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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(54)【発明の名称】載置装置及び半導体反応チャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526912
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 CN2021127291
(87)【国際公開番号】W WO2022095794
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】202011224676.0
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ ジンジー
(72)【発明者】
【氏名】マオ シンフェイ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004BB22
5F004BB23
5F004BC08
(57)【要約】
本発明は載置装置及び半導体反応チャンバを開示し、該載置装置において、フォーカスリングアセンブリは上部フォーカスリングと下部フォーカスリングを含み、下部フォーカスリングの上面に凹溝が設けられ、上部フォーカスリングは凹溝内に昇降可能に設けられ、下部フォーカスリングの上面において且つ凹溝の内側に位置する領域は支持領域であり、支持領域はチャックの上面と面一であり、ウェハを共同で支持することに用いられ、上部フォーカスリングが凹溝内に位置する場合、上部フォーカスリングの上面は支持領域よりも高く、上部フォーカスリングの下面に第1ストッパ部が設けられ、第1ストッパ部は凹溝に対応して設けられ、各フォーカスリング突き上げピンの上端に第2ストッパ部が設けられ、上部フォーカスリングのフォーカスリング突き上げピンにおける水平位置を限定するように、第2ストッパ部はフォーカスリング突き上げピンが上部フォーカスリングを押し上げる時に第1ストッパ部と係合することができる。上記解決手段は、フォーカスリングのウェハの吸着及び位置精度に対する影響及び半導体反応チャンバの低い安全性能の問題を解決することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体反応チャンバにウェハを載置するための載置装置であって、
チャックと、フォーカスリングアセンブリと、複数の複数のフォーカスリング突き上げピンと、を含み
前記チャックは、前記半導体反応チャンバ内に設けられ、前記ウェハを載置することに用いられ、
前記フォーカスリングアセンブリは、上部フォーカスリング及び下部フォーカスリングを含み、前記下部フォーカスリングは前記チャックの周囲に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面に凹溝が設けられ、前記上部フォーカスリングは前記凹溝内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面において且つ前記凹溝の内側に位置する領域は支持領域であり、前記支持領域は前記チャックの上面と面一であり、前記ウェハを共同で支持することに用いられ、前記上部フォーカスリングが前記凹溝内に位置する場合、前記上部フォーカスリングの上面は前記支持領域よりも高く、前記上部フォーカスリングの下面に第1ストッパ部が設けられ、前記第1ストッパ部は前記凹溝に対応して設けられ、
複数のフォーカスリング突き上げピンは、前記上部フォーカスリングの周方向に沿って間隔を空けて分布し、上昇時に前記上部フォーカスリングを押し上げることができるように、各前記フォーカスリング突き上げピンは前記載置装置内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの前記凹溝の底部に位置する部分を貫通し、前記フォーカスリング突き上げピンの上端に第2ストッパ部が設けられ、前記第2ストッパ部は前記フォーカスリング突き上げピンが前記上部フォーカスリングを押し上げる時に、前記第1ストッパ部と係合して前記上部フォーカスリングの前記フォーカスリング突き上げピンにおける水平位置を限定すること特徴とする載置装置。
【請求項2】
前記下部フォーカスリングは内部フォーカスリング及び外部フォーカスリングを含み、前記外部フォーカスリングは前記内部フォーカスリングの周囲に周設され、
前記内部フォーカスリングの上面及び前記外部フォーカスリングの上面の少なくとも一方に前記凹溝が形成され、前記内部フォーカスリングの上面が前記支持領域とされること特徴とする請求項1に記載の載置装置。
【請求項3】
前記内部フォーカスリングの外周面の直径が前記外部フォーカスリングの内周面の直径に等しく、且つ前記内部フォーカスリングの外周面は複数の前記フォーカスリング突き上げピンが所在する円周の内側に位置し、そして、前記外部フォーカスリングの前記凹溝の底部に位置する部分に複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔の数が前記フォーカスリング突き上げピンの数と同じであり、且つ前記凹溝に伸びることができるように、各前記フォーカスリング突き上げピンは各前記貫通孔を1対1で対応して貫通すること特徴とする請求項2に記載の載置装置。
【請求項4】
前記凹溝の外周の側面は第1階段面であり、前記上部フォーカスリングの外周面は第2階段面であり、前記第2階段面は前記第1階段面と係合して、前記上部フォーカスリングの前記凹溝における位置を限定すること特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の載置装置。
【請求項5】
前記第1階段面は上から下へ順次接続された第1係合面、第2係合面及び第3係合面を含み、前記第1係合面及び前記第3係合面はいずれも前記下部フォーカスリングの上面に垂直であり、且つ前記第3係合面の直径が前記第1係合面の直径よりも小さく、前記第2係合面の直径が上から下へ徐々に小さくなり、
前記第2階段面は上から下へ順次接続された第4係合面、第5係合面及び第6係合面を含み、三者はそれぞれ前記第1係合面、前記第2係合面及び前記第3係合面と係合すること特徴とする請求項4に記載の載置装置。
【請求項6】
前記第1ストッパ部はストッパ溝であり、前記第2ストッパ部の外面は前記ストッパ溝の内面に係合すること特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の載置装置。
【請求項7】
前記第2ストッパ部の外面と前記ストッパ溝の内面の垂直面における正投影形状はいずれも円弧状であること特徴とする請求項6に記載の載置装置。
【請求項8】
前記ストッパ溝は環状凹溝であり、且つ前記環状凹溝と前記上部フォーカスリングは同心に設けられること特徴とする請求項6に記載の載置装置。
【請求項9】
前記上部フォーカスリングの内周面の直径が前記ウェハの直径よりも大きいこと特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の載置装置。
【請求項10】
前記内部フォーカスリングは耐エッチング材質であり、及び/又は、
前記上部フォーカスリングは耐エッチング材質であること特徴とする請求項2又は3に記載の載置装置。
