(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】高流量真空チャック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
H01L21/68 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518410
(86)(22)【出願日】2021-10-11
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2021054332
(87)【国際公開番号】W WO2022086738
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルストレケン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ライ セ レオン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131BA01
5F131BA17
5F131BA21
5F131BA23
5F131BA33
5F131CA07
5F131CA08
5F131CA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131EB01
5F131EB02
5F131EB04
5F131FA14
5F131FA32
(57)【要約】
本発明の真空チャックは、真空源と流体連通する真空バッファであって、真空バッファが真空チャック内の密閉空間である真空バッファと、第1の側面に表面特徴を画定する上部プレートと、貫通孔を介して第1の側面に開口した分配チャネルの内部ネットワークと、分配チャネルのネットワークと真空バッファとの間の流体連通を制御するように構成されたフローバルブを備える。フローバルブを開くことにより、真空バッファの貫通孔を通して上部プレートの第1の側面に配置された基板間に負圧が加えられ、上部プレートの第1の側面の少なくとも一部に対して基板を平坦化できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャックであって、
真空源と流体連通する真空バッファであって、真空チャック内の密閉空間である真空バッファと、
第1の側面上に表面特徴を画定する上部プレートと、
貫通孔を介して前記第1の側面に開口する分配チャネルの内部ネットワークと、
前記分配チャネルの内部ネットワークと前記真空バッファとの間の流体連通を制御するように構成されるフローバルブと、
を備える真空チャック。
【請求項2】
前記真空バッファは、前記上部プレートの第2の側面と一体化されることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項3】
前記表面特徴は円形パターンを有することを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項4】
前記表面特徴は矩形パターンを有することを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項5】
前記表面特徴は、中心クロスパターンを有することを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項6】
前記真空バッファは、前記上部プレートの第2の側に配置されたベース部材と一体化されることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項7】
前記ベース部材に取り付けられ、前記上部プレートの第1の側面を通って突出するリフトピンをさらに備える、請求項6に記載の真空チャック。
【請求項8】
平準化デバイスは、前記ベース部材に取り付けられ、前記上部プレートの第2の側面に対して配置される平準化デバイスをさらに備える、請求項6に記載の真空チャック。
【請求項9】
前記ベース部材は、半径方向に圧縮されたシール部材によって前記上部プレートの第2の側面にシールされることを特徴とする請求項6に記載の真空チャック。
【請求項10】
前記上部プレートの周囲に配置され、前記上部プレートの第1の側面に配置された基板の縁部を保持するように構成される複数のクランプをさらに備える、請求項1に記載の真空チャック。
【請求項11】
前記上部プレートの第1の側面のポート内に配置され、二次真空源と流体連通する複数の吸引カップをさらに備える、請求項1に記載の真空チャック。
【請求項12】
前記表面特徴は、第1のゾーンと、前記第1のゾーンから半径方向外側に位置する第2のゾーンとを含み、
前記第1のゾーンおよび前記第2のゾーンは、互いに独立していることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項13】
前記分配チャネルの内部ネットワークは、前記第1のゾーンに位置する貫通孔を介して前記上部プレートの第1の側面に開口する第1の分配チャネルと、前記第2のゾーンに位置する貫通孔を介して前記上部プレートの第1の側面に開口する第2の分配チャネルとを備えることを特徴とする請求項12に記載の真空チャック。
【請求項14】
前記フローバルブは、
前記第1の分配チャネルと前記真空バッファとの間の流体連通を制御する第1のバルブと、
