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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】コールドエッジ低温静電チャック
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231025BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231025BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524095
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 US2021049632
(87)【国際公開番号】W WO2022086638
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】63/094,291
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャトレ・アンバリシュ
(72)【発明者】
【氏名】チャン・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】マロール・ダン
(72)【発明者】
【氏名】ロッスリー・クレイグ・エイ.
(72)【発明者】
【氏名】セットン・デビッド・エイ.
(72)【発明者】
【氏名】シャイク・ムハンマド・ソハイル
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
4K030FA04
4K030GA02
4K030KA05
4K030KA30
4K030KA41
4K030KA45
4K030KA46
5F004AA01
5F004AA16
5F004BA09
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
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5F004BD04
5F004BD05
5F004BD06
5F004CA04
5F004CB12
5F004CB15
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA02
5F131CA03
5F131CA06
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB54
5F131EB72
5F131EB81
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
【解決手段】静電チャックが提供される。一例では、静電チャックは、ベースプレートと、ベースプレートの上に配置されているボンド層と、セラミックプレートと、ヒータとを含む。セラミックプレートは、ボンド層の上に配置されている底面と、基板を支持するための隆起上面とを含む。隆起上面は、外径を含む。ヒータは、セラミックプレートの底面とボンド層の間に配置されている。ヒータ要素は、内側発熱体と外側発熱体とを含む。内側発熱体は、セラミックプレートの底面に隣接する中央円形領域に配置され、外側発熱体は、中央円形領域を取り囲み、かつセラミックプレートの底面に隣接する環状領域に配置されている。外側発熱体の外径は、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域からはめ込まれる。環状ヒータセットバック領域は、隆起上面の外径と外側発熱体の外径の間にある。ベースプレートは、複数の冷却チャネルを含む。複数の冷却チャネルは、内側発熱体の下、外側発熱体の下、かつ環状ヒータセットバック領域の下に配置されている。複数の冷却チャネルの各々は、冷却流体を流して、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域において熱伝導冷却を引き起こすように構成されている。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャックであって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートの上に配置されているボンド層と、
前記ボンド層の上に配置されている底面を有するセラミックプレートであって、基板を支持するための隆起上面を有するセラミックプレートと、前記隆起上面は外径を有し、
前記セラミックプレートの前記底面と前記ボンド層の間に配置されているヒータであって、内側発熱体と外側発熱体とを含むヒータと、を備え、前記内側発熱体は、前記セラミックプレートの前記底面に隣接する中央円形領域に配置されており、前記外側発熱体は、前記中央円形領域を取り囲み、前記セラミックプレートの前記底面に隣接する環状領域に配置されており、前記外側発熱体の外径は、前記セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域からはめ込まれており、前記環状ヒータセットバック領域は、前記隆起上面の前記外径と前記外側発熱体の前記外径との間にあり、
前記ベースプレートは、複数の冷却チャネルを含み、前記複数の冷却チャネルは、前記内側発熱体の下、前記外側発熱体の下、かつ前記環状ヒータセットバック領域の下に配置されており、前記複数の冷却チャネルの各々は、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域において熱伝導冷却を引き起こすために、冷却流体を流すように構成されている、
静電チャック。
【請求項2】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記複数の冷却チャネルは、前記ベースプレート内で前記冷却流体を循環させるように配置されており、前記複数の冷却チャネルの外径冷却チャネルは、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置されている、静電チャック。
【請求項3】
請求項2に記載の静電チャックであって、前記外径冷却チャネルは、前記ベースプレート内に形成された長方形形状を有し、前記長方形形状の上部は、前記環状ヒータセットバック領域の下で水平に整合している、静電チャック。
【請求項4】
請求項2に記載の静電チャックであって、前記外径冷却チャネルは、前記ボンド層に隣接して、かつ前記環状ヒータセットバック領域の下に、界面壁を形成する、静電チャック。
【請求項5】
請求項4に記載の静電チャックであって、前記界面壁は、約1mm以上かつ約6mm以下の寸法を有する、静電チャック。
【請求項6】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記ヒータは、前記セラミックプレートの前記底面に接着されている、静電チャック。
【請求項7】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記ボンド層は、約0.1mmから約2mm未満の間の厚さを有する、静電チャック。
【請求項8】
請求項7に記載の静電チャックであって、前記ボンド層は、約0.75mmの厚さを有する、静電チャック。
【請求項9】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記環状ヒータセットバック領域は、約2mmから約10mmの間である、静電チャック。
【請求項10】
請求項2に記載の静電チャックであって、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置されている前記複数の冷却チャネルの前記外径冷却チャネルは、前記外径冷却チャネルの少なくとも一部を、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域と反対側にある前記ベースプレートの領域内に配置する、静電チャック。
【請求項11】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記ボンド層は、前記冷却流体を用いて前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の前記熱伝導冷却を提供するために、前記ベースプレートと前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の間に配置されている、静電チャック。
【請求項12】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の前記熱伝導冷却は、前記基板が前記隆起上面の上に配置されているときに、前記基板に対してコールドエッジ領域を提供する、静電チャック。
【請求項13】
請求項1に記載の静電チャックであって、温度遷移帯は、前記セラミックプレートにおいて、前記外側発熱体の前記外径と前記環状ヒータセットバック領域の間の界面に設けられ、前記環状ヒータセットバック領域は、前記外側発熱体の前記外径から離れて配置されている、静電チャック。
【請求項14】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記外側発熱体は、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の下に延伸せず、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域は、前記ボンド層の一部分、及び前記ベースプレートの外径に沿って配置されている前記複数の冷却チャネルの1つの少なくとも一部の上に配置されている、静電チャック。
【請求項15】
静電チャックの領域を熱的に冷却する方法であって、前記静電チャックはセラミックプレートとベースプレートとを含み、
前記ベースプレートと前記セラミックプレートの間に内側発熱体及び外側発熱体を提供し、前記外側発熱体は、前記セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域から離れた位置に配置され、
前記ベースプレートに配置されている複数の冷却チャネルに沿って冷却流体を流すし、前記複数の冷却チャネルの少なくとも1つは、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置され、前記冷却流体は、前記静電チャックの上に配置されている基板に対してコールドエッジ領域を提供するために、前記セラミックプレートの前記環状セットバック領域で熱冷却を引き起こすように構成され、
前記外側発熱体及び前記内側発熱体に接続されている交流(AC)ヒータを作動させ、
設定点温度で動作するようにチラーを作動させることであって、前記セラミックプレート及び前記環状ヒータセットバック領域を熱的に冷却するために、前記冷却流体の流れを制御するように構成されている、にチラーを作動させること、
とを備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記設定点温度で動作するように前記チラーの制御を管理するために、コントローラを動作させることをさらに備える、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記冷却流体を循環させるために、前記ベースプレートに前記複数の冷却チャネルを配置することをさらに備え、前記複数の冷却チャネルの外径冷却チャネルの1つ又は複数は、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置される、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記ベースプレートの上にボンド層を提供することをさらに備え、前記ボンド層は、約0.1mmから約2mm未満の間の厚さを有する、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、
