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特表2023-549224プロセスチャンバにガスを供給するための装置およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(54)【発明の名称】プロセスチャンバにガスを供給するための装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20231115BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231115BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528439
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 US2021056732
(87)【国際公開番号】W WO2022103576
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/113,316
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オルセン, クリストファー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ハウリルチャック, ララ
(72)【発明者】
【氏名】コーフマン-オズボーン, トービン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ウェンフェイ
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004BB18
5F004BB28
5F004BC05
5F004BC06
5F004BD04
5F004CA09
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F045AC11
5F045AC15
5F045DP04
5F045DQ17
5F045EB10
5F045EF09
5F045EF13
5F045EN04
(57)【要約】
本明細に記載する実施形態は、概して、メインフレームドアとプロセスチャンバとの間に配置されたガスアセンブリに関する。ガスアセンブリは、処理容積部内にマルチゾーンガスクロスフロー分布を提供する。ゾーンの各々は、独立して制御される。ゾーンは各々、単一のノズルを含み、ゾーンは各々、複数のノズルに流体的に結合されたプレナムを含み、またはそれらの組み合わせを含む。ノズルと含まれるプレナムなど、ノズルは、マニホールド内のマニホールドの第1の主要面と第2の主要面との間に配置される。ノズルの出口は、マニホールドの第2の主要面と流体連結し、プロセスチャンバの容積部と流体連結する。独立して制御される複数のゾーンは、流れの影響を受けやすい化学プロセスのための質量流の制御可能性を提供する。ガスアセンブリは、真空メインフレームロボットに結合されるように構成されたアダプタプレートを含む。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタプレートであって、第1の主要面と、前記第1の主要面とは反対側の第2の主要面と、前記第1の主要面から前記第2の主要面まで前記アダプタプレートを貫通して延びる開口部とを備えるアダプタプレートと、
前記アダプタプレート内に配置された1つまたは複数のプレナムであって、前記アダプタプレート内の前記第1の主要面と前記第2の主要面との間に形成され、1つまたは複数のノズルによって前記開口部に流体的に結合されている、1つまたは複数のプレナムと、
前記アダプタプレート内に形成された1つまたは複数のガス通路であって、前記1つまたは複数のガス通路の各々が、前記アダプタプレートの第3の面から前記1つまたは複数のプレナムまで延びている、1つまたは複数のガス通路と、
前記第1の主要面に形成され、前記開口部を取り囲んでいる溝と、
を備えるマニホールド。
【請求項2】
前記アダプタプレートが、ファスナを収容する複数のファスナ開口部を備え、前記複数のファスナ開口部が、前記アダプタプレートの外周の周りに、前記第1の主要面から前記第2の主要面まで配置されている、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項3】
前記1つまたは複数のプレナムが、約2個~約9個のプレナムを含み、各プレナムが、1個~8個のノズルを備える、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項4】
前記アダプタプレート内に配置された取り外し可能なインサートであって、前記1つまたは複数のプレナムおよび前記1つまたは複数のノズルを備える取り外し可能なインサート
を備える、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項5】
