(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】レジスト下層膜用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20231121BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20231121BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G03F7/11 503
C07D487/04 136
H01L21/30 573
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528614
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 KR2021016394
(87)【国際公開番号】W WO2022108231
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0156824
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514278061
【氏名又は名称】サムスン エスディアイ カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20, Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si,Gyeonggi-do 17084,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ヨジョン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,スンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンソ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ジェオル
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ファヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】べ,シンヒョ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,デソク
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ミンキ
【テーマコード(参考)】
2H225
4C050
5F146
【Fターム(参考)】
2H225AE03N
2H225AE04N
2H225AE05N
2H225AF18N
2H225AF64P
2H225AM11N
2H225AM94N
2H225AN38P
2H225BA21N
2H225CA12
2H225CB06
2H225CB08
2H225CB09
2H225CB14
2H225CC03
2H225CC15
2H225CC21
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC05
4C050EE04
4C050FF01
4C050GG03
4C050HH01
5F146NA19
(57)【要約】
環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を有する重合体、下記の化学式1で表される化合物、および溶媒を含むレジスト下層膜用組成物;および前記レジスト下層膜用組成物を用いるパターン形成方法に関する:
前記化学式1の定義は、明細書内に記載した通りである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を有する重合体、下記の化学式1で表される化合物、および
溶媒を含むレジスト下層膜用組成物:
【化1】
前記化学式1において、
L
1~L
4、およびL
5~L
8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C10アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基、エポキシ基、C1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~5の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R
1~R
4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10の脂肪族飽和または不飽和炭化水素基、置換もしくは非置換のC3~C10の脂環族飽和または不飽和炭化水素基、置換もしくは非置換のC2~C10の飽和または不飽和脂環族ヘテロ炭化水素基、置換もしくは非置換のC6~C30芳香族基、置換もしくは非置換のC2~C30のヘテロ芳香族基、置換もしくは非置換のC1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせでかつ、
L
5~L
8がすべて単結合であるか、すべて非置換のC1~C10アルキレン基の場合、R
1~R
4がすべて置換もしくは非置換のC1~C10の脂肪族飽和または不飽和炭化水素基であるか、またはR
1~R
4がすべて置換もしくは非置換のC1~C2アルコキシ基でなく、
R
5~R
6は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項2】
前記化学式1のL
1~L
4、およびL
5~L
8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C10アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~3の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R
1~R
4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、1つ以上の二重結合を含む置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換もしくは非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項3】
前記化学式1で表される化合物は、下記の化学式4~化学式11で表される化合物のうちの1つ以上の化合物を含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化2】
【化3】
【請求項4】
前記環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を有する重合体は、下記の化学式A-1~A-4で表される構造の少なくとも1つで表現される、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化4】
前記化学式A-1~前記化学式A-4において、
R
xおよびR
yは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、それぞれ重合体中における連結地点である。
【請求項5】
前記重合体は、下記の化学式2で表される構造単位、化学式3で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化5】
前記化学式2および化学式3において、
Aは、環中の窒素原子を2個以上含む環基であり、
R
c、R
dおよびR
eは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり;
L
9~L
14は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X
1~X
