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特表2023-546647電極取り付け組立品、セル及び使用の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-07
(54)【発明の名称】電極取り付け組立品、セル及び使用の方法
(51)【国際特許分類】
   C25B 1/245 20210101AFI20231030BHJP
   C25B 9/09 20210101ALI20231030BHJP
   C25B 11/043 20210101ALI20231030BHJP
   C25B 9/63 20210101ALI20231030BHJP
【FI】
C25B1/245
C25B9/09
C25B11/043
C25B9/63
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515639
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020058775
(87)【国際公開番号】W WO2022055528
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】63/075,561
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(71)【出願人】
【識別番号】523083137
【氏名又は名称】ジェイムズ パトリック ネールセン
(71)【出願人】
【識別番号】523083148
【氏名又は名称】ウィリアム エフ.シュルツ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ パトリック ネールセン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エフ.シュルツ
【テーマコード(参考)】
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
4K011AA16
4K011DA09
4K021AA04
4K021AB09
4K021BC05
4K021CA02
4K021CA03
4K021CA12
4K021DC15
4K021EA03
(57)【要約】
電解セルのための電極取り付け組立品、1つ又は複数の電極取り付け組立品を有する電解セル、及びそれを使用する方法であって、炭素含有電極と、炭素含有電極に直接的に又は間接的に接触している1つ又は複数の変形可能な取り付け要素とを備え、1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、使用の際に、炭素含有電極の破壊を引き起こす応力よりも小さい応力で変形して、炭素含有電極の伸長に適応する、電解セルのための電極取り付け組立品、1つ又は複数の電極取り付け組立品を有する電解セル、及びそれを使用する方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解セルのための電極取り付け組立品であって、炭素含有電極と、前記炭素含有電極に直接的に又は間接的に接触している1つ又は複数の変形可能な取り付け要素とを備え、前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、使用の際に、前記炭素含有電極の破壊を引き起こす応力よりも小さい応力で変形して、炭素含有電極の伸長に適応する、電極取り付け組立品。
【請求項2】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、前記炭素含有電極の任意の部分に対して8000psi超の応力を決して及ぼさない、請求項1に記載の電極取り付け組立品。
【請求項3】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、前記炭素含有電極の任意の部分に対して6000psi超の応力を決して及ぼさない、請求項1又は2に記載の電極取り付け組立品。
【請求項4】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、4000~10000psiの応力の間の圧力で変形する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項5】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、4000~8000psiの応力の間の圧力で変形する、請求項1~4のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項6】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が金属を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項7】
前記電極組立品のどの部分もポリマーを含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項8】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、ASTM O60 temperに相当する十分にアニールされた銅から選択される金属を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項9】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、炭素合金C11000を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項10】
前記1つ又は複数の変形可能な取り付け要素が、0.5%の伸びで、10000psi未満の降伏強度を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項11】
前記変形可能な取り付け装置が、圧縮バンド、ストラップ、ねじ、ねじ切りされたボルト、ロッド、ねじ切りされたロッド、ポスト又はシャフトから選択される1つ又は複数を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項12】
前記変形可能な取り付け装置が、バネ、コイルバネ、ボルト、ねじ、ブレーシング(bracing)、クラッシュワッシャー、U型又はC型ハンガーバー、C型クランプから選択される1つ又は複数を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項13】
前記変形可能な取り付け装置が、皿バネワッシャー、ねじワッシャー、クラッシュワッシャー、エラストマーパッド、ガスケット又はワッシャーから選択される1つ又は複数を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項14】
前記変形可能な取り付け要素が、1つ又は複数のボルトを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項15】
前記炭素含有電極が、非黒鉛化炭素、黒鉛化炭素、低浸透性炭素、高浸透性炭素、炭素繊維、加圧された炭素粉末、メソカーボンマイクロビーズ、金属で含侵された炭素、金属の薄層でコーティングされた炭素、炭素ダイアモンド、コール又は石油由来のコークスから選択される炭素を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項16】