【請求項11】
複数の前記フォーカスリング突き上げピンを駆動して同期昇降させるための駆動装置をさらに含み、
前記駆動装置は第1駆動源、第1固定ブラケット、第1アダプタ、第1スライドレールアセンブリ及び第2スライドレールアセンブリを含み、
前記第1駆動源の固定側が前記チャックの下方に固定され、前記第1駆動源の駆動側が前記第1アダプタを介して前記フォーカスリング突き上げピンに接続され、
前記第1固定ブラケットは前記チャックの下方に固定され、前記第1固定ブラケットは第1取り付け面と第2取り付け面を有し、前記第1取り付け面と前記第2取り付け面はいずれも前記フォーカスリング突き上げピンの移動方向に平行であり、且つ前記第1取り付け面と前記第2取り付け面は垂直であり、
前記第1スライドレールアセンブリと前記第2スライドレールアセンブリは前記第1取り付け面と前記第2取り付け面にそれぞれ設けられ、且ついずれも前記第1アダプタに摺動接続され、前記フォーカスリング突き上げピンの移動方向を限定することに用いられること特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の載置装置。
【請求項12】
前記駆動装置は第1センサ及び第1制御ユニットをさらに含み、前記第1センサは前記フォーカスリング突き上げピンの位置情報を検出し、位置情報を前記第1制御ユニットにフィードバックすることに用いられ、前記第1制御ユニットは前記位置情報に基づいて前記第1駆動源の動作を制御することに用いられること特徴とする請求項11に記載の載置装置。
【請求項13】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングと前記チャックの下面は密閉空間を構成し、前記駆動装置は前記密閉空間内に設けられ、前記第1駆動源の固定側が前記ハウジング又は前記第1固定ブラケットに固定接続され、前記第1固定ブラケットは前記ハウジングに固定接続されること特徴とする請求項11に記載の載置装置。
【請求項14】
半導体反応チャンバであって、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の載置装置を含むこと特徴とする半導体反応チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造の技術分野に関し、特に載置装置及び半導体反応チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展に伴い、スマートフォン、タブレットコンピュータ等の電子製品は現代人の生活に不可欠な製品となっている。これらの電子製品は内部に多数の半導体チップを含み、半導体チップの主な製造材料はウェハである。ウェハは回路パターンをエッチングする必要があり、通常半導体プロセス装置を用いてウェハをエッチングする。
【0003】
エッチング機を例とし、エッチング機の半導体反応チャンバ内に静電チャック及びフォーカスリングが設けられ、静電チャックはウェハを支持することに用いられ、フォーカスリングは静電チャックに周設され、フォーカスリングは半導体反応チャンバ内のプラズマを集めることができ、それによりエッチングの均一性を向上させることができる。
【0004】
しかしながら、半導体反応チャンバがウェハをエッチングする過程において、フォーカスリングの頂面及び凹溝の上面もエッチングされるため、フォーカスリングの厚さを小さくし、それによりウェハのエッジのエッチングレートを加速させ、さらにウェハのエッジ領域とウェハの中央領域のエッチングレートの差を大きくし、それによりエッチングの均一性が悪い。エッチングの均一性を向上させるために、フォーカスリングの上面及び凹溝の上面がエッチングされた後、駆動機構を利用して突き上げピンを駆動してフォーカスリングを突き上げ、フォーカスリングの高さを増加することによりフォーカスリングのエッチングされた部分を補償し、それによりエッチングの均一性が保証される。
【0005】
しかしながら、フォーカスリングが突き上げピンにのみ載置されるため、駆動機構が突き上げピンを駆動してフォーカスリングを突き上げる時、フォーカスリングの突き上げピンにおける位置がずれ、ずれた後のフォーカスリングがウェハを突き上げ、ウェハの高さが変化するようにし、それによりウェハの吸着及び位置精度に影響を与え、さらにエッチングプロセスに影響を与える可能性があり、一方、フォーカスリングは突き上げピンの突き上げの衝撃力を受ける時に突き上げピンから落下しやすく、それにより半導体反応チャンバの安全性が悪くなってしまう。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、フォーカスリングによるウェハの吸着及び位置精度に対する悪影響及び半導体反応チャンバの低い安全性の問題を解決するように、載置装置及び半導体反応チャンバを開示する。
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用している。
半導体反応チャンバにウェハを載置するための載置装置であって、
チャックと、フォーカスリングアセンブリと、複数のフォーカスリング突き上げピンと、を含み、
前記チャックは、前記半導体反応チャンバ内に設けられ、前記ウェハを載置することに用いられ、
前記フォーカスリングアセンブリは、上部フォーカスリング及び下部フォーカスリングを含み、前記下部フォーカスリングは前記チャックの周囲に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面に凹溝が設けられ、前記上部フォーカスリングは前記凹溝内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面において且つ前記凹溝の内側に位置する領域は支持領域であり、前記支持領域は前記チャックの上面と面一であり、前記ウェハを共同で支持することに用いられ、前記上部フォーカスリングが前記凹溝内に位置する場合、前記上部フォーカスリングの上面は前記支持領域よりも高く、前記上部フォーカスリングの下面に第1ストッパ部が設けられ、前記第1ストッパ部は前記凹溝に対応して設けられ、
前記複数のフォーカスリング突き上げピンは、前記上部フォーカスリングの周方向に沿って間隔を空けて分布し、上昇時に前記上部フォーカスリングを押し上げることができるように、各前記フォーカスリング突き上げピンは前記載置装置内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの前記凹溝の底部に位置する部分を貫通し、前記フォーカスリング突き上げピンの上端に第2ストッパ部が設けられ、前記第2ストッパ部は前記フォーカスリング突き上げピンが前記上部フォーカスリングを押し上げる時に、前記第1ストッパ部と係合して前記上部フォーカスリングの前記フォーカスリング突き上げピンにおける水平位置を限定する。
【0008】
半導体反応チャンバであって、上記載置装置を含む。
【0009】
本発明に採用される技術的解決手段は以下の有益な効果を達成することができる。
【0010】
