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特表2023-550740STINGアゴニスト、チェックポイント阻害剤、及び放射線の投与
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  • 特表-STINGアゴニスト、チェックポイント阻害剤、及び放射線の投与 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】STINGアゴニスト、チェックポイント阻害剤、及び放射線の投与
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7084 20060101AFI20231128BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231128BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231128BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20231128BHJP
   A61N 5/10 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
A61K31/7084
A61K39/395 T
A61P35/00
A61P35/04
A61N5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529980
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 IB2021060679
(87)【国際公開番号】W WO2022107027
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/115,398
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/140,125
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/184,295
(32)【優先日】2021-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/275,480
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.SPAN
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ショー、マイケル エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 陽亮
【テーマコード(参考)】
4C082
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C082AC02
4C082AC03
4C082AC04
4C082AC05
4C082AC06
4C082AC07
4C082AE01
4C082AN04
4C082AT06
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG02
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、がんの治療を必要とする患者においてそれを治療するための、方法、薬学的組成物、及びキットを提供する。本方法は、1つ以上のチェックポイント阻害剤及び放射線と組み合わせて、本明細書に定義される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩などのSTING(インターフェロン遺伝子刺激因子)アゴニストを、必要とする患者に投与することを含む。がんの治療に使用するための医薬も提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん患者を治療する方法であって、
前記治療を必要とする患者に、以下の構造を有する化合物番号14、
【化1】

またはその薬学的に許容される塩と、
放射線と、を投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記治療を必要とする患者に、チェックポイント阻害剤を投与することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、及びAMP-224からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記チェックポイント阻害剤が、抗PD-L1抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記抗PD-L1抗体が、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、YW243.55.S70、MEDI-4736、MSB-0010718C、LY3300054、BMS-936559、MPDL3280A、及びMDX-1105からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ及びトレメリムマブからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記放射線が、粒子放射線である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記放射線が、外部ビーム放射線によって投与される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
化合物番号14、またはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
化合物番号14、またはその薬学的に許容される塩が、静脈内投与される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
化合物番号14、またはその薬学的に許容される塩が、静脈内注入によって投与される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
化合物番号14及び前記チェックポイント阻害剤が、同時に投与される、請求項2~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
化合物番号14及び前記チェックポイント阻害剤が、別個の薬学的組成物で逐次的に投与される、請求項2~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記放射線、化合物番号14、及びチェックポイント阻害剤が、逐次的に投与される、請求項2~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記放射線が、化合物番号14及び前記チェックポイント阻害剤の前に投与される、請求項2~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記がんが、PD-1陽性がん、PD-L1陽性がん、またはCTLA-4陽性がんである、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記がんが、黒色腫、肺癌、腎癌、リンパ腫、頭頸部癌、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、大腸癌、白血病、子宮頸癌、高頻度マイクロサテライト不安定性癌、肝細胞癌、またはメルケル細胞癌である、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記黒色腫が、転移性黒色腫、切除不能な黒色腫、または皮膚黒色腫である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記肺癌が、非小細胞肺癌または小細胞肺癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記非小細胞肺癌が、転移性非小細胞肺癌、転移性扁平上皮非小細胞肺癌、または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記腎癌が、腎細胞癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記リンパ腫が、古典的ホジキンリンパ腫または縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記頭頸部癌が、頭頸部扁平上皮細胞癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記尿路上皮癌が、尿路上皮癌腫である、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記前立腺癌が、ホルモン抵抗性前立腺癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記胃癌が、食道胃接合部腺癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記がんが、高頻度マイクロサテライト不安定性癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記乳癌が、三重陰性乳癌である、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記がんが、転移性固形腫瘍である、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日投与される、請求項2~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記チェックポイント阻害剤が、2週間に1回投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記チェックポイント阻害剤が、3週間に1回投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記チェックポイント阻害剤が、4週間に1回投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記チェックポイント阻害剤が、12週間に1回投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記チェックポイント阻害剤が、治療周期の1日目または2日目に投与される、請求項2~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記チェックポイント阻害剤が、治療周期の1日目に投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記治療周期が、14日、21日、28日、または84日である、請求項37または請求項38に記載の方法。
【請求項40】
化合物番号14が、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
化合物番号14が、治療周期の1日目、4日目、8日目、及び11日目に投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
化合物番号14が、治療周期の1日目及び8日目に投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記治療周期が、14日、21日、28日、または84日である、請求項40~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記放射線が、治療周期の-8日目と-1日目との間に投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記放射線が、治療周期の1日目に投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記治療周期が、14日、21日、28日、または84日である、請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
化合物番号14が、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、前記チェックポイント阻害剤が、治療周期の1日目に投与される、請求項2~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
化合物番号14が、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、前記チェックポイント阻害剤が、治療周期の1日目に投与され、前記放射線が、治療周期の-8日目と-1日目との間に投与される、請求項2~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
化合物番号14が、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、前記チェックポイント阻害剤が、治療周期の1日目に投与され、前記放射線が、前記チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に投与される、請求項2~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記治療周期が、21日である、請求項37~49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記放射線が、前記チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に投与される、請求項2~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記チェックポイント阻害剤が、200mgの量で投与される、請求項2~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
化合物番号14が、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.4mg、0.8mg、1.2mg、1.6mg、2.0mg、または2.5mgの量で投与される、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
化合物番号14が、0.05mg~3.5mgの量、または0.1mg~3.5mgの量、または0.2mg~2.5mgの量、または0.05mg~1.2mgの量、または0.1mg~1.2mgの量、または0.2mg~1.2mgの量で投与される、請求項1~51のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記放射線が、約5Gy~約20Gy、または約6Gy~約18Gy、または約8Gy~約16Gyの画分用量で投与される、請求項1~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記放射線が、約5Gy~約10Gy、または約15Gy~約20Gyの画分用量で投与される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記放射線が、約8Gyまたは約16Gyの画分用量で投与される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記放射線が、1画分、または2画分、または3画分、または4画分、または5画分で投与される、請求項55~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記放射線が、1画分または3画分で投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記放射線が、約8Gyの画分用量で1画分、または約8Gyの画分用量で3画分、または約16Gyの画分用量で1画分投与される、請求項55~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記チェックポイント阻害剤が、200mgの量で投与され、
化合物番号14が、0.05mg~2.5mgの量、または0.2mg~1.2mgの量で投与され、
前記放射線が、約8Gyの画分用量で1画分、または約8Gyの画分用量で3画分、または約16Gyの画分用量で1画分投与される、請求項2~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
がん患者を治療する方法であって、
放射線療法を受けた患者に、以下の構造を有する化合物番号14、
【化2】

またはその薬学的に許容される塩と、
チェックポイント阻害剤と、を投与することを含む、前記方法。
【請求項63】
化合物番号14及び前記チェックポイント阻害剤が、前記患者が放射線を用いた治療を受けてから1日~3カ月後に前記患者に投与される、請求項62に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、がんを治療する方法に関する。具体的には、本開示は、STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)アゴニストを1つ以上のチェックポイント阻害剤及び放射線と組み合わせて投与することによる様々ながんを治療するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
2012年において、がんと診断された症例は世界中で推定1,400万件あり、約820万人の死亡があった。世界的ながん負担は、驚くべきペースで増加している。2030年だけで、人口の増加と高齢化に起因するだけで、約2,130万件の新たながん症例と1,310万人のがんによる死亡が予想される。がんは、米国における2番目に一般的な死因であり、心臓病のみが上回り、死亡件数のほぼ1/4を占める。国立がん研究所は、2014年に約1,450万人のがん歴のあるアメリカ人が生存していたと推定している。これらの個体のうちのいくつかは、がんを含まなかったが、他の個体は、がんの証拠をまだ有しており、治療を受けていた可能性がある。医学の進歩によりがん生存率は改善されてきたが、新規かつより有効な治療が継続的に必要とされている。
【0003】
がん治療は、主に、手術、放射線療法、細胞傷害性化学療法、及びそれらの組み合わせに依存してきた。しかしながら、過去10年以内に、標的がん療法は、腫瘍学の分野で新たな時代を切り開いた。標的がん療法は、腫瘍増殖及び進行に必要な特定の分子に干渉するように設計された薬物であり、小分子及びモノクローナル抗体(mAb)などのより大きな化学物質を含むことができる。
【0004】
STINGは、環状ジヌクレオチドを認識して結合するERに局在する膜貫通受容体である。STINGによって認識される天然リガンドとしては、細菌/原虫由来の環状ジヌクレオチド(CDN)、上流のcGAS(環状GMP-AMPシンターゼ)によって合成される2’,3’-cGAMPなどが挙げられる。Trends in Immunology 35:88-93(2014)を参照されたい。天然リガンドのうちの1つである2’,3’-cGAMPは、ピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼであるENPP1(エクト-ヌクレオチド-ピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ)によって分解され、他のCDNは他のホスホジエステラーゼによって分解されることが報告されている。Nat Chem Biol 10:1043-1048(2014)、Cell Res 25:539-550(2015)、Biochemistry 55:837-849(2016)を参照されたい。これらの天然リガンドによるSTING活性化は、TBK1(TANK結合キナーゼ1)及びIRF3(インターフェロン調節因子3)のリン酸化を誘導し、それぞれNFkB及びI型インターフェロン(IFN)応答の活性化をもたらす。Trends in Immunology 35:88-93(2014)を参照されたい。
【0005】
がん細胞増殖制御に対するSTINGの効果は、遺伝子組換えマウスを用いて実証された。STING欠損及びIRF3欠損マウスは、野生型マウスと比較して、制御不能な腫瘍の増殖を示すことが報告された。Immunity 41:830-842(2014)を参照されたい。加えて、腫瘍同種移植マウスにおけるがん細胞の増殖は放射線療法によって抑制されたが、STING及びIFNAR1(インターフェロン(アルファ及びベータ)受容体1、下流シグナルによって産生されるI型IFNの受容体)に関して遺伝的に欠損したマウスにおいては、放射線療法の効果が低下したことも報告されている。Immunity 41:843-852(2014)を参照されたい。上述の証拠をまとめると、STINGは、がん細胞の増殖を抑制する上で重要な役割を果たすと考えられる。したがって、STINGは、抗がん剤として使用することができる。加えて、STINGの活性化は、先天免疫及び適応免疫の両方を活性化するSTINGの能力に起因して、従来のワクチンの免疫効果を更に強化することができる。Ther Adv Vaccines 1:131-143(2013)を参照されたい。したがって、STINGアゴニストはまた、様々なワクチンのアジュバントとして使用され得る。
【0006】
小分子に加えて、標的療法としては、モノクローナル抗体が挙げられる。例えば、多くの既知のモノクローナル抗体標的療法の中には、PD-1に対するモノクローナル抗体(例えば、ニボルマブ/Opdivo(登録商標)、及びペムブロリズマブ/Keytruda(登録商標))、PD-L1に対するモノクローナル抗体(例えば、アテゾリズマブ/Tecentriq(登録商標)、デュルバルマブ/Imfinzi(登録商標)、及びアベルマブ/Bavencio(登録商標))、ならびにCTLA-4に対するモノクローナル抗体(例えば、イピリムマブ/Yervoy(登録商標))がある。したがって、いくつかのがんは、PD-1媒介性障害、PD-L1媒介性障害、及びCTLA-4媒介性障害であり得る。追加のモノクローナル抗体標的療法としては、CD20(例えば、リツキシマブ/Rituxan(登録商標))CD52(例えば、アレムツズマブ/Campath(登録商標))、VEGF(例えば、ベバシズマブ/Avastin(登録商標))、HER2(例えば、Her2+乳癌及び胃癌を治療するためのトラスツズマブ/Herceptin(登録商標))、及びEGFR(例えば、結腸直腸癌を治療するためのセツキシマブ/Erbitux(登録商標))に対するモノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
別の療法は、放射線または放射線療法を含み得る。放射線療法は、がん治療の柱であり、がん患者の約50%が疾患の経過中のある時点で放射線療法を受けている。Cancer,104(6):1129-37(2005)。非小細胞肺癌(NSCLC)、三重陰性乳癌(TNBC)、及び頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)を含む固形腫瘍からの転移性疾患の設定では、放射線療法は、しばしば緩和目的で使用される。技術の進歩は、3次元原体放射線療法、画像誘導強度変調放射線療法、及び定位アブレーション体放射線療法(SAbR)などの技術を用いて、放射線療法をより正確に提供することを可能にした。BMJ,345:e7765(2012)。
【0008】
質の高い生活を維持しながら患者の寿命を延ばすために、がんの治療において薬効をもたらす療法剤の新しい組み合わせが望ましい。新しい組み合わせは、薬剤単独の各々と比較して増加した利益を提供し得る。特に、併用治療レジメンは、増殖性障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、線維性疾患、及び腎臓疾患を含む疾患状態に罹患している患者に有用であり得、更には、再発率を低下させるか、またはこれらの患者に時々見られる特定の抗がん剤への耐性を克服する可能性があり得る。これは、がんが現在利用可能な治療レジメンに対して耐性または抵抗性であり得る場合に特に当てはまる。
【0009】
このため、併用療法を含む新たな治療レジメンが必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
一態様では、本開示は、がんを治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、STINGアゴニストと放射線とを組み合わせて投与することを含む、方法に関する。
【0011】
一態様では、本開示は、がんを治療する方法であって、そのような治療を必要とする対象に、STINGアゴニストと、チェックポイント阻害剤と、放射線とを組み合わせて投与することを含む、方法に関する。
【0012】
一態様では、本開示は、がん患者を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に、以下の構造を有する化合物番号14、
【0013】
【化1】
【0014】
またはその薬学的に許容される塩と、放射線を投与することを含む、方法に関する。
【0015】
一態様では、本開示は、がん患者を治療する方法であって、該治療を必要とする患者に、以下の構造を有する化合物番号14、
【0016】
【化2】
【0017】
またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤と、放射線とを投与することを含む、方法に関する。
【0018】
別の態様では、本開示は、がん患者を治療する方法であって、放射線療法を受けたことがある患者に、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤は、患者が放射線を用いた治療を受けてから1日~3カ月後に患者に投与される。
【0019】
以下の実施形態は、本発明の両方の態様を指す。
【0020】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、及び抗CTLA-4抗体からなる群から選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。
【0022】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、及びAMP-224からなる群から選択される。
【0023】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。
【0024】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、YW243.55.S70、MEDI-4736、MSB-0010718C、LY3300054、BMS-936559、MPDL3280A、及びMDX-1105からなる群から選択される。
