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特表2023-550340超音波洗浄のためのカルーセルとその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】超音波洗浄のためのカルーセルとその使用方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231124BHJP
   B08B 3/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L21/304 622P
B08B3/12 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528522
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 US2021057129
(87)【国際公開番号】W WO2022108727
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】16/953,156
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コーグリン, マイケル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ダンブラ, アレン エル.
【テーマコード(参考)】
3B201
5F057
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201BB02
3B201BB83
3B201BB92
5F057AA21
5F057DA03
5F057DA26
5F057DA38
5F057EB01
5F057EB23
5F057FA36
5F057FA39
5F057GA29
(57)【要約】
音波洗浄インサートが、本明細書で開示される。一例では、音波洗浄インサートは、中心軸の周りに回転するように構成されたカルーセルを含む。カルーセルは、外周を有するプラットフォームをさらに含む。プラットフォームは、中心軸の周りに放射状に配置されている。カルーセルは、内側リングと、内側リングを取り囲む外側リングとを有する。複数のパーティションが、内側リングと外側リングをプラットフォームに結合させている。
複数のパーティションは、中心軸の周りに所定の角度で配置されている。カルーセルは、複数のホルダをさらに含む。各ホルダは、プラットフォームの一部分と、内側リングおよび外側リングのそれぞれの一部分と、複数のパーティションから形成された第1の側壁および第2の側壁とから形成されている。カルーセルは、超音波振動流体に浸漬されるように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸の周りに回転するように構成されたカルーセルであって、前記カルーセルは、さらに、
外周を有するプラットフォームであって、前記中心軸の周りに放射状に配置されたプラットフォーム、
内側リングおよび前記内側リングを取り囲む外側リング、
前記内側リングおよび前記外側リングを前記プラットフォームに結合させている複数のパーティションであって、前記中心軸の周りに所定の角度で配置された複数のパーティション、ならびに、
複数のホルダであって、各ホルダが、前記プラットフォームの一部分、前記内側リングおよび前記外側リングの各々の一部分、ならびに前記複数のパーティションから形成された第1の側壁および第2の側壁、から形成されている、複数のホルダ、
を備え、前記カルーセルは、超音波振動流体に浸漬されるように構成されている、カルーセル、
を備える音波洗浄インサート。
【請求項2】
回転可能なシャフトが、前記プラットフォームに結合されており、前記回転可能なシャフトが、前記中心軸の周りに前記プラットフォームを回転させるように構成されている、請求項1に記載の音波洗浄インサート。
【請求項3】
前記中心軸の周りに放射状に配置された複数の支持特徴部であって、前記回転可能なシャフトから延び、前記プラットフォームに結合された複数の支持特徴部、をさらに備える、請求項2に記載の音波洗浄インサート。
【請求項4】
前記プラットフォームは、
上面、および、
前記上面の反対側の下面であって、前記複数のパーティションが前記下面から延びている、下面、
をさらに備え、回転可能なシャフトが、前記上面に結合され、前記中心軸の周りに回転可能である、請求項1に記載の音波洗浄インサート。
【請求項5】
前記複数のホルダの各ホルダが、前記第1の側壁と前記第2の側壁の間にワークピースを受け入れるように構成されている、請求項1に記載の音波洗浄インサート。
【請求項6】
前記複数のホルダの各ホルダが、
各ホルダ内に前記ワークピースの一部分を保持するように構成されたスロットを、さらに備える、請求項5に記載の音波洗浄インサート。
【請求項7】
前記複数のホルダのホルダが、
前記第1の側壁と前記第2の側壁の間に配置されたスロットをさらに備え、前記スロットは、各ホルダ内にワークピースを保持するように構成され、前記ワークピースの一部分が、前記第1の側壁の長さまたは前記第2の側壁の長さを越えて延びるように構成されている、請求項1に記載の音波洗浄インサート。
【請求項8】
前記プラットフォームは、
上面、ならびに、
前記上面の反対側の下面、
をさらに備え、前記複数のパーティションが前記下面から延びており、前記第1の側壁および前記第2の側壁が、前記プラットフォームの前記下面から延びている、請求項7に記載の音波洗浄インサート。
