(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】視野ファセットシステム及びリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530825
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2021082009
(87)【国際公開番号】W WO2022112071
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】102020214800.7
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】アルノ シュミットナー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリー アンデレル
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ アメリン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン リッポルト
(72)【発明者】
【氏名】ヨラム ロッセルズ
(72)【発明者】
【氏名】ロブ ウィルヘルムス マリア ヤンセン
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197CA10
2H197GA01
2H197GA10
2H197GA23
2H197HA03
(57)【要約】
本発明は、リソグラフィ装置(100A、100B)用の視野ファセットシステム(300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300H)であって、ベース体(204)及びベース体(204)に接続され且つ光反射性の光学有効面(308)を有する弾性変形可能なファセット部(306)を含む光学素子(302)と、光学有効面(308)の曲率半径(K1、K2)を変えるためにファセット部(306)を変形させる複数の作動素子(332、334、336、338)とを備え、作動素子(332、334、336、338)は、曲率半径(K1、I2)が作動素子(332、334、336、338)の熱撓みの影響を受けないように作動素子(332、334、336、338)の上記熱撓みをファセット部(306)から切り離す態様で、ファセット部(306)に作用可能に接続される視野ファセットシステムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置(100A、100B)用の視野ファセットシステム(300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300H)であって、
ベース体(204)及び該ベース体(204)に接続され且つ光反射性の光学有効面(308)を有する弾性変形可能なファセット部(306)を含む光学素子(302)と、
前記光学有効面(308)の曲率半径(K1、K2)を変えるために前記ファセット部(306)を変形させる複数の作動素子(332、334、336、338)と
を備え、前記作動素子(332、334、336、338)は、前記曲率半径(K1、K2)が前記作動素子(332、334、336、338)の熱撓みの影響を受けないように該作動素子(332、334、336、338)の熱撓みが前記ファセット部(306)から切り離された態様で、該ファセット部(306)に作用可能に接続される視野ファセットシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子の少なくともいくつか(332、338)は、レバーアーム(312、314)を用いて前記ファセット部(306)に結合される視野ファセットシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記レバーアーム(312、314)の第1レバーアーム(312)が、第1空間方向(x)のまわりで前記第1レバーアーム(312)の回転運動のみを可能にする第1継手部(320)を用いて本体(304)に連結式に接続され、前記レバーアーム(312、314)の第2レバーアーム(314)が、前記第1空間方向(x)のまわりで前記第2レバーアーム(314)の回転運動を可能にする第2継手部(322)を用いて前記本体(304)に連結式に接続される視野ファセットシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記第2継手部(322)はさらに、前記第1空間方向(x)とは異なる第2空間方向(y)に沿った前記ファセット部(306)の熱膨張を補償するために前記第2空間方向(y)に沿った前記第2継手部(322)の並進運動を可能にする視野ファセットシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子(332、334、336、338)は、前記第1空間方向(x)及び前記第2空間方向(y)とは異なる第3空間方向(z)に沿って同じ伸長と収縮の制御を受けるリニア作動素子である視野ファセットシステム。
【請求項6】
請求項3に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子(332、334、336、338)は、前記第1空間方向(x)とは異なる第2空間方向(y)に沿って同じ伸長と収縮する制御を受けるリニア作動素子である視野ファセットシステム。
【請求項7】
請求項4に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子(332、336)は、前記第2空間方向(y)及び第3空間方向(z)に広がる平面内で同じ曲げ制御を受けるせん断作動素子である視野ファセットシステム。
【請求項8】
請求項7に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子(332、336)は、前記第2空間方向(y)に沿って曲げ柔軟性があるデカップリング継手(382、384)を用いて前記レバーアーム(312、314)に結合される視野ファセットシステム。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子(332、334、336、338)は、作動素子対(348、350)として相互に平行な対をなして配置され、前記作動素子対(348、350)それぞれの第1作動素子(332、338)が前記ファセット部(306)に結合され、前記作動素子対(348、350)それぞれの第2作動素子(334、336)が本体(304)に結合され、各作動素子対(348、350)の前記第1作動素子(332、338)及び前記第2作動素子(334、336)は相互に結合されている視野ファセットシステム。
【請求項10】
請求項9に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記第1作動素子(332、338)は、レバーアーム(312、314)を用いて前記ファセット部(306)に結合され、前記第2作動素子(334、336)は、アーム部(324、326)を用いて前記本体(304)に結合される視野ファセットシステム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子(332、334、336、338)は、本体(304)内に配置される視野ファセットシステム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記本体(204)、前記ファセット部(306)、及び/又は前記作動素子(332、334、336、338)の温度の検出に用いられる温度センサ(340、342、344、346、360、362、364、366)、及び/又は前記ファセット部(306)の変形の検出に用いられる変位測定センサ(368、370)をさらに含む視野ファセットシステム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記作動素子(332、334、336、338)はピエゾアクチュエータである視野ファセットシステム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の視野ファセットシステムにおいて、前記本体(204)及び前記ファセット部(306)は、一体に、特に物質的に一体に形成される視野ファセットシステム。
【請求項15】
リソグラフィ装置(100A、100B)であって、請求項1~14のいずれか1項に記載の視野ファセットシステム(300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300H)を備えたリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィ装置用の視野ファセットシステム及び当該ファセットシステムを備えたリソグラフィ装置に関する。
【0002】
優先権主張の基礎となる独国特許出願第10 2020 214 800.7号の内容の全体を参照により援用する。
【背景技術】
【0003】
マイクロリソグラフィは、例えば集積回路等の微細構造コンポーネントの製造に用いられる。マイクロリソグラフィプロセスは、照明系及び投影系を有するリソグラフィ装置を用いて実行される。この場合、照明系により照明されたマスク(レチクル)の像を、投影系により、感光層(フォトレジスト)で被覆されて投影系の像平面に配置された基板、例えばシリコンウェーハに投影することで、マスク構造を基板の感光コーティングに転写するようにする。
【0004】
集積回路の製造における構造のさらなる小型化が望まれることにより、0.1nm~30nmの範囲、特に13.5nmの波長を有する光を用いるEUVリソグラフィ装置(極紫外線、EUV)が現在開発中である。このようなEUVリソグラフィ装置の場合、ほとんどの材料がこの波長の光に対して高い吸収を示すので、以前のような屈折光学ユニット、すなわちレンズ素子の代わりに、反射光学ユニット、すなわちミラーを用いなければならない。当該ミラーは、略垂直入射で又は斜入射で動作する。
【0005】
照明系は、特に、視野ファセットミラー及び瞳ファセットミラーを備える。視野ファセットミラー及び瞳ファセットミラーは、いわゆるファセットミラーの形態とすることができ、このようなファセットミラーは、それぞれ数百個ものファセットを有することが多い。視野ファセットミラーのファセットは、「視野ファセット」とも称し、瞳ファセットミラーのファセットは、「瞳ファセット」とも称する。複数の瞳ファセットを1つの視野ファセットに割り当てることができる。高開口数と共に良好な照明を得るために、上記1つの視野ファセットをそれに割り当てられた瞳ファセット間で切り替えることが望ましい。
【0006】
上記1つの視野ファセットが切替可能であることにより、上記1つの視野ファセットとそれに割り当てられた瞳ファセットとの間の距離は切替位置毎に異なる。上記1つの視野ファセットの屈折力が固定されているとすれば、対応する瞳ファセット上の像が切替位置に応じてデフォーカスされ得る。このデフォーカスにより、瞳充填度の低減が制限される。この場合、ここでの「瞳充填度」は、各瞳ファセットの全光学有効面積に対する照射表面積の比を意味すると理解されたい。しかしながら、投影系の高分解能を得るために、瞳充填度をさらに低減する必要がある。したがって、少なくともデフォーカスを減らすか又は完全になくすために、視野ファセットの切替位置に応じて視野ファセットを変形可能にすることが望ましい。
【0007】
特許文献1は、EUVリソグラフィ装置用のEUV照明系、リソグラフィ装置、及びEUV照明系を用いて照明放射線を発生させる方法を記載している。
【0008】
特許文献2は、投影露光装置用のファセットミラー、対応する投影露光装置、及びファセットミラー及び投影露光装置それぞれの動作方法を開示している。
【0009】
特許文献3は、光軸を有する光学素子、及び当該光学素子に2波動又は多波動変形を導入する装置を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2017 221 420号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2013 206 981号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第101 51 919号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
こうした背景から、本発明の目的は、改良された視野ファセットシステムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、リソグラフィ装置用の視野ファセットシステムが提案される。視野ファセットシステムは、ベース体及びベース体に接続され且つ光反射性の光学有効面を有する弾性変形可能なファセット部を含む光学素子と、光学有効面の曲率半径を変えるためにファセット部を変形させる複数の作動素子とを備え、作動素子は、曲率半径が作動素子の熱撓みの影響を受けないように作動素子の熱撓みがファセット部から切り離された態様で、ファセット部に作用可能に接続される。