前記第2の分配チャネルと前記真空バッファとの間の流体連通を制御する第2のバルブと、
を備えることを特徴とする請求項13に記載の真空チャック。
【請求項15】
前記真空バッファと前記真空源との間に配置され、前記真空バッファ内の空気圧を調整する真空調整器をさらに含む請求項1に記載の真空チャック。
【請求項16】
前記真空バッファは、-0.05bar~-1barの圧力であることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項17】
前記真空バッファの容積は、1L~10Lであることを特徴とする請求項1に記載の真空チャック。
【請求項18】
前記真空バッファを前記真空源に接続する真空チューブをさらに備える、請求項1に記載の真空チャック。
【請求項19】
基板を平坦化する方法であって、
真空チャックを提供するステップであって、前記真空チャックは、
真空源と流体連通する真空バッファであって、真空チャック内の密閉空間である真空バッファと、
第1の側面上に表面特徴を画定する上部プレートと、貫通孔を介して第1の側面に開口する分配チャネルの内部ネットワークと、
前記分配チャネルの内部ネットワークと前記真空バッファとの間の流体連通を制御するように構成されたフローバルブとを備え
前記基板を前記上部プレートの第1の側面に配置するステップと、
前記フローバルブを開いて、前記基板と前記上部プレートの第1の側面との間から前記貫通孔を通って前記真空バッファ内に負圧を印加し、前記上部プレートの第1の側面の少なくとも一部に対して前記基板を平坦化するステップと、
を備える方法。
【請求項20】
前記上部プレートの第1の側面に配置された前記基板は、5mmまでの撓みがあるように反っており、前記基板を前記上部プレートの第1の側面の少なくとも一部に対して平坦化することによって、前記撓みは実質的に0mmに低減されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板を平坦化する方法に関し、より詳細には、基板を平坦化するために真空チャックを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本出願は、2020年9月23日に出願され譲渡された米国仮特許出願63/104527号に対する優先権を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
半導体製造産業の進化は、歩留まり管理、特に計測および検査システムに対してより大きな要求を課している。臨界寸法は縮小し続けるが、産業界は、高収率、高価値生産を達成するための時間を短縮する必要がある。歩留まり問題を検出してからそれを固定するまでの総時間を最小限に抑えることは、半導体製造業者に対する投資を決定する。
【0004】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスを製造することは、典型的には、半導体デバイスの様々な特徴および複数のレベルを形成するために、多数の製造プロセスを使用して半導体ウェハを処理することを含む。例えば、リソグラフィは、レチクルから半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのさらなる例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。単一の半導体ウェハ上に製造された複数の半導体デバイスの配列は、個々の半導体デバイスに分離され得る。
【0005】
製造プロセス中、さらなるプロセスが基板上で実行され得る前に平坦化が必要とされ得る。焦点は、基板が反っている場合、広範囲の値にわたって絶えず調整される必要があり、これは、基板の効果的な検査または計測を妨げるか、またはさらには妨げる可能性がある。チャックに保持された基板を平坦にするために典型的に使用される様々な方法がある。第1に、高真空流を基板に適用して、基板をチャックに対して平坦化することができる。しかしながら、これは、大きな真空ラインおよび強力な真空ポンプを必要とし、これらは、空間制約のため統合することが困難であり、製造プロセスに悪影響を及ぼす振動を伝達する。第2に、基板に吸引カップを適用して、反りのある基板の形状を適合させることができる。しかしながら、吸引カップによって加えられる下向きの力は、吸引カップの表面に限定され、これは、平坦化サイクルの開始時に不均一な重量分布を引き起こす場合があり、大きく反った基板を完全に平坦化することができない場合がある。第3に、クランピング装置は、基板を押し下げることができる。しかしながら、これは、基板の活性領域を損傷する危険性を伴い、様々な基板厚さにあまり適合しておらず、不均一な力分布のために基板を完全に平坦化しないことがある。これらの方法の各々は、チャックの複雑さ及び製造プロセスの維持要求を増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第10754262号
【特許文献2】米国特許第6597432号
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0011951号
