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特表2023-549926半導体プロセス装置及びプラズマ点火方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】半導体プロセス装置及びプラズマ点火方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/00 20060101AFI20231121BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231121BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H05H1/00 A
H01L21/302 101G
H01L21/302 103
H05H1/46 R
H05H1/46 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530589
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2021132228
(87)【国際公開番号】W WO2022111427
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011336795.5
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヂョン チェンユー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ガン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB06
2G084BB14
2G084CC13
2G084DD03
2G084DD25
2G084HH08
2G084HH11
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH29
2G084HH32
2G084HH35
2G084HH45
5F004AA01
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB22
5F004BD03
5F004CA03
5F004CB09
(57)【要約】
本発明は半導体プロセス装置及びプラズマ点火方法を提供し、半導体プロセス装置は、反応チャンバと、前記反応チャンバに反応ガスを供給するための吸気アセンブリと、前記反応ガスをプラズマに励起するための上部電極アセンブリと、前記プラズマを点火するとき、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するためのモニタと、前記モニタによって監視された電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定し、プラズマ点火に成功した後、前記上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのコントローラと、を備える。本発明はプロセス結果の整合性を向上させることができ、それにより製品の均一性を向上させることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス装置であって、
反応チャンバと、
前記反応チャンバに反応ガスを供給するための吸気アセンブリと、
前記反応ガスをプラズマに励起するための上部電極アセンブリと、
前記プラズマを点火するとき、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するためのモニタと、
前記モニタによって監視された電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定し、プラズマ点火に成功した後、前記上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのコントローラと、を備えることを特徴とする半導体プロセス装置。
【請求項2】
前記反応チャンバにおけるチャックにRFバイアス電圧を印加するための下部電極アセンブリを更に備え、
前記コントローラは更に、前記上部電極アセンブリを制御して前記第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせた後、前記下部電極アセンブリを制御して前記チャックにRFバイアス電圧を印加させ、且つ前記下部電極アセンブリを制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体プロセス装置。
【請求項3】
前記モニタは、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度に基づいて前記電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成するためのものであり、
前記コントローラは、前記モニタが予め設定された監視時間内に生成した前記アナログ信号が予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が前記予め設定された強度に達することを決定するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体プロセス装置。
【請求項4】
前記予め設定された監視時間が200ms以上且つ1000ms以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体プロセス装置。
【請求項5】
前記予め設定された強度と目標強度との比は1:10以上であり、前記目標強度は前記反応チャンバにおけるプラズマが前記上部電極アセンブリによるインピーダンス整合を完了した後に達する電磁放射強度であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置。
【請求項6】
前記反応チャンバの側壁に監視窓が設置され、前記モニタは、前記反応チャンバの外に位置し、前記監視窓により前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置。
【請求項7】
プラズマ点火方法であって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置に適用され、
