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特表2023-545963リソグラフィ装置における基板レベルセンシング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】リソグラフィ装置における基板レベルセンシング
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/02 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
G03F9/02 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519882
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021075812
(87)【国際公開番号】W WO2022083954
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】20202724.9
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】デ ニベル,マーティン,ジュールズ,マリー-エミール
(72)【発明者】
【氏名】セレン,ジョリ
(72)【発明者】
【氏名】ボンテクー,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】トルンバ,ドル,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197AA12
2H197CD12
2H197CD15
2H197CD17
2H197CD18
2H197CD41
2H197DB11
2H197DC06
2H197DC08
2H197DC13
2H197EA06
2H197EB22
2H197EB25
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
(57)【要約】
リソグラフィ装置が開示される。リソグラフィ装置は、基板を支持するように構成された基板テーブルと、基板の表面に対して実質的に平行な平面内で基板テーブルを移動させるように構成可能なアクチュエータと、スキャン露光方向に位置合わせされたフィールドで基板をパターン付与するように構成された投影システムと、複数の測定スポットを使用して基板の高さを感知するように構成されたレベルセンサと、基板と基板の高さをマッピングするためのレベルセンサとの間の相対的運動のストロークを生成するためにアクチュエータを制御するように構成されたコントローラであって、ストロークはスキャン露光方向に対して20度未満の角度である、コントローラと、を備える。基板の高さをマッピングする関連付けられた方法も開示される。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するように構成された基板テーブルと、
前記基板の表面に対して実質的に平行な平面内で前記基板テーブルを移動させるように構成可能なアクチュエータと、
スキャン露光方向に位置合わせされたフィールドで前記基板をパターン付与するように構成された投影システムと、
複数の測定スポットを使用して前記基板の高さを感知するように構成されたレベルセンサと、
前記基板と前記基板の前記高さをマッピングするための前記レベルセンサとの間の相対的運動のストロークを生成するために前記アクチュエータを制御するように構成されたコントローラであって、前記ストロークは前記スキャン露光方向に対して20度未満の角度である、コントローラと、
を備える、リソグラフィ装置。
【請求項2】
前記ストロークの各々が前記ストロークの他の各々に実質的に平行である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクチュエータの少なくとも1つは、前記ストロークが前記スキャン露光方向に対して20度未満の角度であるように、前記基板テーブルを回転させるように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記スキャン露光方向に対して直交する第1の方向の前記ストロークの位置は、1回から2回の間、前記複数の測定スポットの各々の間のピッチだけ、前記基板テーブルの長さにわたって変動する、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数のアクチュエータが前記レベルセンサに対して前記第1の方向に前記基板テーブルを移動させるように構成されるよりも速く、前記レベルセンサに対して前記スキャン露光方向に前記基板テーブルを移動させるために、前記複数のアクチュエータを制御するように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラは、連続するストローク間で、前記スキャン露光方向に対して直交する第1の方向/前記第1の方向に前記ストロークの位置を変動させるように構成される、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記角度は1度未満である、請求項1のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
基板の高さをマッピングする方法であって、
基板テーブルによって支持される基板と、複数の測定スポットを使用して前記基板の前記高さをマッピングするためのレベルセンサとの間の、相対的運動のストロークを生成するためのアクチュエータを制御することを含み、前記ストロークは、スキャン露光方向に前記基板上で位置合わせされたフィールドに対して20度未満の角度である、
方法。
【請求項9】