本発明に開示される載置装置は、別体式のフォーカスリングアセンブリを採用し、すなわち、上部フォーカスリング及び下部フォーカスリングを含み、該下部フォーカスリングの上面に凹溝が設けられ、且つ下部フォーカスリングの上面においてかつ凹溝の内側に位置する領域は支持領域であり、該支持領域はチャックの上面と面一であり、ウェハを共同で支持することに用いられる。上部フォーカスリングは上記凹溝内に昇降可能に設けられ、それにより上部フォーカスリングを上昇させることによりその高さを増加させ、上部フォーカスリングのエッチングされる部分を補償し、エッチングの均一性を保証し、また、ウェハは下部フォーカスリングに支持され、下部フォーカスリングは上部フォーカスリングに伴って上昇しないため、このようにして上部フォーカスリングがウェハを突き上げる状況を回避することができ、それによりウェハの吸着及び位置精度に影響を与えない。また、上昇時に上部フォーカスリングを押し上げることができるように、上部フォーカスリングの下面に第1ストッパ部が設けられ、且つフォーカスリング突き上げピンの上端に第2ストッパ部が設けられ、各フォーカスリング突き上げピンは載置装置内に昇降可能に設けられ、且つ下部フォーカスリングの凹溝の底部に位置する部分を貫通し、また、上記第2ストッパ部はフォーカスリング突き上げピンが上部フォーカスリングを押し上げる時に、上記第1ストッパ部と係合して、上部フォーカスリングがフォーカスリング突き上げピンにおける水平位置を限定することができ、それにより上部フォーカスリングのフォーカスリング突き上げピンにおける位置ずれ及び傾斜を防止することができ、それにより上部フォーカスリングがフォーカスリング突き上げピンから落下しにくく、さらに半導体反応チャンバの安全性が向上する。
【0011】
本発明に開示される半導体反応チャンバは、本発明に開示される上記載置装置を用いることにより、ウェハの吸着及び位置精度に影響を与えることを回避することができるだけでなく、且つ上部フォーカスリングがフォーカスリング突き上げピンから落下しにくく、さらに半導体反応チャンバの安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
ここで説明した図面は本発明をさらに理解することに用いられ、本発明の一部を構成し、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を説明することに用いられ、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
図1】本発明の実施例に開示される半導体反応チャンバの構造概略図である。
図2】本発明の実施例に開示される載置装置の構造概略図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4】本発明の実施例に開示される載置装置における下部フォーカスリングの部分断面図である。
図5】本発明の実施例に開示される載置装置における上部フォーカスリングの部分断面図である。
図6】本発明の実施例に開示される載置装置のフォーカスリング突き上げピンの部分拡大図である。
図7】本発明の実施例に開示される載置装置の駆動装置の構造概略図である。
図8】本発明の実施例に開示される載置装置の駆動装置の構造概略図である。
図9】本発明の実施例に開示される載置装置の駆動装置の構造概略図である。
図10】本発明の実施例に開示される載置装置の駆動装置の構造概略図である。
図11】本発明の実施例に開示される載置装置の駆動装置の構造概略図である。
図12】本発明の実施例に開示される載置装置の駆動装置の構造概略図である。
図13】本発明の実施例に開示される載置装置の駆動装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下は本発明の具体的な実施例及び対応する図面を参照しつつ本発明の技術的解決手段を明確で完全に説明する。明らかに、説明された実施例は単に本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者は創造的な労働をせずに得られた全ての他の実施例はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0014】
以下は図面を参照して、本発明の各実施例に開示される技術的解決手段を詳細に説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、本発明の実施例は載置装置を開示し、開示される載置装置200は半導体反応チャンバ100においてウェハ600を載置することに用いられる。開示される載置装置200はチャック210、フォーカスリングアセンブリ220及び複数のフォーカスリング突き上げピン300を含む。
【0016】
チャック210は半導体反応チャンバ100内に設けられ、ウェハ600を載置することに用いられる。このチャック210は、例えば静電チャックであり、ウェハ600を静電吸着により固定し、ウェハ600の加工中の位置ずれを防止するためのものである。
【0017】
フォーカスリングアセンブリ220は上部フォーカスリング221及び下部フォーカスリング222を含み、ここで、下部フォーカスリング222はチャック210の周囲に周設される。図3に示すように、下部フォーカスリング222の上面に凹溝223が設けられ、上部フォーカスリング221は凹溝223内に昇降可能に設けられる。すなわち、上部フォーカスリング221の少なくとも一部は、凹溝223内に下降してもよいし、凹溝223外に上昇してもよい。下部フォーカスリング222の上面において且つ上記凹溝223の内側に位置する領域は支持領域であり、該支持領域はチャック210の上面と面一であり、ウェハ600を共同で支持することに用いられる。このようなフォーカスリングアセンブリ220は別体式構造を採用し、すなわち、上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222を含み、ここで、下部フォーカスリング222とチャック210を利用してウェハ600を共同で支持するとともに、上部フォーカスリング221を上記凹溝223内に昇降可能に設けることにより、上部フォーカスリング221を上昇させることによりその高さを増加させ、上部フォーカスリング221のエッチングされた部分を補償し、エッチングの均一性を保証し、また、ウェハ600が下部フォーカスリング222に支持され、下部フォーカスリングが上部フォーカスリングに伴って上昇しないため、このようにして上部フォーカスリングがウェハを突き上げる状況を回避することができ、それによりウェハ600の吸着及び位置精度に影響を与えず、さらにエッチングプロセスに影響を与えない。
【0018】
また、上部フォーカスリング221が上記凹溝223内に位置する場合、上部フォーカスリング221の上面は上記支持領域よりも高く、上部フォーカスリング221の支持領域よりも高い部分はプラズマを遮断する役割を果たすことができ、ウェハのエッジエッチングレートを低下させ、それによりエッチング均一性を向上させることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、上部フォーカスリング221の内周面の直径がウェハ600の直径よりも大きい。このようにして、上部フォーカスリング221とウェハ600との間に環状隙間を有し、該環状隙間によりウェハのエッジがプラズマに接触しやすく、ウェハのエッジ部分のエッチングレートを加速することに寄与する。なお、上部フォーカスリング221の支持領域よりも高い部分はプラズマを遮断する役割を果たすことができ、ウェハのエッジエッチングレートを低下させ、そのため上部フォーカスリング221の上面とウェハ600の上面との間の高度差の役割は上記環状隙間の役割と逆であり、そのため、実際の応用において、具体的なプロセス需要に応じて対応する高度差及び環状隙間のサイズの上部フォーカスリング221を選択されてもよい。選択可能に、上記高度差が2mm以上且つ4mm以下であってもよく、前記環状隙間の径方向の幅が1mm以上且つ3mm以下であってもよい。
