(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】フェイスレスシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20231017BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20231017BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20231017BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20231017BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/316 X
H01L21/302 101G
C23C16/455
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513557
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021054152
(87)【国際公開番号】W WO2022076809
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バパット・シュリラム・ヴァサント
(72)【発明者】
【氏名】ラムナニ・パンカジュ・ガンシャム
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ・ブライアン・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ・クリストファー・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー・カーティス・ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ドレイパー・エミール
(72)【発明者】
【氏名】シャンカー・ナグラジュ
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
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2G084BB37
2G084CC05
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5F058BF37
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】いくつかの例では、フェイスレスシャワーヘッドは、バックプレートを含んでフェイスプレートまたはプレナムを含まない本体と、シャワーヘッドにガスを導入するためのガス供給ステムと、バックプレートまたはガス供給ステムに隣接して支持されるバッフルと、を備える。フェイスレスシャワーヘッドは、さらに、バックプレートまたはガス供給ステム内のバッフル空洞にバッフルを支持するための少なくとも1つの支持要素を備えてよい。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスレスシャワーヘッドであって、
バックプレートを含んでフェイスプレートまたはプレナムを含まない本体と、
前記フェイスレスシャワーヘッドにガスを導入するためのガス供給ステムと、
前記バックプレートまたは前記ガス供給ステムに隣接して支持されるバッフルと、
を備える、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、さらに、
前記バックプレートまたは前記ガス供給ステム内のバッフル空洞において前記バッフルを支持するための少なくとも1つの支持要素を備える、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
前記バックプレートの直径は、12mm~105mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
前記バッフルの直径は、2.5mm~13mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項5】
請求項1に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
前記バッフルの厚さは、0.5mm~3mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
前記バッフルと前記バックプレートとの間の分離距離は、0.1mm~6mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項7】