前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域に関連する温度データを測定し、
前記温度データが、前記設定点温度に基づいて予測される温度値の範囲内であるか否かを判定すること、
をさらに備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体製造に関し、より詳細には、プラズマプロセスチャンバで使用される静電チャックによって支持されたときにウェハ表面に提供される温度を制御するための静電チャック構造及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマエッチングプロセスなどの多くの現代の半導体チップ製造プロセスは、基板、例えばウェハが、静電チャック(ESC)上で支持されているプラズマ処理チャンバ内で行われる。プラズマエッチングプロセスでは、ウェハは、プラズマ処理容積内で発生するプラズマに曝露される。プラズマは、様々な種類のラジカル、並びに陽イオン及び陰イオンを含む。様々なラジカル、陽イオン、及び陰イオンの化学反応が、ウェハのフィーチャ、表面、及び材料をエッチングするために使用される。
【0003】
場合によっては、プラズマエッチング処理動作中のウェハの温度制御は、処理されたウェハの結果に影響を与え得る1つの要因である。例えば、エッチング動作中、プロセス条件は、ウェハ上に多くの熱を発生させることもあり、これはエッチング速度に影響を与え、ウェハ上に形成されているフィーチャの不均一性を引き起こすこともある。プラズマエッチング処理動作中のウェハ温度のより良い制御を提供するために、処理されたウェハの品質を向上させるためのより良い温度制御を提供し、かつシステムの全体的なコストとその運用コストを削減することのできるESC設計が必要である。
【0004】
本記載において、本発明の実施形態が生じる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施態様は、プラズマエッチング処理中にプラズマプロセスチャンバの静電チャック(ESC)上で支持されたときのウェハにおける温度変動を制御するための装置、方法、及びシステムを含む。いくつかの実施形態では、ESCは、ベースプレートと、ベースプレートの上に配置されているボンド層と、ボンド層の上に配置されているセラミックプレートと、セラミックプレートとボンド層の間に配置されているヒータとを含む。一実施形態において、ベースプレートは、セラミックプレート及びセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域においても熱伝導冷却を引き起こす冷却流体を流すように構成されている複数の冷却チャネルを含む。
【0006】
別の実施形態において、ボンド層は、薄くなるように、又は減少した厚さを有するように構成されており、これは、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域の熱伝導冷却を促進するのに役立ち得る。その結果、深く広い冷却チャネルを有するベースプレートと、厚さが減少したボンド層とによって、高い熱伝達率がもたらされることもあり、これによってセラミックプレートの環状ヒータセットバックにおける熱伝導冷却の増加を引き起こす。一実施形態では、「コールドエッジ」への言及は、環状ヒータセットバックにおける温度が、内側ヒータ及び外側ヒータの下にあるセラミックチャックの他の部分における温度よりも低いか、冷たいように設計されることを意味する。
【0007】
環状ヒータセットバックの構造的構成によって、ウェハのエッジに沿った温度は、ウェハの中心に向かって延びるウェハの他の領域よりも低い温度に維持できる。一例として、環状ヒータセットバックの開始点で、低い温度は、ヒータに重なる領域よりも約2~3℃低くなるように制御されてもよく、かつ温度は、ヒータに重なる領域に対して、環状ヒータセットバックの外径で約10℃以上までさらに低下させてもよい。
【0008】
一実施形態において、ヒータは、ESCに2つの温度帯(例えば、環状領域温度帯、及び中央円形領域温度帯)を提供するように構成されている内側発熱体と外側発熱体とを含んでもよい。したがって、ウェハの処理中、コールドエッジ温度領域は、ウェハのエッジに沿ってウェハの温度冷却を制御するのに役立ち、かつ所望の温度に維持して、ウェハ上に形成されているフィーチャのエッチング速度及びプロファイルを向上させるのに役立つ。後述するように、コールドエッジによって提供される冷却の量は変化してもよく、かつチラーの設定点に対する変更をプログラミングすることによって制御可能に調整できる。
【0009】
一実施形態では、本質的に高度に発熱性のシリコンエッチングのための急速交互プロセスを必要とするエッチングプロセスが実行されてもよい。プロセス条件は、ウェハ上に多くの熱を発生させ、エッチング速度及びプロファイルに影響を与える。ウェハ表面の他の部分と比較して、ウェハエッジを低温に保つことは、ウェハ上のエッチング速度及び均一性を向上させるのを支援することが確認されている。場合によっては、エッチング速度及び均一性におけるこの向上は、エッチングされたフィーチャの底部の限界寸法(CD)プロファイルに対する厳しい要件を満たすために必要である。この文脈では、底部のCDは、エッチングフィーチャの底部領域付近をエッチングする際に生じるエッチングプロファイルを指す。ウェハのエッジの温度を下げることで、ウェハのエッジ付近又はエッジの周辺に形成されたフィーチャの底部のCDが、ウェハの他の部分、すなわちエッジ領域から離れた部分に形成されたフィーチャと同様のプロファイルを維持することが確認されている。その結果、エッチング均一性の向上が達成される。
【0010】
上述したように、ウェハのコールドエッジにおけるより低い温度は、ESC設計における構造的進歩の組み合わせによって促進される。大まかに言えば、1つの構造的特徴は、外側ヒータが環状ヒータセットバックの上に延びないようにしておくことであり、1つの構造的特徴は、ベースプレートとセラミックプレートの間のボンド層の厚さを減らすことであり、別の構造的特徴は、ボンド層と冷却チャンネルの間のベースプレート内の材料の厚さを減らすことである。まとめると、これらの構造的特徴は、環状ヒータセットバックに追加の冷却を伝達するのを支援しながら、中央円形領域温度帯及び環状領域温度帯に加熱を依然として提供する。
【0011】
有利なことに、ESCの構造は、環状ヒータセットバック領域の温度を制御すること、すなわち、チラー設定点によって制御されるチラーを使用して冷却流体を流すことによって、他のゾーンよりも低温に維持することを提供する。環状ヒータセットバック領域での温度をさらに制御するために、チラー設定点の温度を調整することが可能である。例えば、環状ヒータセットバック領域がより低温である必要がある場合、チラー設定点は、より低温の温度を流すように設定できる。いくつかの実施形態では、チラー設定点がウェハの大部分の下で冷却チャネルに冷却流体を流すので、冷却流体によって冷却が増加する場合は、ヒータ温度を上昇させることが可能である。これにより、ウェハ表面の他の部分を一定に保ちながら、コールドエッジを冷却できる。
【0012】
さらなる利点として、2つのヒータしか持たないESCの構造は、3つ以上の温度帯を実現するためにより多くのヒータを必要とする他の設計の複雑さを低減する。ヒータの数を減らすことは、追加の交流(AC)ボックス、制御システム、及びヒータRFフィルタに関連するコストの削減をさらに支援する。
【0013】
一実施形態において、ESCが開示されている。ESCは、ベースプレートと、ベースプレートの上に配置されているボンド層と、セラミックプレートと、ヒータとを含む。セラミックプレートは、ボンド層の上に配置されている底面と、基板を支持するための隆起上面とを含む。隆起上面は、外径を含む。ヒータは、セラミックプレートの底面とボンド層の間に配置されている。ヒータは、内側発熱体と外側発熱体とを含む。内側発熱体は、セラミックプレートの底面に隣接する中央円形領域に配置されており、外側発熱体は、中央円形領域を取り囲み、かつセラミックプレートの底面に隣接する環状領域に配置されている。外側発熱体の外径は、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域からはめ込まれる。環状ヒータセットバック領域は、隆起上面の外径と外側発熱体の外径の間にある。ベースプレートは、複数の冷却チャネルを含む。複数の冷却チャネルは、内側発熱体の下、外側発熱体の下、かつ環状ヒータセットバック領域の下に配置されている。複数の冷却チャネルの各々は、冷却流体を流して、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域において熱伝導冷却を引き起こすように構成されている。
【0014】
別の実施形態において、静電チャックの領域を熱的に冷却する方法が開示される。静電チャックは、セラミックプレートとベースプレートとを含む。方法は、ベースプレートとセラミックプレートの間に内側発熱体及び外側発熱体を提供することを含む。外側発熱体は、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域から離れた位置に配置されている。方法は、ベースプレートに配置されている複数の冷却チャネルに沿って冷却流体を流すことを含み、複数の冷却チャネルの少なくとも1つは、環状ヒータセットバック領域の下に配置され、冷却流体は、セラミックプレートの環状セットバック領域で熱冷却を引き起こして、静電チャックの上に配置されているときの基板に対してコールドエッジ領域を提供するように構成されている。方法は、外側発熱体及び内側発熱体に接続されている交流(AC)ヒータを作動させることを含む。方法は、設定点温度で動作するようにチラーを作動させることを含む。チラーを作動させることは、冷却流体の流れを制御して、環状ヒータセットバック領域を熱的に冷却するように構成されており、外側発熱体は、環状加熱セットバック領域内には延びていない。
【0015】
本開示の他の態様及び利点は、本開示の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
【0017】
図1A図1Aは、本開示の一実施態様に従い、エッチング動作に利用される容量結合プラズマ(CCP)処理システムの一実施形態を例示する。
【0018】
図1B図1Bは、本開示の一実施態様に従い、誘導結合プラズマ(ICP)処理システムの一例を例示する。
【0019】
図2A図2Aは、本開示の一実施態様に従い、プラズマ処理システムのチャンバ内でウェハを支持するための静電チャックの一実施形態を例示する。
【0020】
図2B図2Bは、本開示の一実施態様に従い、図2Aに示す静電チャックの断面A-Aを例示する。
【0021】
図3A図3Aは、本開示の一実施態様に従い、チラーによる熱伝導冷却中の図2Bに示す静電チャックの断面の拡大部分図を例示する。
【0022】
図3A-1】図3A-1は、本開示の一実施態様に従い、セラミックプレートの温度領域及び対応する温度遷移帯の温度プロットを例示する。
【0023】
図4図4は、本開示の一実施態様に従い、図2Bに示す静電チャックの断面の拡大部分図を例示する。