前記1つまたは複数のノズルの出口を備える前記アダプタプレートの表面から前記アダプタプレートの前記開口部の底面まで延びるデフレクタをさらに備え、前記1つまたは複数のノズルが前記デフレクタに向かって配向されている、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項6】
前記デフレクタが、前記アダプタプレートの前記開口部内に延びるフードを備え、前記1つまたは複数のノズルの前記出口を備える前記アダプタプレートの前記表面が、前記開口部の前記底面と実質的に同一平面上にある、請求項5に記載のマニホールド。
【請求項7】
前記開口部が矩形であり、前記デフレクタが、前記開口部の底面に対して実質的に平行かつ同一平面上にあるフードを備える、請求項5に記載のマニホールド。
【請求項8】
前記フードの前縁の間のギャップが、前記アダプタプレートの前記第1の主要面および前記アダプタプレートの前記第2の主要面からの距離よりも小さいことをさらに含む、請求項7に記載のマニホールド。
【請求項9】
1つまたは複数のノズル出口を備える前記アダプタプレートの表面をさらに備え、前記表面が、前記アダプタプレートの前記開口部の底面と実質的に同一平面上にある、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項10】
1つまたは複数の流量制御バルブをさらに備え、前記1つまたは複数の流量制御バルブの各々が、前記1つまたは複数のプレナムのそれぞれのプレナムに流体的に結合されており、各流量制御バルブが独立して制御される、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項11】
前記1つまたは複数のプレナムの各々の中に、異なる数のノズルが配置されている、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項12】
基板支持体を備えるプロセスチャンバと、
ガスアセンブリであって、
マニホールドであって、第1の主要面、および前記第1の主要面とは反対側の第2の主要面と、前記第1の主要面から前記第2の主要面まで前記マニホールドを貫通して延在する開口部とを備えるマニホールドと、
前記マニホールド内に形成され、前記プロセスチャンバのプロセス容積部と流体連結している1つまたは複数のガス通路であって、前記マニホールドが、前記第2の主要面で前記プロセスチャンバに結合されている、1つまたは複数のガス通路と、
を備えるガスアセンブリと、
前記第1の主要面において前記マニホールドに結合されたメインフレームドアと、
を備えるプロセスシステム。
【請求項13】
前記1つまたは複数の流量制御バルブをさらに備え、前記1つまたは複数の流量制御バルブの各々が、それぞれのガスラインに流体的に結合されており、前記1つまたは複数の流量制御バルブのうちの少なくとも2つが、独立して制御される、請求項12に記載のプロセスシステム。
【請求項14】
前記マニホールドが、前記マニホールド内に配置された1つまたは複数のプレナムをさらに備え、前記1つまたは複数のプレナムが、前記マニホールド内の前記第1の主要面と前記第2の主要面との間に形成されており、前記1つまたは複数のプレナムが、1つまたは複数のノズルによって前記開口部に流体的に結合されている、請求項12に記載のプロセスシステム。
【請求項15】
前記ガスアセンブリが、各ノズルからのガスを前記プロセス容積部内に方向転換するように構成されたデフレクタをさらに備える、請求項12に記載のプロセスシステム。
【請求項16】
前記デフレクタがフードをさらに備え、前記フードが各ノズルから約1mm~約3mm離れて配置されている、請求項15に記載のプロセスシステム。
【請求項17】
前記デフレクタが、前記プロセスチャンバの開口部に流体的に結合された開口部を形成している、請求項16に記載のプロセスシステム。
【請求項18】
前記プロセスチャンバが、エピタキシチャンバまたはラジカル酸化チャンバである、請求項12に記載のプロセスシステム。
【請求項19】
前記ガス通路の各々に流体的に結合されたガス源をさらに備える、請求項12に記載のプロセスシステム。
【請求項20】
マニホールドであって、第1の主要面と、第2の主要面と、前記第1の主要面から前記第2の主要面まで延びる開口部と、前記マニホールド内の前記第1の主要面と前記第2の主要面との間に配置された1つまたは複数のプレナムとを備え、前記プレナムの各々が1つまたは複数のノズルを備え、前記1つまたは複数のノズルが前記第2の主要面と流体連結しており、1つまたは複数のガスラインが前記マニホールドの第3の面から前記1つまたは複数のプレナムまで延びており、前記ガスラインのうちの少なくとも2つが独立して制御される、マニホールドと、
前記第1の主要面に結合された移送システムメインフレームドアと、
チャンバ開口部を有するプロセスチャンバであって、前記チャンバ開口部が前記1つまたは複数のノズルと流体連結している、プロセスチャンバと、