前記炭素含有電極が、モノリシック構造であるか、又は複合体構造である、請求項1~15のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項17】
前記炭素含有電極が、ベーキングされて、高密度化され、硬化され、ピッチが炭化された、コール又は石油由来のコークスの形態を含む圧縮された炭素とピッチバインダーとの成形された塊である、請求項1~16のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項18】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、前記炭素含有電極の破壊強度を超過して前記炭素含有電極に対して応力を及ぼすことなく、約0.1%~約1.0%の前記炭素含有電極の伸長に適応するように変形する、請求項1~17のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項19】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、弾性的に変形する、請求項1~18のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項20】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、塑性的に変形する、請求項1~19のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項21】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、十分にアニールされた銅を含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項22】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、前記炭素含有電極の0.5%の伸長の後に、前記炭素含有電極に対して8000psi未満の応力を及ぼす、請求項1~21のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項23】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、前記炭素含有電極の0.5%の伸長の後に、前記炭素含有電極に対して6000psi未満の応力を及ぼす、請求項1~22のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項24】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、十分にアニールされた銅、冷間圧延された銅、鋼、銅-ニッケル合金、鉛、金、銀、スズ、亜鉛、アルミニウム、黄銅、青銅及びそれらの合金を含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項25】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、十分にアニールされた銅を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項26】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、ハロゲン化されたエラストマー、グラファイト充填PTFE又はシリコーンゴムを含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項27】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、300S/m超の伝導性を有する材料を含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項28】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、耐荷重性である、請求項1~27のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項29】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、1つ又は複数の金属を含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項30】
前記1つ又は複数の変形可能な要素が、1つ又は複数のボルトを備え、前記ボルトが、30ft-lbs(40.7N-m)以下のトルクに締められる、請求項1~29のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項31】
前記炭素含有電極が、アノードである、請求項1~30のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品。
【請求項32】
1つ又は複数の請求項1~31のいずれか1項に記載の電極取り付け組立品と、コンテナと、電気分配要素と、電解浴と、1つ又は複数の逆に帯電された電極とを備える、電解セル。
【請求項33】
前記1つ又は複数の電極取り付け組立品中の前記炭素含有電極が、アノードである、請求項32に記載の電解セル。
【請求項34】
前記電解セルが、フッ素含有材料を製造する、請求項32又は33に記載の電解セル。
【請求項35】
フッ素含有材料を製造するための請求項32~34のいずれか1項に記載の電解セルの使用であって、前記電解セルに電気エネルギーを導入して、前記1つ又は複数の電極取り付け組立品中の前記炭素含有電極と、前記1つ又は複数の逆に帯電された電極とにおいて化学反応を引き起こす工程を含む、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年9月8日に提出された米国仮出願63/057561号に対する優先権を主張するものであり、米国仮出願63/057561号の全体の内容は、それを参照することによって、全ての可能な目的のために本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
フッ素元素(F)及び関連するフッ化ガス、例えば三フッ化窒素(NF)の産業的生成は、主に電解セルにおいて行われる。とりわけ、フッ素ガス生成のために、このようなセルのアノードは炭素で作られる。機能するために、電流がカソードとアノードとの間に流れることができるように、アノードは電力供給源に接続されなければならない。
【0003】
フッ素セル中のアノードに対する信頼性のある接続をすることは、このようなセルにおいて見られる非常に活性な化学条件に起因して困難である。このようなセルにおいて使用される液体電解液は、典型的にはフッ化カリウム(KF)及びフッ化水素(HF)の溶融塩混合物である。NFを生成するために、KFの代わりに、又はKFに加えて、フッ化アンモニウムが使用される。この電解液は、上昇した操作温度及びアノードに適用されるアノード電位と合わせて、アノード接続器具の金属構成要素を攻撃する傾向がある非常に腐食性の条件をもたらす。さらに、効率的かつ安定な操作のために、アノードに対する接続の電気抵抗は、アノードの寿命にわたって、低い電気抵抗から始まり、低い電気抵抗のままでなければならない。アノードに対する電気的接続の劣化は、Ring及びRoystonによって十分に説明されている(Australian Atomic Energy Commission Report E281、1973、ISBN 0 642 99601 6)ように、アノードの破壊を引き起こすことが知られている。
