(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】面内歪みの解析
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20231121BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H01L21/66 N
H01L21/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525988
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021057776
(87)【国際公開番号】W WO2022098674
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェンジャオ
(72)【発明者】
【氏名】マヘル, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ハン, シンハイ
(72)【発明者】
【氏名】パディ, ディーネッシュ
(72)【発明者】
【氏名】グン, ツァ-ジン
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106CA47
4M106DJ20
4M106DJ38
(57)【要約】
修正措置のための評価マップを生成するための方法、システム、及び非一時的なコンピュータ可読媒体が説明される。方法が、第1の組のベクトルを含む第1のベクトルマップを受け取ることを含む。第1の組のベクトルは、各々、基板上の複数の位置のうちの特定の1つの位置の歪みを示す。該方法は、第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成することを更に含む。該方法は、第2の組のベクトル内のベクトル及び第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成することを更に含む。該方法は、第3の組のベクトルの各ベクトルを第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第4のベクトルマップを生成することを更に含む。第4のベクトルマップは、第1のベクトルマップの平面成分を示している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ、並びに
前記メモリに結合された処理デバイスを備える、システムであって、前記処理デバイスは、
基板の製造パラメータに関連付けられた第1のベクトルマップを受け取ることであって、前記第1のベクトルマップは、第1の組のベクトルを含み、前記第1の組のベクトルは、各々、前記基板上の複数の位置のうちの特定の1つの位置の歪みを示す、第1のベクトルマップを受け取ること、
前記第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成することであって、前記第2の組のベクトルは、各々、前記基板上の前記特定の1つの位置の前記歪みの大きさの方向における変化を示す、第2のベクトルマップを生成すること、
前記第2の組のベクトル内のベクトル及び前記第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成することであって、前記第3の組のベクトルは、前記基板上の前記複数の位置にわたる歪みの低減されたノイズを反映する、第3のベクトルマップを生成すること、並びに
前記第3の組のベクトルの各ベクトルを前記第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第4のベクトルマップを生成することであって、前記第4のベクトルマップは、前記第1のベクトルマップの平面成分を示す、第4のベクトルマップを生成することを実行する、システム。
【請求項2】
前記第1のベクトルマップは、面内歪みマップを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理デバイスは、更に、
前記第4のベクトルマップのx軸成分についての3シグマ値を生成すること、及び
前記第4のベクトルマップのy軸成分についての3シグマ値を生成することを実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理デバイスは、更に、
前記第4のベクトルマップに基づいて、修正措置を推奨する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理デバイスは、更に、
前記第4のベクトルマップに基づいて、修正措置を自動的に実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
メモリ、並びに
前記メモリに結合された処理デバイスを備える、システムであって、前記処理デバイスは、
基板の製造パラメータに関連付けられた第1のベクトルマップを受け取ることであって、前記第1のベクトルマップは、第1の組のベクトルを含み、前記第1の組のベクトルは、各々、前記基板上の複数の位置のうちの特定の1つの位置の歪みを示す、第1のベクトルマップを受け取ること、
前記第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成することであって、前記第2の組のベクトルは、各々、前記基板上の前記特定の1つの位置の前記歪みの大きさの方向における変化を示す、第2のベクトルマップを生成すること、
前記第2の組のベクトル内のベクトル及び前記第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成することであって、前記第3の組のベクトルは、前記基板上の前記複数の位置にわたる歪みの低減されたノイズを反映する、第3のベクトルマップを生成すること、
前記第3の組のベクトル内の各ベクトル成分の方向成分を径方向に投影することによって、第4の組のベクトルを含む第4のベクトルマップを生成すること、並びに
前記第4の組のベクトルのうちの前記ベクトルを群化し、ベクトルの各群に関連付けられた大きさを特定することによって、第5の組のベクトルを含む第5のベクトルマップを生成することであって、前記第5のベクトルマップは、前記基板が示す応力又は歪みのうちの少なくとも一方を示す、第5のベクトルマップを生成することを実行する、システム。
【請求項7】
前記処理デバイスは、更に、
前記第5の組のベクトル内の各ベクトルを前記第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第6の組のベクトルを含む第6のベクトルマップを生成する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のベクトルマップは、面内歪みマップを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記処理デバイスは、更に、
前記第5のベクトルマップのx軸成分についての3シグマ値を生成すること、及び
前記第5のベクトルマップのy軸成分についての3シグマ値を生成することを実行する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記処理デバイスは、更に、
前記第5のベクトルマップに基づいて、修正措置を推奨する、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理デバイスは、更に、
前記第5のベクトルマップに基づいて、修正措置を自動的に実行する、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理デバイスは、更に、
前記第6のベクトルマップのx軸成分についての3シグマ値を生成すること、及び
前記第6のベクトルマップのy軸成分についての3シグマ値を生成することを実行する、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理デバイスは、更に、
前記第6のベクトルマップに基づいて、修正措置を推奨する、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理デバイスは、更に、
前記第6のベクトルマップに基づいて、修正措置を自動的に実行する、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
前記第6のベクトルマップは、前記基板上の1以上の異常を示す、請求項7に記載のシステム。
【請求項16】