【0025】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。
【0026】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ及びトレメリムマブからなる群から選択される。
【0027】
いくつかの実施形態では、放射線は、粒子放射線である。
【0028】
いくつかの実施形態では、放射線は、外部ビーム放射線によって投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、経口投与される。
【0030】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、静脈内投与される。
【0031】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、静脈内注入により投与される。
【0032】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内注入によって投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、皮下注射によって投与される。
【0035】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、皮下投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤は、同時に投与される。
【0037】
いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤は、別個の薬学的組成物で逐次的に投与される。
【0038】
いくつかの実施形態では、放射線、化合物番号14、及びチェックポイント阻害剤は、逐次的に投与される。
【0039】
いくつかの実施形態では、放射線は、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤の前に投与される。
【0040】
いくつかの実施形態では、がんは、PD-1陽性がん、PD-L1陽性がん、またはCTLA-4陽性がんである。
【0041】
いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍または血液悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、転移性固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、進行性固形腫瘍である。
【0042】
いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫、肺癌、腎癌、リンパ腫、頭頸部癌、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、白血病、子宮頸癌、高頻度マイクロサテライト不安定性癌、肝細胞癌、またはメルケル細胞癌である。
【0043】
いくつかの実施形態では、黒色腫は、転移性黒色腫、切除不能な黒色腫、または皮膚黒色腫である。
【0044】
いくつかの実施形態では、肺癌は、非小細胞肺癌または小細胞肺癌である。
【0045】
いくつかの実施形態では、非小細胞肺癌は、転移性非小細胞肺癌、転移性扁平上皮非小細胞肺癌、または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌である。
【0046】
いくつかの実施形態では、腎癌は、腎細胞癌である。
【0047】
いくつかの実施形態では、リンパ腫は、古典的ホジキンリンパ腫または縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫である。
【0048】
いくつかの実施形態では、頭頸部癌は、頭頸部扁平上皮細胞癌である。
【0049】
いくつかの実施形態では、尿路上皮癌は、尿路上皮癌腫である。
【0050】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、ホルモン抵抗性前立腺癌である。
【0051】
いくつかの実施形態では、胃癌は、食道胃接合部腺癌である。
【0052】
いくつかの実施形態では、がんは、高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high)癌である。
【0053】
いくつかの実施形態では、がんは、三重陰性乳癌である。
【0054】
いくつかの実施形態では、がんは、転移性固形腫瘍である。
【0055】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日、投与される。
【0056】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、2週間に1回投与される。
【0057】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、3週間に1回投与される。
【0058】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、4週間に1回投与される。
【0059】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目または2日目に投与される。
【0061】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与される。
【0062】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日投与される。
【0063】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1週間に2回投与される。
【0064】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1週間に1回投与される。
【0065】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与される。
【0066】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、治療周期の1日目、4日目、8日目、及び11日目に投与される。
【0067】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、治療周期の1日目及び8日目に投与される。
【0068】
以下の実施形態は、放射線が投与される本発明の態様に関する。
【0069】
いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-8日目と-1日目との間に投与される。
【0070】
いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-7日目と-1日目との間に投与される。
【0071】
いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の1日目に投与される。
【0072】
いくつかの実施形態では、治療周期は、14日、21日、28日、または84日である。
【0073】
いくつかの実施形態では、治療周期は、21日である。
【0074】
いくつかの実施形態では、化合物番号14は、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与される。
【0075】
いくつかの実施形態では、化合物番号14は、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与され、放射線は、治療周期の-8日目と-1日目との間に投与される。
【0076】
いくつかの実施形態では、化合物番号14は、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与され、放射線は、治療周期の-7日目と-1日目との間に投与される。
【0077】
いくつかの実施形態では、化合物番号14は、治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に投与される。
【0078】
いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に投与される。
【0079】
いくつかの実施形態では、放射線は、約5Gy~約20Gy、または約6Gy~約18Gy、または約8Gy~約16Gyの画分用量で投与される。
【0080】
いくつかの実施形態では、放射線は、約5Gy~約10Gy、または約15Gy~約20Gyの画分用量で投与される。
【0081】
いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gyまたは約16Gyの画分用量で投与される。
【0082】
いくつかの実施形態では、放射線は、1画分、または2画分、または3画分、または4画分、または5画分で投与される。
【0083】
いくつかの実施形態では、放射線は、1画分または3画分で投与される。
【0084】
いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gyの画分用量で1画分、または約8Gyの画分用量で3画分、または約16Gyの画分用量で1画分投与される。
【0085】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、200mgの量で投与され、化合物番号14は、0.05mg~2.5mgの量で、または0.2mg~1.2mgの量で投与され、放射線は、約8Gyの画分用量で1画分、または約8Gyの画分用量で3画分、または約16Gyの画分用量で1画分投与される。
【0086】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、21日の周期の1、4、8、及び11日目に、または21日の周期の1、8、及び15日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日、別個に投与され、放射線は、21日の周期の-8日目と-1日目との間、21日の周期の-7日目と-1日目との間、21日の周期の1日目に、またはチェックポイント阻害剤もしくは化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に投与される。
【0087】
以下の実施形態は、本発明の両方の態様に関する。
【0088】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、200mgの量で投与される。
【0089】
いくつかの実施形態では、化合物番号14は、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.4mg、0.8mg、1.2mg、1.6mg、2.0mg、または2.5mgの量で投与される。
【0090】
いくつかの実施形態では、化合物番号14は、0.05mg~3.5mgの量、または0.1mg~3.5mgの量、または0.2mg~2.5mgの量、または0.05mg~1.2mgの量、または0.1mg~1.2mgの量、または0.2mg~1.2mgの量で投与される。
【0091】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤とが、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、21日の周期の1、4、8、及び11日目に、または21日の周期の1、8、及び15日目に同時に投与される。
【0092】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、毎日、21日の周期の1、4、8、及び11日目に、または21日の周期の1、8、及び15日目に投与され、チェックポイント阻害剤が、12週間に1回、4週間に1回、3週間に1回、2週間に1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、または毎日、別個に投与される。
【0093】
一態様では、本開示は、がんの治療を必要とする対象のがんの治療に使用するための医薬を含むキットに関する。キットは、STINGアゴニストを含む医薬、ならびにSTINGアゴニスト及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書を含むか、またはキットは、STINGアゴニストを含む医薬、ならびにSTINGアゴニスト、1つ以上のチェックポイント阻害剤、及び放射線を投与するための使用説明書を含むか、またはキットは、1つ以上のチェックポイント阻害剤を含む医薬、ならびに1つ以上のチェックポイント阻害剤及びSTINGアゴニストを投与するための使用説明書を含むか、またはキットは、1つ以上のチェックポイント阻害剤を含む医薬、ならびに1つ以上のチェックポイント阻害剤、STINGアゴニスト、及び放射線を投与するための使用説明書を含む。キットは、STINGアゴニストを含む医薬と1つ以上のチェックポイント阻害剤を含む医薬の両方、ならびにSTINGアゴニスト、1つ以上のチェックポイント阻害剤、及び放射線を投与するための使用説明書を含むことができる。このキットはまた、1つ以上の追加の治療薬を含むことができる。
【0094】
一態様では、本開示は、がんの治療を必要とする対象のがんの治療に使用するための医薬に関する。医薬は、STINGアゴニスト及び1つ以上のチェックポイント阻害剤を含む。医薬はまた、1つ以上の追加の治療薬を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】研究1のEMT6同系腫瘍モデルにおける、ビヒクル、化合物番号14、放射線のみ、及び併用処置群の時間の関数としての腫瘍成長曲線を示す。化合物番号14は、1.0mg/kgで3日ごとに3回投与された(Q3D×3)。放射線は、単回用量として10Gyで投与された。
図2】研究2のEMT6同系腫瘍モデルにおける、ビヒクル、化合物番号14、放射線のみ、及び併用処置群の時間の関数としての腫瘍成長曲線を示す。化合物番号14は、1.0mg/kgで3日ごとに3回投与された(Q3D×3)。放射線は、単回用量として10Gyで投与された。
図3a】研究3のEMT6同系腫瘍モデルにおける、ビヒクル、化合物番号14、放射線のみ、抗mPD-1抗体のみ、及び併用処置の時間の関数としての生存曲線を示す。化合物番号14は、0.25mg/kgまたは1.0mg/kgで3日ごとに3回投与された(Q3D×3)。抗mPD-1抗体またはアイソタイプ対照は、10mg/kgで3日ごとに3回投与された(Q3D×3)。放射線は、8Gyで3回投与された。群1は、ビヒクル(PBS)、アイソタイプ対照、及び偽放射線の投与を表す。群2は、化合物番号14(1mg/kg)、アイソタイプ対照、及び偽放射線の投与を表す。群3は、化合物番号14(0.25mg/kg)、アイソタイプ対照、及び偽放射線の投与を表す。群4は、ビヒクル、抗mPD-1抗体、及び偽放射線の投与を表す。群5は、ビヒクル、アイソタイプ対照、及び放射線(8Gy×3)の投与を表す。群6は、化合物番号14(1mg/kg)、アイソタイプ対照、及び放射線(8Gy×3)の投与を表す。群7は、ビヒクル、抗mPD-1抗体、及び放射線(8Gy×3)の投与を表す。群8は、化合物番号14(1mg/kg)、抗mPD-1抗体、及び放射線(8Gy×3)の投与を表す。群9は、化合物番号14(0.25mg/kg)、抗mPD-1抗体、及び放射線(8Gy×3)の投与を表す。
図3b】研究3のEMT6同系腫瘍モデルにおける、ビヒクル、化合物番号14、放射線のみ、抗mPD-1抗体のみ、アイソタイプ対照のみ、及び併用処置群の時間の関数としての腫瘍成長曲線を示す。ビヒクル(PBS)または化合物番号14は、0.25mg/kgまたは1.0mg/kgで3日ごとに3回投与された(Q3D×3)。抗mPD-1抗体またはアイソタイプ対照は、10mg/kgで3日ごとに3回投与された(Q3D×3)。放射線は、8Gyで3回投与された。
図4a】研究4のCT26腫瘍モデルにおける、ビヒクル、化合物番号14、抗mPD-1抗体のみ、放射線のみ、及び併用処置の時間の関数としての生存曲線を示す。
図4b】研究4のCT26腫瘍モデルにおける、ビヒクル、化合物番号14、抗mPD-1抗体のみ、放射線のみ、及び併用処置群の時間の関数としての腫瘍成長曲線を示す。
図5a】研究5のB16F10 ova腫瘍モデルにおける、ビヒクル、化合物番号14、放射線のみ、及び併用処置の時間の関数としての生存曲線を示す。
図5b】研究5のビヒクル、化合物番号14、放射線のみ、及び併用処置群B16F10 ova腫瘍モデルの時間の関数としての腫瘍成長曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0096】
定義及び略語
本開示の理解を促すために、いくつかの略語、用語、及び語句を以下に定義する。
【0097】
【表1】
【0098】
別段の定義のない限り、本明細書で用いられている全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及されている全ての特許、及び刊行物は、参照により、その全体が組み込まれる。
【0099】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、無制御もしくは調節不全の細胞増殖、減少した細胞分化、周囲の組織を侵す不適切な能力、及び/または異所での新規成長を確立する能力を特徴とする細胞障害を指す。「がん」という用語には、固形腫瘍、及び、例えば血液腫瘍などの非固形腫瘍が含まれる。「がん」という用語は、皮膚、組織、臓器、骨、軟骨、血液、及び脈管の疾病を包含する。「がん」という用語は、原発性及び転移性のがんを更に包含する。
【0100】
本明細書で使用されるとき、「自己免疫疾患」という用語は、正常な身体部分に対する異常な免疫応答に起因する障害を指す。「自己免疫疾患」という用語は、リウマチ性関節炎(RA)、ポリ糸球体炎を伴う顆粒腫症(GPA)(ウェゲナー肉芽腫症)、及び顕微鏡的多発血管炎(MPA)を含むがこれらに限定されない障害を包含する。
【0101】
「放射線(radiation)」という用語及び「放射線療法(radiotherapy)」という用語は、本開示を通して互換的に使用される。
【0102】
「PD-1」(プログラム細胞死タンパク質1、PDCD1、CD279、SLEB2、またはSLE1としても知られる)という用語は、別途示されない限り、任意の天然PD-1を指す。「PD-1」という用語は、「全長」の未処理のPD-1、ならびに細胞内の処理から生じるPD-1の任意の形態を包含する。この用語はまた、PD-1の自然発生変異形、例えば、スプライス変異形、対立遺伝子変異形、及びアイソフォームを包含する。
【0103】
「PD-L1」(別途示されない限り、プログラム細胞死1リガンドとしても知られる)という用語は、任意の天然PD-L1を指す。「PD-L1」という用語は、「全長」の未処理のPD-L1、ならびに細胞内の処理から生じるPD-L1の任意の形態を包含する。この用語はまた、PD-L1の天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアント、対立遺伝子バリアント、及びアイソフォームも包含する。
【0104】
「CTLA-4」という用語(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4としても知られる)は、別途示されない限り、任意の天然CTLA-4を指す。「CTLA-4」という用語は、「全長」の未処理のCTLA-4、ならびに細胞内の処理から生じるCTLA-4の任意の形態を包含する。この用語はまた、CTLA-4の天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアント、対立遺伝子バリアント、及びアイソフォームも包含する。
【0105】
「抗体」という用語は、標的、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、またはこれらの組み合わせを、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介して認識しこれに結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書で使用されるとき、「抗体」という用語は、無傷ポリクローナル抗体、無傷モノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片など)、単鎖Fv(scFv)変異体、多重特異性抗体、例えば、少なくとも2つの無傷抗体から生成された二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、ならびに抗体が所望される生物活性を呈する限り、抗原認識部位を含む任意の他の改変免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、及びミューと称される重鎖定常ドメインの識別性に基づいて、5つの主な免疫グロブリンクラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、またはそれらのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)のいずれかであり得る。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なるよく知られたサブユニット構造及び3次元構成を有する。抗体は、ネイキッドであるか、または毒素、放射性同位体などの他の分子にコンジュゲートすることができる。
【0106】
「ブロッキング」抗体または「アンタゴニスト」抗体は、例えばPD-1、PD-L1、またはCTLA-4などの、それが結合する抗原の生物活性を阻害または低減する抗体である。特定の実施形態では、ブロッキング抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を実質的にまたは完全に阻害する。望ましくは、生物活性は、10%、20%、30%、50%、70%、80%、90%、95%、または100%までも低減される。
【0107】
「抗PD-1抗体」または「PD-1に結合する抗体」という用語は、抗体がPD-1を標的とする上で診断剤及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でPD-1に結合することができる抗体を指す。無関係の非PD-1タンパク質への抗PD-1抗体の結合の程度は、例えば放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合、抗体のPD-1への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。
【0108】
「抗PD-L1抗体」または「PD-L1に結合する抗体」という用語は、抗体がPD-L1を標的とする上で診断剤及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でPD-L1に結合することができる抗体を指す。無関係の非PD-L1タンパク質への抗PD-L1抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合、抗体のPD-L1への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。
【0109】
「抗CTLA-4抗体」または「CTLA-4に結合する抗体」という用語は、抗体がCTLA-4を標的とする上で診断剤及び/または治療薬として有用になるように、十分な親和性でCTLA-4に結合することができる抗体を指す。無関係の非CTLA-4タンパク質への抗CTLA-4抗体の結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合、抗体のCTLA-4への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、CTLA-4に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。
【0110】
「モノクローナル抗体」とは、単一の抗原決定基、すなわち、エピトープの抗原特異性の高い認識及び結合に関与する均質な抗体を指す。これは、通常は異なる抗原決定基に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体とは対照的である。「モノクローナル抗体」という用語は、無傷かつ全長のモノクローナル抗体同様、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、一本鎖(scFv)変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の免疫グロブリン分子を包含する。更に、「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、及びトランスジェニック動物が挙げられるがこれらに限定されないあらゆる方法で作製される抗体を指す。
【0111】
「キメラ抗体」という用語は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ以上の種に由来する抗体を指す。通常、軽鎖と重鎖の両方の可変領域は、所望の特異性、親和性、及び機能を有する哺乳動物の一種(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)由来の抗体の可変領域に対応し、その定常領域は、別の種(通常はヒト)由来の抗体の配列に対して相同であり、その種での免疫応答の誘発を回避する。
【0112】
本明細書で使用されるとき、「有効量」または「治療有効量」という用語は、化合物または1つ以上の化合物を組み合わせたものの量のうち、(例えば逐次的にまたは同時に)投与したときに、所望の生物学的応答または医薬的応答を誘発する量、例えば、患者において、標的がん細胞を破壊するか、またはがんの進行を遅延させるかもしくは抑止する量を指す。治療有効量は、目的の用途(インビトロもしくはインビボ)、または治療されている患者及び疾患状態、例えば、患者の体重及び年齢、疾患状態の重症度、投与手法などに応じて変動し得、当業者はその量を容易に決定することができる。この用語は、標的細胞における特定の応答、例えば血小板接着の低減及び/または細胞の遊走を誘導する用量にも適用される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で使用される「治療有効量」は、有益な効果を有する、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量、及び別々にまたは組み合わせて投与される場合のチェックポイント阻害剤の量を指す。いくつかの実施形態では、組み合わせた効果は、相加的である。いくつかの実施形態では、組み合わせた効果は、相乗的である。更に、当業者であれば、併用療法の場合、化合物番号14もしくはその薬学的に許容される塩の量及び/またはチェックポイント阻害剤の量は、「治療量以下」で、すなわち、化合物番号14もしくはその薬学的に許容される塩、またはチェックポイント阻害剤単独の治療有効量よりも少ない量で使用され得ることを認識するであろう。
