特表 2023-551153 プラスチックコンパウンドの選別のためのコンピュータで実施される方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2023-12-07

(54)【発明の名称】プラスチックコンパウンドの選別のためのコンピュータで実施される方法

(51)【国際特許分類】

   B29B 17/00 20060101AFI20231130BHJP

   C08J 11/00 20060101ALI20231130BHJP

   G01N 23/223 20060101ALI20231130BHJP

【ＦＩ】

B29B17/00 ZAB

C08J11/00

G01N23/223

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023530178

(86)(22)【出願日】2021-11-19

(85)【翻訳文提出日】2023-05-18

(86)【国際出願番号】 EP2021082315

(87)【国際公開番号】W WO2022106625

(87)【国際公開日】2022-05-27

(31)【優先権主張番号】20209008.0

(32)【優先日】2020-11-20

(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP

(31)【優先権主張番号】20216014.9

(32)【優先日】2020-12-21

(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】508020155

【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア

【氏名又は名称原語表記】ＢＡＳＦ ＳＥ

【住所又は居所原語表記】Ｃａｒｌ－Ｂｏｓｃｈ－Ｓｔｒａｓｓｅ ３８， ６７０５６ Ｌｕｄｗｉｇｓｈａｆｅｎ ａｍ Ｒｈｅｉｎ， Ｇｅｒｍａｎｙ

(74)【代理人】

【識別番号】110002572

【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】トゥエーコグル，ガジ

(72)【発明者】

【氏名】リード，マリーナ グレース ディケンズ

(72)【発明者】

【氏名】ケラー，ヴィルヘルム

(72)【発明者】

【氏名】ソルフランク，マルティナ

(72)【発明者】

【氏名】ケラー，ロバート アンソニー

(72)【発明者】

【氏名】ライヒ，オリバー

(72)【発明者】

【氏名】レイノ カジェハ，デビッド

(72)【発明者】

【氏名】ホー，リ ノイ リリアン

(72)【発明者】

【氏名】クーン，オリバー

(72)【発明者】

【氏名】サティヤナラヤナ，シャム サンダー

(72)【発明者】

【氏名】パンケ，カイ

(72)【発明者】

【氏名】エルツェ，トビアス

(72)【発明者】

【氏名】バイル，クリスティアン

【テーマコード（参考）】

2G001

4F401

【Ｆターム（参考）】

2G001AA01

2G001BA04

2G001CA01

2G001KA01

2G001KA20

2G001LA05

4F401AA09

4F401AA10

4F401AA11

4F401AA13

4F401AA17

4F401AA22

4F401AA23

4F401AA24

4F401AA26

4F401BB09

4F401CA21

4F401CA42

4F401DB01

(57)【要約】

プラスチックコンパウンドの選別を制御するための、コンピュータで実施される方法であって、本方法は、それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベースを提供するステップ（Ｓ１００）と；プラスチックコンパウンドの試料からスキャンデータを受信するステップ（Ｓ２００）と；受信したスキャンデータ及びデータベースの複数の標識に基づいて、プラスチックコンパウンドの試料中における標識を識別するステップ（Ｓ３００）と；プラスチックコンパウンドの試料の識別された標識に基づいて、プラスチックコンパウンドを選別するステップ（Ｓ４００）と、を含む。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

プラスチックコンパウンドの選別を制御するための、コンピュータで実施される方法であって、
それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベースを提供するステップ（Ｓ１００）と、
プラスチックコンパウンドの試料からスキャンデータを受信するステップ（Ｓ２００）と、
受信した前記スキャンデータ及び前記データベースの前記複数の標識に基づいて、前記プラスチックコンパウンドの前記試料中における標識を識別するステップ（Ｓ３００）と、
前記プラスチックコンパウンドの前記試料の識別された前記標識に基づいて、プラスチックコンパウンドを選別するステップ（Ｓ４００）と、を含む、コンピュータで実施される方法。

