(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】処理チャンバをシーズニングする方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20231102BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20231102BHJP
C23C 16/26 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/44 J
C23C16/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524594
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 US2021055029
(87)【国際公開番号】W WO2022086788
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハサン, ヴィナイアーク ヴィシュワナス
(72)【発明者】
【氏名】クマール, バスカー
(72)【発明者】
【氏名】シン, アナップ クマール
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA09
4K030AA16
4K030BA27
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA06
4K030FA01
4K030JA05
4K030JA09
4K030JA10
4K030JA12
4K030JA16
4K030KA18
4K030LA15
5F045AA08
5F045AB07
5F045AC00
5F045AC12
5F045AC17
5F045BB15
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5F045DA69
5F045EB03
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5F045EE12
5F045EE20
5F045EF05
5F045EH18
5F045EH20
(57)【要約】
本開示の実施形態は半導体処理に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、処理チャンバの1つ以上の部品をシーズニングする方法に関する。少なくとも一実施形態では、処理チャンバをシーズニングする方法は、処理チャンバの部品の上にシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積することを含む。該方法は、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することを含む。少なくとも一実施形態では、方法は、窒素含有ガスをシーズニング膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することを含む。シーズニング膜への窒素含有ガスの導入は、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバをシーズニングする方法であって、
前記処理チャンバの部品の上にシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積させること、並びに
前記シーズニング膜の上に堆積膜を堆積させること
を含む、方法。
【請求項2】
前記温度が約100℃から約200℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シーズニング膜を堆積させることが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを前記処理チャンバ中に流すことを含み、かつ
前記堆積膜を堆積させることが、第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを前記処理チャンバ中に流すことを含み、ここで、前記第2の炭素含有前駆体ガスが、前記第1の炭素含有前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、前記第2の不活性前駆体ガスが、前記第1の不活性前駆体ガスと同じであるか、又は異なっている、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の炭素含有前駆体ガス及び前記第2の炭素含有前駆体ガスがアセチレンを含み、かつ
前記第1の不活性前駆体ガス及び前記第2の不活性前駆体ガスがヘリウムを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記部品の上に前記シーズニング膜を堆積させることが、
前記第1の炭素含有前駆体ガス及び前記第1の不活性前駆体ガスを前記第1の炭素含有前駆体ガスと前記第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すこと、及び
前記第1の流量比を前記第1の炭素含有前駆体ガスと前記第1の不活性前駆体ガスとの第2の流量比に調整すること
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の流量比が約1:1から約1:2である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の流量比を前記第2の流量比に調整することが、約1sccm/秒から約20sccm/秒の速度で行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記部品の上に前記シーズニング膜を堆積させることが、
第1のRF電力を前記チャンバに供給すること、及び
前記第1のRF電力を第2のRF電力に調整すること
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のRF電力を前記第2のRF電力に調整することが、約20W/秒から約500W/秒の速度で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のRF電力が約1kWから約4kWであり、前記第2のRF電力が約4kWから約6kWである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
処理チャンバをシーズニングする方法であって、
前記処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積させること、
前記第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積させること、並びに
前記第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積させること
を含み、ここで、
前記第1のシーズニング膜を堆積させることが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを前記処理チャンバに流すことを含む、
方法。
【請求項12】
前記部品の上に前記第1のシーズニング膜を堆積させることが、前記第1の炭素含有前駆体ガス及び前記第1の不活性前駆体ガスを、前記第1の炭素含有前駆体ガスと前記第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含み、かつ
前記第1のシーズニング膜の上に前記第2のシーズニング膜を堆積させることが、前記第1の炭素含有前駆体ガスと前記第1の不活性前駆体ガスとの前記第1の流量比を第2の流量比に調整することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の流量比を前記第2の流量比に調整することが、約1秒以下の速度で行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記部品の上に前記第1のシーズニング膜を堆積させることが、第1のRF電力を前記チャンバに供給することを含み、かつ
前記第1のシーズニング膜の上に前記第2のシーズニング膜を堆積させることが、前記第1のRF電力を第2のRF電力に調整することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のRF電力を前記第2のRF電力に調整することが、約1秒以下の速度で行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
処理チャンバをシーズニングする方法であって、
前記処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積させること、
前記第1のシーズニング膜の上に複数の追加のシーズニング膜を堆積させること、及び
前記複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積させること
を含み、ここで、
前記第1のシーズニング膜を堆積させることが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを前記処理チャンバに流すことを含む、
方法。
【請求項17】
前記複数の追加のシーズニング膜を堆積させることが、
第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを前記処理チャンバに流すことによって、前記第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積させること、
第3の炭素含有前駆体ガス及び第3の不活性前駆体ガスを前記処理チャンバに流すことによって、前記第2のシーズニング膜の上に第3のシーズニング膜を堆積させること、
第4の炭素含有前駆体ガス及び第4の不活性前駆体ガスを前記処理チャンバに流すことによって、前記第3のシーズニング膜の上に第4のシーズニング膜を堆積させること
を含み、ここで、
前記第2、第3、及び第4の炭素含有前駆体ガスが、独立して、互いに同じであるか、又は異なっており、かつ
前記第2、第3、及び第4の不活性前駆体ガスが、独立して、互いに同じであるか、又は異なっている、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記部品の上に前記第1のシーズニング膜を堆積させることが、前記第1の炭素含有前駆体ガス及び前記第1の不活性前駆体ガスを前記第1の炭素含有前駆体ガスと前記第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含み、
前記第1のシーズニング膜の上に前記第2のシーズニング膜を堆積させることが、前記第1の炭素含有前駆体ガスと前記第1の不活性前駆体ガスとの前記第1の流量比を第2の流量比に調整することを含み、
前記第2のシーズニング膜の上に前記第3のシーズニング膜を堆積させることが、前記第2の炭素含有前駆体ガスと前記第2の不活性前駆体ガスとの前記第2の流量比を第3の流量比に調整することを含み、かつ
前記第3のシーズニング膜の上に前記第4のシーズニング膜を堆積させることが、前記第3の炭素含有前駆体ガスと前記第3の不活性前駆体ガスとの前記第3の流量比を第4の流量比に調整することを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の流量比及び前記第3の流量比が、独立して、約1:1から約1:2である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記部品の上に前記第1のシーズニング膜を堆積させることが、第1のRF電力を前記チャンバに供給することを含み、
前記第1のシーズニング膜の上に前記第2のシーズニング膜を堆積させることが、前記第1のRF電力を第2のRF電力に調整することを含み、
前記第2のシーズニング膜の上に前記第3のシーズニング膜を堆積させることが、前記第2のRF電力を第3のRF電力に調整することを含み、かつ
前記第3のシーズニング膜の上に前記第4のシーズニング膜を堆積させることが、前記第3のRF電力を第4のRF電力に調整することを含む、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は半導体処理に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、処理チャンバの1つ以上の部品をシーズニングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体処理は、基板上に小さい集積回路が生成される、多くの異なる化学的及び物理的プロセスを含む。集積回路を構成する材料の層は、化学気相堆積、物理気相堆積、エピタキシャル成長、化学的処理、電気化学的プロセスなどによって生成される。
【0003】
典型的な半導体処理チャンバは、処理ゾーンを画定するチャンバ本体と、ガス供給から処理ゾーンにガスを供給するように適合されたガス分配アセンブリと、処理ガスを励起して基板支持アセンブリの上に位置付けられた基板を処理するために利用される、プラズマ発生装置などのガスエナジャイザーと、ガス排気とを含む。プラズマ処理中、励起されたガスは、多くの場合、イオン、ラジカル、及び/又は、処理チャンバ部品、例えば処理中に基板を保持する静電チャックなどの露出部分をエッチング及び侵食する他の高度に反応性の種で構成されている。加えて、処理副生成物がチャンバ部品上に堆積することが多く、通常は反応性の高いフッ素を使用して定期的に洗浄する必要がある。したがって、処理チャンバの清浄度を維持するために、処理チャンバから副生成物を除去するための定期的な洗浄プロセスが行われる。処理中及び洗浄中の反応種による攻撃は、チャンバ部品の寿命を短縮し、保守頻度を増加させる。加えて、チャンバ部品の侵食された部分からのフッ化アルミニウム(AlF)などのフレークが、基板処理中の微粒子の汚染源になりうる。さらには、洗浄プロセス中に比較的高温の部品表面に形成されたAlF3は、昇華するが、後に、洗浄プロセスの後にシャワーヘッドなどの比較的低温のチャンバ部品表面に堆積する可能性がある。この残留堆積物により、チャンバ部品が早期に故障し、チャンバのメンテナンスが頻繁に行われる可能性がある。
【0004】
1つ以上の処理チャンバ部品上に保護材料(例えば、層)を堆積することによって、チャンバ部品を保護(「シーズニング」)する試みがなされてきた。しかしながら、従来のシーズニング方法は、低圧(及び/又は低温)で動作するCVDチャンバでは機能しない。このような低圧/低温CVDチャンバは、ハードマスク膜、例えばアモルファスカーボンハードマスク膜などの高度なパターニング膜を基板上に堆積するために有利に使用されうる。このようなチャンバに用いられる低圧、低温、及び/又はより大きい処理容積の理由から、(チャンバ部品の)従来のシーズニング方法では、剥離しやすく、処理チャンバの(一又は複数の)部品への接着性が劣る材料(例えば、層)が提供される。このような剥離、及び接着性の低下により、処理中の基板の汚染が促進される可能性がある。
【0005】
したがって、処理チャンバの清浄性及びチャンバ部品の完全性を維持し、チャンバ部品の寿命を延ばし、高品質の処理済みウエハを提供するための処理の改善が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は半導体処理に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、処理チャンバの1つ以上の部品をシーズニングする方法に関する。
【0007】
少なくとも一実施形態では、処理チャンバをシーズニングする方法は、処理チャンバの部品の上にシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積することを含む。該方法は、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することを含む。
【0008】
少なくとも一実施形態では、方法は、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含む、部品の上にシーズニング膜を堆積することを含む。該方法は、第1の流量比を第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第2の流量比に調整することを含む。
【0009】
少なくとも一実施形態では、処理チャンバをシーズニングする方法は、処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積することを含む。該方法は、第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することを含む。該方法は、第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することを含む。第1のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含む。
