第2のマルチ作用高さレベリングセンサ475を示す。いくつかの実施形態では、第2のマルチ作用高さレベリングセンサ475は、
図4Aのマルチ作用高さレベリングセンサ430と同様の方法で動作し得る。しかしながら、第2のマルチ作用高さレベリングセンサ475の放射源471は、レベリングセンサ430の放射源431と異なるように構成され得る。例えば、放射源471は、ダイクロイックミラー472a、472b、又は472cを使用して、光源401a、401b、又は401cからの放射を異なる波長と結合して、一次光ビーム432を生成し得る。レベリングセンサ475の他のコンポーネントは、レベリングセンサ430と同様に動作するので、それらの説明は、簡潔にするために省略されている。
【0080】
[0091]
図4Cは、本開示の実施形態と一致する、第3のマルチ作用高さレベリングセンサ480を示す。いくつかの実施形態では、第3のマルチ作用高さレベリングセンサ480は、
図4Aのマルチ作用高さレベリングセンサ430と同様の方法で動作し得る。しかしながら、第3のマルチ作用高さレベリングセンサ480は、単一の検出器436を有し得るレベリングセンサ430と異なり、複数の検出器486a~cを有し得る。同様に、第3のマルチ作用高さレベリングセンサ480は、単一の光学レンズ系437を有し得るレベリングセンサ430と異なり、ウェーハ321と検出器486a~cとの間に複数の光学レンズ487a~cを有し得る。いくつかの実施形態では、ウェーハ321から反射又は回折された各二次ビームレット(例えば、二次ビームレット435a~c)は、受光コンポーネント408によって、レベリングセンサ480内の光学レンズと検出器との異なる対に誘導される。例えば、第1のターゲット高さ421aをサポートするように構成される、第1の光反射コンポーネント408aは、二次ビームレット435aを光学レンズ487aと検出器486aとの対に誘導するように構成される。同様に、第2のターゲット高さ421bをサポートするように構成される、第2の光反射コンポーネント408bは、二次ビームレット435bを光学レンズ487bと検出器486bとの対に誘導するように構成される。同様に、第3のターゲット高さ421cをサポートするように構成される、第3の光反射コンポーネント408cは、二次ビームレット435cを光学レンズ487cと検出器486cとの対に誘導するように構成される。よって、検出器486a~cの各々は、異なるターゲット高さに対応する異なる画像を有する。
【0081】
[0092] レベリングセンサ480の光反射コンポーネント408a~cは、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー、又は他の光反射コンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態では、光反射コンポーネント408a~cは、ダイクロイックミラーである。レベリングセンサ480の他のコンポーネントは、レベリングセンサ430と同様に動作するので、それらの説明は、簡潔にするために省略されている。
【0082】
[0093]
図4Dは、本開示の実施形態と一致する、第4のマルチ作用高さレベリングセンサ490を示す。いくつかの実施形態では、第4のマルチ作用高さレベリングセンサ490は、
図4Aのマルチ作用高さレベリングセンサ430と同様の方法で動作し得る。しかしながら、第4のマルチ作用高さレベリングセンサ490は、単一の検出器436を有し得るレベリングセンサ430と異なり、複数の検出器496a~cを有し得る。いくつかの実施形態では、ウェーハ321から反射又は回折された各二次ビームレット(例えば、二次ビームレット435a~c)は、受光コンポーネント408によって、レベリングセンサ480内の異なる検出器に誘導される。例えば、第1のターゲット高さ421aをサポートするように構成される、第1の光反射コンポーネント408aは、二次ビームレット435aを検出器496aに誘導するように構成される。同様に、第2のターゲット高さ421bをサポートするように構成される、第2の光反射コンポーネント408bは、二次ビームレット435bを検出器496aに誘導するように構成される。同様に、第3のターゲット高さ421cをサポートするように構成される、第3の光反射コンポーネント408cは、二次ビームレット435cを検出器496cに誘導するように構成される。よって、検出器496a~cの各々は、異なるターゲット高さに対応する異なる画像を有する。
【0083】
[0094] レベリングセンサ490の光反射コンポーネント408a~cは、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー、又は他の光反射コンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態では、光反射コンポーネント408a~cは、ダイクロイックミラーである。レベリングセンサ490の他のコンポーネントは、レベリングセンサ430と同様に動作するので、それらの説明は、簡潔にするために省略されている。
【0084】
[0095]