【請求項9】
前記複数のホルダの各ホルダが、前記中心軸の周りに前記所定の角度で配置され、前記所定の角度は、前記複数のパーティションのパーティション数に比例する、請求項1に記載の音波洗浄インサート。
【請求項10】
前記中心軸の周りに放射状に配置された複数の支持特徴部であって、前記複数の支持特徴部は、前記プラットフォームの表面に結合された回転可能なシャフトから延び、前記複数の支持特徴部は、前記所定の角度以下である支持角度で延びている、複数の支持特徴部、をさらに備える、請求項1に記載の音波洗浄インサート。
【請求項11】
内面および外面を有するタンクであって、前記内面は、音波の伝播を可能にする液体を収容するように構成された、タンク、
前記タンクの前記内面の周りに放射状に配置された複数の音波トランスデューサ、ならびに
前記タンク内へ挿入されるように配置された音波洗浄インサート、
を備える音波洗浄システムであって、前記音波洗浄インサートは、
中心軸の周りに回転するように構成されたカルーセルを備え、前記カルーセルは、さらに、
外周を有するプラットフォームであって、前記中心軸の周りに放射状に配置されたプラットフォーム、
内側リングおよび前記内側リングを取り囲む外側リング、
前記内側リングおよび前記外側リングを前記プラットフォームに結合させている複数のパーティションであって、前記中心軸の周りに所定の角度で配置された複数のパーティション、ならびに、
複数のホルダであって、各ホルダが、前記プラットフォームの一部分、前記内側リングおよび前記外側リングの各々の一部分、ならびに前記複数のパーティションから形成された第1の側壁および第2の側壁、から形成されている、複数のホルダ、
を備え、前記カルーセルは、超音波振動流体に浸漬されるように構成されている、
音波洗浄システム。
【請求項12】
回転可能なシャフトが、前記プラットフォームの表面に結合されており、前記回転可能なシャフトが、前記中心軸の周りに前記プラットフォームを回転させるように構成されている、請求項11に記載の音波洗浄システム。
【請求項13】
前記中心軸の周りに放射状に配置された複数の支持特徴部であって、前記回転可能なシャフトから延び、前記プラットフォームに結合された複数の支持特徴部、をさらに備える、請求項12に記載の音波洗浄システム。
【請求項14】
前記タンクが底部を備え、前記複数の音波トランスデューサが、前記底部からオフセット距離を置いて配置されている、請求項11に記載の音波洗浄システム。
【請求項15】
前記複数のホルダのホルダが、
前記第1の側壁と前記第2の側壁の間に配置されたスロットをさらに備え、前記スロットは、各ホルダ内にワークピースを保持するように構成され、前記ワークピースの一部分が、前記第1の側壁の長さまたは前記第2の側壁の長さを越えて延びるように構成されている、請求項11に記載の音波洗浄システム。
【請求項16】
前記複数のパーティションは、超音波およびメガソニック波の少なくとも一方を反射する材料で作られている、請求項11に記載の音波洗浄システム。
【請求項17】
前記プラットフォームは、
上面、ならびに、
前記上面の反対側の下面、
をさらに備え、前記複数のパーティションが前記下面から延びており、前記第1の側壁および前記第2の側壁が、前記プラットフォームの前記下面から延びている、請求項11に記載の音波洗浄システム。
【請求項18】
音波洗浄の方法であって、
タンク内に配置され、複数のワークピースを保持するカルーセルを、中心軸の周りに回転させることと、
前記タンク内に配置された流体を超音波振動させるように、前記中心軸からある距離を置いた複数の音波トランスデューサを作動させることと、
を含む方法。
【請求項19】
前記複数の音波トランスデューサを約50kHzと約100kHzの間のレートで振動させるための電力を供給すること、をさらに含む、請求項18に記載の音波洗浄の方法。
【請求項20】
前記流体を前記流体の共振周波数で振動させることを、さらに含み、前記複数の音波トランスデューサの各音波トランスデューサが、前記カルーセルの前記中心軸から等距離に配置されている、請求項18に記載の音波洗浄の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、ワークピースを超音波洗浄するためのカルーセルおよびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路は、導電層、半導体層、または絶縁層を順次堆積して基板上に形成される。層を堆積した後、その層をエッチングして、回路フィーチャを作り出す。一連の層が順次堆積され、エッチングされるにつれて、基板の外側または一番上の表面、すなわち基板の露出面は、ますます非平面状になる。追加処理に適した比較的平坦な表面を提供するために、この非平面状の外側表面が、定期的に平坦化される。平坦化の手法として、化学機械研磨(CMP)がある。この平坦化手法では、基板をキャリアまたは研磨ヘッドに搭載する必要がある。基板の露出面が、研磨パッドに当てられる。キャリアヘッドが、制御可能な荷重、すなわち圧力を基板に与え、基板を研磨パッドに押し付けることで、基板の非平面状の外側表面を平坦化する。
【0003】
[0003]このようなCMP工程の後には、部品から微粒子や汚染物質を除去するために、CMPツールの部品を洗浄する必要がある。汚染物質を除去する方法として、1つ以上の部品を流体のプールに浸し、部品に音波を照射して、汚染物質を除去する方法がある。音波は、トランスデューサを介して生成され、液体中を伝播して、流体を保持するタンク内に配置された部品へ到達する。音波は、部品の近傍にキャビテーションを発生させ、キャビテーションにより、部品から汚れや油脂などのパーティクルが放出される。