反応チャンバに反応ガスを供給し、前記上部電極アセンブリにより前記反応ガスをプラズマに励起するステップと、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するステップと、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定するステップと、
プラズマ点火に成功した後、前記上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるステップと、を含むことを特徴とするプラズマ点火方法。
【請求項8】
前記上部電極アセンブリを制御して前記第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせた後、下部電極アセンブリにより前記反応チャンバにおけるチャックにRFバイアス電圧を印加し、且つ前記下部電極アセンブリを制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるステップを更に含むことを特徴とする請求項7に記載のプラズマ点火方法。
【請求項9】
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するステップは、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度に基づいて前記電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成することを含み、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断するステップは、
前記アナログ信号が予め設定された監視時間内に予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が前記予め設定された強度に達することを決定することを含むことを特徴とする請求項7に記載のプラズマ点火方法。
【請求項10】
前記予め設定された監視時間が200ms以上且つ1000ms以下であることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ点火方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体加工の技術分野に関し、具体的には、半導体プロセス装置及びプラズマ点火方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プラズマ装置を用いて半導体製造を行うプロセスは既に広く応用されており、エッチングプロセスを例とし、一般的なプロセス過程は主にRF整合ステップ及びエッチングステップを含む。RF整合ステップにおいて、RF機構は反応ガスをプラズマに励起する電磁界を反応チャンバに印加し、及びインピーダンス整合を行って反射電力を調整し、RF機構における反射電力が目標反射電力に達した後、ウェハをエッチングするようにエッチングステップに進むためのものである。
【0003】
しかしながら、上記エッチングプロセスに比べて、RF整合ステップの時間は多くの要素(例えば、点火時間及びインピーダンス整合時間の変動)からの影響を受けて決定できない恐れがあり、このため、異なるウェハのRF整合ステップの時間に差があり、該差が比較的大きいとプロセス結果が変化して製品の均一性に影響してしまうこととなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決するように、異なるウェハのプロセス結果の整合性を確保することができ、それにより製品の均一性を向上させることができる半導体プロセス装置及びプラズマ点火方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は、
反応チャンバと、
前記反応チャンバに反応ガスを供給するための吸気アセンブリと、
前記反応ガスをプラズマに励起するための上部電極アセンブリと、
前記プラズマを点火するとき、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するためのモニタと、
前記モニタによって監視された電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定し、プラズマ点火に成功した後、前記上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのコントローラと、を備える半導体プロセス装置を提供する。
【0006】
任意選択的に、
前記プロセスチャンバにおけるチャックにRFバイアス電圧を印加するための下部電極アセンブリを更に備え、
前記コントローラは更に、前記上部電極アセンブリを制御して前記第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせた後、前記下部電極アセンブリを制御して前記チャックにRFバイアス電圧を印加させ、且つ前記下部電極アセンブリを制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのものである。
【0007】
任意選択的に、前記モニタは、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度に基づいて前記電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成するためのものであり、
前記コントローラは、前記モニタが予め設定された監視時間内に生成した前記アナログ信号が予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が前記予め設定された強度に達することを決定するためのものである。
【0008】
任意選択的に、前記予め設定された監視時間が200ms以上且つ1000ms以下である。
【0009】
任意選択的に、前記予め設定された強度と目標強度との比は1:10以上であり、前記目標強度は前記反応チャンバにおけるプラズマが前記上部電極アセンブリによるインピーダンス整合を完了した後に達する電磁放射強度である。
【0010】
任意選択的に、前記反応チャンバの側壁に監視窓が設置され、前記モニタは、前記反応チャンバの外に位置し、前記監視窓により前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視する。
【0011】
本発明はプラズマ点火方法を更に提供し、上記半導体プロセス装置に適用され、前記プラズマ点火方法は、
