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特表2023-545063表面保護フィルム用粘着フィルム及びこれを含む光学部材
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  • 特表-表面保護フィルム用粘着フィルム及びこれを含む光学部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】表面保護フィルム用粘着フィルム及びこれを含む光学部材
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20231019BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20231019BHJP
   C09J 175/08 20060101ALI20231019BHJP
   C09J 175/06 20060101ALI20231019BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J175/04
C09J175/08
C09J175/06
C09J11/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521364
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 KR2021017141
(87)【国際公開番号】W WO2022108403
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0158270
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514278061
【氏名又は名称】サムスン エスディアイ カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20, Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si,Gyeonggi-do 17084,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ナム,イリナ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ボン ソ
(72)【発明者】
【氏名】キム,イル ジン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ドン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ドン イル
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA14
4J004AB01
4J004AB05
4J004CA06
4J004DB03
4J004EA06
4J004FA04
4J004FA08
4J040EF001
4J040EF111
4J040EF131
4J040EF282
4J040EF292
4J040EF302
4J040JA09
4J040JB02
4J040JB09
4J040KA14
4J040KA16
4J040KA25
4J040KA31
4J040LA06
4J040LA10
4J040MA05
4J040MA10
4J040NA17
(57)【要約】
ウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤を含む組成物で形成される表面保護フィルム用粘着フィルムとして、前記粘着フィルムは、式1の剥離力の上昇率が180%以下で、初期剥離力が1gf/inch乃至12gf/inchで、窒素の含量が0.5重量%乃至1.5重量%で、25℃でのモジュラスが0.05MPa乃至0.8MPaである、表面保護フィルム用粘着フィルム及びこれを含む光学部材が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成される表面保護フィルム用粘着フィルムとして、
前記粘着フィルムは、下記の式1の剥離力の上昇率が180%以下で:
【数1】

(前記式1において、
P1は、前記粘着フィルムの初期剥離力(単位:gf/inch)で、
P2は、前記粘着フィルムを50℃で3日間放置してから、25℃で30分経過した後の前記粘着フィルムの剥離力(単位:gf/inch)で、
前記粘着フィルムは、前記初期剥離力が1gf/inch乃至12gf/inchで、
前記粘着フィルムは、全体の原子中の窒素(N)原子の含量が0.5重量%乃至1.50重量%で、
前記粘着フィルムは、25℃でのモジュラスが0.05MPa乃至0.8MPaである、表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項2】
前記粘着フィルムは、可視光線領域でのヘイズが5%以下である、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項3】
前記粘着フィルムは、50℃で3日間放置してから、25℃で30分経過した後の剥離力が12gf/inch以下である、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項4】
前記ウレタン系バインダーは、ポリエーテル系ポリオールから由来する単位を含むものである、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項5】
前記ウレタン系バインダーは、ポリエステル系ポリオールから由来する単位をさらに含むものである、請求項4に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項6】
前記ウレタン系バインダーは、ハイパーブランチされたものである、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項7】
前記ウレタン系バインダーは、トリオール40重量%乃至95重量%、及びジオール5重量%乃至60重量%を含むポリオールから製造されたものである、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項8】
前記ウレタン系バインダーの水酸基の全体のモル数に対する前記イソシアネート系硬化剤のイソシアネート基の全体のモル数の比率は、0.7乃至1.2である、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項9】
前記イソシアネート系硬化剤は、脂肪族ポリイソシアネート系、脂環族ポリイソシアネート系、芳香族ポリイソシアネート系又は芳香脂肪族ポリイソシアネート系硬化剤のイソシアヌレート体を含むものである、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項10】
前記イソシアネート系硬化剤は、前記ウレタン系バインダー100重量部に対して2重量部乃至10重量部で含まれるものである、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項11】