請求項1に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
前記バッフルと前記ガス供給ステムとの間の分離距離は、0.5mm~6mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項8】
請求項1に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
前記バッフルは、1つ以上の貫通孔の配置を含み、貫通孔の直径は、0.2mm~10mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項9】
請求項8に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
いくつかの例では、前記貫通孔の配置の内円形パターンまたは外円形パターンの直径は、2mm~100mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項10】
請求項2に記載のフェイスレスシャワーヘッドであって、
前記支持要素の直径は1mm~10mmの範囲であり、前記支持要素の長さは0.5mm~6mmの範囲である、フェイスレスシャワーヘッド。
【請求項11】
基板を処理する方法であって、
フェイスレスシャワーヘッドを提供する工程であって、前記フェイスレスシャワーヘッドは、バックプレートを含んでフェイスプレートまたはプレナムを含まない本体と、前記フェイスレスシャワーヘッドにガスを導入するためのガス供給ステムと、前記ガス供給ステムの端から離れて支持されるバッフルとを含む、工程と、
前記フェイスレスシャワーヘッドを基板処理チャンバに設置する工程と、
前記フェイスレスシャワーヘッドを通じて前記処理チャンバにガスを導入する工程と、
前記基板を処理する工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記フェイスレスシャワーヘッドは、請求項2~10に記載のいずれか1つ以上の特徴を含む、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
前記基板処理チャンバにおいてプラズマを発生させる工程を含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
前記基板処理チャンバにおいてプラズマを発生させない工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<優先権主張>
本願は、その全てが参照により本明細書に援用される、2020年10月9日出願の米国特許出願第63/089,969号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理用途のためのシャワーヘッドに関し、特に、酸化アルミニウム(AlOx)プロセス向けのフェイスレスシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のシャワーヘッドは通常、例えば所望のウエハ上の均一性、または基板へのフィーチャ形成を実現するために、前駆体ガス(前駆体)を処理チャンバに分配するようにフェイスプレートの複数の孔に接続されたプレナムを備える。プレナムおよび多数の孔があることで、シャワーヘッドのコストは大幅に増加しうる。問題のある一態様では、AlOxプロセスにおける高成膜速度の点から、AlOxプロセス用ハードウェアは剥離および粒子生成が生じやすい。他のそのような問題は、成膜速度に関係しないだろう。例えば、シャワーヘッドなどの構成部品のin-situ洗浄という従来のドライエッチング法を用いることは困難である。In-situ洗浄なしでは、時間とともに膜が堆積し、剥がれ落ちるだろう。この状況に対処することは、複数回のウェット洗浄および部品交換を必要とするため、製造現場における在庫、廃棄物、および人件費を増加させるだろう。
【0004】
本明細書に記載の背景技術は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの例では、フェイスレスシャワーヘッドは、バックプレートを含んでフェイスプレートまたはプレナムを含まない本体と、シャワーヘッドにガスを導入するためのガス供給ステムと、バックプレートまたはガス供給ステムに隣接して支持されるバッフルと、を備える。
【0006】
いくつかの例では、フェイスレスシャワーヘッドはさらに、バックプレートまたはガス供給ステム内のバッフル空洞にバッフルを支持するための少なくとも1つの支持要素を備える。
【0007】
いくつかの例では、バックプレートの直径は12mm~105mmの範囲である。いくつかの例では、バッフルの直径は2.5mm~13mmの範囲である。
【0008】