基板の製造パラメータに関連付けられた第1のベクトルマップを受け取ることであって、前記第1のベクトルマップは、第1の組のベクトルを含み、前記第1の組のベクトルは、各々、前記基板上の複数の位置のうちの特定の1つの位置の歪みを示す、第1のベクトルマップを受け取ること、
前記第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成することであって、前記第2の組のベクトルは、各々、前記基板上の前記特定の1つの位置の前記歪みの大きさの方向における変化を示す、第2のベクトルマップを生成すること、
前記第2の組のベクトル内のベクトル及び前記第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成することであって、前記第3の組のベクトルは、前記基板上の前記複数の位置にわたる歪みの低減されたノイズを反映する、第3のベクトルマップを生成すること、並びに
前記第3の組のベクトルの各ベクトルを前記第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第4のベクトルマップを生成することであって、前記第4のベクトルマップは、前記第1のベクトルマップの平面成分を示す、第4のベクトルマップを生成することを含む、方法。
【請求項17】
前記第1のベクトルマップは、面内歪みマップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第4のベクトルマップのx軸成分についての3シグマ値を生成すること、及び
前記第4のベクトルマップのy軸成分についての3シグマ値を生成することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第4のベクトルマップに基づいて、修正措置を推奨することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第4のベクトルマップに基づいて、修正措置を自動的に実行することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、データ統合に関し、特に、面内歪み(in-plane distortion)の解析に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 製品は、製造設備を使用して1以上の製造プロセスを実行することによって製造されてよい。例えば、半導体製造設備は、半導体製造プロセスを介してウエハを製造するために使用されてよい。センサを使用して、製造プロセス中に製造設備の製造パラメータを特定することができる。計測設備を使用して、製造設備によって製造された製品の特性データを特定することができる。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 以下に示しているのは、本開示の幾つかの態様の基本的な理解を提供するための、本開示の簡略化された概要である。この概要は、本開示の網羅的な要約ではない。これは、本開示の主要点又は重要要素を特定するためのものでも、本開示の特定の実施態様の何らかの範囲又は特許請求の何らかの範囲を規定するためのものでもない。この概要の唯一の目的は、本開示の概念の一部を、後述するより詳細な説明の導入部として、簡略化した形態で提示することである。
【0004】
[0004] 本開示の一態様では、方法が、第1の組のベクトルを含む第1のベクトルマップを受け取ることを含んでよい。第1の組のベクトルは、各々、基板上の複数の位置のうちの特定の1つの位置の歪みを示している。該方法は、第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成することを更に含む。該方法は、第2の組のベクトル内のベクトル及び第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成することを更に含む。該方法は、第3の組のベクトルの各ベクトルを第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第4のベクトルマップを生成することを更に含む。第4のベクトルマップは、第1のベクトルマップの平面成分を示している。
【0005】
[0005] 本開示の別の一態様では、方法が、第1の組のベクトルを含む第1のベクトルマップを受け取ることを含んでよい。第1の組のベクトルは、各々、基板上の複数の位置のうちの特定の1つの位置の歪みを示している。該方法は、第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成することを更に含む。該方法は、第2の組のベクトル内のベクトル及び第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成することを更に含む。該方法は、第3の組のベクトル内の各ベクトルの方向成分を径方向に投影することによって、第4の組のベクトルを含む第4のベクトルマップを生成することを更に含む。該方法は、第4の組のベクトルのベクトルを群化し、ベクトルの各群に関連付けられた大きさを特定することによって、第5の組のベクトルを有する第5のベクトルマップを生成することを更に含んでよい。第5のベクトルマップは、径方向マップであってよく、基板が示す応力又は歪みのうちの少なくとも一方を示してよい。
【0006】
[0006] 本開示の別の一態様では、方法が、第5の組のベクトル内の各ベクトルを第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第6の組のベクトルを含む第6のベクトルマップを生成してよい。第6のベクトルマップは、残留マップ(residue map)であってよく、基板内の異常を示してよい。
【0007】
[0007] 本開示は、添付図面の図において、限定としてではなく例として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008] 特定の実施形態による例示的なシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図2】[0009] 特定の実施形態による評価マップの生成を示すブロック図である。
【
図3】[00010] 特定の実施形態による平面マップを生成する方法のフロー図である。
【
図4】[00011] 特定の実施形態による径方向マップ及び残留マップを生成する方法のフロー図である。
【
図5A】[00012]
図5A~
図5Eは、特定の実施形態によるIPDマップ及び評価マップを示すグラフである。
【
図5B】
図5A~
図5Eは、特定の実施形態によるIPDマップ及び評価マップを示すグラフである。
【
図5C】
図5A~
図5Eは、特定の実施形態によるIPDマップ及び評価マップを示すグラフである。
【
図5D】
図5A~
図5Eは、特定の実施形態によるIPDマップ及び評価マップを示すグラフである。
【
図5E】
図5A~
図5Eは、特定の実施形態によるIPDマップ及び評価マップを示すグラフである。
【
図6】[00013] 特定の実施形態によるコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[00014] 面内歪みの解析を対象とする技術が、本明細書で説明される。垂直NAND(V-NAND)又は3D NANDメモリは、典型的には、メモリセルを垂直に積み重ね、チャージトラップフラッシュアーキテクチャ(charge trap flash architecture)を使用する。構築するために、導電性膜と絶縁性膜の交互層が、ウエハ基板上に積み重ねられる。複数の層を重ねることで、より高いストレージ密度を生み出す。費用を削減するよう高いスループットを実現するために、製造業者は、典型的には、リアクタへの高いエネルギー密度及びガス供給を可能にする。しかし、積層膜のための層の厚さ及び数が増えると、不十分なエネルギー供給及び不均一なガス流が、積み重ねられた3D NAND膜内の均一性の欠如をもたらす。したがって、均一性の欠如は、高い面内歪み(IPD)をもたらす。これは、3D NANDメモリの性能低下問題を招く可能性がある。
【0010】
[00015] IPDは、ウエハ基板上のオーバーレイベクトルマップによって描写されてよい。ウエハ上の位置及び/又は各論理ユニット(すなわち、ダイ)に対して、IPDは、x軸成分及びy軸成分を有するベクトルを含んでよい。ベクトルは、ウエハ上のある位置における歪みの大きさ及び方向を示してよい。歪みは、製造プロセス中に生じることがある、不適切なエネルギー分布、ガス流の不均一性、ハードウェア問題、設計問題、又は他の問題に起因して生じる可能性がある。オーバーレイベクトル分布の不均一性は、その3シグマ値によって特徴付けられてよい。3シグマは、確率を計算するために使用される統計ツールである。3シグマ値は、IPD分布が産業界の要件を満たす(例えば、良好な歩留まりを達成するためのリソグラフィステップに従う)かどうかについての基準として使用されてよい。しかし、3シグマ値は、どの(1以上の)エリアが面内歪みを減らすために改善及び/又は最適化される必要があるかに関して限られたデータしか与えない。更に、3シグマ値は、プロセス又はハードウェアの変更によるIPD不均一性への影響を測定することができない。
