(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】熱可塑性フィルムで基材をラミネートするための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B29C 63/02 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
B29C63/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521481
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2021075763
(87)【国際公開番号】W WO2022073749
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】エトナー,カイ
(72)【発明者】
【氏名】キンツェルマン,ハンス-ゲオルク
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AC03
4F211AD08
4F211AG03
4F211AK02
4F211AM10
4F211SA07
4F211SC06
4F211SD01
4F211SH06
4F211SH09
4F211SH10
4F211SJ13
4F211SJ15
4F211SP04
4F211SP26
4F211SP41
4F211SW45
(57)【要約】
本発明は、基材(12)を熱可塑性フィルム(11)でラミネートするための装置(1)に関し、前記装置(1)は、以下を備える:・基材(12)を熱可塑性フィルム(11)でラミネートするためのラミネートユニット(2)、・熱可塑性フィルム(11)をラミネートユニット(2)へ供給するための供給装置(4)、ここで前記熱可塑性フィルム(11)のための供給装置(4)は、前記フィルム(11)の第1の面(16)の加熱装置(14)および前記フィルム(11)の第2の面(17)の冷却装置(15)、ならびにフィルム(11)が加熱装置(14)および冷却装置(15)を通過するようにガイドされる多数の制御可能な従動ローラー(10)を備え、ここで前記フィルム(11)の張力は、従動ローラー(10)の速度によって調節することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(12)を熱可塑性フィルム(11)でラミネートするための装置(1)であって、前記装置(1)は
・前記基材(12)を熱可塑性フィルム(11)でラミネートするためのラミネートユニット(2)、
・前記熱可塑性フィルム(11)をラミネートユニット(2)に供給するための供給装置(4)
を備え、
ここで、前記熱可塑性フィルム(11)のための供給装置(4)は、前記フィルム(11)の第1の面(16)を加熱するための装置(14)、および前記フィルム(11)の第2の面(17)を冷却するための装置(15)、ならびに前記フィルム(11)が加熱装置(14)および冷却装置(15)を通過するようにガイドされる、多数の制御可能の従動ローラー(10)を備え、前記フィルム(11)の張力は、前記従動ローラー(10)の速度によって調節できる、装置。
【請求項2】
前記従動ローラー(10)は、前記フィルム(11)の移動方向において、少なくとも加熱および冷却装置(14、15)の上流および下流に配置される、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記熱可塑性フィルム(11)は前記加熱装置(14)から離れてガイドされる、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記冷却装置(15)は、前記フィルム(11)がガイドされる少なくとも1つの冷却されたローラー(21)を含む、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項5】
前記熱可塑性フィルム(11)は、前記冷却装置(15)から離れてガイドされる、請求項1~3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項6】
前記加熱装置(14)と前記熱可塑性フィルム(11)との間に、前記加熱装置(14)が前記フィルム(11)と接触するのを防ぐためのグリッド(18)が配置される、請求項1~5のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記供給装置(4)は、前記熱可塑性フィルム(11)と前記加熱装置(14)との間に空気流を発生させるための少なくとも1つの装置を備える、請求項1~6のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項8】
