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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-24
(54)【発明の名称】内部防湿層を備えるRFパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20231116BHJP
   H03F 1/02 20060101ALI20231116BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20231116BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20231116BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20231116BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H01L25/04 A
H03F1/02 188
H03F3/24
H03F3/68 220
H01L21/56 R
H01L23/30 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524327
(86)(22)【出願日】2021-10-23
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 US2021056366
(87)【国際公開番号】W WO2022087498
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】17/078,456
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プン、アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ノーリ、バシム
【テーマコード(参考)】
4M109
5F061
5J500
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109AA02
4M109BA03
4M109CA04
4M109CA21
4M109EA20
5F061AA01
5F061AA02
5F061BA03
5F061CA04
5F061CA21
5F061FA02
5J500AA04
5J500AA21
5J500AA41
5J500AA63
5J500AA64
5J500AA65
5J500AC56
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5J500AF16
5J500AH10
5J500AH12
5J500AH16
5J500AH24
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH35
5J500AK12
5J500AK16
5J500AK65
5J500AK66
5J500AK68
5J500AM08
5J500AM19
5J500AQ02
5J500AQ03
5J500AQ04
5J500AS14
5J500AT01
5J500CK06
5J500CK07
5J500LV07
5J500LV08
(57)【要約】
RFトランジスタ装置をパッケージングする方法は、キャリア基板に1つ又は複数の電子装置を取り付け、1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの上に封止材を適用し、1つ又は複数の電子装置の上においてキャリア基板上に保護構造を提供することを含む。パッケージングされたRFトランジスタ装置は、キャリア基板と、キャリア基板に取り付けられた1つ又は複数の電子装置と、キャリア基板上へ延びる、1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの上の封止材料と、1つ又は複数の電子装置及び封止材料の上におけるキャリア基板上の保護構造とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFトランジスタ装置をパッケージングする方法であって、
1つ又は複数の電子装置をキャリア基板に取り付けることであって、前記1つ又は複数の電子装置がRFトランジスタ・ダイを含む、取り付けることと、
前記1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの上に封止材料を適用することと、
前記1つ又は複数の電子装置及び封止材の上において前記キャリア基板上に保護構造を提供することと
を含む、RFトランジスタ装置をパッケージングする方法。
【請求項2】
前記封止材料が、硬化性液体封止材料を含み、前記封止材料を適用することが、前記1つ又は複数の電子装置のうちの前記少なくとも1つの上に前記硬化性液体封止材料を排出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記封止材料が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベースの材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記保護構造が、前記1つ又は複数の電子装置及び前記封止材の周囲において前記キャリア基板上にシール(seal)を形成する蓋を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記蓋と前記1つ又は複数の電子装置との間に開放キャビティが存在する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の電子装置が、補助電子装置を含み、前記方法が、さらに、前記1つ又は複数の電子装置のうちの前記少なくとも1つの上に前記封止材料を提供する前に前記RFトランジスタ・ダイに前記補助電子装置を接続することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記保護構造が、前記キャリア基板上のプラスチック・オーバーモールドを含み、前記プラスチック・オーバーモールドが、前記キャリア基板と接触し、前記封止材料及び前記1つ又は複数の電子装置を被覆する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プラスチック・オーバーモールドが、前記封止材料と接触する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記封止材料及び前記プラスチック・オーバーモールドが、異なる熱膨張率を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記封止材料及び前記プラスチック・オーバーモールドが、異なる硬さを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記封止材料が、硬化性封止材料を含み、前記方法がさらに、前記硬化性封止材料を硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記硬化性封止材料を硬化させることが、前記1つ又は複数の電子装置の上に前記保護構造を提供した後に前記硬化性封止材料を硬化させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記保護構造と前記キャリア基板との間に接着剤を提供し、前記硬化性封止材料及び前記接着剤を同時に硬化させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記接着剤が、エポキシ接着剤を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ又は複数の電子装置の上に前記保護構造を提供する前に前記硬化性封止材料を完全に硬化させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ又は複数の電子装置の上に前記保護構造を提供する前に前記硬化性封止材料を少なくとも部分的に硬化させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記硬化性封止材料を硬化させることが、前記硬化性封止材料を光、熱、放射線又は超音波エネルギに曝すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記硬化性封止材料が、硬化剤を含み、前記硬化性封止材料を適用することが、前記1つ又は複数の電子装置のうちの前記少なくとも1つの上に前記硬化性封止材及び前記硬化剤を適用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記キャリア基板に前記1つ又は複数の電子装置を取り付けることが、焼結銀又は共晶ダイ・アタッチによって前記キャリア基板に前記1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つを取り付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記封止材料が、液体シリコーン、ポリイミド、ベンゾシクロブテン及び/又は液体エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記キャリア基板に前記1つ又は複数の電子装置を取り付けることが、前記1つ又は複数の電子装置及び/又は前記キャリア基板上にはんだバンプを形成し、前記はんだバンプを介して前記キャリア基板に前記1つ又は複数の電子装置を取り付けることを含み、前記封止材料が、前記1つ又は複数の電子装置と前記キャリア基板との間に延びている、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記1つ又は複数の電子装置の周囲において前記キャリア基板上に封止材ダムを形成することをさらに含み、前記封止材ダムが、前記キャリア基板のダイ・アタッチ領域を画定し、前記封止材料が前記ダイ・アタッチ領域内に提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記RFトランジスタ・ダイが、高電子移動度トランジスタ、電界効果トランジスタ又はモノリシックマイクロ波集積回路を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記RFトランジスタ・ダイが、GaNベース装置又はSiCベース装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記RFトランジスタ・ダイが、1GHzよりも高い動作周波数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
パッケージングされたRFトランジスタ装置であって、
キャリア基板と、
前記キャリア基板に取り付けられたRFトランジスタ・ダイを含む1つ又は複数の電子装置と、
前記キャリア基板上へ延びる、前記1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの上の封止材料と、
前記1つ又は複数の電子装置及び前記封止材料の上における前記キャリア基板上の保護構造と
を含む、パッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項27】
前記封止材料が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベースの材料を含む、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項28】
前記保護構造が、前記1つ又は複数の電子装置及び前記封止材料の周囲において前記キャリア基板上にシールを形成する蓋を含む、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項29】
前記蓋と前記1つ又は複数の電子装置との間に開放キャビティが存在する、請求項28に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項30】
さらに前記1つ又は複数の電子装置が、補助電子装置を含む、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項31】
前記封止材料が、前記RFトランジスタ装置及び前記補助電子装置を被覆している、請求項30に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項32】
前記保護構造が、前記キャリア基板上のプラスチック・オーバーモールドを含み、前記プラスチック・オーバーモールドが、前記キャリア基板と接触し、前記封止材料及び前記1つ又は複数の電子装置を被覆している、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項33】
前記プラスチック・オーバーモールドが、前記封止材料と接触している、請求項32に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項34】
前記封止材料及び前記プラスチック・オーバーモールドが、異なる熱膨張率を有する、請求項32に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項35】
前記封止材料及び前記プラスチック・オーバーモールドが、異なる硬さを有する、請求項32に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項36】
前記RFトランジスタ・ダイが、焼結銀又は共晶ダイ・アタッチによって前記キャリア基板に取り付けられている、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項37】
前記封止材料が、シリコーン、ポリイミド、ベンゾシクロブテン及び/又はエポキシ樹脂を含む、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項38】
前記RFトランジスタ・ダイが、はんだバンプを介して前記キャリア基板に取り付けられており、前記封止材料が、前記1つ又は複数の電子装置のうちの前記少なくとも1つと前記キャリア基板との間に延びている、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項39】
前記封止材料が、前記封止材料の誘電定数を変化させる添加剤を含む、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項40】
前記1つ又は複数の電子装置のうちの前記少なくとも1つの周囲において前記キャリア基板上に封止材ダムをさらに含み、前記封止材ダムが、前記キャリア基板のダイ・アタッチ領域を画定しており、前記封止材料が、前記ダイ・アタッチ領域内に提供されている、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項41】
