(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】アイソレータリングクランプおよびそれを組み込んだ物理的気相堆積チャンバ
(51)【国際特許分類】
C23C 14/34 20060101AFI20231115BHJP
【FI】
C23C14/34 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542680
(86)(22)【出願日】2021-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 US2021056368
(87)【国際公開番号】W WO2022103567
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィツキー イリア
(72)【発明者】
【氏名】ミラー キース エイ
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029CA05
4K029DA10
4K029DC03
4K029DC05
4K029DC45
4K029JA01
(57)【要約】
物理的気相堆積のための装置が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、物理的気相堆積(PVD)チャンバで使用するためのクランプは、クランプ本体と、クランプ本体から延びる外向き突出棚とを含み、外向き突出棚は、アイソレータリングをPVDチャンバのチャンバ本体にクランプするように構成されたクランプ面を含み、外向き突出棚の高さは、クランプ本体の高さの約15パーセント~約40パーセントであり、クランプ本体は、その中に締め具を保持するように構成された中央開口を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的気相堆積(PVD)チャンバで使用するためのクランプであって、
前記クランプが、クランプ本体と、前記クランプ本体から延びる外向き突出棚とを含み、
前記外向き突出棚が、アイソレータリングを前記PVDチャンバのチャンバ本体にクランプするように構成されたクランプ面を含み、前記外向き突出棚の高さが、前記クランプ本体の高さの約15パーセント~約40パーセントであり、前記クランプ本体が、その中に締め具を保持するように構成された中央開口を含む、クランプ。
【請求項2】
前記クランプ本体が、前記クランプ本体の上面から延びる垂直スロットを含む、請求項1に記載のクランプ。
【請求項3】
前記垂直スロットが、上部部分および下部部分を含み、前記上部部分が、前記下部部分よりも広い、請求項2に記載のクランプ。
【請求項4】
前記クランプ本体が、前記クランプ本体の第1の側面から前記中央開口まで延びる水平スロットを含む、請求項1に記載のクランプ。
【請求項5】
前記クランプが、高分子材料で製作される、請求項1に記載のクランプ。
【請求項6】
前記外向き突出棚が、傾斜するターゲット対向面を含む、請求項1~5のいずれかに記載のクランプ。
【請求項7】
前記ターゲット対向面が、約45度~約85度の角度で傾斜している、請求項6に記載のクランプ。
【請求項8】
前記ターゲット対向面が、第1の傾斜を有する上部部分と、第2の傾斜を有する下部部分とを含み、前記第2の傾斜が前記第1の傾斜と異なる、請求項6に記載のクランプ。
【請求項9】
前記ターゲット対向面が、一定の角度で傾斜している、請求項6に記載のクランプ。
【請求項10】
前記クランプ本体が、前記外向き突出棚の反対側において前記クランプ本体の側面に斜め側壁を含む、請求項1~5のいずれかに記載のクランプ。
【請求項11】
前記外向き突出棚が、前記クランプ本体から約0.04~約0.14インチ延びる、請求項1~5のいずれかに記載のクランプ。
【請求項12】
前記クランプ本体が、約0.75インチ~約1.5インチの高さを有する、請求項11に記載のクランプ。
【請求項13】
前記クランプ本体が、約0.75インチ~約1.5インチの高さを有する、請求項1~5のいずれかに記載のクランプ。
【請求項14】
内部容積部を中に画定するチャンバ本体の上に配設されたチャンバリッドであり、前記チャンバリッドがターゲットアセンブリを含み、前記チャンバ本体が上部チャンバアダプタを含む、チャンバリッドと、
前記上部チャンバアダプタ上に配設されたアイソレータリングであり、前記ターゲットアセンブリが、前記アイソレータリング上に支持される、アイソレータリングと、
前記ターゲットアセンブリと前記アイソレータリングとの間に配設されたOリングと、
前記アイソレータリングを前記上部チャンバアダプタにクランプするために、前記アイソレータリングのまわりに配設された1つまたは複数のアイソレータリングクランプと
を含む処理チャンバ。
【請求項15】
前記1つまたは複数のアイソレータリングクランプが、請求項1~5のいずれかに記載のものである、請求項14に記載の処理チャンバ。
【請求項16】