【0024】
図5A図5Aは、本開示の一実施態様に従い、内側発熱体及び外側発熱体の上面図の一実施形態を例示する。
【0025】
図5B図5Bは、本開示の一実施態様に従い、静電チャック内の様々な温度帯を示す静電チャックの上面図の一実施形態を例示する。
【0026】
図5C図5Cは、本開示の一実施態様に従い、静電チャックの熱伝達シミュレーション結果を示す静電チャックの上面図の一実施形態を例示する。
【0027】
図6図6は、本開示の一実施態様に従い、図1Aの制御システムの概略図の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の以下の実施態様は、プラズマエッチング処理中にプラズマプロセスチャンバの静電チャック(ESC)上に支持されたときのウェハの温度変動を制御するための装置、方法、及びシステムを提供する。ESCは、ESCのセラミックプレートの様々な領域に沿って熱を低減し、かつ制御するために、熱伝導冷却を促進するのに役立つように構成された様々な構造的特徴を含む。セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域など、セラミックプレートに沿って熱を低減かつ制御することで、プラズマエッチング処理中のウェハにコールドエッジ温度領域を提供できる。したがって、コールドエッジ温度領域は、そのエッジに沿ってウェハの温度を制御し、かつ所望の温度に維持して、エッチング速度及びエッチングされたフィーチャのプロファイルを向上させるのに役立つ。
【0029】
現在のESCの中には、セラミックプレートの周縁領域に沿った高熱伝導冷却に最適化されていないものもある。その結果、エッチング処理中にウェハのエッジに沿って望ましくない高温が発生することもあり、これは、エッチング性能及び処理されたウェハのプロファイルに悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、ESCの中には、3つ以上の温度帯を有するように設計されているものもあり、温度帯を実現するために、より多くのヒータ及びコンポーネント(例えば、ACボックス、制御システム、ヒータRFフィルタなど)を必要とする。その結果、ESCを動作させ、かつ温度帯を実現するために必要なコンポーネントの数が多くなるため、システムコストや運用コストが高くなることもある。
【0030】
これらの問題に鑑み、開示された一実施形態は、セラミックプレート及びセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域においても高熱伝導冷却を促進するように最適化された様々な構造的特徴を有するESCを含む。一実施形態では、ESCは、セラミックプレート及びESCのセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域においても熱伝導冷却を引き起こす冷却流体を流すように構成された複数の冷却チャネルを有するベースプレートを含む。いくつかの実施形態では、複数の冷却チャネルは、長方形であってもよく、セラミックプレートの様々な領域における熱伝導冷却を促進するのを助けることができる、冷却流体が流れるための最適な接触表面積を有するように構成された特定の幅及び高さを有してもよい。
【0031】
別の実施形態によれば、ESCは、ベースプレート上に配置されているボンド層を含む。いくつかの実施形態では、ボンド層は、薄くなるように、又は減少した厚さを有するように最適化され、その結果、高い熱伝達率が得られ、結果としてベースプレートからセラミックプレートの様々な領域への熱伝導冷却が促進される。
【0032】
別の実施形態によれば、ESCは、内側発熱体と外側発熱体とを有するヒータを含む。本明細書で使用される場合、内側発熱体及び外側発熱体は、ESCに埋め込まれた導電性ワイヤであり、電力は、交流(AC)ヒータから発熱体に供給される。内側発熱体及び外側発熱体は、所望の加熱面積の要件を満たすために、任意の形状であり、かつ任意の経路を形成するように構成できる。発熱体は、セラミックプレートの底面とボンド層の間に配置され、かつESC内に2つの温度帯(例えば、中央円形領域温度帯、環状領域温度帯)を形成するように構成されている。一実施形態では、外側発熱体がベースプレート内の冷却流体の流れによって引き起こされる熱伝導冷却を妨げないように、ヒータ要素の外側発熱体は、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域の下には延びていない。一実施形態では、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域は、冷却流体の流れによる熱伝導冷却に依存して、ウェハに対してコールドエッジ温度領域を形成する。
【0033】
以上の概要を踏まえて、以下では、本開示の理解を容易にするために提供される図に基づき、いくつかの実施形態例を提供する。
【0034】
本明細書に開示されたESC102は、任意の数のプラズマ処理チャンバで使用されてよい。これには、誘導結合プラズマ(ICP)処理システムや容量結合プラズマ(CCP)処理システムが含まれる。
【0035】
図1Aは、エッチング動作に利用される容量結合プラズマ(CCP)処理システムの一実施形態を例示する。CCP処理システムは、プラズマプロセスチャンバ118と、制御システム122と、高周波(RF)源124と、ポンプ126と、プラズマプロセスチャンバ118に連結されている1つ又は複数のガス源128とを含む。プラズマプロセスチャンバ118は、ウェハ104を支持するためのESC102と、エッジリング114とを含む。いくつかの実施形態では、プラズマプロセスチャンバ118は、プラズマ120を閉じ込めるための閉じ込めリング130と、チャンバ壁カバー132とを含んでもよい。
【0036】
図1Aに示すように、ESC102は、プラズマプロセスチャンバ118内に配置されている。いくつかの実施形態では、ESC102は、セラミックプレート106と、ボンド層108と、ベースプレート110と、ヒータ(図示せず)とを含む。セラミックプレート106は、処理中にウェハ104を支持するように構成された隆起上面を含んでもよい。ボンド層108は、セラミックプレート106をベースプレート110に固定するように構成されている。ボンド層108はまた、セラミックプレート106とベースプレート110の間の断熱層として機能する。いくつかの実施形態では、ベースプレート110は、アルミニウム材料、又はESC102の動作を支持するのに十分な電気伝導、熱伝導、及び機械的強度を提供できる任意の他の材料又は材料の組み合わせで作られてもよい。いくつかの実施形態では、ベースプレート110は、冷却流体を流して、セラミックプレートにおいて、またセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域において熱伝導冷却を引き起こすように構成された複数の冷却チャネル112を含む。一実施形態では、ヒータは、セラミックプレート106とボンド層108の間に配置されている。いくつかの実施形態では、ヒータは、セラミックプレート内に2つの温度帯を形成するように構成された内側発熱体と外側発熱体とを含む。大まかに言えば、ESC102のコンポーネントの構造的特徴は、協働してセラミックプレート及びセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域においても熱伝導冷却を引き起こすように構成されており、それによって処理中にウェハ104の温度を制御する。ESC102及びそのコンポーネントの構造的特徴は、以下でより詳細に説明する。
【0037】
いくつかの実施形態では、制御システム122は、CCP処理システムの様々なコンポーネントを制御する際に使用される。一例では、図1Aに示すように、制御システム122は、ESC102、RF源124、ポンプ126、及びガス源128に接続されてもよい。制御システム122は、プロセッサ、メモリ、ソフトウェア論理、ハードウェア論理、並びにCCP処理システムとの通信、CCP処理システムの監視及び制御からの入力・出力サブシステムを含む。いくつかの実施形態では、制御システム122は、システムを動作させるための複数の設定点及び様々な動作パラメータ(例えば、電圧、電流、周波数、圧力、流量、電力、温度など)を含む1つ又は複数のレシピを含む。
【0038】
図1Aにさらに例示されているように、システムは、単一のRF源124、又は様々な同調特性を達成するために使用できる周波数を生成できる複数のRF源を含んでもよい。例示されるように、単一のRF源124は、ESC102に接続され、かつESC102にRF信号を提供するように構成されている。一例では、RF源は、約27MHzから約60MHzの範囲の周波数を生成し、かつ約50Wから約10kWの間のRF電力を有してもよい。別の実施形態では、ガス源128は、プラズマプロセスチャンバ118に接続され、かつ所望のプロセスガス(複数可)をプラズマプロセスチャンバ118に注入するように構成されている。ESC102にRF信号を提供し、チャンバ118にプロセスガスを注入すると、次にプラズマ120が、上部電極116とESC102の間に形成されている。プラズマ120は、ウェハ104の表面をエッチングするために使用できる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ポンプ126は、プラズマプロセスチャンバ118に接続され、かつプラズマ処理の動作中に真空制御及びプラズマプロセスチャンバ118からのガス状副生成物の除去を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、プラズマプロセスチャンバ118は、ESC102の上方に配置されている上部電極116を含む。いくつかの実施形態では、上部電極116は、基準接地電位に電気的に接続されるか、又は第2のRF源(図示せず)にバイアス又は連結され得る。
【0040】
図1Bは、誘導結合プラズマ(ICP)処理システムの一例を例示する。ある構成では、ICPシステムは、トランス結合プラズマ(TCP)処理システムとも呼ばれる。システムは、ESC102と、誘電体窓134と、TCPコイル136(内側コイル138及び外側コイル140)と、を含むプラズマプロセスチャンバ118を含む。ESC102は、存在する場合はウェハ104を支持するように構成されている。
【0041】
一実施形態では、ESC102は、セラミックプレート106と、ボンド層108と、ベースプレート110と、ヒータ(図示せず)とを含む。ボンド層108は、セラミックプレート106をベースプレート110に固定するように構成されている。いくつかの実施形態では、ベースプレート110は、冷却流体を流して、セラミックプレートにおいて、またセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域において熱伝導冷却を引き起こすように構成された複数の冷却チャネル112を含む。いくつかの実施形態では、ヒータは、セラミックプレート内に2つの温度帯を形成するように構成された内側発熱体と外側発熱体とを含む。
【0042】
さらに、バイアスRF発生器141と、TCPコイル136に連結されたRF発生器142とが示されている。チャンバの一例では、RF発生器142は、約13.56MHzの周波数で動作し、バイアス用のバイアスRF発生器141は、約400kHzで動作する。さらに、この例では、供給される電力は約6kWまで上がってもよく、いくつかの実施形態では、電力が10kWまで供給されてもよい。図示のように、バイアス整合回路144は、RF発生器141とESC102の間に連結されている。TCPコイル136は、内側コイル(IC)138及び外側コイル(OC)140への接続を含む整合回路146を介してRF発生器142に連結されている。図示しないが、いくつかの実施形態では、ポンプがプラズマプロセスチャンバ118に接続されて、プラズマ処理の動作中に真空制御及びチャンバからのガス状副生成物の除去を可能にする。