反応チャンバに反応ガスを供給し、上部電極アセンブリにより前記反応ガスをプラズマに励起するステップと、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するステップと、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定するステップと、
プラズマ点火に成功した後、前記上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるステップと、を含む。
【0012】
任意選択的に、
前記上部電極アセンブリを制御して前記第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせた後、下部電極アセンブリにより前記反応チャンバにおけるチャックにRFバイアス電圧を印加し、且つ前記下部電極アセンブリを制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるステップを更に含む。
【0013】
任意選択的に、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するステップは、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度に基づいて前記電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成することを含み、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断するステップは、前記アナログ信号が予め設定された監視時間内に予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が前記予め設定された強度に達することを決定することを含む。
【0014】
任意選択的に、前記予め設定された監視時間が200ms以上且つ1000ms以下である。
【発明の効果】
【0015】
有益な効果は以下のとおりである。
【0016】
本発明を用いた半導体プロセス装置は、モニタにより反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するのであり、プラズマの電磁放射強度を監視することによりプラズマの状態をより直接検出することができるため、プラズマが点火に成功したかどうかをより迅速且つ正確に監視し、且つプラズマ点火に成功した後に上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせることができ、このように、第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行う前に、プラズマ点火に成功したことが確保され得て、それにより異なるウェハのエッチング効果の整合性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面は本発明の更なる理解を提供するためのものであって、明細書の一部となり、下記具体的な実施形態とともに本発明を解釈するためのものであるが、本発明を制限するものではない。
図1】一実施例におけるプラズマエッチングプロセスのフローチャートである。
図2】別の例におけるプラズマエッチングプロセスのフローチャートである。
図3】本発明の実施例に係る半導体プロセス装置の模式図である。
図4】本発明の実施例に係るプラズマ点火方法の第1フローチャートである。
図5】本発明の実施例に係るプラズマ点火方法の第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳しく説明する。理解されるように、ここに説明される具体的な実施形態は本発明を説明及び解釈するためのものであって、本発明を制限するためのものではない。
【0019】
特に定義しない限り、本発明の実施例に使用される技術用語又は科学用語は本開示の属する分野内で当業者が理解する通常の意味であるべきである。本発明に使用される「第1」、「第2」及び類似する言葉はいかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。同様に、「備える」又は「含む」等の類似する言葉は、該言葉の前に記載された素子又は部材が該言葉の後に列挙した素子又は部材及びそれらと同等のものをカバーすることを指し、他の素子又は部材を排除しない。「接続」又は「連結」等の類似する言葉は物理的又は機械的な接続に限定されるのではなく、直接的又は間接的接続にかかわらず、電気的接続も含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を指すだけであり、説明された対象の絶対的な位置が変化すると、該相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0020】
一例では、半導体プロセス装置は、反応チャンバと、反応チャンバの頂部に設置される第1RF機構と、反応チャンバの底部に設置される第2RF機構及び静電チャックと、を備える。図1は一実施例におけるプラズマエッチングプロセスのフローチャートであり、図1に示すように、該エッチングプロセスは具体的に下記のS1~S3を含む。
【0021】
S1 プロセス安定化(stable)ステップを実行する。プロセス安定化ステップは具体的に、反応チャンバに反応ガスを供給し、反応チャンバにおける圧力を目標圧力に調整して静電チャックの温度を目標温度に調整するなどのように排気管路上のロッキング弁により排気量を制御することを含む。
【0022】
反応チャンバにおける圧力、静電チャックの温度などのパラメータが安定化した後、RF整合ステップS2に進む。RF整合ステップS2は具体的に、
第1RF機構が反応ガスをプラズマに励起するための電磁界を反応チャンバに印加するようにRF信号をロードする(プラズマ点火を行う)とともに、第1RF機構の反射電力を調整するようにインピーダンス整合を行うS21と、
第1RF機構の反射電力が目標反射電力(例えば、20W)よりも小さいかどうかを判断し、YESの場合にステップS23を実行し、NOの場合に警報信号を発するS22と、
第2RF機構がロードすべきRF信号が予め設定された電力を満たす(例えば、5Wよりも大きい)かどうかを判断し、YESの場合にステップS24を実行し、NOの場合にステップS3を実行するS23と、
第2RF機構はプラズマを引き付けるための電磁界を静電チャックに形成するようにRF信号をロードするとともに、第2RF機構の反射電力を調整するようにインピーダンス整合を行うS24と、