【0010】
少なくとも一実施形態では、処理チャンバをシーズニングする方法は、処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積することを含む。該方法は、第1のシーズニング膜の上に複数の追加のシーズニング膜を堆積することを含む。該方法は、複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することを含む。第1のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含む。
【0011】
本開示の上記特徴を詳細に理解することができるように、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することにより、上に簡単に要約されている本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているにすぎず、したがって、その範囲を限定するとみなすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容されうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一態様による、処理チャンバをシーズニングするプロセスのプロセスフロー図
【
図2】本開示の一態様による、処理チャンバの概略的な側面断面図
【
図3A】本開示の一態様による、導管に連結されたリッドの一部の概略的な側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするため、可能な場合には、図面に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が用いられる。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込むことができることが想定されている。
【0014】
本開示の実施形態は半導体処理に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、処理チャンバの1つ以上の部品をシーズニングする方法に関する。
【0015】
本開示の方法は、堆積膜とチャンバ部品との間に配置されたシーズニング膜を提供することにより、保護材料(堆積膜)の剥離を低減し、チャンバ部品に対する堆積膜の接着性を改善することができる。例えば、堆積膜は、約100MPaから約300MPa(圧縮)など、約400MPa以下(圧縮)の内在応力を有しうるのに対し、チャンバ部品(例えば、アルミニウム含有部品)は、約900MPaから約1,200MPa(圧縮)など、約800MPa以上(圧縮)の内在応力を有しうる。追加的又は代替的に、チャンバ部品は、約200MPaから約500MPa(引張)など、約100MPa以上(引張)の内在応力を有していてもよい。堆積膜とチャンバ部品との内在応力のこのような不整合は、堆積膜とチャンバ部品との剥離及び接着不良を促進する。しかしながら、本発明者らは、シーズニング膜の内在応力を制御することによって、シーズニング膜の一方の側で堆積膜に有益に接着し、シーズニング膜の反対の側でチャンバ部品に接着するように、シーズニング膜を調整できることを見出した。本発明者らは、このような改善を達成するための多くの手法を見出した。本開示の目的のため、チャンバ部品に試験片を貼り付け、試験片上に測定する膜を堆積し、膜が堆積した試験片を除去し、任意の適切な任意選択的な光学分光法技法を使用して膜を分析することによって、内在応力を決定することができる。本開示の例示的な態様から利益を得るように適合されうる処理チャンバの例は、米国カリフォルニア州サンタクララ所在のApplied Materials,Inc.から市販されるPIONEER(商標)PECVDシステムである。他の製造業者からのものを含む、他の処理チャンバ及び/又は処理プラットフォームも、本開示の態様から利益を得るように適合されうることが企図されている。
【0016】
幾つかの実施形態では、
図1に示されるように、処理チャンバ(例えば、処理チャンバの1つ以上の部品)をシーズニングする方法100は、処理チャンバの部品の上にシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積すること102を含む。該方法は、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積すること104を含みうる。少なくとも一実施形態では、温度が約100℃から約200℃である。あるいは、温度は、約250℃から約350℃など、約200℃から約400℃でありうる。温度が高いほど、(より低い温度を使用するプロセスと比較して)向上した膜の品質、接着力、及び/又はより低い内在応力を提供することができる。例えば、(1)シーズニング膜と堆積膜、及び/又は(2)シーズニング膜とチャンバ部品は、(より低い温度を使用するプロセスと比較して)ある程度相互に良好に拡散できるため、密着性を向上させることができる。しかしながら、より高い温度を使用すると、方法を実施するコストが増加する。
【0017】
シーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含みうる。堆積膜を堆積することは、第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含みうる。第2の炭素含有前駆体ガスは、第1の炭素含有前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、第2の不活性前駆体ガスは、第1の不活性前駆体ガスと同じであるか、又は異なっている。幾つかの実施形態では、第1の炭素含有前駆体ガス及び/又は第2の炭素含有前駆体ガスはアセチレンである。幾つかの実施形態では、第1の不活性前駆体ガス及び/又は第2の不活性前駆体ガスはヘリウムである。
【0018】
第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、第1の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すこと、及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに約150sccmから約800sccmの流量で流すことを含みうる。これらの流量は、300mmのウエハを処理するように設計されたチャンバに基づいている。
【0019】
堆積膜はアモルファスカーボン含有膜でありうる。幾つかの実施形態では、堆積膜は、約100MPaから約300MPa(圧縮)など、約400MPa以下(圧縮)の内在応力を有する。チャンバ部品は、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属含有部品である。チャンバ部品は、約900MPaから約1,200MPa(圧縮)など、約800MPa以上(圧縮)の内在応力を有しうる。追加的又は代替的に、チャンバ部品は、約200MPaから約500MPa(引張)など、約100MPa以上(引張)の内在応力を有しうる。
【0020】
シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる。シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、第2の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約200sccmから約400sccmの流量で流すことによって行われる。幾つかの実施形態では、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、約1kWから約6kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む。
【0021】
方法は、窒素含有ガスをシーズニング膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含みうる。窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行うことができる。
【0022】
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び/又は約200℃未満の温度で実施することができる。窒素含有ガスは、アンモニアなどの任意の適切な窒素含有ガスを含みうる。窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、窒素含有ガスを処理チャンバに、約50sccmから約600sccmなど、約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含みうる。窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給して、窒素含有ガスを活性化することを含みうる。
【0023】
本開示の(一又は複数の)シーズニング膜に窒素含有ガスを導入することにより、堆積膜の核形成部位を提供する窒素終端表面を提供することができ、堆積膜への向上した接着性をもたらし、堆積膜の制御された結合構造をもたらす(例えば、堆積層の低い内在応力)。(一又は複数の)シーズニング膜に窒素含有ガスを導入することは、低温及び/又は低圧で実施することができるため、窒素処理は主に(一又は複数の)シーズニング膜の表面で行われ、堆積膜への結合及び核生成を促進することができる。加えて、低温及び/又は低圧で堆積膜を堆積することができることから、堆積層は低い窒素含有量を有することができ、堆積膜の内在応力及び剥離を低減することができる。
【0024】
処理チャンバの部品は、チャンバの壁、スペーサ、基板支持体(例えばエッジリング)などの任意の適切な部品でありうる。少なくとも一実施形態では、部品は、例えば半導体ウエハではないなど、ウエハではない。例えば、プロセスは、チャンバのペデスタル上に不活性基板を置くこと、及びシーズニング方法を実施することを含みうる。幾つかの実施形態では、処理チャンバの部品は処理チャンバの内壁である。内壁は、Pioneer(商標)処理チャンバの壁など、従来のCVDチャンバの壁よりも大きくすることができる。従来、大きい壁を適切にシーズニングすることは非常に困難であり、本開示の方法はこのような制限を克服することができる。
【0025】
段階的シーズニング膜
他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、部品の上にシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含む。方法は、第1の流量比を、第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第2の流量比に調整することを含む。第1の流量比を第2の流量比に調整することにより、シーズニング膜の表面の結合構造(例えば、sp2対sp3炭素含有量)の制御を提供することができる。例えば、第1の流量比を第2の流量比へとゆっくりと調整することにより、部品上に配置されたシーズニング膜の側から堆積膜が配置されたシーズニング膜の側へと結合構造が漸進的に変化する、段階的シーズニング膜を提供することができる。シーズニング膜の表面のハイブリッド化は、チャンバ部品及び堆積層へのシーズニングフィルムの表面の接着性に影響を与える可能性がある。sp2特性が高くなると、内在応力の増加をもたらす。例えば、第1の流量比は、チャンバ部品への有益な接着性のために(シーズニング膜の第1の表面の)高い内在応力を促進することができ、一方、第2の流量比は、従来のシーズニング方法の材料と比較して、(シーズニングの第2の側)の低い内在応力をもたらすことができ、堆積膜及び/又はシーズニング膜の剥離の低減をもたらすことができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、シーズニング膜はアモルファスカーボン含有膜である。幾つかの実施形態では、シーズニング膜は、約300MPaから約800MPa(圧縮)の内在応力を有する。シーズニング膜は、第1の側での約300MPaから約550MPa(圧縮)までから、第2の側での約550MPaから約800MPa(圧縮)へと進行することができる。シーズニング膜の内在応力の勾配は、(高温/高圧のCVDチャンバの従来のシーズニング膜と比較して)改善された接着性及び低減された剥離をもたらす。
【0027】
少なくとも一実施形態では、第1の流量比は約1:1から約1:2である。幾つかの実施形態では、第2の流量比は、約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10である。例えば、アセチレンのヘリウムに対する高い比は、(低い比と比較して)より高い内在応力をもたらすことができる。アセチレンがより多く希釈されると(例えば、1:10の比)、より低い内在応力を有する材料が形成されるであろう。
【0028】
第1の流量比を第2の流量比に調整することは、約1sccm/秒から約20sccm/秒の速度で行うことができる。
【0029】
部品の上にシーズニング膜を堆積することは、第1のRF電力をチャンバに供給すること(例えば、チャンバ(例えば、ペデスタル)の底部電極から供給される)、及び第1のRF電力を第2のRF電力に調整することを含みうる。第1のRF電力を第2のRF電力に調整することにより、シーズニング膜の表面の結合構造(例えば、sp2対sp3炭素含有量)の制御を提供することができる。例えば、第1のRF電力を第2のRF電力へとゆっくりと調整することにより、部品上に配置されたシーズニング膜の側から堆積膜が配置されたシーズニング膜の側へと結合構造が漸進的に変化する、段階的シーズニング膜を提供することができる。例えば、第1のRF電力は、チャンバ部品への有益な接着性のために(シーズニング膜の第1の表面の)高い内在応力を促進することができ、一方、第2のRF電力は、堆積層への有益な接着性のために(シーズニング膜の第2の側の)低い内在応力を提供することができる。有益な接着性は、従来のシーズニング方法の材料と比較して、堆積膜及び/又はシーズニング膜の剥離の低減をもたらす。
【0030】
幾つかの実施形態では、方法は、第1のRF電力を第2のRF電力に約20W/秒から約500W/秒の速度で調整することを含む。少なくとも一実施形態では、第1のRF電力及び第2のRF電力は、独立して、約1kWから約6kWである。例えば、第1のRF電力は約1kWから約4kWであってよく、第2のRF電力は約4kWから約6kWでありうる。低いRF電力は高い内在応力を有する材料を提供するのに対し、高いRF電力は低い内在応力を有する材料を提供する。
【0031】
幾つかの実施形態では、シーズニング膜は約100nmから約700nmの厚さを有しうる。堆積膜は、約500nmから約3ミクロンの厚さを有しうる。
【0032】
方法は、窒素含有ガスをシーズニング膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含みうる。窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行うことができる。幾つかの実施形態では、窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる。窒素含有ガスは、アンモニアなどの任意の適切な窒素含有ガスを含みうる。
【0033】
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、窒素含有ガスを処理チャンバに、約50sccmから約600sccmなど、約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含みうる。幾つかの実施形態では、窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することは、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む。
【0034】
二層シーズニング膜
