(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(54)【発明の名称】無線周波数インタフェースボードを含む積層アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01P 3/00 20060101AFI20231116BHJP
H01P 3/02 20060101ALI20231116BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20231116BHJP
H01R 13/648 20060101ALN20231116BHJP
【FI】
H01P3/00 100
H01P3/02 200
H01P3/08
H01R13/648
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522485
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2021067198
(87)【国際公開番号】W WO2022078638
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
【氏名又は名称原語表記】AGC GLASS EUROPE
【住所又は居所原語表記】Avenue Jean Monnet 4, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgique
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507090421
【氏名又は名称】エージーシー フラット グラス ノース アメリカ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AGC FLAT GLASS NORTH AMERICA,INC.
【住所又は居所原語表記】11175 Cicero Dr. Suite 400, Alpharetta, GA 30022, U.S.A.
(71)【出願人】
【識別番号】518428303
【氏名又は名称】エージーシー ビードロス ド ブラジル エルティーディーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ユーセフベイキ, モーセン
(72)【発明者】
【氏名】アドダシ, ラフィク
【テーマコード(参考)】
5E021
5J014
【Fターム(参考)】
5E021FC19
5E021LA21
5J014AA01
5J014CA42
(57)【要約】
本発明は、改良型のRFインタフェースボード、並びに、第一及び第二の表面を有する誘電体支持部と、誘電体支持部上に配置された少なくとも第一及び第二のRF伝送ストリップとを含み内側部分と外側部分を有するRFインタフェースボードを有する積層アセンブリを開示するものであり、第一及び第二のRF伝送ストリップは、相互に電気的に絶縁され、第一及び第二のRF伝送ストリップは、外側部分においてコネクタに接続されるように構成され、各々は内側部分において異なる導電要素に接続されるように構成され、第一のRF伝送ストリップは第一の表面上にある。本発明は、関連する方法及び使用も開示する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- ポリマ系界面層(110)によって一体に積層された第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネル(101、102)であって、前記第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネルの各々が内面(101i、102i)を有し、前記内面が相互に対向する、第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネルと、
- 少なくとも第一の導電素子及び第二の導電素子(121、122)であって、前記第一の導電素子が前記第一の誘電体の前記内面に配置され、前記2つの導電素子が相互に分離される、少なくとも第一の導電素子及び第二の導電素子と、
- 内側部分(141)及び外側部分(142)を有するRFインタフェースボードであって、前記内側部分が前記ポリマ系界面層によって前記第一及び前記第二の誘電体パネルと少なくとも部分的に積層され、
・第一の表面(151)及び第二の表面(152)を有する誘電体支持部(150)、並びに
・前記誘電体支持部上に配置された少なくとも第一のRF伝送ストリップ(161)及び第二のRF伝送ストリップ(162)であって、相互に電気的に絶縁される少なくとも第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップ
を含むRFインタフェースボードと、