図6は、本開示の実施形態と一致する、複数のターゲット高さに対するウェーハの偏差値又は垂直変位を決定するプロセス600のフロー図である。動作P601において、レベルセンサ(例えば、レベリングセンサ430)の放射源からの放射ビームは、パターンを通過して、パターンをウェーハ上に投影する。例えば、一次光ビーム432は、選択的光透過性物体433を通過して、対応するパターンをウェーハ321上に投影する。いくつかの実施形態では、一次光ビーム432は、各々がウェーハ321に反射する複数のビームレット(例えば、一次ビームレット433a~c)に分割される。各ビームレットは、複数の波長(例えば、広帯域スペクトルを有し得る、一次光ビーム432の全ての波長)の光を含み得る。一次ビームレット433a~cは、それぞれ二次ビームレット435a~cとしてウェーハ321に反射する。
【0085】
[0096] 動作P603において、パターンの複数の画像605は、ウェーハ321に反射するビームレットに基づいて生成される。いくつかの実施形態では、各画像は、異なるビームレットによって形成され、異なるターゲット高さに対するウェーハ321の偏差値(又は垂直変位)の測定をサポートする。例えば、第1の画像605aは、二次ビームレット435aに基づいて形成され、(例えば、少なくとも
図4Aを参照して説明したように)第1のターゲット高さ421aに対するウェーハ321の第1の垂直変位451aの測定をサポートする。同様に、第2の画像605bは、二次ビームレット435bに基づいて形成され、第2のターゲット高さ421bに対するウェーハ321の第2の垂直変位451bの測定をサポートする。同様に、第3の画像605cは、二次ビームレット435cに基づいて形成され、第3のターゲット高さ421cに対するウェーハ321の第3の垂直変位451cの測定をサポートする。
【0086】
[0097] 動作P605において、第1のターゲット高さ421aからのウェーハ321の第1の垂直変位451aは、第1のターゲット高さ421aに対するウェーハ321の垂直変位の測定をサポートする第1の画像605aに基づいて決定される。例えば、第1の画像605aは、(例えば、少なくとも
図3A、
図3B、
図4Aを参照して説明したように)第1のターゲット高さ421aに対応する基準画像と比較され、第1の垂直変位451aは、比較に基づいて決定される。
【0087】
[0098] 第1のターゲット高さ421aに位置決めされるようにウェーハ321がその現在の高さ421xからz軸を移動しなければならない高さの量である、第1の垂直変位451aを決定した後に、高さコントローラ340によって、ウェーハ321が第1のターゲット高さ421aに位置決めされ得るように、ステージ320の高さが、第1の垂直変位451aに基づいて調節され得る。代替的に、又はステージ320の高さを調節することに加えて、高さコントローラ340によって、電子ビーム312の焦点が、第1の垂直変位451aに基づいて、例えば、第1のターゲット高さ421aではなく、現在の高さ421xに焦点を合わせるように、調節され得る。
【0088】
[0099]
図7は、本開示の実施形態と一致する、ウェーハの水平度を決定するプロセス700のフロー図である。動作P701において、ウェーハ321の第1の高さは、レベリングセンサ(例えば、レベリングセンサ430)を使用して得られる。電子ビームツール310の中心である、位置「0」における第1の高さ705z(0)は、少なくとも
図5を参照して説明した式(1)を使用して測定される。
【0089】
[00100] 動作P703において、第1の軸に沿ったウェーハ321の第1の傾きは、第1の高さ705に基づいて決定される。例えば、レベリングセンサ430の軸BB’に直交する軸CC’に沿った、電子ビームツール310とウェーハ321との間の第1の傾き707αは、少なくとも
図5を参照して説明した式(2)を使用して第1の高さ705に基づいて得られる。
【0090】
[00101] 動作P705において、y軸に沿ったウェーハ321の第2の傾きは、第1の高さ705と、ウェーハ321のx軸から測定された第2の高さと、検査システムの基準点とx軸上の検査システムの光学顕微鏡の中心との間の距離とに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、第2の高さは、ウェーハ321が光学顕微鏡502の焦点面に位置する高さに相当する。よって、ステージ320の高さは、ウェーハ321が光学顕微鏡502の焦点面に位置するまで調節され、この高さは、第2の高さZAである。いくつかの実施形態では、距離Lは、電子ビームツール310の中心「O」と光学顕微鏡502の中心「A」との間の距離として決定される。次いで、第2の傾き709βは、少なくとも
図5を参照して説明した式(3)を使用して、第1の高さ705と第2の高さZAと距離Lとに基づいて決定される。
【0091】
[00102] 動作P707において、x軸に沿ったウェーハ321の第3の傾きは、第1の傾き707と、第2の傾き709と、x軸とレベリングセンサ430の軸との間の角度とに基づいて決定される。例えば、x軸に沿った第3の傾き711γは、少なくとも
図5を参照して説明した式4~7を使用して、軸CC’に沿った第1の傾き707αと、y軸に沿った第2の傾きβと、x軸とレベリングセンサ430のBB’軸との間の角度であるθとに基づいて得られ得る。
【0092】
[00103] 上記の傾き測定値の1つ又は複数を得た後に、高さコントローラ340は、ウェーハ321が電子ビームツール310の表面460に平行になるように、上記の傾き測定値に基づいてステージ320の高さを調節するように構成され得る。
【0093】