【0004】
炭素アノードを電気供給源及び/又は他の支持要素に取り付ける多くの手法が、米国特許第5290413号明細書(アノード頂部のまわりの円周状金属スリーブ)、米国特許第3041266号明細書(幾つかのボルトによって取り付けられたアノードを有する金属ハンガーバー)、日本国特許第7173664号明細書(まず金属バーを通して、次に炭素アノード中に挿入されたねじ切りされたボルト)、米国特許第5688384号明細書(炭素アノードの頂部中のねじ)、韓国登録特許第10-0286717号公報(炭素アノードが2つの金属プレートの間にボルトによって保持される)、中国特許出願公開第102337491号明細書(クランププレート)、米国特許第8349164号明細書(クランププレート)、Zhaoら(クランププレート)、米国特許第6210549号明細書(C型アノードハンガーバー及びねじ切りされたロッド)において開示されるものを含む先行技術において提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの異なる取り付け方法があるにも関わらず、炭素アノードは、ある期間の後に、電解における使用の間に破壊する。炭素アノードの破壊はセルを使用不可能にし、セルの少なくとも幾らかの部分を再構築することが必要になる。したがって、当分野において、電解セルにおける炭素電極の寿命を延ばすことの要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電極取り付け組立品と、電極取り付け組立品を備える電解セルとを提供し、電極取り付け組立品は、炭素含有電極と、炭素含有電極に直接的又は間接的に接触している1つ又は複数の変形可能な取り付け要素とを備え、1つ又は複数の変形可能な取り付け要素は、炭素含有電極の破壊強度より低い応力で変形して、使用の際の炭素含有電極の伸長に適応する。
【0007】
1つの別の実施態様において、本発明は、本発明の1つ又は複数の電極取り付け組立品と、コンテナと、電気分配要素と、電解浴と、1つ又は複数の逆に帯電された電極とを備える電解セルを提供する。
【0008】
1つのさらに別の実施態様において、本発明は、フッ素含有材料を製造するための電解セルの使用又は方法であって、電気エネルギーを電解セルに導入して、炭素含有電極及び1つ又は複数の逆に帯電した電極における反応を起こして、炭素含有電極においてフッ素含有材料を製造する工程を含む、使用又は方法を提供する。
【0009】
本発明は、セル及び電極取り付け組立品の利益を提供し、セル及び電極取り付け組立品は、炭素電極(アノード)が破壊する傾向を減少させ、それによって電極の寿命を延ばすアノード取り付け組立品であってよく、より長期間のセルの操作を可能とし、セルを再構築する頻度を低下させることによってメンテナンスコストを減少させ、安全性を向上する。ときには、破壊された電極(アノード)は、セル内部における電気的な短絡を引き起こすか、又は電気アークを引き起こし、結果としてセルの内部構成要素の多くに損傷を与える場合がある。さらに、本発明は、良好な電気的接触及び腐食に対する抵抗を有する電極取り付け組立品(アノード取り付け組立品)を提供する。さらに、炭素電極に対する電気的接触の腐食は、接続点及び金属構成要素を「乾燥して」保つ、すなわち好ましくは液体電解液の表面の上に保つことによって低減することができる。本発明の電極取り付け組立品を使用して作られるセルは、幾つかの場合において、同じ操作条件の下で、同等のセルにおいて操作される通常の電極と比較して、20%以上長い間、使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の電解セルの模式図である。
図2】本発明の1つの電極取り付け組立品の模式図である。
図3】本発明の1つの別の電極取り付け組立品の模式図である。
図4】本発明の1つの別の電極取り付け組立品の模式図である。
図5】本発明の1つの別の電極取り付け組立品の模式図である。
図6】本発明の1つの別の電極取り付け組立品の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
背景技術又はこの詳細な説明において参照された特許及び特許出願の全ては、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0012】
図1は、本発明による電極取り付け組立品を有する、フッ素含有材料の電解合成のための電解セルの1つの実施態様を示す単純化された模式図である。符号10は、電解液抵抗コンテナ19においてフッ化物イオン含有溶融塩電解浴12を使用する、フッ素含有材料の電解合成のための電解セルを示している。フッ化物イオン含有溶融塩電解浴12は、1つ又は複数のフッ化物塩とフッ化水素(HF)とを含有する混合溶融塩、例えばKF-2HF、NH-2HF、又はKF、NHF及びHF等の混合物、を含んでよい。さらに、電解セルは、少なくとも部分的に溶融塩電解浴12に浸されたアノード13と、カソード14と、仕切り壁15とを備える。さらに、電解セルは、供給ブスバー16であってよい電流分配要素と、任意選択で整流器と、電力供給源17とを備える。典型的には、カソード14は、ニッケル、ステンレス鋼、炭素鋼等を含む。典型的には、アノード13は、炭素含有材料を含む。本発明の電極組立品は、少なくとも1つの電極、典型的には少なくとも1つのアノードと、変形可能な取り付け組立品とも言われる場合がある、1つ又は複数の変形可能な要素を備える取り付け組立品とを備え、取り付け組立品の実施態様を図2~6により詳細に示す。加えて、本発明の電解セル10は、温度を保持するための手段(図示されていない)と、フッ素ガス、三フッ化窒素又は他のフッ化ガスであってよいフッ素含有材料を生成するプロセスの間に消費されたHF及び/又はNH等の塩を補充するための手段(図示されていない)とをさらに備えてよい。本発明は、(本明細書においてはアノードとして説明されているが)任意の炭素含有電極のために使用して、典型的にはフッ素含有材料であるが任意の最終製品を製造することができると理解される。
【0013】
図1に示される実施態様において、電解セル10が操作されているとき、電気エネルギーは、セル浴中の化学反応を引き起こす。フッ素含有材料はアノード13において製造される。仕切り壁15は、フッ素含有ガスを、カソード14において作られた水素ガスから分離して保持する。水素ガス及びフッ素含有ガスは、分離捕集コンテナ(図示されていない)に接続された分離導管(図示されていない)によってセルから取り出される。
【0014】