を備えるガス流システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、プロセスチャンバにガスを供給するための装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス製造システムは、たとえば、脱ガス、前洗浄または洗浄、堆積(たとえば、化学気相堆積、物理的気相堆積、および/または原子層堆積)、コーティング、酸化、窒化、エッチング(たとえば、プラズマエッチング)などを含む、任意の数の基板プロセスを行うように構成された1つまたは複数のプロセスチャンバを含む。基板としては、半導体ウエハ、ガラス板もしくはパネル、および/または電子デバイスもしくは回路部品を作製するために使用されるワークピースがある。基板は、スリットバルブを備えるアセンブリなどのチャンバポートアセンブリを介して、プロセスチャンバと移送チャンバとの間で移送される。チャンバポートアセンブリは、プロセスチャンバのチャンバポートと移送チャンバのチャンバポートとの間のインターフェースを提供する。チャンバポートアセンブリを介する基板の移送中に、チャンバハードウェアからの粒子状物質が基板に移動する場合がある。この粒子状物質は、電子デバイスの欠陥を増加させるなど、基板の処理に影響を与える。
【0003】
したがって、基板上にまたはプロセス容積部内に汚染物質を導入することなく、プロセスチャンバ内およびプロセスチャンバ間で基板を処理および移送する装置およびシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
1つの実施形態では、第1の主要面と、第1の主要面とは反対側の第2の主要面と、第2の主要面の開口部まで延びる第1の主要面の開口部によって画定された切り抜き部とを備えるアダプタプレートを有する、マニホールドが提供される。マニホールド内の第1の主要面と第2の主要面との間に、1つまたは複数のプレナムが配置されている。プレナムの各々は、第2の主要面の開口部の底面および開口部と流体連結している1つまたは複数のノズルを含み、1つまたは複数のプレナムの各々は、それぞれの流量制御バルブに結合されている。
【0005】
別の実施形態では、内部に基板支持体が配置されているプロセスチャンバを有するプロセスシステムが提供される。プロセスシステムは、第1の主要面および第2の主要面を備えたマニホールドを有するガスアセンブリを含む。マニホールド内の第1の主要面と第2の主要面との間に、1つまたは複数のガスラインが配置されており、ガスラインの各々は、プロセスチャンバのプロセス容積部と流体連結しているノズルを含む。マニホールドは、第2の主要面でプロセスチャンバに結合されており、第1の主要面において、マニホールドにメインフレームドアが結合されている。
【0006】
別の実施形態では、第1の主要面と、第2の主要面と、第1の主要面から第2の主要面まで延びる開口部とを有するマニホールドを含む、ガス流システムが提供される。マニホールド内の第1の主要面と第2の主要面との間に、1つまたは複数のプレナムが配置されている。プレナムの各々は、1つまたは複数のノズルを含む。1つまたは複数のノズルは、第2の主要面と流体連結しており、1つまたは複数のガスラインが、マニホールド内に配置されている。ガスラインのうちの少なくとも2つは、互いに独立して制御される。ガスラインの各々は、マニホールドの上面にガス出口を含む。第1の主要面と、スロットを含むプロセスチャンバとに、移送システムメインフレームドアが結合されている。スロットは、1つまたは複数のノズルと流体連結している。
【0007】
本開示の上記に列挙した特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に概要を述べた本開示のより詳細な説明を、実施形態を参照して行うことができ、そうした実施形態のうちのいくつかを添付図面に示す。しかしながら、添付図面は、単に例示的な実施形態を示すものであり、したがって、本開示は他の同様に有効な実施形態を認めることができるため、添付図面は範囲を限定するものとみなされるべきではないことが留意されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による処理システムの概略平面図である。
図2】一実施形態による処理システムの概略断面部分側面図である。
図3A】一実施形態による、マルチゾーンガスアセンブリごとの単一ノズルの概略断面正面図である。
図3B】一実施形態による、マルチゾーンガスアセンブリごとのマルチノズルの概略断面正面図である。
図4A】一実施形態による処理システムの概略断面部分上面図である。
図4B】一実施形態による処理システムの概略断面部分上面図である。
図5A】いくつかの実施形態による、アダプタプレートおよびデフレクタインサートの概略断面側面図である。
図5B】いくつかの実施形態による、アダプタプレートおよびデフレクタインサートの概略断面側面図である。
図5C】いくつかの実施形態による、アダプタプレートおよびデフレクタインサートの概略断面側面図である。
