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特表2023-5481601-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸の結晶性粒子の製造方法およびそれを含む薬学的組成物
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  • 特表-1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸の結晶性粒子の製造方法およびそれを含む薬学的組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸の結晶性粒子の製造方法およびそれを含む薬学的組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4155 20060101AFI20231108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 9/02 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20231108BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A61K31/4155
A61P43/00 111
A61P19/06
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/02
A61P3/10
A61P13/12
A61P29/00
A61P19/00
A61P1/00
A61K9/20
C07D403/04 CSP
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526427
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 KR2021015708
(87)【国際公開番号】W WO2022098057
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0145750
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ジュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ア・ビョル・パク
(72)【発明者】
【氏名】フイ・ラク・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジンオク・ハム
(72)【発明者】
【氏名】ドスプ・シン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB01
4C063CC22
4C063DD06
4C063EE01
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC04
4C076CC09
4C076CC11
4C076CC17
4C076CC21
4C076FF70
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC36
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA66
4C086ZA81
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZC20
4C086ZC35
(57)【要約】
本発明は、下記化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む結晶性粒子を含む薬学的組成物に関する。
本発明による結晶性粒子は、大きさ、形状および分布が完製製造工程(Drug Manufacturing Process)に投入することに最適化されているばかりか、均一性および流動性を改善して医薬完製製造工程において発生する含量の均一性を増加させ、打錠時の破損を最小化して医薬完製製造工程に適した原料医薬品として用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子、および薬学的に許容される賦形剤、を含む高尿酸血症、痛風、心不全症、心血管系疾患、高血圧、糖尿病、腎疾患、炎症、関節疾患および炎症性腸疾患からなる群より選ばれるキサンチンオキシダーゼ関連疾患の治療または予防用薬学的組成物。
【化1】
【化2】
【請求項2】
前記結晶性粒子の含量は、前記薬学的組成物総100重量%を基準にして20~70重量%である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記結晶性粒子の含量は、前記薬学的組成物総100重量%を基準にして30~60重量%である、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記結晶性粒子の含量は、前記薬学的組成物総100重量%を基準にして40~50重量%である、請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
下記化学式3の化合物がさらに含まれる、請求項1に記載の薬学的組成物。
【化3】
【請求項6】
a)1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステル、テトラヒドロフランおよびメタノールを混合した後、NaOHを投入して反応させる段階、