5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)
2-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NR””-(ここで、R””は、水素、重水素、またはC1~C10アルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
*は、それぞれポリマーの主鎖または末端基に連結される地点である。
【請求項6】
前記化学式2および化学式3のR
c、R
dおよびR
eは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
前記化学式2および化学式3のL
9~L
13は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
前記化学式2および化学式3のX
1~X
5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、またはこれらの組み合わせである、請求項5に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項7】
前記化学式2および化学式3のAは、下記の化学式A-1~A-4の少なくとも1つで表現されてもよいし、
下記の化学式A-1および前記化学式A-4において、
*は、それぞれ前記化学式2と化学式3のL
9~L
14のいずれか1つ、または重合体の側鎖に連結される地点を示すものである、請求項5に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化6】
前記化学式A-1~前記化学式A-4において、
R
xおよびR
yは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、それぞれ連結地点である。
【請求項8】
前記重合体は、下記の化学式12~21で表される構造単位のいずれか1つを含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化7】
【化8】
前記化学式12~化学式21において、
*は、重合体の主鎖、側鎖または末端基に連結される地点である。
【請求項9】
前記化学式1で表される化合物は、前記レジスト下層膜用組成物の総重量を基準として0.01重量%~5重量%含まれる、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項10】
前記重合体の重量平均分子量は、2,000g/mol~300,000g/molである、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項11】
アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコルリル系樹脂、およびメラミン系樹脂から選択される1つ以上の重合体をさらに含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項12】
界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含む、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項13】
基板上にエッチング対象膜を形成する段階と、
前記エッチング対象膜上に、請求項1~12のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物を適用してレジスト下層膜を形成する段階と、
前記レジスト下層膜上にフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記レジスト下層膜および前記エッチング対象膜を順次にエッチングする段階と
を含むパターン形成方法。
【請求項14】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、
前記レジスト下層膜上にフォトレジスト膜を形成する段階と、
前記フォトレジスト膜を露光する段階と、
前記フォトレジスト膜を現像する段階とを含む、請求項13に記載のパターン形成方法。
【請求項15】
前記レジスト下層膜を形成する段階は、前記レジスト下層膜用組成物のコーティング後、100℃~500℃の温度に熱処理する段階を含む、請求項13に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、レジスト下層膜用組成物およびこれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業は、数百ナノメートルサイズのパターンから数~数十ナノメートルサイズのパターンを有する超微細技術へ発展している。このような超微細技術を実現するためには、効果的なリソグラフィック手法が必須である。
【0003】
リソグラフィック手法は、シリコンウエハなどの半導体基板上にフォトレジスト膜をコーティングして薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介在して、紫外線などの活性化照射線を照射した後、現像して、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することによって、基板表面に前記パターンに対応する微細パターンを形成する加工法である。
【0004】
フォトレジストパターン形成段階で行われる露光過程は、高解像度のフォトレジストイメージを得るための重要な要素の一つである。
【0005】
超微細パターン製造技術が要求されるに伴い、フォトレジストの露光に用いられる活性化照射線としてi-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長が用いられており、これによって、活性化照射線の半導体基板からの乱反射や定在波などによる問題点を解決するために、レジストと半導体基板との間に最適化された反射率を有するレジスト下層膜(resist underlayer)を介在して解決しようとする多くの検討が行われている。
【0006】
一方、前記活性化照射線のほか、微細パターン製造のための光源として、EUV(Extreme ultraviolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー線を用いる方法も行われており、当該光源の場合、基板からの反射はほとんどないが、パターンの微細化によりレジスト下層膜の厚さがさらに薄膜化されなければならず、形成されたパターンの崩れ現象を改善するために、レジストと下部膜質との接着性を改善する研究も幅広く検討されている。また、光源に対する効率を極大化させるために、下層膜を介して感度が向上する研究も検討されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
微細パターニング工程においてもレジストのパターン崩れが起こらず、超薄膜に形成されてエッチング工程時間を短縮させることができ、架橋特性を改善することによって、コーティング均一性、ギャップフィル(gap fill)特性、およびレジストパターン形成性を向上させることができるレジスト下層膜用組成物を提供する。
【0008】
他の実施形態は、前記レジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を有する重合体、下記の化学式1で表される化合物、および溶媒を含む:
【0010】
【0011】
前記化学式1において、