[00104]
図8は、本明細書で開示される方法、フロー、モジュール、コンポーネント、又は装置の実現を補助できるコンピュータシステム800を示すブロック図である。コンピュータシステム800は、バス802又は情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス802と結合されたプロセッサ804(又は複数のプロセッサ804及び805)とを含む。コンピュータシステム800はまた、プロセッサ804によって実行される情報及び命令を格納するためにバス802に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどの、メインメモリ806を含む。メインメモリ806は、プロセッサ804によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を格納するためにも使用され得る。コンピュータシステム800は、プロセッサ804のための静的情報及び命令を格納するためにバス802に結合されたリードオンリーメモリ(ROM)808又は他の静的ストレージデバイスを更に含む。情報及び命令を格納するための、磁気ディスク又は光ディスクなどの、ストレージデバイス810が設けられ、バス802に結合される。
【0094】
[00105] コンピュータシステム800は、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)又はフラットパネル又はタッチパネルディスプレイなどの、ディスプレイ812にバス802を介して結合され得る。英数字及び他のキーを含む、入力デバイス814は、情報及びコマンド選択をプロセッサ804に通信するためにバス802に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ804に方向情報及びコマンド選択を通信するため、及びディスプレイ812上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどの、カーソル制御部816である。この入力デバイスは、典型的には、2つの軸(第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy))において、デバイスがある平面内の位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(画面)ディスプレイもまた、入力デバイスとして使用され得る。
【0095】
[00106] 一実施形態によれば、本明細書で説明される1つ又は複数の方法の一部は、メインメモリ806に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ804に応答して、コンピュータシステム800によって実施され得る。このような命令は、ストレージデバイス810などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ806に読み込まれ得る。メインメモリ806に含まれる命令のシーケンスの実行によって、プロセッサ804が、本明細書で説明されるプロセスステップを実施する。また、メインメモリ806に含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサが用いられ得る。代替的な実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路が使用され得る。従って、本明細書における説明は、ハードウェア回路とソフトウェアとの特定の組合せに限定されるものではない。
【0096】
[00107] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ804に命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。このような媒体は、限定されるものではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む、多くの形態を取り得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス810などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ806などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス802を含むワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバを含む。伝送媒体はまた、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態を取ることもできる。コンピュータ可読媒体の共通の形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有する他の任意の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、以下で説明するような搬送波、又はコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体を含む。
【0097】