b)精製水および酢酸エチルを投入する段階 、
c)HClを滴加して結晶化する段階、および
d)生成された結晶を洗浄して乾燥する段階を含む、
化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の結晶性粒子を製造する方法。
【請求項7】
前記a)段階は、反応温度が21~27℃に維持される、請求項6に記載の結晶性粒子を製造する方法。
【請求項8】
前記c)段階は、c-1)1次でHClをpH5~6になるまで滴加して核を生成する段階、および
c-2)2次でHClをpH2~3の時点まで滴加する段階、を含む、請求項7に記載の結晶性粒子を製造する方法。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項の方法により製造される結晶性粒子。
【請求項10】
前記結晶性粒子は、0.2重量%以下の化学式2の化合物を含む、請求項9に記載の結晶性粒子。
【請求項11】
請求項10の結晶性粒子を活性製薬成分(API)として含む経口用錠剤であって、前記APIの含有量は前記錠剤総100重量%を基準にして20~70重量%である、経口用錠剤。
【請求項12】
前記APIの含有量は、前記錠剤総100重量%を基準にして30~60重量%である、請求項11に記載の経口用錠剤。
【請求項13】
前記APIの含有量は、前記錠剤総100重量%を基準にして40~50重量%である、請求項12に記載の経口用錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月4日付韓国特許出願第10-2020-0145750号に基づいた優先権の利益を主張し、該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含む。
【0002】
本発明は、下記化学式2の化合物(1-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-メチルエステル)を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物(1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸 )、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子を含む薬学的組成物に関する。
【化1】
【化2】
【背景技術】
【0003】
キサンチンオキシダーゼ(xanthine oxidase)は、ヒポキサンチン(hypoxanthine)をキサンチン(xanthine)に、また形成されたキサンチンを尿酸に転換させる酵素である。体内に尿酸が過渡に多く存在する場合、通風などを含む様々な疾患を引き起こす。
【0004】
通風(gout)は、尿酸結晶体が関節の軟骨や、靭帯、そして周辺組織などに蓄積されて激しい炎症と痛みを誘発する状態をいい、過去40年間発病率が着実に増加する傾向を見せている。
【0005】
したがって、キサンチンオキシダーゼの活性を阻害する物質は、高尿酸血症、通風、心不全症、心血管系疾患、高血圧、糖尿病、腎疾患、炎症および関節疾患、炎症性腸疾患などのようなキサンチンオキシダーゼ関連疾患を効果的に治療することができる。
【0006】
一方、キサンチンオキシダーゼの活性を阻害する物質として、韓国特許公報 第1751325号(特許文献1)では、前記化学式1の化合物(1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸 )および前記化合物の製造方法を提供しており、韓国特許公報 第1424013号(特許文献2)では、多様な溶媒を用いて得た多様な種類の結晶形およびその製造方法を提供している。
【0007】
但し、特許文献1の従来の製造方法による化学式1の結晶性粒子は、流動性がよくない問題があり、安定的かつ再現性のある完製製造工程(Drug Manufacturing Process)に困難性があったし、特許文献2の場合は、各々の結晶形自体に関するものであって、流動性などに対しては分析されたことがない。
【0008】
したがって、結晶性粒子の大きさ(size)、形状(shape)、および分布(distribution)が完製製造工程に投入することに最適化され、流動性が改善された化学式1の結晶性粒子に対する開発がさらに必要な状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許公報 第1751325号(2017.06.21.)、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として効果的な新規化合物、その製造方法およびそれを含有する薬剤学的組成物
【特許文献2】韓国特許公報 第1424013号(2014.07.22.)、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸の結晶形とその製造方法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これに対し、本発明者らは、前記問題を解決しようと多角的に研究を行った結果、下記化学式1の化合物の製造工程上、化学式2および化学式3の化合物が生成され得ることを確認し、前記化学式2の化合物の含量を特定の範囲に調節することにより、医薬完製製造工程に投入することに最適化された結晶性粒子を得られることを確認して本発明を完成した。
【0011】