【特許文献4】米国特許第10663434号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、反りの大きい基板を平坦化することができ、製造が容易なチャックが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態は、真空チャックを提供し得る。真空源と流体連通する真空バッファであって、真空チャック内の密閉空間である真空バッファと、第1の側面上に表面特徴を画定する上部プレートと、貫通孔を介して第1の側面に開口する分配チャネルの内部ネットワークと、分配チャネルのネットワークと真空バッファとの間の流体連通を制御するように構成されたフローバルブを備える。
【0009】
真空バッファは、上部プレートの第2の側面と統合されてもよい。真空バッファは、上部プレートの第2の側面に配置されたベース部材と一体化することができる。ベース部材は、半径方向に圧縮されるシーリング部材によって上部プレートの第2の側面に封止され得る。
【0010】
真空チャックは、ベース部材に取り付けられたリフトピンをさらに備えることができ、リフトピンは、上部プレートの第1の側面を通って突出する。
【0011】
真空チャックは、上部プレートの第2の側面に対して配置されたベース部材に取り付けられた平準化デバイスをさらに備えることができる。
【0012】
真空チャックは、さらに、上部プレートの第1の側面に配置された基板の縁部を保持するように構成された、上部プレートの周囲に配置された複数のクランプを備えてもよい。
【0013】
真空チャックは、上部プレートの第1の側面のポートに配置され、二次真空源と流体連通する複数の吸引カップをさらに備えてもよい。
【0014】
表面特徴は、円形パターン、矩形パターン、又は中心横断パターンを有し得る。表面特徴は、第1のゾーンと、第1のゾーンから半径方向外向きに位置する第2のゾーンとを備えてもよい。第1のゾーン及び第2のゾーンは、互いに独立していてもよい。分配チャネルの内部ネットワークは、第1のゾーンに位置する貫通孔を介して上部プレートの第1の側面に開口する第1の分配チャネルと、第2のゾーンに位置する貫通孔を介して上部プレートの第1の側面に開口する第2の分配チャネルとを備えてもよい。フローバルブは、第1の分配チャネルと真空バッファとの間の流体連通を制御する第1のバルブと、第2の分配チャネルと真空バッファとの間の流体連通を制御する第2のバルブを備えることができる。
【0015】
真空チャックは、真空バッファと真空源との間に位置し、真空バッファ内の圧力を調整する真空調整器をさらに備えてもよい。真空バッファは、-0.05bar~-1barの圧力であり得る。真空バッファは、1L~10Lの体積を有し得る。
【0016】
真空チャックは、真空バッファを真空源に接続する真空チューブをさらに備えることができる。
【0017】
本開示の実施形態は、基板を平坦化する方法を提供し得る。真空チャックを提供するステップであって、真空チャックは、真空源と流体連通する真空バッファであって、真空チャック内の密閉空間である真空バッファと、第1の側面上に表面特徴を画定する上部プレートと、貫通孔を介して第1の側面に開口する分配チャネルの内部ネットワークと、分配チャネルのネットワークと真空バッファとの間の流体連通を制御するように構成されたフローバルブを備え、基板を上部プレートの第1の側面に配置するステップと、フローバルブを開いて、基板と第1の上部プレートの側面との間から表面特徴を通して真空バッファ内に負圧を印加し、それによって、上部プレートの第1の側面の少なくとも一部に対して基板を平坦化するステップを備える。上部プレートの第1の側面に配置される基板は、5mmまでの撓みがあるように反ることができ、上部プレートの第1の側面の少なくとも一部に対して基板を平坦化することによって、撓みを実質的に0mmに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の性質および目的をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい:
【
図1】本開示の一実施形態による真空チャックの側断面図である。
【
図2A】本開示の一実施形態による真空チャックの上面図である。
【
図2B】本開示の別の実施形態による真空チャックの上面図である。
【
図2C】本開示の別の実施形態による真空チャックの上面図である。
【
図3】本開示の別の実施形態による真空チャックの断面側面図である。
【
図4】本開示の別の実施形態による真空チャックの断面側面図である。
【
図5】本開示の別の実施形態による真空チャックの断面側面図である。
【
図6】本開示の別の実施形態による真空チャックの断面側面図である。
【
図7】本開示の一実施形態による基板を平坦化する方法のフローチャートである。
【
図8】本開示の別の実施形態による基板を平坦化する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特許請求される主題は、ある実施形態に関して説明されるが、本明細書に記載される利益および特徴の全てを提供しない実施形態を含む、他の実施形態もまた、本開示の範囲内である。様々な構造的、論理的、プロセスステップ、および電子的変更が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得る。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0020】
