IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

特表2023-546874マルチRF区域化された基板支持体を含むプラズマ密度分布プロファイルを制御するためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】マルチRF区域化された基板支持体を含むプラズマ密度分布プロファイルを制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20231031BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20231031BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20231031BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 L
H01L21/31 C
H01L21/68 R
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522961
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 US2021054514
(87)【国際公開番号】W WO2022081535
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/092,948
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショエブ・ジュライン
(72)【発明者】
【氏名】パターソン・アレクサンダー・ミラー
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084AA05
2G084AA08
2G084BB02
2G084BB05
2G084BB14
2G084CC13
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD25
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD55
2G084DD65
2G084FF12
2G084FF13
2G084FF14
2G084FF39
2G084HH02
2G084HH05
2G084HH06
2G084HH15
2G084HH19
2G084HH21
2G084HH24
2G084HH28
2G084HH45
5F004AA01
5F004BA20
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BD03
5F004BD04
5F004BD05
5F004CA03
5F045AA08
5F045AA15
5F045BB01
5F045EE17
5F045EH11
5F045EH20
5F045EM05
5F131BA01
5F131BA03
5F131BA19
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EA11
5F131EA16
5F131EB78
(57)【要約】
【解決手段】基板処理システムは、基板支持体、N個のRF源、およびコントローラを含む。基板支持体は処理チャンバ内に配置され、その上面上に基板を支持するとともに、導電性材料から作られたベースプレートと、ベースプレート内に設けられたM個の電極とを含む。N個のRF源のそれぞれは、M個の電極の1つまたは複数にそれぞれのRF信号を供給し(ここで、MおよびNは2以上の整数である)、それぞれのRF信号はM個の電極の異なるセットに供給され、セットのそれぞれがM個の電極のうちの異なる1つまたは複数を含む。コントローラは、1つまたは複数のコイルに、処理チャンバ内でプラズマをN個のRF源から独立して打たせて維持させ、N個のRF源の電圧出力を個別に制御させて処理チャンバ内のプラズマを調整する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
処理チャンバ内に配置された基板支持体であって、基板を前記基板支持体の上面上に支持するように構成され、
導電性材料から作られたベースプレートと、
前記ベースプレート内に設けられたM個(Mは2以上の整数である)の電極とを含む基板支持体と、
それぞれのRF信号を前記M個の電極の1つまたは複数に供給するようにそれぞれ構成されたN個(Nは2以上の整数である)の無線周波数(RF)源であって、前記それぞれのRF信号が前記M個の電極の異なるセットに供給され、前記セットのそれぞれが前記M個の電極のうちの異なる1つまたは複数を含む、N個のRF源と、
1つまたは複数のコイルに、前記処理チャンバ内でプラズマを前記N個のRF源から独立して打たせて維持させ、前記N個のRF源の電圧出力を個別に制御させて前記処理チャンバ内の前記プラズマを調整するように構成されたコントローラと、
を含む基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムであって、Mは、N以上である、基板処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理システムであって、Nは、M以上である、基板処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、前記M個の電極の1つに対して前記それぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、または
前記M個の電極のセットごとに、前記N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、前記M個の電極のそのセットに対して前記それぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、
のうちの少なくとも一方を行うように構成された、基板処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理システムであって、Mは、N以上である、基板処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記ベースプレートの上面上に位置するN個のキャビティをさらに含み、
前記M個の電極は、前記N個のキャビティ内に配置されている、基板処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、前記N個のキャビティ内に位置する誘電体材料に埋め込まれている、基板処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記ベースプレートの上面上に位置し、前記M個の電極が配置されたN個のキャビティと、
前記M個の電極と前記基板との間に配置された1つまたは複数の誘電体セパレータと、
をさらに含む、基板処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極と前記ベースプレートとの間に配置された誘電体層をさらに含む、基板処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の周波数は、前記プラズマを発生させるために使用される周波数と同じである、基板処理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の周波数は、前記プラズマを発生させるために使用される周波数と異なる、基板処理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記処理チャンバであって、
前記1つまたは複数のコイルは、内側コイルおよび外側コイルを含み、
前記内側コイルは、前記処理チャンバの外側に、前記処理チャンバの窓に隣接して配置され、
前記外側コイルは、前記処理チャンバの外側に、前記窓に隣接して、前記内側コイルから半径方向外側に離隔して配置された前記処理チャンバと、
前記内側コイルおよび前記外側コイルに電力を供給するように構成されたRF源と
をさらに含み、
前記コントローラは、前記内側コイルに供給される電流を、前記外側コイルに供給される電流に対して調整するために前記RF源を制御するようにさらに構成された、基板処理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記外側コイルに対して前記内側コイルよりも多く電流を供給すること、または
前記内側コイルに対して前記外側コイルよりも多く電流を供給すること、
のいずれかを行うために前記RF源を制御するように構成された、基板処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記ベースプレートにバイアス電圧を供給するように構成されたRF源をさらに含む、基板処理システム。
【請求項15】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の少なくとも1つは、前記N個のRF信号の少なくとも別の1つとは異なる周波数を有する、基板処理システム。
【請求項16】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記N個のRF信号は、同じ周波数を有する、基板処理システム。
【請求項17】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF源と前記M個の電極との間に配置されたN個の整合ネットワークをさらに含む、基板処理システム。
【請求項18】
基板処理システムであって、
窓を含む処理チャンバと、
処理チャンバ内に配置された基板支持体であって、基板を前記基板支持体の上面上に支持するように構成され、
ベースプレートと、
前記ベースプレート内に設けられたM個(Mは2以上の整数である)の電極と、を含む基板支持体と、
前記処理チャンバの外側に、前記窓に隣接して配置された内側コイルと、
前記処理チャンバの外側に、前記窓に隣接して、前記内側コイルから半径方向外側に離隔して配置された外側コイルと、
それぞれのRF信号を前記M個の電極の1つまたは複数に供給するようにそれぞれ構成されたN個(Nは2以上の整数である)の無線周波数(RF)源であって、前記それぞれのRF信号が前記M個の電極の異なるセットに供給され、前記セットのそれぞれが前記M個の電極のうちの異なる1つまたは複数を含む、N個のRF源と、
前記N個のRF源と前記M個の電極との間に配置されたN個の整合ネットワークと、
前記内側コイルおよび前記外側コイルにRF電力を供給することによりプラズマを打ち、かつ(i)前記内側コイルに供給される電力を前記外側コイルに対して変化させること、および(ii)前記M個の電極の少なくとも1つに供給される電力を前記M個の電極の少なくとも別の1つに対して変化させることにより前記処理チャンバ内のプラズマ密度分布プロファイルを変化させるように構成されたコントローラと、
を含む基板処理システム。
【請求項19】
請求項18に記載の基板処理システムであって、Mは、N以上である、基板処理システム。
【請求項20】
請求項18に記載の基板処理システムであって、Nは、M以上である、基板処理システム。
【請求項21】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、前記M個の電極の1つに対して前記それぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、または
前記M個の電極のセットごとに、前記N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、前記M個の電極のそのセットに対して前記それぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、
のうちの少なくとも一方を行うように構成された、基板処理システム。
【請求項22】
請求項21に記載の基板処理システムであって、Mは、N以上である、基板処理システム。
【請求項23】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記ベースプレートの上面上に位置するN個のキャビティをさらに含み、
前記M個の電極は、前記N個のキャビティ内に配置された、基板処理システム。
【請求項24】
請求項23に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、前記N個のキャビティ内に位置する誘電体材料に埋め込まれている、基板処理システム。
【請求項25】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記ベースプレートの上面上に位置し、前記M個の電極が配置されたN個のキャビティと、
前記M個の電極と前記基板との間に配置された1つまたは複数の誘電体セパレータと、
をさらに含む基板処理システム。
【請求項26】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極と前記ベースプレートとの間に配置された誘電体層をさらに含む、基板処理システム。
【請求項27】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の周波数は、前記プラズマを発生させるために使用される周波数と同じである、基板処理システム。
【請求項28】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の周波数は、前記プラズマを発生させるために使用される周波数と異なる、基板処理システム。