を含む積層アセンブリ(100)において、
前記RFインタフェースボードの前記内側部分の前記第一の表面及び前記第二の表面は、実質的に平坦であり、かつ相互に平行であること、及び
前記第一のRF伝送ストリップが前記誘電体支持部の前記内側部分において前記第一の導電素子に電気的に接続され、前記第二のRF伝送ストリップが前記誘電体支持部の前記内側部分において前記第二の導電素子に電気的に接続されること
を特徴とする積層アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記RFインタフェースボードの前記第二のRF伝送ストリップは前記誘電体支持部の前記第一の表面上にある、請求項1に記載の積層アセンブリ(100)。
【請求項3】
前記RFインタフェースボードの前記第二のRF伝送ストリップは前記誘電体支持部の前記第二の表面上にある、請求項1に記載の積層アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記RFインタフェースボードは、前記誘電体支持部の上に配置され、かつ他の前記RF伝送ストリップから分離された第三のRF伝送ストリップ(13、14)を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の積層アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記第二の導電素子は前記第一の誘電体パネルの前記内面上に配置され、前記第二の導電素子は前記第一の導電素子から電気的に絶縁される、請求項1~4の何れか1項に記載の積層アセンブリ。
【請求項6】
前記第二の導電素子は前記第二の誘電体パネルの前記内面上に配置される、請求項1~4の何れか1項に記載の積層アセンブリ。
【請求項7】
前記第二のRF伝送ストリップは前記RFインタフェースボードの前記第二の表面上にある、請求項6に記載の積層アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの導電素子は、少なくとも1つの導電層を含むコーティング系である、請求項1~7の何れか1項に記載の積層アセンブリ。
【請求項9】
前記ポリマ系界面層はCOP又はイオノマ系界面層である、請求項1~8の何れか1項に記載の積層アセンブリ。
【請求項10】
前記第一の誘電体パネル及び/又は前記第二の誘電体パネルはPET系パネルである、請求項1~9の何れか1項に記載の積層アセンブリ。
【請求項11】
請求項1~10の何れか1項に記載の積層アセンブリを電気的に接続する方法であって、同軸ケーブルのシールドを、前記誘電体支持部の前記外側部分において前記第一のRF伝送ストリップに、及び前記同軸ケーブルのコアを、前記誘電体支持部の前記外側部分において前記第二のRF伝送ストリップに接続するステップを含む方法。
【請求項12】
請求項1~10の何れか1項に記載の積層アセンブリを電気的に接続する方法であって、市販のコネクタを、前記誘電体支持部の前記第一のRF伝送ストリップに及び前記第二のRF伝送ストリップに接続するステップを含む方法。
【請求項13】
積層アセンブリの外部にRF信号を送信及び/又は受信するためにコネクタを接続するか又はケーブルをはんだ付けするためのRFインタフェースボードの使用であって、前記積層アセンブリ(100)は、
- ポリマ系界面層(110)によって一体に積層された第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネル(101、102)であって、前記第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネルの各々が内面(101i、102i)を有し、前記内面が相互に対向する、第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネルと、
- 少なくとも第一の導電素子及び第二の導電素子(121、122)であって、前記第一の導電素子が前記第一の誘電体の前記内面上に配置され、前記2つの導電素子が相互に分離される、少なくとも第一の導電素子及び第二の導電素子と、
を含み、
前記RFインタフェースボードは内側部分(141)と外側部分(142)を有し、
- 第一の表面(3、151)と第二の表面(4、152)を有する誘電体支持部(2、150)と、
- 前記誘電体支持部上に配置された少なくとも第一のRF伝送ストリップ(11、161)及び第二のRF伝送ストリップ(12、162)であって、前記第一のRF伝送ストリップ及び前記第二のRF伝送ストリップが相互に電気的に絶縁され、前記第一のRF伝送ストリップ及び前記第二のRF伝送ストリップがRFコネクタ又はRFモジュールに前記外側部分において接続されるように構成され、各々、前記内側部分において異なる導電素子に接続されるように構成され、前記第一のRF伝送ストリップが前記第一の表面上にある、少なくとも第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップと、