前記組成物は、架橋触媒、可塑剤、及びレベリング剤のうち1種以上をさらに含むものである、請求項1に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項12】
前記可塑剤は、炭素数6乃至炭素数18の一塩基酸又は多塩基酸と炭素数18以下の分岐型アルコールとのエステル、炭素数14乃至18の不飽和脂肪酸又は分岐酸と4価以下のアルコールとのエステル、及び炭素数6乃至10の一塩基酸又は多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステルのうち1種以上を含むものである、請求項11に記載の表面保護フィルム用粘着フィルム。
【請求項13】
光学フィルム;及び
前記光学フィルムの少なくとも一面に形成された請求項1から12のいずれか1項の表面保護フィルム用粘着フィルム;を含むものである、光学部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面保護フィルム用粘着フィルム及びこれを含む光学部材に関する。
【背景技術】
【0002】
光学表示装置の使用、保管及び製造環境が苛酷になっている。また、ウェアラブル装置、フォルダブル装置などの新しい光学表示装置に対する関心が高まっている。これによって、光学表示装置のパネルを保護する粘着性保護フィルムに対しても様々な物性が要求されている。特に、光学表示装置のパネルが薄膜化及び柔軟化されながら、粘着性保護フィルムの除去時にパネルの損傷が少なく、苛酷な条件でも物性の変化が少ない粘着性保護フィルムの開発が要求されている。
【0003】
これによって、アクリレート系又はウレタンアクリレート系粘着性保護フィルムが開発されている。しかし、アクリレート系又はウレタンアクリレート系粘着性保護フィルムは、粘着性保護フィルムを被着体に付着してから長期間放置したとき、被着体に対する剥離力が過度に上昇することによって、被着体からの剥離時に被着体の損傷及び/又は変形が多く生じるおそれがあり、粘着性保護フィルムを被着体から容易に除去しにくいので、工程性が低下し得るという限界を有する。
【0004】
本発明の背景技術は、韓国公開特許第2012-0050136号などに開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、被着体に対する臨時的な保護効果と、被着体の変形及び/又は損傷のない被着体からの除去効果とを同時に提供する表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、被着体に粘着した後、剥離力の上昇率が低い表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することにある。
【0007】
本発明の更に他の目的は、被着体に対する良好なウェッティング性及び良好な飛散防止性を提供する表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、ヘイズが低いので、裁断性及び工程性に優れた表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点は、表面保護フィルム用粘着フィルムである。
【0010】
1.表面保護フィルム用粘着フィルムは、ウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成され、前記粘着フィルムは、下記の式1の剥離力の上昇率が180%以下で:
【0011】
【数1】
【0012】
(前記式1において、
P1は、前記粘着フィルムの初期剥離力(単位:gf/inch)で、
P2は、前記粘着フィルムを50℃で3日放置してから、25℃で30分経過した後の前記粘着フィルムの剥離力(単位:gf/inch)で、
前記粘着フィルムは、前記初期剥離力が1gf/inch乃至12gf/inchで、
前記粘着フィルムは、全体の原子中の窒素(N)原子の含量が0.5重量%乃至1.50重量%で、前記粘着フィルムは、25℃でのモジュラスが0.05MPa乃至0.8MPaである。
【0013】
2.1において、前記粘着フィルムは、可視光線領域でのヘイズが5%以下であってもよい。
【0014】
3.1~2において、前記粘着フィルムは、50℃で3日間放置してから、25℃で30分経過した後の剥離力が12gf/inch以下であってもよい。
【0015】
4.1~3において、前記ウレタン系バインダーは、ポリエーテル系ポリオールから由来する単位を含むことができる。
【0016】
5.4において、前記ウレタン系バインダーは、ポリエステル系ポリオールから由来する単位をさらに含むことができる。
【0017】
6.1~5において、前記ウレタン系バインダーは、ハイパーブランチされたものであってもよい。
【0018】
7.1~6において、前記ウレタン系バインダーは、トリオール40重量%乃至95重量%、及びジオール5重量%乃至60重量%を含むポリオールから製造されたものであってもよい。
【0019】
8.1~7において、前記ウレタン系バインダーの水酸基の全体のモル数に対する前記イソシアネート系硬化剤のイソシアネート基の全体のモル数の比率は、0.7乃至1.2であってもよい。
【0020】
9.1~8において、前記イソシアネート系硬化剤は、脂肪族ポリイソシアネート系、脂環族ポリイソシアネート系、芳香族ポリイソシアネート系又は芳香脂肪族ポリイソシアネート系硬化剤のイソシアヌレート体を含むことができる。
【0021】
10.1~9において、前記イソシアネート系硬化剤は、前記ウレタン系バインダー100重量部に対して2重量部乃至10重量部で含まれてもよい。
【0022】
11.1~10において、前記組成物は、架橋触媒、可塑剤、及びレベリング剤のうち1種以上をさらに含むことができる。
【0023】
12.11において、前記可塑剤は、炭素数6乃至炭素数18の一塩基酸又は多塩基酸と炭素数18以下の分岐型アルコールとのエステル、炭素数14乃至18の不飽和脂肪酸又は分岐酸と4価以下のアルコールとのエステル、及び炭素数6乃至10の一塩基酸又は多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステルのうち1種以上を含むことができる。
【0024】
本発明の光学部材は、光学フィルム、及び前記光学フィルムの少なくとも一面に形成された本発明の表面保護フィルム用粘着フィルムを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、被着体に対する臨時的な保護効果と、被着体の変形及び/又は損傷のない被着体からの除去効果とを同時に提供する表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することができる。
【0026】
本発明は、被着体に粘着した後、剥離力の上昇率が低い表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することができる。
【0027】
本発明は、被着体に対する良好なウェッティング性及び良好な飛散防止性を提供する表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することができる。