【0013】
作動素子の熱撓みをファセット部から切り離すことにより、作動素子の熱撓みに起因する光学有効面の望ましくない変形を確実に防止することが可能である。これにより、視野ファセットシステムの性能が向上する。
【0014】
視野ファセットシステムは、特にリソグラフィ装置のビーム整形・照明系の一部である。特に、視野ファセットシステムは、ファセットミラーの、特に視野ファセットミラーの一部である。このようなファセットミラーは、直線状に又はパターンの形状で配置された複数のかかる視野ファセットシステムを含むことが好ましい。この場合、各視野ファセットシステムは、単独で複数の異なる傾斜位置に傾斜することができる。この目的で、各視野ファセットシステムは、視野ファセットシステム全体を1つのユニットとして傾斜させるのに適したさらに別の作動素子を含み得る。上記作動素子は、いわゆるローレンツアクチュエータであり得る。
【0015】
光学素子は、好ましくはファセット、ミラーファセット、又は視野ファセットであるか、又はそのように呼ぶことができる。ファセット部は、特に棒状又は梁状であり、矩形、台形、又は任意の他の幾何学的形状の断面を有し得る。ファセット部は、例えば幅、長さ、及び厚さを有する。長さ対幅の比は、約10:1であることが好ましい。厚さは、幅よりも小さいことが好ましい。第1空間方向又はx方向、第2空間方向又はy方向、及び第3空間方向又はz方向を有する座標系が、視野ファセットシステムに割り当てられる。空間方向は、相互に対して垂直に位置決めされる。
【0016】
幅は、x方向の向きである。したがって、x方向は、幅方向とも称することができる。長さは、y方向の向きである。したがって、y方向は、長手方向又は長さ方向とも称することができる。厚さは、z方向の向きである。したがって、z方向は、厚さ方向又は垂直方向とも称することができる。「長さ方向」は、特に光学素子が幾何学的に最も長く延びる空間方向を意味すると理解されたい。
【0017】
光学素子は、ミラー基板又は基板から製造される。基板は、特に銅、特に銅合金、鉄-ニッケル合金、例えばインバー等、又は他の何らかの適当な材料を含み得る。光学有効面は、ファセット部の前面、すなわち本体とは反対側に設けられる。光学有効面は、ミラー面であり得る。光学有効面は、基板に塗布されたコーティングを用いて作られる。
【0018】
光学有効面は、光、特にEUV放射線を反射するのに適している。しかしながら、これは、光の少なくとも一部がファセット部に吸収される結果として熱がファセット部に導入されることを排除するものではない。ファセット部又は光学有効面は、平面図で、すなわち光学有効面に対して垂直な視線方向で矩形の幾何学的形状を有する。しかしながら、ファセット部又は光学有効面は、平面図で弧状又は三日月状に湾曲することもできる。
【0019】
光学有効面は曲面であることが好ましい。最も単純な場合には、光学有効面は円筒状の曲面である。しかしながら、光学有効面の形状は、トーラス面又は楕円面であることもできる。トロイダル状の幾何学的形状が与えられる場合、これは頂点を有する。好ましくは、光学有効面は、y方向及びz方向に広がる平面内の光学有効面の曲率を示す第1曲率半径を含む。
【0020】
さらに、光学有効面は、第1曲率半径とは異なりx方向及びz方向に広がる平面内の光学有効面の曲率を示す第2曲率半径を含む。第1曲率半径及び第2曲率半径は、相互に対して垂直に位置決めされる。曲率半径は、特に上記頂点で交わる。第1曲率半径は、第2曲率半径よりも大きいことが好ましい。特に、第1曲率半径は、ファセット部の変形を用いて変更される。しかしながら、作動素子の配置に応じて、第2曲率半径も影響を受ける場合がある。
【0021】
作動素子はアクチュエータと呼ぶことができる。好ましくは、少なくとも2つの作動素子が設けられる。しかしながら、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、又は11個の作動素子を設けることも可能である。12個以上の作動素子も可能である。すなわち、原理上は作動素子の数は任意である。作動素子は、いわゆる変位アクチュエータであることが好ましい。「変位アクチュエータ」は、フォースアクチュエータとは異なり、固定の力ではなく変位を予め規定する作動素子を意味すると理解されたい。これに対して、「フォースアクチュエータ」は、変位アクチュエータとは対照的に、固定の変位ではなく力を予め規定する作動素子を意味すると理解されたい。変位アクチュエータの一例はピエゾ素子である。フォースアクチュエータの一例は、すでに上述したようにローレンツアクチュエータである。すなわち、作動素子はピエゾ素子又はピエゾスタックであり得るか又はピエゾ素子又はピエゾスタックを含み得る。しかしながら、作動素子は、例えば空気圧式又は油圧式アクチュエータでもあり得る。
【0022】
制御ユニットが、作動素子に割り当てられることが好ましく、そうすることで、作動素子がファセット部を変形させるようにこれらが制御され、特に通電される。例として、作動素子は、通電を用いて非撓み状態から撓み状態にされる。任意の数の中間状態が、非撓み状態と撓み状態との間に設けられる。作動素子は、通電されなくなるとすぐに、撓み状態から非撓み状態に自動的に戻ることが好ましい。曲率半径、特に第1曲率半径又は第1曲率半径及び第2曲率半径は、作動素子を用いて無段階で変えることができることが好ましい。
【0023】
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスに基づく作動素子、すなわち上述のピエゾ素子等は、負の熱膨張係数を有する。これは、光学素子の加熱が均一である場合は本体に対する各作動素子の熱撓み、例えば長さの変化につながり、したがって作動素子の移動量の付随的な変化につながる。作動素子の熱による移動量の変化、又はより一般的には熱撓みは、適当な配置、特に意図される変形の有効方向に対するその有効方向の向き、及び作動素子とファセット部との間の作用可能な接続という設計を用いて補償することができる。これは、各作動素子の熱撓みがファセット部の望ましくない変形につながらないことを意味する。作動素子の「撓み」は、例えば、作動素子の長さの変化又は歪みを意味すると理解され得る。
【0024】
ファセット部が「弾性変形可能」であることは、この場合、ファセット部を非撓み又は非変形状態から撓み又は変形状態に変化させ、また戻すことができることを意味する。非変形状態では、曲率半径、特に第1曲率半径は、変形状態よりも大きい可能性がある。ファセット部を非変形状態から変形状態にするために、作動素子を用いて曲げモーメントがファセット部に導入される。例として、2つの逆向きの曲げモーメントがファセット部の2つの端部領域に導入される。しかしながら、以下では一方の曲げモーメントにのみ言及する。
【0025】
曲げモーメントがファセット部に加わらなくなるとすぐに、ファセット部は変形状態から非変形状態に自動的に変形する。すなわち、ファセット部の変形は可逆的である。特に、ファセット部は、非変形状態の方向にプレストレスを与えられ、特にばねでプレストレスを与えられる。非変形状態では、光学有効面は、平面であり得るか又は円筒曲率を有し得る。
【0026】
作動素子とファセット部との間の作用可能な接続は、所望に応じて設計することができる。しかしながら、この作用可能な接続は常に、例えば視野ファセットシステムが均一に加熱される場合の作動素子の熱撓みがファセット部の変形を一切又はほとんど引き起こさないように設計される。この場合、曲率半径が作動素子の熱撓みの「影響を受けない」ことは、作動素子の熱撓み、例えば収縮又は膨張がある場合でも曲率半径が変わらないことを意味する。すなわち、曲率半径は、作動素子の意図的な制御によってのみ変えることができる。作動素子の熱撓みに起因する曲率半径の望ましくない変化は起こらない。
【0027】
一実施形態によれば、作動素子の少なくともいくつかは、レバーアームを用いてファセット部に結合される。
【0028】
視野ファセットシステムは、第1作動素子及び第2作動素子を備えることが好ましい。特に、第1作動素子は、レバーアームを用いてファセット部に結合される。第2作動素子は、特にベース体に結合される。上記曲げモーメントは、レバーアームを用いてファセット部に加えることができる。この目的で、作動素子を用いてレバーアームに力が加えられる。特に、2つの逆向きの曲げモーメントがファセット部の周縁に又は端部に加えられる。レバーアームは、特に接続領域を用いてファセット部に接続される。接続領域を用いて埋められる空隙が、レバーアームとファセット部との間に設けられる。空隙は、レバーアームの領域におけるファセット部の望ましくない硬直を防止する。
【0029】
さらに別の実施形態によれば、レバーアームの第1レバーアームが、第1空間方向のまわりで第1レバーアームの回転運動のみを可能にする第1継手部を用いて本体に連結式に接続され、レバーアームの第2レバーアームが、第1空間方向のまわりで第2レバーアームの回転運動を可能にする第2継手部を用いて本体に連結式に接続される。
【0030】
第1レバーアーム及び第2レバーアームは、いわゆるフレクシャとして設計されることが好ましい。この場合、「フレクシャ」は、曲げにより2つの剛体領域間の相対移動を可能にするコンポーネントの領域を意味すると理解されたい。2つの剛体領域は、ベース体及び各レバーアームにより形成される。継手部は弾性変形可能である。第2継手部は、第1空間方向に関する第2レバーアームの回転運動のみを可能にするように設計することができる。代替として、第2継手部は、第1空間方向に関する第2レバーアームの回転運動に加えてさらなる運動を可能にするように設計することもできる。
【0031】
さらに別の実施形態によれば、第2継手部はさらに、第1空間方向とは異なる第2空間方向に沿ったファセット部の熱膨張を補償するために第2空間方向に沿った第2継手部の並進運動を可能にする。
【0032】
反射される使用光、特にEUV放射線は、光学有効面に入射してファセット部を加熱する。すなわち、ファセット部は、本体に比べて入熱が大きい。結果として、ファセット部は、熱に起因して本体よりも大きく膨張する。ファセット部のこの熱膨張は、第2継手部を用いて補償することができる。その際に、第2継手部はS字形に変形することができる。この文脈において、「並進」運動は、直線に沿った、つまり第2空間方向に沿った直線運動を意味すると理解されたい。第1空間方向及び第2空間方向は、特に相互に対して垂直な向きである。
【0033】
さらに別の実施形態によれば、作動素子は、第1空間方向及び第2空間方向とは異なる第3空間方向に沿って同じ伸長と収縮の制御を受けるリニア作動素子である。
【0034】
したがって、「リニア作動素子」は、その主延在方向、ここでは第3空間方向に沿って伸縮することができる作動素子であると以下では理解されたい。この場合、作動素子は、その伸縮が光学有効面に対して垂直に起こるように配置される。したがって、第3空間方向は、ファセット部又は光学有効面に対して垂直な向きである。制御は通電を含み得る。例えば、作動素子の撓みは、各作動素子に印加される電圧を上げると大きくなる。
【0035】
さらに別の実施形態によれば、作動素子は、第1空間方向とは異なる第2空間方向に沿って同じ伸長と収縮の制御を受けるリニア作動素子である。
【0036】
すなわち、作動素子は、伸縮が光学有効面と平行又は第2空間方向と平行に起こるように配置される。その結果として、設置空間を縮小することができる。すなわち、視野ファセットシステムは、第3空間方向に沿って見た場合により小型の設計にすることができる。
【0037】
さらに別の実施形態によれば、作動素子は、第2空間方向及び第3空間方向に広がる平面内で同じ曲げ制御を受けるせん断作動素子である。
【0038】
すなわち、せん断作動素子として設計された作動素子は、リニア作動素子として設計された作動素子とは対照的に、伸縮するのではなく曲がる。この場合、この曲率は、作動素子の制御に応じて、例えば印加電圧に応じて可変である。
【0039】
さらに別の実施形態によれば、作動素子は、第2空間方向に沿って曲げ柔軟性があるデカップリング継手を用いてレバーアームに結合される。
【0040】
この場合、「曲げ柔軟性がある」は、デカップリング継手が第2空間方向に沿っていかなる力も伝達することが不可能又は事実上不可能であることを意味する。その結果として、作動素子の熱的切り離しを達成することができる。したがって、作動素子の熱撓みがデカップリング継手を用いて補償される。各デカップリング継手は、端部が相互に接続された2つの板ばねを含むことができ、板ばねの一方は各作動素子に結合され、他方の板ばねは各レバーアームに接続されている。
【0041】
さらに別の実施形態によれば、作動素子は、作動素子対として相互に平行な対をなして配置され、作動素子対それぞれの第1作動素子はファセット部に結合され、作動素子対それぞれの第2作動素子は本体に結合され、各作動素子対の第1作動素子及び第2作動素子は相互に結合されている。
【0042】
