(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】ラッチング手段を有する軸受を備えた垂直位置センサ
(51)【国際特許分類】
G01D 11/24 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
G01D11/24 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531643
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 DE2021200248
(87)【国際公開番号】W WO2022128018
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020216342.1
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522296653
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ブリュッゲマン・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】エックリヒ・イェルク
(72)【発明者】
【氏名】クローン・トーマス
(57)【要約】
ベースユニット(2)の軸受(21)内に回転可能に偏向可能に取り付けられたレバーユニット(1)を有するセンサであって、レバーユニット(1)は、シャフト軸受部(13)を介して軸受(21)内に取り付けられるシャフト(11)と、このシャフト(11)に接続されたレバー(12)とを有し、シャフト(11)はエンコーダ(14)を有し、ベースユニット(2)は、エンコーダ(14)を検出する少なくとも1つのセンサ要素(22)を有する、センサであって、ベースユニットの軸受(21)は、軸受(21)の内側ジャケットの周囲全体に配置され、軸受と一体で形成された複数のラッチング手段(23)、特に、ラッチングフック及び/又はラッチング突起を有し、これらのラッチング手段(23)はシャフト軸受部(13)を直接的若しくは間接的に保持及び/又は案内する、センサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースユニット(2)の軸受(21)内に回転可能に偏向可能に取り付けられたレバーユニット(1)を有するセンサであって、前記レバーユニット(1)は、シャフト軸受部(13)を介して前記軸受(21)内に取り付けられるシャフト(11)と、前記シャフト(11)に接続されたレバー(12)とを有し、前記シャフト(11)はエンコーダ(14)を有し、
前記ベースユニット(2)は、前記エンコーダ(14)を検出する少なくとも1つのセンサ要素(22)を有する、センサにおいて、
前記ベースユニットの前記軸受(21)は、前記軸受(21)の内側シェル上に周囲を囲むように配置され、前記軸受とともに単一部品として形成された複数の移動止め手段(23)、特に、移動止めフック及び/又は移動止め突起を有し、前記移動止め手段(23)は前記シャフト軸受部(13)を直接的若しくは間接的に保持及び/又は案内する、
ことを特徴とする、センサ。
【請求項2】
前記レバーユニット(1)は、前記エンコーダ(14)を除いて、プラスチックから単一部品として実質的に形成されており、少なくとも前記センサ要素(22)が配置される前記ベースユニット(2)のハウジングは、前記ベースユニット(2)の前記軸受(21)とともにプラスチックから単一部品として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
いずれの場合においても、移動止め手段(23)の2つの互いに離隔した列は、前記軸受(21)と一体的に形成されるように、前記軸受(21)の前記内側シェル上に周囲を囲むように配置されており、特に、前記移動止め手段(23)の2つの列は、実質的に互いに平行するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの列の前記移動止め手段(23)はそれぞれ、前記軸受の前記内側シェル上の周辺方向/内周に沿って、直接隣接する前記移動止め手段(23)までの間隔よりも小さい幅を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの列の前記移動止め手段(23)はそれぞれ、前記軸受(21)の前記内側シェル上で、前記周辺方向/前記内周に沿って、各々の隣接する前記移動止め手段(23)から実質的に均等に離隔するように形成及び配置されており、前記移動止め手段(23)の前記少なくとも1つの列又は前記移動止め手段(23)の前記2つの互いに離隔した列のそれぞれは、それぞれ、特に、6つの移動止め手段を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記シャフト軸受部(13)、特に、前記レバーユニット(1)全体は、炭素繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記ベースユニット(2)の前記軸受(21)は、ガラス繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項8】