前記1つまたは複数のアイソレータリングクランプが、前記アイソレータリングのまわりに一定間隔で配設された2つ以上のクランプを含む、請求項14に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記1つまたは複数のアイソレータリングクランプが、前記上部チャンバアダプタの上面に形成されたポケットに配設される、請求項14に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記1つまたは複数のアイソレータリングクランプが、中央開口を含み、締め具が、前記1つまたは複数のアイソレータリングクランプを前記上部チャンバアダプタに結合させるために前記中央開口に配設される、請求項14に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記ターゲットアセンブリが、ターゲットおよびターゲットバッキング板を含む、請求項14に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記ターゲットアセンブリが、面取りされた周辺エッジを含む、請求項14に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、物理的気相堆積処理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの物理的気相堆積(PVD)チャンバは、多くの場合、PVDチャンバの導電性構成要素間に配設されたセラミックアイソレータリングを含む。例えば、セラミックアイソレータリングは、PVD供給源(例えば、スパッタターゲット)を供給源アダプタ(アノード)から電気的に絶縁する。アイソレータリングはPVD真空チャンバの境界である。発明者らは、アイソレータリングが、チャンバの開放中にターゲットのOリングにくっつくことがあり、そして、落下する、壊れる、および/または、そうでなければ損傷することがあり、またはPVDチャンバ内のプロセスキットおよび/またはPVDチャンバの供給源アダプタを損傷することがあることを観察した。前述の部品または構成要素への損傷は、非常に高価となり、適切なPVDチャンバ性能にとって重大である。
【0003】
したがって、発明者らは、PVD処理のための改善された装置を提供した。
【発明の概要】
【0004】
アイソレータリングをクランプするための装置およびそれを組み込んだPVDチャンバが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、PVDチャンバで使用するためのクランプは、クランプ本体と、クランプ本体から延びる外向き突出棚(outwardly extending shelf)とを含み、外向き突出棚は、アイソレータリングをPVDチャンバのチャンバ本体にクランプするように構成されたクランプ面を含み、外向き突出棚の高さは、クランプ本体の高さの約15パーセント~約40パーセントであり、クランプ本体は、その中に締め具を保持するように構成された中央開口を含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、処理チャンバで使用するためのクランプは、クランプ本体と、クランプ本体から延びる外向き突出棚とを含み、外向き突出棚は、アイソレータリングを処理チャンバのチャンバ本体にクランプするように構成されたクランプ面を含み、外向き突出棚は、約30度~約85度の角度で傾斜するターゲット対向面を含み、クランプ本体は、その中に締め具を保持するように構成された中央開口を含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、処理チャンバは、内部容積部を中に画定するチャンバ本体の上に配設されたチャンバリッドであり、チャンバリッドがターゲットアセンブリを含み、チャンバ本体が上部チャンバアダプタを含む、チャンバリッドと、上部チャンバアダプタ上に配設されたアイソレータリングであり、ターゲットアセンブリが、アイソレータリング上に支持される、アイソレータリングと、ターゲットアセンブリとアイソレータリングとの間に配設されたOリングと、アイソレータリングを上部チャンバアダプタにクランプするために、アイソレータリングのまわりに配設された1つまたは複数のアイソレータリングクランプとを含む。
【0007】
本開示の他のおよびさらなる実施形態が以下で説明される。
【0008】
上述で簡潔に要約し、以下でより詳細に論じる本開示の実施形態は、添付の図面に示される本開示の例示の実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、それゆえに、範囲を限定すると考えられるべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態を認めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態によるプロセスチャンバの概略断面図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態によるターゲットおよび周囲の構造の断面図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態によるアイソレータリングクランプの上面図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態によるアイソレータリングクランプの断面側面図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態によるターゲットおよび周囲の構造の断面図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態によるアイソレータリングクランプの等角図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態によるターゲットおよび周囲の構造の断面図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態によるアイソレータリングクランプの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合、同一の参照番号が、図に共通する同一の要素を指定するために使用されている。図は、縮尺通りに描かれておらず、明確にするために簡単化されている場合がある。ある実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしに、他の実施形態に有益に組み込むことができる。
【0011】