図1に示すように、本開示の実施形態は、真空チャック100を提供することができる。真空チャックは、真空バッファ10を備えることができる。真空バッファ10は、真空源12と流体連通することができる。真空源12は、60L/分~120L/分の電力を有する真空ポンプであってもよい。例えば、薄いウェハを平坦化するためには、真空ポンプ出力は60L/分~90L/分であり得、より厚いパネルを平坦化するためには、真空ポンプ出力は90L/分~120L/分であり得る。当然のことながら、従来の真空チャックは、はるかに大きな真空ポンプ出力、例えば1500L/分~3000L/分を必要とする場合がある。
【0021】
真空バッファ10は、真空チューブ14を介して真空源12に接続されてもよい。真空チューブ14は、4mm~8mmの内径を有することができる。例えば、内径5mmの真空チューブ14を用いて、厚さ3.1mm、反り4~5mmの510mm×515mmの複層ガラスパネルを平坦化してもよい。従来の真空チャックは、はるかに大きい内径、例えば、38mm~50mmの内径を有する真空管を必要とし得ることが理解され得る。
【0022】
真空バッファ10は、真空チャック100内の密閉空間であってもよい。例えば、真空バッファ10は、真空チューブ14からの入力および真空チャック100の分配点への出力を除いて、真空チャック100内に完全に封入されてもよい。真空バッファ10の容積は、真空チューブ14の容積よりも大きくてもよい。例えば、真空バッファ10は、1L~10Lの容積を有し得る。一実施形態では、真空バッファ10は、9.5Lの容積を有することができる。真空バッファ10の囲まれた容積は、異なる形状であってもよい。例えば、囲まれた容積部は、単一の実質的に矩形の角柱(プリズム)であってもよい。あるいは、囲まれた容積は、各々が実質的に矩形のプリズムである複数の相互接続されたセルであってもよい。
【0023】
真空チャック100は、真空調整バルブ16をさらに備えることができる。真空調整バルブ16は、真空バッファ10と真空源12との間に配置されてもよい。例えば、真空調整バルブ16は、真空バッファ10を真空源12に接続する真空チューブ14と直列に接続されてもよい。真空調整バルブ16は、真空バッファ10内の圧力を調整する。例えば、真空バッファ10内の圧力は、-0.05bar~-1barであってもよい。
【0024】
真空チャック100は、上部プレート20をさらに備えてもよい。上部プレート20の形状は様々であってよい。例えば、上部プレート20は、円形、長方形、または任意の他の多角形の形状であり得る。一般に、真空チャック100の剛性は、上部プレート20の厚さに依存する。例えば、上部プレート20は、15mm~35mmの厚さを有するほとんどの半導体用途に適した剛性を有することができる。上部プレート20の長さ及び幅は、平坦化される基板のサイズに応じて変わり得る。例えば、510mm×515mmのパネルを平坦化するために、上部プレート20の長さおよび幅はまた、510mm×515mmであってもよい。より小さいウェハを平坦化するために、より小さい上部プレート20を使用することができる。構成を容易にするために、真空バッファ10の長さおよび幅は、上部プレート20の長さおよび幅以下であってもよく、真空バッファ10は、真空バッファ10内に容積を作り出すようにz方向に延在する厚さを有してもよい。例えば、真空バッファ10の長さおよび幅は、平坦化されたパネルまたはウェハの長さおよび幅以下であってもよい。空間制約が真空バッファ10の厚さを制限する場合、真空バッファ10の長さおよび幅は、真空バッファ10内に容積を作り出すために、上部プレート20の長さおよび幅よりも大きくてもよい。
【0025】
上部プレート20は、第1の側面20aと、第1の側面20aの反対側の第2の側面20bとを有することができる。上部プレート20の第1側面20aには平坦化しようとする基板21が配置される。基板21は、凸状、凹状、またはサドルもしくはポテトチップのような他の複雑な形状に反ることができ、その一例を
図1に示す。
【0026】
表面特徴22は、上部プレート20の第1の側面20a上に画定されてもよい。表面特徴22は、上部プレート20の第1の側面20aの窪みであってもよく、又は上部プレートの最も細かい側面20aの突起であってもよい。例えば、表面特徴22は、上部プレート20の第1の側面20a上に画定される溝のネットワーク、上部プレート20の第1の側面20a上に画定される多孔質構造、または上部プレート20の第1の側面20a上に画定されるピン構造であり得る。
【0027】
図1~6に示される実施形態では、表面特徴22は、溝のネットワークとして画定される。溝22のネットワークのサイズおよび形状は、上部プレート上に配置された基板のサイズおよび形状に対応し得る。例えば、各溝22は、幅及び深さが0.5mm~5mmであってもよい。幅が2mmで深さが1.5mmの溝22は、小さなウェハを平坦化するのに適しているが、幅が4.5mmで深さが2mmの溝22は、大きなパネルを平坦化するのに適している。表面特徴22のパターンは、上部プレート上に配置される基板21のサイズに対応し得る。例えば、表面特徴22は、円形パターン(
図2Aに示される)、長方形パターン(
図2Bに示される)、中心横断パターン(
図2Cに示される)、それらの任意の組み合わせ、または他の設計を有してもよい。
【0028】