【請求項2】

試料の複数のスキャンデータ、試料の複数の識別された標識、及び／又は試料の複数の選別決定、を格納するブロックチェーンを受信するステップと、
前記試料の受信された前記スキャンデータ、前記試料の前記識別された標識、及び／又は前記試料の前記選別決定を、前記ブロックチェーンにアップロードするステップと、を含む、請求項１に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項3】

プラスチックコンパウンドを選別する前記ステップは、
前記試料の識別された前記標識に関連付けられた少なくとも１つのデータエントリを前記ブロックチェーンにおいて識別するステップと、
前記少なくとも１つのデータエントリ及び識別された前記標識に基づいて前記プラスチックコンパウンドを選別するステップと、を含む、請求項２に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項4】

前記標識を識別する前記ステップは、
前記プラスチックコンパウンドの前記試料中における前記標識のタイプ及び／又は量を決定するステップを含む、請求項１～３のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項5】

前記標識を識別する前記ステップは、
前記プラスチックコンパウンドの前記試料中において標識を有する内容物の重量分率を決定するステップを含む、請求項１～４のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項6】

前記標識を識別する前記ステップは、
前記プラスチックコンパウンドの前記試料中において識別された前記標識に基づいて前記プラスチックコンパウンドのライフサイクル数を決定するステップ、及び／又は前記プラスチックコンパウンドのリサイクルされたプラスチックの内容物を決定するステップ、を含む、請求項１～５のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項7】

前記プラスチックコンパウンドのリサイクルされたプラスチックの、決定された前記ライフサイクル数及び／又は内容物に基づいて、選別工程から、好ましくは他のリサイクル可能性への、非常に好ましくは、機械的リサイクルから化学的リサイクルへの、熱的リサイクル（焼却）への、及び／又は有機的リサイクルへの、プラスチックコンパウンドの移行をトリガするステップを含む、請求項６に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項8】

前記選別決定をユーザインタフェース上に表示させる指令を含む信号を生成するステップを含む、請求項１～７のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項9】

前記標識は、ＵＶ標識、ＮＭＲ標識、ＩＲ標識、ＸＲＤ標識、ＸＲＦ標識、ＱＲコード（登録商標）、バーコード、及び／又はステガノグラフィー機能、からなる群から選択される、請求項１～８のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項10】

前記プラスチックコンパウンドの前記試料は、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、リニアＬＤＰＥ（ＬＬＤＰＥ）、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ポリオキシメチレン（ＰＯＭ）ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、アクリルニトリル－ブタジエン－スチレン（ＡＢＳ）、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、熱可塑性ポリウレタン（ＴＰＵ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、又はポリカーボネート（ＰＣ）、からなる群から選択される１つ以上の要素を含む、請求項１～９のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。

【請求項11】

請求項１～１０のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法の、プラスチックコンパウンドのリサイクルのための使用。

【請求項12】

請求項６又は７に記載のコンピュータで実施される方法の、プラスチックコンパウンドの機械的リサイクルのための使用であって、選別工程を終了した前記プラスチックコンパウンドは、他のリサイクル可能性、好ましくは化学的リサイクル、熱的リサイクル（焼却）、及び／又は有機的リサイクルへと移行する、使用。

【請求項13】

実行されたときに、請求項１～１０のいずれか一項に記載の方法のステップのうちのいずれか１つを実施するようにプロセッサに命令するコンピュータプログラム要素。

【請求項14】

請求項に記載のコンピュータプログラム要素、を記憶するコンピュータ可読媒体。

【請求項15】

波長スキャナ（１１）と、
プログラマブルコントローラ（１５）と、を備える、プラスチックコンパウンド選別装置（１０）であって、
前記波長スキャナ（１１）は、プラスチックコンパウンド（１６）の試料をスキャンするように構成され、
前記プログラマブルコントローラ（１５）は、請求項１～１０のいずれか一項に記載の方法を用いて、プラスチックコンパウンドを選別するように構成されている、プラスチックコンパウンド選別装置。