いくつかの例では、バッフルの厚さは0.5mm~3mmの範囲である。いくつかの例では、バッフルとバックプレートとの間の分離距離は0.1mm~6mmの範囲である。いくつかの例では、バッフルとガス供給ステムとの間の分離距離は0.5mm~6mmの範囲である。
【0009】
いくつかの例では、バッフルは1つ以上の貫通孔の配置を含み、貫通孔の直径は0.2mm~10mmの範囲である。いくつかの例では、貫通孔配置の内円形パターンまたは外円形パターンの直径は2mm~100mmである。いくつかの例では、支持要素の直径は1mm~10mmの範囲であり、支持要素の長さは0.5mm~6mmの範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面において、いくつかの実施形態が限定ではなく例示のために示される。
【0011】
【
図1】本開示の方法のいくつかの例が用いられうる処理チャンバの概略図。
【0012】
【
図2】一実施形態による従来のシャワーヘッドの態様。
【0013】
【
図3】実施形態による例示的なフェイスレスシャワーヘッド。
【0014】
【
図4A】例示的な実施形態による発明の主題の態様。
【
図4B】例示的な実施形態による発明の主題の態様。
【
図5A】例示的な実施形態による発明の主題の態様。
【
図5B】例示的な実施形態による発明の主題の態様。
【
図6A】例示的な実施形態による発明の主題の態様。
【
図6B】例示的な実施形態による発明の主題の態様。
【0015】
【0016】
【
図8】いくつかの例による方法の動作を含むフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の記載は、本開示の例示的な実施形態を具現化する、システム、方法、技術、命令シーケンス、および計算機プログラム製品を含む。以下の記載では、説明を目的として、例示の実施形態の十分な理解を提供するためにいくつかの特定の詳細が記載される。しかし、当業者には、本開示がこれらの特定の詳細なしで実行されてよいことが明らかだろう。
【0018】
本特許文献の開示の一部は、著作権保護の対象となる内容を含みうる。本特許文献または特許開示は特許庁の特許ファイルまたは記録で見ることができるため、著作権者は誰かによるその模写に対して異議を有さないが、それ以外の全ての著作権を所有する。次の通知は、以下に記載の全てのデータ、および本願の一部を形成する図面において記載の全てのデータに適用される:全ての著作権はラム・リサーチ・コーポレーションに属する(2020)。
【0019】
従来の前駆体供給システムは、何らかのプレナムを用いる。プレナムがあることで、上記の不利益がもたらされうる。手の届かないプレナムまたは多数の小さな孔の中に堆積物が閉じ込められる可能性がある。従来のプレナムまたは孔の内部を洗浄することは困難で、費用がかかることが認識されるだろう。
【0020】
よって、本開示は一態様において、基板処理(例えば、AlOx系プロセス)向けの低コスト版シャワーヘッドを提供しようとしている。いくつかの本開示の例は、プレナムを必要としない。プロセスの最適化は、以下でさらに説明されるように、バッフルの構成および化学物質の種類によって対処できる。いくつかの例は、シャワーヘッドのコストおよびメンテナンス費用を低減する。いくつかの実施形態は、例えばAlOxプロセスにおいて所望の機能的仕様を満たしながら、ハードウェアのコストを大幅に低減する構成を用いる。
【0021】
ここで
図1を参照すると、プラズマ処理チャンバの例示的な配置100が示されている。本主題は、様々な半導体製造動作および基板処理動作において用いられてよいが、図の例では、プラズマ処理チャンバがプラズマ強化化学蒸着(CVD)もしくはラジカル強化CVD動作、または原子層堆積(ALD)動作の点から説明される。
【0022】
当業者は、AlOxプロセスなどの他の種類のALD処理技術(例えば、熱ALD動作)が知られており、非プラズマ処理チャンバを組み込んでもよいことを認識するだろう。ALDツールは、ALD反応が2つ以上の化学種の間で生じる特化型CVD処理システムである。2つ以上の化学種は前駆体ガスと呼ばれ、半導体産業で用いられるシリコンウエハなどの基板上に材料の薄膜堆積を形成するために用いられる。前駆体ガスは次にALD処理チャンバに導入され、基板の表面と反応して堆積層を形成する。一般に、基板は前駆体と繰り返し相互反応して、基板上にゆっくりと徐々に厚くなる1つ以上の材料層を堆積させる。特定の用途では、基板製造プロセスにおいて様々な種類の膜を形成するために、複数の前駆体ガスが用いられてよい。
【0023】
