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特表2023-549222半導体装置の4つの辺を検査および計測するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】半導体装置の4つの辺を検査および計測するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20231115BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
G01B11/02 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528436
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021057485
(87)【国際公開番号】W WO2022103606
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/112,650
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/330,220
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファンヒルベーヘン ベート
(72)【発明者】
【氏名】パレデンス ハリー
(72)【発明者】
【氏名】ブロカトゥス マールテン
(72)【発明者】
【氏名】チャン フーン ミン
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
【Fターム(参考)】
2F065AA22
2F065AA23
2F065BB05
2F065FF01
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065LL11
2G051AA51
2G051AB02
2G051AB08
2G051BA01
2G051BB11
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA03
2G051DA08
(57)【要約】
方法は、撮像手段の第1辺におけるキャリア内にサンプルを提供することと、ピックアンドプレースステージアセンブリにより、サンプルを、キャリアから撮像手段に移動させることと、を含む。方法は、サンプルの第1および第2辺を、撮像手段の第1および第2経路を通じて撮像することと、サンプルをキャリアに戻すことと、を含む。方法は、キャリアを90度回転し、キャリアを撮像手段の反対の側に並進することと、キャリアから撮像手段に、サンプルを個別に移動させることと、を含む。方法は、サンプルの第3および第4辺を、撮像手段の第1および第2経路を通じて撮像することと、1つまたは複数のサンプルを撮像手段からキャリアに戻すことと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルキャリアと、
ピックアンドプレースヘッドを備えるステージアセンブリと、
第1経路および第2経路を備える撮像サブシステムであって、前記キャリアとの間で、サンプルが前記ステージアセンブリにより搬送される、撮像システムと、
1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを備えるコントローラと、を備え、前記1つまたは複数のプロセッサは、前記メモリ内に格納されたプログラム命令組を実行するように構成され、前記プログラム命令組は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記ステージアセンブリに、前記サンプルを、第1位置に配置された前記キャリアから、前記撮像サブシステムに移動させることと、
前記撮像サブシステムに、前記撮像サブシステムの前記第1経路を通じて、前記サンプルの第1辺を検査させ、前記撮像サブシステムの前記第2経路を通じて、前記サンプルの第2辺を検査させることと、
前記ステージアセンブリに、前記サンプルを、前記撮像サブシステムから前記キャリアに移動させることと、
前記キャリアに、第2位置へと移動させることと、
前記キャリアに、前記第1位置での前記キャリアの向きに対して90度回転させることと、
前記ステージアセンブリに、前記サンプルを、前記第2位置に配置された前記キャリアから、前記撮像サブシステムへと移動させることと、
前記撮像サブシステムに、前記撮像サブシステムの前記第1経路を通じて、前記サンプルの第3辺を検査させ、前記撮像サブシステムの前記第2経路を通じて、前記サンプルの第4辺を検査させることと、
を実行させるように構成されることを特徴とする評価システム。
【請求項2】
前記コントローラはさらに、前記サンプルの前記第1辺、前記第2辺、前記第3辺、および前記第4辺それぞれの、1つまたは複数の画像を合成するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の評価システム。
【請求項3】
前記コントローラはさらに、前記サンプルの合成された前記1つまたは複数の画像に基づいて、前記サンプルを評価するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の評価システム。
【請求項4】
前記コントローラはさらに、前記サンプルの前記合成された1つまたは複数の画像に基づいて、前記サンプルを検査し、前記サンプルの1つまたは複数の辺上の1つまたは複数の欠陥を特定するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の評価システム。
【請求項5】
前記コントローラはさらに、前記サンプルの前記合成された1つまたは複数の画像に基づいて、前記サンプルの計測用測定を実施することで、前記サンプルの前記1つまたは複数の辺の1つまたは複数の限界寸法を特定するように構成されることを特徴とする、請求項4に記載の評価システム。
【請求項6】
前記第1経路は、第1光源アセンブリおよび第1組の光学素子を備え、前記第2経路は、第2光源アセンブリおよび第2組の光学素子を備えることを特徴とする、請求項1に記載の評価システム。
【請求項7】
前記撮像サブシステムはさらに、
カメラと、
前記サンプルから、前記第1組の光学素子により集光された第1経路照明と、前記サンプルから、前記第2組の光学素子により集光された第2経路照明とを受光し、前記第1経路照明および前記第2経路照明を、前記カメラに向けるように構成された集光光学素子組と、