前記RFトランジスタ・ダイが、高電子移動度トランジスタ、電界効果トランジスタ又はモノリシックマイクロ波集積回路を含む、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項42】
前記RFトランジスタ・ダイが、GaNベース装置又はSiCベース装置を含む、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【請求項43】
前記RFトランジスタ・ダイが、1GHzよりも高い動作周波数を有する、請求項26に記載のパッケージングされたRFトランジスタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子装置用のパッケージ、特に、RFパワー電子装置用のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
R-帯域(0.5~1GHz)、S-帯域(3GHz)、X-帯域(10GHz)、Ku-帯域(12~18GHz)、K-帯域(18~27GHz)、Ka-帯域(27~40GHz)及びV-帯域(40~75GHz)などの高周波数において動作しながら大電力処理能力を要求する電気回路が、より広まっている。特に、例えば、500MHz以上(マイクロ波周波数を含む)の周波数においてRF信号を増幅するために使用されるRFトランジスタ増幅器の高い需要が現在では存在する。これらのRFトランジスタ増幅器はしばしば、高い信頼性、良好な直線性を示し、且つ高出力レベルを処理することを必要とする。
【0003】
RFトランジスタ増幅器は、炭化ケイ素(「SiC」)及びIII族窒化物材料などの、シリコン又は広バンドギャップ半導体材料において実装されてよい。本明細書において、「広バンドギャップ」という用語は、1.40eVよりも大きいバンドギャップを有する半導体材料を指す。本明細書で使用される場合「III族窒化物」という用語は、窒素と、周期表のIII族における元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び/又はインジウム(In)との間で形成されるそれらの半導体化合物を指す。この用語は、AlGaN及びAlInGaNなどの、三元及び四元化合物も指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計で1モルのIII族元素と組み合わされている実験式を有する。
【0004】
シリコンベースのRFトランジスタ増幅器は、典型的には、横方向拡散金属酸化膜半導体(「LDMOS」)トランジスタを使用して実装される。シリコンLDMOS RFトランジスタ増幅器は、高レベルの直線性を示すことができ、比較的安価に製造され得る。III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器は、典型的には、高電子移動度トランジスタ(「HEMT」)として実装され、主にLDMOS RFトランジスタ増幅器が固有の性能限界を有し得る高電力及び/又は高周波数動作を要求する用途において使用される。
【0005】
RFトランジスタ増幅器は、1つ又は複数の増幅ステージを含んでよく、各ステージは、典型的には、トランジスタ増幅器として実装されている。出力電力及び電流処理能力を増大するために、RFトランジスタ増幅器は、典型的には、多数の個々の「ユニット・セル」トランジスタが電気的に並列に配置されている「ユニット・セル」構成で実装されている。RFトランジスタ増幅器は、単一の集積回路チップ又は「ダイ」として実装されてよいか、又は複数のダイを含んでもよい。多数のRFトランジスタ増幅器ダイが使用される場合、それらは、直列及び/又は並列に接続されてよい。
【0006】
RFトランジスタ増幅器はしばしば、(1)RFトランジスタ増幅器ダイとそれらに接続された伝送線路との間の(増幅器の基本作動周波数におけるRF信号のための)インピーダンス整合を改善するように設計されたインピーダンス整合回路、及び(2)第二次及び第三次高調波などの、デバイス動作中に生成され得る高調波を少なくとも部分的に終了させるように設計された高調波終端回路などの、整合回路を含む。RFトランジスタ増幅器ダイ並びにインピーダンス整合及び高調波終端回路は、パッケージ内に封入されてよい。導線は、RFトランジスタ増幅器を入力及び出力RF伝送線路及びバイアス電圧源などの外部回路素子に電気的に接続するために、パッケージから延びていてよい。
【0007】
上述のように、III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器はしばしば、高出力及び/又は高周波数用途において使用される。典型的には、動作中、III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器ダイ内で高レベルの熱が発生される。RFトランジスタ増幅器ダイが高温になりすぎると、その性能(出力電力、効率、直線性、ゲインなど)が低下し及び/又はRFトランジスタ増幅器ダイが損傷される場合がある。したがって、III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器は、典型的には、熱除去のために最適化され得るパッケージに取り付けられている。
【発明の概要】
【0008】
幾つかの実施例によるRFトランジスタ装置をパッケージングする方法は、RFトランジスタ・ダイを含む1つ又は複数の電子装置をキャリア基板に取り付けることと、1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの上に封止材料を適用することと、1つ又は複数の電子装置上でキャリア基板に保護構造を提供することと、を含む。
【0009】
封止材料は、硬化性液体封止材料を含んでよく、方法は、硬化性液体封止材料をRFトランジスタ・ダイ上に排出することを含んでよい。封止材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベース材料を含んでよい。幾つかの実施例において、封止材料は、液体シリコーン、ポリアミド、ベンゾシクロブテン及び/又は液体エポキシ樹脂を含んでよい。
【0010】
保護構造は、1つ又は複数の電子装置及び封止材料の周囲でキャリア基板上にシールを形成する蓋を含んでよい。幾つかの実施例において、蓋と1つ又は複数の電子装置との間には開放キャビティが存在する。
【0011】
方法は、RFトランジスタ・ダイ上に封止材料を提供する前にキャリア基板上に補助電子装置を提供し、補助電子装置をRFトランジスタ・ダイに接続することをさらに含んでよい。
【0012】
保護構造は、キャリア基板上のプラスチック・オーバーモールドを含んでよく、プラスチック・オーバーモールドは、キャリア基板と接触してよく、封止材及び1つ又は複数の電子装置を被覆している。プラスチック・オーバーモールドは、封止材料と接触してよい。封止材料及びプラスチック・オーバーモールドは、異なる熱膨張率を有してよい。幾つかの実施例において、封止材料及びプラスチック・オーバーモールドは、異なる硬さを有してよい。
【0013】
硬化性封止材を硬化させることは、RFトランジスタ・ダイ上に保護構造を提供した後に硬化性封止材を完全に硬化させることを含んでよい。
【0014】
方法は、保護構造とキャリア基板との間に接着剤を提供し、同時に硬化性封止材及び接着剤を硬化させることをさらに含んでよい。
【0015】
硬化性封止材を硬化させることは、1つ又は複数の電子装置上に保護構造を提供する前に硬化性封止材を完全に硬化させることを含んでよい。
【0016】
キャリア基板に1つ又は複数の電子装置を取り付けることは、焼結銀又は共晶ダイ・アタッチによって1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つをキャリア基板に取り付けることを含んでよい。
【0017】
キャリア基板に1つ又は複数の電子装置を取り付けることは、キャリア基板及び/又は1つ又は複数の電子装置上にはんだバンプを形成し且つはんだバンプを介して1つ又は複数の電子装置をキャリア基板に取り付けることを含んでよく、硬化性封止材は、1つ又は複数の電子装置とキャリア基板との間に延びている。
【0018】
硬化性封止材を硬化させることは、硬化性封止材を光、熱、放射線又は超音波エネルギに曝すことを含んでよい。
【0019】
硬化性封止材は、硬化性封止材において硬化剤を含んでよい。硬化性封止材を適用することは、RFトランジスタ・ダイ上に硬化性封止材及び硬化剤を排出することを含んでよい。
【0020】
方法は、1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの周囲でキャリア基板上に封止材ダムを形成することをさらに含んでよく、封止材ダムは、キャリア基板のダイ取付け領域を画定し、封止材料はダイ取付け領域内に提供される。
【0021】
RFトランジスタ・ダイは、高電子移動度トランジスタ、電界効果トランジスタ又はモノリシックマイクロ波集積回路を含んでよい。RFトランジスタ・ダイは、GaNベース装置又はSiCベース装置を含んでよい。幾つかの実施例において、RFトランジスタ・ダイは、1GHzよりも高い動作周波数を有してよい。
【0022】
パッケージングされたRFトランジスタ装置は、キャリア基板と、キャリア基板に取り付けられた1つ又は複数の電子装置と、1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの上の、キャリア基板上へ延びた封止材料と、1つ又は複数の電子装置及び封止材料上のキャリア基板上の保護構造と、を含む。
【0023】
封止材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベース材料を含んでよい。
【0024】
保護構造は、1つ又は複数の電子装置及び硬化性封止材の周囲でキャリア基板上にシールを形成する蓋を含んでよい。蓋と1つ又は複数の電子装置との間に開放キャビティが存在してよい。
【0025】
パッケージングされたRFトランジスタ装置は、RFトランジスタ装置に隣接してキャリア基板上に補助電子装置をさらに含んでよい。封止材料は、RFトランジスタ装置及び補助電子装置を被覆してよい。
【0026】
保護構造は、キャリア基板上のプラスチック・オーバーモールドを含んでよく、プラスチック・オーバーモールドは、キャリア基板と接触し、封止材料及び1つ又は複数の電子装置を被覆している。
【0027】
1つ又は複数の電子装置は、焼結銀又は共晶ダイ・アタッチによってキャリア基板に取り付けられてよい。
【0028】
封止材料は、シリコーン、ポリイミド、ベンゾシクロブテン及び/又はエポキシ樹脂を含んでよい。
【0029】
1つ又は複数の電子装置は、キャリア基板に取り付けられてよく、封止材料は、RFトランジスタ・ダイとキャリア基板との間に延びていてよい。
【0030】
封止材料は、封止材料の誘電定数を変化させる添加剤を含んでよい。
【0031】
パッケージングされたRFトランジスタ装置は、1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの周囲においてキャリア基板上に封止材ダムをさらに含んでよく、封止材ダムは、キャリア基板のダイ・アタッチ領域を画定し、封止材料は、ダイ・アタッチ領域内に提供される。
【0032】
発明の概念のさらなる理解を提供するために含まれた、本願の一部に組み込まれ且つ本願の一部を構成する添付の図面は、発明の概念の特定の実施例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図1B】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図1C】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図1D】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図2A】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図2B】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図2C】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図2D】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図3A】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図3B】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図4A】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図4B】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図5A】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図5B】様々な実施例によるRFパッケージの概略的な断面図である。
図6】幾つかの実施例による動作のフローチャートである。
図7A】実施例によるRFトランジスタ増幅器が使用され得るマルチ増幅器回路の概略的なブロック図である。
図7B】実施例によるRFトランジスタ増幅器が使用され得るマルチ増幅器回路の概略的なブロック図である。
図7C】実施例によるRFトランジスタ増幅器が使用され得るマルチ増幅器回路の概略的なブロック図である。
図8】幾つかの実施例によるMMIC RFトランジスタ増幅器の平面図である。
図9】実施例によるRFトランジスタ増幅器の概略的な断面図である。
図10A】III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器ダイの概略的な平面図である。
図10B図10Aの線1B-1Bに沿って見た概略的な断面図である。
図10C】半導体層構造の上面に直接形成されたメタライゼーション層を示す、図10Bの線1C-1Cに沿って見た概略的な断面図である。
図10D図10Cの線1D-1Dに沿って見た概略的な断面図である。
図10E】幾つかの実施例によるセラミックパッケージにパッケージングされた図10A図10DのIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器ダイの概略的な断面図である。
図10F】幾つかの実施例によるオーバーモールドパッケージにパッケージングされた図10A図10DのIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器ダイの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、本発明の概念の実施例を、発明の概念の実施例が示されている添付の図面を参照して以下により詳細に説明する。しかしながら、発明の概念は、多くの異なる形態で具体化されてよく、本明細書に示された実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的且つ完全であり、当業者に発明の概念の範囲を完全に伝達するように提供される。同じ番号は、全体を通じて同じ要素を示している。