を含む、使用において、
前記第一の表面及び前記第二の表面が実質的に平行であり、かつ実質的に平坦であること、及び
前記内側部分が、前記ポリマ系界面層によって前記第一の誘電体パネル及び前記第二の誘電体パネルと少なくとも部分的に積層されること
を特徴とする使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの無線周波数(RF)インタフェースボードに接続される積層アセンブリに関する。
【0002】
本発明は好ましくは、アンテナ及び特にパッチアンテナを包囲する積層アセンブリに給電するために使用される。
【0003】
それゆえ、本発明は、少なくとも1つのRFインタフェースボードを含む積層アセンブリが使用される、様々な領域に関する。
【背景技術】
【0004】
アンテナにRF信号を送信し、及び/又はアンテナからRF信号を受信するために、伝送線、例えば同軸ケーブルを、アンテナとRFモジュールとの間に接続する必要がある。時には、ケーブルをアンテナに直接接続しないようにするために、RFコネクタが使用される。
【0005】
コネクタは標準化された雄/雌端子を有し、コネクタはアンテナの導電部分にはんだ及び/又はねじで固定される。次に、ケーブルは端子に固定される。
【0006】
したがって、用途ごと及び/又はアンテナごとに、特定のコネクタを正しい場所にはんだ付けする必要がある。
【0007】
アンテナは、全ての方向にほぼ同等にエネルギを放射する全方向性アンテナ、又は1つの方向に他の方向より多くのエネルギを放射する指向性アンテナに分類できる。「指向性」アンテナは通常、他の局の方向における電磁場とのその結合を最大にすることが意図されている。
【0008】
アンテナは、例えばFM、AM信号のための導電ワイヤで製作することができる。これらのワイヤは、空間内に設置するか、誘電体支持部上に印刷できる。アンテナは、相互に関して幾つかの導電素子を必要とする、より複雑なもの、例えばパッチアンテナとなる可能性がある。例えば、パッチアンテナの場合、アンテナは少なくとも3つの素子、すなわちパッチ、給電線、及び接地平面を含む。一連の具体的な性能基準を満たすために、パッチ及び/又は給電線と接地平面との間の特定の空間が必要である。
【0009】
その他のタイプの導電システムでは、2つの導電素子間の分離された特定の距離が必要であり得る。
【0010】
文献、欧州特許第3289638号明細書は、2つの導電素子と同軸ケーブルとの間のコネクタを開示している。このコネクタは、ケーブルを挟んでケーブルを2つの導電素子に電気的に接続するものであり、その大きさと体積から、積層構造の中では使用できない。
【0011】
文献、欧州特許第3478497号明細書は、積層構造内部の接続のために平坦で柔軟なコネクタを使用することを開示している。このコネクタは、積層構造の1つの表面にしか接続できない。異なる表面上の複数の導電素子を構造の外側に接続する必要がある場合、各導電素子にはそれ自体のインタフェースが必要である。それゆえ、特にアンテナの用途の場合、積層構造の内部にある導電素子に給電するために、非常にカスタマイズされたコネクタが必要となる。さらに、アンテナのインピーダンスマッチングは、その後の寄生容量及び誘導負荷によって、より困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述の問題を緩和し、積層アセンブリに給電するのに必要なコンポーネントの数を最小化することである。特に、本発明の第一の態様の目的は、積層アセンブリ内部の接続を改良することである。
【0013】
本発明の他の利点は、カスタムコネクタの数を最小化するとともに、市販のコネクタの使用を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第一の態様において、内側部分及び外側部分を有するRFインタフェースボードに関し、これは第一の表面及び第二の表面を有する誘電体支持部と、誘電体支持部の上に配置された少なくとも第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップと、を含み、第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップは外側部分でRFコネクタに接続されるように構成され、各々が、内側部分で異なる導電素子に接続されるように構成され、第一のRF伝送ストリップは第一の表面上にある。
【0015】
第一及び第二の表面は、実質的に平行であり、かつ実質的に平坦である。
【0016】