図5D】いくつかの実施形態による、アダプタプレートおよびデフレクタインサートの概略断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、可能な場合は、図に共通する同一の要素を指定するために同一の参照番号を使用している。ある実施形態の要素および特徴は、これ以上説明することなく、他の実施形態に有益に組み込むことができることが企図されている。
【0010】
本明細書に記載する実施形態は、概して、プロセスチャンバに結合されたガスアセンブリに関連する。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、ガスアセンブリは、メインフレーム(たとえば、移送チャンバ)とプロセスチャンバとの間に配置される。プロセスチャンバに結合され、メインフレーム(たとえば、移送チャンバ)の位置から離れた位置など、ガスアセンブリに対する他の位置も企図される。ガスアセンブリは、プロセスチャンバの処理容積部内にマルチゾーンガスクロスフロー分布を提供する。ゾーンの各々は、独立して制御される。ゾーンは各々、単一のノズル、複数のノズルに流体的に結合されたプレナム、またはそれらの組み合わせを含む。ノズル、および/またはノズルと含まれるプレナムは、マニホールド内のマニホールドの第1の主要面と第2の主要面との間に配置されている。ノズルの出口は、マニホールドの第2の主要面と流体連結するとともに、プロセスチャンバの処理容積部と流体連結している。独立して制御される複数のゾーンは、流れの影響を受けやすい化学プロセスのための質量流の制御可能性を提供する。ガスアセンブリは、真空メインフレームドアに結合されるように構成されたアダプタプレートを含む。
【0011】
図1は、1つまたは複数の実施形態による電子デバイス製造システム100を示す。電子デバイス製造システム100は、複数の基板を同時に処理するように構成することができる。基板としては、半導体ウエハ、ガラス板もしくはパネル、および/または電子デバイスもしくは回路部品を作製するために使用される他のワークピースがある。電子デバイス製造システム100は、移送チャンバ102、複数のプロセスチャンバ104、および1つまたは複数のロードロックチャンバ106を含み、これらの各々は真空圧で動作することができる。移送チャンバ102は、各プロセスチャンバ104および各ロードロックチャンバ106にかつそれらから基板を移送するように構成されたロボット(図示せず)を含む。
【0012】
プロセスチャンバ104は各々、たとえば、堆積(たとえば、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、および/または原子層堆積)、酸化、窒化、コーティング、エッチング(たとえば、プラズマエッチング)、研磨、洗浄、リソグラフィ、脱ガスなどを含む、同一または異なる基板プロセスを実施する。さらにまたは代替的に、プロセスチャンバ104によって、他の基板プロセスを実施することができる。各プロセスチャンバ104内では、1つまたは複数の基板が処理される。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ104は、エピタキシチャンバ、またはインシトゥ(その場)蒸気発生チャンバなどのラジカル酸化チャンバである。
【0013】
ロードロックチャンバ106は各々、バッチタイプまたは単一基板タイプのロードロックチャンバである。ロードロックチャンバ106は、ファクトリインターフェース108に結合することができ、ファクトリインターフェース108と移送チャンバ102との間に第1の真空インターフェースを提供することができる。
【0014】
ファクトリインターフェース108は、1つまたは複数のFOUP(前方開口型統一ポッド)110に結合することができる。各FOUP110は、複数の基板を保持する据え付けのカセットを有する容器である。FOUP110は各々、ファクトリインターフェース108とともに使用されるように構成された前面開口型インターフェースを有する。他の実施形態では、FOUP110の代わりに、任意の好適なタイプのポッドおよび/またはロードポートを使用することができる。ファクトリインターフェース108は、FOUP110とロードロックチャンバ106との間の線形運動、回転運動、および/または垂直運動を介して任意の順序または方向で基板を移送するように構成された1つまたは複数のロボット(図示せず)を有することができる。電子デバイス製造システム100は、他の好適な数のFOUP110を有する。
【0015】
コントローラ112が、電子デバイス製造システム100における、および電子デバイス製造システム100を介する基板の処理および移送の一部またはすべてを制御する。コントローラ112は、たとえば、汎用コンピュータであってもよく、かつ/または、マイクロプロセッサまたは他の好適なCPU(中央処理装置)、電子デバイス製造システム100を制御するソフトウェアルーチンを記憶するメモリ、入出力周辺機器、およびサポート回路(たとえば、電源、クロック回路、ロボットを駆動する回路、キャッシュなど)を含んでもよい。
【0016】