【0035】
第1、第2などの用語は、様々な要素を説明するために本明細書において使用される場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の概念の範囲から逸脱することなく、第1の要素は、第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素は、第1の要素と呼ぶことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数のあらゆる及び全ての組合せを含む。
【0036】
本明細書において使用される用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、発明の概念の限定であることは意図されていない。本明細書において使用される場合、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数形を含むことが意図されている。本明細書において使用される場合、「comprises」、「comprising」、「includes」及び/又は「including」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を示すが、1つ又は複数のその他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことがさらにさらに理解されるであろう。
【0037】
別段の規定がない限り、本明細書において使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、発明の概念が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるそれらの意味と一貫した意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように規定されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味において解釈されないことがさらに理解されるであろう。
【0038】
RF電力用途のための開放キャビティ・パッケージにおいて、1つ又は複数のRF電力トランジスタ装置は、銅又はセラミック(例えば、アルミナ)ベースのフランジに取り付けられている。例えば、標準的なRFトランジスタ増幅器パッケージはしばしば、CPC(銅-銅モリブデン-銅ラミネート)、CuW又はCuMoフランジを備えて構成されている。
【0039】
金属又はセラミックであってよい蓋は、蓋と、サブマウントと、側壁とによって画定された開放キャビティ内のRFダイに環境的保護を提供する。蓋と、フランジ及び/又はパッケージリードとの間の熱膨張率の不一致により、特に、装置動作中にパッケージが熱サイクルさせられたとき、湿気がそれにもかかわらずパッケージに進入する場合がある。
【0040】
本明細書に説明される幾つかの実施例は、RFトランジスタ・ダイ上に排出された防湿層を含むRFトランジスタ増幅器パッケージを提供する。排出された防湿層は、RFトランジスタ・ダイ上に硬化性封止材を排出し、その後、硬化性封止材を硬化させることによって形成される。RFダイ上に排出された防湿層を提供することは、RFダイのRF性能特性を維持しながら、蓋とパッケージのフランジとの間の境界面を通過し得る湿気からRFトランジスタ・ダイを保護することを助ける場合がある。
【0041】
図1Aは、幾つかの実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Aの概略的な断面図である。パッケージ100Aは、フランジ又はリードフレームなどのキャリア基板110を含み、その上にRF電力トランジスタ・ダイ112が取り付けられている。キャリア基板110は、Cu、CPC(例えば、銅-銅モリブデン-銅ラミネート構造)又はCuWなどの導電性材料、又は高い熱伝導率を有するセラミック(例えば、アルミナ)などの電気的に絶縁性の材料を含んでよい。
【0042】
パッケージ100Aは、側壁134及び蓋130を含み、これらは、キャリア基板と共に開放キャビティ132を画定している。RFトランジスタ・ダイ112(その相互接続構造を含む)は、開放キャビティ132内でキャリア基板110上に配置されている。
【0043】
キャリア基板110は、パッケージ100Aの熱管理を支援するように構成された材料を含んでよい。例えば、キャリア基板110は、銅及び/又はモリブデンを含んでよい。幾つかの実施例において、キャリア基板1130は複数の層から成ってよい及び/又はビア/相互接続を含んでよい。側壁134及び/又は蓋130は、幾つかの実施例において絶縁材料から形成されてよい又は絶縁材料を含んでよい。例えば、蓋130は、セラミック材料から形成されてよい又はセラミック材料を含んでよい。幾つかの実施例において、蓋130は、例えば、Alから形成されてよい。蓋130は、エポキシ接着剤を使用して側壁134に接着されてよい。側壁134は、例えば、CuAgろう付けを介してキャリア基板110に取り付けられてよい。
【0044】
RFトランジスタ・ダイ112は、はんだ、AuSi又はAuSnなどの共晶ダイ・アタッチ材料、又は有機接着剤を使用してキャリア基板110のダイ・アタッチ領域110Cにおいてキャリア基板110に取り付けられてよい。幾つかの実施例において、RFトランジスタ・ダイ112は、焼結銀ダイ・アタッチを使用してキャリア基板110に取り付けられてよい。焼結銀ダイ・アタッチ・プロセスにおいて、銀ペーストがキャリア基板110上にプリント又は排出され、RFトランジスタ・ダイ112が、銀ペースの上に配置される。圧力(例えば、数十MPaの範囲の圧力)及び温度(例えば、約240℃)がRFトランジスタ・ダイ112に加えられ、銀の焼結を生じさせ、RFトランジスタ・ダイ112とキャリア基板110との間の強力な接着接続を形成する。
【0045】
RFトランジスタ・ダイ112は、ケイ素、炭化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウムなどに形成された、高電子移動度トランジスタ(HEMT)などのRF電子装置、又は横方向拡散MOSFET(LDMOS)などのパワーMOSFET装置であってよい。特に、RFトランジスタ・ダイ112は、1GHzよりも高い、幾つかの実施例では5GHzよりも高い、幾つかの実施例では20GHzよりも高い動作周波数を有してよい。
【0046】
1つ又は複数の補助電子装置114は、RFトランジスタ・ダイ112と共にキャリア基板110上に取り付けられてよい。補助電子装置114は、例えば、入力及び/又は出力整合コンデンサ、DCブロッキング・コンデンサ、IPD(集積受動装置)などを含んでよく、入力整合回路、段間整合回路、出力整合回路、高調波減少回路(ベースバンド高調波又は基本周波数高調波を含む)、バイアス電圧調整回路、静電放電回路などの、回路を形成するために使用されてよい。幾つかの実施例では、補助電子装置114は、第1の増幅段を形成するGaAs、Si及び/又はGaNトランジスタなどの能動装置を含んでよい。
【0047】
RFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114上のパッド118を結合し、RFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114を互いに且つキャリア基板110の部材110L,110R上の導電性リード又はトレースに接続するために、ワイヤボンド116が形成されてよい。幾つかの実施例において、RFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114は、側壁134を通って延びる又は側壁134の下を延びる、金属リード(図示せず)に接続されてよい。
【0048】
蓋130は、キャリア基板110のダイ・アタッチ領域110C上でキャリア基板110に取り付けられている。蓋130は、キャリア基板110に取り付けられたRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上に開放キャビティ132を画定し、蓋130は、開放キャビティ132内のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114のための環境的保護を提供する。特に、蓋130は、熱活性接着剤又はエポキシなどの接着剤によって側壁132及び/又はキャリア基板110に非密閉式に封止されてよく、これにより、湿気が望ましくないことに開放キャビティ132に進入し、RFトランジスタ・ダイ112、補助電子装置114、ワイヤボンド116及び/又はパッケージ100Aのその他の構成要素を損傷することを低減/防止する。
【0049】
図1Aに示されたRFトランジスタ・ダイに追加的保護を提供するために、蓋130をキャリア基板110に取り付ける前にRFトランジスタ・ダイ112上に封止材料120が提供されてよい。封止材料120は、RFトランジスタ・ダイ112上に硬化性液体封止材料を排出し、その後、硬化性液体封止材を硬化させることによって提供されてよい。硬化性封止材は、ダイ112の上面及びダイ112の側面を含むRFトランジスタ・ダイ112の露出面を被覆してよく、RFトランジスタ・ダイ112に隣接するキャリア基板110の上面まで延びていてよい。認められるように、RFトランジスタ・ダイ112の上面は、ポリイミドなどのパッシベーション材料によるダイ・プロセシング段階の間にコーティングされてよい。パッシベーション後にダイシングが行われるため、このようなパッシベーションはダイの側面まで延びていない。さらに、ダイ・アタッチの間に使用される高温(最大315℃)は、チップレベル・パッシベーションを劣化させる可能性がある。対照的に、封止材料120は、ダイ・アタッチの後にRFトランジスタ・ダイ112の角及び側面に追加的保護を提供してよい。
【0050】
幾つかの実施例において、硬化性封止材料120は、非晶質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フルオロポリマーを含んでよい。市販の非晶質フルオロポリマーの例は、Dupont(登録商標)のTeflon AF(登録商標)及び日本、東京のAsahi Glass Co.,LtdのCytop(商標)を含む。これらの材料はフルオロ溶媒の薄膜コーティングとして適用することができる。
【0051】
非晶質PTFEフルオロポリマーを使用してRFトランジスタ・ダイ112を封止するために、C5-C18ペルフルオロ溶媒の混合物におけるTeflon AF(登録商標)の希薄溶液(通常は5質量%)は、スポイト、手動シリンジ、自動シリンジ又はその他の排出方法を使用して適用されてよく、次いで、乾燥させられる。一連のこのようなコーティングは、RFトランジスタ・ダイ112のための所望のレベルの保護を提供するために十分に厚い層を構築するように適用することができる。コーティングは、溶媒が蒸発するまで室温又は高温(例えば、50~70℃)において硬化させられてよい。
【0052】
幾つかの実施例において、RFトランジスタ・ダイ112をPTFEによってコーティングするために、空気霧化噴霧が使用されてよい。この方法において、溶媒又は水などの適切なキャリア液体に懸濁させられたPTFEの低分子量固体の分散系が、霧化され、RFトランジスタ・ダイへ噴霧される。次いで、キャリアは蒸発させられ、PTFEのコーティングを残す。コーティングは、その均一性を増大するために焼結されてよい。典型的な膜厚は、10~100ミクロンの厚さであり、例えば、20~50ミクロンの厚さである。分散系におけるPTFE粒子は、100ミクロン未満、幾つかの場合には50ミクロン未満の平均粒径を有してよい。さらに、PTFE粒子は、30ミクロン未満の平均粒径を有してよい。さらに別の実施例において、PTFE粒子は、400nm未満の平均粒径を有するナノ粒子を含んでよい。例えば、幾つかの実施例において、PTFE粒子は、350nm~400nmの平均粒径、幾つかの実施例において100~150nmの平均粒径、幾つかの実施例において30~50nmの平均粒径を有してよい。
【0053】
従来の又は空気霧化噴霧において、コーティングは、サイフォン、重力又は圧力供給によってスプレー・ガンに供給される。ガン・トリガが引かれると、コーティングは、流体流としてノズルを通流する。ノズルの中心からの圧縮空気は、ノズルから出るとき中空の円錐によって流体を包囲し、コーティングを小さな液滴に破壊し、速度を液滴に転移し、液滴をRFトランジスタ・ダイに向かって駆動する。
【0054】
霧化された噴霧は、静電又は非静電コーティングを使用して適用されてよい。静電コーティングにおいて、流体が霧化され、次いで負に帯電される。コーティングされる部分は電気的に中性であり、この部分を負のコーティング液滴に対して正にする。コーティング粒子は表面に引き付けられ、硬化させられるまで電荷差によってそこに保持される。
【0055】
分散溶媒は、迅速に蒸発するように十分に揮発性であってよく、PTFE粒子を実質的に乾燥した状態に残す。適切な分散溶媒は、トリクロロトリフルオロエタンであるが、その他の低沸点ハロゲン化炭化水素を使用することもできる。分散系は、封止材をさらに硬化させるために光、熱、放射線又は超音波エネルギの形態のエネルギに曝されてよい。
【0056】
PTFEは、その比較的低い誘電定数、低い誘電率及び高い誘電強度によりRFトランジスタ・ダイを封止するための良好な選択肢であってよい。例えば、押し出されたPTFEは、約2の誘電定数を有し、一般的にRF信号伝送のための同軸ケーブルにおける絶縁体として使用される。比較のために、Shin Etsu Handotaiによって製造されたKMC-2110G-7及びSumitomo Electric Corporationによって製造されたG700Hなどの、RF構成要素のプラスチック・オーバーモールドのために一般的に使用される材料は、約2.6~4.5の誘電定数を有する。さらに、PTFEは、概して、化学的攻撃に対する高い抵抗及びその疎水性質に通じる低い表面自由エネルギを有し、それら両方は、保護コーティングとしてのその有効性を増大する品質である。
【0057】
その他の実施例において、硬化性封止材料120は、硬化性エポキシ樹脂、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、又は硬化性液体シリコーンを含んでよく、これらは、RFトランジスタ・ダイ112上でキャリア基板110上に液体形式で排出されてよい。
【0058】
硬化性封止材料120は、RFトランジスタ・ダイ112上に/RFトランジスタ・ダイ112の周囲に硬化性封止材料120を固化及び凝固させるために硬化させられる。硬化は、例えば、硬化性封止材料中の溶媒を蒸発させることによって封止材料を固化させるために十分な時間にわたって光、熱、放射線又は超音波エネルギなどのエネルギに硬化性封止材料120を曝すことによって達成されてよい。認められるように、硬化プロセスは、封止材料内のポリマーの架橋を含んでよい。このような架橋は、硬化した封止材に機械的強度及び安定性を付与し、これは、RFトランジスタ・ダイ112の保護を増大する。