物理的気相堆積(PVD)処理機器のための改善された装置の実施形態が、本明細書で提供される。アイソレータリングは、ターゲットアセンブリを上部チャンバアダプタ(アノード)から電気的に絶縁するために、ターゲットアセンブリと、PVD処理機器の上部チャンバアダプタとの間に配設される。改善された装置は、ターゲットアセンブリが取り外されるかまたは取り替えられるとき、有利には、アイソレータリングがターゲットアセンブリにくっつかないようにするために、アイソレータリングを上部チャンバアダプタにクランプするように構成された1つまたは複数のクランプを含む。アイソレータリングがターゲットアセンブリにくっつくと、アイソレータリングが、壊れるか、または他のチャンバ部品を損傷することがある。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、本発明の装置は、ターゲットアセンブリから接地までの高電圧沿面距離を増加させるために、面取りされた上部周辺エッジを有するターゲットアセンブリを含む。面取りされた上部周辺エッジは、有利には、ターゲットアセンブリとチャンバ本体との間に配設されたアイソレータリングのレッジを露出させる。1つまたは複数のクランプを使用して、アイソレータリングを、レッジを介して、上部チャンバアダプタにクランプすることができる。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による物理的気相堆積チャンバ、または処理チャンバ100の概略断面図を示す。いくつかの実施形態では、処理チャンバ100は、内部容積部148を中に画定するチャンバ本体136の上に配設されたチャンバリッド135を有する。いくつかの実施形態では、チャンバリッド135は、ターゲットアセンブリ138を含む。いくつかの実施形態では、ターゲットアセンブリ138は、ターゲット106およびターゲットバッキング板146を含む。ターゲット106は、スパッタリング中に基板104上に堆積されるべき材料、例えば、金属または金属酸化物などを含む。いくつかの実施形態では、ターゲット材料は、ケイ素、酸化ケイ素、または酸化アルミニウムなどの誘電体材料である。いくつかの実施形態では、ターゲットバッキング板146は、RFおよびDC電力がターゲットバッキング板146を介してターゲット106に結合され得るように、銅-亜鉛、銅-クロム、またはターゲットと同じ材料などの導電性材料を含むことができる。代替として、ターゲットバッキング板146は、非導電性とすることができ、電気フィードスルーなどのような導体性要素(図示せず)を含むことができる。
【0013】
処理チャンバ100は、基板104を受け取るための基板支持ペデスタル102を含む。基板支持ペデスタル102は、チャンバ壁(図示のような)または接地されたシールドとすることができる接地されたエンクロージャ壁108内に配置することができる。基板支持ペデスタル102は、ターゲット106の主面に対向する材料受け面を有し、ターゲット106の主面の反対側の平面位置で、スパッタ被覆されるべき基板104を支持する。基板支持ペデスタル102は、処理チャンバ100の内部容積部148内で基板104を支持することができる。
【0014】
処理チャンバ100は、プロセスシールド174をさらに含む。プロセスシールド174は、一般に、ターゲット106および基板支持ペデスタル102の少なくとも一部のまわりに配設された環状本体を含む。いくつかの実施形態では、プロセスシールド174は、チャンバ本体136の上部チャンバアダプタ142のレッジ176に接続される。ターゲットアセンブリ138は、プロセスシールド174の上のアイソレータリング180上に支持される。アイソレータリング180は、セラミック材料または他の非導電性材料で製作することができる。プロセスシールド174は、アルミニウム合金、ステンレス鋼などのような導電性材料から製造される。プロセスシールド174は、他のチャンバ部品を、プロセスからの損傷および/または汚染から保護するのに役立つ。
【0015】
1つまたは複数のアイソレータリングクランプ144が、アイソレータリング180を上部チャンバアダプタ142にクランプするために、アイソレータリング180のまわりに配設される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ144が、アイソレータリング180のまわりに間隔を置いて配置される。1つまたは複数のアイソレータリングクランプ144は、一般に、非導電性材料、例えば、高分子材料またはセラミック材料で製作される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ144は、約0.75インチ~約1.5インチの高さを有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、ヒータ166が、処理チャンバ100に結合され、プロセスシールド174を対流加熱するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセスシールド174は、摂氏約40~摂氏約70度の温度に加熱される。発明者らは、プロセスシールド174を加熱すると、プロセスシールド174の温度勾配が減少し、その結果、プロセスシールド174から剥離する粒子が少なくなることを観察した。
【0017】
プロセスシールド174は、下向きに延び、概して一定の直径を有する概して管状の部分を含むことができる。プロセスシールド174は、上部チャンバアダプタ142および接地されたエンクロージャ壁108の壁に沿って、基板支持ペデスタル102の上面の下まで下向きに延び、そして、基板支持ペデスタル102の上面に達するまで上向きに戻る。基板支持ペデスタル102が下位のローディング位置にあるとき、カバーリング186が、プロセスシールド174の上向きに延びる内側部分188の上部に載っているが、基板支持ペデスタル102が上位の堆積位置にあるとき、基板支持ペデスタル102をスパッタ堆積から保護するために、基板支持ペデスタル102の外周に載る。追加の堆積リング(図示せず)を使用して、基板104の周囲を堆積から遮蔽することができる。