【0028】
本発明は、ヘイズが低いので、裁断性及び工程性に優れた表面保護フィルム用粘着フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実験例において、表面保護フィルム用粘着フィルムのモジュラスを測定するための試験片の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[発明を実施するための最善の形態]
以下、本発明の各実施例をより詳細に説明する。しかし、本出願に開示された技術は、ここで説明する各実施例に限定されなく、他の形態に具体化される場合もある。但し、ここで紹介する各実施例は、開示された内容が徹底的且つ完全になり得るように、そして、当業者に本出願の思想を十分に伝達するために提供されるものである。
【0031】
本明細書において、粘着フィルムの「モジュラス」は、25℃で測定された引張モジュラスを意味する。
【0032】
本明細書において、「被着体」は、ガラス板、プラスチック板又は表示装置用パネルなどを含み得るが、これに制限されない。
【0033】
本明細書において、数値範囲の記載時、「X乃至Y」は、X以上Y以下(X≦そして≦Y)を意味する。
【0034】
本発明の表面保護フィルム用粘着フィルム(以下、「粘着フィルム」と言う)は、被着体に粘着しながら被着体を臨時的に保護し、被着体から除去されるときには、被着体の変形及び/又は損傷が生じることなく除去され得る。本発明の粘着フィルムは、被着体に粘着した後、剥離力の上昇率が低いので、被着体に長期間粘着した後にも被着体の変形及び/又は損傷が生じることなく被着体から除去され得る。
【0035】
本発明の粘着フィルムは、被着体への粘着時に良好なウェッティング性を有するので、被着体に気泡及び/又は浮き上がりが発生することなく上手く粘着することができ、被着体に粘着した後、裁断時に飛散防止性が良好であり、裁断性及び工程性を改善することができる。
【0036】
本発明の粘着フィルムは、ヘイズが低いので、被着体に粘着した後のパネル異物検査を容易にし、優れた工程性を提供することができる。
【0037】
以下、本発明の一実施例に係る粘着フィルムを説明する。
【0038】
粘着フィルムは、25℃でのモジュラスが0.05MPa乃至0.8MPaである。前記範囲で、粘着フィルムは、ウェッティング性(wetting ability)が良いので、被着体への粘着時、気泡及び/又は浮き上がりなどが発生することなく粘着することができ、飛散防止性が良いので裁断性及び工程性が優秀になり得る。具体的には、粘着フィルムは、25℃でのモジュラスが、例えば、0.05MPa、0.1MPa、0.15MPa、0.2MPa、0.25MPa、0.3MPa、0.35MPa、0.4MPa、0.45MPa、0.5MPa、0.55MPa、0.6MPa、0.65MPa、0.7MPa、0.75MPa、0.8MPa、具体的には0.1MPa乃至0.8MPa、さらに具体的には0.5MPa乃至0.8MPaになってもよい。前記「飛散防止性」は、粘着フィルムと被着体との積層体を、鉛筆硬度計を使用してJIS K5400方法に基づいてSUSペンが粘着性保護フィルムを押す荷重:1kg、粘着性保護フィルム面とSUSペンとがなす角度:45゜、SUSペンが粘着性保護フィルムを引っ掻く速度48mm/min、SUSペンの直径1mmの条件で引っ掻いだとき、パーティクルなどが生成されないことを意味する。
【0039】
粘着フィルムは、初期剥離力が1gf/inch乃至12gf/inchで、下記の式1の剥離力の上昇率が180%以下である:
【0040】
【数2】
【0041】
(前記式1において、
P1は、前記粘着フィルムの初期剥離力(単位:gf/inch)で、
P2は、前記粘着フィルムを50℃で3日間放置してから、25℃で30分経過した後の前記粘着フィルムの剥離力(単位:gf/inch)である。)
前記「初期剥離力」は、粘着フィルムを50℃で3日間放置する前に測定された剥離力を意味する。前記初期剥離力の範囲で、粘着フィルムは、被着体に粘着した後、被着体から容易に分離されないので被着体の保護効果があり、式1の剥離力の上昇率が高くならない場合がある。前記剥離力の上昇率範囲で、被着体に粘着フィルムを粘着させてから長期間放置した後にも、被着体から粘着フィルムを除去するときに被着体の損傷及び/又は変形が生じなく、工程安定性が優秀になり得る。
【0042】
具体的には、初期剥離力P1は、例えば、1gf/inch、1.5gf/inch、2gf/inch、2.5gf/inch、3gf/inch、3.5gf/inch、4gf/inch、4.5gf/inch、5gf/inch、5.5gf/inch、6gf/inch、6.5gf/inch、7gf/inch、7.5gf/inch、8gf/inch、8.5gf/inch、9gf/inch、9.5gf/inch、10gf/inch、10.5gf/inch、11gf/inch、11.5gf/inch、12gf/inch、1gf/inch乃至5gf/inch、2gf/inch乃至5gf/inch、さらに具体的には2gf/inch乃至4.5gf/inchになってもよい。具体的には、式1の剥離力の上昇率は、例えば、1%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、1%乃至180%、さらに具体的には5%乃至176%、10%乃至170%、20%乃至160%、50%乃至160%、60%乃至150%になってもよい。
【0043】
一具体例において、粘着フィルムは、50℃で3日間放置してから、25℃で30分経過した後の剥離力P2がP1と同じかそれより大きく、12gf/inch以下、例えば、1gf/inch、1.5gf/inch、2gf/inch、2.5gf/inch、3gf/inch、3.5gf/inch、4gf/inch、4.5gf/inch、5gf/inch、5.5gf/inch、6gf/inch、6.5gf/inch、7gf/inch、7.5gf/inch、8gf/inch、8.5gf/inch、9gf/inch、9.5gf/inch、10gf/inch、10.5gf/inch、11gf/inch、11.5gf/inch、12gf/inch、1gf/inch乃至12gf/inch、1gf/inch乃至9gf/inch、1gf/inch乃至8gf/inch、1gf/inch乃至7gf/inch、1gf/inch乃至6gf/inch、1gf/inch乃至5gf/inchになってもよい。前記範囲で、粘着フィルムは、被着体に長期間放置した後で剥離したときにも、被着体の損傷及び変形が生じることなく除去されるという効果があり得る。
【0044】
粘着フィルムは、可視光線領域でのヘイズが5%以下、具体的には0%乃至2%、0%乃至1%になってもよい。前記範囲で、被着体に粘着した後でパネル異物検査を容易に行えるので、工程性が優秀になり得る。
【0045】
粘着フィルムは、厚さが約100μm以下、例えば、約0μm超過75μm以下になってもよい。前記範囲で、粘着フィルムは、被着体に粘着したときに被着体を保護し、被着体から容易に剥離され得る。
【0046】