【0020】
また、上部フォーカスリング221の下面に第1ストッパ部が設けられ、該第1ストッパ部は凹溝223に対応して設けられ、すなわち、上部フォーカスリング221が凹溝223内に位置する場合、ストッパ溝2211も凹溝223内に位置する。複数のフォーカスリング突き上げピン300は上部フォーカスリング221の周方向に沿って間隔を空けて分布し、上部フォーカスリング221の力受けを均一にすることができ、それにより上部フォーカスリング221の傾斜現象の発生を防止する。選択可能に、フォーカスリング突き上げピン300の数が4つであってもよく、当然のことながら、実際の応用において、フォーカスリング突き上げピン300の数が2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。
【0021】
いくつかの選択可能な実施例では、載置装置は複数のフォーカスリング突き上げピン300を駆動して同期昇降させるための駆動装置400をさらに含む。選択可能に、駆動装置400はサーボモータ、シリンダ等の動力構造であってもよく、当然のことながら、他の動力構造を用いることができ、本明細書はこれを限定しない。
【0022】
各フォーカスリング突き上げピン300は、上昇時に上部フォーカスリング221を押し上げることができるように、上記載置装置200内に昇降可能に設けられ、下部フォーカスリング222の上記凹溝223の底部に位置する部分を貫通する。フォーカスリング突き上げピン300の上端に第2ストッパ部が設けられ、該第2ストッパ部は、フォーカスリング突き上げピン300が上部フォーカスリング221を押し上げる時に、上記第1ストッパ部と係合して、上部フォーカスリング221のフォーカスリング突き上げピン300における水平位置を限定することができる。上記第1ストッパ部及び第2ストッパ部を介して上部フォーカスリング221のフォーカスリング突き上げピン300における水平位置を限定することにより、上部フォーカスリング221のフォーカスリング突き上げピンにおける位置のずれ及び傾斜を防止することができ、それにより上部フォーカスリング221がフォーカスリング突き上げピン300から落下しにくく、さらに半導体反応チャンバの安全性が向上する。
【0023】
いくつかの選択可能な実施例では、図5に示すように、上記第1ストッパ部は上部フォーカスリング221の下面に形成されたストッパ溝2211であり、図6に示すように、上記第2ストッパ部の外面301はストッパ溝2211の内面に係合し、具体的な係合方式は図3に示される。ストッパ溝2211を上記第2ストッパ部に係合させることにより、上部フォーカスリング221の水平方向の位置を規制することができる。具体的には、フォーカスリング突き上げピン300の移動方向は垂直方向であり、フォーカスリング突き上げピン300は上記第2ストッパ部を介してストッパ溝2211と水平方向に沿ってストッパ係合する。
【0024】
いくつかの選択可能な実施例では、上記第2ストッパ部の外面301とストッパ溝2211の内面はいずれも平面であってもよく、すなわち、上記第2ストッパ部の外面301における上向きの端面は平面であり、ストッパ溝2211の内面における下向きの表面も平面であり、この時に、フォーカスリング突き上げピン300がストッパ溝2211に伸びる過程において、上記第2ストッパ部の端面はストッパ溝2211のエッジと干渉しやすく、それにより上部フォーカスリング221の傾斜を引き起こし、さらに上部フォーカスリング221が落下しやすいようにする。
【0025】
これに基づき、別の選択可能な実施例では、図5及び図6に示すように、上記第2ストッパ部の外面301とストッパ溝2211の内面の垂直面における正投影形状はいずれも円弧状であり、すなわち、上記第2ストッパ部の外面301は円弧状凸面であり、ストッパ溝2211の内面は円弧状凹面である。この時に、上記第2ストッパ部の外面301は平滑であり、ストッパ溝2211のエッジと干渉しにくく、それにより上部フォーカスリング221の傾斜を引き起こしにくく、さらに載置装置200の安全性と信頼性が向上する。また、上記第2ストッパ部の外面301とストッパ溝2211の内面の垂直面における正投影形状をいずれも円弧状とすることにより、上記第2ストッパ部とストッパ溝2211の位置決め精度を向上させることに寄与し、上部フォーカスリング221が高い同軸度を有するようにする。
【0026】
いくつかの選択可能な実施例では、ストッパ溝2211は環状凹溝であり、且つ該環状凹溝は上部フォーカスリング221と同心に設けられる。この解決手段により、上部フォーカスリング221の水平方向における位置が規制された上で、上部フォーカスリング221が環状凹溝の中心に沿って回動することができ、それにより上部フォーカスリング221の位置が回転によって自己調整することができ、さらに上部フォーカスリング221の昇降の安定性がさらに向上する。
【0027】
いくつかの選択可能な実施例では、下部フォーカスリング222は一体式構造の部材であってもよい。しかしながら、下部フォーカスリング222のウェハ600に近い側、すなわち上記支持領域が所在する位置はエッチングされやすい。支持領域がエッチングされると、下部フォーカスリング222全体を交換する必要があり、それにより下部フォーカスリング222の耐用年数が短くなり、載置装置200の経済的性能が低くなる。
【0028】
これに基づき、別の選択可能な実施例では、下部フォーカスリング222は内部フォーカスリング2221及び外部フォーカスリング2222を含んでもよく、ここで、外部フォーカスリング2222は内部フォーカスリング2221の周囲に周設される。内部フォーカスリング2221の上面及び外部フォーカスリング2222の上面の少なくとも一方には、凹溝223が形成されており、内部フォーカスリング2221の上面は上記支持領域とされる。例えば、図4に示すように、凹溝223を、内部フォーカスリング2221の上面と外部フォーカスリング2222の上面とに2つの部分(例えば、図4に示す第1開口溝2231と第2開口溝2232)に分けて形成することにより、凹溝223の、内部フォーカスリング2221と外部フォーカスリング2222とのそれぞれに占めるスペースを小さくすることができ、内部フォーカスリング2221と外部フォーカスリング2222との強度を向上させることができる。当然のことながら、実際の応用において、凹溝223は内部フォーカスリング2221の上面のみ、又は外部フォーカスリング2222の上面のみに形成されてもよい。この解決手段において、内部フォーカスリング2221がウェハ600に近接して設けられるため、内部フォーカスリング2221がエッチングされやすい。外部フォーカスリング2222はウェハ600から離れた位置にあるため、外部フォーカスリング2222がエッチングされにくい。この時に、外部フォーカスリング2222がエッチングされない場合、内部フォーカスリング2221のみを交換することができ、それにより下部フォーカスリング222の耐用年数を延ばすことができ、載置装置200が良好な経済的性能を有するようにする。