典型的には、電気化学フッ素生成セルにおいて使用されるアノード13は、炭素又は非黒鉛化炭素等の炭素含有材料で作られるが、十分に黒鉛化された炭素を含む種々の程度で黒鉛化された炭素も使用することができる。(炭素含有材料を使用して、本発明から利益を得られる他の電解セルにおけるカソードを作ることができ;したがって、本発明は、炭素含有材料で作られたアノードに限定されず、炭素含有電極、炭素含有アノード、炭素電極及び炭素アノードなる用語は、本明細書において相互交換可能に使用される場合があることに注意せよ。)電極を作るために使用される炭素含有材料は、低透過性、高透過性、モノリシック構造又は複合体構造であってよい。複合体構造において、低浸透性炭素の内部コア及び高浸透性炭素の外部シェル又は伝導性ダイアモンド層があってよい。代わりに、複合体構造において、炭素含有アノードは、炭素繊維材料及び1つの別の炭素の形態、例えば等方的に加圧された炭素粉末又はメソカーボンマイクロビーズ、を含んでよい。炭素電極の外部層は、内部コア若しくは代わりの担体に形成されるか、コーティングされるか、若しくは付着されてよく(英国特許出願2135335号明細書(Marshall))、又はそうでなければ組み立てられるか、若しくは製作される(米国特許第3655535号(Ruehlenら)、第3676324号(Mills)、第3708416号(Ruehlenら)及び第3720597号(Asheら)明細書並びに米国特許出願公開第2008/0314759号明細書(Furutaら))。さらに、ニッケル等の金属又はフッ化リチウムなどの塩で含侵された炭素も本発明において有用である。さらに、アノードがアノードに対する電力供給源に接続されるか、又は交わる領域において、金属の薄層でコーティングされている炭素電極も本発明において有用である。炭素の表面は粗くてよく、又は滑らかに切断若しくは研磨されていてもよい。表面は、溝及び穴等の特徴を有していてもよい。任意の有用な種類の炭素を含む任意の炭素アノードを、本発明の電極組立品における炭素電極として使用することができる。通常、電解セルにおけるアノードとして使用される炭素含有電極は、一般に、コール又は石油由来のコークスの形態を含む圧縮された炭素とピッチバインダーとの成形された塊である。典型的には、形成されたアノードはベーキングされて、高密度化され、硬化され、ピッチが炭化される。直接的に最終形状に成形するか、又はより大きいブロックから最終形状に機械加工することができる、等方的に圧力をかけられた炭素粉末のブロックも使用することができる。一般に、炭素アノードは、略平坦又は平らな表面を有する形状の長方形であるが、正方形、ディスク又は円筒等の任意の形状を有してよい。
【0015】
アノードの破壊の原因の多くの調査を通じて、発明者らは、認識されていなかった破壊のモードを見出した。発明者らは、フッ素及びフッ化ガス製造のための電解セルにおいて使用される種類の炭素含有材料を含む電極が、使用の間に物理的な膨張を受けることを見出した。一般に、この膨張の程度は小さく、電解セル内部に見られる条件の下で、多くの炭素については1%未満である。しかしながら、この膨張の量は、多くの取り付け設計において炭素を破壊するのに十分な応力を引き起こすのに足りるものである。物理的な伸長の量は可変であるが、典型的には炭素電極のそれぞれの寸法において約0.1%~約2.0%増加する。
【0016】
この特徴を示すために、非黒鉛化炭素(SGL Carbon(Wiesbaden、独国)によって製造された「ABR」グレード)の3つのサンプルを容器中に配置し、100℃で、HF及びFガスを含有するフッ素セルのガス相ヘッドスペースに類似の条件に曝した。幾度かのガスの装入の後、サンプルを除去し、それぞれの長さ寸法が、そのサイズにおいて0.27%、1.42%及び0.53%増加したことが分かった。
【0017】
炭素の膨張は操作の間の電解セル内部に見られる条件によって誘起されるため、発明者らは、この現象が過度の応力及び破壊を引き起こすと決定づけた。炭素含有材料を含むアノードの膨張は、炭素電極と接触して圧力をかけられる材料の全て、すなわちセル中の電極と直接的又は間接的に接触していて、セル中の電極を支持するか、及び/又は電極に電力を提供する取り付け要素の全てによって受ける従来の機械弾性圧縮並びに伸びと比較して大きい。さらに、熱伸長などの他の手段によって誘起される変化とは対照的に、炭素アノードの膨張は可逆でないことを見出した。炭素が膨張を受けると、セルが停止されたときであっても、炭素は、新たな、より大きいサイズを維持する。さらに、発明者らは、膨張プロセスが自己限定的でないことを見出した。むしろ、炭素は、経時的に緩やかに伸長を続ける。この効果は、炭素が電解セルに供するように取り付け及び配置された後に伸長を続けるので、ユーザーが電解セルに取り付ける前に炭素を予備伸長するのを妨げる。
【0018】
圧力接触(クランプ力)を生成する装置は、炭素アノードをある位置に保持し、良好な電気的接続のために必要な典型的には非常に強い接触圧力を提供する。ボルト、バンド及びねじ切りされたロッド等の取り付け要素は、全て、構造要素として使用され、圧力をかけられた接触を提供する。Ni-Cu合金400等の鋼、銅、ニッケル及びニッケル-銅の合金を含む、多くの構造材料が有用である。しばしば、従来技術における材料の選択は、腐食抵抗及び組み立て条件の機械応力に耐える能力に基づいてされる。発明者らは、これらの種類の高強度材料の使用は、これらの材料が炭素アノードよりもかなり強く、炭素が膨張したときに降伏しないので、ある操作時間の後にアノードの破壊を引き起こすことを見出した。典型的には、このようなセルにおいて電極を作るのに使用される炭素材料は、脆性破壊挙動を示し、すなわち、それらは、脆性破壊による破損の前に、わずかな弾性変形にのみ耐える。炭素アノードの炭素材料は、延性変形挙動を全く示さないか、又は非常に限られた延性変形挙動を示し、延性変形挙動は使用に伴って電極が古くなるにつれてさらに減少する。
【0019】
剛体の高強度取り付け要素に対して、例えば鋼、ニッケル又は通常の冷間圧延された銅のボルト、ロッド、バンド、プレート、ハンガー、クランプ装置又はそれらの組み合わせに対して、炭素アノードとそれらの取り付け要素のうち1つ又は複数との間の適した物理的及び電気的接続を確実にするために適用される通常の圧縮力で取り付けられたとき、炭素は、その弾性変形の限界に達する前にわずかにのみ伸長することができる。取り付け要素によって誘起される最大応力の点で、又はその最大応力の点の近くで、炭素の破壊が起こる。クランププレート等の圧力分配装置の使用はこのモードの破壊を妨げない。なぜなら、1つ又は複数の剛体の取り付け要素の境界における炭素の伸長が原因だからである。
【0020】
発明者らは、通常の組み立て条件では、従来の取り付け要素における金属ボルト及びプレートの歪みは10ミクロン程度である場合があるが、一方で本発明の対象である炭素の膨張は100ミクロン以上である場合があると決定づけた。他の個所で述べるとおり、フッ素含有材料を製造するための電解セルにおいて使用されるときの膨張によるアノードの炭素含有材料の伸長は、通常の取り付け要素の膨張よりも大きく、通常の取り付け要素の膨張よりも1.5倍超、2倍超、5倍超又は8倍超大きい場合がある。したがって、炭素と通常の取り付け要素との間の伸長のスケールの差が原因で、通常の(剛性の)取り付け要素は、炭素の伸長に適応する能力がない。
【0021】
典型的には炭素含有材料が使用に伴って経時的に弱化することは、アノードの破壊の問題を悪化させる。弱化は、これらのセルにおいて典型的に見られる厳しい酸化環境による化学的な分解若しくは攻撃、又は膨張によって引き起こされる内部応力の結果である場合がある。結果として、ある期間の使用の後、しばしば、炭素含有材料は、新品のときよりも低い圧縮強度を示す。この減少は、50%程度である場合がある。したがって、炭素含有材料の破壊の回避は、炭素含有材料に対するピーク応力を比較的低い値に減少させる能力に依存する。
【0022】
フッ素及び他のフッ化ガスの生成のための電解セルにおけるアノードとして使用される多くの炭素含有材料は、新品のときに8000~15000ポンド毎平方インチ(psi)程度の圧縮強度を有する。電解セルにおける長期間の使用の後、この値は、炭素の化学的分解及び膨張の効果によって、半分まで低下する場合がある。したがって、ある期間の使用の後には、約6000psi超の応力であっても炭素の破壊が起こり得る。