したがって、本発明の目的は、医薬完製製造工程に最適化された化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子、およびそれを含む薬学的組成物を提供することである。
【化3】
【化4】
【化5】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、下記化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子を提供する。
【化6】
【化7】
【0013】
本発明の結晶性粒子は、さらに下記化学式3の化合物を含んでもよい。
【化8】
【0014】
本発明は、前記化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の結晶性粒子を製造する方法および前記製造方法により製造された結晶性粒子を提供する。
【0015】
本発明の結晶性粒子のカール指数は、25以下、20以下、10以下、または7以下である。
【0016】
本発明は、化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子を含む高尿酸血症、通風、心不全症、心血管系疾患、高血圧、糖尿病、腎疾患、炎症、関節疾患および炎症性腸疾患からなる群より選ばれるキサンチンオキシダーゼ関連疾患の治療または予防用薬学的組成物を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明による化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子は、大きさ、形状および分布が医薬完製製造工程に投入することに最適化されているばかりか、均一性および流動性を改善して、完製製造工程への含量の均一性を増加させ、錠剤時の破損を最小化して医薬完製製造工程に適した原料医薬品として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例および比較例で製造された結晶性粒子の顕微鏡写真を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、添付した図面を参考にして詳細に説明する。
【0020】
本明細書および特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常であるか、辞典的意味に限って解釈されてはならず、発明者は自らの発明を最善の方法により説明するために、用語の概念を適切に定義できるとの原則に踏まえて、本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されなければならない。
【0021】
本発明で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味を示さない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと解されるべきである。
【0022】
本発明において、化学式1の化合物は、
1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸であって、キサンチンオキシダーゼを阻害して体内の尿酸沈着を防ぐことができると知られている。また、前記化学式1は、体内の尿酸沈着に関連した疾患である高尿酸血症、通風、心不全症、心血管系疾患、高血圧、糖尿病、腎疾患、炎症、関節疾患および炎症性腸疾患からなる群より選ばれる疾患を治療または予防することができる。
【化9】
【0023】
前記化学式1の化合物は、ピラゾールとインドールのカップリング反応により生成される構造的特徴として有機溶媒および水に対する溶解度が非常に低い特性を有し、かかる理由で結晶性粒子の 大きさ(size)、形状(shape)、および分布(distribution)の調整過程が極めて難しい特徴がある。特に、前記化学式1の化合物を従来の製造方法である特許文献1の製造方法により製造した結晶性粒子は流動性がよくない問題あり、安定的かつ再現性のある医薬完製製造工程に困難があったし、特許文献2の結晶形化合物に対しては、流動性が分析されていないばかりか、多量の原料医薬品として製造することには工程上の困難があった。
【0024】
それ故、本研究者らは、流動性のよい前記化学式1の結晶性粒子を製造するために研究を重ねた結果、従来の方法により製造された化合物は、化学式1のみならず、下記のように、化学式1の化合物のピラゾールC4位にメチルエステル化された化学式2、およびインドールのC3位のシアノ基で分解されたアミド化合物である化学式3の化合物を含むことを見出し、化学式2および化学式3の化合物の量に応じて結晶性粒子の形状および流動性が異になることを確認した。
【化10】
【化11】
【0025】
前記化学式1の化合物は、ピラゾールとインドールのカップリング反応により生成される構造的特徴として有機溶媒および水に対する溶解度が非常に低い特性を有し、かかる理由で結晶性粒子の大きさ(size)、形状(shape)、および分布(distribution)の調節過程が極めて難しい特徴がある。特に、前記化学式1の化合物を従来の製造方法である特許文献1の製造方法により製造した結晶性粒子は、流動性がよくない問題があり、安定的かつ再現性のある医薬完製製造工程に困難があったし、特許文献2の結晶形化合物に対しては、流動性が分析されていないばかりか、多量の原料医薬品として製造することには工程上の困難があった。
【0026】
