(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-07
(54)【発明の名称】処理チャンバ堆積閉じ込め
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20231030BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20231030BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/31 C
C23C16/455
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524792
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 US2021055468
(87)【国際公開番号】W WO2022086874
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボベック, サラ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】パリミ, ベンカタ シャラット チャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ハー, スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー, クァンドゥック ダグラス
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA05
4K030EA06
4K030EA11
4K030FA03
4K030KA02
4K030KA12
5F045AA08
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5F045EN04
(57)【要約】
例示的な半導体処理システムは、側壁及び基部を含むチャンバ本体を含むことができる。本システムは、チャンバ本体の基部を貫通して延在する基板支持体を含むことができる。チャンバ本体は、チャンバ本体の基部で基板支持体の周りに円周方向に延びるアクセスを画定することができる。このシステムは、チャンバ本体内に配置された1つ又は複数のアイソレータを含むことができる。1つ又は複数のアイソレータは、1つ又は複数のアイソレータとチャンバ本体との間に排気経路を画定することができる。排気経路は、チャンバ本体の基部まで延在することができる。本システムは、基板支持体の周りに延びるアクセスにおいて、チャンバ本体と流体的に連結された流体源を含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁と基部とを含むチャンバ本体と、
前記チャンバ本体の前記基部を貫通して延在する基板支持体であって、前記チャンバ本体は、前記チャンバ本体の前記基部で前記基板支持体の周りに円周方向に延びるアクセスを画定する、前記基板支持体と、
前記チャンバ本体内に配置された1つ又は複数のアイソレータであって、前記1つ又は複数のアイソレータと前記チャンバ本体との間に、前記チャンバ本体の前記基部まで延在する排気経路を画定する、前記1つ又は複数のアイソレータと、
前記基板支持体の周りに延びる前記アクセスにおいて、前記チャンバ本体と流体的に連結された流体源と
を含む半導体処理システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数のアイソレータが上に据え置かれ、前記排気経路への流体アクセスを提供する複数の開孔を画定するポンピングライナーをさらに含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項3】
前記1つ又複数のアイソレータが、前記ポンピングライナー上に据え置かれた第1のアイソレータを含む、請求項2に記載の半導体処理システム。
【請求項4】
間隙が、前記基板支持体と、前記基板支持体の基板支持体表面に近い前記第1のアイソレータとの間に維持されている、請求項3に記載の半導体処理システム。
【請求項5】
前記間隙が約5mm以下に維持されている、請求項4に記載の半導体処理システム。
【請求項6】
前記1つ又は複数のアイソレータ上に据え置かれたライナープレートであって、前記チャンバ本体の前記基部において前記チャンバ本体内にプレナムを形成する前記ライナープレートをさらに含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項7】
前記プレナムが、前記チャンバ本体の前記基部において、前記基板支持体の周りに延びる前記アクセスから流体的に隔離されている、請求項6に記載の半導体処理システム。
【請求項8】
前記流体源が窒素又は酸素を含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項9】
半導体処理チャンバの処理領域内に堆積前駆体のプラズマを形成することと、
基板支持体と、前記処理領域内のポンピングライナー上に据え置かれたアイソレータとの間に画定された間隙を通してパージガスを流すことと、
前記基板支持体上に据え置かれた基板上に材料を堆積させることと、
堆積副生成物とパージガスを前記ポンピングライナーを通して排出することと
を含む半導体処理方法。
【請求項10】
堆積された材料が、約0.5%以下の窒素の取り込みによって特徴付けられる、請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項11】
前記基板支持体が、前記堆積させることの間に前記ポンピングライナーの上に少なくとも部分的に延在している、請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項12】
前記半導体処理チャンバが、
側壁と基部とを含むチャンバ本体を含み、
前記基板支持体は前記チャンバ本体の前記基部を貫通して延在しており、
