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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】洗濯物用の灰色化防止組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/42 20060101AFI20231011BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20231011BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20231011BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20231011BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20231011BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20231011BHJP
   D06M 15/53 20060101ALI20231011BHJP
   D06M 15/61 20060101ALI20231011BHJP
   D06M 15/263 20060101ALI20231011BHJP
   D06M 15/227 20060101ALI20231011BHJP
   C12N 9/42 20060101ALI20231011BHJP
   C12N 9/24 20060101ALI20231011BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20231011BHJP
   C12N 15/56 20060101ALN20231011BHJP
【FI】
C11D7/42
C11D17/08
C11D3/37
C11D3/386
C11D1/02
C11D1/66
D06M15/53
D06M15/61
D06M15/263
D06M15/227
C12N9/42
C12N9/24
C11D7/32
C12N15/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519182
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2021075654
(87)【国際公開番号】W WO2022063697
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】20198788.0
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バイアー,グリット
(72)【発明者】
【氏名】エトル,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】エスパー,クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】ベジオ,アントワーヌ マキシム チャールズ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】デテルイング,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】シュパンゲンベルク,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】ボーネマン,ガブリエーレ
【テーマコード(参考)】
4H003
4L033
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003DA01
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB28
4H003EB32
4H003EC01
4H003EC02
4H003EC03
4H003ED02
4H003FA06
4H003FA28
4L033AB05
4L033AC15
4L033CA12
4L033CA18
4L033CA48
4L033CA57
(57)【要約】
少なくとも成分(a)(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、平均で(20)~(30)のエトキシレート基(EO)を含有し、2,000~10,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物、並びに/又は(a2)NH基当たり平均で(15)~(25)のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~20,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミンであるポリマー;並びに成分(b)少なくとも1種のセルラーゼを含む液体組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、2,000~10,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物、並びに/又は
(a2)NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~50,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミン
であるポリマー、
並びに
成分(b) 少なくとも1種のセルラーゼ
を含む液体組成物。
【請求項2】
(a1)が、四級化され、硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~6,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物である、請求項1に記載の液体組成物。
【請求項3】
(a2)が、NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、12,000~14,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミンである、請求項1及び2に記載の液体組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のセルラーゼが、EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項5】
少なくとも1種のセルラーゼが、炭水化物結合ドメイン(CBD)を持たないエンド-β-1,4-グルカナーゼであり、好ましくは少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼが、WO2018/224544に開示されている配列番号2の21~435位によるアミノ酸配列と少なくとも90%同一である、請求項1から4のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項6】
(i)マレイン酸又は無水マレイン酸、及び
(ii)イソブテン、ジイソブテン、ブテン又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の疎水性モノマー
のコポリマーであって、部分的又は完全に中和されている、コポリマーである成分(c)を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項7】
コポリマーが35~45のK値を有する、請求項6に記載の液体組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の洗剤成分を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項9】
組成物が、少なくとも1種の追加の酵素を好ましくは含む液体洗濯洗剤であり、少なくとも1種の追加の酵素が、好ましくはセリンエンドペプチダーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、アルファ-アミラーゼ及びエンド-1,4-β-マンノシダーゼから選択される、請求項8に記載の液体組成物。
【請求項10】
少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む、請求項8又は9に記載の液体洗濯組成物。
【請求項11】
洗濯洗剤用の灰色化防止添加剤としての、請求項1から6のいずれか一項に記載の液体組成物の使用。
【請求項12】
布帛から灰色化を低減及び/又は除去するための、請求項8から10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤の使用。
【請求項13】
布帛が綿及び/又は合成布地から選択される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
洗濯洗剤中のセルラーゼの灰色化防止能力を改善する方法であって、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、2,000~10,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物、並びに/又は
(a2)NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~50,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミン
であるポリマー、
並びに任意選択で、少なくとも1種のコポリマーであって、不飽和カルボン酸から選択される1種のモノマーと1種の疎水性モノマーの2種類のモノマーから形成されるコポリマーを含む成分(c)
を添加するステップを含む、方法。
【請求項15】
洗濯物から灰色化を低減及び/又は除去する方法であって、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、2,000~10,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物、並びに/又は
(a2)NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~50,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミン
であるポリマー、
並びに
成分(b) セルラーゼ
を含む洗濯洗剤と、洗濯物を接触させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
洗濯中に除去された汚れを懸濁液中に保持することは、洗濯において継続的に必要である。なぜなら、いったん除去された汚れが布地の表面に再付着して「灰色化」を起こす場合があり、これは白色布帛上で特に目立つが、着色布帛の外観にも影響を与えるからである。