【請求項16】

プラスチックコンパウンドを選別するシステム（３０）であって、前記システムは、
それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベース（３１）と、
プラスチックコンパウンドの試料からスキャンデータを受信するように構成された少なくとも１つの受信ユニット（３２）と、
受信した前記スキャンデータ及び前記データベース（３１）の前記複数の標識に基づいて、前記プラスチックコンパウンドの前記試料中における標識を識別するように構成された、少なくとも１つの処理ユニット（３３）と、
前記プラスチックコンパウンドの前記試料の識別された前記標識に基づいて、プラスチックコンパウンドを選別するように構成された少なくとも１つの選別ユニット（３４）と、を備える、システム（３０）。

【請求項17】

それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベース、及び／又は請求項１～１０のいずれか一項に記載の方法におけるプラスチックコンパウンドの試料からのスキャンデータ、の使用。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、プラスチックコンパウンドの選別のためのコンピュータで実施される方法、そのような方法のためのコンピュータプログラム要素、そのようなコンピュータプログラム要素を記憶するコンピュータ可読媒体、プラスチックコンパウンド選別装置、プラスチックコンパウンドの選別のためのシステム、及びそのような方法におけるコンピュータベースのデータベースの使用、に関する。

【背景技術】

【0002】

プラスチックは、低重量、耐久性、低価格、広い温度範囲への適用性、良好な耐熱性及び耐光性、並びに処理が容易であるという機能に関して相当な利点を示す。これらの利点に起因して、プラスチックの世界需要は毎年増加しており、したがって、プラスチックの世界での生産量は年間で数億トンである。プラスチックの相当な割合が、包装、自動車、電気製品用に使用される。使用後に又は寿命が終わった後に、生成されたプラスチック廃棄物のごく僅かな割合だけが再利用される。プラスチックのリサイクルは、プラスチック廃棄物を減らすための及び天然資源を節約するための選択肢を提示する。プラスチック廃棄物のリサイクルは、ポリマータイプ、等級、ブレンド、及び／又は添加物が非常に多様であることに起因して、プラスチック廃棄物の分離及び選別を必要とする。したがって、選別はプラスチック廃棄物のリサイクルにとって大きな課題である。リサイクルは、プラスチック廃棄物のリサイクルの経済的側面に、及び価値連鎖におけるプラスチックの持続可能性に、著しい効果を有する。

【0003】

これを考慮すると、プラスチックをリサイクルする方法を提供することに、更なる必要性が存在することが分かる。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

したがって、プラスチックコンパウンドの選別を制御し改善する方法を提供することが本発明の目的である。

【課題を解決するための手段】

【0005】

これら及び他の目的は、以下の説明を読むと明らかになり、独立請求項の主題により解決される。従属請求項は、本開示の好ましい実施形態を指す。

【0006】

本開示の第１の態様によれば、プラスチックコンパウンドを選別するためのコンピュータで実施される方法が提供され、この方法は、それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベースを提供するステップと；プラスチックコンパウンドの試料からスキャンデータを受信するステップと；受信したスキャンデータ及びデータベースの複数の標識に基づいて、プラスチックコンパウンドの試料中における標識を識別するステップと；プラスチックコンパウンドの試料の識別された標識に基づいて、プラスチックコンパウンドを選別するステップと、を含む。

【0007】

換言すれば、本開示は、プラスチックコンパウンドに標識を明確にタグ付けし、それにより、プラスチックコンパウンドに対してＩＤを生成することを提案する。プラスチックコンパウンドの特性、例えば、ポリマータイプ、等級、ブレンド、再利用の回数、持続可能性スコア等がＩＤに割り当てられる。ＩＤの情報データ及びプラスチックコンパウンドの特性は、データベースに記憶される。スキャンにより、プラスチックコンパウンド、標識、したがってプラスチックコンパウンドのＩＤが決定され、データベースと照合される。照合の結果は、プラスチックコンパウンドの特性、例えば、プラスチックのタイプ、又はリサイクルされた材料の内容物、又は持続可能性スコアなどを明らかにする。それゆえ、ユーザ、例えばプラスチック部品のリサイクル会社が、プラスチックコンパウンドを選別すること、又は、例えば製品の小売業者が、空き容器回収機内のプラスチックコンパウンドを選別することが可能である。