幾つかの実施形態では、処理チャンバをシーズニングする方法は、処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満、又は約200℃から約400℃の温度で堆積することを含む。幾つかの実施形態では、温度は約100℃から約200℃である。あるいは、幾つかの実施形態では、温度は、約250℃から約300℃など、約200℃から約400℃である。第1のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含む。該方法は、第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することを含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜及び/又は第2のシーズニング膜はアモルファスカーボン含有膜である。幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜及び/又は第2のシーズニング膜は、独立して約300MPaから約800MPa(圧縮)の内在応力を有する。幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜は、約550MPaから約800MPa(圧縮)の内在応力を有する。少なくとも一実施形態では、第2のシーズニング膜は、約300MPaから約550MPa(圧縮)の内在応力を有する。
【0036】
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で実施することができる。第2のシーズニング膜を堆積することは、第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含みうる。
【0037】
方法は、第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することをさらに含みうる。堆積膜を堆積することは、第3の炭素含有前駆体ガス及び第3の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含みうる。第2の炭素含有前駆体ガスは、第1又は第3の炭素含有前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、第2の不活性前駆体ガスは、第1又は第3の不活性前駆体ガスと同じであるか、又は異なっている。同様に、第3の炭素含有前駆体ガスは、第1又は第2の炭素含有前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、第3の不活性前駆体ガスは、第1又は第2の不活性前駆体ガスと同じであるか、又は異なっている。幾つかの実施形態では、第1の炭素含有前駆体ガス及び/又は第2の炭素含有前駆体ガスはアセチレンを含む。幾つかの実施形態では、第1の不活性前駆体ガス及び/又は第2の不活性前駆体ガスはヘリウムを含む。
【0038】
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含みうる。第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比を第2の流量比に調整することを含みうる。第1の流量比を第2の流量比に調整することにより、シーズニング膜の表面の結合構造(例えば、sp2対sp3炭素含有量)の制御を提供することができる。例えば、第1の流量比を第2の流量比に迅速に調整することにより、部品上に配置された第1のシーズニング膜の側からその上に堆積膜が配置された第2のシーズニング膜の側への結合構造の変化を有する、二層シーズニング膜を提供することができる。例えば、第1の流量比は、チャンバ部品への有益な接着性のために(第1のシーズニング膜の)高い内在応力を促進することができ、一方、第2の流量比は、堆積層への有益な接着性のために(第2のシーズニング膜の)低い内在応力を提供することができる。有益な接着性は、従来のシーズニング方法の材料と比較して、堆積膜及び/又はシーズニング膜の剥離の低減をもたらす。
【0039】
幾つかの実施形態では、第1の流量比は約1:1から約1:2である。少なくとも一実施形態では、第2の流量比は、約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10である。
【0040】
第1の流量比を第2の流量比に調整することは、約0.5秒以下など、約1秒以下の速度で行うことができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することは、第1のRF電力をチャンバに供給することを含む。第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することは、第1のRF電力を第2のRF電力に調整することを含みうる。第1のRF電力を第2のRF電力に調整することは、約0.5秒以下など、約1秒以下の速度で行うことができる。
【0042】
第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で実施することができる。第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、第3の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約200sccmから約400sccmの流量で流すことによって行うことができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、第1の炭素含有前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、及び/又は第3の炭素含有前駆体ガスは、アセチレンを含む。幾つかの実施形態では、第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、及び/又は第3の不活性前駆体ガスは、ヘリウムを含む。第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、約1kWから約6kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含みうる。
【0044】
少なくとも一実施形態では、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、第1の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すこと、及び/又は第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに約150sccmから約800sccmの流量で流すことを含みうる。第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、第2の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すことを含みうる。第2の炭素含有前駆体ガスの流量は、第1の炭素含有前駆体ガスの流量とは異なりうる。第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、約150sccmから約800sccmの流量で行うことができる。第2の不活性前駆体ガスの流量は、第1の不活性前駆体ガスの流量とは異なりうる。
【0045】
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することは、第1のRF電力をチャンバに供給することを含みうる。第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することは、第2のRF電力をチャンバに提供することを含むことができ、ここで、第2のRF電力は第1のRF電力とは異なる。第1のRF電力は、第2のRF電力へと調整することができる。第1のRF電力とは異なる第2のRF電力を提供することにより、シーズニング膜の表面の結合構造(例えば、sp2対sp3炭素含有量)の制御を提供することができる。例えば、第1のRF電力を第2のRF電力へと迅速に調整することにより、部品上に配置されたシーズニング膜の側からその上に堆積膜が配置されたシーズニング膜の側へと結合構造が変化する、段階的シーズニング膜を提供することができる。例えば、第1のRF電力は、チャンバ部品への有益な接着性のために(第1のシーズニング膜の)高い内在応力を促進することができ、一方、第2のRF電力は、堆積層への有益な接着性のために(第2のシーズニング膜の)低い内在応力を提供することができる。有益な接着性は、従来のシーズニング方法の材料と比較して、堆積膜及び/又はシーズニング膜の剥離の低減をもたらす。
【0046】
幾つかの実施形態では、第1のRF電力及び第2のRF電力は、独立して、約1kWから約6kWである。少なくとも一実施形態では、第1のRF電力は約1kWから約3kWであり、第2のRF電力は約3kWから約6kWである。
【0047】
幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜及び第2のシーズニング膜は、合わせて約100nmから約700nmの厚さを有しうる。第1のシーズニング膜の第2のシーズニング膜に対する厚さの比は、約1:1など、約2:1から約1:10でありうる。堆積膜は、約500nmから約3ミクロンの厚さを有しうる。
【0048】
方法は、窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含みうる。窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することは、第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行うことができる。幾つかの実施形態では、窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる。窒素含有ガスは、アンモニアなどの任意の適切な窒素含有ガスを含みうる。
【0049】
窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することは、窒素含有ガスを処理チャンバに、約50sccmから約600sccmなど、約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含みうる。幾つかの実施形態では、窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することは、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む。
【0050】
多層シーズニング膜
本開示の方法は、処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積することを含みうる。温度は、約100℃から約200℃でありうる。あるいは、温度は、約250℃から約300℃など、約200℃から約400℃でありうる。方法は、第1のシーズニング膜の上に複数の追加のシーズニング膜を堆積することを含む。方法は、複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することを含みうる。
【0051】
幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜及び/又は複数の追加のシーズニング膜のうちの1つ以上の膜は、アモルファスカーボン含有膜である。幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜及び/又は複数の追加のシーズニング膜のうちの1つ以上の膜は、独立して約300MPaから約800MPa(圧縮)の内在応力を有する。幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜は、約550MPaから約800MPa(圧縮)の内在応力を有する。少なくとも一実施形態では、複数の追加のシーズニング膜のうちの1つ以上の膜は、独立して約300MPaから約550MPa(圧縮)の内在応力を有する。
【0052】
第1のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含みうる。
【0053】
複数の追加のシーズニング膜は、例えば、約4枚の追加のシーズニング膜から約10枚の追加のシーズニング膜、約4枚の追加のシーズニング膜から約8枚の追加のシーズニング膜など、約3枚の追加のシーズニング膜から約14枚の追加のシーズニング膜でありうる。幾つかの実施形態では、複数の追加のシーズニング膜を堆積することは、第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することを含む。複数の追加のシーズニング膜を堆積することは、第3の炭素含有前駆体ガス及び第3の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第2のシーズニング膜の上に第3のシーズニング膜を堆積することを含みうる。複数の追加のシーズニング膜を堆積することは、第4の炭素含有前駆体ガス及び第4の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第3のシーズニング膜の上に第4のシーズニング膜を堆積することを含みうる。第2、第3、及び第4の炭素含有前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっている。幾つかの実施形態では、第1の炭素含有前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、及び/又は第4の炭素含有前駆体ガスは、アセチレンを含む。第2、第3、及び第4の不活性前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっている。幾つかの実施形態では、第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、及び/又は第4の不活性前駆体ガスは、ヘリウムを含む。
【0054】
幾つかの実施形態では、複数の追加のシーズニング膜を堆積することは、第5の炭素含有前駆体ガス及び第5の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第4のシーズニング膜の上に第5のシーズニング膜を堆積することを含む。方法は、第6の炭素含有前駆体ガス及び第6の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第5のシーズニング膜の上に第6のシーズニング膜を堆積することを含みうる。方法は、第7の炭素含有前駆体ガス及び第7の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第6のシーズニング膜の上に第7のシーズニング膜を堆積することを含みうる。方法は、第8の炭素含有前駆体ガス及び第8の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第7のシーズニング膜の上に第8のシーズニング膜を堆積することを含みうる。第5、第6、第7、及び第8の炭素含有前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっている。幾つかの実施形態では、第1の炭素含有前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、第4の炭素含有前駆体ガス、第5の炭素含有前駆体ガス、第6の炭素含有前駆体ガス、第7の炭素含有前駆体ガス、及び/又は第8の炭素含有前駆体ガスは、アセチレンを含む。第5、第6、第7、及び第8の不活性前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっている。幾つかの実施形態では、第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、第4の不活性前駆体ガス、第5の不活性前駆体ガス、第6の不活性前駆体ガス、第7の不活性前駆体ガス、及び/又は第8の不活性前駆体ガスは、ヘリウムを含む。
【0055】
幾つかの実施形態では、複数の追加のシーズニング膜のうちの1つ以上のシーズニング膜を堆積することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び/又は約200℃未満の温度で行われる。少なくとも一実施形態では、複数の追加のシーズニング膜の各シーズニング膜を堆積することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる。
【0056】
幾つかの実施形態では、複数の追加のシーズニング膜の各シーズニング膜は、複数の追加のシーズニング膜の隣接したシーズニング膜とは異なる内在応力を有する。例えば、第3のシーズニング膜は、第2のシーズニング膜及び第4のシーズニング膜とは異なる内在応力を有する。同様に、幾つかの実施形態では、第2のシーズニング膜は、第1のシーズニング膜及び第3のシーズニング膜とは異なる内在応力を有する。幾つかの実施形態では、第1のシーズニング膜は、実質的に、第3のシーズニング膜、第5のシーズニング膜、及び/又は第7のシーズニング膜と同じ内在応力を有する。少なくとも一実施形態では、第2のシーズニング膜は、実質的に、第4のシーズニング膜、第6のシーズニング膜、及び/又は第8のシーズニング膜と同じ内在応力を有する。