【発明の概要】
【0002】
用語「洗濯」とは、家庭における洗濯及び産業的洗濯の両方に関し、本発明の洗剤配合物を含む溶液で布帛を処理するプロセスを意味する。洗濯プロセスは、通例、技術的装置、例えば家庭用又は産業用の洗濯機を使用することにより実行される。或いは、洗濯プロセスは手で行うことができる。
【0003】
用語「布帛」とは、糸条(編む又は織るのに使用される天然又は合成の繊維で作製された糸)、糸条中間物質、繊維、不織材料、天然材料、合成材料、並びにこれらの材料から作製される布地(繊維を織り、編み、又はフェルト状にすることにより作製される布帛)、例えば、衣料品(布帛で作製される任意の衣類物品)、衣服及び他の物品を含む任意の布帛材料を意味する。
【0004】
用語「繊維」は、天然繊維、合成繊維、及びこれらの混合物を含む。天然繊維の例は、植物(例えば、アマ、ジュート及び綿)又は動物由来のものであり、コラーゲン、ケラチン及びフィブロインのようなタンパク質を含む(例えば絹、羊毛、アンゴラ、モヘア、カシミヤ)。合成由来の繊維の例は、ポリウレタン繊維、例えばSpandex(登録商標)又はLycra(登録商標)、ポリエステル繊維、ポリオレフィン、例えばエラストフィン、又はポリアミド繊維、例えばナイロンである。繊維は、好ましくは、単繊維、又は布帛、例えばニットウェア、織布、又は不織布の一部を含む。
【0005】
用語「再付着」とは、本明細書では、洗濯中に布帛から除去された汚損又は色成分の付着を意味する。この点に関して、用語「再付着防止」とは、布帛上の汚損及び色成分の再付着を防ぐか又は減少させる作用を意味する。
【0006】
用語「灰色化防止」とは、本明細書で、洗濯物からの「灰色化」の低減及び/又は除去を意味する。
【0007】
理論によれば、セルラーゼは、非晶質構造を有するこの領域においてランダムな位置でセルロース鎖を加水分解し、突き出た繊維の除去、付着粒子のある繊維の除去、又は界面活性剤との高アクセス性をもたらし、したがって白色化又は灰色化防止の効果を示すことにより、この「灰色化防止効果」を達成する。加えて、洗浄液中の微量のセルロース系物質は消化され得て、衣料品の綿表面にそのような繊維が付くことを防ぐ。本明細書で灰色化防止又は再付着防止と呼ばれるこれらの効果は、光学的測定を使用して評価することができる。好適な試験方法は、一般に当技術分野で公知であり、典型的には、洗浄装置中での繰り返し洗浄サイクルにおいて標準の白色試験用布地を用いた、人工的バラスト汚れ系の使用に基づく。
【0008】
灰色化防止溶液を提供することが、本発明の目的であった。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、2,000~10,000g/mol、より好ましくは3,000~8,000、最も好ましくは4,000~6,000の範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンであるポリマー及びこれらの混合物(以下、「ポリマー(a1)」若しくは「成分(a1)」とも呼ばれる)、並びに/又は
(a2)3,000~250,000(好ましくは5,000~200,000、より好ましくは8,000~100,000、より好ましくは8,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000、最も好ましくは10,000~20,000)g/molの範囲の平均分子量MWを有し、総エトキシル化ポリエチレンイミンに基づいて、80~99重量%(好ましくは85~99重量%、より好ましくは90~98重量%、最も好ましくは93~97重量%又は94~96重量%)のエチレンオキシド側鎖を有する、エトキシル化ポリエチレンイミン(以下、「ポリマー(a2)」若しくは「成分(a2)」とも呼ばれる)
であるポリマー、
並びに
成分(b) EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択されるセルラーゼ(本明細書で、「セルラーゼ(b)」又は「成分(b)」とも呼ばれる)
を含む液体組成物を提供する。
【0010】
一実施形態では、本発明の液体組成物は、
成分(c) 不飽和カルボン酸から選択される少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の疎水性モノマーとのコポリマー
を更に含む。
【0011】
本発明はまた、本発明の液体組成物を含む液体洗濯洗剤にも関する。好ましくは、液体洗濯洗剤は、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、2,000~10,000g/mol、より好ましくは3,000~8,000、最も好ましくは4,000~6,000の範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンであるポリマー及びこれらの混合物(以下、「ポリマー(a1)」若しくは「成分(a1)」とも呼ばれる)、並びに/又は
(a2)3,000~250,000(好ましくは5,000~200,000、より好ましくは8,000~100,000、より好ましくは8,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000、最も好ましくは10,000~20,000)g/molの範囲の平均分子量MWを有し、総エトキシル化ポリエチレンイミンに基づいて、80~99重量%(好ましくは85~99重量%、より好ましくは90~98重量%、最も好ましくは93~97重量%又は94~96重量%)のエチレンオキシド側鎖を有する、エトキシル化ポリエチレンイミン(以下、「ポリマー(a2)」若しくは「成分(a2)」とも呼ばれる)
であるポリマー、
並びに
成分(b) EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択されるセルラーゼ(以下、「セルラーゼ(b)」又は「成分(b)」とも呼ばれる)
を含む。
【0012】
一実施形態では、本発明の液体組成物は、
成分(c) 不飽和カルボン酸から選択される少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の疎水性モノマーとのコポリマー(以下、「ポリマー(c)」又は「成分(c)」とも呼ばれる)
を更に含む。
【0013】
本発明はまた、洗濯洗剤中のセルラーゼ(本明細書で、「セルラーゼ(b)」又は「成分(b)」とも呼ばれる)の灰色化防止能力を改善する方法であって、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、2,000~10,000g/mol、より好ましくは3,000~8,000、最も好ましくは4,000~6,000の範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンであるポリマー及びこれらの混合物(以下、「ポリマー(a1)」若しくは「成分(a1)」とも呼ばれる)、並びに/又は
(a2)3,000~250,000(好ましくは5,000~200,000、より好ましくは8,000~100,000、より好ましくは8,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000、最も好ましくは10,000~20,000)g/molの範囲の平均分子量MWを有し、総エトキシル化ポリエチレンイミンに基づいて、80~99重量%(好ましくは85~99重量%、より好ましくは90~98重量%、最も好ましくは93~97重量%又は94~96重量%)のエチレンオキシド側鎖を有する、エトキシル化ポリエチレンイミン(以下、「ポリマー(a2)」若しくは「成分(a2)」とも呼ばれる)
であるポリマー、
並びに
成分(b) EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択されるセルラーゼ(本明細書で、「セルラーゼ(b)」又は「成分(b)」とも呼ばれる)
を添加するステップを含む、方法にも関する。
【0014】
一実施形態では、セルラーゼの灰色化防止能力を改善する方法は、本明細書に開示される成分(c)を添加するステップを更に含む。
【0015】
本発明はまた、布帛から灰色化を低減及び/又は除去するための、液体洗濯洗剤の使用であって、洗剤は、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、2,000~10,000g/mol、より好ましくは3,000~8,000、最も好ましくは4,000~6,000の範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンであるポリマー及びこれらの混合物(以下、「ポリマー(a1)」若しくは「成分(a1)」とも呼ばれる)、並びに/又は
(a2)3,000~250,000(好ましくは5,000~200,000又は5,000~20,0000、より好ましくは8,000~100,000、より好ましくは8,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000、最も好ましくは10,000~20,000)g/molの範囲の平均分子量MWを有し、総エトキシル化ポリエチレンイミンに基づいて、80~99重量%(好ましくは85~99重量%、より好ましくは90~98重量%、最も好ましくは93~97重量%又は94~96重量%)のエチレンオキシド側鎖を有する、エトキシル化ポリエチレンイミン(以下、「ポリマー(a2)」若しくは「成分(a2)」とも呼ばれる)
であるポリマー、
並びに
成分(b) EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択されるセルラーゼ(本明細書で、「セルラーゼ(b)」又は「成分(b)」とも呼ばれる)
を含む、使用にも関する。
【0016】
一実施形態では、布帛から灰色化を低減及び/又は除去するために使用される液体洗濯洗剤は、本明細書に開示される成分(c)を更に含む。
【0017】
本発明はまた、洗濯物から灰色化を低減及び/又は除去する方法であって、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、2,000~10,000g/mol、より好ましくは3,000~8,000、最も好ましくは4,000~6,000の範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンであるポリマー及びこれらの混合物(以下、「ポリマー(a1)」若しくは「成分(a1)」とも呼ばれる)、並びに/又は
(a2)3,000~250,000(好ましくは5,000~200,000、より好ましくは8,000~100,000、より好ましくは8,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000、最も好ましくは10,000~20,000)g/molの範囲の平均分子量MWを有し、総エトキシル化ポリエチレンイミンに基づいて、80~99重量%(好ましくは85~99重量%、より好ましくは90~98重量%、最も好ましくは93~97重量%又は94~96重量%)のエチレンオキシド側鎖を有する、エトキシル化ポリエチレンイミン(以下、「ポリマー(a2)」若しくは「成分(a2)」とも呼ばれる)