を備えることを特徴とする、請求項6に記載の評価システム。
【請求項8】
前記集光光学素子組は、
ルーフトップミラーと、
対物レンズと、
を備え、
前記ルーフトップミラーは、前記サンプルから、前記第1組の光学素子により集光された第1経路照明と、前記サンプルから、前記第2組の光学素子により集光された第2経路照明とを受光し、前記第1経路照明および前記第2経路照明を、前記カメラに向けるように構成され、
前記対物レンズは、前記第1経路照明および前記第2経路照明を、前記カメラの1つまたは複数のセンサに向けて集光させるように構成されることを特徴とする、請求項7に記載の評価システム。
【請求項9】
前記サンプルと、前記ルーフトップミラーとの間に配置され、前記サンプルから、前記対物レンズおよび前記カメラに直接進む照明を遮光するように構成された不透明プレートをさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の評価システム。
【請求項10】
前記第1光源アセンブリおよび前記第2光源アセンブリの少なくとも一方は、
同軸光源と、
傾斜光源と、
を備えることを特徴とする、請求項6に記載の評価システム。
【請求項11】
前記同軸光源および前記傾斜光源の少なくとも一方は、独立して移動可能であることを特徴とする、請求項10に記載の評価システム。
【請求項12】
前記同軸光源は、1つまたは複数のRGB光源を含むことを特徴とする、請求項10に記載の評価システム。
【請求項13】
前記傾斜光源は、1つまたは複数のRGB光源を含むことを特徴とする、請求項10に記載の評価システム。
【請求項14】
前記第1組の光学素子および前記第2組の光学素子の少なくとも一方は、
ビームスプリッタと、
ミラーと、
を備えることを特徴とする、請求項6に記載の評価システム。
【請求項15】
前記第1組の光学素子および第2組の光学素子の少なくとも一方は、独立して移動可能であることを特徴とする、請求項6に記載の評価システム。
【請求項16】
前記ピックアンドプレースヘッドは、真空ノズルを使用して、前記サンプルを保持するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の評価システム。
【請求項17】
撮像サブシステムに通信可能に結合可能なコントローラを備え、
前記コントローラは、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを備え、前記1つまたは複数のプロセッサは、前記メモリ内に格納されたプログラム命令組を実行するように構成され、前記プログラム命令組は、前記1つまたは複数のプロセッサに、
前記撮像サブシステムのステージアセンブリに、サンプルを、第1位置に配置されたキャリアから、前記撮像サブシステムに移動させることと、
前記撮像サブシステムに、前記撮像サブシステムの第1経路を通じて、前記サンプルの第1辺を撮像させ、前記撮像サブシステムの第2経路を通じて、前記サンプルの第2辺を撮像させることと、
前記ステージアセンブリに、前記サンプルを、前記撮像サブシステムから前記キャリアに移動させることと、
前記キャリアに、第2位置へと移動させることと、
前記キャリアに、前記第1位置での前記キャリアの向きに対して90度回転させることと、
前記ステージアセンブリに、前記サンプルを、前記第2位置に配置された前記キャリアから、前記撮像サブシステムへと移動させることと、
前記撮像サブシステムに、前記撮像サブシステムの前記第1経路を通じて、前記サンプルの第3辺を検査させ、前記撮像サブシステムの前記第2経路を通じて、前記サンプルの第4辺を検査させることと、
を実行させるように構成されることを特徴とする評価システム。
【請求項18】
撮像手段の第1側におけるキャリア内に、複数のサンプルを提供することと、
ピックアンドプレースステージアセンブリにより、前記サンプルの内の1つまたは複数を、前記キャリアから前記撮像手段へと移動させることと、
前記撮像手段の第1経路を通じて、1つまたは複数のサンプルの第1辺を撮像し、前記撮像手段の第2経路を通じて、前記1つまたは複数のサンプルの第2辺を撮像することと、
前記ピックアンドプレースステージアセンブリにより、前記1つまたは複数のサンプルを、前記撮像手段から前記キャリアに移動させることと、
前記キャリアを90度回転し、前記撮像手段の前記第1辺と反対の第2辺へと前記キャリアを並進することと、
前記ピックアンドプレースステージアセンブリにより、前記1つまたは複数のサンプルを、前記キャリアから前記撮像手段へと移動させることと、
前記撮像手段の前記第1経路を通じて、前記1つまたは複数のサンプルの第3辺を撮像し、前記撮像手段の前記第2経路を通じて、前記1つまたは複数のサンプルの第4辺を撮像することと、
前記ピックアンドプレースステージアセンブリにより、前記1つまたは複数のサンプルを、前記撮像手段から前記キャリアへと移動させることと、
前記1つまたは複数のサンプルの前記第1辺、第2辺、第3辺、および第4辺からの画像データを合成することと、
前記1つまたは複数のサンプルの前記第1辺、第2辺、第3辺、および第4辺からの前記画像データに基づいて、前記1つまたは複数のサンプルを評価することと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、半導体装置の最大4つの辺の検査または計測に関し、特に、評価対象サンプルを回転するキャリアシステムを備えて、半導体装置の4つの辺の検査または計測を可能にする検査または計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2020年11月12日に出願された米国仮出願第63/112,650号の優先権を主張し、その全体は本明細書に参照により援用される。
【0003】
