IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特表2023-548011タイヤパラメータの信頼性を確認するための方法並びに装置
<>
  • 特表-タイヤパラメータの信頼性を確認するための方法並びに装置 図1
  • 特表-タイヤパラメータの信頼性を確認するための方法並びに装置 図2
  • 特表-タイヤパラメータの信頼性を確認するための方法並びに装置 図3
  • 特表-タイヤパラメータの信頼性を確認するための方法並びに装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】タイヤパラメータの信頼性を確認するための方法並びに装置
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20231108BHJP
   G01M 17/02 20060101ALI20231108BHJP
   B60C 11/24 20060101ALN20231108BHJP
【FI】
B60C19/00 B
G01M17/02
B60C19/00 Z
B60C11/24 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521606
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 DE2021200160
(87)【国際公開番号】W WO2022100796
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】102020214321.8
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522296653
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】クレチュマン・マティアス
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131LA06
3D131LA24
3D131LA31
(57)【要約】
車両400のタイヤ402のタイヤパラメータの信頼性を確認するための方法が開示される。本方法は、以下のステップを包含している:タイヤパラメータを捕捉し、信頼性パラメータの値を捕捉し、但し、該信頼性パラメータは、タイヤパラメータの信頼性の尺度である、捕捉された信頼性パラメータの値が、以前の信頼性パラメータの値と比較して変化している場合は、捕捉されたタイヤパラメータが妥当であることを確認するステップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
-タイヤパラメータを捕捉するステップと、
-信頼性パラメータの値を捕捉し、信頼性パラメータは、タイヤパラメータの信頼性の尺度であるステップと、
-信頼性パラメータの捕捉された値が、以前の値から変化している場合、捕捉されたタイヤパラメータを信頼できると確認するステップとを包含することを特徴とする車両(400)のタイヤ(402)のタイヤパラメータの信頼性を確認するための方法。
【請求項2】
捕捉されたタイヤパラメータが妥当であることが確認された場合、以下の:
-予め定められている時間枠内に他のタイヤパラメータを割り出すためにタイヤパラメータを用いるステップも有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
タイヤ交換の際に信頼性パラメータの値が変更されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記信頼性パラメータの値は、タイヤ交換が実施された日付であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
その間であればタイヤパラメータが、他のタイヤパラメータの割出しに使用される予め定められている時間枠が、2~6週間であることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
以下のコンポーネント:
-タイヤパラメータを捕捉するためのタイヤパラメータ捕捉ユニット(412)と、
-タイヤパラメータの信頼性の尺度である信頼性パラメータの値を捕捉するための信頼性パラメータ捕捉ユニット(414)と、
-捕捉された信頼性パラメータの値が、以前の信頼性パラメータの値と比較して変化している場合に、捕捉されたタイヤパラメータが妥当であることを確認するように構成されている制御ユニット(410)とを有することを特徴とする車両(400)のタイヤ(402)のタイヤパラメータの信頼性を確認するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