【0043】
図2Aは、プラズマ処理システムのチャンバ内でウェハ104を支持するためのESC102の一実施形態を例示する。図示のように、ESC102は、ベースプレート110と、ベースプレート110の上に配置されているボンド層108(図示せず)と、ボンド層108の上に配置され、ウェハ104を支持するための隆起上面216を有するセラミックプレート106とを含む。一実施形態では、セラミックプレート106の隆起上面216は、処理中にウェハ104を支持するように構成された領域を含む。いくつかの実施形態では、セラミックプレート106の隆起上面216は、処理中にウェハ104を支持するように構成された最小接触領域点と呼ばれる複数の隆起構造の同一平面上の上面によって形成されている。処理中に最小接触領域点によって支持されたウェハ104では、最小接触領域点の側面間の領域は、いくつかの実施形態に従って、ウェハ104の強化された温度制御のために、ウェハ104の裏側に対してヘリウムガスなどの流体の流れを提供する。他の実施形態では、ESC102からウェハ104を持ち上げるための制御システムをさらに設けることもできる。
【0044】
図2Bは、図2Aに示すESC102の断面A-Aを例示する。図示のように、ESC102は、セラミックプレート106と、ボンド層108と、ベースプレート110と、クランプ電極202と、内側発熱体204と、外側発熱体206とを含む。いくつかの実施形態では、セラミックプレート106は、処理中にウェハ104を支持するように構成された隆起上面216を含む。セラミックプレート106は、距離D1によって画定される環状ヒータセットバック領域203を含む。図示のように、距離D1は、セラミックプレート106の隆起上面216の外径から、外側ヒータ206の外径まで延びる。一実施形態では、距離D1は、約1mmから約20mmの間、又は約2mmから約20mmの間である。別の実施形態では、距離D1は、約3mmから7mmの間であり、さらに別の実施形態では、約5mmである。いくつかの実施形態では、環状ヒータセットバック領域203は、ウェハ104が処理中に隆起上面216の上に配置されているとき、ウェハ104に対してコールドエッジ温度領域を提供するように構成されている。
【0045】
いくつかの実施形態では、セラミックプレート106は、ウェハ104をセラミックプレート106の隆起上面216に保持するための静電気力を生成するために使用される1つ又は複数のクランプ電極202を含む。いくつかの実施形態では、クランプ電極202は、セラミックプレート106の隆起上面216上にウェハ104を保持するための電気力を生成するために、2つの別個のクランプ電極間に差動電圧が印加されるバイポーラ動作用に構成された2つの別個のクランプ電極202を含み得る。他の実施形態では、ウェハ104をセラミックプレート106の隆起上面216に保持するために、メカニカルクランプを使用できる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ボンド層108は、セラミックプレート106とベースプレート110の間に配置され、かつセラミックプレートをベースプレートに固定するように構成されている。ボンド層108はまた、セラミックプレート106とベースプレート110の間の断熱層として機能する。ボンド層108は、シリコン材料、又はセラミックプレート及び環状ヒータセットバック領域203の熱伝導冷却を促進するために高い熱伝達率を有する任意の他の種類の材料から作られてもよい。いくつかの実施形態では、ボンド層108は、ベースプレートからの熱伝導冷却の流れを促進するために、薄い又は減少した厚さを有するように構成されている。
【0047】
図2Bにさらに例示されるように、内側発熱体204及び外側発熱体206は、セラミックプレート106の底面とボンド層108の間に配置されている。一実施形態では、交流(AC)ヒータ212が外側発熱体206に接続され、交流(AC)ヒータ214が内側発熱体204に接続されている。ACヒータは、内側発熱体204及び外側発熱体206に電力を送達するように構成されている。ACヒータが作動すると、内側発熱体204及び外側発熱体206は熱を生成し、これによってESCにそれぞれ中央円形領域温度帯及び環状領域温度帯を提供する。例えば、一実施形態では、内側発熱体204は、中心線210に近接する点から始まり、中心線210から環状に外側に離れて広がる同心円状に中央円形領域内に配置され、結果的に内側発熱体は、約230mmの外径を有することになる。したがって、ACヒータ214が作動すると、内側発熱体204は熱を生成し、その結果、ESCは、中央円形領域温度帯を有することになる。別の実施形態では、外側発熱体206は、中央円形領域を取り囲む環状領域に配置されている。いくつかの実施形態では、外側発熱体206は、環状に延び、およそ236mmの内径及びおよそ285mmの外径を有する。環状ヒータセットバック203の選択された寸法D1に応じて、外側ヒータ要素206の外径を調整してもよい。したがって、ACヒータ212が作動すると、外側ヒータ要素206は熱を生成し、その結果、ESCは環状領域温度帯を有することになる。
【0048】
図2Bにさらに例示されるように、ベースプレート110は、セラミックプレート106及びボンド層108の下に配置されている。一実施形態では、ベースプレート110は、アルミニウムなどの導電性材料から作られてもよい。いくつかの実施形態では、ベースプレート110は、冷却流体が冷却チャネル112を通ってポンプで送られる際に、セラミックプレート及びセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域203を冷却するための熱交換器として使用され得る。いくつかの実施形態では、冷却チャネル112は、同心円状に、ベースプレート110内に環状に配置されている。例えば、冷却チャネル112は、ベースプレートの中心点に近接する点から始まり、ベースプレートの周縁に向かって同心円状に外側に環状に延びてもよい。したがって、冷却チャネル112の配置は、ベースプレートの中心点からベースプレートの周縁に近接する点に向かって延びてもよい。このように、冷却流体は、冷却チャネル112を通って流れるとき、ベースプレートの様々な領域を超えて通過し、セラミックプレート及びセラミックプレートの環状ヒータセットバック領域においても熱伝導冷却を引き起こす。いくつかの実施形態では、冷却チャネル112の各々は、同じ又は異なるサイズ、形状、幾何形状、容積、表面積、又はセラミックプレートの熱伝導冷却要件を満たす任意の構成を有してもよい。例えば、冷却チャネル112は、冷却チャネル112を流れる冷却流体の特定の流量及び量を容易にするために、特定の接触表面積及び容積を有するように構成されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、ESC102は、セラミックプレート106の底面とベースプレート110の上面の間に配置されている周囲シール208を含む。周囲シール208は、さらに、ボンド層108の半径方向の周囲及びベースプレート110の隆起上面の半径方向の周囲に沿って配置されている。一実施形態では、周囲シール208は、セラミックプレート106及びベースプレート110がボンド層108と接触する内部領域への、プラズマ120成分及びプロセス副生成物材料の侵入を防ぐように構成されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、フィルタ回路211が、ACヒータ212、ACヒータ214、及びRF源124に接続されている。フィルタ回路211は、RF源124が作動しているときにACヒータが焼損するのを防止するように構成されている。例えば、RF源124が作動中であり、かつESC102に電力を送達しているとき、フィルタ回路211は、ACヒータに戻るRFリターン電流を遮断するように構成されている。
【0051】
図3Aは、チラー302による熱伝導冷却中の図2Bに示すESC102の断面の拡大部分図を例示する。図示のように、制御システム122は、チラー302に接続され、かつ設定点温度で動作するようにチラー302を作動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、制御システム122は、チラー302の動作を連続的に監視し、チラー302が設定点温度の範囲内に留まることを保証する。チラー302が作動されたとき、チラー302は、ベースプレート110の冷却チャネル112を通じて冷却流体を流して、セラミックプレート106及びセラミックプレート106の環状ヒータセットバック203の熱伝導冷却を引き起こすように構成されている。様々な実施形態において、水又はフロリナートなどの冷却液など、様々な種類の冷却流体を使用できる。セラミックプレート106の環状ヒータセットバック203の熱伝導冷却は、セラミックプレートの周縁領域に沿ったコールドエッジ温度領域308を形成し、ウェハの他の領域よりも低い温度でそのエッジに沿ってウェハの温度を維持する。
【0052】
一例では、チラー302が作動すると、冷却流体が設定点温度でチラー302に存在し、ベースプレート110の冷却チャネル112を通じてポンプで送られる。冷却流体が冷却チャネル112を通過すると、冷却流体は、熱伝導冷却によってベースプレート110及びセラミックプレート106の様々な領域での温度を低下させる。ヒータは、その周囲の領域の温度を上昇させ、冷却流体による冷却を打ち消す。したがって、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域203に沿った温度は、ヒータが配置されているセラミックプレートの領域よりも低くなる。冷却流体がベースプレート110を出た後、冷却流体は、設定点温度よりも高い温度でチラー302に戻り、ここでチラー302によって冷却される。
【0053】
別の実施形態では、環状ヒータセットバック領域203での温度をさらに制御するために、チラー設定点の温度を調整することが可能である。例えば、環状ヒータセットバック領域203に沿った温度をより低くする必要がある場合、チラー302の設定点温度を、より低い温度で流れるように設定できる。いくつかの実施形態では、チラー設定点がウェハ104の大部分の下で冷却チャネル112に冷却流体を流すので、冷却流体によって冷却が増加する場合は、ヒータ(例えば、内側発熱体204、及び外側発熱体206)の温度を上げることが可能である。これにより、ウェハ104の他の部分の温度を一定に保ちながら、環状ヒータセットバック領域203を冷却できる。いくつかの実施形態では、セラミックプレート106の環状ヒータセットバック領域203に関連する温度データを連続的に測定して、温度データが設定点温度に基づいて予測される温度値内にあるか否かを判定できる。これは、ウェハの温度を制御し、所望のプロセス条件を維持するのに役立ち得る。
【0054】