それ故、本研究者らは、流動性のよい前記化学式1の結晶性粒子を製造するために研究を重ねた結果、従来の方法により製造された化合物は、化学式1のみならず、下記のように、化学式1の化合物のピラゾールC4位にメチルエステル化された化学式2、およびインドールのC3位のシアノ基で分解されたアミド化合物である化学式3の化合物を含むことを見出し、化学式2および化学式3の化合物の量に応じて結晶性粒子の形状および流動性が異になることを確認した。
【表1】
【0027】
体積密度およびタップ密度は、いずれもカール指数に関連した特性であって、多様な剤形に影響を与え、特に、製剤均一性に影響を与えることができる。具体的には、製薬分野の原料物質において通常使用されるカール指数の基準は20%以下であり、5~15%の指数は、顕著ないし良い流動性を示す。ハウスナー比は、バルク密度に対するタップ密度の比率であり、微粒子間の摩擦の評価である。通常使用される比率は、1.2以下の比率は許容可能な摩擦、つまり、良い粉末流動の表示である。
【0028】
化学式1の化合物に化学式2の化合物を含む場合、化学式2の化合物を0.246%含有する場合、カール指数が20%を超え、ハウスナー比も1.25を超えるが、医薬製剤に使用され得る数値である。しかし、化学式2の化合物を0.169%含有する場合、カール指数が5.89%、ハウスナー比も1.06であって、流動性および凝集性がいずれも顕著に良好な結果を見せる。しかし、化学式3の化合物を含む場合、結晶性粒子の形態が良好であることとは別に、カール指数およびハウスナー比の値が一般に許容される数値よりも高いばかりか、その含量が増加するほど良好な結果を見せる。
【0029】
したがって、化学式2および化学式3の化合物は、いずれも化学式1の化合物の製造工程において、化学式1の化合物のように生成され得るが、化学式2の化合物の含量が多いほど結晶性粒子の大きさおよび形状が不規則的であり、流動性が悪くなることに対し、化学式3の化合物の含量が多いほど結晶性粒子の大きさおよび形状は均一になり、流動性はさらに良好になることが分かる。
【0030】
まとめると、流動性が良好な結晶性粒子を得るためには、化学式1の化合物に全体の結晶性粒子を基準にして前記化学式2の化合物が0.2重量%以下に含まれることが好ましい。前述した含量範囲内に含まれる場合、結晶性粒子の形状および大きさが良好であり、粒子分布が規則的であり、流動性が良好であるが、前述した含量範囲外に含む場合、結晶性粒子の形状および大きさが不均一になり、粒度分布および流動性が不良になるので、原料医薬品として使用できなくなる。
【0031】
前記目的とする結晶性粒子を製造するための製造方法は次の通りである。
a)1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステル、テトラヒドロフラン、メタノールを反応器に投入した後、10N NaOHをゆっくり投入する段階、
b)さらに、精製水および酢酸エチルを投入する段階、
c)HClを滴加した結晶化する段階、および
d)生成された結晶を洗浄して乾燥する段階を含む。
【0032】
また、前記製造方法でa)段階の反応温度は21~27℃に維持する。
【0033】
また、前記c)段階のHCl滴加段階は、c-1)1次でHClをpH5~6になるまで滴加して核を生成する段階、および
c-2)2次でHClをpH2~3の時点まで滴加する段階、の二つの段階に分けて行うことができる。
【0034】
前記製造方法により製造された結晶性粒子の化学式2の化合物の含量は0.2重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下である。
【0035】
本発明による結晶性粒子は、大きさ、形状および分布が医薬完製製造工程に投入することに最適化されているばかりか、均一性および流動性を改善して完製製造工程上の含量の均一性を増加させ、打錠時の破損を最小化して完製製造工程に適した原料医薬品として用いられる。また、化学式1の化合物の錠剤および結晶化工程において化学式2の含量を検出する手軽な方法により最適の原料医薬品を製造することができる。
【0036】
本発明の結晶性粒子は、活性製薬成分(API)としてヒト患者にそれ自体で、または併用療法のように他の製薬活性成分と共に、あるいは適当なキャリアと賦形剤と共に混合された薬剤学的組成物として投与され得る。
【0037】
本発明の薬剤学的組成物は、例えば、通常的な混合、溶解、顆粒化、錠剤化、粉末化、エマルジョン化、カプセル化、トラッピング、または凍結乾燥過程などの手段により、公知方式で製造することができる。
【0038】
したがって、本発明による薬剤学的組成物は、薬剤学的に用いられる剤形への活性化合物の処理を容易にする賦形剤又は補助剤を含むもので構成されている一つまたはそれ以上の薬剤学的に許容されるキャリアを用いて、通常的な方法で製造することができる。適した剤形は、選択された投与ルートに左右される。公知技術、公知のキャリアおよび賦形剤、そして、該分野、例えば、Remingston’s Pharmaceutical Sciencesにおける、公知手段のいずれも適切に使用できる。
【0039】
例えば、本発明では、本発明の結晶性粒子を目的に応じて、注射用製剤および経口用錠剤などに剤形化することができ、好ましくは、経口用錠剤として剤形化され得る。
【0040】
注射のためには、本発明の成分は液状溶液に、好ましくは、Hank溶液、Ringer溶液、または生理食塩水のような薬剤学的に適したバッファーに剤形化され得る。粘膜透過投与のためには、適した浸透補助剤が剤形に用いられる。このような浸透補助剤は当業界において一般に公知されている。
【0041】