L1~L4、およびL5~L8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C10アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基、エポキシ基、C1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~5の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R1~R4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10の脂肪族飽和または不飽和炭化水素基、置換もしくは非置換のC3~C10の脂環族飽和または不飽和炭化水素基、置換もしくは非置換のC2~C10の飽和または不飽和脂環族ヘテロ炭化水素基、置換もしくは非置換のC6~C30芳香族基、置換もしくは非置換のC2~C30のヘテロ芳香族基、置換もしくは非置換のC1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせでかつ、
L5~L8がすべて単結合であるか、すべて非置換のC1~C10アルキレン基の場合、R1~R4がすべて置換もしくは非置換のC1~C10の脂肪族飽和または不飽和炭化水素基であるか、またはR1~R4がすべて置換もしくは非置換のC1~C2アルコキシ基でない。
【0012】
R5およびR6は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、またはこれらの組み合わせである。
【0013】
前記化学式1のL1~L4、およびL5~L8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C10アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~3の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R1~R4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、1つ以上の二重結合を含む置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換もしくは非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせである。
【0014】
前記化学式1で表される化合物は、下記の化学式4~化学式11で表される化合物のうちの1つ以上の化合物を含むことができる。
【0015】
【0016】
【0017】
前記環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を有する重合体は、下記の化学式A-1~A-4の少なくとも1つの構造を含むことができる。
【0018】
【0019】
前記化学式A-1~前記化学式A-4において、
RxおよびRyは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、それぞれ前記重合体中における連結地点である。
【0020】
前記重合体は、下記の化学式2で表される構造単位、下記の化学式3で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0021】
【0022】
前記化学式2および化学式3において、
Aは、環中の窒素原子を2個以上含む環基であり、
Rc、RdおよびReは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり;
L9~L14は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NR””-(ここで、R””は、水素、重水素、またはC1~C10アルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
*は、それぞれポリマーの主鎖または末端基に連結される地点である。
【0023】
前記化学式2および化学式3において、
Rc、RdおよびReは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
L9~L13は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0024】
前記化学式2と化学式3のAは、前記化学式A-1~化学式A-4の少なくとも1つで表現されてもよいし、
前記化学式A-1および前記化学式A-4において、
*は、それぞれ前記化学式2と化学式3のL9~L14のいずれか1つ、または重合体の側鎖に連結される地点を示す。
【0025】
前記重合体は、下記の化学式12~化学式21で表される構造単位のいずれか1つを含むことができる:
【0026】
【0027】
【0028】
前記化学式12~化学式21において、
*は、重合体の主鎖、側鎖または末端基に連結される地点である。
【0029】
前記化学式1で表される化合物は、前記レジスト下層膜用組成物の総重量を基準として0.01重量%~5重量%含まれる。
【0030】
前記重合体の重量平均分子量は、2,000g/mol~300,000g/molであってもよい。
【0031】
前記組成物は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコルリル系樹脂、およびメラミン系樹脂から選択される1つ以上の重合体をさらに含むことができる。
【0032】
前記組成物は、界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、光酸発生剤、架橋剤、またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含むことができる。
【0033】
他の実施形態は、
基板上にエッチング対象膜を形成する段階と、
前記エッチング対象膜上に、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を適用してレジスト下層膜を形成する段階と、
前記レジスト下層膜上にフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記レジスト下層膜および前記エッチング対象膜を順次にエッチングする段階と
を含むパターン形成方法を提供する。
【0034】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、
前記レジスト下層膜上にフォトレジスト膜を形成する段階と、
前記フォトレジスト膜を露光する段階と、
前記フォトレジスト膜を現像する段階とを含むことができる。
【0035】
前記レジスト下層膜を形成する段階は、前記レジスト下層膜用組成物のコーティング後、100℃~500℃の温度に熱処理する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0036】
一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、EUVなどの所定波長に対して超薄膜のフィルム形成が可能であると同時に、優れたコーティング性、平坦化特性、およびギャップフィル(gap-fill)特性を有し、架橋特性が改善されたレジスト下層膜を提供することができる。したがって、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物またはそれから製造されるレジスト下層膜は、EUVなどの高エネルギー光源を用いたフォトレジストの微細パターンの形成に有利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図2】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図3】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図4】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図5】一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0039】
図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、明細書全体にわたって類似の部分については同一の図面符号を付した。
【0040】