作動素子は、この場合はリニア作動素子として設計されることが好ましい。この場合、作動素子が相互に「平行に」配置されることは、作動素子対の作動素子同士が隣り合って置かれ、2つの作動素子の有効方向が相互に平行に延びることを意味する。作動素子対の作動素子は、例えば接続素子を用いて相互に結合される。接続素子は棒状であり得る。接続素子は、本体と同じ材料から製造されることが好ましい。
【0043】
さらに別の実施形態によれば、第1作動素子は、レバーアームを用いてファセット部に結合され、第2作動素子は、アーム部を用いて本体に結合される。
【0044】
レバーアームとアーム部との間に空隙が設けられる。第1作動素子は、レバーアームに接続される。第2作動素子は、アーム部に接続され、第1作動素子及び第2作動素子は両者で対を形成し、上記接続素子により相互に接続される。
【0045】
さらに別の実施形態によれば、作動素子は本体内に配置される。
【0046】
結果として、特にコンパクトな設置空間を達成することができる。同時に、作動素子の均一な加熱を確保することができる。
【0047】
さらに別の実施形態によれば、視野ファセットシステムは、本体、ファセット部、及び/又は作動素子の温度の検出に用いられる温度センサも含み、且つ/又は視野ファセットシステムは、ファセット部の変形の検出に用いられる変位測定センサも含む。
【0048】
例として、温度センサは、本体内又は本体上、ファセット部内又はファセット部上、及び作動素子内又は作動素子上に設けることができる。温度センサを用いて、視野ファセットシステムの不均一な加熱を検出することができる。この温度分布に従って、補正信号を用いて作動素子を制御することができ、且つ視野ファセットシステムのこの不均一な加熱を補正することができる。
【0049】
さらに別の実施形態によれば、作動素子はピエゾアクチュエータである。
【0050】
例として、作動素子は、リニアピエゾアクチュエータ又はせん断ピエゾアクチュエータであり得る。任意の他のタイプの作動素子を用いることもできる。例として、形状記憶合金、空気圧式又は油圧式作動素子、サーボモータ等を作動素子として用いることができる。
【0051】
さらに別の実施形態によれば、本体及びファセット部は一体に、特に物質的に一体に形成される。
【0052】
この場合、「一体に」又は「一体的に」は、本体及びファセット部が共通のコンポーネントを形成するものであり、異なるコンポーネントからなるものではないことを意味する。この場合、「物質的に一体に」は、本体及びファセット部が全体的に同じ材料から製造されることを意味する。代替として、本体及びファセット部は、相互に接続される2つの別個のコンポーネントであることもできる。
【0053】
さらに別の実施形態によれば、ファセット部は、光学有効面の平面図で弧状に湾曲し、ファセット部の長手方向に沿って見たファセット部の剛性は、ファセット部への曲げモーメントの導入時に光学有効面に対して垂直な向きの法線ベクトルが1つの空間方向のまわりでのみ傾くように可変である。
【0054】
上述のように、平面図は、光学有効面に対して垂直な視線方向を意味すると理解されたい。この場合、「剛性」は、力又はモーメントに起因する弾性変形に対するファセット部又は概ね本体の抵抗力を特に意味すると理解されたい。特に、「剛性」は、ファセット部の捩り剛性、すなわちファセット部を捻るか又はファセット部に捩りを加える捩りモーメントに耐える剛性を意味すると理解されたい。コンポーネントの剛性は、第1にヤング率等の材料の弾性特性、第2に変形したコンポーネントの幾何学的形状に応じて変わる。剛性が可変であることにより、ファセット部への曲げモーメントの導入時にファセット部が捩れない、すなわち第2空間方向のまわりで撚れないようにすることができる。これにより、法線ベクトルが第2空間方向のまわりで傾くのが防止される。この場合、「法線ベクトル」は、光学有効面に対して垂直な向きのベクトルを意味すると理解されたい。曲げモーメントは、第1空間方向のまわりで作用する。曲げモーメントは、ファセット部を曲げるが、これを捩る又は捻ることはない。長手方向は、実質的に第2空間方向に沿って延びる。この場合、長手方向は、ファセット部自体のように湾曲させることができる。ファセット部は、第1端部領域及び第2端部領域を有することが好ましく、これらに逆向きの曲げモーメントを導入することができる。ファセット部の対称面が、端部領域間の中央に設けられる。長手方向は、各端部領域から対称面への向きである。
【0055】
さらに別の実施形態によれば、ファセット部のヤング率は、長手方向に沿って見ると可変である。
【0056】
例として、ヤング率は、端部領域から対称面の方向に向かうほど減少し得る。したがって、ヤング率のプロファイル又は勾配が与えられる。この場合、勾配は、数値的な物理変数の変化のプロファイルを場所の関数として示す。変数の勾配は、変数の変化の程度及び変化が最大である方向を場所毎に示す。上述のヤング率の変化は、2つ以上の異なる材料からなるモノリシックに製造されたベース体の、特にファセット部の使用により得ることができる。この場合、上記ベース体がファセット部を形成するか、又はファセット部がベース体から製造される。ベース体は、本体も含み得る。このようなベース体は、溶接、めっき、又は好ましくは積層造形、特に3Dプリンティングにより、異なる材料、特に金属粉末から製造することができる。特に積層造形法により、2つの異なる材料間、例えば銅及び鋼鉄間で連続的に移行するハイブリッドコンポーネント、特にファセット部を製造することができる。したがって、少なくともファセット部は、特に鋼鉄及び銅からなるハイブリッド構成を有し得る。本体もこのようなハイブリッド構成を有することができる。
【0057】
さらに別の実施形態によれば、ファセット部の断面の極断面係数は、長手方向に沿って見ると可変である。
【0058】
可変のヤング率と可変の極断面係数との組み合わせを提供することもできる。極断面係数は、荷重時の内部応力の発生に対する梁による抵抗力の測度である。極断面係数は、断面の幾何学的形状の影響を受け得る。例として、極断面係数は、ファセット部の端部領域から対称面の方向に向かうほど減少し得る。
【0059】
さらに別の実施形態によれば、断面は台形である。
【0060】
ファセット部の断面は、特に台形の断面のみに限定されるのではなく、少なくとも2つの可変の断面パラメータ、例えば幅及び高さ等を有する任意の幾何学的形状を有し得る。矩形、三角形、半楕円、角を切り落とした矩形、又は他のより複雑な断面が例えば考えられる。
【0061】
さらに別の実施形態によれば、断面は、光学有効面に面する第1幅及び光学有効面とは反対側の第2幅を含み、第1幅は第2幅よりも大きい。
【0062】
すなわち、断面は光学有効面から先細りになる。ファセット部は、特に、光学有効面が設けられた上面と下面とを有する。上面は第1幅を有する。下面は第2幅を有する。
【0063】
さらに別の実施形態によれば、第1幅は長手方向に沿って見ると一定であり、第2幅は長手方向に沿って見ると可変である。
【0064】
すなわち、第1幅は特に、変化せず可変でもない。例として、第2幅は、端部領域から対称面に向かうほど減少する。
【0065】
さらに別の実施形態によれば、断面は、長手方向に沿って見ると可変である高さを含む。
【0066】
高さは、特に第3空間方向に沿った向きである。例として、高さは、ファセット部の端部領域から対称面に向かうほど減少する。
【0067】
さらに別の実施形態によれば、ファセット部は、第1端部領域及び第2端部領域を含み、ファセット部は、第1端部領域と第2端部領域との間に配置された対称面に対して鏡面対称に構成される。
【0068】
鏡面対称は、ファセット部の幾何学的構成、すなわち寸法に関する。しかしながら、鏡面対称は、ファセット部の剛性にも関係する。例として、ファセット部は、その対称面の両側で対称面から所定の距離において同一の剛性を有する。
【0069】
さらに別の実施形態によれば、断面は対称面で最小である。
【0070】
特に、断面の断面積は対称面で最小である。
【0071】
さらに別の実施形態によれば、断面は、対称面から第1端部領域の方向及び第2端部領域の方向に向かうほどサイズが増加する。
【0072】
すなわち、断面の断面積は対称面よりも端部領域の方が大きい。
【0073】
さらに、かかる視野ファセットシステムを備えたリソグラフィ装置が提供される。
【0074】
リソグラフィ装置は、複数のかかる視野ファセットシステムを含むことができる。リソグラフィ装置は、EUVリソグラフィ装置又はDUVリソグラフィ装置であり得る。EUVは「極紫外線」を意味し、0.1nm~30nmの使用光の波長を示す。DUVは「深紫外線」を意味し、30nm~250nmの使用光の波長を示す。
【0075】
この場合の「a」又は「an」は、厳密に1つの要素に制限するものと必ずしも理解すべきでない。むしろ、複数の要素、例えば、2つ、3つ、又はそれ以上等を設けることもできる。ここで用いる他の数字はいずれも、記載の数の要素に厳密に制限されるという趣旨で理解すべきでもない。むしろ、別途指示のない限り、数の増減が可能である。
【0076】
視野ファセットシステムに関して記載した実施形態及び特徴は、提案されたリソグラフィ装置にも適用され、またその逆でもある。
【0077】
本発明のさらに他の可能な実施態様は、例示的な実施形態に関して上述又は後述されている特徴又は実施形態の明記されていない組み合わせも含む。この場合、当業者であれば、個々の態様を改良又は補足として本発明の各基本形態に加えることもあろう。
【0078】
本発明のさらに他の有利な構成及び態様は、従属請求項の主題であり、後述する本発明の例示的な実施形態の主題でもある。好ましい実施形態に基づいて添付図面を参照して本発明を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1】
図1Aは、EUVリソグラフィ装置の実施形態の概略図を示す。
図1Bは、DUVリソグラフィ装置の実施形態の概略図を示す。
【
図2】
図1A又は
図1Bに示すリソグラフィ装置の光学装置の実施形態の概略図を示す。
【
図3】
図2に示す光学装置の視野ファセットミラーの実施形態の概略平面図を示す。
【
図4】
図2に示す光学装置のさらに別の概略図を示す。
【
図5】
図2に示す光学装置のさらに別の概略図を示す。
【
図6】
図2に示す光学装置のさらに別の概略図を示す。
【
図7】
図2に示す光学装置の瞳ファセットミラーの瞳ファセットの実施形態の概略図を示す。
【
図8】
図7に示す瞳ファセットのさらに別の概略図を示す。
【
図9】
図2に示す光学装置の瞳ファセットミラーの瞳ファセットのさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図10】
図2に示す光学装置の光学系の実施形態の概略図を示す。
【
図11】
図2に示す光学装置の光学系のさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図12】
図2に示す光学装置の光学系のさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図13】
図2に示す光学装置の光学系のさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図14】
図2に示す光学装置の光学系のさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図15】
図2に示す光学装置の光学系のさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図16】
図2に示す光学装置の光学系のさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図17】
図2に示す光学装置の光学系のさらに別の実施形態の概略図を示す。
【
図18】
図2に示す光学装置の光学系のファセット部の実施形態の概略側面図を示す。
【
図21】
図2に示す光学装置の光学系のファセット部のさらに別の実施形態の概略側面図を示す。
【
図23】
図21の断面線A-Aに従ったファセット部の概略断面図を示す。
【
図24】
図21の断面線B-Bに従ったファセット部のさらに別の概略断面図を示す。
【
図25】
図2に示す光学装置の光学系のファセット部のさらに別の実施形態の概略平面図を示す。
【
図26】
図25の断面線C-Cに従ったファセット部の概略断面図を示す。
【
図27】
図25の断面線D-Dに従ったファセット部のさらに別の概略断面図を示す。
【
図28】
図25の断面線E-Eに従ったファセット部のさらに別の概略断面図を示す。
【
図29】
図21に示すファセット部の長さにわたる法線ベクトルの誤差プロファイルを示す概略的なグラフを示す。
【
図30】
図25に示すファセット部の長さにわたる法線ベクトルの誤差プロファイルを示す概略的なグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
別途指示のない限り、図中で同一の又は機能的に同一の要素には同じ参照符号を設けてある。図示は必ずしも一定の縮尺ではないことにも留意されたい。
【0081】