【0029】
いくつかの選択可能な実施例では、図4に示すように、両者の間に隙間がないことを保証するように、内部フォーカスリング2221の外周面の直径を外部フォーカスリング2222の内周面の直径に等しくする。そして、内部フォーカスリング2221の外周面は複数のフォーカスリング突き上げピン300が所在する円周の内側に位置し、そして、外部フォーカスリング2222の凹溝223の底部に位置する部分に複数の貫通孔2222aが設けられ、貫通孔2222aの数がフォーカスリング突き上げピン300の数と同じであり、且つ各フォーカスリング突き上げピン300は各貫通孔2222aを1対1で対応して貫通し、凹溝223に伸びることができる。貫通孔2222aを外部フォーカスリング2222に設けることにより、フォーカスリング突き上げピン300とウェハ600との距離を長くすることができ、そして、フォーカスリング突き上げピン300の動きがウェハ600に影響を与えることを回避することができる。
【0030】
内部フォーカスリング2221がエッチングされやすいため、別の選択可能な実施例では、内部フォーカスリング2221は耐エッチング材質であってもよく、この解決手段により、内部フォーカスリング2221の耐用年数を延ばすことができる。選択可能に、内部フォーカスリング2221は石英又は炭化ケイ素等の材料を用いて製造されてもよく、石英と炭化ケイ素は熱膨張係数が極めて小さく、汚染された粒子状物質を生成しにくく、高い加工性能及び化学的安定という利点を有する。当然のことながら、内部フォーカスリング2221は他の耐エッチング材料を用いてもよく、本明細書は限定しない。
【0031】
別の選択可能な実施例では、上部フォーカスリング221は耐エッチング材質であってもよく、この解決手段は上部フォーカスリング221の耐用年数を延ばすことができ、それにより載置装置200の経済的性能を向上させるとともに、エッチングプロセスの連続性を保証することができる。選択可能に、上部フォーカスリング221は極めてエッチングされやすいため、上部フォーカスリング221は炭化ケイ素材料を用いて製造されてもよい。当然のことながら、上部フォーカスリング221は他の材料を用いて製造されてもよく、本明細書は限定しない。
【0032】
いくつかの選択可能な実施例では、上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222の組み立て精度を向上させるために、図4に示すように、凹溝223の外周の側面は第1階段面であり、図3に示すように、上部フォーカスリング221の外周面は第2階段面であり、上部フォーカスリング221の凹溝223における位置を限定するように、該第2階段面は第1階段面と係合する。この解決手段において、上記第2階段面と第1階段面との係合により、上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222の取り付け位置を限定することができ、それにより上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222の組み立て精度が向上し、上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222は良好な同軸度を有する。
【0033】
さらに、図4に示すように、上記第1階段面は例えば上から下へ順次接続された第1係合面2233、第2係合面2234及び第3係合面2235を含んでもよく、ここで、第1係合面2233及び第3係合面2235はいずれも下部フォーカスリング222の上面に垂直であり、且つ第3係合面2235の直径が第1係合面2233の直径よりも小さく、第2係合面2234の直径が上から下へ徐々に小さくなる。これに対応して、上記第2階段面は、上から下へ順次接続された第4係合面、第5係合面及び第6係合面を含み、三者はそれぞれ第1係合面2233、第2係合面2234及び第3係合面2235と係合する。この場合、上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222を組み立てる時に、第2係合面2234は、直径が上から下へ徐々に小さくなり、環状斜面とされるため、上部フォーカスリング221は自身の重力の作用により第2係合面2234で相対的な摺動を発生させることができ、さらに自身の位置を自動的に補正することができ、それにより上部フォーカスリング221が凹溝223内に下降する時に、上部フォーカスリング221と同軸の位置に自動的に到達することができ、それにより上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222の同軸度がさらに向上する。また、第3係合面2235の直径を第1係合面2233の直径よりも小さくすることにより、凹溝223の開口のサイズを大きくすることができ、且つ第2係合面2234で形成された傾斜面を利用し、上部フォーカスリング221と下部フォーカスリング222は上部フォーカスリング221の下降中、干渉しにくく、それにより載置装置200の安全性がさらに向上する。
【0034】
いくつかの選択可能な実施例では、図1に示すように、本発明の実施例に開示される載置装置200はハウジング500をさらに含んでもよく、該ハウジング500はチャック210の下面と密閉空間を構成することができ、駆動装置400は該密閉空間内に設けられる。この時に、ハウジング500は、駆動装置400がプラズマ雰囲気に直接暴露されないように、駆動装置400を内部に覆うためのものである。さらに、ハウジング500の側壁と半導体反応チャンバ100の内壁はアルミニウムベースを介して密封接続することができ、アルミニウムベースが必要なケーブル、管路等に接続することを容易にするために、アルミニウムベースを大気状態に置くことができる。
【0035】
本明細書は駆動装置400の具体的な構造を開示したが、当然のことながら、他の構造を用いてもよく、本明細書はこれを限定しない。具体的には、図7図8及び図9に示すように、駆動装置400は第1駆動源410、第1固定ブラケット420、第1アダプタ430、第1スライドレールアセンブリ441及び第2スライドレールアセンブリ442を含んでもよい。ここで、第1駆動源410の固定側がハウジング500に固定接続されたが、もちろん、第1固定ブラケット420などの他の部材に固定接続されてもよく、チャック210の下方に固定できればよく、第1駆動源410の駆動側が第1アダプタ430を介してフォーカスリング突き上げピン300に接続される。
【0036】
具体的な操作過程において、第1駆動源410は第1アダプタ430を移動駆動し、第1アダプタ430はフォーカスリング突き上げピン300を移動させる。
【0037】