【0008】

提案された方法は、異なる材料層及び異なる材料の組合せから構成されるプラスチックコンパウンドを選別するために有利な場合がある。提案された方法は、リサイクルされたプラスチックコンパウンドとリサイクルされていないプラスチックコンパウンドとを選別するのに有利な場合がある。提案された方法は、食品グレードのプラスチックコンパウンドと非食品グレードのプラスチックコンパウンドとを選別するために、更に有利な場合がある。提案された方法は、プラスチックコンパウンドのリサイクルループの回数に応じて選別するために、更に有利な場合がある。提案された方法は、選別がプラスチックコンパウンドの色に敏感ではないので、更に有利な場合がある。提案された方法は、選別が収縮ラベルを通して可能なので、更に有利な場合がある。

【0009】

提案された方法は、プラスチック価値連鎖における寿命末期／リサイクルステップに限定されることはなく、プラスチック価値連鎖の任意のステップにおける任意の目的に対しても使用することができる。本方法は、例えば、プラスチックコンパウンド、例えばプラスチック包装の小売において、顧客との対話／顧客経験の改善のために使用できる。提案された方法は、プラスチック部品の効果的なリサイクル経済を確立するために有利な場合がある。提案された方法は、持続可能性スコアを含む製品履歴書の基礎として機能するために、更に有利な場合があり、更なる情報（例えば、特定のプラスチックコンパウンドを用いて生産された製品）が履歴書に追加され、データベースに記憶される。提案された方法は、プラスチック廃棄物を減らし、リサイクルされるプラスチック廃棄物の量を増やすために、更に有利な場合がある。提案された方法は、材料の相互汚染を最小化し、再処理されたプラスチックコンパウンドの質を、そして引き続きその価値を最大化することに役立つ。提案された方法は、機械的リサイクルループから、他のリサイクル可能性、すなわち、化学的リサイクル、熱的リサイクル（焼却）、又は有機的リサイクルへの、材料の移行をトリガするために使用することもできる。

【0010】

持続可能性スコアという用語は、この場合は広く理解されるべきであり、プラスチックコンパウンドの持続可能性に関する情報を提示するように構成された数量を含み、持続可能性は、好ましくは、プラスチックコンパウンドのリサイクルされた材料の内容物、及び／又はプラスチックコンパウンドのリサイクルされた材料のリサイクルループの回数に関する。持続可能性スコアは、メトリック、例えば、言葉による符号化である「悪い」、「良い」、「非常に良い」、又は色符号化である「赤色」、「橙色」、「緑色」、又は数符号化である「１」、「２」、「３」を含み得る。持続可能性スコアは、前述した実施例に限定されない。持続可能性スコアは、マスターバッチ作製者、及びＯＥＭ、小売業者、又は最終顧客のためのコンバータにより提出されるデータに基づいてもよい。コンピュータベースのデータベースという用語は、この場合は広く理解されるべきであり、データを記憶し管理するように構成される任意のデータベース又はデータシステムを備える。データベースは、集中化された構成であってもよく又は分散化された構成であってもよく、異なるユーザに対して異なるアクセス許可（例えば、読取り、読取り／書込み、等）を含んでもよい。データベースは、クラウドサーバに記憶され実行されてもよい。データベースは、ブロックチェーンネットワークとして実現されてもよい。ブロックチェーンは、偽のデータに対する保護を向上させ、したがって顧客の信頼を向上させることができる。ブロックチェーンは、分析機能（例えば、リサイクルされたプラスチックコンパウンドのループ回数を決定すること）を向上させることができる。エントリという用語は、この場合は広く理解されるべきであり、データベースに記憶できる任意のデータを含み、好ましくは、エントリという用語は、この場合はプラスチックコンパウンドのＩＤ、例えばバイナリコード、に関する。標識という用語は、この場合は広く理解されるべきであり、プラスチックコンパウンドＩＤに関する情報を開示するように構成された要素を備える。標識という用語は、化学トレーサ、すなわちプラスチック樹脂中に埋め込まれた分子を含んでもよく、これは、分子が存在するか又は存在しないかのいずれかなので、バイナリコードとして機能する。このような化学トレーサは、様々な分光学的特性を示し、したがって検出可能である（例えば、紫外線下で蛍光を発する）。各々が固有のスペクトルを有する異なる化学トレーサを添加することにより、データベースのエントリとして機能するコードを作成することが可能である。これら化学トレーサは、変形又は他の物理的な応力に対して鈍感であり、したがって、ライフサイクル中においてプラスチックコンパウンドの検出可能性を改善するので、有利な場合がある。標識という用語は、ＱＲデータ、電子透かし、バーコードを更に含んでもよい。スキャンデータという用語は、この場合は広く理解されるべきであり、スキャン工程及び／又は検出工程から受信した任意のデータを含む。好ましくは、スキャンデータは、分光分析法及び光学スキャナ（例えば、スマートフォンのカメラ）からのデータを含む。プラスチックコンパウンドという用語は、この場合は広く理解されるべきであり、プラスチック材料のライフサイクル又は価値連鎖の予想されるあらゆる段階における、あらゆるプラスチック材料を含む。好ましくは、プラスチックコンパウンドという用語は、プラスチック原材料（例えば、ＰＥ、ＰＰ、ＰＥＴ原材料）、半処理されたプラスチック材料（例えば、半仕上げの電子部品及び／又は自動車内部部品、最終プラスチック材料（例えば、ＰＥＴボトル、包装）、を含む。

