(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20231122BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20231122BHJP
【FI】
B32B27/00 M
C09J7/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527466
(86)(22)【出願日】2022-02-21
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 KR2022002495
(87)【国際公開番号】W WO2022182076
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0025029
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、フイ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン チェオル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、イン フワン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サ ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジン ホ
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
【Fターム(参考)】
4F100AK42A
4F100AK49B
4F100AK52D
4F100AT00A
4F100AT00B
4F100BA04
4F100CB05C
4F100DC13
4F100DC13B
4F100DC13C
4F100DD05A
4F100GB41
4F100JA03B
4F100JG04D
4F100JK06
4F100JK07B
4F100JK08B
4F100JL13C
4F100JL14D
4F100YY00B
4F100YY00D
4J004DB02
4J004EA05
4J004FA08
(57)【要約】
【要約】
本出願は、フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法に関し、本発明の一態様によれば、ハーフカット時に離型フィルムから保護フィルム方向にカットし、後で離型フィルムを置き換える方法でフォルダブルバックプレートフィルムを製造することによって、ハーフ裁断工程を改善して、離型フィルムの剥離時にフォルダブルバックプレートが脱離しないフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと、前記基材フィルムの一面に設けられた粘着層と、を含むフォルダブルバックプレートを準備する段階と、
前記粘着層の前記基材フィルムと接する面の反対面に第1離型フィルムを貼り付ける段階と、
前記基材フィルムの前記粘着層が接する面の反対面に保護フィルムを貼り付ける段階と、
前記フォルダブルバックプレートを本体部とパッド部とに区切る裁断ラインに沿って前記第1離型フィルムから保護フィルム方向にハーフカットする段階と、
前記ハーフカットする段階後、第1離型フィルムを剥離する段階と、
第1離型フィルム剥離位置に非カットの第2離型フィルムを貼り付けて、フォルダブルバックプレートフィルムを製造する段階と、を含む、フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項2】
ハーフカットした状態で、
第1離型フィルム、基材フィルムおよび粘着層は、裁断ラインに沿って貫通した貫通領域を含み、
前記保護フィルムは、裁断ラインに沿って溝が形成された、請求項1に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記フォルダブルバックプレートフィルムは、第2離型フィルム、粘着層、基材フィルムおよび保護フィルムが順に積層された構造を有し、
前記第2離型フィルムは、貫通領域および溝が形成されておらず、
前記粘着層および基材フィルムは、裁断ラインに沿って貫通領域を含み、前記保護フィルムは、裁断ラインに沿って溝を含む、請求項1または2に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記基材フィルムの20℃での破断伸び率(elongation at break)が20%以上200%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項5】
前記基材フィルムの200℃での熱収縮率が0.1%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項6】
前記基材フィルムは、ポリイミド基材フィルムである、請求項1から5のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項7】
前記基材フィルムの厚さは、20μm以上120μm以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項8】
第1離型フィルムの前記粘着層からの剥離力は、23℃で12gf/inch以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項9】
前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、シリコーン系である、請求項1から8のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項10】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、500V以下の条件で10
10Ω/sq以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【請求項11】