前記チャンバ本体は、前記チャンバ本体の前記基部で前記基板支持体の周りに円周方向に延びるアクセスを画定し、
前記アイソレータは、前記チャンバ本体内に配置された1つ又は複数のアイソレータを含み、
前記1つ又は複数のアイソレータは、前記1つ又は複数のアイソレータと前記チャンバ本体との間に排気経路を画定し、前記排気経路は前記ポンピングライナーを貫通して流体的にアクセスされ、
前記排気経路は、前記チャンバ本体の前記基部に向かって延びる、
請求項9に記載の半導体処理方法。
【請求項13】
前記間隙が、前記基板支持体と、前記基板支持体の基板支持体表面に近い前記1つ又は複数のアイソレータのうちの第1のアイソレータとの間に維持される、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項14】
前記間隙が約5mm以下に維持される、請求項13に記載の半導体処理方法。
【請求項15】
前記半導体処理チャンバが半導体処理システム内に組み込まれており、前記半導体処理システムが、
前記基板支持体の周りに延びる前記アクセスにおいて、前記チャンバ本体と流体的に連結された流体源をさらに含む、前記12に記載の半導体処理方法。
【請求項16】
前記流体源が窒素又は酸素を含む、請求項15に記載の半導体処理方法。
【請求項17】
前記半導体処理チャンバが、
前記1つ又は複数のアイソレータ上に据え置かれたライナープレートであって、前記チャンバ本体の前記基部において前記チャンバ本体内にプレナムを形成する前記ライナープレートをさらに含む、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項18】
前記プレナムが、前記チャンバ本体の前記基部において、前記基板支持体の周りに延びる前記アクセスから流体的に隔離されている、請求項17に記載の半導体処理方法。
【請求項19】
側壁と基部とを含むチャンバ本体と、
前記チャンバ本体の前記基部を貫通して延在する基板支持体であって、前記チャンバ本体は、前記チャンバ本体の前記基部で前記基板支持体の周りに円周方向に延びるアクセスを画定する、前記基板支持体と、
前記チャンバ本体上に据え置かれたポンピングライナーと、
前記チャンバ本体内に配置された1つ又は複数のアイソレータであって、前記ポンピングライナー上に据え置かれた第1アイソレータを含み、前記1つ又は複数のアイソレータと前記チャンバ本体との間に前記チャンバ本体の前記基部まで延びる排気経路を画定する前記1つ又は複数のアイソレータと、
前記基板支持体の周りに延びる前記アクセスにおいて、前記チャンバ本体と流体的に連結された流体源と
を含む半導体処理システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数のアイソレータ上に据え置かれたライナープレートをさらに含み、前記ライナープレートは、前記チャンバ本体の前記基部において、前記チャンバ本体内にプレナムを形成し、前記プレナムは、前記チャンバ本体の前記基部の前記基板支持体の周りに延びる前記アクセスから流体的に隔離されている、請求項19に記載の半導体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年10月22日に出願され“PROCESSING CHAMBER DEPOSITION CONFINEMENT”と題された米国非仮出願第17/077,624号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容はすべての目的に関し、その全体を参照によりここに援用するものとする。
【0002】
技術分野
[0002]本技術は、半導体製造のための部品及び装置に関する。より詳細には、本技術は、処理チャンバ構成要素及び他の半導体処理装置並びに方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003]集積回路は、基板表面に複雑にパターン化された材料層を生成するプロセスによって可能となる。基板上にパターン化された材料を製造するには、材料を形成及び除去するための制御された方法が必要である。前駆体は多くの場合、処理領域に供給され、基板上に材料を均一に堆積又はエッチングするために分配される。処理チャンバの多くの態様は、チャンバ内の処理条件の均一性、構成要素を通過する流れの均一性、その他の処理及び構成要素のパラメータなどの、処理の均一性に影響を与える可能性がある。基板全体にわたる小さな不一致であっても、形成又は除去処理に影響を与える可能性がある。さらに、チャンバ内の構成要素は、チャンバ構成要素又は基板支持体の縁部及び背面領域への堆積に影響を与える可能性がある。
【0004】
[0004]したがって、高品質のデバイス及び構造を製造するために使用できる改善されたシステム及び方法が必要である。これら及び他のニーズは、現在の技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005]例示的な半導体処理システムは、側壁及び基部を含むチャンバ本体を含むことができる。本システムは、チャンバ本体の基部を貫通して延在する基板支持体を含むことができる。チャンバ本体は、チャンバ本体の基部で基板支持体の周りに円周方向に延びるアクセスを画定することができる。このシステムは、チャンバ本体内に配置された1つ又は複数のアイソレータを含むことができる。1つ又は複数のアイソレータは、1つ又は複数のアイソレータとチャンバ本体との間に排気経路を画定することができる。排気経路は、チャンバ本体の基部まで延在することができる。本システムは、基板支持体の周りに延びるアクセスにおいて、チャンバ本体と流体的に連結された流体源を含むことができる。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、システムは、1つ又は複数のアイソレータが据え置かれたポンピングライナーを含むことができる。ポンピングライナーは、排気経路への流体のアクセスを提供する複数の開孔を画定することができる。1つ又は複数のアイソレータは、ポンピングライナー上に据え置かれた第1アイソレータを含むことができる。間隙は、基板支持体と基板支持体の基板支持体表面に近い第1のアイソレータとの間に維持することができる。間隙は約5mm以下に維持することができる。システムは、1つ又は複数のアイソレータ上に据え置かれたライナープレートを含むことができる。ライナープレートは、チャンバ本体の基部及びチャンバ本体内にプレナムを形成することができる。プレナムは、チャンバ本体の基部の基板支持体の周囲に延びるアクセスから流体的に隔離することができる。流体源は窒素又は酸素を含むことができる。