【0004】
[0004]従来の音波洗浄機は、洗浄時にCMP部品を支持するラックなどを含む。これらのラックは、超音波および/またはメガソニック波によって伝達されたエネルギーを減衰または吸収し、音波洗浄機の効果および効率を低下させる可能性がある。また、従来の洗浄機でラックを使用すると、部品表面に「ホットスポット」すなわち侵食や陽極酸化が発生する。このホットスポットは、トランスデューサの従来の低い周波数によってパワー密度が不均一になることで発生する。従来の音波トランスデューサは、大きな気泡を発生させ、部品に過剰なエネルギーを与えるので、CMP部品の表面コーティングを侵食することがあった。さらに、タンクの隅が音波を減衰させたり分散させたりして、音波のエネルギーが部品に届かなくなり、部品の洗浄効率が悪くなることがある。
【0005】
[0005]したがって、CMPツール部品を洗浄するための改良された装置が必要である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]音波洗浄インサートが、本明細書で開示される。一例では、音波洗浄インサートは、中心軸の周りに回転するように構成されたカルーセルを含む。カルーセルは、外周を有するプラットフォームをさらに含む。プラットフォームは、中心軸の周りに放射状に配置されている。カルーセルは、内側リングと、内側リングを取り囲む外側リングとを有する。複数のパーティションが、内側リングと外側リングをプラットフォームに結合させている。複数のパーティションは、中心軸の周りに所定の角度で配置されている。カルーセルは、複数のホルダをさらに含む。各ホルダは、プラットフォームの一部分と、内側リングおよび外側リングのそれぞれの一部分と、複数のパーティションから形成された第1の側壁および第2の側壁とから形成されている。カルーセルは、超音波振動流体に浸漬されるように構成されている。
【0007】
[0007]本開示の別の例では、音波洗浄システムが提供される。音波洗浄システムは、内面および外面を有するタンクを含む。内面は、音波の伝播を可能にする液体を収容できるように構成されている。複数の音波トランスデューサが、タンクの内面の周りに放射状に配置されている。音波洗浄システムは、中心軸の周りに回転するように構成されたカルーセルを有する。カルーセルは、外周を有するプラットフォームをさらに含む。プラットフォームは、中心軸の周りに放射状に配置されている。カルーセルは、内側リングと、内側リングを取り囲む外側リングとを有する。複数のパーティションが、内側リングと外側リングをプラットフォームに結合させている。複数のパーティションは、中心軸の周りに所定の角度で配置されている。カルーセルは、複数のホルダをさらに含む。各ホルダは、プラットフォームの一部分と、内側リングおよび外側リングのそれぞれの一部分と、複数のパーティションから形成された第1の側壁および第2の側壁とから形成されている。カルーセルは、超音波振動流体に浸漬されるように構成されている。
【0008】
[0008]さらに別の例では、音波洗浄の方法が開示されており、その方法は、中心軸の周りにカルーセルを回転させることを含む。カルーセルは、タンク内に配置され、さらに、複数のワークピースを保持するように構成されている。この方法は、タンク内に配置された流体を超音波振動させるために、中心軸からある距離を置いた複数の音波トランスデューサを作動させることを、さらに含む。
【0009】
[0009]本開示の上記で言及された特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡単に要約された本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、そのいくつかが添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、添付の図面は、本開示が他の同様に有効な実施形態を認めることができるので、その範囲を限定するとみなされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】カルーセルが配置された超音波洗浄システムの模式的側面図である。
図2図1に示すカルーセルの一例の等角図を示す。
図3図2に示すカルーセルの代替例の等角図を示す。
図4A】複数のワークピースを支持する複数のホルダを有する、図1図3に示すカルーセルの側面図である。
図4B図4Aの線B-Bから見たカルーセルの底面図である。
図5図1図4Bに示すカルーセルで複数のワークピースを洗浄する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0016]本明細書では、CMPワークピースを超音波洗浄するためのカルーセルとその使用方法について開示する。CMPワークピースは、研磨パッドなどの、CMP研磨ツールの部品である。限定されないが、研磨パッドは、ベルトパッドまたは研磨パッドとすることができ、ワークピースはまた、研磨パッドを支持する、または交換もしくは定期メンテナンスを必要とするCMP研磨ツールの任意の部品であってもよい。
【0012】