図10乃至図13に示すように、第1固定ブラケット420はハウジング500に固定接続され、当然のことながら、第1駆動源410の固定側等の他の部材に固定接続されてもよく、チャック210の下方に固定できればよく、第1固定ブラケット420は第1取り付け面及び第2取り付け面を有してもよく、第1取り付け面及び第2取り付け面がいずれもフォーカスリング突き上げピン300の移動方向に平行であり、且つ第1取り付け面と第2取り付け面とが垂直である。第1スライドレールアセンブリ441と第2スライドレールアセンブリ442はそれぞれ第1取り付け面と第2取り付け面に設けられ、且ついずれも第1アダプタ430に摺動接続され、フォーカスリング突き上げピン300の移動方向を限定することに用いられる。
【0038】
この解決手段において、第1取り付け面と第2取り付け面とが垂直であるため、第1スライドレールアセンブリ441のレールの開口が位置する平面は第2スライドレールアセンブリ442のレールの開口が位置する平面に垂直であり、この時に、2つのスライドレールアセンブリのレールの方向は2つの垂直方向に向き、そのため、レールの公差の同一方向の累積を回避することができ、それによりフォーカスリング突き上げピン300の移動精度を向上させることができる。また、ダブルスライドレールアセンブリの構造はフォーカスリング突き上げピン300のその移動方向における剛性を増加することができ、さらに上部フォーカスリング221の移動をより穏やかにする。
【0039】
選択可能に、第1スライドレールアセンブリ441はガイドレール及びスライダを含んでもよく、ガイドレールはスライダと摺動可能に係合し、ガイドレールは第1固定ブラケット420に取り付けられ、スライダは第1アダプタ430に接続される。前記の第2スライドレールアセンブリ442は第1スライドレールアセンブリ441の構造と同様であり、本明細書において説明を省略する。
【0040】
別の選択可能な実施例では、駆動装置400は第1センサ491及び第1制御ユニットをさらに含んでもよく、ここで、第1センサ491はフォーカスリング突き上げピン300の位置情報を検出し、位置情報を第1制御ユニットにフィードバックすることに用いられ、該第1制御ユニットは位置情報に基づいて第1駆動源410の動作を制御することに用いられる。この解決手段において、第1センサ491と第1制御ユニットにより、フォーカスリング突き上げピン300の移動を正確に制御することができ、さらに上部フォーカスリング221の移動精度が高くなるようにする。例えば、第1駆動源410は電動シリンダであってもよく、上記第1制御ユニットは電動シリンダに集積されるコントローラである。また、連結部材の組み合わせによって電動シリンダが歯間隙間現象を生じにくいため、電動シリンダの位置決め精度が向上し、上部フォーカスリング221の移動精度がさらに向上する。
【0041】
上部フォーカスリング221の補償精度を向上させるために、別の選択可能な実施例では、上部フォーカスリング221が最初にエッチングされた後、駆動装置400は上部フォーカスリング221を駆動して予め設定された高さを上昇させ、予め設定された高さが上部フォーカスリング221のエッチングされた量と同じである。予め設定された高さが0~2mmであってもよい。駆動装置400はフォーカスリング突き上げピン300が最低位置に動くまで上部フォーカスリング221を駆動して下降させ、その後、駆動装置400は、上部フォーカスリング221が予め設定された高さに上昇するまで、再びフォーカスリング突き上げピン300を駆動して上昇させる。この時に、上部フォーカスリング221を2回上昇させることで、フォーカスリング突き上げピン300の移動の隙間がなくなり、上部フォーカスリング221の移動精度が向上する。
【0042】
上部フォーカスリング221を容易に交換するために、別の選択可能な実施例では、半導体反応チャンバ100は搬送マニピュレーター700をさらに含んでもよく、搬送マニピュレーター700は上部フォーカスリング221及びウェハ600を搬送するために用いられてもよい。この解決手段において、上部フォーカスリング221の交換操作には半導体反応チャンバ100を開ける必要がなく、それにより上部フォーカスリング221の交換効率が向上し、さらに半導体反応チャンバ100のプロセス効率が向上する。また、上部フォーカスリング221は搬送マニピュレーター700によって交換され、操作者の作業負荷も低減する。
【0043】
具体的な操作過程において、上部フォーカスリング221を半導体反応チャンバ100から取り出す必要がある場合、まず、駆動装置400が上部フォーカスリング221を一定の高さまで上昇させるように駆動するように制御して、次に搬送マニピュレーター700が半導体反応チャンバ100の側壁の開口を介して半導体反応チャンバ100内に伸びるように制御して、同時に搬送マニピュレーター700が上部フォーカスリング221の下側に移動するように制御して、その後、駆動装置400が上部フォーカスリング221を下降させるように駆動するように制御して、上部フォーカスリング221を搬送マニピュレーター700に移し、さらに搬送マニピュレーター700が半導体反応チャンバ100の側壁の開口から半導体反応チャンバ100の外へ搬送するように制御する。
【0044】
上部フォーカスリング221を半導体反応チャンバ100に入れる必要がある場合、上部フォーカスリング221は搬送マニピュレーター700に置かられ、搬送マニピュレーター700が半導体反応チャンバ100の側壁の開口を介して半導体反応チャンバ100内に伸びるように制御し、さらに駆動装置400を制御してフォーカスリング突き上げピン300を駆動して上昇させ、それが上部フォーカスリング221を突き上げるようにし、この時に上部フォーカスリング221はフォーカスリング突き上げピン300に移すことができ、その後、搬送マニピュレーター700を撤去する。さらに駆動装置400を制御してフォーカスリング突き上げピン300を駆動して下降させ、フォーカスリングを予め設定された位置まで下降させ、それにより上部フォーカスリング221の交換操作を完了する。
【0045】
本発明に開示される載置装置200は、チャック210の周方向に沿って間隔を空けて分布する複数のウェハ突き上げピン800をさらに含む。このウェハ突き上げピン800は、ウェハ600を昇降駆動するためのものである。ウェハ突き上げピン800の昇降操作は、駆動装置400によって実現することができる。選択可能に、駆動装置400は第2駆動源450、第2固定ブラケット460、第2アダプタ470及び第3スライドレールアセンブリ480をさらに含んでもよく、ここで、第2駆動源450の固定側がハウジング500に固定接続されたが、もちろん、他の部材に固定接続されてもよく、チャック210の下方に固定できればよく、第2駆動源450の駆動側が第2アダプタ470を介してウェハ突き上げピン800に接続される。
【0046】
具体的な操作過程において、第2駆動源450は第2アダプタ470を移動駆動し、第2アダプタ470はウェハ突き上げピン800アセンブリを移動させる。
【0047】
第2固定ブラケット460は、第2駆動源450の固定側に固定接続されたが、もちろん、他の部材に固定接続されてもよく、チャック210の下方に固定できればよく、第2固定ブラケット460は第3取り付け面を有してもよく、該第3取り付け面はウェハ突き上げピン800の移動方向に平行である。第3スライドレールアセンブリ480は第3取り付け面に設けられ、且つ第2アダプタ470に摺動接続され、ウェハ突き上げピン800の移動方向を限定することに用いられる。
【0048】
