(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】流体送達装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/31 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A61M5/31 532
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554229
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 JP2021044376
(87)【国際公開番号】W WO2022114244
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ニムカル、シェカール
(72)【発明者】
【氏名】マルヒ、アーナズ
(72)【発明者】
【氏名】アターベリー、ウィリアム ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、ジェシカ ダイアン
(72)【発明者】
【氏名】ピアット、ビヴァリー アン
(72)【発明者】
【氏名】プレスコット、ジェームズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】フォックス、アダム シー.
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC06
4C066CC08
4C066EE16
4C066HH02
4C066HH13
4C066HH17
4C066HH22
(57)【要約】
治療薬を送達するための流体送達装置について説明する。さらに特に、本開示は、注入前に活性剤及び溶媒を装置内で再構成できるように、相互に可動な複数の構成要素を有する薬物再構成装置に関する。流体送達装置は、ハウジング、カートリッジホルダ、カートリッジホルダ内に配置されたカートリッジ、ボタンロッド、及び足部を含むことができる。カートリッジには活性剤及び溶媒が貯蔵されており、これらは1つ以上のストッパによって分離される。ボタンロッド及び足部は、カートリッジ内のストッパ(複数可)に軸方向の力を与えて、再構成された後流体を注入することができる。足部及びボタンロッドは別個の構成要素であることができることにより、カートリッジホルダを回転させて、治療薬を再構成し、装置を注入のためにプライミングする場合、足部をボタンロッドに対して独立して回転させることが可能になる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌ねじを備えるハウジングと、
前記ハウジングに機械的に結合されたカートリッジホルダであって、前記カートリッジホルダの長さに沿って少なくとも部分的に延在する雄ねじを備え、前記雄ねじの少なくとも一部が前記カートリッジホルダの周囲に360°巻装する、前記カートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダの内部キャビティ内に配置されるカートリッジと、
ボタンロッドであって、
保定フック、
前記ボタンロッドの長手方向軸からゼロ以外の角度で延出する取り外しストップ、
保持スナッパ、
前記ボタンロッドの前記長手方向軸からゼロ以外の角度で延出するバイパススナッパ、及び
駆動ボタン、
を有する、前記ボタンロッドと、
を含む、流体送達装置。
【請求項2】
前記ハウジングはボタンロッド溝部をさらに含み、前記ボタンロッドは前記ボタンロッド溝部を係合するサイズに作られた翼部をさらに含む、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項3】
前記翼部と前記ボタンロッドの遠位端部との間の前記ボタンロッドの第一長さは、前記流体送達装置から排出された流体の体積に対応する、請求項2に記載の流体送達装置。
【請求項4】
前記ボタンロッドの遠位端部に結合され、プッシャを備えた足部をさらに含む、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項5】
前記足部は、前記足部の前記長さに沿って延在する共通軸を中心に半径方向に配置された複数の可撓性指部を含む、請求項4に記載の流体送達装置。
【請求項6】
前記カートリッジホルダは、前記ハウジングに対して伸長構成及び後退構成を有し、
前記伸長構成では、前記足部から半径方向に延出する前記複数の可撓性指部の各可撓性指部は、前記カートリッジの近位端部を係合し、
前記後退構成では、前記足部から半径方向に延出する前記複数の可撓性指部の各可撓性指部は、前記カートリッジの内面を係合する、請求項5に記載の流体送達装置。
【請求項7】
前記後退構成では、前記取り外しストップは、前記ハウジングの近位端部の近くに位置決めされたハウジングストップに当接する、請求項6に記載の流体送達装置。
【請求項8】
前記足部は、前記ボタンロッドの足部スナップを係合するサイズに作られた足部溝部をさらに含む、請求項4に記載の流体送達装置。
【請求項9】
前記足部は、前記ボタンロッドの前記遠位端部に着脱可能に取り付け可能である、請求項4に記載の流体送達装置。
【請求項10】
前記カートリッジホルダは、前記ハウジングに対して回転可能であり、
前記保定フックは、前記カートリッジホルダの近位端部によって内向きに偏向可能である、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記保持スナッパを係合するサイズに作られた保持スナッパアパーチャを含む、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項12】
前記雌ねじは、前記ハウジングの内面の周囲に少なくとも360°巻装する、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項13】
前記雌ねじは、前記カートリッジホルダが前記ハウジングに対して回転するときの摩擦を低減させるために、ベベル加工された第一端部及びベベル加工された第二端部を含む、請求項12に記載の流体送達装置。
【請求項14】
前記雌ねじは、前記ハウジングの内面の周囲に少なくとも420°巻装する、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記カートリッジホルダの近位端部を係合するサイズに作られた軸方向ストップを含む、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項16】
前記カートリッジホルダは、前記ハウジングに対して伸長構成及び後退構成を有し、前記軸方向ストップは、前記カートリッジホルダが所定の位置を越えて近位に摺動することを阻止するように位置決めされることにより、過少量投与を減少させる、請求項15に記載の流体送達装置。
【請求項17】
前記カートリッジは、
遠位先端部と、
第一ストッパと、
前記遠位先端部と前記第一ストッパとの間に配置された第二ストッパと、
前記遠位先端部と前記第二ストッパとの間に配置された活性剤と、
前記第二ストッパと前記第一ストッパとの間に配置された溶媒と、
を含む、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項18】
前記ボタンロッドの遠位端部に結合され、プッシャ及び複数の可撓性指部を有する足部をさらに含み、
前記複数の可撓性指部は、前記足部から半径方向に延出し、前記プッシャを前記第一ストッパに対して中心に配置し、前記足部が前記カートリッジを通して遠位に摺動するときに前記足部を中心に配置することで、投与量体積の一貫性を向上させる、請求項17に記載の流体送達装置。
【請求項19】
前記プッシャは前記第一ストッパに当接する、請求項18に記載の流体送達装置。
【請求項20】
前記活性剤は凍結乾燥されたテデュグルチドを含む、請求項17に記載の流体送達装置。
【請求項21】
前記カートリッジホルダが伸長構成にある場合、前記カートリッジホルダは、前記ハウジング内のスナップ溝部を係合するサイズに作られ、前記スナップ溝部を係合するように位置決めされる半径方向スナップをさらに含む、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項22】