ESC102の断面の拡大部分図に示すように、図3Aは、チラー302によって引き起こされるESCの熱伝導冷却の概念図を提供する。例えば、図3Aに示すように、チラー302が作動すると、冷却流体がベースプレート110の冷却チャネル112に流入する。熱伝導冷却が発生し、その結果、セラミックプレート106及び環状ヒータセットバック領域203からベースプレート110に向かって熱が流れ込む。図3Aにさらに例示されるように、この図は、外側発熱体206からベースプレート110及びセラミックプレート106に向かって流れる熱の概念図を提供する。図3Aに示すESCの断面は、ベースプレート110、ベースプレート110の上に配置されているボンド層108、及びボンド層108の上に配置されているセラミックプレート106を例示する。
【0055】
示された例では、複数の冷却チャネルの外径冷却チャネル112aは、ボンド層108の一部分、セラミックプレート106の一部分、及び環状ヒータセットバック領域203の下に配置されている。一実施形態では、外径冷却チャネル112aは、環状ヒータセットバック領域203の下に部分的に存在してもよい。いくつかの実施形態では、外径冷却チャネル112aの少なくとも一部は、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域203と反対側にあるベースプレートの領域に配置されている。一実施形態では、外径冷却チャネル112aは、長方形形状を有し、長方形形状の上部は、環状ヒータセットバック領域203の下で水平方向に整合している。
【0056】
いくつかの実施形態では、ベースプレート110内の冷却チャネル112の位置は、ボンド層108に隣接する界面壁314を形成する。界面壁314は、冷却チャネル112の上部からボンド層108の底面まで垂直に延び、距離D3によって画定される。いくつかの実施形態では、距離D3は、約3.6mmであり得る。他の実施形態では、界面壁314の距離D3は、約1mm以上かつ約6mm以下である。界面壁314を減少した厚さに維持することにより、セラミックプレート106内の冷却流体の流れを利用した熱伝導冷却により良い影響を与えることが可能である。
【0057】
図3Aにさらに示すように、一実施形態では、外側発熱体206は、セラミックプレート106の底面とボンド層108の間に配置されている。いくつかの実施形態では、外側発熱体206は、冷却チャネルからの熱伝導冷却を妨げないように、セラミックプレート106の環状ヒータセットバック領域203からはめ込まれる。例えば、外側発熱体206は、セラミックプレート106の環状ヒータセットバック領域203の下に延びないように構成されている。この構造的特徴は、外側発熱体206が環状ヒータセットバック領域203の真下に位置しておらず、冷却チャネル112に向かって流れる熱を妨害しないので、冷却流体の流れによって引き起こされる環状ヒータセットバック領域203の熱伝導冷却を促進する。
【0058】
いくつかの実施形態では、ボンド層108は、シリコン材料、又は、セラミックプレートとさらには環状ヒータセットバック領域203の熱伝導冷却を促進するために高い熱伝達率を有する任意の他の種類の材料から作ることができる。ボンド層108は、厚さD2によって画定されてよい。ボンド層108の厚さD2は、ボンド層の底面からボンド層の上面まで延びる。一実施形態では、ボンド層108の厚さD2は、約0.75mmであり得る。他の実施形態では、厚さD2は、約0.1mmから約2mm未満の範囲であり得る。他の実施形態では、D2の厚さは、約1mm未満に設定される。D2の減少した厚さを維持することによって、ベースプレート110内の冷却流体の流れによって引き起こされる熱伝導冷却を向上させることが可能である。
【0059】
図3Aにさらに示すように、セラミックプレート106は、ボンド層108の上に配置されている。セラミックプレート106は、距離D1によって画定される環状ヒータセットバック領域203を含む。環状ヒータセットバック領域203がベースプレート内の冷却流体の流れによって熱伝導的に冷却されると、コールドエッジ温度領域308が、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域203に沿って形成されている。図示のように、距離D1は、隆起上面216の外径から外側発熱体206の外径まで延びる。一実施形態では、距離D1は、約2mmから約10mmの範囲であるか、又はウェハ104のエッジを冷却するために必要とされる任意の距離であり得る。いくつかの実施形態では、環状ヒータセットバック領域203は、ボンド層108の一部分の上、及びベースプレート110の外径に沿って配置されている複数の冷却チャネル112の少なくとも一部の上に配置されている。セラミックプレート106の厚さは、D5によって画定されている。厚さD5は、セラミックプレート106の底面からセラミックプレート106の隆起上面216まで延びる。一実施形態では、セラミックプレート106の厚さD5は、約4.5mmであり得る。
【0060】
図3Aにさらに示すように、処理中、ウェハ104は、セラミックプレート106の隆起上面216によって支持されている。いくつかの実施形態では、ウェハ104がセラミックプレートの上面に置かれると、ウェハ104のウェハ張り出し部312が距離D4だけ隆起上面216の外径を越えて外側に延びる。距離D4は、隆起上面216の外径からウェハエッジ304まで延びる。一実施形態では、距離D4は約2mmであり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、温度遷移帯310が、セラミックプレート106のコールドエッジ温度領域308と環状領域温度帯316の境界界面、例えば、外側発熱体の外径と環状ヒータセットバック領域の間の境界界面に存在する。図3Aに例示されるように、チラー302が作動すると、冷却流体が冷却チャネル112を通って流れ、セラミックプレート及び環状ヒータセットバック領域203をチラー設定点温度に基づいて予測された温度値まで冷却する。チラー302の作動によって引き起こされる環状ヒータセットバック領域203の熱伝導冷却は、今度はウェハ104の一部分をそのエッジに沿って、ウェハの残りの部分と比較して低い温度に保つコールドエッジ温度領域308をもたらす。上述したように、外側発熱体206は、ESC102の環状領域に配置されている。
【0062】
外側発熱体206が熱を生成する場合、外側発熱体206はESC102の環状領域を加熱し、結果として環状領域温度帯316が生じる。その結果、温度遷移帯310が、セラミックプレート106のコールドエッジ温度領域308と環状領域温度帯316の境界に存在する。いくつかの実施形態では、コールドエッジ温度領域308から環状領域温度帯316への温度勾配は均一であり、あるゾーンから別のゾーンへ徐々に変化する。
【0063】
図3A-1は、セラミックプレート316の温度領域(例えば、コールドエッジ温度領域308、環状領域温度帯316、中央円形領域温度帯320)及び対応する温度遷移帯310の温度プロットを例示する。図に示すように、温度はY軸に沿ってプロットされ、セラミックプレート距離はX軸に沿ってプロットされている。このプロットは、コールドエッジ温度領域308、環状領域温度帯316、及び中央円形領域温度帯320の温度が、約12℃から約20℃の範囲にあることを示す。特に、コールドエッジ温度領域308は、セラミックプレート106の隆起上面216の外径から境界界面318(例えば、外側発熱体206の外径)まで延びる環状ヒータセットバック領域203に位置している。一例では、図示のように、コールドエッジ温度領域308(例えば、D1)に沿った温度は、約12℃から約18℃の範囲である。別の実施形態では、環状領域温度帯316は、境界界面318から外側発熱体206の内径まで延び、温度は約18℃から約20℃の範囲である。中央円形領域温度帯320は、内側発熱体204の外径からセラミックプレートのほぼ中心点まで延びる。図3A-1に例示された実際の温度は単なる例であり、範囲は実行中のプロセスに応じて変化することを理解されたい。温度遷移帯310は、本明細書で議論される構造設計の特徴によって、有利に実現されるであろう。
【0064】
図3A-1にさらに例示されるように、温度遷移帯310は、コールドエッジ温度領域308を環状領域温度帯316から分離する境界界面318を含む。一実施形態では、温度遷移帯310に沿って、2つの領域の冷却及び加熱特性の違いにより、セラミックプレートの温度は低い温度から高い温度へと徐々に上昇する。例えば、コールドエッジ温度領域308は発熱体を有していないのに対し、環状領域温度帯316は外側発熱体を含む。ある領域から別の領域への段階的又は劇的な温度遷移の代わりに、温度遷移帯310は、コールドエッジ温度領域308から環状領域温度帯316への緩やかで安定した温度上昇を例示する。温度遷移帯310は、コールドエッジ温度領域308内の一部分である距離D6と、環状領域温度帯316内の一部分である距離D7とを含む。一実施形態では、距離D6及び距離D7は約2mmである。
【0065】
図4は、図2Bに示したESC102の断面の拡大部分図を例示する。例示された実施形態では、ESC102は、ベースプレート内に形成された複数の冷却チャネル112を有するベースプレート110と、ベースプレート110の上に配置されているボンド層108と、ボンド層108の上に配置されているセラミックプレート106とを含む。複数の冷却チャネル112の各々は、冷却流体の流れを促進するために、同じ又は異なるサイズ、形状、幾何形状、容積、及び表面積を有してもよい。例えば、図4に例示するように、ベースプレートの中心線210付近の冷却チャネルは、幅D8及び高さD9を有する長方形の断面を有する。各冷却チャネルの幅D8及び高さD9は、同じであっても異なっていてもよく、ESC102の熱伝導冷却要件に依存する。一例では、幅D8は約9.0mmであり、高さD9は約21mmであり得る。別の実施形態では、上述のように、距離D3は約1mm以上、約6mm以下であり、冷却チャネル112の上部からボンド層108の底面まで延びる。
【0066】
図5Aは、内側発熱体204及び外側発熱体206の上面図の一実施形態を例示する。上述のように、内側発熱体204及び外側発熱体206は、セラミックプレート106の底面とボンド層108の間に配置されている。内側発熱体204は、セラミックプレート106の底面に隣接する中央円形領域に配置されている。例示した例では、内側発熱体204は、ESC102の中心点に近接する点から始まり、円形に外側に延び、その結果、内側発熱体204は、約230mmの外径を有する。外側発熱体206は、中央円形領域を取り囲む環状領域に配置され、セラミックプレート106の底面に隣接している。いくつかの実施形態では、外側発熱体206は、ESC102の周縁に向かって環状に外側に延び、約236mmの内径と約285mmの外径を有する。
【0067】
図5Aにさらに例示されるように、ACヒータ212は、外側発熱体206の入力・出力接続に接続され、ACヒータ214は、内側発熱体204の入力・出力接続に接続されている。ACヒータ212及びACヒータ214は、それぞれの発熱体に電力を送達するように構成されている。ACヒータが作動すると、内側発熱体204及び外側発熱体206は熱を生成して、これによってセラミックプレート106内に中央円形領域温度帯320及び環状領域温度帯316をそれぞれ形成する。上述したように、2つのヒータだけで、設計の複雑さを軽減し、交流(AC)ボックス、制御システム、ヒータRFフィルタなどの追加のコンポーネントに関連するコストを削減するのを支援する。
【0068】