半導体装置産業において、半導体装置の4つの辺の検査および限界寸法計測が可能な検査および計測手段が必須となっている。この課題に対する手段としては、「ミラーブロック」撮像システムを実現することが一般的である。ミラーブロック撮像は、半導体装置の4つまたは5つの辺の撮像に使用される。従前のミラーブロックシステムには、照明角度が限定的であること、さらにミラーブロックハードウェアの物体寸法およびキャリア寸法への依存という問題がある。また、従前のミラーブロックシステムの場合、所与の物体の全辺を撮像するためには、手動での切り替えが必要である。これはスループットを大きく制限する。そのようなシステムは多くの場合において、単一の撮像装置のみが動作するため動作が遅く、物体をミラーブロック内外(上下)に連続して動かす必要がある。ミラーブロックで使用されるミラーと、撮像対象物体とは、1つの視野(FOV)に収める必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6094263号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従前の手法による欠点を解消するシステムおよび方法の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、半導体装置の4つの辺を評価するシステムが開示される。1つの例示的な実施形態において、システムはサンプルキャリアを備える。別の例示的な実施形態において、システムはピックアンドプレースヘッドを備える。別の例示的な実施形態において、システムは、第1経路および第2経路を備える撮像サブシステムであって、キャリアとの間で、サンプルがステージアセンブリにより搬送され得る、撮像システムを備える。別の例示的な実施形態において、システムは、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリを備えるコントローラを備える。1つまたは複数のプロセッサは、メモリ内に格納されたプログラム命令組を実行し得る。別の例示的な実施形態において、コントローラは、ステージアセンブリに、サンプルを、第1位置に配置されたキャリアから、撮像サブシステムに移動させ得る。別の例示的な実施形態において、コントローラは、撮像サブシステムに、撮像サブシステムの第1経路を通じて、サンプルの第1辺を検査させ、撮像サブシステムの第2経路を通じて、サンプルの第2辺を検査させ得る。別の例示的な実施形態において、コントローラは、ステージアセンブリに、サンプルを、撮像サブシステムからキャリアに移動させ得る。別の例示的な実施形態において、コントローラは、キャリアに、第2位置へと移動させ得る。別の例示的な実施形態において、コントローラは、キャリアに、第1位置でのキャリアの向きに対して90度回転させ得る。別の例示的な実施形態において、コントローラは、ステージアセンブリに、サンプルを、第2位置に配置されたキャリアから、撮像サブシステムへと移動させ得る。別の例示的な実施形態において、1つまたは複数のプロセッサは、撮像サブシステムに、撮像サブシステムの第1経路を通じて、サンプルの第3辺を検査させ、撮像サブシステムの第2経路を通じて、サンプルの第4辺を検査させ得る。
【0007】
本開示の1つまたは複数の例示的な実施形態に係る評価システムが開示される。1つの例示的な実施形態において、システムは、撮像サブシステムに通信可能に結合可能なコントローラを備える。別の例示的な実施形態において、コントローラは、撮像サブシステムのステージアセンブリに、サンプルを、第1位置に配置されたキャリアから、撮像サブシステムに移動させる。別の実施形態において、コントローラは、撮像サブシステムに、撮像サブシステムの第1経路を通じて、サンプルの第1辺を撮像させ、撮像サブシステムの第2経路を通じて、サンプルの第2辺を撮像させる。別の例示的な実施形態において、コントローラは、ステージアセンブリに、サンプルを、撮像サブシステムからキャリアに移動させる。別の例示的な実施形態において、コントローラは、キャリアに、第2位置へと移動させる。別の例示的な実施形態において、コントローラは、キャリアに、第1位置でのキャリアの向きに対して90度回転させる。別の例示的な実施形態において、コントローラは、ステージアセンブリに、サンプルを、第2位置に配置されたキャリアから、撮像サブシステムへと移動させる。別の例示的な実施形態において、コントローラは、撮像サブシステムに、撮像サブシステムの第1経路を通じて、サンプルの第3辺を検査させ、撮像サブシステムの第2経路を通じて、サンプルの第4辺を検査させる。
【0008】
本開示の1つまたは複数の例示的な実施形態に係る方法が開示される。1つの例示的な実施形態において、方法は、撮像手段の第1側におけるキャリア内に、複数のサンプルを提供することを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、ピックアンドプレースステージアセンブリにより、サンプルの内の1つまたは複数を、キャリアから撮像手段へと移動させることを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、撮像手段の第1経路を通じて、1つまたは複数のサンプルの第1辺を撮像し、撮像手段の第2経路を通じて、1つまたは複数のサンプルの第2辺を撮像することを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、ピックアンドプレースステージアセンブリにより、1つまたは複数のサンプルを、撮像手段からキャリアに移動させることを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、キャリアを90度回転し、撮像手段の第1辺と反対の第2辺へとキャリアを並進することを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、ピックアンドプレースステージアセンブリにより、1つまたは複数のサンプルを、キャリアから撮像手段へと移動させることを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、撮像手段の第1経路を通じて、1つまたは複数のサンプルの第3辺を撮像し、撮像手段の第2経路を通じて、1つまたは複数のサンプルの第4辺を撮像することを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、ピックアンドプレースステージアセンブリにより、1つまたは複数のサンプルを、撮像手段からキャリアへと移動させることを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、1つまたは複数のサンプルの第1辺、第2辺、第3辺、および第4辺からの画像データを合成することを含む。別の例示的な実施形態において、方法は、1つまたは複数のサンプルの第1辺、第2辺、第3辺、および第4辺からの画像データに基づいて、1つまたは複数のサンプルを評価することを含む。
【0009】
上述の概略的な説明および以下の詳細な説明はいずれも例示的であり、例示の域を脱することはなく、請求項に記載の発明を必ずしも限定するものではない。添付の図面は、明細書に組み込まれその一部を成し、本発明の実施形態を示すものであって、概略的な説明と共に、本発明の原理の説明に供されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面を参照することで、当業者に本開示の多数の利点がより良く理解されよう。