[0017]超音波洗浄機は、液体で満たされたタンクを含み、タンクは、液体中を伝播する高周波(例えば、音波)を生成するように構成された超音波トランスデューサを有する。本明細書に開示されるように、洗浄されるべき1つ以上のワークピースが、タンクの液体中に入れられる。1つ以上のワークピースを保持するカルーセルが、タンク内に吊り下げられて回転する。したがって、本開示のカルーセルは、洗浄効率を低下させ得る、タンク内に配置されたラックおよび他のデバイスを必要としない。したがって、回転するカルーセルを利用したタンク内の流体は、超音波トランスデューサによって生成された波から伝達されるエネルギー量を増加させる。そのため、ワークピースの近傍でキャビテーションの増加が実現される。
【0013】
[0018]高周波の音波が、超音波トランスデューサなどによって生成され、液体中を伝播してワークピースに到達する。音波によってワークピースに隣接してキャビテーションが発生し、ワークピースから汚れや油脂などのパーティクルが放出される。有利には、本明細書に開示される回転するカルーセルは、音波をワークピースに向かって反射させること、および/または音波をワークピース上に集中させることにより、タンク内のエネルギー損失を低減し、超音波洗浄システムの洗浄効率を向上させる。約18kHzから約350kHzまでの周波数は超音波周波数とみなすことができ、350kHzより上の周波数はメガソニック周波数とみなされることが、本明細書において理解される。
【0014】
[0019]図1は、カルーセル104が中に配置された超音波洗浄システム100の模式的側面図である。超音波洗浄システム100は、タンク108内に配置されたカルーセル104と、複数の超音波トランスデューサ132とを含む。タンク108は、内面114と、内面114の反対側の外面116とを有する1つ以上の壁112を有する。タンク108は、1つ以上の壁112に結合された底部118を有する。底部118は、1つ以上の超音波トランスデューサ132を支持することができる。電源(図示せず)が、超音波トランスデューサ132に高周波(RF)電力を供給する。タンク108は、超音波トランスデューサ132によって生成された超音波および/またはメガソニック波が伝播することを可能にする液体120で少なくとも部分的に満たされることができる。いくつかの例では、液体120は、脱イオン水を含む。いくつかの例では、液体120は、1種以上の溶媒、SC1(standard clean1)などの洗浄液、選択的堆積除去試薬(SDR)、界面活性剤、酸、塩基、またはワークピース(図2に示す)から汚染物質および/もしくは微粒子を除去するのに有用な任意の他の化学物質を含む。
【0015】
[0020]カルーセル104は、液体120に完全に浸漬され、囲まれることができる。そのため、カルーセル104は、タンク108内に吊り下げられていてもよい。例えば、コネクタ128または同様のデバイスが、カルーセル104を支持体124から吊り下げることができる。コネクタ128は、様々なストラップ、ロープ、チェーン、ライン、および他の可撓性の連結装置を含むことができる。支持体124は、高架ビーム、金属バー、またはコネクタ128を取り付けることができる同様の支持体とすることができる。他の例では、カルーセル104を支持体124および/またはコネクタ128から吊り下げるために、ねじ、ボルト、カップリングなどの他のデバイスを採用することができる。
【0016】
[0021]モータ148が、コネクタ128を介してカルーセル104に結合されている。一例では、コネクタ128は、シャフト216である(図2に詳述する)。モータ148は、タンク108内でカルーセル104を所定の角速度で回転させるように構成されている。モータ148は、シャフト216にトルクを与え、それによってカルーセル104を回転させる、DCまたはACモータであり得る。モータ148は、ロータ、ステータ、ベアリング、巻線、および整流子などの他の構成要素を含み得る。図示されているように、モータ148は支持体124に隣接しているが、モータ148はこの位置に限定されず、シャフトコネクタ128に沿った、コネクタ128より上の、またはコネクタ128より下の、任意の位置に配置できることが理解される。いくつかの例では、モータ148は、本開示の範囲から逸脱することなく、液体120中に浸漬され得る。
【0017】
[0022]カルーセルは、液体120とコネクタ128とに直接接触している。カルーセル104をタンク108内に吊り下げることにより、従来の超音波洗浄機と比較して、より多くのエネルギーが、カルーセル104の近傍に伝達され、ワークピース252(図2に示す)を洗浄することができる。例えば、カルーセル104の近傍で液体120をキャビテーションさせるために、超音波および/またはメガソニック波の形態でより多くのエネルギーを利用することができる。
【0018】
[0023]一例では、超音波トランスデューサ132をタンク108の内面114に近接して配置することにより、超音波トランスデューサ132によって発せられた超音波および/またはメガソニック波が、タンク108内で伝播し、ワークピース252を支持するカルーセル104に隣接してエネルギーを放出することができる。例えば、超音波トランスデューサ132が発した超音波および/またはメガソニック波は、内面114からカルーセル104に向かって反射することができる。したがって、超音波トランスデューサ132によって生成された超音波および/またはメガソニック波は、タンク108の隅で減衰することがない。加えて、超音波および/またはメガソニック波からのより多くのエネルギーが、キャビテーションに利用される。各超音波トランスデューサ132は、約900ワットと約1500ワットの間、例えば約1000ワットまたは約1150ワットのエネルギーを液体120に与えるように構成されている。別の例では、各超音波トランスデューサ132は、約1100ワットと約1350ワットの間、例えば約1250ワットまたは約1300ワットを与えるように構成されている。