上部プレート20は、分配チャネル24の内部ネットワークを有し得る。分配チャネル24の内部ネットワークは、貫通孔23を介して上部プレート20の第1の側面20aに開口していてもよい。例えば、表面特徴22が溝のネットワークである場合、溝22のネットワークは、貫通孔23を介して分配チャネル24の内部ネットワークに接続されてもよい。分配チャネル24の内部ネットワークは、中央分配ハブ25から半径方向外向きに延在してもよい。中央分配ハブ25は、上部プレート20の中央に配置されてもよい。あるいは、中央分配ハブ25は、上部プレート20の中心からずれていてもよい。
【0029】
真空チャック100は、複数の位置決めピン28をさらに備えることができる。複数の位置決めピン28は、上部プレート20の第1の側面20aに取り付けられ、そこから突出し得る。基板21を手作業で真空チャック100に装填するとき、複数の位置決めピン28は、基板21の縁部に当接して、上部プレート20の第1の側面20a上での基板21の適切な位置決めを確実にすることができる。
【0030】
真空チャック100は、フローバルブ30をさらに備えることができる。フローバルブ30は、可動プラグによって分配チャネル24のネットワークと真空バッファ10との間の流体連通を制御するように構成することができる。例えば、フットフローバルブ30は、可動プラグが中央分配ハブ25の底面の着座部に選択的に押し付けられるように、中央分配ハブ25に隣接して配置されてもよい。フローバルブ30が開位置にあるとき、分配チャネル24のネットワークと真空バッファ10との間の流体連通は、中央分配ハブ25を介して確立され得る。フローバルブ30が閉位置にあるとき、分配チャネル24のネットワークと真空バッファ10との間の流体連通は、中央分配ハブ25において遮断され得る。フローバルブ30は、可動プラグの上部の継ぎ溝内に配置されたoリングを含むことができる。oリングは、フローバルブ30が閉位置にあるときに中央分配ハブ25の座部を押圧することによって、真空バッファ10を中央分配ハブ25から封止することができる。
【0031】
フローバルブ30は、アクチュエータ32によって開位置と閉位置との間で移動され得る。アクチュエータ32は、空気圧シリンダであってもよい。アクチュエータ32は、コントローラ34によって制御されてもよい。アクチュエータ32は、配線36によってコントローラ34に接続され得る。代替として、アクチュエータ32は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、または任意の他の無線通信プロトコルを介して、コントローラ34に無線で接続されてもよい。
【0032】
様々なパラメータが、真空バッファ10のサイズおよび真空チャック100の平坦化能力に影響を及ぼし得る。以下のパラメータまたは追加のパラメータのうちの1つまたは複数を使用して、特定の基板21を平坦化するために必要とされる真空バッファ10の体積を決定することができる。第1に、反りのある基板21の下の空気体積は、反りの形状および程度によって定義される。第2に、上部プレート20の第1の側面20aにおける表面特徴22間の空気体積は、表面特徴22の深さ及び幅によって画定される。第3に、分配チャネルの内部ネットワーク24および中央分配ハブ25の内側の空気体積である。第4に、平坦化処理時に基板21の側面や上部プレート20の貫通孔から漏れる空気の量は、基板21の反り、剛性、質量によって決まる。第5に、平坦化後に基板21を上部プレート20上に固定した状態に保つために必要な最小圧力は、基板21の剛性と、表面特徴によって真空に曝される基板21の底部の面積とによって定義される。
【0033】
実施例において、真空チャック100の試作品を試験して、厚さ3.1mmで4mmまで反った510mm×515mmの複層ガラスパネルを平坦化した。試験設定において、真空バッファの体積は9.5Lであり、排気された全空気体積(基板の下の体積+表面特徴間の体積+分配チャネルおよび中央分配ハブの内部ネットワーク内の体積)は1Lであり、基板面積の45%は上部プレートの第1の側面と接触し、真空源は120L/分の容量を有し、内径5mmの真空チューブによって真空チャックに接続された。真空バッファ中の開始圧力は-0.7barであり、平坦化後の真空バッファ中の終了圧力は-0.6barであった。平坦化処理の時間は0.1秒であった。真空圧を-0.6barに維持することによって、パネルは、上部プレートの第1の側面に対して平坦なままであった。基板の底部の面積の95%が真空に曝されるように表面特徴を修正し、基板を平坦化するために使用される真空圧力は、-0.24barに低減されてもよく、真空バッファの体積は、試験された大型パネルに対して3Lに低減されてもよい。より小さいウェハの場合、真空バッファの体積をさらに1.2Lに減少させることができた。
【0034】
本開示の実施形態によると、
図3に示されるように、表面特徴22は、第1のゾーン22aと、第1のゾーン22aから半径方向外向きに位置する第2のゾーン22bとを備えてもよい。例えば、表面特徴22が円形パターンを有する場合、第1のゾーン22aは円形領域であってもよく、第2のゾーン22bは第1のゾーン22aを取り囲む環状領域であってもよい。第1のゾーン22a及び第2のゾーン22bは、互いに独立していてもよい。
【0035】