【0023】
本発明は、炭素含有材料を含むアノードの膨張に適応してアノードの破壊を妨げ、それによって電解セルの使用寿命を延ばす、変形可能な取り付け要素、セル及び方法を提供する。これを達成するために、本発明の変形可能な取り付け要素は、炭素含有材料に対するピーク応力を比較的低い値に減少させる。
【0024】
ボルト、バンド又はロッド等の取り付け又はクランプ力によってアノードを取り付けるために使用される通常の構成要素は、材料の弾性限界内で操作するように設計された。より大きい応力は、より高強度の材料又はより大きい断面を有する取り付け装置を使用して、取り付け要素における応力を減少させることを必要としてきた。通常、従来技術の取り付け装置は、接触表面を腐食から保護し、高い接触応力によって連結部における低い電気抵抗を達成することに焦点を当てて、高い取り付け又はクランプ圧力をもたらす1つ又は複数の取り付け装置を使用してきた。
【0025】
対照的に、本発明は、1つ又は複数の、順応又は降伏する取り付け要素を使用して、炭素の物理的な膨張に適応することによって、電解セルにおける炭素アノードの取り付けの改善の可能性を提供する。このような1つ又は複数の変形可能な取り付け要素は、好ましくは約0.1%~約2%又は約0.1%~約1%の長さ(及び/又は他の寸法)、弾性又は塑性変形を通じて伸長することができ、一方で、炭素にかけられる最大応力を炭素の破壊強度より小さく制限する。炭素は経時的に弱化する場合があるため、その設計は、炭素に対するピーク応力を8000psi未満、7000psi未満、より好ましくは6000psi未満、又はさらには5500psi未満に制限するべきである。電極取り付け組立品において使用される1つ又は複数の変形可能な要素は十分な変位を提供するように選択される必要があり、典型的には、適した変位は、元々の炭素の寸法の少なくとも約0.05~約10%、約0.05~約5%、約0.1~約3%又は約0.1~約2%である。
【0026】
このことは、クランプ力である場合がある取り付け力を伝達する取り付け要素(ボルトシャフト、ロッド又はバンド等)における延性の低降伏金属又は減少した断面の使用によって達成することができる。材料及び断面は、炭素電極に対して炭素の破壊応力よりも高い応力を及ぼす前に、構成要素がその降伏点に到達して、延性的に変形することを可能とすることを確実にするように、一緒に選択される。
【0027】
延性の低降伏金属の1つの実施態様は、O60 temperとしても知られる十分にアニールされた銅である。その銅は、C11000合金等の任意の産業的に純粋なグレードである。銅金属が加工硬化することは周知である。銅部品を機械加工するための通常の状態においては、銅は「冷間圧延された」状態と言われる状態で、代わりに「1/8 hard」又はH00 temperとも言われる状態で提供され、0.5%の伸びで、20000psi(137.9MPa)の最小降伏強度を有する。より硬いもの、例えば1/4 hard又は1/2 hardも利用可能である。対照的に、十分にアニールされた銅は、0.5%の伸びにおいて特定の最小降伏強度を有しないが、典型的には、その値は非常に低く、約10000psi(69MPa)未満、しばしば約6500psi(44.8MPa)未満である。典型的には、機械加工された銅部品は、O60 temperを得るようにアニールされる必要がある。銅及び銅合金以外に、適している場合がある他の金属は、鉛、金、銀、スズ、亜鉛、アルミニウム、黄銅、青銅及びこれらの金属の種々の合金を含む。
【0028】
上記のとおり、金属要素の剛性を増加させるように金属要素の厚さを増加させることができ;したがって、鋼、モネル等を含むより強い公知の金属を使用して本発明において有用である変形可能な取り付け要素を製造して、金属要素の厚さを減少させて変形可能な取り付け要素を作ることを可能とすることができる。電解セルにおける厳しい条件は、しばしば経時的な腐食を引き起こすため、取り付け組立品において1つ以上の変形可能な要素が使用される場合、従来技術において使用される、より強い金属を使用して幾つかの要素の厚さを減少させるだけてあってもよい。。
【0029】
例えば、図2に示される実施態様において、米国特許第3041266号明細書から、アノードの取り付けのために通常使用されていた3/4インチの直径の4100シリーズの鋼合金金属ボルトを、H00銅で作られたボルトと交換し、直径を約0.5インチ未満に減少させ、炭素アノードが破壊する前にボルトが塑性変形することを可能とする。炭素鋼ボルトも使用することができるが、直径は0.3インチ未満にさらに減少させる必要がある。ボルトシャフトの直径の減少は、好ましくは元々のボルトキャップのある領域を大きくは変えずにされるべきであり、すなわち、ボルトシャフトはより薄くならなければならないが、キャップは近いサイズ、そうでなければ同じサイズのままであるべきである。サイズと材料特性との組み合わせは、機械的取り付け設計の細部によってもたらされる全ての関連する応力集中を考慮して、変形可能な取り付け要素が、炭素が破壊する前に、ある点で十分に降伏するように考えられる必要がある。したがって、ボルトシャフトの直径に対する変化はさらに、炭素に対する応力を増加させないように、この例の炭素におけるボルトヘッドのための設置領域を変えることなくされる必要がある。したがって、これらの多くの異なる基準と、電流送電要素についての電流容量等の因子とを考慮する必要性は、全ての必要な要件を達成するために多大な注意を要する。
【0030】
代替の実施態様において、熱アニールされた銅を使用して、変形可能な取り付け要素、変形可能な領域又はその変形可能な部分を作ることができる。ASTM O60 temper等の熱アニールされた銅は特定の降伏応力を有しないが、約10000psi(69MPa)以下の応力の下で変形することが分かっている。比較のために、H00 temper銅は20000psi(138MPa)の降伏応力を有し、最も一般的な鋼は25000psi(172MPa)以上の降伏応力を有する。
【0031】
上記のとおり、炭素の破壊の前に材料が降伏することを確実にするように注意して設計するだけで、冷間圧延されたH00銅、鋼又は銅ニッケル合金400等のこの用途のための幾つかの一般的な金属を変形可能な構成要素として使用することができる。使用することができる他の金属又は材料は、鉛、金、銀、スズ、亜鉛、アルミニウム、黄銅及び青銅を含む。グラファイト充填ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の伝導性ポリマーも、電流送電構成要素のために使用することができる。プラスチック及びエラストマー等の柔らかい材料を非電流送電構成要素のために使用することができるが、それらは、要求される機械的な装填量を支持するのに十分な強度を有する必要があり、かつセル中の環境に化学的に適合している必要がある。好ましくは、変形可能な取り付け要素は金属を含む。好ましくは、変形可能な取り付け要素は、セルの環境によって反応、燃焼若しくは分解する材料及びエラストマー要素、又はそうでなければセルの環境に適合しない材料及びエラストマー要素を有しないか、又は実質的に有しない。好ましくは、変形可能な取り付け要素は伝導性であり、300S/mより高い伝導性を提供する。幾つかの設計において、変形可能な取り付け要素は耐荷重性である。
【0032】