【0011】
図1A図1Aは、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、サンプルの4つの辺を撮像可能な評価システムを示す概念図である。
図1B図1Bは、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る評価システムを示す概略図である。
図1C図1Cは、本開示の1つまたは複数の別の実施形態に係る、評価システムを示す概略図である。
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、4辺評価を実施するための、処理フローを示す概念図である。
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、2つのピックアンドプレースヘッドを備えた評価システムを示す概念的上面図であり、2つのサンプルを平行に撮像するための、対応する撮像フローを示す。
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、複数の視野に跨る、より大きな物体の検査を示す概念的側面図である。
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、単一の視野内での、複数のサンプルの検査を示す概念的側面図である。
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、1つまたは複数のサンプルの4辺評価方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、特定の実施形態およびその具体的な特徴について、図示および説明する。本明細書に記載の実施形態は、限定的でなく、例示的と解されるものである。本開示の要旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に関して各種変更や変形が成され得ることが当業者には容易に理解されよう。ここで、添付の図面に示された、開示の主題を詳細に説明する。
【0013】
図1Aは、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、サンプルの4つの辺を撮像可能な評価システム100の概念図を示す。実施形態において、システム100は、サンプルキャリア102と、ステージアセンブリ104と、撮像サブシステム106と、コントローラ110とを備える。評価システム100は、サンプル101の2つの辺の同時取得(即ち、単一カメラセンサ曝露)と、システム100が、向きを90度変えて、少なくとも2度、撮像サブシステム106に対してサンプルを提示可能にする、複数サンプルの処理ワークフローを実現するように構成される。この手法は、評価システム100が、サンプル101の4つの辺全ての検査および/または計測を実施できるようにするものである。実施形態において、評価システム100は、サンプル101の4つの辺のいずれかの表面上の欠陥を特定するための検査用測定、および/または、サンプル101の任意の4つの辺の限界寸法を測定する計測用測定を実施し得る。
【0014】
実施形態において、評価システム100の撮像サブシステム106は、第1経路103aと、第2経路103bとを備える。さらに、撮像サブシステム106は、サンプル101からの第1経路照明105aと、サンプル101から集光された第2経路照明105bとを受光し、第1経路照明105aおよび第2経路照明105bをカメラ109に向けるように構成された集光光学素子組108を備える。ステージアセンブリ104は、キャリア102と、撮像サブシステムとの間で、サンプル101を搬送するように構成された、ピックアンドプレースヘッド107(例えば、真空式ピックアンドプレースヘッド)を備え得るが、これに限定されない。検査/測定が必要なサンプル101は、キャリア102上に載置される。その後、検査/測定間でキャリア102が90度回転させられ得る。これにより、同一の撮像サブシステム106で、各サンプル101の4つの辺全てが検査および計測できる。同時に検査される物体の辺は2つのみであるため、物体の4つの辺全てを検査するには、サンプル101を90度回転する必要がある。なお、サンプル101は多様な方法で回転され得る。例えば、オーバーヘッドサイクル時間が最短となる選択肢としては、測定間の中間工程で、キャリア102を90度回転することが挙げられる。これにより、ピックアンドプレースヘッド107を介したサンプル回転が不要となる。なお、サンプル101の2辺のみが一度に検査されるため、システム100では、撮像空洞内外へのサンプル101の上下運動が省略され得る。これは、スループット向上に帰結する。なおさらに、検査用に複数の構成要素を同時に提示する機能によっても、システムスループットが向上する。
【0015】
実施形態において、評価システム100は、コントローラ110を備える。コントローラ110は、1つまたは複数のプロセッサと、メモリとを備え得る。1つまたは複数のプロセッサは、メモリに格納されたプログラム命令組を実行するように構成される。ここで、プログラム命令組は、1つまたは複数のプロセッサに、本開示のあらゆる処理および制御工程を実行させるように構成され得る。
【0016】
実施形態において、コントローラ110は、ステージアセンブリ104に、サンプルを、第1位置に配置されたキャリアから、撮像サブシステム106へと移動させるように構成される。実施形態において、コントローラ110は、撮像サブシステム106に、撮像サブシステム106の第1経路103aを通じて、サンプル101の第1辺を検査させ、撮像サブシステム106の第2経路103bを通じて、サンプル101の第2辺を検査させる。実施形態において、コントローラ110は、ステージアセンブリ104に、サンプル101を、撮像サブシステム106からキャリア102へと移動させる。実施形態において、コントローラ110は、サンプル101が第1位置に対して90度回転するように、キャリア102を第2位置へと移動させる。実施形態において、コントローラ110は、ステージアセンブリ104に、サンプル101を、第2位置に配置されたキャリア102から、撮像サブシステム106へと移動させる。実施形態において、コントローラ110は、撮像サブシステム106に、撮像サブシステム106の第1経路103aを通じて、サンプル101の第3辺を検査させ、撮像サブシステム106の第2経路103bを通じて、サンプル101の第4辺を検査させる。実施形態において、コントローラ110は、カメラ109から測定データを受信し、サンプル101上または内の構造を評価(例えば、検査または測定)し、および/または評価システム100の1つまたは複数の部位を制御し得る。