【0018】
処理チャンバは、RFおよびDCエネルギーをターゲット106に結合させるための給電構造110を含む。給電構造は、例えば、本明細書で説明するように、RFエネルギーおよびオプションとしてDCエネルギーをターゲットに、またはターゲットを含むアセンブリに結合させるための装置である。給電構造110は、第1の端部114と、第1の端部114の反対側の第2の端部116とを有する本体112を含む。いくつかの実施形態では、本体112は、第1の端部114から第2の端部116まで本体112を貫いて配設された中央開口115をさらに含む。
【0019】
給電構造110の第1の端部114は、RF電源118およびオプションとしてDC電源120に結合され得、それらは、それぞれ、RFエネルギーおよびDCエネルギーをターゲット106に供給するために利用することができる。例えば、DC電源120は、ターゲット106に負電圧またはバイアスを印加するために利用することができる。いくつかの実施形態では、RF電源118によって供給されるRFエネルギーは、約2MHz~約60MHzの周波数の範囲とすることができ、または、例えば、2MHz、13.56MHz、27.12MHz、もしくは60MHzなどの非限定の周波数が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のRF電源(すなわち、2つ以上)を設けて、複数の上述の周波数でRFエネルギーを供給してもよい。給電構造110は、RF電源118およびDC電源120からのRFエネルギーおよびDCエネルギーを伝導するために、適切な導電性材料から製造することができる。
【0020】
本体112の第2の端部116は、供給源分配プレート122に結合される。供給源分配プレートには、供給源分配プレート122を貫いて配設され、本体112の中央開口115と位置合わせされた孔124が含まれる。供給源分配プレート122は、給電構造110からのRFおよびDCエネルギーを伝導するために、適切な導電性材料から製造することができる。
【0021】
供給源分配プレート122は、導電性部材125を介してターゲット106に結合され得る。導電性部材125は、供給源分配プレート122の周辺エッジに隣接して供給源分配プレート122のターゲット対向面128に結合される第1の端部126を有する管状部材とすることができる。導電性部材125は、ターゲット106の周辺エッジに隣接してターゲット106の供給源分配プレート対向面132に(またはターゲット106のターゲットバッキング板146に)結合される第2の端部130をさらに含む。
【0022】
空洞134が、導電性部材125の内部対向壁、供給源分配プレート122のターゲット対向面128、およびターゲット106の供給源分配プレート対向面132によって画定され得る。空洞134は、供給源分配プレート122の孔124を介して本体112の中央開口115に流体結合される。空洞134と、本体112の中央開口115とは、
図1に示されるように、回転可能なマグネトロンアセンブリ136の1つまたは複数の部分を少なくとも部分的に収容するために利用され得る。いくつかの実施形態では、空洞134は、水(H
2O)などのような冷却流体で少なくとも部分的に充填され得る。
【0023】
接地シールド140が、処理チャンバ100のリッドの外面を覆うように設けられ得る。接地シールド140は、例えば、チャンバ本体136の接地接続を介して接地に結合され得る。接地シールド140は、中央開口を有し、それにより、給電構造110は、接地シールド140を通り抜けて、供給源分配プレート122に結合することが可能である。接地シールド140は、アルミニウム、銅などのような任意の適切な導電性材料を含むことができる。絶縁間隙139が、接地シールド140と、供給源分配プレート122、導電性部材125、およびターゲット106(および/またはターゲットバッキング板146)の外面との間に設けられて、RFおよびDCエネルギーが直接接地に送られることが防止される。絶縁間隙は、空気、またはセラミック、プラスチックなどのような何か他の適切な誘電体材料で充填することができる。
【0024】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるターゲットアセンブリおよび周囲の構造の断面図を示す。いくつかの実施形態では、ターゲットアセンブリ138は、面取りされた周辺エッジ252を含む。いくつかの実施形態では、面取りされた周辺エッジ252は、アイソレータリング180の上部周囲領域でレッジ250を露出する。
【0025】
いくつかの実施形態では、ターゲットアセンブリ138は、その下部周辺エッジにOリング溝204を含む。Oリング210が、ターゲットアセンブリ138とアイソレータリング180との間のシールを形成するためにOリング溝204に配設される。いくつかの実施形態では、上部チャンバアダプタ142は、そのシール面224に第2のOリング溝206を含む。第2のOリング218は、上部チャンバアダプタ142とアイソレータリング180との間にシールを形成するために第2のOリング溝206に配設され得る。
【0026】
使用中、Oリング210は、アイソレータリング180をターゲットアセンブリ138にくっつかせることができる。処理チャンバ100は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、