移送チャンバ102は、移送チャンバ102と各チャンバ(たとえば、プロセスチャンバ104、ロックロードチャンバ106)との間の各インターフェースに、スリットバルブなどのメインフレームドア114を含む。それぞれのプロセスチャンバに結合された各メインフレーム114の間に、マニホールド124が配置されている。代替的に、マニホールド124は、メインフレームドア114とは分離した別個の位置で、各プロセスチャンバに結合されている。メインフレームドア114は、複数のファスナを用いるなど、任意の好適な方法を用いて、マニホールド124に直接取り付けられている。ファスナは、ねじ切りされたねじまたはボルトであり得る。メインフレームドア114とマニホールド124との間、およびマニホールド124とプロセスチャンバ104との間に、それらの間に気密シールを提供するために、1つまたは複数のOリングが配置されている。この気密シールにより、いずれのチャンバもその中の真空圧を失うことなく、基板がチャンバ間を通過することができる。同様に、マニホールド124の第2の側は、相互作用するプロセスチャンバ104の側壁に結合されている。移送チャンバ102、プロセスチャンバ104、およびロードロックチャンバ106の各々は、1つまたは複数のポート(図示せず)を有する。ポートは、ロボットまたは他の好適な機構を介して、実質的に水平方向に配向された基板が通過することができるように構成された、チャンバの側壁の開口部である。チャンバポートは、長尺状スロットもしくはスリット、または基板をそこに通すのに好適な任意の形状である。マニホールド124は、マニホールド124と相互作用するチャンバポート(たとえば、メインフレームドアのポートおよびプロセスチャンバのポート)に対応する開口部を含む。開口部は、卵形、楕円形、長円形、円形、矩形などの任意の好適な形状である。
【0017】
図2は、一実施形態による処理システムの概略断面側面図を示す。マニホールド124は、メインフレームドア114とプロセスチャンバ104との間に配置されている。基板が、移送チャンバ102から、メインフレームドア114のポートを通り、マニホールド124の開口部220を通り、プロセスチャンバ104のポートを通って移送される。開口部220は、マニホールド124の第1の主要面210から第2の主要面212まで、マニホールド124を貫通して延びている。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、マニホールド124は、メインフレームドア114と相互作用する第1の主要面210と、プロセスチャンバ104と相互作用する第2の主要面212とを含む。複数のガス通路222が、マニホールドの第3の面214からマニホールドの開口部220の下面218までY方向(たとえば、垂直方向)に延びるように設けられている。ガス通路222は、マニホールド124の底面(たとえば、第3の面214)からマニホールド124の開口部220の下面218まで延びるように描かれているが、マニホールド124の上面216からマニホールドの開口部220の上面219まで、またはマニホールド124のメインフレームドア114と相互作用する側から延びるなど、他の配向が企図される。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、第1の主要面から第2の主要面までのマニホールドの幅は、約0.7インチなど、約0.5インチ~約1インチである。1つの例では、マニホールド124は、プロセスチャンバ104がメインフレームドア114または移送チャンバ102に直接的に結合するように本来設計または構築されていた既存のシステムに容易に後付けされる。メインフレームドア114の第1の主要面には、メインフレームドア114のポートを取り囲むメインフレーム溝215が形成されている。メインフレームドア114の溝215は、マニホールド124の第1の主要面210と相互作用する。溝215は、メインフレームドア114とマニホールド124との間に気密シールを提供するOリングなどのシールを受けるように構成されている。マニホールド124の212の第2の側には、プロセスチャンバ104と相互作用するマニホールド溝217が形成されている。溝217は、開口部220を取り囲み、マニホールド124とプロセスチャンバ104との間に気密シールを提供するOリングなどのシールを受けるように構成されている。
【0018】
図3Aは、一実施形態による、ゾーンごとに単一ノズルを有するマルチゾーンガスアセンブリ300Aの概略断面正面図を示す。図3Aに描かれているガスアセンブリ300Aは、複数のゾーンを含み、各ゾーンは、単一のノズル304を含む。ゾーンの各々(たとえば、ノズル304)は、互いに関して独立して制御される。各ゾーンは、独立して制御される質量流量制御バルブ306を含む。質量流量制御バルブ306は、ガス源308に結合されている。ガス源308は、窒素、水素、酸素、またはそれらの組み合わせなど、任意のガスを含む。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、マニホールド124は、約2個~約9個のガス流のゾーンを含む。ノズルの各々は、独立して制御される(たとえば、ゾーンごとに1つのノズル)。