この解決手段において、スライドレールアセンブリの係合精度が高く、さらにウェハ突き上げピン800の昇降の剛性及び安定性を向上させることができ、それによりウェハ600が突き上げられる時に摺動しにくく、それによりウェハ600が落下しにくく、さらに半導体反応チャンバ100の信頼性が向上する。
【0049】
選択可能に、ウェハ突き上げピン800の数が3つであってもよく、3つのウェハ突き上げピン800はチャック210の周方向に沿って均等に分布し、それによりウェハ600は均一な支持力を受けることができ、ウェハ600に対する支持がより安定する。当然のことながら、ウェハ突き上げピン800は他の数であってもよく、ここではこれに限定しない。
【0050】
選択可能に、第3スライドレールアセンブリ480の構造は第1スライドレールアセンブリ441の構造と同じであり、第3スライドレールアセンブリ480におけるガイドレールは第2固定ブラケット460に接続され、第3スライドレールアセンブリ480におけるスライダは第2アダプタ470に接続される。
【0051】
上記実施例では、駆動装置400は第2センサ492及び第2制御ユニットをさらに含んでもよく、ここで、第2センサ492は、ウェハ突き上げピン800の位置情報を検出し、位置情報を第2制御ユニットにフィードバックすることに用いられてもよく、該第2制御ユニットは、位置情報に基づいて第2駆動源450の動作を制御するためのものである。この解決手段において、第2センサ492及び第2制御ユニットにより、ウェハ突き上げピン800の移動を正確に制御することができ、さらにウェハ600の移動精度が高くなるようにする。例えば、第2駆動源450は電動シリンダであり、上記第2制御ユニットは電動シリンダに一体化されたコントローラである。
【0052】
選択可能に、駆動装置400は二軸駆動源を用いることができ、第1駆動源410及び第2駆動源450は二軸駆動源における2つの異なる駆動軸である。すなわち、駆動装置400に1つの駆動源が設けられ、第1アダプタ430と第2アダプタ470は駆動源の異なる駆動軸に接続され、第1アダプタ430に接続された駆動軸はフォーカスリング突き上げピン300を駆動することに用いられ、第2アダプタ470に接続された駆動軸はウェハ突き上げピン800を駆動することに用いられる。
【0053】
上記実施例では、第1固定ブラケット420及び第2固定ブラケット460はいずれも不可動部材であるため、第1固定ブラケット420及び第2固定ブラケット460は一体式構造であってもよく、この時に、第1スライドレールアセンブリ441、第2スライドレールアセンブリ442及び第3スライドレールアセンブリ480はいずれも同一の固定ブラケットに取り付けられ、そのため載置装置200の部品が少なくなり、さらに載置装置200の構造が簡略化される。
【0054】
本発明の実施例に開示される載置装置200はベースリング230をさらに含んでもよく、ベースリング230はチャック210に周設され、ベースリング230は下部フォーカスリング222を支持することに用いられる。ベースリング230の下方にインタフェースディスクが設けられ、フォーカスリング突き上げピン300はインタフェースディスクの一側から挿入され、ベローズはフォーカスリング突き上げピン300に外嵌され、ベローズは、一端がフォーカスリング突き上げピン300に接続され、他端がインタフェースディスクに接続され、フォーカスリング突き上げピン300に対する移動中のシール効果を維持する。
【0055】
本発明の上記いずれかの実施例の載置装置に基づき、本発明の実施例は半導体反応チャンバをさらに開示し、開示される半導体は上記いずれかの実施例の載置装置を含む。
【0056】
本発明に開示される半導体反応チャンバは、本発明に開示される上記載置装置を用いることにより、上部フォーカスリングの上昇によるウェハの吸着及び位置精度への影響を回避することができるだけでなく、上部フォーカスリングがフォーカスリング突き上げピンから落下しにくくなるようにでき、さらに半導体反応チャンバの安全性が向上する。
【0057】
本発明の上記実施例において重点的に説明されるのは各実施例間の相違点であり、各実施例間の異なる最適化特徴は矛盾しない限り、いずれも組み合わせられてより優れた実施例とすることができ、文章の簡潔さを考慮すると、ここで説明を省略する。
【0058】
以上は本発明の実施例にすぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明は様々な変更及び変化が可能である。本発明の精神及び原理を逸脱せずに行われるすべての修正、均等置換、改善などは、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0059】
100 半導体反応チャンバ
200 載置装置
210 チャック
220 フォーカスリングアセンブリ
221 上部フォーカスリング
2211 ストッパ溝
222 下部フォーカスリング
2221 内部フォーカスリング
2222 外部フォーカスリング
2222a 貫通孔
223 凹溝
2231 第1開口溝
2232 第2開口溝
2233 第1係合面
2234 第2係合面
2235 第3係合面
230 ベースリング
300 フォーカスリング突き上げピン
301 第2ストッパ部の外面
400 駆動装置
410 第1駆動源
420 第1固定ブラケット
430 第1アダプタ
441 第1スライドレールアセンブリ
442 第2スライドレールアセンブリ
450 第2駆動源
460 第2固定ブラケット
470 第2アダプタ
480 第3スライドレールアセンブリ
491 第1センサ
492 第2センサ
500 ハウジング
600 ウェハ
700 搬送マニピュレーター
800 ウェハ突き上げピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体反応チャンバにウェハを載置するための載置装置であって、
チャックと、フォーカスリングアセンブリと、複数の複数のフォーカスリング突き上げピンと、を含み
前記チャックは、前記半導体反応チャンバ内に設けられ、前記ウェハを載置することに用いられ、
前記フォーカスリングアセンブリは、上部フォーカスリング及び下部フォーカスリングを含み、前記下部フォーカスリングは前記チャックの周囲に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面に凹溝が設けられ、前記上部フォーカスリングは前記凹溝内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面において且つ前記凹溝の内側に位置する領域は支持領域であり、前記支持領域は前記チャックの上面と面一であり、前記ウェハを共同で支持することに用いられ、前記上部フォーカスリングが前記凹溝内に位置する場合、前記上部フォーカスリングの上面は前記支持領域よりも高く、前記上部フォーカスリングの下面に第1ストッパ部が設けられ、前記第1ストッパ部は前記凹溝に対応して設けられ、
複数のフォーカスリング突き上げピンは、前記上部フォーカスリングの周方向に沿って間隔を空けて分布し、上昇時に前記上部フォーカスリングを押し上げることができるように、各前記フォーカスリング突き上げピンは前記載置装置内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの前記凹溝の底部に位置する部分を貫通し、前記フォーカスリング突き上げピンの上端に第2ストッパ部が設けられ、前記第2ストッパ部は前記フォーカスリング突き上げピンが前記上部フォーカスリングを押し上げる時に、前記第1ストッパ部と係合して前記上部フォーカスリングの前記フォーカスリング突き上げピンにおける水平位置を限定し、