中国実用新案204434734号明細書において、炭素アノードプレートと金属ブスバーとの間の柔軟な要素が開示されている。このような柔軟な要素は、これらの要素間の連結部をシールして腐食を妨げるように設計されている。柔軟な要素は、金属コーティングを有するグラファイトガスケットであることが記載されている。このような柔軟な要素は、典型的に、組み立ての間の初期の圧縮セットの後に十分に圧縮性を有したままではないので、本発明において要求される機能を満足するものではない。
【0033】
適切に設計した場合には、エラストマー構成要素を、電極組立品における変形可能な要素又は幾つかの変形可能な要素のうちの1つとして使用することができる。エラストマー構成要素は、セルの環境に化学的に適合しているか、又はセルの環境から保護される必要がある。FKM(フルオロエラストマー)、FFKM(フルオロエラストマー)、クロロプレン等のハロゲン化されたエラストマー、及び他の類似の材料を使用することができる。フルオロポリマー等の抵抗性材料によって被包することによって保護された場合には、シリコーンゴム又は任意の種々の炭化水素ベースのエラストマー等のハロゲン化又は非ハロゲン化ポリマーを使用することができる。エラストマー構成要素は、初期の組立の後に、炭素を破壊するのに必要な応力をもたらすことなく、炭素の十分な変形を可能とする必要がある。したがって、電極組立品の初期の組立の間に、エラストマー構成要素は完全には圧縮されなくてよい。
【0034】
本発明の電極取り付け組立品において有用な変形可能な取り付け要素は、バネ、皿バネ又はバネワッシャー、コイルバネ又は他のバネボルト、ねじ、ポスト、ロッド、シャフト、ねじ切りされたロッド、バンド、ストラップ、ブレーシング(bracing)、クラッシュワッシャー、皿バネ又はバネワッシャー、U型又はC型ハンガーバー、C型クランプ、及びエラストマーパッド、ガスケット又はワッシャー、のうち1つ又は複数を任意の組み合わせで含むことができる。単独の、又は任意の組み合わせの変形可能な取り付け要素は、適した機械特性又はその変形可能な部分を有し、それらの変形を提供するように設計される。変形可能な取り付け要素は、変形可能な部分又は領域を、すなわち、変形可能な材料を含むか、又はそうでなければ圧力の下で電極の破壊を妨げるように変形するように設計されている要素の部分を含んでよい。
【0035】
上記のとおり、図2は本発明の1つの実施態様を示している。図2は、1つ又は複数の変形可能な取り付け要素を備える本発明のアノード取り付け組立品20を示している。図示されているように、変形可能な取り付け要素は、炭素の破壊を妨げるのに十分に低い応力で塑性的に降伏するように設計された複数のボルトである。ボルトは、アニールされた銅などの柔らかい金属で構成されてよく、又は減少したボルトの断面積を有する鋼若しくはニッケル-銅合金400等の硬い金属であってよい。図2は、一般的な銅金属ハンガー又はブスバー16が、任意の適した手段によってブスバー16に固定された金属ロッド7によって支持されていることを示す。ロッド7は、電解セル(図示されていない)の頂部の開口部を通って延在していてよく、セルの頂部にロッド7を固定するためのタップナット(図示されていない)と組み合わせて用いることができる。ロッド7は、電力の供給源に接続するためにも使用することができる。
【0036】
図2に示されているように、複数のカーボンアノード13は、ブスバー16に固定されている。アノード13のそれぞれは、完全に貫通して穴あけされた複数の穴を有する。これらの穴のそれぞれはザグリであり、ボルト3のヘッドのための肩又はランドを提供する。図示されているように、ボルト3のそれぞれはスロットヘッド及びシャフト21を有する。銅ワッシャー4は、炭素アノードの保護のためにボルト3のそれぞれのヘッドの下に挿入される。図の切り取られた部分において示されているように、ボルト3のそれぞれは、アノード13をブスバー16に固定するために、ブスバー16中の穴6の内部のねじ山とかみ合わせるねじのねじ山を設けられている。
【0037】
この実施態様において、ボルト3のそれぞれのヘッドは、炭素又はエラストマープラグ5によって腐食から保護されている。これらのプラグ5は、わずかにテーパー(taper)をつけられて、へこんだ穴に緊密に適合することを確実にすることができるが、炭素含有電極の伸長を可能とするように本発明に沿って設計されていてもよい。
【0038】
図3は、1つ又は複数の変形可能な取り付け要素を備える電極組立品20の1つの別の実施態様を示している。電極組立品20は、図3に示されるような耐荷重ボルト等のボルト33を有するU型又はC型ハンガー36を備える。通常の機械的設計において、ボルトは、適用される圧力の下でボルトシャフトが降伏しないように選択される。本発明において、電解セルにおける炭素アノード13の取り付けは、降伏によって変形し、炭素を破壊するのに十分な応力に達することなく炭素が伸長することを可能とするボルト33(及び/又は他の要素)を使用することによって改善することができる。炭素に対するクランプ力は、ボルト33によってU型又はC型ハンガー36を圧縮することによってもたらされる。ボルトが剛体である場合、使用の間に炭素が膨張するにつれて、クランプ力は、炭素に対する応力が炭素を破壊するのに十分に高くなるまで増加し、炭素の破壊は典型的にはU型又はC型ハンガーの下部エッジ35において起こり、そのエッジの形状はエッジ35と接触する炭素含有電極におけるせん断応力集中点をもたらす。これを妨げるために、変形可能なボルト33、エラストマー要素37及び/又は変形可能なC型又はU型ハンガーを使用することができ、又はそれらの変形可能な要素の任意の組み合わせを使用することができる。エラストマー要素37が使用される場合、それは、U型又はC型ハンガーの少なくとも1つの表面と、炭素アノードとの間に挿入されてよい。図3は、側部32、34と、側部32及び34の間に位置していて、側部32及び34を接続する頂部38とを備えるU型又はC型ハンガー36を示している。図3は、U型又はC型ハンガーの1つの側部32と、アノード13との間のエラストマー要素37を示している。代わりに、ハンガー又は他の電流を供給するもの(図示されていない)を通過して電極に電流の供給がされる限りにおいて、エラストマー要素37は、側部32、34のいずれか若しくは両方とアノード13との間に、及び/又は1つの側部32若しくは34とハンガーの頂部38とアノード13との間に、又は側部32、34の両方とハンガー36の頂部38とアノード13との間に位置していてもよい。炭素が伸長するにつれて、エラストマー要素が圧縮されるか、ボルトは長さにおいて伸長する場合があるか、及び/又はハンガーは歪む場合があり、それによって炭素に対する応力が炭素の破壊点まで増加することを妨げる。
【0039】
図4は、エラストマー構成要素及び/又は変形可能なボルト若しくはポストを備える、本発明の変形可能な電極組立品20の1つの別の実施態様を示している。図4に示されているように、ねじ切りされたボルト又はポストは、アノード支持体46を通って、アノード13中に取り付けられる。さらに、図4はアノード13と金属支持体46との間に位置するエラストマー要素47を含む。アノード13と金属支持体46との間にエラストマー要素47を配置することによって、炭素アノードが膨張するときにエラストマー要素47が変形する。エラストマー要素47がない場合、膨張炭素アノードは、アノードとブスバー又は支持体46との間のクランプ力の増加を引き起こし、このことは、典型的にはボルトのねじ山が炭素アノードとかみ合う最大応力の点で、炭素アノード13の破壊を引き起こす。エラストマー構成要素がある場合、使用の間に炭素が膨張するにつれて、エラストマー構成要素は圧縮され、このことは、クランプ力が、アノード13の炭素を破壊するのに十分に増加することを妨げる。加えて、又は代わりに、ボルト及びポストは、アニールされた銅又は上記の別の柔らかい金属等の柔らかい金属であって、炭素が膨張するにつれて塑性的に降伏し、炭素を破壊するのに十分な応力をもたらさない柔らかい金属で作られていてよい。