[00108] 1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行のためにプロセッサ804に搬送することに、様々な形態のコンピュータ可読媒体が関与し得る。例えば、命令は初めに、遠隔コンピュータの磁気ディスクへ運ばれ得る。遠隔コンピュータは、命令をダイナミックメモリにロードし、モデムを使用して電話回線を介して命令を送信することができる。コンピュータシステム800に対してローカルなモデムは、電話回線でデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス802に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、そのデータをバス802に載せることができる。バス802はデータをメインメモリ806に搬送し、メインメモリ806からプロセッサ804が命令を取り出して実行する。メインメモリ806によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ804による実行の前又は後に、ストレージデバイス810に格納され得る。
【0098】
[00109] コンピュータシステム800はまた、バス802に結合された通信インターフェース818を含み得る。通信インターフェース818は、ローカルネットワーク822に接続されるネットワークリンク820に結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース818は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムであり得る。別の例として、通信インターフェース818は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。ワイヤレスリンクが実装される場合もある。そのような実装形態では、通信インターフェース818は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0099】
[00110] ネットワークリンク820は、典型的には、1つ又は複数のネットワークを通して、他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク820は、ローカルネットワーク822を通じて、ホストコンピュータ824への又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)826によって操作されるデータ機器への接続を提供し得る。次に、ISP826は、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在、一般に「インターネット」828と呼ばれる)を通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク822とインターネット828は両方とも、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、又は光信号を使用する。コンピュータシステム800に対して及びコンピュータシステム800からデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを通る信号、並びにネットワークリンク820上の及び通信インターフェース818を通る信号は、情報を運ぶ搬送波の例示的な形態である。
【0100】
[00111] コンピュータシステム800は、1つ又は複数のネットワーク、ネットワークリンク820、及び通信インターフェース818を通して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネット例では、サーバ830は、インターネット828、ISP826、ローカルネットワーク822、及び通信インターフェース818を通して、アプリケーションプログラム用の要求コードを送信し得る。そのようなダウンロードされたあるアプリケーションは、例えば、本明細書で説明される方法の全て又は一部を提供し得る。受信されたコードは、受信された際にプロセッサ804によって実行され得、及び/又は後で実行するためにストレージデバイス810若しくは他の不揮発性ストレージに格納され得る。このようにして、コンピュータシステム800は、搬送波の形態のアプリケーションコードを得ることがある。
【0101】
[00112] 実施形態は、以下の条項を使用して更に説明され得る。
1.放射ビームを提供するように構成された放射源と、
各々が基板に反射する複数のビームレットに放射ビームを分割するように構成されたビームスプリッタと、
複数の光反射コンポーネントであって、各光反射コンポーネントは、ビームレットの1つに関連付けられ、基板に反射する関連付けられたビームレットに基づいて基板の高さ又は水平度の検出を可能にすることによって基板に対する異なるターゲット高さをサポートするように構成される、複数の光反射コンポーネントと
を含む、検査装置。
2.光反射コンポーネントからビームレットを受け取ることによって、基板上に投影されたパターンの複数の画像を検出するように構成された検出器であって、各画像は異なるビームレットによって形成される、検出器を更に含む、条項1に記載の検査装置。
3.異なるターゲット高さの第1のターゲット高さに対応する基準画像と画像の第1の画像を比較し、比較に基づいて第1のターゲット高さからの基板の第1の偏差値を決定するように構成されたコントローラ回路を更に含む、条項2に記載の検査装置。