【0057】
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含みうる。第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することは、第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比を第2の流量比に調整することを含む。第2のシーズニング膜の上に第3のシーズニング膜を堆積することは、第2の炭素含有前駆体ガスと第2の不活性前駆体ガスとの第2の流量比を第3の流量比に調整することを含みうる。第3のシーズニング膜の上に第4のシーズニング膜を堆積することは、第3の炭素含有前駆体ガスと第3の不活性前駆体ガスとの第3の流量比を第4の流量比に調整することを含みうる。幾つかの実施形態では、第1の流量比及び第3の流量比は、独立して、約1:1から約1:2である。第2の流量比及び第4の流量比は、約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10でありうる。
【0058】
第1の流量比を第2の流量比に、第2の流量比を第3の流量比に、及び/又は第3の流量比を第4の流量比に調整することは、独立して、約0.5秒以下など、約1秒以下の速度で行うことができる。
【0059】
第4のシーズニング膜の上に第5のシーズニング膜を堆積することは、第5の炭素含有前駆体ガス及び第5の不活性前駆体ガスを第5の炭素含有前駆体ガスと第5の不活性前駆体ガスとの第5の流量比で流すことを含みうる。第5のシーズニング膜の上に第6のシーズニング膜を堆積することは、第5の炭素含有前駆体ガスと第5の不活性前駆体ガスとの第5の流量比を第6の流量比に調整することを含む。第6のシーズニング膜の上に第7のシーズニング膜を堆積することは、第6の炭素含有前駆体ガスと第6の不活性前駆体ガスとの第6の流量比を第7の流量比に調整することを含みうる。第7のシーズニング膜の上に第8のシーズニング膜を堆積することは、第7の炭素含有前駆体ガスと第7の不活性前駆体ガスとの第7の流量比を第8の流量比に調整することを含みうる。幾つかの実施形態では、第5の流量比及び第7の流量比は、独立して、約1:1から約1:2である。第6の流量比及び第8の流量比は、約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10でありうる。
【0060】
第1の流量比を第2の流量比に、第2の流量比を第3の流量比に、第3の流量比を第4の流量比に、第4の流量比を第5の流量比に、第5の流量比を第6の流量比に、第6の流量比を第7の流量比に、及び/又は第7の流量比を第8の流量比に調整することは、独立して、約0.5秒以下など、約1秒以下の速度で行うことができる。
【0061】
第1の流量比を第2の流量比、第2の流量比を第3の流量比、第3の流量比を第4の流量比などに調整することにより、シーズニング膜構造全体の表面の結合構造(例えば、sp2対sp3炭素含有量)の制御を提供する。例えば、ある流量比を別の流量比へと迅速に調整すること(例えば、流量比を、1から2へ、3(例えば、1と同じ)へ、4(例えば、2と同じ)へなど、交互に変えること)により、あるシーズニング膜から隣接したシーズニング膜へと結合構造が交互に変化する、交互シーズニング膜構造を提供することができる。シーズニング膜(シーズニング膜構造全体)の表面のハイブリッド化は、チャンバ部品及び堆積層へのシーズニング膜構造の表面の接着性に影響を与えうる。sp2特性が高くなると、内在応力の増加をもたらす。例えば、第1の流量比、第3の流量比、第5の流量比、及び/又は第7の流量比は、チャンバ部品への有益な接着性のための(シーズニング膜の表面の)高い内在応力を提供することができ、一方、第2の流量比、第4の流量比、第6の流量比、及び/又は第8の流量比は、堆積層への有益な接着性のための(シーズニング膜構造全体の)低い内在応力を提供することができる。交互の堆積膜は、シーズニング膜構造全体の低い内在応力(及び、各膜の厚さに起因する、個々の膜での低い内在応力)をもたらし、これが、隣接した部品(チャンバ部品及び堆積膜など)に対する接着を促進する。有益な接着性は、従来のシーズニング方法の材料と比較して、堆積膜及び/又はシーズニング膜の剥離の低減をもたらす。
【0062】
方法は、第1のRF電力をチャンバに供給することによって、部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することを含みうる。第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することは、第1のRF電力を第2のRF電力に調整することを含みうる。第2のシーズニング膜の上に第3のシーズニング膜を堆積することは、第2のRF電力を第3のRF電力に調整することを含みうる。第3のシーズニング膜の上に第4のシーズニング膜を堆積することは、第3のRF電力を第4のRF電力に調整することを含みうる。第1のRF電力を第2のRF電力に、第2のRF電力を第3のRF電力に、及び/又は第3のRF電力を第4のRF電力に調整することは、独立して、約0.5秒以下など、約1秒以下の速度で行うことができる。幾つかの実施形態では、第1のRF電力、第2のRF電力、第3のRF電力、及び/又は第4のRF電力は、独立して、約1kWから約6kWである。幾つかの実施形態では、第1のRF電力及び/又は第3のRF電力は、独立して、約1kWから約3kWである。少なくとも一実施形態では、第2のRF電力及び/又は第4のRF電力は、独立して、約3kWから約6kWである。
【0063】
幾つかの実施形態では、第4のシーズニング膜の上に第5のシーズニング膜を堆積することは、第4のRF電力を第5のRF電力に調整することを含む。第5のシーズニング膜の上に第6のシーズニング膜を堆積することは、第5のRF電力を第6のRF電力に調整することを含みうる。第6のシーズニング膜の上に第7のシーズニング膜を堆積することは、第6のRF電力を第7のRF電力に調整することを含みうる。第7のシーズニング膜の上に第8のシーズニング膜を堆積することは、第7のRF電力を第8のRF電力に調整することを含む。第1のRF電力を第2のRF電力に、第2のRF電力を第3のRF電力に、第3のRF電力を第4のRF電力に、第4のRF電力を第5のRF電力に、第5のRF電力を第6のRF電力に、第6のRF電力を第7のRF電力に、及び/又は第7のRF電力を第8のRF電力に調整することは、独立して、約0.5秒以下など、約1秒以下の速度で行うことができる。幾つかの実施形態では、第1のRF電力、第2のRF電力、第3のRF電力、第4のRF電力、第5のRF電力、第6のRF電力、第7のRF電力、及び/又は第8のRF電力は、独立して、約1kWから約6kWである。少なくとも一実施形態では、第1のRF電力、第3のRF電力、第5のRF電力、及び/又は第7のRF電力は、独立して、約1kWから約3kWである。第2のRF電力、第4のRF電力、第6のRF電力、及び/又は第8のRF電力は、独立して、約3kWから約6kWでありうる。
【0064】
第1のRF電力を第2のRF電力に、第2のRF電力を第3のRF電力に、第3のRF電力を第4のRF電力などに調整することにより、シーズニング膜構造全体の表面の結合構造(例えば、sp2対sp3炭素含有量)を提供する。例えば、あるRF電力を別のRF電力へと迅速に調整すること(例えば、RF電力を、1から2へ、3(例えば、1と同じ)へ、4(例えば、2と同じ)へなど、交互に変えること)により、あるシーズニング膜から隣接したシーズニング膜へと結合構造が交互に変化する、交互シーズニング膜構造を提供することができる。シーズニング膜(シーズニング膜構造全体)の表面のハイブリッド化は、チャンバ部品及び堆積層へのシーズニング膜構造の表面の接着性に影響を与える可能性がある。sp2特性が高くなると、内在応力の増加をもたらす。例えば、第1のRF電力、第3のRF電力、第5のRF電力、及び/又は第7のRF電力は、チャンバ部品への有益な接着性のための(シーズニング膜の表面の)高い内在応力を提供することができ、一方、第2のRF電力、第4のRF電力、第6のRF電力、及び/又は第8のRF電力は、堆積層への有益な接着性のための(シーズニング膜構造全体の第2の側の)低い内在応力を提供することができる。交互の堆積膜は、シーズニング膜構造全体の低い内在応力をもたらし、これが、隣接した部品(チャンバ部品及び堆積膜など)に対する接着を促進する。有益な接着性は、従来のシーズニング方法の材料と比較して、堆積膜及び/又はシーズニング膜の剥離の低減をもたらす。
【0065】
幾つかの実施形態では、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、第1の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すこと、及び/又は第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに約150sccmから約800sccmの流量で流すことを含む。
【0066】
幾つかの実施形態では、第1の不活性前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、及び/又は第4の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、独立して、約100sccmから約600sccmの流量で行われる。第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、及び第4の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、独立して、約150sccmから約800sccmの流量で行うことができる。
【0067】
幾つかの実施形態では、第1の不活性前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、第4の炭素含有前駆体ガス、第5の炭素含有前駆体ガス、第6の炭素含有前駆体ガス、第7の炭素含有前駆体ガス、及び/又は第8の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、独立して、約100sccmから約600sccmの流量で行われる。第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、第4の不活性前駆体ガス、第5の不活性前駆体ガス、第6の不活性前駆体ガス、第7の不活性前駆体ガス、及び/又は第8の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことは、独立して、約150sccmから約800sccmの流量で行うことができる。
【0068】
第1のシーズニング膜及び複数の追加のシーズニング膜は、合わせて約100nmから約700nmの厚さを有する。例えば、第1のシーズニング膜は、約10nmから約100nmの厚さを有しうる。複数の追加のシーズニング膜のうちの1つ以上の膜は、独立して、約10nmから約100nmの厚さを有しうる。堆積膜は、約500nmから約3ミクロンの厚さを有しうる。
【0069】
幾つかの実施形態では、複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる。複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約200sccmから約400sccmの流量で流すことによって行うことができる。複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することは、約1kWから約6kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含みうる。
【0070】
方法は、複数の追加のシーズニング膜のうちの1つ以上の膜に窒素含有ガスを導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含みうる。例えば、複数の膜のうちのある膜は、内部チャンバ容積に曝露された表面を有することができ、例えば、その膜は、堆積膜がその上に堆積された、ある膜/その膜(a film/the film)でありうる。複数の追加のシーズニング膜のうちのその膜に窒素含有ガスを導入することは、複数の追加のシーズニング膜のうちのその膜の上に堆積膜を堆積する前に行うことができる。幾つかの実施形態では、その膜に窒素含有ガスを導入することは、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる。窒素含有ガスは、アンモニアなどの任意の適切な窒素含有ガスを含みうる。
【0071】
膜に窒素含有ガスを導入することは、窒素含有ガスを処理チャンバに、約50sccmから約600sccmなど、約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含みうる。幾つかの実施形態では、窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することは、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む。
【0072】
チャンバハードウェア
本開示の方法は、電子デバイスの製造における基板処理に利用される基板処理チャンバ内で実施することができる。基板処理には、堆積プロセス、エッチングプロセス、並びに基板上に電子デバイスを製造するために用いられる他の低圧プロセス、プラズマプロセス、及び熱プロセスが含まれる。
【0073】
図2は、シーズニングプロセスを実施するのに適した例示的な処理チャンバ200の概略的な側面断面図である。一実施形態では、処理チャンバ200は、ハードマスク膜、例えばアモルファスカーボンのハードマスク膜などの高度なパターニング膜を基板上に堆積するように構成することができる。処理チャンバ200は、リッド300、チャンバ本体292上に配置されたスペーサ210、基板支持体215、及び可変圧力システム220を含む。処理容積260は、リッド300及び基板支持体215との間のスペーサ210の内側に存在する。
【0074】
リッド300は第1の処理ガス源240に連結される。第1の処理ガス源240は、基板支持体215上に支持された基板218上に膜を形成するための前駆体ガスなどの処理ガスを含みうる。一例として、前駆体ガスは炭素含有ガスを含みうる。一例として、前駆体ガスは、不活性ガスを含みうる。一例として、前駆体ガスはヘリウムを含みうる。一例として、前駆体ガスは、1つ以上の他のガスを含みうる。一例として、前駆体ガスはガスの組合せを含みうる。幾つかの実施形態では、前駆体ガスはアセチレン(C2H2)を含む。
【0075】
第2の処理ガス源242は、スペーサ210を通って配置された入口244を介して処理容積260に流体的に連結される。一例として、第2の処理ガス源242は、前駆体ガスなどの処理ガスを含みうる。一例として、前駆体ガスは炭素含有ガスを含みうる。一例として、前駆体ガスは、不活性ガスを含みうる。一例として、前駆体ガスはヘリウムを含みうる。一例として、前駆体ガスは、1つ以上の他のガスを含みうる。一例として、前駆体ガスはガスの組合せを含みうる。幾つかの実施形態では、前駆体ガスはC2H2を含む。
【0076】
幾つかの実施形態では、ウエハなどの基板上への堆積のため、処理容積260への前駆体ガスの総流量は、約200sccmから約2slmでありうる。幾つかの実施形態では、第2の処理ガス源242から処理容積160への前駆体ガスの流量は、合わされた前駆体ガスが処理容積260内に均一に分布するように、第1の処理ガス源240から処理容積260への前駆体ガスの流量を調節することができる。スペーサ210の周りで円周方向に、複数の入口244が分散されている。一例では、入口244の各々へのガス流は、処理容積260内の前駆体ガスの均一な分布をさらに促進するために、個別に制御することができる。
【0077】
リッド300はプレート302を含む。プレート302は、ライザ205を介してスペーサ210に連結されるが、ライザ205は省略されてもよく、プレート302がスペーサ210に直接連結されてもよいことが企図されている。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、ライザ205はプレート302と一体化されていてもよい。リッド300は熱交換器224を含む。熱交換器224は、プレート302に取り付けることができ、又はプレート302と一体化されていてもよい。熱交換器224は、入口226及び出口228を含む。熱交換器224がプレート302と一体化されている実施形態では、熱交換流体は、入口226からプレート302に形成されたチャネル230を通り、出口228の外へと流れうる。