【請求項29】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
RF源と、前記内側コイルおよび前記外側コイルとの間に接続された整合ネットワークと、をさらに含む、基板処理システム。
【請求項30】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、前記外側コイルに対して前記内側コイルよりも多く電流を供給するために前記RF源を制御するように構成された、基板処理システム。
【請求項31】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記ベースプレートにバイアス電圧を供給するように構成されたRF源をさらに含む、基板処理システム。
【請求項32】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の少なくとも1つは、前記N個のRF信号の少なくとも別の1つとは異なる周波数を有する、基板処理システム。
【請求項33】
請求項18に記載の基板処理システムであって、前記N個のRF信号は、同じ周波数を有する、基板処理システム。
【請求項34】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極が第1の電極および第2の電極を含み、
前記コントローラは、
第1の量の電力が前記内側コイルに供給され、第2の量の電力が前記外側コイルに供給され、前記第1の量の電力が前記第2の量の電力とは異なるように、かつ
前記第1の電極に第1のRF電圧が供給され、前記第2の電極に第2のRF電圧が供給され、前記第1のRF電圧が前記第2のRF電圧よりも大きくなるように、
前記RF信号の供給を制御するように構成された、
基板処理システム。
【請求項35】
請求項34に記載の基板処理システムであって、
前記第1の電極は、前記ベースプレートにおいて前記第2の電極よりも半径方向内側に設けられ、前記第2の電極よりも高いRF電圧を受ける、基板処理システム。
【請求項36】
請求項34に記載の基板処理システムであって、
前記第1の電極は、前記ベースプレートにおいて前記第2の電極よりも半径方向外側に設けられ、前記第2の電極よりも高いRF電圧を受ける、基板処理システム。
【請求項37】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、第1のセットの電極および第2のセットの電極を含み、
前記第1のセットの電極が第1のRF区域に対応し、
前記第2のセットの電極が第2のRF区域に対応し、
前記第2のRF区域が、前記第1のRF区域から半径方向内側に位置する、
基板処理システム。
【請求項38】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、前記基板支持体の上面に対して平行かつオフセットされた平面内に設けられた、基板処理システム。
【請求項39】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、前記ベースプレートの別々の層に設けられている、基板処理システム。
【請求項40】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、前記プラズマを調整するために前記N個のRF信号を制御して、前記N個のRF源の起動中の過渡期にプラズマ均一性を高めるように構成された、基板処理システム。
【請求項41】
請求項18に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極の1つまたは複数は、加熱素子としても動作する、基板処理システム。
【請求項42】
基板処理システムであって、
窓を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された基板支持体であって、基板を前記基板支持体の上面上に支持するように構成され、
ベースプレートと、
前記ベースプレートの上方に配置され、M個(Mは2以上の整数である)の電極が設けられた誘電体層と、を含む、基板支持体と、
前記処理チャンバの外側に、前記窓に隣接して配置された内側コイルと、
前記処理チャンバの外側に、前記窓に隣接して、前記内側コイルから半径方向外側に離隔して配置された外側コイルと、
それぞれのRF信号を前記M個の電極の1つまたは複数に供給するようにそれぞれ構成されたN個(Nは2以上の整数である)の無線周波数(RF)源であって、前記それぞれのRF信号が前記M個の電極の異なるセットに供給され、前記セットのそれぞれが前記M個の電極のうちの異なる1つまたは複数を含む、N個のRF源と、
前記N個のRF源と前記M個の電極との間に配置されたN個の整合ネットワークと、
前記内側コイルおよび前記外側コイルにRF電力を供給することによりプラズマを打ち、かつ(i)前記内側コイルに供給される電力を前記外側コイルに対して変化させること、および(ii)前記M個の電極の少なくとも1つに供給される電力を前記M個の電極の少なくとも別の1つに供給される電力に対して変化させることにより前記処理チャンバ内のプラズマ密度分布プロファイルを変化させるように構成されたコントローラと、
を含む基板処理システム。
【請求項43】
請求項42に記載の基板処理システムであって、Mは、N以上である、基板処理システム。
【請求項44】
請求項42に記載の基板処理システムであって、Nは、M以上である、基板処理システム。
【請求項45】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、前記M個の電極の1つに対して前記それぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、または
前記M個の電極のセットごとに、前記N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、前記M個の電極のそのセットに対して前記それぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、
のうちの少なくとも一方を行うように構成された、基板処理システム。
【請求項46】
請求項45に記載の基板処理システムであって、Mは、N以上である、基板処理システム。
【請求項47】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の周波数は、前記プラズマを発生させるために使用される周波数と同じである、基板処理システム。
【請求項48】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の周波数は、前記プラズマを発生させるために使用される周波数と異なる、基板処理システム。
【請求項49】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
RF源と、前記内側コイルおよび前記外側コイルとの間に接続された整合ネットワークと、をさらに含む、基板処理システム。
【請求項50】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、前記外側コイルに対して前記内側コイルよりも多く電流を供給するために前記RF源を制御するように構成された、基板処理システム。
【請求項51】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記ベースプレートにバイアス電圧を供給するように構成されたRF源をさらに含む、基板処理システム。
【請求項52】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号の少なくとも1つは、前記N個のRF信号の少なくとも別の1つとは異なる周波数を有する、基板処理システム。
【請求項53】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記N個のRF信号は、同じ周波数を有する、基板処理システム。
【請求項54】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、第1の電極および第2の電極を含み、
前記コントローラは、
第1の量の電力が前記内側コイルに供給され、第2の量の電力が前記外側コイルに供給され、前記第1の量の電力が前記第2の量の電力とは異なるように、かつ
前記第1の電極に第1のRF電圧が供給され、前記第2の電極に第2のRF電圧が供給され、前記第1のRF電圧が前記第2のRF電圧よりも大きくなるように、
前記RF信号の供給を制御するように構成された、
基板処理システム。
【請求項55】
請求項54に記載の基板処理システムであって、
前記第1の電極は、前記ベースプレートにおいて前記第2の電極よりも半径方向内側に設けられ、前記第2の電極よりも高いRF電圧を受ける、基板処理システム。
【請求項56】
請求項54に記載の基板処理システムであって、
前記第1の電極は、前記ベースプレートにおいて前記第2の電極よりも半径方向外側に設けられ、前記第2の電極よりも高いRF電圧を受ける、基板処理システム。
【請求項57】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、第1のセットの電極および第2のセットの電極を含み、
前記第1のセットの電極が第1のRF区域に対応し、
前記第2のセットの電極が第2のRF区域に対応し、
前記第2のRF区域が、前記第1のRF区域から半径方向内側に位置する、
基板処理システム。
【請求項58】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、前記誘電体層において、前記基板支持体の上面に対して平行かつ下方の平面内に設けられた、基板処理システム。
【請求項59】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極は、前記ベースプレートの別々の層に設けられている、基板処理システム。
【請求項60】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、前記プラズマを調整するために前記N個のRF信号を制御して、前記N個のRF源の起動中の過渡期にプラズマ均一性を高めるように構成された、基板処理システム。
【請求項61】
請求項42に記載の基板処理システムであって、
前記M個の電極の1つまたは複数は、加熱素子としても動作する、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年10月16日に出願された米国仮出願第63/092,948号の利益を主張する。上記出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、処理チャンバ内のプラズマ密度分布プロファイルを制御するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ここでなされる背景の説明は、本開示の内容をおおまかに提示することを目的とする。ここに名前を挙げられている発明者らによる研究は、この背景技術の欄で説明される範囲内において、出願時に先行技術としてみなされ得ない説明の態様と同様に、明示的にも黙示的にも本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
半導体デバイスの製造においては、エッチングおよび堆積プロセスが処理チャンバ内で行われる。イオン化ガス、つまりプラズマを処理チャンバ内に導入することで、半導体ウエハ等の基板から材料をエッチング(あるいは除去)し、また基板上に材料をスパッタリングまたは堆積させる。基板は、処理チャンバにおいて静電チャックまたは台座等の基板支持体の上に設けられる。製造または組立プロセスにおいて使用するためのプラズマの生成は、典型的には、処理チャンバ内にプロセスガスを導入することから開始される。次に処理チャンバ内のガス分子を励起してプラズマを発生させる。
【0005】
処理チャンバは、変圧器結合型プラズマ(TCP:Transformer Coupled Plasma)リアクタコイルを含み得る。電源によって発生した無線周波数(RF)信号がTCPリアクタコイルに供給される。TCPリアクタコイルは、変圧器結合容量性同調(TCCT:Transformer Coupled Capacitive Tuning)整合ネットワークによって駆動される。TCCT整合ネットワークは、電源から供給されるRF信号を受信し、TCPリアクタコイルに供給される電力の同調を可能にする。セラミック等の材料で構成された誘電体窓が、処理チャンバの上面に内蔵される。誘電体窓により、TCPリアクタコイルから処理チャンバの内部へのRF信号の伝達が可能となる。RF信号が処理チャンバ内のガス分子を励起させてプラズマを発生させる。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムが提供され、基板支持体、N個のRF源、およびコントローラを含む。基板支持体は処理チャンバ内に配置され、その上面上に基板を支持するように構成されるとともに、導電性材料から作られたベースプレートと、ベースプレート内に設けられたM個(Mは2以上の整数である)の電極とを含む。N個のRF源のそれぞれは、M個の電極の1つまたは複数にそれぞれのRF信号を供給するように構成され(ここで、MおよびNは2以上の整数である)、それぞれのRF信号はM個の電極の異なるセットに供給され、セットのそれぞれがM個の電極のうちの異なる1つまたは複数を含む。コントローラは、1つまたは複数のコイルに、処理チャンバ内でプラズマをN個のRF源から独立して打たせて維持させ、N個のRF源の電圧出力を個別に制御させて処理チャンバ内のプラズマを調整するように構成される。