であるポリマー、
並びに
成分(b) EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択されるセルラーゼ(本明細書で、「セルラーゼ(b)」又は「成分(b)」とも呼ばれる)
を含む洗濯洗剤と、洗濯物を接触させることを含む、方法にも関する。
【0018】
一実施形態では、洗濯物を洗濯洗剤と接触させることを含む、洗濯物から灰色化を低減及び/又は除去する方法は、本明細書に開示される成分(c)を更に含む。
【0019】
本発明はまた、本明細書で提供及び定義される液体組成物を調製する方法であって、少なくとも以下の成分:
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、2,000~10,000g/mol、より好ましくは3,000~8,000、最も好ましくは4,000~6,000の範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンであるポリマー及びこれらの混合物(以下、「ポリマー(a1)」若しくは「成分(a1)」とも呼ばれる)、並びに/又は
(a2)3,000~250,000(好ましくは5,000~200,000、より好ましくは8,000~100,000、より好ましくは8,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000、最も好ましくは10,000~20,000)g/molの範囲の平均分子量MWを有し、総エトキシル化ポリエチレンイミンに基づいて、80~99重量%(好ましくは85~99重量%、より好ましくは90~98重量%、最も好ましくは93~97重量%又は94~96重量%)のエチレンオキシド側鎖を有する、エトキシル化ポリエチレンイミン(以下、「ポリマー(a2)」若しくは「成分(a2)」とも呼ばれる)
であるポリマー、
並びに
成分(b) EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択されるセルラーゼ(本明細書で、「セルラーゼ(b)」又は「成分(b)」とも呼ばれる)
を1つ以上のステップにおいて任意の順序で混合することを含む、方法にも関する。
【0020】
一実施形態では、液体組成物を調製する方法は、少なくとも成分(a1)及び/又は(a2)及び(b)及び/又は(c)を1つ以上のステップにおいて任意の順序で混合することを含む。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「染み」又は「汚れ」は同義で使用され、洗濯物上のあらゆる種類の汚損を含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「洗濯物」は全ての種類の布帛及び布地を含み、「洗濯物」又は「洗濯物クリーニング」は、詳細にはホームケア洗濯物(布地、布帛)並びに産業的及び施設向きの(「I&I」)布帛(布地)クリーニングを含む。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)等は、「含有する(contain)」、「含有している(containing)」等と互換的に使用され、非限定的な、オープン用法で解釈されるべきである。すなわち、例えば更なる化合物が存在してもよい。しかしながら、そのような用語はまた、「からなる(consist of)」又は「からなっている(consisting of)」等の意味における変形も包含し、ここでその解釈は限定的性質のものであり、更なる化合物は存在せず、少なくとも実質的又は有効な量ではない。
【0024】
以下の記載及び実施形態、詳細にはこれらの成分(a)、(b)及び(c)の記載及び実施形態は、本発明により提供される全ての方法、使用及び組成物にも準用する。
【0025】
成分(a)
成分(a)は、
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、2,000~10,000g/mol、より好ましくは3,000~8,000、最も好ましくは4,000~6,000の範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンであるポリマー及びこれらの混合物(以下、「ポリマー(a1)」若しくは「成分(a1)」とも呼ばれる)、並びに/又は
(a2)3,000~250,000(好ましくは5,000~200,000、より好ましくは8,000~100,000、より好ましくは8,000~50,000、より好ましくは10,000~30,000、最も好ましくは10,000~20,000)g/molの範囲の平均分子量MWを有し、総エトキシル化ポリエチレンイミンに基づいて、80~99重量%(好ましくは85~99重量%、より好ましくは90~98重量%、最も好ましくは93~97重量%又は94~96重量%)のエチレンオキシド側鎖を有する、エトキシル化ポリエチレンイミン(以下、「ポリマー(a2)」若しくは「成分(a2)」とも呼ばれる)
である少なくとも1種のポリマーを含む。
【0026】
成分(a1)は、好ましくは、四級化され、任意選択で硫酸化され、-NH基当たり平均で10~40個、好ましくは15~30個、更により好ましくは20~25個のEO(エトキシレート)基を含有し、2,000~8,000g/mol、より好ましくは3,000~6,000、最も好ましくは4,000~5,000の範囲の平均分子量MWとなるエトキシル化ヘキサメチレンジアミンである。本発明の一実施形態では、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンは、四級化され、また硫酸化され、好ましくは2つのカチオン性アンモニウム基及び2つのアニオン性硫酸基を有する。
【0027】
成分(a2)は、好ましくはポリエチレンコア及びポリエチレンオキシドシェルをベースとするエトキシル化ポリエチレンイミンである。好適なポリエチレンイミンコア分子は、500~5000g/molの範囲の平均分子量MWを有するポリエチレンイミンである。500~1000g/molの分子量が好ましく、600~800g/molのMWが更により好ましい。次に、エトキシル化ポリマー(a2)は、-NH基当たり平均で5~50個、好ましくは10~30個、より好ましくは15~25個、更により好ましくは18~22個のEO(エトキシレート)基を有し、5,000~50,000(好ましくは8,000~20,000、より好ましくは12,000~20,000、最も好ましくは12,000~14,000)g/molの範囲の平均分子量MWとなる。
【0028】
成分(b)
一般に、セルラーゼは、以下の種類に分類され得る:(i)グリコシド結合をランダムに切断するエンドグルカナーゼ(1,4-β-Dグルカン4-グルコヒドロラーゼ;EC 3.2.1.4)、(ii)セルロースポリマーの末端からグリコシド結合を分裂させることによりセロビオースを放出する、エキソグルカナーゼ(β-1,4-D-グルカンセロビオヒドロラーゼ;EC 3.2.1.91)、(iii)セロビオースのグルコースへの転換を触媒するβ-グルコシダーゼ(β-D-グルコシドグルコヒドロラーゼ;EC 3.2.1.21)、及び(iv)β-1,3グルコシド結合に対して活性を有するエンド-β-1,3-グルカナーゼ酵素(EC 3.2.1.39)。
【0029】
成分(b)は、EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択される少なくとも1種のセルラーゼを含む。
【0030】
エンド-β-1,4-グルカナーゼは、通例、酸-膨潤セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、セルロースアズール及びトリニトロフェニルCMCにおける内部β-1,4-グリコシド結合をランダムに加水分解し、還元糖濃度の緩やかな増加を伴うがポリマー長又は重合度(DP)の迅速な低減をもたらす。
【0031】
一実施形態では、本発明の液体組成物は、EC 3.2.1.4による少なくとも1種の細菌性又は真菌性のエンド-β-1,4-グルカナーゼを含む。本発明の液体組成物に含まれる少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、炭水化物結合ドメイン(CBD)が欠如していることが好ましい。エンド-β-1,4-グルカナーゼは、好ましくはpH5~11の範囲のpH至適を有する。本発明によるエンド-β-1,4-グルカナーゼは、CBDを持たない(すなわち、CBDが欠如している)ことがより好ましい。
【0032】
一実施形態では、CBD欠如のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、非晶質セルロース、好ましくはカルボキシメチルセルロース(CMC)と結合し、好ましくは1gのセルロース当たり2.0超、好ましくは1gのセルロース当たり2.2超、より好ましくは1gのセルロース当たり2.4超の結合定数を有する。
【0033】
一実施形態では、少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、エンドグルカナーゼI(EG-I)、エンドグルカナーゼIII(EG-III)及びエンドグルカナーゼV(EG-V)から選択される。EG-Iは、グリコシルヒドロラーゼファミリー7Bのエンドグルカナーゼから選択されることが好ましい。EG-IIIは、グリコシルヒドロラーゼファミリー12Aのエンドグルカナーゼから選択されることが好ましい。EG-Vは、グリコシルヒドロラーゼファミリー45Aのエンドグルカナーゼから選択されることが好ましい。
【0034】
一実施形態では、グリコシルヒドロラーゼファミリー7Bの少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)から選択される微生物に由来する。グリコシルヒドロラーゼファミリー7Bの少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)に由来することが好ましい。
【0035】
一実施形態では、グリコシルヒドロラーゼファミリー12Aの少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)から選択される微生物に由来する。
【0036】
一実施形態では、グリコシルヒドロラーゼファミリー45Aの少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、メラノカルプス・アルボミセス(Melanocarpus albomyces)、アカパンカビ(Neurospora crassa)及び白色腐朽菌(Phanerochaete chrysosporium)から選択される微生物に由来する。グリコシルヒドロラーゼファミリー45Aの少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、メラノカルプス・アルボミセス(Melanocarpus albomyces)に由来することが好ましい。