所望の追加の制御の量に基づいて、各ゾーンは幅が等しく、または少なくとも2つのゾーンは幅が等しくない。より小さい幅を有するより多くのゾーンは、より大きい幅を有するより少ないゾーンと比較して、より高い調整可能性を提供する。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、基板のエッジにおける追加の調整可能性のために、エッジにおける追加のゾーンが提供される。言い換えれば、単位長さ当たりのゾーンの数(たとえば、ゾーン密度)は、マニホールド124の中央領域と比較して、マニホールド124の横方向外側のエッジの方が大きくなりうる。デフレクタ302が、開口部220の下面および上面に実質的に平行な(たとえば、ガス流の方向に対して垂直な)フード(たとえば、棚)を提供する。デフレクタは、開口部内に少なくとも部分的に延び、ノズル304からのガス流をプロセス容積部内に偏向させるように構成されている。理論に縛られることなく、デフレクタは、ノズル304からプロセス容積部に供給される超音速ガスの流れを制限する衝突点を提供すると考えられる。独立して制御されるゾーンの使用とともに、結果として得られるガス流により、ガスアセンブリからプロセス容積部へのカスタマイズ可能な流れ(たとえば、均一または不均一な流れ)が提供され、プロセスにわたる再現性が改善される。
【0019】
図3Bは、一実施形態による、ゾーンごとに複数のノズルを有するマルチゾーンガスアセンブリ300Bの概略断面正面図を示す。図3Bに描かれているガスアセンブリ300Bは、約2個~約9個のゾーンを提供し、各ゾーンはプレナム310を含み、プレナム310は、プレナム310ごとに約4個~約6個のノズルなどの複数のノズル304を有する。各プレナム310は、それぞれの質量流量バルブ306を介して独立して制御されるガスライン312に結合されている。マニホールド124内に、1つまたは複数のガス通路313が形成されている。1つまたは複数のガス通路313の各々は、マニホールド124の第3の面314から1つまたは複数のプレナム310まで延びている。ガス通路の各々は、ガスラインを受けるように構成され、またはガスラインと流体連結している。プレナム310は、幅が等しく、または代替的に、質量流量制御の所望の量に基づいて幅が変化する。各プレナムは、プレナムごとに均一な数のノズルを有し、または代替的に、少なくとも1つのプレナムを、少なくとも1つの他のプレナムよりも多いものとして有する。マニホールド124上に、ファスナを収容する複数のファスナ開口部320が配置されている。ファスナを収容する複数のファスナ開口部320は、マニホールド124の外周の周りに第1の主要面から第2の主要面まで配置されている。
【0020】
図4Aは、一実施形態による処理システムの概略断面上面図を示す。メインフレームドア114が、マニホールド124の第1の主要面に結合されている。図3Aおよび図3Bに関して説明したノズルの出口など、複数のガスライン出口304を示す。例として、図4Aは、独立して制御される3つのゾーン410A、410B、410Cを描いている。ゾーン410Aおよび410Cは、3つのノズルを含み、ゾーン410Bは、4つのノズルを含む。ノズルからのガスは、プロセスチャンバ側壁内のスロット(たとえば、スリットバルブ開口部)を介してプロセス容積部の側部にクロスフローとして提供される。気体の横方向の流れを促進するために、デフレクタ302(図3Aに示す)を設けることができる。ガスは、基板支持体406の表面および/または基板支持体406上に配置された基板にわたって流れる。
【0021】
図4Bは、一実施形態による処理システムの概略上面図を示す。図4Bは、デフレクタ402を包囲しかつ/または支持するアダプタプレート414を有するマニホールド124を提供する。アダプタプレート414は、メインフレームドア114に近接する第1の部分414Aと、プロセスチャンバ104に近接する第2の部分414Bとを有する。
【0022】
図5A図5Dは、アダプタプレート414およびデフレクタ402を有するガスアセンブリ500の概略断面側面図を示す。アダプタプレート414は、プロセスチャンバ104から、アダプタプレート414の開孔を通って、メインフレームドア114まで延びるファスナ516によって、プロセスチャンバ104およびメインフレームドア114に結合されている。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、デフレクタ402は、取り外し可能なインサートなど、取り外し可能なデフレクタである。図は、アダプタプレート414およびデフレクタ402を2つの別個の部品として描いているが、デフレクタ402と一体であるアダプタプレート414も企図される。デフレクタ402は、フード502と、プレナム504と、ノズル出口506と、フード502を支持する背板510とを含む。ノズル出口506とフード502との間の距離508は、約1mm~約2mmなど、約0.5mm~約3mmである。フード502と開口部220の上面との間に、間隙512もまた設けられている。