前記エンコーダ(14)は、前記レバー(12)と反対側の前記シャフト(11)の端部に配置されており、前記エンコーダ(14)は、専らフォームフィット式に保持され、前記シャフトの前記プラスチック本体が、特に側方周囲に、特に好ましくは前記エンコーダ(14)の全周にわたって係合していることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項9】
前記ベースユニット(2)の前記ハウジングは、それぞれがねじ山又は実質的に星形の凹部を含む少なくとも2つの締結手段(24)を有し、前記締結手段(24)は、ねじが前記締結手段(24)の材料に少なくとも部分的に切り込むことによって、前記ねじを対応する前記締結手段(24)の前記材料にねじ止めすることができるように構成されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記ベースユニット(2)の前記ハウジングは、前記ハウジングの生産中に生じる、それぞれ、前記センサ要素(22)及び/又は信号処理要素(25)の一部を露出させる少なくとも2つの凹部(29)を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項11】
特に前記重ね成形プロセスの前に、前記凹部(29)の周囲の領域において、前記センサ要素(22)の前記ハウジング及び/又は前記信号処理要素(25)の前記ハウジングの前記重ね成形部分がレーザ活性化されることを特徴とする、請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
前記レバーユニット(1)の前記シャフト(11)はカラー(16)を有し、前記カラー(16)は、実質的に中空円筒形の前記軸受(21)の包囲縁部(26)の周りに係合し、前記包囲縁部(26)上で軸方向に支持されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項13】
角度センサ及び/又はライドハイトセンサ及び/又はシャシ位置センサとして構成されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部によるセンサに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、ベースユニットとレバーユニットとを含むセンサを提案する目的に基づき、このセンサは、比較的安価及び/若しくは堅牢及び/若しくはコンパクトである、並びに/又は比較的精密な測定性能を有する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
前記目的は、本発明によれば、請求項1に記載のセンサによって達成される。
【0004】
本発明は、好ましくは、ベースユニットの軸受内に回転可能に偏向可能に取り付けられたレバーユニットを有するセンサであって、レバーユニットは、シャフト軸受部を介して軸受内に取り付けられるシャフトと、前記シャフトに接続されたレバーとを有し、シャフトはエンコーダを有し、
ベースユニットは、エンコーダ又は前記エンコーダによって発生及び/若しくは変調された磁場を検出する少なくとも1つのセンサ要素を有し、ベースユニットの軸受は、軸受の内側シェル上に周囲を囲むように配置され、軸受とともに単一部品として形成された複数の移動止め手段、特に、移動止めフック及び/又は移動止め突起を有し、前記移動止め手段は、シャフト軸受部を直接的若しくは間接的に保持及び/又は案内する、センサに関する。
【0005】
シャフト軸受部が移動止め手段によって間接的に保持及び/又は案内されるという記述は、軸受とシャフト軸受部との間の相互フォームフィットを形成する若しくは可能にするスナップリング又はそれ以外の接続手段が、移動止め手段によって保持及び/又は案内される及び/又は取り付けられることを意味するものと理解されることが好ましい。
【0006】
ベースユニットの軸受は、便宜的に、実質的につぼ形又は中空円筒形構成のものである。
【0007】
センサは、レバーユニットとベースユニットとの間の相対回転の角度を測定するための角度センサとして構成されていることが好ましい。
【0008】