分配チャネル24の内部ネットワークは、第1のゾーン22aに位置する貫通孔23aを介して第1の側面20aに開口する第1のチャネル24aと、第2のゾーン22bに位置する貫通孔23bを介して第1の側面20aに開口する第2のチャネル24bとを備えてもよい。中央分配ハブ25は、そこから第1のチャネル24aが半径方向外向きに延在する第1のハブ25aと、そこから第2のチャネル24bが半径方向外向きに延在する第2のハブ25bとを備えてもよい。
【0036】
フローバルブ30は、第1のチャネル24aと真空バッファ10との間の流体連通を制御し得る第1のバルブ30aと、第2のチャネル24bと真空バッファ10との間の流体連通を制御し得る第2のバルブ30bとを備え得る。例えば、第1バルブ30aは第1ハブ25aに隣接して配置され、第2バルブ30bは第2ハブ25bに隣接して配置されてもよい。一対のアクチュエータ32a~bは、第1および第2のバルブ30a~bをそれぞれ制御するために使用され得る。あるいは、単一のデュアルアクションアクチュエータを使用して、第1および第2のバルブ30a~bを制御することができる。例えば、第1および第2のバルブ30a~bは同心であり、単一の同心アクチュエータによって制御されてもよい。このように、真空チャック100は、平坦化される基板21のサイズに適合するように、表面特徴22の第1のゾーン22aおよび/または第2のゾーン22bを使用して動作させられ得る。例えば、第1のゾーン22aは、直径200mmまでの基材21に好適であり得、第2のゾーン22bは、直径300mmまでの基材21に好適であり得る。
【0037】
表面特徴22は、上部プレート20の第1の側面20aの異なる部分に位置する追加のゾーンを備えてもよい。例えば、ゾーンは、上部プレート20の異なる半分、第3の半分、又は象限に対応してもよく、及び/又は追加のゾーンはそれぞれ、互いから半径方向外向きに配置されてもよい。各構成では、各ゾーンは互いに独立しており、各ゾーンと真空バッファとの間の流体連通を制御するために、対応する分配チャネルおよびバルブが使用される。ゾーンは、平坦化される基板21のサイズおよび形状に基づいて選択的に活性化されてもよい。
【0038】
本開示の実施形態によれば、
図1に示すように、真空バッファ10は、上部プレート20の第2の側面20bと一体化されてもよい。例えば、真空バッファ10は、上部プレート20内の密閉空間であってもよい。このようにして、真空チャック100は、製造プロセスのサイズ制約を満たすためにコンパクトなサイズを有することができる。この構成では、アクチュエータ32は、真空バッファ10の外側に位置してもよい。例えば、アクチュエータ32は、上部プレート20の第2の側面20bに配置されてもよい。
【0039】
本開示の実施形態によれば、
図4に示すように、真空バッファ10は、上部プレート20の第2の側面20bに配置されたベース部材40と一体化することができる。ベース部材40は、様々なサイズ及び幾何学的形状を有する上部プレート20に適合する真空チャックのユニバーサルコンポーネントとすることができる。この構成では、アクチュエータ32は、真空バッファ10の内部に位置してもよい。例えば、真空バッファ10は、ベース部材40の内側でアクチュエータ32を取り囲んでもよい。
【0040】
ベース部材40は、フローバルブ30に隣接する環状突起42を備えることができる。環状突起42は、上部プレート20内の対応する空洞によって受け入れられ得る。例えば、環状突起42は、上部プレート20の中央分配ハブ25によって受け入れられ得る。このようにして、ベース部材40が上部プレート20の第2の側面20bに配置されると、真空バッファ10と中央分配ハブ25との間の流体連通が確立され、フローバルブ30によって制御される。
【0041】
ベース部材40は、封止部材44をさらに備えることができる。シール部材44は、oリング、クワッドリング、または任意の適切なガスケットであってもよい。シール部材44は、環状突起42が中央分配ハブ25によって受け入れられるときに半径方向に圧縮され得る。このように、ベース部材40は、封止部材44によって上部プレート20の第2の側面20bに封止され得る。
【0042】
真空チャック100は、リフトピン50をさらに備えることができる。リフトピン50は、ベース部材40に取り付けられてもよい。例えば、リフトピンは、基板のサイズに応じて、ベース部材の内側または外側に取り付けることができる。
図5に示す実施形態では、リフトピン50は、ベース部材40の内側に取り付けられている。例えば、リフトピン50は、ベース部材40の上面の切欠きに取り付けられ、真空バッファ10から分離されてもよい。このようにして、リフトピン50は、上部プレート20が取り外されたときに保守のためにベース部材40の上側でアクセス可能であり得る。リフトピン50は、上部プレート20の第1側面20aから突出している。したがって、リフトピン50は、上部プレート20の第1の側面20aから基板21を持ち上げるように構成され得る。リフトピン50は、コントローラ34によって制御されてもよい。リフトピン50は、配線52によってコントローラ34に接続され得る。代替として、リフトピン50は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、または任意の他の無線通信プロトコルを介して、無線でコントローラ34に接続されてもよい。アクチュエータ(図示せず)を使用して、リフトピン50を上部プレート20の内外に移動させることができる。例えば、アクチュエータは、ばねおよび吸引の組み合わせを使用することができ、またはリフトピン50を移動させるために他の技法を使用することができる。