図1Aは、ビーム整形・照明系102及び投影系104を備えたEUVリソグラフィ装置100Aの概略図を示す。この場合、EUVは「極紫外線」を意味し、0.1nm~30nmの使用光の波長を示す。ビーム整形・照明系102及び投影系104は、それぞれが真空ハウジング(図示せず)内に設けられ、各真空ハウジングは排気デバイス(図示せず)を用いて真空引きされる。真空ハウジングは、光学素子を機械的に移動させる又は設定する駆動装置が設けられた機械室(図示せず)により囲まれる。さらに、電気コントローラ等を上記機械室内に設けることもできる。
【0082】
EUVリソグラフィ装置100Aは、EUV光源106Aを備える。EUV域(極紫外域)の、すなわち例えば5nm~20nmの波長域の放射線108Aを発するプラズマ源(又はシンクロトロン)を、例えばEUV光源106Aとして設けることができる。ビーム整形・照明系102において、EUV放射線108Aを集束させ、所望の作動波長をEUV放射線108Aからフィルタリングする。EUV光源106Aが発生したEUV放射線108Aは、空気中の透過率が比較的低く、こうした理由でビーム整形・照明系102及び投影系104の導光空間が真空引きされる。
【0083】
図1Aに示すビーム整形・照明系102は、5つのミラー110、112、114、116、118を有する。ビーム整形・照明系102の通過後に、EUV放射線108Aはフォトマスク(レチクルとしても知られる)120へ導かれる。フォトマスク120は、同様に反射光学素子の形態であり、システム102、104の外部に配置され得る。さらに、EUV放射線108Aは、ミラー122によりレチクル120へ指向され得る。レチクル120は、投影系104により縮小されてウェーハ124等に結像される構造を有する。
【0084】
投影系104(投影レンズとも称する)は、フォトマスク120をウェーハ124に結像するために6個のミラーM1~M6を有する。この場合、投影系104の個々のミラーM1~M6は、投影系104の光軸126に関して対称に配置され得る。EUVリソグラフィ装置100AのミラーM1~M6の数は、図示の数に制限されないことに留意されたい。設けられるミラーM1~M6の数をより多くすることもより少なくすることもできる。さらに、ミラーM1~M6は、ビーム整形用に前面が概して湾曲している。
【0085】
図1Bは、ビーム整形・照明系102及び投影系104を備えたDUVリソグラフィ装置100Bの概略図を示す。この場合、DUVは「深紫外線」を意味し、30nm~250nmの使用光の波長を示す。
図1Aを参照してすでに記載したように、ビーム整形・照明系102及び投影系104は、対応する駆動デバイスを有する機械室により囲まれ得る。
【0086】
DUVリソグラフィ装置100Bは、DUV光源106Bを有する。例として、例えば193nmのDUV域の放射線108Bを発するArFエキシマレーザをDUV光源106Bとして設けることができる。
【0087】
図1Bに示すビーム整形・照明系102は、DUV放射線108Bをフォトマスク120へ指向させる。フォトマスク120は、透過光学素子として形成され、システム102、104の外部に配置され得る。フォトマスク120は、投影系104により縮小されてウェーハ124等に結像される構造を有する。
【0088】
投影系104は、レチクル120をウェーハ124に結像するために複数のレンズ素子128及び/又はミラー130を有する。この場合、投影系104の個々のレンズ素子128及び/又はミラー130は、投影系104の光軸126に関して対称に配置され得る。DUVリソグラフィ装置100Bのレンズ素子128及びミラー130の数は、図示の数に制限されないことに留意されたい。設けられるレンズ素子128及び/又はミラー130の数をより多くすることもより少なくすることもできる。さらに、ミラー130は、ビーム整形用に前面が概して湾曲している。
【0089】
最終レンズ素子128とウェーハ124との間の空隙は、屈折率が1を超える液体媒体132で置き換えることができる。液体媒体132は、例えば高純度水であり得る。このような構成は、液浸リソグラフィとも称し、高いフォトリソグラフィ解像度を有する。媒体132は、浸液と称することもできる。
【0090】
図2は、光学装置200の概略図を示す。光学装置200は、ビーム整形・照明系102、特にEUVリソグラフィ装置100Aのビーム整形・照明系102である。したがって、光学装置200をビーム整形・照明系とも呼ぶことができ、ビーム整形・照明系102を光学装置と呼ぶことができる。光学装置200は、先に説明したような投影系104の上流に配置され得る。
【0091】
しかしながら、光学装置200は、DUVリソグラフィ装置100Bの一部とすることもできる。しかしながら、以下では光学装置200がEUVリソグラフィ装置100Aの一部であるものとする。光学装置200のほかに、
図2は、EUV放射線108Aを発する先に説明したようなEUV光源106A、及びフォトマスク120も示す。EUV光源106Aは、光学装置200の一部であり得る。
【0092】
光学装置200は、複数のミラー202、204、206、208を含む。さらに、任意選択の偏向ミラー210を設けることができる。偏向ミラー210は、斜入射で動作するので、斜入射ミラーと呼ぶこともできる。偏向ミラー210は、
図1Aに示すミラー122に相当し得る。ミラー202、204、206、208は、
図1Aに示すミラー110、112、114、116、118に相当し得る。特に、ミラー202はミラー110に相当し、ミラー204はミラー112に相当する。
【0093】
ミラー202は、光学装置200のいわゆるファセットミラー、特に視野ファセットミラーである。ミラー204も、光学装置200のファセットミラー、特に瞳ファセットミラーである。ミラー202は、EUV放射線108Aをミラー204へ反射する。ミラー206、208の少なくとも一方は、光学装置200のコンデンサミラーであり得る。ミラー202、204、206、208の数は任意である。例として、
図1Aに示すように、5つのミラー202、204、206、208、すなわちミラー110、112、114、116、118、又は
図2に示すように、4つのミラー202、204、206、208を設けることが可能である。しかしながら、好ましくは、少なくとも3つのミラー202、204、206、208、すなわち視野ファセットミラー、瞳ファセットミラー、及びコンデンサミラーが設けられる。
【0094】
ファセットミラーは、直線状に配置され得る複数の薄板又はファセットを含む。ファセットは、弧状又は三日月状に湾曲し得る。ファセットは、多角形、特に四角形でもあり得る。例として、ファセットミラーは、数百個から数千個ものファセットを有し得る。各ファセットは個別に傾斜可能であり得る。
【0095】
ミラー202、204、206、208は、ハウジング212内に配置される。ハウジング212は、光学装置200の動作中、特に露光動作中には真空にすることができる。すなわち、ミラー202、204、206、208は真空中に配置される。
【0096】
光学装置200の動作中、EUV光源106AはEUV放射線108Aを発する。例として、スズプラズマをこの目的で生成することができる。スズプラズマを生成するために、スズ体、例えばスズビーズ又はスズ滴にレーザパルスを衝突させることができる。スズプラズマはEUV放射線108を発し、これが、EUV光源106Aのコレクタ、例えば楕円面ミラーを用いて集光され、光学装置200の方向に送られる。コレクタは、EUV放射線108Aを中間焦点214に集束させる。中間焦点214は、中間焦点面と呼ぶこともできるか、又は中間焦点面内にある。
【0097】
光学装置200を通過すると、EUV放射線108Aはミラー202、204、206、208のそれぞれ及び偏向ミラー210により反射される。EUV放射線108Aのビーム経路を参照符号216で示す。フォトマスク120は、光学装置200の物体面218に配置される。物体視野220が物体面218に位置決めされている。
【0098】
図3は、ファセットミラー、特に視野ファセットミラーの形態の、先に説明したようなミラー202の一実施形態の概略平面図を示す。したがって、ファセットミラー又は視野ファセットミラーは、ここでは参照符号202で示す。視野ファセットミラー202は、直線状に配置された複数の薄板又はファセット222を含む。ファセット222は、特に視野ファセットであり、以下ではそのようにも呼ばれる。
【0099】
視野ファセット222は、弧状又は三日月状に湾曲し得る。ファセット222は、多角形、例えば四角形でもあり得る。特に視野ファセット222は、それぞれが細長い矩形の幾何学的形状を有することもできる。
図3には少数の視野ファセット222のみを示す。例として、視野ファセットミラー202は、数百個から数千個もの視野ファセット222を含み得る。各視野ファセット222は個別に傾斜可能であり得る。この目的で、作動素子又はアクチュエータを各視野ファセット222に割り当てることができる。アクチュエータはいわゆるローレンツアクチュエータであり得る。
【0100】
図4は、
図2に示す光学装置200からの拡大詳細図を示す。光学装置200は、EUV放射線108Aを発するEUV光源106A(図示せず)と、中間焦点214と、視野ファセットミラー202と、瞳ファセットミラーの形態のミラー204とを含む。ミラー204は、以下では瞳ファセットミラーと呼ぶ。ミラー206、208、偏向ミラー210、及びハウジング212は
図4には示さない。瞳ファセットミラー204は、投影系104の入射瞳面又はそれとの共役面に少なくとも略配置される。
【0101】
中間焦点214は、EUV光源106Aの開口絞りである。簡単のために、以下の説明では、中間焦点214を作るための開口絞りと実際の中間焦点、すなわち上記開口絞りの開口とを区別しない。
【0102】
視野ファセットミラー202は、上述のように複数の視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fを担持する担持体又は本体224を含む。視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fは、同一の形態を有することができるが、特にそれらの境界の形状及び/又は各光学有効面226の曲率が相互に異なることもできる。光学有効面226は、ミラー面である。光学有効面226は、EUV放射線108Aを瞳ファセットミラー204の方向に反射する働きをする。
図4では、視野ファセット222Aの光学有効面226のみに参照符号を設けてある。しかしながら、視野ファセット222B、222C、222D、222E、222Fも同様にこのような光学有効面226を有する。光学有効面226は、視野ファセット面と呼ぶことができる。
【0103】
視野ファセット222Cのみについて以下で述べる。しかしながら、視野ファセット222Cに関する全ての説明は、視野ファセット222A、222B、222D、222E、222Fにも当てはまる。したがって、EUV放射線108Aのうち視野ファセット222Cに当たる部分のみを図示する。しかしながら、視野ファセットミラー202の全体がEUV光源106Aを用いて照明される。
【0104】
瞳ファセットミラー204は、複数の瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fを担持する担持体又は本体228を含む。瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fのそれぞれは、光学有効面232、特にミラー面を有する。
図4では、瞳ファセット230Aの光学有効面232のみに参照符号を設けてある。光学有効面232は、EUV放射線108Aの反射に適している。光学有効面232は、瞳ファセット面と呼ぶことができる。
【0105】
異なる瞳間の切り替えのために、視野ファセット222Cを異なる瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230F間で切り替えることができる。特に、この目的で、瞳ファセット230C、230D、230Eは、視野ファセット222Cに割り当てられる。これには、視野ファセット222Cを傾斜させる必要がある。この傾斜は、25mrad~40mradだけ機械的に行われ、入射角が反射角に等しいという条件に従ってEUV放射線108が50mrad~80mrad偏向される。この角度指示は、半角に関するものであり、すなわち一方(左)の縁から他方(右)の縁までではなく中心から縁まで測定されたものである。
【0106】
視野ファセット222Cは、上述のように、アクチュエータ(図示せず)を用いて、例えばローレンツアクチュエータを用いて、複数の位置又は傾斜位置P1、P2、P3間で傾斜可能である。第1傾斜位置P1では、視野ファセット222Cは、中間焦点214を結像光ビーム234A(破線で示す)で瞳ファセット230Cに結像する。第2傾斜位置P2では、視野ファセット222Cは、中間焦点214を結像光ビーム234B(実線で示す)で瞳ファセット230Dに結像する。第3傾斜位置P3では、視野ファセット222Cは、中間焦点214を結像光ビーム234C(点線で示す)で瞳ファセット230Eに結像する。各瞳ファセット230C、230D、230Eは、視野ファセット222Cをフォトマスク120(ここには図示せず)に又はその付近に結像する。