【0011】

一実施形態では、コンピュータで実施される方法は、試料の複数のスキャンデータ、試料の複数の識別された標識、及び／又は試料の複数の選別決定、を格納するブロックチェーンを受信するステップと、試料の受信されたスキャンデータ、試料の識別された標識、及び／又は決定された試料の選別決定、をブロックチェーンにアップロードするステップと、を含む。ブロックチェーンという用語は、現況技術では良く知られており、この場合は、暗号を用いて連結されたデータ／記録の成長するリストを含む。データ／記録は、この場合は、試料の複数のスキャンデータ、試料の複数の識別された標識、及び／又は試料の複数の選別決定を含む。データ／記録は、これらの実施例に限定されない。データ／記録は、試料の製品（例えば、原材料、半完成品、最終製品）のタイムスタンプ、並びに処理データ及び関連するデータを含んでもよい。試料の複数のスキャンデータ、試料の複数の識別された標識、及び／又は複数の選別決定をアップロードすることにより、開いた台帳が、新規の記録／エントリに起因して延長される。台帳は、分散された台帳であってもよく、あらゆるユーザがコピーを有してもよく、新規なエントリを生成することが可能であってもよく、新規なエントリは、あらゆるユーザにより認証される必要があってもよい。要するに、これは、特定のプラスチック原材料のライフサイクルの異なるステージ及び／又は処理の透明性を向上させるためには有利な場合がある。これにより、更に、特定の原材料コンパウンドに関連する新しいデータポイントを生成すること、及び分析能力を向上させることができる。これは、更に、特定のプラスチック原材料に関する偽りのエントリ／データからユーザを保護することができる（例えば、ブロックチェーンにおいて検出された論理エラーに起因して、複数の識別された標識が、偽りのデータをもたらし、偽りの選別決定を明らかにする）。換言すれば、特定のプラスチック原材料のスキャンデータが、処理（例えば、任意のスキャン）においてブロックチェーンに記録され、したがって、原材料、及び原材料に関する更なる生成物（例えば、半完成品、製品、廃棄物）の履歴書が明らかになる。ブロックチェーンを使用することにより、原材料コンパウンドのライフサイクルに沿って、上流ユーザにより格納されたデータエントリに基づいて、認証データを提供することができる。認証データ及び選別決定へのアクセスのために、顧客／ユーザによってアプリが使用されてもよい。