前記基板のトポロジを再構築するため、及び/又は、フィールド内占有面積を計算するために、前記基板の前記高さの複数の測定値を組み合わせるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ストロークの各々は、前記ストロークの他の各々に実質的に平行である、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記ストロークが前記スキャン露光方向に対して20度未満の角度であるように、前記基板テーブルを回転させるステップを含む、請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記スキャン露光方向に対して直交する第1の方向の前記ストロークの位置を、1回から2回の間、前記レベルセンサの複数の測定スポットの各々の間のピッチだけ、前記基板テーブルの長さにわたって、変動させるステップを含む、請求項8から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記基板が前記レベルセンサに対して前記第1の方向に移動されるよりも速く、前記レベルセンサに対して前記スキャン露光方向に前記基板を移動させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
連続するストローク間で、前記スキャン露光方向に対して直交する第1の方向/前記第1の方向に、前記ストロークの位置を変動させるステップを含む、請求項8から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
プログラムがコンピュータによって実行されるとき、請求項8に記載の方法をアクチュエータに実施させるように前記コンピュータに制御させる命令を備える、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2020年10月20日出願の欧州出願第20202724.9号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置における基板のレベルセンシングに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(「設計レイアウト」又は「設計」と称されることも多い)を、基板(例えばウェーハ)上に提供された放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0004] 半導体製造プロセスが進み続けるにつれ、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、その一方で、デバイス毎のトランジスタなどの機能素子の量は、「ムーアの法則」と通称される傾向に従って、数十年にわたり着実に増加している。ムーアの法則に対応するために、半導体産業はますます小さなフィーチャを作り出すことを可能にする技術を追求している。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を用い得る。この放射の波長が、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。例えば193nmの波長を有する放射線を使用するリソグラフィ装置よりも小さなフィーチャを基板上に形成するためには、4nm~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置が用いられ得る。
【0005】
[0005] リソグラフィの半導体製造プロセスにおける1つ以上のステージにおいて、基板の平坦さが測定され得る。こうした測定は、基板上の複数のロケーションにおいて実行され得、高さマップとして記憶され得る。高さマップは、基板のターゲット部分上にパターンを投影するときに、ターゲット部分が投影システム、例えばリソグラフィ装置の投影レンズの必要な焦点レンジ内に位置決めされるように、基板の関連ターゲット部分を適切な高さに位置決めするために使用され得る。
【0006】
[0006] 高さマップを決定することは、当分野では「レベルセンシング」と呼ばれ得る。レベルセンシングは、レベルセンサを使用して実行され得る。レベルセンサはリソグラフィ装置に統合され得るか、又は別の測定装置であり得る。例えばレベルセンサは、測定ビームを基板上に投影し、その反射を検出することによって、光学的測定を使用し得る。
【0007】
[0007] 感知されるべき基板は、基板の表面の高さが複数のロケーションにおいて測定でき、また高さマップとして記憶できるようにするために、レベルセンサに対して移動し得る。典型的には、基板は少なくともx方向、及びx方向に対して直交するy方向に、移動可能であり、x方向及びy方向は、基板の表面に対して実質的に平行な平面内にある。そのような場合、高さはz方向に変動し得る。
【0008】
[0008] しかしながら、高さマップは少なくとも一方向、例えばx方向に、限定解像度を有する。例えば、x方向の高さマップの解像度は、レベルセンサの測定スポット間のピッチと測定スポットのサイズによって決定され得る。したがってレベルセンサは、近傍の測定スポット間の空間内に常駐するいずれのトポロジカルフィーチャにも事実上気付かない可能性がある。レベルセンシングによって検出されない基板の有意なトポロジカルフィーチャは、結果として、必要な焦点レンジ内のターゲット部分上にパターンを投影するための、基板の算出高さに誤差を生じさせ得る。
【0009】
[0009] 更に、基板のレベルセンシング及び任意の後続の高さ調整は、量産半導体製造プロセスの一部であるため、レベルセンシングが相対的に短い持続時間であることは必要不可欠である。
【0010】
[0010] したがって、すべての有意なトポロジカルフィーチャの検出が可能であり、量産半導体製造プロセスに統合するのに適した、高感度レベルセンシング手段を提供することが望ましい。
【0011】
[0011] したがって、上記で識別された従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを未然に防ぐか又は少なくとも緩和することは、本開示の少なくとも1つの態様の少なくとも1つの実施形態の目的である。
【発明の概要】
【0012】
[0012] 本開示の第1の態様によれば、基板を支持するように構成された基板テーブルと、基板の表面に対して実質的に平行な平面内で基板テーブルを移動させるように構成可能なアクチュエータと、スキャン露光方向に位置合わせされたフィールドで基板をパターン付与するように構成された投影システムと、複数の測定スポットを使用して基板の高さを感知するように構成されたレベルセンサと、基板と基板の高さをマッピングするためのレベルセンサとの間の相対的運動のストロークを生成するためにアクチュエータを制御するように構成されたコントローラであって、ストロークはスキャン露光方向に対して20度未満の角度である、コントローラとを備える、リソグラフィ装置が提供される。
【0013】