【0019】
[0024]トランスデューサ支持体136が、超音波トランスデューサ132をタンク108の内面114に接続する。一例では、トランスデューサ支持体136は、超音波トランスデューサ132を底部118からオフセット距離144だけ高くして、超音波トランスデューサ132と底部118との間に空間を形成することができる。オフセット距離144は、約1インチから約5インチの間、例えば、約2インチまたは約4インチとすることができる。いくつかの例では、オフセット距離144は、約0.5インチ未満である。別の例では、オフセット距離144は、超音波トランスデューサ132が底部118と面一に取り付けられているように、実質的にゼロ(0)である。例えば、各超音波トランスデューサ132は、ボルトまたはねじなどの締結具でタンク108の底部118に固定されることができる。そのため、いくつかの例では、トランスデューサ支持体136は、超音波トランスデューサ132を固定するための締結具となり得る。超音波トランスデューサ132と底部118の内面114との間の空間は、超音波トランスデューサ132をタンク108の壁112および底部118から機械的に隔離することができる。別の例では、底部118と超音波トランスデューサ132との間の空間は、約6インチ未満である。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、より大きな空間またはより小さな空間を使用することができることが理解される。
【0020】
[0025]作動すると、超音波トランスデューサ132は、液体120内に超音波および/またはメガソニック波を発生させることができる。超音波トランスデューサ132とワークピース252およびカルーセル104との間の距離140は、以下でより詳細に説明される洗浄レシピの間に決定される。距離140は、各超音波トランスデューサ132について垂直成分(z)ならびに水平成分(xおよびy)を含む。垂直成分および水平成分は、壁112および底部118の内面114上の各超音波トランスデューサ132について同じであり得る。あるいは、垂直成分および水平成分は、壁112および底部118の内面114上の超音波トランスデューサ132間で、異なることもある。別の例では、タンク108の内面114が、円形の周囲を有する場合、超音波トランスデューサ132が生成した波は、内面114からカルーセル104に向かって反射する。したがって、従来の超音波洗浄機の場合よりも多くのエネルギーが、カルーセル104の近傍に伝達される。そのため、本明細書に開示される超音波トランスデューサ132は、カルーセル104の近傍でタンク108内の液体120のキャビテーションを増加させる。
【0021】
[0026]タンク108は、中心線152から測定された、タンク108の内面114まで延びる半径150によって規定される周囲長Pを有する。一例では、タンク108に配置されたハンガー156から各超音波トランスデューサ132を吊り下げることにより、1つ以上の超音波トランスデューサ132が、液体120中に浸漬される。ハンガー156は、超音波トランスデューサ132に着脱自在に結合されている。そのため、各超音波トランスデューサ132は、半径150によって規定される半径成分を有し、各超音波トランスデューサ132を周囲長Pに沿った任意の位置に配置することができる。半径成分は、角度θまたは弧長sとして表すことができる。例えば、タンク108が円である場合、タンク108は、周囲長P=2πrを有し、ここでrは半径150に等しい。したがって、各成分。別の例では、タンク108が実質的に正方形である場合、周囲長Pは、4*wとして定義され、ここでwは、タンク108の一辺の幅に等しい。
【0022】
[0027]他の例では、タンク108が実質的に正方形ではない場合、周囲長Pは、
によって定義され、ここでmは、タンク108の内面114の数に等しい。別の例では、超音波トランスデューサ132は、放射状に等距離の角度reqで配置され、
であり、ここで、Nは、超音波トランスデューサ132の数であり、Pは、上で定義したような周囲長である。さらに他の例では、超音波トランスデューサ132は、タンク108の内面114の周りに等距離に配置されておらず、弧長sが、周囲長Pの長さよりも短く、所与の超音波トランスデューサ132の幅よりも長く、隣接する超音波トランスデューサ132間の間隔または間隙を可能にする。したがって、超音波トランスデューサが配置される角度θは、隣接する超音波トランスデューサ132間の間隙を収容するため、s/rより大きく、2πより小さい。
【0023】
[0028]図2は、図1に示すカルーセル104の一例の等角図を示す。カルーセル104は、キャリア204に結合されたプラットフォーム200と、プラットフォーム200に結合された複数の支持特徴部256とを含む。プラットフォーム200は、上面208と、上面208の反対側の下面212とを有する。キャリア204は、プラットフォーム200の下面212から負のz方向203に延びている。中心軸220の周りに回転可能なシャフト216が、一例では、コネクタ128(図1)に結合するように構成されている。別の例では、シャフト216は、図1に示されたコネクタ128と一体である。シャフト216は、プラットフォーム200に物理的に結合されており、モータ148が動作しているときに、シャフト216に回転トルクを加える。一例では、シャフト216は、プラットフォーム200の208で終端する。あるいは、シャフト216は、プラットフォーム200の上面208および下面212を通って延び、シャフト216は、それに結合されたままである。一例では、カルーセル104の中心軸220は、タンク108の中心線152と実質的に一致する。しかしながら、他の例では、本明細書に記載されるような開示の態様から逸脱することなく、中心線152と中心軸220が一致しないことがあることが理解される。