【0059】
特に、PTFEは、真空中で330~340℃の温度において材料を照射することなどによって、高エネルギ放射線に曝されたときにネットワーク構造を形成するように架橋可能であることが分かった。架橋されたPTFEは、高温機械的特性及び放射安定性の両方において大きな改善を得ることが分かった。
【0060】
幾つかの実施例において、蓋130がキャリア基板110に取り付けられる前に、硬化性封止材料120は少なくとも部分的に硬化させられてよい。硬化性封止材料120が蓋130の取付け前に硬化させられていない又は部分的にのみ硬化させられている場合、硬化性封止材料120の硬化は、蓋130がキャリア基板110に取り付けられた後に完了されてよい。幾つかの実施例において、硬化性封止材料120は、蓋130をキャリア基板110に取り付けるために使用される熱活性化接着剤が熱処理などによって硬化させられるのと同時に硬化させられてよい。幾つかの実施例において、硬化性封止材料120は、蓋130の取付け前に硬化性封止材料120における溶媒を蒸発させるために蓋130の取付け前に部分的に硬化させられてよく、硬化性封止材料120は、硬化性封止材料120内のポリマーの架橋を生じるなどのために、蓋130の取付け後に完全に硬化させられてよい。すなわち、蓋130の取付け後の硬化は、封止材料120からの蒸発された溶媒のガス放出ではなく、封止材料120内の架橋を含んでよい。
【0061】
幾つかの実施例において、硬化剤又は乾燥剤などの硬化剤又は添加剤は、硬化プロセスを高める又は加速させるために硬化性封止材料120に添加されてよい。幾つかの実施例において、金属フレーク又は粉末などの誘電性調整添加剤は、封止材の誘電定数を変更するために硬化性封止材料120に添加されてよい。
【0062】
単一のRFトランジスタ・ダイ112が図1Aに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Aは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112を含んでよく、硬化材料120は、RFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114の1つ又は複数を被覆してよい又は1つ又は複数を被覆しなくてよいことが認められるであろう。
【0063】
図1Bは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Bを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Bの構造は、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上に蓋を有する代わりに、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上にキャリア基板110上に保護プラスチック・オーバーモールド140が形成されていることを除き、図1Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Aのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指している)。プラスチック・オーバーモールド140は、例えば、その上にRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114が取り付けられたキャリア基板110を型に挿入し、次いで、プラスチック・オーバーモールド140を形成するためにRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上にプラスチックを射出成形することによって、形成されてよい。硬化性封止材料120は、射出成形の前にRFトランジスタ・ダイ112上に提供され、射出成形の前に少なくとも部分的に硬化させられ、これにより、プラスチック・オーバーモールド140は、硬化された/硬化性封止材料120上に直接形成される。幾つかの実施例において、硬化した/硬化性封止材料120は、プラスチック・オーバーモールド140の形成前に完全に硬化させられてよい。
【0064】
プラスチック又はプラスチック・ポリマー化合物であってよいオーバーモールド材料140は、RFトランジスタ・ダイ112の周囲に射出成形され、これにより、外部環境からの保護を提供する。
【0065】
パッケージ100Bのキャリア基板110は、熱管理を支援するように構成された材料を含んでよい。例えば、キャリア基板110は、銅及び/又はモリブデンを含んでよい。幾つかの実施例において、キャリア基板110は、複数の層から成ってよい及び/又はビア/相互接続部を含んでよい。幾つかの実施例において、キャリア基板110は、プラスチック・オーバーモールド140によって少なくとも部分的に包囲されたリードフレーム又は金属スラグの一部である金属ヒート・シンクを含んでよい。
【0066】
したがって、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Bにおいて、RFトランジスタ・ダイ112及び硬化された/硬化性封止材料120の上方には空隙が存在しない場合がある。さらに、硬化された/硬化性封止材料120は、保護プラスチック・オーバーモールド140の形成中にワイヤボンド116に追加的な機械的安定性及び保護を提供してよい。
【0067】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114が図1Bに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Bは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材料120は、RFトランジスタ・ダイ及び/又は補助電子装置114の1つ又は複数を被覆してよい、又は1つ又は複数を被覆しなくてよいことが認められるであろう。
【0068】
図1Cは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Cを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Cの構造は、封止材料120が補助電子装置114のうちの1つ又は複数の上に形成されているが、RFトランジスタ・ダイ112のうちの1つ又は複数の上には形成されていないことを除いて、図1Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Aのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指している)。
【0069】
図1Dは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Dを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Dの構造は、封止材料120が、補助電子装置114のうちの1つ又は複数の上に形成されているが、RFトランジスタ・ダイ112のうちの1つ又は複数の上には形成されていないことを除いて、図1Bに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Bのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指している)。
【0070】
図2Aは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Eを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Eの構造は、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Eにおいて、硬化性封止材料120がRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114の両方を被覆していることを除いて、図1Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Aのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指している)。
【0071】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114が図2Aに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Eは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材料120は、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0072】
図2Bは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Fを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Fの構造は、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Fにおいて、硬化性封止材料120がRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114の両方を被覆しており、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上に蓋を有する代わりに、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上でキャリア基板110上に保護プラスチック・オーバーモールド140が形成されていることを除いて、図1Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Aのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指している)。さらに、図2Bは、焼結銀ダイ・アタッチ145を使用したキャリア基板110へのRFトランジスタ・ダイ112の取付けも示す。焼結銀ダイ・アタッチ145は図2Bの実施例においてのみ示されているが、このようなダイ・アタッチは、示された実施例のいずれかにおいて使用することができることが認められるであろう。
【0073】
RFトランジスタ・ダイ112上への硬化性封止材料120の追加は、焼結銀ダイ・アタッチ145に追加的保護を提供してよい。特に、焼結銀は、湿気に曝されると、銀の枝又は延長部である樹枝状結晶の形成を生じる場合がある。樹枝状結晶の成長は、短絡及び装置故障につながる可能性がある。硬化性封止材料120は、焼結銀ダイ・アタッチ145に追加的な湿気保護を提供してよく、これは、焼結銀ダイ・アタッチ145からの樹枝状結晶の成長を抑制する又は遅らせる場合があり、これは、装置の寿命を延ばし得る。
【0074】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114が図2Bに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Fは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材料120は、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0075】
図2Cは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Gを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Gの構造は、パッケージ100Gにおいて、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114のうちの1つ又は複数の上に別個の封止材120A,120Bが設けられていることを除いて、図2Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Eのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指す)。
【0076】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114が図2Cに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Gは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材120A,120Bは、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0077】
図2Dは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Hを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Hの構造は、パッケージ100Hにおいて、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114のうちの1つ又は複数の上に別個の封止材120A,120Bが設けられていることを除いて、図2Bに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Fのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指す)。
【0078】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114が図2Dに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Hは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材120A,120Bは、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0079】