本発明は、第二の態様において、積層アセンブリに関し、これは、ポリマベースの界面層によって一体に積層される第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネルであって、各々が内面を有し、内面が相互に対向する、第一の誘電体パネル及び第二の誘電体パネルと、少なくとも第一の導電素子及び第二の導電素子であって、第一の導電素子は第一の誘電体の内面に配置され、2つの導電素子は相互に、及びRFインタフェースボードから分離され、第一の表面及び第二の表面を有する誘電体支持部を含む内側部分及び外側部分を有する、第一の導電素子及び第二の導電素子と、誘電体支持部上に配置された少なくとも第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップであって、相互に電気的に絶縁された、第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップと、を含む。
【0017】
RFインタフェースボードの内側部分の第一の表面及び第二の表面は実質的に平坦で、相互に平行である。第一のRF伝送ストリップは、誘電体支持部の内側部分において第一の導電素子に電気的に接続され、第二のRF伝送ストリップは誘電体支持部の内側部分で第二の導電素子に電気的に接続される。好ましくは、RFインタフェースボードは、表面全体に沿って実質的に同じ厚さを有する。
【0018】
本発明によれば、RFインタフェースボードの外側部分において、マッチングコンポーネント群、例えばコンデンサとインダクタ及び/又はそれらの等価的な分散素子回路は、積層アセンブリのインピーダンス応答を調整するためにRF伝送ストリップ(同軸ケーブル又はRFコネクタが取り付けられている場所と積層アセンブリ縁部との間)に接続することができる。
【0019】
本発明によれば、RFインタフェースボードの外側部分で、RFモジュールは部分的又は全体的にRF伝送ストリップに直接接続できる。
【0020】
本発明はまた、本発明の第二の態様による積層アセンブリを電気的に接続する方法にも関し、この方法は、同軸ケーブルのシールドを誘電体支持部の外側部分で第一のRF伝送ストリップに、及び同軸ケーブルのコアを誘電体支持部の外側部分で第二のRF伝送ストリップに接続するステップを含む。
【0021】
最後に、本発明は、積層アセンブリの外部にRF信号を送信及び/又は受信するためにコネクタを接続するか、又はケーブルをはんだ付けするための本発明の第一の態様によるRFインタフェースボードの使用に関する。
【0022】
本発明は、特許請求の範囲又は説明されている実施形態の中に明記された特徴の考え得るあらゆる組合せに関する点に留意されたい。
【0023】
以下の説明は構築用途に関するが、本発明は自動車や交通手段用等の他の分野にも応用可能であり得ると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下に、本発明のこの、及びその他の態様を、限定としてではなく図解のために提供される本発明の様々な例示的な実施形態を示す添付の図面を参照しながらより詳しく説明する。図面は、概略的表現であり、正確な縮尺によらない。図面は本発明を一切限定しない。さらに多くの利点を、例を用いて説明する。
【0025】
【
図1】第一の表面上の第一のRF伝送ストリップと第二の表面上の第二のRF伝送ストリップを含むRFインタフェースボードの概略的3D図面である。
【
図2】第一の表面上の第一のRF伝送ストリップと第二のRF伝送ストリップを含むRFインタフェースボードの概略的3D図面である。
【
図3】第一の表面上の第一のRF伝送ストリップ及び他の2つの(第三及び第四の)RF伝送ストリップと第二の表面上の第二のRF伝送ストリップを含むRFインタフェースボードの概略的3D図面である。
【
図4】第一の表面上の第一のRF伝送ストリップ、第二のRF伝送ストリップ、及び第三のRF伝送ストリップを含むRFインタフェースボードの概略的3D図面である。
【
図5】第一の内面上の第一の導電素子と、第二の内面上の第二の導電素子と、第一の表面上の第一のRF伝送ストリップ及び第二の表面上の第二のRF伝送ストリップを含むRFインタフェースボードと、を含む積層アセンブリの概略図である。
【
図6】第一の内面上の第一の導電素子及び第二の導電素子(図示せず)と、第一の表面上の第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップ(図示せず)を含むRFインタフェースボードと、を含む積層アセンブリの概略図である。
【
図7】本発明による積層アセンブリの概略的3D図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の第一の態様によれば、本発明は、内側部分141及び外側部分142を有する改良型のRFインタフェースボード1、140に関し、
- 第一の表面3、151及び第二の表面4、152を有する誘電体支持部2、150と、