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは、他の部分の「直上に」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0041】
本明細書において、他に定義されない限り、「置換された」とは、化合物中の水素原子がハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバミル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸またはその塩、ビニル基、C1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基、C6~C30アリール基、C7~C30アリールアルキル基、C6~C30アリル基、C1~C30アルコキシ基、C1~C20ヘテロアルキル基、C3~C20ヘテロアリールアルキル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C15のシクロアルケニル基、C6~C15シクロアルキニル基、C3~C30ヘテロシクロアルキル基、およびこれらの組み合わせから選択された置換基で置換されていることを意味する。
【0042】
また、本明細書において、他に定義されない限り、「ヘテロ」とは、N、O、SおよびPから選択されたヘテロ原子をそれぞれ独立して1~10個含有したものを意味する。
【0043】
本明細書において、特に言及しない限り、重量平均分子量は、粉体試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶かした後、Agilent Technologies社の1200seriesゲル透過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)を用いて測定(カラムはShodex社のLF-804、標準試料はShodex社のポリスチレンを使用する)したものである。
【0044】
また、本明細書において、他に定義されない限り、「*」は、化合物の構造単位または化合物の部分(moiety)の連結地点を指す。
【0045】
以下、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物に関して説明する。
【0046】
本発明は、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長光源、またはEUV(Extreme ultraviolet;波長13.5nm)などの高エネルギー線を用いたフォトリソグラフィの微細パターン形成工程中にレジストパターンの崩れを防止し、超薄膜に塗布されてエッチング工程時間を短縮させることができ、架橋特性を改善することによって、コーティング均一性、ギャップフィル(gap fill)特性、およびレジスト膜の表面特性を向上させることができるレジスト下層膜用組成物、そしてこのような下層膜を用いたフォトレジストパターン形成方法に関する。
【0047】
具体的には、一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、シアヌレート骨格またはトリアジン骨格を、重合体の主鎖、側鎖、または主鎖および側鎖ともに含む重合体、下記の化学式1で表される化合物、および溶媒を含む。
【0048】
【0049】
前記化学式1において、
L1~L4、およびL5~L8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C10アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基、エポキシ基、C1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~5の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R1~R4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10の脂肪族飽和または不飽和炭化水素基、置換もしくは非置換のC3~C10の脂環族飽和または不飽和炭化水素基、置換もしくは非置換のC2~C10の飽和または不飽和脂環族ヘテロ炭化水素基、置換もしくは非置換のC6~C30芳香族基、置換もしくは非置換のC2~C30のヘテロ芳香族基、置換もしくは非置換のC1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせでかつ、
L5~L8がすべて単結合であるか、すべて非置換のC1~C10アルキレン基の場合、R1~R4がすべて置換もしくは非置換のC1~C10の脂肪族飽和または不飽和炭化水素基であるか、またはR1~R4がすべて置換もしくは非置換のC1~C2アルコキシ基でなく、
R5~R6は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、またはこれらの組み合わせである。
【0050】
前記一実施形態による組成物をフォトレジストの下部に塗布して膜を形成することによって、この膜とフォトレジストとの間の密着性が向上して、微細パターニング工程中にもレジストパターンの崩れを防止することができ、レジスト下層膜用組成物の架橋特性を調節することによって、コーティング均一性、ギャップフィル(gap fill)、およびレジストのパターン形成性を向上させることができる。また、前記組成物を用いて超薄膜に下層膜を形成できることによって、エッチング工程の時間を短縮させることができるというメリットもある。
【0051】
前記組成物に含まれている化学式1で表される化合物は、グリコルリル(Glycoluril)コアに含まれている酸素および窒素、そしてグリコルリルコアの各窒素原子に連結された4個の酸素を含むことで分子内の非共有電子対が豊富な化合物であり、したがって、前記窒素原子に連結された4個の酸素が連結された部分は、他の化合物または官能基との架橋結合部位として作用することができる。したがって、前記化学式1で表される化合物は、一実施形態による組成物において前記重合体の間を架橋する役割を果たし、これによって前記組成物から製造される膜がより緻密な構造を有し、これによってこの膜とフォトレジストとの間の密着性が向上して、微細パターニング工程中にもレジストパターンの崩れを防止することができる。
【0052】
さらに、前記酸素に結合した飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、飽和または不飽和脂環族炭化水素基、飽和または不飽和脂環族ヘテロ炭化水素基、芳香族基、ヘテロ芳香族基などは、前記化合物に疎水性(hydrophobic)特性を付与することによって、前記化合物を含む一実施形態による組成物のコーティング性が向上し、エッチング速度(etch rate)が上昇できる。
【0053】
一実施例において、前記化学式1のL1~L4、およびL5~L8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C10アルキル基、C3~C6シクロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~3の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R1~R4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、1つ以上の二重結合を含む置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、置換もしくは非置換のC3~C10シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10アルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