【0113】
任意の形態または組成で、投与用量(複数可)または治療有効(総)量は、(i)BSA、例えばmg/mとして、または(ii)量、例えばmgとしてのいずれかに基づいて、患者ごとの治療用物質(複数可)の量(複数可)として表現され得る。
【0114】
「約(about)」という用語は、約(approximately)、その領域内、大まかに(roughly)、またはおよそ(around)を指す。「約」という用語が数値または数値範囲とともに使用されるとき、これは、参照される数値または数値範囲が、実験変動性内(または統計的実験誤差内)の近似であることを意味し、したがって、数値または数値範囲は、例えば、記載される数値または数値範囲の1%~15%の間で変動し得る。一般的に、「約」という用語は、本明細書において、±10%の変量で、明記される値を超える、及び下回る数値を修飾するために使用される。
【0115】
本明細書で使用されるとき、「患者」は、一般に、疾患、障害、または病態(がんなど)と診断された、疾患、障害、またはそれらの病態を示す、またはそれ以外の場合、それに罹患していると考えられる哺乳動物(例えば、ヒト)を意味する。
【0116】
本明細書で使用される場合、「体表面積」(BSA)は、標準ノモグラム、例えば、
【0117】
【数1】
【0118】
を使用して計算される。
【0119】
「併用投与」、「組み合わせての投与」、及び「組み合わせを投与する」という用語は、2つ以上の薬学的に活性な成分(本明細書に開示される、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩、チェックポイント阻害剤、または放射線が挙げられるが、これらに限定されない)を患者に投与することを指す。併用投与は、本明細書に開示される、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩、チェックポイント阻害剤、及び放射線の同時投与を指し得るか、または逐次的な投与を指し得る。
【0120】
「同時」及び「同時に」という用語は、本明細書に開示される、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩、及びチェックポイント阻害剤の投与、または本明細書に開示される、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩、チェックポイント阻害剤、及び放射線、またはそれらの任意の組み合わせの投与を、同時に、または2時間以内で分離される2つまたは3つの異なる時点で患者に投与することを指す。化合物番号14またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤との同時投与は、単一の剤形であっても、別個の剤形であってもよい。
【0121】
「逐次的」及び「逐次的に」という用語は、本明細書に開示される、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩、及びチェックポイント阻害剤、または本明細書に開示される、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩、チェックポイント阻害剤、及び放射線、またはそれらの任意の組み合わせを、2時間を超えて、例えば、約3時間、約4時間、約5時間、約8時間、約12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、または更に長い時間分離される2つまたは3つの異なる時点で患者に投与することを指す。
【0122】
「中断」という用語は、断続的レジメンにおける患者への1つ以上の特定の薬学的活性成分の投与に続く期間を指す。中断は、特定の薬学的活性成分が少なくとも1日間投与されない休薬期間を指す。
【0123】
「相乗作用」という用語は、2つ以上の薬剤を組み合わせると、個々の各薬剤の作用の合計よりも作用が大きくなる状況を指す。この用語には、治療する障害の症状の軽減のみならず、副作用プロファイルの改善、忍容性の改善、患者服薬順守の改善、有効性の向上またはいずれかの他の臨床転帰の改善も含まれる。
【0124】
「画分用量」という用語は、各個々の画分に投与される放射線の用量を指す。
【0125】
本明細書で使用されるとき、例示的な「含む(include)」、「など(such as)」、「例えば(for example)」など(及びその変形例、例えば「含む(includes)」及び「含むこと(including)」、「例(examples)」)の用語は、別途指定されない限り、非限定的であることが意図される。すなわち、明示的に別段の記載がない限り、そのような用語は、「であるが、それらに限定されない(but not limited to)」を暗示することが意図され、例えば、「含むこと(including)」は、「含むがそれらに限定されない(including but not limited to)」を意味する。
【0126】
別段の記載がない限り、本明細書に描写される構造は、1つ以上の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化学物質を含むことが意味される。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素原子の置換、または13C-もしくは14C-濃縮炭素による炭素原子の置換を除いて、本発明の構造を有する化学物質は、本発明の範囲内にある。
【0127】
立体化学的配置が示されない限り、本明細書に描写される構造は、構造の全ての立体化学形態、すなわち、各不斉中心に対してR配置及びS配置を含むことを意味する。したがって、別段の指示がない限り、本発明の化学物質の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ラセミ、及びジアステレオマーの混合物は、本発明の範囲内にある。化合物について立体化学的配置が示されるとき、その化合物のジアステレオ異性体または鏡像体過剰率は、少なくとも99.0%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%である。
【0128】
STINGアゴニスト
本開示は、がんまたは自己免疫疾患を有する患者の併用治療を提供する。併用治療は、とりわけ、それを必要とする対象に、治療有効量の少なくとも1つのSTINGアゴニストを投与することを含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、以下の構造を有する式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩であり:
【0130】
【化3】
【0131】
式中、R及びRは、各々独立して、ヒドロキシ基またはハロゲン原子であり、
は、
【0132】
【化4】
【0133】
であり、
18は、水素またはC1-6アルキルであり、
19は、ハロゲン原子であり、
は、
【0134】
【化5】
【0135】
であり、
及びQは、各々独立して、酸素原子または硫黄原子である。
【0136】
いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、以下の構造を有する化合物番号14、またはその薬学的に許容される塩である。
【0137】
【化6】
【0138】
いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、化合物番号14、またはその薬学的に許容される塩である。
【0139】
いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、化合物番号14である。
【0140】
本明細書に開示される特定のSTINGアゴニストは、例えば、PCT出願公開第WO2018/100558号に記載されている。これらは、当業者に既知の方法によって、及び/またはそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2018/100558に記載されている方法に従って調製され得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、化合物番号14、またはその結晶形態である。
【0142】
チェックポイント阻害剤
本開示は、とりわけ、それを必要とする対象に、治療有効量の少なくとも1つのチェックポイント阻害剤(例えば、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、及びイピリムマブ)を投与することを含む併用治療を提供する。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。
【0143】
PD-1は、主要な免疫チェックポイント分子のうちの1つであるI型膜貫通タンパク質である(Blank et al.,2005,Cancer Immunotherapy,54:307-314)。PD-1は、主に活性化T細胞上で発現され、それは、リガンドPD-L1(B7-HlまたはCD274)及びPD-L2(B7-DCまたはCD273)と相互作用して、T細胞増殖、サイトカイン産生、及び細胞傷害活性の低下をもたらす阻害シグナルを誘導する(Freeman et al.,2000,J.Exp.Med.,192:1027-34)。
【0144】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、完全ヒトモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ヒト化IgGモノクローナル抗体である。
【0145】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、全長(無傷)抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片、一本鎖Fv断片、及び一本鎖ドメイン断片が挙げられるが、これらに限定されない抗PD-1結合断片からなる。
【0146】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、誘導体化抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、グリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、及びアミド化によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、既知の保護/ブロッキング基、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への結合によって誘導体化される。いくつかの実施形態では、誘導体化抗PD-1抗体は、例えばambrx技術を使用して、1つ以上の非天然アミノ酸を含むこともできる(例えば、Wolfson,2006,Chem.Biol.13(10):1011-2を参照されたい)。
【0147】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。
【0148】
ニボルマブは、PD-1とそのリガンド、PD-L1及びPD-L2との間の相互作用をブロックする、ヒトモノクローナル抗体である。ニボルマブは、146kDaの計算された分子量を有するIgG4カッパ免疫グロブリンである。それは、組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株で発現する。ニボルマブは、切除不能または転移性の黒色腫、黒色腫、転移性非小細胞肺癌、進行性腎細胞癌、古典的ホジキンリンパ腫、頭頸部扁平上皮癌、尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)転移性の結腸直腸癌、及び肝細胞癌を治療するためにFDAによって承認されている。ニボルマブは、Opdivo(登録商標)として市販されている。
【0149】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。
【0150】
ペムブロリズマブは、PD-1とそのリガンド、PD-L1及びPD-L2との間の相互作用をブロックする、ヒト化モノクローナル抗体である。ペムブロリズマブは、およそ149kDaの分子量を有するIgG4カッパ免疫グロブリンである。ペムブロリズマブは、組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において産生される。ペムブロリズマブは、黒色腫、非小細胞肺癌、頭頸部癌、古典的ホジキンリンパ腫、縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫、尿路上皮癌、高頻度マイクロサテライト不安定性癌、胃癌、及び子宮頸癌を治療するためにFDAによって承認されている。ペムブロリズマブは、Keytruda(登録商標)として市販されている。
【0151】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブである。
【0152】
セミプリマブは、PD-1に結合し、PD-L1及びPD-L2とのその相互作用をブロックする、ヒトモノクローナル抗体である。セミプリマブは、およそ146kDaの分子量を有するIgG4免疫グロブリンである。セミプリマブは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞懸濁液中で組換えDNA技術によって産生される。セミプリマブは、治癒手術または治癒放射線の候補ではない転移性皮膚扁平上皮細胞癌(CSCC)または局所進行性CSCCを治療するためにFDAによって承認されている。セミプリマブは、Libtayo(登録商標)として市販されている。
【0153】
更なる抗PD-1抗体としては、例えば、ピディリズマブ(メディベーション)、BMS-936559(Bristol-Myers Squibb)、及びAMP-224が挙げられる。
【0154】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-1抗体は、ニボルマブまたはニボルマブと同じエピトープに結合する抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体はニボルマブである。
【0155】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブまたはペムブロリズマブと同じエピトープに結合する抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブである。
【0156】
PD-L1は、細胞外Ig-V様ドメイン、Ig-C様ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内C末端ドメインを含むI型膜貫通タンパク質である。PD-L1は、腫瘍細胞及び/または腫瘍浸潤免疫細胞を含む、広範ながんにおいて高頻度で発現され、腫瘍微小環境における抗腫瘍免疫応答の阻害に寄与し得る。いくつかのがんにおいて、PD-L1の発現は、生存率の低下及び好ましくない予後と関連付けられている。PD-L1は、T細胞、B細胞、内皮、上皮、及び抗原提示細胞、肺、肝臓及び心臓組織の細胞、ならびにいくつかのタイプの腫瘍細胞を含む多くの細胞型で発現する。細胞表面上のPD-L1の発現はまた、IFN-y刺激を通じて上方制御されることも示されてきた。(i)エクソン2、(ii)エクソン3、(iii)エクソン2及び3、または(iv)エクソン2~4を欠く転写産物を含む、活性化ヒトT細胞からクローニングされたPD-1の少なくとも4つのバリアントが存在する。Nielsen et al.,Cell.Immunol.235:109-16(2005)。ヒトPD-L1のアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP054862.1に表される。
【0157】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、全長(無傷)抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、Fab、F(ab’)、Fd、Fv、及びdAb断片、一本鎖Fv断片、ならびにPD-L1結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない抗PD-L1結合断片からなる。
【0158】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブである。
【0159】
アテゾリズマブは、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)ブロッキング抗体である。アテゾリズマブは、145kDaの計算された分子量を有するFc操作されたヒト化非グリコシル化IgG1カッパ免疫グロブリンである。アテゾリズマブは、局所進行性または転移性の尿路上皮癌及び転移性非小細胞肺癌を治療するためにFDAによって承認されている。アテゾリズマブは、Tecentriq(登録商標)として市販されている。
【0160】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブである。
【0161】
デュルバルマブは、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)ブロッキング抗体である。デュルバルマブは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞懸濁培養における組換えDNA技術によって産生されるヒト免疫グロブリンG1カッパ(IgG1κ)モノクローナル抗体である。デュルバルマブは、尿路上皮癌及び非小細胞肺癌を治療するためにFDAによって承認されている。デュルバルマブは、Imfinzi(登録商標)として市販されている。
【0162】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アベルマブである。
【0163】
アベルマブは、プログラム死リガンド-1(PD-L1)ブロッキング抗体である。アベルマブは、約147kDaの分子量を有するヒトIgG1ラムダモノクローナル抗体である。アベルマブは、転移性メルケル細胞癌及び局所進行性または転移性の尿路上皮癌を治療するためにFDAによって承認されている。アベルマブは、Bavencio(登録商標)として市販されている。
【0164】
追加の抗PD-L1抗体としては、例えば、YW243.55.S70(米国特許第8,217,149号)、MEDI-4736、MSB-0010718C、LY3300054(Eli Lilly and Co.)、BMS-936559(Bristol-Meyers Squibb)、MPDL3280A、及びMDX-1105が挙げられる。
【0165】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブまたはアテゾリズマブと同じエピトープに結合する抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブである。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-L1抗体は、デュルバルマブまたはデュルバルマブと同じエピトープに結合する抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブである。
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗PD-L1抗体は、アベルマブまたはアベルマブと同じエピトープに結合する抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アベルマブである。
【0168】
CTLA-4は、CTLA-4遺伝子によってヒトでコードされるI型膜貫通タンパク質である。CTLA-4は、免疫応答におけるその負の役割により、がんの増殖及び発達と相関することが発見された。CTLA-4は、活性化CD4+及びCD8+T細胞の細胞表面で発現され、T細胞機能の重要な負の調節因子である。CTLA-4は、内因性と外因性の機構の両方を介して免疫活性化を負に調節することが示されている(Grosso and Kunkel,Cancer Immunity(2013)13:5)。CTLA-4による負の調節の阻害は、適応免疫応答及びT細胞活性化の刺激を促進することが示されている。ヒトCTLA-4の代表的アミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号:AAL07473.1に見ることができ、ヒトCTLA-4をコードする代表的なmRNA核酸配列は、GenBankアクセッション番号:AF414120.1に見ることができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、全長(無傷)抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、及び一本鎖断片、ダイアボディ、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、一本鎖抗体分子(scFv)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、及び二価ドメイン抗体が挙げられるが、これらに限定されない抗CTLA-4結合断片からなる。
【0170】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブである。
【0171】
イピリムマブは、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)に結合する組換えヒトモノクローナル抗体である。イピリムマブは、およそ148kDaの分子量を有するIgG1カッパ免疫グロブリンである。イピリムマブは、哺乳動物(チャイニーズハムスター卵巣)細胞培養で産生される。イピリムマブは、切除不能または転移性の黒色腫、黒色腫のアジュバント治療、及び進行性腎細胞癌を治療するためにFDAによって承認されている。イピリムマブは、Yervoy(登録商標)として市販されている。
【0172】
更なる抗CTLA-4抗体としては、例えば、トレメリムマブが挙げられる。
【0173】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法(及びキット)で使用される抗CTLA-4抗体は、イピリムマブまたはイピリムマブと同じエピトープに結合する抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブである。
【0174】
放射線
いくつかの実施形態では、放射線は、光子放射線(X線及びガンマ線)である。そのような実施形態では、光子は、コバルトまたは線形加速器などの放射性源から高エネルギー光子ビームとして生成される。
【0175】
いくつかの実施形態では、放射線は、粒子放射線(電子、陽子、中性子、炭素イオン、アルファ粒子、及びベータ粒子など)である。粒子線は、線形加速器によって生成され得る。いくつかの実施形態では、放射線は、電子ビームである。いくつかの実施形態では、放射線は、陽子ビームである。いくつかの実施形態では、放射線は、中性子ビームである。
【0176】
いくつかの実施形態では、放射線は、外部ビーム放射によって送達される。いくつかの実施形態では、外部ビーム放射は、3次元原体放射線療法(3D-CRT)である。いくつかの実施形態では、外部ビーム放射線は、強度変調放射線療法(IMRT)である。いくつかの実施形態では、外部ビーム放射は、画像誘導放射線療法(IGRT)である。いくつかの実施形態では、外部ビーム放射は、強度変調プロトン療法(IMPT)である。いくつかの実施形態では、外部ビーム放射は、定位固定放射線手術(SRS)である。いくつかの実施形態では、外部ビーム療法は、分画された定位固定放射線療法である。いくつかの実施形態では、外部ビーム放射は、定位固定体放射線療法(SBRT)である。SBRTを送達する機械の例は、Gamma Knife(登録商標)、X-Knife(登録商標)、CyberKnife(登録商標)、及びClinac(登録商標)である。いくつかの実施形態では、放射線は、3次元原体または定位固定体放射線療法の送達を使用して投与され得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、放射線は、内部放射線療法(近接照射療法)によって送達される。そのような実施形態では、内部放射線療法は、例えば、がんまたは腫瘍部位の近くに配置された小さなペレット、シード、ワイヤ、またはチューブを使用した組織内照射である。そのような実施形態では、内部放射線療法は、例えば、体腔に配置された放射性物質の容器を使用する腔内放射である。
【0178】
がんを治療する方法
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんを治療する方法であって、STINGアゴニストまたはその薬学的に許容される塩、及び放射線の組み合わせを、該治療を必要とする患者に投与することによる、方法に関する。
【0179】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんを治療する方法であって、STINGアゴニストまたはその薬学的に許容される塩、1つ以上のチェックポイント阻害剤、及び放射線の組み合わせを、該治療を必要とする患者に投与することによる、方法に関する。
【0180】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんを治療する方法であって、STINGアゴニスト、チェックポイント阻害剤、及び放射線の組み合わせを、該治療を必要とする患者に投与することによる、方法に関する。
【0181】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんの治療のためのチェックポイント阻害剤と放射線とを組み合わせたSTINGアゴニストの使用に関する。