【0043】
真空チャック100は、平準化デバイス60をさらに備えることができる。平準化デバイス60は、ベース部材40に取り付けられてもよい。
図5に示す実施形態では、平準化デバイス60は、ベース部材40の外側に取り付けられている。平準化デバイス60は、上部プレート20の第2の側面20bに対して配置されてもよい。したがって、平準化デバイス60は、ベース部材40に対する上部プレート20の高さを調整するように構成することができる。平準化デバイス60は、受動的機械デバイスまたは能動的に制御されるデバイスであってもよい。例えば、平準化デバイス60は、コントローラ34によって制御されて、上部プレート20を水平に保つか、又は上部プレート20に傾斜を加えてもよい。上部プレート20のためのいくつかの光学検査プロセスは、いくつかの検査特徴を強化するために、水平であるか、または小さい傾斜を有することが望ましい場合があることを理解されたい。平準化デバイス60は、配線62によってコントローラ34に接続されてもよい。あるいは、平準化デバイス60は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、または任意の他の無線通信プロトコルを介してコントローラ34に無線で接続されてもよい。
【0044】
図6に示すように、真空チャック100は、複数のクランプ70をさらに備えてもよい。複数のクランプ70は、上部プレート20の周囲に配置され得る。複数のクランプ70は、上部プレート20の第1の側面20aに配置された基板21の縁部を保持するように構成され得る。複数のクランプ70は、上部プレート20に取り付けられ得る。あるいは、複数のクランプ70は、ベース部材40に取り付けられてもよい。複数のクランプ70は、基板21を能動的に平坦化するために使用されなくてもよい。代わりに、複数のクランプ70を使用して、平坦化前および平坦化中に基板21を真空チャック100に保持することができ、その大部分は、上部プレート20の第1の側面20aの貫通孔23からの吸引によって行われる。複数のクランプ70は、上部プレート20および基板21のサイズおよび幾何学形状に基づいて、任意の数のクランプを備えてもよい。例えば、上部プレート20が長方形である場合、それぞれが上部プレート20の4つの縁部の各々に配置される4つのクランプが存在し得る。複数のクランプ70は、コントローラ34によって制御されてもよい。複数のクランプ70は、配線72によってコントローラ34に接続され得る。代替として、複数のクランプ70は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、または任意の他の無線通信プロトコルを介して、無線でコントローラ34に接続されてもよい。
【0045】
真空チャックは、複数の吸引カップ80をさらに備えることができる。複数の吸盤80が配置されているポート82の第1側面20aには、上部プレート20に接続された別の真空回路例えば二次真空源84であり、ポート82に接続されている2次真空チューブ86による。ポート82と二次真空源84との間に配置された二次真空調整バルブ88を設けることができる。例えば、二次真空調整バルブ88は、ポート82を二次真空源84に接続する二次真空管86と直列に接続されてもよい。二次真空調整バルブ88は、複数の吸引カップ80の圧力を調整することができる。複数の吸着カップ80は、基板21を能動的に平坦化するために使用されなくてもよい。代わりに、複数の吸着カップ80を使用して、平坦化前および平坦化中に基板21を真空チャック100に保持することができ、その大部分は、上部プレート20の第1の側面20aの貫通孔23からの吸引によって行われる。吸着カップ80は、基板21を真空チャック100に近づけることができる。これにより、真空チャック100は、基板21をより良好に把持または平坦化することができる。例えば、基板21が一箇所で大きく反っていてもよい。この反りにより、基板21は真空チャック100の表面から離れすぎて効果的に平坦化されない場合がある。吸着カップ80は、真空チャック100が基板21を平坦化することができる程度に真空チャック100の近くで基板21を引っ張ることによって、この距離を補償することができる。
【0046】
本出願の真空チャック100は、大きく反った基板を平坦化することができ、製造が簡単であり、これは、従来の方法に勝る以下の利点を提供する。第1に、真空チャック100は、小さい真空ラインおよび低電力真空源を使用することができ、これは、製造プロセスの空間制約において統合することがより容易であり得、限られた振動を伝達する。第2に、真空チャック100は、平坦化サイクル全体にわたって均一な重量分布をもたらすことができ、これにより、大きく歪んだ基板を完全に平坦化することができる。第3に、基板を押し下げるのに機械的クランプを必要としないので、基板の活性領域を損傷するリスクが少なくなり得、したがって、基板の厚さを変化させるのによく適合される。本開示の真空チャック100を使用して平坦化された基板に対して画像処理を実施することは、例えば、平坦化された基板が反りのある基板と比較して焦点合わせが容易であり、真空チャック100が伝達する振動が少ないため、あまり困難ではない場合がある。