R5~R6は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0054】
具体的には、前記化学式1のL1~L4は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基であり、L5~L8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、またはC1~C10アルキル基であり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~2の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R1~R4は、それぞれ独立して、C1~C10アルキル基、末端に1つの二重結合を含むC2~C5アルケニル基、C3~C6シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C6アルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
R5~R6は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C5アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC1~C5ヘテロアルキル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0055】
例えば、前記化学式1のL1~L4は、それぞれ独立して、C1~C4アルキレン基であり、L5~L8は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C4アルキレン基、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*、*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C4アルキル基であり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~2の整数であり、*は、連結地点である)、またはこれらの組み合わせであり、
R1~R4は、それぞれ独立して、C1~C6アルキル基、末端に1つの二重結合を含むC2~C5アルケニル基、C3~C6シクロアルキル基、C1~C6アルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
R5~R6は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1~C6アルキル基、置換もしくは非置換のC1~C5ヘテロアルキル基、またはこれらの組み合わせであってもよく、例えば、水素またはメチル基であってもよい。
【0056】
前記化学式1のL1~L4が、それぞれ独立して、C1~C4アルキレン基であり、L5~L8のうちの1以上が単結合の場合、L5~L8のうち単結合でない基は、*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*または*-CRR’-C(=O)-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、重水素、C1~C4アルキル基であり、nおよびmは、それぞれ独立して、0~2の整数であり、*は、連結地点である)であってもよい。
【0057】
前記化学式1のL1~L4がすべてそれぞれC1~C4アルキレン基であり、L5~L8がすべて単結合の場合、R1~R4はいずれも、それぞれ独立して、C3~C6シクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基であってもよい。
【0058】
一実施例において、前記化学式1のL1~L4はいずれも、メチレンまたはエチレン基、例えば、メチレン基であってもよく、L5~L8は、それぞれ単結合であるか、*-CRR’-C(=O)-*または*-(CRR’)n-O-(CR”R”’)m-*(ここで、R、R’、R”、およびR”’は、それぞれ独立して、水素、メチル基、またはエチル基であってもよく、nおよびmは、それぞれ独立して、0~1の整数であり、*は、連結地点である)基であってもよく、この時、R1~R4は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、アリル基、ビニル基、C1~C6アルコキシ基、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0059】
前記化学式1で表される化合物は、L1~L4がすべてメチレンの場合、L5~L8がすべて単結合でかつ、R1~R4がすべて非置換のアルキル基、R1~R4がすべて非置換のアリル基、またはR1~R4がすべて非置換のアルコキシ基である場合はない。
【0060】
例えば、前記化学式1で表される化合物は、下記の化学式4~化学式11で表される化合物のうちの1つ以上の化合物を含むことができる。
【0061】
【0062】
【0063】
一実施形態による組成物において、前記環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を有する重合体は、下記の化学式A-1~A-4の少なくとも1つの構造を含むことができ、具体的には、重合体の主鎖、側鎖、または主鎖および側鎖ともに含むことができる。
【0064】
【0065】
前記化学式A-1~前記化学式A-4において、
RxおよびRyは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、それぞれ重合体中における連結地点である。
【0066】
一実施形態による組成物において、前記環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を有する重合体は、下記の化学式2で表される構造単位、下記の化学式3で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含むことができる:
【0067】
【0068】
前記化学式2および化学式3において、
Aは、シアヌレート骨格またはトリアジン骨格を含む環基であり、
Rc、RdおよびReは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルケニル基、ビニル基、アリル基、置換もしくは非置換のC2~C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキニル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6~C20アリール基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり;
L9~L14は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC2~C20ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC6~C20アリーレン基、置換もしくは非置換のC1~C20ヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NR””-(ここで、R””は、水素、重水素、またはC1~C10アルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
*は、それぞれポリマーの主鎖または末端基に連結される地点である。
【0069】
前記化学式2と化学式3のAは、前記化学式A-1~化学式A-4の少なくとも1つで表現されてもよい:
前記重合体は、構造内の環中の窒素原子を2個以上含む環骨格を含むことによって、レジスト下層膜組成物のエッチング速度の上昇およびコーティング性を向上させることができる。
【0070】