上述する初期剥離力、剥離力の上昇率、モジュラス及びヘイズを有する粘着フィルムを提供するために、粘着フィルムは、全体の原子中の窒素(N)原子の含有量が0.5重量%乃至1.50重量%である。前記窒素(N)の含量範囲内で、粘着フィルムは、上述した初期剥離力、剥離力の上昇率、モジュラス及びヘイズを全て満足することができる。例えば、粘着フィルムは、全体の原子中の窒素(N)原子の含有量が0.50重量%、0.55重量%、0.60重量%、0.65重量%、0.70重量%、0.75重量%、0.80重量%、0.85重量%、0.90重量%、0.95重量%、1.00重量%、1.05重量%、1.10重量%、1.15重量%、1.20重量%、1.25重量%、1.30重量%、1.35重量%、1.40重量%、1.45重量%、1.50重量%になってもよい。
【0047】
下記で詳細に説明するが、粘着フィルムは、ウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤を含む粘着フィルム用組成物で形成される。ウレタン系バインダーは、窒素(N)を有するウレタン結合及び水酸基(-OH)を含有し、前記水酸基は、イソシアネート系硬化剤と反応する。イソシアネート系硬化剤は、窒素(N)を有するイソシアネート基(-NCO)を含有する。ウレタン系バインダーがイソシアネート系硬化剤によって硬化され、ウレタン系バインダーのOH基とイソシアネート系硬化剤のNCO基とが互いに反応すると、-NH(C=O)-O基が形成されるので窒素の含量が変化しない。結局、粘着フィルム中の窒素(N)は、ウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤の全てから由来する。本発明は、粘着フィルムにおいて、全体の原子中の窒素(N)原子の含有量を0.5重量%乃至1.50重量%にすることによって、上述する初期剥離力、剥離力の上昇率、モジュラス及びヘイズを同時に満足させることができた。一具体例において、粘着フィルム中の窒素(N)の含有量は、0.6重量%超過1.27重量%以下になってもよい。好ましくは、粘着フィルムは、全体の原子中の窒素(N)原子の含有量が0.6重量%乃至1.27重量%になってもよい。
【0048】
前記粘着フィルム中の「窒素の含有量」は、粘着フィルム2mgを900℃で燃焼(burning)させて得た試料をガスクロマトグラフカラム(Gas chromatographic column)で元素分析(elemental analysis)して得ることができる。
【0049】
一具体例において、ウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤にのみ窒素(N)が存在し、粘着フィルム中のウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤を除いた残りの成分には窒素(N)が存在しない場合がある。
【0050】
粘着フィルム中の窒素(N)の含有量は、前記粘着フィルム用組成物に含まれるウレタン系バインダーとイソシアネート系硬化剤のそれぞれの種類及び/又は含量を制御することによって到達し得る。一具体例において、本発明は、前記組成物中のモル数比[NCO]/[OH]を0.7乃至1.2に制御することによって、上述した粘着フィルム中の窒素(N)の含有量に到逹することができた。
【0051】
前記組成物中の「モル数比[NCO]/[OH]」は、前記組成物中のウレタン系バインダーの水酸基[OH]の全体のモル数に対するイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基[NCO]の全体のモル数の比率である。好ましくは、モル数比[NCO]/[OH]は、0.7、0.74、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、具体的には0.7以上1.15未満、さらに好ましくは0.7以上1.11以下、さらに好ましくは0.74以上1.0以下になってもよい。
【0052】
以下、本発明の一実施例に係る粘着フィルム用組成物を説明する。
【0053】
粘着フィルム用組成物は、ウレタン系バインダー及びイソシアネート系硬化剤を含む。
【0054】
ウレタン系バインダーは、ウレタン結合及び1個以上の水酸基(-OH)を有するポリウレタンポリオールバインダーを含むことができる。ウレタン系バインダーは、重量平均分子量が3万乃至15万、例えば、3万、3.5万、4万、4.5万、5万、5.5万、6万、6.5万、7万、7.5万、8万、8.5万、9万、9.5万、10万、10.5万、11万、11.5万、12万、12.5万、13万、13.5万、14万、14.5万、15万、具体的には6万乃至12万になってもよい。前記範囲で、本発明の効果を容易に具現することができる。
【0055】
一具体例において、ウレタン系バインダーは、ポリエーテル系ポリオールから由来する単位を含むことができる。ポリエーテル系ポリオールから由来する単位は、本発明の粘着フィルムが本発明の上述した効果を達成することをより容易にすることができる。
【0056】
他の具体例において、ウレタン系バインダーは、ポリエーテル系ポリオールから由来する単位及びポリエステル系ポリオールから由来する単位を含むことができる。ポリエステル系ポリオールから由来する単位は、ポリエーテル系ポリオールから由来する単位が本発明の効果を容易に具現できるように助ける機能をすることができる。
【0057】
一具体例において、ウレタン系バインダーは、(メタ)アクリレート基を含まなくてもよい。
【0058】
ポリウレタンポリオールバインダーは、1種以上のポリオールと1種以上のポリイソシアネート化合物とを反応させて製造されてもよい。
【0059】
ポリオールは、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリアクリル系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、及びポリカーボネート系ポリオールのうち1種以上を含むことができる。好ましくは、ポリオールは、ポリエーテル系ポリオール1種以上を含むことができ、ポリエステル系ポリオールのうち1種以上をさらに含むことができる。
【0060】
ポリエーテル系ポリオールは、アルキレンオキシド基を有するものであって、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの2官能ポリエーテル系ポリオール(ポリエーテルジオール)又は3官能ポリエーテル系ポリオール(ポリエーテルトリオール)、グリセリンアルキレンオキシド付加物の3官能ポリエーテル系ポリオール(ポリエーテルトリオール)などを含む2個以上の水酸基を有するポリエーテル系ポリオールであることが好ましい場合がある。これを通じて、ウレタン系バインダーは、ハイパーブランチされた(hyperbranched)バインダーになることによって、本発明の効果を容易に具現することができる。前記「ハイパーブランチされた」は、末端官能基が多く、樹状の分岐型構造を有するポリマーを意味する。
【0061】