【0047】
図7に示すように、本開示の実施形態は、基板を平坦化する方法200を提供することができる。方法200は、以下のステップを含むことができる。
【0048】
ステップ210において、真空チャックを設けることができる。真空チャックは、真空源と流体連通する真空バッファを備えることができる。真空チャックは、第1の側面に表面特徴を画定する上部プレートをさらに備えることができる。分配チャネルの内部ネットワークは、貫通孔を介して第1の側面に開いていてもよい。真空チャックは、分配チャネルのネットワークと真空バッファとの間の流体連通を制御するように構成されたフローバルブをさらに備えることができる。
【0049】
ステップ220において、基板は、上部プレートの第1の側面に配置され得る。基板は、上部プレートの第1の側面に手動で配置されてもよいし、適切な自動装填装置を用いて配置されてもよい。真空チャックは、上部プレートの第1の側面に取り付けられ、そこから突出し得る複数の位置決めピンを備え得る。複数の位置決めピンは、基板の適切な位置を保証することによって、基板を上部プレートの第1の側面に配置するのを助けることができる。
【0050】
真空チャックは、複数のクランプをさらに備えることができる。複数のクランプは、上部プレートの周囲に配置され得る。複数のクランプは、上部プレートの第1の側面に配置された基板の縁部を保持するように構成され得る。複数のクランプは、上部プレートに取り付けられ得る。あるいは、複数のクランプは、ベース部材に取り付けられてもよい。複数のクランプは、基板を能動的に平坦化するために使用されなくてもよい。代わりに、複数のクランプを使用して、平坦化前および平坦化中に基板を真空チャックに保持することができ、その大部分は、上部プレートの第1の側面の貫通孔からの吸引によって行われる。したがって、ステップ220は、基板が上部プレートの第1の側面に配置された後に、複数のクランプを基板の縁部に係合させることを含むことができる。
【0051】
真空チャックは、複数の吸引カップをさらに備えることができる。複数の吸引カップは、上部プレートの第1の側面のポートに配置され、別個の真空回路に接続され得る。代わりに、複数の吸引カップは、平坦化前および平坦化中に基板を真空チャックに保持するために使用されてもよく、その大部分は、上部プレートの第1の側面の貫通孔からの吸引によって行われる。したがって、ステップ220は、基板が上部プレートの第1の側面に配置された後に、複数の吸引カップを基板に適用することを含んでもよい。
【0052】
ステップ230において、フローバルブを開いて、基板と第1の上部プレート側面との間から表面特徴を通して真空バッファ内に負圧を印加することができる。フローバルブは、アクチュエータによって開放されてもよい。これにより、上部プレートの第1の側面の少なくとも一部に対して基板を平坦化することができる。
【0053】
表面特徴は、第1のゾーンと、第1のゾーンから半径方向外側に位置する第2のゾーンを含んで構成される。例えば、表面特徴が円形パターンを有する場合、第1のゾーンは円形領域であってもよく、第2のゾーンは第1のゾーンを取り囲む環状領域であってもよい。第1のゾーン及び第2のゾーンは、互いに独立していてもよい。分配チャネルの内部ネットワークは、第1のゾーンに位置する貫通孔を介して第1の側面に開口する第1のチャネルと、第2のゾーンに位置する貫通孔を介して第1の側面に開口する第2のチャネルとを備えてもよい。フローバルブは、第1の分配チャネルと真空バッファとの間の流体連通を制御し得る第1のバルブと、第2の分配チャネルと真空バッファとの間の流体連通を制御し得る第2のバルブとを含むことができる。したがって、ステップ230は、第1のフローバルブおよび/または第2のフローバルブを開いて、基板と上部プレートの第1の側面との間から第1のゾーンおよび/または第2のゾーンを通って真空バッファ内に負圧を印加することを含むことができる。
【0054】
上部プレートの第1の側面に配置される基板は、5mmまでの撓みがあるように反ることができ、上部プレートの第1の側面の少なくとも一部に対して基板を平坦化することによって、撓みを実質的に0mmに低減することができる。
【0055】
本開示の実施形態によれば、方法200はさらに、
図8に示されるようなステップを含んでもよい。
【0056】
ステップ240において、フローバルブを閉じて、表面特徴と真空バッファとの間の流体連通を停止することができる。フローバルブは、アクチュエータによって閉鎖されてもよい。フローバルブは、基板が充分に平坦化された後に閉じられてもよい。例えば、0.1秒以下で基板を充分に平坦化し、その後、基板を上部プレートから取り外す前に、適切なタイミングでフローバルブを閉じてもよい。
【0057】
ステップ250では、基板は、上部プレートの第1の側面から除去されてもよい。基板は、上部プレートの第1の側面から手動で除去されてもよく、またはリフトピン等の好適な自動除去デバイスを使用して除去されてもよい。
【0058】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して説明されたが、本開示の他の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその妥当な解釈によってのみ限定される。
【国際調査報告】