前記熱可塑性フィルム(11)は、供給装置(4)内で少なくとも部分的に垂直に上向きおよび/または下向きにガイドされる、請求項1~7のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項9】
前記熱可塑性フィルムは、供給装置内で、少なくとも部分的に斜め上向きおよび/または下向きにガイドされる、請求項1~8のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記熱可塑性フィルム(11)は、供給装置(4)内で、少なくとも部分的に円弧上でガイドされる、請求項1~9のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記供給装置(4)は、いかなる加熱装置(14)または冷却装置(15)を含まないフィルム(11)用の代替供給経路を備える、請求項1~10のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項12】
前記冷却用装置(15)で生成した凝縮物を収集するための装置(20)をさらに備える、請求項1~11のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項13】
基材(12)を熱可塑性フィルム(11)でラミネートする方法であって、前記方法は前記フィルム(11)をラミネート装置(2)に供給することを含み、ここで前記供給は、前記フィルム(11)がガイドされる多数の制御可能な従動ローラー(10)によって行われ、供給中に前記フィルム(11)は第1の面(16)を熱され、第2の面(17)を冷却され、供給中に前記フィルム(11)の張力は前記従動ローラー(10)の速度によって調整される、方法。
【請求項14】
前記フィルム(11)は、前記フィルム(11)と前記加熱装置(14)との間の空間に吹き込まれる空気流によって、前記加熱装置(14)から離れて保持される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
冷却装置(15)で生成した凝縮物が集められる、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材を熱可塑性コーティング材料、特にフィルムで連続的にラミネートするための方法および装置に関する。基材はフィルムであってもよい。ただし、プラスチック材料、金属、またはその他の材料で作られた固体であってもよい。
【背景技術】
【0002】
基材を熱可塑性フィルムでラミネートするための様々な方法が知られている。EP 3183117 B1には、2つのフィルム状基材を接合するための方法および装置が記載されており、少なくとも1つのフィルムが、フィルムの片面が冷却され、他方は加熱されるような方法で、冷却および加熱装置を通過してコンベヤーベルト上をガイドされる。
【0003】
EP 3526042 B1には、対照的に、一つのフィルムが冷却されたローラー上でガイドされ、続いてこのローラー上で第2のフィルムに接合される類似の方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第3183117号明細書
【特許文献2】欧州特許第3526042号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、重力または熱によって熱可塑性フィルムの長さが変化することにより、熱可塑性フィルムを供給し、その後ラミネートする際に、特にフィルムの折り目や裂け目といった問題が生じ得ることが見出された。
【0006】
したがって、本発明の目的は、前述の欠点を有さない、基材を熱可塑性フィルムでラミネートするための装置および方法を特定することである。
【0007】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態および展開は、従属請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、基材を熱可塑性フィルムでラミネートするための装置が特定され、前記装置は、基材を熱可塑性フィルムでラミネートするためのラミネートユニットと、熱可塑性フィルムのラミネートユニットへの供給装置とを備える。熱可塑性フィルムのための供給装置は、フィルムの第1の面を加熱するための装置、およびフィルムの第2の面を冷却するための装置、ならびにフィルムが加熱装置および冷却装置を通過するようにガイドされる、多数の制御可能の従動ローラーを備え、前記フィルムの張力は、前記従動ローラーの速度によって調節できる。
【0009】