- 誘電体支持部上に配置された少なくとも第一のRF伝送ストリップ11、161及び第二のRF伝送ストリップ12、162であって、第一の及び第二のRF伝送ストリップは、相互に電気的に絶縁され、外側部分においてRFコネクタに接続されるように構成され、各々が内側部分において異なる導電素子に接続されるように構成され、第一のRF伝送ストリップは第一の表面上にある、第一のRF伝送ストリップ及び第二のRF伝送ストリップと、
を含む。
【0027】
第一の表面及び第二の表面は実質的に平行であり、かつ実質的に平坦である。すなわち、誘電体支持部は直方体の全体的3D形状を有する。
【0028】
図1~4は、本発明の第一の態様による幾つかの実施形態を示す。
【0029】
図1は、第一の実施形態によるRFインタフェースボード1を示し、第一のRF伝送ストリップ11は第一の表面3上にあり、第二のRF伝送ストリップ12は第二の表面4上にある。この実施形態では、積層アセンブリの中で、2つの先行技術のコネクタを1つのみのRFインタフェースボードに置き換えることができ、すなわち、このような積層アセンブリの取り扱い、製造工程が簡素化され、低価格化される。
【0030】
幾つかの実施形態において、
図2に示されるように、RFインタフェースボード1は第一の表面3上の第一のRF伝送ストリップ11及び第二のRF伝送ストリップ12を含む。これらの実施形態において、1つの平坦な先行技術のコネクタを使用できるが、平坦なコネクタは柔軟であり、それゆえこれらは容易に折れ曲がり、破断し得る。
【0031】
幾つかの実施形態において、
図3に示されるように、RFインタフェースボード1は、第一の表面3上の第一のRF伝送ストリップ11と第二の表面4上の第二のRF伝送ストリップ12を含む。他の2つのRF伝送ストリップ13、14は第一の表面上に設置される。RF伝送ストリップは全て、相互に電気的に絶縁される。これらの実施形態は、接地されたCPWを介して給電されるアセンブリのために使用できる。これらの実施形態により、積層アセンブリの中で2つ及び/又は4つの先行技術のコネクタを1つのみのRFインタフェースボードに置き換えることができ、すなわち、このような積層アセンブリの取り扱い、製造工程が簡素化され、低価格化される。
【0032】
幾つかの実施形態において、
図4に示されるように、RFインタフェースボード1は、第一の表面3上の第一のRF伝送ストリップ11を含む。第二のRF伝送ストリップ12も第一の表面3上に第三のRF伝送線13として設置される。全てのRF伝送ストリップが相互に電気的に絶縁される。これらの実施形態は、CPWを介して給電されるアセンブリに使用できる。
【0033】
幾つかの実施形態において、RFインタフェースボードの長さは20mm~40mm、好ましくは20mm~30mm、より好ましくは約25mmである。RFインタフェースボードの幅は5mm~20mm、好ましくは約10mm又は12mmである。
【0034】
幾つかの実施形態において、RFインタフェースボードの厚さは2mm未満、好ましくは1mm未満、より好ましくは、厚さは0.7mm~0.8mmである。
【0035】
幾つかの実施形態において、RFインタフェースボードは剛体であり、導電素子との電気接続が確保され、それと同時に同軸ケーブルとの接続が確保される。実装のために、幾つかの実施形態において、RFインタフェースボードは柔軟であり、その曲げ強さは最大で150MPaである。
【0036】
誘電体支持部は、FR4等のプラスチック系の誘電材料、テフロン(登録商標)系、セラミック系材料、又はソーダ石灰ガラス等のガラス系材料で製作できる。
【0037】
誘電体支持部は、多層誘電体支持部とすることができる。
【0038】
RF伝送ストリップは誘電体支持部上に印刷、糊付け、コーティングし、又はストリップを誘電体支持部上に取り外し不能に設置できる他の何れかの方法で設置できる。RF伝送ストリップは導電性であり、積層アセンブリ内に設置された導電素子に給電できる。RF伝送ストリップの材料は、金等のめっき材料の有無を問わず、銅、銀、導電金属合金をはじめとする金属系材料又は、導電性を有し得て前述のように誘電体支持部上に設置可能な他の何れの材料とすることもできる。
【0039】
幾つかの実施形態において、外側部分で、RF伝送ストリップをRFインタフェースボードの一方の表面から反対の表面に移動させ、接続しやすくすることができる。このような移動は、金属ビアを通じて行うことができる。
【0040】
好ましくは、ストリップの幅は、狭小ストリップの場合は1mm~3mm、幅広ストリップの場合は6mm~10mmである。
図1及び3において、ストリップ11はRFインタフェースボード及び幅広ストリップ12の幅と比較して狭小ストリップと考えることができる。
図2では、ストリップ11及び12は、RFインタフェースボードの幅と比較して狭小であると考えることができる。
【0041】