センサは、便宜的に、センサによって実施される角度測定によって車両のシャシとランニングギアユニットとの間の相対的な偏向及び/又は位置を検出するためのシャシ位置センサとして構成されている。この目的のために、センサは、特に、ベースユニットの軸受内に回転可能に偏向可能に取り付けられたレバーユニットを有し、レバーユニットは、そのシャフト軸受部を介して軸受内に取り付けられるシャフトと、特に好ましくは前記シャフトに対して実質的に直角に配置されたレバーとを有する。
【0009】
レバーユニットは、エンコーダを除いて、プラスチックから単一部品として実質的に形成されており、少なくともセンサ要素が配置されるベースユニットのハウジングは、ベースユニットの軸受とともにプラスチックから単一部品として形成されていることが好ましい。
【0010】
エンコーダを除いて好ましくは実質的に単一部品のレバーユニットは、レバーユニットのレバーに一体的に接続された、自動車構成要素に結合するための接続要素も有することが好ましい。
【0011】
シャフト軸受部、特に、レバーユニット全体は、炭素繊維強化プラスチック及び/又はガラス繊維強化プラスチックから形成されていることが好ましい。レバーユニット及びベースユニット又は各々のハウジングは、PBTから形成されていることが好ましい。前記ハウジングは、いずれの場合においても、単一部品として構成され、1つの射出成形作業で形成される。
【0012】
シャフト軸受部、この場合、特にレバーユニット全体が炭素繊維強化プラスチックから形成され、ベースユニットの軸受、特に、軸受及びベースユニットのハウジングがともに、ガラス繊維強化プラスチックから形成されること、又は或いは、好ましくは、
シャフト軸受部、この場合、特にレバーユニット全体がガラス繊維強化プラスチックから形成され、ベースユニットの軸受、特に、軸受及びベースユニットのハウジングがともに、炭素繊維強化プラスチックから形成されること、のいずれかが望ましい。特に、2つのユニットの両方が炭素繊維強化プラスチックから構成されるわけではない。なぜなら、これにより、同じ材料が選択されることで電気結合に至る可能性があるからである。
【0013】
エンコーダは、特に実質的に円筒形であり、シャフトに対して、実質的に半径方向に磁化する、特に好ましくは直径方向に磁化する永久磁石を意味するものと理解されることが好ましい。エンコーダは、代替的に、非永久的な磁性を持つ強磁性ターゲットとして構成されることが好ましい。
【0014】
センサ要素は、磁場センサ要素、特に、ホール要素又は磁気抵抗磁場センサ要素を意味するものと理解されることが好ましい。センサ要素は、代替的に、少なくとも1つの通電導体ループを有し、エンコーダによって変調された磁場又はエンコーダによって導体ループ内に誘起された電圧を検出することが好ましい。特に、センサ要素は、磁場を発生させるための少なくとも1つの発生用導体ループと、生じる誘起された電圧が、発生用導体ループ及びエンコーダから生じる磁場に応じた手法で検出される1つ又は2つの受信用導体ループとを有する。
【0015】
センサ要素は、便宜的に、エンコーダの磁場又はエンコーダによって変調された磁場を検出する。
【0016】
ベースユニットの軸受、特に、ベースユニット全体は、ガラス繊維強化プラスチックから形成されていることが好ましい。
【0017】
シャフト軸受部及び/又は軸受を炭素繊維強化プラスチックから好ましくは形成すると、プラスチック又は炭素繊維の摩耗によってシャフト軸受部と軸受との間に生じる表面摩擦を低減する効果を有する。
【0018】
特に、センサは、軸受内又はシャフト軸受部にグリース又は追加的な潤滑剤が導入されないように構成されている。
【0019】
或いは、ベースユニットの軸受及び/又はシャフト軸受部が追加的な潤滑剤又はグリースを有することが好ましい。
【0020】
移動止め手段は、移動止めフック及び/又は移動止め突起及び/又は移動止めラグとして構成されていることが好ましい。
【0021】
いずれの場合においても、移動止め手段の2つの互いに離隔した列は、軸受と一体的に形成されるように、軸受の内側シェル上に周囲を囲むように配置されており、特に、移動止め手段の前記2つの列は、実質的に互いに平行するように構成されていることが好ましい。移動止め手段の前記2つの列は、軸受の内側シェル上に、特に好ましくは溝を形成し、特に非常に好ましくは断続溝を形成し、前記溝は、特に非常に便宜的に、軸受の内側シェル内に突き出ておらず、特に突出した移動止め手段の2つの列のみによって形成されている。
【0022】
レバーユニットのシャフト軸受部は、スナップリングが配置される溝を有することが好ましく、スナップリングは、軸受側において、移動止め手段又は移動止め手段の2つの列によって実質的にフォームフィット式に受け入れられ得る又は受け入れられる又は支持されるように構成されている。