ラミネートユニットは、本明細書および以下において、特に圧力によって、基材を熱可塑性フィルムでコーティングする装置を意味すると理解される。この目的のために、基材がフィルムとして設計されている場合、2つのフィルムをガイドするローラーが典型的には設けられる。基材がフィルムとして設計されていない場合、ラミネートユニットは、多くの場合、熱可塑性フィルムを基材に適用するための少なくとも1つのローラーを備える。
【0010】
前記装置は、制御可能な従動ローラーによって熱可塑性フィルムを実質的に非接触でガイドできるという利点を有する。従って、供給装置において、フィルムは、少なくとも部分的に、コンベヤーベルトまたは大径のローラーまたは別の表面上に平らに置かれるのではなく、制御可能な従動ローラーによって特定の点で支持および搬送されるだけであり、場合により偏向され、そうでなければ非接触方式でガイドされる。従動ローラーの回転速度は制御可能であり、特に調整することさえできるので、個々のローラー間の速度差を設けることによって、フィルム内の張力を均等化できる。例えば、ガイドされたフィルムが張力を失った場合、フィルムが再び張力を受けるように、2つのローラー間の速度差を設定できる。これは、熱可塑性フィルムを加熱するとフィルムの膨張と軟化の両方が生じるため、特に有利である。
【0011】
基材を熱可塑性フィルムでラミネートするための装置は、基材のための供給装置も備えることができ、その設計は基材のタイプに依存する。特に、フィルムを加熱するための装置として赤外線エミッターを設けることができるが、レーザーなどの他の熱源を設けることもできる。冷却のために、例えば、冷却された金属シートを設けてもよい。
【0012】
一実施形態によれば、従動ローラーは、フィルムの移動方向において、冷却および加熱装置の少なくとも上流および下流に配置される。この実施形態は、フィルムの加熱または冷却によって引き起こされる熱可塑性フィルムの長さの変化が、ローラーの速度を調節することによって補償できるという利点を有する。
【0013】
前記熱可塑性フィルムは、特に加熱装置から離れてガイドされる。したがって、熱可塑性フィルムは加熱装置の要素と接触しない。
【0014】
冷却装置は、フィルムがガイドされる少なくとも1つの冷却ローラーを備えることができる。この実施形態では、制御可能な従動ローラーを、特に冷却ローラーの上流に設けることができ、このローラーによって、冷却ローラーへの速度差を介してフィルムの張力を制御または調整できる。
【0015】
あるいは、熱可塑性フィルムを冷却装置から離してガイドできる。後者の場合、冷却装置は、供給装置のローラー間に張られたフィルムウェブに沿って配置されるが、フィルムの加熱装置と同じ側ではなく、反対側に配置される。
【0016】
一実施形態によれば、加熱装置と熱可塑性フィルムとの間に、加熱装置をフィルムとの接触から保護するためのグリッドが配置される。そのようなグリッドは、熱可塑性フィルムと加熱装置との接触を防止するという利点を有する。さらなる安全機構として、供給装置は、熱可塑性フィルムと加熱装置との間に空気流を発生させるための少なくとも1つの装置を備えることができる。
【0017】
空気流を発生させるための装置は、送風機、圧縮空気源、または真空源として設計できる。フィルムのウェブ張力が低すぎる場合、またはウェブが裂けた場合、フィルムがグリッドまたは加熱装置に付着するのを防ぐという利点がある。この目的のために、空気流を発生させるための装置は、ウェブの張力が失われたときに自動的におよび/または手動でスイッチを入れることができる。この場合、前記装置は、例えば加熱装置とフィルムまたはグリッドとの間に冷風を吹き込むことができる。グリッドが設けられている場合、空気はグリッドを通り抜け、加熱装置からフィルムを遠ざけるように吹きつける。
【0018】
供給装置の従動ローラーおよび場合によりさらなるローラーまたは偏向ローラーの配置には様々な選択肢がある。例えば、熱可塑性フィルムは、供給装置内で少なくとも部分的に垂直に上向きおよび/または下向きにガイドされ得る。しかしながら、少なくとも部分的に斜め上方および/または下方にガイドもされ得る。さらに、熱可塑性フィルムは、少なくとも部分的に円弧上にガイドされ得る。どの配置を選択するかは、とりわけ、利用可能なスペース、およびその他の実用的な考慮事項に依存し得る。
【0019】
一実施形態によれば、供給装置は、加熱装置も冷却装置も含まないフィルム用の代替供給経路を備える。したがって、この代替供給経路では、フィルムは加熱されることなくラミネートユニットに供給される。例えば、ラミネートに熱可塑性フィルムを使用せずに別の材料を使用する場合、またはフィルムと基材との間の結合が別の方法、例えば別個に適用した接着剤によって確立された場合、別の供給経路を使用できる。特に、1つのシステムで異なる方法を同時にまたは交互に使用する場合、代替供給経路の存在は有利である。