[0013] 有利なことに、スキャン露光方向に対して或る角度でのレベルセンサのストロークを有することによって、スキャン露光方向に対して平行な、フィールドの深スクライブライン及び/又は有意なトポロジカルフィーチャが検出され得る。すなわち、従来技術のレベルセンシング技法を用いる場合、こうしたトポロジカルフィーチャは、こうしたフィーチャに平行なレベルセンサスキャンの測定スポットによって見逃されているが、スキャン露光方向に対して直交する方向にフィーチャの左側又は右側にシフトされる可能性がある。しかしながら、スキャン露光方向に対するレベルセンサストロークの開示された角度に起因して、少なくとも1つのレベルセンサ測定スポットによって、複数の異なるx位置におけるフィールドの反復するデバイストポロジが測定される。したがって、スキャン露光方向に平行な深スクライブライン又は有意なトポロジカルフィーチャがより確実に検出される、基板の高さマップが決定され得る。
【0014】
[0014] 更に、こうした傾斜した測定スポットを使用すること、及び、すべてのフィールドの測定値を組み合わせることによって、LSスポット間のピッチより小さなピッチを有する解像度を用いて、デバイストポロジ、例えば高さマップを再構築することが可能である。
【0015】
[0015] 有利なことに、スキャン露光方向に対してレベルセンサのストロークに効果的な傾斜を適用することによって、基板の表面全体がマッピングされること、例えば、測定スポット間のいずれのピッチもマッピングされることを保証するために、代替としてスキャン露光方向に対して直交する方向のストロークを調整又は変調することよりも、基板の高さをマッピングするためのより速い手段を提供する。
【0016】
[0016] 有利なことに、基板テーブルが典型的には、基板テーブル上での基板の配置における誤差を補償するために、基板の位置に対するわずかな回転調整を実行するための手段を有し得るため、20度未満の相対的に小さな角度を適用することによって、基板テーブル及びアクチュエータハードウェアは、本開示を実装するために有意なハードウェア修正を必要としない可能性がある。
【0017】
[0017] 有利なことに、20度未満の相対的に小さな角度を適用することによって、基板の高さをマッピングするために要する時間全体にほとんど影響を与えない可能性がある。
【0018】
[0018] ストロークの各々は、ストロークの他の各々に実質的に平行であり得る。
【0019】
[0019] アクチュエータの少なくとも1つは、ストロークがスキャン露光方向に対して20度未満の角度であるように、基板を回転させるように構成され得る。基板の回転は、有利なことに、高さ測定における振動ノイズの改良されたフィルタリングを実行可能にし得る。
【0020】
[0020] スキャン露光方向に対して直交する第1の方向のストロークの位置は、1回から4回の間、複数の測定スポットの各々の間のピッチだけ、基板テーブルの長さにわたって、又は基板の長さにわたって、変動し得る。
【0021】
[0021] スキャン露光方向に対して直交する第1の方向のストロークの位置は、1回から2回の間、複数の測定スポットの各々の間のピッチだけ、基板テーブルの長さにわたって、又は基板の長さにわたって、変動し得る。
【0022】
[0022] コントローラは、複数のアクチュエータがレベルセンサに対して第1の方向に基板テーブルを移動させるように構成されるよりも速く、レベルセンサに対してスキャン露光方向に基板テーブルを移動させるために、複数のアクチュエータを制御するように構成され得る。
【0023】
[0023] コントローラは、連続するストローク間で、スキャン露光方向に対して直交する第1の方向にストロークの位置を変動させるように構成され得る。
【0024】
[0024] 角度は1度未満であり得る。
【0025】
[0025] 本開示の第2の態様によれば、基板の高さをマッピングする方法が提供され、方法は、基板テーブルによって支持される基板と、複数の測定スポットを使用して基板の高さをマッピングするためのレベルセンサとの間の、相対的運動のストロークを生成するためのアクチュエータを制御することを含み、ストロークは、スキャン露光方向に基板上で位置合わせされたフィールドに対して20度未満の角度である。
【0026】
[0026] 方法は、基板のトポロジを再構築するため、及び/又は、フィールド内占有面積を計算するために、基板の高さの複数の測定値を組み合わせるステップを含み得る。
【0027】
[0027] ストロークの各々は、ストロークの他の各々に実質的に平行であり得る。
【0028】
[0028] 方法は、ストロークがスキャン露光方向に対して20度未満の角度であるように、基板テーブルを回転させるステップを含み得る。
【0029】
[0029] 方法は、スキャン露光方向に対して直交する第1の方向のストロークの位置を、1回から4回の間、レベルセンサの複数の測定スポットの各々の間のピッチだけ、基板テーブルの長さにわたって、変動させるステップを含み得る。
【0030】
[0030] 方法は、スキャン露光方向に対して直交する第1の方向のストロークの位置を、1回から2回の間、レベルセンサの複数の測定スポットの各々の間のピッチだけ、基板テーブルの長さにわたって、変動させるステップを含み得る。
【0031】
[0031] 方法は、基板がレベルセンサに対して第1の方向に移動されるよりも速く、レベルセンサに対してスキャン露光方向に基板を移動させるステップを含み得る。
【0032】
[0032] 方法は、連続するストローク間で、スキャン露光方向に対して直交する第1の方向にストロークの位置を変動させるステップを含み得る。
【0033】
[0033] 本開示の第3の態様によれば、プログラムがコンピュータによって実行されるとき、第2の態様の方法をアクチュエータに実施させるようにコンピュータに制御させる命令を備える、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0034】
[0034] 上記概要は、単なる例示であり限定的ではないものと意図される。本開示は、様々な組み合わせ又は単独で具体的に示される(特許請求されることを含む)か否かにかかわらず、その単独又は様々な組み合わせでの1つ以上の対応する態様、実施形態、又は特徴を含む。本開示のいずれかの態様に従って上記で、又は、本開示のいずれかの特定の実施形態に関して下記で、定義された特徴は、単独で、又は任意の他の定義された特徴と組み合わせて、任意の他の態様又は実施形態において、あるいは、本開示の更なる態様又は実施形態を形成するために、利用され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