【0078】
プレート302は、マニホールド246に結合されるか、又はマニホールド246と一体化される。プレート302は、導管250を通るプラズマの流れを容易にする軸方向の貫通孔252を有する、混合アンプルなどの導管250によって遠隔プラズマ源262に連結される。導管250はマニホールド246に連結されたものとして示されているが、マニホールド246は、導管250がプレート302に直接連結することができるように、導管250と一体化されうることが企図されている。マニホールド246は、第1の処理ガス源240及びパージガス源256に連結される。第1の処理ガス源240及びパージガス源256の両方が、バルブ(図示せず)によってマニホールド246に連結されうる。
【0079】
リッド300は遠隔プラズマ源262に連結されうるが、幾つかの実施形態では、遠隔プラズマ源262は省略されてもよい。存在する場合、遠隔プラズマ源262は、処理容積260に洗浄ガスを提供するための供給ラインを介して洗浄ガス源266に連結されうる。遠隔プラズマ源262が存在しない場合、洗浄ガス源266は導管250に直接連結されてもよい。遠隔プラズマ源262が存在しない場合、洗浄ガス源266は導管250に間接的に連結されうる。洗浄ガスは導管250を通じて供給されうる。加えて又は代替的に、幾つかの実施形態では、洗浄ガスは、前駆体ガスを処理容積260内にも運ぶ、チャネルを通じて提供される。一例として、洗浄ガスは、分子酸素(O2)及び/又はオゾン(O3)などの酸素含有ガスを含みうる。一例として、洗浄ガスは、NF3などのフッ素含有ガスを含みうる。一例として、洗浄ガスは、1つ以上の他のガスを含みうる。一例として、洗浄ガスは、ガスの組合せを含みうる。
【0080】
基板支持体215はRF電源270に連結される。RF電源270は、低周波RF電源(例えば、約2MHzから約13.56MHz)でありうる。他の周波数も想定されていることに留意されたい。幾つかの実装形態では、RF電源270は、高周波電力及び低周波電力の両方を提供する、混合周波RF電源である。二周波RF電源の利用により、膜の堆積が向上する。一例では、RF電源270の利用により、二周波電力が供給される。約2MHzから約13.56MHzの第1の周波数は、堆積された膜への化学種の注入を改善し、一方、約13.56MHzから約120MHzの第2の周波数は、イオン化及び膜の堆積速度を増加させる。
【0081】
RF電源270は、処理容積260内にプラズマを生成又は維持する際に利用することができる。例えば、RF電源270は、堆積プロセス中に利用することができる。堆積又はエッチングプロセス中、RF電源270は、前駆体ガスのイオン化を促進するために、処理容積260内に約100ワット(W)から約20,000Wの電力を供給する。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、RF電源270はパルス化される。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、堆積のための前駆体ガスは、ヘリウム及びアセチレンを含む。本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、堆積のため、アセチレンが約10sccmから約1,000sccmの流量で供給され、ヘリウムが約50sccmから約10,000sccmの流量で供給される。
【0082】
基板支持体215は、そのZ方向への移動をもたらすアクチュエータ272(すなわち、リフトアクチュエータ)に連結される。基板支持体215はまた、第2のRF電源270並びに他の電力及び流体接続との通信を維持しつつ、基板支持体215の垂直移動を可能にする、可撓性の設備ケーブル278に結合される。スペーサ210はチャンバ本体292上に配置される。スペーサ210の高さは、処理容積260内で基板支持体215の垂直方向の移動を可能にする。処理容積260は、チャンバの内径を画成する。幾つかの実施形態では、チャンバの内径は、約15インチから約20インチなど、約10インチから約25インチである。スペーサ210の高さは、約0.5インチから約20インチ、例えば約3インチから約20インチ、例えば約5インチから約15インチ、例えば約7インチから約10インチなどでありうる。一例では、基板支持体215は、リッド300に対して(例えば、プレート302のデータム280に対して)第1の距離274から第2の距離276まで移動可能である。他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、第2の距離276は第1の距離274の約3分の2である。例えば、第1の距離274と第2の距離との間の差は、約5インチから約6インチでありうる。したがって、
図1に示される位置から、基板支持体215は、プレート302のデータム280に対して約5インチから約6インチ移動可能である。別の例では、基板支持体215は、第1の距離274及び第2の距離276の一方に固定される。
【0083】
従来のプラズマ化学気相堆積(PECVD)プロセスとは対照的に、スペーサ210は、基板支持体215とリッドアセンブリ300との間の距離(したがって、その間の容積)を大幅に増加させる。基板支持体215とリッド300との間の距離が増加すると、処理容積260内でのイオン化された核種の衝突が減少し、その結果、内在応力が少ない膜の堆積をもたらす。より少ない内在応力で堆積された膜は、膜が形成される基板の平坦性の改善(例えば、より少ない反り)を促進する。基板の反りが低減されると、下流のパターニング動作の精度の向上をもたらす。
【0084】
可変圧力システム220は、第1のポンプ282及び第2のポンプ284を含む。第1のポンプ282は、洗浄プロセス及び/又は基板移送プロセス中に利用することができる粗引きポンプである。粗引きポンプは、概して、より高い体積流量を移動させるため、及び/又は比較的高い(が、まだ大気圧未満である)圧力を動作させるために構成される。一例では、第1のポンプ282は、洗浄プロセス中、処理チャンバ200内の圧力を50mTorr未満に維持する。別の例では、第1のポンプ282は、処理チャンバ200内の圧力を約0.5mTorrから約10Torrに維持する。洗浄動作中の粗引きポンプの利用は、(堆積動作と比較して)洗浄ガスの比較的高い圧力及び/又は体積流量を容易にする。洗浄動作中の比較的高い圧力及び/又は体積流量は、チャンバ表面の洗浄を改善する。
【0085】
第2のポンプ284は、ターボポンプ又はクライオゼニックポンプでありうる。第2のポンプ284は堆積プロセス中に利用される。第2のポンプ284は、概して、比較的低い体積流量及び/又は圧力を動作させるように構成される。例えば、第2のポンプ284は、処理チャンバの処理容積260を約50mTorr未満の圧力に維持するように構成される。別の例では、第2のポンプ284は、処理チャンバ内の圧力を約0.5mTorrから約10Torrに維持する。堆積中に維持される処理容積260の減圧は、炭素ベースのハードマスクを堆積するときに、中立応力が低減した、及び/又はsp2-sp3変換が増加した膜の堆積を促進する。したがって、処理チャンバ200は、堆積又はシーズニングを改善するための比較的低い圧力と、洗浄を改善するための比較的高い圧力の両方を利用するように構成される。
【0086】
本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、処理チャンバの処理容積260を約50mTorrr未満の圧力に維持するために、第1のポンプ282及び第2のポンプ284の両方が堆積プロセス中に利用される。他の実施形態では、第1のポンプ282及び第2のポンプ284は、処理容積260を約0.5mTorrから約10Torrの圧力で維持する。第1のポンプ282及び第2のポンプ284の一方又は両方へのコンダクタンス経路を制御するために、バルブ286が利用される。バルブ286はまた、処理容積260からの対称的なポンピングを提供する。
【0087】
処理チャンバ200はまた、基板移送ポート285も含む。基板移送ポート285は、内部ドア290及び/又は外部ドア291によって選択的に密封される。ドア290及び291の各々は、アクチュエータ288(すなわち、ドアアクチュエータ)に連結される。ドア290及び291は、処理容積260の減圧密封を促進する。ドア90及び291はまた、処理容積260内に対称的なRF適用及び/又はプラズマ対称性も提供する。一例では、少なくとも内部ドア290は、ステンレス鋼、アルミニウム、又はそれらの合金など、RF電力のコンダクタンスを促進する材料で形成される。スペーサ210とチャンバ本体292とのインターフェースに配置されたOリングなどのシール293は、処理容積260をさらに密封する。コントローラ294は、処理中、処理チャンバ200の態様を制御するように構成される。
【0088】
コントローラ294は、プロセッサベースのシステムコントローラでありうる。例えば、コントローラ294は、処理チャンバ200の部品及び処理パラメータを制御するように構成することができる。コントローラ294は、プロセスの制御を容易にするように処理チャンバ200のさまざまな部品に連結された、メモリ及び大容量記憶装置とともに動作可能であるプログラム可能な中央処理装置(CPU)、入力制御ユニット、表示ユニット、電源、クロック、キャッシュ、入出力(I/O)回路などを含むことができる。
【0089】
図3Aは、幾つかの実施形態のリッド300の部分断面図である。
図3Aに示されるように、バッフル258は省略されてもよい。リッド300はプレート302を含む。プレート302は、第1の表面304、及び第1の表面304とは反対側の第2の表面306を有する。幾つかの実施形態では、プレート302の第2の表面306は、形状化又は輪郭付けされていてもよい。プレート302は、第1の表面304に凹部308を有しうる。凹部308は、開口部310と、該開口部310からプレート302内の床316まで延在する側壁312とを有する。幾つかの実施形態では、開口部310は円を画成する。以下の幾何学的説明の目的で、プレート302は、第1の表面304に対してほぼ垂直であり、したがって第1の表面304と第2の表面306との間に延びる、軸314を有しうる。
【0090】
図3Aに示されるように、側壁312は、開口部310から床316まで、軸314に平行な基準線314’に対して鋭角318に延在する。したがって、側壁312は、開口部310から床316まで、軸314に対して鋭角318に延在する。しかしながら、側壁312は、開口部310から床316まで、軸314とほぼ平行に延在しうることが企図されている。鋭角318は、0から80度の間、例えば0から70度の間、例えば0から60度の間、例えば0から50度の間、例えば0から40度の間、例えば0から30度、例えば0から20度の間、例えば0から10度の間でありうる。幾つかの実施形態では、
図3Aに示されるように、側壁312は、開口部310の断面積が床316の断面積よりも小さくなるように開口部310から床316まで延在して、円錐台形状を画成することができる。
【0091】
孔322のアレイ320は、凹部308からプレート302を通って第2の表面306まで延びる。各孔322は、凹部308の対応する入口324から 第2の表面306の対応する出口326まで延びる。各入口324は凹部308の床316に位置する。しかしながら、各入口324は凹部308の側壁312に位置していてもよく、又は各入口324は凹部308の側壁312と床316との交点に位置してもよいことが企図されている。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の1つ以上の孔322の入口324は、床316、側壁312、又は床316と側壁312との交点のうちの1つに位置してもよく、孔322のアレイ320の1つ以上の他の孔322の入口324は、床316、側壁312、又は床316と側壁312との交点のうちの別の場所に位置してもよい。言い換えれば、アレイ320は、各々が入口324を有する複数の孔322を有しており、ここで、入口324は、独立して、床316、側壁312、又は床316と側壁312との交点のうちの1つに位置する。
【0092】
各孔322は、軸314に対して鋭角328でプレート302を通って延びる軌道を有する。鋭角328は、0から80度、例えば0から70度、例えば0から60度、例えば0から50度、例えば0から40度、例えば0から30度、例えば0から20度、例えば0から10度である。しかしながら、少なくとも1つの孔322は、軸314に平行な軌道を有してもよいことが企図されている。さらには、各孔322は、軸314に平行な軌道を有してもよいことが企図されている。
【0093】
図3Aに示されるように、第2の表面306は突出部330を含む。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、各出口326は、突出部330に位置しうる。しかしながら、他の構成も企図されている。例えば、各出口326は突出部330に位置していなくてもよく、又は各出口326は突出部330の基部に位置していてもよい。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の1つ以上の孔322の出口326は、突出部330、突出部330の基部、又は突出部330から離れた第2の表面306の一部のうちの1つに位置してもよく、孔322のアレイ320の1つ以上の他の孔322の出口326は、突出部330、突出部330の基部、又は突出部330から離れた第2の表面306の一部のうちの別の場所に位置してもよい。言い換えれば、アレイ320は、各々が出口326を有する複数の孔322を有しており、ここで、各出口326は、独立して、突出部330、突出部330の基部、又は突出部330から離れた第2の表面306の一部に位置する。
【0094】
突出部330は、側面332と端面334とを有する円錐台の形状をしているが、他の構成も企図されている。幾つかの実施形態では、突出部330は、球、楕円体、又は円柱の一部のような形状でありうる。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、各出口326は側面332に位置していてもよく、又は各出口326は端面334に位置していてもよく、あるいは、各出口326は側面332と端面334との交点2に位置していてもよい。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の1つ以上の孔322の出口326は、側面332、端面334、又は側面332と端面334との交点のうちの1つに位置してもよく、孔322のアレイ320の1つ以上の他の孔322の出口326は、側面332、端面334、及び側面332と端面334との交点のうちの別の場所に位置してもよい。言い換えれば、アレイ320は、各々が、独立して、側面332、端面334、又は側面332と端面334との交点のうちの1つに位置する出口326を有する、複数の孔322を有する。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、出口326が側面332に位置する各孔322の軌道が側面332と交差する角度336は、ほぼ90度でありうる。
【0095】
プレート302は、突出部330(存在する場合)と孔322のアレイ320とを含む、中央に位置したシャワーヘッド340を含む。
図3Aに示されるように、シャワーヘッド340はプレート302と一体化している。しかしながら、シャワーヘッド340は、プレート302に永久的に取り付けられてもよく、又はプレート302に取り外し可能に取り付けられてもよいことが企図されている。シャワーヘッド340及びプレート302の配置は、特にシャワーヘッド340がプレート302と一体化している実施形態では、処理容積260の筐体全体(プレート302、ライザ205(存在する場合)、及びスペーサ210を含む)が、使用中に完全に接地することを容易にし、それによって寄生プラズマの生成を抑制する。
【0096】
孔322のアレイ320は、孔322の単一のリングとして、又は孔322の複数のリングに配置されうる。孔322のアレイ320の孔322は、リング状に実質的に均一な間隔で配置することができる。孔322のアレイ320の孔322は、リング状に不均一な間隔で配置することができる。孔322の複数のリングを利用する場合、孔322の複数のリングは、同心であっても、非同心であってもよく、又はクラスタとして配置されてもよい。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322の複数のリングのうちの幾つかのリングは、同心、非同心、及びクラスタ状のうちの1つとして配置されてよく、孔322の複数のリングの他のリングは、同心、非同心、及びクラスタ状のうちの別のものとして配置されうる。
【0097】