第2RF機構の反射電力が目標反射電力よりも小さいかどうかを判断し、YESの場合にステップS3を実行し、NOの場合に警報信号を発するS25と、を含む。
【0023】
S3 ウェハをエッチングする。
【0024】
なお、本例では、第1RF機構の目標反射電力と第2RF機構の目標反射電力は同じであってもよく、異なってもよく、ここで制限しない。
【0025】
また、RF整合ステップS2において、第1RF機構の反射電力及び第2RF機構の反射電力が目標反射電力よりも小さいかどうかを判断する以外に、更に他のパラメータがそれぞれの設定条件を満たすかどうかを判断することができ、他のパラメータは反応チャンバにおける圧力、静電チャック上の温度、及び第1RF機構における内部・外部RFコイル間の電流比率などを含んでもよい。上記パラメータがいずれもそれぞれの設定条件を満たした後、ウェハをエッチングするようにステップS3に進む。
【0026】
第1RF機構における内部・外部RFコイル上の予め設定された電流比率とは内部RFコイルの電流値I1と内部RFコイル及び外部RFコイルの電流値I2の和との比を指してもよく、該比の設定条件は例えば該比が0.5±0.1の範囲内にあるかどうかを判断することができる。
【0027】
本例では、ステップS3(即ち、エッチングステップであり、以下に明確に説明するために、ウェハをエッチングするステップはいずれもエッチングステップと称される)の時間は定数であり、該時間がウェハの目標エッチング形態及び目標エッチング速度によって決定される。RF整合ステップS2の時間はプラズマ点火時間とインピーダンス整合時間との総和であり、該総和が変数であり、プラズマ点火時間及びインピーダンス整合時間がいずれも決定されにくく、このため、RF整合ステップS2の時間が決定されにくい。統計から分かるように、同一エッチングプロセスにおいては、異なるウェハ間のRF整合ステップS2の時間の差が2秒間に達することができるが、エッチングプロセスの合計時間が一般的に12秒間程度だけであり、以上から分かるように、該時間の差がエッチングプロセスの合計時間を占める比率は比較的大きく、このため、エッチングプロセス結果に大きく影響して異なるウェハのプロセス結果の整合性が低くなって、更に製品の均一性に影響してしまうこととなる。
【0028】
例えば、同一エッチングプロセスにおいては、あるウェハに対してエッチングプロセスを行うとき、そのRF整合ステップS2の時間が2秒間であり、エッチングステップS3が10秒間であり、該エッチングプロセスの合計時間が12秒間である。別のウェハをエッチングするとき、プラズマ点火時間又はインピーダンス整合時間の差によりRF整合ステップS2の時間が4秒間になるが、エッチングステップS3が依然として10秒間であり、エッチングプロセスの合計時間が14秒間である恐れがある。このように、異なる時間の2つのエッチングプロセスにより2つのウェハのプロセス結果が一致しなくなる恐れがあり、更に製品の均一性に影響してしまう。
【0029】
図2は別の例におけるプラズマエッチングプロセスのフローチャートであり、図2に示すように、この例では、エッチングプロセスは下記のS1′~S3′を含む。
【0030】
S1′ プロセス安定化ステップを実行する。
【0031】
本例では、プロセス安定化ステップは図1に示されるエッチングプロセスにおけるプロセス安定化ステップと同様であり、ここで詳細な説明は省略する。図2図1におけるプロセスフローとの相違点は、図2に示されるプロセスフローにおいてRF整合ステップS2′が固定時間であることにあり、従って、本例では主にRF整合ステップS2′を説明する。具体的には、RF整合ステップS2′は具体的に、
第1RF機構が第1予め設定された時間に達するまで、反応ガスをプラズマに励起するための電磁界を反応チャンバに印加するようにRF信号をロードするとともに、第1RF機構の反射電力を調整するようにインピーダンス整合を行い、且つ第1予め設定された時間に達した後にステップS22′を実行するS21′と、
第2RF機構がロードすべきRF信号の電力が予め設定された電力を満たすかどうかを判断し、YESの場合にステップS23′を実行し、NOの場合にステップS3′を実行するS22′と、
第2RF機構が第2予め設定された時間に達するまで、プラズマを引き付けるための電磁界を静電チャックに形成するようにRF信号をロードするとともに、第2RF機構の反射電力を調整するようにインピーダンス整合を行い、且つ第2予め設定された時間に達した後にステップS3′を実行するS23′と、を含む。
【0032】
S3′ ウェハをエッチングする。
【0033】
図1に示されるエッチングプロセスに比べて、この例におけるエッチングプロセスは第1RF機構/第2RF機構の反射電力が目標反射電力よりも小さいかどうかを判断することを、エッチングステップS3′に進むかどうかの根拠とすることなく、RF整合ステップS2′も固定時間にするようにステップS21′の時間及びステップS23′の時間をいずれも固定時間として設定し、RF整合ステップS2′の時間が該固定時間に達した後、エッチングステップS3′に進む。このように、エッチングプロセスの合計時間を定数にすることができ、それにより以上に記載の異なるウェハのエッチングプロセス結果が一致しないという問題が改善される。
【0034】
ところが、発明者が研究中に発見したことは、異なるウェハのプロセス結果に相違が生じることをもたらす主な要素はプラズマの反応チャンバにおける存続時間であり、図2に示されるエッチングプロセスを用いれば、エッチングプロセスの合計時間を定数にすることができるが、異なるウェハのエッチングプロセスにおいてプラズマの存続時間が異なる恐れがある。
【0035】