【0037】
一実施形態では、本発明の液体組成物は、通例、パキマン(pachyman)、カルボキシメチルクルドラン(carboxymethyl curdlan)、カロース、スキゾフィラン及び/又はスクレログルカンの1種以上に対して、同等量のUS2020/0,291,333の配列番号7による活性タンパク質が示した活性以上の活性を有する、少なくとも1種のエンド-β-1,3-グルカナーゼ酵素を含む。本明細書のエンド-β-1,3-グルカナーゼ酵素は、カルボキシメチルクルドラン、例えばP-CMCUR(Megazyme International、Bray、Irelandから入手可能)及び/又はオオムギβ-グルカン(例えばMegazyme International、Bray、IrelandからのP-BGBM)に対して、同等量のUS2020/0,291,333の配列番号7による活性タンパク質が示した活性以上の活性を有することが好ましい(30℃、pH8.0又はクリーニング組成物のpH)。
【0038】
一実施形態では、グリコシルヒドロラーゼファミリー16、44又は64、より好ましくはグリコシルヒドロラーゼファミリー16の、少なくとも1種のエンド-β-1,3-グルカナーゼ。
【0039】
一実施形態では、エンド-β-1,3-グルカナーゼは、パエニバチルス属種(Paenibacillus sp)、ゾベリア・ガラクタニボラン(Zobellia galactanivorans)又はテルモトガ・ペトロフィラ(Thermotoga petrophila)から選択される微生物に由来する。少なくとも1種のエンド-β-1,3-グルカナーゼは、全ての配列がUS 2020/0,291,333に開示されている配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6及び配列番号7から選択されることが好ましい。
【0040】
本明細書に開示されるセルラーゼ中の炭水化物ドメイン(CBD)の存在が、布地の引張り強度損失を引き起こし得るので、成分(b)に含まれるセルラーゼは、好ましくはCBDを持たない、すなわちCBDが欠如している。
【0041】
好ましい実施形態では、成分(b)は、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)DSM1800に由来するグリコシルヒドロラーゼファミリー7Bのエンド-β-1,4-グルカナーゼを含む。前記エンド-β-1,4-グルカナーゼは、WO2018/224544に開示されている配列番号2の21~435位によるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であることがより好ましい。成分(b)に含まれる少なくとも1種のエンド-β-1,4-グルカナーゼは、好ましくは、WO2018/224544に開示されている配列番号2の21~435位によるアミノ酸配列と少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%同一である。
【0042】
WO2018/224544に開示されている配列番号2の21~435位によるアミノ酸配列を有するセルラーゼは、Novozymesからの酵素製品Celluclean(登録商標)5000Lに含まれる。
【0043】
一実施形態では、液体組成物は、
成分(a)
(a1)四級化され、硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、4,000~6,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物、並びに/又は
(a2)NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、12,000~14,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミン
であるポリマー、
並びに
成分(b) 好ましくはエンド-β-1,4-グルカナーゼから選択され、より好ましくはCBDが欠如しているエンド-β-1,4-グルカナーゼから選択される、少なくとも1種のセルラーゼ
を含む。
【0044】
配列同一性を計算するために、第1のステップで、配列アラインメントを作成しなければならない。本発明によると、ペアワイズグローバルアラインメントは、Needleman及びWunschのアルゴリズム(J. Mol. Biol.(1979) 48、443~453頁)を使用して作成しなければならない。プログラム「NEEDLE」(The European Molecular Biology Open Software Suite(EMBOSS))が、プログラムデフォルトパラメータ(ギャップオープン=10.0、ギャップ伸長=0.5及び行列=EBLOSUM62)を使用して、本発明の目的に使用されることが好ましい。
【0045】
本発明によると、%同一性の以下の計算が適用される:%同一性=(同一の残基/その完全長にわたり整列した2つの配列を示しているアラインメント領域の長さ)×100。したがって、2つのアミノ酸配列の比較に関連した配列同一性は、同一の残基の数を、その完全長にわたり整列した2つの配列を示しているアラインメント領域の長さで除算することにより算出される。この値に100を乗算して、「%同一性」を得る。
【0046】
成分(c)
成分(c)は、不飽和カルボン酸から選択される少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の疎水性モノマーとの少なくとも1種のコポリマーを含む。
【0047】
不飽和カルボン酸から選択される少なくとも1種のモノマーは、一般式(PPC-I):
【0048】
【化1】
の化合物であることが好ましい。
【0049】
一般式(PPC-I)における可変要素は以下のように定義される:
R1、R2及びR3は、H;線状又は分岐状のC1~C12アルキル、線状又は分岐状のC2~C12アルケニルから独立して選択され、ここでアルキル及び/又はアルケニルは、-NH2、-OH、又は-COOH;-COOH;及び-COOR5(式中、R5は、線状又は分岐状のC1~C12アルキル及び線状又は分岐状のC2~C12アルケニルから選択される)で置換されてもよい。
R4は、-(CH2)n-(式中、nは0~4の範囲である)、-COO-(CH2)k-(式中、kは1~6の範囲である)、-C(O)-NH-及び-C(O)-NR6-(式中、R6は線状又は分岐状のC1~C22アルキル、線状又は分岐状のC2~C22アルケニル、及びC6~C22アリールから選択される)から任意選択で選択されるスペーサー基であってもよい。
【0050】
式(PCC-I)による不飽和カルボン酸から選択される少なくとも1種のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸(MAA)、2-エチルアクリル酸、2-フェニルアクリル酸、マロン酸、クロトン酸、マレイン酸(又は無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、メチレンマロン酸、不飽和C4~C10ジカルボン酸、及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0051】
一実施形態では、少なくとも1種の疎水性モノマーは、イソブテン、ジイソブテン、ブテン、ペンテン、ヘキセン及びスチレン、10個以上の炭素原子を有するオレフィン又はこれらの混合物、例えば、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン及び1-ヘキサコセン、C22-α-オレフィン、C20~C24-α-オレフィンの混合物、並びに1分子当たり平均で12~100個の炭素原子を有するポリイソブテン等から選択される。
【0052】
ポリマーは、
i. マレイン酸及び
ii. イソブテン、ジイソブテン、ブテン又はこれらの混合物、好ましくはジイソブテンのみからなる群から選択される少なくとも1種の疎水性モノマー
からなることが最も好ましく、ポリマーは、好適な塩基、例えばNaOH又はKOHを使用して部分的又は完全に中和され、そのようなポリマーのアルカリ金属塩を形成することが好ましい。
【0053】
一実施形態では、前記ポリマーは、K値を有することにより特徴付けられ、K値はすなわちフィケンチャーのK値により決定される分子量であり、フィケンチャーのK値は規定のポリマー含有量及び規定の粘度測定条件における水溶液の粘度を介して測定された値であり、したがって、所与のポリマークラスに対するポリマーの分子量と相関し、20から80まで、好ましくは25から60まで、より好ましくは30から50まで、更により好ましくは35から45まで、例えば40である。
【0054】
一実施形態では、液体組成物は、
成分(a)
(a1)四級化され、硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、4,000~6,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物、並びに/又は
(a2)NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、12,000~14,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミン
であるポリマー、
並びに
成分(b) 好ましくはエンド-β-1,4-グルカナーゼから選択され、より好ましくはCBDが欠如しているエンド-β-1,4-グルカナーゼから選択される、少なくとも1種のセルラーゼ
並びに
成分(c)
(i)マレイン酸又は無水マレイン酸、及び
(ii)イソブテン、ジイソブテン、ブテン又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の疎水性モノマー
のコポリマーであって、部分的又は完全に中和されている、コポリマー
を含む。
【0055】
液体洗濯洗剤
本発明の文脈において提供され、利用される成分(a)、(b)及び/又は(c)を含む液体洗濯組成物(すなわち、本明細書の液体組成物、液体洗剤配合物又は液体洗濯配合物又は液体洗濯洗剤)は、洗濯洗剤に好適な追加の成分を更に含んでもよい。洗剤成分は、白色布帛、着色布帛、及び羊毛の洗濯等の所望の用途に応じて、種類及び/又は洗剤配合物中の量が変化する。選択される成分は、洗剤配合物の物理的形態(液体、固体、ゲル、パウチで又は錠剤として提供される等)に更に依存する。例えば洗濯用配合物として選択された成分は、使用される洗浄温度のような側面にそれ自身が関連する地域的慣習、洗濯機の構造(垂直軸型対水平軸型機)、洗浄1サイクル当たりの水消費量等、及び水の平均硬度のような地理的特徴に更に依存する。