図5Bは、ESC102内の様々な温度帯を示すESC102の上面図の一実施形態を例示する。一実施形態では、ESC102は、コールドエッジ温度領域308と、環状領域温度帯316と、中央円形領域温度帯320とを有してもよい。コールドエッジ温度領域308は、セラミックプレート106の周縁に沿って配置されている。コールドエッジ温度領域308は、ヒータを用いずに間接的な温度同調帯を形成するチラー設定点によって制御される。一実施形態では、コールドエッジ温度領域308は、約285mmの内径と約295mmの外径を有する。上述したように、コールドエッジ温度領域308は、セラミックプレート106の環状ヒータセットバック領域203内にある。一実施形態では、コールドエッジ温度領域308は、チラー302が設定点温度で動作するように作動されるときに形成される。その後、冷却流体が冷却チャネル112を通って流れ、セラミックプレート106の環状ヒータセットバック領域203において熱伝導冷却を引き起こす。
【0069】
一実施形態では、冷却チャネル112の形状及び接触表面積は、環状ヒータセットバック領域203の熱伝導冷却に寄与して、コールドエッジ温度領域308を形成するのに役立つことがある。例えば、従来の設計と比較してより大きな幅及び高さを有する長方形の断面を有する冷却チャネル112は、流体が接触するためのより大きな接触表面積をもたらす。これは結果的に、向上した熱伝達率をもたらし、環状ヒータセットバック領域203及びセラミックプレートの他の領域の熱伝導冷却を増加させ得る。
【0070】
別の実施形態では、厚さの減少したボンド層108は、環状ヒータセットバック領域203の熱伝導冷却に寄与するのに役立つ場合がある。例えば、半分に減らされた厚さを有するボンド層は、2倍の熱伝達率をもたらし、その結果、環状ヒータセットバック領域203及びセラミックプレートの他の領域の熱伝導冷却を促進する。したがって、ウェハ104の処理中、コールドエッジ温度領域308は、コールドエッジ温度領域に沿ったウェハの部分の温度を制御するチラー設定点温度により制御される。ウェハ104の温度を制御し、所望の温度に保つことは、ウェハ上でのエッチング速度及び均一性を向上させて、エッチングされたフィーチャの底部の限界寸法(CD)プロファイルの要件を満たすのを支援するのに役立ち得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、環状領域温度帯316は、約236mmの内径と約285mmの外径を有する。一実施形態では、環状領域温度帯316は、ACヒータ212が外側発熱体206に電力を送達し、これによって熱を発生させるときに形成される。別の実施形態では、中央円形領域温度帯320は、ESC102の中心点に近接する点から始まり、約231mmの外径を有する。一実施形態では、中央円形領域温度帯320は、ACヒータ214が内側発熱体204に電力を送達し、これによって熱を発生させるときに形成される。
【0072】
したがって、ESC102は、3つの温度帯、例えば、コールドエッジ温度領域308、環状領域温度帯316、及び中央円形領域温度帯320を有してもよい。環状ヒータセットバック領域203は、その領域の下に延びる発熱体を持たないので、コールドエッジ温度領域308は、チラー設定点温度及びベースプレート冷却チャネルを循環する冷却流体の流れによって引き起こされる熱伝導冷却に受動的に依存する。環状領域温度帯316及び中央円形領域温度帯は、それぞれの外側発熱体206及び内側発熱体204の影響を受け、また、チラーによって引き起こされる熱伝導冷却の影響を受ける。この3つの温度帯構成は、ESC102を動作させるために必要なコンポーネントの数が減少するため、システムコスト及び運用コストの削減をもたらすことができる。
【0073】
図5Cは、ESC102の熱伝達シミュレーション結果を示すESC102の上面図の一実施形態を例示する。一例では、熱伝達シミュレーションは、ESC102の温度が約13.7℃から約22.8℃の範囲であることを示す。一実施形態では、約285mmの内径と約295mmの外径を有するコールドエッジ温度領域308は、約13.7℃の温度を有する。別の実施形態では、約236mmの内径と約285mmの外径を有する環状領域温度帯316は、約21.0℃から約14.0℃の範囲にある温度を有する。別の実施形態では、ESC102の中心点に近接する点から始まり、約231mmの外径を有する中央円形領域温度帯320は、約20.0℃の温度を有する。
【0074】
一般に、中央円形領域温度帯320及び環状領域温度帯316は、チラー及び発熱体の組み合わせによる影響を受け、コールドエッジ温度領域308は、主にチラーによる冷却効果による影響を受けるので、コールドエッジ温度領域308は、一般に中央円形領域温度帯320及び環状領域温度帯316と比較して低い温度又は同等の温度になる。図5Cに示された温度は単なる例であり、実際の温度は、電力設定、チラー設定などを含む実行中のプロセスに応じて変化することを理解されたい。しかしながら、温度プロットは、コールドエッジがESCの他の部分と比較してどのように制御されるかを例示するのに有用である。
【0075】
図6は、いくつかの実施形態に従い、図1Aの制御システム122の概略図例を示す。図示されていないが、同様の制御システム122が、図1BのTCPシステムで使用される。いくつかの実施形態では、制御システム122は、プラズマ処理システムにおいて実行される半導体製造プロセスを制御するためのプロセスコントローラとして構成されている。様々な実施形態において、制御システム122は、プロセッサ601、ストレージハードウェアユニット(HU)603(例えば、メモリ)、入力HU605、出力HU607、入力/出力(I/O)インタフェース609、I/Oインタフェース611、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)613、及びデータ通信バス615を含む。プロセッサ601、ストレージHU603、入力HU605、出力HU607、I/Oインタフェース609、I/Oインタフェース611、及びNIC613は、データ通信バス615を介して互いにデータ通信を行っている。入力HU605は、複数の外部装置からデータ通信を受信するように構成されている。入力HU605の例としては、データ収集システム、データ収集カードなどが挙げられる。出力HU607は、複数の外部装置にデータを送信するように構成されている。
【0076】
出力HU607の一例は、デバイスコントローラである。NIC613の例としては、ネットワークインタフェースカード、ネットワークアダプタなどが挙げられる。I/Oインタフェース609及び611の各々は、I/Oインタフェースに接続された異なるハードウェアユニット間の互換性を提供するように定義される。例えば、I/Oインタフェース609は、入力HU605から受信した信号を、データ通信バス615と互換性のある形態、振幅、及び/又は速度に変換するように定義され得る。また、I/Oインタフェース607は、データ通信バス615から受信した信号を、出力HU607と互換性のある形態、振幅、及び/又は速度に変換するように定義され得る。様々な動作が、制御システム122のプロセッサ601によって実行されているものとして本明細書で説明されるが、いくつかの実施形態では、様々な動作が、制御システム122の複数のプロセッサによって、かつ/又は制御システム122とデータ通信する複数の計算システムの複数のプロセッサによって実行され得ることを理解されたい。
【0077】
いくつかの実施形態では、制御システム122は、感知された値に部分的に基づいて、様々なウェハ製造システム内のデバイスを制御するために採用される。例えば、制御システム122は、感知された値及び他の制御パラメータに基づいて、バルブ617、フィルタヒータ619、ウェハ支持ヒータ621、ポンプ623、及び他のデバイス625のうちの1つ又は複数を制御してもよい。バルブ617は、裏面ガス供給システム、プロセスガス供給システム、及び温度制御流体循環システムの制御に関連するバルブを含み得る。制御システム122は、例えば、圧力マノメータ627、流量計629、温度センサ631、及び/又は他のセンサ633、例えば、電圧センサ、電流センサ等から感知された値を受け取る。制御システム122はまた、ウェハ104に対するプラズマ処理動作の実行中にプラズマ処理システム内のプロセス条件を制御するために採用されてもよい。例えば、制御システム122は、プロセスガス供給システムからプラズマプロセスチャンバに供給されるプロセスガス(複数可)の種類及び量を制御できる。また、制御システム122は、クランプ電極(複数可)202のためのDC電源の動作を制御できる。制御システム122はまた、リフトピンのための昇降装置の動作を制御できる。制御システム122は、裏面ガス供給システム及び温度制御流体循環システムの動作も制御する。制御システム122は、チャンバ118からのガス状副生成物の除去を制御するポンプ126の動作も制御する。制御システム122は、プラズマ処理システム内の任意の機能のプログラム制御及び/又は手動制御を提供するように装備されていることを理解されたい。
【0078】
いくつかの実施形態では、制御システム122は、プロセスタイミング、プロセスガス送達システム温度、圧力差、バルブ位置、プロセスガスの混合、プロセスガス流量、裏面冷却ガス流量、チャンバ圧力、チャンバ温度、ウェハ支持体温度(ウェハ温度)、RF電力レベル、RF周波数、RFパルス、インピーダンス整合システム設定、カンチレバーアームアセンブリ位置、バイアス電力、及び特定のプロセスの他のパラメータを制御する命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行するように構成されている。制御システム122に関連づけられたメモリデバイスに記憶された他のコンピュータプログラムが、いくつかの実施形態において採用されてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム122に関連づけられたユーザインタフェースが存在する。ユーザインタフェースは、ディスプレイ635(例えば、ディスプレイスクリーン、並びに/又は装置及び/又はプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ)と、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイス637とを含む。
【0079】
制御システム122の動作を指示するためのソフトウェアは、多くの異なる方法で設計又は構成されてよい。制御システム122の動作を指示してプロセスシーケンスで様々なウェハ製造プロセスを実行するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語、例えば、アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortranなどで書くことができる。コンパイルされたオブジェクトコード又はスクリプトは、プロセッサ601によって実行され、プログラム内で特定されたタスクを実行する。制御システム122は、例えば、フィルタ圧力差、プロセスガス組成及び流量、裏面冷却ガス組成及び流量、温度、圧力、RF電力レベル及びRF周波数などのプラズマ条件、バイアス電圧、冷却ガス/流体圧力、並びにチャンバ壁温度などのプロセス条件に関連する様々なプロセス制御パラメータを制御するようにプログラムすることができる。ウェハ製造プロセス中に監視され得るセンサの例としては、質量流量制御モジュール、圧力マノメータ627などの圧力センサ、及び温度センサ631が挙げられるが、これらに限定されない。適切にプログラムされたフィードバック及び制御アルゴリズムは、これらのセンサからのデータと共に使用されて、所望のプロセス条件を維持するために1つ又は複数のプロセス制御パラメータを制御/調整してもよい。