[0035] 本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0036】
図1】リソグラフィ装置を示す概略図である。
図2】スキャン露光方向に対するレベルセンサのストロークの方向を示す、基板の例示のマップを示す図である。
図3a】基板上の3D NAND構造のトポロジの一部の例を示す図である。
図3b図3aの3D NAND構造の高さマップのシミュレートされた部分を示す図である。
図4a】スキャン露光方向に対して直角な周囲ラインを伴う、基板上に実装される3D NAND構造の2つのセルを示す図である。
図4b】スキャン露光方向に対して平行な周囲ラインを伴う、基板上に実装される3D NAND構造の2つのセルを示す図である。
図4c】レベルセンサの測定スポットに対する図4Bのセルを示す図である。
図5】本開示の一実施形態に従った、傾斜したレベルセンサストロークの実装を示す図である。
図6】本開示の更なる実施形態に従った、スキャン露光方向に対するレベルセンサのストロークの方向を示す、基板の例示のマップを示す図である。
図7a】レベルセンサを使用して感知される基板の高さマップ上の振動ノイズを示す図であって、基板に対するレベルセンサのストロークはスキャン露光方向に平行であった。
図7b】本開示の一実施形態に従った、レベルセンサを使用して感知された基板の高さマップ上の振動ノイズを示す図であって、基板に対するレベルセンサのストロークは、スキャン露光方向に対して或る角度であった。
図8】基板の高さをマッピングする方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[0036] 本文献では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、波長が365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長)及びEUV(極端紫外線放射、例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する)を含む、すべてのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0038】
[0037] 「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、本文で用いる場合、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応して、入来する放射ビームにパターン付き断面を与えるため使用できる汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。また、この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型マスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)以外に、他のそのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイを含む。
【0039】
[0038] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されたマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構築された第2のポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、基板サポート又はウェーハテーブル)WTa、WTbのそれぞれと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0040】
[0039] 動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して放射源SOから放射ビームを受ける。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、及び/又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、及び/又はその他のタイプの光学コンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。イルミネータILを使用して放射ビームBを調節し、パターニングデバイスMAの平面において、その断面にわたって所望の空間及び角度強度分布が得られるようにしてもよい。
【0041】
[0040] 本明細書で用いられる「投影システム」PSという用語は、使用する露光放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用のような他のファクタに合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム、及び/又は静電気光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈するべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これは更に一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0042】
[0041] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を例えば水のような比較的高い屈折率を有する液で覆うことができるタイプでもよい。これは液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技法に関する更なる情報は、参照により本願に含まれる米国特許6952253号に与えられている。
【0043】
[0042] 図1の例示のリソグラフィ装置LAは、2つの基板テーブルWTa、WTbを有するタイプ(「デュアルステージ」とも呼ばれる)である。こうした「マルチステージ」機械において、基板テーブルWTa、WTbは並行して使用され得る、及び/又は、基板Wの後続の露光の準備ステップは、他方の基板テーブルWTb上の別の基板Wが他方の基板W上でパターンを露光するために使用されている間に、基板テーブルWTaのうちの1つに位置する基板W上で実施され得る。