【0056】
個々の洗剤成分及び洗剤配合物における使用は、当業者に公知である。好適な洗剤成分は、とりわけ、界面活性剤、ビルダー、ポリマー、アルカリ性物質、漂白剤系、蛍光性白色化剤、泡抑制剤及び安定剤、ヒドロトロープ、並びに腐食阻害剤を含む。更なる例は、例えば「complete Technology Book on Detergents with Formulations(Detergent Cake、Dishwashing Detergents、Liquid & Paste Detergents、Enzyme Detergents、Cleaning Powder & Spray Dried Washing Powder)」、Engineers India Research Institute (EIRI)、第6版(2015)に記載されている。当業者向けの別の参考文献は、「Detergent Formulations Encyclopedia」、Solverchem Publications、2016年であり得る。
【0057】
洗剤成分が、本発明の液体組成物に含まれる成分に追加されることが理解される。本発明の液体組成物に含まれる成分がまた洗剤成分でもある場合、該成分が洗剤配合物に所望される目的に効果的であるように調整する必要があるのは、濃度であり得る。
【0058】
洗剤成分は、洗剤配合物の最終用途において2つ以上の機能を有し得るため、本明細書で特定の機能の文脈において言及された任意の洗剤成分はまた、洗剤配合物の最終用途において別の機能を有し得る。洗剤配合物の最終用途における特定の洗剤成分の機能は、通例、洗剤配合物中のその量、すなわち洗剤成分の有効量に依存する。
【0059】
用語「有効量」は、効果的な染み除去及び/又は効果的なクリーニング条件(例えばpH、発泡量)を提供する個々の成分の量、視覚的利点(例えば視覚的増白、移染防止)を効果的に提供する特定成分の量、及び/又は処理(処理、保存及び使用中の物理的特徴の維持;例えば粘度調整剤、ヒドロトロープ、乾燥剤)を効果的に補助する特定成分の量を含む。
【0060】
一実施形態では、洗剤配合物は3つ以上の洗剤成分の配合物であり、少なくとも1つの成分は染み除去に効果的であり、少なくとも1つの成分は最適なクリーニング条件を提供するのに効果的であり、少なくとも1つの成分は洗剤の物理的特徴を維持するのに効果的である。
【0061】
一実施形態では、ポリマー(a1)は、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して、0.2重量%~5重量%、好ましくは0.3重量%~4重量%、0.4重量%~3重量%、0.5重量%~2重量%、又は約1重量%の量で含まれる。%値は100%の活性材料に対する。
【0062】
一実施形態では、ポリマー(a2)は、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して、0.2重量%~5重量%、好ましくは0.3重量%~4重量%、0.4重量%~3重量%、0.5重量%~2重量%、又は約1重量%の量で含まれる。%値は100%の活性材料に対する。
【0063】
一実施形態では、成分(b)に含まれる少なくとも1種のセルラーゼは、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して、約0.001重量%~0.01重量%、好ましくは0.002重量%~0.009重量%、より好ましくは0.003重量%~0.007重量%の量で液体洗濯洗剤に含まれる。%値は100%の活性材料に対する。
【0064】
一実施形態では、ポリマー(c)は、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して、0.2重量%~5重量%、好ましくは0.3重量%~4重量%、0.4重量%~3重量%、0.5重量%~2重量%、又は約1重量%の量で含まれる。%値は100%の活性材料に対する。
【0065】
一実施形態における本発明の洗剤配合物は、水溶性のポリマーフィルムに内包される単位投入製品として提供される。そのような容器は通例、パウチと呼ばれ、例えば水との接触の前に前記配合物をパウチから放出させることなく、配合物を保持するのに好適な任意の形態、形状、及び材料であり得る。パウチは、異なる区画内に固体配合物及び/又は液体配合物を含んでもよい。液体成分用の区画は、配合において固体を含有する区画と異なり得る(例えばEP2014756を参照されたい)。
【0066】
一実施形態では、本発明の洗剤配合物の少なくとも一部は、液体として提供される。水溶性の包装が液体洗剤配合物を内包しているかどうかに応じて、液体洗剤配合物は水を含むか、又は本質的に水を無含有である。
【0067】
一実施形態では、好ましくは水溶性のポリマーフィルム製の容器に含まれる液体洗濯洗剤は、洗剤配合物の総重量に対して、35重量%までの量で1,2-プロパンジオール(MPG)を含む。液体洗濯洗剤中のMPGの総重量は、30重量%まで、25重量%まで、20重量%まで、15重量%まで、10重量%まで、8重量%まで、7重量%まで、又は6重量%までであることが好ましい。液体洗剤配合物中の1,2-プロパンジオールの総量は、全て液体洗剤配合物の総重量に対して、好ましくは約0.05重量%~30重量%、約0.5重量%~20重量%、約1重量%~10重量%、約2重量%~8重量%、約3重量%~7重量%、又は約4重量%~6重量%の範囲である。
【0068】
本発明の洗剤配合物は、界面活性剤、ビルダー、ポリマー、香料及び染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0069】
本発明の洗剤配合物は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む。
【0070】
一実施形態では、本発明の洗剤配合物は、一般式(NIS-I):
【0071】
【化2】
の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含み、
式(NIS-I)では、以下が適用される:
R1はC1~C23アルキル及びC2~C23アルケニルから選択され、ここでアルキル及び/又はアルケニルは線状(直鎖;n-)又は分岐状であり;例はn-C7H15、n-C9H19、n-C11H23、n-C13H27、n-C15H31、n-C17H35、i-C9H19、i-C12H25である。
R2はH、C1~C20アルキル及びC2~C20アルケニルから選択され、ここでアルキル及び/又はアルケニルは線状(直鎖;n-)又は分岐状である。
R3及びR4はそれぞれ独立してC1~C16アルキルから選択され、ここでアルキルは線状(直鎖;n-)又は分岐状であり;例はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、1,2-ジメチルプロピル、イソアミル、n-ヘキシル、イソへキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルへキシル、n-ノニル、n-デシル、イソデシルである。
R5はH及びC1~C18アルキルから選択され、ここでアルキルは線状(直鎖;n-)又は分岐状である。
【0072】
一般式(NIS-I)の整数は、以下のように定義される:
mはゼロ~200、好ましくは1~80、より好ましくは3~20の範囲であり;n及びoはそれぞれ独立してゼロ~100の範囲であり;nは好ましくは1~10、より好ましくは1~6の範囲であり;oは好ましくは1~50、より好ましくは4~25の範囲である。m、n及びoの合計は少なくとも1であり、好ましくはm、n及びoの合計は5~100の範囲、より好ましくは9~50の範囲である。
【0073】
一般式(NIS-I)の非イオン性界面活性剤は任意の構造であり得て、ブロック又はランダムの構造であり、示された式(NIS-I)の順序に限定されない。
【0074】
好ましい一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(NIS-I)の化合物から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含み、ここで前記非イオン性界面活性剤は、R1がn-C13H27であり、R2及びR5がHであり、mが3~20であり、n及びo=0であることを特徴とする。
【0075】
好ましい一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(NIS-I)の化合物から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含み、ここで前記非イオン性界面活性剤は、R1が線状又は分岐状のC10アルキルであり、R2及びR5がHであり、mが3~14であり、n及びo=0であることを特徴とする。
【0076】
好ましい一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(NIS-I)の化合物から選択される少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含み、ここで前記非イオン性界面活性剤のうちの1種は、R1がn-C15H31であり、R2及びR5がHであり、mが11~80であり、n及びo=0であることを特徴とし、他方の界面活性剤は、R1がn-C17H35であり、R2及びR5がHであり、mが11~80であり、n及びo=0であることを特徴とする。
【0077】
好ましい一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(NIS-I)の化合物から選択される少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含み、ここで前記非イオン性界面活性剤のうちの1種は、R1がn-C12H25であり、R2及びR5がHであり、mが3~30、好ましくは7であり、n及びo=0であることを特徴とし、他方の界面活性剤は、R1がn-C14H29であり、R2及びR5がHであり、mが3~30、好ましくは7であり、n及びo=0であることを特徴とする。
【0078】
好ましい一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(NIS-I)の化合物から選択される少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含み、ここで前記非イオン性界面活性剤のうちの1種は、R1がn-C11H23であり、R2及びR5がHであり、mが4~10であり、n及びo=0であることを特徴とし、他方の界面活性剤は、R1がn-C11H23及びn-C17H35から選択され、R2及びR5がHであり、mが4~10であり、n及びo=0であることを特徴とする。
【0079】