【0007】
他の特徴では、MがN以上である。他の特徴では、NがM以上である。
【0008】
他の特徴では、コントローラが、N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、M個の電極の1つに対してそれぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、またはM個の電極のセットごとに、N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、M個の電極のそのセットに対してそれぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、のうちの少なくとも一方を行うように構成される。他の特徴では、MがN以上である。
【0009】
他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートの上面上に位置するN個のキャビティをさらに含み、M個の電極がN個のキャビティ内に配置される。他の特徴では、M個の電極が、N個のキャビティ内に位置する誘電体材料に埋め込まれている。
【0010】
他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートの上面上に位置するN個のキャビティをさらに含み、M個の電極がN個のキャビティ内に配置される。他の特徴では、M個の電極が、N個のキャビティ内に位置する誘電体材料に埋め込まれている。
【0011】
他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートの上面上に位置し、M個の電極が配置されたN個のキャビティと、M個の電極と基板との間に配置されたM個(Mは1以上である)の誘電体セパレータとをさらに含む。
【0012】
他の特徴では、基板処理システムが、M個の電極とベースプレートとの間に配置された誘電体層をさらに含む。他の特徴では、N個のRF信号の周波数が、プラズマを発生させるために使用される周波数と同じである。他の特徴では、N個のRF信号の周波数が、プラズマを発生させるために使用される周波数と異なる。
【0013】
他の特徴では、基板処理システムが、1つまたは複数のコイルが内側コイルおよび外側コイルを含み、内側コイルが、処理チャンバの外側に、処理チャンバの窓に隣接して配置され、外側コイルが、処理チャンバの外側に、窓に隣接して、内側コイルから半径方向外側に離隔して配置された処理チャンバと、内側コイルおよび外側コイルに電力を供給するように構成されたRF源とをさらに含む。コントローラが、内側コイルに供給された電流を、外側コイルに供給された電流に対して調整するためにRF源を制御するようにさらに構成される。
【0014】
他の特徴では、コントローラが、外側コイルに対して内側コイルよりも多く電流を供給すること、または内側コイルに対して外側コイルよりも多く電流を供給すること、のいずれかを行うためにRF源を制御するように構成される。他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートにバイアス電圧を供給するように構成されたRF源をさらに含む。
【0015】
他の特徴では、N個のRF信号の少なくとも1つが、N個のRF信号の少なくとも別の1つとは異なる周波数を有する。他の特徴では、N個のRF信号が同じ周波数を有する。他の特徴では、基板処理システムが、N個のRF源とM個の電極との間に配置されたN個の整合ネットワークをさらに含む。
【0016】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、基板支持体、N個の無線周波数(RF)源、およびコントローラを含む。基板支持体は処理チャンバ内に配置され、その上面上に基板を支持するように構成されるとともに、導電性材料から作られたベースプレートと、ベースプレート内に設けられたN個(Nは2以上の整数である)の電極とを含む。N個のRF源は、N個の電極にそれぞれN個のRF信号を供給するように構成されている。コントローラは、処理チャンバ内でプラズマをN個のRF源から独立して打って維持し、N個のRF源の電圧出力を個別に制御して処理チャンバ内のプラズマを調整するように構成される。
【0017】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、処理チャンバ、基板支持体、内側コイル、外側コイル、N個のRF源、N個の整合ネットワーク、およびコントローラを含む。処理チャンバは、窓を含む。基板支持体は処理チャンバ内に配置され、その上面上に基板を支持するように構成されるとともに、ベースプレートと、ベースプレート内に設けられたM個(Mは2以上の整数である)の電極とを含む。内側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して配置される。外側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して、内側コイルの半径方向外側に、内側コイルと離隔して配置される。N個(Nは2以上の整数である)のRF源のそれぞれは、M個の電極の1つまたは複数にそれぞれのRF信号を供給するように構成され、それぞれのRF信号はM個の電極の異なるセットに供給され、セットのそれぞれがM個の電極のうちの異なる1つまたは複数を含む。N個の整合ネットワークは、N個のRF源とM個の電極との間に配置される。コントローラは、内側コイルおよび外側コイルにRF電力を供給することによりプラズマを打ち、かつ(i)内側コイルに供給される電力を外側コイルに対して変化させること、および(ii)M個の電極の少なくとも1つに供給される電力をM個の電極の少なくとも別の1つに対して変化させることにより処理チャンバ内のプラズマ密度分布プロファイルを変化させるように構成される。
【0018】
他の特徴では、MがN以上である。他の特徴では、NがM以上である。
【0019】
他の特徴では、コントローラが、N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、M個の電極の1つに対してそれぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、またはM個の電極のセットごとに、N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、M個の電極のそのセットに対してそれぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、のうちの少なくとも一方を行うように構成される。他の特徴では、MがN以上である。
【0020】
他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートの上面上に位置するN個のキャビティをさらに含み、M個の電極がN個のキャビティ内に配置される。他の特徴では、M個の電極が、N個のキャビティ内に位置する誘電体材料に埋め込まれている。
【0021】
他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートの上面上に位置するN個のキャビティをさらに含み、M個の電極がN個のキャビティ内に配置される。他の特徴では、M個の電極が、N個のキャビティ内に位置する誘電体材料に埋め込まれている。
【0022】
他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートの上面上に位置し、M個の電極が配置されたN個のキャビティと、M個の電極と基板との間に配置されたM個(Mは1以上である)の誘電体セパレータとをさらに含む。
【0023】
他の特徴では、基板処理システムが、M個の電極とベースプレートとの間に配置された誘電体層をさらに含む。他の特徴では、N個のRF信号の周波数が、プラズマを発生させるために使用される周波数と同じである。
【0024】
他の特徴では、N個のRF信号の周波数が、プラズマを発生させるために使用される周波数と異なる。他の特徴では、基板処理システムが、RF源と、内側コイルおよび外側コイルとの間に接続された整合ネットワークをさらに含む。
【0025】
他の特徴では、コントローラが、外側コイルに対して内側コイルよりも多く電流を供給するためにRF源を制御するように構成される。他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートにバイアス電圧を供給するように構成されたRF源をさらに含む。
【0026】
他の特徴では、N個のRF信号の少なくとも1つが、N個のRF信号の少なくとも別の1つとは異なる周波数を有する。他の特徴では、N個のRF信号が同じ周波数を有する。
【0027】
他の特徴では、M個の電極が、第1の電極および第2の電極を含む。コントローラは、第1の量の電力が内側コイルに供給され、第2の量の電力が外側コイルに供給され、第1の量の電力が第2の量の電力とは異なるように、かつ第1の電極に第1のRF電圧が供給され、第2の電極に第2のRF電圧が供給され、第1のRF電圧が第2のRF電圧よりも大きくなるように、RF信号の供給を制御するように構成される。
【0028】
他の特徴では、第1の電極が、ベースプレートにおいて第2の電極よりも半径方向内側に設けられ、第2の電極よりも高いRF電圧を受ける。他の特徴では、第1の電極が、ベースプレートにおいて第2の電極よりも半径方向外側に設けられ、第2の電極よりも高いRF電圧を受ける。
【0029】
他の特徴では、M個の電極が、第1のセットの電極および第2のセットの電極を含む。第1のセットの電極は、第1のRF区域に対応する。第2のセットの電極は、第2のRF区域に対応する。第2のRF区域は、第1のRF区域から半径方向内側に位置する。
【0030】
他の特徴では、M個の電極が、基板支持体の上面に対して平行かつオフセットされた平面内に設けられる。他の特徴では、M個の電極がベースプレートの別々の層に設けられる。
【0031】
他の特徴では、コントローラが、プラズマを調整するためにN個のRF信号を制御して、N個のRF源の起動中の過渡期にプラズマ均一性を高めるように構成される。他の特徴では、M個の電極の1つまたは複数が、加熱素子としても動作する。
【0032】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、処理チャンバ、基板支持体、内側コイル、外側コイル、N個のRF源、N個の整合ネットワーク、およびコントローラを含む。処理チャンバは、窓を含む。基板支持体は処理チャンバ内に配置され、その上面上に基板を支持するように構成されるとともに、ベースプレートと、ベースプレート内に設けられたN個(Nは2以上の整数である)の電極とを含む。内側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して配置される。外側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して、内側コイルから半径方向外側に離隔して配置される。N個のRF源は、N個のRF信号を供給するように構成される。N個の整合ネットワークは、N個のRF源とN個の電極との間に配置される。コントローラは、内側コイルおよび外側コイルにRF電力を供給することによりプラズマを打ち、かつ(i)内側コイルに供給される電力を外側コイルに対して変化させること、および(ii)N個の電極の少なくとも1つに供給される電力をN個の電極の少なくとも別の1つに対して変化させることにより処理チャンバ内のプラズマ密度分布プロファイルを変化させるように構成される。
【0033】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、処理チャンバ、基板支持体、内側コイル、外側コイル、N個のRF源、N個の整合ネットワーク、およびコントローラを含む。処理チャンバは、窓を含む。基板支持体は処理チャンバ内に配置され、その上面上に基板を支持するように構成されるとともに、ベースプレートと、ベースプレートの上方に配置され、M個(Mは2以上の整数である)の電極が設けられた誘電体層とを含む。内側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して配置される。外側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して、内側コイルから半径方向外側に離隔して配置される。N個(Nは2以上の整数である)のRF源のそれぞれは、M個の電極の1つまたは複数にそれぞれのRF信号を供給するように構成され、それぞれのRF信号はM個の電極の異なるセットに供給され、セットのそれぞれがM個の電極のうちの異なる1つまたは複数を含む。N個の整合ネットワークは、N個のRF源とM個の電極との間に配置される。コントローラは、内側コイルおよび外側コイルにRF電力を供給することによりプラズマを打ち、かつ(i)内側コイルに供給される電力を外側コイルに対して変化させること、および(ii)M個の電極の少なくとも1つに供給される電力をM個の電極の少なくとも別の1つに供給される電力に対して変化させることにより処理チャンバ内のプラズマ密度分布プロファイルを変化させるように構成される。
【0034】
他の特徴では、MがN以上である。他の特徴では、NがM以上である。
【0035】