孔322の他の配置もまた企図されている。例えば、孔322のアレイ320の孔322の少なくとも幾つかは、線、三角形、四角形、五角形、六角形などの他の幾何学的パターンへと配置されてもよい。加えて又は代替的に、孔322のアレイ320の少なくとも幾つかの孔322は、隣接した孔322の対の間に1つ以上の均一な間隔寸法を表示するパターンなど、規則的なパターンを画成する孔322のクラスタとして配置されてもよい。加えて又は代替的に、孔322のアレイ320の少なくとも幾つかの孔322は、隣接した孔322の対の間に不均一な間隔寸法を表示するパターンなど、不規則的なパターンを画成する孔322のクラスタとして配置されてもよい。
【0098】
図3Bに示されるように、孔322のアレイ320は、孔322の2つのリングである、第1のリング342及び第2のリング348として配置される。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の各孔322の軌道の角度328は、例えば互いに1度以内で、実質的に同じでありうる。しかしながら、孔322のアレイ320の幾つかの孔322の軌道の角度328は、孔322のアレイ320の他の孔322の軌道の角度328とは異なっていてもよいことが企図されている。
【0099】
孔322のアレイ320の各孔322の直径は、標準製造公差によって決定して、各他の孔322の直径とほぼ同じでありうる。しかしながら、孔322のアレイ320の直径は、孔322のアレイ320の他の孔322の直径とは異なっていてもよいことが企図されている。例えば、第1の直径を有する孔322は、第1のクラスタ又は幾何学形状又はパターンへと配置されてよく、第1の直径とは異なる第2の直径を有する孔322は、第2のクラスタ又は幾何学形状又はパターンへと配置されうる。このような例では、第1のクラスタ又は幾何学形状又はパターンは、第2のクラスタ又は幾何学形状又はパターンのサイズ、形状、及び/又はパターンと同様のサイズ、形状、及び/又はパターンを有しうる。加えて又は代替的に、第1のクラスタ又は幾何学形状又はパターンは、第2のクラスタ又は幾何学形状又はパターンのサイズ、形状、及び/又はパターンとは異なるサイズ、形状、及び/又はパターンを有しうる。
【0100】
他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の各孔322の直径は、実質的に均一でありうる。幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の各孔322の直径は、実質的に不均一でありうる。例えば、各孔322の直径は、各入口324におけるより大きい直径から各出口326におけるより小さい直径へとテーパ状になっていてもよい。あるいは、各孔322の直径は、各入口324におけるより小さい直径から各出口326におけるより大きい直径へとテーパ状になっていてもよい。あるいは、各孔322の直径は、各孔322の長さの一部に沿って均一であってもよく、入口324における各孔322の直径が出口326における各孔322の直径より大きく又は小さくなりうるように、異なる直径へと移行してもよい。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の幾つかの孔322の直径は、実質的に均一であってよく、孔322のアレイ320の他の孔322の直径は実質的に不均一であってもよい。
【0101】
孔322のアレイ320の各孔322のサイジングは、孔322の長さ、孔322の直径、孔322の長さに沿った孔322の直径の変化、又は各孔322の軌道のうちのいずれか1つ以上を決定することによって選択することができる。他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又はサイジングは、1つ以上の所定の動作パラメータ又は制約に従って選択することができる。例えば、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又はサイジングは、1つ以上の所定の動作パラメータ又は制約の値の1つ以上の範囲に従って選択することができる。例となる動作パラメータ又は制約は、動作中に生成されるプラズマのシースの厚さ、各孔322の入口324におけるガスの圧力、各孔322の出口326におけるガスの圧力、各孔322を通るガスの平均速度、各孔322の入口324における各孔322内のガスの速度、各孔322の出口326における各孔322内のガスの速度、孔322を通るガスの総体積流量、孔322のアレイ320の孔322の群を通るガスの総体積流量などのうちのいずれか1つ以上を含みうるが、これらに限定されない。
【0102】
孔322のアレイ320の孔322の孔322及び/又はサイジングの数は、約0.01Torrから約10Torr、例えば約0.01Torrから約5Torr、例えば約0.01Torrから約3Torr、例えば約0.1Torrから約3Torr、例えば約1Torrから約3Torrである、各孔322の入口324におけるガスの圧力に従って選択することができる。
【0103】
孔322のアレイ320の孔322の孔322及び/又はサイジングの数は、約1mTorrから約1Torr、例えば約1mTorrから約0.5Torr、例えば約1mTorrから約0.1Torr、例えば約1mTorrから約50mTorr、例えば約1mTorrから約20mTorrである、各孔322の出口326におけるガスの圧力に従って選択することができる。
【0104】
さらに、孔322のアレイ320の孔322の数は、1つ以上の所定の動作パラメータ又は制約に従って選択することができ、孔322のサイジングは、1つ以上の他の所定の動作パラメータ又は制約に従って選択することができることが企図されている。例えば、各孔322の直径は、動作中に生成されるプラズマのシースの厚さ、各孔322の入口324におけるガスの圧力、各孔322の出口326におけるガスの圧力、各孔322を通るガスの平均速度、各孔322の入口324における各孔322内のガスの速度、各孔322の出口326における各孔322内のガスの速度などのうちのいずれか1つ以上に従って選択することができ;かつ、孔322のアレイ320の孔322の数は、各孔322の入口324におけるガスの圧力、各孔322の出口326におけるガスの圧力、各孔322を通るガスの平均速度、各孔322の入口324における各孔322内のガスの速度、各孔322の出口326における各孔322内のガスの速度、孔322を通るガスの総体積流量、孔322のアレイ320の孔322の1つの群を通るガスの総体積流量などのうちのいずれか1つ以上の別のものに従って選択することができる。
【0105】
他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態では、孔322のアレイ320の各孔322は、動作中に生成されるプラズマのシースの厚さの5倍以下、例えば動作中に生成されるプラズマのシースの厚さの4倍以下、例えば動作中に生成されるプラズマのシースの厚さの3倍以下、例えば動作中に生成されるプラズマのシースの厚さの2倍以下、例えば動作中に生成されるプラズマのシースの厚さ以下の直径を有するようにサイズ調整されうる。
【0106】
さらに、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又は直径は、各孔322の出口326における各孔322内のガスの速度がマッハ1未満未満であるがマッハ1の半分以上になるように選択されうることが企図されている。さらに、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又は直径は、各孔322の出口326における各孔322内のガスの速度が実質的にマッハ1に等しくなるように選択されうることが企図されている。さらに、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又は直径は、各孔322の出口326における各孔322内のガスの速度がマッハ1より大きく、マッハ2以下になるように選択されうることが企図されている。
【0107】
さらに、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又は直径は、各孔322の入口324における各孔322内のガスの速度がマッハ1未満になるように選択されうることが企図されている。さらに、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又は直径は、各孔322の入口324における各孔322内のガスの速度度が実質的にマッハ1に等しくなるように選択されうることが企図されている。さらに、孔322のアレイ320の孔322の数及び/又は直径は、各孔322の入口324における各孔322内のガスの速度がマッハ1より大きく、マッハ2以下になるように選択されうることが企図されている。
【0108】
図3Aに示されるように、アセンブリの一部は、リッド300のプレート302を含む。導管250がプレート302の第1の表面304に取り付けられる。導管250は、凹部308と実質的に位置合わせされた貫通孔252を有する。導管250は、1つ以上の締め具358によってプレート302の第1の表面304に取り付けられる。図示されるように、プレート302の第1の表面304は、ボルト、ネジ、スタッド、ダウエルピンなどの対応する締め具358を受け入れるための1つ以上の開口部362を含む。加えて又は代替的に、第1の表面304は、プレート302を導管250に接続するための1つ以上の突出部を含むことができ、該突出部はねじ付きであってよいことが企図されている。プレート302の第1の表面304のシール溝364が1つ以上の締め具358と凹部308との間に位置し、凹部308への開口部310を取り囲む。複数の締め具358を利用する場合、締め具358がシール溝364を取り囲むことが企図されている。
図3Aに示されるように、Oリングなどのシール部材366がシール溝364に取り付けられ、それによって、プレート302と導管250との間のインターフェースが密封される。シール部材366は、導管250の一部又はフランジ、又はマニホールド246などの導管250に関連する他の構造と接触しうるこことが企図されている。
【0109】
導管250は、遠隔プラズマ源262に結合されて示されており、その一部が
図3Aに示されている。貫通孔252は、遠隔プラズマ源262の出口368と実質的に位置合わせされうる。貫通孔252は、遠隔プラズマ源262の出口368からプレート302の第1の表面304へと導管250の長さに沿って実質的に均一な内径を有していてもよいが、しかしながら、
図3Aの例に示されるように、貫通孔252は、導管250 from 遠隔プラズマ源262の出口368からプレート302の第1の表面304へと導管250の長さに沿って途中に制限部370を含むことができることが企図されている。
【0110】
図3Aに示されるように、導管250にはマニホールド246が組み込まれる。マニホールド246は、バルブ372を介して第1の処理ガス源240に連結される。幾つかの実施形態では、マニホールド246は、導管250への処理ガスの単一の入口点を提供してもよいが、しかしながら、マニホールド246は、導管250への処理ガスの複数の入口点を提供することができることが企図されている。幾つかの実施形態では、マニホールド246はパージガス源256に連結することができるが、しかしながら、導管250は、マニホールド246以外の導管250の位置でパージガス源256に連結されてもよいことが企図されている。例えば、導管250は、該導管250の上端又はその近くの位置でパージガス源256に連結されてもよい。
図3Aに示されるように、導管250は、熱交換流体を運ぶように構成されたチューブなどの熱交換器374を含む。しかしながら、熱交換器374を省略してもよいことが企図されている。
【0111】
動作中、パージガス源256からのパージガス((一又は複数の)不活性ガス)は、導管250に入り、第1の処理ガス源240からのガスと混合される。合わされたガスは、導管250から流出し、プレート302の孔322を通って処理容積260に流入する。動作の洗浄サイクルには、導管250を通ってプレート302の孔322を通過し、処理容積260に流入する洗浄ガスが含まれる。合わされたガスがプレート302の孔322を通って処理容積260に流入する前に、洗浄ガスが導管250内でパージガスと混合されうることが企図されている。さらに、合わされたプラズマ及びガス流がプレート302の孔322を通って処理容積260に流入する前に、遠隔プラズマ源262からのプラズマが導管250に入り、導管250内でパージガスと混合されうることが企図されている。
【0112】
本開示の実施形態は、ある特定の望ましくない影響の低減又は排除など、処理チャンバ200の動作に多くの利益を提供する。望ましくない影響の例は、リッド300の上流にある部品を通過するための経路を提供するプレート302に関する。例えば、RFは、導管250、遠隔プラズマ源262を通り、洗浄ガス源266から遠隔プラズマ源262につながる供給ラインに入りうる。これは定在波プラズマの確立につながる可能性があり、それによって導管250、遠隔プラズマ源262、及び供給ライン内に堆積を引き起こしうる。
【0113】
本開示の実施形態によって軽減される別の望ましくない影響は、導管250、遠隔プラズマ源262、及び供給ラインへのラジカルの逆拡散を引き起こす、処理容積260の低い動作圧力及び低いガス速度に関する。このようなラジカルの逆拡散は、導管250、遠隔プラズマ源262、及び供給ライン内での堆積を引き起こすか、又は堆積に寄与する可能性がある。
【0114】
さらには、上記の望ましくない影響は、リッド300上、スペーサ210上、及び/又は基板218上及び基板218に堆積された膜上など、処理容積260内に浮遊堆積を引き起こす程度まで、処理チャンバ200の動作に影響を与える可能性がある。このような浮遊堆積は、基板218及び該基板218上に堆積された膜に欠陥をもたらす可能性がある。
【0115】
シャワーヘッド340及びプレート302の配置は、特にシャワーヘッド340がプレート302と一体化している実施形態では、処理容積260の筐体全体(プレート302、ライザ205(存在する場合)、及びスペーサ210を含む)が、使用中に完全に接地することを容易にし、それによって寄生プラズマの生成を抑制する。したがって、本開示の実施形態は、上流への不要なRFの縦走を抑制し、それによって定在波プラズマの生成を妨げ、寄生堆積を阻止することができる。
【0116】
加えて、本開示の実施形態は、リッド300を通って処理容積260に入るガスの速度を、ラジカルの逆拡散を抑制するのに十分な大きさに促進することができる。したがって、本開示の実施形態は、上流の浮遊堆積を阻止することができる。さらには、リッド300を通って処理容積260に入るガスの速度は、処理容積260内での浮遊堆積を抑制するのに十分な大きさにすることができ、それによって、基板218及び該基板218上に堆積された膜における欠陥の発生率及び規模を低減することができる。
【0117】
追加の態様
本開示は、とりわけ、以下の態様を提供し、各態様は、任意の代替的な態様を任意選択的に含むものとみなすことができる。
【0118】
第1項
処理チャンバをシーズニングする方法であって、
処理チャンバの部品の上にシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積すること、並びに
シーズニング膜の上に堆積膜を堆積すること
を含む、方法。
【0119】
第2項
温度が約100℃から約200℃である、第1項に記載の方法。
【0120】
第3項
温度が約250℃から約300℃である、第1項又は第2項に記載の方法。
【0121】
第4項
シーズニング膜を堆積することが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含み、かつ
堆積膜を堆積することが、第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含み、ここで、第2の炭素含有前駆体ガスは、第1の炭素含有前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、第2の不活性前駆体ガスは、第1の不活性前駆体ガスと同じであるか、又は異なっている、
第1項から第3項のいずれかに記載の方法。
【0122】
第5項
シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第1項から第4項のいずれかに記載の方法。
【0123】
第6項
シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、第2の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約200sccmから約400sccmの流量で流すことによって行われる、第1項から第5項のいずれかに記載の方法。
【0124】