前記下部フォーカスリングは内部フォーカスリング及び外部フォーカスリングを含み、前記外部フォーカスリングは前記内部フォーカスリングの周囲に周設され、
前記内部フォーカスリングの上面及び前記外部フォーカスリングの上面の少なくとも一方に前記凹溝が形成され、前記内部フォーカスリングの上面が前記支持領域とされ、
前記内部フォーカスリングの外周面の直径が前記外部フォーカスリングの内周面の直径に等しく、且つ前記内部フォーカスリングの外周面は複数の前記フォーカスリング突き上げピンが所在する円周の内側に位置し、そして、前記外部フォーカスリングの前記凹溝の底部に位置する部分に複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔の数が前記フォーカスリング突き上げピンの数と同じであり、且つ前記凹溝に伸びることができるように、各前記フォーカスリング突き上げピンは各前記貫通孔を1対1で対応して貫通すること特徴とする載置装置。
【請求項2】
前記凹溝の外周の側面は第1階段面であり、前記上部フォーカスリングの外周面は第2階段面であり、前記第2階段面は前記第1階段面と係合して、前記上部フォーカスリングの前記凹溝における位置を限定すること特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項3】
前記第1階段面は上から下へ順次接続された第1係合面、第2係合面及び第3係合面を含み、前記第1係合面及び前記第3係合面はいずれも前記下部フォーカスリングの上面に垂直であり、且つ前記第3係合面の直径が前記第1係合面の直径よりも小さく、前記第2係合面の直径が上から下へ徐々に小さくなり、
前記第2階段面は上から下へ順次接続された第4係合面、第5係合面及び第6係合面を含み、三者はそれぞれ前記第1係合面、前記第2係合面及び前記第3係合面と係合すること特徴とする請求項2に記載の載置装置。
【請求項4】
前記第1ストッパ部はストッパ溝であり、前記第2ストッパ部の外面は前記ストッパ溝の内面に係合すること特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項5】
前記第2ストッパ部の外面と前記ストッパ溝の内面の垂直面における正投影形状はいずれも円弧状であること特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項6】
前記ストッパ溝は環状凹溝であり、且つ前記環状凹溝と前記上部フォーカスリングは同心に設けられること特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項7】
前記上部フォーカスリングの内周面の直径が前記ウェハの直径よりも大きいこと特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項8】
前記内部フォーカスリングは耐エッチング材質であり、及び/又は、
前記上部フォーカスリングは耐エッチング材質であること特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項9】
半導体反応チャンバにウェハを載置するための載置装置であって、
チャックと、フォーカスリングアセンブリと、複数の複数のフォーカスリング突き上げピンと、を含み
前記チャックは、前記半導体反応チャンバ内に設けられ、前記ウェハを載置することに用いられ、
前記フォーカスリングアセンブリは、上部フォーカスリング及び下部フォーカスリングを含み、前記下部フォーカスリングは前記チャックの周囲に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面に凹溝が設けられ、前記上部フォーカスリングは前記凹溝内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの上面において且つ前記凹溝の内側に位置する領域は支持領域であり、前記支持領域は前記チャックの上面と面一であり、前記ウェハを共同で支持することに用いられ、前記上部フォーカスリングが前記凹溝内に位置する場合、前記上部フォーカスリングの上面は前記支持領域よりも高く、前記上部フォーカスリングの下面に第1ストッパ部が設けられ、前記第1ストッパ部は前記凹溝に対応して設けられ、
複数のフォーカスリング突き上げピンは、前記上部フォーカスリングの周方向に沿って間隔を空けて分布し、上昇時に前記上部フォーカスリングを押し上げることができるように、各前記フォーカスリング突き上げピンは前記載置装置内に昇降可能に設けられ、前記下部フォーカスリングの前記凹溝の底部に位置する部分を貫通し、前記フォーカスリング突き上げピンの上端に第2ストッパ部が設けられ、前記第2ストッパ部は前記フォーカスリング突き上げピンが前記上部フォーカスリングを押し上げる時に、前記第1ストッパ部と係合して前記上部フォーカスリングの前記フォーカスリング突き上げピンにおける水平位置を限定し、
前記載置装置は、複数の前記フォーカスリング突き上げピンを駆動して同期昇降させるための駆動装置をさらに含み、
前記駆動装置は第1駆動源、第1固定ブラケット、第1アダプタ、第1スライドレールアセンブリ及び第2スライドレールアセンブリを含み、
前記第1駆動源の固定側が前記チャックの下方に固定され、前記第1駆動源の駆動側が前記第1アダプタを介して前記フォーカスリング突き上げピンに接続され、
前記第1固定ブラケットは前記チャックの下方に固定され、前記第1固定ブラケットは第1取り付け面と第2取り付け面を有し、前記第1取り付け面と前記第2取り付け面はいずれも前記フォーカスリング突き上げピンの移動方向に平行であり、且つ前記第1取り付け面と前記第2取り付け面は垂直であり、
前記第1スライドレールアセンブリと前記第2スライドレールアセンブリは前記第1取り付け面と前記第2取り付け面にそれぞれ設けられ、且ついずれも前記第1アダプタに摺動接続され、前記フォーカスリング突き上げピンの移動方向を限定することに用いられること特徴とする載置装置。
【請求項10】
前記駆動装置は第1センサ及び第1制御ユニットをさらに含み、前記第1センサは前記フォーカスリング突き上げピンの位置情報を検出し、位置情報を前記第1制御ユニットにフィードバックすることに用いられ、前記第1制御ユニットは前記位置情報に基づいて前記第1駆動源の動作を制御することに用いられること特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項11】
ハウジングをさらに含み、前記ハウジングと前記チャックの下面は密閉空間を構成し、前記駆動装置は前記密閉空間内に設けられ、前記第1駆動源の固定側が前記ハウジング又は前記第1固定ブラケットに固定接続され、前記第1固定ブラケットは前記ハウジングに固定接続されること特徴とする請求項に記載の載置装置。
【請求項12】
半導体反応チャンバであって、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の載置装置を含むこと特徴とする半導体反応チャンバ。
【国際調査報告】