本発明の第二の実施形態によれば、本発明は改良型の積層アセンブリ100に関し、これはポリマ系界面層110により一体に積層される第一の誘電体パネル101と第二の誘電体パネル102を含み、第一の誘電体パネル101iと第二の誘電体パネル102iの各々は内面を有し、内面は相互に対向する。
【0042】
積層アセンブリはまた、少なくとも第一の導電素子121と第二の導電素子122も含み、第一の導電素子は第一の誘電体の内面上に配置され、2つの導電素子は相互に分離される。
【0043】
積層アセンブリはまた、本発明の第一の態様によるRFインタフェースボード140も含み、これは内側部分141と外側部分142を有し、第一の表面151と第二の表面152を有する誘電体支持部150と、誘電体支持部の上に配置された少なくとも第一のRF伝送ストリップ161及び第二のRF伝送ストリップ162と、を含み、第一及び第二のRF伝送ストリップは相互に電気的に絶縁される。
【0044】
RFインタフェースボードの第一及び第二の表面は実質的に平坦であり、かつ相互に平行である。第一のRF伝送ストリップは、誘電体支持部の内側部分において第一の導電素子に接続され、第二のRF伝送ストリップは誘電体支持部の内側部分において第二の導電素子に電気的に接続される。
【0045】
図5に示されるように、第二のRF伝送ストリップ162はRFインタフェースボード140の誘電体支持部150の第二の表面152上に設置され、第二の導電素子122は第二の誘電体102の内面102iに配置される。これによって、少なくとも2つの先行技術のコネクタを1つのRFインタフェースボードに置き換えることができ、すなわちこのような積層アセンブリの取り扱い、製造工程が簡素化され、低価格化される。
【0046】
図5及び6に示されるように、RFインタフェースボード150は内側部分141と外側部分142を有する。内側部分141は、RFインタフェースボード150のうち、第一の誘電体パネル101と第二の誘電体パネル102との間に挟まれた部分と定義される。外側部分142とは、RFインタフェースボード150のうち、第一の誘電体パネル101と第二の誘電体パネル102との間に挟まれていない部分と定義される。これは、RFインタフェースボードの内側部分が第一及び第二の誘電体パネルと、ポリマ系界面層によって少なくとも部分的に積層されていることを意味する。幾つかの実施形態において、内側部分141の長さはRFインタフェースボード150の幅に対応する。より好ましくは、内側部分の長さは約10mmである。
【0047】
幾つかの好ましい実施形態において、積層アセンブリの密閉性を確実にするために、ポリマ系界面層は、RFインタフェースボードが設置される境界に少なくとも1つの切欠き部を有する。好ましくは、切欠き部の幅及び/又は長さはRFインタフェースボードの内側部分の幅と等しいか、それより大きい。より好ましくは、切欠き部の長さと幅は、RFインタフェースボードの内側部分の長さと幅と実質的に等しい。電気接続を確実にするために、RFインタフェースボードの少なくとも内側部分は界面層の厚さと実質的に同じ厚さを有する。
【0048】
本発明によれば、積層アセンブリは、2つの誘電体パネルがポリマ系界面層によって既知の何れかの積層プロセスを通じて一体に組み立てられる。界面層は典型的にポリビニルブチラール(PVB)又はエチレン酢酸ビニル(EVA)であり、その剛性を調整できる。これらの界面層は、ガラスパネルをそれらが割れても一体に結合された状態に保ち、ガラスが大きい鋭利な破片に割れるのを防止する。好ましい実施形態において、ポリマ系界面層は、誘電正接を軽減させるためにシクロオレフィンポリマ(COP)又はイオノマ系界面層とされる。
【0049】
誘電体パネルは、導電体ではないパネルである。第一及び第二の誘電体パネルは、異なる化学的組成を有することができ、例えばPET系組成物のようなプラスチック系組成物であるか、ソーダ石灰ガラスのようなガラス等、少なくとも50重量%のSiO2を含むものであり、異なる厚さとすることができ、等々である。幾つかの実施形態において、第一及び第二の誘電体パネルは、取り扱いと製造プロセスを減らすために、同じ化学的組成を有する。
【0050】
導電素子は、誘電体パネル表面上に設置された、導電性を有する素子である。幾つかの実施形態によれば、前記導電素子はワイヤ又は表面とすることができる。好ましくは、導電素子は印刷又はコーティング表面である。
【0051】
本発明によれば、誘電素子はアンテナの一部であり、すなわち第一又は第二の導電素子の一方は給電線であり、他方の導電素子は接地平面である。
【0052】
印刷表面とは、導電素子がスクリーン印刷、インクジェット印刷、蒸着、糊付けワイヤ、銅箔、銅メッシュ等の何れかの既知の方法で印刷された表面である。幾つかの実施形態において、銅ベースのペーストを誘電体パネルの表面上に対応する形状で印刷される。
【0053】