経口投与のためには、当業界において知られている薬剤学的に許容されるキャリアを活性化合物と組み合わせることにより、活性化合物を容易に剤形化できる。かかるキャリアは、本発明の化合物が錠剤、散剤、粒剤、糖剤、カプセル剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、または懸濁液などに剤形化されるようにする。好ましくは、錠剤、カプセル剤、環剤、散剤または粒剤が使用され、特に、錠剤が有用である。経口用錠剤は、例えば、次の通りに製造され得る。
【0042】
本発明による経口用製剤は、化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子をAPIとして含み、希釈剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、安定化剤および活宅剤から選ばれる一つまたは二つ以上の賦形剤を混合する。
【0043】
例えば、前記希釈剤は、未結晶セルロース、ラクトース一水和物、ラクトース無水物、乳糖、澱粉、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、ソルビトール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され得るが、これに限定されるものではない。前記崩壊剤は、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、F-melt(商標)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され得るが、これに限定されるものではない。前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニル酢酸、ポビドン、ポリビニルピロリドン、コポビドン、マクロゴール、ラウリル硫酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはマグネシウムメタシリケートアルミネートのようなケイ酸塩誘導体、リン酸水素カルシウムのようなリン酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、α化澱粉、アカシアガムのようなガム類、ゼラチン、エチルセルロースのようなセルロース誘導体、およびこれらの混合物からなる群より選択され得るが、これに限定されるものではない。流動化剤はコロイダル二酸化ケイ素、水和二酸化ケイ素およびこれらの組み合わせからなる群より選択され得るが、これに限定されるものではない。前記活沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、タルク、軽質無水ケイ酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され得るが、これに限定されるものではない。
【0044】
前記経口用錠剤に含まれるAPIの含有量は、前記経口用錠剤の総重量を基準にして、約20ないし70重量%、約20ないし60重量%、約20ないし50重量%、約20ないし45重量%、約30ないし70重量%、約30ないし60重量%、約30ないし50重量%、約30ないし45重量%、約40ないし70重量%、約40ないし60重量%、約40ないし50重量%、または約40ないし45重量%の含有量で使用され得る。
【0045】
また、前記APIは、単位剤形当たり、例えば、約50mgないし500mg、約50mgないし400mg、約50mgないし300mg、約50mgないし200mg、約50mgないし100mg、約100mgないし500mg、約100mgないし400mg、約100mgないし300mg、約100mgないし200mg、約200mgないし500mg、約200mgないし400mg、約200mgないし300mg、約300mgないし500mg、または約300mgないし400mgを含み得る。
【0046】
また、前記APIは、単位剤形当たり、50mg、100mg、150mg、200mg、300mg、400mg、または500mgを含み得る。
【0047】
また、前記APIのうち化学式2の化合物は、前記API全含量を基準にして、0.2重量%以下に含み得る。
【0048】
本発明による薬剤学的組成物には、化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子が、その意図する目的を達成するのに有効な量で含有されている。具体的に、治療的有効量は治療されるオブジェクトの生存を延ばすか、疾患の症状を防止、軽減または緩和させるのに有効な化合物の量を意味する。治療的有効量の決定は、特に、ここに提供された詳細な開示内容の側面で、通常の知識を有する者の能力範囲内にある。
【0049】
単位投与用量形態に剤形化する場合、活性成分として化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子を基準にして約0.1ないし1,000mgの単位用量で含有されることが好ましい。投与量は、患者の体重、年齢および疾患の特殊な性質と症状といった要因に基づいた医師の処方に従う。しかし、成人の治療に必要な投与量は、投与の頻度と強度によって一日に約1ないし1000mgの範囲が通常である。成人に筋肉内または静脈内または経口投与時、一回の投与量に分離して、一日に通常約1ないし500mgの総投与量であれば十分であるが、一部の患者の場合、更に高い一日投与量が好ましいこともあり得る。
【0050】