【0044】
[0043] 準備は、レベルセンサLSを使用して基板の表面をマッピングすること、及び/又は、基板上のアライメントマーカの位置を測定することを含み得る。レベルセンサLSは、基板の高さマップを決定するように構成され得る。この高さマップは、基板W上のパターンの投影の間、基板Wの位置を補正するために使用され得る。レベルセンサLSは、投影ユニット、検出ユニット、及びコントローラを備え得る。投影ユニットは、下記でより詳細に説明するように、1つ以上のビームを提供する光源を備える。例示のレベルセンサにおいて、投影ユニットは、放射の1つ以上のビームを1つ以上の測定スポットとして基板の表面に誘導するように構成され得、検出ユニットは、1つ以上の測定スポットの各々の反射を検出するように構成され得る。反射された測定スポットは、基板の高さに対応する情報を決定するように使用され得る。
【0045】
[0044] 基板テーブルWTa、WTbは、投影システムPSに対して基板Wを操作するための1つ以上のアクチュエータを備え得るか、又はこれに結合され得る。例えば、基板テーブルWTa、WTbは、それぞれ、基板Wを直交するx、y、又はz方向に移動させるため、あるいは、基板をR方向に回転させるための、1つ以上のアクチュエータAX、AY、AZ、ARを備え得る。アクチュエータAX、AY、AZ、ARは、コントローラCTに結合され、コントローラCTによって制御される。
【0046】
[0045] 動作中、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されている、パターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターンが付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFを用いて、例えば、放射ビームBの経路内の集束し位置合わせした位置に様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板テーブルWTa/WTbを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(図1には明示的に図示されていない)を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせすることができる。図示されている基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占有するが、それらをターゲット部分間の空間に位置付けることも可能である。基板アライメントマークP1、P2は、これらがターゲット部分C間に位置付けられている場合、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0047】
[0046] 発明を明確にするために、デカルト座標系が用いられる。デカルト座標系は3つの軸、すなわちx軸、y軸、及びz軸を有する。3つの軸の各々は他の2つの軸に対して直交している。x軸を中心とした回転をRx回転と称する。y軸を中心とした回転をRy回転と称する。z軸を中心とした回転をRz回転と称する。x軸及びy軸は水平面を画定し、z軸は垂直方向を画定する。デカルト座標系は本発明を限定せず、単に明確さのため使用される。代わりに、本発明を明瞭にするために円筒座標系などの別の座標系が使用され得る。デカルト座標系の配向は、例えばz軸が水平面に沿った成分を有するように、異なるものとしてもよい。
【0048】
[0047] 図2は、基板の例示のマップ100を示す。マップ100は複数のフィールド110をカバーし、各フィールド110は実質的に四角形であり、基板の表面全体の大部分をカバーする格子状の配置で提供される。
【0049】
[0048] 各フィールド110は、パターン、例えば、図1の基板W及び投影システムPSを参照しながら上記で説明したように、放射ビームBを使用して基板上に投影されたパターンに対応し得る。すなわち、各フィールド110は、基板上にパターン付与された集積回路又は電子デバイスの少なくとも1つの層又は部分に対応し得る。典型的なリソグラフィプロセスにおいて、基板上の各フィールド110は、実質的には他の各フィールドと同一である。いくつかの例において、フィールドの各サブセットは実質的にはフィールドの他の各サブセットと同一である。
【0050】
[0049] 図2を見ればわかるように、フィールド110は、各フィールドの周囲縁が水平面のx軸及びy軸に平行なように、格子状アレイに配置される。
【0051】
[0050] 図1を参照しながら上記で説明したように、基板テーブルWTa/WTbは、基板Wが連続してパターン付与され得るように、移動され得、各フィールド110は指定されたターゲット部分Cで露光される。一般に、フィールドは基板上にパターン付与され得、フィールドは、当分野では「スキャン露光方向」として知られる軸に沿って配置されたライン内に配置される。例示のために、本開示の残りの部分全体を通じて、y方向はスキャン露光方向に対応するが、代替としてx方向はスキャン露光方向に対応することが可能であることを、当業者であれば容易に理解するであろう。基板露光方法の一例において、基板は、一般に、スキャン露光方向及び/又はスキャン露光方向の逆に配置された、複数のフィールドを用いてパターン付与される。
【0052】
[0051] 例示のマップ100は、一般に、当分野では「12’’ウェーハ」と呼ばれる、およそ300ミリメートル直径の基板に対応する。したがって図2は、中心点からx方向及びy方向の各々に、およそ+/-150ミリメートル延在するマップ100を示す。開示された装置及び方法は、150ミリメートル、200ミリメートル、450ミリメートル、及び675ミリメートル直径の基板などの、他の寸法の基板に適用可能であることを理解されよう。
【0053】
[0052] レベルセンサ、例えば図1に示されるようなレベルセンサLSは、基板の高さマップとして知られるトポロジカルマップを形成するために、複数のロケーションで基板の高さを感知するために使用され得る。
【0054】
[0053] コントローラ、例えばコントローラCTは、基板の高さをマッピングするために基板とレベルセンサとの間に相対的運動のストロークを生成するように、アクチュエータ、例えばアクチュエータAX及びAYを構成し得る。矢印120は、レベルセンサのストロークの方向を示す。ストロークは、スキャン露光方向、例えばy軸に平行である。