好ましい一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(NIS-I)の化合物から選択される少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含み、ここで前記非イオン性界面活性剤のうちの1種は、R1がn-C9H19であり、R2及びR5がHであり、mが5~7であり、n及びo=0であることを特徴とし、他方の界面活性剤は、R1がn-C17H35であり、R2及びR5がHであり、mが5~7であり、n及びo=0であることを特徴とする。
【0080】
好ましい一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(NIS-I)の化合物から選択される少なくとも2種の非イオン性界面活性剤を含み、ここで前記非イオン性界面活性剤のうちの1種は、R1がn-C11H23であり、R5がHであり、mが7であり、n及びo=0であることを特徴とし、他方の界面活性剤は、R1がn-C13H27であり、R5がHであり、mが7であり、n及びo=0であることを特徴とする。
【0081】
一実施形態では、本発明の洗剤配合物は、一般式(AS-I):
【0082】
【化3】
の少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含み、
式(AS-I)では、以下が適用される:
R1はC1~C23-アルキル(例えば、1-、2-、3-、4-C1~C23-アルキル)及びC2~C23-アルケニルから選択され、ここでアルキル及び/又はアルケニルは線状(直鎖;n-)又は分岐状、2-、3-、又は4-アルキルであり;例はn-C7H15、n-C9H19、n-C11H23、n-C13H27、n-C15H31、n-C17H35、i-C9H19、i-C12H25である。
R2はH、C1~C20アルキル及びC2~C20アルケニルから選択され、ここでアルキル及び/又はアルケニルは線状(直鎖;n-)又は分岐状である。
R3及びR4はそれぞれ独立してC1~C16アルキルから選択され、ここでアルキルは線状(直鎖;n-)又は分岐状であり;例はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、1,2-ジメチルプロピル、イソアミル、n-ヘキシル、イソへキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルへキシル、n-ノニル、n-デシル、イソデシルである。
A-は-RCOO-、-SO3 -及びRSO3 -から選択され、ここでRは線状(直鎖;n-)又は分岐状のC1~C8-アルキル、及びC1~C4ヒドロキシアルキルから選択され、ここでアルキルは。化合物は、A-がSO3 -である場合、(脂肪)アルコール/アルキル(エトキシ/エーテル)スルフェート[(F)A(E)S]と呼ばれ得て、A-が-RCOO-である場合、(脂肪)アルコール/アルキル(エトキシ/エーテル)カルボキシレート[(F)A(E)C]と呼ばれ得る。
M+は、H及び塩形成カチオンから選択される。塩形成カチオンは、通例、1価又は多価であり;したがって、M+は1/v Mv+に等しい。例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、並びにモノ、ジ、及びトリエタノールアミンのアンモニウム塩を含むが、これらに限定されない。
【0083】
一般式(AS-I)の整数は、以下のように定義される:
mはゼロ~200、好ましくは1~80、より好ましくは3~20の範囲であり;n及びoはそれぞれ独立してゼロ~100の範囲であり;nは好ましくは1~10、より好ましくは1~6の範囲であり;oは好ましくは1~50、より好ましくは4~25の範囲である。m、n及びoの合計は少なくとも1であり、好ましくはm、n及びoの合計は5~100の範囲、より好ましくは9~50の範囲である。
【0084】
一般式(AS-I)のアニオン性界面活性剤は、任意の構造で、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであり得る。
【0085】
好ましい一実施形態では、本発明の洗剤配合物は、式(AS-I)による少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含み、ここでR1はn-C11H23であり、R2はHであり、A-はSO3 -であり、m、n及びoは0である。M+は好ましくはNH4 +である。そのような化合物は、本明細書でラウリル硫酸アンモニウム(ALS)と呼ばれ得る。
【0086】
好ましい一実施形態では、本発明の洗剤配合物は、式(AS-I)による少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含み、ここでR1はn-C11H23であり、R2はHから選択され、A-はSO3 -であり、mは2~5、好ましくは3であり、n及びoは0である。M+は好ましくはNa+である。そのような化合物は、本明細書で、ラウリルエーテル硫酸塩(LES)、好ましくはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)と呼ばれ得る。
【0087】
洗剤配合物は、一実施形態では、一般式(AS-I)の化合物から選択される少なくとも2種のアニオン性界面活性剤を含み、ここで前記アニオン性界面活性剤のうちの1種は、R1がC11であり、R2がHであり、mが2であり、n及びo=0であり、A-がSO3 -であり、M+がNa+であることを特徴とし、他方の界面活性剤は、R1がC13であり、R2がHであり、mが2であり、n及びo=0であり、A-がSO3 -であり、M+がNa+であることを特徴とする。
【0088】
一実施形態では、洗剤配合物は、一般式(AS-II):
【0089】
【化4】
の化合物から選択される少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含み、
式(AS-II)中のR1はC10~C13アルキルである。本発明の洗剤配合物は、一実施形態では、式(AS-II)による化合物の塩、好ましくはナトリウム塩を含む。
【0090】
好ましい一実施形態では、本発明の洗剤配合物は、一般式(AS-II)の化合物から選択される少なくとも2種のアニオン性界面活性剤を含み、ここで前記アニオン性界面活性剤のうちの1種は、R1がC10であることを特徴とし、他方の界面活性剤は、R1がC13であることを特徴とする。このような化合物は、本明細書でLAS(線状アルキルベンゼンスルホン酸塩)と呼ばれ得る。
【0091】
一実施形態では、本発明の液体組成物の成分を含む洗剤配合物は、液体洗濯洗剤である。通例、洗濯洗剤は、好ましくは式(NIS-I)による少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、及び/又は式(AS-I)による少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び/又は式(AS-II)による少なくとも1種のアニオン性界面活性剤から選択される相対的に多量の界面活性剤を含む。
【0092】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤は、通例、カルシウム及びマグネシウムと水溶性錯体を形成する1種以上の錯化剤(キレート剤、封鎖剤)、沈殿剤、及び/又はイオン交換化合物を含む。そのような化合物は、本明細書で、洗剤配合物の最終用途においてそのような化合物をこの機能に限定することを意味することなく、「ビルダー」又は「ビルディング剤」と呼ばれ得る。
【0093】
本発明による無リン酸塩ベースのビルダーは、グルコン酸ナトリウム、クエン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、ホスホン酸塩、アミノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリスルホン酸塩、及びポリホスホン酸塩を含む。
【0094】
好ましい一実施形態では、本発明の洗剤配合物は1種以上のクエン酸塩を含む。用語「クエン酸塩(citrate(s))」は、クエン酸のモノ-及びジアルカリ金属塩、並びに詳細にはモノ-及び好ましくは三ナトリウム塩、クエン酸のアンモニウム塩又は置換アンモニウム塩、並びにクエン酸自体を含む。クエン酸塩は、無水化合物として又は水和物として、例えばクエン酸ナトリウム二水和物として使用され得る。クエン酸は、一実施形態では、ギ酸塩との混合物、例えばNa-クエン酸塩:Na-ギ酸塩=9:1として提供される。
【0095】
一実施形態では、液体洗濯洗剤は、全て洗剤配合物の総重量に対して、0.1重量%~10重量%の範囲、0.5重量%~8重量%の範囲、1重量%~5重量%の範囲、又は2重量%~4重量%の範囲の量のクエン酸を含み、一実施形態では、クエン酸はギ酸塩との混合物、例えばNa-クエン酸塩:Na-ギ酸塩=9:1として提供される。
【0096】
一実施形態では、液体洗濯洗剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、メチルグリシン二酢酸塩(MGDA)、及びグルタミン酸二酢酸塩(GLDA)から選択される少なくとも1種のアミノカルボン酸塩を、全て上に開示されるように、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して、1重量%~10重量%の範囲、1.5重量%~7重量%の範囲、又は2重量%~5重量%の範囲の量で含む。
【0097】
本発明の洗剤配合物は、一実施形態では、好ましくはポリホスホン酸誘導体、例えばジホスホン酸の誘導体、例えばHEDPのナトリウム塩、アミノポリホスホン酸の誘導体、例えばアミノアルキレンホスホン酸、例えばDTPMPから選択される少なくとも1種のホスホネートを含む。
【0098】
一実施形態では、液体洗濯洗剤は、好ましくはHEDP及びDTPMPから選択される本明細書に開示される少なくとも1種のホスホネートを、全て洗剤配合物の総重量に対して、0.5重量%~3.0重量%の範囲、又は1.0重量%~2.5重量%の範囲の量で含む。一実施形態では、液体洗濯洗剤はホスホネートを含まない。
【0099】
本発明の一実施形態では、本発明による配合物は、リン酸水素を含めてリン酸塩及びポリリン酸塩を無含有で、例えばリン酸三ナトリウム、トリポリリン酸五ナトリウム及びメタリン酸六ナトリウムを無含有である。リン酸塩及びポリリン酸塩と関連して、本発明の文脈において、「無含有」とは、リン酸塩及びポリリン酸塩の含有量が、重量法により決定されて、洗剤配合物の総重量に対して、合計で10ppm~0.2重量%の範囲であることを意味すると理解されるべきである。
【0100】
一実施形態では、本発明の液体洗剤配合物は、式(A):
【0101】
【化5】
による少なくとも1種の溶媒を含み、
式(A)における可変要素は以下のように定義される:
R1、R2、R3は、H、線状C1~C8アルキル、及び分岐状C3~C8アルキルから選択され、ここでR1、R2、及びR3の少なくとも1つはHではない。線状C1~C8アルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル等である。分岐状C3~C8アルキルの例は、2-プロピル、2-ブチル、sec.-ブチル、tert.-ブチル、2-ペンチル、3-ペンチル、イソ-ペンチル等である。R1、R2、R3はエチルであることが好ましい。