前記保護フィルムは、裁断ラインに沿って溝が形成された、請求項1から10のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法に関する。
【0002】
本出願は、2021年2月24日付けの韓国特許出願第10-2021-0025029号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ディスプレイ関連技術の発達に伴い、折りたたんだり、ロール(Roll)形状に巻いたり、ゴムひものように伸ばすなど、使用段階で変形可能なディスプレイ装置が研究および開発されている。
【0004】
変形可能なディスプレイ装置は、あらかじめ設定された形態に変形することができるだけでなく、ユーザの要求に応じて、または、ディスプレイ装置が使用される状況の必要に応じて多様な形態に変形することができる。したがって、ディスプレイの変形した形態を認識し、認識した形態に対応してディスプレイ装置を制御する必要がある。
【0005】
一方、変形可能なディスプレイ装置は、変形によってディスプレイ装置の各構成が損傷する問題があるので、このようなディスプレイ装置の各構成は、フォールディング(Folding)信頼性および安定性を満たさなければならない。
【0006】
特に、最近では、ディスプレイの薄膜化のためにフレキシブル(Flexible)基板が主に使用されており、フレキシブル基板が使用された表示パネルは、非常に薄いため、表示パネルを支持できるフォルダブルバックプレートフィルムをフレキシブル基板の下部に貼り付けて使用している。
【0007】
図1は、従来のフォルダブルバックプレートフィルムを示す垂直断面図であり、
図2は、従来のフォルダブルバックプレートフィルムの平面図であり、
図3は、従来のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を例示的に説明する図である。
【0008】
従来のフォルダブルバックプレートフィルムは、離型フィルム1/粘着層2/フォルダブルバックプレート3/保護フィルム4の構造を有し、フォルダブルバックプレートフィルムの製造工程は、パネルの画面部に付着する本体部S1と、DIボンディングをする下端部に付着するパッド部S3とで構成されるように、裁断ラインS2に沿ってフォルダブルバックプレートフィルムを2ピースセルサイズに裁断する裁断過程を行う。
【0009】
図1を参照すると、従来の裁断過程は、フォルダブルバックプレート3から離型フィルム1方向にハーフカットを行った後、保護フィルム4を貼り付ける方式で進行された。このように従来のハーフカットで製造されたフォルダブルバックプレートフィルムは、離型フィルムに溝H1が形成される。
【0010】
しかしながら、このような裁断過程を経て製造されたフォルダブルバックプレートフィルムは、離型フィルムの剥離工程時に、フォルダブルバックプレートの本体部またはパッド部が付いてくる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本出願は、ハーフカット工程を改善して、離型フィルムの剥離工程時にバックプレートが付いてくる問題を防止できるフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本出願の一実施様態によれば、基材フィルムと、前記基材フィルムの一面に設けられた粘着層と、を含むフォルダブルバックプレートを準備する段階と、前記粘着層の前記基材フィルムと接する面の反対面に第1離型フィルムを貼り付ける段階と、前記基材フィルムの前記粘着層が接する面の反対面に保護フィルムを貼り付ける段階と、前記フォルダブルバックプレートを本体部とパッド部とに区切る裁断ラインに沿って前記第1離型フィルムから保護フィルム方向にハーフカットする段階と、前記ハーフカット段階後、第1離型フィルムを剥離する段階と、第1離型フィルム剥離位置に非カットの第2離型フィルムを貼り付けて、フォルダブルバックプレートフィルムを製造する段階と、を含む、フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本出願の一実施様態によるフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法は、ハーフカット時に離型フィルムから保護フィルム方向にカットし、後で離型フィルムを置き換える方法でフォルダブルバックプレートフィルムを製造することによって、離型フィルムの剥離時にバックプレートが付いてくる問題を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来のフォルダブルバックプレートフィルムを示す垂直断面図である。
【
図2】従来のフォルダブルバックプレートフィルムの平面図である。
【
図3】従来のフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を例示的に説明する図である。
【
図4】本発明によるフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を例示的に説明する図である。
【
図5】
図4に示された製造方法で製造されたフォルダブルバックプレートフィルムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本明細書についてより詳細に説明する
【0016】
本明細書において任意の部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0017】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0018】
図4は、本発明によるフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を例示的に説明する図である。
図5は、
図4に示された製造方法で製造されたフォルダブルバックプレートフィルムを示す図である。
【0019】