【0182】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんの治療における使用のためのSTINGアゴニストを含む組成物に関し、患者はまた、チェックポイント阻害剤及び放射線で治療される。いくつかの態様では、本開示は、患者のがんの治療における使用のためのSTINGアゴニストを含む組成物に関し、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤及び放射線と組み合わせられる。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤、放射線、及びそれらの組み合わせと同時にまたは逐次的に投与され得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんを治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量のSTINGアゴニストと、チェックポイント阻害剤と、放射線との組み合わせを投与することを含む、方法に関する。
【0184】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者に、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤と、放射線との組み合わせを投与することによる、がんを治療する方法に関する。
【0185】
別の態様では、本開示は、がんの治療のためのチェックポイント阻害剤と放射線とを組み合わせて、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0186】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のがんを治療する方法は、STINGアゴニストと、チェックポイント阻害剤と、放射線と、1つ以上の追加の治療薬との組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、化学療法剤であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、メトトレキサートアントラサイクリン系化学療法剤、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、グルココルチコイド、イブリツモマブチウキセタン、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン剤、及びこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼと共投与される。
【0187】
いくつかの実施形態では、本開示は、障害の治療方法に関し、障害は、がんである。
【0188】
いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、転移性固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、がんは、進行性固形腫瘍である。固形腫瘍の非限定例としては、膵癌;浸潤性膀胱癌を含む膀胱癌;高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)転移性結腸直腸を含む結腸直腸癌;甲状腺癌;胃癌;転移性乳癌及び三重陰性乳を含む乳癌;アンドロゲン依存性及びアンドロゲン非依存性の前立腺癌を含む前立腺癌;例えば、転移性腎細胞癌及び進行性腎細胞癌を含む腎癌;局所進行性または転移性の尿路上皮癌を含む尿路上皮癌;高頻度マイクロサテライト不安定性癌;例えば、肝細胞癌及び肝内胆管癌を含む肝癌;非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平肺癌、細気管支肺胞癌(BAC)、肺の腺癌、及び小細胞肺癌(SCLC)を含む肺癌及び気管支癌;例えば、進行性の上皮性及び原発性の腹膜癌を含む卵巣癌;子宮頸癌、子宮体及び子宮頸部を含む子宮癌;子宮内膜癌;食道癌;例えば、頭頸部の扁平上皮癌、鼻咽頭癌、口腔及び咽頭を含む頭頸部癌;切除不能または転移性の黒色腫を含む黒色腫、及び黒色腫の補助療法;転移性メルケル細胞癌;転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌;例えば、神経膠腫/神経膠芽腫、退形成性乏突起膠腫、成人多形性膠芽腫、及び成人退形成性星状細胞腫を含む脳腫瘍;転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌;骨肉腫;胃食道接合部癌、及び軟部肉腫が挙げられる。
【0189】
いくつかの実施形態では、がんは、血液癌である。本開示の方法で治療され得る血液悪性腫瘍の非限定例としては、急性骨髄性白血病(AML);加速期のCML及びCMLの急性転化期(CML-BP)を含む慢性骨髄性白血病(CML);急性リンパ芽球性白血病(ALL);慢性リンパ芽球性白血病(CLL);古典的なホジキンリンパ腫を含むホジキンリンパ腫(HL);B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫、及びバーキットリンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL);多発性骨髄腫(MM);アミロイドーシス;ワルデンストレームマクログロブリン血症;;不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、(過剰な芽球を伴う不応性貧血(RAEB)、及び移行期RAEB(RAEB-T)を含む骨髄異形成症候群(MDS);ならびに骨髄増殖性症候群が挙げられる。いくつかの実施形態では、がんは、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ホジキンリンパ腫、または濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)及びバーキットリンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫である。
【0190】
いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫、肺癌、腎癌、リンパ腫、頭頸部癌、尿路上皮癌、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌、白血病、子宮頸癌、高頻度マイクロサテライト不安定性癌、肝細胞癌、またはメルケル細胞癌である。
【0191】
いくつかの実施形態では、黒色腫は、転移性黒色腫、切除不能な黒色腫、または皮膚黒色腫である。
【0192】
いくつかの実施形態では、肺癌は、非小細胞肺癌または小細胞肺癌である。
【0193】
いくつかの実施形態では、非小細胞肺癌は、転移性非小細胞肺癌、転移性扁平上皮非小細胞肺癌、または転移性非扁平上皮非小細胞肺癌である。
【0194】
いくつかの実施形態では、腎癌は、腎細胞癌である。
【0195】
いくつかの実施形態では、リンパ腫は、古典的ホジキンリンパ腫または縦隔原発大細胞型B細胞性リンパ腫である。
【0196】
いくつかの実施形態では、頭頸部癌は、頭頸部扁平上皮細胞癌である。
【0197】
いくつかの実施形態では、尿路上皮癌は、尿路上皮癌腫である。
【0198】
いくつかの実施形態では、前立腺癌は、ホルモン抵抗性前立腺癌である。
【0199】
いくつかの実施形態では、胃癌は、食道胃接合部腺癌である。
【0200】
いくつかの実施形態では、がんは、高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high)癌である。
【0201】
いくつかの実施形態では、がんは、三重陰性乳癌である。
【0202】
いくつかの実施形態では、がんは、転移性固形腫瘍である。
【0203】
いくつかの実施形態では、がんは、再発性である。いくつかの実施形態では、再発がんは、がんが検出されなかった期間の後で再来したがんである。
【0204】
一部の実施形態では、がんは、難治性である。一態様では、難治性がんは、がん治療に応答せず、これは、抵抗性がんとしても知られる。いくつかの実施形態では、がんは、リツキシマブに対して抵抗性である。いくつかの実施形態では、がんは、リツキシマブの治療に応答しない。いくつかの実施形態では、がんは、黒色腫または結腸癌である。いくつかの実施形態では、患者は、リツキシマブ含有レジメンに難治性になっている。いくつかの実施形態では、腫瘍は、切除不能である。いくつかの実施形態では、切除不能な腫瘍は、手術によって除去することができない。いくつかの実施形態では、がんは、以前に治療されたことがない。いくつかの実施形態では、がんは、局所進行性である。いくつかの実施形態では、「局所進行性」とは、多少広範囲に及ぶがまだ1つのエリアに限定されているがんを指す。場合によっては、「局所進行性」は、広がってはいないが付近の臓器または組織を浸潤しており、手術のみで除去することを困難にしている小型腫瘍を指し得る。いくつかの実施形態では、がんは、転移性である。いくつかの実施形態では、転移性がんは、それが始まった身体部分(原発部位)から他の身体部分に広がったがんである。
【0205】
いくつかの実施形態では、本開示は、障害の治療方法に関し、障害は、自己免疫疾患である。
【0206】
いくつかの実施形態では、障害は、STING媒介性障害である。
【0207】
いくつかの実施形態では、障害は、PD-1陽性がんである。PD-1陽性がんには、PD-1ががん細胞で発現しているがんが含まれる。
【0208】
いくつかの実施形態では、障害は、PD-L1陽性がんである。PD-L1陽性がんには、PD-L1ががん細胞で発現しているがんが含まれる。
【0209】
いくつかの実施形態では、障害は、CTLA-4陽性がんである。CTLA-4陽性がんには、CTLA-4ががん細胞で発現しているがんが含まれる。
【0210】
医薬
いくつかの実施形態では、本開示は、そのような治療を必要とする患者のがんの治療における使用のための医薬に関する。いくつかの実施形態では、医薬は、STINGアゴニストを含み、単一剤形または別個の剤形である。いくつかの実施形態では、医薬は、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を含み、単一剤形または別個の剤形である。
【0211】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬は、STINGアゴニストと、チェックポイント阻害剤と、任意選択で1つ以上の追加の治療薬の組み合わせと、を含むことができる。
【0212】
いくつかの実施形態では、本開示は、がんを治療するための医薬の製造におけるSTINGアゴニストの使用に関するものであり、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤及び放射線とともに投与され、医薬は、単一剤形または別個の剤形である。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤、放射線、及び1つ以上の追加の治療薬とともに投与される。
【0213】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者のがんの治療における医薬の製造のためのSTINGアゴニストの使用に関し、患者はまた、チェックポイント阻害剤、放射線、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬でも治療される。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤、放射線、またはそれらの組み合わせと同時にまたは逐次的に投与され得る。いくつかの態様では、本開示は、患者のがんの治療における医薬の製造のためのSTINGアゴニストの使用に関し、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤、放射線、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせられる。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤と同じ組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤として別個の組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、1つ以上の追加の治療薬と同じ組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と同じ組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、1つ以上の追加の治療薬として別個の組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と別個の組成物中に存在する。
【0214】
別の態様では、本開示は、がんの治療における使用のための医薬の製造における、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療における使用のための医薬の製造における、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬との組み合わせの使用に関する。
【0215】
別の態様では、本開示は、がんを治療するための医薬の製造における、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の使用に関するものであり、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、チェックポイント阻害剤、放射線、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬とともに投与される。
【0216】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、化学療法剤であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、メトトレキサートアントラサイクリン系化学療法剤、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、グルココルチコイド、イブリツモマブチウキセタン、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン剤、及びこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼと共投与される。
【0217】
組み合わせの投与
化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、単一剤形で、または別個の剤形として、放射線、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与され得る。
【0218】
化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、単一剤形で、または別個の剤形として、チェックポイント阻害剤、放射線、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与され得る。いくつかの実施形態では、別個の剤形として投与される場合、チェックポイント阻害剤は、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の投与前、それと同時、またはその投与後に、及び放射線の投与前、それと同時、またはその投与後に投与され得る。いくつかの実施形態では、別個の剤形として投与される場合、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の1つ以上の用量は、チェックポイント阻害剤及び放射線の前に投与され得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の投与前、及び放射線の前に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤の前、または化合物番号14もしくはその薬学的に許容される塩の前に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤の前、及び化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の前に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14もしくはその薬学的に許容される塩の投与の少なくとも40時間前に投与される。本明細書で使用される場合、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩、チェックポイント阻害剤、放射線、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬の「併用」での投与は、薬剤及び放射線の同時または逐次的投与だけでなく、当業者によって理解されるように、単一の治療周期中の薬剤及び放射線の投与をも指す。化合物番号14またはその薬学的に許容される塩が、チェックポイント阻害剤、放射線、及び任意選択で1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与される場合、治療有効量の組み合わせが投与される。
【0219】
いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤は、患者に、放射線後に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤は、放射線を用いた治療を以前に受けたことがある患者に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤は、患者が放射線を用いた治療を受けてから1日~3カ月後に患者に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤は、患者が放射線を用いた治療を受けてから1日~3カ月、または1日~2カ月、または1日~1カ月、または1日~2週間、または1日~1週間後に患者に投与される。
【0220】
STINGアゴニストは、当業者に既知の任意の方法によって投与することができる。例えば、いくつかの実施形態では、STINGアゴニストは、本明細書に記載のものなどのSTINGアゴニストと薬学的に許容される担体との薬学的組成物の形態で投与することができる。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、経口投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、経口投与に好適である錠剤またはカプセルである。いくつかの他の実施形態では、薬学的組成物は、経口投与に好適である液体剤形である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、非経口投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、静脈内投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、静脈内注入に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、注射に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、静脈内注射に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、皮下注射に好適である。いくつかの実施形態では、これらの組成物は、任意選択で、1つ以上の追加の治療薬を更に含む。
【0221】
チェックポイント阻害剤は、当業者に既知の任意の方法によって投与することができる。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内(i.v.)投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、皮下(s.c.)投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、経口投与される。例えば、チェックポイント阻害剤は、第2の組成物、いくつかの実施形態では本明細書に記載のものなどのチェックポイント阻害剤と薬学的に許容される担体との薬学的組成物の形態で投与することができる。一態様では、薬学的組成物は、経口投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、経口投与に好適である錠剤またはカプセルである。いくつかの他の実施形態では、薬学的組成物は、経口投与に好適である液体剤形である。いくつかの実施形態では、これらの組成物は、任意選択で、1つ以上の追加の治療薬を更に含む。
【0222】
本開示のそのような薬学的組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧によって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、口腔に、腟に、または移植されたリザーバーを介して投与され得る。本明細書で使用されるとき、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、及び頭蓋内の注射または注入技術を含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、経口、静脈内、または皮下で投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、経口投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内投与される。いくつかの実施形態では、静脈内投与は、静脈内注入または静脈内注射であり得る。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内注入によって投与され、次いでその後、皮下注射によって投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼとともに皮下で共投与される。これらの投与方法は、短時間作用型、速放型、または長時間作用型であるように設計され得る。更に、チェックポイント阻害剤は、全身的な方法よりもむしろ、腫瘍部位での投与(例えば、注射による)などの局所的な方法で投与され得る。
【0223】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。チェックポイント阻害剤は、当該技術分野で周知の技術に従って調製され得、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0224】
本開示の方法の量または好適な用量は、治療される状態の重症度の性質、特定の阻害剤、投与経路、ならびに個々の対象の年齢、体重、全体的な健康、及び応答を含む、いくつかの因子による。一部の実施形態では、好適な用量レベルは、腫瘍退縮、または疾患進行、無増悪生存、もしくは全生存の他の標準的な測定によって測定した場合に治療応答を達成するレベルである。一部の実施形態では、好適な用量レベルは、治療応答を達成し、なおかつ治療薬の投与と関連付けられるいずれの副作用も最低限に抑えるレベルである。好適な用量レベルは、治療応答を延長する、及び/または寿命を延長するレベルであり得る。
【0225】
STINGアゴニスト、チェックポイント阻害剤、及び任意選択での1つ以上の追加の治療薬の好適な用量は、昼夜を問わず何時にでも摂取され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、朝に投与される。一部の他の実施形態では、好適な用量の各薬剤は、夜に投与される。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、朝と夜の両方に投与される。好適な用量の各薬剤は、食物と一緒にまたは別に投与してもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、食事と一緒に投与される。いくつかの実施形態では、好適な用量の各薬剤は、空腹時に投与される。
【0226】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、連日のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1日おきで投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、3日ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、3日ごとに1回で、3回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1週間に2回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1週間に3回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、2週間に1回のスケジュールで投与される。
【0227】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1日3回投与される。
【0228】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、7日の周期内に隔日で少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、7日の周期内で1日目及び4日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、7日の周期内で連続して投与され、続いて中断される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する2日間投与され、続いて5日間中断される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する3日間投与され、続いて4日間中断される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する4日間投与され、続いて3日間中断される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する5日間投与され、続いて2日間中断される。いくつかの実施形態では、1つ以上の7日の治療周期の間に休薬期間が存在するであろう。いくつかの実施形態では、1つ以上の7日の治療周期の間に7日の休薬期間が存在するであろう。
【0229】