【0102】
一実施形態では、液体洗剤配合物中のクエン酸トリエチルの総重量は、3重量%までである。液体洗剤配合物中のクエン酸トリエチルの総量は、約0.0025重量%~2.5重量%の範囲であることが好ましい。液体洗剤配合物は、1重量%までのクエン酸トリエチルを含むことがより好ましい。重量とは、本明細書で液体洗剤配合物の総重量に対するものを意味する。
【0103】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤は、少なくとも1種の追加の酵素を含み、少なくとも1種の追加の酵素は、好ましくはセリンエンドペプチダーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、アルファ-アミラーゼ及びエンド-1,4-β-マンノシダーゼから選択される。
【0104】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤は、少なくとも1種のセリンエンドペプチダーゼ(EC 3.4.21)を付加的に含む。好ましくは、少なくとも1種のセリンエンドペプチダーゼは、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して約0.005重量%~0.15重量%の量で、より好ましくは約0.01重量%~0.1重量%の量で含まれる。少なくとも1種のセリンエンドペプチダーゼは、サブチリシン型プロテアーゼ(EC 3.4.21.62)であることが好ましい。
【0105】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のプロテアーゼは、EP 1921147に記載された配列番号22と少なくとも80%同一であり、タンパク分解活性を有する。一実施形態では、前記プロテアーゼは、101位に(BPNの番号付けによる)少なくともアミノ酸グルタミン酸(E)又はアスパラギン酸(D)又はアスパラギン(N)又はグルタミン(Q)又はアラニン(A)又はグリシン(G)又はセリン(S)を有することにより特徴付けられる。前記プロテアーゼは、R101E、R101D又はR101Sを含むことが好ましい。
【0106】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のプロテアーゼは、EP1921147に記載された配列番号22と少なくとも80%同一であり、少なくとも変異S3T+V4I+R101E+V205I又は
S3T+V4I+S9R+A15T+V68A+D99S+R101S+A103S+I104V+N218D又は
R101E+S156D+L262E+任意選択でV104T、H120D、Q137H、S141H、R145H及びS163Gから選択される少なくとも1つの更なる変異を有し、
全ての番号付けはBPNの番号付けによる。
【0107】
少なくとも1種のセリンエンドペプチダーゼ、好ましくは少なくとも1種のサブチリシン型プロテアーゼを含む液体洗濯洗剤はまた、4-ホルミルフェニルボロン酸(4-FPBA、PSB1)、4-カルボキシフェニルボロン酸(4-CPBA、PSB2)、4-(ヒドロキシメチル)フェニルボロン酸(4-HMPBA、PSB3)及びp-トリルボロン酸(p-TBA、PSB4)から選択されるフェニル-ボロン酸誘導体から選択される少なくとも1種のプロテアーゼ安定剤も含み得、PSB1が好ましい。
【0108】
或いは、少なくとも1種のプロテアーゼ安定剤は、式(PA):
【0109】
【化6】
によるか又はその塩又はそのハイドロサルファイト付加物であるペプチド安定剤の群から選択されてもよい。
【0110】
一実施形態では、R1及びR2は、NH-CHR1-CO及び/又はNH-CHR2-COが非極性アミノ酸であり、好ましくはAla、Val、Gly及びLeuのL又はD-アミノ酸残基から互いに独立して選択されるような基である。R3は、NH-CHR3-COが、Tyr、Phe、Val、Ala又はLeuのL又はD-アミノ酸残基であるような基である。そのようなPSPは、本明細書でPSP1と呼ばれ得る。
【0111】
一実施形態では、R1は、NH-CHR1-COがGly又はValのL又はD-アミノ酸残基であるような基であり、R2は、NH-CHR2-COがAlaのL又はD-アミノ酸残基であるような基であり、R3は、NH-CHR3-COがTyr、Ala、又はLeuのL又はD-アミノ酸残基であるような基である。
【0112】
一実施形態では、R1、R2及びR3から選択される少なくとも2つは、NH-CHR1-CO及び/又はNH-CHR2-CO及び/又はNH-CHR3-COが、非極性アミノ酸残基であるような、好ましくはAla、Val、Gly及びLeuのL又はD-アミノ酸残基から互いに独立して選択されるような基である。
【0113】
一実施形態では、R1は、NH-CHR1-COがValのL又はD-アミノ酸残基であるような基であり、R2は、NH-CHR2-COがAlaのL又はD-アミノ酸残基であるような基であり、R3は、NH-CHR3-COがLeuのL又はD-アミノ酸残基であるような基である。
【0114】
式(PA)中のZは、好ましくはベンジルオキシカルボニル(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル(MOZ)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、p-メトキシベンジル(PMB)、p-メトキシフェニル(PMP)、ホルミル、アセチル(Ac)、メチルオキシ、アルコキシカルボニル、メトキシカルボニル、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、又はtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)から選択されるN-末端保護基である。Zはベンジルオキシカルボニル(Cbz)であることが好ましい。
【0115】
一実施形態では、液体洗濯洗剤は、少なくとも1種のトリアシルグリセロールリパーゼ(ECクラス3.1.1.3)を、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して、好ましくは約0.001重量%~0.005重量%、より好ましくは0.001重量%~0.002重量%の量で付加的に含む。少なくとも1種のリパーゼは、好ましくは真菌トリアシルグリセロールリパーゼ、好ましくはサーモミセス・ラヌギノーサ(Thermomyces lanuginosa)リパーゼ及びその変異体から選択される。
【0116】
一実施形態では、液体洗濯洗剤は、少なくとも1種のアルファ-アミラーゼを、全て液体洗濯洗剤の総重量に対して、好ましくは約0.001重量%~0.015重量%、より好ましくは0.002重量%~0.015重量%の量で付加的に含む。
【0117】
少なくとも1種のアルファ-アミラーゼは、好ましくは、全てWO2018/224544に開示されている配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19によるアミノ酸配列を有するもの及びその変異体から選択される。好ましくは、少なくとも1種のアルファ-アミラーゼは、配列番号6によるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であり、好ましくはD183及びG184位に欠失を有し、より好ましくはR118K、N195F、R320K及びR458Kから選択される1つ以上の置換を有する。
【0118】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のアルファ-アミラーゼは、WO2014/183920によるハイブリッドアミラーゼであり、A及びBドメインがWO2014/183920の配列番号2と少なくとも90%の同一性を有し、CドメインがWO2014/183920の配列番号6と少なくとも90%の同一性を有し、好ましくはハイブリッドアルファ-アミラーゼはWO2014/183920の配列番号23と少なくとも95%同一である。
【0119】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のアルファ-アミラーゼは、WO2014/183921によるハイブリッドアミラーゼであり、A及びBドメインがWO2014/183921に開示されている配列番号2、配列番号15、配列番号20、配列番号23、配列番号29、配列番号26、配列番号32、及び配列番号39と少なくとも75%の同一性を有し、CドメインがWO2014/183921の配列番号6と少なくとも90%の同一性を有し、好ましくはハイブリッドアルファ-アミラーゼはWO2014/183921に開示されている配列番号30と少なくとも95%同一である。
【0120】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のアルファ-アミラーゼは、WO2021/032881によるハイブリッドアミラーゼであり、バチルス属種(Bacillus sp.)A 7-7(DSM 12368)からのアルファアミラーゼに由来するA及びBドメイン、並びにバチルス・セレウス(Bacillus cereus)からのアルファアミラーゼに由来するCドメインを含み、ここで、ハイブリッドアミラーゼはアミロース分解活性を有し、好ましくは、A及びBドメインは配列番号42により表され、Cドメインは配列番号44により表され、両方の配列はWO2021/032881に開示され、より好ましくは、ハイブリッドアミラーゼはWO2021/032881に開示されている配列番号54による配列を有する。
【0121】
一実施形態では、液体洗濯洗剤は、少なくとも1種のマンナナーゼを、好ましくは全て洗剤配合物の総重量に対して、約0.0005重量%~0.005重量%、より好ましくは0.0005重量%~0.002重量%の量で付加的に含む。少なくとも1種のマンナナーゼは、エンド-1,4-β-マンノシダーゼ(EC 3.2.1.78)から選択される。
【0122】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のマンナナーゼは、本発明の液体組成物に含まれる少なくとも1種のマンナナーゼであり、WO2009/074685及びそれと少なくとも90%同一である変異体から選択される。
【0123】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のマンナナーゼは、トリコデルマ(Trichoderma)生体、例えばWO93/24622及びWO2008/009673に開示されているものに由来するマンナナーゼから選択される。
【0124】