【0023】
スナップリングは、好ましくは実質的に丸形/円形である、又は代替的に、非円形であるが実質的に楕円形及び/又は楕円形/丸形であると同時に波形構成であるように構成されることが好ましい。リングは、この場合便宜的に、断続構成である。
【0024】
少なくとも1つの列の移動止め手段はそれぞれ、軸受の内側シェル上に、周辺方向又は内周又は周辺線又は内周線に沿って、直接隣接する移動止め手段までの間隔よりも小さい又はこれに実質的に等しい幅を有することが好ましい。
【0025】
少なくとも1つの列の移動止め手段はそれぞれ、軸受の内側シェル上で、周辺方向又は内周又は周辺線又は内周線に沿って、各々の隣接する移動止め手段から実質的に均等に離隔するように構成及び配置されており、移動止め手段の少なくとも1つの列又は移動止め手段の2つの互いに離隔した列のそれぞれは、それぞれ、特に好ましくは6つの移動止め手段を有することが好ましい。
【0026】
エンコーダは、レバーと反対側のシャフトの端部に配置されており、前記エンコーダは、専らフォームフィット式に保持され、シャフトのプラスチック本体が、特に側方周囲に、特に好ましくはその全周にわたって係合していることが望ましい。この目的のために、シャフトは、特に好ましくは、エンコーダの側方をフォームフィット式に、特にエンコーダの全高又は軸方向範囲にわたって固定する2つ又は3つ又はそれより多い指状部又は突起を有し、前記指状部又は突起のいずれもエンコーダを下から支持しないことが特に非常に好ましい。
【0027】
エンコーダは、便宜的に、シャフトに接着結合によって接続されない。
【0028】
ベースユニットのハウジングは、それぞれがねじ山又は実質的に星形の凹部を含む少なくとも2つの締結手段を有し、締結手段は、ねじが前記締結手段の材料に少なくとも部分的に切り込むことによって、前記ねじを対応する締結手段の材料にねじ止めすることができるように構成されていることが好ましい。締結手段は、特に、プラスチックから構成され、ベースユニットのハウジングに一体的に接続されている、又は前記ハウジングとともにプラスチックから単一部品として形成されている。代替的に、2つの締結手段の1つが、自動車構成要素の凹部にフォームフィット式に挿入され得る要素として構成され、この要素は、ねじ止めされず、特に、例えば星形若しくは多角形の周囲形状若しくは外形を有する挿入ラグ又は挿入可能な位置決め補助具として、例えば、マンドレルとして構成されることが好ましい。
【0029】
ベースユニットのハウジングは、ハウジングの生産中に生じる、それぞれ、センサ要素及び/又は信号処理要素の一部を露出させる少なくとも2つの凹部を有することが好ましい。特に重ね成形プロセスの前に、前記凹部の周囲の領域、特に前記凹部の周囲少なくとも1mmにおいて、又は凹部に隣接する全面にわたって、特に、センサ要素のハウジング及び/又は信号処理要素のハウジングの重ね成形部分はレーザ活性化される。これにより、特に、それぞれハウジングとセンサ要素及び信号処理要素との間の付着力又は密閉作用が高まる。
【0030】
レバーユニットのシャフトはカラーを有し、カラーは、実質的に中空円筒形の軸受の包囲縁部又は周囲上縁の周りに係合し、その上で軸方向に支持されるように構成されていることが好ましい。特に、カラー及び軸受の周囲上縁部は、カラーが、移動止め作用によって縁部と係合することができる及び/又はフォームフィット式に縁部に固定/接続され得るように構成されている。軸受は、上縁部の下方のその外部シェル上に溝を有し、溝内に、例えば潤滑剤又はグリースが導入されるとともに、環状シールが特に非常に好ましくは導入され、それにより、レバーユニットのカラーが軸受に対して密閉されることが特に好ましい。
【0031】
レバーユニットは、便宜的に、レバーとシャフトとの間の移行部にカラーを有する。
【0032】
センサは、角度センサ及び/又はライドハイトセンサ及び/又はシャシ位置センサとして構成されていることが好ましい。
【0033】
シャフトは、レバーの側面からベースユニットの方向に止まり穴として延びる実質的に中央の凹部を有することが好ましく、特に、前記中央の凹部は、少なくとも部分的に、円筒形及び/又は漏斗形及び/又はテーパした形態である。
【0034】
ベースユニットは、便宜的に、センサ要素及び信号処理要素を含み、センサ要素及び信号処理要素はそれぞれ、リードフレームと電気的に接触し、これに締結される。特に、リードフレームは、2つの平行な端子領域によってプラグコネクタに突出している。プラグコネクタは、便宜的に、ベースユニットのハウジングの一部であり、センサ要素、信号処理要素、及びリードフレームの一部は、ハウジングに埋め込まれる若しくは少なくとも部分的に埋め込まれる、又はハウジングは、前記要素とリードフレームの一部を単一の射出成形作業で重ね成形する過程で形成され、軸受、プラグコネクタ、及び締結手段は、ハウジングの一部として特に好ましくは同時に形成される。