図1は、シャワーヘッド104および基板支持アセンブリ108または台座が配置された処理チャンバ102を備えることが示されている。シャワーヘッド104は、シャワーヘッド電極であってよい。通常、基板支持アセンブリ108は略等温面を提供しようとし、基板106のための発熱体およびヒートシンクの両方として機能してよい。基板支持アセンブリ108は、上記のように基板106の処理を助けるために発熱体を含む静電チャック(ESC)を備えてよい。基板106は、例えば元素半導体材料(例えば、シリコン(Si)もしくはゲルマニウム(Ge))または化合物半導体材料(例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe)もしくはヒ化ガリウム(GaAs))を含むウエハを含んでよい。また、他の基板は、例えば石英、サファイア、半結晶性高分子、または他の非金属材料および非半導体材料などの誘電材料を含む。
【0024】
動作中に基板106は、ロードポート110を通じて基板支持アセンブリ108に装填される。ガスライン114は、1つ以上の処理ガス(例えば、前駆体ガス)をシャワーヘッド104に供給できる。次にシャワーヘッド104は、1つ以上の処理ガスをプラズマ処理チャンバ102に供給する。1つ以上の処理ガスを供給するためのガス源112(例えば、1つ以上の前駆体ガスアンプル)は、ガスライン114に結合されている。いくつかの例では、RF(高周波)電源116がシャワーヘッド104に結合される。他の例では、電源は基板支持アセンブリ108またはESCに結合される。
【0025】
シャワーヘッド104およびガスライン114の下流への流入前に、使用点(POU)とマニホールドとの結合体(図示せず)がプラズマ処理チャンバ102への1つ以上の処理ガスの流入を制御する。通常、また
図2に示す従来のシャワーヘッド202を参照すると、前駆体ガスはシャワーヘッド104のプレナム204において混合されてよい、またはそこを通じて分配されてよい。
【0026】
動作中に、プラズマ処理チャンバ102は真空ポンプ118によって排気される。RF電力は、シャワーヘッド104と、基板支持アセンブリ108の内部または上部に含まれた下部電極120との間で容量結合される。基板支持アセンブリ108は通常、2つ以上のRF周波数で供給される。例えば様々な実施形態では、RF周波数は、約1MHz、2MHz、13.56MHz、27MHz、60MHz、および他の所望の周波数の少なくとも1つの周波数から選択されてよい。必要に応じて、特定のRF周波数をブロックする、または部分的にブロックするように設計されたコイルが構成されてよい。そのため、本明細書に記載の特定の周波数は、単に理解を容易にするために提供される。RF電力は、基板106とシャワーヘッド104との間の空間において1つ以上の処理ガスをプラズマに励起するために用いられる。プラズマは、基板106上に様々な層(図示せず)を堆積させるのに役立つことができる。他の用途では、プラズマは基板106上の様々な層にデバイスフィーチャをエッチングするために用いられうる。RF電力は、少なくとも基板支持アセンブリ108を通じて結合される。基板支持アセンブリ108は、内蔵されたヒータを有してよい。処理チャンバ102の詳細な構成は異なってよく、本例のシャワーヘッドの使用ではプラズマ系であってよい、またはそうでなくてよい。
【0027】
図2は、上記の処理チャンバ102のような処理チャンバにおいて使用するための従来型シャワーヘッド202の一般的な配置を示す。従来型シャワーヘッド202は、その内部プレナム204と連通するガス供給ステム206を備える。従来型シャワーヘッド202は、バックプレート208およびフェイスプレート210を備える。バックプレート208およびフェイスプレート210は、プレナム204の壁を規定してよい。フェイスプレート210は、内部に形成された孔212を備える。孔212は、数千個の数であってよい。孔212は、処理チャンバ102において基板支持アセンブリ108上に支持された基板(ウエハなど)を処理するための前駆体を分配する。従来型シャワーヘッド202は、上記の欠点を有する。
【0028】
図3は、上記の処理チャンバ102のような処理チャンバにおいて使用するための例示的なフェイスレスシャワーヘッド302の一般的な配置を示す。フェイスレスシャワーヘッド302はプレナムがなく、フェイスプレートがない(よって「フェイスレス」)。フェイスレスシャワーヘッド302は、バックプレート304およびバッフル306を備える。ガス供給ステム308は、フェイスレスシャワーヘッド302に前駆体を供給する。バッフル306は、1つ以上の支持要素310によってバックプレート304またはガス供給ステム308に接続されている。支持要素310は、いくつかの例ではスペーサまたは離隔要素として機能してよい。いくつかの例では、バッフル306は、ガス供給ステム308の下端から出てくる前駆体ガスを抑制および分配するように機能する。バッフル306は、内部に形成された孔を備えてよい、または備えなくてよい。バッフル306の他の支持配置または離隔配置も可能である。