【0040】
代わりの実施態様において、ポスト又はロッドを使用して、炭素アノードの内部に、機械的支持体及び電気的接触を提供することができる。ポスト又はロッドの数又は位置に関係なく、ポストと共軸方向の炭素の伸長は、ポストがねじ切りされている領域等の、炭素とポストとがかみ合う領域において、炭素に対して有意な応力を及ぼす。使用の際に炭素が膨張するとき、これらの点でもたらされる応力は炭素を破壊する。したがって、炭素含有材料を含む電極の膨張がポスト又はロッドと接触する場合、変形可能なポスト及びロッドが機械的支持又は電気的接触のために使用されるべきである。
【0041】
図5は、1つ又は複数の変形可能な要素を備える、本発明の電極取り付け組立品20の1つの別の実施態様を示している。図5において、電極組立品20は、金属支持体56が上に配置された炭素含有アノード13を備える。アノード13及び金属支持体56は、金属スリーブ18と圧縮手段52とを備えるアノード電流キャリア53によって囲まれる。アノード13、金属支持体56及び金属スリーブ18は、圧縮手段52によって共に周方向に圧縮される。任意選択のアノードプローブ55が、金属支持体56の中心の開口部を通ってアノード13に降下して示されていて、アノードプローブ55はアノード13における温度及び電圧を測定する被覆された熱電対であってよい。典型的には、小さい穴23が、アノード13の幾何学的中心に穴あけされる。この実施態様において、熱電対の設計に関して、穴の周りの炭素の伸長を提供することに注意する。電流キャリア53と炭素アノード13との間の圧縮力を提供するように使用される圧縮手段52は、1つ又は複数のバンド、ストラップ又は他のブレーシング(bracing)であってよい。さらに、金属スリーブ18は、炭素アノードの周りの幾らかの圧縮を提供することができる。電流キャリア53は、アノードを保持する圧縮力を提供し、スリーブと炭素アノードとの間の電気的連通をもたらす。バンド又はストラップは変形可能であり、すなわち、それらは適した断面を有する、より強い金属を用いて、又は低降伏金属を使用して作られて、使用の間に炭素アノードが膨張するにつれて、バンド又はストラップが塑性的に変形することを可能とする。
【0042】
図6は、変形可能な取り付け要素を備える、本発明の電極取り付け組立品の1つの別の実施態様を示している。この実施態様において、1つ又は複数の変形可能な取り付け要素のうち少なくとも1つは、バネのような作用を有する要素を備える。バネのような作用を有する要素の例は、皿バネ又はバネワッシャー、コイルバネ又は当分野において知られている他のバネを含む。加えて、C型クランプ68又はC型クランプの変形可能な部分を作るのに使用される金属の自然バネ定数を利用して、炭素アノードのサイズよりも小さい開口部を有する1つ又は複数のC型クランプ68をバネとして使用することができる。1つ又は複数のバネ62が使用される場合、変形可能な取り付け要素と同様に、バネ定数は、単独で、又は他の取り付け要素と組み合わせて、炭素が伸長する(典型的にはその寸法の約0.1%~約2%以上)ときに破壊を引き起こすのに十分な応力を炭素にもたらさない力を達成するように選択されなければならない。
【0043】
図6は、変形可能な取り付け要素のうち少なくとも1つとしてバネ62を有する電極取り付け組立品20を示している。さらに、電極取り付け組立品は、アノード13を支持するC型クランプ要素68を備えている。C型クランプ要素68及びコイルバネ62の両方は変形可能な要素として機能し、炭素を破壊するのに十分な応力をもたらすことなく炭素の伸長を許容するように弾性的に変形するように設計されている。使用の際、炭素の膨張は、C型クランプに対して水平方向に、及び金属要素66に対して鉛直方向に力をもたらす。C型クランプ68は変形可能であり、アノードから外側に弾性的に伸長して伸長に適応し、一方でバネ62は圧縮(変形)されて、炭素の垂直方向の伸長を許容する。ロッド7及びバネコネクタ63を有する取り付け組立品が示されている。要素7、68、63、62及び66は全て共に溶接されるか、又はボルト及びナット(図示されていない)によって接続されてよく、電極13は、C型クランプ要素68の一部である金属チャネルピース67によって金属支持体66に対向する位置に保持されてよい。金属チャネルピース67は、それを受け入れるように電極13に機械加工された又はそうでなければ形成されたチャネル61に適合する。
【0044】
幾つかの実施態様において、ある位置にアノードを保持するのに使用される機械的クランプ力をもたらすアノード取り付け組立品の要素は変形可能である。さらに、例えばアノードの穴にボルトが挿入され、炭素の伸長の後であっても穴がボルトよりも広い直径を有する場合、ボルトは、変形可能なシャフト又はキャップを有することによって炭素アノードの伸長に適応するように設計されなければならない。
【0045】
変形可能な要素がボルトであるとき、ボルトは、ボルトのシャフト又はシャンクが伸長するのを可能とするように設計されていることが好ましい。しかしながら、シャフト又はシャンクの代わりに又は加えて、ボルトの他の部分も変形するように設計されてよい。幾つかの実施態様において、変形可能な取り付け要素は、取り付け要素の全体の長さ、幅及び/又は直径にわたって均一に変形可能である。他の実施態様において、変形可能な取り付け要素は、「変形領域」又は変形可能である要素の一部を含む場合がある。例えば、ボルトの変形領域は、そのシャンク、又はシャンクの一部、例えばシャンクの直径が比較的狭いか、及び/若しくは異なる金属等の異なる材料を含む場合があるシャンクの一部、である場合がある。
【0046】
下記に見られるように、本発明を使用することによって、電極の寿命を30%超又は50%超延ばすことができる。
【実施例
【0047】
本発明は、以下のように例によって示される。米国特許第3041266号明細書において詳細に説明されるセル取り付け方法は、4つの高強度の合金4100シリーズの鋼のボルトを利用してそれぞれの炭素アノードを取り付ける。炭素は新品時に約12000psi(82.7MPa)の破壊強度を有し、化学的分解の結果として、使用中に約6000psi(41.4MPa)に緩やかに低下する。ボルトは0.75インチ(1.9cm)の直径のシャフトと、1.3インチ(3.3cm)のキャップ直径とを有する。米国特許第3041266号明細書において説明されているとおり、ボルトは、120ft-lbs(162.7N-m)のトルクに締められることを仕様としていて、それは0.2の摩擦係数と仮定して、それぞれのボルトから、おおよそ9600lbf(42.7kN)の圧縮荷重をもたらす。炭素との接触領域はボルトキャップの下のみであり、炭素に対する相当応力は約11000psi(75.8MPa)であり、炭素についての破壊点に近い。ボルトは95000psi(655MPa)超の降伏応力と、0.334平方インチ(2.16cm)の引っ張り応力面積とを有し、したがって、それぞれ降伏点に達するのに31700lb(141kN)を必要とする。その力において、炭素に対する圧力はほぼ38000psi(262MPa)であり、それは炭素の圧縮強度よりかなり高い。これらのボルトは、炭素が破壊する前に、塑性的には変形しない。合金400等のニッケル及びニッケル-銅合金は似た強度を有し、同じ結果となる。炭素の破壊点におけるボルトの弾性伸長は約60マイクロメートルだけであり、一方で炭素の伸長は150マイクロメートル超である。したがって、炭素は伸長の際に破壊する。