【0017】
図1Bは、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る評価システム100の概略図を示す。本実施形態において、第1経路103aは第1光アセンブリを備え、第2経路103bは第2光アセンブリを備える。第1光アセンブリは、第1同軸光源111aと、第1傾斜光源112aとを備え得る。第2光アセンブリは、第2同軸光源111bと、第2傾斜光源112bとを備え得る。
【0018】
実施形態において、第1同軸光源111aおよび第2同軸光源111bは、1つまたは複数のRGB光源を含む。実施形態において、第1経路103aは第1組の光学素子123aを備え、第2経路103bは第2組の光学素子123bを備える。実施形態において、第1組の光学素子123aおよび第2組の光学素子123bは、同軸源111a、111bからの照明をサンプル101へと通過させ、さらにサンプルから反射または散乱した同軸および傾斜照明を、集光光学素子108およびカメラ109に向ける。例えば、第1組の光学素子123aは、第1ビームスプリッタ114aおよび第1ミラー116aを備え得るが、これに限定されない。第1ビームスプリッタ114aは、第1同軸源111aからの照明をサンプル101へと通過させ、サンプル101から反射/散乱された、または撮像サブシステム106の反対の側から受光した照明(即ち、第1経路照明105a)を、第1ミラー116a(例えば、45度ミラー)に反射するように構成され得る。第1ミラー116aは、第1経路照明105aを、集光光学素子108およびカメラ109に向けて反射し得る。同様に、第2組の光学素子123bは、第2ビームスプリッタ114bおよび第2ミラー116bを備え得るが、これに限定されない。第2ビームスプリッタ114bは、第2同軸源111bからの照明をサンプル101へと通過させ、サンプル101から反射/散乱された、または撮像サブシステム106の反対の側から受光した照明(即ち、第2経路照明105b)を、第2ミラー116b(例えば、45度ミラー)に反射するように構成され得る。第2ミラー116bは、第2経路照明105bを、集光光学素子108およびカメラ109に向けて反射し得る。
【0019】
実施形態において、第1傾斜光源112aおよび第2傾斜光源112bはそれぞれ、1つまたは複数のRGB源を含み得る。本実施形態では、光路の各側で、ビームスプリッタ114a、114bと、サンプル101との間に、2つの傾斜RGB光源が配置され得る。光路はこの両傾斜RGB光源間を通過する。各傾斜RGB光源は、異なる角度でRGB光を発することができる。傾斜RGB光源112a、112bから発せられた光は、サンプル101で反射され、当該傾斜RGB光源112a、112bに最も近いビームスプリッタ114a、114bによって、それぞれのミラー116a、116bへと反射される。その後、光は集光光学素子108およびカメラ109に向けて反射される。実施形態において、光路の各側で、傾斜RGB光源112a、112bの両要素(上下)は、頑強なブラケット(不図示)に固定される。これにより、異なる構成要素間の相対位置が変わらないことが保証される。
【0020】
実施形態において、撮像サブシステム106の集光光学素子108は、ルーフトップミラー118およびレンズ119を備える。ルーフトップミラー118は、第1経路照明105aおよび第2経路照明105bを、レンズ119およびカメラ109内へと反射する。実施形態において、光路、ビームスプリッタ、拡散板、光源、およびミラーの各辺は、頑強なブラケットにより共に固定される。これにより、異なる構成ブロック間の相対位置が変わらないことが保証される。
【0021】
実施形態において、拡散板(不図示)が、同軸照明源103a、103bと、ビームスプリッタ114a、114bとの間に配置され得る。拡散板は、サンプル101が、源103a、103bから、均一な同軸照明を受けることを保証するのに寄与する。
【0022】
実施形態において、撮像サブシステム106は、撮像サブシステム106の撮像領域の下に配置されたプレート121を備える。プレート121は、同軸光源111a、111bまたは傾斜光源112a、112bのいずれから発せられた光が、カメラ/レンズシステムに直接(即ち、ビームスプリッタ114a、114b、ミラー116a、116b、およびルーフトップミラー118により画定された光路をたどらずに)到達することを防止するように配置される。実施形態において、プレート121は、ルーフトップミラー118の上方、そして傾斜照明源112a、112bの内の下側の要素の下方に配置される。
【0023】
実施形態において、第1組の光学素子115aおよび第2組の光学素子115bは、個別のモータ駆動ステージに取り付けられる。これにより、システム110は、可動光学素子の両部分を水平に内外(即ち、図1Bにおいて左/右)に同時に動かすことができる。これにより、レンズ119と、サンプル101との間で、適正な自由動作距離が維持されることが保証される。この結果、カメラ/レンズシステムの焦点面内にサンプル101の辺が収まる。アセンブリを内外に動かすことで、より小さい/大きい物体が撮像できる。
【0024】
実施形態において、第1傾斜光源112aおよび第2傾斜光源112bは、個別のモータ駆動ステージに固定される。これにより、システム100は、傾斜照明の両部分を水平に内外(即ち、図1Bにおいて左/右)に同時に動かすことができる。これにより、システム100は、検査対象のサンプル101の縁に対して適切な距離を維持できる。適切な距離を維持することで、サンプル101が適正な角度で照明され、照明が均一であることが保証される。
【0025】
実施形態において、サンプル101の撮像前に、可動光学素子115a、115bおよび可動傾斜光源112a、112bは、それらの適切な位置に移動される。これにより、サンプル101がカメラ/レンズシステムの焦点面に配置され、適切な角度で照明され、照明が均一であることが保証される。撮像時、ステージアセンブリ104のピックアンドプレースヘッド107が検査対象のサンプル101を、真空印加により保持し、サンプル101を撮像サブシステム106に提示する。そこで、傾斜照明および可動光学素子に向けられた、サンプル101の2辺の画像(数は用途、即ち検査および/または計測に応じる)が撮影される。実施形態において、カメラ109はフレームグラバー(不図示)に接続される。フレームグラバーは、取得した画像(1つまたは複数)に対して画像処理を適用することで欠陥を検出し、検査対象のサンプル101に計測を実行し得る。