本出願の一実施様態によるフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法は、基材フィルム100と、前記基材フィルム100の一面に設けられた粘着層200と、を含むフォルダブルバックプレートを準備する段階と、前記粘着層200の前記基材フィルム100と接する面の反対面に第1離型フィルム300を貼り付ける段階と、前記基材フィルム100の前記粘着層200が接する面の反対面に保護フィルム400を貼り付ける段階と、前記フォルダブルバックプレートを本体部とパターン部とに区切る裁断ラインに沿って前記第1離型フィルム300から保護フィルム400方向にハーフカットする段階と、前記ハーフカット段階後に第1離型フィルム300を剥離する段階と、第1離型フィルム300剥離位置に非カットの第2離型フィルム500を貼り付けて、フォルダブルバックプレートフィルムを製造する段階と、を含む。
【0020】
従来の製造方法は、バックプレートから離型フィルム方向にハーフカットした後、保護フィルムを貼り付ける工程を行うのに対し、本発明による製造方法は、離型フィルムから保護フィルム方向にハーフカットを行い、その後、カットした第1離型フィルム100を非カットの離型フィルム(第2離型フィルム)に置き換えることによって、製品適用のための離型フィルムの剥離時にバックプレートが付いてくる問題を防止することができる。このような製造方法の相違によって、従来の製造方法によって製造されたフォルダブルバックプレートフィルムは、ハーフカットにより離型フィルム1上に溝H1が形成されるのに対し、本発明の製造方法によって製造されたフォルダブルバックプレートフィルムは、ハーフカットにより保護フィルム400上に溝H2が形成されるという相違点がある。
【0021】
また、本発明の製造方法によるフォルダブルバックプレートフィルムは、製造過程で以下のような構造的特徴が現れる。
【0022】
一例において、ハーフカットした状態で、第1離型フィルム300、基材フィルム100および粘着層200は、裁断ラインに沿って貫通した貫通領域を含み、前記保護フィルム400は、裁断ラインに沿って溝H2が形成されることができる。
【0023】
また、裁断過程を経たフォルダブルバックプレートフィルムは、第2離型フィルム500、粘着層200、基材フィルム100および保護フィルム400が順に積層された構造を有し、前記第2離型フィルムは、貫通領域および溝が形成されておらず、前記粘着層および基材フィルムは、裁断ラインに沿って貫通領域を含み、前記保護フィルム400は、裁断ラインに沿って溝を含むことができる。
【0024】
すなわち、前記フォルダブルバックプレートフィルムは、溝H2を有する保護フィルム400と、前記溝H2を囲むように積層され、溝H2と連通する第1貫通領域を有する基材フィルム100と、基材フィルム上に積層され、前記第1貫通領域と連通する第2貫通領域を有する粘着層200と、粘着層200上に積層された第2離型フィルム500と、を含む。また、前記第2離型フィルムは、第2貫通領域と連通する貫通領域または溝が形成されていない。
【0025】
また、本出願は、以下で説明するように、各構成の材料選択および物性調節を通じて優れた信頼性および安定性を有するフォルダブルバックプレートフィルムを提供することができる。
【0026】
前記基材フィルムの20℃での貯蔵弾性率は、1GPa~5GPaであってもよく、例えば、1.5GPa~4GPaまたは2GPa~4GPaであってもよい。本出願による基材フィルムは、前記貯蔵弾性率の範囲を満たすことによって、後でフォルダブルディスプレイのバックプレートに適用される場合、数回フォールディング(folding)を繰り返しても信頼性が維持され、フォールディング(folding)時に発生するストレス(stress)値を最小化し、表示パネルを支持できるほどの硬度を満足できる特徴を有することとなる。
【0027】
本出願の一実施様態において、前記基材フィルムの20℃での破断伸び率(elongation at break)が20%以上200%以下のフォルダブルバックプレートを提供する。
【0028】
さらに他の一実施様態において、前記基材フィルムの20℃での破断伸び率(elongation at break)が20%以上200%以下、好ましくは、40%以上180%以下、より好ましくは、70%以上150%以下であってもよい。
【0029】
前記ポリイミド基材の破断伸び率は、基材フィルムの初期長さをL1、これを延伸により破断が発生する長さをL2と言う場合、(L2-L1)/L1*100(%)を意味する。
【0030】
前記貯蔵弾性率および破断伸び率の測定は、KS M ISO527の方法で測定するためにZwick社のUTMを使用した。測定しようとするフィルムを横5mm、縦60mm以上に切った後、グリップ間の間隔は、40mmに設定して、20mm/minの速度でサンプルフィルムを引っ張りながら測定される値でそれぞれ測定することができる。
【0031】
本出願の一実施態様において、前記基材フィルムの200℃での熱収縮率が0.1%以下のフォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0032】
さらに他の一実施態様において、前記基材フィルムの200℃での熱収縮率が0.03%以上であってもよい。
【0033】
前記熱収縮率は、前記基材フィルムに熱を加える場合、最大収縮力を有する方向に収縮する程度を意味し、基材フィルムの初期長さをM1、200℃で2時間加熱した後の収縮方向に収縮した長さをM2と言う場合、(M1-M2)/M1*100の値を意味する。
【0034】
前記基材フィルムが前記範囲の熱収縮力を有することによって、バックプレートコーティング工程で熱を加えても、収縮力が低く、変形が起こらない特徴を有することとなる。
【0035】
一例において、前記基材フィルムは、ポリイミド基材フィルムでありうる。例えば、前記基材フィルムは、前述した貯蔵弾性率、破断伸び率、熱収縮率のうち少なくとも一つ以上を満たすポリイミド基材フィルムでありうる。
【0036】
本出願によるフォルダブルバックプレートフィルムの場合、前記条件を満たすポリイミド基材フィルムを使用することによって、フォルダブルディスプレイを折りたたんだり広げたり動作が繰り返される場合にも、バックプレートに塑性変形(plastic deformation)が発生せず、耐久性に優れており、フォールディング(folding)時に発生したストレーン(strain)をデフォールディング(defolding)時に永久変形なしに復元できる特徴を有することとなる。