4.第1の画像は、光反射コンポーネントの1つに関連付けられたビームレットの1つによって形成され、光反射コンポーネントの1つは、第1のターゲット高さに対する基板の第1の偏差値の測定を可能にするように構成される、条項3に記載の検査装置。
5.第1のターゲット高さに基板を位置決めするために基板を保持するように構成されたステージの高さを調節するように構成された回路を有するステージ動作コントローラであって、ステージの高さは、第1の偏差値に基づいて調節される、ステージ動作コントローラを更に含む、条項3に記載の検査装置。
6.第1の偏差値を少なくとも部分的に補償するために基板に入射する荷電粒子ビームの焦点を調節するためのビームコントローラを更に含む、条項3に記載の検査装置。
7.コントローラ回路は、
第1の画像をパターンの光強度画像として生成することと、
光強度画像と基準画像との相互相関を行って第1の偏差値を決定することと
によって、第1の画像を基準画像と比較するように構成される、条項3に記載の検査装置。
8.基準画像は、パターンを基準基板の表面上に投影することによって得られる、条項3に記載の検査装置。
9.放射源は、広帯域放射又は狭帯域放射の少なくとも一方を提供するように構成される、条項1に記載の検査装置。
10.放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成して広帯域放射を形成するように構成され、各ビームレットは、複数の波長の光を含む、条項1に記載の検査装置。
11.複数の波長の光によって、基板の材料の変化に起因して生じる高さの検出誤差を最小限に抑えることが容易になる、条項10に記載の検査装置。
12.放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成するためのプリズムを含む、条項1に記載の検査装置。
13.放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成するための複数のダイクロイックミラーを含む、条項1に記載の検査装置。
14.ビームスプリッタは、光分割コンポーネントのセットを含み、光分割コンポーネントのセットは、ビームレットの各々を同じエネルギーで基板上に誘導するために様々な反射対透過比を有するように構成される、条項1に記載の検査装置。
15.複数の光反射コンポーネントはビームスプリッタを含み、基板に反射する全てのビームレットの少なくとも一部は、単一の光検出器によって受け取られる、条項1に記載の検査装置。
16.基板から反射するビームレットの各々は、異なる検出器によって受け取られる、条項1に記載の検査装置。
17.複数の光反射コンポーネントはミラーを含み、基板に反射するビームレットの各々は、異なる検出器によって受け取られる、条項1に記載の検査装置。
18.コントローラ回路は、
第1の偏差値に基づいて基板の第1の高さを決定し、
第1の軸であって、第1の軸は、ビームスプリッタと光反射コンポーネントが位置合わせされる規定の軸に直交する、第1の軸に沿った基板の第1の傾きを第1の高さに基づいて決定する
ように構成される、条項3に記載の検査装置。
19.コントローラ回路は、
検査装置の光学顕微鏡であって、光学顕微鏡は基板のx軸に沿って位置決めされる、光学顕微鏡の焦点面に基板が位置する第2の高さに合わせて第1の高さを調節し、
第1の高さと、第2の高さと、検査装置に関連付けられた基準点と光学顕微鏡の中心との間のx軸に沿った距離とに基づいて、y軸に沿った基板の第2の傾きを決定する
ように構成される、条項18に記載の検査装置。
20.コントローラ回路は、
第1の傾きと、第2の傾きと、x軸と規定の軸との間の角度とに基づいてx軸に沿った基板の第3の傾きを決定し、
水平度であって、水平度は、基板が検査装置の基準面に平行であるかどうかを示す、水平度を第1の傾き、第2の傾き、又は第3の傾きに基づいて決定する
ように構成される、条項19に記載の検査装置。
21.ターゲット高さの各々は、規定の着地エネルギーの荷電粒子ビームが基板上に集束するz軸におけるターゲット平面と検査装置の一部との間の距離である、条項1に記載の検査装置。
22.複数のターゲット高さの1つに基板を保持するように構成されたステージと、
レベルセンサであって、
放射ビームを提供するように構成された放射源と、
各々が基板に反射する複数のビームレットに放射ビームを分割するように構成されたビームスプリッタと、
複数の光反射コンポーネントであって、各光反射コンポーネントは、ビームレットの1つに関連付けられ、基板に反射するビームレットに基づいて基板の高さ又は水平度の検出を可能にすることによって基板に対する異なるターゲット高さをサポートするように構成される、複数の光反射コンポーネントと
基板に反射するビームレットの少なくとも1つから画像を検出するように構成された検出器と、
を含む、レベルセンサと
ターゲット高さの第1のターゲット高さに対応する基準画像と画像の第1の画像を比較して、第1のターゲット高さからの基板の偏差値を決定するように構成されたコントローラ回路と
を含む、マルチ作用高さ検査装置。
23.第1のターゲット高さに基板を位置決めするために偏差値に基づいてステージの高さを調節するための制御信号を生成するように構成される、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