本説明は、1つ以上の治療周期、例えば、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の治療周期のためのSTINGアゴニストの投与を企図する。いくつかの実施形態では、治療周期は、約7日~約56日、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、治療周期は、7日、14日、21日、28日、35日、42日、49日、または56日である。いくつかの実施形態では、治療周期は、21日または28日である。いくつかの実施形態では、1つ以上の治療周期内またはその間に休薬期間が存在するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、治療周期の終了時に休薬期間が存在する。いくつかの実施形態では、第2の治療周期と第3の治療周期との間に休薬期間が存在するが、第1の治療周期と第2の治療周期の間には存在しない。別の実施形態では、休薬期間が第1の治療周期と第2の治療周期の間に休薬期間が存在してよいが、第2の治療周期と第3の治療周期の間には存在しなくてよい。投与スケジュールは、例えば、治療スケジュール中に1回、例えば、21日の周期の1日目に、治療周期中に2回、例えば、21日の周期の1及び15日目に、または28日の周期の1及び15日目に、治療周期中に3回、例えば、21日の周期の1、8、及び15日目に、または28日の周期の1、8、及び15日目に、ならびに治療周期中に4回、例えば、21日の周期の1、4、8、及び11日目に、または28日の周期の1、4、8、及び11日目に、STINGアゴニストを投与することを含む。他の投与スケジュールも本発明に含まれる。
【0230】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に少なくとも4回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の4日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の8日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の11日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1、4、8、及び11日目に投与される。
【0231】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に少なくとも2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の8日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1日目及び8日目に投与される。
【0232】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内に少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の8日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の15日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、21日の周期内の1日目、8日目、及び15日目に投与される。
【0233】
いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1年以下の期間投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩は、1年以上の期間投与される。
【0234】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約3mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約10mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mg~約5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1mg~約3mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約2mg~約5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約5mg~約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約5mg~約15mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約10mg~約20mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約15mg~約25mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約20mg~約30mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約25mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約30mg~約40mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約35mg~約45mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約40mg~約50mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約55mg~約65mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約50mg~約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約90mg~約150mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約140mg~約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約190mg~約250mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約240mg~約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約290mg~約350mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約340mg~約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約390mg~約450mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約440mg~約500mgである。
【0235】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約2mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約3mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約4mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約6mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約8mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約12mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約16mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約20mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約30mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約40mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約50mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約60mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約70mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約80mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約90mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約150mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約250mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約350mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約450mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約500mgである。全ての投与量は、投与される化合物番号14の量を指し、任意の薬学的に許容される塩の重量量を含まない。
【0236】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.05mg~約3.5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.1mg~約3.5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.2mg~約3.5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.2mg~約2.5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.05mg~約1.2mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.1mg~約1.2mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.2mg~約1.2mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.05mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.1mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.2mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.4mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.8mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1.2mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1.6mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1.8mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約2.0mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約2.25mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約2.5mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約2.8mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約3.0mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約3.5mgである。
【0237】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.01mg/kg~約100mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.01mg/kg~約50mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.01mg/kg~約20mg/kgである。
【0238】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.01mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.05mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約0.1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約2mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約6mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約8mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約16mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約18mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約30mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約40mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約50mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約60mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約70mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約80mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約90mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される化合物番号14またはその薬学的に許容される塩の量は、約100mg/kgである。
【0239】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、毎日のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1日おきで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、3日ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1週間に2回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1週間に3回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、1週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、2週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、3週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、4週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、8週間に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、12週間に1回のスケジュールで投与される。
【0240】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、7日の周期内に隔日で少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、治療周期の1日目に投与される。ある特定の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、7日の周期の1日目及び4日目に投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、7日の周期内で連続して投与され、続いて中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する2日間投与され、続いて連続する5日間中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する3日間投与され、続いて連続する4日間中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する4日間投与され、続いて連続する3日間中断される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、少なくとも1つの7日の周期内で、連続する5日間投与され、続いて連続する2日間中断される。
【0241】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、21日の治療周期の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、21日の治療周期の2日目に投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、最初の21日の治療周期の2日目、及びその後の各21日の治療周期の1日目に投与される。
【0242】
本説明は、1つ以上の治療周期、例えば、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の治療周期のためのチェックポイント阻害剤の投与を企図する。いくつかの実施形態では、治療周期は、約7日~約84日、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、治療周期は、7日、14日、21日、28日、35日、42日、49日、56日、または84日である。いくつかの実施形態では、治療周期は、21日または28日である。いくつかの実施形態では、1つ以上の治療周期内またはその間に休薬期間が存在するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、治療周期の終了時に休薬期間が存在する。いくつかの実施形態では、第2の治療周期と第3の治療周期との間に休薬期間が存在するが、第1の治療周期と第2の治療周期の間には存在しない。別の実施形態では、休薬期間が第1の治療周期と第2の治療周期の間に休薬期間が存在してよいが、第2の治療周期と第3の治療周期の間には存在しなくてよい。投与スケジュールは、例えば、治療スケジュール中に1回、例えば、21日の周期の1日目に、治療周期中に2回、例えば、21日の周期の1及び15日目に、または28日の周期の1及び15日目に、治療周期中に3回、例えば、21日の周期の1、8、及び15日目に、または28日の周期の1、8、及び15日目に、ならびに治療周期中に4回、例えば、21日の周期の1、4、8、及び11日目に、または28日の周期の1、4、8、及び11日目に、チェックポイント阻害剤を投与することを含む。他の投与スケジュールも本発明に含まれる。
【0243】
いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、静脈内注入、続いて1つ以上の後続の皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、静脈内注入及び1つ以上の後続の皮下注射は、本明細書に開示される投与スケジュール及び方法に従って投与される。
【0244】
いくつかの実施形態では、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤の両方は、21日の治療周期の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14は、21日の治療周期の1日目に最初に投与され、続いてチェックポイント阻害剤が投与される。いくつかの実施形態では、化合物番号14は、21日の治療周期の1日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、化合物番号14の投与から1時間後の21日の治療周期の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、チェックポイント阻害剤は、21日間の治療周期の1日目に最初に投与され、続いて化合物番号14が投与される。
【0245】
いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期で最初に投与され、チェックポイント阻害剤は、治療周期で2番目に投与され、化合物番号14は、治療周期で3番目に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期で最初に投与され、化合物番号14は、治療周期で2番目に投与され、チェックポイント阻害剤は、治療周期で3番目に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期で最初に投与され、続いて、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤を同時に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期で最初に投与され、続いて、化合物番号14及びチェックポイント阻害剤の逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の前に投与され、チェックポイント阻害剤及び化合物番号14は、治療周期の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の前に投与され、化合物番号14は、治療周期の1日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、3週間ごとに1回投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、21日の治療周期の前に投与され、化合物番号14は、21日の治療周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、チェックポイント阻害剤は、3週間ごとに1回投与される。
【0246】
いくつかの実施形態では、化合物番号14は、60±10分の静脈内注入として投与される。
【0247】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約10mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約50mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約100mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約150mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約220mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約240mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約260mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約280mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約300mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約320mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約340mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約360mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約380mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約400mg~約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約480mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約460mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約440mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約420mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約380mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約360mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約340mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約320mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mg~約300mgである。