【0024】
[0029]キャリア204は、複数のホルダ224と、内側リング244と、外側リング248とを含む。複数のホルダ224は、中心軸220の周りに放射状に延びている。複数のホルダ224の各ホルダは、第1の側壁228および第2の側壁232を含む。第1の側壁228および第2の側壁232はそれぞれ、複数のパーティション222のうちの1つ以上のパーティション222を含む。各ホルダ224は、キャリア204の一端において、プラットフォーム200の下面212によって境界付けられている。さらに、各ホルダ224は、キャリア204の他端において、内側リング244および外側リング248によって境界付けられている。内側リング244は、外側リング248が内側リング244を完全に取り囲むように、外側リング248の直径よりも小さい直径を有する。内側リング244および外側リング248は、円筒状のリングとして示されているが、その形状に限定されるものではない。内側リング244および外側リング248の各々は、円、四角形、または正方形として形成することができる。
【0025】
[0030]図示の例では、第1の側壁228および第2の側壁232を形成する複数のパーティション222は、金属、プラスチック、ポリマー、またはそれらの組成物で作ることができるバーまたはロッドから形成される。例えば、バーからパーティション222を形成することにより、第1の側壁228および第2の側壁232はそれぞれ、隣接するパーティション222間に開口部を有することが可能となる。各ホルダ224は、6つの面があり、そのうちの5つが開口部を有するような、実質的に四角形の配置のパーティション222から形成されている。第1の側壁228および第2の側壁232は、四角形の配置のパーティション222の対向する面に形成されており、各ホルダ224の最も大きな開口部を有する。有利には、トランスデューサ132から放出されたエネルギーは、各ワークピース252への直接の見通し線経路を有する。さらに、複数のパーティション222は、トランスデューサからの吸収されるエネルギーを最小限にするので、より多くのエネルギーがキャビテーションのために節約される。複数のパーティションのために選択された材料は、超音波およびメガソニック波の少なくとも一方を反射する。
【0026】
[0031]スロット240が、内側リング244と外側リング248との間に形成された空間または間隙によって画定され、それぞれが、x方向201およびy方向202の次元を有する。スロット240は、y方向202に延びる第1の側壁228および第2の側壁232によって、さらに画定される。スロット240の長さは、x-y平面内で、内側リング244と外側リング248とによって規定される。x-y平面は、x方向201とy方向202の次元を有する。スロット240の幅は、第1の側壁228と第2の側壁232との間の距離によって定義される。したがって、一例では、内側リング244によって境界付けられたスロット240の幅は、外側リング248によって境界付けられたスロット240の幅と同一である。別の例では、内側リング244によって境界付けられたスロット240の幅は、外側リング248によって境界付けられたスロット240の幅より短い。1つ以上のワークピース252が、複数のホルダ224によってキャリア204内に保持される。各ワークピース252は、ホルダ224のスロット240内に着座する。スロット240内の空間/間隙は、ワークピース252の一部分がそこを通って延びることを可能にするので、ワークピース252は、内側リング244と外側リング248とによって形成された平面の下に部分的に延びている。
【0027】
[0032]支持特徴部256が、プラットフォーム200の上面208に結合され、上面208から正のz方向203に延び、x-y平面において中心軸220から放射状に延びている。図示のように、支持特徴部256は、シャフト216から放射状に延び、一例では、支持特徴部256は、溶接によってシャフト216および/またはプラットフォーム200に結合されている。別の例では、支持特徴部256は、接着剤によって、またはボルト、ねじ、もしくは他の適切な結合具などの1つ以上の固定部材によって、シャフト216および/またはプラットフォーム200に結合されている。プラットフォーム200とキャリア204は、上述したのと実質的に同じ方法で固定部材を用いて溶接または結合され得ることが理解される。
【0028】
[0033]図3は、図2の超音波洗浄システム100に示されたカルーセル104の代替例の等角図である。代替のカルーセル300では、シャフト216が、プラットフォーム200の上面208から延び、下面212へ通り抜けている。キャリア204は、プラットフォーム200の上面208から正のz方向203に延びている。各ワークピース252は、ホルダ224内に配置されているとき、上面208に載置されている。カルーセル300が回転しているとき、各スロット240は、各ワークピース252の一部分がパーティション222の開口部を通って延びているので、カルーセル300内にそれぞれのワークピース252を保持する。支持特徴部256が、プラットフォーム200の上面208から正のz方向203にシャフト216まで延びている。支持特徴部256は、キャリア204が支持特徴部256を囲むように、中心軸220から放射状に延びている。