【0037】
また、前記基材フィルムの厚さは、20μm以上120μm以下であってもよく、例えば、30μm以上100μm以下、または40μm以上80μm以下であってもよい。前記基材フィルムが前記厚さ範囲を有することによって、後でフォルダブルディスプレイのバックプレートに使用される場合、支持体としての役割に優れており、ロールコーティング時にハンドリングの問題が発生せず、曲げ半径の偏差が適合して、フォールディング(folding)時にストレス(stress)値を最小化することができる特徴を有することとなる。
【0038】
第1離型フィルムの前記粘着層からの剥離力は、23℃で12gf/inch以下であってもよく、例えば、11gf/inch以下、または10gf/inch以下であってもよい。前記第1離型フィルムの前記粘着層からの剥離力は、180°の角度および2400mm/分の剥離速度でテクスチャーアナライザー(Texture analyzer(Stable Micro Systems社)を用いて測定し、本発明によって製造されたフォルダブルバックプレートフィルムを23℃でそれぞれ測定した値である。
【0039】
前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、シリコーン系でありうる。
【0040】
前記第1および第2離型フィルムは、厚さが非常に薄い第1および第2粘着層を保護するための層であり、第1および第2粘着層の一面に取り付ける透明層を言うものであり、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れたフィルムを使用することができる。例えば、トリアセチルセルロース(TAC)のようなアセテート系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリウレタン系、シリコーン系およびアクリル系樹脂フィルムなどを使用できるが、市販のシリコーン系離型フィルムであれば、これに限定されない。
【0041】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、表示パネル下部の貼付時に、静電気による表示パネルの損傷を防止するために、帯電放置処理をさらに含んでもよい。
【0042】
本出願の一実施態様において、前記粘着層は、アクリル系粘着層、ゴム系粘着層およびシリコーン系粘着層からなる群から選ばれる1以上を使用できる。
【0043】
さらに他の一実施態様において、前記第1粘着層は、アクリル系粘着層を使用できる。
【0044】
一例において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、500V以下の条件で1010Ω/sq以下であってもよく、3×109Ω/sq以下、または1×109Ω/sq以下であってもよい。前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、試験片PET背面の上に同心円電極を用いて測定することができ、MCT-HT800(三菱社)の印加電圧500V、印加時間10秒間25℃、55RH%で測定することができる。
【0045】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムは、帯電放置処理によって前記範囲の表面抵抗値を有し、後で第1離型フィルムの剥離後、表示パネルの下部への貼付時に静電気による表示パネルの損傷を防止できる特徴を有することとなる。
【0046】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、表示パネル下部の貼付時に静電気による表示パネルの損傷を防止するために、帯電放置処理をさらに含んでもよい。
【0047】
前記保護フィルムは、ラミネーションのような工程で貼り付けることができ、保護フィルムの種類は、特に限定されず、通常の製品を使用できる。例えば、保護フィルムは、PET/PSAで構成されたEPDC、LCFPなどの製品を使用できる。
【0048】
一具体例において、前記保護フィルムは、裁断ラインに沿って溝が形成されることができる。本出願による製造方法は、第1離型フィルムから保護フィルム方向にハーフカットすることによって、保護フィルムに溝が形成されるのに対し、従来の裁断工程は、バックプレートから離型フィルム方向にハーフカットするので、離型フィルムに溝が形成される点から異なっている。
【0049】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施例について詳細に説明する。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0050】
実施例
図4に示された製造方法によって、フォルダブルバックプレートフィルムを製造した。
【0051】
比較例
図3に示された製造方法によってフォルダブルバックプレートフィルムを製造した。
【0052】
実験例
前記実施例および比較例で製造されたフォルダブルバックプレートフィルムの逆剥離改善評価実験を行った。
【0053】
まず、SUS板に両面テープを貼り付け、前記両面テープの上に離型フィルムが上面となるように貼り付けた。また、右下端のエッジにテープを貼り付けて剥離した。
【0054】
離型フィルムだけが剥離されると、優秀、離型フィルムとフォルダブルバックプレートが一緒に剥離されると、不良と評価し、合計60回行い、その結果を表1に示した。
【0055】
【産業上の利用可能性】
【0056】
本出願の一実施様態によるフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法は、ハーフカット時に、離型フィルムから保護フィルム方向にカットし、後で離型フィルムを置き換える方法でフォルダブルバックプレートフィルムを製造することによって、離型フィルムの剥離時にバックプレートが付いてくる問題を防止することができる。
【国際調査報告】