一実施形態では、本発明の液体洗濯洗剤に含まれる少なくとも1種のマンナナーゼは、WO2005/003319の配列番号388の31~490位による配列を有するマンナナーゼ、及び好ましくはそれと少なくとも90%同一である変異体から選択される。
【0125】
本発明の一実施形態では、液体洗剤配合物は1種以上の粘度調整剤を含む。所望の粘度に応じて、本発明の液体洗剤配合物は通例、当技術分野で増稠剤としても公知の1種以上のレオロジー調整剤を含む。一実施形態では、本発明の洗剤配合物は、好ましくは多糖誘導体、例えばキサンタンガムから選択される少なくとも1種の天然由来のポリマー構造化剤を、洗剤配合物の総重量に対して、0.1重量%~約5重量%、又は約0.2重量%~約0.5重量%の範囲の量さえも含む。
【0126】
一実施形態では、本発明の液体洗剤配合物は漂白剤を無含有で、例えば無機過酸化化合物又は塩素系漂白剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムを無含有であり、本発明による液体洗剤配合物が、それぞれの場合に液体洗剤配合物の総重量に対して合計で0.8重量%、0.5重量%、0.1重量%、又は0.01重量%以下の無機過酸化化合物及び塩素系漂白剤を含むことを意味する。
【0127】
本発明の一実施形態では、洗濯組成物は、詳細には液体洗濯洗剤組成物内で、7.0~11.5、7.5~11.5、7.5~8.7、好ましくは7.5~8.5の範囲のpH値を有し得る。
【0128】
洗濯洗浄中の温度は、より高くてもよく(特にI&I目的に関して)、すなわち60℃以上であってよく、又はより低くてもよく(特にホームケア洗濯物に関して)、すなわち60℃以下であってよい。例えば、温度は15℃~60℃、20℃~60℃、好ましくは20℃~50℃、より好ましくは20℃~40℃であってもよい。
【0129】
本明細書に記載され、提供される成分(a)、(b)、及び(c)の組合せは、一般に、綿布帛、例えば、とりわけwfk10A[標準綿]、wfk80A[綿ニットウェア]、wfk12A[綿テリークロス]、EMPA 221[綿クレトン漂白済み]、EN/EC 60456によるTシャツから染みを除去するのに効果的である。本明細書に記載され、提供される成分(a)、(b)、及び(c)の組合せは、一般に、合成布帛、例えば、とりわけ、wfk30A[ポリエステル]、EMPA406[ポリアミド]から染みを除去するのに効果的である。本明細書に記載され、提供される成分(a)、(b)、及び(c)の組合せは、一般に、混合布帛(綿-合成の混合)、例えばwfk20A[PES/Coブレンド]から染みを除去するのに効果的である。
【0130】
特定の布地又は布帛からの灰色化の低減及び/又は除去を決定する場合、実施例でも示されるような綿布地及び/又は合成布地及び/又は混合の綿-合成の布地に関して効果が決定されるのが好ましい。すなわち、本発明の一実施形態では、本明細書に記載され、提供される成分(a)、(b)及び/又は(c)の組合せは、灰色化防止に特に効果的である。
【0131】
更なる特定の実施形態
1. 少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、2,000~10,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物、並びに/又は
(a2)NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~20,000g/molの範囲の平均分子量MWを有する、エトキシル化ポリエチレンイミン
であるポリマー、
並びに
成分(b) 少なくとも1種のセルラーゼ
を含む液体組成物。
2. (a1)が、四級化され、硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~6,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有する、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー及びこれらの混合物である、実施形態1に記載の液体組成物。
3. (a2)が、NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、12,000~14,000g/molの範囲の平均分子量MWを有するエトキシル化ポリエチレンイミンである、実施形態1及び2に記載の液体組成物。
4. 少なくとも1種のセルラーゼが、EC 3.2.1.4によるエンド-β-1,4-グルカナーゼ及びEC 3.2.1.39によるエンド-β-1,3-グルカナーゼから選択される、先行する実施形態のいずれか一つに記載の液体組成物。
5. 少なくとも1種のセルラーゼが、炭水化物結合ドメイン(CBD)を持たないエンド-β-1,4-グルカナーゼである、先行する実施形態のいずれか一つに記載の液体組成物。
6. (i)マレイン酸又は無水マレイン酸、及び
(ii)イソブテン、ジイソブテン、ブテン又はこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の疎水性モノマー
のコポリマーであって、部分的又は完全に中和されている、コポリマーである成分(c)を更に含む、先行する実施形態のいずれか一つに記載の液体組成物。
7. コポリマーが35~45のK値を有する、実施形態6に記載の液体組成物。
8. 少なくとも1種の洗剤成分を含む、先行する実施形態のいずれか一つに記載の液体組成物。
9. 液体洗濯洗剤である、実施形態8に記載の液体組成物。
10. 洗濯洗剤用の灰色化防止添加剤としての、実施形態1から6の液体組成物の使用。
11. 布帛から灰色化を低減及び/又は除去するための、実施形態8及び9に記載の洗濯洗剤の使用。
12. 布帛が綿及び/又は合成布地から選択される、実施形態11に記載の使用。
13. 洗濯洗剤中のセルラーゼ(b)の灰色化防止能力を改善する方法であって、少なくとも
成分(a)
(a1)四級化され、任意選択で硫酸化された、平均で20~30個のエトキシレート基(EO)を含有し、2,000~10,000g/molの範囲の平均分子量Mwを有するエトキシル化ヘキサメチレンジアミンポリマー、及びこれらの混合物、並びに/又は
(a2)NH基当たり平均で15~25個のエトキシレート基(EO)を含有し、5,000~20,000g/molの範囲の平均分子量MWを有するエトキシル化ポリエチレンイミン
であるポリマー、
並びに任意選択で、少なくとも1種のコポリマーであり、不飽和カルボン酸から選択される1種のモノマーと1種の疎水性モノマーの2種類のモノマーから形成されるコポリマーを含む成分(c)
を添加するステップを含む、方法。
【実施例
【0132】
本発明は、以下の実施例により更に例証されるが、そこに定義される実施形態及び明細事項により限定されることはない。
【0133】
試験を行った本発明の液体組成物
【0134】
【表1】
【0135】
launder-O-meterにおける適用試験
選択された組成物に関する洗浄性能を、launder-O-meter(LP2型、SDL Atlas Inc., USA)において1Lサイズのビーカー中で、以下の洗浄条件下で決定した。
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】
wfk試験用布地を、wfk Testgewebe GmbH:41379 Bruggen、ドイツを介して購入した。SBL2004布地及びwfkクレイもまた、wfk Testgewebe GmbHを介して購入した。
【0139】
EMPA試験用布地を、Swissatest Testmaterialien AG:9015 St. Gallen、スイスを介して購入した。
【0140】
薄片(Tissues)は、受け取ったそのままで使用するか又は必要に応じて小片に切断した。使用した試験用布地(10cm×10cm四角):
綿:wfk10A[標準綿]、wfk80A[綿ニットウェア]、wfk12A[綿テリークロス]、EMPA 221[綿クレトン漂白済み]、EN/EC 60456によるTシャツ
合成:wfk20A[PES/Coブレンド]、wfk30A[ポリエステル]、EMPA406[ポリアミド]
【0141】
汚れは、以下の混合物であった:
1. EMPA-SBL:2つの2.5gのEMPA 101及び2つの2.5gのSBL 2004布地
2. EMPA-SBL-クレイ:2.5gのEMPA 101及び2.5gのSBL 2004布地及び1.25gのwfkクレイスラリー
【0142】
120gのwfkクレイ及び450gの脱イオン水を均質化し、続いてピーナツ油(75部、例えばBrandle)と鉱油(25部、潤滑油O-10-002)からなる30gの油混合物を添加し、それに続いて均質化することにより、wfkクレイスラリーを調製した。
【0143】
第1のサイクルは、試験洗浄溶液(0.25L)に加えて試験用布地及びバラスト汚れを含有するlaunder-O-meterビーカーを使用して、30℃で30分間行った(布地と液剤との比は、EMPA-SBLに関して約1:10;EMPA-SBL-クレイに関して1:12.5)。洗浄及びすすぎ後、試験用布地及びバラスト汚れを分離した。洗浄済み試験用布地を使用してプロセスを繰り返し、合計で3サイクル実施した。
【0144】
各サイクルで新しい汚れを使用した。3サイクル後、試験用布地を水ですすぎ、続いて周囲の室温で一晩乾燥させた。
【0145】
すすぎステップ:洗浄後、汚れスウォッチを容器から取り出し、10リットルのバケツに入れた。連続的な水道水(12~21°dH)流れ(2~6L/分)の下で、安定した泡の形成がすすぎ水中にもはや視認できなくなるまで、汚れスウォッチをすすいだ。
【0146】
乾燥ステップ:汚れスウォッチをすすぎ水から取り出し、暗閉室で周囲条件下で24時間ライン乾燥させた。
【0147】
綿及び合成の試験用布地の灰色化を、洗浄後、Datacolor、USAからのElrepho反射分光計で、D:0°の光学的幾何条件を使用して、460nmにおいて分光反射率を決定することにより測定した。
【0148】
次に、試験を行った洗剤の灰色化防止特性を定量化した。
【0149】
反射率値は、布地の視認できる灰色化と共に減少し、反射率値が高いほど、洗剤の灰色化防止性能が良好である。布地ΔR値は、
・それぞれ、5つの綿布地又は3つの「合成」布地の合計
・個々の布地
に関する、本発明の液体組成物を含有する試験洗剤ES1_Cの洗浄後の反射率と、本発明の液体組成物を伴わない試験洗剤の洗浄後の反射率との差異を表す。
【0150】
以下の表Ex2a及びEx2bは、試験を行った組成物に関する結果を含む:
・ES1_C;
・ES1_C+(a1)、ES1_C+(a2)、ES1_C+(b)、ES1_C+(c)、ES1_C+LC-I、ES1_C+LC-II、ES1_C+LC-III、ES1_C+LC-IV、ES1_C+LC-V、ES1_C+LC-VI、ここで成分(a1)、(a2)及び(c)の量はそれぞれ1.0重量%であり、(b)は0.006重量%の範囲の量で含まれた。
【0151】
【表4】
【0152】
【表5】
【国際調査報告】