【0007】
[0007]本技術のいくつかの実施形態は、半導体処理の方法を包含し得る。本方法は、半導体処理チャンバの処理領域内に堆積前駆体のプラズマを形成することを含むことができる。本方法は、処理領域内のポンピングライナー上に据え置かれた基板支持体とアイソレータとの間に画定された間隙にパージガスを流すことを含むことができる。この方法は、基板支持体上に据え置かれた基板上に材料を堆積することを含むことができる。本方法は、堆積副生成物とパージガスをポンピングライナーを通して排出すること
を含むことができる。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、堆積された材料は、約0.5%未満の窒素の取り込みによって特徴付けることができる。基板支持体は、堆積中にポンピングライナーの上に少なくとも部分的に延在することができる。半導体処理チャンバは、側壁及び基部を含むチャンバ本体を含むことができる。基板支持体はチャンバ本体の基部を貫通して延在することができる。チャンバ本体は、チャンバ本体の基部で基板支持体の周りに円周方向に延びるアクセスを画定することができる。アイソレータは、チャンバ本体内に配置された1つ又は複数のアイソレータを含むことができる。1つ又は複数のアイソレータは、1つ又は複数のアイソレータとチャンバ本体との間に排気経路を画定することができる。排気経路には、ポンピングライナーを通して流体的にアクセスすることができる。排気経路は、チャンバ本体の基部まで延在することができる。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、間隙は、基板支持体と、基板支持体の基板支持体表面に近い1つ又は複数のアイソレータのうちの第1アイソレータとの間に維持することができる。間隙は約5mm以下に維持することができる。半導体処理チャンバは、基板支持体の周りに延びるアクセスにおいてチャンバ本体と流体的に連結された流体源を含む半導体処理システム内に組み込まれてもよい。流体源は窒素又は酸素であることができる。半導体処理チャンバは、1つ又は複数のアイソレータ上に据え置かれたライナープレートを含むことができる。ライナープレートは、チャンバ本体の基部及びチャンバ本体内にプレナムを形成することができる。プレナムは、チャンバ本体の基部の基板支持体の周りに延びるアクセスから流体的に隔離することができる。
【0010】
[0010]本技術のいくつかの実施形態は、半導体処理システムを包含し得る。システムは、側壁及び基部を含むチャンバ本体を含むことができる。本システムは、チャンバ本体の基部を貫通して延在する基板支持体を含むことができる。チャンバ本体は、チャンバ本体の基部で基板支持体の周りに円周方向に延びるアクセスを画定することができる。システムは、ポンピングライナーを含むことができる。システムは、側壁及び基部を含むチャンバ本体を含むことができる。本システムは、チャンバ本体内に配置された1つ又は複数のアイソレータを含むことができる。1つ又は複数のアイソレータは、ポンピングライナー上に据え置かれた第1アイソレータを含むことができる。1つ又は複数のアイソレータは、1つ又は複数のアイソレータとチャンバ本体との間に排気経路を画定することができる。排気経路は、チャンバ本体の基部まで延在することができる。本システムは、基板支持体の周りに延びるアクセスにおいて、チャンバ本体と流体的に連結された流体源を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、1つ又は複数のアイソレータ上に据え置かれたライナープレートを含むことができる。ライナープレートは、チャンバ本体の基部及びチャンバ本体内にプレナムを形成することができる。プレナムは、チャンバ本体の基部の基板支持体の周りに延びるアクセスから流体的に隔離することができる。
【0011】
[0011]このような技術は、従来のシステムや技術に比べて多くの利点を提供する可能性がある。例えば、本技術の実施形態は、基板支持体又は支持体シャフトの裏側などのチャンバ構成要素上の堆積を制限する。さらに、本技術のいくつかの実施形態は、チャンバ内の洗浄動作を改善することができる。これら及び他の実施形態は、それらの利点及び特徴の多くと共に、以下の説明及び添付の図と併せてより詳細に説明される。
【0012】
[0012]開示された技術の性質及び利点のさらなる理解は、明細書及び図面の残りの部分を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0013]本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理システムの平面図を示す。
【
図2】[0014]本技術のいくつかの実施形態による例示的なプラズマシステムの概略断面図を示す。
【
図3】[0015]本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理チャンバの概略部分断面図を示す。
【
図4】[0016]本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理チャンバの概略部分断面図を示す。
【