24.コントローラ回路は、偏差値を少なくとも部分的に補償するために基板に入射する荷電粒子ビームの焦点を調節するための制御信号を生成するように構成される、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
25.第1の画像は、第1のターゲット高さに対する基板の第1の偏差値の測定を可能にするように構成された光反射コンポーネントの1つに関連付けられたビームレットの1つによって形成される、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
26.ターゲット高さの各々は、規定の着地エネルギーの荷電粒子ビームが基板上に集束するz軸におけるターゲット平面とマルチ作用高さ検査装置の一部との間の距離である、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
27.コントローラ回路は、
偏差値に基づいてステージの第1の高さを決定し、
第1の軸であって、第1の軸はレベルセンサの軸に直交する、第1の軸に沿った基板の第1の傾きを第1の高さに基づいて決定し、
第1の高さと、第2の高さであって、第2の高さは、基板が光学顕微鏡の焦点面に位置するステージの高さに相当する、第2の高さと、荷電粒子ビームの中心とマルチ作用高さ検査装置の光学顕微鏡の中心との間の基板のx軸上の距離とに基づいて、基板のy軸に沿った基板の第2の傾きを決定し、
第1の傾きと、第2の傾きと、x軸とレベルセンサの軸との間の角度とに基づいてx軸に沿った基板の第3の傾きを決定する
ように構成される、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
28.コントローラ回路は、第1の傾き、第2の傾き、又は第3の傾きに基づいて水平度を決定するように構成され、水平度は、基板がマルチ作用高さ検査装置の荷電粒子ビームツールに平行であるかどうかを示す、条項27に記載のマルチ作用高さ検査装置。
29.複数の光反射コンポーネントはビームスプリッタを含み、基板に反射する全てのビームレットの少なくとも一部は、単一の光検出器によって受け取られる、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
30.複数の光反射コンポーネントがダイクロイックミラーを含む場合、基板に反射するビームレットの各々は、異なる光検出器によって受け取られる、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
31.放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成するためのプリズムを含む、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
32.放射源は、複数の狭帯域源からの放射を合成するための複数のダイクロイックミラーを含む、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
33.検出器は、ビームレットの各々から基板の画像を検出するように構成される、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
34.検出器は、複数のセンサを含む、カメラを含み、各センサは、ビームレットの1つから基板の画像を検出するように構成される、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
35.検出器は複数のカメラを含み、各カメラは、ビームレットの1つから基板の画像を検出するように構成される、条項22に記載のマルチ作用高さ検査装置。
36.レベルセンサを含む検査システムにおいて基板の作用高さを調節するための方法であって、
レベルセンサの放射源からの放射ビームによってパターンを基板上に投影することであって、放射ビームは、各々が基板に反射する複数のビームレットに分割される、投影することと、
基板に反射するビームレットを受け取ることによってパターンの複数の画像を生成することであって、各画像は、異なるビームレットによって形成され、異なるターゲット高さからの基板の偏差値の測定をサポートする、生成することと、
第1のターゲット高さからの基板の偏差値の測定をサポートする画像の第1の画像に基づいて、第1のターゲット高さからの基板の第1の偏差値を決定することと
を含む、方法。
37.第1のターゲット高さに基板を位置決めするために、第1の偏差値に基づいて基板の高さを調節することを更に含む、条項36に記載の方法。
38.第1の偏差値を少なくとも部分的に補償するために、基板に入射する荷電粒子ビームの焦点を調節することを更に含む、条項36に記載の方法。
39.偏差値を決定することは、
第1のターゲット高さに対応する基準画像と第1の画像を比較することと、
比較に基づいて基板の第1の偏差値を決定することと
を含む、条項36に記載の方法。
40.複数の画像を生成することは、第1のターゲット高さに対する基板の偏差値の測定を可能にするように構成されたレベルセンサの複数の光反射コンポーネントの1つに関連付けられたビームレットの1つから第1の画像を生成することであって、各反射コンポーネントは、異なるターゲット高さに対する基板の偏差値の測定を可能にするように構成される、生成することを含む、条項36に記載の方法。