ポリエーテル系ポリオールは、数平均分子量が400乃至10000、例えば、400、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、具体的には1000乃至7000になってもよい。前記範囲で、満足する剥離力、ウェッティング性及びモジュラスを得るという効果があり得る。好ましくは、ポリエーテル系ポリオールは、ポリエーテルジオールとポリエーテルトリオールとの混合物を含むことによって、本発明の効果をより容易に具現することができる。
【0062】
ポリエステル系ポリオールは、1種以上のポリオールと1種以上の酸成分との間のエステル化反応によって得られたポリオールを含むことができる。ポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,8-デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、及びヘキサントリオールのうち1種以上を含むことができる。酸成分としては、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン二酸、1,14-テトラデカン二酸、ダイマー酸、2-メチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-エチル-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸又はこれらの酸無水物を挙げることができる。
【0063】
ポリエステル系ポリオールは、2官能ポリエステル系ポリオール(ポリエステルジオール)、及び3官能ポリエステル系ポリオール(ポリエステルトリオール)のうち1種以上を含む2個以上の水酸基を有するポリエステル系ポリオールを含むことができる。これを通じて、ウレタン系バインダーは、ハイパーブランチされたバインダーになることによって、本発明の効果をより容易に具現することができる。
【0064】
ポリエステル系ポリオールは、数平均分子量が1000乃至5000、例えば、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、具体的には2000乃至3000になってもよい。前記範囲で、満足する剥離力及びモジュラスを得ることができ、経時剥離力の上昇を抑制するという効果があり得る。
【0065】
ポリイソシアネート化合物は、複数個のイソシアネート基(-NCO)を有するポリイソシアネート系化合物を含むことができる。ポリイソシアネート系化合物は、公知のポリイソシアネート系化合物であってもよく、脂肪族ポリイソシアネート系、脂環族ポリイソシアネート系、芳香族ポリイソシアネート系、及び芳香脂肪族ポリイソシアネート系のうち1種以上を含むことができる。そのうち、脂肪族ポリイソシアネート系が好ましい場合がある。
【0066】
脂肪族ポリイソシアネート系化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのうち1種以上を含むことができる。
【0067】
一具体例において、ウレタン系バインダーは、ポリエステル系ポリオールから由来する単位0モル%乃至15モル%、例えば、0モル%、1モル%、2モル%、3モル%、4モル%、5モル%、6モル%、7モル%、8モル%、9モル%、10モル%、11モル%、12モル%、13モル%、14モル%、15モル%、ポリエーテルトリオールから由来する単位15モル%乃至45モル%、例えば、15モル%、16モル%、17モル%、18モル%、19モル%、20モル%、21モル%、22モル%、23モル%、24モル%、25モル%、26モル%、27モル%、28モル%、29モル%、30モル%、31モル%、32モル%、33モル%、34モル%、35モル%、36モル%、37モル%、38モル%、39モル%、40モル%、41モル%、42モル%、43モル%、44モル%、45モル%、ポリエーテルジオールから由来する単位4モル%乃至44モル%、例えば、4モル%、5モル%、6モル%、7モル%、8モル%、9モル%、10モル%、11モル%、12モル%、13モル%、14モル%、15モル%、16モル%、17モル%、18モル%、19モル%、20モル%、21モル%、22モル%、23モル%、24モル%、25モル%、26モル%、27モル%、28モル%、29モル%、30モル%、31モル%、32モル%、33モル%、34モル%、35モル%、36モル%、37モル%、38モル%、39モル%、40モル%、41モル%、42モル%、43モル%、44モル%、及びポリイソシアネート系化合物から由来する単位35モル%乃至50モル%、例えば、35モル%、36モル%、37モル%、38モル%、39モル%、40モル%、41モル%、42モル%、43モル%、44モル%、45モル%、46モル%、47モル%、48モル%、49モル%、50モル%を含むことができる。前記範囲で、満足する剥離力及びモジュラスを得ることができ、軽視剥離力の上昇を抑制するという効果があり得る。
【0068】
前記反応は、1種以上のポリオール及び1種以上のポリイソシアネート系化合物を含む混合物に触媒を入れた後、これらを所定の温度で反応させて行われ得る。前記混合物のポリオール中の水酸基(-OH)の総モル数に対するポリイソシアネート系化合物中のイソシアネート基(-NCO)の総モル数の比[NCO]/[OH]は、0.5乃至0.96になってもよい。前記範囲で、本発明の粘着フィルム中の窒素(N)の含量範囲に容易に到達し得る。好ましくは、[NCO]/[OH]は、0.5乃至0.95、例えば、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、例えば、0.5乃至0.9になってもよい。
【0069】
一具体例において、前記混合物のうち1種以上のポリオールは、ポリエーテル系ポリオールを含むことができる。前記ポリオールとしてポリエーテル系ポリオールを含むことによって、本発明の効果をより容易に具現することができる。
【0070】
他の具体例において、前記混合物のうち1種以上のポリオールは、ポリエステル系ポリオールをさらに含むことができる。例えば、前記混合物のうち1種以上のポリオールは、ポリエーテル系ポリオール40モル%乃至65モル%、例えば、40モル%、41モル%、42モル%、43モル%、44モル%、45モル%、46モル%、47モル%、48モル%、49モル%、50モル%、51モル%、52モル%、53モル%、54モル%、55モル%、56モル%、57モル%、58モル%、59モル%、60モル%、61モル%、62モル%、63モル%、64モル%、65モル%、ポリエステル系ポリオール1モル%乃至15モル%、例えば、1モル%、2モル%、3モル%、4モル%、5モル%、6モル%、7モル%、8モル%、9モル%、10モル%、11モル%、12モル%、13モル%、14モル%、15モル%を含むことができる。前記範囲で、満足する剥離力及びモジュラスを得ることができ、軽視剥離力の上昇を抑制するという効果があり得る。
【0071】
一具体例において、ポリオールは、ポリエステル系ジオールを含まなくてもよい。一具体例において、ポリオールは、ポリエステル系トリオールを含まなくてもよい。
【0072】
前記触媒は、スズ系化合物としてジブチルスズジラウレート(DBTDL)、2-エチルヘキサン酸スズなどを含み得るが、これに制限されない。
【0073】