図5】[0017]本技術のいくつかの実施形態による半導体処理の例示的な方法の操作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0018]図のいくつかは回路図として含まれている。図面は例示を目的としており、特に縮尺が示されていない限り、縮尺は考慮されるべきではないことを理解されたい。さらに、概略図として、図は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様又は情報を含むとは限らず、説明のために誇張された資料を含む場合がある。
【0015】
[0019]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴部には同じ参照ラベルが付いている場合がある。さらに、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素間を区別する文字を付けることによって区別することができる。本明細書で第1の参照符号のみが使用される場合、説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素の任意の1つに適用可能である。
【0016】
[0020]プラズマ増強堆積プロセスは、基板上での膜形成を容易にするために、1つ又は複数の構成前駆体にエネルギーを与えることができる。導電性及び誘電性フィルム、並びに材料の移行及び除去を容易にするフィルムを含む、半導体構造を開発するための、任意の数の材料フィルムを製造することができる。例えば、ハードマスク膜は、基板のパターニングを容易にすると同時に、下にある材料を保護して維持するために形成することができる。さらに、他の誘電体材料を堆積して基板上のトランジスタを分離したり、半導体構造を形成したりすることもできる。多くの処理チャンバでは、いくつかの前駆体がガスパネル内で混合され、基板が配置され得るチャンバの処理領域に供給され得る。蓋スタックの構成要素は処理チャンバへの流れの分布に影響を与える可能性があるが、他の多くの処理変数も同様に堆積の均一性に影響を与える可能性がある。
【0017】
[0021]蓋スタック構成要素は前駆体を処理領域に有利に分散させて均一な堆積を促進することができるが、基板全体にわたってより均一な被覆を保証するための構造及び操作は、堆積をチャンバ周囲の多数の領域に拡張する可能性がある。例えば、堆積前駆体及び生成物は、処理チャンバの基部で連結された排気システムを通して流されてもよい。しかしながら、これらの構成要素の多くは処理中の基板よりも低い、又は非常に低い温度に維持されるため、堆積材料は基板支持シャフト又はチャンバ本体壁上でより容易に凝縮又は再堆積する可能性がある。この問題に対処するために、従来の技術では、堆積後の後続のチャンバ洗浄処理のタイミングを増加せざるを得なくなる可能性がある。しかしながら、このような処理には複数の欠点がある可能性がある。例えば、チャンバのこれらの領域にアクセスすることはより困難になる可能性があり、これにより必要な洗浄時間が増加し、待ち時間が増加してシステムのスループットが低下する可能性がある。さらに、これらの洗浄時間の増加により、他のチャンバ構成要素がプラズマ放出物との長時間の相互作用に曝される可能性があり、チャンバ又は構成要素がより速く腐食する可能性がある。
【0018】
[0022]本技術は、処理チャンバを通るガス分配経路を形成することによってこれらの課題を克服し、これにより、堆積前駆体及び副生成物を、処理領域から隔離され得る外部領域に引き込むことができる。さらに、パージガスを使用して基板支持体の下の領域を満たすことができ、これにより、チャンバのこの領域への堆積材料の拡散を制限することができる。堆積物の拡散を阻止し、チャンバからの特定の排気経路を形成することにより、凹部領域で実行される洗浄を制限することにより洗浄操作を改善することができ、これによりスループットを向上させることができる。
【0019】
[0023]残りの開示は、開示された技術を利用する特定の堆積処理をルーティン的に特定するが、システム及び方法は、他の堆積及び洗浄チャンバ、並びに記載されたチャンバで起こり得る処理に等しく適用可能であることは容易に理解されるであろう。したがって、この技術は、これらの特定の堆積処理又はチャンバのみでの使用に限定されるものと考えるべきではない。本開示は、本技術の実施形態によるこのシステムへの追加の変形及び調整が説明される前に、本技術の実施形態による蓋スタック部品を含み得る1つの可能なシステム及びチャンバについて論じる。
【0020】
[0024]
図1は、実施形態による堆積、エッチング、焼成、及び硬化チャンバの処理システム100の一実施形態の平面図を示す。図では、一対の前部開口統合ポッド102は、ロボットアーム104によって受け取られ、基板処理チャンバ108a~fの1つに配置され、タンデムセクション109a~cに位置決めされる前に低圧保持領域106に配置される様々なサイズの基板を供給する。第2のロボットアーム110を使用して、保持領域106から基板処理チャンバ108a~fへ基板ウエハを搬送し、戻すことができる。各基板処理チャンバ108a~fは、プラズマ強化化学気相堆積、原子層堆積、物理的気相堆積、エッチング、前洗浄、脱ガス、配向、及びアニーリング、アッシングなどを含むその他の基板プロセスに加えて、多数の基板処理操作を実行するよう装備することができる。
【0021】
[0025]基板処理チャンバ108a~fは、基板上の誘電体又は他の膜を堆積、アニーリング、硬化及び/又はエッチングするための1つ又は複数のシステム構成要素を含むことができる。1つの構成では、2対の処理チャンバ、例えば108c~d及び108e~fは、基板上に誘電体材料を堆積するのに使用することができ、第3の対の処理チャンバ、例えば108a~bは、堆積された誘電体をエッチングするのに使用することができる。別の構成では、チャンバの3つの対すべて、例えば108a~fは、基板上に交互誘電体膜のスタックを堆積するように構成することができる。記載されたプロセスの任意の1つ又は複数は、異なる実施形態に示される製造システムから分離されたチャンバ内で実行され得る。誘電体膜のための堆積、エッチング、アニーリング、及び硬化チャンバの追加の構成が、システム100によって企図されることを理解されたい。
【0022】
[0026]