【0080】
いくつかの実施態様では、制御システム122は、より広範な製造制御システムの一部である。そのような製造制御システムは、ウェハ処理のための処理ツール、チャンバ、及び/又はプラットフォームを含む半導体処理装置、並びに/又はウェハ台座、ガス流システムなどの特定の処理コンポーネントを含むことができる。これらの製造制御システムは、ウェハの処理前、処理中、及び処理後にそれらの動作を制御するための電子機器と統合されてもよい。制御システム122は、製造制御システムの様々なコンポーネント又は子部品を制御してもよい。制御システム122は、ウェハ処理要件に応じて、処理ガスの送達、裏面冷却ガスの送達、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置及び動作設定、ツールへのウェハの搬入出、並びに、特定のシステムに接続又は連動する他の搬送ツール及び/又はロードロックへのウェハの搬入出を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。
【0081】
大まかに言えば、制御システム122は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、ウェハ処理動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にする等の、様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されるチップ、及び/又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ又は複数のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、システム内のウェハに対して特定のプロセスを実行するための動作パラメータを定義する、様々な個々の設定(又はプログラムファイル)の形態で制御システム122に通信される命令であってもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つ又は複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はウェハのダイの製造中に1つ又は複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0082】
制御システム122は、いくつかの実施態様において、プラズマ処理システムに統合された、システムに接続された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、又はそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であってもよく、又はそのようなコンピュータに接続されていてもよい。例えば、制御システム122は、ファブホストコンピュータシステムの全体又は一部の「クラウド」であってもよく、これによりウェハ処理の遠隔アクセスが可能になる。コンピュータは、製造動作の現在の進行状況を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向又は性能基準を調査し、現在の処理のパラメータを変更し、処理ステップを設定して現在の処理を追跡し、又は新たなプロセスを開始するために、システムへの遠隔アクセスを可能にしてもよい。いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを介してシステムにプロセスレシピを提供でき、ネットワークはローカルネットワーク又はインターネットを含んでもよい。
【0083】
遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよく、パラメータ及び/又は設定は次いで遠隔コンピュータからシステムへと伝達される。いくつかの例では、制御システム122は、1つ又は複数の動作中に実施される処理ステップのそれぞれのパラメータを指定する、データの形式の命令を受け取る。パラメータは、プラズマ処理システム内で実施されるプロセスの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、制御システム122は、共にネットワーク化され、本明細書に記載のプロセス及び制御等の共通の目的にむけて動作する1つ又は複数の個別のコントローラを含むこと等により、分散されてもよい。そのような目的のための分散型コントローラの一例は、遠隔地に設置され(プラットフォームレベルで、又は遠隔コンピュータの一部として等)、プラズマ処理システムでのプロセスを協同で制御する1つ又は複数の集積回路と通信するプラズマ処理システム上の1つ又は複数の集積回路である。
【0084】
制御システム122がインタフェース接続可能なシステムの例は、プラズマエッチングチャンバ又はモジュール、成膜チャンバ又はモジュール、スピンリンスチャンバ又はモジュール、金属メッキチャンバ又はモジュール、洗浄チャンバ又はモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ又はモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ又はモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバ又はモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ又はモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ又はモジュール、イオン注入チャンバ又はモジュール、トラックチャンバ又はモジュール、並びに半導体ウェハの製作及び/又は製造に関連し得る、又は使用し得る、任意の他の半導体処理システムを含んでもよいが、これらに限定されない。上述のように、ツールによって実行される1つ又は複数のプロセスステップに応じて、制御システム122は、他のツール回路又はモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されているツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場内のツール位置及び/又はロードポートへウェハの容器を搬入出する材料搬送に用いられるツールの、1つ又は複数と通信してもよい。
【0085】
本明細書に記載された実施形態はまた、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブル家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成と組み合わせて実施されてもよい。本明細書に記載された実施形態は、ネットワークを通じてリンクされた遠隔処理ハードウェアユニットによってタスクが実行される分散コンピューティング環境と合わせて実施することもできる。本明細書に記載された実施形態、特に制御システム122に関連する実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータを含む様々なコンピュータ関連動作を採用できることを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理的な操作を必要とするものである。本実施形態の一部を形成する本明細書に記載された動作のいずれもが、有用な機械動作である。本実施形態はまた、これらの動作を実行するためのハードウェアユニット又は装置に関する。装置は、専用コンピュータのために特別に構成されてもよい。専用コンピュータとして定義される場合、コンピュータは、特殊用途のために動作可能でありながら、特殊用途の一部ではない他の処理、プログラム実行又はルーチンを実行することもできる。いくつかの実施形態では、動作は、コンピュータメモリやキャッシュに記憶された、又はネットワークを介して取得された1つ又は複数のコンピュータプログラムによって選択的に起動又は構成された汎用コンピュータによって処理されてもよい。データがネットワークを介して取得される場合、データは、ネットワーク上、例えば、計算資源のクラウドの、他のコンピュータによって処理されてもよい。
【0086】
本明細書に記載された様々な実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとしてインスタンス化されたプロセス制御命令を通じて実施できる。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを記憶できる任意のデータストレージハードウェアユニットであり、データは後でコンピュータシステムによって読み取り可能である。非一時的コンピュータ可読媒体の例として、ハードドライブ、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROMs(CD-ROMs)、CDレコーダブル(CD-Rs)、CDリライタブル(CD-RWs)、磁気テープ、並びに他の光学及び非光学データストレージハードウェアユニットが挙げられる。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶され実行されるように、ネットワーク結合されたコンピュータシステム上に分散されたコンピュータ可読有形媒体を含むことができる。
【0087】
前述の開示は、理解を明確にする目的である程度の詳細を含むが、添付の特許請求の範囲の範囲内で特定の変更及び変形が実施可能であることは明らかであろう。例えば、本明細書に開示された任意の実施形態からの1つ又は複数の特徴が、本明細書に開示された任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わされてもよいことを理解されたい。したがって、本実施形態は、例示的なものであって制限的なものではないとみなされ、かつ請求されたものは、本明細書で与えられる詳細に限定されるものではなく、むしろ、記載された実施形態の範囲及びその均等物の範囲内で変形されてもよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3A-1】
図4
図5A
図5B
図5C
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャックであって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートの上に配置されているボンド層と、
前記ボンド層の上に配置されている底面を有するセラミックプレートであって、基板を支持するための隆起上面を有するセラミックプレートと、前記隆起上面は外径を有し、
前記セラミックプレートの前記底面と前記ボンド層の間に配置されているヒータであって、内側発熱体と外側発熱体とを含むヒータと、を備え、前記内側発熱体は、前記セラミックプレートの前記底面に隣接する中央円形領域に配置されており、前記外側発熱体は、前記中央円形領域を取り囲み、前記セラミックプレートの前記底面に隣接する環状領域に配置されており、前記外側発熱体の外径は、前記セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域からはめ込まれており、前記環状ヒータセットバック領域は、前記隆起上面の前記外径と前記外側発熱体の前記外径との間にあり、