【0029】
[0034]図4Aは、図1図3に示すカルーセル104の側面図であり、複数のワークピース252を支持するための複数のホルダ224を描く。キャリア204が図2に示すような向きであるとき、キャリア204は、ワークピース252とキャリア204の最上部との間にクリアランス404が形成されるように、各ワークピース252を収容するのに適した高さ400を有する。あるいは、キャリア204が図3に示すような向きであるとき、クリアランス404は、ワークピース252と内側リング244および外側リング248との間にある。スロット240は、カルーセル300が回転しているとき、各ワークピース252をホルダ224内に保持するように構成されている。したがって、各ホルダ224は、各ワークピース252よりも大きい高さ400および幅を有する。上述したように、スロット240は、それによって、各ワークピース252の一部分が、内側リング244と外側リング248との間でキャリア204の下に延びることを可能にする。各ワークピース252の一部分をキャリア204の外周の外側に延ばすことにより、カルーセルは、各ワークピース252と1つ以上の超音波トランスデューサ132との間の見通し線を可能にする。見通し線を維持することで、超音波トランスデューサ132からより多くのエネルギーが液体120に伝達され、最終的に液体120中にキャビテーションが発生するので、効率的なキャビテーションが可能となる。
【0030】
[0035]図4Bは、図4Aの線B-Bから見たときの複数のホルダ224の底面図である。図4Bは、図4Aの線B-Bから見たカルーセルの底面図である。キャリア204は、各ワークピース252を収容するのに十分な外径408を有するが、少なくとも1つのワークピース252の一部分が、外側リング248の外周を越えて延びることができる。内側リング244は、内側リング244の円周が、ワークピース252の少なくとも1つの内側部分が内側リング244を越えて中心軸220に向かって延びることを可能にするような、内径412を有する。このように内側リング244および外側リング248を越えてワークピース252を延ばすことにより、洗浄されることが望まれていないカルーセル104の表面との衝突時に失われる液体中のエネルギーが少なくなるので、液体120は、各ワークピース252の周囲で、および各ワークピース252の中を通って、より効率的に循環することができる。複数のホルダ224は、各ワークピース252間に間隙416が形成されるように、キャリア204の中心軸220の周りに角度420で形成されている。間隙416と角度420は、内径412と外径408の関数である。したがって、間隙416および角度420は、ワークピース252の洗浄を促進するように最適化することができる。一例では、角度420は、N/2π以下であり、ここでNは、ワークピース252の数である。一例では、角度420は、約15度から約35度の間であり、例えば、約20度または約25度である。
【0031】
[0036]図5は、図1図3に示すカルーセルを用いて複数のワークピースを洗浄する方法のフローチャートである。工程504において、複数のワークピースが、流体のタンク内で回転させられる。一例では、複数のワークピース252は、カルーセル104内に配置される。カルーセル104が中心軸220の周りに回転させられ、こうして、液体120中に浸漬されたワークピース252をカルーセル104の中心軸220の周りに回転させる。
【0032】
[0037]方法500は、工程508に進み、ワークピースからある距離を置いた複数の音波トランスデューサを作動させて、流体を超音波振動させる。一例では、超音波トランスデューサ132が、ワークピース252から距離140の位置に配置される。距離140は、約8インチと約36インチとの間、例えば約12インチである。別の例では、距離140は、約15インチと約25インチとの間、例えば、約24インチまたは約20インチである。さらに別の例では、距離140は、約16インチ以下、または約12インチ未満、または約10インチである。上述のように、タンク108の壁112もしくは底部118に取り付けられた超音波トランスデューサ132との間の距離140は、等距離であってもよく、または異なる距離を有することもできる。一例では、各超音波トランスデューサ132とカルーセル104の中心軸220との間の距離140は、等距離である。一つの利点は、超音波トランスデューサ132がカルーセル104の中心軸から等距離に配置されている場合、共振周波数をより迅速に達成することができることである。
【0033】
[0038]洗浄レシピのパラメータが、工程512で調整される。洗浄レシピのパラメータは、トランスデューサの周波数、トランスデューサによって流体に伝達される出力(パワー)、流体の脱酸素レベル、ワークピースの回転速度、およびカルーセルの回転の持続時間を含み得る。例えば、超音波トランスデューサ132は、超音波トランスデューサ132が約50kHzと約100kHzの間の周波数、例えば約55kHzで振動するように、電源(図示せず)から電力を受ける。別の例では、複数の超音波トランスデューサ132は、約60kHzと約85kHzの間の周波数、例えば約70kHzで振動する。別の例では、超音波トランスデューサ132の周波数は、約75kHzと約85kHzの間、例えば約80kHzで振動する。上記の周波数を利用すると、各キャビティまたは気泡の大きさが小さくなるので、各ワークピース252に与えるキャビティあたりのエネルギーは小さくなる。したがって、上記に開示された周波数は、従来の超音波洗浄機の大きな気泡に伴うホットスポットや陽極酸化の発生を抑えながら、各ワークピース252の洗浄を可能にする。