現代的な車両は、通常、車両の様々なタイヤパラメータ、例えば、タイヤ空気圧、タイヤプロフィル深さ、或いは、その他のタイヤパラメータなどを監視するための手段を備えている。このような手段は、通常、供給されたタイヤパラメータが、正しく、制限なしに更なる分析及び/或いは使用に耐え得ると仮定している。
【背景技術】
【0002】
しかしながら、このようなタイヤパラメータの信頼性は、常に与えられているものでは無いことが示された。即ち、該手段は、タイヤパラメータを受信はしたが、ある条件下において該タイヤパラメータに信頼性がない、言い換えれば、不当であるため、更なる使用において採用してはならないと言うことである。にもかかわらず、このような妥当ではないタイヤパラメータが、用いられてしまった場合、誤った結果が得られる、及び/或いは、間違った結論が導き出される可能性がある。これは、可能であれば、回避されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって本発明が解決しようとする課題は、車両のタイヤのタイヤパラメータの信頼性を確認するための方法並びに装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に記載の方法、並びに、請求項6に記載の装置によって、解決される。本発明の有利な形態は、従属請求項の対象である。
【0005】
本発明の第一アスペクトによれば、車両のタイヤのタイヤパラメータの信頼性を確認するための方法が、提供される。該タイヤパラメータとは、例えば、タイヤの推定タイヤプロフィル深さを割り出すために必要な基準タイヤプロフィル深さであることができる。他のタイヤパラメータも可能であることは、自明である。本発明の方法は、以下のステップを包含している:タイヤパラメータを捕捉する、信頼性パラメータの値を捕捉する、但し、該信頼性パラメータは、捕捉されたタイヤパラメータの信頼性の尺度である、そして、捕捉された信頼性パラメータの値が、以前の信頼性パラメータの値と比較して変化している場合は、捕捉されたタイヤパラメータが妥当であることを確認するステップ。信頼性パラメータは、捕捉されたタイヤパラメータ用の一種付加的情報であると見なすことができる。この、タイヤパラメータに付帯し、例えば、該タイヤパラメータと共に制御用電子手段に伝達される付加的情報があれば、タイヤパラメータを評価することを可能にする。「妥当」と言う評価は、例えば、タイヤパラメータを信頼できると言う意味であることができる。タイヤパラメータが、「不当」である場合、タイヤパラメータを信頼できないと言う意味であることができる。よって結果として、例えば、制御用電子手段が、伝達された付加的情報に基づいて該タイヤパラメータを使用しない、及び/或いは、該捕捉されたタイヤパラメータを基にしたであろう更なる分析を、考慮しないことになる。
【0006】
本発明に係る方法は、タイヤパラメータが、十分に、信頼性パラメータたる値を包含し得ると言うアイデアに基づいている。例えば、これは、任意の(予め設定された)値、例えば、0や同様な値であることができる。信頼性パラメータの値は、日付であることもできる。例えば、該値は、タイヤが最後に検査された日付であることができる。要するに、本発明に係る方法は、それまで保存されていた信頼性パラメータの値に対する信頼性パラメータの値の変化を、信頼性パラメータの変更された値に対して用いることにより、捕捉されたタイヤパラメータが、正しいか否か、即ち、妥当であるか否か、よって、該タイヤパラメータを信用できるか否かを確認するために用いると言うアイデアを基にしている。例えば、信頼性パラメータのそれまで設定されていた値は、値0を有していることができる。この値は、例えば、整備工場において、1に変更できる。或いは、信頼性パラメータのそれまで設定されていた値が、最後のタイヤ検査の日付であり、この値が、今、例えば、今回のタイヤ検査の日付に変更される。本発明は、信頼性パラメータの値のこの様な変化が、捕捉されたタイヤパラメータを確認するために用いられると言うアイデアを基にしている。言い換えれば、制御用電子手段に伝達されるタイヤパラメータは、信頼性パラメータの以前の値に対して信頼性パラメータの値が変化しなかった場合に必ずしも信頼できないことになる。即ち、該捕捉されたタイヤパラメータこそ、使用されないであろう。
【0007】