図3Aは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Iを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Iの構造は、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Iにおいて、RFトランジスタ・ダイ112が、RFトランジスタ・ダイ112及び/又はキャリア基板110上に形成されたはんだバンプ155L,155Rによってキャリア基板110にフリップマウントされており、これにより、RFトランジスタ・ダイ112とキャリア基板110との間のワイヤボンド接続又はキャリア基板110上のトレース/リードを提供する必要性を排除していることを除いて、図1Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Aのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指す)。図3Aに示したように、硬化性封止材料120は、RFトランジスタ・ダイ112とキャリア基板110との間においてRFトランジスタ・ダイ112の下に流れ、フリップマウントされたRFトランジスタ・ダイ112の下側を保護してよい。
【0080】
補助電子装置は図3Aには示されていないが、1つ又は複数の補助電子装置がパッケージ100I内に含まれてよいことが認められるであろう。さらに、単一のRFトランジスタ・ダイ112が図3Aに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Iは2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112を含んでよく、封止材料120は、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0081】
図3Bは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Jを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Jの構造は、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Jにおいて、RFトランジスタ・ダイ112の上に蓋を有する代わりに、保護プラスチック・オーバーモールド140が、RFトランジスタ・ダイ112の上においてキャリア基板110上に、硬化性封止材料120と直接接触して形成されており、これにより、RFトランジスタ・ダイ112の上には開放キャビティが形成されていないことを除いて、図3Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Iのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指す)。
【0082】
図3Bに示したように、硬化性封止材料120は、RFトランジスタ・ダイ112とキャリア基板110との間の空間116においてRFトランジスタ・ダイ112の下へ流れ、フリップマウントされたRFトランジスタ・ダイ112の下側を保護してよい。これは、プラスチック・オーバーモールド140の材料がRFトランジスタ・ダイ112とキャリア基板110との間の空間116に進入することを防止し得る。プラスチック・オーバーモールド140の材料が空間116に進入すると、プラスチックとはんだバンプ155L,155Rとの間の熱膨張率(CTE)の違いにより、プラスチックの膨張がRFトランジスタ・ダイ112をキャリア基板110から分離させ、装置故障につながる可能性がある。したがって、幾つかの実施例は、プラスチック・オーバーモールド140からRFトランジスタ・ダイ112の下側を保護するより柔軟なフィラー材料を提供してよい。
【0083】
硬化性封止材料120は、RFトランジスタ装置の高い動作温度に耐えることができる材料であってよいことが認められるであろう。例えば、典型的なRFトランジスタ装置の接合部温度(T)は、約225~275℃である。共晶ダイ・アタッチは典型的には約315℃において行われるが、焼結銀は、典型的には約250~260℃における加熱を必要とする。しかしながら、取り付けられ、3時間のリフロー・サイクルに曝されると、焼結銀は、RFトランジスタ装置の予想動作接合部温度などの、より高い温度に耐えることができる。架橋されたPTFE封止材は、RFトランジスタ装置の予想動作接合部温度に耐えることができる場合がある。
【0084】
補助電子装置は図3Bに示されていないが、1つ又は複数の補助電子装置がパッケージ100J内に含まれてよいことが認められるであろう。さらに、単一のRFトランジスタ・ダイ112が図3Bに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Jは2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112を含んでよく、封止材料120は、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0085】
図4Aは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Kを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Kにおいて、封止材料120は、キャリア基板110上に排出された、シリコーンなどの封止材料を含んでよい、封止材ダム210によって画定されたダイ・アタッチ領域110C内に提供されている。トランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114がダイ・アタッチ領域110C内においてキャリア基板110に取り付けられた後、封止材ダム210が、キャリア基板110上に排出され、次いで、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114の上においてキャリア基板110上に封止材料120を排出する前に、少なくとも部分的に硬化させられる。
【0086】
封止材ダムを含むことは、封止材料120の位置及び/又は厚さのより正確な制御を提供し得る。例えば、封止材料120の粘度及びエッジにおけるクリアランスに依存して、封止材ダム210は、キャリア基板110への蓋130の取付けを封止材110が妨害することを阻止又は防止することを助けてよい。
【0087】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114が図4Aに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Kは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材料120は、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができる、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0088】
図4Bは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Lを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Lの構造は、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Kにおいて、RFトランジスタ・ダイ112上に蓋を有する代わりに、保護プラスチック・オーバーモールド140が、RFトランジスタ・ダイ112の上においてキャリア基板110上に、封止材ダム210及び封止材料120と直接接触して形成され、これにより、RFトランジスタ・ダイ112の上には開放キャビティが形成されていないことを除いて、図4Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Kのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指す)。
【0089】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置14が図4Bに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100Kは、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材料120は、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【0090】
図5Aは、別の実施例による熱的に強化されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Mの概略的な断面図である。
【0091】
パッケージ100Mは、その上に1つ又は複数のRF電力トランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114が取り付けられたキャリア基板110を含む。キャリア基板110は、銅の層312と、銅モリブデンの層314と、銅の層316とを含むCPCの導電性ラミネート構造を含む。
【0092】
パッケージ100Mは、側壁134及び蓋130を含み、これらは、キャリア基板110と共に、RF電力トランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114の上に開放キャビティ132を画定している。側壁134及び蓋130は、Alなどのセラミック材料から形成されてよい。側壁134は、CuAgろう付けによってキャリア基板110に取り付けられてよい。蓋130は、エポキシ接着剤を使用して側壁134に接着されてよい。
【0093】
RFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114を互いに且つ開放キャビティ132内へ延びる導電性リード310L,310Rに接続するために、RFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114にワイヤボンド116が形成されてよい。導電性リード310L,310Rは、CuAgろう付けによって側壁132に取り付けられてよい。
【0094】
封止材料120は、キャリア基板110上に蓋130を取り付ける前にRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上に提供される。封止材料120は、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114上に排出され、その後硬化させられる、硬化性液体封止材料であってよい。封止材料120は、ダイ112の上面及び側面を含むRFトランジスタ・ダイ112の露出面を被覆してよく、RFトランジスタ・ダイ112に隣接したキャリア基板110の上面へ延びていてよい。
【0095】
実施例に応じて、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114は、入力整合回路、出力整合回路、ベースバンド及び/又は基本周波数高調波減少回路、フィルタ、バイアシング回路、静電放電(ESD)、バイアス調整、フィルタリング、直列に接続されたトランジスタの間の段間整合回路及び/又はその他の回路及び構成要素と共に1つ又は複数のトランジスタを含むことができる。幾つかの実施例は、以下で説明するように図7A図7Cに示したような、ドハティ構成などにおける、1つ及び/又は複数のパスにおいて1つ別個のトランジスタ及び複数のトランジスタを含む。異なる実施例による封止材料120は、構成要素のうちの全て、幾つか又は1つのみを被覆することができる。封止材料120は、上述の構成要素のうちの幾つか又は全て並びにパッケージのその他の構成要素の上の単一の連続的な封止材又は複数の別個の封止であることができる。
【0096】
図5Bは、別の実施例による熱的に強化されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Nの概略的な断面図である。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Nは、リード310L,310Rが、パッケージ100Mの入力及び出力リードとして作用するようにRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114にワイヤボンドされた上側トレース322を含むプリント回路基板(PCB)320によって置き換えられていることを除いて、図5Aを参照に上述されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Mと同じである。キャリア基板110は、パッケージ100Mのためのヒート・シンクとして作用する銅スラグであってよい。プリント回路基板320は、例えば、導電性接着剤を介してキャリア基板110に取り付けられてよい。プリント回路基板320は中央開口326を含み、この中央開口326において、RFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置114がキャリア基板に取り付けられている。
【0097】
図6は、幾つかの実施例によるパッケージングされたRFトランジスタ装置を形成する操作を示す。図6を参照すると、幾つかの実施例によるパッケージングされたRFトランジスタ装置を形成する方法は、キャリア基板にRFトランジスタ・ダイを取り付け(ブロック602)、RFトランジスタ・ダイ上に封止材を提供する(ブロック604)ことを含む。選択的に、操作は、硬化性封止材を少なくとも部分的に硬化させることを含んでよい(ブロック606)。最後に、保護構造(例えば、蓋)が、RFトランジスタ・ダイの上においてキャリア基板上に提供される(ブロック608)。
【0098】
封止材は、硬化性液体封止材を含んでよい。特に、封止材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ベースの材料を含んでよい。幾つかの実施例において、硬化性封止材は、液体シリコーン、ポリイミド、ベンゾシクロブテン及び/又は液体エポキシ樹脂を含んでよい。
【0099】
保護構造は、RFトランジスタ・ダイ及び硬化性封止材の周囲においてキャリア基板上にシールを形成する蓋を含んでよい。幾つかの実施例において、蓋とRFトランジスタ・ダイとの間に開放キャビティが存在する。
【0100】
方法は、さらに、キャリア基板上に補助電子装置を提供し、RFトランジスタ・ダイ上に硬化性封止材を提供する前に補助電子装置をRFトランジスタ・ダイに接続することを含んでよい。
【0101】
保護構造は、キャリア基板上のプラスチック・オーバーモールドを含んでよく、プラスチック・オーバーモールドは、キャリア基板と接触してよく、硬化性封止材及びRFトランジスタ・ダイを被覆する。プラスチック・オーバーモールドは、封止材料と接触してよい。封止材料及びプラスチック・オーバーモールドは、異なる熱膨張率を有してよい。幾つかの実施例において、封止材料及びプラスチック・オーバーモールドは、異なる硬さを有してよい。
【0102】
硬化性封止材を硬化させることは、RFトランジスタ・ダイ上に保護構造を提供した後に硬化性封止材を完全に硬化させることを含んでよい。
【0103】
方法は、さらに、保護構造とキャリア基板との間に接着剤を提供し、硬化性封止材及び接着剤を同時に硬化させることを含んでよい。
【0104】
硬化性封止材を硬化させることは、RFトランジスタ・ダイ上に保護構造を提供する前に硬化性封止材を完全に硬化させることを含んでよい。