コーティング表面とは、コーティング系で被覆された表面である。コーティング系は、薄く、主に透明に見える。コーティング系は、誘電体パネルの表面の大部分を覆うことができる。好ましくは、コーティング系は、異なる材料の層で作成され、これらの層の少なくとも1つは導電性を有する。このような実施形態では、導電層は給電を可能にするために対応するRF伝送ストリップと電気的に接触するか、それと結合されるようにごく短い距離になければならない。
【0054】
適当なコーティング系は例えば、導電層である。適当な導電フィルムは例えば、透明な誘電体、金属層、及び透明誘電体、ITO、フッ素添加酸化錫(FTO)、又はその他を連続的に重ねることによって得られる積層体である。適当な金属膜は例えば、主成分として、Ag、Au、Cu、及びAlからなる群から選択される少なくとも1つを含む膜とすることができる。
【0055】
このようなコーティング系は典型的に、赤外線反射材料に基づく1つ又は複数の、例えば2、3、又は4つの機能層と、少なくとも2つの誘電体コーティングを含む薄層の系であり、各機能層は誘電体コーティングにより取り囲まれる。本発明のコーティング系は、特に少なくとも0.010の放射率を有し得る。機能層は一般に、厚さが数ナノメートル、ほとんどの場合、約5~20nmの銀の層である。誘電体層は概して透明で、金属酸化膜及び/又は金属窒化物の1つ又は複数の層から製作される。これらの異なる層は、磁界利用陰極スパッタリング、より一般的な呼び方としては「マグネトロンスパッタリング」等の真空蒸着法によって堆積される。誘電体層に加えて、各機能層はバリア層によって保護され、又は湿潤層上への堆積により改良され得る。
【0056】
幾つかの実施形態によれば、積層アセンブリはRFインタフェースボードの周囲のアセンブリの境界に密閉性を確保するために密閉手段を含み得る。密閉手段は、プラスチック系の材料とするか、コーティングにより堆積させることができる。好ましくは、密閉手段はシーラントである。より好ましくは、密閉手段は透明シーラントである。
【0057】
幾つかの好ましい実施形態において、積層アセンブリは、第一の誘電体パネル101と組み立てられた第一の保護パネルを含む。
【0058】
幾つかの実施形態において、堆積アセンブリは、第二の誘電体パネル102と組み立てられた第二の保護パネルを含む。
【0059】
好ましくは、第一及び/又は第二の保護層はそれぞれ、第一の誘電体パネル101及び/又は第二の誘電体層102と、内面101i、102iと対向する外面101e、102e上の保護界面層によって堆積される。より好ましくは、保護界面層はポリマ系界面層110と同じ組成を有する。
【0060】
前記保護層は、ガラス、ポリカーボネート、PVC、又はこのような積層アセンブリの保護に使用されるその他の材料で製作できる。
【0061】
通常、保護層の材料は例えば、ソーダ石灰シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、又は熱可塑性ポリマやポリカーボネート等のその他の材料である。本願全体を通じて、ガラスへの言及は限定的とみなすべきではない。
【0062】
保護層は、フロート成形法、溶融法、リドロー成形法、プレス成型法、又は引き上げ法等の既知の製造方法により製造できる。生産性とコストの観点から、フロート成形法を使用することが好ましい。
【0063】
各保護層は審美性、断熱性能、安全性等を改善するために、個別に加工及び/又は着色等し、及び/又は異なる厚さを有することができる。保護層の厚さは用途による要求事項に応じて設定される。
【0064】
保護層は、セキュリティの仕様を重視するために加工すること、すなわち焼きなまし、焼き戻し等を行うことができる。窓は個別に透明ガラス又は、ガラスの特定の組成で、若しくは例えば追加のコーティング又はプラスチック層の成膜によって色付けされた着色ガラスとすることができる。保護層は、既知の切削法を使って、長方形等、平面図において開口に適合する何れの形状も有するようにすることもできる。
【0065】
積層アセンブリにおいて、先行技術のコネクタは通常、柔軟で平坦なコネクタである。これらの平坦で柔軟なコネクタは、コネクタが誘電体パネルと界面層との間に設置されるので、誘電体パネルと界面層との間の剥離の原因となる。また、これは積層プロセス中に気泡も発生させ得る。
【0066】
図7に示されるように、RFインタフェースボード150の内側部分141は、第一の誘電体パネル101及び第二の誘電体パネル102と、ポリマ系界面層110によって少なくとも部分的に積層される。ポリマ系界面層110は内側部分の側面と接触している。
【0067】
本発明による積層アセンブリを製造するために、第一の誘電体パネル101及び第二の誘電体パネル102は、RFインタフェースボード150と、ポリマ系界面層110によって真空バッグプロセス等の既知のプロセスにより積層される。幾つかの実施形態において、ポリマ系界面層は、
図5、6、及び7に示されるようにRFインタフェースボード150の内側部分を受けるためのノッチを含むことができる。
【国際調査報告】