【0012】

一実施形態では、プラスチックコンパウンドの選別を制御するステップは、試料の識別された標識に関連付けられた少なくとも１つのデータエントリをブロックチェーンにおいて識別するステップと、少なくとも１つのデータエントリ及び識別された標識に基づいてプラスチックコンパウンドの選別を制御するステップと、を含む。換言すれば、試料の識別された標識は、識別された標識を含む既存のエントリと照合される。これは、特定のプラスチック原材料の履歴を明らかにすることができる。これは、特定のプラスチック原材料の再利用／ループの回数を明らかにすることができる。例えば、特定のプラスチック原材料がプラスチックボトルのために生産されており、その特定のプラスチック原材料が別の製品（例えば、歯ブラシ）で発見された場合、その特定のプラスチック原材料が再利用されたと推論できる。これは、プラスチックコンパウンドの選別を改善するために有利な場合がある。

【0013】

一実施形態では、標識を識別するステップは、プラスチックコンパウンドの試料中における標識のタイプ及び／又は量を決定するステップを含む。標識のタイプは、周期系の元素、及びそれらの組合せを含んでもよい。標識のタイプを決定することにより、特定のプラスチック原材料のＩＤが決定される。標識の量を決定することにより、リサイクルされたプラスチック原材料の割合を決定できる。これは、選別決定を制御するために有利な場合がある。標識を決定することは、ＵＶ検出技術、近赤外検出技術、中赤外検出技術、Ｘ線蛍光検出技術、ニューロン活性化技術、又は磁気検出技術、例えばＮＭＲ、を含むことができる。

【0014】

一実施形態では、標識を識別するステップは、プラスチックコンパウンドの試料中における標識の重量部分を決定するステップを含む。試料中における標識及びその体積含有率を決定することにより、重量含有率を計算により導出することもできる。定量化は、試料中における異なる標識システムの相対比率を決定することによっても行うことができる。これは、プラスチックコンパウンドの試料の材料組成のより具体的な記述に起因して、プラスチックコンパウンドの選別を改善するために有利な場合がある。

【0015】

一実施形態では、標識が、ＵＶ標識、ＮＭＲ標識、ＩＲ標識、ＸＲＤ標識、ＸＲＦ標識、ＱＲコード（登録商標）、及び／又はステガノグラフィー機能、からなる群から選択される方法が提供される。

【0016】

一実施形態では、方法を実行しているユーザにより更なる情報が特定のプラスチックコンパウンドに追加され、更なる情報は、好ましくは、価値連鎖における段階及び／又は製品タイプを含む、方法が提供される。これは、リサイクルされた内容物を認証するために有利な場合がある。

【0017】

一実施形態では、ブロックチェーンのユーザが、あらゆる新規なエントリを検証する方法が提供される。これは、偽のエントリに対する保護を向上させるために有利な場合がある。

【0018】

一実施形態では、方法が提供され、プラスチックコンパウンドの試料は、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、リニアＬＤＰＥ（ＬＬＤＰＥ）、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ポリオキシメチレン（ＰＯＭ）ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、アクリルニトリル－ブタジエン－スチレン（ＡＢＳ）、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、熱可塑性ポリウレタン（ＴＰＵ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、又はポリカーボネート（ＰＣ）、からなる群から選択される１つ以上の要素を含む。

【0019】

本開示の更なる態様は、実行されたときに、上述した方法のステップのうちのいずれか１つを実施するようにプロセッサに命令するコンピュータプログラム要素に関する。したがって、コンピュータプログラム要素は、演算ユニットに記憶することができ、演算ユニットも一実施形態の一部であり得る。この演算ユニットは、上述した方法のステップを実施するように又はその実施を誘導するように構成されていてもよい。更には、演算ユニットは、上述したシステムの構成要素を動作させるように構成されていてもよい。演算ユニットは、自動的に動作するように及び／又はユーザの命令を実行するように構成できる。コンピュータプログラムが、データプロセッサの作業メモリに読み込まれてもよい。したがって、データプロセッサは、前述した実施形態のうちの１つに従う方法を実施するような装備を有することができる。本開示のこの例示的な実施形態は、最初から本開示を使用するコンピュータプログラム、及び更新により既存のプログラムを、本開示を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラム、の両方を網羅する。更には、コンピュータプログラム要素は、上述した方法の例示的な実施形態の手順を遂行するために必要な全てのステップを提供することが可能であり得る。本開示の更なる例示的な実施形態によれば、ＣＤ－ＲＯＭ、ＵＳＢスティック等のコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体にはコンピュータプログラム要素が記憶されており、コンピュータプログラム要素は先行するセクションに記載されている。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学的記憶媒体又はソリッドステート媒体などの好適な媒体に記憶されてもよい、及び／又は好適な媒体に分配されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するなど、他の形態で分配されてもよい。しかしながら、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを経由して提示することもでき、そのようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることができる。本開示の更なる例示的な実施形態によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロードに利用できるようにする媒体が提供され、コンピュータプログラム要素は、本開示の上述した実施形態のうちの１つに従う方法を実施するように構成されている。