【0105】
キャリア基板にRFトランジスタ・ダイを取り付けることは、焼結銀によってRFトランジスタ・ダイをキャリア基板に取り付けることを含んでよい。
【0106】
キャリア基板にRFトランジスタ・ダイを取り付けることは、RFトランジスタ・ダイ及び/又はキャリア基板上にはんだバンプを形成し、はんだバンプを介してRFトランジスタ・ダイをキャリア基板に取り付けることを含んでよく、硬化性封止材は、RFトランジスタ・ダイとキャリア基板との間に延びている。
【0107】
硬化性封止材を硬化させることは、硬化性封止材を光、熱、放射線又は超音波エネルギに曝すことを含んでよい。
【0108】
硬化性封止材は、硬化性封止材において硬化剤を含んでよい。硬化性封止材を適用することは、硬化性封止材及び硬化剤をRFトランジスタ・ダイ上に排出又は噴霧することを含んでよい。
【0109】
本明細書に記載されたRFトランジスタ増幅器は、広範囲の様々な異なる周波数帯域において動作するように設計されてよい。幾つかの実施例において、RFトランジスタ増幅器は、1GHzよりも高い周波数において動作するように構成されてよい。その他の実施例において、これらのRFトランジスタ増幅器ダイは、2.5GHzよりも高い周波数において動作するように構成されてよい。さらに他の実施例において、RFトランジスタ増幅器ダイは、3.1GHzよりも高い周波数において動作するように構成されてよい。さらに追加的な実施例において、これらのRFトランジスタ増幅器ダイは、5GHzよりも高い周波数において動作するように構成されてより。幾つかの実施例において、これらのRFトランジスタ増幅器ダイは、2.5~2.7GHz、3.4~4.2GHz、5.1~5.8GHz、12~18GHz、18~27GHz、27~40GHz又は40~75GHzの周波数帯域又はそのサブポーションのうちの少なくとも1つにおいて動作するように構成されてよい。
【0110】
発明の概念の実施例は、HEMT装置を使用して実施されるRFトランジスタ増幅器ダイに関して上記で説明されているが、本発明の概念から逸脱することなく、半導体層構造230においてその他のタイプの半導体装置が形成されてよいことが理解されるであろう。例えば、半導体層構造230は、その他の実施例においてMOSFET、DMOSトランジスタ、MESFET及び/又はLDMOSトランジスタを含んでよい。
【0111】
上述のRFトランジスタ増幅器は、独立型RFトランジスタ増幅器として使用することができる。RFトランジスタ増幅器は、複数のRFトランジスタ増幅器を含む様々な用途において使用されてもよい。実施例によるRFトランジスタ増幅器が、複数の増幅器を含む用途においてどのように使用されてよいかの例が、図7A図7Cに関して説明される。
【0112】
図7Aを参照すると、直列に電気的に接続された前置増幅器1010及び主増幅器1030を含むRFトランジスタ増幅器1000Aが概略的に示されている。図7Aに示したように、RFトランジスタ増幅器1000Aは、RF入力部1001、前置増幅器1010、段間インピーダンス整合ネットワーク1020、主増幅器1030及びRF出力部1002を含む。段間インピーダンス整合ネットワーク1020は、例えば、前置増幅器1010の出力と主増幅器1030の入力との間のインピーダンス整合を改善する回路を形成するためにあらゆる適切な構成において配置されたインダクタ及び/又はコンデンサを含んでよい。図7Aには示されていないが、RFトランジスタ増幅器1000Aは、さらに、RF入力部1001と前置増幅器1010との間に配置された入力整合ネットワーク、及び/又は主増幅器1030とRF出力部1002との間に配置された出力整合ネットワークを含んでよい。実施例によるRFトランジスタ増幅器は、前置増幅器1010及び主増幅器1030のうちのいずれか又は両方を実施するために使用されてよい。
【0113】
図7Bを参照すると、RF入力部1001、一対の前置増幅器1010-1,1010-2、一対の段間インピーダンス整合ネットワーク1020-1,1020-2、一対の主増幅器1030-1,1030-2及びRF出力部1002を含むRFトランジスタ増幅器1000Bが概略的に示されている。スプリッタ1003及び結合器1004も設けられている。前置増幅器1010-1及び主増幅器1030-1(直列に電気的に接続されている)は、前置増幅器1010-2及び主増幅器1030-2(直列に電気的に接続されている)と並列に電気的に配置されている。図7AのRFトランジスタ増幅器1000Aのように、RFトランジスタ増幅器1000Bは、さらに、RF入力部1001と前置増幅器1010-1,1010-2との間に配置された入力整合ネットワーク、及び/又は主増幅器1030-1,1030-2とRF出力部1002との間に配置された出力整合ネットワークを福でよい。
【0114】
図7Cに示したように、幾つかの実施例によるRFトランジスタ増幅器は、ドハティ増幅器を実施するために使用されてもよい。技術分野において知られているように、ドハティ増幅器回路は、第1及び第2の(又はさらに多くの)電力結合された増幅器を含む。第1の増幅器は、「主」又は「キャリア」増幅器と呼ばれ、第2の増幅器は、「ピーキング」増幅器と呼ばれる。2つの増幅器は、異なるバイアスをかけられてよい。例えば、主増幅器は、クラスAB又はクラスB増幅器を含んでよいのに対し、ピーキング増幅器は、1つの共通のドハティ増幅器実施においてクラスC増幅器であってよい。ドハティ増幅器は、飽和からバックオフされた電力レベルにおいて動作するとき、バランスの取れた増幅器よりも効率的に動作し得る。ドハティ増幅器へのRF信号入力は、(例えば、直交カップラを使用して)スプリットされ、2つの増幅器の出力が組み合わされる。主増幅器は、最初に(すなわち、より低い入力電力レベルにおいて)オンになるように構成されており、したがって、より低い電力レベルにおいて主増幅器のみが動作する。入力電力レベルが飽和に向かって増大させられると、ピーキング増幅器がオンになり、入力RF信号は主増幅器とピーキング増幅器との間でスプリットされる。
【0115】
図7Cに示したように、ドハティRFトランジスタ増幅器1000Cは、RF入力部1001、入力スプリッタ1003、主増幅器1040、ピーキング増幅器1050、出力結合器1004及びRF出力部1002を含む。ドハティRFトランジスタ増幅器1000Cは、ピーキング増幅器1050の入力部における90°変圧器1007及び主増幅器1040の入力部における90°変圧器1005を含み、選択的に、入力整合ネットワーク及び/又は出力整合ネットワーク(図示せず)を含んでよい。主増幅器1040及び/又はピーキング増幅器1050は、実施例による上述のRFトランジスタ増幅器のうちのいずれかを使用して実施されてよい。
【0116】
実施例によるRFトランジスタ増幅器は、別個の装置として形成されてよいか、又はモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)の一部として形成されてよい。MMICは、特定の機能のための回路の全てが1つの半導体チップに集積させられている、無線及び/又はマイクロ波周波数信号において動作する集積回路を指す。実例のMMIC装置は、共通の基板において全て実施された、関連付けられた整合回路、給電ネットワーク等を含むトランジスタ増幅器である。MMICトランジスタ増幅器は、一般的に、並列に接続された複数のユニット・セルHEMTトランジスタを含む。
【0117】
幾つかの実施例において、図1A図5Bに示されたRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114は、モノリシックミリメートル集積回路(MMIC)RFトランジスタ増幅器の形式で提供されてよい。例えば、MMIC RFトランジスタ増幅器は、図7A図7Cに示されたような回路を実施してよい。図8は、幾つかの実施例によるMMIC RFトランジスタ増幅器800の平面図である。図8に示したように、MMIC RFトランジスタ増幅器800は、パッケージ810内に収容された集積回路チップ830を含む。パッケージ810は、集積回路チップ830を包囲及び保護する保護ハウジングを含んでよい。パッケージ810は、例えば、セラミック材料から形成されてよい。封止材(図示せず)は、上述のように集積回路チップ830の上に形成されてよい。
【0118】
パッケージ810は、入力リード812及び出力リード818を含む。入力リード812は、例えば、はんだ付けによって入力リード・パッド814に取り付けられてよい。1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ820は、入力リード・パッド814を集積回路チップ830上の入力ボンド・パッドに電気的に接続してよい。
【0119】
集積回路チップ830は、(図7Bに示された増幅器回路と同様の)並列増幅器チェーン825-1,825-2に給電する入力給電ネットワーク838を含む。この実例において、各増幅器チェーン825-1,825-2は、入力インピーダンス整合ネットワーク850-1,850-2、第1のRFトランジスタ増幅器段860-1,860-2、中間インピーダンス整合ネットワーク840-1,840-2、第2のRFトランジスタ増幅器段862-1,862-2、及び出力インピーダンス整合段870-1,870-2を含む。出力給電ネットワーク882は、増幅器チェーン825-1,825-2を集積回路チップ830上の出力ボンド・パッド835に接続している。パッケージ810は、さらに、例えば、はんだ付けによって出力リード・パッド816に接続された出力リード818を含む。1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ890は、出力リード・パッド816を集積回路チップ830上の出力ボンド・パッド835に電気的に接続してよい。
【0120】
MMICトランジスタ増幅器800は、全ての回路が1つの半導体チップ上に形成されているという点で、上述の別個のRFトランジスタ増幅器とは異なる。
【0121】
図9は、幾つかの実施例によるパッケージにおいて設けられてよいRFトランジスタ増幅器101の概略的な断面図である。図9に示したように、RFトランジスタ増幅器101は、RFトランジスタ増幅器ダイ111、選択的な結合素子121及び相互接続構造131を含む。
【0122】
RFトランジスタ増幅器ダイ111は、複数のユニット・セル・トランジスタ(図示せず)を含むIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器ダイを含んでよい。各ユニット・セル・トランジスタは、ゲート、ドレーン及びソースを有する電界効果トランジスタ(例えば、GaN HEMTトランジスタ)を含んでよい。ユニット・セル・トランジスタのうちの少なくとも幾つかは、並列に電気的に接続されてよい。RFトランジスタ増幅器ダイ111は、1つ又は複数のゲート端子122、1つ又は複数のドレーン端子124、及び1つ又は複数のソース端子126を含んでよい。ゲート端子122、ドレーン端子124、及びソース端子126のそれぞれは、RFトランジスタ増幅器ダイ111の上側及び/又はRFトランジスタ増幅器ダイ111の下側に配置されてよい。示された実施例において、ゲート端子122、ドレーン端子124は、RFトランジスタ増幅器ダイ111の上側に配置されるように示されており、一対のソース端子126-1,126-2は、それぞれRFトランジスタ・ダイ111の上側及び裏側に設けられている。しかしながら、ゲート端子122、ドレーン端子124及びソース端子126のそれぞれは、RFトランジスタ増幅器ダイ111の上側、RFトランジスタ増幅器ダイ111の下側、又はその両方に存在してよいことが認められるであろう。図面において、同じ要素を示すために二部参照番号(例えば、ソース端子126-2)が使用される場合があるが、完全参照番号は、要素の特定の例を指すために使用されてよいのに対し、参照番号の第1の部分は、集合的に要素を指すために使用されてよいことに留意されたい。
【0123】
結合要素121は、含まれている場合、RFトランジスタ増幅器ダイ111の上面に取り付けられてよく、相互接続構造131は、結合要素121の上面に取り付けられてよい。したがって、結合要素121は、RFトランジスタ増幅器ダイ111と相互接続構造131との間に配置されてよい。幾つかの実施例において、結合要素121は、従来の半導体プロセシング技術及び/又はその他の方法を使用してウェハ・レベル・プロセシングの間に(すなわち、複数のRFトランジスタ増幅器ダイ111を含む半導体ウェハが個々のRFトランジスタ増幅器ダイ111にダイシングされる前に)形成される導電性構造(例えば、金属ピラー及びパッド)を含んでよい。このような実施例において、毛細管アンダーフィル材料などのアンダーフィル材料が、結合要素121の導電性構造の間の空間を充填するように噴射されてよい。その他の実施例において、結合要素121は、RFトランジスタ増幅器ダイ111とは別個に形成された、例えば、再分配層(「RDL」)ラミネート構造及び/又はインターポーザなどの別個の構造を含んでよい。このような実施例において、結合要素121は、ウェハ・レベル・プロセシング・ステップの間(すなわち、ウェハが個々のRFトランジスタ増幅器ダイ111にダイシングされる前)にRFトランジスタ増幅器ダイ111に取り付けられてよいか、又は個々のRFトランジスタ増幅器ダイ111に適用されてよい。結合要素がウェハ・レベル・プロセシングの一部として形成される場合でも、説明の便宜のためにRFトランジスタ増幅器ダイ111とは別個の要素であると本明細書では説明されることに留意すべきである。
【0124】
相互接続構造131は、RFトランジスタ増幅器ダイ111のための適切な取付け面を提供するRFトランジスタ増幅器ダイ111に電気的に接続されたあらゆる構造を含んでよい。幾つかの場合、相互接続構造131は、RDLラミネート構造を含んでよい。RDLラミネート構造は、電気的及び/又は熱的相互接続のための導電性層パターン及び/又は導電性ビアを有する基板を指す。RDLラミネート構造は、ベース材料上に導電性及び絶縁性の層及び/又はパターンを堆積させ、RDLラミネート構造を通じて信号を伝達するための構造内のビア及び銅ルーティング・パターンを形成することによって、半導体プロセシング技術を使用して製造されてよい。例えば、プリント回路基板(例えば、多層プリント回路基板)、メタル・コア・プリント回路基板、又は導電性ビア及び/又はパッドを含むセラミック基板などの、その他の相互接続構造131が代替的に使用されてよい。さらに他の実施例において、相互接続構造131は、その上面に絶縁パターン(例えば、はんだマスク層)、を有する金属フランジと、例えば、ゲート端子122、ドレーン端子124及びソース端子126のうちの1つ又は複数への電気的接続を提供する、絶縁層上の導電性トレースと、を含んでよい。いずれの場合にも、相互接続構造131は、直接に又は結合要素121及び/又はその他の介在する要素を介してRFトランジスタ増幅器ダイ111への電気的接続を形成することができる、RFトランジスタ増幅器ダイ111のためのあらゆるその他の適切な取付け面であってよいことが認められるであろう。2つ以上の相互接続構造131が、積層形式で設けられてよい。RFトランジスタ増幅器ダイ111は、ダイ製造者によって相互接続構造131(例えば、RDLラミネート構造)に取り付けられてよい。その他の場合、RFトランジスタ増幅器ダイ111は、金属フランジなどのパッケージ・サブマウント上のパッケージにおいて直接に取り付けられてよく、誘電及びトレースは、金属フランジが相互接続構造131として作用することができるように金属フランジ上に形成されている。相互接続構造131は、幾つかの実施例において(例えば、RFトランジスタ増幅器ダイが、カスタマー・プリント回路基板に直接に取り付けられている場合)省略されてよい。