【0026】
実施形態において、撮像サブシステム106は、カメラ読み出しと、照明トリガーを組み合わせることで、光源111a、111b、112a、および112bからの前後光を使用して、サンプル101の複数の画像を取得し得る。
【0027】
実施形態において、撮像サブシステム106は、カメラ位置を変更(カメラステージ/モータを使用)する、および/またはミラー116a、116bの位置を変更(ミラーステージ/モータを使用)することで、異なる大きさのサンプル画像を取得し得る。なお、ミラー116a、116bは、サンプルサイズとは切り離されている。このような構成により、より大きな物体の検査が可能となり、自動切り替えが可能となる。ミラー116a、116bの動きをモータ駆動とすることで、従前のミラーブロックの場合のような、操作者による手動切り替えを介さずに、小さな物体(例えば、約2mm)から大きな物体(例えば、約150mm)まで変更可能となる。
【0028】
実施形態において、撮像サブシステム106は、ミラー116a、116bの角度を(例えば、ミラーステージを使用)制御し得る。これにより、狭角で、サンプル101の縁、および/または頂部または底部における欠陥が検出される。このようにして、ミラー116a、116bは、レンズ/カメラシステムがサンプル101の1つまたは複数の縁、および/または頂部または底部の内から反射された光を集光するように照明経路105a、105bを調整し得る。
【0029】
コントローラ110の1つまたは複数のプロセッサは、当該技術分野で公知の、任意の1つまたは複数の処理要素を備え得る。ここで、1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアアルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された、任意のマイクロプロセッサ型装置を含み得る。1つまたは複数のプロセッサは、本開示全体で説明される、システム100を動作するように構成されたプログラムを実行するように構成されたデスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、またはその他コンピュータシステム(例えば、ネットワーク型コンピュータ)から構成され得る。なお、本開示全体で説明される工程は、単一のコンピュータシステム、または複数のコンピュータシステムにより実施され得ることを理解されたい。さらに、本開示全体で説明される工程は、1つまたは複数のプロセッサの内の1つまたは複数により実施され得ることを理解されたい。概して、「プロセッサ」という用語は、メモリからのプログラム命令を実行する、1つまたは複数の処理要素を有するあらゆる装置を包含するように、幅広く定義され得る。さらに、システム100の異なるサブシステム(例えば、光源、カメラ、検出器アセンブリ104、追加のコントローラなど)は、本開示全体で説明される工程の少なくとも一部を実行するのに適したプロセッサまたは論理要素を含み得る。
【0030】
コントローラ110のメモリは、対応する1つまたは複数のプロセッサにより実行可能なプログラム命令と、撮像サブシステム106から受信したデータとを格納するのに適した、当該技術分野で公知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリは、非一時的メモリ媒体を含み得る。例えば、メモリは、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光学メモリ装置(例えばディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得るが、これらに限定されない。さらに、メモリは、1つまたは複数のプロセッサと共に、共通コントローラ筐体内に収容され得ることに留意されたい。別の実施形態において、メモリは、プロセッサ、コントローラ110などの物理的位置から、離れて配置され得る。実施形態において、メモリは、1つまたは複数のプロセッサに本開示全体で説明される各種工程を実施させるためのプログラム命令を保持する。
【0031】
なお、図1Bに示す光学的構成は、本開示の範囲を限定するものと解されるべきではない。むしろ、本開示の範囲は、本明細書に記載の機能を実施可能なあらゆる光学的構成まで拡大され得るものと考えられる。例えば、図1Cは、評価システム100の代替的および/または追加的実施形態を示す。本実施形態において、同軸光源111a、111bは、ビームスプリッタ114a、114bおよびミラー116a、116bの下方に配置される。
【0032】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、4辺評価を実施するための処理フロー200の概念図を示す。なお、図1Bに示す処理の各種制御および処理工程は、コントローラ110を通じて実施され得るが、コントローラ110は、明確さのために図1Bでは不図示である。第1工程202において、ステージアセンブリ104のピックアンドプレースヘッド107(例えば、真空ノズル)は、サンプル101を捕捉し、それをキャリア102から取り出す。第2工程204において、ステージアセンブリ104のピックアンドプレースヘッド107は、撮像サブシステム106の撮像領域内に、サンプル101を配置する。この時点で、撮像サブシステム106は、第1経路103aおよび第2経路103bを通じてそれぞれ、第1および第2辺(図1Bにおいて左右)からの画像データを取得する。第3工程206において、ステージアセンブリ104のピックアンドプレースヘッド107は、撮像サブシステム106からキャリア102へと戻すようにサンプル101を移動させる。工程204および206は、キャリア102内に収容された各サンプル101に対して繰り返され得る。第4工程208において、キャリア102は、90度回転され、撮像サブシステム106の反対の側へと並進される。これによりキャリア102内のサンプル101は、工程202における初期位置に対して90度回転され、ステージアセンブリ104のピックアンドプレースヘッド107がサンプル101を捕捉して、それをキャリア102から取り出す。なお、90度回転を実現するため、キャリア102はその他方法で調整され得、撮像サブシステム101の反対の側に並進される必要はない。第5工程210において、ステージアセンブリ104のピックアンドプレースヘッド107は、204の撮像工程に対して、サンプル101の辺を90度回転させた状態で、撮像サブシステム106の撮像領域内にサンプル101を配置する。この時点で、撮像サブシステム106は、第1経路103aおよび第2経路103bを通じてそれぞれ、第3および第4辺(図1Bにおいて前後)からの画像データを取得する。第6の工程212において、ステージアセンブリ104のピックアンドプレースヘッド107は、撮像サブシステム106からキャリア102へと戻すようにサンプル101を移動させる。工程210および212は、キャリア102内に収容された各サンプル101に対して繰り返され得る。各サンプル101について、第1、第2、第3、および第4辺から収集された画像データは、その後、コントローラ110により合成され、分析(例えば、検査および/または計測)され得る。