【0248】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約120mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約140mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約160mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約180mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約220mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約240mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約260mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約280mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約320mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約340mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約360mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約380mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約420mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約440mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約460mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約480mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1000mgである。
【0249】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約200mgである。
【0250】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kg~約7.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kg~約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg/kg~約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg/kg~約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約0.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約1.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約2mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約2.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約3.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約4.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約7.5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-1抗体の量は、約10mg/kgである。
【0251】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、セミプリマブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0252】
いくつかの実施形態では、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、及びセミプリマブの投与は、FDAまたはEMAによって発行されたものなどの保健当局によって承認されたその処方情報に従う。これらの情報は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0253】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与されるペムブロリズマブの量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、3週間ごとに1回投与される。
【0254】
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、ペムブロリズマブ、またはその薬学的に許容される塩であり、ペムブロリズマブは、化合物番号14及び放射線と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、21日の周期の1日目に、または21日の周期の前に投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、21日の周期の-8日目と-1日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、21日の周期の-7日目と-1日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、ペムブロリズマブまたは化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.1mgの量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.2mgの量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.2mg以上の量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.1mg~3.5mgの量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.1mg~1.2mgの量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.2mg~3.5mgの量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.2mg~1.2mgの量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、ペムブロリズマブは、200mgの量で、21日の周期の1日目に投与され、化合物番号14は、0.1mg、0.2mg、0.4mg、0.8mg、1.2mg、1.6mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、または3.5mgの量で、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に投与され、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。
【0255】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg~約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約100mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約200mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約400mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約600mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約800mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1500mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mg~約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mg~約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1100mg~約1300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1100mg~約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mg~約1300mgである。
【0256】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1300mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1700mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1900mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約2500mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約3000mgである。
【0257】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約0.5mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kg~約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約6mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約7mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約8mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約9mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約13mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kg~約11mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約2mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約6mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約7mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約8mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約9mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約11mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約13mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約16mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約17mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約18mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約19mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗PD-L1抗体の量は、約20mg/kgである。
【0258】
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、アベルマブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0259】
いくつかの実施形態では、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、及びアベルマブの投与は、FDAまたはEMAによって発行されたものなどの保健当局によって承認されたその処方情報に従う。これらの情報は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0260】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約0.5mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約10mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約50mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約100mg~約2000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約100mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1000mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1200mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1400mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1600mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1800mgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約2000mgである。
【0261】
いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約0.5mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約18mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約16mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約1mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約2mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約4mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約6mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約7mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約8mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約9mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約11mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約12mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約13mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約14mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約15mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約16mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約17mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約18mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約19mg/kgである。いくつかの実施形態では、投与の各日に投与される抗CTLA-4抗体の量は、約20mg/kgである。
【0262】
いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブまたはその薬学的に許容される塩である。
【0263】
いくつかの実施形態では、イピリムマブの投与は、FDAまたはEMAによって発行されたものなどの保健当局によって承認されたその処方情報に従う。これらの情報は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0264】
いくつかの実施形態では、放射線は、粒子放射線である。
【0265】
いくつかの実施形態では、放射線は、外部ビーム放射線によって投与される。
【0266】
いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-15日目と2日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-10日目と1日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-10日目と0日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-10日目と-1日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-9日目と-1日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-8日目と-1日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療周期の-7日目と-1日目との間に投与される。いくつかの実施形態では、治療周期は、21日である。
【0267】
いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも5時間前に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも10時間前に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも20時間前に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも40時間前に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、チェックポイント阻害剤または化合物番号14の投与の少なくとも80時間前に投与される。
【0268】
いくつかの実施形態では、放射線は、2~8週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、6~8週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、2週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、3週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、4週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、5週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、6週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、7週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、8週間繰り返される各週の1~5日目の各々に投与される。
【0269】
いくつかの実施形態では、放射線は、5~8週間繰り返される各週の1~5日目のいずれか2つに投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、6~8週間繰り返される各週の1~5日目のいずれか2つに投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、5週間繰り返される各週の1~5日目のいずれか2つに投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、6週間繰り返される各週の1~5日目のいずれか2つに投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、7週間繰り返される各週の1~5日目のいずれか2つに投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、8週間繰り返される各週の1~5日目のいずれか2つに投与される。
【0270】
いくつかの実施形態では、放射線は、約1Gy~約100Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約1Gy~約50Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約1Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約5Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約6Gy~約18Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gy~約16Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約5Gy~約10Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約10Gy~約15Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約15Gy~約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約1Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約2Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約3Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約4Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約5Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約6Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約7Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約9Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約10Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約11Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約12Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約13Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約14Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約15Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約16Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約17Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約18Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約19Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約20Gyの画分用量で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gyまたは約16Gyの画分用量で投与される。
【0271】
いくつかの実施形態では、放射線は、画分で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、1~10画分で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、1~5画分で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、1画分、または2画分、または3画分、または4画分、または5画分で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、1画分または3画分で投与される。
【0272】
いくつかの実施形態では、放射線は、約1~5Gyの画分用量で1~3画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約5~10Gyの画分用量で1~3画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約10~15Gyの画分用量で1~3画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約15~20Gyの画分用量で1~3画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約5~10Gyの画分用量で1~3画分、または15~20Gyの画分用量で1~3画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gyの画分用量で1画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gyの画分用量で3画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約16Gyの画分用量で1画分投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、約8Gyの画分用量で1画分、または約8Gyの画分用量で3画分、または約16Gyの画分用量で1画分投与される。
【0273】
薬学的組成物
本明細書に記載の方法及びキットで使用されるSTINGアゴニストは、投与に好適な薬学的組成物に製剤化され得る。
【0274】