ある好ましい実施形態において本発明に係る方法は、捕捉されたタイヤパラメータが信頼できる場合に、タイヤパラメータが、予め定められている時間枠内における他のタイヤパラメータの割出しのために用いられるステップを包含している。具体的には、該捕捉されたタイヤパラメータは、例えば、整備工場や車両出荷時に保存された例えば基準タイヤプロフィル深さであることができる。その値は、例えば、4mmであることができる。この値は、タイヤの推定タイヤプロフィル深さを、例えば、基準タイヤプロフィル深さを用いてイニシャライズされる計算モデルに基づいて割り出すために用いられることができる。即ち、基準タイヤプロフィル深さが信頼できると割り出された場合に限り、この基準タイヤプロフィル深さは、推定タイヤプロフィル深さの割出しに用いられる。しかしながら、基準タイヤプロフィル深さが信頼できないと割り出された場合は、この基準タイヤプロフィル深さは、推定タイヤプロフィル深さの割出しには用いられない。この場合、数学的計算モデルは、新しくイニシャライズされない。
【0008】
既に述べた如く、信頼性パラメータの捕捉された値が、以前の値から変化している場合、捕捉されたタイヤパラメータが信頼できると確認できる。信頼性パラメータの値が、特に、タイヤパラメータが、基準タイヤプロフィル深さであるケースにおいては、タイヤ交換時に変更されることが特に有利である。ここで言うタイヤ交換は、ホイールから(ゴム)タイヤが、交換されることを意味している。この場合、タイヤ空気圧を完全に抜き、タイヤをホイールから外し、新しいタイヤをホイールにはかせた後に、タイヤ空気圧を、望まれるタイヤ空気圧に調整する必要がある。
【0009】
本発明に係る方法の好ましい形態では、この様なタイヤ交換においては、信頼性パラメータの値の変更は、例えば、車両の整備工場によって実施される。このようなケースでは、例えば、信頼性パラメータの値は、0から1に変更される。この様に信頼性パラメータの値が、以前の値と比較して変更されたことから、制御用電子手段は、捕捉されたタイヤパラメータは、即ち、具体的な例では、基準タイヤプロフィル深さ4 mmは、信頼でき、よって、例えば、推定タイヤプロフィル深さの計算に用いることができる。即ち、該制御用電子手段は、数学的モデルのイニシャライズを開始する。
【0010】
この様なケースにおいては、該信頼性パラメータの値が、タイヤ交換が実施された日付であることが特に好ましい。その間に更なるタイヤパラメータを割り出すためにタイヤパラメータを用いることが許される予め定められている時間枠が、例えば、2から6週間であることも更に好ましい。この好ましい形態の場合、前回のタイヤ交換の日付、並びに、予め定められている時間枠を基に、更なるタイヤパラメータを遅くとも何時までに割り出さなければならないかが定義されている。具体的な例では、該制御用電子手段は、推定タイヤプロフィル深さを割り出すための数学的モデルのイニシャライズを最後のタイヤ交換から2から6週間以内に開始することになる。捕捉された妥当な基準タイヤプロフィル深さは、予め定められている時間枠内においてのみ、タイヤの推定タイヤプロファイル深さの割出しに用いられるため、この特に好ましい形態により、特にタイヤのタイヤプロフィル深さを正確に推定することが、可能になる。
【0011】
本発明の第二アスペクトによれば、車両のタイヤのタイヤパラメータの信頼性を確認するための装置が、提供される。該装置は、タイヤパラメータを捕捉するためのタイヤパラメータ捕捉ユニット、信頼性パラメータの値を捕捉するための信頼性パラメータ捕捉ユニット、但し、該信頼性パラメータは、捕捉されたタイヤパラメータの信頼性の尺度である、並びに、捕捉された信頼性パラメータの値が、以前の信頼性パラメータの値と比較して変化している場合に、捕捉されたタイヤパラメータが妥当であることを確認する様に構成されている制御ユニットを包含している。該制御ユニットは、第一アスペクトに係る本発明に係る方法の乃至その種々形態のプロセスステップを実施できる様にも構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明の更なる特徴及び課題は、当業者にとっては、本件の教えの実施、並びに、添付されている図面を見ることにより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】タイヤパラメータの信頼性を確認するための本発明に係る方法の一実施形態のフローチャートを概略的に示す。
図2】本発明に係る方法の更なる実施形態のフローチャートを概略的に示す。
図3】本発明に係る方法の更なる実施形態のフローチャートを概略的に示す。
図4】タイヤパラメータの信頼性を確認するための本発明に係る装置の一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
同じ構成乃至機能のエレメントには、全ての図面において、同じ符号が与えられている。
【0015】