また、前記重合体は、有機溶媒および熱に対して安定的であるので、前記重合体を含むレジスト下層膜用組成物を用いてレジスト下層膜を形成する場合、フォトレジストパターンを形成するための工程を行う間、溶媒または熱によって剥離されたり、化学物質の発生などによる副産物の発生を最小化することができ、上部のフォトレジスト溶媒による厚さ損失も最小化することができる。
【0071】
したがって、一実施形態によるレジスト下層膜組成物は、前記化学式1で表される化合物を含むことで架橋特性が改善され、また、前記重合体を含むことによって、溶媒との親和性、およびこれによる優れたコーティング性および膜形成性を示し、これによって上部レジストとの接着力が改善されて、コーティング均一性、およびギャップフィル(gap fill)特性に優れたレジスト下層膜に製造され、このようなレジスト下層膜は、露光光源に対する吸光効率の向上によりパターニング性能も改善することができる。
【0072】
前記化学式2および化学式3において、
Rc、RdおよびReは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のC1~C10アルキル基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
L9~L13は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C10アルキレン基、置換もしくは非置換のC1~C10ヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0073】
前記化学式2および化学式3において、
Rc、RdおよびReは、それぞれ独立して、末端がヒドロキシ基で置換されるか、置換されないC1~C6アルキル基であり、
L9~L13は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換のC1~C6アルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
X1~X5は、それぞれ独立して、単結合、または-S-であってもよい。
【0074】
前記重合体は、下記の化学式12~化学式21で表される構造単位のいずれか1つを含むことができる:
【0075】
【0076】
【0077】
前記化学式12~化学式21において、
*は、重合体の主鎖、側鎖または末端基に連結される地点である。
【0078】
前記化学式1で表される化合物は、前記レジスト下層膜用組成物の総重量を基準として0.001~5重量%、例えば0.01~3重量%、例えば0.01~1重量%含まれる。前記範囲に含まれることによって、レジスト下層膜の形成時、架橋速度を調節し、レジスト下層膜の厚さ、表面粗さ、および平坦化程度を調節することができる。
【0079】
一方、前記重合体は、2,000g/mol~300,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。例えば、前記重合体は、3,000g/mol~100,000g/mol、または3,000g/mol~50,000g/molの重量平均分子量を有することができる。前記範囲の重量平均分子量を有することによって、前記重合体を含むレジスト下層膜用組成物の炭素含有量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。
【0080】
前記溶媒は、前記重合体に対する十分な溶解性または分散性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、ガンマ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、メチル2-ヒドロキシイソブチレート、アセチルアセトン、エチル3-エトキシプロピオネート、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0081】
また、前記レジスト下層膜用組成物は、前述した重合体以外にも、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコルリル系樹脂、およびメラミン系樹脂のうちの1つ以上の他の重合体をさらに含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0082】
前記レジスト下層膜用組成物は、追加的に界面活性剤、熱酸発生剤、光酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含むことができる。
【0083】
前記界面活性剤は、レジスト下層膜の形成時、固形分含有量の増加により発生するコーティング不良を改善するために使用することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4アンモニウム塩などを使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0084】
前記熱酸発生剤は、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホネート、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物または/およびベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他、有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0085】
前記可塑剤は特に限定されず、公知の多様な系統の可塑剤を用いることができる。可塑剤の例としては、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類などの低分子化合物、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリアセタール系などの化合物などが挙げられる。
【0086】
前記添加剤は、前記レジスト下層膜用組成物100重量部に対して0.0001~40重量部含まれる。前記範囲に含むことによって、レジスト下層膜用組成物の光学的特性を変更させることなく溶解度を向上させることができる。
【0087】
さらに他の実施形態によれば、上述したレジスト下層膜用組成物を用いて製造されたレジスト下層膜を提供する。前記レジスト下層膜は、上述したレジスト下層膜用組成物を、例えば、基板上にコーティングした後、熱処理過程により硬化した形態であってもよい。
【0088】
以下、上述したレジスト下層膜用組成物を用いてパターンを形成する方法について、
図1~
図5を参照して説明する。
【0089】
図1~
図5は、本発明によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0090】
図1を参照すれば、まず、エッチング対象物を用意する。前記エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102であってもよい。以下、前記エッチング対象物が薄膜102の場合に限り説明する。前記薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために、前記薄膜表面を前洗浄する。前記薄膜102は、例えば、シリコン窒化膜、ポリシリコン膜またはシリコン酸化膜であってもよい。
【0091】
次に、洗浄された薄膜102の表面上に、前記化学式1および2で表されるモイエティを有する重合体および溶媒を含むレジスト下層膜用組成物をスピンコーティング方式を適用してコーティングする。
【0092】
以後、乾燥およびベーキング工程を行って前記薄膜上にレジスト下層膜104を形成する。前記ベーキング処理は、100℃~500℃で行い、例えば、100℃~300℃で行うことができる。より具体的なレジスト下層膜用組成物に関する説明は上記で詳細に説明したので、重複を回避するために省略する。
【0093】
図2を参照すれば、前記レジスト下層膜104上にフォトレジストをコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。