【0055】
[0054] 較正スキャンストロークを示す矢印130も示されている。較正スキャンストロークは、スキャン露光方向に対して直交する方向、例えば、x軸に平行である。レベルセンサの較正位相において、単一ストロークはX方向に実行され得る。図2の例において、単一較正ストロークはy=-122ミリメートルの固定位置にある。
【0056】
[0055] レベルセンサは、例えば、複数の測定スポットを使用して基板の高さを測定するように構成され得る。前述のように、測定スポットは、レベルセンサの投影ユニットによって放出される放射に対応し得、レベルセンサの検出ユニットは、測定スポットの各々のロケーションにおける基板の高さを決定するために、基板の表面からの複数の測定スポットの各々の反射を検出するように構成され得る。
【0057】
[0056] 複数の測定スポットは、定義されたピッチだけ分離される。例示の実施形態において、レベルセンサは所与の数の測定スポットを使用し、各スポットは所与の幅又は直径を有し、ギャップ長さは各スポット間に提供される。したがって、レベルセンサの単一ストロークは、すべてのスポット幅及びすべてのギャップ長さの合計に実質的に等しい幅を有するパスを介して、基板の高さを測定し得る。このようにして、所与の直径の基板をスキャンするために必要なストロークの数を計算することができる。測定スポットの寸法及び数は変動し得、本開示の範囲内に入る実施形態は、異なる寸法及びピッチを伴うわずかな又は多くの測定スポットを備え得ることを理解されよう。
【0058】
[0057] 前述の例示の実施形態を続けると、計算された必要な数のストロークを伴う、基板の完全な表面の高さがマッピングされ得る。しかしながら、場合によっては、各々の測定スポット間のギャップ長さ内で、基板の有意なトポロジカルフィーチャはマッピングされ得ない可能性がある。
【0059】
[0058] 例えば、スキャン露光方向におけるレベルセンサのストロークに平行な深スクライブライン又はデバイス構造は、検出されない場合がある。これは、こうしたフィーチャが、こうしたフィーチャに平行の測定スポットスキャンによって見逃されるが、フィーチャの左側又は右側にx方向にシフトされる可能性があるからである。
【0060】
[0059] 図2の例に戻ると、較正ストロークは、各々の測定スポットからの応答を較正するために使用され得る。すなわち、x軸に平行なストロークを伴う較正スキャンを有することによって、すべてのスポットが特定の基板トポロジに対して同じ方法で応答するのを保証するために、すべてのスポットによってウェーハの異なるx位置をサンプリングすることができる。したがって、スポットから異なる応答が受信される場合、応答は適宜較正され得る。一般に、こうした較正は、レベルセンサ較正に必要な時間量を最小にするために、1回のみ実行されることが好ましい。
【0061】
[0060] しかしながら、較正ストロークは、基板を横切るx方向に延在する深スクライブライン又はデバイス構造に沿って走り、したがって、潜在的に誤った較正につながる場合があり得る。
【0062】
[0061] 同様に、スキャン露光方向のレベルセンサのストロークの場合、図3a及び図3bの例を参照しながらより詳細に説明するように、深スクライブライン又はデバイス構造は実質的にスキャン露光方向に平行に走るが、測定スポット間にあり、したがって検出されない可能性があり得る。
【0063】
[0062] 図3aは、基板上の3D NAND構造のトポロジの一部の例を示す。段階的スケール330は表面高さを表す。トポロジは、複数の水平ライン320a、320b、320c、320dと交差する複数の垂直ライン310a、310b、310c、310dから形成される、トレンチ(当分野では「周囲ライン」と呼ばれる)の格子状パターンを含む。垂直ライン310a、310b、310c、310d及び水平ライン320a、320b、320c、320dは、それらのラインによって囲まれた区域とは異なる高さに対応することがわかる。
【0064】
[0063] 図3bは、レベルセンサ、例えば図1のレベルセンサLSを使用して測定されるように、図3aの3D NAND構造の高さマップのシミュレートされた部分を示す。影付きライン325a、325bと両側の領域との明確なコントラストによって示されるように、垂直ライン310a、310bは明白に検出されていることがわかる。
【0065】
[0064] 垂直ライン310c、310dはそれほど明白に検出されていないこともわかる。これは、影付きライン325c、325dの近接領域に対するコントラストがそれほど明確でないことからわかる。すなわち、レベルセンサの測定スポット間のギャップ長さが、ブラインドゾーンを効果的に生成し、周囲ライン320c及び320dなどの有意なトポロジカルフィーチャは十分に検出されない。したがって、垂直ライン320c、320dに対応する影付きライン325c、325dは、影付きライン325a、325bによって示される垂直ライン310a、310bよりも、深さが浅いものとして検出される。
【0066】
[0065] 周囲ラインの検出とレベルセンサのストロークとの間の対応が、図4a及び図4bにより詳細に示されている。
【0067】
[0066] 図4aは、基板上に実装される、2つのセル405、410、例えば、3D NAND構造内に実装されるメモリセルを示す。各セルは対応する周囲ライン415、420を有する。周囲ライン415、420は実質的にx方向に平行に走り、したがってスキャン露光方向に対して直交する。したがって、矢印425によって示されるスキャン露光方向のレベルセンサのストロークの場合、任意の特定の測定スポットは周囲ライン415、420のどちらかを横切り、したがって周囲ラインを検出し得るか、あるいは、周囲ライン415、420の間のギャップ430に入り、したがって周囲ライン415、420を検出できない。
【0068】
[0067] 同様に、図4bは2つのセル435、440を示し、各セルは対応する周囲ライン445、450を有する。周囲ライン445、450は、スキャン露光方向に対して、実質的に平行に走る。したがって、矢印455によって示されるスキャン露光方向のレベルセンサのストロークの場合も、任意の特定の測定スポットは周囲ライン445、450のどちらかに沿って延在し、したがって周囲ライン445、450を検出し得るか、あるいは、周囲ライン445、450の間に入り、したがって周囲ライン445、450を検出できない。