図2は、本技術のいくつかの実施形態による例示的なプラズマシステム200の概略断面図を示す。プラズマシステム200は、上述のタンデムセクション109の1つ又は複数に適合することができ、本技術の実施形態による面板又は他の部品又はアセンブリを含むことができる一対の処理チャンバ108を示すことができる。プラズマシステム200は、一般に、一対の処理領域220A及び220Bを画定する側壁212、底壁216、及び内部側壁201を有するチャンバ本体202を含むことができる。処理領域220A~220Bの各々は、同様に構成することができ、同一の構成要素を含むことができる。
【0023】
[0027]例えば、処理領域220Bは、その構成要素が処理領域220Aに含まれてもよく、プラズマシステム200の底壁216に形成された通路222を貫通して処理領域に配置されたペデスタル228を含んでもよい。ペデスタル228は、本体部分などのペデスタルの露出面上で基板229を支持するように適合されたヒータを提供することができる。ペデスタル228は、所望の処理温度で基板温度を加熱及び制御することができる、例えば抵抗加熱素子などの加熱素子232を含むことができる。ペデスタル228はまた、ランプアセンブリなどの遠隔加熱要素又は任意の他の加熱装置によって加熱されてもよい。
【0024】
[0028]ペデスタル228の本体は、フランジ233によってステム226に結合することができる。ステム226は、ペデスタル228を電源コンセント又は電源ボックス203と電気的に結合することができる。電源ボックス203は、処理領域220B内のペデスタル228の上昇及び移動を制御する駆動システムを含むことができる。ステム226はまた、ペデスタル228に電力を供給するための電力インターフェースを含んでもよい。電源ボックス203は、熱電対インターフェースなどの電力及び温度インジケータ用のインターフェースを含むこともできる。ステム226は、電源ボックス203と取り外し可能に結合するように適合されたベースアセンブリ238を含み得る。電源ボックス203の上に円周リング235が示されている。いくつかの実施形態では、円周リング235は、ベースアセンブリ238と電源ボックス203の上面との間の機械的インターフェースを提供するように構成された機械的ストップ又はランドとして適合されたショルダーであってもよい。
【0025】
[0029]ロッド230は、処理領域220Bの底壁216に形成された通路224を貫通して含まれてもよく、ペデスタル228の本体を貫通して配置された基板リフトピン261を位置決めするのに利用することもできる。基板リフトピン261は、基板229をペデスタルから選択的に離して、基板移送ポート260を通して基板229を処理領域220Bに出し入れするために利用されるロボットとの基板229の交換を容易にすることができる。
【0026】
[0030]チャンバ蓋204は、チャンバ本体202の頂部と結合され得る。蓋204は、それに連結された1つ又は複数の前駆体分配システム208を収容することができる。前駆体分配システム208は、ガス供給アセンブリ218を介して処理領域220B内に反応物及び洗浄前駆体を送達することができる前駆体入口通路240を含むことができる。ガス供給アセンブリ218は、面板246の中間に配置されたブロッカプレート244を有するガスボックス248を含み得る。ガス送達アセンブリ218に電力を供給して、ガス送達アセンブリ218の面板246とペデスタル228との間の、チャンバの処理領域であり得るプラズマ領域の生成を促進することができる、無線周波数(「RF」)源265は、ガス供給アセンブリ218と結合させることができる。いくつかの実施形態では、RF源は、ペデスタル228などのチャンバ本体202の他の部分と結合して、プラズマ生成を容易にすることができる。蓋204へのRF電力の伝導を防止するために、蓋204とガス供給アセンブリ218との間に誘電アイソレータ258を配置することができる。シャドウリング206は、ペデスタル228と係合するペデスタル228の周囲に配置することができる。
【0027】
[0031]操作中にガスボックス248を冷却するために、ガス分配システム208のガスボックス248内に任意選択の冷却チャネル247を形成することができる。ガスボックス248を所定の温度に維持できるように、水、エチレングリコール、ガスなどの熱伝達流体を冷却チャネル247を通して循環させることができる。処理領域220B内の処理環境への側壁201、212の露出を防止するために、チャンバ本体202の側壁201、212に近接して処理領域220B内にライナーアセンブリ227を配置することができる。ライナーアセンブリ227は、処理領域220Bからガス及び副産物を排出し、処理領域220B内の圧力を制御するように構成されたポンピングシステム264に結合され得る円周ポンピングキャビティ225を含み得る。ライナーアセンブリ227上に複数の排気ポート231を形成することができる。排気ポート231は、システム200内での処理を促進する方法で、処理領域220Bから円周ポンピングキャビティ225へのガスの流れを可能にするように構成され得る。
【0028】
[0032]
図3は、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な処理システム300の概略部分断面図を示している。
図3は、システム200内の構成要素に関するさらなる詳細を示すことができる。システム300は、いくつかの実施形態で前述したシステム200の任意のフィーチャ又は態様を含むと理解される。システム300は、前述のハードマスク材料又は他の材料の堆積、並びに他の堆積、除去、又洗浄操作を含む半導体処理操作を実行するために使用することができる。システム300は、議論されている、半導体処理システムに組み込まれ得るチャンバ構成要素の部分図を示し、また、上述の蓋スタック構成要素のいくつかを除いた図を示し得る。当業者には容易に理解されるように、システム300の任意の態様は、他の処理チャンバ又はシステムと組み込むこともできる。
【0029】