【0125】
図10A図10Dは、実施例によるパッケージに設けられてよいIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器ダイ10を概略的に示す様々な図である。特に、図10Aは、III族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器ダイ10の概略的な平面図であり、図10Bは、図10Aの線1B-1Bに沿って見たRFトランジスタ増幅器ダイ10の断面図である。図10Cは、RFトランジスタ増幅器ダイ10の半導体層構造の上面におけるメタライゼーションを示す、図10Bの線1C-1Cに沿って見た概略的な断面図であり、図10Dは、図10Cの線1D-1Dに沿って見たRFトランジスタ増幅器ダイ10の断面図である。図10E及び図10Fは、それぞれパッケージングされたRFトランジスタ増幅器1A及び1Bを提供するために図10A図10DのRFトランジスタ増幅器ダイ10がパッケージングされてよい2つの実例方法を示す概略的な断面図である。図10A図10F(及び本願のその他の図面の多く)は非常に簡略化された図であり、実際のRFトランジスタ増幅器は、本明細書における簡略化された図面に示されていない多くのさらなるユニット・セル及び様々な回路及び要素を含んでよいことが認められるであろう。
【0126】
図10Aに示したように、RFトランジスタ増幅器ダイ10は、RFトランジスタ増幅器ダイ10の上面において露出したゲート端子22及びドレーン端子24を含む。第1及び第2の回路素子(図示せず)はそれぞれ、例えば、ボンド・ワイヤ(図示せず)によってゲート端子22及びドレーン端子24に接続されてよい。第1の回路素子は、例えば、RFトランジスタ増幅器ダイ10へ増幅される入力RF信号を送信してよく、第2の回路素子は、RFトランジスタ増幅器ダイ10によって出力される増幅されたRF信号を受信してよい。保護絶縁層又はパターン28は、RFトランジスタ増幅器ダイ10の上面の残りを被覆してよい。
【0127】
図10B図10Dを参照すると、RFトランジスタ増幅器ダイ10は、半導体層構造30、上側メタライゼーション構造20及びRFトランジスタ増幅器ダイ10のためのソース端子26として作用する裏側メタライゼーション構造を含む。
【0128】
半導体層構造30は、複数の半導体層を含む。RFトランジスタ増幅器ダイ10は、HEMTベースのRFトランジスタ増幅器ダイであってよく、したがって、半導体層構造30は、少なくともチャネル層及びバリア層を含んでよい(典型的には、追加的な層が半導体層構造30に含まれている)。図10Dを参照すると、示された実例において、半導体層構造30は、合計で3つの層、すなわち成長基板32、成長基板32上に形成された半導体チャネル層34、及び成長基板32とは反対側においてチャネル層34上に形成された半導体バリア層36を含む。成長基板32は、(SiC又はサファイア基板などの)半導体又は絶縁基板であってよい。成長基板32は、非半導体材料から形成されているとしても、半導体層構造30の一部であると考えられる。
【0129】
再び図10Bを参照すると、半導体層構造30は、上側12及び下側14を有する。上側メタライゼーション構造20は、半導体層構造30の上側12に形成されており、ソース端子26は、半導体層構造30の下側14に形成されている。上側メタライゼーション構造20は、特に、導電性(典型的には金属)ゲート・マニホールド42及び導電性(典型的には金属)ドレーン・マニホールド44と、導電性ゲート及びドレーン・ビア43,45と、導電性ゲート及びドレーン端子22,24と、ゲート、ドレーン及びソース・フィンガ52,54,56(以下で説明する)とを含む。誘電性パッシベーション層23は、ゲート及びドレーン端子を基板から分離させている。1つの誘電性パッシベーション層23が図10Bに示されているが、より精巧な構造が可能である。ゲート・マニホールド42は、ゲート・ビア43を介してゲート端子22に電気的に接続されており、ドレーン・マニホールド44は、導電性ドレーン・ビア45を介してドレーン端子24に電気的に接続されている。ゲート及びドレーン・ビア43,45は、例えば、酸化ケイ素又は窒化ケイ素などの誘電性材料によって形成された金属ピラーを含んでよい。
【0130】
図10Cに示したように、RFトランジスタ増幅器ダイ10は、複数のユニット・セル・トランジスタ16を含み、そのうちの1つは、図10Cに破線のボックスによって示されている。各ユニット・セル・トランジスタ16は、ゲート・フィンガ52と、ドレーン・フィンガ54と、ソース・フィンガ56とを含む。ゲート、ドレーン及びソース・フィンガ52,54,56は、半導体層構造30の上面に形成されており、上側メタライゼーション構造20の一部を含む。上側メタライゼーション構造20は、さらに、ゲート・マニホールド42及びドレーン・マニホールド44を含む。ゲート・フィンガ52はゲート・マニホールド42に電気的に接続されており、ドレーン・フィンガ54はドレーン・マニホールド44に電気的に接続されている。ソース・フィンガ56は、半導体層構造30を通って延びる複数の導電性ソース・ビア66によってソース端子26(図10B)に電気的に接続されている。導電性ソース・ビア66は、半導体層構造30を完全に通って延びる金属めっきされた又は金属充填されたビアを含んでよい。
【0131】
ユニット・セル・トランジスタ16は、HEMT装置であってよい。実施例を利用し得るIII族窒化物ベースのHEMT装置のための適切な構造は、例えば、2002年6月6日に公開された、同一出願人による米国特許出願公開第2002/0066908号「Aluminum Gallium Nitride/Gallium Nitride High Electron Mobility Transistors Having A Gate Contact On A Gallium Nitride Based Cap Segment And Methods Of Fabricating Same」、2002年11月14日に公開された米国特許出願公開第2002/0167023号「Group-III Nitride Based High Electron Mobility Transistor(HEMT) With Barrier/Spacer Layer」、2004年4月1日に公開された米国特許出願公開第2004/0061129号「Nitride-Based Transistors And Methods Of Fabrication Thereof Using Non-Etched Contact Recesses」、2011年3月15日に発行された米国特許第7,906,799号「Nitride-Based Transistors With A Protective Layer And A Low-Damage Recess」、及び2001年11月13日に発行された米国特許第6,316,793号「Nitride Based Transistors On Semi-Insulating Silicon Carbide Substrates」に記載されており、これらの開示は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0132】
さらに図10Cに示したように、半導体層構造30を通って上側メタライゼーション構造40から延びる複数の金属めっきされたソース・ビア66が設けられてよい。金属めっきされたソース・ビア66は、ソース・フィンガ56をRFトランジスタ増幅器ダイ10の裏側に設けられたソース端子126-2に物理的及び電気的に接続している。金属めっきされたソース・ビア266はそれぞれ、(例えば、異方性エッチングによって)半導体層構造を通じて開口を形成し、次いで、開口の側壁をコーティングする金属めっきを堆積させることによって実装されてよい。幾つかの用途において、金属は、金属めっきされたビアが金属充填されたビアであるように開口を完全に充填してよい。しかしながら、多くの用途において、RFトランジスタ増幅器ダイ10は、広い温度範囲にわたって動作してよく(屋外用途及び/又は装置動作中にRFトランジスタ増幅器ダイ内に生じ得る高レベルの熱による)、これは、金属及び半導体材料が著しく異なる熱膨張率を有することによる装置における高い応力レベルにつながり得る。このような場合、金属めっきされたビア66の中心は、熱サイクルにより生じる応力の大きさを低減するために、開放したまま(すなわち、空気充填されている)であってよい。
【0133】
図10Dを参照すると、半導体層構造30は、複数の半導体層を含む。示された実施例において、合計で2つの半導体層、すなわちチャネル層34と、チャネル層34の上側におけるバリア層36とが示されている。半導体層構造30は、追加的な半導体層及び/又は非半導体層を含んでよい(典型的には、それらを含む)。例えば、半導体層構造30は、成長基板32を含んでよく、この成長基板32上に他の半導体層が成長させられる。成長基板32は、例えば、4H-SiC又は6H-SiC基板を含んでよい。その他の実施例において、成長基板は、異なる半導体材料(例えば、ケイ素又はIII族窒化物ベース材料、GaAs、ZnO、InP)又は非半導体材料(例えば、サファイア)を含んでよい。
【0134】
SiCは、III族窒化物装置のための非常に一般的な基板材料であるサファイア(Al)よりもIII族窒化物に対する大幅により近い結晶格子整合を有する。SiCのより近い格子整合は、サファイアにおいて一般的に利用可能であるものよりも高い品質のIII族窒化物フィルムを生じ得る。SiCは、非常に高い熱伝導率を有し、これにより、炭化ケイ素におけるIII族窒化物装置の合計出力電力は、典型的には、サファイアに形成された同じ装置の場合ほどは基板の熱放散によって制限されない。また、半絶縁性SiC基板の利用可能性は、装置隔離及び減じられた寄生容量を提供し得る。
【0135】
選択的なバッファ、核生成及び/又は転移層(図示せず)は、チャネル層34の下で成長基板32上に設けられてよい。例えば、AlNバッファ層は、SiC成長基板32と半導体層構造30の残りとの間に適切な結晶構造転移を提供するために含まれてよい。加えて、ひずみ平衡転移層が、例えば、2003年6月5日に公開された同一出願人による米国特許出願公開第2003/0102482号「Strain Balanced Nitride Heterojunction Transistors And Methods Of Fabricating Strain Balanced Nitride Heterojunction Transistors」に記載されているように設けられてもよく、その開示は、本明細書に完全に示されたものとして引用により本明細書に組み込まれる。
【0136】
幾つかの実施例において、チャネル層34は、AlGa1-XNなどのIII族窒化物材料であり、ここで、チャネル層34の伝導帯エッジのエネルギがチャネルとバリア層34,36との間の境界面においてバリア層36の伝導帯エッジのエネルギよりも小さいならば、0≦X<1である。ある実施例において、X=0は、チャネル層34が窒化ガリウム(「GaN」)であることを示している。チャネル層34は、InGaN、AlInGaN等のその他のIII族窒化物であってもよい。チャネル層34は、ドーピングされていないか又は意図せずにドーピングされていてよく、例えば、約20Åよりも大きい厚さに成長させられてよい。チャネル層34は、GaN、AlGaN等の超格子又は組合せ等の、多層構造であってもよい。
【0137】
チャネル層34は、バリア層36の少なくとも一部のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有してよく、チャネル層34は、バリア層36よりも大きい電子親和力も有してよい。ある実施例において、バリア層36は、約0.1nm~約10nm以上の厚さのAlN、AlInN、AlGaN又はAlInGaNである。特定の実施例において、バリア層36は、十分に厚く、チャネル層34とバリア層36との間の境界面において著しいキャリア集中を誘発するために十分に高いAl組成及びドーピングを有する。
【0138】
バリア層36は、III族窒化物であってよく、チャネル層34のものよりも大きなバンドギャップ及びチャネル層34よりも小さい電子親和力を有してよい。したがって、ある実施例において、バリア層36は、AlGaN、AlInGaN及び/又はAlN又はそれらの層の組合せを含んでよい。バリア層36は、例えば、約0.1nm~約30nmの厚さであってよい。ある実施例において、バリア層36は、ドーピングされていないか又は約1019cm-3未満の濃度にn-タイプドーパントによってドーピングされている。幾つかの実施例において、バリア層36はAlGa1-XNであり、0<X<1である。特定の実施例において、アルミニウム濃度は約25%である。しかしながら、その他の実施例において、バリア層36は、約5%~約100%のアルミニウム濃度を有するAlGaNを含む。特定の実施例において、アルミニウム濃度は、約10%よりも大きい。
【0139】
バリア層36とチャネル層34との間のバンドギャップの差及びバリア層36とチャネル層34との間の境界面における圧電効果により、チャネル層34とバリア層36との間の接合部においてチャネル層34に二次元電子ガス(2DEG)が誘発される。2DEGは、各ユニット・セル・トランジスタ16のソース領域とその関連するドレーン領域との間に伝導を許容する非常に導電性の層として作用し、ソース領域は、ソース・フィンガ56の直ぐ下にある半導体層構造30の部分であり、ドレーン領域は、対応するドレーン・フィンガ54の直ぐ下にある半導体層構造30の部分である。
【0140】
層間絶縁層(図示せず)が、ゲート・フィンガ52、ドレーン・フィンガ54及びソース・フィンガ56の上に形成されている。層間絶縁層は、SiN、SiOなどの誘電性材料を含んでよい。
【0141】
図10Eは、図10A図10DのRFトランジスタ増幅器ダイ10を含む幾つかの実施例によるパッケージングされたIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器1Aの概略的な側面図である。図10Eに示したように、パッケージングされたRFトランジスタ増幅器1Aは、RFトランジスタ増幅器ダイ10及び開放キャビティ・パッケージ70を含む。パッケージ70は、金属ゲート・リード72、金属ドレーン・リード74、金属サブマウント76、セラミック側壁78及びセラミック蓋80を含む。