他の特徴では、コントローラが、N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、M個の電極の1つに対してそれぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、またはM個の電極のセットごとに、N個のRF源のうちのどの1つまたは複数が、M個の電極のそのセットに対してそれぞれのRF信号のうちの1つまたは複数を提供するかを選択すること、のうちの少なくとも一方を行うように構成される。他の特徴では、MがN以上である。
【0036】
他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートの上面上に位置するN個のキャビティをさらに含み、M個の電極がN個のキャビティ内に配置される。他の特徴では、M個の電極が、N個のキャビティ内に位置する誘電体材料に埋め込まれている。
【0037】
他の特徴では、N個のRF信号の周波数が、プラズマを発生させるために使用される周波数と同じである。他の特徴では、N個のRF信号の周波数が、プラズマを発生させるために使用される周波数と異なる。
【0038】
他の特徴では、基板処理システムが、RF源と、内側コイルおよび外側コイルとの間に接続された整合ネットワークをさらに含む。他の特徴では、コントローラが、外側コイルに対して内側コイルよりも多く電流を供給するためにRF源を制御するように構成される。他の特徴では、基板処理システムが、ベースプレートにバイアス電圧を供給するように構成されたRF源をさらに含む。
【0039】
他の特徴では、N個のRF信号の少なくとも1つが、N個のRF信号の少なくとも別の1つとは異なる周波数を有する。他の特徴では、N個のRF信号が同じ周波数を有する。
【0040】
他の特徴では、M個の電極が、第1の電極および第2の電極を含む。コントローラは、第1の量の電力が内側コイルに供給され、第2の量の電力が外側コイルに供給され、第1の量の電力が第2の量の電力とは異なるように、かつ第1の電極に第1のRF電圧が供給され、第2の電極に第2のRF電圧が供給され、第1のRF電圧が第2のRF電圧よりも大きくなるように、RF信号の供給を制御するように構成される。
【0041】
他の特徴では、第1の電極が、ベースプレートにおいて第2の電極よりも半径方向内側に設けられ、第2の電極よりも高いRF電圧を受ける。他の特徴では、第1の電極が、ベースプレートにおいて第2の電極よりも半径方向外側に設けられ、第2の電極よりも高いRF電圧を受ける。
【0042】
他の特徴では、M個の電極が、第1のセットの電極および第2のセットの電極を含む。第1のセットの電極は、第1のRF区域に対応する。第2のセットの電極は、第2のRF区域に対応する。第2のRF区域は、第1のRF区域から半径方向内側に位置する。
【0043】
他の特徴では、M個の電極が、誘電体層において、基板支持体の上面に対して平行かつ下方の平面内に設けられる。他の特徴では、M個の電極がベースプレートの別々の層に設けられる。
【0044】
他の特徴では、コントローラが、プラズマを調整するためにN個のRF信号を制御して、N個のRF源の起動中の過渡期にプラズマ均一性を高めるように構成される。他の特徴では、M個の電極の1つまたは複数が、加熱素子としても動作する。
【0045】
他の特徴では、基板処理システムが提供され、処理チャンバ、基板支持体、内側コイル、外側コイル、N個のRF源、N個の整合ネットワーク、およびコントローラを含む。処理チャンバは、窓を含む。基板支持体は処理チャンバ内に配置され、その上面上に基板を支持するように構成されるとともに、ベースプレートと、ベースプレートの上方に配置され、N個(Nは2以上の整数である)の電極が設けられた誘電体層とを含む。内側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して配置される。外側コイルは、処理チャンバの外側に、窓に隣接して、内側コイルから半径方向外側に離隔して配置される。N個の無線周波数(RF)源は、N個のRF信号を供給するように構成される。N個の整合ネットワークは、N個のRF源とN個の電極との間に配置される。コントローラは、内側コイルおよび外側コイルにRF電力を供給することによりプラズマを打ち、かつ(i)内側コイルに供給される電力を外側コイルに対して変化させること、および(ii)N個の電極の少なくとも1つに供給される電力をN個の電極の少なくとも別の1つに供給される電力に対して変化させることにより処理チャンバ内のプラズマ密度分布プロファイルを変化させるように構成される。
【0046】
本開示の更なる適用可能な領域は、詳細な説明、請求項、および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および具体例は、例示のみを目的とし、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0048】
図1図1は、基板の表面の上方のプラズマシースに対するイオン入射角度を示す図である。
【0049】
図2図2は、本開示によるプラズマ密度プロファイル制御システムを含む例示的な基板処理システムの第1の部分の機能ブロック図である。
【0050】
図3図3は、図2の基板処理システムの第2の部分の機能ブロック図である。
【0051】
図4図4は、本開示によるプラズマ密度プロファイル制御システムを含む別の基板処理システムの一部分の機能ブロック図である。
【0052】
図5図5は、本開示による複数のRF区域を有する無線周波数(RF)回路を含む基板支持体の一部分の例の断面図である。
【0053】
図6図6は、図5の基板支持体の一部分のRF回路概略図である。
【0054】
図7図7は、RF電極のない基板支持体についての、基板半径に対するイオンフラックスおよびプラズマ密度の例示的なプロットである。
【0055】
図8図8は、本開示に従い、半径方向内側の区域が半径方向外側の区域よりも高いRF電圧を受ける図5の基板支持体についての、イオンフラックス対基板半径の例示的なプロットである。
【0056】
図9図9は、本開示に従い、半径方向外側の区域が半径方向内側の区域よりも高いRF電圧を受ける図5の基板支持体についての、イオンフラックス対基板半径の例示的なプロットである。
【0057】
図10A図10Aは、本開示に従い、半径方向内側の区域が半径方向外側の区域よりも高いRF電圧を受ける2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
図10B図10Bは、本開示に従い、半径方向内側の区域が半径方向外側の区域よりも高いRF電圧を受ける2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
【0058】
図11A図11Aは、本開示に従い、半径方向外側の区域が半径方向内側の区域よりも高いRF電圧を受ける2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
図11B図11Bは、本開示に従い、半径方向外側の区域が半径方向内側の区域よりも高いRF電圧を受ける2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
【0059】
図12図12は、本開示に従い、バイアスRF区域を含む複数のRF区域を有するRF回路を含む、基板支持体の一部分の例の断面図である。
【0060】
図13図13は、図12の基板支持体の一部分のRF回路概略図である。
【0061】
図14図14は、本開示に従い、バイアスRF区域と誘電体層とを含む複数のRF区域を有するRF回路を含む、基板支持体の一部分の例の断面図である。
【0062】
図15図15は、図14の基板支持体の一部分のRF回路概略図である。
【0063】
図16図16は、図14の基板支持体についての、イオンフラックス対基板半径の例示的なプロットである。
【0064】
図17図17は、本開示に従い、バイアスRF電極がなく誘電体層を有する複数のRF区域を有するRF回路を含む、基板支持体の一部分の例の断面図である。
【0065】
図18図18は、図17の基板支持体の一部分のRF回路概略図である。
【0066】
図19図19は、図17の基板支持体についてのイオンフラックス対基板半径の例示的なプロットである。
【0067】
図20A図20Aは、本開示による、図14の基板支持体によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
図20B図20Bは、本開示による、図14の基板支持体によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
【0068】
図21A図21Aは、本開示による、図17の基板支持体によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
図21B図21Bは、本開示による、図17の基板支持体によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
【0069】
図22図22は基板のフィーチャの側面図であり、イオンの垂直角入射とアスペクト比パラメータを示す。
【0070】
図23図23は、鋭角的なイオン入射によって形成されたフィーチャの側面図である。
【0071】
図24A図24Aは、本開示に従って、中心電位が縁の電位よりも著しく高い図17の基板支持体によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
図24B図24Bは、本開示に従って、中心電位が縁の電位よりも著しく高い図17の基板支持体によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットである。
【0072】
図25図25は、本開示に従って、中心電位が縁の電位よりも著しく高い図17の基板支持体についての、イオンフラックス対基板半径の例示的なプロットである。
【0073】
図26図26は、本開示に従い、複数のRF区域に配置されたRF電極を含む基板支持体のベースプレートの上面図である。
【0074】
図27図27は、本開示に従い、複数のRF区域のためのRF電極の複数層を含む基板支持体の一部分の例の断面図である。
【0075】
図28図28は、本開示の一実施形態による、エッチングレート均一性を調整する方法を示す。
【0076】
図面において、参照番号は、類似および/または同一の要素を識別するために再利用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1は、基板104の天面102に対して垂直に延びる平面100に対するイオン入射角度Φを示す。基板104は、基板支持体106上に設けられ、電圧源108によって表されるバイアス電圧を受けてよい。プラズマ110を基板104の上方で発生させる。プラズマ110と基板104との間に電子欠乏領域112が存在し、プラズマシースと呼ばれる。プラズマシースは厚さsを有する。プラズマ密度は厚さsの平方根の逆数に比例する。
【0078】
基板の、垂直かつ肩書のない、または方向性のあるエッチングの場合、イオン流は、矢印120で示すように、平面100に平行な方向および/または天面102に垂直な方向にあるべきである。しかし、シースを不均一にするプラズマの不均一性により、またイオンがシースに垂直に衝突するために、このような不均一なシースまたは密度によりイオンの傾斜角が数度にまで達する可能性がある。これは矢印124で示されており、これにより面102に対して90°ではなく鋭角にフィーチャ(例えば、穴、トレンチ等)が傾斜エッチングされる可能性がある。厳しい要件としては、0.02°未満のイオン入射または傾斜角度(または傾斜角度)での動作を含み得る。
【0079】
イオンの傾斜角度(プラズマ密度およびシースの不均一性の結果である)は、エッチングレートの不均一性に直接的に関係する。イオンの不均一率は、式1(式中、ionnonuniはイオン不均一性である)で表されるように、最大イオンフラックスから最小イオンフラックスを引いたものを最大イオンフラックスで割ったものとして推定してよい。イオン不均一性は、エッチングレート不均一性ERnonuniに比例する。
【数1】
【0080】
プラズマ均一性を向上させ、イオン傾斜角度を最小にする試みにおいて、様々なパラメータを調整してよい。一例として、変圧器結合型プラズマ(TCP)システムは、TCP窓の上方に設けられた内側リアクタコイルおよび外側リアクタコイルを含んでよい。リアクタコイルのサイズ、リアクタコイルの位置、リアクタコイルに流す電流の量を調整することで、エッチングレートとプラズマ均一性を向上させることができる。内側リアクタコイルおよび外側リアクタコイルが位置するチャンバのサイズは、より大きなリアクタコイルの実装および/またはリアクタコイル間の距離の拡大を可能にするために、増大させてもよい。別の調整し得るパラメータは、内側リアクタコイルに供給される電流の量を、外側リアクタコイルに供給される電流の量で割った比率である。上記のパラメータを調整することで、エッチングレート均一性を限定的な量で向上させる。例えば、これらのパラメータを調整することで、プラズマ不均一性を5~10%の低さまで改善できる場合があるが、これは0.02度未満の傾斜角度を提供可能な均一性の高いプラズマの生成という要件を満たさない場合がある。
【0081】
基板のフィーチャのサイズ要件が小さくなり、解像度およびアスペクト比の要件が上昇するにつれ、既存の処理システムによってこれらの要件を満たすことはますます困難になってきている。フィーチャサイズ要件によっては、10ナノメートルまで小さいものもあり得る。
【0082】