【0107】
傾斜位置P1、P2、P3のそれぞれにおいて、結像光ビーム234A、234B、234Cは、各傾斜位置P1、P2、P3に割り当てられた瞳ファセット230C、230D、230Eの光学有効面232の一部に照射される。傾斜位置P1、P2、P3間を切り替えて瞳ファセット230C、230D、230Eの光学有効面232に照射する効果を、
図5及び
図6を参照して以下でより詳細に説明する。
【0108】
図5及び
図6は、
図4に示す光学装置200のさらに他の図解を示す。
図5及び
図6において、EUV光源106A、中間焦点214、視野ファセット222C、及び瞳ファセット230Dは、図解を容易にするために一列に示されている。しかしながら、実際には、
図2に示すように、これらは相互に対して特定の角度に配置される。
図5は、視野ファセット222Cを傾斜位置P2で示し、光学有効面226の曲率は変更されておらず、特に傾斜位置P2に適合されていない。
図5及び
図6に示すように、EUV光源106Aは、EUV放射線108Aを発生するプラズマ源236と、EUV放射線108Aを集束させるコレクタ238とを含む。中間焦点214及び瞳ファセット230Dは通常は円形である。瞳ファセット230Dは、六角形でもあり得る。
【0109】
視野ファセット222Cは、中間焦点214の像を結像光ビーム234Bで瞳ファセット230Dに投影する。しかしながら、瞳ファセット230Dの光学有効面232は、中間焦点214の像が完全に合焦する結像面240に正確に対応しない。その代わりに、
図5における瞳ファセット230Dの光学有効面232は、結像面240よりも視野ファセット222Cに近く、中間焦点214の像は結像光ビーム234Bで瞳ファセット230Dに合焦しない。瞳ファセット230Dの光学有効面232と結像面240との間には距離aがある。
【0110】
このデフォーカスにより、瞳充填度の低減が制限される。しかしながら、EUVリソグラフィ光学ユニットのさらなる高分解能化を達成するために、瞳充填度をさらに低減する必要がある。瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fの1つで中間焦点214のデフォーカス像がある場合、上記瞳ファセットを実際に必要であるよりも大きくしなければならず、その結果として、瞳ファセットミラー204のより大きな面積、すなわちより大きな照明面積が照明される。瞳ファセットミラー204の瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fの光学有効面232全体に対する(すなわち、EUVリソグラフィ装置100Aが最大限に対応できる面積に対する)照射面積の比を、「瞳充填度」と呼ぶ。通常は、それ以外は充填されている領域内の小さな非充填領域、特に瞳ファセットの面積よりも小さな領域が、瞳充填度の計算に同時に含まれる。
【0111】
この非合焦像は、結像光ビーム234Bを照射された面積242を特徴とし、
図7~
図9にハッチングで示す上記面積は、比較的大きい。これは、視野ファセット222Cの光学有効面226の曲率が最適化されていないことに起因する。
図7は、瞳ファセット230Dの光学有効面232の平面図を示す。光学有効面232は、実質的に円形又は六角形である。したがって、瞳ファセット230Dも好ましくは円形又は六角形である。瞳ファセット230Dの光学有効面232のうち結像光ビーム234Bを照射される面積242は、その大きさが光学有効面232自体に略対応する。したがって、照射面積242は、瞳ファセット230Dの光学有効面232の略全体に及ぶ。
【0112】
図6は、光学有効面226の曲率の変更後の傾斜位置P2にある視野ファセット222Cを示す。
図6において、光学有効面226の曲率は、光学有効面232と結像面240との間の距離aが減るように変えられている。
図6において、距離aは0であり、光学有効面232及び結像面240が相互に重なる。
図6では、中間焦点214の像は結像光ビーム234Bで瞳ファセット230Dに完全に合焦しており、照射面積242は、
図7の照射面積242に比べて、
図8に示すようにその大きさが大幅に減る。
【0113】
図8は、瞳ファセット230Dの光学有効面232のさらに別の平面図を示す。
図8に示すように、照射面積242は、視野ファセット222Cの光学有効面226の曲率の変更前の
図7に示す照射面積242に比べて大幅に減る。
【0114】
図9のさらに別の平面図に示すように、瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fのサイズを減らしてそれらをさらに緻密化する可能性がある。結果として、EUVリソグラフィ装置100Aの分解能を高めることができる。瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fの縮小された光学有効面232は、円形又は六角形である。ハッチングで示す照射面積242は、その大きさが
図8と同一だが、
図9に示す瞳ファセット230Dの光学有効面232の大部分を占める。したがって、視野ファセット222Cの光学有効面226の曲率の最適化により、瞳ファセット230のサイズを減らすことが可能となる。
【0115】
各瞳ファセット230C、230D、230Eへの集束を常に達成するために、且つ/又は先に説明したように照射面積242を減らすために、視野ファセット222Cの湾曲した光学有効面226の曲率をどのように変えるかを以下で説明する。同時に、以下で説明するように、熱外乱に耐えるのに十分なロバスト性を達成することができる。
【0116】
図10は、光学系300Aの一実施形態の概略図を示す。光学系300Aは、先に説明したような光学装置200の一部である。特に、光学装置200は、複数のかかる光学系300Aを含み得る。光学系300Aは、特に、先に説明したような視野ファセットミラー202の一部でもある。光学系300Aは、先に説明したような視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fである。したがって、光学系300Aは、視野ファセット、視野ファセットシステム、又は視野ファセットデバイスとも呼ぶことができる。光学系300Aは、視野ファセットシステムであることが好ましい。しかしながら、以下において、視野ファセットシステムを光学系300Aと呼ぶ。
【0117】
第1空間方向又はx方向x、第2空間方向又はy方向y、及び第3空間方向又はz方向zを有する座標系が、光学系300Aに割り当てられる。空間方向x、y、zは、相互に対して垂直に位置決めされる。x方向xは、幅方向とも称することができる。y方向yは、長さ方向又は長手方向とも称することができる。z方向zは、垂直方向又は厚さ方向とも称することができる。
【0118】
光学系300Aは、光学素子302を含む。光学素子302は、ミラー基板又は基板から作製される。基板は、特に銅、特に銅合金、鉄-ニッケル合金、例えばインバー等、シリコン、又は他の何らかの適当な材料を含み得る。基板は、光学素子302の機械的特性に関与する。
【0119】
光学系302は、本体304及びファセット部306を含む。ファセット部306は、ファセット又は光学ファセットとも称することができる。ファセット部306は、平面図で弧状に湾曲した又は三日月状の幾何学的形状を有することが好ましい。しかしながら、ファセット部306は、平面図で細長い矩形の幾何学的形状を有することもできる。本体304及びファセット部306は、一体的に、特に物質的に一体に具現される。この場合、「一体に」又は「一体的に」は、本体及びファセット部306が共通のコンポーネントを形成するものであり、異なるコンポーネント部品からなるものではないことを意味する。「物質的に一体に」は、本体304及びファセット部306が全体的に同じ材料から製造されることを意味する。
【0120】
光学有効面308が、光学素子302の、すなわちファセット部306の前面に設けられる。光学有効面308は、
図4に示す光学有効面226に相当する。光学有効面308は、ミラー面である。光学有効面308は、コーティングを用いて作ることができる。光学有効面308は、コーティングとして基板に塗布することができる。研磨層を、基板と光学有効面308との間に設けることができる。光学有効面302は、ミラーファセットであるか、又はそのように呼ぶことができる。
【0121】
光学有効面308又はファセット部306は、第1曲率半径K1を有する。第1曲率半径K1は、y方向y及びz方向zに広がる平面内の光学有効面308の曲率を示す。光学有効面308又はファセット部306は、第2曲率半径K2をさらに有し得る。第2曲率半径K2は、第1曲率半径K1に対して垂直な向きである。これにより、光学有効面308はトロイダル状となる。第2曲率半径K2は、x方向x及びz方向zに広がる平面内の光学有効面308の曲率を示す。
【0122】
動作中に、光学素子302はEUV放射線108Aに曝され、これが特にファセット部306へのかなりのエネルギー入力を引き起こす。光学素子302の基板としての銅の使用等、最大限の放熱を達成する措置にもかかわらず、22℃のシステム温度で最高80℃のファセット温度が生じ得る。すなわち、光学素子302、特にファセット部306は、非稼働システムに比べて動作中に最大で60K加熱される。光学素子302の温度上昇は、本体304と、光学有効面308を形成する光活性層を含むファセット部306との膨張につながる。したがって、ファセット部306を変形させる作動素子又はアクチュエータも温度変化にさらされる。
【0123】
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスに基づく作動素子、いわゆるピエゾ素子は、負の熱膨張係数を有する。これは、光学素子302の加熱が均一である場合は本体304に対するピエゾ素子の長さの変化につながり、したがってピエゾ素子の移動量の付随的な変化につながり得る。光学有効面308の所望の移動量を達成するために、対応する機械的伝達比と共にピエゾ素子の対応する移動量が必要である。この場合、光学有効面308の所望の移動量は、伝達比に起因するピエゾ素子の対応する移動量よりも大きい。例として基板として用いられる材料が銅であり、10Kの均一な温度変化がある場合、得られる移動量誤差は公称移動量の30%~40%、特に32%~38%、特に33%~37%、特に35%であり得る。上記例から、最大限の受動的温度補償が非常に望ましいことが明らかである。
【0124】
空隙310が、ファセット部306と本体304との間に設けられる。ファセット部306は、接続領域316、318を介してファセット部306に一体に、特に物質的に一体に接続された2つのレバーアーム312、314を有する。空隙310は、ファセット部306とレバーアーム312、314との間に延びる。接続領域316、318それぞれ、ファセット部306とレバーアーム312、314との間に設けられた断面狭窄部を構成する。
【0125】
レバーアーム312、314はさらに、継手部320、322を介して本体304に一体に、特に物質的に一体に接続される。継手部320、322は、いわゆるフレクシャとして具現される。この場合、「フレクシャ」は、曲げにより2つの剛体領域間の相対移動を可能にするコンポーネントの領域を意味すると理解されたい。継手部320、322は、弾性変形可能である。この場合、第1継手部320及び第2継手部322が設けられる。
【0126】
第1継手部320は、x方向xと平行に配置された軸周りでのみファセット部306の移動を可能にする。第2継手部322も同様に、x方向xと平行な軸周りのファセット部306の移動を可能にする。さらに、第2継手部322は、第1継手部320とは異なり、y方向yと平行な又はy方向yの移動も可能にする。この目的で、第2継手部322は、曲げ柔軟性があるように設計される。第2継手部322は、
図10に示す非撓み状態から第2継手部322がS字形に撓む撓み状態(図示せず)になることができる。第2継手部322の変形を用いて、ファセット部306の熱膨張の結果としてファセット部306にy方向yに働く拘束力を補償することができる。補償されなければ、y方向yのこれらの拘束力は、z方向zの、したがって意図される曲率変化の方向のファセット部306の湾曲をもたらし得る。
【0127】
本体304は、アーム部324、326を含む。アーム部324は、レバーアーム312に割り当てられる。アーム部324とレバーアーム312との間に空隙328が設けられる。アーム部326は、レバーアーム314に割り当てられる。アーム部326とレバーアーム314との間に空隙330が設けられる。
【0128】
光学系300Aは、作動素子332、334、336、338を含む。作動素子332、334、336、338は、アクチュエータと呼ぶこともできる。作動素子332、334、336、338は、ピエゾ作動素子又はピエゾアクチュエータである。しかしながら、任意の他のアクチュエータを作動素子332、334、336、338に用いることも可能である。温度センサ340、342、344、346が、各作動素子332、334、336、338に割り当てられる。温度センサ340、342、344、346を用いて、各作動素子332、334、336、338の温度を検出可能である。