【0011】
[00016] 本明細書で開示されるデバイス、システム、及び方法は、計測データを使用して、ウエハ基板に関連付けられたIPDマップから評価マップを生成する。具体的には、本明細書で開示されるデバイス、システム、及び方法が、IPDマップに関連する種々の態様を解析及び分解してよい。第1の実施例では、本開示のシステムが、IPDマップの平面成分を特定するために、平面マップを生成してよい。平面成分は、製造設備のハードウェアの構成又は製造プロセス(例えば、プラズマとガス流分布との間の相互作用)のいずれかにおける、製造プロセスの潜在的な非対称性に起因する歪みを示してよい。平面マップは、平面成分の大きさを示してよい。
【0012】
[00017] 平面マップを生成するために、該システムは、先ず、基板の製造パラメータに関連付けられた第1のベクトルマップを受け取ってよい。第1のベクトルマップは、第1の組のベクトルを含んでよい。第1の組のベクトルは、各々、基板上の特定の1つの位置の歪みを示している。第1のベクトルマップは、IPDマップであってよい。次いで、該システムは、第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成してよい。第2の組のベクトルは、各々、基板上の特定の1つの位置の歪みの大きさの方向における変化を示してよい。次いで、該システムは、第2の組のベクトル内のベクトル及び第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成してよい。第3の組のベクトルは、基板上の位置にわたる歪みの低減されたノイズを反映してよい。次いで、該システムは、第3の組のベクトルの各ベクトルを第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第4のベクトルマップを生成してよい。第4のベクトルマップは、第1のベクトルマップの平面成分を示してよい。
【0013】
[00018] 別の一実施例では、該システムが、IPDマップの径方向成分を特定するために、径方向マップを生成してよい。径方向成分は、ウエハにわたり加えられる引張応力及び圧縮応力に起因する歪みを示してよい。径方向マップの方向及び3シグマ値によって、製造設備の製造プロセス及びハードウェア部品が、基板の径方向IPDに対してどのような影響を有するかを測ることができる。
【0014】
[00019] 径方向マップを生成するために、該システムは、基板の製造パラメータに関連付けられた第1のベクトルマップを受け取ってよい。第1のベクトルマップは、第1の組のベクトルを含んでよい。第1の組のベクトルは、各々、基板上の複数の位置のうちの特定の1つの位置の歪みを示している。次いで、該システムは、第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成してよい。第2の組のベクトルは、各々、基板上の特定の1つの位置の歪みの大きさの方向における変化を示してよい。次いで、該システムは、第2の組のベクトル内のベクトル及び第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいて、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを更に生成してよい。第3の組のベクトルは、基板上の複数の位置にわたる歪みの低減されたノイズを反映してよい。該システムは、第3の組のベクトル内の各ベクトルの方向成分を径方向に投影することによって、第4の組のベクトルを含む第4のベクトルマップを更に生成してよい。該システムは、更に、第4の組のベクトルのベクトルを群化し、ベクトルの各群に関連付けられた大きさを特定することによって、第5の組のベクトルを有する第5のベクトルマップを生成してよい。第5のベクトルマップは、径方向マップを含んでよく、基板が示す応力及び/又は歪みを示してよい。
【0015】
[00020] 別の一実施例では、該システムが、IPDマップの残留成分を特定するために、残留マップを生成してよい。残留成分は、ハードウェア故障、プロセスの不安定性、ハードウェア設計の欠陥などに起因する局所的な不備を示してよい。残留マップを生成するために、該システムは、第5の組のベクトル内の各ベクトルを第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、第6の組のベクトルを含む第6のベクトルマップを生成してよい。
【0016】
[00021] 本開示の複数の態様は、エネルギー消費、製品の欠陥、性能問題、プロセッサオーバヘッドなどの大幅な低減という技術的な利点をもたらす。幾つか実施形態では、製造設備によって製造される各ウエハについての評価マップを生成することから、それらの技術的な利点が得られる。評価マップは、IPDマップの平面成分を詳述する平面マップ、IPDマップの径方向成分を詳述する径方向マップ、及びIPDの残留成分を詳述する残留マップを含んでよい。評価マップにより、ユーザ又はシステムは、欠陥のある又は不良な製品をもたらし得る製造ハードウェア及びプロセス問題を特定することが可能になる。更に、評価マップにより、ユーザ又は該システムは、製造プロセスを最適化又は改善する方法を特定することが可能になり、したがって、従来のアプローチと比較したときに、より少ないエネルギー消費、より少ない欠陥製品、及び改善されたIPDをもたらしてよい。
【0017】
[00022]
図1は、特定の実施形態による例示的なシステムアーキテクチャ100を示すブロック図である。システムアーキテクチャ100は、クライアントデバイス106、評価マップ生成システム110、センサシステム120、計測システム130、及びデータストア140を含む。評価マップ生成システム110は、平面マップ162を生成する平面マップ生成器112、径方向マップ164を生成する径方向マップ生成器114、及び残留マップ166を生成する残留マップ生成器116を含んでよい。センサシステム120は、センササーバ122(例えば、製造施設におけるフィールドサービスサーバ(FSS))、製造設備124、センサ126、及びセンサ識別子リーダ128(例えば、センサシステム120用の前方開口型統一ポッド(FOUP)無線周波数識別(RFID)リーダ)を含んでよい。計測システム130は、計測サーバ132(例えば、計測データベースや計測フォルダなど)、計測設備134、計測識別子リーダ136(例えば、計測システム130用のFOUP RFIDリーダ)、及び面内歪みマップ生成器138を含んでよい。
【0018】
[00023] センサ126は、製造設備124によって対応する製品(例えば、基板又はウエハ)を製造することに関連付けられたセンサ値144(例えば、製造パラメータ)を提供してよい。センサ値144は、温度(例えば、ヒータ温度)、間隔(SP)、圧力、高周波無線周波数(HFRF)、静電チャック(ESC)の電圧、電流、流れ、電力、電圧、プラズマ及び/又はガス流、エネルギー分布などのうちの1以上の値を含んでよい。センサ値144は、製造設備のハードウェアパラメータ(例えば、製造設備124の設定若しくは構成要素(例えば、サイズや種類など))、又は製造設備のプロセスパラメータ(例えば、流量)などの製造パラメータに関連付けられ、或いはそれらを示してよい。センサ値144は、製造設備124が製造プロセスを実行している間に提供されてよい(例えば、ウエハを処理しているときの設備読み取り値)。センサ値144は、各製品(例えば、各ウエハ)に対して異なる場合がある。
【0019】
[00024] センサ識別子リーダ128(例えば、センサシステム120用のFOUP RFIDリーダ)は、センサキャリア識別子(例えば、FOUP識別子、ウエハキャリア識別子、スロット識別子など)を提供してよい。センササーバ122は、センサキャリア識別子やタイムスタンプ(例えば、日付や時刻など)を含む、センサデータ識別子146を生成してよい。センサキャリア識別子は、センサシステム120によって(例えば、センサ識別子リーダ128を介して)特定されるキャリア識別子(例えば、FOUP識別子など)であってよい。センササーバ122は、センサ値144及びセンサデータ識別子146を含む、センサデータ142を生成してよい。幾つかの実施形態では、センサデータ142(例えば、センサデータ識別子146)が、製品識別子148を更に含む。例えば、複数の製品(例えば、25枚のウエハ)が、同じセンサキャリア識別子に関連付けられてよく、各製品識別子148が、製品の順序(例えば、ウエハキャリア内の第1のウエハや第2のウエハなど)を示してよい。