本明細書に記載された例は、複数のRF電極を有する基板支持体(例えば、静電チャック)を有するプラズマ密度プロファイル制御システムを含む。基板全体にわたるエッチングレート均一性の向上のための複数のRF区域を設けるために、RF電極へのRF電力が制御される。基板支持体は、それぞれのRF区域を提供するために使用されるRF電極を含む。RF電極は、対応するパターンを有する別々の配置で設けられる。いくつかの実施形態では、RF電極は、基板支持体の同一の平面および/または層にある。他の実施形態では、RF電極は別々の平面および/または層にあり、水平方向に重なっていてもよい。いくつかの実施形態は、RF電極を基板から隔てる1つまたは複数の誘電体層および/または誘電体セパレータを含む。誘電体セパレータは、対応するRF電極のパターンに類似したパターンで設けられてよい。
【0083】
開示されたRF電極、誘電体層、および誘電体セパレータは、イオン角度の傾きとプラズマ不均一性を改善し、最小限にするために実装される。これには、RF電極に供給されるRF電圧の制御も含まれる。向上したプラズマ均一性は、処理が開始され、基板全体にわたるRF電圧が定常状態ではない初期の過渡期において、かつ/または過渡期の後に提供され得る。一例として、初期の過渡期は、RF電極にRF電圧を最初に供給した後、200~900ミリ秒(ms)続く場合がある。いくつかの実施形態では、RF電極の電圧は、イオン傾斜角度を減少させるように設定されるが、他の実施形態では、RF電極の電圧は、イオン傾斜角度を維持または増加させるように設定される。
【0084】
図2は、プラズマ密度プロファイル制御システム202を含む例示的な基板処理システムの第1の部分200を示す。基板処理システムの例示的な残置部分を図2に示す。基板処理システムは、処理チャンバ204を含む。基板支持体205は、少なくとも部分的に処理チャンバ204内に設けられ、基板206を保持するように構成される。プラズマ密度プロファイル制御システム202は、基板支持体205、整合ネットワーク207、208、210、RFジェネレータ212、214、216、およびコントローラ220を含む。コントローラ220は、ジェネレータ212、214、216を制御して、整合ネットワーク207、208、210を介してRF電極230、232、234、236、238においてRF電圧を発生させる。RF電極230、232、234、236、238は、基板支持体205内に実装される。図2は、RF電極の配置の一例を示す。他の配置は、図4、5、12、14、17、26、および27に示す。
【0085】
基板処理システムは、誘電体窓244の上方にあるプレナム242上に設けられたTCPリアクタコイル240をさらに含む。プレナム242は、TCPリアクタコイル240(例えば、内側コイルセットおよび外側コイルセット)が設けられた複数の円形凹状領域(またはチャネル)246を含み得る。第1の電源248は、第1のRF源信号を変圧器結合容量性同調(TCCT)整合ネットワーク250に提供する。TCCT(または第1の)整合ネットワーク250は、第1の電源248とTCPリアクタコイル240との間に含まれる。TCCT整合ネットワーク250は、TCPリアクタコイル240に提供される電力の同調を可能にする。TCPリアクタコイルとTCCT整合ネットワークの例が、米国特許第10,297,422号に示されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
誘電体窓244は、プレナム242に隣接してピナクル252(ピナクルは登録商標)の上方に位置し、プラズマの生成を目的とした処理チャンバ204への第1のRF源信号の効率的な伝送を可能にする。ピナクルは、処理チャンバの上部ライナーを指してもよく、誘電体窓を支持するように構成されてもよい。基板支持体205は、処理チャンバ204の底部に設けられる。基板支持体205は、基板206を支持する。基板支持体205が静電チャックである場合は、基板支持体205は1つまたは複数のクランプ電極254を含む。一実施形態では、基板支持体205は、アルミニウム等の導電性材料から形成されている。別の実施形態では、基板支持体は、セラミック等の非導電性材料から形成されている。
【0087】
基板支持体205(またはその一部)は、基板206に容量結合されてもよい。クランプ電圧を、コントローラ220によって制御される電源255によって、クランプ電極254に供給してもよい。クランプ電極254に直流電圧を印加することで、基板支持体205と基板206との間に静電結合が生じる。この静電結合により、基板206は基板支持体205に対して引き寄せられる。
【0088】
一例として、RFジェネレータ212、214、216のうちの1つは、バイアスRF電源であってもよく、RF電極230、232、234、236、238のうちの対応する1つまたは複数にバイアス電圧を提供してもよい。RFジェネレータ212、214、216のそれぞれが、1つまたは複数の電極に接続してバイアス電圧を供給してもよい。図2では5つの電極が示されているが、異なる数の電極が含まれてもよい。各RFジェネレータが複数の電極にバイアス電圧を供給する1つの例が、図26に関して示されて説明されている。RFジェネレータと整合ネットワークとのペア(またはRF源)が、他のRFジェネレータと整合ネットワークとのペアとは異なる電極のセットにRF信号を供給してもよい。別の実施形態では、第1のRFジェネレータと整合ネットワークとのペアが、第1のRF信号を第1の1つまたは複数の電極に供給し、第2のRFジェネレータと整合ネットワークとのペアが、第2のRF信号を同じ1つまたは複数の電極に供給する。一実施形態では、基板支持体205には、電極のセットがあるのと同じ量のRFジェネレータと整合ネットワークとのペア(またはRF源)があり、電極の各セットは1つまたは複数の電極を含む。別の実施形態では、電極のセットがあるのとは異なる量(多いか、あるいは少ない)のRFジェネレータと整合ネットワークとのペア(またはRF源)が存在する。コントローラ220は、RFジェネレータと整合ネットワークとの各ペアがどの電極およびいくつの電極に給電するかを制御できる。これは、整合ネットワークと電極との間に含まれるスイッチングネットワークを使用して達成され得る。
【0089】
一例として、スイッチングネットワークは、図4の整合、同調、および分配ネットワーク442に含まれてもよい。RFジェネレータは、RF信号を生成する際に、別々の周波数で動作してもよく、かつ/または別々のパルス時間および/またはパターンを有する別々のパルススキームを実施してもよい。これは、コントローラ220によって制御されてもよく、コントローラ220は、生成されたRF信号それぞれのRF周波数および/またはパルスパターンを選択してよい。
【0090】
電極230、232、234、236、238は、図2には示されていないが例えば図5、12、14、17、および27には示されているキャビティ内に設けられてもよい。平面239は、RF電極230、232、234、236、238を通って横方向に延びてよい。一実施形態では、RF電極234は、第2の整合ネットワーク208からバイアスRF電圧を受ける。整合ネットワーク207、208、210は、ジェネレータ212、214、216のインピーダンス(例えば、50Ω)を、整合ネットワーク207、208、210から見た処理チャンバ204内の基板支持体205およびプラズマ260のインピーダンスに整合する。電極230、232、234、236、238は、カバー262、264、266、268、270として言及される誘電体材料で包まれてもよい。別の実施形態では、電極230、232、234、236、238は、誘電体材料で包まれていない。コントローラ220は、RFジェネレータ212、214、216の電圧および/または電流出力、ならびに整合ネットワーク207、208、210のパラメータ設定(例えば、回路要素のインピーダンス)を制御し得る。
【0091】
動作時には、イオン化可能なガスが、ガス入口271を通って処理チャンバ204に流入し、ガス出口272を通って処理チャンバ204から出る。第1のRF信号はRF電源248によって生成され、TCPリアクタコイル240に送られる。第1のRF信号は、TCPリアクタコイル240から誘電体窓244を通って処理チャンバ204内に放射される。これにより、処理チャンバ204内のガスがイオン化し、プラズマ260が形成される。プラズマ260により、処理チャンバ204の壁に沿ってプラズマシース274が生成される。プラズマ260は、電子および正に帯電したイオンを含む。電子は、正に帯電したイオンよりもはるかに軽いため、より容易に移動する傾向があり、処理チャンバ204の内面にDCバイアス電圧とDCシース電位を発生させる。基板206における平均的なDCバイアス電圧およびDCシース電位は、正に帯電したイオンが基板206に衝突するエネルギーに影響を与える。このエネルギーは、エッチングまたは堆積が生じる速度等の処理特性に影響を与える。
【0092】
コントローラ220は、例えば、第2のRFジェネレータ214によって生成されたバイアスRF信号を調整することで、基板206におけるDCバイアスの量および/またはDCシース電位を変化させ得る。バイアスRF電圧は、RF電極234とは異なる電極に供給されてもよい。コントローラ220はまた、RF電極230、232、234、236、238に供給されるRF電圧を調整して、基板206の上方のプラズマ密度分布プロファイルを制御し、これにより基板全体にわたるエッチングレート均一性を制御してもよい。また、RF電圧を制御することで、以下でさらに説明するようにイオン入射角度を調整してもよい。ある実施形態では、コントローラ220は制御を行い、RFジェネレータ212、214、216の起動時に整合ネットワーク207、208、210を介してRF信号を提供する。これは、以下でさらに説明するように、起動時に生じる初期の過渡期においてエッチングレート均一性を向上させるために行われてもよい。
【0093】
一実施形態では、コントローラ220は、粗調整として、コイル240のそれぞれに供給される電力および/または電流を制御する。コイル240の半径および/またはコイル240の位置は、同様にまたは代替的に調整され得る。例示的な半径RiおよびRоが、内側コイルセット280および外側コイルセット282について図示されており、コイル240の巻線のうち最も内側の巻線の内半径を指している。内側コイルセット280は、1つまたは複数のコイルを含んでよく、外側コイルセット282は、1つまたは複数のコイルを含んでよい。また、コイルセットと各コイルセットのコイルとの間の距離を調整してもよい。また、コントローラ220は、微調整として、RF電極230、232、234、236、238に供給するRF信号も制御する。これは、イオン入射角度および/またはエッチングレート均一性の厳しい要件を満たすために行われてもよい。一実施形態では、内側コイルセット280は、基板支持体205の1つまたは複数のRF電極と垂直方向に対向して設けられ、外側コイル282セットは、基板支持体205の1つまたは複数の他のRF電極と垂直方向に対向して設けられる。コイルは、例えば、処理チャンバ204の中心線(例えば、中心線290)から測定されるコイルの内半径が、中心線とRF電極との間の半径方向の距離と同じである場合に、RF電極と垂直方向に対向して設けられてよい。RF電極236と中心線290との間のサンプル半径方向距離Reが図示されている。
【0094】
図3は、ガスインジェクタ304のためのガス送出システム302を含む、基板処理システムの第2の部分300を示す。TCPリアクタコイル240は、プレナム242のチャンネルに設けられ、TCCT整合ネットワーク250を介して電源248からRF信号を受信する。
【0095】
ガス送出システム302は、コントローラ220と、1つまたは複数のガス源332-1、332-2、…、および332-N(総称してガス源332)を含むガス送出アセンブリ330とを含み、この場合Nはゼロより大きい整数である。ガス源332は、1つまたは複数のガス(例えば、エッチングガス、キャリアガス、パージガス等)およびそれらの混合物を供給する。ガス源332は、パージガスを供給してもよい。ガス源332は、バルブ334-1、334-2、…、および334-N(総称してバルブ334)およびマスフローコントローラ336-1、336-2、…、および336-N(総称してマスフローコントローラ336)によってマニホールド340に接続されている。マニホールド340の出力は、図1の処理チャンバ204に送られる。あくまで例であるが、マニホールド340インジェクタ304の出力。コントローラ220により、バルブ334およびマスフローコントローラ336の動作を制御してもよい。
【0096】
一実施形態では、供給源のセットは、(i)圧縮乾燥空気をプレナム242の1つまたは複数の中央区域に供給し、かつ(ii)大気圧の空気をプレナム242の1つまたは複数の中間区域および/または1つまたは複数の外側区域に供給するように構成される。一実施形態では、1つまたは複数の中間区域および/または1つまたは複数の外側区域に提供される空気は、1つまたは複数の空気増幅器を介して提供される増幅された空気である。マスフローコントローラの1つまたは複数は、空気増幅器を含んでよい。空気増幅器は、ある期間内に供給される空気の量を増加させる。
【0097】
図4は、プラズマ密度プロファイル制御システム402を含む別の基板処理システム400の一部分を示す。基板処理システム400は、基板406を支持する基板支持体404を含む処理チャンバ403を含む。プラズマ密度プロファイル制御システム402は、基板支持体404と、RF発生システム407と、電源408と、コントローラ410とを含む。プラズマ密度プロファイル制御システム402は、基板支持体404に設けられたRF電極412に送られるRF信号を制御することにより、基板406の全体および上方におけるプラズマ密度分布プロファイルを制御する。図4の例は、他の例示的な基板支持体を示すために提供される。図4には示されていないが、図2に示すようにプレナム、誘電体窓、およびコイルを含んでもよい。