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、図5Aに示すように、間隙512の高さは開口部220の高さに等しい。代替的に、フード502は、図5Bに示すように、間隙512の高さが開口部220の高さよりも小さくなるように開口部220の中に延びている。ノズル出口506は、開口部220の下面218と実質的に同一平面上にある。間隙を通して、メインフレーム装置からの第2のガス流を導入することができる。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、デフレクタ402は、メインフレームドアのポートを通してアダプタプレート内に設置される取り外し可能なインサートである。デフレクタ402は、アダプタプレート414の開孔を通して挿入される止め板514を使用して適所に固定されている。アダプタプレート414の開孔の底部は、デフレクタ表面の上面と同一平面上にあるか、またはデフレクタの開孔に嵌め込まれている。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、アダプタプレート414の開孔の底部は、開口部220の底部と同一平面上にある。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、デフレクタ402は、1つまたは複数のノズルの出口506を含む取り外し可能なインサートの表面415からアダプタプレート414の開口部の底面417まで延び、1つまたは複数のノズルはデフレクタ402に向かって配向されている。本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、デフレクタは、アダプタプレート414と一体であり、1つまたは複数のノズルの出口506を含むアダプタプレート414の表面415からアダプタプレート414の開口部の底面417まで延び、1つまたは複数のノズルはデフレクタに向かって配向されている。
【0023】
再び図4Bを参照すると、デフレクタ402のフード502は、メインフレームドア114に近接する位置からプロセスチャンバ104に近接する位置までx方向に延びている。フード502の前縁と、プロセスチャンバ104に近接するアダプタプレート414の部分との間に、複数の間隙408が設けられている。間隙408は、ガスがノズル出口から処理チャンバのプロセス容積部内に流れる通路を提供する。各間隙は、ガスが出るプレナムまたはノズルに対応している。デフレクタ402は、複数のフィン404をさらに含む。各フィン404は、隣接する間隙408を分離している。各フィンは、1つまたは複数のノズル506の出口を有する取り外し可能なインサートの表面から、フード502まで延びている。
【0024】
フィン404は、デフレクタ402の長手方向軸(たとえば、x方向)に対して垂直であり、またはフィン404は、第2の主要面の平面に対して鋭角または鈍角に角度付けされている。
【0025】
本明細書に記載する他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、図5Cおよび図5Dに示すように、デフレクタ402は、フードを含まない。図5Cは、マニホールド開口部220の下面218と実質的に同一平面上にあるノズル出口506を備えた上面を有する取り外し可能なデフレクタなどのデフレクタを描いている。ノズル出口506は、上向きに、かつ開口部の下面218に対して垂直に配向されている。代替的に、ノズル出口506は、図5Dに示すように、プロセスチャンバ104に向かって配向されている。ノズル出口506は、水平軸に対して約0度~約90度の角度で配向されている。
【0026】
要約すると、メインフレームドアとプロセスチャンバとの間に配置された、独立して制御される複数のパージゾーンを有するガスアセンブリが提供される。ガスアセンブリは、均一な(かつ/または不均一な)、カスタマイズ可能な、制御可能な、クロスフロー分布を処理容積部内に提供する。ガスアセンブリは、エピタキシ、ラジカル酸化、インシトゥ(その場)蒸気発生(ISSG)、半導体リアクタなど、クロスフロープロセスチャンバなどの任意のプロセスチャンバに有用である。ガスアセンブリは、プロセスチャンバを隣接するチャンバ(移送チャンバなど)のメインフレームドアから遠ざけ、ガスアセンブリを配置することにより、既存のプロセスチャンバに後付けすることができる。
【0027】
上述したことは本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他のおよびさらなる実施形態は、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【0028】
本明細書で用いる場合の「約」という用語は、名目値からの±10%の変動を指す。こうした変動は、本明細書に提供する任意の値に含めることができることが理解されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
【国際調査報告】