前記カートリッジホルダは、前記ハウジング上に第一半径方向スナップアパーチャ及び第二半径方向スナップアパーチャを係合するサイズに作られ、前記第一半径方向スナップアパーチャ及び前記第二半径方向スナップアパーチャをを係合するように位置決めされた半径方向スナップをさらに含み、
前記半径方向スナップを、前記第一半径方向スナップアパーチャか前記第二半径方向スナップアパーチャかいずれかと係合させることは可聴フィードバックを提供する、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項23】
前記カートリッジホルダは、前記ハウジング上に第一半径方向スナップアパーチャ及び第二半径方向スナップアパーチャを係合するサイズに作られ、前記第一半径方向スナップアパーチャ及び前記第二半径方向スナップアパーチャを係合するよう位置決めされた半径方向スナップをさらに含み、
前記カートリッジホルダは、前記半径方向スナップが前記第一半径方向スナップアパーチャを係合する第一位置から、前記半径方向スナップが前記第二半径方向スナップアパーチャを係合する第二位置まで、前記ハウジングに対して回転可能である、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項24】
前記カートリッジホルダの遠位端部は、内部ベベルを含む、請求項1に記載の流体送達装置。
【請求項25】
請求項1に記載の流体送達装置の使用方法であって、
前記ハウジングに対して前記カートリッジホルダを回転させることにより、前記カートリッジホルダの上の半径方向スナップが前記ハウジングの上に第一半径方向スナップアパーチャを係合する第一位置から、前記半径方向スナップが前記ハウジングの上に第二半径方向スナップアパーチャを係合する第二位置まで、前記ハウジングを通して軸方向の近位に前記カートリッジホルダを移動させることと、
前記ハウジングに対して前記カートリッジホルダを回転させることにより、前記カートリッジを通して軸方向の遠位に前記ボタンロッドを移動させることと、
を含む、前記方法。
【請求項26】
第一ストッパが前記カートリッジ内で第二ストッパに向かい軸方向の遠位に移動するように、前記ボタンロッドの遠位端部に結合された足部を介して前記カートリッジを通して前記第一ストッパを遠位に押すことをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記足部は、前記ボタンロッドの前記遠位端部に着脱可能に取り付け可能である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第一ストッパを前記第二ストッパに向かい軸方向の遠位に押すことにより、前記カートリッジの遠位先端部と前記第二ストッパとの間に配置された活性剤を、前記第二ストッパと前記第一ストッパとの間に配置された溶媒と混合させることにより、再構成された液体を作成する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第一ストッパ及び前記第二ストッパが軸方向の遠位に移動し、前記カートリッジの遠位先端部から前記再構成された液体を排出するように、前記駆動ボタンを軸方向の遠位に押下することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記再構成された液体の一部のみを前記遠位先端部から排出することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記再構成された液体の前記一部が前記遠位先端部から排出される場合、約0.1mLの再構成された液体は前記カートリッジ内に残存する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記半径方向スナップを前記第二半径方向スナップアパーチャと係合させることにより、前記流体送達装置が注入のためにプライミングされていることを示す可聴フィードバックを生じさせることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記活性剤は凍結乾燥されたテデュグルチドを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
第一ストッパが前記カートリッジ内で第二ストッパに向かい軸方向の遠位に移動するように、前記ボタンロッドの遠位端部に結合された足部を介して前記カートリッジを通して前記第一ストッパを遠位に押すことをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記カートリッジホルダが前記ハウジングを通して軸方向の近位に移動する場合、前記取り外しストップに前記カートリッジホルダの近位端部を当接させることと、
前記保定フックが前記ハウジングの近位端部に近接して位置決めされたハウジングストップをバイパスするように、前記保定フックを、前記カートリッジホルダの前記近位端部によって内向きに偏向させることと、
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記ハウジングに対して前記カートリッジホルダを回転させるステップは、さらに、前記駆動ボタンが前記ハウジングの近位端部から延出するように、前記ボタンロッドを前記ハウジングに対して軸方向に移動させる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
第一ストッパが前記カートリッジ内で第二ストッパに向かい軸方向の遠位に移動するように、前記ボタンロッドの遠位端部に結合された足部を介して前記カートリッジを通して前記第一ストッパを遠位に押すことをさらに含み、
前記カートリッジの内部キャビティ132内で摺動する前記第一ストッパの摩擦は、前記ボタンロッドを前記ハウジングに対して軸方向に移動させる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記カートリッジホルダの近位端部によって、前記バイパススナッパを前記ハウジングに対して軸方向の近位に押す、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
雌ねじ及びボタンロッド溝部を備えるハウジングと、
前記ハウジングに機械的に結合されたカートリッジホルダであって、前記カートリッジホルダの長さに沿って少なくとも部分的に延在する雄ねじを備え、前記雄ねじは前記雌ねじを係合するサイズに作られる、前記カートリッジホルダと、
前記カートリッジホルダの内部キャビティ内に配置されるカートリッジと、
第一ボタンロッドであって、
第一駆動ボタン、及び
第一翼部であって、前記第一翼部と前記第一ボタンロッドの遠位端部との間の前記第一ボタンロッドの第一長さが前記カートリッジから排出された流体の第一体積に対応する、前記第一翼部、
を有する、前記第一ボタンロッドと、
第二ボタンロッドであって、
第二駆動ボタン、及び
第二翼部であって、前記第二翼部と前記第二ボタンロッドの遠位端部との間の前記第二ボタンロッドの第二長さが前記カートリッジから排出された流体の第二体積に対応する、前記第二翼部、
を有する、前記第二ボタンロッドと、
を含み、
前記第一長さは前記第二長さより短く、
前記第一体積は前記第二体積よりも小さい、システム。
【請求項40】
前記第一ボタンロッドまたは前記第二ボタンロッドの遠位端部に取着可能であり、プッシャを備えた足部をさらに含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記足部は、前記足部の前記長さに沿って延在する共通軸を中心に半径方向に配置された複数の可撓性指部を含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記足部は、前記第一ボタンロッドまたは前記第二ボタンロッドの足部スナップを係合するサイズに作られた足部溝部をさらに含む、請求項41に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、治療薬を送達するための流体送達装置に関する。さらに特に、本開示は、注入前に活性剤及び溶媒を装置内で再構成できるように、相互に可動な複数の構成要素を有する薬物再構成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