【0129】
作動素子332、334、336、338は、対をなして配置される。この場合、作動素子332、334は、第1継手部320に割り当てられた第1作動素子対348を形成し、作動素子336、338は、第2継手部322に割り当てられた第2作動素子対350を形成する。各作動素子対348、350に、接続素子352、354が割り当てられる。第1接続素子352が、第1作動素子対348の作動素子332、334を相互に接続する。第2接続素子354が、第2作動素子対350の作動素子336、338を相互に接続する。第1作動素子対348及び第第1接続素子352は、本体304の第1切欠き部356に収容される。第2作動素子対350及び第2接続素子354は、本体304の第2切欠き部358に収容される。切欠き部356、358は、空隙328、330を介して空隙310に接続される。
【0130】
さらに、光学系300Aは、本体304の対応する切欠き部に位置決めすることができる温度センサ360、362、364、366を有する。さらに、光学系300Aは、変位測定センサ368、370を有することができ、これらを用いてファセット部306の変形を検出可能である。
【0131】
光学系300Aの機能を以下で説明する。ファセット部306は、ファセット部306の両端部に配置されたレバーアーム312、314、作動素子対348、350、及び各接続素子352、354を介して本体304に接続される。さらに、ファセット部306は、継手部320、322も介して本体304に接続される。ファセット部306を作動させるために、例えば
図10の向きでファセット部306の左側の作動素子334は、伸長されるように、すなわちz方向zに沿って制御される。
【0132】
図10の向きでは、作動素子332は、第1接続素子352を介して、下方向に、すなわちz方向zとは逆方向に、引っ張られる。同時に、作動素子332は、z方向zに収縮するように制御される。結果として、レバーアーム312も同様に、
図10の向きで下方向に引っ張られる。結果として、時計回りの向きの曲げモーメントB1がファセット部306に作用する。曲げモーメントB1は、z方向zと平行に配置された軸周りに作用する。
図10の向きでファセット部306の右側の作動素子336、338が、逆方向ではあるが同様に作動される場合、これによりファセット部306の全長にわたる光学有効面308の円筒状の変形につながる。作動素子336、338は、曲げモーメントB1とは逆向きの曲げモーメントB2をファセット部306に加える。
【0133】
光学系300Aの全てのコンポーネント部品が均一に加熱される場合、各作動素子対348、350の2つの作動素子332、334、336、338は、負の熱膨張係数により収縮する。しかしながら、作動素子332、334、336、338は対をなして配置されるので、この収縮は、
図10の向きで上向きに、すなわちz方向zに各接続素子352、354を変位させるだけである。接続素子352、354は本体304に接続されていないので、各レバーアーム312、314に対する力は発生しない。したがって、作動素子332、334、336、338の熱収縮にもかかわらず、ファセット部306は変形しない。
【0134】
本体304及びファセット部306の加熱が不均一な場合、本体304に対してファセット部306の温度が高いと、拘束力がファセット部306に水平に、すなわちy方向yに作用する。ファセット部306は平坦ではなく、通常はその上面及び下面に加工された曲率半径を有する。水平に働く拘束力の結果として、
図10の向きで下向きにファセット部306が曲がり、これが光学結像に関連する曲率半径K1、K2の変化につながり得る。曲げ柔軟性の第2継手部322は、ファセット部306の長手方向の膨張の補償を可能にするので、第2継手部322を用いてこの曲がりを防止することができる。
【0135】
両方の継手部320、322が、x方向xと平行な軸周りの回転に対する最小限の剛性を与えるように設計される。第1継手部320は、水平方向すなわちy方向yの力に対する最大限の剛性を有するよう設計される。これに対して、第2継手部322は、鉛直方向すなわちz方向zに第1継手部320よりも大幅に長いように設計される結果として、第2継手部322は、第1継手部320よりも水平方向の剛性が低い。ファセット部306及び本体304が異なる膨張を生じる場合、ファセット部306と本体304との間の長さの差は、第2継手部322のS字形の変形により補償される。水平方向の拘束力、したがってファセット部306の曲がりが大幅に低減される。
【0136】
光学系300Aへの入熱は、主にファセット部306を介して行われ、熱除去は、本体304のベースを介して行われる。したがって、不均一な温度分布が光学系300Aで発生する。光学系300Aにおける温度分布に応じて、上述の温度補償は部分的にのみ効果的であり得る。こうした理由で、光学系300Aにおける温度分布を温度センサ340、342、344、346、360、362、364、366により検出し、そこから外部の制御ユニット372により光学系300Aの変形状態を検出し、対応する補正信号を計算して、それを作動素子343、334、336、338に適用することが有利である。
【0137】
温度センサ340、342、344、346、360、362、364、366は、作動素子332、334、336、338それぞれの温度と、本体304及びレバーアーム312、314のかく乱効果に関連する領域の温度とを検出することが好ましい。温度センサ340、342、344、346、360、362、364、366の実施形態は、NTCセンサ(負の温度係数、NTC)、熱電対、白金センサ、又はサーモパイルであり得る。サーモパイルは、ファセット部306の被接触温度測定を用いて本体304に測定素子を位置決めすることを可能にする。
【0138】
代替として又は追加として、ファセット部306の実際の変形は、変位測定センサ368、370を用いて検出することができ、外部の制御ユニット372を用いてそこから作動素子332、334、336、338に対する補正信号を計算することができる。この手順は、例えば作動素子332、334、336、338のヒステリシス、作動素子332、334、336、338及び接続素子352、354の機械的ドリフト効果及びクリープ効果、又は制御ユニット372の電気的ドリフト等のさらなる誤りを検出して補償することができるという利点がある。
【0139】
変位測定センサ368、370が設けられる場合、ファセット部306の外縁から同じ距離に少なくとも2つの変位測定センサ368、370を配置することが有利である。さらに、できる限り温度変化の影響を受けない変位測定システムの選択が有利である。変位測定は、ファセット部306と本体304との間の距離の変化により直接、又はファセット部306又はレバーアーム312、314の伸長により行うことができる。
【0140】
直接変位測定センサ368、370の有利な実施形態は、構造空間が厳しく制限されていることにより静電容量センサ又はインダクティブセンサであり得る。最低限の温度感度に関しては、共焦点光学式センサの使用が有利である。最大限の誤差補償に関しては、変位測定及び温度測定からの補正信号を考慮した閉制御ループでの作動素子332、334、336、338の使用が有利である。
【0141】
図11は、光学系300Bのさらに別の実施形態の概略図を示す。光学系300Bの構造及び機能は、光学系300Aのものに実質的に対応する。光学系300A、300B間の相違点のみを以下で述べる。
【0142】
光学系300Bにおいて、鉛直方向に占めなければならない設置空間を小さくするために、作動素子332、334、336、338は、鉛直ではなく水平に置かれる。さらに、レバーアーム312、314は、ファセット部306の側方に設けられる。レバーアーム312、314は、本体304、特にアーム部324、326、及び結合部378、380に、継手部320、322、374、376を用いて接続される。作動素子332、336は、結合部378、380に取り付けられる。継手部320、322、374、376は、フレクシャとして具現されることが好ましい。
【0143】
水平方向のファセット部306の前述の長さ補償の機能は、光学系300Bのこの例示的な実施形態には存在せず、運動学的に可能でもない。温度センサ340、342、344、346、360、362、364、366及び変位測定センサ368、370は、
図10に示す光学系300Aと同様に配置される。
【0144】
図12は、光学系300Cのさらに別の実施形態の概略図を示す。光学系300Cの構造及び機能は、光学系300Aのものに実質的に対応する。光学系300A、300C間の相違点のみを以下で述べる。
【0145】
光学系300Aとは異なり、光学系300Cは、鉛直に配置された作動素子対348、350を備えておらず、鉛直ではなく水平に配置された個々の作動素子332、336を備える。さらに、作動素子332、336は、せん断作動素子として、特にせん断ピエゾアクチュエータとして設計される。これは、作動素子332、336が通電時に長さを変えず、
図12に矢印で示すように曲がるのに適していることを意味する。
【0146】
ファセット部306は、前述のようにレバーアーム312、314及び継手部320、322を介して本体304に結合される。この場合、第2継手部322は、光学系300Aを参照して説明したように、ファセット部306の熱による長さ変化の補償を可能にする。すなわち、ファセット部306及び本体304が異なる膨張を生じた場合、ここでも第2継手部322のS字変形により長さの差が補償される。
【0147】
作動素子332、336は、デカップリング継手382、384を介してレバーアーム312、314に作用可能に接続される。各デカップリング継手382、384は、2つの相互接続された板ばねを含み、これらは水平方向に、すなわちy方向yに曲げ柔軟性があり、したがって実際にはy方向yに力を伝達することが不可能又は事実上不可能でもある。しかしながら、ファセット部306を変形させるために、鉛直方向の、すなわちz方向zの力伝達は可能である。デカップリング継手382、384は、熱的な分離ももたらす。したがって、デカップリング継手382、384は熱的デカップリングと称することもできる。
【0148】
せん断ピエゾアクチュエータの使用は、光学系300Cの全てのコンポーネント部品の温度変化が均一な場合の移動量誤差の補償に有利である。このタイプの駆動では、熱膨張はその有効面に対して垂直に起こる。したがって、有効運動と付随的運動とを相互に切り離すことができる。
【0149】
ファセット部306を作動させるために、例えば
図12の向きで左側に配置された作動素子332は、
図12の向きでデカップリング継手382に向いている端部が下向きに、すなわちz方向zとは逆に動くように制御される。この動きは、デカップリング継手382を介して下向きの力としてレバーアーム312に伝達される。結果として、レバーアーム312も同様に押し下げられて、先に説明した曲げモーメントのような時計回りの向きの曲げモーメントB1をファセット部306に加える。
図12の向きで右側の作動素子336を同期して作動させた場合、これは、ファセット部306の全長にわたるファセット部306の円筒状の変形につながる。
【0150】
全てのコンポーネント部品が均一又は不均一に加熱される場合、2つの作動素子332、336は、それらの負の熱膨張係数により収縮する。しかしながら、これは、対応する作動素子332、336の有効方向に対して垂直に、すなわちy方向yに起こる。しかしながら、デカップリング継手382、384が設けられるので、レバーアーム312、314に作用する力は発生しない。よって、ファセット部306の変形もない。したがって、光学系300Cも温度変化の影響を受けない。
【0151】
光学系300Cについても、複数の温度センサ340、344、360、362を用いて光学系300Cの温度分布を検出し、そこから先に説明した外部の制御ユニット372によりファセット部306の変形状態を検出し、対応する補正信号を計算して、それを作動素子332、336に適用することが有利である。変位測定センサ368、370は、光学系300Aと同様に配置される。
【0152】
図13は、光学系300Dのさらに別の実施形態の概略図を示す。光学系300Dの構造及び機能は、光学系300Cのものに実質的に対応する。光学系300C、300C間の相違点のみを以下で述べる。
【0153】
光学系300Cとは異なり、光学系300Dでは、作動素子332、336は水平ではなく鉛直に配置される。作動素子332、336は、せん断作動素子として、特にせん断ピエゾアクチュエータとして設計される。作動素子332、336は、結合部378、380を用いてレバーアーム312、314に作用可能に接続される。結合部378、380は、水平方向の、すなわちy方向yの力伝達のみを許すことが好ましい。水平方向のファセット部306の先に説明した長さ補償の機能は、光学系300Dのこの例示的な実施形態では与えられず、運動学的に可能でもない。温度センサ340、344、360、362及び変位測定センサ368、370は、光学系300Cと同様に配置される。
【0154】
図10~