図1の1つまたは複数のアイソレータリングクランプ144である。1つまたは複数のアイソレータリングクランプ144は、アイソレータリング180を上部チャンバアダプタ142にクランプして、有利には、ターゲットアセンブリ138が上昇されたとき、アイソレータリング180がターゲットアセンブリ138にくっつくことが防止される。第2のOリング218は、上部チャンバアダプタ142をアイソレータリング180にくっつかせることができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230の各々の下面200は、アイソレータリング180の下面214と同一平面上にあり、有利には、アイソレータリング180と上部チャンバアダプタ142との間にツールが入り、2つの構成要素を分離することが可能になる。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230の各々は、上部チャンバアダプタ142の上面238上に形成されたポケット262に配設される。いくつかの実施形態では、ポケット262は、上部チャンバアダプタ142の内面から半径方向外向きに延びる。いくつかの実施形態では、ポケット262の下面226は、上部チャンバアダプタ142のシール面224と同一平面上にある。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、2つのクランプを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、アイソレータリング180のまわりに一定間隔で配列された2つ以上のクランプを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、アイソレータリング180のまわりで直径方向に対向する。
【0029】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、クランプ本体264と、クランプ本体264から延びる外向き突出棚236を含む。いくつかの実施形態では、外向き突出棚236の高さは、クランプ本体264の高さの約15パーセント~約40パーセントである。外向き突出棚236は、アイソレータリング180をクランプするように構成されたクランプ面254を含む。いくつかの実施形態では、クランプ面254は、外向き突出棚236の下面である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、中央開口232を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230の各々の中央開口232を通って上部チャンバアダプタ142内に延びる1つまたは複数の締め具240を介して上部チャンバアダプタ142に結合される。いくつかの実施形態では、ワッシャ242が、1つまたは複数の締め具240の各々と、中央開口232に形成された座面246との間に配設される。
【0030】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230のクランプの上面図を示す。
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230のクランプの断面側面図を示す。1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230の各々は、一般に、第1の側面306における外向き突出棚236と、反対側の第2の側面308とを含む。いくつかの実施形態では、第2の側面308、または外向き突出棚236の反対側の側面は、斜め側壁310A、310Bを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230は、ポケット262の形状に対応する形状を有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、中央開口232の下部部分320は、中央開口232の上部部分322よりも小さい直径を有し、上部部分322と下部部分320との間の界面は、座面246を画定する。いくつかの実施形態では、外向き突出棚236は、傾斜するターゲット対向面316を含む。いくつかの実施形態では、ターゲット対向面316は、実質的に一定の角度で下向きおよび外向きに延びる。いくつかの実施形態では、一定の角度は、約45度~約85度である。いくつかの実施形態では、外向き突出棚236は、クランプ本体264から約0.04~約0.14インチ延びる。いくつかの実施形態では、ターゲット対向面316は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230の各々の上面302から下向きに延びる。
【0032】
図4は、本開示のいくつかの実施形態によるターゲットアセンブリ138および周囲の構造の断面図を示す。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430のクランプの等角図を示す。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430は、