[0033]システム300は、面板305を含む処理チャンバを含むことができ、面板305を通して前駆体を処理のために供給することができ、チャンバの処理領域内にプラズマを生成するための電源と連結することができる。チャンバはまた、チャンバ本体310を含んでもよく、図示のように、側壁及び基部を含んでもよい。ペデスタル又は基板支持体315は、前述したようにチャンバの基部を貫通して延在することができる。基板支持体は、半導体基板322を支持することができる支持体プラテン320を含むことができる。支持体プラテン320は、チャンバの基部を貫通して延在するシャフト325と連結することができる。シャフト325は、例えば、ヒータ又はチャックのための連結など、多くの流体及び電気接続へのアクセスを提供することができる。
【0030】
[0034]図示のように、チャンバ本体310は、基板支持体の周りに延びるアクセス330を画定することができ、チャンバ本体によって、及び/又はチャンバ内の1つ又は複数の追加構成要素によって画定することができる。流体源335は、アクセス330に連結され、基板支持体プラテンの裏側によって少なくとも部分的に画定される領域内に、アクセスを通して1つ又は複数のパージ材料を供給するように構成することができる。以下に説明するように、任意の不活性ガス又は希ガスをアクセスを通して流すことができるが、いくつかの実施形態では、流体源は、基板支持体の周りでの拡散阻止を促進するために、アクセスを通して窒素及び/又は酸素を供給することができる。
【0031】
[0035]システム300はまた、処理チャンバからの排気経路を画定するために協働する追加の構成要素を含むこともできる。いくつかの従来の技術では、堆積材料が基板支持体の周りを処理チャンバの底部の排気位置まで流れることを可能にすることができるが、本技術は、チャンバの周りに延びる排気経路を形成することができる。図示されるように、いくつかの実施形態では、システム300は、チャンバ本体の一部として、又はチャンバ本体上に据え置かれ、基板処理チャンバの周りに延びるポンピングライナー340を含むことができる。チャンバ本体の内部深さ内に図示されているが、面板305は、いくつかの実施形態ではポンピングライナー340上に直接据え置くことができる。ポンピングライナー340は、該ライナーの周りに複数の開孔342を画定することができ、チャンバを通る排気経路への流体アクセスを提供することができる。排気経路はチャンバ本体310の外部で画定されるが、1つ又は複数のアイソレータ345が処理チャンバ内に位置決めされて排気経路の内壁を画定することができる。したがって、処理チャンバの内部領域の外部領域の周りに延びる環状の排気経路を形成することができる。排気経路は、チャンバ本体とアイソレータとの間に画定されてもよい。排気路へのアクセスは、ポンピングライナー340を通る開孔によって提供され得るが、排気路からの出口は、チャンバの基部を貫通して生じさせることができる。ポンプ又は排気システム350は、排気経路に流体的に連結することができ、これにより、材料を処理チャンバから排気することを可能にすることができる。
【0032】
[0036]以下にさらに説明するように、アイソレータ345は、チャンバの基部に至る排気経路を画定する1つ又は複数の環状構成要素を含むことができる。アイソレータ345は、ポンプライナー340の内部エッジに画定されたレッジ上に据え置くことができる。図示されているように、アイソレータの外部エッジまで延在するベベルを形成することができ、アイソレータはポンプライナー上に据え置くことができる。面取り、溝付き、又はフィレットエッジプロファイルを含む他の任意のエッジプロファイルを形成できることを理解されたい。エッジプロファイルは、チャンバの処理領域からの材料の流れを促進し、処理領域の外側に広がる構成要素への堆積を制限するように調整することができる。アイソレータ345は、基板支持面の近傍、又はプラテンの半径方向若しくは外部縁に沿ってなど、基板支持体の外部縁とアイソレータの内部縁との間に間隙355を維持するように位置決めすることができる。間隙は任意のサイズに維持することができるが、いくつかの実施形態では、基板支持体プラテンの背後の堆積材料の拡散を制限するために、間隙を約5.0mm以下に維持することができ、間隙は、約4.5mm以下、約4.0mm以下、約3.5mm以下、約3.0mm以下、約2.5mm以下、約2.0mm以下、約1.5mm以下、又はそれを下回るサイズに維持することができる。しかしながら、間隙は、拡散を阻止するためにチャンバを貫通して上方に流れるパージガスの流れの乱流を制限するのに十分な幅に維持することができ、いくつかの実施形態では、間隙は、約1.0mm以上、約1.5mm以上、約2.0mm以上、又はそれを上回る幅に維持することができる。
【0033】
[0037]ライナープレート360は、アイソレータ345と連結させることができ、ライナープレートとチャンバ本体の基部との間にプレナムを形成することができる。プレナムには、処理チャンバから材料を除去する排気システムによって流体的にアクセスすることができる。追加のブロック又はアイソレータ365は、チャンバ本体の基部とライナープレート360との間に延在することができ、基板支持体シャフト325の周りに延在してもよい。これにより、基板支持体シャフトの周りのパージ経路及びアクセス330が、チャンバの基部とライナープレートとの間に形成されたプレナムから流体的に隔離された状態に維持されることが保証される。したがって、パージ流路は、チャンバ内のアクセス330を貫通して上昇し、堆積物の拡散を制限する間隙355を貫通し、ポンピングライナー340の開孔342を貫通し、排気システム350を貫通して流出する流れを提供するように制御することができる。
【0034】
[0038]