前記ベースプレートは、複数の冷却チャネルを含み、前記複数の冷却チャネルは、前記内側発熱体の下、前記外側発熱体の下、かつ前記環状ヒータセットバック領域の下に配置されており、前記複数の冷却チャネルの各々は、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域において熱伝導冷却を引き起こすために、冷却流体を流すように構成されている、
静電チャック。
【請求項2】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記複数の冷却チャネルは、前記ベースプレート内で前記冷却流体を循環させるように配置されており、前記複数の冷却チャネルの外径冷却チャネルは、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置されている、静電チャック。
【請求項3】
請求項2に記載の静電チャックであって、前記外径冷却チャネルは、前記ベースプレート内に形成された長方形形状を有し、前記長方形形状の上部は、前記環状ヒータセットバック領域の下で水平に整合している、静電チャック。
【請求項4】
請求項2に記載の静電チャックであって、前記外径冷却チャネルは、前記ボンド層に隣接して、かつ前記環状ヒータセットバック領域の下に、界面壁を形成する、静電チャック。
【請求項5】
請求項4に記載の静電チャックであって、前記界面壁は、約1mm以上かつ約6mm以下の寸法を有する、静電チャック。
【請求項6】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記ヒータは、前記セラミックプレートの前記底面に接着されている、静電チャック。
【請求項7】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記ボンド層は、約0.1mmから約2mm未満の間の厚さを有する、静電チャック。
【請求項8】
請求項7に記載の静電チャックであって、前記ボンド層は、約0.75mmの厚さを有する、静電チャック。
【請求項9】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記環状ヒータセットバック領域は、約2mmから約10mmの間である、静電チャック。
【請求項10】
請求項2に記載の静電チャックであって、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置されている前記複数の冷却チャネルの前記外径冷却チャネルは、前記外径冷却チャネルの少なくとも一部を、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域と反対側にある前記ベースプレートの領域内に配置する、静電チャック。
【請求項11】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記ボンド層は、前記冷却流体を用いて前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の前記熱伝導冷却を提供するために、前記ベースプレートと前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の間に配置されている、静電チャック。
【請求項12】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の前記熱伝導冷却は、前記基板が前記隆起上面の上に配置されているときに、前記基板に対してコールドエッジ領域を提供する、静電チャック。
【請求項13】
請求項1に記載の静電チャックであって、温度遷移帯は、前記セラミックプレートにおいて、前記外側発熱体の前記外径と前記環状ヒータセットバック領域の間の界面に設けられ、前記環状ヒータセットバック領域は、前記外側発熱体の前記外径から離れて配置されている、静電チャック。
【請求項14】
請求項1に記載の静電チャックであって、前記外側発熱体は、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域の下に延伸せず、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域は、前記ボンド層の一部分、及び前記ベースプレートの外径に沿って配置されている前記複数の冷却チャネルの1つの少なくとも一部の上に配置されている、静電チャック。
【請求項15】
静電チャックの領域を熱的に冷却する方法であって、前記静電チャックはセラミックプレートとベースプレートとを含み、
前記ベースプレートと前記セラミックプレートの間に内側発熱体及び外側発熱体を提供し、前記外側発熱体は、前記セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域から離れた位置に配置され、
前記ベースプレートに配置されている複数の冷却チャネルに沿って冷却流体を流すし、前記複数の冷却チャネルの少なくとも1つは、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置され、前記冷却流体は、前記静電チャックの上に配置されている基板に対してコールドエッジ領域を提供するために、前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域で熱冷却を引き起こすように構成され、
前記外側発熱体及び前記内側発熱体に接続されている交流(AC)ヒータを作動させ、
設定点温度で動作するようにチラーを作動させることであって、前記セラミックプレート及び前記環状ヒータセットバック領域を熱的に冷却するために、前記冷却流体の流れを制御するように構成されている、にチラーを作動させること、
とを備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記設定点温度で動作するように前記チラーの制御を管理するために、コントローラを動作させることをさらに備える、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記冷却流体を循環させるために、前記ベースプレートに前記複数の冷却チャネルを配置することをさらに備え、前記複数の冷却チャネルの外径冷却チャネルは、前記環状ヒータセットバック領域の下に配置される、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記ベースプレートの上にボンド層を提供することをさらに備え、前記ボンド層は、約0.1mmから約2mm未満の間の厚さを有する、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、
前記セラミックプレートの前記環状ヒータセットバック領域に関連する温度データを測定し、
前記温度データが、前記設定点温度に基づいて予測される温度値の範囲内であるか否かを判定すること、
をさらに備える、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
別の実施形態において、静電チャックの領域を熱的に冷却する方法が開示される。静電チャックは、セラミックプレートとベースプレートとを含む。方法は、ベースプレートとセラミックプレートの間に内側発熱体及び外側発熱体を提供することを含む。外側発熱体は、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域から離れた位置に配置されている。方法は、ベースプレートに配置されている複数の冷却チャネルに沿って冷却流体を流すことを含み、複数の冷却チャネルの少なくとも1つは、環状ヒータセットバック領域の下に配置され、冷却流体は、セラミックプレートの環状セットバック領域で熱冷却を引き起こして、静電チャックの上に配置されているときの基板に対してコールドエッジ領域を提供するように構成されている。方法は、外側発熱体及び内側発熱体に接続されている交流(AC)ヒータを作動させることを含む。方法は、設定点温度で動作するようにチラーを作動させることを含む。チラーを作動させることは、冷却流体の流れを制御して、環状ヒータセットバック領域を熱的に冷却するように構成されており、外側発熱体は、環状ヒータセットバック領域内には延びていない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
一例では、チラー302が作動すると、冷却流体が設定点温度でチラー302を出て、ベースプレート110の冷却チャネル112を通じてポンプで送られる。冷却流体が冷却チャネル112を通過すると、冷却流体は、熱伝導冷却によってベースプレート110及びセラミックプレート106の様々な領域での温度を低下させる。ヒータは、その周囲の領域の温度を上昇させ、冷却流体による冷却を打ち消す。したがって、セラミックプレートの環状ヒータセットバック領域203に沿った温度は、ヒータが配置されているセラミックプレートの領域よりも低くなる。冷却流体がベースプレート110を出た後、冷却流体は、設定点温度よりも高い温度でチラー302に戻り、ここでチラー302によって冷却される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
図3A-1は、セラミックプレート106の温度領域(例えば、コールドエッジ温度領域308、環状領域温度帯316、中央円形領域温度帯320)及び対応する温度遷移帯310の温度プロットを例示する。図に示すように、温度はY軸に沿ってプロットされ、セラミックプレート距離はX軸に沿ってプロットされている。このプロットは、コールドエッジ温度領域308、環状領域温度帯316、及び中央円形領域温度帯320の温度が、約12℃から約20℃の範囲にあることを示す。特に、コールドエッジ温度領域308は、セラミックプレート106の隆起上面216の外径から境界界面318(例えば、外側発熱体206の外径)まで延びる環状ヒータセットバック領域203に位置している。一例では、図示のように、コールドエッジ温度領域308(例えば、D1)に沿った温度は、約12℃から約18℃の範囲である。別の実施形態では、環状領域温度帯316は、境界界面318から外側発熱体206の内径まで延び、温度は約18℃から約20℃の範囲である。中央円形領域温度帯320は、内側発熱体204の外径からセラミックプレートのほぼ中心点まで延びる。図3A-1に例示された実際の温度は単なる例であり、範囲は実行中のプロセスに応じて変化することを理解されたい。温度遷移帯310は、本明細書で議論される構造設計の特徴によって、有利に実現されるであろう。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
出力HU607の一例は、デバイスコントローラである。NIC613の例としては、ネットワークインタフェースカード、ネットワークアダプタなどが挙げられる。I/Oインタフェース609及び611の各々は、I/Oインタフェースに接続された異なるハードウェアユニット間の互換性を提供するように定義される。例えば、I/Oインタフェース609は、入力HU605から受信した信号を、データ通信バス615と互換性のある形態、振幅、及び/又は速度に変換するように定義され得る。また、I/Oインタフェース611は、データ通信バス615から受信した信号を、出力HU607と互換性のある形態、振幅、及び/又は速度に変換するように定義され得る。様々な動作が、制御システム122のプロセッサ601によって実行されているものとして本明細書で説明されるが、いくつかの実施形態では、様々な動作が、制御システム122の複数のプロセッサによって、かつ/又は制御システム122とデータ通信する複数の計算システムの複数のプロセッサによって実行され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】