再構成は、注入前に活性剤を再液化または再構成できるように、凍結乾燥した活性剤を溶媒と混合するプロセスである。今後の混合のために、薬物、生物学的薬剤、またはその他の治療薬などの活性剤を凍結乾燥(またはフリーズドライ)させることで、その薬剤の有効期間を維持することが支援されることができ、薬剤をエンドユーザに送達することが可能になることから、このプロセスは一般的である。ただし、多くの場合、薬剤の混合が製造者または薬剤師以外の者によって完了すると予想されるため、溶媒及び活性剤の混合が正確で間違いのないことを確実にするように注意する必要がある。
【0003】
再構成装置の以前の設計には、2つのストッパの間に溶媒を収容し、ストッパの遠位とカートリッジの端部との間に活性剤を収容するマルチストッパカートリッジが含まれていた。これらの設計では、近位ストッパは、軸方向に移動し、遠位ストッパを通して溶媒を押し出すことで、活性剤を貯蔵しているカートリッジ空間に溶媒が流入する。溶媒が凍結乾燥した薬剤と相互作用すると、カートリッジを振盪させて治療薬を再構成することができる。従来の設計では、確実に正確な量の溶媒及び活性剤が同じカートリッジに供給されるようにする技術は提供されているが、(1)溶媒及び活性剤が適切に混合されることと、(2)混合後に溶媒及び活性剤が患者に適切に投与されることと、を確実にするための多数の冗長性及びセーフティプロトコルは提供されていない。したがって、凍結乾燥した活性剤を正確に再構成し、そのうえ、再構成した薬剤を投与するために使用できるエラー防止の統合された装置を提供する、改良された方法、装置、及びシステムが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は、正確な投薬を保証するための冗長性及びフィードバックも提供しながら、活性剤を再構成するためのシステム、装置、及び方法を提供することである。
【0005】
本開示は、流体送達装置を提供する。流体送達装置は、雌ねじを備えたハウジングを含むことができる。流体送達装置は、ハウジングに機械的に結合されたカートリッジホルダを含むことができる。カートリッジホルダは、カートリッジホルダの長さに沿って少なくとも部分的に延在する雄ねじを含むことができる。雄ねじの少なくとも一部は、カートリッジホルダの周囲に360°巻装されることができる。流体送達装置は、カートリッジホルダの内部キャビティ内に配置されたカートリッジを含むことができる。流体送達装置はボタンロッドを含むことができる。ボタンロッドは、保定フック、ボタンロッドの長手方向軸からゼロ以外の角度で延出する取り外しストップ、保持スナッパ、ボタンロッドの長手方向軸からゼロ以外の角度で延出するバイパススナッパ、及び駆動ボタンを含むことができる。
【0006】
ハウジングはボタンロッド溝部を含むことができ、ボタンロッドはボタンロッド溝部を係合するサイズに作られた翼部を含むことができる。翼部とボタンロッドの遠位端部との間のボタンロッドの第一長さ(例えば、投与量長さ)は、流体送達装置から排出される流体の体積に対応し得る。
【0007】
流体送達装置は、ボタンロッドの遠位端部に結合された足部を含むことができる。足部は、カートリッジ内でストッパを押すためのプッシャを含むことができる。足部は、足部の長さに沿って延在する共通軸を中心に半径方向に配置された複数の可撓性指部を含むことができる。
【0008】
カートリッジホルダは、ハウジングに対して伸長構成及び後退構成を有することができる。伸長構成では、複数の可撓性指部の各可撓性指部は、カートリッジの近位端部を係合することができる。後退構成では、複数の可撓性指部の各可撓性指部は、カートリッジの内面を係合することができる。後退構成では、取り外しストップは、ハウジングの近位端部に近接して位置決めされたハウジングストップに当接することができる。
【0009】
足部は、ボタンロッドの足部スナップを係合するサイズに作られた足部溝部を含むことができる。足部は、ボタンロッドの遠位端部に着脱可能に取り付け可能であることができる。
【0010】
カートリッジホルダは、ハウジングに対して回転可能であることができる。保定フックは、カートリッジホルダの近位端部によって内向きに偏向可能であることができる。ハウジングは、保持スナッパを係合するサイズに作られた保持スナッパアパーチャを含むことができる。
【0011】
雌ねじは、ハウジングの内面の周囲に少なくとも360°巻装することができる。雌ねじは、ハウジングの内面の周囲に少なくとも420°巻装することができる。雌ねじは、カートリッジホルダがハウジングに対して回転するときの摩擦を低減させるために、ベベル加工された第一端部及びベベル加工された第二端部を含むことができる。
【0012】
ハウジングは、カートリッジホルダの近位端部を係合するサイズに作られた軸方向ストップを含むことができる。カートリッジホルダは、ハウジングに対して伸長構成及び後退構成を有することができる。軸方向ストップは、カートリッジホルダが所定の位置を越えて近位に摺動するのを阻止するように位置決めされることにより、過少量投与の見込みまたは尤度を低減させることができる。
【0013】
カートリッジは、遠位先端部、第一ストッパ、遠位先端部と第一ストッパとの間に配置された第二ストッパ、遠位先端部と第二ストッパとの間に配置された活性剤、及び第二ストッパと第一ストッパとの間に配置された溶媒を含むことができる。流体送達装置は、ボタンロッドの遠位端部に結合され、プッシャ及び複数の可撓性指部を有する足部を含むことができ、複数の可撓性指部は、足部から半径方向に延出し、プッシャを第一ストッパに対して中心に配置することができる。プッシャを中心に配置することで、足部がカートリッジを通して遠位に摺動する場合、指部は摩擦を低減させることができる。指部は、ストッパに対してプッシャを中心に配置することで、投与量体積の一貫性を向上させることもできる。プッシャは、流体送達装置が静止(例えば、伸長)構成である場合、第一ストッパに当接することができる。活性剤には、凍結乾燥したテデュグルチドが含まれ得る。
【0014】
カートリッジホルダが伸長構成である場合、カートリッジホルダは、ハウジング内のスナップ溝部を係合するサイズに作られ、それを係合するように位置決めされた半径方向スナップを含むことができる。半径方向スナップをスナップ溝部と係合させることにより、例えば使用者が装置をひねることなく、カートリッジホルダが不用意に回転するのを防ぐことができる。半径方向スナップは、ハウジング上に第一半径方向スナップアパーチャ及び第二半径方向スナップアパーチャを係合するサイズに作られ、それらを係合するように位置決めされることができる。半径方向スナップを第一半径方向スナップアパーチャか第二半径方向スナップアパーチャかいずれかと係合することにより、ハウジングに対するカートリッジホルダの位置(例えば、混合、プライミングなど)の可聴及び/または可触フィードバックを提供することができる。
【0015】
カートリッジホルダは半径方向スナップを含むことができ、半径方向スナップは、ハウジング上に第一半径方向スナップアパーチャ及び第二半径方向スナップアパーチャを係合するサイズに作られ、それらを係合するように位置決めされることができる。カートリッジホルダは、半径方向スナップが第一半径方向スナップアパーチャを係合する第一位置から、半径方向スナップが第二半径方向スナップアパーチャを係合する第二位置まで、ハウジングに対して回転可能であることができる。
【0016】
カートリッジホルダの遠位端部は、内部ベベルを含むことができる。
【0017】
本開示はシステムを提供する。このシステムは、雌ねじ及びボタンロッド溝部を有するハウジングを含むことができる。システムは、カートリッジホルダを含むことができ、カートリッジホルダは、ハウジングに機械的に結合され、カートリッジホルダの長さに沿って少なくとも部分的に延在して雌ねじを係合するサイズに作られる雄ねじを含むことができる。システムは、カートリッジホルダの内部キャビティ内に配置されたカートリッジを含むことができる。システムは、第一ボタンロッドを含むことができる。第一ボタンロッドは、第一駆動ボタン及び第一翼部を含むことができる。第一翼部と第一ボタンロッドの遠位端部との間の第一ボタンロッドの第一長さ(例えば、第一投与量長さ)は、カートリッジから排出される第一体積の流体に対応し得る。このシステムは、第二ボタンロッドを含むことができる。第二ボタンロッドは、第二駆動ボタン、第二翼部を含むことができる。第二翼部と第二ボタンロッドの遠位端部との間の第二ボタンロッドの第二長さ(例えば、第二投与量長さ)は、カートリッジから排出される第二体積の流体に対応し得る。第一長さは第二長さより短くてもよく、第一体積は第二体積より小さくてもよい。