具体的には、反応チャンバにおいてプラズマが点火に成功した後にのみ現れるが、図2に示されるエッチングプロセスにおいてプラズマ点火がRF整合ステップS2′において発生し、RF整合ステップS2′が固定時間を用いるため、プラズマ点火時間はプラズマの存続時間を直接決定し、即ち、図2に示されるエッチングプロセスにおいて、RF整合ステップS2′においてプラズマ点火時間が短ければ短いほど、プラズマの存続時間が長くなり、プラズマ点火時間が長ければ長いほど、プラズマの存続時間が短くなる。しかしながら、プラズマ点火時間が多くの要素(例えば、反応チャンバ内の反応ガスの圧力、反応ガスの種類及びRF信号の電力など)により影響されるため、プラズマ点火時間が決定されにくく、このため、RF整合ステップS2′においてプラズマの存続時間も決定されにくいが、以上に記載されるように、プラズマの存続時間の相違は異なるウェハのプロセス結果に相違が生じることをもたらす主な要素であり、従って、図2に示されるエッチングプロセスを用いても依然として異なるウェハのプロセス結果の均一性が確保されにくい。更に重要なのは、点火時間の不確実性は更にエッチングプロセスに失敗したことをもたらしてしまい、例えば、RF整合ステップS2′において、プラズマ点火時間が意図せずに延長される(例えば、点火に失敗した)と、インピーダンス整合が完了せずにエッチングステップS3′に進むことをもたらし、このとき、第1RF機構/第2RF機構の反射電力が依然として比較的高く、反応チャンバにおけるプラズマが依然として安定化しないという状況が発生することとなり、更にプロセス結果が影響されてひいてはプロセスに失敗したことをもたらしてしまう。
【0036】
これに鑑みて、本発明の実施例は半導体プロセス装置を提供し、図3は本発明の実施例に係る半導体プロセス装置の模式図であり、図3に示すように、該半導体プロセス装置は反応チャンバ1、吸気アセンブリ(図示せず)、上部電極アセンブリ21、モニタ3及びコントローラ(図示せず)を備える。吸気アセンブリは反応チャンバ1に反応ガスを供給するためのものである。上部電極アセンブリ21は反応ガスをプラズマに励起するためのものである。モニタ3はプラズマを点火するとき、反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度を監視するためのものであり、コントローラは、モニタ3によって監視された電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定し、プラズマ点火に成功した後、上部電極アセンブリ21を制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのものである。
【0037】
本発明の実施例では、プラズマ点火を行う前に更にプロセス安定化ステップを行う必要があり、具体的には図1に示されるプロセス安定化ステップと同様であり、ここで詳細な説明は省略する。プラズマを点火するとき、吸気アセンブリは反応ガスをプラズマに励起するように反応チャンバ1に反応ガスを供給して、上部電極アセンブリ21により反応チャンバ1に電磁界を印加する。この過程において、モニタ3は反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度を監視し、コントローラはモニタ3によって監視された電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、且つこれに基づいてプラズマ点火に成功したかどうかを決定し、コントローラがプラズマ点火に成功したと判断する場合、コントローラは上部電極アセンブリ21を制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせる。
【0038】
第1予め設定された時間に達した後、ウェハに対してプラズマエッチングを行うことができ、ウェハに対してプラズマエッチングを行う時間は定数であってもよく、該時間がウェハの目標エッチング形態及び目標エッチング速度によって決定される。具体的には、ウェハ5上の半導体材料の化学結合が破壊されるように反応チャンバ1におけるプラズマを利用してウェハ5の表面を衝撃することができ、それによりウェハ5上のエッチングされるべき半導体材料が反応ガスと反応してから揮発性物質を生成し、更にウェハ5から離脱するようにする。
【0039】
本発明の実施例を用いた半導体プロセス装置は、モニタ3により反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度を監視するのであり、内部・外部RFコイルの先端の電圧・電流信号を検出することによりプラズマの状態を間接的に取得することなく、プラズマの電磁放射強度を監視することによりプラズマの状態をより直接検出することができるため、プラズマの電磁放射強度を監視することによりプラズマ点火に成功したかどうかをより迅速且つ正確に監視し、且つプラズマ点火に成功した後に第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行うことができ、このように、インピーダンス整合を行う前に、プラズマ点火に成功したことが確保され得るが、プラズマ点火に成功した後、反応チャンバ1に必ずプラズマが現れることとなり、このとき、インピーダンス整合時間及び後続のエッチング時間がいずれも定数であるため、エッチングプロセス全体において反応チャンバ1におけるプラズマの存続時間が一定であり、それにより異なるウェハのエッチングプロセス結果の整合性が確保される。
【0040】
以下、本発明の実施例に係る半導体プロセス装置を詳しく説明し、本発明の実施例では、上部電極アセンブリ21は第1RF電源211、第1整合器212及びRFコイル213を備え、第1RF電源211が第1整合器212を介してRFコイル213に電気的に接続され、RFコイル213が反応チャンバ1の頂部の誘電体窓11の上方に設置されてもよい。第1RF電源211はRFコイル213が反応ガスをプラズマに励起する電磁界を反応チャンバ1に印加するようにRFコイル213にRF電力をロードするためのものであり、第1整合器212はインピーダンス整合を行うためのものである。
【0041】
本発明の実施例では、上部電極アセンブリ21がインピーダンス整合を行うとき、上部電極アセンブリ21の目標反射電力は実際のニーズに応じて設定されてもよく、例えば、上部電極アセンブリ21の目標反射電力は20W、10Wひいては5Wとして設定されてもよい。第1予め設定された時間は定数であり、その具体的な数値は実際のニーズに応じて設定されてもよいが、該数値は上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間以上であるべきである。
【0042】
具体的には、上部電極アセンブリ21がインピーダンス整合を行う際に多くの要素(例えば、反応ガスの圧力、反応ガスの種類など)からの影響を受ける恐れがあるため、同一エッチングプロセスにおいては、それぞれ複数のウェハ5に対してエッチングプロセスを行うとき、上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間は異なる可能性があるが、上記上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間とは、複数のウェハ5をそれぞれエッチングするとき、上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な時間のうちの最大値を指す。本発明の実施例では、第1予め設定された時間を可能な限り大きく設定することができ、それにより上部電極アセンブリ21によるインピーダンス整合が終了した(即ち、第1予め設定された時間に達した)後、上部電極アセンブリ21の反射電力を目標反射電力よりも小さくすることができるように確保する。