【0020】
[00025] 計測設備134は、製造設備124によって製造された製品(例えば、ウエハ)に関連付けられた計測値152(例えば、ウエハの特性データ)を提供してよい。計測値152は、膜特性データ(例えば、ウエハの空間膜特性)、寸法(例えば、厚さや高さなど)、面内歪み及び/又は均一性、誘電率、ドーパント濃度、密度、欠陥などのうちの1以上の値を含んでよい。計測値152は、完成品又は途中まで仕上げられた製品のものであってよい。計測値152は、各製品(例えば、各ウエハ)に対して異なる場合がある。
【0021】
[00026] 計測識別子リーダ136(例えば、計測システム130用のFOUP RFIDリーダ)は、計測キャリア識別子(例えば、FOUP識別子、ウエハキャリア識別子、スロット識別子など)を提供してよい。計測キャリア識別子は、計測システム130によって(例えば、計測識別子リーダ136を介して)特定されるキャリア識別子(例えば、FOUP識別子など)であってよい。同じ製品(例えば、同じウエハ)に対応する計測キャリア識別子とセンサキャリア識別子は、同じキャリア識別子(例えば、同じFOUP ID)であってよく、同じキャリア(例えば、同じFOUP)に対応するものであってよい。計測サーバ132は、計測キャリア識別子やタイムスタンプ(例えば、日付や時刻など)を含む、計測データ識別子154を生成してよい。計測サーバ132は、計測値152及び計測データ識別子154を含む、計測データ150を生成してよい。幾つかの実施形態では、計測データ150が、製品識別子156を更に含む。例えば、複数の製品(例えば、25枚のウエハ)が、同じ計測データ識別子154(例えば、ウエハキャリア識別子)に関連付けられてよく、各製品識別子156が、製品の順序(例えば、ウエハキャリア内の第1のウエハや第2のウエハなど)を示してよい。
【0022】
[00027] 幾つかの実施形態では、製品キャリア(例えば、FOUPやウエハキャリア)が、製品を製造設備124から計測設備134に移送してよい。製品は、センサシステム120内及び計測システム130内の同じ順序(例えば、FOUP又はウエハキャリア内の同じ位置)を維持してよい。例えば、ウエハは、(計測システム130を介して計測データ150を提供するために)それらが計測設備134の内外にロードされたのと同じ順序で、(ウエハの処理のため及びセンササーバ122を介してセンサデータ142を提供するために)製造設備124の内外にロードされてよい。幾つかの実施形態では、同じ製品に対応する、センサキャリア識別子(例えば、センサシステム120に関連付けられたFOUP ID)及び(例えば、計測システム130に関連付けられたFOUP ID)が、同じ製品キャリア(例えば、同じFOUP)及び/又はキャリア識別子に関連付けられている(例えば、センサキャリア識別子と計測キャリア識別子が同じである)。
【0023】
[00028] IPDマップ生成器138は、計測値152からIPDマップ158を生成してよい。IPDマップ158は、ウエハ上の複数の位置の各々における歪みベクトル、及びウエハ上のダイの座標を含む、オーバーレイベクトルマップであってよい。ベクトルマップ上の各ベクトルは、x軸成分及びy軸成分を含んでよい。製造設備124によって製造された各ウエハは、その計測値152に基づいて生成されたIPDマップ158を有してよい。各ベクトルは、ウエハ上の1つの位置に、又はウエハ上のダイ(例えば、論理ユニット)に関連付けられてよい。
図5Aは、例示的なIPDマップを示しているグラフである。具体的には、
図5Aが、ナノメートルで測定された複数の位置におけるベクトルを有するIPDマップを示している。各IPDマップ158は、x軸成分及びy軸成分についての3シグマ値を含んでよい。
【0024】
[00029] 3シグマは、確率を計算するために使用される統計ツールである。IPDマップ生成器138は、IPDマップ上のx軸成分の標準偏差を先ず計算することによってx軸成分についての3シグマ値を特定し得、IPDマップ上のy軸成分の標準偏差を先ず計算することによってy軸成分についての3シグマ値を特定し得る。各標準偏差に3が乗じられ、その積を平均値(x軸成分の平均値及びy軸成分の平均値)から減算してよい。結果として生じる3シグマ値は、他のベクトルが3シグマ値よりも低い値(例えば、大きさ)を有するであろう確率が高い(例えば、99.73%)ことを示す。
図5Aで示されているようにx軸成分についての3シグマ値は12.3ナノメートルであり、y軸成分についての3シグマ値は11.9ナノメートルである。3シグマ値は、ベクトルマップの種類ごとに特定されてよい。例えば、平面マップ生成器112は、平面マップ162について3シグマ値を特定してよく、径方向マップ生成器114は径方向マップ164について3シグマ値を特定してよく、及び、残留マップ生成器116は残留マップ166について3シグマ値を特定してよい。更に、平面マップ162、径方向マップ164、及び残留マップ166を生成するプロセス中に生成される中間ベクトルマップについて、評価マップ生成システム110によって、3シグマ値が特定されてよい。以下、より詳しく説明することとなる。
【0025】
[00030]
図1に戻って参照すると、クライアントデバイス106、評価マップ生成システム110、センサシステム120(例えば、センササーバ122、製造設備124、センサ126、センサ識別子リーダ128など)、計測システム130(例えば、計測サーバ132、計測設備134、計測識別子リーダ136、IPDマップ生成器など)、並びにデータストア140が、解析構成要素108による修正措置を実行するために、平面マップ162、径方向マップ164、及び残留マップ166を生成するようネットワーク170を介して互いと結合されてよい。修正措置は、相関データベース168からのデータに基づいてよい。相関データベース168は、IPDマップ158、平面マップ162、径方向マップ164、及び/又は残留マップのうちの1以上から特定された1以上の種類の変形又は欠陥を、その変形及び/又は欠陥の1以上の原因に関連付けてよい。
【0026】
[00031] 幾つかの実施形態では、ネットワーク170が、公共ネットワークである。その公共ネットワークは、クライアントデバイス106に、評価マップ生成システム110、データストア140、及び他の公的に利用可能な計算デバイスへのアクセスを提供する。幾つかの実施形態では、ネットワーク170が、私的ネットワークである。その私的ネットワークは、評価マップ生成システム110に、センサシステム120、計測システム130、データストア140、及び他の私的に利用可能な計算デバイスへのアクセスを提供し、クライアントデバイス106に、マップ生成システム110、データストア140、及び他の私的に利用可能な計算デバイスへのアクセスを提供する。ネットワーク170は、1以上のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク(例えば、イーサネットネットワーク)、無線ネットワーク(例えば、802.11ネットワーク若しくはWi-Fiネットワーク)、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ、クラウドコンピューティングネットワーク、及び/又はこれらの組み合わせを含んでよい。
【0027】
[00032] クライアントデバイス106は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットワーク接続テレビ(「スマートテレビ」)、ネットワーク接続メディアプレーヤー(例えば、ブルーレイプレーヤー)、セットトップボックス、オーバーザトップ(OTT)ストリーミングデバイス、オペレータボックスなどの計算デバイスを含んでよい。クライアントデバイス106は、製造設備124によって製造された製品(例えば、基板、ウエハ、ダイなど)に関連付けられた計測データ(データストア140からの、計測システム130からの、など)を取得することができ、評価マップ生成システム110によって生成される1以上の評価マップ160をリクエストするユーザ入力を受け取ってよく、リクエストされた評価マップを受け取ってよく、製造設備124に関連付けられたセンサデータ(例えば、データストア140からの、センサシステム120からの、など)を取得することができ、及び、評価マップに基づいて、修正措置(例えば、製造設備124の製造パラメータの調整)を行うことができる。各クライアントデバイス106は、ユーザが、データ(例えば、製造設備124に関連付けられた表示や製造設備124に関連付けられた修正措置など)を生成すること、視認すること、又は編集することのうちの1以上を行うことを可能にする、オペレーティングシステムを含んでよい。幾つかの実施形態では、計測データ150が、(例えば、センサデータ142に関連付けられた製造パラメータを使用して製造された)製品の履歴特性データに対応する。