【0094】
前記フォトレジストの例としては、ナフトキノンジアジド化合物とノボラック樹脂とを含有するポジ型フォトレジスト、露光によって酸を解離可能な酸発生剤、酸の存在下で分解してアルカリ水溶液に対する溶解性が増大して、化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型のポジ型フォトレジスト、酸発生剤および酸の存在下で分解してアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂を付与可能な基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型のポジ型フォトレジストなどが挙げられる。
【0095】
次に、前記フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。前記第1ベーキング工程は、90℃~120℃の温度で行うことができる。
【0096】
図3を参照すれば、前記フォトレジスト膜106を選択的に露光する。
【0097】
前記フォトレジスト膜106を露光するための露光工程を一例として説明すれば、露光装置のマスクステージ上に所定のパターンが形成された露光マスクを位置させ、前記フォトレジスト膜106上に前記露光マスク110を整列する。次に、前記マスク110に光を照射することによって、前記基板100に形成されたフォトレジスト膜106の所定部位が前記露光マスクを透過した光と選択的に反応する。
【0098】
一例として、前記露光工程で使用可能な光の例としては、365nmの波長を有する活性化照射線度i-line、248nmの波長を有するKrFエキシマレーザ、193nmの波長を有するArFエキシマレーザのような短波長光があり、その他にも、極紫外光に相当する13.5nmの波長を有するEUV(Extreme ultraviolet)などが挙げられる。
【0099】
前記露光した部位のフォトレジスト膜106aは、前記非露光部位のフォトレジスト膜106bに比べて相対的に親水性を有する。したがって、前記露光した部位106aおよび非露光部位106bのフォトレジスト膜は、互いに異なる溶解度を有するのである。
【0100】
次に、前記基板100に第2ベーキング工程を行う。前記第2ベーキング工程は、90℃~150℃の温度で行うことができる。前記第2ベーキング工程を行うことによって、前記露光した領域に相当するフォトレジスト膜は、特定の溶媒に溶解しやすい状態となる。
【0101】
図4を参照すれば、現像液を用いて前記露光した領域に相当するフォトレジスト膜106aを溶解した後に除去することによって、フォトレジストパターン108を形成する。具体的には、水酸化テトラメチルアンモニウム(tetra-methyl ammonium hydroxide;TMAH)などの現像液を用いて、前記露光した領域に相当するフォトレジスト膜を溶解させた後に除去することによって、前記フォトレジストパターン108が完成する。
【0102】
次に、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして前記レジスト下層膜をエッチングする。このようなエッチング工程で有機膜パターン112が形成される。前記エッチングは、例えば、エッチングガスを用いたドライエッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えば、CHF3、CF4、Cl2、O2、およびこれらの混合ガスを使用することができる。先に説明したように、一実施形態によるレジスト下層膜組成物によって形成されたレジスト下層膜は、速いエッチング速度を有するため、短時間内に円滑なエッチング工程を行うことができる。
【0103】
図5を参照すれば、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして適用して露出した薄膜102をエッチングする。その結果、前記薄膜は薄膜パターン114で形成される。先に行われた露光工程で、活性化照射線度i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長光源を用いて行われた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、数十nm~数百nmの幅を有することができ、EUV光源を用いて行われた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、20nm以下の幅を有することができる。
【0104】
以下、上述した重合体の合成およびこれを含むレジスト下層膜用組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。しかし、下記の実施例によって本発明が技術的に限定されるものではない。
【0105】
合成例
合成例1
コンデンサが設けられた500mLの2neck丸底フラスコにp-トルエンスルホン酸(p-toluene sulfonic acid、PTSA)1g、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコルリル(1,3,4,6-Tetrakis(methoxymethyl)glycoluril、TMGU)30gおよびエチルラクテート(ethyl lactate)300gを入れて、80℃で10時間反応を進行させる。反応を進行させた後、反応溶液を常温に冷却させる。反応溶液中に溶媒をevaporatorで一部濃縮した後に、Ethyl acetate/DIWで2回work upしてPTSAを除去する。Work upの完了後、カラム精製を進行させて、最終的に下記の化学式4で表される化合物を得た。
【0106】
【0107】
合成例2
エチルラクテート(ethyl lactate)の代わりにメチル2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノエート(methyl2-hydroxy-2-methylpropanoate)を用いたことを除けば、合成例1と同様の方法で下記の化学式5で表される化合物を得た。
【0108】
【0109】
合成例3
エチルラクテート(ethyl lactate)の代わりにシクロヘキサノール(cyclohexanol)を用いたことを除けば、合成例1と同様の方法で下記の化学式6で表される化合物を得た。
【0110】
【0111】
合成例4
エチルラクテート(ethyl lactate)の代わりにエチレングリコールブチルエーテル(ethylene glycol butyl ether)を用いたことを除けば、合成例1と同様の方法で下記の化学式7で表される化合物を得た。
【0112】
【0113】
合成例5
エチルラクテート(ethyl lactate)の代わりに2-アリルオキシエタノール(2-allyloxyethanol)を用いたことを除けば、合成例1と同様の方法で下記の化学式8で表される化合物を得た。
【0114】
【0115】
合成例6
250mLの4口フラスコに1,3-ジアリル-5-(2-ヒドロキシエチル)-イソシアヌレート(1,3-diallyl-5-(2-hydroxyethyl)-isocyanurate)20gと2,3-ジメルカプト-1-プロパノール(2,3-Dimercapto-1-propanol)7.9g、アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile、AIBN)1g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)50gを投入して反応溶液を用意し、コンデンサを連結する。前記反応溶液を50℃で5時間加熱して反応を進行させた後、反応溶液を常温に冷却させる。以後、反応溶液を蒸留水300gの入ったビーカーで撹拌し、滴下してガム(gum)を生成させた後、テトラヒドロフラン(THF)30gに溶解させる。溶解したレジン溶液はトルエンで沈殿物を形成させ、単分子および低分子を除去して、最終的に下記の化学式12で表される構造単位からなる重合体(Mw=3,700g/mol)を得た。