【0069】
[0068] 図4bの例を続けると、図4cは、対応する周囲ライン445、450を伴う2つのセル435、440を示す。第1の測定スポット460、第2の測定スポット465、及び第3の測定スポット470も示されるが、すべて例示である。前述の例を続けると、第1、第2、及び第3の測定スポット460、465、470は、より多数の測定スポットのうちの3つに対応し得る。第1の測定スポット460は周囲ライン445に架かり、したがって、周囲ライン445は明白に検出される。第2の測定スポット465及び第3の測定スポット470は周囲ライン450の両側にまたいでいる。したがって周囲ライン450は検出されない。図4cの上部は上からの図であり、下部は製品トポグラフィに関する露光レチクルの地域イメージの位置を表すライン475及び480を伴う断面図である。したがって、第1、第2、及び第3の測定スポット460、465、470に基づくレベルセンサ測定からの近似露光プロファイル475は、各セル435、440及びその関連付けられた周囲ライン445、450が第1、第2、及び第3の測定スポット460、465、470によって等しく測定された場合に達成可能な、最適露光プロファイル480に関して示される。
【0070】
[0069] 図5は、本開示の第1の実施形態に従った、傾斜したレベルセンサストロークの実装を示す。
【0071】
[0070] こうした傾斜したレベルセンサストロークは、図1を参照しながら上記で説明した、基板を支持するように構成された少なくとも1つの基板テーブルと、基板の表面に対して実質的に平行な面内で基板テーブルを移動させるように構成可能なアクチュエータとを備える、リソグラフィ装置によって実装され得る。更に、こうしたリソグラフィ装置は、スキャン露光方向に位置合わせされたフィールドで基板をパターン付与するように構成された投影システムと、複数の測定スポットを使用して基板の高さを感知するように構成されたレベルセンサと、基板の高さをマッピングするための基板とレベルセンサとの間の相対的運動のストロークを生成するためにアクチュエータを制御するように構成されたコントローラとを備える。図5の例示の実施形態では、下記でより詳細に説明するように、ストロークはスキャン露光方向に対して20度未満の角度である。
【0072】
[0071] 図5の例は、基板の一部上にパターン付与されたフィールドに対応する格子500を示す。格子500上のフィールドは、スキャン露光方向によって定義され、したがってスキャン露光方向と位置合わせされる。例示の実施形態において、各フィールドは、x及びy方向の複数のダイに対応する。例えば各フィールドは、3×5ダイなどに対応し得る。フィールドのスクライブライン又は有意なトポロジカルフィーチャに対応するライン510も示されている。
【0073】
[0072] レベルセンサのストロークの一部も示されている。所与の数の測定スポットを有するレベルセンサの前述の例を続けると、図5は、レベルセンサの単一ストロークの一部を介した測定スポットのサブセットによって採用される測定パス520を示す。すなわち、図5は、基板上のフィールドの格子500の一部にわたって、レベルセンサの単一ストロークの一部を介した所与の数の測定スポットのうちの12の測定スポットによって採用される測定パス520を示す。わかりやすくするために、図5には単一ストロークの一部のみが示されているが、基板の大半の表面の高さを測定するには複数のストロークが必要となることを理解されよう。測定スポットによって採用されるすべての測定パスが実質的に互いに平行であるように、各々のストロークは、実質的に他の各々のストロークに平行である。
【0074】
[0073] 各々の測定パス520は、スクライブライン又はフィールドのトポロジカルフィーチャに対応するライン510に対して、例えばスキャン露光方向に対して、或る角度である。すなわち測定パス520の各々は、図5に示されるように、スキャン露光方向に対して傾斜している。いくつかの実施形態では、角度は1度未満である。いくつかの実施形態では、スキャン露光方向、例えばx方向に対して直交する第1の方向におけるストロークの位置は、1回から2回の間、基板テーブルの長さにわたって、複数の測定スポットの各々の間のピッチだけ変動する。例えば、各測定スポットの幅又は直径が所与の長さLである、複数の測定スポットのうちの各々の間のピッチの場合、x方向のストロークの位置は、基板テーブルの長さにわたって、又は好ましくは基板の長さにわたって、及び、Lから2Lだけ変動する。スキャン露光方向に対して傾斜した測定方向の有利な点は、フィールドの反復するデバイストポロジが、少なくとも1つのレベルセンサ測定スポットによって複数の異なるx位置において測定されることである。
【0075】
[0074] すべてのフィールドの測定を組み合わせることによって、LSスポット間のピッチよりも小さいピッチを有する解像度で、デバイストポロジ、例えば高さマップを再構築することが可能である。更に、こうした傾斜した測定スポットを使用することによって、フィールドのすべてのスクライブライン又は有意なトポロジカルフィーチャが検出され、したがってデバイストポロジの測定をより正確にする。いくつかの実施形態において、傾斜した測定に対応するデータからのデバイストポロジの再構築は、プロセッサによって実行され得る。
【0076】
[0075] 本開示の一実施形態において、コントローラ、例えば図1に示されたコントローラCTは、レベルセンサの測定パスがスキャン露光方向に対して傾斜されるように、基板テーブルをレベルセンサに対してy方向及びx方向に同時に移動させるために、複数のアクチュエータを制御するように構成される。
【0077】
[0076] 本開示の一実施形態において、コントローラは、複数のアクチュエータがレベルセンサに対してx方向に基板テーブルを移動させるように構成されるよりも速く、レベルセンサに対してスキャン露光方向に基板テーブルを移動させるために、複数のアクチュエータを制御するように構成される。すなわち、図1の例でアクチュエータAYは、アクチュエータAXが基板テーブルをX方向に移動させるように構成されるよりも早く、基板テーブルをY方向に移動させるように構成され得る。いくつかの実施形態において、基板テーブルをx方向に移動させるように構成されたアクチュエータAXは、全体のスキャン速度を1.00002倍未満だけ増加させるのみである。
【0078】