【0028】
[00033] 欠陥のある製品をもたらす製造プロセスを実行することによって、欠陥のある製品を作製するために用いられる時間、エネルギー、及び製造設備124、並びに、欠陥を特定し、欠陥のある製品を捨てる費用などにおいて、出費がかさみ得る。現在のセンサデータ及び/又は計測データを入力すること、評価マップ160の出力を受け取ること、及び評価マップ160に基づいて修正措置をとることによって、システム100は、欠陥のある製品の製造、特定、及び廃棄の出費を回避するという技術的な利点を有し得る。
【0029】
[00034] 製造パラメータは、資源(例えば、エネルギー、冷却剤、ガスなど)の消費の増加、製品を製造するための時間量の増加、構成要素故障の増加、欠陥のある製品の量の増加などの、費用がかかる結果を有する場合がある製品を製造することにおいて、最適ではない可能性がある。評価マップ160を生成すること及び評価マップ160内で示された結果(例えば、平面性、変形、応力、歪み、異常など)を解析すること、並びに、製造設備124の製造パラメータを調整することによって、システム100は、最適ではない製造パラメータの出費がかさむ結果を回避するために、最適な製造パラメータ(例えば、ハードウェアパラメータ、プロセスパラメータ、最適な設計)を使用する、技術的な利点を有し得る。
【0030】
[00035] 修正措置は、計算処理制御(CPC)、統計処理制御(SPC)、自動処理制御(APC)、予防的動作保守、設計最適化、製造パラメータの更新、フィードバック制御、機械学習改修、製造構成要素の交換又は修理など、のうちの1以上に関連付けられてよい。
【0031】
[00036] センサデータ142は、製造設備124の製造プロセスに関連付けられてよく、計測データ150は、製造プロセスによって製造される完成品の特性に関連付けられてよい。別の一実施例では、製造設備が膜材料ディスペンサであってよく、製造プロセスがウエハの上に膜の層を分配してよい。センサデータ142は、ガス流分布や流量などを示してよい。計測データ150は、膜の厚さや歪みなどを示してよい。計測データ150は、IPDマップ(例えば、IPDマップ158)上の面内歪みを更に示してよい。
【0032】
[00037] 評価マップ生成構成要素110は、IPDマップ158を使用して、評価マップ160を生成することができる。評価マップ160は、IPDマップを評価してよく、IPDマップの変形特性を示してよい。例えば、評価マップ生成構成要素110は、1以上の平面マップ162、1以上の径方向マップ164、及び1以上の残留マップ166を生成してよい。平面マップは、ウエハの平面性の方向を示してよい。具体的には、平面マップが、ウエハ上の積層膜によって生じる傾斜効果の方向を示してよい。径方向マップは、ウエハにわたる応力及び/又は歪み(例えば、圧縮応力や引張応力など)を示してよい。残留マップは、ウエハ上の異常を示してよい。評価マップ160の各々は、3シグマ値を含んでよい。評価マップ160の各々上のベクトルの3シグマ値、大きさ、及び/又は方向は、歪み、応力、異常などの深刻度を示してよい。評価マップ160に基づいて、クライアントデバイス106は、(例えば、解析構成要素108を介して)修正措置を推奨してよく又は修正措置を実行させてよい。それらのいずれも、ユーザ入力によるものか又は自動で行われる。
【0033】
[00038] 製造パラメータは、ハードウェアパラメータ(例えば、構成要素の交換や特定の構成要素の使用など)及び/又はプロセスパラメータ(例えば、温度、圧力、流量など)を含んでよい。幾つかの実施形態では、修正措置が、予防的動作保守(例えば、製造設備124の構成要素の交換、処理、洗浄など)をもたらす。幾つかの実施形態では、修正措置が、設計最適化(例えば、最適化される製品のための製造パラメータ、製造プロセス、製造設備124などの更新)をもたらす。一実施例では、平面マップのベクトルの大きさ、ベクトルの方向、及び/又は3シグマ値(閾値と比較したとき)に基づいて、ハードウェア構成問題又はプラズマとガス流分布との間の望ましくない相互作用が示されてよい。別の一実施例では、径方向マップのベクトルの大きさ、方向、及び/又は3シグマ値に基づいて、エネルギー分布及びガス流問題が示され得る。更に別の実施例では、残留マップのベクトルの大きさ、方向、及び/又は3シグマ値に基づいて、ハードウェア設計の欠陥(例えば、電極上のアーク放電スポット)が示され得る。
【0034】
[00039] クライアントデバイス106は、解析構成要素108を含んでよい。解析構成要素108は、評価マップ用のリクエストのユーザ入力(例えば、クライアントデバイス106を介して表示されるGUIを介して)を受け取ってよい。幾つかの実施形態では、解析構成要素108が、そのリクエストを評価マップ生成システム110に送信し、評価マップ生成システム110からの出力(例えば、評価マップ160)を受け取り、解析用に評価マップ160を表示する。幾つかの実施形態では、解析構成要素108が、出力に基づいて修正措置を特定する。幾つかの実施形態では、解析構成要素108が、修正措置を自動的に又はユーザ入力を受け取ると実施させる(例えば、製造パラメータを変更する)。
【0035】
[00040] センササーバ122及び計測サーバ132は、各々、ラックマウントサーバ、ルータコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、グラフィック処理ユニット(GPU)、アクセラレータ―特定用途向け集積回路(ASIC)(例えば、テンソルプロセッシングユニット(TPU))などの、1以上の計算デバイスを含んでよい。
【0036】
[00041] データストア140は、メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)、ドライブ(例えば、ハードドライブやフラッシュドライブ)、データベースシステム、又はデータを記憶することができる別の種類の構成要素若しくはデバイスであってよい。データストア140は、複数の計算デバイス(例えば、複数のサーバコンピュータ)に跨ってよい複数のストレージ構成要素(例えば、複数のドライブ又は複数のデータベース)を含んでよい。データストア140は、センサデータ142、計測データ150、及び評価マップ160を記憶してよい。
【0037】
[00042] センサデータ142は、センサ値、センサデータ識別子146、及び製品識別子148を含んでよい。計測データ150は、計測値152、計測データ識別子154、製品識別子156、及びIPDマップ158を含んでよい。センサデータ142の各インスタンス(例えば、組)は、対応する製品キャリア(例えば、センサデータ識別子146に関連付けられた)、対応するタイムスタンプ(例えば、センサデータ識別子146に関連付けられた)、及び/又は対応する製品(例えば、製品識別子148に関連付けられた)に対応してよい。計測データ150の各インスタンス(例えば、組)は、対応する製品キャリア(例えば、計測データ識別子154に関連付けられた)、対応するタイムスタンプ(例えば、計測データ識別子154に関連付けられた)、及び/又は対応する製品(例えば、製品識別子156に関連付けられた)に対応してよい。
【0038】
[00043] 幾つかの実施形態では、クライアントデバイス106と、評価マップ生成システム110と、センササーバ122と、計測サーバ132の機能が、より少ない数の機械によって提供されてよい。幾つかの実施形態では、評価マップ生成システム110、センササーバ122、及び計測サーバ132が、単一の機械に統合されてよい。
【0039】
[00044] クライアントデバイス106と、センササーバ122と、計測サーバ132によって実行される、一実施形態で説明される機能がまた、適切であれば、他の複数の実施形態において評価マップ生成システム110でも実行され得ることに留意されたい。加えて、特定の構成要素に帰属する機能性は、異なる又は複数の構成要素が共に動作することによって実行され得る。評価マップ生成システム110は、適切なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して他のシステム又はデバイスに提供されるサービスとしてアクセスされてよい。
【0040】