【0029】
基板処理または半導体技術におけるプロセス最適化を説明するときに当業者が用いうる表現は、「ノブの調節」である。この用語は、所望のプロセスまたは結果(例えば、ウエハ上への特定のナノサイズのフィーチャ形成、膜厚、または他の基板特性)をもたらすように微調整されうるプロセス要素またはチャンバパラメータに関係する。様々な所望の結果または成果は、「ノブを調節する」ことにより得られる、または微調整することができる。
【0030】
フェイスレスシャワーヘッド302のいくつかの例は、様々な方法でかかる微調整を可能にする。フェイスレスシャワーヘッド302によって可能になる微調整要素は、例えば、フェイスレスシャワーヘッド302自体の、または基板106に対するフェイスレスシャワーヘッド302の一般構成、位置、もしくは寸法と、バッフル306の直径、厚さ、または他の寸法と、バッフル306の孔の配置または構成と、バッフル306の孔の直径または形状と、バッフル306における孔の有無と、バッフル306とガス供給ステム308との間の分離距離と、バッフル306とバックプレート304との間の分離距離と、支持要素310の寸法または配置と、を含んでよい。他の微調整要素も可能である。例えば、バッフルは加熱または冷却されてよい。バックプレートは、加熱または冷却されてよい。いくつかの例では、バックプレートは、凹凸部分を含むなどの特定の構成を前提とする。バッフル306は取り外し可能、または別の構成のバッフルと素早く交換可能であってよい。次に、フェイスレスシャワーヘッドのいくつかの特定の例が説明される。
【0031】
図4A~4Bに示すフェイスレスシャワーヘッド402は、バックプレート404およびガス供給ステム406を備える。フェイスレスシャワーヘッド402は、1つ以上の支持要素410によってガス供給ステム406の下端に取り付けられたバッフル408を備える。
図4Aに示されるように、この例では、3つの支持要素410が短いロッドの形で設けられている。いくつかの例では、支持要素410は、バッフル408の中心から特定距離の位置で、その中心の周りに等間隔に配置される。バッフル408は、バックプレート404のバッフル凹部または空洞412の内部に支持される、または入れ子にされる。ここでは、バッフル空洞412は円錐形を有する。円錐形の口が広いほど深い領域の洗浄を容易にするだろう。
図5Aに示す円筒形のバッフル空洞のような他のバッフル空洞の形状も可能である。
図4Aに示した例では、バッフル408の外面または下面418は、バックプレート404の下面420と同一平面上にある。他のバッフル構成、空洞、および支持位置も可能である。
【0032】
図4Bにおいて、バッフル408は、ガスの通過および分配を可能にするために形成された1つ以上の貫通孔を備えていることが分かる。図の例では、6つの貫通孔414が設けられ、図のように外円形パターンに等間隔に配置されている。図の例は、図のように内円形パターンに等間隔に配置された6つの貫通孔416も含む。他の配置も可能である。いくつかの例では、バッフルは貫通孔を全く有さない、または、少なくともガス通路として機能する孔である。
【0033】
図5A~5Bおよび
図6A~6Bは、さらなる例であるフェイスレスシャワーヘッド502および602を示す。フェイスレスシャワーヘッド502および602の対応する構成要素は、
図4A~4Bと同様に符号が付けられている。
図6A~6Bに示した例示的なシャワーヘッド602では、バッフル608は、例えばバックプレート604に対するステム606に設けられたバッフル空洞622内に位置する。この構成では、バッフル608の下面618は、バックプレート604の下面620と同一平面上にない。表面618および620は、必要に応じて、適した長い支持要素610によって同一平面にできる。図の例では、空洞612はバックプレート604に維持されるが、この特徴は他の例において必ずしも必要ではない。いくつかの実施形態では、ステム606の下面624は、バックプレート604の下面620と同一平面にされてよい。
【0034】
支持要素410、510、および610の長さ、配置、または構成は、必要に応じて、フェイスレスシャワーヘッド402、502、および602の構成要素間で相互関係または機能性をもたらすように選択できる。所定の支持要素410、510、および610は取り除かれてよい、または、別の長さまたは構成の別の支持要素410、510、および610と素早く交換されてよい。例えば
図7を参照すると、バッフル708は、別の構成の支持要素710によってバッフル空洞712に支持されている。この例における支持要素は、細長いロッドとは対照的に横方向の支持アームの形で設けられている。この場合、バッフル708は、図のようにバッフル708の周囲に等間隔に設けられた、一連の3つの支持アーム710によって支持される。