[0077] 本開示の更なる実施形態において、コントローラは、加えて、ストロークの位置を、x方向の連続するストローク間で変動させるように構成され得る。したがって、フィールドのスクライブライン又は有意なトポロジカルフィーチャがレベルセンサによって検出されないままである可能性は、低減される。すなわち、測定スポット間の複数のピッチに対応する距離で反復されるトポロジカルフィーチャの場合、連続するストローク間のx方向のストロークの位置における変動は、こうしたフィーチャが確実に検出されることを保証するために役立つ。
【0079】
[0078] 本開示の更なる実施形態を、図6を参照しながら説明する。図6は基板の例示のマップ600を示す。マップ600は複数のフィールド610をカバーし、各フィールド610は実質的に四角形であり、基板の表面全体の大部分をカバーする格子状の配置で提供される。
【0080】
[0079] 各フィールド610は、パターン、例えば、図1の基板W及び投影システムPSを参照しながら上記で説明したように、放射ビームBを使用して基板上に投影されたパターンに対応し得る。すなわち、各フィールド610は、基板上にパターン付与された集積回路又は電子デバイスの少なくとも1つの層又は部分に対応し得る。典型的なリソグラフィプロセスにおいて、基板上の各フィールド610は、実質的には他の各フィールドと同一である。
【0081】
[0080] 図6を見ればわかるように、基板は、y方向のレベルセンサのストロークが、スキャン露光方向に対して20度未満の角度であるように回転される。
【0082】
[0081] 例えば、いくつかの実施形態において、コントローラ、例えばコントローラCTは、基板をレベルセンサに対して回転させるようにアクチュエータARを構成し得る。その後、コントローラは、基板と基板の高さをマッピングするためのレベルセンサとの間の相対的運動のストロークを生成するように、アクチュエータ、例えばアクチュエータAX及びAYを構成し得、ストロークは、スキャン露光方向に対して20度未満の角度である。
【0083】
[0082] 矢印620は、レベルセンサのストロークの方向を示す。ストロークはy軸に対して平行であり、したがって、基板の回転に起因してスキャン露光方向に対して或る角度である。したがって、少なくとも1つの測定スポットのパスが深スクライブライン又は有意なトポロジカルフィーチャを横切ることから、スキャン露光方向に対して実質的に平行に走るフィールドの任意の深スクライブライン又は有意なトポロジカルフィーチャは、レベルセンサ測定の間に検出されることになる。
【0084】
[0083] 較正スキャンストロークを示す矢印630も示されている。較正スキャンストロークはx軸に対して平行であり、したがって、基板の回転に起因して、スキャン露光方向に直交する方向に対して或る角度である。したがって有利には、較正ストロークは、スキャン露光方向に対して直交する方向に基板を横切って延在する、深スクライブライン又は有意なトポロジカルフィーチャに沿って走る可能性は低い。
【0085】
[0084] 本開示の更なる実施形態において、前述の実施形態は組み合わせられ得る。例えば、いくつかの実施形態において、コントローラは、回転もされていた基板に加えて、スキャン露光方向に対してレベルセンサの傾斜した測定パスを提供するために、基板テーブルをレベルセンサに対してy方向及びx方向に同時に移動させるために、複数のアクチュエータを制御するように構成される。
【0086】
[0085] 図7a及び図7bを参照しながら説明するように、スキャン露光方向に対して20度未満の角度で基板とレベルセンサとの間での相対的運動のストロークを提供するための基板の回転は、有利には、ノイズに起因する誤差も減少させ得る。こうしたノイズは、レベルセンサによって基板の高さの変動として検出されるリソグラフィ装置における振動に起因して、広がり得る。
【0087】
[0086] 図7aは、レベルセンサを使用して感知される基板の高さマップの例を示し、基板に対するレベルセンサの6つのストロークすべてはスキャン露光方向に対して平行であった。6つのストローク各々における水平ライン710は、少なくとも部分的に、基板の感知される高さに変動を生じさせる基板内の振動に対応する。
【0088】
[0087] 基板上にパターン付与されるフィールドの特徴に起因して、フィールドのトポロジカルフィーチャは、一般に、基板の振動によって生じるラインと位置合わせされ得る。したがって、こうした振動を正確に除去又は補償することは、いずれかのこうした除去又は補償がフィールドのトポロジカルフィーチャも除去又は補償する可能性があるため、困難であり得る。
【0089】
[0088] したがって、基板と基板の高さをマッピングするためのレベルセンサとの間の相対的運動のストロークが、スキャン露光方向に対して20度未満の角度であるように、図7bに示されるように基板を回転させることによって、検出される振動720はフィールドのトポロジカルフィーチャと完全には位置合わせされ得ず、したがって、より容易に補償又は除去され得る。
【0090】
[0089] 図8は、基板の高さをマッピングする方法を示し、方法は、基板テーブルによって支持される基板と、複数の測定スポットを使用して基板の高さをマッピングするためのレベルセンサとの間の、相対的運動のストロークを生成するように、アクチュエータを制御するステップ820を含み、ストロークは、スキャン露光方向において基板上で位置合わせされたフィールドに対して20度未満の角度である。
【0091】
[0090] 方法は、ストロークがスキャン露光方向に対して20度未満の角度であるように、基板テーブルを回転させる先行ステップ810を含む。
【0092】
[0091] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0093】
[0092] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0094】
[0093] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0095】
[0094] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0096】
[0095] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7a
図7b
図8
【国際調査報告】