【0020】
一実施形態によれば、前記装置は、冷却装置で生成した凝縮物を収集するための装置を備える。この装置は、例えば、トラフとして設計することができ、湿った周囲空気のために冷却装置から生成および滴下する凝縮物を収集するように配置することができる。すなわち、冷却装置の運転中にかなりの量の凝縮物が形成されることが分かっており、とりわけ熱可塑性フィルムの表面を損傷する可能性があるため、その量が無秩序な方法でシステムに入ることは意図されない。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、基材を熱可塑性フィルムでラミネートする方法が特定され、この方法は、フィルムをラミネートユニットに供給することを含み、該供給はフィルムがガイドされる多数の制御可能な従動ローラーによって行われ、供給中、フィルムは第1の面で加熱され、第2の面で冷却され、供給中のフィルムの張力は制御され、特に従動ローラーの速度によっても調整される。
【0022】
特に、供給装置内の速度は部分的に調整でき、これは従動ローラーを個別に調整できるという事実によって可能になる。ローラーの速度を互いに独立して調整できる場合、連続するローラー間に速度差を設定することが可能であり、それによってフィルムの張力を増加または減少させることができる。
【0023】
この方法では、フィルムは、少なくとも部分的に非接触式にガイドされ得、制御可能な従動ローラーまたは単純ローラーによって特定の点でのみ支持され得る。これは、コンベヤーベルトまたはローラーを介したガイドの場合よりも、フィルムに発生する摩擦力が低いという利点もある。
【0024】
フィルムの形態または別の形態で存在できる基材も、ラミネーションユニットに供給される。
【0025】
一実施形態によれば、フィルムと加熱装置との間の空間に吹き込まれる空気流によって、フィルムは加熱装置から離れて保持される。この目的のために、特に、空間に吹き込まれた空気がグリッドの開口部を通って出て、フィルムを加熱装置から遠ざけることができる。
【0026】
一実施形態によれば、冷却装置上で生成した凝縮物が吸収され、場合により排出される。
【0027】
本発明の実施形態は、概略図を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態による、基材を熱可塑性フィルムでラミネートするための装置を概略的に示す。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施形態による、基材を熱可塑性フィルムで積層するための装置を概略的に示す。
【
図3】
図3は、本発明の第3の実施形態による、基材を熱可塑性フィルムで積層するための装置を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本発明の第4の実施形態による、基材を熱可塑性フィルムで積層するための装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、基材を熱可塑性フィルムでラミネートするための装置1を示す。
図1では、熱可塑性フィルムは参照符号11で示され、基材は参照符号12で示され、既にラミネートされた基材は参照符号13で示されている。
【0030】
装置1は、特にフィルム11を基材12上に押し付けるための多数のローラー3を備えるラミネートユニット2を備える。さらに、装置1は、熱可塑性フィルム11のラミネートユニット2のための供給装置4を備える。フィルム11は、巻出機5から巻き出され、供給装置4によってラミネートユニット2に運ばれ、その後、コーティングされた基材13が巻取機6によって巻き上げられる。
【0031】
供給装置4は、多数の制御可能な従動ローラー10を備える。図示の実施形態では、3つの従動ローラー10が示されている。しかしながら、この図は単なる例示であり、より多くの、またはより少ない従動ローラーを設けることもできる。
【0032】
供給装置4は、フィルム11をガイドし偏向させる働きをする更なるローラーまたはロールを備え、それは例としてのみ示され、より詳細には説明されない。熱可塑性フィルム11は、従動ローラー10によって、矢印7の方向でラミネートユニット2に搬送される。図示の実施形態では、基材12も、適切な供給装置9によって、矢印8に沿ってラミネートユニット2に搬送される。ラミネート後、ラミネートされた基材13は、矢印7に沿って巻取機6に搬送される。
【0033】