【0048】
ボルトを通常の冷間圧延された銅で作った場合、ボルトは少なくとも20000psi(137.9MPa)の降伏応力を有する。鋼についてと同じ分析を使用して、ボルトは、降伏の前に、炭素に対して約7650psi(52.7MPa)の応力を及ぼす。アノードが古くなり圧縮強度がこの値よりも小さくなると、アノードはさらに破壊する。
【0049】
本発明を使用する場合、例におけるボルトを、製造の後に十分に加熱アニールした同じサイズの銅ボルトと交換する。十分にアニールした銅は、約6500psi(44.8MPa)のみの降伏応力を有する。それは炭素に対する応力が5100psi(35.2MPa)に達する前に1%超降伏し、したがって、炭素の伸長が炭素を破壊することを妨げる。
【0050】
ボルトの材料として十分にアニールした銅を使用することは、材料の低強度のために、非常に通常のことではない。この低強度は、それから作られたボルトが高いトルクで締められることを妨げる。先の例において、アニールした銅ボルトは、変形を始める前に約30ft-lbs(40.7N-m)にすぎないトルクに締められてよい。このようなボルトは、120ft-lbs(162.7N-m)の元々の組立品の仕様と共には決して使用することはできなかったが、代わりに、約30ft-lbs(40.7N-m)以下のトルク、28ft-lbs(37.96N-m)以下のトルク、又は25ft-lbs(33.9N-m)以下のトルクの、かなり低い値で締める必要がある。
【0051】
同様に、本発明は、他の種類の接続に適用することができる。日本国特許第7173664号明細書において提案される種類の接続において、炭素アノードの頂部に挿入されるねじ切りされたロッド又はボルト端部の部分は、アノードの伸長と共に、鉛直方向に延びることができなければならない。それができないことは、伝導体が炭素から引き出されること、又は接続点における脆性炭素の破壊を引き起こす。
【0052】
ここでまた、ロッドの電流送電容量を、必要とされる0.1%~2%以上の伸長を達成し、一方で炭素の破壊強度より低く保つための要求と釣り合わせるために、十分にアニールした銅などの柔らかい伝導体の使用が好ましい。代わりに、フレキシブルワイヤ等の交流電流送電経路と組み合わせたPTFE等のポリマーを含む別の変形可能な材料も同じ効果を達成する。
【0053】
韓国登録特許第10-0286717号公報において説明されるもの等の、圧力プレートを利用してボルトのクランプ力を分配する従来技術の設計では、アノード破壊の問題は防止されない。このようなプレートは、ボルトが炭素に対して高い圧力を直接的に及ぼすことをうまく妨げるが、それらは、炭素アノードと接触するプレートの領域にわたって高い全体の力を維持し続ける。直接的にプレートの下にある炭素は拘束されていて、一方でプレートの領域の外側にある炭素は拘束されておらず、通常は伸長する。炭素の不均一な伸長は、圧力プレートの下部エッジに集中した非常に大きい局部応力をもたらし、そこで炭素ボディが割れる。
【0054】
本発明は、このような圧力プレートを組み込んだ設計にも同様に適用することができる。炭素の伸長は、圧力プレートのエッジにおいて局部的にであっても、炭素の圧縮強度を超過する応力をもたらすことなく、適応されなければならない。これを達成するために、米国特許第8349164号明細書においては2つの大きいボルトとして説明されている、クランプ荷重を移動させる構造構成要素を改造しなければならない。コイルバネ、バネワッシャー、又は炭素と炭素含有電極に直接的に又は間接的に接触しているクランプ表面の1つ若しくは複数の側部との間の弾性ガスケット等のバネ作用構成要素の使用、あるいは低降伏ボルト又はクラッシュワッシャー等の塑性変形装置の使用を含む、先述の設計のうち任意のものが機能する。しかしながら、1つ又は複数の変形可能な取り付け要素の厚さ及び変形特性は、炭素アノードの膨張に適応するのに十分に大きい必要がある。
【0055】
比較例1
米国特許第3041266号明細書において説明されるのと実質的に類似のアノード取り付け設計であるが、Zhuらによる中国実用新案204434734号明細書において説明されるのと実質的に類似の柔軟な要素も備えるアノード取り付け設計を利用する、HFベースの溶融塩の電解によってフッ素元素を製造するための6つの電解セルの組を、ハンガーバー及びアノードボルト接続領域が液体電解液の表面より上に吊り上げられて、ハンガーバーの腐食の速度が減少するように組み立てた。セルを、過剰に高いセル電圧のために操作が止まる前に、83日のみのメジアン寿命の間操作した。セルを開放すると、アノードのうちおおよそ半分が、アノードの膨張によって、ボルト留め領域において破壊していることが分かった。液体電解液中に沈めて膨張を減少させたハンガーバーを有する同じ設計の先行技術のセルは、おおよそ250日耐えたが、ハンガーバーの腐食は重度であった。
【0056】
比較例2
米国特許第9528191号明細書において説明されるのと実質的に類似のアノード取り付け設計を利用する、HFベースの溶融塩の電解によってフッ化ガスを製造するための電解セルを、4100シリーズの合金鋼ボルトを使用して構成した。ボルト接続点の近くでの複数のアノードの破壊によって機能しなくなる前に、おおよそ6か月の間セルを操作した。
【0057】
例1
比較例2において使用したものと同じサイズ及び形状のボルトの組を、ASTM B-187の仕様、純銅、合金C11000で製造した。製造の後にボルトを十分に熱アニールし、O60(十分にアニールした)temperを得た。米国特許第9528191号明細書と実質的に類似の電極取り付け設計にボルトを挿入して、進歩的に高いトルクの値にボルトを締めることによって、ボルトを塑性変形挙動について測定した。ボルトは約6500psi(44.8MPa)の降伏強度を有していて、炭素に対する応力が3200psi(22.1MPa)に達するときに1%の塑性変形歪みを達成した。
【0058】
比較例2のセルと同じ電解セルを、鋼ボルトの代わりに先述の十分にアニールした銅ボルトを使用して構成した。銅ボルトについての初期組み立てトルクは20ft-lbs(27.1N-m)であった。そのセルを、同じ条件の下で、比較例2のセルと並行して操作した。セルは、炭素アノードの破壊を示さずに、30%超長く耐えた。
【0059】
変形可能な取り付け要素は炭素含有材料で作られた電極の膨張に適応し、それによってそれらの電極の寿命を延ばす。炭素アノードに部分的に又は完全に挿入されるロッド、ねじ、ねじ切りされたロッド又はポストを含むか、あるいは炭素アノードを圧縮する取り付け要素を備える任意の設計について、炭素の破壊は、炭素を破壊するのに必要とされる応力よりも小さい応力で変形する要素を使用することによって遅らせることができる。このようにして、電解セルにおける組立品の操作は、アノード組立品の再構築又は交換のために必要な停止の数は増加及び減少する。
【0060】
本発明は限定的にではなく例示のために説明され、本発明が説明されたもの以外の分野において適用可能であることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】