【0034】
[0039]超音波トランスデューサ132の各々は、約750ワットと約1500ワットの間のエネルギーを液体120に伝達するように構成されている。一例では、液体120に伝達されるエネルギーは、約850ワットと約1350ワットの間、例えば、約900ワット、または約950ワットである。別の例では、液体120に伝達されるエネルギーは、約1100ワットと約1300ワットの間、例えば、約1150ワット、または約1250ワット、または約1275ワットである。
【0035】
[0040]キャビテーションの間、蒸気で満たされた小さなキャビティが、液体120中に形成され、液体120の圧力が比較的低いところで、キャビティ、すなわち気泡またはボイドを作り出すことができる。キャビティが崩壊すると、気泡の近傍に衝撃波が発生し、各キャビティから外側に放射状に広がることができる。衝撃波のエネルギーが、各ワークピース252からパーティクルを除去する。超音波トランスデューサ132からのエネルギーがキャビテーションおよび各ワークピース252からのパーティクルの除去のために伝達されるように、複数のパーティション222は、各ワークピース252のより大きな表面積が液体120に曝されることを可能にする。複数のパーティション222は、超音波トランスデューサ132の少なくとも1つと、それぞれのワークピース252の表面上のほぼ各点との間に、見通し線を維持することを可能にする。従来のホルダは、各ワークピースと従来のホルダとの間の表面接触をより多く必要とするので、流体のキャビテーションに利用できるエネルギーが減少し、それにより、洗浄プロセスの効率および効果が低下する。
【0036】
[0041]洗浄レシピは、流体の酸素化パラメータを含む。例えば、液体120は、約1ppbと約20ppbの間、例えば約15ppbの酸素含有量を有する。別の例では、液体120の酸素含有量は、約5ppbと約15ppbの間、例えば、約7ppb、または約10ppbである。さらに別の例では、液体120の酸素含有量は、約10ppb以下、または約5ppb以下である。
【0037】
[0042]カルーセル104の回転速度は、約5rpmと50rpmの間、例えば約15rpmまたは20rpmである。別の例では、カルーセル104は、約25rpmと約40rpmの間、例えば約30rpmまたは約35rpmで回転する。回転速度は、各ワークピース252の表面におけるキャビテーションの程度を変化させることによって、ワークピース252の洗浄を最適化するように調整される。カルーセル104は、約10分間~約60分間の持続時間、例えば約20分間、回転することができる。別の例では、カルーセル104の回転の持続時間は、約15分間と約45分間の間、例えば約25分間である。別の例では、持続時間は、約25分間と約35分間の間である。別の例では、持続時間は、約27分間と約33分間の間、例えば約30分間である。
【0038】
[0043]工程514において、タンク内の流体を共振させることにより、ワークピースからパーティクルが除去される。洗浄レシピは、超音波トランスデューサ132が液体120を液体120の固有振動数またはその近傍で共振させる共振モードを含み得る。液体120を共振させることで、各ワークピース252のキャビテーションに伝達されるエネルギーの割合を最適化する。液体120の共振時には、より多くのエネルギーが、超音波トランスデューサ132から各ワークピース252の表面へ伝達される。上記の他の例と組み合わせることができる一例では、タンク108の形状は、円形である。タンク108が円形状を有することで、カルーセル104に向けてエネルギーを均等に集中させることができる。さらに、カルーセル104から内面114に向かって反射したエネルギーは、タンク108の中心およびカルーセル104へ戻って来るように向け直される。タンク108の中心に向かって戻るようにエネルギーを反射させると、液体120のパワー密度が増加し、したがって、液体120のキャビテーションの程度および/または密度が増加する。タンク108の形状は、円または円形状に限定されず、液体120を保持するのに適した任意の形状であり得ることが理解される。しかしながら、有利には、タンク108の円形状は、デッドゾーン、すなわち、流体中の音波が互いに打ち消し合うことによって生じる干渉により、流体のパワー密度が著しく低下し、流体のキャビテーションを抑制する流体の領域、を排除する。
【0039】
[0044]任意選択の工程516を実行することができ、各ワークピースの清浄度のレベルが判定される。各ワークピースを液中パーティクルカウンタ(LPC)で検査し、ワークピースの汚染レベルを判定することができる。各ワークピースの清浄度が所定の閾値を超える場合、方法500は終了することができる。1つ以上のワークピースが所定の閾値を超えなかった場合、工程516は工程504に進み、ワークピースが清浄度の所定の閾値を超えるまで、方法は継続する。
【0040】
[0045]本明細書では、ワークピースを超音波洗浄するためのカルーセルと、その使用方法の例を開示している。有利なことに、カルーセルを利用することで、音波をワークピースに向けて反射させることによりタンク内のエネルギー損失が低減され、超音波トランスデューサの洗浄効率が向上する。上記は特定の例に向けられているが、本開示の範囲から逸脱することなく、他の例を考案することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】