[00045] 複数の実施形態では、「ユーザ」が、1人の個人として表されてよい。しかし、本開示の他の実施形態は、「ユーザ」が、複数のユーザ及び/又は自動化されたソースによって制御されるエンティティであることを包含する。例えば、管理者の群として連合する個々のユーザの組は、「ユーザ」とみなされてよい。
【0041】
[00046] 本開示の実施形態は、製造設備(例えば、半導体製造設備)において修正措置を実行するために評価マップ160を生成するという観点で説明されるが、複数の実施形態はまた、概して、措置を実行するために複数の種類のデータを集約することにも適用されてよい。複数の実施形態は、概して、異なる種類のデータを統合することに適用されてよい。例えば、センサデータは、構成要素の寿命を予測するために、対応する構成要素の故障データと集約されてよい。別の一実施例では、複数の画像の画像分類を予測するために、画像が、対応する画像分類と集約されてよい。
【0042】
[00047]
図2は、特定の複数の実施形態による、IPDマップ258(例えば、
図1のIPDマップ158)を使用して評価マップ(例えば、
図1の評価マップ160)を生成するためのシステム200を例示するブロック図である。
図2のシステムは、データ入力205、評価マップ生成システム210、及びデータ出力220を示している。
【0043】
[00048] 幾つかの実施形態では、評価マップ生成システム210が、1以上のデータ入力205(例えば、1以上のIPDマップ258)を受け取ってよい。1以上のデータ入力205は、自動的に又はユーザ入力(例えば、リクエスト)によって、評価マップ生成システム210に送られてよい。幾つかの実施形態では、平面マップ生成器212(例えば、
図1の平面マップ生成器112)が、1以上の平面マップ262を生成してよい。平面マップを生成するプロセスは、
図3でより詳細に説明されることとなる。幾つかの実施形態では、径方向マップ生成器214(例えば、
図1の径方向マップ生成器114)が、1以上の径方向マップ264を生成してよい。径方向マップを生成するプロセスは、
図4でより詳細に説明されることとなる。幾つかの実施形態では、残留マップ生成器216(例えば、
図1の残留マップ生成器116)が、1以上の残留マップ266を生成してよい。残留マップを生成するプロセスは、
図4でより詳細に説明されることとなる。
【0044】
[00049]
図3は、特定の複数の実施形態による、平面マップ(例えば、
図1の平面マップ162)を生成するための方法300のフロー図である。方法300は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、処理デバイスなど)、ソフトウェア(処理デバイス、汎用コンピュータシステム、又は専用マシンで実行される指示命令など)、ファームウェア、マイクロコード、又はこれらの組み合わせを含んでよい、処理ロジックによって実行されてよい。一実施形態では、方法300が、部分的に、評価マップ生成システム110(例えば、平面マップ生成器112)によって実行されてよい。幾つかの実施形態では、非一時的なストレージ媒体が、指示命令を記憶する。該指示命令は、処理デバイス(例えば、評価マップ生成システム110の)によって実行されると、処理デバイスに方法300を実行させる。
【0045】
[00050] 説明を単純にするために、方法300は、一連の動作として描かれ、説明される。しかし、本開示に従った複数の動作は、様々な順序で及び/又は同時に行われ、本明細書で提示も説明もされていない別の動作と共に行われ得る。更に、開示される主題に従って方法300を実施するために、必ずしも全ての図示された動作が実行されるわけではない。加えて、当業者は、方法300が、代替的に、状態図又は事象を介して一連の相互に関連する状態として表され得ることを理解し、把握するであろう。
【0046】
[00051] 製造設備124のハードウェアの構成か又は製造プロセス(例えば、プラズマとガス流分布との相互作用)かのいずれかで、製造プロセスの潜在的な非対称性に起因として、IPDマップは、高い面内歪みをもたらし得る平面成分を有することがある。方法300の動作は、平面成分の大きさを示す平面マップを生成する。
【0047】
[00052]
図3を参照すると、ブロック302で、処理ロジックは、基板(例えば、ウエハ)の製造パラメータに関連付けられた第1のベクトルマップを受け取る。
第1のベクトルマップは、IPDマップ(例えば、IPDマップ158)であってよく、以下では、IPDマップと呼ばれることになる。IPDマップは、第1の組のベクトルを含んでよい。その場合、各ベクトルは、ウエハ上の特定の1つの位置の歪みを示している。IPDマップの各ベクトルは、方向及び大きさを示すx軸成分及びy軸成分を有してよい。IPDマップは、計測システム130からの計測データを使用して生成されてよく、データストア(例えば、
図1のデータストア140)内に記憶されてよく、処理ロジックは、データストアからIPDマップを取得して(例えば、読み出して)よい。一実施例として、IPDマップは、基板の表面勾配の変化に基づいて算出されてよい。
【0048】
[00053] ブロック304で、処理ロジックは、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成する。処理ロジックは、第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって第2のベクトルマップを生成してよい。一実施例として、第2の組のベクトル内の各ベクトルは、近似的に又は正確に180度だけ回転される。第2の組のベクトルは、各々、基板上の特定の1つの位置の歪みの大きさの方向における変化を示してよい。第2のベクトルマップは、評価マップ生成システム110のキャッシュ若しくはメモリ構成要素内又はデータストア140内に記憶されてよい。第2のベクトルマップは、方法300が実行されている間、一時的に、又は永久に記憶されてよい。
【0049】
[00054] ブロック306で、処理ロジックは、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成する。第3の組のベクトルは、第2の組のベクトル内のベクトル及び第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいてよい。一実施例では、処理ロジックが、第3のベクトルマップを生成するために、第1の組のベクトル上のベクトルを第2のベクトルマップ上のそれらのそれぞれの位置に追加する。次いで、各位置における合計は、2で除算されて、第3の組のベクトルを生成することができる。第3の組のベクトルは、基板上の位置にわたる歪みの低減されたノイズを反映してよい。処理ロジックは、第3のベクトルマップのx軸成分について及びy軸成分についての3シグマ値を生成してよい。
図5Bは、第3の組のベクトルを含む、第3のベクトルマップの一実施例を示しているグラフである。
図5Bで示されている第3のベクトルマップは、方法300の上述のステップを
図5Aで示されているIPDマップに適用することによって生成される。
図5Bの第3のベクトルマップのx軸についての3シグマ値は5.6nmであり、y軸成分についての3シグマ値は5.1nmである。
【0050】
[00055]
図3に戻って参照すると、ブロック308で、処理ロジックは、第4の組のベクトルを含む第4のベクトルマップを生成する。第4のベクトルマップは、平面マップ(例えば、平面マップ162)であってよく、以下では、平面マップと呼ばれることになる。一実施例では、処理ロジックが、第3の組のベクトルの各ベクトルを第1の組のベクトル内の対応するベクトル成分から減算することによって、平面マップを生成する。平面マップは、IPDマップの平面成分を示している。第4の組のベクトルの方向及び大きさに基づいて、処理ロジックは、平面成分の方向を特定してよい。処理ロジックは、平面マップのx軸成分について及びy軸成分についての3シグマ値を生成してよい。
図5Cは、平面マップの一実施例を示しているグラフである。
図5Cのグラフのx軸についての3シグマ値は10.7nmであり、y軸成分についての3シグマ値は10.6nmである。平面方向が、矢印530によって示されている。平面マップは、ハードウェア構成要素及び製造プロセスからの平面IPDに対する影響の定量化(例えば、大きさ及び方向を介した)を可能にする。解析構成要素108は、相関データベースを使用して、平面マップの変形又は欠陥セクションを、1以上の原因(例えば、製造設備のハードウェアの構成、製造プロセスパラメータ、例えば、プラズマとガス流分布との間の相互作用、など)に関連付けることができる。解析構成要素108は、平面マップに基づいて推奨を生成してよい。一実施例として、解析構成要素108は、平面成分を最小化するために、設計最適化、製造部品の交換、及び/又は製造プロセスの調整を推奨してよい。別の一実施例では、解析構成要素108は、平面マップに基づいて修正措置を自動的に実行してよく、例えば、ガス流分布を調整し、ペデスタルヒータのレベリングを実行して、平面性への寄与を修正するなどしてよい。