【0043】
3つのウェハ5に対してそれぞれエッチングプロセスを1回行う場合を例とし、3つのウェハ5に対して行われるエッチングプロセスにおいて、上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間は異なる以外に、残りの条件はいずれも同様である。1番目のウェハ5に対してエッチングプロセスを行うとき、上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間は2秒間であり、2番目のウェハ5に対してエッチングプロセスを行うとき、上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間は1秒間であり、3番目のウェハ5に対してエッチングプロセスを行うとき、上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間は3秒間である。そうすると、第1予め設定された時間を考慮するとき、第1予め設定された時間が3秒間以上であるべきであり、これにより、3つのウェハ5のエッチングプロセスは上部電極アセンブリ21によるインピーダンス整合が終了した後、上部電極アセンブリ21の反射電力をいずれも目標反射電力よりも小さくできるように確保する。
【0044】
いくつかの具体的な実施例では、半導体プロセス装置は、反応チャンバ1におけるチャック4にRFバイアス電圧を印加するための下部電極アセンブリ22を更に備え、チャック4は静電チャックであってもよい。コントローラは更に、上部電極アセンブリ21を制御して上記第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせた後、下部電極アセンブリ22を制御してチャック4にRFバイアス電圧を印加させ、且つ下部電極アセンブリ22を制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのものである。
【0045】
本発明の実施例では、第1予め設定された時間と第2予め設定された時間は同じであってもよく、異なってもよく、具体的に実際のニーズに応じて決定される。下部電極アセンブリ22がチャック4にRFバイアス電圧を印加する前に、下部電極アセンブリ22によってロードされたRF信号の電力は予め設定された電力(例えば、5W)よりも大きいかどうかを判断してもよく、YESの場合、下部電極アセンブリ22にRF信号をロードさせ、NOの場合、下部電極アセンブリ22がRF信号をロードする必要がないと説明され、従って、上部電極アセンブリ21によるインピーダンス整合が終了した後にウェハ5を直接エッチングしてもよい。
【0046】
なお、上部電極アセンブリ21及び下部電極アセンブリ22がインピーダンス整合を行うとともに、供給された反応ガスの流量、チャンバの圧力、RFコイル213の電流分配比率、及びウェハ5を載置するための静電チャックの温度のうちの少なくとも1つを調整してもよく、RFコイル213は内部RFコイルと、内部RFコイルを取り囲んでいる外部RFコイルとを含み、RFコイル213の電流比率とは内部RFコイルの電流値と内部RFコイル及び外部RFコイルの電流値の和との比を指してもよい。
【0047】
本発明の実施例では、チャック4は反応チャンバ1の底部に設置される。下部電極アセンブリ22は第2RF電源221及び第2整合器222を備え、第2RF電源221が第2整合器222を介してチャック4に電気的に接続される。第2RF電源221はチャック4においてプラズマを引き付けることができるRFバイアス電圧を生成するようにチャック4にRF電力をロードするためのものである。第2整合器222はインピーダンス整合を行うためのものである。
【0048】
本発明の実施例では、第2予め設定された時間は下部電極アセンブリ22が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間以上であるべきであり、その理由は、以上に記載の第1予め設定された時間は上部電極アセンブリ21が反射電力を目標反射電力よりも小さい範囲内に調整するために必要な最大時間以上である理由と同様であり、ここで詳細な説明は省略する。
【0049】
いくつかの具体的な実施例では、モニタ3は具体的に、反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度に基づいて電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成するためのものである。コントローラは具体的に、モニタ3によって予め設定された監視時間内に生成されたアナログ信号が予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達することを決定するためのものである。
【0050】
本発明の実施例では、アナログ信号で反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度を示すことにより、コントローラの収集周波数を向上させることができ、コントローラの判断誤差を低減することに寄与する。アナログ信号は電流信号及び/又は電圧信号を含んでもよく、それにより異なるコントローラの入力信号への異なるニーズを満たすことに寄与する。例えば、コントローラはモニタ3によって予め設定された監視時間内に生成された電流信号が予め設定された電流閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断してもよく、及び/又は、コントローラはモニタ3によって予め設定された監視時間内に生成された電圧信号が予め設定された電圧閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断してもよい。コントローラはモニタ3によって生成された電流信号が予め設定された電流閾値よりも持続的に大きく、及び/又はモニタ3によって生成された電圧信号が予め設定された電圧閾値よりも持続的に大きいと判断する場合、反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達することを決定する。