【0035】
ベースユニットのハウジングは、ハウジングの生産中に生じる、それぞれ、センサ要素及び信号処理要素の一部を露出させ、特に、センサ要素、又は統合されたセンサ及び信号処理要素を2つの反対方向に位置する凹部によって露出させる、少なくとも2つ又は3つの凹部を有することが好ましい。特に重ね成形プロセスの前に、特に、前記凹部の周囲の領域において、センサ要素及び/又は信号処理要素のハウジング、すなわち各前記要素の専用ハウジングの重ね成形部分はレーザ活性化される。更に、ベースユニットのハウジングは、追加的な、便宜的に2つのセンタリング凹部を有することが特に好ましい。
【0036】
センサ要素と信号処理要素は、便宜的に、1つの構造要素として一体的に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図5】軸受及びその中に取り付けられたシャフト軸受部の例示的な実施形態の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、センサの例示的な実施形態を示す。ここでは、センサは、レバーユニット1及びベースユニット2を含む。レバーユニットは、シャフト軸受部13を有するシャフト11が配置されたレバー12から構成され、シャフト軸受部13は、ベースユニットの軸受21に挿入され、取り付けられている。シャフト軸受部13の下端部に配置されているのはエンコーダ14であり、エンコーダ14は、シャフト軸受部の例示的な突起又は指状部15のみによってフォームフィット式に保持されている。これらの突起15はそれぞれ、前記エンコーダの側方周囲に全高にわたって係合するが、エンコーダ14より下に係合したりエンコーダ14を取り囲んだりすることはない。レバーユニット1は、レバー12とシャフト11との間の移行部にカラー16を有する。カラー16は、ベースユニット2の軸受21の上部包囲縁部の周りに係合する。この例では、レバーユニット1は、エンコーダ14を除いて、炭素繊維強化プラスチックから単一部品として、特に単一の射出成形作業で形成されている。
【0039】
少なくとも、ベースユニット2のハウジング(ベースユニット2のハウジング内に、センサ要素22及び信号処理要素25が、リードフレーム27と接触し、これに締結されるように配置され、且つベースユニット2のハウジングに締結手段24が取り付けられる)とベース要素の軸受21は、例えば、ガラス繊維強化プラスチックから構成される単一部品として、特に単一の射出成形作業で一緒に形成される。ベースユニット2のハウジングは、更に、接点としてのリードフレームとともに、プラグコネクタ28を形成している。
【0040】
図1の前方にあるベースユニットの締結手段24の1つは、センサを車両構成要素(不図示)にねじ接続するための、金属で構成された射出成形スリーブを有する。後部締結手段24は、例えば、車両構成要素(不図示)のレセプタクルに挿入するための、星形の外形を有するマンドレルとして構成されている。ベース要素の軸受21は、シャフト軸受ユニットが、例えばスナップリングを介して間接的に案内される又は取り付けられる移動止め手段23を有する。
【0041】
図4は、スナップリング18が、レバーユニット1の側面に、シャフト軸受ユニット13の溝17内に取り付けられており、スナップリング18は、この場合、同様に、ベースユニット2の軸受21の移動止め手段23によって案内されている又は取り付けられている、
図1の例示的な実施形態の断面図を示す。ここでは、移動止め手段23は、軸受21に一体的に接続されており、軸受21の内側シェル上に、内部周囲線に沿って、又は例えば、実質的に2つの互いに平行な内部周囲線上に周囲を囲むように配置されており、それにより、移動止め手段23は、軸受21の内側シェル上に断続溝を形成している。
【0042】
ベースユニット2のハウジングは、ハウジングの生産中に生じる、センサ要素22の一部の両側及び信号処理要素25の一部の片側を露出させる3つの凹部29を有する。これらの凹部29の周囲の領域において、それぞれセンサ要素22のハウジング及び信号処理要素25のハウジング、すなわち各前記要素の専用ハウジングの重ね成形部分がレーザ活性化され、それにより、要素のハウジングとベースユニット2のハウジングとの間の密閉接続が確保される。レバーユニット1のカラー16は、軸受21の周囲上縁部26の周りに係合している。エンコーダ14は、シャフト11の下端部に配置され、側方周囲での係合のみによってフォームフィット式に保持されており、このセクションでは、シャフトの突起15又は指状部の1つが示されている。
【0043】