図4は、本技術のいくつかの実施形態による、例示的な処理チャンバ400の概略部分断面図を示している。チャンバ400は、上述したシステム300又は200の任意の構成要素、フィーチャ、又は特徴を含んでもよく、システム300のチャンバ構成要素の追加のフィーチャを示してもよい。例えば、上で論じたように、面板305はポンピングライナー340上に直接据え付けることができ、ポンピングライナー340は、図示したような追加のアイソレータなどのチャンバ本体310上に据え置くことができる。ポンピングライナーは、図示のように、チャンバ本体310とチャンバ内のアイソレータ345構造との間に画定された排気経路への流体アクセスを提供するための開孔342を画定することができる。さらに、いくつかの実施形態では、アイソレータ345は、アイソレータ構造を形成するために接合又連結され得る複数の構成要素を含み得る。例えば、第1のアイソレータ405は、ポンピングライナー340の内部のレッジ上に据え置くことができ、ポンピングライナーの内部エッジと基板支持体プレート315の外部との間に間隙を画定することができる。第2のアイソレータ及び第3のアイソレータも含めることができ、これらは処理チャンバの基部に向かって延びることができる。第1のアイソレータ405の頂部内部エッジは、図示のようにリップ又はフランジを画定して、上で論じた間隙寸法のいずれかでチョークを形成することができる。ライナープレート360は、アイソレータ345によって形成された内部のレッジ上に据え置くことができ、図示のようなポンピングプレートを備えたプレナム、又はチャンバの基部を画定することができ、アクセス330を少なくとも部分的に画定することもでき、これにより、パージ材料が基板支持体の下の領域に流入することが可能になる。
【0035】
[0039]前に説明したように、本技術のいくつかの実施形態は、基板支持体と面板との間に画定される処理領域の外側のチャンバ構成要素への堆積を制限することができるパージ及び排気流路を生成することができる。
図5は、本技術のいくつかの実施形態による半導体処理の例示的な方法500の操作を示す。本方法は、上述したようなパージ経路及び排気経路を画定する任意のフィーチャ又は構成要素を含み得る、上述の処理システム200及び300を含む様々な処理チャンバ内で実行され得る。方法500は、本技術による方法のいくつかの実施形態に具体的に関連付けられてもされなくてもよい、いくつかの任意の操作を含み得る。例えば、操作の多くは、技術のより広い範囲を提供するために説明されているが、本技術にとって重要ではなく、あるいは容易に理解されるように代替方法によって実行されてもよい。
【0036】
[0040]方法500は、列挙された操作の開始前に追加の操作を含むことができる。例えば、半導体処理は、方法500を開始する前に実行されてもよい。処理操作は、方法500が実行されるチャンバ又はシステム内で実行することができるか、あるいは、方法500が実行され得る洗浄システムに部品を搬送する前に、1つ又は複数の他の処理チャンバ内で処理を実行することができる。上述のシステム300の構成要素の一部又は全部を含むなど、基板が処理チャンバ内に受け取られると、方法500は、操作505において、半導体処理チャンバの処理領域内に1つ又は複数の堆積前駆体のプラズマを形成することを含み得る。基板は、上述の支持体315などの基板支持体上に位置決めすることができ、基板支持体は、上述の任意の構成要素、フィーチャ、又は特徴を含むことができる。堆積操作中を含む形成中、操作510において、パージガスをチャンバの基部を貫通してアクセスに流入させることができる。パージガスは、基板支持体の下の領域を貫通して流すことができ、基板支持体と、処理領域内のポンピングライナー上に据え置かれた、上で論じたように、第1のアイソレータ405を含み得るアイソレータ345などのアイソレータとの間に画定された間隙を貫通して流れる可能性がある。
【0037】
[0041]操作515において、1つ又は複数の堆積前駆体のプラズマ放出物から、材料が基板上に堆積され得る。操作520において、残留堆積材料及び副生成物の両方、並びにパージガスが、ポンピングライナーの開孔を貫通してチャンバ本体とアイソレータとの間に形成された排気経路に流入させることができる。その後、これらの材料は処理チャンバから排出することができる。従来の技術では、基板支持体プラテンの裏側又はペデスタルのシャフト上に材料をさらに堆積させる場合があるが、本技術は、前述したように、画定された排気経路を利用し、パージガスを流すことによって、この領域への堆積材料の拡散を制限することができる。
【0038】
[0042]上で述べたように、チャンバ内のアクセス及び間隙を通して、任意の数のパージガスを流すことができる。例えば、ヘリウム又はアルゴンを含む任意の希ガス、水素、窒素、酸素、あるいは任意の他の材料をパージガスとして流すことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、パージガスは、処理チャンバ内での寄生プラズマの形成を制限することができる窒素又は酸素であるか、あるいは窒素又は酸素を含むことができる。アルゴンは、より低いイオン化ポテンシャルによって特徴付けることができ、間隙を貫通して容量結合プラズマ領域に流入すると、イオン化して、形成されている堆積プラズマの外側にプラズマ放電を形成することができ、これは、いくつかの実施形態では、堆積に影響を与えたり、チャンバ構成要素に損傷を与えたりする可能性がある。窒素及び酸素は、より高いイオン化エネルギーによって特徴付けることができ、これにより、基板支持体の外部縁の間隙領域での放電を制限することができる。
【0039】