図13は、ファセット部306の、したがって光学有効面308の曲率をファセット部306の長さにわたって一定の曲率半径で設定できるのが有利である光学系300A、300B、300C、300Dの実施形態を示す。光学系300A、300B、300C、300Dのこれらの実施形態において、運動学的配置は、ファセット部306の長さにわたる曲率半径K1、K2の目標値からの偏差をできる限り小さくするように最適化される。この目的で、大きさが等しいが回転方向が逆である各曲げモーメントB1、B2がファセット部306の各端部に導入される。
【0155】
しかしながら、光学系300A、300B、300C、300Dの特定の用途では、ファセット部306の長さ部分毎に相互に独立した異なる曲率半径を設定することが有利であり得る。これは、例えば、光学有効面308の作製中の不正確又は誤差を補償することができるようにするために必要であり得る。ファセット部306は、比較的薄く具現される。結果として、光学有効面308の研磨の際、研磨プロセス中にファセット部306に作用する力は、研磨プロセスの精度に影響を及ぼすファセット部306の変形をもたらし得る。これにより、円筒状又は円環状の目標輪郭と実際に作製された実際の輪郭との間に波状の偏差が生じ得る。
【0156】
図14は、光学系300Eのさらに別の実施形態の概略図を示す。光学系300A、300E間の相違点のみを以下で述べる。
【0157】
光学系300Eは、作動素子332、334、336、338を含み、これらは光学系300Aとは異なり、せん断作動素子として、特にせん断ピエゾアクチュエータとして具現される。
図14の向きでは、これらの作動素子332、334、336、338は、それぞれ矢印を用いて示すように上下に湾曲し得る。作動素子332、334、336、338は、y方向yに見ると前後に又は左右に並べて配置される。
【0158】
レバーアーム386、388、390、392が、各作動素子332、334、336、338に割り当てられる。各レバーアーム386、388、390、392は、レバーアーム386に基づいて示すように、2つの継手部394、396を用いて、第1に本体304に接続され、第2にファセット部306に接続される。継手部394、396は、各レバーアーム386、388、390、392の端部側にそれぞれ設けられる。継手部394、396はフレクシャである。
【0159】
デカップリング継手398、400、402、404を介して、作動素子332、334、336、338は、レバーアーム386、388、390、392に作用可能に接続される。この場合、デカップリング継手398、400、402、404の機能は、先に説明したデカップリング継手382、384の機能に対応する。変位測定センサ406、408、410、412が、各レバーアーム386、388、390、392に割り当てられる。
【0160】
光学系300Eの機能を以下で説明する。作動素子332、334、336、338が例えば
図14の向きで下方に撓むことにより、各レバーアーム386、388、390、392を介してファセット部306に対してかかる下向きの引張力が強化される。ファセット部306は、継手部320、322により本体304に対して支持される。各作動素子332、334、336、338により設定され得る力は、ファセット部306の曲率の変化をもたらす。
【0161】
作動素子332、334、336、338の様々な制御により、ファセット部306の多重曲率を設定することができる。光学系300Aの場合のように、第2継手部322及びデカップリング継手398、400、402、404により熱影響が補償される。温度センサ340、342、344、346、360、362は、同様に配置される。有利なのは、局所変形を求めるために各作動素子332、334、336、338が変位測定センサ406、408、410、412に割り当てられることである。
【0162】
図15は、光学系300Fのさらに別の実施形態の概略図を示す。光学系300E、300C間の相違点のみを以下で述べる。
【0163】
光学系300Fは、せん断作動素子としてではなくリニア作動素子として具現される作動素子332、334、336、338を含む。すなわち、作動素子332、334、336、338は、それらの長手方向に、すなわちy方向yに伸縮し得る。光学系300Eの場合のように、レバーアーム386、388、390、392が各作動素子332、334、336、338に割り当てられ、それぞれが継手部394を用いて本体304に動作可能に接続されると共に継手部396を用いてファセット部306に作用可能に接続される。作動素子332、334、336、338は、レバーアーム386、388、390、392に引張力又は圧縮力をかけることができる。
【0164】
対応するレバーアーム386、388、390、392により、各作動素子332、334、336、338の長さの変化がファセット部306に対する鉛直方向の、すなわちz方向zの及びz方向zとは逆の引張力又は圧縮力に変換される。ここでも、作動素子332、334、336、338の様々な制御により、ファセット部306の多重曲率を設定することができる。光学系300Eの場合のような熱干渉効果の補償は、ここでは不可能である。温度センサ360、362及び変位測定センサ406、408、410は、
図14に示す光学素子300Eの実施形態に従って配置される。光学素子300Eを参照してすでに説明したように、温度センサ(図示せず)を、作動素子332、334、336、338にも割り当てることができる。
【0165】
図16は、光学系300Gのさらに別の実施形態の概略図を示す。光学系300F、300G間の相違点のみを以下で述べる。
【0166】
光学系300Gは、光学系300Fに対応するが、光学系300Gの場合、継手部320、322がファセット部306の周縁に設けられるのではなく、継手部320、322がy方向yに見ると内側にずれている点が異なる。光学系300Gも同様に、温度センサ及び変位測定センサ(図示せず)を有する。
【0167】
図17は、光学系300Hのさらに別の実施形態の概略図を示す。光学系300G、300H間の相違点のみを以下で述べる。
【0168】
光学系300Gとは異なり、光学系300Hは、4つではなく2つの作動素子332、334のみを有する。さらに、継手部320、322は、ファセット部306の周縁に設けられる。光学系300Hも同様に、温度センサ及び変位測定センサ(図示せず)を有する。
【0169】
光学系300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300Hの上記実施形態の全てについて、本体304及びファセット部306は、物質的に一体に又はモノリシックに、すなわちさらなる接合点なしで1つの原材料から製造することができる。したがって、光学系300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300Hのこれらの実施形態では、例えば継手部320、322、及びファセット部306等のキネマティクスに同じ材料を用いることが可能である。銅、シリコン、炭化ケイ素(SiSiC)、又はコーディエライトが材料として好適である。
【0170】
代替として、本体304及びファセット部306を別個の方法で製造し、これらの部品を適当な接合方法により継手部320、322等で相互に接続することが可能である。両方のコンポーネントに対する機能要件が異なることから、異なる製造プロセスが有利なので、これは特に有利である。例として、ファセット部306に対する1つの要件は、最小限の固有応力である。これは、特にフライス加工又は侵食とその後の熱処理とにより達成することができる。例として、本体304に対する1つの要件は、例えばレバーアーム312、314又は継手部320、322に必要であるような微細構造をできる限り正確に作製することである。上記構造は、侵食、エッチング、又は積層造形と異なる熱処理とにより得ることができるのが有利である。
【0171】
したがって、上記の場合、本体304とファセット部306とを例えば継手部320、322で接続する方法が必要である。ファセット部306は、例えば溶接、オプティカルコンタクト接合、はんだ付け、接着結合、拡散溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、又は反応性結合により本体304に接続することができる。継手部320、322での接続のこれらの実施形態では、接合点の固有応力又は変形が光学有効面308に残されてその光学特性を悪化させる可能性がある。接続成立後の光学有効面308の表面欠陥の補正が、この目的で有利である。これは、機械的、電気化学的、又は電子ビーム光学的な方法により行うことができる。
【0172】
光学系300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300Hの上記実施形態の全てで、ピエゾ作動素子又はピエゾアクチュエータが作動素子332、334、336、338として提案される。しかしながら、代替として、ファセット部306を磁気、磁歪、空気圧、又は油圧駆動により作動させることもできる。しかしながら、ピエゾアクチュエータの力/設置空間比が非常に良好なので、ピエゾアクチュエータの使用が特に有利である。すなわち、利用可能な非常に限られた設置空間の範囲内で、光学有効面308の大きな変形を達成することができる。さらなる利点として、ピエゾアクチュエータのサイズが小さいので、ファセット部306の幅を非常に狭くなるよう選択することができる。結果として、作動可能なファセット部306、したがって光チャネルを有する多数の光学系300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300Hを、ビーム整形・照明系102に配置することができる。これは、ビーム整形・照明系102の光学性能に有利である。
【0173】
さらに別の利点は、上述のように、ピエゾアクチュエータの形態の作動素子332、334、336、338のサイズが小さいことにより、熱干渉効果を補償するようにこれらを配置できることである。さらに、他のアクチュエータとは異なり、ピエゾアクチュエータは、定常状態又は準定常状態の動作中に電力をほとんど必要としない。高い内部抵抗により、ピエゾアクチュエータが位置を保持するのに必要とする電力は無視できる程度に小さく、主に外部配線により決まる。ピエゾアクチュエータは、電源の切断後にその位置を維持することができる。これは、消費電力、したがって自己発熱を減らし、上述の熱的に誘起された誤差を減らすのに適している。
【0174】
図18~
図20は、ファセット部306の実施形態の大幅に簡略化した概略図を示す。
図18は、ファセット部306の側面図を示す。
図19は、ファセット部306の平面図を示す。
図20は、ファセット部306の正面図を示す。簡略化すると、光学系300A、300B、300C、300D、300E、300F、300G、300Hは、ファセット部306を形成し且つ両側を支持されて曲げモーメントB1、B2が両側に導入される曲がり梁の運動原理に基づく。
図18は、ファセット部306の形態の曲がり梁を、実線で示す非変形状態と破線で示す変形状態とで示す。変形状態では、ファセット部を参照符号306’で示す。
【0175】
可能な実施形態によれば、y方向y(ファセット部306の長軸)に直線状のファセット部306は、直線状の曲がり梁に相当する。ファセット部306は、いずれもy方向yに見た場合に一定である幅b及び高さhを有する。均質な断面Qを有するかかるファセット部306は、逆向きの曲げモーメントB1、B2が両側に導入された場合にy方向y及びz方向zに広がる平面でのみ変形する。結果として、光学有効面308の面法線又は法線ベクトルNが、ファセット部306上のそのy方向yの位置に応じて、x方向x(ファセット部306の短軸)周りにのみ回転する。
【0176】
図21~
図24は、ファセット部306のさらに別の実施形態の大幅に簡略化した概略図を示す。
図21は、ファセット部306の側面図を示す。
図22は、ファセット部306の平面図を示す。
図23は、
図21の断面線A-Aに従ったファセット部306の断面図を示す。
図24は、
図21の断面線B-Bに従ったファセット部306の断面図を示す。特定の用途では、ファセット部306に平面図で三日月状又は弧状の形態を与えることが有利であり得る。この場合、ファセット部306は湾曲した曲がり梁に相当する。ここでも、ファセット部306は均質な断面Qを有する。
【0177】
上述のような逆向きの曲げモーメントB1、B2がこのような三日月状のファセット部306に導入された場合、このファセット部306も、y方向y及びz方向zに広がる平面内で主に変形する。しかしながら、さらに、ファセット部306は、y方向yに捩れもする。この捩れは、ファセット部306の両端部で0、ファセット部306の中央で最大である。
【0178】
結果として、光学有効面308の法線ベクトルNは、x方向x周り且つy方向y周りに回転する。y方向y周りの回転は、
図24に示すようにファセット部306の中央で最大である。これに対して、x方向x周りの回転は、ファセット部306の中央で0、ファセット部306の両端部で最大である。両方の回転が、幾何学的に決定された相互に対して固定の関係を有する。