ウレタン系バインダーは、ポリオールのうちトリオール40重量%乃至95重量%、例えば、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、70重量%、71重量%、72重量%、73重量%、74重量%、75重量%、76重量%、77重量%、78重量%、79重量%、80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、及びジオール5重量%乃至60重量%、例えば、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%を含むポリオール、好ましくは、トリオール50重量%超過95重量%以下、52重量%乃至95重量%、ジオール5重量%以上50重量%未満、5重量%乃至48重量%を含むポリオールから製造され得る。前記範囲で、本発明のハイパーブランチされたウレタン系バインダーの製造が容易になることによって、本発明の効果を容易に具現することができる。前記トリオールは、ポリエーテル系トリオールを含むことができる。前記ジオールは、ポリエーテル系ジオール単独又はポリエーテル系ジオールとポリエステル系ジオールとの混合物を含むことができる。
【0074】
ウレタン系バインダーの製造において、ポリオールとイソシアネート系硬化剤との総和のうちトリオール40重量%乃至90重量%、例えば、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%、70重量%、71重量%、72重量%、73重量%、74重量%、75重量%、76重量%、77重量%、78重量%、79重量%、80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、90重量%、ジオール2重量%乃至50重量%、例えば、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、24重量%、25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、50重量%、イソシアネート系硬化剤2重量%乃至10重量%、例えば、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%を含む組成物から製造されてもよい。前記範囲で、本発明のハイパーブランチされたウレタン系バインダーの製造が容易になることによって、本発明の効果を容易に具現することができる。前記トリオールは、ポリエーテルトリオールを含むことができる。前記ジオールは、ポリエーテルジオール単独又はポリエーテルジオールとポリエステルジオールとの混合物を含むことができる。
【0075】
前記ハイパーブランチされたウレタン系バインダーの製造は、反応器内にポリオール混合物を入れ、窒素パージング下で80℃乃至100℃で10分乃至30分間加熱しながら残余水分を完全に除去した後、前記反応器の内部温度を60℃乃至70℃まで下げ、ポリイソシアネート系化合物及び触媒を投入し、60℃乃至75℃で2時間乃至4時間にわたって1次重合させた後、75℃乃至85℃で60分乃至120分間2次重合させることによって行われ得る。
【0076】
イソシアネート系硬化剤は、イソシアネート基がウレタン系バインダーの水酸基と反応することによって粘着フィルムのマトリックスを提供し、粘着フィルムの剥離力を提供することができる。
【0077】
イソシアネート系硬化剤は、複数個のイソシアネート基(-NCO)を有する多官能イソシアネート系硬化剤として当業者に知られている通常のイソシアネート系硬化剤を含むことができる。
【0078】
一具体例において、イソシアネート系硬化剤は、脂肪族ポリイソシアネート系、脂環族ポリイソシアネート系、芳香族ポリイソシアネート系、及び芳香脂肪族ポリイソシアネート系のうち1種以上又はこれらのポリオールアダクト体、これらのビュレット体又はこれらのイソシアヌレート体などを含むことができる。例えば、脂肪族ポリイソシアネート系化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのうち1種以上を含むことができる。好ましくは、イソシアネート系硬化剤は、上述したイソシアネート系硬化剤のイソシアヌレート体を含むことができる。
【0079】
イソシアネート系硬化剤は、ウレタン系バインダー100重量部に対して2重量部乃至10重量部、例えば、2重量部、2.5重量部、3重量部、3.5重量部、4重量部、4.5重量部、5重量部、5.5重量部、6重量部、6.5重量部、7重量部、7.5重量部、8重量部、8.5重量部、9重量部、9.5重量部、10重量部、具体的には4重量部乃至7重量部で含まれてもよい。前記範囲で、硬化後に満足する物性が得られるという効果があり得る。
【0080】
前記組成物は、架橋触媒をさらに含むことができる。
【0081】
架橋触媒は、ウレタン系バインダーとイソシアネート系硬化剤との間の反応を触媒することができる。架橋触媒は、金属系触媒のうち1種以上を含むことができる。金属系触媒は、スズ系触媒、及び非スズ系触媒のうち1種以上を含むことができる。スズ系触媒及び非スズ系触媒としては、それぞれ当業者に知られている通常の種類を採用することができる。例えば、スズ系触媒は、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズスルフィド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレエートなどを含み得るが、これに制限されない。
【0082】
架橋触媒は、ウレタン系バインダー100重量部に対して0.005重量部乃至0.5重量部、具体的には0.01重量部乃至0.1重量部で含まれてもよい。前記範囲で、満足する可使時間及び速い硬化が得られるという効果があり得る。
【0083】
前記組成物は、レベリング剤をさらに含むことができる。
【0084】
レベリング剤は、粘着フィルムのレベリング性を向上させることができる。レベリング剤は、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、シリコーン-アクリレート系レベリング剤などを含むことができる。
【0085】
レベリング剤は、ウレタン系バインダー100重量部に対して0.1重量部乃至5重量部、具体的には0.3重量部乃至1重量部で含まれてもよい。前記範囲で、低い初期剥離力が得られるという効果があり得る。
【0086】
前記組成物は、可塑剤をさらに含むことができる。
【0087】
可塑剤は、本発明の粘着フィルムの初期剥離力が低くなければならないが、それにもかかわらず、粘着フィルムのモジュラスを低下させることによって、飛散防止性を高めることができる。
【0088】
可塑剤としては、炭素数6乃至炭素数18の一塩基酸又は多塩基酸と炭素数18以下の分岐型アルコールとのエステル、炭素数14乃至18の不飽和脂肪酸又は分岐酸と4価以下のアルコールとのエステル、及び炭素数6乃至10の一塩基酸又は多塩基酸とポリアルキレングリコールとのエステルを挙げることができる。例えば、可塑剤としては、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルラウレート、ジイソステアリルアジペート、ジイソセチルセバケートなどを挙げることができるが、これに制限されない。
【0089】