【0018】
このシステムは、第一ボタンロッドまたは第二ボタンロッドの遠位端部に取着可能な足部を含むことができ、足部は、カートリッジ内にストッパを押し込むためのプッシャを含むことができる。足部は、足部の長さに沿って延在する共通軸を中心に半径方向に配置された複数の可撓性指部を含むことができる。足部は、第一ボタンロッドまたは第二ボタンロッドの足部スナップを係合するサイズに作られた足部溝部を含むことができる。
【0019】
本開示の上述の態様及び更なる態様は、添付図面と併せて以下の説明を参照して更に論じられ、添付図面において、様々な図中の同様の数字は同様の構造要素及び特徴を示している。図面は、必ずしも原寸に比例するとは限らず、代わりに、本開示の原理を示すことに重点が置かれている。図面は、本発明のデバイスの1つ以上の実施態様を、限定ではなく例としてのみ示している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】A及びBは、本開示による流体送達装置を示す。
【
図2】A~Dは、本開示による流体送達装置の側断面図である。
【
図3】A及びBは、本開示による例示的なカートリッジホルダを示す。
【
図5A】本開示による例示的なボタンロッドを示す。
【
図5B】本開示による例示的なボタンロッドを示す。
【
図5C】本開示による例示的なボタンロッドを示す。
【
図6】A~Cは、本開示による例示的な足部を示す。
【
図7A】流体送達装置を再構成位置からプライミング(または後退)位置まで移動させるプロセスを示す。
【
図7B】流体送達装置を再構成位置からプライミング(または後退)位置まで移動させるプロセスを示す。
【
図7C】流体送達装置を再構成位置からプライミング(または後退)位置まで移動させるプロセスを示す。
【
図7D】流体送達装置を再構成位置からプライミング(または後退)位置まで移動させるプロセスを示す。
【
図7E】流体送達装置を再構成位置からプライミング(または後退)位置まで移動させるプロセスを示す。
【
図7F】流体送達装置を再構成位置からプライミング(または後退)位置まで移動させるプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で開示されている解決策は、注入前に活性剤及び溶媒を装置内で再構成できるように、相互に可動な複数の構成要素を有する薬物再構成装置を対象とする。複数の構成要素は、装置の使用者が薬物を適切に再構成し、送達のために装置をプライミングし、混合した薬剤を注入することを確実にするための機械的、可聴、及び/または可触フィードバックを提供することができる。フィードバック、安全性、及び冗長性の特徴は、いくつかの理由から薬物の再構成及び送達装置にとって重要である。1つは、製薬業者は、再構成された治療薬に必要な正確な量の活性剤と溶媒との比率を提供することができることである。混合中にエラーが発生すると、これにより、活性剤の過剰投与または過少投与が生じる可能性がある。
【0022】
さらに、送達装置を用いて薬物を投与する人が医療提供者または薬剤師以外の人であることも一般的である。これらの使用者は、混合が正しく行われ、混合後、正確な量の薬物が送達されることを確実にするために装置に依存している。さらに、これらの装置は手先の器用さに問題のある人の手に渡っている可能性があり、装置を落とす可能性が高いことがあることを意味する。これらの理由から、耐久性及び強剛性は、装置のあらゆる他の特徴と同じくらいのセーフティ特徴であることができる。
【0023】
本明細書に記載される装置、システム、及び方法は、正確な再構成、プライミング、及び送達を保証する流体送達システムを提供することによって、これらの問題に対する解決策を提供する。流体送達装置を提供するための様々な装置及び方法が開示されており、装置及び方法の例をこれより添付図面を参照して説明する。
【0024】
図1Aは、流体送達装置100の投影側面図である。上述されるように、流体送達装置100は、互いに係合して流体(例えば、活性剤、治療薬、薬物、またはその他の液体)を再構成して送達する複数の構成要素を含むことができる。例えば、流体送達装置100は、GLP-2(グルカゴン様ペプチド2)の33アミノ酸類似体であるテデュグルチドを再構成して送達するように構成されることができる。流体送達装置100は、カートリッジホルダ102、カートリッジ104、及びハウジング106を含むことができる。カートリッジ104には、以下により詳細に説明されるように、凍結乾燥した活性剤と、乾燥した活性剤を再構成するために使用される溶媒とを予め装填することができる。カートリッジ104は、カートリッジホルダ102内に配置されることができる。次いで、カートリッジホルダ102は、例えば、ハウジング106の内面の上のねじに対応するカートリッジホルダ102の上のねじによって、ハウジング106に機械的に結合されることができる。カートリッジホルダ102は、ハウジング106に対して軸方向に後退して、または移動して、薬物を再構成し、送達のために装置をプライミングすることができる。
【0025】
また流体送達装置100は、再構成された液体を患者に送達するためのニードルを含む固定式またはモジュール式のニードルキャップ110を含むこともできる。ニードルキャップ110は、カートリッジホルダ102の上で遠位ねじ116と係合する雌ねじを含むことができる。流体送達装置100は、足部108を含むことができ、この足部は、カートリッジ内にストッパを押し込んで、活性剤を再構成することも、ニードルキャップ110を通して活性剤を送達することもできる。
【0026】
図1Bは、流体送達装置100の側面図である。上述のように、カートリッジホルダ102は、ハウジング106の内面の上のねじに対応するカートリッジホルダ102の上のねじによって、ハウジング106に機械的に結合されることができる。したがって、カートリッジホルダ102は、ハウジング106に対してカートリッジホルダ102を回転させることによって、ハウジング106内の近位に後退することができる。ハウジング106に対するカートリッジホルダ102の位置は、流体送達装置100の再構成またはプライミングの段階を使用者に指示することができる。例えば、カートリッジホルダ102は、ハウジング106に対してカートリッジホルダ102がある段階を示す1つまたは複数の位置インジケータ103を含むことができる。ハウジング内のインジケータウィンドウ111は、位置インジケータ103をハイライトすることができる。カートリッジホルダ102の軸方向位置が流体送達装置100の状態(例えば、混合、プライミングなど)にどのように影響するかについては、以下でより詳細に説明される。
【0027】
図2A~
図2Dは、
図1Bの中心の長手方向軸に沿って取られた流体送達装置100の側断面図である。
図2Aは、流体送達装置100の断面図であり、カートリッジホルダ102、カートリッジ104、及びハウジング106がどのように互いに係合することができるかの一例を示している。流体送達装置100は、活性剤の再構成だけでなく送達も行うための駆動ユニットとして機能することができるボタンロッド250を含むことができる。ボタンロッド250は、取り外しストップ254、保持スナッパ258、バイパススナッパ260、及び駆動ボタン262を含むことができ、これらはすべて以下により詳細に説明される。要約すると、これらの特徴を使用して、注入のために流体送達装置100をプライミングし、プライミング後、治療薬を送達することができる。
【0028】