【0179】
図25~
図28は、ファセット部306のさらに別の実施形態の大幅に簡略化した概略図を示す。
図25に示す平面図において、ファセット部306又は光学有効面308は弧状又は三日月状に湾曲している。
図26は、
図25の断面線C-Cに従ったファセット部306の断面図を示す。
図27は、
図25の断面線D-Dに従ったファセット部306の断面図を示す。
図28は、
図25の断面線E-Eに従ったファセット部306の断面図を示す。具体的な用途では、y方向y周りの法線ベクトルNの回転を最小化することが有利である。
【0180】
これは、ファセット部306の剛性の意図的な変更により達成することができる。この場合、「剛性」は、力又はモーメントに起因する弾性変形に対するファセット部306又は概ね本体の抵抗力を意味すると理解されたい。特に、「剛性」は、ファセット部306の捩り剛性、すなわちファセット部306を捻るか又はファセット部に捩りを加える捩りモーメントに耐える剛性を意味すると理解されたい。コンポーネントの剛性は、第1に材料の弾性特性、例えばヤング率等、第2に変形したコンポーネントの幾何学的形状に応じて変わる。
【0181】
したがって、ファセット部306の剛性は、ファセット部306に用いる材料のヤング率の変化により変えることができる。上述のヤング率の変化は、2つ以上の異なる材料からなるモノリシックに製造されたベース体の使用により得ることができる。上記ベース体はファセット部306を形成するか、又はファセット部306はベース体から製造される。ベース体は、本体304も含み得る。このようなベース体は、溶接、めっき、又は好ましくは積層造形、特に3Dプリンティングにより、異なる金属粉末から製造することができる。特に積層造形法により、2つの異なる材料間、例えば銅及び鋼鉄間で連続的に移行するハイブリッドコンポーネントを製造することができる。したがって、ファセット部306は、特に鋼鉄及び銅からなるハイブリッド構成を有し得る。
【0182】
しかしながら、特に好ましくは、ファセット部306の幾何学的形状、特に断面Qを変化させる。しかしながら、ヤング率及び断面Qの両方を変える可能性もある。有利な実施形態によれば、ファセット部306は、その上面、すなわち光学有効面308の幅b1が一定又は可変である台形の断面Qを含む。その下面の幅b2も可変だが、ファセット部306の全ての点で上面よりも狭いことが有利である。断面Qの高さhも同様に可変に選択することができる。
【0183】
一定の断面Qの場合、ファセット部306のx方向x及びy方向yに関する極断面係数は、ファセット部306の全長にわたって一定である。「極断面係数」は、荷重時の内部応力の発生に対する、ファセット部306又はより一般的な表現では梁による抵抗力の測度である。先に説明したような可変の断面Qでは、極断面係数に目標通りに影響を及ぼすことができる。この方法は、台形の断面Qのみに限定されるのではなく、少なくとも2つの可変の断面パラメータ、例えば幅及び高さ等を有するいかなる断面にも適用可能である。矩形、三角形、半楕円、角を切り落とした矩形、又は他のより複雑な断面Qが例えば考えられる。
【0184】
ファセット部306は、第1端部領域414及び第2端部領域416を含む。曲げモーメントB1、B2が、端部領域414、416に導入される。対称面E1が端部領域414、416間の中央に設けられ、これに対してファセット部306が鏡面対称構造を有する。
図27に示す断面は、対称面E1に配置される。対称面E1は、x方向x及びz方向zに広がるものであるか、又はx方向x及びz方向zに広がる平面と平行に配置される。
【0185】
ファセット部306は、長手方向L1、L2を有する。長手方向L1、L2は、対応する端部領域414、416から対称面E1の方向にそれぞれが向いている。この場合、長手方向L1、L2は、それぞれが弧状に湾曲したプロファイルを有する。例として、ファセット部306の剛性は、長手方向L1、L2に沿って見ると、端部領域414、416から対称面E1の方向に向かうほど減少する。
【0186】
例として、これは、断面Q又は断面Qの断面積が対称面E1で最小であり端部領域414、416に向かって増加することにより達成することができる。しかしながら、剛性のプロファイル又は勾配、すなわち各長手方向L1、L2に沿った剛性のプロファイルは、対称面E1に対して対称である。すなわち、
図25に示す断面線D-Dに従った断面Qは、断面線C-C及びE-Eに従った断面Qよりも小さい。極断面係数についても同様である。
【0187】
図29は、断面Qの特定の変化に対するファセット部306の長さにわたる法線ベクトルNの誤差プロファイルを示す。この場合、mmのy方向yを横軸にとる。μradの誤差角θを縦軸にとる。例として、全体的に幅b及び高さhが4mmである矩形の断面Qを有する長さ90mmのファセット部306について考える(
図24)。
【0188】
曲線418は、y方向y及びz方向zに広がる平面E2における法線ベクトルNの傾きを表す。曲線420は、x方向x及びz方向zに広がる平面における法線ベクトルNの傾きを表す。曲線422は、曲線418、420から得られる法線ベクトルNの傾きを示す。曲線422から明らかなように、合成法線ベクトルNの誤差角θは5μrad~19μradで変わる。
【0189】
図29とは異なり、
図30は、高さh(
図26)が可変、断面Qの上面の幅b1(
図26)が一定、下面の幅b2(
図26)が可変である、長さ80mmのファセット部306の法線ベクトルMの誤差プロファイルを示す。上記方法に従って選択された特定の可変の断面Qでは、曲線424に基づいて示すように、合成法線ベクトルNの合成誤差を完全に排除することができる。すなわち、ファセット部306の変形が、y方向y及びz方向zに広がる平面E2でしか生じない。平面E2は、対称面E1に対して垂直な向きである。
【0190】
次に
図4に戻ると、光学装置200は、
図4に側面図(左)及び平面図(右)で示す測定ユニット244をさらに備える。測定ユニット244の機能を以下で説明する。ピエゾアクチュエータは、それ自体のクリープ挙動に起因して上記測定システムにより記録することができない形態の様々な長期的なクリープ効果及びドリフト効果を示し得る。
【0191】
このような効果は、例えば、各作動素子332、334、336、338と本体304との間の接着接続の応力緩和に起因するクリープ、電荷損失による作動素子332、334、336、338のドリフト、電荷増幅器のドリフト、及び/又はファセット部306又は本体304の材料クリープであり得る。これらのクリープ効果は、制御により指定された目標曲率からの実際の曲率の偏差につながる可能性があり、クリープ効果及びクリープ速度に応じて数時間、数日間、又は数週間にわたり起こり得る。
【0192】
測定ユニット244は、これらの効果を測定して補正信号を得ることが有利である。ビーム経路216のEUV放射線108Aは、変更可能な曲率を有する枢動可能な視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fに入射する。切替位置に応じて、これらは、EUV放射線を異なる瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fへ反射する。
図4に示す装置は、瞳ファセットミラー204とは無関係の測定ユニット244を含む。
【0193】
視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fの曲率を測定するために、視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fの1つ、例えば視野ファセット222Cを、そこで反射したEUV放射線108が測定ユニット244に入射するように傾斜させる。続いて、測定ユニット244は、光点のサイズを好ましくは複数の空間方向で、特に長さ及び幅で検出する。ファセット曲率に関する作動素子332、334、336、338に対する補正信号が、制御ユニット(図示)により光点のサイズから計算される。閉ループを用いて、光点を最小サイズに調整し、したがって反復最適化により最良の合焦を設定することがここで可能である。この較正は、全ての視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fで順次実施され、クリープ効果及びクリープ速度に応じて数時間、数日間、又は数週間にわたり各視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fについて実施することができる。
【0194】
例として、測定ユニット244は、CCD(電荷結合素子)センサとして設計することができる。一実施形態において、瞳ファセットミラー204の瞳ファセット230A、230B、230C、230D、230E、230Fは円形の領域に配置される。この場合、測定ユニット244をこの領域の中心に配置することで、測定ユニット244を照明する視野ファセット222A、222B、222C、222D、222E、222Fの切替角の変化が最大限に減り、全ての視野ファセットから測定ユニットへの光の入射角ができる限り急峻に実現されるので、この配置が有利である。代替として、測定ユニット244は、
図4に示すように独立して瞳ファセットミラー204の隣に配置することができるか、又は(図示しないが)瞳ファセットミラー204の縁に配置することができる。
【0195】
本発明は、例示的な実施形態を参照して説明したが、多様な方法で変更可能である。
【符号の説明】
【0196】
100A EUVリソグラフィ装置
100B DUVリソグラフィ装置
102 ビーム整形・照明系
104 投影系
106A EUV光源
106B DUV光源
108A EUV放射線
108B DUV放射線
110 ミラー
112 ミラー
114 ミラー
116 ミラー
118 ミラー
120 フォトマスク
122 ミラー
124 ウェーハ
126 光軸
128 レンズ素子
130 ミラー
132 媒体
200 光学装置
202 ミラー/視野ファセットミラー
204 ミラー/瞳ファセットミラー
206 ミラー
208 ミラー
210 偏向ミラー
212 ハウジング
214 中間焦点
216 ビーム経路
218 物体面
220 物体視野
222 ファセット/視野ファセット
222A 視野ファセット
222B 視野ファセット
222C 視野ファセット
222D 視野ファセット
222E 視野ファセット
222F 視野ファセット
224 本体
226 光学有効面
228 本体
230A 瞳ファセット
230B 瞳ファセット
230C 瞳ファセット
230D 瞳ファセット
230E 瞳ファセット
230F 瞳ファセット
232 光学有効面
234A 結像光ビーム
234B 結像光ビーム
234C 結像光ビーム
236 プラズマ源
238 コレクタ
240 結像面
242 面積
244 測定ユニット
300A 光学系/視野ファセットシステム
300B 光学系/視野ファセットシステム
300C 光学系/視野ファセットシステム
300D 光学系/視野ファセットシステム
300E 光学系/視野ファセットシステム
300F 光学系/視野ファセットシステム
300G 光学系/視野ファセットシステム
300H 光学系/視野ファセットシステム
302 光学素子
304 本体
306 ファセット部
306’ ファセット部
308 光学有効面
310 空隙
312 レバーアーム
314 レバーアーム
316 接続領域
318 接続領域
320 継手部
322 継手部
324 アーム部
326 アーム部
328 空隙
330 空隙
332 作動素子
334 作動素子
336 作動素子
338 作動素子
340 温度センサ
342 温度センサ
344 温度センサ
346 温度センサ
348 作動素子対
350 作動素子対
352 接続素子
354 接続素子
356 切欠き部
358 切欠き部
360 温度センサ
362 温度センサ
364 温度センサ
366 温度センサ
368 変位測定センサ
370 変位測定センサ
372 制御ユニット
374 継手部
376 継手部
378 結合部
380 結合部
382 デカップリング継手
384 デカップリング継手
386 レバーアーム
388 レバーアーム
390 レバーアーム
392 レバーアーム
304 継手部
306 継手部
398 デカップリング継手
400 デカップリング継手
402 デカップリング継手
404 デカップリング継手
406 変位測定センサ
408 変位測定センサ
410 変位測定センサ
412 変位測定センサ
414 端部領域
416 端部領域
418 曲線
420 曲線
422 曲線
424 曲線
b 幅
b1 幅
b2 幅
B1 曲げモーメント
B2 曲げモーメント
E1 対称面
E2 平面
h 高さ
K1 曲率半径
K2 曲率半径
L1 長手方向
L2 長手方向
M1 ミラー
M2 ミラー
M3 ミラー
M4 ミラー
M5 ミラー
M6 ミラー
N 法線ベクトル
P1 傾斜位置
P2 傾斜位置
P3 傾斜位置
Q 断面
x x方向
y y方向
z z方向
θ 誤差角
【国際調査報告】