フィルム11は、大部分が非接触式で供給される。ローラー10の領域においてのみ、フィルム11は特定の点でガイドまたは支持される。フィルム11は、ローラー10の間では支持されない。したがって、フィルムは、特に、フィルムに作用する重力によっておよびローラー10の回転速度によって生じる張力を有する。
【0034】
供給装置4を通るその経路に沿って、熱可塑性フィルム11は、フィルム11の第1の面16の加熱装置14およびフィルム11の第2の面17の冷却装置15を通過してローラー10の間にガイドされる。加熱装置14および冷却装置15もここでは単なる例として示されている。加熱装置14および冷却装置15の数および配置は変えることができる。
【0035】
第1の面16を加熱すると、第1の面16上の熱可塑性フィルム11が軟化して部分的に溶融し、その結果、前記フィルムはラミネートユニット2内で基材12に結合できる。第2の面17を冷却することは、フィルム11が完全に溶融するのを防ぎ、ラミネートユニット2への搬送プロセスに必要な一定の安定性を維持するのに役立つ。
【0036】
フィルム11は、加熱装置14および冷却装置15から離れてガイドされる。加熱装置14とフィルム11との間には、フィルム11が加熱装置14に付着するのを防止することを意図したグリッド18が配置される。
【0037】
供給装置4は、
図1中で破線19によって示され、加熱装置14および冷却装置15を通るようにガイドされない、ラミネートユニット2へのフィルムのための代替供給経路を備える。代替供給経路は、熱可塑性材料で構成されないフィルム、または他の理由で加熱または冷却されないフィルムに使用できる。
【0038】
装置1は、湿った周囲空気によって冷却装置15上に生成する凝縮物を収集するためのトラフ20をさらに備える。凝縮物が重力によって冷却装置15から流出し、トラフ20に滴下するように、トラフ20は冷却装置15の下に配置される。この経路上で、凝縮物は供給装置4のさらなる要素、特に、凝縮物によって損傷を受け得る加熱装置14を通過しない。このようにトラフ20は、装置15上に生成した凝縮物が直接トラフ20に滴下するように配置される。凝縮物を排出することにより、表面の品質を低下し得る凝縮物とフィルム11との接触がないことが保証される。
【0039】
図2は、基材を熱可塑性フィルムでラミネートするための装置1の第2の実施形態を示す。この装置1は、半円形の経路上でフィルム11をガイドするいくつかの従動ローラー10が設けられているという点で、
図1に示される実施形態とは異なる。
【0040】
図3は、基材を熱可塑性フィルム11でラミネートするための装置1の第3の実施形態を示す。この実施形態は、フィルム11が部分的に垂直方向にガイドされるように、いくつかの従動ローラー10が上下に配置されているという点で、先に示したものとは異なる。図示の実施形態では、2つの加熱装置14および2つの冷却装置15が、それぞれ上下に配置されている。
【0041】
この構成は、特に省スペースであり、小さな設置スペースで実施することもできる。この実施形態では、冷却装置15は上下に配置されているが、加熱装置14の上には配置されていないため、凝縮物が加熱装置14上に滴下することはない。凝縮物を収集するためのトラフ20が、下部の冷却装置15のすぐ下に再び設けられている。
【0042】
図4は、基材12を熱可塑性フィルム11でラミネートするための装置1の第4の実施形態を示す。この実施形態は、フィルム11が供給装置4内で非接触方式ではなく、冷却ローラー21によって、部分的にガイドされるという点で、先に示したものとは異なる。したがって、フィルム11の第2の面17は、冷却ローラー21の表面上の所定の位置に置かれる。冷却ローラー21の速度を制御して駆動することもできる。
【0043】
しかしながら、フィルムは、第1従動ローラー10と冷却ローラー21との間のルート部分では非接触式にガイドされる。前記ローラー10は、加熱によってフィルム11に生じる応力を補償するタスクを有する。
【0044】
この実施形態では、冷却ローラー21で生成した凝縮物をローラー21から掻き取り、それをトラフ20に滴下させるスクレーパー22が設けられる。この場合、スクレーパー22は、ローラー21の下面23の領域に配置され、一方、フィルム11はローラー21の上面24上でガイドされる。このようにして、フィルム11の品質を低下させ得る、ローラー21の表面上の凝縮物とフィルム11との接触を防止する。
【符号の説明】
【0045】
1 装置
2 ラミネートユニット
3 ローラー
4 供給装置
5 巻出機
6 巻取機
7 矢印
8 矢印
9 供給装置
10 ローラー
11 フィルム
12 基材
13 ラミネートされた基材
14 加熱装置
15 冷却装置
16 第1の面
17 第2の面
18 グリッド
19 破線
20 トラフ
21 ローラー
22 スクレーパー
23 下面
24 上面
【国際調査報告】