【0098】
基板支持体404は、天板420、ベースプレート422、および中間結合層424を含む。天板420は、セラミック等の非導電性材料から形成され、1つまたは複数のクランプ電極426とRF電極412とを含んでよい。任意の数のクランプ電極およびRF電極を含んでよい。ベースプレート422は、アルミニウム等の導電性材料から形成され、冷却剤チャネル428を含んでよい。冷却剤チャネル428には冷却剤アセンブリ430を介して冷却剤が供給されてもよく、冷却剤アセンブリ430は温度センサ432、434からの信号に基づいてコントローラ410によって制御されてもよい。温度センサ432は、基板支持体404内に位置してもよい。温度センサ434は、処理チャンバ403内に位置してもよい。
【0099】
RF発生システム407は、RFジェネレータ440と、整合、同調、および分配ネットワーク442とを含み、これらは、図2のRFジェネレータ212、214、216および整合ネットワーク207、208、210と同様に動作してよい。RFジェネレータ440は、電源408から電力を受け取り、コントローラ410によって制御されてよい。任意の数のRFジェネレータ、整合、同調、ならびに分配ネットワーク、および/またはRF電極を含んでよい。各RFジェネレータと整合、同調、および分配ネットワークを、任意の数のRF電極に接続してもよい。RF電極は、別々のサイズや形状であってもよく、様々な所定のパターンで配置されてよい。
【0100】
本明細書で言及する内側コイル、外側コイル、RF電極、バイアス電極には、同一あるいは異なる電圧、および/または同一あるいは異なる周波数のRF信号が供給されてもよい。例としては、RF電極およびバイアス電極に供給されるRF信号およびバイアス信号は、100キロヘルツ(kHz)~100メガヘルツ(MHz)の信号であってよい。内側コイルと外側コイルに供給されるRF信号は、1~13MHzの信号であってよい。一実施形態では、RF電極とバイアス電極に供給されるRF信号は、同じ周波数である。別の実施形態では、RF電極とバイアス電極に供給されるRF信号は、異なる周波数である。RF電極に供給されるRF信号は同じ周波数であってよいが、バイアス(またはバイアスRF)電極に供給されるRF信号の周波数とは異なっていてよい。
【0101】
図5は、複数のRF区域を有するRF回路を含む基板支持体の部分500を示す。部分500は、基板504を支持し、1つまたは複数のエッジリング506を有するベースプレート502を含む。ベースプレート502はカソードと呼んでもよく、第1のRF電極510、第2のRF電極512を含み、これらは、キャビティ514、516内に設けられてよい。キャビティ514、516は、空気(または誘電体)および/または誘電体材料で充填されていてよい。誘電体材料を、電極510、512のカバーと呼んでもよい。キャビティ514、516に空気が充填されている場合、電極510、512は誘電体材料を介してベースプレート502から離隔していてよい。電極510、512は、それぞれの整合ネットワーク518、520に接続されている。電極510、512は、それぞれのRF区域を提供する。RF電極510、512のそれぞれには、例えば、2つの区域それぞれにVb1およびVb2等、異なるRF電圧が提供されてもよい。RF電極510は、Vb1に基づく半径方向内側のRF区域を提供する。RF電極512は、Vb2に基づく半径方向に最も外側のRF区域を提供する。
【0102】
図6は、図5の部分500のRF回路概略図を示す。RF回路は、それぞれのRF電圧VAC1、VAC2を有する2つのRF源600、602を含む。2つのRF源600、602は、RF電圧VAC1およびVAC2を、基板504にそれぞれの電圧を供給するRF電極510、512と同じように、基板604に供給する。2つのRF源600、602は、接地基準606に接続されてよい。
【0103】
図7は、RF電極のない基板支持体についての、基板半径に対するイオンフラックスおよびプラズマ密度のプロットを示す。曲線700は、基板半径に対するイオンフラックスである。曲線702は、基板半径に対するプラズマ密度である。RF電極のない基板支持体の場合、フラックスは典型的には基板の中央付近で高く、基板の半径方向外側の縁付近で低くなる。図7の例の場合のイオン不均一性は32%であり、これは上記の式1と、0センチメートル(cm)での最大イオンフラックスと、15cmでの最小イオンフラックスとを用いて推定され得る。プラズマ密度については、図示の通り、その逆である。プラズマ密度曲線は、典型的には、イオンフラックス曲線の鏡像である。これは、プラズマ密度曲線が図示されていない、本明細書で言及されている他のイオンフラックスプロットについても同様である。
【0104】
図5の例では、RF電極は、基板の下方に設けられる。RF電極には、Vbが高い電極が高プラズマ密度領域下にあり、Vbが低い電極が低プラズマ密度領域下にあるように、RF電圧を供給してよい。より高いVbを有する電極がより高い電位を有することで、高密度領域のプラズマの一部が、より低いVbを有するRF区域の上方の低密度領域へと移動する。これにより、基板全体にわたるプラズマ密度分布がより均一になる。これは、図8の例示的なプロットによってさらに示されており、この場合、RF電極510によって提供される半径方向内側区域は、より低いVb(例えば、90V)を受けるRF電極512よりも高いVb(例えば、180V)を受ける。
【0105】
プラズマ密度の均一性が向上するのではなく、プラズマ密度の不均一性がさらに悪化し、基板の中心付近でフラックスが増加する(または、より中心が重くなる)可能性がある。これは、より高いVbのRF電極が、低プラズマ密度かつ低フラックスの領域下に置かれた場合に当てはまる。このような配置では、より高いVbのRF電極によって、低プラズマ密度領域のプラズマの一部がより高いプラズマ密度の領域に移動し、プラズマ分布プロファイルは、より中心が重くなる。例えば、RF電極510によって提供される半径方向内側区域が、RF電極512によって提供されるより高いRF電圧(例えば、180V)を受ける半径方向外側区域よりも低いRF電圧(例えば、90V)を受ける場合に、均一性が悪化する。これは、図9に示すとおりである。
【0106】
あるRF電極に他のRF電極よりも高いVbを提供すると、問題が生じる可能性がある。基板の領域によって対応するイオンエネルギーが異なる可能性があるため、基板の領域によってエッチングレートが異なる。図10Aおよび10Bは、半径方向内側区域が半径方向外側区域よりも高いRF電圧を受ける2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットを示す。図11Aおよび11Bは、半径方向外側区域が半径方向内側区域よりも高いRF電圧を受ける2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットを示す。図10A~11Bにおいて、シータ(θ)は、基板全体へのイオン拡散角度を指し、式2で表されるように、シース電圧Vsに対するイオン温度Tiの平方根の逆正タンジェントに等しい。
【数2】
【0107】
図12は、バイアスRF区域を含む複数のRF区域を有するRF回路を含む基板支持体の部分1200の例を示す。部分1200は、基板1204を支持し、1つまたは複数のエッジリング1206を有するベースプレート1202を含む。ベースプレート1202はカソードと呼んでもよく、第1のRF電極1210および第2のRF電極1212を含み、これらは、キャビティ1214、1216内に設けられてよい。キャビティ1214、1216は、空気および/または誘電体材料で充填されていてよい。キャビティ1214、1216に空気が充填されている場合、電極1210、1212は誘電体材料を介してベースプレート1202から離隔していてよい。誘電体材料は、電極1210、1212を封入してもよく、カバーと呼ばれる。電極1210、1212は、それぞれの整合ネットワーク1218、1220に接続されている。RF電極1210、1212のそれぞれには、例えば、Vb1およびVb2等、異なるRF電圧が提供されてもよい。ベースプレート1202はまた、RF電極として動作してもよく、第3のRF整合ネットワーク1222からRF電圧を受けてもよい。電極1210、1212およびベースプレート1202は、対応するRF区域を提供する。
【0108】
図13は、図12の基板支持体の部分1200のRF回路概略図を示す。RF回路は、それぞれのRF電圧VAC1、VAC2、およびVAC3(Bias)を有する3つのRF源1300、1302、1304を含む。RF電圧VAC3(Bias)を、バイアスRF電圧と呼んでもよい。RF源1300、1302、1304は、基板1204に接続されて基板1204にそれぞれのRF電圧を提供する。RF源1300、1302、1304は、接地基準1306に接続されてよい。この図12の配置は、基板1204の領域によって対応するイオンエネルギーが異なる可能性があり、その結果、関連するエッチングレートが異なるという点で、図5の配置と類似の課題を有する。
【0109】
エッチングレート均一性とプラズマ均一性を向上させ、イオン傾斜角度を最小化するために、(i)図2のコイル240の半径等の、内側コイルと外側コイルの半径を変更してもよく、(ii)内側コイルおよび外側コイルに供給される電力および/または電流を調整してもよく、(iii)RF電極に供給されるRF電圧を調整してもよく、(iv)1つまたは複数の誘電層および/または誘電セパレータが、基板に供給する電圧電位を制御するためにRF電極の上方に設けられてもよい。これは、基板全体にわたるイオンエネルギーの類似性と基板全体にわたるプラズマ密度分布の均一性を維持するために行ってもよい。前述のイオンエネルギーの例は、図20A~21Bによって示されている。誘電体層および/または誘電体セパレータは、RF電極と基板との間に設けられる。誘電体層および/または誘電体セパレータは、基板支持体内で一体化され、かつ/または基板支持体上に設けられてよい。述べたようなこれらの調整と内包により、基板全体にわたるイオンが類似のエネルギーを受けるため、エッチングレート均一性が向上する。誘電体層および/またはセパレータを含む例を図14、17、26、および27に示す。
【0110】
図14は、バイアスRF区域と誘電体層とを含む複数のRF区域を有するRF回路を含む基板支持体の部分1400の例を示す。部分1400は、基板1404を支持し、かつ1つまたは複数のエッジリング1406を有するベースプレート1402を含む。ベースプレート1402はカソードと呼んでもよく、第1のRF電極1410および第2のRF電極1412を含み、これらは、キャビティ1414、1416内に設けられてよい。キャビティ1414、1416は、電極1410、1412を封入するために、空気および/または誘電体材料で充填されていてよい。キャビティ1414、1416に空気が充填されている場合、電極1410、1412は誘電体材料を介してベースプレート1402から離隔していてよい。誘電体材料を、電極1410、1412のカバーと呼んでもよい。
【0111】
電極1410、1412は、それぞれの整合ネットワーク1418、1420に接続されている。RF電極1410、1412のそれぞれには、例えば、Vb1およびVb2等、異なるRF電圧が提供されてもよい。ベースプレート1402はまた、RF電極として動作してもよく、第3のRF整合ネットワーク1422からRF電圧を受けてもよい。電極1410、1412およびベースプレート1402は、対応するRF区域(例えば、3つのRF区域)を提供する。
【0112】
ベースプレート1402は誘電体層1430も含む。誘電体層1430は、複数の誘電体セパレータ(誘電体セパレータ1432、1434が図示されている)を含んでもよい。誘電体セパレータは、RF電極と基板との間に設けられた誘電体材料の層の少なくとも一部分を指し得る。一実施形態では、誘電体セパレータは、誘電体(または非導電体)材料を含む誘電体層の領域として実装される。誘電体層の他の領域は、導電性材料を含んでよい。例えば、誘電体セパレータ1432、1434の間に設けられる領域1440は、導電性材料(例えば、アルミニウム)から形成されてもよい。ベースプレート1402は、誘電体セパレータが設けられるベースプレートの頂部全体にわたる凹状領域(2つの凹状領域1450、1452が図示されている)を含んでよい。誘電体セパレータ1432、1434およびカバーは、同じ材料から形成され、同一または類似のインピーダンスを有してもよいし、あるいは異なる材料から形成され、異なるインピーダンスを有してもよい。これは、本明細書に開示された他の実施形態の誘電体セパレータおよびカバーについても同様である。一実施形態では、誘電体セパレータ1432は、誘電体セパレータ1434とは異なる誘電体材料から形成されている。
【0113】
一実施形態では、ベースプレート1402は、導電性材料(例えば、アルミニウム)から形成されている。導電性材料の一部分は、誘電体セパレータ1432、1434とカバー(または誘電体カバー)との間に設けられてもよい。図示の実施形態では、誘電体カバーは誘電体セパレータ1432、1434に接触しており、誘電体カバーと誘電体セパレータ1432、1434との間には導電性材料が設けられていない。
【0114】