第7項
シーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、約1kWから約6kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む、第1項から第6項のいずれかに記載の方法。
【0125】
第8項
第1の炭素含有前駆体ガス及び第2の炭素含有前駆体ガスがアセチレンを含む、第1項から第7項のいずれかに記載の方法。
【0126】
第9項
第1の不活性前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスがヘリウムを含む、第1項から第8項のいずれかに記載の方法。
【0127】
第10項
第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、
第1の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すこと、及び
第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに約150sccmから約800sccmの流量で流すこと
を含む、第1項から第9項のいずれかに記載の方法。
【0128】
第11項
部品の上にシーズニング膜を堆積することが、
第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すこと、及び
第1の流量比を第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第2の流量比に調整すること
を含む、第1項から第10項のいずれかに記載の方法。
【0129】
第12項
第1の流量比が約1:1から約1:2である、第1項から第11項のいずれかに記載の方法。
【0130】
第13項
第2の流量比が、約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10である、第1項から第12項のいずれかに記載の方法。
【0131】
第14項
第1の流量比を第2の流量比に調整することが、約1sccm/秒から約20sccm/秒の速度で行われる、第1項から第13項のいずれかに記載の方法。
【0132】
第15項
部品の上にシーズニング膜を堆積することが、
第1のRF電力をチャンバに供給すること、及び
第1のRF電力を第2のRF電力に調整すること
を含む、第1項から第14項のいずれかに記載の方法。
【0133】
第16項
第1のRF電力を第2のRF電力に調整することが、約20W/秒から約500W/秒の速度で行われる、第1項から第15項のいずれかに記載の方法。
【0134】
第17項
第1のRF電力及び第2のRF電力が、独立して、約1kWから約6kWである、第1項から第16項のいずれかに記載の方法。
【0135】
第18項
第1のRF電力が約1kWから約4kWであり、第2のRF電力が約4kWから約6kWである、第1項から第17項のいずれかに記載の方法。
【0136】
第19項
部品の上にシーズニング膜を堆積することが、
第1のRF電力をチャンバに供給すること、及び
第1のRF電力を第2のRF電力に調整すること
を含む、第1項から第18項のいずれかに記載の方法。
【0137】
第20項
第1のRF電力及び第2のRF電力が、独立して、約1kWから約6kWである、第1項から第19項のいずれかに記載の方法。
【0138】
第21項
シーズニング膜が約100nmから約700nmの厚さを有し、堆積膜が約500nmから約3ミクロンの厚さを有する、第1項から第20項のいずれかに記載の方法。
【0139】
第22項
処理チャンバの部品がウエハではない、第1項から第21項のいずれかに記載の方法。
【0140】
第23項
処理チャンバの部品が処理チャンバの壁である、第1項から第22項のいずれかに記載の方法。
【0141】
第24項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含み、ここで、窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行われる、第1項から第23項のいずれかに記載の方法。
【0142】
第25項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第1項から第24項のいずれかに記載の方法。
【0143】
第26項
窒素含有ガスがアンモニアを含む、第1項から第25項のいずれかに記載の方法。
【0144】
第27項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、窒素含有ガスを処理チャンバに約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含む、第1項から第26項のいずれかに記載の方法。
【0145】
第28項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む、第1項から第27項のいずれかに記載の方法。
【0146】
第29項
窒素ガスがアンモニアを含む、第1項から第28項のいずれかに記載の方法。
【0147】
第30項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含み、ここで、窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、シーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行われる、第1項から第29項のいずれかに記載の方法。
【0148】
第31項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第1項から第30項のいずれかに記載の方法。
【0149】
第32項
窒素含有ガスがアンモニアを含む、第1項から第31項のいずれかに記載の方法。
【0150】
第33項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、窒素含有ガスを処理チャンバに約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含む、第1項から第32項のいずれかに記載の方法。
【0151】
第34項
窒素含有ガスをシーズニング膜に導入することが、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む、第1項から第33項のいずれかに記載の方法。
【0152】
第35項
窒素ガスがアンモニアを含む、第1項から第34項のいずれかに記載の方法。
【0153】
第36項
処理チャンバをシーズニングする方法であって、
処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積すること、
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積すること、及び
第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積すること
を含み、ここで、
第1のシーズニング膜を堆積することが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含む、
方法。
【0154】
第37項
温度が約100℃から約200℃である、第36項に記載の方法。
【0155】
第38項
温度が約250℃から約300℃である、第36項又は第37項に記載の方法。
【0156】
第39項
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第36項から第38項のいずれかに記載の方法。
【0157】
第40項
第2のシーズニング膜を堆積することが、第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含み、かつ
堆積膜を堆積することが、第3の炭素含有前駆体ガス及び第3の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含み、
ここで、
第2の炭素含有前駆体ガスは、第1又は第3の炭素含有前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、第2の不活性前駆体ガスは、第1又は第3の不活性前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、かつ
第3の炭素含有前駆体ガスは、第1又は第2の炭素含有前駆体ガスと同じであるか、又は異なっており、第3の不活性前駆体ガスは、第1又は第2の不活性前駆体ガスと同じであるか、又は異なっている、
第36項から第39項のいずれかに記載の方法。
【0158】
第41項
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含み、かつ
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することが、第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比を第2の流量比に調整することを含む、
第36項から第40項のいずれかに記載の方法。
【0159】
第42項
第1の流量比が約1:1から約1:2である、第36項から第41項のいずれかに記載の方法。
【0160】
第43項
第2の流量比が約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10である、第36項から第42項のいずれかに記載の方法。
【0161】
第44項
第1の流量比を第2の流量比に調整することが、約1秒以下の速度で行われる、第36項から第43項のいずれかに記載の方法。
【0162】
第45項
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することが、第1のRF電力をチャンバに供給することを含み、かつ
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することが、第1のRF電力を第2のRF電力に調整することを含む、
第36項から第44項のいずれかに記載の方法。
【0163】
第46項
第1のRF電力を第2のRF電力に調整することが、約1秒以下の速度で行われる、第36項から第45項のいずれかに記載の方法。
【0164】
第47項
第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第36項から第46項のいずれかに記載の方法。
【0165】
第48項
第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、第3の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約200sccmから約400sccmの流量で流すことによって行われる、第36項から第47項のいずれかに記載の方法。
【0166】
第49項
第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、約1kWから約6kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む、第36項から第48項のいずれかに記載の方法。
【0167】
第50項
第1の炭素含有前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、及び第3の炭素含有前駆体ガスがアセチレンを含む、第36項から第49項のいずれかに記載の方法。
【0168】
第51項
第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、及び第3の不活性前駆体ガスがヘリウムを含む、第36項から第50項のいずれかに記載の方法。
【0169】
第52項
第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、
第1の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すこと、及び
第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに約150sccmから約800sccmの流量で流すこと
を含む、第36項から第51項のいずれかに記載の方法。
【0170】
第53項
第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、
第2の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すことであって、第2の炭素含有前駆体ガスの流量が第1の炭素含有前駆体ガスの流量とは異なる、第2の炭素含有前駆体ガスを流すこと、及び
第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに約150sccmから約800sccmの流量で流すことであって、第2の不活性前駆体ガスの流量が第1の不活性前駆体ガスの流量とは異なる、第2の不活性前駆体ガスを流すこと
を含む、第36項から第52項のいずれかに記載の方法。
【0171】
第54項
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することが、第1のRF電力をチャンバに供給することを含み、かつ
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することが、第2のRF電力をチャンバに提供することを含み、ここで、第2のRF電力が第1のRF電力とは異なる、
第36項から第53項のいずれかに記載の方法。
【0172】
第55項
第1のRF電力及び第2のRF電力が、独立して、約1kWから約6kWである、第36項から第54項のいずれかに記載の方法。
【0173】
第56項
第1のRF電力が約1kWから約3kWであり、第2のRF電力が約3kWから約6kWである、第36項から第55項のいずれかに記載の方法。
【0174】
第57項
第1のシーズニング膜及び第2のシーズニング膜が合わせて約100nmから約700nmの厚さを有し、堆積膜が約500nmから約3ミクロンの厚さを有する、第36項から第56項のいずれかに記載の方法。
【0175】
第58項
処理チャンバの部品がウエハではない、第36項から第57項のいずれかに記載の方法。
【0176】
第59項
処理チャンバの部品が処理チャンバの壁である、第36項から第58項のいずれかに記載の方法。
【0177】
第60項
窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含み、ここで、窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することが、第2のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行われる、第36項から第59項のいずれかに記載の方法。
【0178】
第61項
窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第36項から第60項のいずれかに記載の方法。
【0179】
第62項
窒素含有ガスがアンモニアを含む、第36項から第61項のいずれかに記載の方法。
【0180】
第63項
窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することが、窒素含有ガスを処理チャンバに約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含む、第36項から第62項のいずれかに記載の方法。
【0181】
第64項
窒素含有ガスを第2のシーズニング膜に導入することが、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む、第36項から第63項のいずれかに記載の方法。
【0182】
第65項
窒素ガスがアンモニアを含む、第36項から第64項のいずれかに記載の方法。
【0183】
第66項
処理チャンバをシーズニングする方法であって、
処理チャンバの部品の上に第1のシーズニング膜を、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満又は約200℃から約400℃の温度で堆積すること、
第1のシーズニング膜の上に複数の追加のシーズニング膜を堆積すること、並びに
複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積すること
を含み、ここで、
第1のシーズニング膜を堆積することが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことを含む、
方法。
【0184】
第67項