本明細書に記載の方法及びキットで使用されるSTINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤は、投与に好適な薬学的組成物に製剤化することができる。薬学的組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含み得る。本明細書で使用される、薬学的に許容される賦形剤としては、所望される特定の剤形に好適な、あらゆる溶媒、分散媒、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁の補助剤、希釈剤、造粒剤及び/または分散剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、結合剤、滑沢剤もしくは油、着色剤、甘味剤もしくは香味剤、安定剤、抗酸化剤、抗菌剤もしくは抗真菌剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、緩衝剤、キレート剤、抗凍結剤、及び/または増量剤が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的組成物を製剤化するための様々な賦形剤、及び組成物を調製するための技術は、当該技術分野で既知である(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Ed.,A.R.Gennaro(Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,MD),2006を参照されたく、その全体が参照により組み込まれる)
【0275】
本明細書に記載の治療薬はいずれも、薬学的に許容される塩の形態を取り得る。いくつかの実施形態では、そのような塩は、無機または有機の酸または塩基に由来する。好適な塩の概説については、例えば、Berge et al.,J.Pharm.Sci.,1977,66,1-19、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,A.Gennaro(ed.),Lippincott Williams&Wilkins(2000)を参照されたい。
【0276】
好適な酸付加塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオナート、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニル-プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカノアートが挙げられる。
【0277】
好適な塩基付加塩の例としては、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミンなどの有機塩基を有する塩、ならびにアルギニン、リジン、及び同類のものなどのアミノ酸を有する塩が挙げられる。
【0278】
例えば、Bergeは、以下のFDA承認の市販の塩をリストする:アニオンであるアセテート、ベシル酸塩(ベンゼンスルホン酸塩)、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム(エチレンジアミンテトラアセテート)、カンシル酸塩(樟脳スルホン酸塩)、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸(エチレンジアミンテトラアセテート)、エジシル酸塩(1,2-エタンジスルホン酸塩)、エストレート(ラウリル硫酸塩)、エシレート(エタンスルホン酸塩)、フマル酸塩、グルセプト酸塩(グルコヘプトン酸塩)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(グリコールアミドフェニルアルソネート)、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(N,N’-ジ(デヒドロアビエチル)エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イセチオン酸塩(2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート(メタンスルホン酸塩)、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩(2-ナフタレンスルホン酸塩)、硝酸塩、パモ酸塩(エンボ酸塩)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8-クロロテオフィリネート)、及びトリエチオジド、有機カチオンであるベンザチン(N,N’-ジベンジルエチレンジアミン)、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、及びプロカイン、ならびに金属カチオンであるアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛。
【0279】
Bergeは、以下の非FDA承認市販の(米国外で)市販の塩を更に列挙する:アニオンであるアジピン酸塩、アルギン酸塩、アミノサリチル酸塩、アンヒドロメチレンクエン酸塩、アレコリン、アスパラギン酸塩、重硫酸塩、臭化ブチル、樟脳酸塩、ジグルコン酸塩、二臭化水素酸塩、ジコハク酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、フッ化水素、ヨウ化水素酸塩、メチレンビス(サリチル酸塩)、ナパジシル酸塩(1,5-ナフタレンジスルホン酸塩)、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルエチルバルビツール酸塩、ピクリン酸塩、プロピオン酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカノアート、有機カチオンであるベネタミン(benethamine)(N-ベンジルフェネチルアミン)、クレミゾール(1-p-クロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチルベンズイミダゾール)、ジエチルアミン、ピペラジン、及びトロメタミン(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、ならびに金属カチオンであるバリウム及びビスマス。
【0280】
薬学的組成物は、薬学的に許容される担体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、レシピエント対象(ヒト)に適合し、かつ活性薬剤をその薬剤の活性を終結することなく対象部位に送達するのに好適である物質を指す。担体に関係する毒性または有害作用は、もしあるとすれば、好ましくは、活性薬剤の意図される使用に対して妥当なリスク対効果比に見合うものである。
【0281】
これらの組成物に使用してもよい薬学的に許容される担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩もしくは炭酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、硫酸プロタミンなどの飽和植物脂肪酸、水、塩、または電解質の部分グリセリド混合物、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が挙げられる。
【0282】
本開示の方法における使用のための薬学的組成物は、とりわけ、従来の造粒、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、または乳化プロセスなどの当該技術分野において周知の方法によって製造され得る。組成物は、顆粒剤、沈殿物、または微粒子、凍結乾燥された、回転乾燥された、もしくは噴霧乾燥された粉末を含む粉末、非晶質粉末、錠剤、カプセル、シロップ剤、坐剤、注射、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤、または溶液を含む、様々な形態で産出され得る。製剤は、安定剤、pH調節剤、界面活性剤、可溶化剤、生物学的利用能調節剤、及びこれらの組み合わせを含有し得る。これらの薬学的組成物は、ヒトに対する薬学的投与のために製剤化される。そのような組成物は、経口的、非経口、吸入スプレー、局所、直腸、経鼻、口腔、経膣で、または移植リザーバーを介して投与され得る。本明細書で使用されるとき、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、及び頭蓋内の注射または注入技術を含む。いくつかの実施形態では、本組成物は、経口的、静脈内、または皮下に投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、経口的に投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、静脈内投与は、静脈内注入または静脈内注射であり得る。いくつかの実施形態では、本組成物は、静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、静脈内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、皮下注射によって投与される。いくつかの実施形態では、本組成物は、静脈内注入によって投与され、次いでその後皮下注射によって投与される。別の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ヒトヒアルロニダーゼとともに皮下で共投与される。これらの製剤は、短時間作用型、高速放出型、または長時間作用型であるように設計され得る。更に、本組成物は、全身的な方法よりもむしろ、腫瘍部位での投与(例えば注射による)など、局所的な方法で投与され得る。
【0283】
薬学的製剤は、油、水、アルコール、及びそれらの組み合わせなどの液体を使用した液体懸濁液または溶液として調製され得る。シクロデキストリンなどの可溶化剤が、含まれ得る。薬学的に好適な界面活性剤、懸濁化剤、または乳化剤が、経口または非経口投与のために添加され得る。懸濁液は、ピーナツ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、及びオリーブ油などの油を含み得る。懸濁液製剤はまた、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、及びアセチル化脂肪酸グリセリドなどの脂肪酸のエステルを含有し得る。懸濁液製剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、及びプロピレングリコールなどのアルコール、ポリ(エチレングリコール)などのエーテル、鉱物油及び鉱油などの石油系炭化水素、ならびに水を含み得る。
【0284】
これらの薬学的組成物の滅菌注射用形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、好適な分散または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、当該技術分野で既知の技法に従って製剤化され得る。滅菌注射用製剤は、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液などの非毒性の非経口として許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液であってもよい。使用され得る許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンガー液及び生理食塩液である。加えて、滅菌固定油は、溶媒または懸濁化媒体として従来用いられている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油が用いられ得る。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、注射可能物の調製に有用であり、同様に、オリーブ油またはひまし油などの天然の薬学的に許容される油は、特にそれらのポリオキシエチル化バージョンにおいて、有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、乳剤または懸濁液を含む、薬学的に許容される剤形の製剤化で一般的に使用される、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤など、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含み得る。例えばTweenまたはSpanといったソルビタンアルキルエステルなどの他のよく使用される界面活性剤、及び薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造によく使用される他の乳化剤または生物学的利用能エンハンサーも、製剤化の目的のために使用され得る。組成物は、注射、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与用に製剤化することができる。注射用の単位剤形は、アンプルまたは多用量容器中にあってもよい。
【0285】
これらの薬学的組成物は、カプセル、錠剤、水溶性懸濁液または溶液を含む任意の経口的に許容される剤形で経口投与され得る。水溶性懸濁液が経口使用のために要求されるとき、活性成分は、乳化剤及び懸濁化剤と組み合わされる。所望の場合、ある特定の甘味剤、香味剤、または着色剤もまた、添加され得る。カプセル形態での経口投与では、有用な希釈剤は、乳糖及び乾燥コーンスターチを含む。経口使用のための錠剤の場合、よく使用される担体は、乳糖及びコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、典型的には添加される。コーティングは、様々な目的のため、例えば、味を消すため、溶解もしくは吸収の部位に影響を与えるため、または薬の作用を延長するために使用され得る。コーティングは、錠剤に、またはカプセル内での使用のための造粒粒子に適用され得る。
【0286】
代替的に、これらの薬学的組成物は、直腸投与用の坐薬の形態で投与され得る。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、薬物を放出させるように直腸内で溶ける、好適な非刺激性賦形剤と、薬剤を混合することによって調製され得る。そのような物質は、ココアバター、蜜ろう、及びポリエチレングリコールを含む。
【0287】
これらの薬学的組成物はまた、特に治療の標的が、目、皮膚、または下部腸管の疾病など、局所適用により容易に到達可能な区域または臓器を含むとき、局所的に投与され得る。好適な局所製剤は、これらの区域または臓器の各々のために容易に調製される。
【0288】
下部腸管のための局所適用は、直腸坐薬製剤(上を参照されたい)または好適な浣腸製剤で達成され得る。局所的な経皮パッチもまた使用され得る。局所適用に対して、薬学的組成物は、1つ以上の担体中に懸濁または溶解された活性成分を含有する好適な軟膏に製剤化され得る。本開示の化合物の局所投与のための担体は、鉱物油、液体鉱油、白色鉱油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、及び水を含む。代替的に、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解された活性成分(複数可)を含有する、好適なローションまたはクリームの中で製剤化され得る。好適な担体としては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が挙げられる。
【0289】
眼科用に、薬学的組成物は、等張のpH調節した滅菌食塩水中の微粉化懸濁液として、または好ましくは、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を含むまたは含まないのいずれかで、等張のpH調節した滅菌食塩水中の溶液として、製剤化され得る。代替的に、眼科用に、薬学的組成物は、ワセリンなどの軟膏に製剤化され得る。
【0290】
薬学的組成物はまた、鼻腔エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。かかる組成物は、薬学的製剤の技術分野でよく知られている技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素、及び/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0291】
一実施形態では、化合物番号14は、静脈内注入のための溶液として製剤化される。いくつかの実施形態では、化合物番号14は、遊離塩基として化合物番号14を3mg/3mL含有する溶液中に製剤化される。一実施形態では、化合物番号14の溶液は、注入前に希釈することができる。
【0292】
キット
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のSTINGアゴニストまたはチェックポイント阻害剤は、キットに含めるために製造され得る。「キット」は、少なくとも1つの試薬または化学療法剤を含む任意の製品(例えば、パッケージまたは容器)である。本明細書の方法での使用のためのキットは、STINGアゴニスト、例えば、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、チェックポイント阻害剤と、任意選択で1つ以上の追加の治療薬とを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは、化合物番号14またはその薬学的に許容される塩と、チェックポイント阻害剤と、任意選択で1つ以上の追加の治療薬とを含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上のSTINGアゴニストまたはその薬学的に許容される塩を含んでよい。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上のチェックポイント阻害剤を含んでよい。いくつかの実施形態では、ケイは、放射線を投与するための使用説明書を更に含んでもよい。
【0293】
いくつかの実施形態では、本開示は、そのような治療を必要とする患者のがんの治療での使用のための医薬を含むキットに関する。キットは、STINGアゴニストを含む医薬と、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書とを含むか、またはキットは、チェックポイント阻害剤を含む医薬と、チェックポイント阻害剤及びSTINGアゴニストを投与するための使用説明書とを含む。キットはまた、STINGアゴニストを含む医薬、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書、ならびに放射線を投与するための使用説明書を含み得るか、またはキットは、チェックポイント阻害剤を含む医薬、チェックポイント阻害剤及びSTINGアゴニストを投与するための使用説明書、ならびに放射線を投与するための使用説明書を含み得る。キットは、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を含む医薬、ならびにSTINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書を含み得、医薬は、単一の剤形または別個の剤形である。キットはまた、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を含む医薬、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を投与するための使用説明書、ならびに放射線を投与するための使用説明書を含み得、医薬は、単一の剤形または別個の剤形である。いくつかの実施形態では、キットは、任意選択で、1つ以上の追加の治療薬を含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤を含むキット、またはSTINGアゴニスト、チェックポイント阻害剤、及び放射線を投与するための使用説明書を含むキットは、別の成分または試薬を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、キット中の試薬は、投与のためにSTINGアゴニストを調製するための希釈剤であり得る。いくつかの実施形態では、キット中の試薬は、投与のためにチェックポイント阻害剤を調製するための希釈剤であり得る。いくつかの実施形態では、キット内の構成要素は、STINGアゴニスト及びチェックポイント阻害剤の組み合わせを混合するための容器であり得る。
【0295】
別の態様において、本開示は、がんを治療するためのキットに関し、本キットは、少なくとも1つの用量の化合物番号14またはその薬学的に許容される塩を含む少なくとも1つの医薬と、少なくとも1つの用量のチェックポイント阻害剤を含む少なくとも1つの医薬とを含み、がんを治療するための該キットは、それの必要性が認定された患者の治療のために医薬を投与するための投与説明書を更に含む。別の態様では、本開示は、少なくとも1つの用量の化合物番号14またはその薬学的に許容される塩を含む少なくとも1つの医薬、少なくとも1つの用量のチェックポイント阻害剤を含む少なくとも1つの医薬、及び放射線を投与するための使用説明書を含む、がんを治療するためのキットに関し、該キットは、それを必要とすると認識される患者の治療のための医薬及び放射線を投与するための投与説明書を更に含む。
【実施例
【0296】
本開示がより完全に理解されるように、以下の実施例が説明される。これらの実施例は、例示的のみであり、本開示の範囲をいかようにも限定することは意図されない。
【0297】
【表2-1】
【0298】
【表2-2】
【0299】
実施例1:インビボ腫瘍有効性
マウス腫瘍モデルにおける抗腫瘍効果のための一般的な実験条件
マウス同系腫瘍モデル
以下の同系モデルを、以下に指定されるように、研究1~3の各々において利用した。
【0300】
研究1及び2:EMT6は、マウス乳癌細胞株である。EMT6マウス同系腫瘍モデルを、9~10週齢の雌BALB/cマウス(Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.,Beijing,China)における0.2×10個のEMT6細胞(細胞懸濁液)を側腹部に皮下(sc)接種することによって生成した。研究1で平均腫瘍体積が60mmに達し、研究2で平均腫瘍体積が75mmに達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び7つの処置群(n=10/群)に無作為化した。次いで、マウスに、ビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水(PBS))、または化合物番号14、または10Gy放射線、または化合物番号14+10Gy放射線を8日間にわたって投与した。腫瘍成長及び体重を、処置期間中及び処置後の期間中に、週に3回測定した。マウスは、人道的エンドポイントに達した後、または72日目(研究1)もしくは60日目(研究2)の研究終了時に、人道的に安楽死させた。
【0301】
研究3:EMT6は、マウス乳癌細胞株である。EMT6マウス同系腫瘍モデルを、7~8週齢の雌BALB/cマウス(Envigo Corp.,Indianapolis,IN)の乳腺脂肪体に1.0×10個のEMT6細胞(細胞懸濁液)を同所接種することによって生成した。平均腫瘍体積が約110mmに達したとき、動物を1つのビヒクル対照群及び8つの処置群(n=8/群)に無作為化した。次いで、マウスを、化合物番号14、抗マウスPD-1(抗mPD-1)(クローンRMP1-14)、及び/または3回の画分用量の8Gyの放射線(8Gy×3)、またはそれぞれの対照薬剤(PBS、アイソタイプ対照抗体、及び/または偽放射線)で、11日間にわたって以下の組み合わせで処置した。
【0302】
群1:ビヒクル(PBS)+アイソタイプ対照+偽放射線
【0303】
群2:化合物番号14(1mg/kg)+アイソタイプ対照+偽放射線
【0304】
群3:化合物番号14(0.25mg/kg)+アイソタイプ対照+偽放射線
【0305】
群4:ビヒクル+抗mPD-1+偽放射線
【0306】
群5:ビヒクル+アイソタイプ対照+放射線(8Gy×3)
【0307】
群6:化合物番号14(1mg/kg)+アイソタイプ対照+放射線(8Gy×3)
【0308】
群7:ビヒクル+抗mPD-1+放射線(8Gy×3)
【0309】
群8:化合物番号14(1mg/kg)+抗mPD-1+放射線(8Gy×3)
【0310】
群9:化合物番号14(0.25mg/kg)+抗mPD-1+放射線(8Gy×3)
【0311】
腫瘍成長及び体重を、処置期間中及び処置後の期間中に、週に3回測定した。マウスを、それらが人道的エンドポイントに到達した後に人道的に安楽死させた。完全退縮を有するマウスを、74日目または108日目まで評価した。
【0312】
研究4:CT26は、マウス大腸癌細胞株である。8週齢の雌Balb/cマウス(Jackson Labs,Maine)に、0.2×10個のCT26腫瘍細胞を皮下接種し、腫瘍成長についてモニタリングした。腫瘍が平均100~125mmに達すると、動物に、偽照射または8Gyの焦点ビーム照射のいずれかで放射線照射した(研究0日目)。次いで、動物に、研究1日目に開始するQWx3スケジュールで、ビヒクル(PBS)または0.25mg/kgの化合物番号14のいずれかを静脈内投与した。抗mPD-1抗体(クローンRMP1-14,BioXCell)処置を、研究1日目に開始して、1週間に2回、10mg/kgの濃度で3週間、腹腔内投与した。動物が人道的エンドポイントに達した後、研究を通して1週間に2回、動物の腫瘍体積及び体重変化をモニタリングした。GRIは、ビヒクル群の残った動物を用いて、最終日(研究11日目)に計算した。
【0313】
研究5:B16F10-Ovaは、ニワトリオボアルブミンを発現するB16F10メラノーマ由来の細胞株である。7週齢の雌C57Bl/6マウス(Jackson Labs,Maine)に、0.04×10個のB16F10 ova腫瘍細胞を皮下接種し、腫瘍成長についてモニタリングした。腫瘍が平均100~250mmに達すると、動物に、偽照射または16Gyの焦点ビーム照射のいずれかで放射線照射した(研究0日目)。次いで、動物に、研究1日目に開始するQ3Dx3スケジュールで、ビヒクル(PBS)または0.25mg/kgの化合物番号14のいずれかを静脈内投与した。動物が人道的エンドポイントに達した後、研究を通して1週間に2回、動物の腫瘍体積及び体重変化をモニタリングした。GRIは、ビヒクル群の残った動物を用いて、最終日(研究10日目)に計算した。
【0314】
試験薬剤
以下の試験薬剤を、以下に指定されるように、研究1~3で使用した。
【0315】