【0051】
[00056]
図4は、特定の複数の実施形態による、径方向マップ(例えば、
図1の径方向マップ164)及び残留マップ(例えば、
図1の残留マップ166)を生成するための方法400のフロー図である。方法400は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、処理デバイスなど)、ソフトウェア(処理デバイス、汎用コンピュータシステム、又は専用マシンで実行される指示命令など)、ファームウェア、マイクロコード、又はこれらの組み合わせを含んでよい、処理ロジックによって実行されてよい。一実施形態では、方法400が、部分的に、評価マップ生成システム110(例えば、径方向マップ生成器114及び/又は残留マップ生成器116)によって実行されてよい。幾つかの実施形態では、非一時的なストレージ媒体が、指示命令を記憶する。該指示命令は、処理デバイス(例えば、ベクトルマップ生成システム110の)によって実行されると、処理デバイスに方法400を実行させる。
【0052】
[00057] 説明を単純にするために、方法400は、一連の動作として描かれ、説明される。しかし、本開示に従った複数の動作は、様々な順序で及び/又は同時に行われ、本明細書で提示も説明もされていない別の動作と共に行われ得る。更に、開示される主題に従って方法400を実施するために、必ずしも全ての図示された動作が実行されるわけではない。加えて、当業者は、方法400が、代替的に、状態図又は事象を介して一連の相互に関連する状態として表され得ることを理解し、把握するであろう。方法400の部分は、
図3の方法300のブロックと同様又は同じであってよい。
【0053】
[00058]
図4を参照すると、ブロック402で、処理ロジックは、基板(例えば、ウエハ)の製造パラメータに関連付けられた第1のベクトルマップを受け取る。第1のベクトルマップは、IPDマップ(例えば、IPDマップ158)であってよく、以下では、IPDマップと呼ばれることになる。IPDマップは、第1の組のベクトルを含んでよい。その場合、各ベクトルは、ウエハ上の特定の位置の歪みを示している。各ベクトルは、x軸成分及びy軸成分を含んでよい。IPDマップは、データストア(例えば、
図1のデータストア140)から取得(例えば、読み出)されてよい。
【0054】
[00059] ブロック404で、処理ロジックは、第2の組のベクトルを含む第2のベクトルマップを生成する。処理ロジックは、第1の組のベクトル内の各ベクトルのポジションを回転させることによって第2のベクトルマップを生成してよい。一実施例として、第2の組のベクトル内の各ベクトルは、近似的に又は正確に180度だけ回転される。第2の組のベクトルは、各々、基板上の特定の1つの位置の歪みの大きさの方向における変化を示してよい。第2のベクトルマップは、ベクトルマップ生成システム110のキャッシュ若しくはメモリ構成要素内又はデータストア140内に記憶されてよい。第2のベクトルマップは、方法400が実行されている間、一時的に、又は永久に記憶されてよい。
【0055】
[00060] ブロック406で、処理ロジックは、第3の組のベクトルを含む第3のベクトルマップを生成する。第3の組のベクトルは、第2の組のベクトル内のベクトル及び第1の組のベクトル内の対応するベクトルに基づいてよい。一実施例では、処理ロジックが、第1の組のベクトル上のベクトルを第2のベクトルマップ上のそれらのそれぞれの位置に追加することによって、第3のベクトルマップを生成する。次いで、各位置における合計は、2で除算されて、第3の組のベクトルを生成することができる。第3の組のベクトルは、基板上の位置にわたる歪みの低減されたノイズを反映してよい。
【0056】
[00061] ブロック408で、処理ロジックは、第4の組のベクトルを含む第4のベクトルマップを生成する。一実施例では、処理ロジックが、第3の組のベクトル内の各ベクトルの方向成分を径方向に投影することによって、第4のベクトルマップを生成する。
【0057】
[00062] ブロック410で、処理ロジックは、第5の組のベクトルを含む第5のベクトルマップを生成する。第5のベクトルマップは、径方向マップ(例えば、径方向マップ164)であってよく、以下では、径方向マップと呼ばれることになる。一実施例では、処理ロジックが、第4の組のベクトルを群化してよく、ベクトルの各群(又は範囲)に関連付けられた平均的な大きさを特定してよい。ベクトルの方向は変更されないままであってよい。径方向マップは、基板全体が示す応力及び/又は歪みを示してよい。特に、径方向マップ内の各群において、全てのベクトルは同じ大きさ(例えば、径方向ベクトル)を有してよく、中心に向かっているか又は中心から遠ざかっているかのいずれかであってよい。中心に向かう方向は、その群の応力及び/又は歪みが圧縮的であることを示してよく、エネルギー密度が高いことを示してよい。中心から離れる方向は、引張局所応力及び/又は歪みを示してよく、エネルギー密度が相対的に低いことを示してよい。一実施例として、各径方向ベクトルは、双方向であってよいので、処理ロジックは、径方向ベクトルの方向に基づいて、正及び負の符号を各径方向ベクトルに割り当ててよい。例えば、中心に向かう方向の径方向ベクトル(圧縮応力を示す)には、正の符号が割り当てられてよく、中心から遠ざかる方向の径方向ベクトル(引張応力を示す)には、負の符号が割り当てられてよい。別の一実施例では、各径方向ベクトルには、その方向及び大きさに基づいて、色が割り当てられてよい。更に別の一実施例では、符号と色の任意の組み合わせが使用されて、第5のベクトルマップ上で応力及び/又は大きさを示すことができる。処理ロジックは、径方向マップのx軸成分について及びy軸成分についての3シグマ値を生成してよい。
【0058】
[00063]
図5Dは、例示的な径方向マップを示しているグラフである。
図5Dのグラフのx軸についての3シグマ値は5.3nmであり、y軸成分についての3シグマ値は5.3nmである。見られるように、径方向マップは、径方向ベクトルを含む複数の群を表示してよい。異なる色合いが各群(又は範囲)に関連付けられ、その色合いは、その群が圧縮性であるか(及びその大きさ)又はその群が引張性であるか(及びその大きさ)を示している。
【0059】
[00064] 径方向マップの方向及び3シグマ値によって、ユーザ又は解析構成要素108は、製造設備の製造プロセス及びハードウェア部品が、基板の径方向IPDに対してどのような影響を有するかを測ることができる。解析構成要素108は、径方向マップに基づいて、推奨を生成してよい。一実施例では、解析構成要素108が、径方向成分を最小化する(例えば、基板が受ける応力及び/又は歪みを最小化する)ために、設計最適化、製造部品の交換、及び/又は製造プロセスの調整を推奨してよい。別の一実施例では、解析構成要素108が、径方向マップに基づいて、修正措置を自動的に実行してよい。
【0060】
[00065]
図4に戻って参照すると、ブロック412で、処理ロジックは、第6の組のベクトルを含む第6のベクトルマップを生成する。第6のベクトルマップは、残留マップ(例えば、残留マップ164)であってよく、以下では、残留マップと呼ばれることになる。処理ロジックは、第5の組のベクトル内の各ベクトルを第1の組のベクトル内の対応するベクトルから減算することによって、残留マップを生成してよい。処理ロジックは、残留マップのx軸成分について及びy軸成分についての3シグマ値を生成してよい。残留マップの第6の組のベクトルは、方向及び大きさがばらばらであってよい。残留マップのある場所の大きさが高い場合、それは、ハードウェアの故障、プロセスの不安定性、又は局所的な欠陥を引き起こす任意の他のハードウェア若しくは製造プロセスを示してよい。例えば、特定の場所でパターンが出現することがあり、それは、ハードウェア設計の欠陥を示してよい。これに応じて、解析構成要素108は、ハードウェア構成要素を変更するための推奨、又はプロセスの安定性を改善するための新しい設計を生成する推奨を発行してよい。
【0061】
[00066]
図5Eは、例示的な残留マップを示しているグラフである。
図5Eの残留マップのx軸についての3シグマ値は0.7nmであり、y軸成分のついての3シグマ値は1.2nmである。見られるように、残留マップは小さな大きさの値及び小さな3シグマ値を表示し、それは、IPDマップ内に局所的な異常が存在しないことを示してよい。