本発明は、また、化学式2の化合物を0.2重量%以下に含む化学式1の化合物、またはその薬学的に許容される塩の結晶性粒子を治療的有効量で使用して、ヒトキサンチンオキシダーゼ関連疾患を治療するか、予防する方法を提供する。「ヒトキサンチンオキシダーゼ関連疾患」とは、ヒトキサンチンオキシダーゼを阻害することによって治療または予防できる疾患であり、例えば、高尿酸血症、通風、心不全症、心血管系疾患、高血圧、糖尿病、糖尿病関連合併症、腎疾患、炎症および関節疾患、または炎症性腸疾患などが挙げられるが、これらに限定されない。前記尿病関連合併症の例としては、高脂血症、動脈硬化、肥満、高血圧、網膜症、腎不全症が挙げられる(Circulation Research、2006、98、169~171; Hypertension 2003、41、1183~90)。
【0051】
前記「治療」とは、発病症状を示すオブジェクトに使用されたとき、疾患の進行を中断または遅延させることを意味し、前記「予防」とは、発病症状を示さないが、そういう危険性の高いオブジェクトに使用されたとき、発症兆候を中断または遅延させることを意味する。
【0052】
本発明を下記実施例および試験例に基づいてより具体的に説明する。しかし、これらの実施例および試験例は本発明に対する理解を助けるためだけであり、どんな意味にしても、本発明の範囲がこれらの実施例および試験例に限定されるものではない。
【0053】
合成例1:化学式1の化合物合成
合成例1-1:1-(3-シアノ-1H-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステルの合成
下記(1)、(2)、(3)の過程を経て表題化合物を得た。
【0054】
(1)1-(3-ホルミル-1H-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステルの合成
【化12】
無水ジクロロメタン50mlに塩化オキサリル(0.56ml)を入れ、0℃でN,N-ジメチルホルムアミド(0.51ml)を入れた後、0℃で30分間撹拌した。この反応液に化合物1-(1H-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステル(1.40ml)とジクロロメタン50mlの混合液を加え、常温で1時間還流撹拌した後、溶媒を除外した。テトラヒドロフラン100mlと20%酢酸アンモニウム水溶液100mlを入れ、30分間加熱して還流撹拌した。反応終結後、反応液を冷却し、酢酸エチルを入れ、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して表題化合物を得た。
【0055】
(2)1-[3-[(E、Z)-ヒドロキシイミノメチル]-1H-インドール-5-イル]ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステルの合成
【化13】
前記過程(1)で得た1-(3-ホルミル-1H-インドール-5―イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステルをピリジン150mlに溶かし、ヒドロキシ塩化アンモニウム(499mg)を入れた。混合物を加熱し、5時間還流撹拌した。反応終結後、溶媒を減圧濃縮し、アセトンを溶媒とするシリカゲルを通して濾過して表題化合物を得た。
【0056】
(3)1-(3-シアノ-1H-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステルの合成
【化14】
前記過程(2)で得た1-[3-[(E、Z)-ヒドロキシイミノメチル]-1H-インドール-5-イル]ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステルを無水テトラヒドロフラン94mlに溶かし、ジ(イミダゾール-1-イル)メタンチオン(90%、2.79g)を入れた後、2時間常温で撹拌した。反応終結後、反応液を減圧濃縮し、生成された固体化合物をカラムクロマトグラフィーで分離して表題化合物1.32g(86%収率)を得た。
【0057】
合成例1-2:1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステルの合成
【化15】
製造例1-1で得た1-(3-シアノ-1H-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステル(13.84g)をアセトニトリル200mlに溶かした。炭酸セシウム(32.17g)および2-ヨードプロパン(19.7ml)を入れた後、加熱し、5時間還流撹拌した。反応終結後、反応液を減圧濃縮し、生成された固体化合物をカラムクロマトグラフィーで分離して表題化合物13.87g(87%収率)を得た。
【0058】
合成例1-3:
1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸(化学式1)の合成および結晶性粒子の製造
【化16】
合成例1-2で得た1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステル(16.09kg)をテトラヒドロフラン(22.21kg)、メタノール(19.7kg)を反応器に投入した後、10 N NaOH(33.11kg)を約8℃でゆっくり投入して反応を行った。反応が終結された後、精製水(24.95L)、Conc.HCl(25.99kg)を、0~10℃を維持しながら、ゆっくり滴加して熟成させた後、濾過を行った。濾過された固体を、精製水を用いて洗浄した後、真空乾燥して1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸(化学式1)の結晶性粒子形態の最終生成物(14.83kg)を得た。前記最終生成物の成分分析の結果、下記のようにほとんどは化学式1の化合物を含むが、下記のように化学式2、および化学式3の化合物を一部含むことを確認し、特に、前記化学式2の化合物の含量は0.24%と測定された。