図15は、図14の基板支持体の部分1400のRF回路概略図を示す。RF回路は、それぞれのRF電圧VAC1、VAC2、およびVAC3(Bias)を有する3つのRF源1500、1502、1504を含む。RF源1500、1502、1504は、基板1404に接続されてそれぞれのRF電圧を提供する。RF源1500、1502、1504は、接地基準1506に接続され得る。図14の誘電体セパレータ1432、1434は、RF源1500および1502と直列に接続されたコンデンサ1532、1534によって表される。
【0115】
誘電体セパレータ1432およびRF源1500は、第1の分圧器として動作する。誘電体セパレータ1434およびRF源1502は、第2の分圧器として動作する。電源投入時、分圧器および第3のRF源1504によって提供される基板から見たRF電圧は、RF源1500、1502、1504の電圧および誘電体セパレータの材料に応じて異なり得る。
【0116】
図16は、図14の基板支持体についての、イオンフラックス対基板半径の例示的なプロットを示す。図16の例示的なプロットの場合、プラズマ不均一性は7%だが、もっと低くなり得る。図16の例示的なプロットの場合、第1のRF源1500の電圧は600Vであり、第2のRF源1502の電圧は300Vである。
【0117】
図17は、バイアスRF電極がなく、誘電体層を有する複数のRF区域を有するRF回路を含む基板支持体の一部分の例を示す。部分1700は、基板1704を支持し、かつ1つまたは複数のエッジリング1706を有するベースプレート1702を含む。ベースプレート1702をカソードと呼んでもよく、第1のRF電極1710および第2のRF電極1712を含み、これらは、キャビティ1714、1716内に設けられてよい。キャビティ1714、1716は、電極1710、1712を封入するために、空気および/または誘電体材料で充填されていてよい。キャビティ1714、1716に空気が充填されている場合、電極1710、1712は誘電体材料を介してベースプレート1702から離隔していてよい。誘電体材料を、カバーと呼んでもよい。電極1710、1712は、それぞれの整合ネットワーク1718、1720に接続されている。RF電極1710、1712のそれぞれには、例えば、Vb1およびVb2等、異なるRF電圧が提供されてもよい。この例では、ベースプレート1702には、RFバイアス電圧等のRF電圧が直接提供されない。電極1710、1712は、対応するRF区域(例えば、2つのRF区域)を提供する。ベースプレート1702はまた、ベースプレート1702の天面を覆う誘電体層1730を含む。誘電体層1730は、非導電性材料で形成されているが、これはカバーの材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0118】
図18は、図17の基板支持体の一部分のRF回路概略図を示す。RF回路は、それぞれのRF電圧VAC1、VAC2を有する2つのRF源1800、1802を含む。電源投入の初期には、図17の誘電体層1730はほとんど短絡されており、時間とともに開放回路の一部となる。その結果、初期は同等のRF回路表現はキャパシタ1806、1808を含み得、時間の経過とともにキャパシタ1806、1808ではなくキャパシタ1810を含み得る。したがって、初期は2つの異なるRF電圧が誘電体層1730の複数の領域(キャパシタ1806、1808によって表される)を介して基板1704に提供され、時間の経過とともに、そしてこの配置が定常状態に近づくと、単一のRF電圧が誘電体層1730(キャパシタ1810によって表される)を介して提供される。RF源1800、1802は、接地基準1812に接続されている。
【0119】
コンデンサ1806、1808およびRF源1800、1802は、初期は2つの分圧器として動作し、時間とともに、コンデンサ1810および並列に接続されたRF源1800、1802が単一の分圧器として動作する。電源投入時、2つの分圧器によって供給される、基板から見た各RF電圧は異なっていてよい。これは、200~900ミリ秒間、および/または基板に定常状態が生じるまでに該当する。この初期期間に異なる電圧を設定および提供することにより、対応するプラズマ密度プロファイルを制御し、この初期期間にイオン傾斜角度を改善し、基板全体にわたるエッチングレート均一性を向上させる。電圧における類似の差異は、本明細書に開示した他の実施形態の初期過渡期の基板でも見られる場合がある。この電圧における差異は、RF電極および/またはバイアスRF電極によって提供され得る。
【0120】
図19は、図17の基板支持体についての、イオンフラックス対基板半径の例示的なプロットを示す。図19の例示的なプロットの場合、プラズマ不均一性は6%だが、もっと低くなり得る。図19の例示的なプロットの場合、第1のRF源1800の電圧は600Vであり、第2のRF源1802の電圧は300Vである。
【0121】
図14および17の例が示すように、2つまたは3つのRF区域と1つまたは複数の誘電体層および/またはセパレータを提供することにより、図20A~21Bに示すように、イオンはウエハ全体にわたって類似の電位を有することが可能である。図20Aおよび図20Bは、図14の配置に対応する。図21Aおよび図21Bは、図17の配置に対応する。図20Aおよび図20Bは、図14の基板支持体のRF電極1410、1412によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度のプロットを示す。図21Aおよび図21Bは、図17の基板支持体のRF電極1710、1712によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度のプロットを示す。図14および17の配置は、内側コイルおよび外側コイル(例えば、図2のコイル240)の半径の調整と組み合わせて、かつ/または、コイル240に供給する電力、電圧、および/または電流の調整と組み合わせて、プラズマ密度プロファイル均一性を向上させ、その結果、基板全体にわたるエッチングレート均一性を向上させる。一例として、外側コイルに供給される電流の量は、TCCT比が0.5となるように、内側コイルに供給される電流の量の2倍であってよい。
【0122】
図22は基板2202のフィーチャ2200を示し、イオンの垂直角入射とアスペクト比パラメータを示す。フィーチャは幅Aと深さDを有する。アスペクト比は幅Aで割った深さDと等しい。入射角は0°であり、基板に衝突するイオン(ベクトル2204で表される)の方向が基板2202の表面に対して垂直になるようにする。
【0123】
図23は、ベクトル2304で表される、鋭角なイオン入射で作成された基板2302のフィーチャ2300を示す。これが生じる場合は、この鋭角のイオン入射角度でのエッチングの継続が要求され得る。この角度でエッチングを継続するには、プラズマのシフトが必要となり得る。この鋭角のイオン入射角度は、図14および17の配置を利用し、中央(または第1)のRF区域に高いRF電圧を供給し、外側(または第2)のRF区域に低いRF電圧を印加することによって、提供され得る。外側区域とは、基板の周縁部付近の区域を指し得る。さらに、対応する外側コイルセット(例えば、図2の外側コイルセット282)は、対応する内側コイルセット(例えば、図2の内側コイルセット280)よりも多くの電力を受け取る。これにより、縁が重いプラズマに、基板全体にわたって等しいイオンエネルギーを提供する。イオンエネルギーを、図24Aおよび図24Bに示す。図2Aおよび24Bは、中心電位が縁の電位よりも著しく高い図17の基板支持体によって提供される2つのRF区域についての、エネルギー対イオン拡散角度の例示的なプロットを示す。
【0124】
図25は、中心電位が縁の電位よりも著しく高い図17の基板支持体についてのイオンフラックス対基板半径の例示的なプロットを示す。図示の例では、半径方向内側区域は900V、半径方向外側区域は180Vを、TCCT比0.5で、プラズマ密度の不均一性が基板の天面全体にわたって24%である縁が重いプラズマとともに受け取る。
【0125】
図26は、基板支持体のベースプレート2600の上面図を示す。図示の例では、RF電極2606、2608、2610の3つのリング2601、2602、2604が示されているが、これらはベースプレート2600に埋め込まれていてよい。任意の数のRF電極のリングを含んでもよく、各リングは任意の数のRF電極を有してよい。RF電極の例示的なパターンが図示されている。他のパターンを実装してもよい。リング2601、2602、2604はそれぞれ特定のRF区域を指してよく、かつ/または複数の異なるRF区域を含んでよい。RF電極2606、2608、2610には、独立してそれぞれのRF電圧が供給されてもよい。一実施形態では、リング2601、2602、2604のそれぞれにおけるRF電極は同じRF電圧を受け、リング2601、2602、2604のうちの異なるリングにおけるRF電極は異なるRF電圧を受ける。RF電極2606、2608、2610はリング内に配置されているように示されているが、RF電極2606、2608、2610は他の配置であってもよく、それぞれが図示とは異なるサイズおよび/または形状を有してよい。RF電極は、図示のような同じ大きさや形状を有していてもよいし、異なる大きさや形状を有していてもよい。
【0126】
一実施形態では、リング2601、2602、2604のそれぞれが、図14の例のRF区域のうちの1つに対応する。例えば、リング2601、2602、2604のうちの1つめが第1のRF区域を提供し、リング2601、2602、2604のうちの2つめが第2のRF区域を提供し、リング2601、2602、2604のうちの3つめが第3のRF区域を提供する。一実施形態では、第3のRF区域は、センターリング2602によって提供されるバイアスRF電圧を受け、センターリング2602においてバイアスRF電圧がRF電極2608に提供され、基板支持体のベースプレートには提供されない。別の実施形態では、バイアスRF電圧は、半径方向に最も内側のリング2604のRF電極または半径方向に最も外側のリング2601のRF電極に提供される。一実施形態では、リングのRF電極は、上述のように誘電体材料(またはカバー)で包まれ、導電性材料で囲まれている。
【0127】
RF電極2606、2608、2610は各々、それぞれの誘電体セパレータ2620、2622、2624を有してよい。誘電体セパレータ2620、2622、2624は、導電性材料によって離隔され、かつ/または導電性材料によって囲まれ、RF電極2606、2608、2610の上方に設けられた非導電性の「島」であってもよいし、またはRF電極2606、2608、2610を包む誘電体カバーの上部部分であってもよい。ある実施形態では、誘電体セパレータ2620、2622、2624は、基板が基板支持体上に設けられるときに基板と接触してもよい。別の実施形態では、基板支持体および/またはベースプレートが、誘電体セパレータと基板との間に設けられた導電性または非導電性の材料の層を含んでもよい。
【0128】
さらに別の実施形態では、単一の誘電体層が誘電体セパレータ2620、2622、2624に取って代わり、対応する基板支持体のベースプレート2600を覆う。さらに別の実施形態では、単一の均一な誘電体層がRF電極2606、2608、2610のすべてを覆い、RF電極2606、2608、2610と基板との間に設けられる。誘電体層は、ベースプレートおよび/または基板支持体の最上層であってもよく、ベースプレートおよび/または基板支持体の中間層であってもよい。
【0129】
別の実施形態では、RF電極2606、2608、2610および/またはRF電極のリング2601、2602、2604の1つまたは複数が、基板にRF電圧を提供することに加えて、加熱素子として動作するように構成される。例えば、リング2601、2602、2604のうちの1つ(例えば、外側リング2601)のRF電極には、高周波RF電流だけでなく低周波電流も供給され、加熱素子とRF源の両方として動作する。一例として、図2の電源255は、加熱素子として動作しているRF電極に低周波電流を供給し得る。RF電極は、高周波のRF信号を受信しながら低周波の電力を受けてもよい。図2のコントローラ220は、例えば、温度センサ(例えば、図4の温度センサ432、434)からの温度信号に基づいて、加熱素子への電流を調整してもよい。
【0130】
図27は、複数のRF区域のためのRF電極の複数の層2702、2704を含む基板支持体の部分2700の例を示す。基板支持体は、層2702、2704に配置されたRF電極2712、2714、2716と、1つまたは複数のエッジリング2718とを含むベースプレート2710を含む。層2702、2704は、様々なパターンの任意の数のRF電極を含んでよい。RF電極2716は、RF電極2712、2714の1つまたは複数の下方に設けられてもよいし、RF電極2712、2714の直下ではなく、RF電極2712、2714の下方の層にあるように水平方向にオフセットされてもよい。
【0131】
RF電極2712、2714、2716は、キャビティ2720、2722、2724に設けられ、空気で囲まれ、かつ/または誘電体材料(カバーと呼ばれる)で包まれてもよい。キャビティ2720、2722、2724に空気が充填されている場合、電極2712、2714、2716は誘電体材料を介してベースプレート2710から離隔していてよい。誘電体材料は、キャビティ2720、2722、2724の間に設けられ、キャビティ2720、2722、2724を離隔させ得る。別の実施形態では、RF電極2712、2714、2716は、誘電体材料で包まれていない。基板2730は、RF電極2712、2714、2716の上方の基板支持体上に設けられる。RF電極2712、2714、2716は、整合ネットワーク2732、2734、2736を介してRF電圧を受ける。
【0132】