【0062】
[00067] 解析構成要素108は、残留マップに基づいて、修正データベース168を使用して、推奨を生成してよい。一実施例として、解析構成要素108は、残留成分を最小化又は排除するために、設計最適化、製造部品の交換、及び/又は製造プロセスの調整を推奨してよい。別の一実施例では、解析構成要素108が、残留マップに基づいて、修正措置を自動的に実行してよい。
【0063】
[00068]
図6は、特定の複数の実施形態によるコンピュータシステム600を示しているブロック図である。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム600が、他のコンピュータシステムに(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットなどのようなネットワークを介して)接続されてよい。コンピュータシステム600は、クライアントサーバネットワーク環境内でサーバ又はクライアントマシンの役割で、或いは、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境内でピアマシンとして動作してよい。コンピュータシステム600は、パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB:set-top box)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、そのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)一組の指示命令を実行可能な任意のマシンであってよい。更に、「コンピュータ」という用語は、本明細書で説明される方法のうちの任意の1以上を実行するために、一組(又は複数の組)の指示命令を個別に又は共同で実行するコンピュータの任意の集合を含むものとする。
【0064】
[00069] 更なる一態様では、コンピュータシステム600が、処理デバイス602、揮発性メモリ604(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ606(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)又は電気的消去可能プログラマブルROM (EEPROM))、及びバス608を介して互いに通信することができるデータ記憶デバイス616を含んでよい。
【0065】
[00070] 処理デバイス602は、汎用プロセッサ(例えば、CISC(complex instruction set computing)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、非常に長い命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、他の種類の命令セットの組み合わせを実装するマイクロプロセッサ、又は特殊なプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ)など)などの1以上のプロセッサによって提供されてもよい。
【0066】
[00071] コンピュータシステム600は、ネットワークインターフェースデバイス622を更に含んでよい。コンピュータシステム600はまた、ビデオディスプレイユニット610(例えば、LCD)、英数字入力デバイス612(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス614(例えば、マウス)、及び信号生成デバイス620を含んでもよい。
【0067】
[00072] 幾つかの実施態様では、データストレージデバイス616が、
図1の構成要素(例えば、評価マップ生成システム110や解析構成要素108など)を符号化する及び本明細書で説明される方法を実施するための指示命令を含む、本明細書で説明される方法又は機能のうちの任意の1以上を符号化する指示命令626を記憶してよい、非一時的なコンピュータ可読ストレージ媒体624を含んでよい。
【0068】
[00073] 指示命令626はまた、コンピュータシステム600による実行中に、揮発性メモリ604内及び/又は処理デバイス602内に、完全に又は部分的に存在してもよく、したがって、揮発性メモリ604及び処理デバイス602はまた、機械可読ストレージ媒体を構成してもよい。
【0069】
[00074] コンピュータ可読ストレージ媒体624は、単一媒体として実施例に示されているが、「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、1以上の組の実行可能な指示命令を記憶する単一媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース、並びに/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものとする。用語、「コンピュータ可読ストレージ媒体」はまた、コンピュータに、本明細書で説明される方法のうちの任意の1以上を実行させる、コンピュータによる実行のための一組の指示命令を記憶又は符号化することが可能な任意の有形媒体を含むものとする。用語、「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、ソリッドステートメモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むが、これらに限定されない。
【0070】
[00075] 本明細書で説明される方法、構成要素、及び特徴は、個別のハードウェア構成要素によって実装されてもよく、又はASICS、FPGA、DSP、若しくは同様のデバイスなどの他のハードウェア構成要素の機能に統合されてもよい。更に、方法、構成要素、及び特徴は、ハードウェアデバイス内のファームウェアモジュール又は機能回路によって実装され得る。更に、方法、構成要素、及び特徴は、ハードウェア装置及びコンピュータプログラム構成要素の任意の組み合わせで、又はコンピュータプログラムで実施することができる。
【0071】
[00076] 特に明記しない限り、「受け取る」、「特定する」、「生成する」、「記憶する」、「もたらす」、「訓練する」、「中断する」、「選択する」、「提供する」、「表示する」などの用語は、コンピュータシステムレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報ストレージ、伝送、若しくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び変換する、コンピュータシステムによって実行又は実装される動作及びプロセスを指す。また、本明細書で使用される用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などは、異なる要素間を区別するためのラベルを意味し、それらの数字の指定に従う順序的な意味を有さないことがある。
【0072】
[00077] 本明細書で説明される実施例は、本明細書で説明される方法を実行するための装置にも関する。この装置は、本明細書に記載された方法を実行するために特別に構成されてもよく、又はコンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムを含んでもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な有形記憶媒体に記憶することができる。
【0073】
[00078] 本明細書で説明される方法及び例示的な実施例は、本質的に、任意の特定のコンピュータ又は他の装置に関連するものではない。様々な汎用システムが、本明細書で説明される教示に従って使用されてもよく、或いは、本明細書で説明される方法、及び/又はそれらの個々の機能、ルーチン、サブルーチン、又は動作のそれぞれを実行するために、より特殊化された装置を構築することが便利であることが分かる場合がある。様々なこれらのシステムのための構造の実施例は、上記の説明に記載されている。
【0074】
[00079] 上記の説明は、例示を意図したものであり、限定を意図したものではない。本開示は、特定の例示的な実施例及び実施態様を参照して説明されてきたが、本開示は、説明された実施例及び実施態様に限定されないことが認識されるであろう。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照し、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に規定されるべきである。
【国際調査報告】