【化17】
【化18】
【化19】
【0059】
製造例1:多様な濃度の添加化合物(化学式2の化合物)を含む化学式1の結晶性粒子の製造
前記合成例1-3で製造された化学式1の結晶性粒子に含まれた化学式2の役割を分析するために、化学式1の化合物に特定の含量の化学式2の化合物を混合して以下の方法により結晶性粒子を製造した(実施例1~3)。
【0060】
化学式1および化学式2の化合物を表2に記載された含量比で混合した後、アセトン90ml、EtOAc9.9mlを投入した後、IN NaOH 105mlを1時間ゆっくり滴加して撹拌した後、固体不純物を除去した。濾過された液体に6N HCl 0.15mlを投入してpH=7~8まで低下させた後、50±5℃で加熱し、この温度を維持しながら、6N HCl 16.2mlをゆっくり投入した。滴加完了後、反応混合物のpH=5±0.5を確認した後、冷却を開始して反応混合物の温度が25℃まで低下した後、濾過を行った。濾過された固体は、精製水を用いて洗浄した後、乾燥して目的化合物である結晶性粒子を得た。得られた結晶性粒子において、化学式2の化合物の含量をHPLCで測定した結果、0.169%(実施例1)、0.246%(実施例2)および1.646%(実施例3)と確認された。
【0061】
製造例2:多様な濃度の添加化合物(化学式3の化合物)を含む化学式1の結晶性粒子の製造
前記合成例1-3で製造された化学式1の結晶性粒子に含まれた化学式3の役割を分析するために、化学式1の化合物に特定の含量の化学式3の化合物を混合して以下の方法により結晶性粒子を製造した(比較例1~2)。
【0062】
化学式1の化合物40g、化学式3の化合物1.25g、アセトン120ml、1N NaOH 140mlを1時間ゆっくり滴加した。撹拌後、固体不純物を除去した。濾過された液体に6N HCl 0.2mlを投入してpH=7~8まで低下させた後、50±5℃で加熱し、この温度を維持しながら6N HCl 21.6mlをゆっくり投入した。滴加完了後、反応混合物のpH=5±0.5を確認した後、冷却を開始して反応混合物の温度が25℃まで低下した後、濾過を行った。濾過された固体は精製水を用いて洗浄した後、乾燥して目的化合物である結晶性粒子を得た。得られた結晶性粒子において、化学式3の化合物の含量を測定した結果、0.153%と確認した(比較例1)。
【0063】
化学式1の化合物25g、化学式3の化合物5g、アセトン90ml、EtOAc9.9ml、1N NaOH 105mlを1時間ゆっくり滴加した。撹拌後、固体不純物を除去した。濾過された液体に6N HCl 0.15mlを投入してpH=7~8まで低下させた後、50±5℃に加熱し、この温度を維持しながら、6N HCl16.2mlをゆっくり投入した。滴加完了後の反応混合物のpH=5±0.5を確認した後、冷却を開始して反応混合物の温度が25℃まで低下した後、濾過を行った。濾過された固体は精製水を用いて洗浄した後、乾燥して目的化合物である結晶性粒子を得た。得られた結晶性粒子において化学式3の化合物含量を測定した結果、1.243%(比較例2)と確認した。
【0064】
下記表2では、各実施例および比較例で製造された結晶性粒子に含まれた添加化合物の含量を示す。
【表2】
【0065】
実験例1.各結晶性粒子の特性の分析(結晶形状分析)
実施例および比較例で製造された結晶性粒子は、走査顕微鏡(scanning electron microscope;SEM)で粒子の形状(shape)を観察および測定した。
分析の結果、図1に示すように、実施例1ないし3の結晶形粒子は、化学式2の化合物の含量が増加するほど正方形の六面体形状ではあるが、粒子の大きさが均一ではなく(実施例2)、不均一な板状粒子および微粉が増える傾向を示す(実施例3)。したがって、化学式1の化合物に化学式2の化合物を0.246%含有しても一部の不均一な粒子が含まれるものの、比較的に均一な正方形の六面体形状を示すことが分かる。
【0066】
しかし、比較例1、2は実施例1~3とは異なる態様を示すが、比較例1の結晶性粒子の形状は不均一であるばかりか、微分生成が多く観察され、完製製造工程に投入するには困難がある。しかし、比較例2は、結晶の形状が比較的に正方形の六面体形状に近く、粒子の大きさが均一であり、化学式3の化合物は、その含量が増えるほど結晶性粒子の形状および大きさが良好になることが分かる。
【0067】
したがって、化学式3の化合物は、化学式2とは異なり、その含量が増加するほど完製製造工程に投入できる均一な正方形の六面体形状の結晶を示すことが分かるので、化学式1の製造工程で生成される化学式2および3の化合物は全く異なる性質を有することが分かる。
【0068】
実験例2.結晶性粒子の特性の分析(粒度分布分析
製造例、実施例および比較例で製造された結晶性粒子の体積平均粒子分布および粒度分布は、laser diffraction particle size analyzerを用いて湿式方法で測定した。
【0069】
粒度分布は、指標として使用されるDV10/DV50およびDV50/DV90の値が大きいほど良いと言える。ここで、DV10、DV50、DV90は測定した粒子を粒径が小さいものから大きいものの順に並べたとき、全粒子個数のうち、それぞれ10%、50%、90%順位に該当する粒子の粒径を意味する。