上述されるように、カートリッジ104は、粉末(例えば、凍結乾燥された活性剤)から液体(例えば、溶媒)を分離するためのストッパを含むことができる。カートリッジ104は、カートリッジ104の内部キャビティ132内の近位に位置決めされた第一ストッパ202と、第一ストッパ202に対して遠位に位置決めされた第二ストッパ204とを含むことができる。第一リザーバ206は、第一ストッパ202と第二ストッパ204との間に位置決めされ得る。第一リザーバ206は、再構成に使用される溶媒を貯蔵することができる。第二リザーバ208は、第二ストッパ204とカートリッジ104の遠位先端部140との間に位置決めされ得る。第二リザーバ208は、凍結乾燥された活性剤を貯蔵することができる。第二ストッパ204は、第一ストッパ202が第二ストッパ204に向かい軸方向に摺動する場合、溶媒が第二リザーバ208内に浸出することを可能にする複数の穴部またはアパーチャを含むことができる。
【0029】
図2Bを参照すると、この図は、
図2Aに示される、対応する遠位セクションの拡大図であり、カートリッジ104がカートリッジホルダ102の内部キャビティ130内に位置決めされると、カートリッジ104の遠位先端部140は、カートリッジホルダ102の遠位端部312に当接することができる。カートリッジホルダ102の遠位端部312は、カートリッジホルダ102の遠位端部312にわずかな勾配を与えるベベル316を含むことができる。このベベル316により、カートリッジホルダ102の遠位端部312に鋭利な縁部がなくなり、アルコールスワブで簡単に浄化することが可能になる。ニードルキャップ110は、遠位ねじ116によってカートリッジホルダ102の遠位端部312で装置に連結することができる。
【0030】
図2A及び
図2Cを参照すると、流体送達装置100は、ボタンロッド250の遠位端部252に結合された足部108を含むことができる。特に
図2Cは、
図2Aに示される対応する中央セクションの拡大図である。足部108は、カートリッジ104の内部キャビティ132を通してストッパ(例えば、ストッパ202及び204)を押すために、ボタンロッド250の遠位に配置されるプッシャ114を含むことができる。ボタンロッド250が軸方向に押下されると、プッシャ114は、第一ストッパ202の上に軸方向の力をかけて、第一ストッパ202を軸方向に摺動させることができる。
図2A及び
図2Cは、プッシャ114と第一ストッパ202との間のわずかなギャップを示し、いくつかの例では、再構成前の静止構成にある場合にプッシャ114が第一ストッパ202に当接することが企図されている。開発試験中に、第一ストッパ202に当接するようにプッシャ114を位置決めすることにより、落下試験プロトコルを受ける場合に第一ストッパ202の軸方向の不用意な運動を減少させることができることが示されている。
【0031】
足部108は、足部108の長手方向軸610から半径方向に延出する複数の可撓性指部604を含むことができる。可撓性指部604は、カートリッジホルダ102及びカートリッジ104の内面の上に半径方向の力をかけるために延在することができる。このようにして、可撓性指部604は、プッシャ114がカートリッジ104を通して軸方向に摺動する場合、第一ストッパ202に対してプッシャ114を中心に位置決めすることを確保することができる。足部108は、近位に分岐し、足部108の長さに沿って遠位に延在する一対の可撓性指部604(
図6A~
図6Cに示される)を含むことができる。可撓性指部604のそれぞれの遠位端部は、足部108の本体から分離されることができると、足部108の軸610に向かい内向きに曲がることが可能になる。足部108は、足部108の対向する側面から延出する2つの可撓性指部604を含むことができる。足部108が3つ、4つ、またはそれ以上の可撓性指部604を含むことができることも企図される。足部108が2つより多い可撓性指部604を含む場合、指部は、足部108の軸610を中心に互いから等距離で分離されることができる。
【0032】
いくつかの例では、足部108は、ボタンロッド250とは別個の特徴であることができる。例えば、足部108は、ボタンロッド250の遠位端部252に着脱可能であることができる。足部108は、ボタンロッド250の遠位端部252の上の足部スナップ253を係合するサイズに作られた足部溝部118を含むことができる。例えば、足部スナップ253は、ボタンロッド250の遠位端部252の上のフランジまたは突出部であることができ、足部溝部118は、足部108の上の凹部であることができる。これに関して、足部108は、対応する溝部118内に摺動して、それとアライメントされる足部スナップ253によって係着可能であることができる。ただし、必要に応じて、または要求に応じて、他の手法で足部108を遠位端部252に取設することができることが企図されている。示されて説明されるように、足部108をボタンロッド250から分離するという特定の利点には、2つの構成要素が互いに独立して回転すること及び/または曲がることが可能になることが含まれる。
【0033】
カートリッジホルダ102は、ハウジング106に対して伸長構成及び後退構成を有することができる。
図2Aは、ホルダ102の伸長構成を示す。この構成では、カートリッジホルダ102は、ハウジング106に対してカートリッジホルダ102を軸方向に移動させるように回転していない。伸長構成では、足部108の各可撓性指部604は、カートリッジ104の近位端部を係合することができる。カートリッジホルダ102が回転すると、カートリッジホルダ102はハウジング106内で軸方向の近位に(例えば、
図2Aの右方向に)移動し、プッシャ114はカートリッジ104内で軸方向に移動することにより、第一ストッパ202及び第二ストッパ204を押し付ける。後退構成では、足部108の各可撓性指部604は、カートリッジ104の内面105を係合することができる。ストッパ202、204からの摩擦により、ボタンロッド250が軸方向の近位(例えば、
図2Aの右方向)に移動し、
図7Fに示されるように、ハウジング106の近位端部416から延出することができる。
【0034】
図2Dを参照すると、ハウジング106内のボタンロッド250の切り欠き図は、カートリッジホルダ102が伸長構成である場合のボタンロッド250の静止状態を示している。ボタンロッド250の上の保持スナッパ258は、保持スナッパアパーチャ112内に静止していること、または保持スナッパアパーチャ112を係合することができる。保持スナッパ258は、使用者が流体送達装置100を使用して治療薬を注入した後、ボタンロッド250を保定することができる。カートリッジホルダ102が回転してその後退構成になった後、カートリッジホルダ102の近位端部314は取り外しストップ254に当接することができると、保定フック256がハウジング106の上のハウジングストップ702から内向きに偏向することができる。保定フック256が内向きに偏向すると、保持スナッパ258はスナッパアパーチャ112から係脱することができ、ボタンロッド250の駆動ボタン262は、軸方向の近位(例えば、
図2Dの右方向)に摺動することができることにより、駆動ボタン262がハウジング106から延出し、使用者が治療薬を注入するためにボタンロッド250を押下するための表面を提供することが可能になる。
【0035】
図3A及び3Bは、本開示による例示的なカートリッジホルダ102を示す。カートリッジホルダ102は、カートリッジホルダ102の長さ304に沿って少なくとも部分的に延在する雄ねじ302を含むことができる。雄ねじ302は、ハウジング106の雌ねじ404と係合することができる。雄ねじ302の少なくとも一部は、カートリッジホルダ102の周囲に360°巻装されることができる。例えば、
図3A及び3Bでは、雄ねじ302は、カートリッジホルダ102の周囲に合計少なくとも1440°連続している。しかしながら、雄ねじがカートリッジホルダ102の周囲で連続した中断のない経路であることを必要とするものはない。ハウジング106の雌ねじ404と係合するには、360°の単一巻きで十分であり得る。あるいは、カートリッジホルダ102の周囲に360°巻装する雄ねじ302の複数のセクションを、カートリッジホルダ102の長さ304に沿って配置し、ねじの各巻きを一定の距離だけ互いから分離させることができる。
【0036】