【0033】
図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、2つのピックアンドプレースヘッド107を備える評価システム100の概念的上面図であり、2つのサンプル101を平行して撮像するための、対応する撮像フローを示す。なお、図3において、本実施形態のピックアンドプレースヘッド107は不図示だが、ピックアンドプレースヘッドによるサンプルの動きを矢印302a、302bで示す。本実施形態において、撮像サブシステム106は、サンプル101の第1、第2、第3、および第4辺(例えば、前後左右辺)を平行して撮像する。このため、一方のピックアンドプレースヘッド107が移動してキャリア102に戻り、キャリア102からサンプル101を取り出する際、別のピックアンドプレースヘッド107は、撮像サブシステム106にサンプル101を提示する。実施形態において、撮像サブシステム106がキャリア102aにおけるサンプル101の第1および第2辺を撮像すると、コントローラ110は、キャリア102aを撮像サブシステム106の反対の側に(例えば、トラックまたはロボットを使用して)移動させて、90度回転させ得る。同時に、撮像サブシステム106がキャリア102bのサンプル101の第3および第4辺を撮像した後、コントローラ110は、キャリア102bを(例えば、ロボットを使用して)搬出し得る。その後、この処理は継続的に繰り返され得る。なお、図3は、単一のサンプルが、各キャリア102a/102bから検査用に取り出されることを示すが、当該構成は、本開示の範囲の限定として解されるべきではない。システム100は、複数のサンプル101をキャリア102a/102bから取り外し、それらを検査用に提示し得る。例えば、システム100は、キャリア102a/102bから複数のサンプル101の列を取り出し、列全体を検査サブシステム106に検査用に提示し得る。なお、図3に示す2段階ピックアンドプレースフローは、単一ピックアンドプレースフローよりもスループットが高い。
【0034】
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、複数の視野に跨るより大きな物体の検査の概念的側面図を示す。本実施形態において、FOVに収まらない装置は、検査サブシステム106に対して複数の工程で提示され得る。これにより、複数の重なった画像が得られ、当該装置全体が視覚化可能となる。例えば、サンプル401の第1画像402aおよび第2画像402bが得られ得る。この例において、画像402aは、画像402bに重なる。側面図404aは、サンプルの第1辺を示し、側面図404bは、サンプルの第2辺を示す。実施形態において、各画像402a/402bに対して、独立して検査および/または計測パラメータが設定され得る。実施形態において、コントローラは、画像402a、402bを繋ぎ合わせ、得られた画像を検査用の単一画像として扱い得る。
【0035】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、単一の視野500内での複数のサンプルに対する検査の概念的側面図を示す。本実施形態において、検査サブシステム106は、単一のFOV500を使用して、複数のサンプル501、502、503を検査し得る。実施形態において、複数のサンプル501、502、503の複数の要素(例えば、前辺、後辺、左、右)が検査され得る。光路が分かれているため、実施形態において、システム100は、例えば、サンプル501、502、503の前辺501a、502a、503aおよび後辺501b、502b、503bを同時に一度に撮像し得る。この工程は、サンプル501、502、503を一切移動させることなく実行され得る。次に、実施形態において、システム100のキャリアは、本明細書で上述したように、サンプルを検査サブシステムの反対の側に移動させて、まだ検査されていない他の辺(例えば、この例では左右辺)の検査用にサンプル501、502、503を提示し得る。
【0036】
図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態に係る、1つまたは複数のサンプルの4つの辺を評価する方法を示すフロー図600を示す。出願人は、実施形態と、評価システム100の要素が、方法600の工程の1つまたは複数を実行するように実施され得ることを特記する。但し、方法600が評価システム100の構造に限定されないということも付言する。
【0037】
方法600は、工程602において、撮像サブシステム106の第1側で、キャリア102内にサンプル101を提供することを含む。方法600は、工程604において、キャリア102から撮像サブシステム106へとサンプル101を移動させることを含む。方法600は、工程606において、サンプル101の第1および第2辺(例えば、前辺および後辺)を撮像することを含む(例えば、検査または計測用測定を実行するための撮像)。方法600は、工程608において、撮像サブシステム106からキャリア102へと戻すようにサンプル101を移動させることを含む。方法600は、工程610において、キャリア102内に、撮像される追加のサンプル101が収容されているか判定する。撮像される追加のサンプル101があれば、方法600は工程604に戻り、工程604から610が繰り返される。撮像される追加のサンプル101がなければ、方法600は工程612に進む。方法600は、工程612において、キャリア102を90度回転して、撮像サブシステム106の反対の側にキャリアを並進させることを含む。方法600は、工程614において、サンプル101をキャリア102から撮像サブシステム106へと移動させることを含む。方法600は、工程616において、サンプル101の第3および第4辺を撮像することを含む。方法600は、工程618において、撮像サブシステム106からキャリア102へと戻すようにサンプル101を移動させることを含む。方法600は、工程620において、キャリア102内に、撮像される追加のサンプル101が収容されているか判定する。撮像される追加のサンプル101があれば、方法600は工程614に戻り、工程614から620が繰り返される。撮像される追加のサンプル101がなければ、方法600は工程622に進む。方法600では、工程622において、各サンプル101の第1、第2、第3、および第4辺からの画像データが合成される。方法600では、工程624において、工程622で得られた画像データに基づいて、サンプル101が評価(例えば検査する、または計測を実施)される。