【0051】
いくつかの具体的な実施例では、予め設定された監視時間は200ms以上且つ1000ms以下の範囲内に設定されてもよく、予め設定された強度と目標強度との比は1:10以上であり、目標強度は反応チャンバ1におけるプラズマが上部電極アセンブリ21によるインピーダンス整合を完了した後に達する電磁放射強度である。
【0052】
本発明の実施例では、コントローラは反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達しないと判断する場合、警報信号を発してもよく、該警報信号はプラズマ点火に失敗したように提示するためのものであり、作業者又はコンピュータが対応する救済動作を行うことを容易にする。上記予め設定された監視時間及び予め設定された強度を用いれば、コントローラが可能な限り短い時間内にプラズマ点火に成功したかどうかを決定するようにすることができ、それによりコントローラの適時性及び信頼性を向上させる。
【0053】
いくつかの具体的な実施例では、プラズマ反応チャンバ1の側壁に監視窓Hが設置され、モニタ3は、反応チャンバ1の外に位置し、監視窓Hにより反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射強度を監視する。
【0054】
本発明の実施例では、モニタ3は反応チャンバ1の外に設置され、取り付けされやすく、監視窓Hは非金属材料で製造されてもよく、それにより反応チャンバ1におけるプラズマの電磁放射が透過することに寄与し、モニタ3の監視精度を向上させる。
【0055】
本発明は更にプラズマ点火方法を提供し、図4は本発明の実施例に係るプラズマ点火方法の第1フローチャートであり、図4に示すように、該プラズマ点火方法は、
反応チャンバに反応ガスを供給し、上部電極アセンブリにより反応ガスをプラズマに励起するS11と、
反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するS12と、
反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、点火に成功したことを決定してステップS141を実行するS13と、を含む。
【0056】
S141 上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせる。
【0057】
本発明の実施例では、プラズマ点火過程は既に以上に詳しく説明されたため、ここで詳細な説明は省略し、なお、この過程において、プラズマ点火に成功したと判断した後、第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行い、プラズマ点火に失敗したと判断した後、プラズマ点火に失敗したように提示するための警報信号を発してもよい。
【0058】
本発明の実施例では、上部電極アセンブリはインピーダンス整合を行うとき、供給される反応ガスの流量、圧力、及びウェハを載置するためのチャックの温度のうちの少なくとも1つを調整してもよい。
【0059】
ステップS141の後で、反応チャンバにおけるウェハをエッチングしてもよく、具体的には、ウェハ上の半導体材料の化学結合が破壊されるようにウェハの目標エッチング形態に基づいて反応チャンバにおけるプラズマにウェハの表面を衝撃させることができ、これにより、ウェハ上のエッチングされるべき半導体材料が反応ガスと反応してから揮発性物質を生成し、更にウェハから離脱するようにする。
【0060】
本発明の実施例を用いたプラズマ点火方法において、プラズマ点火に成功した後にのみ第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行い、このように、第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行う前に、プラズマ点火に成功したことが確保され得るが、プラズマ点火に成功した後、反応チャンバにプラズマが現れることとなり、このとき、上部電極アセンブリによるインピーダンス整合の時間及び後続のエッチングステップの時間がいずれも定数であるため、エッチングプロセス全体において反応チャンバにおけるプラズマの存続時間が一定であり、それにより異なるウェハのエッチング効果の均一性が確保される。
【0061】
図5は本発明の実施例に係るプラズマ点火方法の第2フローチャートであり、図5に示すように、いくつかの具体的な実施例では、ステップS141の後で、プラズマ点火方法は更に、下部電極アセンブリにより反応チャンバにおけるチャックにRFバイアス電圧を印加し、且つ下部電極アセンブリを制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるS142を含んでもよい。
【0062】
本発明の実施例では、ステップS11を実行する前に、上部電極アセンブリによってロードされたRF信号の電力が予め設定された電力例えば5Wよりも大きいかどうかを判断してもよく、YESの場合、ステップS11を実行し、NOの場合、上部電極アセンブリ21がRF信号をロードする必要がないと説明され、このとき、プロセスが終了する。ステップS142を実行する前に、下部電極アセンブリによってロードされたRF信号の電力が予め設定された電力例えば5Wよりも大きいかどうかを判断してもよく、YESの場合、ステップS142を実行し、NOの場合、下部電極アセンブリ22がRF信号をロードする必要がないと説明され、このとき、ウェハをエッチングしてもよい。
【0063】
いくつかの具体的な実施例では、反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するステップは、反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度に基づいて電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成することを含む。反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断するステップは、アナログ信号が予め設定された監視時間内に予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達することを決定することを含む。
【0064】
いくつかの具体的な実施例では、予め設定された監視時間が200ms以上且つ1000ms以下である。