図1の1つまたは複数のアイソレータリングクランプ144である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430が、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430の第1の側面406から1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430の中央開口432まで延びる水平スロット410を有することを除いて、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ230と同様である。いくつかの実施形態において、水平スロット410は、アイソレータリングクランプ430の第1の側面406から少なくともアイソレータリングクランプ430の反対側の第2の側面まで延びる。水平スロットは、第2の側面内に延びることができるが、第2の側面を完全に通り抜けて延びるわけではない。水平スロット410の幅よりもわずかに大きい直径で形成された孔などの応力緩和半径を水平スロット410の端部に設けて、クランプの繰り返しサイクルに由来するクランプの応力と亀裂または破損の可能性とを低減することができる。1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430は、外向き突出棚436を含み、それは、外向き突出棚236と同様にクランプ本体464から延びる。クランプ本体464を通って延びる水平スロット410は、有利には、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430に柔軟性を与え、外向き突出棚436をアイソレータリング180上に押しつける(すなわち、自己クランピング機能)。いくつかの実施形態では、自己クランピング機能は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ430が、面取りされていないかまたはより小さい面取りを有する周辺エッジ252を有するターゲットアセンブリ138とともに使用されるのを容易にすることができる。
【0033】
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるターゲットおよび周囲の構造の断面図を示す。
図7は、本開示のいくつかの実施形態による1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630のクランプの等角図を示す。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630に柔軟性を与えるために垂直スロット610を含む。垂直スロット610は、外向き突出棚636を有する前壁714を部分的に画定する。
【0034】
前壁714は、アイソレータリング180が設置されるとき、または1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630がアイソレータリング180の後に設置されるとき、棚636を邪魔にならないところに押し進める(すなわち、後退させる)ことができるように、屈曲部またはばねとして働く。前壁714が後退させられるとき、垂直スロット610は、有利には、前壁714が通常の直立位置から後退させられるかまたは押し離されるための空間を提供し、それにより、通常の直立位置または非後退位置に向かう付勢力を提供する。付勢力は、外向き突出棚636がアイソレータリング180のエッジ上に延びるように、前壁714をアイソレータリング180の方に押しつける(すなわち、自己クランピング機能)。いくつかの実施形態では、自己クランピング機能は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630が、
図2に示されるように面取りされているか、
図6に示されるように少なく面取りされているか、または面取りされていない周辺エッジ252を有するターゲットアセンブリ138とともに使用されるのを容易にすることができる。
【0035】
1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630は、クランプ本体664と、クランプ本体664から延びる外向き突出棚636とを含む。外向き突出棚636は、傾斜するターゲット対向面612を含む。いくつかの実施形態では、ターゲット対向面612は、第1の傾斜を有する上部部分620を含む。いくつかの実施形態では、ターゲット対向面612は、第2の傾斜を有する下部部分622を含む。いくつかの実施形態では、第2の傾斜は第1の傾斜と異なる。いくつかの実施形態では、第1の傾斜は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630の上面702から下向きおよび外向きに約45度~約85度である。いくつかの実施形態では、第2の傾斜は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630の上面702から下向きおよび外向きに約30度~約50度である。いくつかの実施形態では、第2の傾斜は、有利には、ターゲットアセンブリ138とアイソレータリング180との間に延びるように第1の傾斜よりも小さい。いくつかの実施形態では、下部部分622は、約0.02~約0.05インチの垂直高さを有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、垂直スロット610は、上部部分640および下部部分650を含む。いくつかの実施形態では、垂直スロット610の上部部分640は、有利には、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630の柔軟性を高めるために下部部分650よりも広い。上部部分640は、1つまたは複数のアイソレータリングクランプ630の外向き突出棚636と中央開口632との間に延びる。いくつかの実施形態では、垂直スロット610は、中央開口632の座面646を通りすぎて延びる。いくつかの実施形態では、上部部分640の幅は、1対の第1の表面716と、対向する第2の表面718との間に画定される。いくつかの実施形態では、1対の第1の表面716は、下向きに第2の表面718に向かってテーパ状になる。
【0037】
前述は本開示の実施形態に関するが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のおよびさらなる実施形態を考案することができる。
【国際調査報告】