カートリッジホルダ102は、カートリッジホルダ102の遠位端部312に近接して配置された投与窓部306を含むことができる。投与窓部306は、カートリッジホルダ102内に配置されたカートリッジ104の視界を提供することができる。投与窓部306は、治療薬の再構成中に第一リザーバ206及び/または第二リザーバ208が可視であるように位置決めされることができる。またカートリッジホルダ102は、投与量インジケータ317を含むことができ、これら投与量インジケータは、特定の注射器の総投与量体積を使用者に示すドットまたは凹部であり得る。例えば、3つの投与量インジケータ317(示されるような)を備えたカートリッジホルダ102は、0.3mLの投与量に対応することができ、4つの投与量インジケータ317を備えたカートリッジホルダ102は、0.4mLの投与量に対応することができる。
【0037】
カートリッジホルダ102が伸長構成である場合、カートリッジホルダ102は、ハウジング106内のスナップ溝部417を係合するサイズに作られ、それを係合するように位置決めされた半径方向スナップ308を含むことができる。スナップ溝部417は、
図4Dに見られ、これは、ハウジング106の遠位端部414と雌ねじ404との間に少なくとも部分的に延在することができる。半径方向スナップ308をスナップ溝部417と係合させることにより、例えば使用者が装置をひねることなく、カートリッジホルダが不用意に回転するのを防ぐことができる。これは、例えば、装填された装置の出荷中に有益であることができる。半径方向スナップ308は、ハウジング106の上に第一半径方向スナップアパーチャ401及び/または第二半径方向スナップアパーチャ420を係合するサイズに作られ、それらを係合するように位置決めされることができる。半径方向スナップ308は、(a)治療薬の再構成、及び(b)注入のためのプライミングの異なる段階の可触及び/または可聴フィードバックを提供することができる。可触フィードバックには、半径方向スナップ308が第一半径方向スナップアパーチャ401及び/または第二半径方向スナップアパーチャ402を係合する場合に流体送達装置100の顕著な振盪またはスナップ感触が含まれ得る。可聴フィードバックには、半径方向スナップ308が第一半径方向スナップアパーチャ401及び/または第二半径方向スナップアパーチャ402を係合する場合に顕著なスナップ音が含まれ得る。例示すると、流体送達装置100が初期状態にある場合、カートリッジホルダ102はハウジング106から遠位に延出することができる。カートリッジホルダ102は、混合/再構成段階中に特定の巻き数(例えば、4巻き)回転することができる。カートリッジホルダ102が混合/再構成段階に達すると、半径方向スナップ308は第一半径方向スナップアパーチャ401(例えば、
図4Aを参照)と係合することができ、活性剤及び溶媒を併用した可触及び/または可聴フィードバックを使用者に与えると、使用者は流体送達装置100を振盪させて治療薬を混合することができる。
【0038】
一旦混合すると、使用者は、ハウジング106に対してカートリッジホルダ102を一定の巻き数(例えば2巻き)回転させ続けて、注入のために流体送達装置100をプライミングすることができる。装置が完全プライミング構成になると、半径方向スナップ308は第二半径方向スナップアパーチャ402(例えば、
図4Aを参照)と係合することができ、流体送達装置100が注入のためにプライミングされて準備ができているという可触及び/または可聴フィードバックを使用者に与えることができる。半径方向スナップ308は、カートリッジホルダ102から延出するフランジであり得る。第一半径方向スナップアパーチャ401及び/または第二半径方向スナップアパーチャ402は、ハウジング106内のアパーチャ、穴部、または凹部であり得る。カートリッジホルダ102は、半径方向ストップ310を含むことができ、この半径方向ストップは、流体送達装置100が完全にプライミングされる場合にハウジング106の上のフランジに当接することができることにより、装置が完全にプライミングされた後にカートリッジホルダ102に過剰なトルクを与えるのを防止することができる。
【0039】
図4A~4Eは、本開示による例示的なハウジング106を示す。
図4Aはハウジング106の側面斜視図であり、
図4B~4Dはハウジング106の側断面図であり、
図4Eはハウジング106の端面図である。
図4B~4Dを参照すると、ハウジング106は、ハウジング106の遠位端部414の近くに位置決めされた雌ねじ404を含むことができる。雌ねじ404は、ハウジング106の内面107の周囲に少なくとも360°巻装することができる(カートリッジホルダ102の雄ねじ302に関して上記で規定されるように)。雌ねじ404をハウジング106の内面107の周囲に少なくとも360°巻装することによって、かなりの程度にカートリッジホルダ102の雄ねじ302間で接触させる(例えば、重ならせる)ことができると、より堅牢な装置を提供することができる。雌ねじ404がハウジング106の内面107の周囲に360°超で巻装することができることも企図される。
図4Dは、雌ねじがハウジング106の内面107の周囲に420°巻装する一例を示す。雌ねじ404の巻装の程度を大きくすると、カートリッジホルダ102とハウジング106との間の連結にさらなる強度を与えることができる。しかしながら、雌ねじがハウジング106の内面107の周囲に360°巻装する必要はなく、本明細書では、より低い程度の巻装が考慮される。雌ねじ404は、ベベル加工された第一端部406と、ベベル加工されたセクション端部408とを含むことができ、これらは、雌ねじ404と雄ねじ302との間の摩擦を低減させるために、雌ねじ404に滑らかなランプ状の縁部を提供することができる。
【0040】
ハウジング106は、ハウジング106の近位端部416に近接して位置決めされた軸方向ストップ410を含むことができる。軸方向ストップ410は、カートリッジホルダ102が完全に後退した(プライミングされた)位置にある場合、カートリッジホルダ102の近位端部314を係合するサイズに作られ、それを係合するように位置決めされ得る。例えば、カートリッジホルダ102について上述した半径方向ストップ310と同様に、軸方向ストップ410は、カートリッジホルダ102が所定の位置を越えて後退することを防止することができる。カートリッジホルダ102がハウジング106内に過度に後退するのを防止することにより、過少量投与を減少させることができる。
図4Eは、例示的なハウジング106の端面図を示す。ハウジング106は、ボタンロッド250が軸方向ストップ410を越えて前進することを防止する1つより多い軸方向ストップ410を含むことができる。
【0041】
ハウジング106は、ハウジング106の近位端部416に近接して位置決めされたボタンロッド溝部412を含むことができる。ボタンロッド溝部412は、ボタンロッド250の1つまたは複数の翼部264を係合して、ボタンロッド250がハウジング106に対して遠位にも近位にも摺動することを可能にすると同時に、ボタンロッド250がハウジング106に対して回転することを防止するサイズに作られることができる。ボタンロッド溝部412は、ボタンロッド250がハウジング106内で遠位に移動することができる総距離を規定する長さを有することができる。ボタンロッド溝部412は、ハウジング106の内面107に切り込まれることができ、ボタンロッド250の1つまたは複数の翼部264を受け入れることができる。溝部ストップ418は、翼部264を拘束し、ボタンロッド250が溝部ストップ418を越えて軸方向に移動することを防止するようにボタンロッド溝部412の遠位端部に位置決めされることができる。
【0042】
図5A~5Cは、本開示による例示的なボタンロッド250を示す。
図5Aは例示的なボタンロッド250の側面図であり、
図5Bはボタンロッド250の側面斜視図であり、
図5Cはボタンロッド250の側面図である。ボタンロッド250は、保定フック256、取り外しストップ254、保持スナッパ258、バイパススナッパ260、及び駆動ボタン262を含むことができる。保定フック256は、ボタンロッド250の長手方向軸504からゼロ以外の角度でボタンロッド250から延出することができる。保定フック256を使用して、カートリッジホルダ102が取り外しストップ254と接触するようになるまで、ボタンロッド250がハウジング106に対して軸方向に不用意に移動することを防止することができる。カートリッジホルダ102がハウジング106に対して軸方向に移動すると、カートリッジホルダ102の近位端部314は、取り外しステップ254に接触して、保定フック256を内向きに偏向させることができる。取り外しストップ254は、保定フック256の長さに沿って位置決めされることができ、滑らかな傾斜した側面及び平坦な側面を有することができる。滑らかな側面は、カートリッジホルダ102の近位端部314が取り外しストップ254の上で摺動して保定フック256をハウジングストップ702から係脱することを可能にするように遠位に位置決めされることができ、保定フック256が内向きに偏向されるまで、平坦な側面は、ハウジングストップ702の上で静止して近位に位置決めされることができる。