図14、17、26、27のRF電極例は、基板支持体のベースプレート内に実装されているように示されているが、RF電極は、基板支持体のトッププレート(例えば、図4のトッププレート420)内に実装されていてもよい。
【0133】
本明細書に開示された例は、基板の横方向にわたるプラズマ密度分布プロファイルの制御を可能にする。内側コイルと外側コイルのパラメータ、RF電極パラメータ、および/または誘電体セパレータパラメータは、(i)基板全体にわたってより均一なプラズマ密度分布を提供する、または(ii)中心が重いまたは半径方向外側の縁が重いプラズマ密度(または基板上のイオンフラックス)分布プロファイルを提供するように調整可能である。中心が重い分布とは、基板の中心領域付近のプラズマ密度が、基板の半径方向外側の縁に比べて高くなるときのことである。半径方向外側の縁が重い分布とは、基板の半径方向外側の縁付近のプラズマ密度が、基板の中心領域に比べて高くなるときのことである。
【0134】
内側および外側コイルのパラメータは、内側コイルおよび外側コイルの半径、処理チャンバの基準点に対する内側コイルおよび外側コイルの位置および/または互いに対する位置、内側コイルおよび外側コイルに供給される電力、電圧および/または電流等を含んでよい。RF電極パラメータは、RF電極に供給される電力、電圧、および/または電流、RF電極のサイズおよび形状、RF区域あたりのRF電極の数、RF電極のRF区域の数、RF電極の位置等を含んでよい。誘電体セパレータパラメータは、誘電体セパレータのサイズおよび形状、誘電体セパレータの数、誘電体セパレータの材料、誘電体セパレータの位置等を含んでよい。
【0135】
図28は、エッチングレート均一性を調整する方法を示す。この方法は、図2~4のシステム、図5、12、14、17、26および27の実施形態、ならびに本明細書に開示された他の実施形態に適用可能である。以下の操作の少なくともいくつかは、図2のコントローラ220によって実施され、繰り返し行われ得る。方法は、2800で開始してよい。2802において、コントローラ220は、レシピおよび操作パラメータを決定し得る。2804において、基板が基板支持体(例えば、上述の基板支持体のうちの1つ)上に設けられる。2806において、プロセスガスがレシピに従って処理チャンバに供給され、プラズマを発生させる。
【0136】
2808において、コントローラ220は、(i)決定されたレシピによって指定された電流レベルを決定し、対応する量の電流を内側および外側コイル240に供給し、(ii)決定されたレシピによって指定されたRF電圧レベルを決定し、決定されたRF電圧を基板支持体のRF電極に供給してよい。2810において、コントローラ220は、基板を所定時間エッチングする。
【0137】
2812において、基板全体にわたるエッチングレートを決定するために、計測学プロセスを行ってよい。これには、処理チャンバの排気、基板の取り出し、基板のフィーチャの測定が含まれる。基板全体にわたるエッチング深さおよび/またはフィーチャ寸法を測定し、以前に測定した基板の他の寸法と比較するために記録してよい。
【0138】
2813において、コントローラ220は、エッチングレート均一性が向上したか否かを判定してよい。コントローラ220は、基板全体にわたる現在のエッチング深さおよび/またはフィーチャ寸法を、操作2810を行う前の基板の寸法と比較して、現在のエッチングレート均一性を判定してよい。このエッチングレート均一性が以前のエッチングレート均一性と比較され、エッチングレート均一性が向上したか否かが判定され得る。操作2813は、この方法の最初の繰り返しにおいてスキップされてもよい。コントローラ220は、現在のエッチングレート均一性(またはエッチングレート不均一性)を、この方法の以前の繰り返しでの以前のエッチングレート均一性(またはエッチングレートの不均一性)と比較してよい。エッチングレート均一性が向上した場合は、操作2814を行い、そうでない場合は操作2820を行ってよい。
【0139】
2814において、コントローラ220は、エッチングレート不均一性が所定の閾値未満であるか否かを判定してよい。イエスである場合、操作2822が行われ、電流レベルおよびRF電圧の値が、決定されたレシピの更新値として、または別のレシピの値として、コントローラ220のメモリに記憶され得る。所定の閾値を満たしていない場合、操作2816を行ってよい。
【0140】
2816において、コントローラ220は、内側および外側コイル240の電流レベルの1つまたは複数を調整し、コイル240の1つまたは複数に供給される電力を調整して、操作2804に戻ってもよい。イオン密度は、プラズマ密度のレベルに関係する、コイル240に供給される電力に比例する。次に、操作2804、2806、2808、2810、2812を別の基板に対して行ってよい。一実施形態では、操作2804、2806、2808、2810、2812は、同じ基板に対して繰り返される。
【0141】
2820において、コントローラ220は、RF電極のRF電圧を調整し、次に操作2804に戻ってもよい。印加されるRF電圧が高いほど、イオンのエネルギーは高くなり、関連するエッチングレートも高くなる。エッチングレートは、イオンエネルギーの平方根に比例する。次に、操作2804、2806、2808、2810、2812を別の基板に対して行ってよい。一実施形態では、操作2804、2806、2808、2810、2812が、同じ基板に対して繰り返される。
【0142】
操作2816および2820について、特定のパラメータが調整されるものとして上述したが、上述した内側コイルおよび外側コイルパラメータ、RF電極パラメータ、および誘電体セパレータパラメータのいずれかを含む他のパラメータを調整してもよい。調整されたパラメータに基づいて処理システムを変更してもよく、更新された構成を評価するために上述の操作を繰り返してもよい。
【0143】
上述の操作は説明のための例である。操作は、用途に応じて、順次に、同期して、同時に、連続して、重複する期間の間に、または異なる順番で行ってよい。また、実装形態および/またはイベントの順序によっては、いずれかの操作が行われないか、またはスキップされてもよい。
【0144】
前述の説明は、本質的に説明のためのものに過ぎず、本開示、その応用、または用途を限定することを意図していない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施可能である。したがって、本開示には特定の実施例が含まれるが、図面、明細書、および以下の請求項を検討すれば、他の変更点が明らかになるため、本開示の真の範囲をそのように限定すべきではない。方法内の1つまたは複数のステップを、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解すべきである。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上述しているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちの任意の1つまたは複数は、その組み合わせが明示的に記載されていない場合も、他の任意の実施形態の特徴において実現可能、かつ/または組み合わせ可能である。つまり、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは、本開示の範囲内に留まる。
【0145】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間等)の空間的および機能的関係は、「接続」、「係合」、「結合」、「隣接」、「隣」、「上部に」、「上方」、「下方」、および「設けられる」等の様々な用語を用いて説明される。「直接的」であると明示的に記述されていない限り、上記開示において第1および第2の要素間の関係が記載される場合、その関係は、第1および第2の要素間に他の介在要素が存在しない直接的な関係である可能性があるが、第1および第2の要素間に(空間的または機能的に)1つまたは複数の介在要素が存在する間接的な関係である可能性もある。本明細書で使用される場合、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈すべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」という意味に解釈すべきではない。
【0146】
いくつかの実装形態では、コントローラは、上述の例の一部であってもよいシステムの一部である。このようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、1つもしくは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理部品(ウエハ台座、ガスフローシステム等)等の半導体処理機器を含み得る。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステムの操作を制御するための電子機器と一体化されていてもよい。この電子機器を、1つまたは複数のシステムの各種部品または副部品を制御し得る「コントローラ」と呼んでもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示された、処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)ジェネレータの設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および操作設定、ツールならびに特定のシステムに接続またはインターフェース接続する他の搬送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出等のいずれかのプロセスを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0147】
大まかに言えば、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、操作を制御し、クリーニング動作を可能とし、エンドポイント計測等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ(例えばソフトウェア)を含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する操作パラメータを定めるものであってよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイの製造中に1つまたは複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってよい。
【0148】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムに統合された、システムに接続された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、またはそれらの組み合わせであるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに接続されていてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能とすることで、組立操作の現在の進行を監視し、過去の組立操作の履歴を検証し、複数の組立操作から傾向または性能基準を検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始できる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供できる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェイスを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次にリモートコンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の操作中に行われる各処理ステップのパラメータを定めたデータの形で命令を受信する。なお、このパラメータは行われるプロセスの種類や、コントローラがインターフェース接続または制御するように構成されているツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスや制御等の共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めること等により、分配されてもよい。そのような目的のために分配されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、リモート配置(例えばプラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0149】
限定されないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの組立および/または製造に関連づけられるかまたは使用され得る他の任意の半導体処理システムを含んでもよい。
【0150】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、またはウエハのコンテナをツール位置および/または半導体製造工場内のロードポート内外に移送する材料搬送に使用されるツールの、1つまたは複数と通信してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図25
図26
図27
図28
【国際調査報告】