[0043]パージガスの流れは、堆積の側面に影響を与える可能性がある。例えば、1つの非限定的な例では、本技術の実施形態による処理及び装置を利用して、カーボンハードマスクを基板上に堆積させることができる。いくつかの実施形態では、堆積前駆体は、炭素及び水素を含有する前駆体、及び又は1つ若しくは複数のキャリアガスに限定され得る。窒素は堆積前駆体として積極的に流すことはできないが、環境に基づいて形成される膜中に微量の窒素が自然に取り込まれる可能性がある。窒素をパージガスとして使用すると、膜内のエッジ領域での窒素の取り込みが増加する可能性があり、マスク材料の操作性能に影響を与える可能性がある。窒素の取り込み量を制限するには、パージガスとしての窒素の流量は、チャンバ内のアクセスを通じて導入される窒素の約2000sccm以下に制限することができ、流量は、約1800sccm以下、約1600sccm以下、約1400sccm以下、または約1400sccm以下、約1200sccm以下、約1000sccm以下、約800sccm以下、約600sccm以下に、又はそれを下回る流量に制限することができる。しかしながら、上で説明したように間隙のサイズによっては、パージガスの流量が減少すると、領域への拡散が増加する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、流量は、約500sccm以上、約700sccm以上に、又はそれを上回る流量に維持することができる。
【0040】
[0044]窒素流を制御することにより、堆積領域内のパージガスを制限することができ、堆積中の膜内への取り込みを制限することができる。したがって、いくつかの実施形態では、カーボンハードマスク又は他の膜への窒素の取り込みは、基板のエッジ領域の1マイクロメートルの深さで約0.50%未満に制限することができ、約0.45%以下、約0.40%以下、約0.35%以下、約0.30%以下、約0.25%以下、約0.20%以下、約0.15%以下、約0.10%以下、約0.05%以下、約0.03%以下に、又はそれを下回って制限することができる。
【0041】
[0045]酸素がパージガスとして使用される場合、酸素はプラズマ堆積と相互作用することもできる。再び、カーボンハードマスクの非限定的な例については、堆積領域に流入する可能性のある酸素が、基板からカーボンの一部をエッチングする可能性がある。しかしながら、流量を上記の速度のいずれかに制御することにより、基板のベベル領域又は遠部エッジ領域でのエッチングを維持することができ、これにより、これらの領域での堆積によって引き起こされる粒子の発生又はエッジ剥離を有利に制限又は低減することができる。
【0042】
[0046]基板支持体がポンピングライナーに対して位置決めされる場所も、実行される処理の拡散の態様に影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、基板はポンピングライナーに対してある範囲の高さに維持することができ、ポンピングライナーと並んで、ポンピングライナーの上、ポンピングライナーの下、あるいはポンピングライナーを通る任意の面に含まれてもよい。しかしながら、この高さの関係は堆積の側面に影響を与える可能性があり、追加の流れ又は間隙の調整によって対応できる可能性がある。例えば、基板支持体の基板支持面がポンピングライナーの高さよりも低いとき、ポンピングライナーまでの流れにより、より多くのパージガスが堆積領域に向かって流れることができ、膜に追加の材料が組み込まれる場合がある。基板支持体がポンピングライナーの高さより上にある場合、基板支持体プラテンの露出した半径方向エッジ上に堆積が発生する可能性があるが、流れは直接排気経路に引き込まれる可能性がある。
【0043】
[0047]基板が処理されると、基板はチャンバから取り出され、洗浄操作が実行される。パージガスは、洗浄操作中に減少又は停止されてもよく、これにより、洗浄放出物がその領域にアクセスして、発生した可能性のある堆積材料の拡散量を除去できるようにすることができる。本技術の実施形態によれば、堆積材料の拡散が制限されるため、洗浄時間が短縮されるため、スループットを向上することができる。
【0044】
[0048]前述の説明では、説明の目的で、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために多くの詳細が示されている。しかしながら、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、あるいは、追加の詳細があれば、特定の実施形態を実施できることが明らかであろう。
【0045】
[0049]いくつかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造、及び等価物を使用できることが認識されるであろう。さらに、本技術を不必要にあいまいにすることを避けるために、いくつかの周知のプロセス及び要素については説明しなかった。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0046】
[0050]値の範囲が提示される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、その範囲の上限と下限の間の各介在値はまた、下限の単位の最小単位まで具体的に開示されることが理解される。記載された値又は記載された範囲内の記載されていない介在値と、記載された範囲内の他の記載された値又は介在する値との間の任意の狭い範囲が包含される。それらの小さな範囲の上限と下限は、独立して範囲に含めたり除外したりすることができ、より小さい範囲に制限のいずれかが含まれない、どちらも含まれない、又は両方の制限が含まれる各範囲も、記載された範囲内で特に除外される制限の影響を受けて、技術内に包含される。記載された範囲に制限の一方又は両方が含まれる場合、含まれる制限のいずれかまたは両方を除く範囲も含まれる。
【0047】
[0051]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示物を含む。したがって、例えば、「開孔」への言及は、複数のそのような開孔を含み、「流体」への言及は、当業者に知られている1つ又は複数の流体及びその等価物への言及などを含む。
【0048】
[0052]また、「含む(comprise(s))」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を特定することを意図しているが、一又は複数のその他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又はグループの存在又は追加を除外するものではない。
【国際調査報告】