【0065】
いくつかの具体的な実施例では、予め設定された強度と目標強度との比は1:10以上であり、目標強度は反応チャンバにおけるプラズマが上部電極アセンブリによるインピーダンス整合を完了した後に達する電磁放射強度である。
【0066】
理解されるように、以上の実施形態は単に本発明の原理を説明するために用いた例示的な実施形態であるが、本発明はこれに限定されるのではない。当業者であれば、本発明の主旨及び本質を逸脱せずに、種々の変形及び改良を行うことができ、これらの変形及び改良も本発明の保護範囲として見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス装置であって、
反応チャンバと、
前記反応チャンバに反応ガスを供給するための吸気アセンブリと、
前記反応ガスをプラズマに励起するための上部電極アセンブリと、
前記プラズマを点火するとき、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するためのモニタと、
前記モニタによって監視された電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定し、プラズマ点火に成功した後、前記上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのコントローラと、を備え
前記第1予め設定された時間は定数であり、且つ前記定数は前記インピーダンス整合を完了するのに必要な時間以上であることを特徴とする半導体プロセス装置。
【請求項2】
前記反応チャンバにおけるチャックにRFバイアス電圧を印加するための下部電極アセンブリを更に備え、
前記コントローラは更に、前記上部電極アセンブリを制御して前記第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせた後、前記下部電極アセンブリを制御して前記チャックにRFバイアス電圧を印加させ、且つ前記下部電極アセンブリを制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるためのものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体プロセス装置。
【請求項3】
前記モニタは、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度に基づいて前記電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成するためのものであり、
前記コントローラは、前記モニタが予め設定された監視時間内に生成した前記アナログ信号が予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が前記予め設定された強度に達することを決定するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体プロセス装置。
【請求項4】
前記予め設定された監視時間が200ms以上且つ1000ms以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体プロセス装置。
【請求項5】
前記予め設定された強度と目標強度との比は1:10以上であり、前記目標強度は前記反応チャンバにおけるプラズマが前記上部電極アセンブリによるインピーダンス整合を完了した後に達する電磁放射強度であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置。
【請求項6】
前記反応チャンバの側壁に監視窓が設置され、前記モニタは、前記反応チャンバの外に位置し、前記監視窓により前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置。
【請求項7】
プラズマ点火方法であって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体プロセス装置に適用され、
反応チャンバに反応ガスを供給し、前記上部電極アセンブリにより前記反応ガスをプラズマに励起するステップと、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するステップと、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断し、YESの場合、プラズマ点火に成功したことを決定するステップと、
プラズマ点火に成功した後、前記上部電極アセンブリを制御して第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるステップと、を含み、
前記第1予め設定された時間は定数であり、且つ前記定数は前記インピーダンス整合を完了するのに必要な時間以上であることを特徴とするプラズマ点火方法。
【請求項8】
前記上部電極アセンブリを制御して前記第1予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせた後、下部電極アセンブリにより前記反応チャンバにおけるチャックにRFバイアス電圧を印加し、且つ前記下部電極アセンブリを制御して第2予め設定された時間のインピーダンス整合を行わせるステップを更に含むことを特徴とする請求項7に記載のプラズマ点火方法。
【請求項9】
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度を監視するステップは、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度に基づいて前記電磁放射強度と正相関するアナログ信号を生成することを含み、
前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が予め設定された強度に達するかどうかを判断するステップは、
前記アナログ信号が予め設定された監視時間内に予め設定された閾値よりも持続的に大きいかどうかを判断し、YESの場合、前記反応チャンバにおけるプラズマの電磁放射強度が前記予め設定された強度に達することを決定することを含むことを特徴とする請求項7に記載のプラズマ点火方法。
【請求項10】
前記予め設定された監視時間が200ms以上且つ1000ms以下であることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ点火方法。
【国際調査報告】