【0020】

本開示の更なる態様は、上述したコンピュータプログラム要素を記憶するコンピュータ可読媒体に関する。

【0021】

本開示の更なる態様は、波長スキャナ、プログラマブルコントローラ、を含むプラスチックコンパウンド選別装置に関し、波長スキャナは、プラスチックコンパウンドの試料をスキャンするように構成され、プログラマブルコントローラは、上述した方法を用いてプラスチックコンパウンドを選別するように構成されている。波長スキャナという用語は、この場合は広範に理解されるべきであり、原子又は分子の波長を決定するように構成されたスキャナを備える。波長スキャナという用語は、ＵＶ検出技術、近赤外検出技術、中赤外検出技術、Ｘ線蛍光検出技術、又はニューロン活性化技術に基づくスキャナを備える。プログラマブルコントローラという用語は、この場合は広範に理解されるべきであり、上述した方法を実行するようにプログラムされ制御されるように構成されたコントローラを備える。プログラマブルコントローラという用語は、好ましくは、スマートフォン、タブレット、デスクトップＰＣ、又はクラウドの、ＣＰＵを備える。この内容において、プラスチックコンパウンド取扱い装置は、好ましくはユーザインタフェースを備え、ユーザインタフェースは、決定された持続可能性スコアを表示するように構成されている（例えば、スマートフォンのディスプレイ）。

【0022】

本開示の更なる態様は、プラスチックコンパウンドを選別するシステムに関し、それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベース；プラスチックコンパウンドの試料からスキャンデータを受信するように構成された少なくとも１つの受信ユニット；受信したスキャンデータ及びデータベースの複数の標識に基づいて、プラスチックコンパウンドの試料中における標識を識別するように構成された少なくとも１つの処理ユニット；プラスチックコンパウンドの試料の識別された標識に基づいて、プラスチックコンパウンドを選別するように構成された少なくとも１つの選別ユニット、を含む。受信ユニット及び／又は処理ユニットは、分散ハードウェア構成要素（例えば、別個のＣＰＵ）、１つのハードウェア構成要素上の仮想構成要素（例えば、中央ＣＰＵ）、であってもよい。受信ユニットは、特定の通信規格（例えば、イーサネット、ＵＳＢ、ＨＴＭＬ、ＮＦＣ、ブルートゥース（登録商標）、ＰＣＩ等）とのインタフェースを備えてもよい。選別ユニットは、プラスチックコンパウンドを機械的に、例えば制御可能な気流を用いて、選別してもよい。

【0023】

本開示の最後の態様は、それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベース、及び／又は上述した方法におけるプラスチックコンパウンドの試料からのスキャンデータ、の使用に関する。

【0024】

一実施形態では、標識を識別するステップは、プラスチックコンパウンドの試料中における識別された標識に基づいてプラスチックコンパウンドの以前のライフサイクルからのパラメータを決定するステップ、及び／又はプラスチックコンパウンドのリサイクルされたプラスチックの内容物を決定するステップ、を含む。ライフサイクルとは、プラスチックコンパウンドの生産から、その廃棄及びリサイクルまでの期間を指す。識別された標識は、特定の製品と関連付けることができ、したがって、プラスチックコンパウンドの以前のライフサイクルからのパラメータを明らかにすることができる。試料の決定された標識の割合が、プラスチックコンパウンドのリサイクルされたプラスチックの内容物を明らかにすることができる。材料のリサイクル業者は、プラスチックコンパウンドを生産するたびに、プラスチックコンパウンド中の標識の割合を適合させることができる。要するに、これは、プラスチックコンパウンドの選別を改善するために有利な場合がある。例えば、材料のリサイクル業者がプラスチックコンパウンドを生産するたびに、プラスチックコンパウンドに追加の標識を加えることができる。標識は、プラスチックコンパウンドがリサイクルされた回数を示すことができる。