【0038】
本明細書に記載の構成要素、動作、装置、物体、およびそれらに付随する説明が、概念的な明確さのための例として使用されており、各種構成的変形が考えられることが当業者には理解されよう。したがって、本明細書において使用される、記載された具体的な例示および付随する説明は、それらのより一般的分類を示すことを目的としている。概して、あらゆる具体的な例示の使用は、その分類を表すもので、具体的な構成要素、動作、装置、および物体が含まれないことは、限定的と解されるべきではない。
【0039】
上述の説明は、ある当業者が、特定の用途およびその要件に合わせて、本発明を製造し、使用することができるように提示される。本明細書において使用される、「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上に」、「下に」、「上側」、「上方」、「下側」、「下方」などの方向を示す用語は、説明のための相対的位置を示すことを目的とし、絶対的な基準となる枠組みを指定することを意図しない。記載の実施形態に対する各種変形が、当業者には明らかになろう。本明細書において定義された概略的原理は、別の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、図示および説明された具体的実施形態に限定されることを意図せず、本明細書に開示の原理および新規特徴に矛盾しない最大の範囲と解されるものである。
【0040】
本明細書において、実質的に全ての複数および/または単数形の用語の使用について、当業者であれば状況および/または用途に応じて適宜、複数から単数、および/または単数から複数に変換できよう。本明細書において、各種単数/複数の組合せは、明確さのために、明示的に記載されない。
【0041】
本明細書に記載の主題は、別の構成要素内に収容される、または接続される異なる複数の構成要素を示すこともある。このような記載の構造は単に例示的であって、実際、数多くの別の構造も実施され得て、同じ機能を実現することを理解されたい。概念的な意味において、同じ機能を実現する構成要素のあらゆる配置は、所望の機能が実現されるように、効果的に「対応付けられる」。即ち、本明細書において、具体的な機能を実現するために組み合わされた任意の2つの構成要素は、構造や中間構成要素に関わらず、所望の機能を実現するために互いに「対応付けされている」ものとして認識され得る。同様に、そのように対応付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を実現するために、互いに「接続」または「結合」されているものとしても認識され得る。そのように対応付けることができる任意の2つの構成要素は、所望の機能を実現するために、互いに「結合可能」であるものとしても認識され得る。結合可能の具体例としては、物理的に嵌合可能なおよび/または物理的に相互作用する構成要素、無線で相互作用可能なおよび/または無線で相互作用する構成要素、および/または論理的に相互作用するおよび/または論理的に相互作用可能な構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
さらに、本発明は、添付の請求項により定義されることを理解されたい。本明細書、および添付の請求項(例えば、添付の請求項の本体部)で使用される用語は、全体として、「オープン」な用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、「含んでいる」という用語は、「含んでいるがそれに限定されない」と解されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解されるべきであり、「含む」という用語は、「含むがそれに限定されない」と解されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されるものであって、そのような記載がない場合は、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、説明を容易にするため、以下の添付の請求項には、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数の」という導入句を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」という導入句および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む発明に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、一般的には「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、一般的には少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載」の単なる記載は、一般的には少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方、当該用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0043】
本開示およびその付随する利点の多くが上述の説明で理解されるものと考えられる。また、開示の主題から逸脱することなく、あるいはその実際の利点の全てを損なうことなく、構成要素の形態、構造、および配置に各種変更が加えられ得ることは明らかであろう。記載の形態は単に例示であり、そのような変更は、以下の請求項により網羅され、包含されることが意図される。さらに、添付の請求項により本発明が定義されることが理解されよう。
図1A
図1B
図1C
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】