【0035】
添付の図を参照すると、いくつかの例では、バックプレートの直径は12mm~105mmまたは2.5mm~13mmの範囲である。いくかの例では、バッフルの直径は12mm~105mmまたは2.5mm~13mmの範囲である。図面に示された図の例(例えば、
図5Aの入れ子状バッフル構成)では、バッフルの直径はバックプレートの直径よりも小さい。いくつかの例では、バッフルの厚さは0.5mm~3mmの範囲である。いくつかの例では、バッフルとバックプレートとの間の分離距離は0.1mm~6mmの範囲である。いくつかの例では、バッフルとガス供給ステムとの間の分離距離は0.5mm~6mmの範囲である。いくつかの例では、貫通孔の直径は0.2mm~10mmの範囲である。いくつかの例では、内円形パターンまたは外円形パターンの直径は2mm~100mmの範囲である。いくつかの例では、支持要素の直径は1mm~10mmの範囲であり、支持要素の長さは0.5mm~6mmの範囲である。所望のプロセス結果を引き出すために、様々な組み合わせの微調整要素が可能である。
【0036】
バッフルおよびバックプレートには、円形以外の他の形状が可能である。例えば、バッフルまたはバックプレートは、1つ以上の異なる形状(例えば、三角形、六角形、三日月形、または無定形)が想定できる、またはそれらを含みうる。いくつかの例では、バッフルまたはバックプレートの特定の形状が、所定のプロセスを調整するためのさらなるノブを可能にする。
【0037】
いくつかの例では、バッフルまたはガス供給ステムの中央に孔または柱が設けられる。いくつかの例では、さらなるプロセスノブを可能にするために、ガス供給ステムは特定の内径または外径を有する。いくつかの例では、ガス供給ステムの内径は2mm~80mmの範囲である。いくつかの例では、ガス供給ステムの外径は25mm~150mmの範囲である。いくつかの例では、ステムの内径または外径は、円筒状であってよい、もしくはそうでなくてよい、または、円筒状輪郭における円形であってよい、もしくはそうでなくてよい。
【0038】
いくつかの本例は方法を含む。
図8を参照すると、基板を処理する方法800は、動作802において、フェイスレスシャワーヘッドであって、バックプレートを含んでフェイスプレートまたはプレナムを含まない本体と、シャワーヘッドにガスを導入するためのガス供給ステムと、ガス供給ステムの端から離れて支持されるバッフルと、を備えるフェイスレスシャワーヘッドを提供する工程と、動作804において、基板処理チャンバにフェイスレスシャワーヘッドを設置する工程と、動作806において、フェイスレスシャワーヘッドを通じて処理チャンバにガスを導入する工程と、動作808において、基板を処理する工程と、を含む。
【0039】
いくつかの例では、フェイスレスシャワーヘッドは、本明細書の他の部分に記載される1つ以上の特徴を含む。いくつかの例では、方法800はさらに、基板処理チャンバにおいてプラズマを発生させる工程、または、基板処理チャンバにおいてプラズマを発生させない工程を含む。
【0040】
特定の例示的な実施形態または方法を参照して例が説明されたが、実施形態の広義から逸脱することなくこれらの実施形態に様々な修正および変更が行われてよいことが明らかだろう。従って、明細書および図面は限定的ではなく例示的と見なされるべきである。本願の一部を形成する添付の図面は、限定ではなく例示のために、発明の主題が実施されうる特定の実施形態を示す。例示の実施形態は、当業者が本明細書に開示の教示を実行できるよう十分詳細に説明されている。本開示の範囲を逸脱することなく構造的および論理的な置き換えおよび変更が行われうるように、他の実施形態が用いられ、そこから導かれてよい。そのため、本発明を実施するための形態は限定的に捉えられるべきでなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、および、かかる特許請求の範囲が権利化された同等物の全範囲によってのみ規定される。
【0041】
本発明の主題のかかる実施形態は、実際に1つ以上が開示された場合でも、単に便宜上、本明細書において個々におよび/またはまとめて「発明」と呼ばれてよく、本願の範囲を1つの発明または発明概念に自発的に限定する意図はない。よって、本明細書において特定の実施形態が説明および記載されたとしても、同じ目的を達成するように意図された配置は、示された特定の実施形態に置き換えられてよいことを認識されたい。本開示は、様々な実施形態の全ての適合または変更を含むことを意図している。上記実施形態と本明細書に明記されていない他の実施形態との組み合わせは、上記説明を見直せば当業者には明らかだろう。
【国際調査報告】