可塑剤は、ウレタン系バインダー100重量部に対して1重量部乃至30重量部、例えば、1重量部、2重量部、3重量部、4重量部、5重量部、6重量部、7重量部、8重量部、9重量部、10重量部、11重量部、12重量部、13重量部、14重量部、15重量部、16重量部、17重量部、18重量部、19重量部、20重量部、21重量部、22重量部、23重量部、24重量部、25重量部、26重量部、27重量部、28重量部、29重量部、30重量部、具体的には10重量部乃至30重量部で含まれてもよい。前記範囲で、低い初期剥離力及び低いモジュラスが得られるという効果があり得る。
【0090】
前記組成物は、添加剤をさらに含むことができる。添加剤は、帯電防止剤、UV吸収剤、UV安定化剤、酸化防止剤、熱安定剤、界面活性剤などを含み得るが、これに制限されない。
【0091】
粘着フィルムは、基材フィルム上に粘着フィルム用組成物を所定の厚さで塗布し、110℃乃至140℃で乾燥させた後、30℃乃至70℃で1日乃至3日間熟成させることによって製造され得るが、これに制限されない。
【0092】
本発明の一実施例に係る光学部材は、光学フィルム、及び前記光学フィルムの少なくとも一面に形成された表面保護フィルム用粘着フィルムを含み、前記表面保護フィルム用粘着フィルムは、本発明の各実施例に係る表面保護フィルム用粘着フィルムを含む。
【0093】
光学フィルムは、ディスプレイパネルとしてポリイミドフィルムを含むことができる。一具体例において、光学フィルムは、発光素子層、及び発光素子層の少なくとも一面に形成されたポリイミドフィルムで構成されてもよい。光学フィルムとシリコーン系粘着性保護フィルムとの間には、有機絶縁膜又は無機絶縁膜がさらに形成されてもよい。光学部材は、シリコーン系粘着性保護フィルムの他の一面に離型フィルム(ライナー)をさらに含むことができる。離型フィルムは、粘着性保護フィルムが外部の異物などによって汚染することを防止することができる。離型フィルムとしては、上述した光学フィルムと同種又は異種の物質で形成された光学フィルムを使用することができる。例えば、離型フィルムは、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、環状オレフィンポリマー樹脂、及びアクリル樹脂のうち一つ以上の樹脂で形成されたフィルムであってもよい。離型フィルムは、厚さが10μm乃至100μm、好ましくは10μm乃至50μmになってもよい。前記範囲で、粘着性保護フィルムを支持することができる。
【0094】
[発明を実施するための形態]
以下、本発明の実施例を通じて本発明の構成及び作用をさらに詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明の理解を促進するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例に限定されることはない。
【0095】
製造例1:ウレタン系バインダーの製造
1000mLのジャケット反応器内にポリエーテル系ポリオールを下記の表1の重量で投入した後、これらを窒素パージング下で混合した。その後、トルエンを追加的に投入して得た混合物を10分間撹拌し、窒素パージング下で30分間85℃まで加熱しながら残余水分を除去した。その後、反応器の内部温度を60℃まで下げた後、下記の表1の重量でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を投入した。これを10分間60℃で追加的に撹拌した後、重合触媒ジブチルスズジラウレート(DBTDL)を投入した。1時間後、反応器の内部温度を70℃まで上げ、1時間後に再度80℃まで上げてから、80℃で2時間にわたって重合反応を行った。その後、その結果から得たバインダー溶液をトルエンで希釈させ、固形分65重量%の溶液を作り、これを室温まで冷却させた後、固形分を得た。固形分は、複数個の水酸基(-OH)を有するハイパーブランチされたウレタン系バインダーを含有している。
【0096】
製造例2乃至製造例14:ウレタン系バインダーの製造
製造例1でポリエーテル系ポリオールとポリエステル系ポリオールのそれぞれの種類及び重量、及びヘキサメチレンジイソシアネートの重量を下記の表1のように変更したことを除いては、製造例1と同一の方法を実施し、ハイパーブランチされたウレタン系バインダーを製造した。
【0097】
下記の表1において、「-」は、該当の成分が含まれないことを意味する。
【0098】
ウレタン系バインダーを製造するとき、ポリエーテル系ポリオール及びポリエステル系ポリオールを含むポリオール中の水酸基(-OH)の全体のモル数に対するポリイソシアネートであるヘキサメチレンジイソシアネート中のイソシアネート基(-NCO)の全体のモル数の比[NCO]/[OH]を計算し、その結果を下記の表1に示した。
【0099】
ウレタン系バインダーに対して、GPCを使用して重量平均分子量(Mw)を測定し、その結果を下記の表1に示した。
【0100】
【表1】
【0101】
表1において、
I:ポリエーテル系ジオール-ジオール1:PPG-1000D;ジオール2:PPG-2000D;ジオール3:PPG-3000D(以上、Kumho Petrochemical社、Korea);
II:ポリエーテル系トリオール-トリオール1:PPG-3020;トリオール2:PPG-7000(以上、Kumho Petrochemical社、Korea)
III:ポリエステル系ジオール(Polyol P-2010、Kuraray社)
IV:ポリエステル系トリオール(Polyol F-2010、Kuraray社)
実施例1
固形分を基準にして、製造例1で製造されたウレタン系バインダー100重量部、イソシアネート系硬化剤(Coronate HX)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型アダクト4.5重量部、架橋触媒ジブチルスズジラウレート(DBTDL)0.01重量部、レベリング剤(BYK-3700、BYK、シリコーン-アクリレート系)0.30重量部、及び可塑剤であるイソプロピルミリステート15重量部を混合することによって粘着フィルム用組成物を製造した。
【0102】
基材フィルム(PETフィルム、厚さ:75μm)の上部面に、前記製造した粘着フィルム用組成物をアプリケーターを使用して所定の厚さで塗布し、130℃で4分間乾燥させた。その後、得た塗布層に離型フィルム(PETフィルム、厚さ:25μm、帯電防止コーティング層が形成される)を覆った後、50℃で2日間熟成させることによって、基材フィルム-表面保護フィルム用粘着フィルム(厚さ:75μm)-離型フィルムの順に積層された粘着シートを製造した。
【0103】
実施例2乃至実施例14
実施例1でウレタン系バインダーの種類、硬化剤、架橋触媒、レベリング剤及び可塑剤のうち1種以上の含量を下記の表2(単位:重量部)のように変更したことを除いては、実施例1と同一の方法で基材フィルム-表面保護フィルム用粘着フィルム(厚さ:75μm)-離型フィルムの順に積層された粘着シートを製造した。
【0104】
比較例1乃至比較例6
実施例1でウレタン系バインダーの種類、硬化剤、架橋触媒、レベリング剤及び可塑剤のうち1種以上の含量を下記の表2(単位:重量部)のように変更したことを除いては、実施例1と同一の方法で基材フィルム-表面保護フィルム用粘着フィルム(厚さ:75μm)-離型フィルムの順に積層された粘着シートを製造した。