図1は、タイヤパラメータの信頼性を確認するための本発明に係る方法の一実施形態のフローチャートの概略的な描写を示している。
【0016】
該方法は、ステップ100から開始する。続くステップ102では、タイヤパラメータが捕捉される。タイヤパラメータは、例えば、車両のタイヤの基準タイヤプロフィル深さであることができる。続くステップ104では、信頼性パラメータの値が捕捉される。信頼性パラメータは、捕捉されたタイヤパラメータの信頼性の尺度を与える。続くステップ106では、捕捉された信頼性パラメータの値が、信頼性パラメータの以前の値から異なっているか否かが確認される。信頼性パラメータの捕捉された値が、以前の値と異なっている場合(分岐108)、ステップ110において、タイヤパラメータが妥当であることが確認され、方法は、ステップ112において停止する。一方、信頼性パラメータの捕捉された値が、以前の値と異なっていない場合(分岐114)、ステップ116において、タイヤパラメータが不当であることが確認され、方法は、ステップ118において停止する。図1に係る方法では、捕捉されたタイヤパラメータには、捕捉されたタイヤパラメータが妥当であるか、不当であるかを示す付加的情報が、信頼性パラメータの値の変化として添付送信される。
【0017】
図2は、本発明に係る方法の更なる実施形態のフローチャートの概略的な描写を示している。図2に係る方法は、図1に係る方法のステップ100から118を有している。しかしながら、図2に係る方法は、図1に係る方法と、ステップ110において、捕捉されたタイヤパラメータが妥当であると確認された場合、該捕捉されたタイヤパラメータが、更なるタイヤパラメータの割出しに用いられるが、その使用は、予め定められている時間枠内においてのみ許されることにおいて異なっている。これは、図2のフローチャートでは、ステップ110と112との間の付加的なステップ200によって表されている。予め定められている時間枠とは、例えば、2から6週間の範囲にあり、上述の更なるタイヤパラメータは、例えば、捕捉された基準タイヤプロフィル深さを基に割り出される推定タイヤプロフィル深さであることができる。
【0018】
図3は、本発明に係る方法の更なる実施形態のフローチャートの概略的な描写を示している。図3に係る方法は、図2に係る方法に基づいており、図2に係る方法と同様にステップ100から118、並びに、ステップ200を有している。しかしながら、図3に係る方法は、図2に係る方法と、ステップ300において、タイヤ交換が実施されたか否かが確認されることにおいて異なっている。ここで言うタイヤ交換とは、ホイールから(ゴム)タイヤを取り外し、新しくホイールにはかせると言う意味で用いられており、タイヤ空気圧を抜き、再び、タイヤに空気を入れる作業を伴うものである。
【0019】
タイヤ交換が実施されたことが確認された場合(分岐302)、ステップ304において、信頼性パラメータの値が、タイヤ交換が実施された日付を記入する(306の点線ボックス)ことにより、変更される。信頼性パラメータの値の変更により、信頼性パラメータの値が妥当になるだけでなく、ステップ200との関連において、予め定められている時間枠によって、何時まで捕捉されたタイヤパラメータを他のタイヤパラメータを割り出すために使用できるのかと言う使用期限が定められると言う長所も有している。
【0020】
更に、車両400のタイヤ402のタイヤパラメータの信頼性を割り出すための本発明に係る装置の一実施形態を概略的に示している図4を参照する。タイヤ402は、ホイール404とゴム406を有している。タイヤ402は更に、タイヤ402のタイヤパラメータを捕捉するタイヤセンサ408も有している。該タイヤセンサ408は、制御ユニット410とシグナル技術的に接続されており、捕捉されたタイヤパラメータを、制御ユニット410に伝達することができる。該タイヤセンサ408は、信頼性パラメータも、制御ユニット410に伝達する。そのため該制御ユニット410は、タイヤパラメータを捕捉するためのタイヤパラメータ捕捉ユニット412、並びに、信頼性パラメータの値を捕捉するための信頼性パラメータ捕捉ユニット414を有している。言うまでも無く、信頼性パラメータは、タイヤセンサ408を介することなく、信頼性パラメータ捕捉ユニット414内に直接的に入力されることも可能である。例えば、整備工場の従業員がこれを実施できる。更に該制御ユニット410は、図1から3との関連においての述べられたステップを実施できる様に構成されている。これにより、タイヤパラメータの信頼性を確認し、必要に応じて、更なる評価やステップに用いる装置が提供される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】