【0070】
下記表1に示すように、実施例1、2の結晶性粒子は比較例に比べて粒度分布が比較的に均一であるが、粒子粒径が小さくなることが分かる。しかし、実施例3および比較例1、2は粒度分布が不均一であることが分かる。
【表3】
【0071】
実験例3.結晶性粒子の体積密度およびタップ密度の分析(流動性分析)
製造例、実施例および比較例で製造された結晶性粒子の体積密度(bulk density)とタップ密度(tapped density)を測定した。体積密度は、メスシリンダーに約50gの顆粒粉末を入れた場合の体積であり、タップ密度は、一定の高さでメスシリンダーを底に軽く100回叩いた後、これ以上の体積変化がないときの体積を測定した。体積密度は、一定の質量の粉末が占める体積を意味するものであって、総体積として、粉末の体積と粒子との間の空隙の体積を合わせたものを意味する。
【0072】
顆粒粉末の流動性(flowability)と凝集性(cohesiveness)はJinapong et al(2008)の方法で前記測定された体積密度とタップ密度を用いて式(3)のカール指数および式(4)のハウスナー比で計算した。
【数1】
【表4】
【0073】
カール指数は、粉末の圧縮性の尺度であり(タップ密度-嵩密度)/タップ密度のパーセントで定義される。前記指数が高いほど、粉末はより圧縮性であり、流動がよりよくない。ハウスナー比は、嵩密度に対するタップ密度の比率であり、微粒子間の摩擦の評価である。
【0074】
実施例1の結晶性粒子は、5.89%のカール指数を有し、ハウスナー比も1.06であって、流動性および凝集性の両方とも顕著に良い結果を示し(Excellent)、実施例2の数値は実施例1の数値よりは良くないが、全般的に薬学剤形において許容される流動性および凝集性を有する。しかしながら、実施例3の結晶性粒子は前記分析した粒度分布において、実施例1と同様に、良好な粒度分布を示したものの、約30%のカール指数を有し、1.42のハウスナー比を有するので、一般的な剤形に使用できない特徴を有する。
【0075】
比較例1の結晶性粒子のカール指数は、35.58%、ハウスナー比は1.56であって、実施例3の結晶性粒子より劣る効果(流動性が悪く、凝集性が高い特性)を有するが、比較例2の結晶性粒子は比較例1の数値より向上した数値であって、前記実施例2の数値と類似な程度を有する。
【0076】
したがって、流動性が良好な化学式1の化合物を含む結晶性粒子を得るためには、化学式2の化合物を0.246%含んでもよく、0.2%以下の含量を含む場合、流動性に顕著に優れた結晶性粒子を得ることができる。
【0077】
合成例1-4:改善された1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸(化学式1)の合成および結晶性粒子の製造
前記実験例で、化学式1の化合物の結晶性粒子において、化学式2の化合物を少なく含むほど、特に、0.2%以下に含むほど均一であり、流動性が顕著に優れた結晶性粒子を得られることを確認したので、これを反映して化学式2の化合物を0.2%以下に含有する化学式1の製造方法を想到した。
【0078】
合成例1-2で得た1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステル(312kg)をテトラヒドロフラン(554kg)、メタノール(624L)を反応器に投入した後、10N NaOH(386kg)をゆっくり投入した。発熱反応であるので、内部温度が27℃を超えないように留意しながら、約1時間投入した。滴加完了後、21~27℃の範囲で反応を行った。反応が終結された後、精製水(624L)、酢酸エチル(197kg)を投入した後、3N HCl(1048kg)を30~35℃を維持しながら、ゆっくり滴加した。前記過程で3N HClは1次、2次に分けて滴加し、1次滴加は固体の1st核生成(nucleation)のためにpH=5~6の時点まで行った。固体が生成される反応混合物を30分撹拌した後、pH=2~3の時点まで2次滴加を行った。滴加完了後、常温まで冷却し、この温度で30分熟成した後、濾過を行った。濾過された固体を精製水(624L)を用いて洗浄した後、窒素および真空乾燥して1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸を含む最終化合物(273.2kg)を得て、特に、前記化学式2の化合物の含量は0.02重量%と測定された。
【0079】
また、前記最終生成物の粒度分布および流動性は、顕著に優れたものと確認した。
【0080】
したがって、従来の化学式1の化合物の製造方法である合成例1-3の方法において、1-(3-シアノ-1-イソプロピル-インドール-5-イル)ピラゾール-4-カルボン酸エチルエステル、テトラヒドロフラン、メタノールおよび10N NaOHを混合して反応させる過程の温度を27℃とし、反応後、精製水を投入するとき、酢酸エチルを共に投入し、HClを2次に分けて滴加する場合、化学式2の含量を0.2重量%以下に調節することができることを確認した。
【0081】
実験例4:化学式1の化合物またはその薬学的に許容される塩を活性製薬成分(API)として含む経口用錠剤の製造方法
化学式2の化合物を一部含む化学式1の化合物をAPIとして含む経口用錠剤を製造するために、下記表に記載の賦形剤を用いてAPIと混合した後、打錠機を用いて経口用錠剤を製造した。
【表5】
図1
【国際調査報告】