図2は、シャフト11に対して実質的に直角に形成されたレバー12を有する例示的なレバーユニット1を示す。シャフト11はシャフト軸受部13を含み、シャフト軸受部13は、ベースユニットの軸受(不図示)に挿入して、そこで回転可能に取り付けることができる。シャフト軸受部13は周囲溝17を有し、スナップリング18は周囲溝17に接続可能である、又は前記スナップリングはこの溝内に係合若しくは突出する。シャフト11の下端部、又はレバーと反対側の端部に、エンコーダ14は、それぞれエンコーダ14の側方周囲に係合する突起又は指状部15のみによってフォームフィット式に保持され、固定されている。ここでは、突起又は指状部15は、シャフト11から、この方向におけるエンコーダ14の高さに実質的に等しい程度まで下方に突出している。
【0044】
図3は、例として、軸受21と、ベースユニットの2つの締結手段24と、プラグコネクタ28とを有するベースユニット2を示す。
【0045】
軸受21は、実質的につぼ形又は中空円筒形構成のものであり、その内側シェル上に、移動止め手段23としての移動止めラグの2つの実質的に互いに平行な列を有する。移動止め手段23は、軸受21の内側シェル上に、スナップリング(不図示)を受け入れる及び/又は取り付ける及び/又は案内するための断続溝をともに形成し、スナップリング(不図示)は、更に、レバーユニットのシャフト軸受部(不図示)と係合する。
【0046】
図5は、例として、ベースユニットの軸受21、及びその中に取り付けられた、レバーユニットのシャフト軸受部13の断面図を示す。シャフトは、レバー12の側面からベースユニットの方向に止まり穴としてテーパ状に延びる実質的に中央の凹部19を有することが好ましい。
【0047】
レバーユニットのシャフトは、更に、カラー16を有し、カラー16は、実質的に中空円筒形の軸受21の包囲縁部26又は周囲上縁の周りに係合し、その上で軸方向に支持されるように構成されている。ここでは、カラー16及び軸受の周囲上縁部26は、カラーが、移動止め作用によって縁部と係合することができる及び/又はフォームフィット式に縁部に固定/接続され得るように構成されている。この例では、軸受21は、上縁部26の下方のその外部シェル上に、溝30を有する。溝30内に、例えば潤滑剤又はグリースが導入されるとともに、例えば環状シールが導入され、それにより、レバーユニットのカラー16が軸受21に対して密閉される。
【0048】
いずれの場合においても、ここではより明瞭に視認できるようにするために異なるハッチングが提供された移動止め手段23の2つの互いに離隔した列は、軸受21の内側シェル上に周囲を囲むように配置されているが、そのそれぞれは、軸受と一体的に形成されており、この例では、これらの移動止め手段23の2つの列は、実質的に互いに平行であり、軸受23の内側シェル上に断続溝をともに形成するように構成されており、前記溝は、軸受の内側シェル内に突き出ておらず、突出した移動止め手段23の2つの列のみによって形成されている。スナップリング18は、いずれの場合においても、移動止め手段23とシャフト軸受部13上の溝17とから構成される前記断続溝内に突き出し、前記スナップリングは、シャフト軸受部13と軸受21とをフォームフィット式に接続する。
【0049】
ベースユニットは更に、2つの締結手段24を有する。
【0050】
エンコーダ14は、レバー12と反対側のシャフトの端部に配置されており、前記エンコーダ14は、専らフォームフィット式に保持され、シャフトのプラスチック本体が側方周囲に係合している。この目的のために、シャフトは、エンコーダ14をその全高又は軸方向範囲にわたって側方でフォームフィット式に固定する複数の指状部又は突起15を有する。
【0051】
エンコーダ14の下方に、又はエンコーダ14に面し、これに割り当てられるように、センサ要素22が、ベースユニットのハウジングに埋め込まれ、いずれの場合においても、それぞれ、センサ要素22の上方及び下方の凹部29によって両側で露出しており、センサ要素ハウジングは、ベースユニットの射出成形ハウジングに対する密閉接続を確保するために、凹部の周囲の領域においてレーザ活性化又はレーザ粗面加工されている。
【符号の説明】
【0052】
1 レバーユニット
11 シャフト
12 レバー
13 シャフト軸受部
14 エンコーダ
15 エンコーダの側方周囲に係合するための手段
16 レバーユニットのカラー
17 溝
18 スナップリング
19 実質的に中央の凹部
2 ベースユニット
21 軸受
22 センサユニット
23 移動止め手段
24 ベースユニットハウジング締結手段
25 信号処理要素
26 軸受の包囲縁部
27 リードフレーム
28 プラグコネクタ
29 ベースユニットハウジングの凹部
30 ベースユニットの軸受の下縁部の上方にある外部シェル内の溝
【国際調査報告】