研究1及び2:化合物番号14の0.1mg/mLの原液を、PBS中に製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、処置の各日の正確な動物体重に基づいて静脈内(IV)に投与した。受容した最終用量は、1.0mg/kgであった。化合物番号14の投与量は、0.2mLを超えなかった。化合物番号14を、単剤処置群及び併用処置群において、3用量(2日目、5日目、及び8日目)のQ3Dスケジュールで投与した。化合物番号14の用量製剤を1回調製し、2日目、5日目、及び8日目の投薬に使用した。
【0316】
研究1及び2の放射線治療は、RadSource RS 2000 X線照射器(Rad Source Technologies)を使用して行った。動物は、1.046Gy/分の放射線を受け、10Gyの線量送達に達するまでに約9.5分必要であった。照射室に入れる前にイソフルランを使用して、動物に麻酔をかけ、反射の有無を確認した。放射線ビームは、手動で位置決めをして腫瘍に焦点を合わせた。放射線は、研究1の0日目、2日目、または4日目のいずれか、ならびに研究2の0日目、1日目、2日目、3日目、または4日目のいずれかで、単回10Gy用量で手動での位置決めによって投与された。
【0317】
研究3:化合物番号14の0.1mg/mLの原液を、PBS中に製剤化し、10mL/kg体重の投与量を使用して、処置の各日の正確な動物体重に基づいてIVに投与した。受容した最終用量は、0.25mg/kgまたは1.0mg/kgであった。化合物番号14を、単剤処置群及び併用処置群において、3用量(12日目、15日目、及び18日目)のQ3Dスケジュールで投与した。化合物番号14の用量製剤を1回調製し、3日間全ての投与日に使用した。
【0318】
抗mPD-1抗体(クローンRMP1-14)、及びmPD-1に結合しないアイソタイプ対照(mIgG2a、クローン2A3)(ともにBio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH 03784由来)は、12日目の最初の注射の前にPBS中で1.0mg/mLで製剤化され、0.01mL/gの投与量を使用して10mg/kgの用量になるように、処置の各日の正確な体重に基づいて腹腔内(IP)投与した。製剤化された抗mPD-1及びアイソタイプ対照を、その後の15日目及び18日目の投薬まで、4℃で保管した。抗mPD-1またはアイソタイプ対照を、単剤処置群及び併用処置群において、化合物番号14またはビヒクル対照と同時に、3用量のQ3Dスケジュール(12日目、15日目、及び18日目)で投与した。
【0319】
研究3の放射線治療は、コンピュータ断層撮影スキャンSARRP(小型動物放射線研究プラットフォーム)照射器(Xstrahl Inc.Suwanee,Ga)からの体積画像誘導を伴う焦点ビーム照射を使用して行われた。動物は、2.42Gy/分の放射線を受け、8Gyの線量送達に達するまでに約3.3分必要であった。動物は、8日目、9日目、及び10日目に8Gyの放射線を受け、最後の放射線量は、化合物番号14及び/または抗mPD-1もしくは関連する対照の投与を12日目に開始する2日前に与えられた。画像撮影及び放射線治療中に、イソフルラン1~2%を使用して、動物に麻酔をかけた。放射線治療を毎日繰り返す場合、同じ治療計画を適用し、動物の位置決めの変化または経時的な標的変化を調整した。偽放射線を受けた動物は、放射線を受けなかったが、処置の非放射線部分を制御するために放射線を受けた動物と同じ時間だけ麻酔をかけた。
【0320】
研究4:化合物番号14の5mg/mLの原液を、0.0667mg/mLの最終濃度でPBS中に製剤化し、静脈内(IV)に投与した。受容した最終用量は、0.25mg/kgであった。化合物番号14の投与量は、0.2mLを超えなかった。化合物番号14を、単剤処置群及び併用処置群において、3用量のQWスケジュールで1日目に開始して投与した。化合物番号14の用量製剤を1回調製し、各処置日の投薬に使用した。
【0321】
研究5:化合物番号14の5mg/mLの原液を、0.0667mg/mLの最終濃度でPBS中に製剤化し、静脈内(IV)に投与した。受容した最終用量は、0.25mg/kgであった。化合物番号14の投与量は、0.2mLを超えなかった。化合物番号14を、単剤処置群及び併用処置群において、3用量のQ3Dスケジュールで1日目に開始して投与した。化合物番号14の用量製剤を1回調製し、各処置日の投薬に使用した。
【0322】
研究4及び5:抗mPD-1抗体(クローンRMP1-14)及びmPD-1に結合しないアイソタイプ対照(mIgG2a、クローン2A3)(ともにBio X Cell,10 Technology Drive,Suite 2B,West Lebanon,NH03784から)は、PBS中で各々の注射の前に2.1mg/mLで製剤化され、0.1mL/マウスの投与量を使用して10mg/kgの用量になるように、腹腔内(IP)投与した。抗mPD-1またはアイソタイプ対照を、単剤処置群及び併用処置群において、化合物番号14またはビヒクル対照と同時に、3用量のBIWスケジュールで投与した。
【0323】
研究4及び5:研究4及び5の放射線治療は、SmART(小型動物画像誘導放射線治療)プラットフォーム(Precision XRay Inc.,North Branford,CT)におけるコンピュータ断層撮影スキャンからの体積画像誘導を伴う焦点ビーム照射を使用して行われた。動物は、4.52Gy/分の放射線を受け、8Gyの線量送達に達するまでに約1.8分必要であり(研究4)、または16Gyの線量送達に達するまでに2.6分必要であった(研究5)。画像撮影及び放射線治療中に、イソフルラン1~2%を使用して、動物に麻酔をかけた。
【0324】
腫瘍測定
腫瘍は、ノギスを使用して週に3回測定した。腫瘍体積を、以下の標準方程式を使用して計算した:V=W×L/2(式中、腫瘍に関して、V=体積、W=幅、及びL=長さ)。研究1の平均腫瘍体積が約60mm、研究2の平均腫瘍体積が75mm、及び研究3の平均腫瘍体積が110mmに達したとき、マウスを研究1及び2においては8つの群(n=10/群)、及び研究3においては9つの群(n=8/群)に無作為化した。次いで、これらの群に、ビヒクル(PBS)、化合物番号14、放射線、抗mPD-1もしくはアイソタイプ対照、または表1a、2a、及び3aに記載されるこれらの薬剤の組み合わせを投与した。腫瘍サイズ及び体重は、各研究の期間中、週に3回測定した。マウスを、その腫瘍体積が体重の10%超に達したとき、または個々の腫瘍がサイズに関して人道的エンドポイントを超えたとき(>2cm)、または動物が研究の開始と比較して体重の20%を失ったとき、または任意の24時間の時間枠で体重の15%を失ったときに、研究1及び2において安楽死させた。マウスを、腫瘍体積が2,000mmを超えるか、または動物が研究の開始と比較して体重の20%超失ったときに、研究3において安楽死させた。
【0325】
マウス同系腫瘍モデルにおける異なる治療の比較の統計分析
以下の統計分析方法を、研究1、2、4、及び5において使用した。
【0326】
成長率阻害:以下でより詳細に説明するように、各動物のデータを単純な指数関数的成長モデルに適合させ、2つの群の平均成長率を比較することによって、処置群間の経時的な腫瘍成長傾向の差を評価した。成長率の差は、GRIによって要約され、GRIは、ビヒクル成長率の割合として表される、参照群の成長率と比較して、処置群が経験する成長率の低下である。
【0327】
【数2】
【0328】
μ及びμは、それぞれ、処置群及び参照群の平均腫瘍成長率である。μは、ビヒクル群の平均腫瘍成長率であり、これはほとんどの場合、参照群と同じである。
【0329】
正のGRIは、処置群の腫瘍が、参照群と比較して減少した速度で成長したことを示す。100%を超えるGRIは、ビヒクル群が参照群と同一である場合、腫瘍退縮として解釈される。GRIの負の値は、処置群の腫瘍が、参照群の腫瘍よりも速く成長したことを意味する。統計学的有意性は、非対t検定を使用して決定された。統計的に有意なP値は、2つの処置群の経時的傾向が異なることを示唆している。
【0330】
腫瘍成長率の計算:低い腫瘍体積は、データ分析に問題を引き起こし得るため、25mm未満の全ての測定値(0値を含む)を分析から除外した。この除外ステップの後、腫瘍体積は、指数関数的成長モデルに従うと仮定された。より具体的には、所与の動物及び処置群について、
log10(V)=a+b×t+ε
式中、Vは、i番目の時間点における腫瘍体積である。ここで、aは初期対数体積であり、bは腫瘍成長率であり、tは測定時間(日数)である。εは残留誤差項であり、これは相関関係がないと仮定され、正規分布から取り除かれた。
【0331】
このモデルは、各処置群内の各動物に別個に適合させた。動物が殺処分されたか早死にしたが、少なくとも2つの固有の時点(ベースラインを含む)が測定された場合、その時点までのデータを使用して成長率を推定した。動物が2つ未満の時点で測定値を有していた場合、動物は自動的に分析から除外された。
【0332】
まれに、1匹以上の動物の推定成長率が、同じ群内の他の動物とは大きく異なり得る。分析を確固とするために、所与の群の推定成長率の絶対値偏差の中央値の30倍の幅で区間が定義された。区間は、群の成長率の中央値を中心とした。いずれかの動物の成長率がこの区間外にある場合、成長率は区間の境界での値に置き換えられた。
【0333】
併用分析:併用分析を実施して、薬物処置の併用による利益があるかどうかを判定した。この分析はまた、推定される腫瘍成長率に基づいて行った。相乗効果の尺度は、以下のように定義された。
【0334】
【数3】
【0335】
ここで、μAB、μ、μ、及びμ対照は、それぞれ、併用群、薬物A群、薬物B群、及び対照群の平均成長率である。前述のように、μは、ビヒクル群の平均腫瘍成長率であり、これはほとんどの場合、対照群と同じである。相乗効果スコアの標準誤差は、4つの群にわたる標準誤差の合計の平方根として計算された。自由度は、Welch-Satterthwaite方程式を使用して推定した。仮説検定を実施して、相乗効果スコアが0と異なるかどうかを判断した。P値は、相乗効果スコアをその標準誤差で割ることによって計算され、上記の計算された自由度でt分布(両側)に対して試験された。0.05未満のP値は、統計的に有意である。
【0336】
組み合わせ結果は、以下のように解釈することができる。統計的に有意な負の相乗効果スコアは、相乗効果のある組み合わせを示す。統計的に有意な正の相乗効果スコアは、組み合わせが最高のパフォーマンスを発揮する単剤よりも優れたパフォーマンスを発揮する(すなわち、低い成長率を有する)場合のサブ相加的な組み合わせを示す。統計的に有意な正の相乗効果スコアは、組み合わせが最高のパフォーマンスの単剤よりも悪化した場合に、拮抗性の組み合わせを示す。統計学的に有意でないスコアは、相加的であるとみなされるべきである。
【0337】
以下の統計分析方法を、研究3において使用した。
【0338】
ビヒクル群との対比較:全ての腫瘍体積は、対数変換の前に5の値を付加した。変換後、線形補間を使用して、各マウスの腫瘍体積が1000mmに達する無作為化からの時間(日数)を推定した。マウスの腫瘍が1000mmに達する事象を「腫瘍進行」事象とみなし、前述の推定時間を無憎悪期間(TTP)と呼ぶ。研究終了時にマウスの腫瘍が1000mmに達していない場合、研究中のマウスの最終日を記録し、右側打ち切りした(right-censored)。対象となる治療の各ペアについて、TTPに関するワイブル(Weibull)分布を使用して、仮定したパラメトリック生存モデルを使用して、2つの処置アーム(arm)間のハザード比(HR)を推定した。HRは、2つの処置アームのマウスが研究を通じて任意の時点で進行事象を経験したハザードの比率を反映している。処置Aと処置Bとの間のHRが1より小さいことは、処置Aの有効性がBよりも優れていることを示唆する。標準誤差(SE)及び95%信頼区間(CI)も、推定されたHRの不確実性を説明するために計算した。最後に、2つの処置間の差の統計的有意性を評価するために、P値を計算するために2種類の試験を使用した。1)ワイブル生存モデルからのWald検定p値;2)ノンパラメトリックログランク検定。
【0339】
併用治療の効果:併用の利点は、TTPにも基づいていた。相乗効果は、ワイブルモデルから評価される。相乗効果HR(ハザード比)は、以下のように解釈される。
【0340】
【数4】
【0341】
式中、λA|Ctrl及びλB|Ctrlは、それぞれ、処置A及びBをビヒクル対照群と比較するためのハザード比であり、λAB|Ctrlは、組み合わせをビヒクル群と比較するハザード比である。λ相乗効果の推定値が有意に1未満である場合、それは2つの処置群の間に相乗効果が存在することを意味する。実際には、3つの個別に推定されたハザード比を使用してλ相乗効果を計算する代わりに、4つの処置群全てにワイブル回帰モデルを、処置A及びBの項とそれらの相互作用で適合させる。したがって、相互作用項は、対数(λ相乗効果)として解釈することができる。したがって、λ相乗効果は、推定された相互作用項を指数化することによって計算され、そのp値は対数スケールで相互作用項がゼロから有意に異なるかどうかを試験することによって得られる。
【0342】
結果
研究1:
研究1からの処置群の腫瘍成長率阻害を、表1aに示す。19日目までの期間の併用効果を、表1bに示す。各群の腫瘍成長曲線を、図1に示す。
【0343】
全ての処置群は、ビヒクル群と比較して、19日目に統計的に有意なGRIを示した。19日目までのデータを使用して実施された相乗効果分析は、単剤化合物番号14及びマッチングした放射線のみの群と比較した場合、3つのスケジュール全てにおいて化合物番号14+放射線(0日目、2日目、または4日目に10Gy)の相加的利益を示した。この19日間の期間中、相乗的利益は検出されなかったが、72日間の研究の残りの部分では、放射線のみの群または単剤化合物番号14群と比較して、併用処置群でより完全な退縮が達成された。化合物番号14を0日目、2日目、及び4日目の放射線と組み合わせて投与した場合、それぞれ1人、1人、及び2人の完全奏効者(CR)が検出された。対照的に、放射線のみの群(それぞれ、0日目、2日目、または4日目に放射線を受けた群)には0人、0人、及び1人のCRがあり、単剤化合物番号14群には0人のCRがあった。
【0344】
【表3】
【0345】
【表4】
【0346】
研究2:
研究2からの処置群の腫瘍成長率阻害を、表2aに示す。21日目までの期間の併用効果を、表2bに示す。各群の腫瘍成長曲線を、図2に示す。
【0347】
全ての処置群は、ビヒクル群と比較して、21日目に統計的に有意なGRIを示した。研究21日目までのデータを使用して実施された併用分析は、単剤化合物番号14及び放射線のみ(2日目に10Gy)の群と比較した場合、化合物番号14+放射線(2日目に10Gy)の組み合わせが相乗的であったことを示した。他のスケジュールでの化合物番号14と放射線の組み合わせ(0日目、1日目、3日目、または4日目に10Gy)は、単剤化合物番号14及び放射線のみのアームと比較した場合、相加的利益をもたらした。60日間の研究の残りの部分では、放射線のみの群または単剤化合物番号14群と比較して、併用処置群のうちの3つの群でより多くのCRが達成された。化合物番号14を2日目、3日目、及び4日目の放射線と併用投与した場合、それぞれ2人、4人、及び2人のCRが検出された(表2a)。対照的に、放射線のみの群、単剤化合物番号14群、または放射線を0日目または1日目に投与した併用群では、CRはなかった。
【0348】
【表5】
【0349】
【表6】
【0350】
研究3:
研究3からの処置群の無憎悪期間分析を、表3aに示す。併用分析結果を、表3bに示す。各群のKaplan-Meier生存曲線を、図3aに示す。腫瘍成長曲線を、図3bに示す。
【0351】
化合物番号14(0.25mg/kgまたは1mg/kg)または8Gy×3放射線を含む全ての処置群は、対照群と比較して、TTP(腫瘍体積が1000mmに達するまでの時間)における統計的に有意な増加を示した。単剤としての抗mPD1は、対照と比較してTTPを有意に増加させなかった。化合物番号14(1mg/kg)と抗mPD1(群8)またはアイソタイプ対照(群6)を用いた8Gy×3放射線との間で、統計的に有意な相乗効果が示された。化合物番号14(0.25mg/kg)と8Gy×3放射線及び抗mPD1(群9)との間にも有意な相乗活性が示された。対照的に、この実験では、抗mPD1と8Gy×3放射線の併用は、相乗的ではなかった(群7)。
【0352】
図3aの研究の生存曲線は、所与の研究日に各群で研究に残っているマウスの数を表す。腫瘍体積が2,000mmを超えるか、または動物が研究の開始と比較して体重の20%超を失ったときに、マウスを研究から除外した。生存グラフは、群6[化合物番号14(1mg/kg)+アイソタイプ対照+8Gy×3放射線]の5匹のマウス及び群8[化合物番号14(1mg/kg)+抗mPD1+8Gy×3放射線]の5匹のマウスが、研究終了時(108日目)に腫瘍のない生存者として研究に残ったことを示す。対照的に、関連する比較群(Gr2、5、7)のマウスは、53日目を超えて研究に残っておらず、これらの組み合わせの持続的な利益を示している。
【0353】
【表7】
【0354】
【表8】
【0355】
研究4:
研究4からの処置群の腫瘍成長率阻害を、表4aに示す。11日目までの期間の併用効果を、表4bに示す。Kaplan-Meier生存曲線を、図4aに示し、各群の腫瘍成長曲線を、図4bに示す。
【0356】
抗腫瘍活性(ビヒクルと比較した場合)は、化合物番号14+放射線+抗mPD-1処置の三重併用で処置された動物において最大であった(GRIは101%、p値<0.001)。化合物番号14と放射線との併用も、ビヒクルと比較した場合、有意な抗腫瘍活性を示したが、三重併用よりも程度が低く(GRIは88%、p値<0.001)、放射線治療単独でも、ビヒクルと比較した場合、中程度の抗腫瘍活性を示したが、これは二重または三重併用群のいずれよりも弱かった(63%、p値=0.001)。対照的に、化合物番号14または抗PD-1処置のいずれかのみで処置された動物において、わずかな抗腫瘍活性が観察された(それぞれ、GRIは13%、p値は0.698、またはGRIは-2%、p値=0.792)。これらの処置は全て良好な忍容性を有し、体重減少が20%を超えて研究から除外される動物はなかった。
【0357】
【表9】
【0358】
【表10】
【0359】
研究5:
研究5からの処置群の腫瘍成長率阻害を、表5aに示す。10日目までの期間の併用効果を、表5bに示す。Kaplan-Meier生存曲線を、図5aに示し、各群の腫瘍成長曲線を、図5bに示す。
【0360】
抗腫瘍活性(ビヒクルと比較した場合)は、化合物番号14と放射線の併用で処置した動物において最大であった(GRIは67%、p値<0.001)。放射線及び化合物番号14処置単独でも、ビヒクルと比較した場合、中程度の抗腫瘍活性を示したが、これは二重併用群よりも弱かった(それぞれ、35%、p値=0.009、GRIは11%、p値0.036)。これらの治療は全て良好な忍容性を有し、体重減少が20%を超えて研究から除外される動物はなかった。
【0361】
【表11】
【0362】
【表12】
【0363】
実施例2:転移性固形腫瘍患者の治療における抗PD-1抗体及び放射線と併用した化合物番号14を評価する臨床研究
チェックポイント阻害剤(CPI)で進行したまたは進行中の、非小細胞肺癌(NSCLC)、三重陰性乳癌(TNBC)、または頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)患者の治療における、放射線療法後の化合物番号14及びペムブロリズマブの安全性、忍容性、及び予備的な抗腫瘍活性を評価するために、非盲検第1相用量漸増試験を実施する。この研究中に得られた情報は、最大耐量(MTD)を推定し、この併用の推奨第2相用量(RP2D)を決定するために使用される。
【0364】
転移性NSCLC、TNBC、またはSCCHNを有する約46人の患者が本研究に登録され、最大39人の用量制限毒性(DLT)評価可能な患者を達成する。全ての患者は、画像誘導放射線療法を8Gy×3回(すなわち、各8Gyで3回の画分)受け、続いてペムブロリズマブ及び化合物番号14の静脈内(IV)投与を受ける。
【0365】
ペムブロリズマブは、21日の周期ごとの1日目に200mgIVで投与され、最後の画分の放射線療法とIVペムブロリズマブの開始との間に最低40時間を置く。化合物番号14は、ベイジアン最適インターバル(BOIN)設計に従って用量漸増様式で投与され、21日の周期の1日目、8日目、及び15日目に、0.2~2.5mgの初期探索可能用量範囲で投与される。患者は、用量設定第1相研究TAK-676-1002で以前に安全とみなされた用量レベルで、ペムブロリズマブとともに化合物番号14のみを投与する。
【0366】
3人の患者が、化合物番号14の以前に特定された開始用量レベルで初期コホートに登録される。その後のコホートでは、漸増/漸減のガイドラインに従って2~3人の患者が登録される。ペムブロリズマブ(3週間ごと)及び化合物番号14(毎週)の投与は、疾患の進行、ペムブロリズマブまたは化合物番号14への不耐性(ペムブロリズマブまたは化合物番号14に少なくとも関連している可能性があり、用量中止が推奨される治療中に発生した有害事象(TEAE)の発生として定義される)、または同意の撤回のいずれか早い方まで継続する。
【0367】
有害事象(AE)を評価し、臨床検査値、バイタルサイン、ECG、及びその他の臨床的に必要な検査を取得して、放射線と併用した治験薬の安全性及び忍容性を評価する。毒性は、NCI CTCAE、第5.0版、有害事象共通用語規準(CTCAE)、第4.03版、米国保健福祉省、国立がん研究所(2010年6月14日)に従って評価される。DLTは、周期1中に発生し、治験担当医師がペムブロリズマブ及び放射線と組み合わせた化合物番号14に少なくとも関連する可能性があると考えられる、安全性評価に記載される治療中に発生した有害事象(TEAE)のいずれかとして定義されるであろう。その後の周期で生じるDLT定義を満たすTEAEは、化合物番号14のRP2Dの決定において考慮されるであろう。
【0368】
患者の基礎疾患の状態を評価するために、放射線学的評価(臨床的に必要な場合、CTスキャン及び/または磁気共鳴画像(MRI))を用いる。遺伝子変異、遺伝子シグネチャー、腫瘍変異負荷、免疫細胞含有量、または将来の非臨床試験もしくは臨床試験から生じ得る治療に対する応答または耐性のバイオマーカーなどのベースラインの特徴を評価するために、保存されたホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織または腫瘍組織の最小数の染色されていないスライドを、可能な場合、全ての登録患者から収集する。放射線野の外側に安全に利用可能な病変を有する全ての患者で、薬力学的活性を有することが示された化合物番号14の用量レベルで登録された新鮮な腫瘍生検を有する患者は、事象のスケジュール(SOE)に従って腫瘍生検を行うことが義務付けられる。
【0369】
連続血液サンプルは、循環バイオマーカー(末梢タンパク質、サイトカイン、及びケモカイン(IFN誘導性ケモカインのIP-10を含む))、免疫表現型検査、mRNA発現、受容体配列決定、及び無細胞DNAのために収集される。疾患応答の評価は、RECIST第1.1版を使用して行われ(治験責任医師が決定)、SOEに従って行われる。化合物番号14及び関連代謝物の血漿濃度を測定して、化合物番号14の代謝及び排出機構を理解するための連続血液サンプルを、SOEに記載されているように、事前に指定された時点で得る。
【0370】
主要評価項目
この第1相治験の主要評価項目には、TEAEの頻度及び重症度、DLTの患者数、1つ以上の治療中に発生した重篤な有害事象(TESAE)を有する患者の数/割合、ならびに用量変更及び治療中止に至った1つ以上のTEAEを有する患者の数/割合が含まれ得る。
【0371】
安全性エンドポイントは、米国国立がん研究所の有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)、第5.0版、米国保健福祉省、国立衛生研究所、国立がん研究所の有害事象共通用語規準(CTCAE)、第5.0版(2017年11月)に従って評価される。
【0372】
副次評価項目
この第1相治験の副次的評価項目には、全奏効率(ORR)(すなわち、確認された完全奏効(cCR)+確認された部分奏効(cPR))、アブスコパル奏効率(ORRabscopal)(すなわち、放射線野の外側にある腫瘍病変のcCRabscopal+cPRabscopal)、局所奏効率(ORRlocal)(すなわち、放射線野の内側にある腫瘍病変のcCRlocal+cPRlocal)、全ての腫瘍病変に対する奏効期間(DOR)(放射線野の内側にある腫瘍のDOR(DORlocal)及び放射線野の外側にある腫瘍のDOR(DORabscopal))、ならびに全ての腫瘍病変に対する奏効時間(TTR)(放射線野の内側にある腫瘍のTTR(TTRlocalized)及び放射線野の外側にある腫瘍のTTR(TTRabscopal))が含まれ得る。
【0373】
奏効評価は、固形腫瘍における奏効評価基準(RECIST)第1.1版Eur.J.Cancer,45(2):228-47(2009)に従って治験責任医師が行う。偽増悪の事例を考慮して、その後の画像診断でPDが確認されないことを前提として、PDの初期評価後に患者が治療を継続することを許容する。
【0374】
治験は、優良臨床試験基準に準拠して実施されるであろう。
【0375】
ある特定の実施形態が例示及び記載されているが、以下の特許請求の範囲に定義されるようなそのより広い態様の技術から逸脱することなく、当業者の技術に従って変更及び修正を行うことができることを理解されたい。
【0376】
本開示は、本出願に記載される特定の実施形態に関して限定されるものではない。当業者に明らかになるように、修正及び変形は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に列挙されるものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法及び組成物は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。本開示は、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定される。本開示は、特定の方法、試薬、化合物組成物または生物学的システムに限定されず、これらは当然のことながら変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0377】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、発行された特許、及び他の文書は、個々の刊行物、特許出願、発行された特許、または他の文書が、参照によりその全体が組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれるテキストに含まれる定義は、それらが本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
【国際調査報告】