温度が約100℃から約200℃である、第66項に記載の方法。
【0185】
第68項温度が約250℃から約300℃である、第66項又は第67項に記載の方法。
【0186】
第69項
複数の追加のシーズニング膜を堆積することが、
第2の炭素含有前駆体ガス及び第2の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積すること、
第3の炭素含有前駆体ガス及び第3の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第2のシーズニング膜の上に第3のシーズニング膜を堆積すること、
第4の炭素含有前駆体ガス及び第4の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第3のシーズニング膜の上に第4のシーズニング膜を堆積すること
を含み、ここで、
第2、第3、及び第4の炭素含有前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっており、かつ
第2、第3、及び第4の不活性前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっている、
第66項から第68項のいずれかに記載の方法。
【0187】
第70項
複数の追加のシーズニング膜を堆積することが、
第5の炭素含有前駆体ガス及び第5の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第4のシーズニング膜の上に第5のシーズニング膜を堆積すること、
第6の炭素含有前駆体ガス及び第6の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第5のシーズニング膜の上に第6のシーズニング膜を堆積すること、
第7の炭素含有前駆体ガス及び第7の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第6のシーズニング膜の上に第7のシーズニング膜を堆積すること、並びに
第8の炭素含有前駆体ガス及び第8の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことによって、第7のシーズニング膜の上に第8のシーズニング膜を堆積すること
を含み、ここで、
第5、第6,第7、及び第8の炭素含有前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっており、かつ
第5、第6,第7、及び第8の不活性前駆体ガスは、独立して、互いに同じであるか、又は互いに異なっている、
第66項から第69項のいずれかに記載の方法。
【0188】
第71項
複数の追加のシーズニング膜の各シーズニング膜は、複数の追加のシーズニング膜の隣接したシーズニング膜とは異なる内在応力を有する、第66項から第70項のいずれかに記載の方法。
【0189】
第72項
複数の追加のシーズニング膜のうちの1つ以上のシーズニング膜を堆積することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第66項から第71項のいずれかに記載の方法。
【0190】
第73項
複数の追加のシーズニング膜の各シーズニング膜を堆積することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第66項から第72項のいずれかに記載の方法。
【0191】
第74項
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することが、第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比で流すことを含み、
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することが、第1の炭素含有前駆体ガスと第1の不活性前駆体ガスとの第1の流量比を第2の流量比に調整することを含み、
第2のシーズニング膜の上に第3のシーズニング膜を堆積することが、第2の炭素含有前駆体ガスと第2の不活性前駆体ガスとの第2の流量比を第3の流量比に調整することを含み、かつ
第3のシーズニング膜の上に第4のシーズニング膜を堆積することが、第3の炭素含有前駆体ガスと第3の不活性前駆体ガスとの第3の流量比を第4の流量比に調整することを含む、
第66項から第73項のいずれかに記載の方法。
【0192】
第75項
第1の流量比及び第3の流量比が、独立して、約1:1から約1:2である、第66項から第74項のいずれかに記載の方法。
【0193】
第76項
第2の流量比及び第4の流量比が、約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10である、第66項から第75項のいずれかに記載の方法。
【0194】
第77項
第1の流量比を第2の流量比に、第2の流量比を第3の流量比に、及び第3の流量比を第4の流量比に調整することが、独立して約1秒以下の速度で行われる、第66項から第76項のいずれかに記載の方法。
【0195】
第78項
第4のシーズニング膜の上に第5のシーズニング膜を堆積することが、第5の炭素含有前駆体ガス及び第5の不活性前駆体ガスを第5の炭素含有前駆体ガスと第5の不活性前駆体ガスとの第5の流量比で流すことを含み、
第5のシーズニング膜の上に第6のシーズニング膜を堆積することが、第5の炭素含有前駆体ガスと第5の不活性前駆体ガスとの第5の流量比を第6の流量比に調整することを含み、
第6のシーズニング膜の上に第7のシーズニング膜を堆積することが、第6の炭素含有前駆体ガスと第6の不活性前駆体ガスとの第6の流量比を第7の流量比に調整することを含み、かつ
第7のシーズニング膜の上に第8のシーズニング膜を堆積することが、第7の炭素含有前駆体ガスと第7の不活性前駆体ガスとの第7の流量比を第8の流量比に調整することを含む、
第66項から第77項のいずれかに記載の方法。
【0196】
第79項
第5の流量比及び第7の流量比が、独立して、約1:1から約1:2である、第66項から第78項のいずれかに記載の方法。
【0197】
第80項
第6の流量比及び第8の流量比が、約10:1から約1:1、又は約1:2から約1:10である、第66項から第79項のいずれかに記載の方法。
【0198】
第81項
第1の流量比を第2の流量比に、第2の流量比を第3の流量比に、第3の流量比を第4の流量比に、第4の流量比を第5の流量比に、第5の流量比を第6の流量比に、第6の流量比を第7の流量比に、かつ第7の流量比を第8の流量比に調整することが、独立して約1秒以下の速度で行われる、第66項から第80項のいずれかに記載の方法。
【0199】
第82項
部品の上に第1のシーズニング膜を堆積することが、第1のRF電力をチャンバに供給することを含み、
第1のシーズニング膜の上に第2のシーズニング膜を堆積することが、第1のRF電力を第2のRF電力に調整することを含み、
第2のシーズニング膜の上に第3のシーズニング膜を堆積することが、第2のRF電力を第3のRF電力に調整することを含み、かつ
第3のシーズニング膜の上に第4のシーズニング膜を堆積することが、第3のRF電力を第4のRF電力に調整することを含む、
第66項から第81項のいずれかに記載の方法。
【0200】
第83項
第1のRF電力を第2のRF電力に、第2のRF電力を第3のRF電力に、及び第3のRF電力を第4のRF電力に調整することが、独立して、約1秒以下の速度で行われる、第66項から第82項のいずれかに記載の方法。
【0201】
第84項
第1のRF電力、第2のRF電力、第3のRF電力、及び第4のRF電力が、独立して、約1kWから約6kWである、第66項から第83項のいずれかに記載の方法。
【0202】
第85項
第1のRF電力及び第3のRF電力が、独立して、約1kWから約3kWであり、かつ
第2のRF電力及び第4のRF電力が、独立して、約3kWから約6kWである、
第66項から第84項のいずれかに記載の方法。
【0203】
第86項
第4のシーズニング膜の上に第5のシーズニング膜を堆積することが、第4のRF電力を第5のRF電力に調整することを含み、
第5のシーズニング膜の上に第6のシーズニング膜を堆積することが、第5のRF電力を第6のRF電力に調整することを含み、
第6のシーズニング膜の上に第7のシーズニング膜を堆積することが、第6のRF電力を第7のRF電力に調整することを含み、かつ
第7のシーズニング膜の上に第8のシーズニング膜を堆積することが、第7のRF電力を第8のRF電力に調整することを含む、
第66項から第85項のいずれかに記載の方法。
【0204】
第87項
第1のRF電力を第2のRF電力に、第2のRF電力を第3のRF電力に、第3のRF電力を第4のRF電力に、第4のRF電力を第5のRF電力に、第5のRF電力を第6のRF電力に、第6のRF電力を第7のRF電力に、及び第7のRF電力を第8のRF電力に調整することが、独立して、約1秒以下の速度で行われる、第66項から第86項のいずれかに記載の方法。
【0205】
第88項
第1のRF電力、第2のRF電力、第3のRF電力、第4のRF電力、第5のRF電力、第6のRF電力、第7のRF電力、及び第8のRF電力が、独立して、約1kWから約6kWである、第66項から第87項のいずれかに記載の方法。
【0206】
第89項
第1のRF電力、第3のRF電力、第5のRF電力、及び第7のRF電力が、独立して、約1kWから約3kWであり、かつ
第2のRF電力、第4のRF電力、第6のRF電力、及び第8のRF電力が、独立して、約3kWから約6kWである、
第66項から第88項のいずれかに記載の方法。
【0207】
第90項
第1の炭素含有前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、及び第4の炭素含有前駆体ガスがアセチレンを含む、第66項から第89項のいずれかに記載の方法。
【0208】
第91項
第1の炭素含有前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、第4の炭素含有前駆体ガス、第5の炭素含有前駆体ガス、第6の炭素含有前駆体ガス、第7の炭素含有前駆体ガス、及び第8の炭素含有前駆体ガスが、アセチレンを含む、第66項から第90項のいずれかに記載の方法。
【0209】
第92項
第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、及び第4の不活性前駆体ガスが、ヘリウムを含む、第66項から第91項のいずれかに記載の方法。
【0210】
第93項
第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、第4の不活性前駆体ガス、第5の不活性前駆体ガス、第6の不活性前駆体ガス、第7の不活性前駆体ガス、及び第8の不活性前駆体ガスが、ヘリウムを含む、第66項から第92項のいずれかに記載の方法。
【0211】
第94項
第1の炭素含有前駆体ガス及び第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、
第1の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約100sccmから約600sccmの流量で流すこと、及び
第1の不活性前駆体ガスを処理チャンバに約150sccmから約800sccmの流量で流すこと
を含む、第66項から第93項のいずれかに記載の方法。
【0212】
第95項
第1の不活性前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、及び第4の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、独立して、約100sccmから約600sccmの流量で行われ、かつ
第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、及び第4の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、独立して、約150sccmから約800sccmの流量で行われる、
第66項から第94項のいずれかに記載の方法。
【0213】
第96項
第1の不活性前駆体ガス、第2の炭素含有前駆体ガス、第3の炭素含有前駆体ガス、第4の炭素含有前駆体ガス、第5の炭素含有前駆体ガス、第6の炭素含有前駆体ガス、第7の炭素含有前駆体ガス、及び第8の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、独立して、約100sccmから約600sccmの流量で行われ、かつ
第1の不活性前駆体ガス、第2の不活性前駆体ガス、第3の不活性前駆体ガス、第4の不活性前駆体ガス、第5の不活性前駆体ガス、第6の不活性前駆体ガス、第7の不活性前駆体ガス、及び第8の不活性前駆体ガスを処理チャンバに流すことが、独立して、約150sccmから約800sccmの流量で行われる、
第66項から第95項のいずれかに記載の方法。
【0214】
第97項
第1のシーズニング膜及び複数の追加のシーズニング膜が合わせて約100nmから約700nmの厚さを有し、堆積膜が約500nmから約3ミクロンの厚さを有する、第66項から第96項のいずれかに記載の方法。
【0215】
第98項
複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第66項から第97項のいずれかに記載の方法。
【0216】
第99項
複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、第3の炭素含有前駆体ガスを処理チャンバに約200sccmから約400sccmの流量で流すことによって行われる、第66項から第98項のいずれかに記載の方法。
【0217】
第100項
複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積することが、約1kWから約6kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む、第66項から第99項のいずれかに記載の方法。
【0218】
第101項
処理チャンバの部品がウエハではない、第66項から第100項のいずれかに記載の方法。
【0219】
第102項
処理チャンバの部品が処理チャンバの壁である、第66項から第101項のいずれかに記載の方法。
【0220】
第103項
窒素含有ガスを複数の追加のシーズニング膜のうちのある膜に導入して、窒素処理されたシーズニング膜を形成することをさらに含み、ここで、窒素含有ガスを複数の追加のシーズニング膜のうちのある膜に導入することが、複数の追加のシーズニング膜の上に堆積膜を堆積する前に行われる、第66項から第102項のいずれかに記載の方法。
【0221】
第104項
窒素含有ガスを複数の追加のシーズニング膜に導入することが、約4mTorrから約20mTorrのチャンバ圧力、及び約200℃未満の温度で行われる、第66項から第103項のいずれかに記載の方法。
【0222】
第105項
窒素含有ガスがアンモニアを含む、第66項から第104項のいずれかに記載の方法。
【0223】
第106項
窒素含有ガスを複数の追加のシーズニング膜に導入することが、窒素含有ガスを処理チャンバに約25sccmから約1,000sccmの流量で流すことを含む、第66項から第105項のいずれかに記載の方法。
【0224】
第107項
窒素含有ガスを複数の追加のシーズニング膜に導入することが、約100kWから約4,000kWのRF電力を処理チャンバに供給することを含む、第66項から第106項のいずれかに記載の方法。
【0225】
第108項
窒素ガスがアンモニアを含む、第66項から第107項のいずれかに記載の方法。
【0226】
全体として、本開示の方法は、堆積膜とチャンバ部品との間に配置されたシーズニング膜を提供することにより、保護材料(堆積膜)の剥離の低減、及びチャンバ部品に対する堆積膜の接着性の改善を提供することができる。例えば、堆積膜は、約300MPa以下(圧縮)の内在応力を有しうるのに対し、チャンバ部品(例えば、アルミニウム含有部品)は、約800MPa以上(圧縮)の内在応力を有しうる。堆積膜とチャンバ部品との内在応力のこのような不整合は、堆積膜とチャンバ部品との剥離及び接着不良を促進する。しかしながら、本発明者らは、シーズニング膜の内在応力を制御することによって、シーズニング膜の一方の側で堆積膜に有益に接着し、シーズニング膜の反対の側でチャンバ部品に接着するように、シーズニング膜を調整できることを見出した。本発明者らは、このような改善を達成するための多くの手法を見出した。
【0227】
以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく、本開示の他の実施形態及びさらなる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】