【0142】
RFトランジスタ増幅器ダイ10は、金属サブマウント76、セラミック側壁78及びセラミック蓋80によって画定されたキャビティにおいて金属サブマウント76(金属フランジであってよい)の上面に取り付けられている。RFトランジスタ増幅器ダイ10のソース端子26は、例えば、導電性ダイ・アタッチ材料を使用して金属サブマウント76に取り付けられてよい。金属サブマウント76は、ソース端子26への電気的接続を提供してよく、RFトランジスタ増幅器ダイ10において発生する熱を放散する熱放散構造として機能してもよい。熱は、主に、比較的高い電流密度が例えばユニット・セル・トランジスタ16のチャネル領域において生じる、RFトランジスタ増幅器ダイ10の上側部分において発生する。この熱は、ソース・ビア66及び半導体層構造30を介してソース端子26へ、次いで、金属サブマウント76へ伝達され得る。
【0143】
入力整合回路90及び/又は出力整合回路92も、パッケージ70内に取り付けられてよい。整合回路90,92は、インピーダンス整合及び/又は高調波終端回路を含んでよい。インピーダンス整合回路は、RFトランジスタ増幅器1Aに入力される又はRFトランジスタ増幅器1Aから出力されるRF信号の基本成分のインピーダンスをそれぞれRFトランジスタ増幅器ダイ10の入力部又は出力部におけるインピーダンスに整合させるために使用されてよい。高調波終端回路は、RFトランジスタ増幅器ダイ10の入力部又は出力部に存在し得る基本RF信号の高調波を接地するために使用されてよい。2つ以上の入力整合回路90及び/又は出力整合回路92が設けられてよい。図10Eに概略的に示したように、入力及び出力整合回路90,92は、金属サブマウント76に取り付けられてよい。ゲート・リード72は、1つ又は複数の第1のボンド・ワイヤ82によって入力整合回路90に接続されてよく、入力整合回路90は、1つ又は複数の第2のボンド・ワイヤ84によってRFトランジスタ増幅器ダイ10のゲート端子22に接続されてよい。同様に、ドレーン・リード74は、1つ又は複数の第4のボンド・ワイヤ88によって出力整合回路92に接続されてよく、出力整合回路92は、1つ又は複数の第3のボンド・ワイヤ86によってRFトランジスタ増幅器ダイ10のドレーン端子24に接続されてよい。誘導素子であるボンド・ワイヤ82,84,86,88は、入力及び/又は出力整合回路の一部を形成してよい。ゲート・リード72及びドレーン・リード74は、セラミック側壁78を通って延びていてよい。パッケージ70の内部は、空気が充填されたキャビティを含んでよい。
【0144】
封止材料120が、RFトランジスタ増幅器ダイ10の上においてサブマウント76上にパッケージに設けられている。
【0145】
図10Fは、幾つかの実施例による、別のパッケージングされたIII族窒化物ベースのRFトランジスタ増幅器1Bの概略的な側面図である。RFトランジスタ増幅器1Bは、異なるパッケージ70’を含むという点でRFトランジスタ増幅器1Aとは異なる。パッケージ70’は、金属サブマウント76(金属ヒート・シンクとして作用し、金属スラグとして実施することができる)並びにゲート及びドレーン・リード72’,74’を含む。封止材料120は、RFトランジスタ増幅器ダイ10の上においてサブマウント76上にパッケージに設けられている。
【0146】
RFトランジスタ増幅器1Bは、封止材料120、リード72’,74’及び金属サブマウント76の上でRFトランジスタ増幅器ダイ10を少なくとも部分的に包囲するプラスチック・オーバーモールド78’も含む。RFトランジスタ増幅器1Bのその他の構成要素は、RFトランジスタ増幅器1Aの同じ番号の構成要素と同じであってよく、したがって、そのさらなる説明は省略する。
【0147】
層、領域又は基板などの要素が別の要素の「上に」ある又は「上へ」延びていると言った場合、要素は、直接他方の要素上にある又は直接他方の要素上へ延びていることができるか、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素「上に直接」ある又は別の要素「上へ直接」延びていると言った場合、介在する要素は存在しない。要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると言った場合、要素は、他方の要素に直接接続又は結合することができるか、又は介在する要素が存在してよいことも理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると言った場合、介在する要素は存在しない。
【0148】
「下方」、「上方」、「上側」、「下側」、「水平」、「横方向」、「垂直方向」、「下」、「上」、「上」などの相対的用語は、図面に示されたように別の要素、層又は領域に対する1つの要素、層又は領域の関係を記述するために本明細書において使用されてよい。これらの用語は、図示された向きに加えて装置の異なる向きを包含することが意図されていると理解されるであろう。
【0149】
発明的概念の実施例は、発明的概念の理想化された実施例(及び中間構造)の概略的な図である断面図を参照して本明細書において説明されている。図面における層及び領域の厚さは、分かりやすくするために誇張されている場合がある。加えて、例えば、製造技術及び/又は公差の結果としての図の形状からの変化が予想される。したがって、発明的概念の実施例は、本明細書に示された領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造の結果生じる形状の逸脱を含むべきである。例えば、矩形として示されたインプラント領域は、典型的には、インプラント領域から非インプラント領域への別個の変化ではなくそのエッジにおいて丸み付けられた又は湾曲した特徴及び/又はインプラント濃度の勾配を有する。同様に、インプランテーションによって形成された埋め込まれた領域は、幾つかのインプランテーションにおいて、埋め込まれた領域と、それを通じてインプランテーションが生じる面との間の領域を生じ得る。したがって、図示された領域は、性質的に概略的であり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を示すことは意図されておらず、発明的概念の範囲を限定することは意図されていない。
【0150】
上記の説明及び図面に関連して、多くの異なる実施例が本明細書において開示されている。これらの実施例の全ての組合せ及びサブコンビネーションを文字通りに説明及び図示することは過度な繰り返し及び複雑化であることが理解されるであろう。したがって、全ての実施例は、あらゆる方法及び/又は組合せにおいて組み合わせることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に説明された実施例、及びそれらを形成及び使用する形式及びプロセスの全ての組合せ及びサブコンビネーションの完全な記述された説明を構成すると解釈され、あらゆるこのような組合せ又はサブコンビネーションまで請求項をサポートする。
【0151】
図面及び明細書において、発明的概念の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が採用されているが、それらは、限定の目的ではなく、一般的且つ説明的な意味においてのみ使用されており、発明的概念の範囲は以下の請求項に示されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
図4Bは、別の実施例によるRFトランジスタ増幅器パッケージ100Lを示す。RFトランジスタ増幅器パッケージ100Lの構造は、RFトランジスタ増幅器パッケージ100において、RFトランジスタ・ダイ112上に蓋を有する代わりに、保護プラスチック・オーバーモールド140が、RFトランジスタ・ダイ112の上においてキャリア基板110上に、封止材ダム210及び封止材料120と直接接触して形成され、これにより、RFトランジスタ・ダイ112の上には開放キャビティが形成されていないことを除いて、図4Aに示されたRFトランジスタ増幅器パッケージ100Kのものと同じである(同じ番号は同じ要素を指す)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
単一のRFトランジスタ・ダイ112及び補助電子装置14が図4Bに示されているが、RFトランジスタ増幅器パッケージ100は、2つ以上のRFトランジスタ・ダイ112及び/又は2つ以上の補助電子装置114を含んでよく、封止材料120は、様々な実施例においてRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114のうちの幾つか又は全てを被覆することができるか、又はいずれも被覆しないことができることが認められるであろう。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
幾つかの実施例において、図1A図5Bに示されたRFトランジスタ・ダイ112及び/又は補助電子装置114は、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)RFトランジスタ増幅器の形式で提供されてよい。例えば、MMIC RFトランジスタ増幅器は、図7A図7Cに示されたような回路を実施してよい。図8は、幾つかの実施例によるMMIC RFトランジスタ増幅器800の平面図である。図8に示したように、MMIC RFトランジスタ増幅器800は、パッケージ810内に収容された集積回路チップ830を含む。パッケージ810は、集積回路チップ830を包囲及び保護する保護ハウジングを含んでよい。パッケージ810は、例えば、セラミック材料から形成されてよい。封止材(図示せず)は、上述のように集積回路チップ830の上に形成されてよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランジスタ装置をパッケージングする方法であって、
数の電子装置をキャリア基板に取り付けることであって、前記複数の電子装置が1GHzよりも高い動作周波数を有する無線周波数(RFトランジスタ・ダイ及び補助電子装置を含む、取り付けることと、
前記RFトランジスタ・ダイ及び前記補助電子装置のうちの一方の上に封止材料を適用し、前記RFトランジスタ・ダイ及び前記補助電子装置のうちの他方の上には封止材料を適用しない、前記封止材料が硬化性封止材料を含む、封止材料を適用することと、
記複数の電子装置及び前記封止材の上において前記キャリア基板上に保護構造を提供することであって、前記保護構造が前記キャリア基板上のプラスチック・オーバーモールドを含み、前記プラスチック・オーバーモールドが前記キャリア基板と接触し、並びに前記封止材料及び前記複数の電子装置を被覆する、保護構造を提供すること
前記複数の電子装置及び前記封止材料の上に前記保護構造を提供した後に前記硬化性封止材料を硬化させることと
を含む、トランジスタ装置をパッケージングする方法。
【請求項2】
前記硬化性封止材料が、硬化性液体封止材料を含み、前記封止材料を適用することが、前記RFトランジスタ・ダイ及び前記補助電子装置のうちの前記一方の上に前記硬化性液体封止材料を排出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記方法が、さらに、前記RFトランジスタ・ダイ及び前記補助電子装置のうちの前記一方の上に前記封止材料を提供する前に前記RFトランジスタ・ダイに前記補助電子装置を接続することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記プラスチック・オーバーモールドが、前記封止材料と接触する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記封止材料及び前記プラスチック・オーバーモールドが、異なる熱膨張率を有する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記封止材料及び前記プラスチック・オーバーモールドが、異なる硬さを有する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
記複数の電子装置及び前記封止材料の上に前記保護構造を提供した後に前記硬化性封止材料を完全に硬化させることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
記複数の電子装置及び前記封止材料の上に前記保護構造を提供した後に前記硬化性封止材料を少なくとも部分的に硬化させることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記硬化性封止材料が、硬化剤を含み、前記硬化性封止材料を適用することが、前記RFトランジスタ・ダイ及び前記補助電子装置のうちの前記一方の上に前記硬化剤を適用することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記キャリア基板に前記複数の電子装置を取り付けることが、焼結銀又は共晶ダイ・アタッチによって前記キャリア基板に前記複数の電子装置のうちの少なくとも1つを取り付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記キャリア基板に前記複数の電子装置を取り付けることが、前記複数の電子装置及び/又は前記キャリア基板上にはんだバンプを形成し、前記はんだバンプを介して前記キャリア基板に前記複数の電子装置を取り付けることを含み、前記封止材料が、前記複数の電子装置と前記キャリア基板との間に延びている、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
記複数の電子装置の周囲において前記キャリア基板上に封止材ダムを形成することをさらに含み、前記封止材ダムが、前記キャリア基板のダイ・アタッチ領域を画定し、前記封止材料が前記ダイ・アタッチ領域内に提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記RFトランジスタ・ダイが、GaNベース装置又はSiCベース装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
トランジスタ装置をパッケージングする方法であって、
1つ又は複数の電子装置をキャリア基板に取り付けることであって、前記1つ又は複数の電子装置がトランジスタ・ダイを含む、取り付けることと、
前記1つ又は複数の電子装置のうちの少なくとも1つの上に封止材料を適用することであって、前記封止材料が硬化性封止材料を含む、封止材料を適用することと、
前記1つ又は複数の電子装置及び前記封止材料の上において前記キャリア基板上に保護構造を提供することと、
前記保護構造と前記キャリア基板との間に接着剤を提供し、前記硬化性封止材料及び前記接着剤を同時に硬化させることと
を含む、トランジスタ装置をパッケージングする方法。
【請求項15】
前記接着剤が、エポキシ接着剤を含む、請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】