【0043】
図5Cを参照すると、ボタンロッド250の形状は、カートリッジ104から排出される流体の量を示すことができる。1つまたは複数の翼部264とボタンロッド250の遠位端部252との間のボタンロッド250の投与量長さ280は、流体送達装置100から排出される流体の体積に対応し得る。上述のように、ボタンロッド250の翼部264は、ボタンロッド溝部412内で軸方向に摺動するサイズに作られることができる。ボタンロッド250は、上述の溝部ストップ418によって、ハウジング106に対して軸方向の遠位に移動するのを防止されることができる。この目的のために、1つまたは複数の翼部264とボタンロッド250の遠位端部252との間のボタンロッド250の投与量長さ280は、ボタンロッド250がカートリッジ104内に延出する距離を規定することができる。したがって、この投与量長さ280は、カートリッジ104から送達されることが意図されている流体の量に基づいて変更されることができる。例えば、投与量長さ280が長くなることにより、ボタンロッド250(及び/または足部108)がカートリッジ104内にさらに延出するため、排出する液体の体積が多くなることに相当する。投与量長さ280が短くなることにより、カートリッジ104内に延出するボタンロッド250(及び/または足部108)の距離が短くなるため、排出する液体の体積が少なくなることに相当する。投与量長さ280が異なるこの変更は、特定の投与量長さ280を有する異なるボタンロッド250を挿入することによって、またはボタンロッド250の投与量長さ280を調整することによって(例えば、長さが伸縮するボタンロッド250によって)達成されることができる。
【0044】
投与量長さ280が異なる複数の異なるボタンロッド250を提供することにより、製造者は、装置内で使用されるボタンロッド250を変更するだけで流体送達装置100から排出される投与量を変更することが可能になる。例えば、カートリッジホルダ102、ハウジング106、足部108は、特定の患者に対する投与量に関係なく、すべて一定であり、同じであることができる。さらに、すべてのカートリッジ104は、同じ体積の溶媒及び活性剤を用いて製造されることができる。しかしながら、患者の投与量要件に応じて、ボタンロッド250を調整して、排出する流体を多くする(すなわち、投与量長さ280を長くする)または排出する流体を少なくする(すなわち、投与量長さ280を短くする)ことができる。
【0045】
注入後、あらゆる未使用の流体はカートリッジ104の遠位端部(すなわち、第二リザーバ208内)に残ることができ、未使用の流体(例えば、カートリッジ104の全体)は廃棄されることができる。上述のカートリッジホルダ102の上の投与窓部306を参照すると、流体が排出されると、カートリッジ104の第一ストッパ202及び第二ストッパ204は投与窓部306内に見えることができ、あらゆる残りの流体は投与窓部306の視界の外側にあることができる。この設計は、残りの流体がハウジング106によって視界から見えなくなるため、患者がカートリッジ内の残りの流体を再利用しようとすることを防ぐことができる。
【0046】
投与量を変更する例示的な使用の場合には、GLP-2(グルカゴン様ペプチド2)の33アミノ酸類似体であるテデュグルチドを送達するための流体送達装置が含まれることができる。再構成されたテデュグルチドの一般的な体積投与量には、0.4mL及び0.3mLの投与量が含まれる。全てのカートリッジ104には、0.4mLの用量を供給するのに十分な活性剤(テデュグルチド)及び溶媒を予め充填することができる。0.3mLの用量のみを必要とする患者の場合、それらの患者は、より短い投与量長さ280(すなわち、0.3mLの投与量用に設計されたもの)を有することにより、注入後のカートリッジ104内に約0.1mLの流体が残ることが可能になる、ボタンロッド250を有する装置を受け取ることができる。本明細書で使用される場合、任意の数値または範囲に対する「約」または「おおよそ」という用語は、構成要素の一部または集合体がその意図された目的のために機能することを可能にする適切な寸法公差を示す。より具体的には、「約」または「おおよそ」は、記載された値の±20%の値の範囲を指す場合があり、例えば、「約.1mL」は、0.0801mLから0.1199mLの値の範囲を指す場合がある。
【0047】
異なるボタンロッド250をそれらの投与量長さ280に基づいて選択することに代えて、またはそれに加えて、異なる投与量体積に対して異なる長さの足部108を選択することができる。上述のように、足部108はボタンロッド250の遠位端部252に取設されることができる。この目的のために、足部108を長くすると、カートリッジ104内に延出する装置の全長を長くすることもでき、足部108を短くすると、カートリッジ104内に延出する装置の全長を短くすることもできる。さらに、足部108内の足部溝部118(例えば、ボタンロッド250の遠位端部252が足部108に取設することができる)は、ボタンロッド250/足部108を組み合わせた装置の全長を変更するように位置決めされることができる。特定の投与量体積に対する特定のボタンロッド250及び/または足部108の選択は製造者によって行われることができるため、エンドユーザは自分の投与計画に合わせてカスタマイズされた流体送達装置100のみを受け取る。
【0048】
再び
図5Cを参照すると、投与量長さ280が異なるボタンロッド250を含むシステムであっても、すべてのボタンロッド250の全長が同じままであることを確保するために、ボタンロッド250は、翼部264(例えば、
図5Cの底部)の遠位端部から駆動ボタン262の近位端部の間の長さとして規定されるボタン長さ282を有することができる。より短い投与量長さ280を有するボタンロッド250の場合、構成要素はより長いボタン長さ282を含むことができる。より長い投与量長さ280を有するボタンロッド250の場合、構成要素はより短いボタン長さ282を含むことができる。
【0049】
図6A~6Cは、本開示による例示的な足部108を示す。
図6A及び
図6Bは斜視図であり、
図6Cは足部108の側断面図である。足部108は、複数のボタンロッドスナップ602を含むことができ、複数のボタンロッドスナップは、足部の開いた上部の近位端部を画定し、足部108の長手方向軸610に平行に延在する溝部によって分離される。ボタンロッドスナップ602は、ボタンロッド250が足部108から軸方向に引き出されるのを防止することができながら、ボタンロッド250の遠位端部252を足部108のキャビティ606内に挿入することを可能にする。足部溝部118をキャビティ606内に配置することができる。上述のように、足部溝部118は、ボタンロッド250の遠位端部252の上の足部スナップ253を係合するサイズに作られ、それを係合するように位置決めされることができる。ボタンロッド250の遠位端部252は、足部108のキャビティ606内で回転することができる。足部108をボタンロッド250から分離することにより、カートリッジホルダ102(及びカートリッジ104)が再構成及びプライミングのために回転する場合、ストッパ202、204が受ける摩擦を低減させることができる。例えば、カートリッジホルダ102(従って、カートリッジ104)がその伸長構成からその再構成/混合位置まで回転して、完全プライミング(後退)位置である場合、足部108のプッシャ114は、第一ストッパ202に当接し、カートリッジ104と共に回転することができる。しかしながら、ボタンロッド250は回転しないので、足部108はボタンロッド250の遠位端部252を中心に回転することができる。潤滑剤(例えば、シリコーン潤滑剤)をキャビティ606内に添加して、足部/ボタンロッド連結部の摩擦をさらに低減させることができる。