41.基板が検査システムの基準面に対して平行であるかどうかを示す、基板の水平度を決定することを更に含む、条項36に記載の方法。
42.水平度を決定することは、
第1の偏差値に基づいて基板の第1の高さを決定することと、
第1の軸であって、第1の軸はレベルセンサの軸に直交する、第1の軸に沿った基板の第1の傾きを第1の高さに基づいて決定することと、
第1の高さと、第2の高さであって、第2の高さは、基板が光学顕微鏡の焦点面に位置する基板の高さに相当する、第2の高さと、検査システムの基準点と検査システムの光学顕微鏡の中心との間の基板のx軸上の距離とに基づいて、y軸に沿った基板の第2の傾きを決定することと、
第1の傾きと、第2の傾きと、x軸とレベルセンサの軸との間の角度とに基づいてx軸に沿った基板の第3の傾きを決定することと
を含む、条項41に記載の方法。
43.コンピュータによって実行されると、レベルセンサを含む検査システムにおいて基板の作用高さを調節するための方法をコンピュータに実行させる命令を有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は、
レベルセンサの放射源からの放射ビームによってパターンを基板上に投影することであって、放射ビームは、各々が基板に反射する複数のビームレットに分割される、投影することと、
基板に反射するビームレットを受け取ることによってパターンの複数の画像を生成することであって、各画像は、異なるビームレットによって形成され、異なるターゲット高さからの基板の偏差値の測定をサポートする、生成することと、
第1のターゲット高さからの基板の偏差値の測定をサポートする画像の第1の画像に基づいて、第1のターゲット高さからの基板の第1の偏差値を決定することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
44.命令が記録された非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、コンピュータによって実行されると、上記条項の何れかに記載の方法を実施する、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0102】
[00113] コントローラ(例えば、
図1のコントローラ50)のプロセッサが、中でもとりわけ、画像検査、画像取得、ステージ位置決め、ビーム集束、電界調整、ビーム曲げ、コンデンサーレンズ調整、荷電粒子源の活性化、ビーム偏向並びに方法600及び700の少なくとも一部を実施するための命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。非一時的な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ又は他の任意の磁気データ記憶媒体、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、他の任意の光データ記憶媒体、ホールのパターンを有する任意の物理的な媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去型プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM又は他の任意のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ及びそれらのネットワーク接続バージョンを含む。
【0103】
[00114] 図面中のコンポーネントの相対的寸法は、分かり易くするために誇張されていることがある。図面の説明において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に関する相違のみが説明される。本明細書で使用されるときに、特段の明記がない限り、「又は」という用語は、実現不可能である場合を除き、あらゆる可能な組合せを包含する。例えば、コンポーネントがA又はBを含み得ると明記されている場合、特段の明記がないか又は実現不可能でない限り、コンポーネントは、A、又はB、又はA及びBを含み得る。第2の例として、コンポーネントがA、B、又はCを含み得ると明記されている場合、特段の明記がないか又は実現不可能でない限り、コンポーネントは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含み得る。
【0104】
[00115] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面で示した通りの構造に限定されないことと、その範囲から逸脱することなく、様々な修正形態及び変更形態がなされ得ることとが理解されるであろう。本開示は、様々な実施形態と関連付けて説明されており、本明細書で開示される本発明の仕様及び実践を考慮することから、本発明の他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。仕様及び例は、単なる例示と見なされ、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0105】
[00116] 上記の説明は、限定ではなく、例示を意図する。従って、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、説明されるように修正形態がなされ得ることが当業者に明らかであろう。
【国際調査報告】