【0105】
比較例7
ポリエーテル系ジオールPPG-1000D 13.5モル、ポリエーテル系トリオールPPG-3020 29.2モル及びポリエーテル系トリオールPPG-10000 57.3モルを混合することによってポリオールブレンドを製造した。
【0106】
固形分を基準にして、前記製造したポリオールブレンド100重量部に対して、硬化剤、架橋触媒、レベリング剤及び可塑剤のうち1種以上の含量を下記の表2(単位:重量部)のように変更して添加することによって組成物を製造したことを除いては、実施例1と同一の方法で基材フィルム-表面保護フィルム用粘着フィルム(厚さ:75μm)-離型フィルムの順に積層された粘着シートを製造した。比較例7の組成物は、ウレタン系バインダーを含まない。
【0107】
比較例8
比較例7で硬化剤の含量を下記の表2のように変更したことを除いては、比較例7と同一の方法を実施し、基材フィルム-表面保護フィルム用粘着フィルム(厚さ:75μm)-離型フィルムの順に積層された粘着シートを製造した。比較例8の組成物は、ウレタン系バインダーを含まない。
【0108】
実施例と比較例で製造した表面保護フィルム用粘着フィルム組成物及び/又は表面保護フィルム用粘着フィルムに対して下記の物性を評価し、その結果を下記の表3に示した。
【0109】
(1)[NCO]/[OH]:実施例と比較例で製造された粘着フィルム用組成物中のウレタン系バインダーの水酸基[OH]の全体のモル数に対するイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基[NCO]の全体のモル数の比率を計算した。[OH]のモル数は、[OH]のモル数官能基の個数計算方法で計算された。[NCO]のモル数は、[NCO]のモル数官能基の個数計算方法で計算された。
【0110】
(2)初期剥離力(P1)(単位:gf/inch):実施例と比較例で製造された粘着シートを幅×長さ(25mm×200mm)に切断し、離型PETフィルムを除去した後、粘着シート中の粘着フィルムを露出させた。露出した粘着フィルムの表面に被着体であるガラス板を合わせ、2kgのローラーで加圧することによって、ガラス板-粘着フィルム-基材フィルムの順に積層された試験片を製造した。
【0111】
試験片を製造してから30分後に、試験片に対して、剥離力測定装置であるTA(Texture analyzer)を使用して剥離速度2400mm/min、剥離角度180゜、及び剥離温度25℃で前記ガラス板から前記粘着フィルムを剥離したときの剥離力を測定した。剥離力は、3回測定した後の平均値として得た。
【0112】
(3)50℃で3日経過後の剥離力(P2)(単位:gf/inch):(2)と同一の方法でガラス板-粘着フィルム-基材フィルムの順に積層された試験片を製造した。
【0113】
製造した試験片を50℃のオーブン内で3日間置いた。その後、オーブンから試験片を取り出した後、これを25℃で30分間置いた。その後、(2)と同一の方法で剥離力を測定した。
【0114】
(4)剥離力の上昇率(単位:%):(2)と(3)で得た剥離力を使用し、式1を用いて剥離力の上昇率を計算した。
【0115】
(5)ヘイズ(単位:%):実施例と比較例の粘着シートから基材フィルムと離型フィルムを剥離させることによって粘着フィルムを得た後、粘着フィルムをガラス板に粘着させることによって試験片を製造した。製造した試験片に対して、ヘイズ測定機であるNDH-9000を使用して可視光線領域でヘイズを測定した。ヘイズが2%以下である場合は「○」、2%超過3%以下である場合は「△」、3%超過である場合は「X」と評価した。
【0116】
(6)モジュラス(単位:MPa):フッ素処理されたフィルム(Dongwon Intech、FL-75BML)の一面に実施例と比較例の粘着フィルム用組成物を所定の厚さでコーティングし、前記コーティング層にPETフィルムを合わせた後、130℃で4分間乾燥させ、50℃で2日間熟成させることによって、フッ素処理されたフィルムとPETフィルムとの間に厚さ75μmの粘着性保護フィルムが積層された積層体を製造した。前記積層体を図1のドッグボーン(dog bone)の形状に切断し、前記フッ素処理されたフィルムとPETフィルムを除去し、モジュラス測定のための試験片を製造した。
【0117】
図1を参照すると、試験片は、ドッグボーンの形状を有し、ドッグボーンは、全体の長さが40mmで、全体の幅が15mmで、厚さが75μmである。
【0118】
モジュラスは、製造したモジュラス測定用試験片に対してモジュラス測定装置(Instron社)を使用して測定された。具体的には、図1のドッグボーンのうち左側末端を前記モジュラス測定装置の第1ジグに連結し、右側末端を前記モジュラス測定装置の第2ジグに連結した。このとき、左側末端のうち第1ジグに連結される部分と、右側末端のうち第2ジグに連結される部分は同一の面積にした。その後、第1ジグは固定させた状態で第2ジグをロードセル(load cell):1kN、引張速度:50mm/min、25℃で引っ張り、図1のドッグボーンのうち幅15mm、厚さ5mmと表示された部分が切れるときの値をモジュラスとして求めた。
【0119】
(7)窒素(N)の含量(単位:重量%):実施例と比較例で製造された粘着シートから基材フィルムと離型フィルムを全て除去し、このうち粘着フィルム2mgを採取した。粘着フィルム2mgを気体クロマトグラフィーに入れ、900℃で数秒間燃焼(burning)させた後、気体クロマトグラフィーで定量元素分析を行い、粘着フィルムの全体の原子中の窒素(N)原子の含量の比率を得た。
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
前記表3に示したように、本発明の表面保護フィルム用粘着フィルムは、本発明の初期剥離力と式1の剥離力の上昇率を全て満足した。その結果、本発明の粘着フィルムは、被着体に対する臨時的な保護効果と、被着体の変形及び/又は損傷のない被着体からの除去効果とを同時に提供した。よって、前記表3には示していないが、本発明の粘着フィルムは、被着体に積層されることによって被着体の保護効果を提供し、被着体に長期間粘着した後で被着体から剥離するとき、被着体の変形及び/又は損傷が生じることなく除去され得る。
【0123】
また、本発明の表面保護フィルム用粘着フィルムは、本発明の25℃でのモジュラス及び粘着フィルムの全体の原子中の窒素原子の含量範囲を全て満足した。よって、前記表3には示していないが、良好なウェッティング性、飛散防止性、裁断性及び工程性を提供することができる。
【0124】
また、本発明の表面保護フィルム用粘着フィルムは、ヘイズが低いので、裁断性及び工程性に優れていた。
【0125】
その一方で、比較例の粘着フィルムは、上述した本発明の粘着フィルムの効果を全て提供することができない。
【0126】
本発明の単純な変形及び変更は、この分野で通常の知識を有する者によって容易に実施可能であり、このような変形や変更は、いずれも本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。
図1
【国際調査報告】