【0050】
図7A~7Fは、流体送達装置100を再構成位置からプライミング(または後退)位置まで移動させるプロセスを示す。
図7Aでは、カートリッジホルダ102は、カートリッジ104内で溶媒及び活性剤が混合されるように回転している。保持スナッパ258は保持スナッパアパーチャ112内に静止し、ボタンロッド250をその静止位置に保持する。
【0051】
図7Bに示されるように、カートリッジホルダ102のさらなる回転により、カートリッジホルダ102の近位端部314が取り外しストップ254に当接するまで、カートリッジホルダ102は軸方向の近位(例えば、
図7A~
図7Fの下方向)に移動し続けることができる。
図7Cでは、近位端部314が取り外しストップ254に沿って摺動し、保定フック256がハウジングストップ702に当接しなくなるように、保定フック256を内向きに偏向させるまで、カートリッジホルダ102は回転する。
図7Dでは、カートリッジホルダ102は軸方向の近位に移動し続ける。ストッパ202、204が足部108(従って、ボタンロッド250)を押す摩擦により、ボタンロッド250の全体が軸方向の近位に移動する。
【0052】
図7Eでは、カートリッジホルダ102は軸方向の近位に移動し続ける。バイパススナッパ260は、ハウジングランプ704に接触することができる。
図7Fでは、バイパススナッパ260はハウジングランプ704によって内向きに偏向され、取り外しストップ254はハウジングストップ702に当接する。取り外しストップ254がハウジングストップ702に当接する平坦面は、ボタンロッド250が軸方向にそれ以上移動するのを止めることができる。上述のように、軸方向ストップ410(
図7Eには図示せず)も、カートリッジホルダ102の軸方向の運動を止めることができる。この時点で、装置は注入のためにプライミングされ、駆動ボタン262はハウジング106の近位端部416から延出することができることによって、使用者が治療薬を注入するために押下する表面を設けることができる。一旦押下されると、バイパススナッパ260は、ハウジングランプ704を横切って摺動することができ、ボタンロッド150が遠位に摺動してストッパ202、204を押し付けるときに追加の軸方向の力を与えることができる。
【0053】
上述のように、カートリッジ104内のストッパ202、204の摩擦により、
図7A~7Bに示されるように、ボタンロッド250が軸方向に移動することができる。流体送達装置100は、ストッパ202、204の摩擦が不十分である場合に、ボタンロッド250がハウジング106に対して軸方向に摺動することを確保するための冗長性も与える。カートリッジホルダ102の近位端部314はバイパススナッパ260に当接することができ、カートリッジホルダ102はバイパススナッパ260をハウジング106に対して軸方向の近位に押すことができる。
【0054】
本開示の例は、少なくとも以下の条項に従って実装されることもできる。
【0055】
条項1:上記の流体送達装置100を使用する方法であって、カートリッジホルダ102をハウジング106に対して回転させると、前記カートリッジホルダ102の上の半径方向スナップ308が前記ハウジング106の上の第一半径方向スナップアパーチャ401を係合する第一位置から、前記半径方向スナップ308が前記ハウジング106の上の第二半径方向スナップアパーチャ402を係合する第二位置まで、前記カートリッジホルダ102が前記ハウジング106を通して軸方向の近位に移動することと、前記ハウジング106に対して前記カートリッジホルダ102を回転させると、ボタンロッド250がカートリッジ104を通して軸方向の遠位に移動することと、を含む、前記方法。
【0056】
条項2:第一ストッパ202が前記カートリッジ104内の第二ストッパ204に向かい軸方向の遠位に移動するように、前記ボタンロッド250の遠位端部252に結合された足部108によって、前記第一ストッパ202を前記カートリッジ104を通して遠位に押すことをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0057】
条項3:前記足部108は、前記ボタンロッド250の前記遠位端部252に着脱可能である、条項2に記載の方法。
【0058】
条項4:前記第一ストッパ202を前記第二ストッパ204に向かい軸方向の遠位に移動させると、前記カートリッジ104の遠位先端部140と前記第二ストッパ204との間に配置された活性剤が、前記第二ストッパ204と前記第一ストッパ202との間に配置された溶媒と混合することにより、再構成された液体を作成する、条項2に記載の方法。
【0059】
条項5:前記第一ストッパ202及び前記第二ストッパ204が軸方向の遠位に移動し、前記カートリッジ104の前記遠位先端部140から前記再構成された液体を排出するように、前記駆動ボタン262を軸方向の遠位に押下することをさらに含む、条項4に記載の方法。
【0060】
条項6:前記再構成された液体の一部のみを前記遠位先端部140から排出することをさらに含む、条項5に記載の方法。
【0061】
条項7:前記再構成された液体の前記一部が前記遠位先端部140から排出される場合、約0.1mLの再構成された液体は前記カートリッジ104内に残存する、条項6に記載の方法。
【0062】
条項8:前記半径方向スナップ308を前記第二半径方向スナップアパーチャ402と係合させることにより、前記流体送達装置100が注入のためにプライミングされていることを示す可聴フィードバックを生じさせることをさらに含む、条項4に記載の方法。
【0063】
条項9:前記活性剤は凍結乾燥されたテデュグルチドを含む、条項4に記載の方法。
【0064】
条項10:第一ストッパ202が前記カートリッジ104内の第二ストッパ204に向かい軸方向の遠位に移動するように、前記ボタンロッド250の遠位端部252に結合された足部108によって、前記第一ストッパ202を前記カートリッジ104を通して遠位に押すことをさらに含む、条項1に記載の方法。
【0065】
条項11:前記カートリッジホルダ102が前記ハウジング106を通して軸方向の近位に移動する場合、取り外しストップ254に、前記カートリッジホルダ102の近位端部314を当接させることと、保定フック256が前記ハウジング106の近位端部に近接して位置決めされたハウジングストップ702をバイパスするように、前記カートリッジホルダ102の前記近位端部314を用いて、前記保定フック256を内向きに偏向させることと、をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0066】
条項12:前記ハウジング106に対して前記カートリッジホルダ102を回転させるステップは、さらに、前記駆動ボタン262が前記ハウジング106の近位端部416から延出するように、前記ボタンロッド250を前記ハウジング106に対して軸方向に移動させる、条項11に記載の方法。
【0067】
条項13:第一ストッパ202が前記カートリッジ104内の第二ストッパ204に向かい軸方向の遠位に移動するように、前記ボタンロッド250の遠位端部252に結合された足部108によって、前記第一ストッパ202を前記カートリッジ104を通して遠位に押すことをさらに含み、前記第一ストッパ202が前記カートリッジ104の内部キャビティ132内で摺動する摩擦は、前記ボタンロッド250を前記ハウジング106に対して軸方向に移動させる、条項12に記載の方法。
【0068】
条項14:前記カートリッジホルダ102の近位端部314によって、前記バイパススナッパ260を前記ハウジング106に対して軸方向の近位に押す、条項13に記載の方法。
【0069】
本明細書に含まれる説明は、本開示の実施形態の例であり、いかなる形でも本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載されているように、本開示は、構造要素の代替的幾何学的形態の使用、様々な例示的実施形態からの形状及び構造要素の組み合わせ、代替材料の使用などを含む、吸引デバイスの多くの変形及び修正を企図する。これらの修正は、本開示が関連する技術分野の当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【国際調査報告】