【0116】
【0117】
合成例7
250mLの4口フラスコにトリアリルイソシアヌレート(Triallyl isocyanurate)25gと2-メルカプト-1-エタノール(2-Mercapto-1-ethanol)12g、AIBN0.7g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)55gを投入して反応溶液を用意し、コンデンサを連結する。前記反応溶液を80℃で10時間加熱して反応を進行させた後、反応溶液を常温に冷却させる。以後、反応溶液を蒸留水300gの入ったビーカーに撹拌し、滴下してガム(gum)を生成させた後、テトラヒドロフラン(THF)50gに溶解させる。溶解したレジン溶液はトルエンで沈殿物を形成させ、単分子および低分子を除去して、最終的に下記の化学式16で表される構造単位からなる重合体(Mw=13,200g/mol)を得た。
【0118】
【0119】
レジスト下層膜用組成物の製造
実施例1
合成例7で製造された重合体1g、合成例1で製造された化合物0.2g、およびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0120】
実施例2
合成例7で製造された重合体1g、合成例2で製造された化合物0.2g、およびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0121】
実施例3
合成例7で製造された重合体1g、合成例3で製造された化合物0.2g、およびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0122】
実施例4
合成例6で製造された重合体1g、合成例1で製造された化合物0.1g、合成例4で製造された化合物0.1gおよびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)およびエチルラクテート(ethyl lactate、EL)の混合溶媒(混合体積比=1:1)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0123】
実施例5
合成例6で製造された重合体1g、合成例2で製造された化合物0.2g、合成例5で製造された化合物0.1gおよびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)およびエチルラクテート(ethyl lactate、EL)の混合溶媒(混合体積比=1:1)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0124】
実施例6
合成例6で製造された重合体1g、合成例2で製造された化合物0.3g、およびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)およびエチルラクテート(ethyl lactate、EL)の混合溶媒(混合体積比=1:1)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0125】
比較例1
合成例6で製造された重合体1g、下記の化学式22で表される化合物(2,4,6-Tris[bis(methoxymethyl)amino]-1,3,5-triazine;TCI社)0.2g、ヘキサメトキシメチルメラミン(hexamethoxy methylmelamine;TCI社)2gおよびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)およびエチルラクテート(ethyl lactate、EL)の混合溶媒(混合体積比=1:1)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0126】
【0127】
比較例2
合成例7で製造された重合体1g、下記の化学式23で表される化合物(3,3’,5,5’-Tetrakis(methoxymethyl)[1,1’-biphenyl]-4,4’-diol;Merch KGaA)0.2gおよびピリジニウムp-トルエンスルホネート(pyridinium p-toluenesulfonate)0.02gと共に、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methyl ether、PGME)およびエチルラクテート(ethyl lactate、EL)の混合溶媒(混合体積比=1:1)120gに完全に溶解させる方法により、レジスト下層膜用組成物を製造した。
【0128】
【0129】
コーティング均一性(Coating uniformity)評価
実施例1~6および比較例2から製造された組成物をそれぞれ溶液2mlずつ取って8インチのウエハ上にそれぞれ塗布した後、auto track(TEL社のACT-8)を用いてmain spin速度1,500rpmで20秒間スピンコーティングを進行させた後、210℃で90秒間硬化して、50Åの厚さの超薄膜を形成した。
【0130】
横軸に51pointの厚さを測定してコーティング均一性(coating uniformity)を測定し、その結果を下記表1に示した。コーティング均一性は51pointの厚さ測定値のうち最大値と最小値との差(Å)を表記し、値が小さいほどコーティング均一性に優れていることを意味する。
【0131】
【0132】
表1を参照すれば、実施例1~6によるレジスト下層膜用組成物の場合、比較例2によるレジスト下層膜用組成物と比較して、コーティング均一性が同等以上の優れた特性を有することを確認できる。
【0133】
ガス発生量評価
実施例1~6および比較例1から製造された組成物をそれぞれ2mlずつ取って4インチのウエハ上にそれぞれ塗布した後、スピンコーター(Mikasa社)を用いて1,500rpmで20秒間スピンコーティングを進行させた。130℃で2分bakeして残留溶媒を除去した後、210℃で5分間硬化を実施し、QCM装置を用いて硬化する間に生成されるガスの発生量を測定した。測定されたガスの量は、下記表2に記載されたように、実施例1の値を基準として相対的な量を記し、数値が大きいほどガス発生量が多いことを意味する。
【0134】
【0135】
前記表2に記載されたように、本発明の実施例によれば、比較例と比較して、ガス発生量が低いことを確認できる。
【0136】
ギャップフィル(gap-fill)特性評価
ライン(line)とスペース(space)の線幅がそれぞれ150nmおよび60nmであり、高さが220nmであるパターンが形成されたウエハ上に、前記実施例3~6および比較例1~2で製造されたそれぞれのレジスト下層膜組成物を、スピンコーターを用いて、250nmの厚さに塗布した後、ホットプレートを用いて120℃で50秒間加熱後、250℃で1分間加熱してレジスト下層膜を形成した。形成されたレジスト下層膜の断面をFE-SEM(Field Emission Scanning Electron Microscope、日立社製品、製品名:S-4300)装置で観察して、スピンコーティングで形成されたレジスト下層膜の厚さが高い部分(ライン部分)と低い部分(スペース部分)との差が3nm未満の場合に「極めて良好」、3~10nmの場合に「良好」、10nm超過の場合に「不良」と判定し、その結果を表3に示した。
【0137】
【0138】
以上、本発明の特定の実施例が説明および図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱することなく多様に修正および変形できることは、この技術分野における通常の知識を有する者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0139】
100:基板 102:薄膜
104:レジスト下層膜 106:フォトレジスト膜
108:フォトレジストパターン 110:マスク
112:有機膜パターン 114:薄膜パターン
【国際調査報告】