【0025】

選別工程から、好ましくは他のリサイクル可能性への、非常に好ましくは、例えば機械的リサイクルから化学的リサイクルへの、熱的リサイクル（焼却）への、及び／又は有機的リサイクルへの、プラスチックコンパウンドの移行は、プラスチックコンパウンドのリサイクルされたプラスチックの、決定されたライフサイクル数及び／又は内容物に基づいて、トリガすることができる。

【0026】

更なる実施形態では、プラスチックコンパウンドのリサイクルされたプラスチックの、決定されたライフサイクル数及び／又は内容物は、閉ループリサイクル工程、例えばプラスチックボトルのリサイクルから、別の用途、例えば食品非接触梱包材料への、プラスチックコンパウンドの移行をトリガするために使用することもできる。

【0027】

以下では、添付の図面を参照して、本開示が例示的に説明される。

【図面の簡単な説明】

【0028】

【図1】本開示による方法のステップの概略的な概略図を示す。

【図2】本開示によるプラスチックコンパウンド選別装置の概略的な部分図を示す。

【図3】本開示によるシステムの概要図である。

【図4】循環経済における本方法の例示的な用途ケースを示す。

【発明を実施するための形態】

【0029】

図１は、本開示による方法のステップの概略図を示す。プラスチックコンパウンドの選別を制御するためのコンピュータで実施される方法は、それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベースを提供するステップＳ１００を含む。識別された標識は、特定のプラスチックコンパウンドに関するＩＤを明らかにし、ＩＤにはデータが関連付けられている。本実施例では、ＩＤは、５つの異なる標識で実現される５桁（０又は１）の二進法を含む。標識が検出される場合、それぞれの桁は１又は０である。したがって、標識を用いて２＾５個の異なるＩＤを符号化することが可能である。これを、図２で更に説明する。本実施例では、データは、特定のプラスチックコンパウンドのバッチサイズ、生産データ、対象製品、及び持続可能性スコアを含む。本実施例では、データベースは、クラウドに記憶されたコンピュータベースのデータベースである。特定のプラスチックコンパウンドのエントリは、認可されたプラスチック材料生産者から作成される。ステップＳ２００において、プラスチックコンパウンドの試料からのスキャンデータが受信される。好ましくは、スキャンデータは、分光分析法からのデータを含む。特定のプラスチックコンパウンドを符号化するために用いる標識は、化学トレーサである。化学トレーサは様々な分光特性を示し、したがって分光法を介して検出可能である。ステップＳ３００において、プラスチックコンパウンドの試料中における標識が、受信したスキャンデータ及びデータベースの複数の標識に基づいて識別される。例えば、スキャンデータは、分光学測定データに１つ以上の標識が存在するかどうかを明らかにする。これらの結果は、データベースのエントリと照合される。照合が肯定的な場合、特定のプラスチックコンパウンドのＩＤに関連付けられたデータが明らかになる。ステップＳ４００において、プラスチックコンパウンドの試料の識別された標識に基づく選別決定が決定される。本実施例では、選別決定は、特定のプラスチックコンパウンドのＩＤに関連付けられたデータの一部である。しかし、プラスチックコンパウンドの選別の制御は、本実施例に限定されない。受信された試料のスキャンデータ、試料の識別された標識、及び／又は試料の決定された選別決定が、ブロックチェーンにアップロードされることが更に好ましい。これらの情報をブロックチェーンにアップロードすることにより、台帳が延長され、したがって特定のプラスチックコンパウンドの履歴書の高い透明性がもたらされる。これに関連して、ブロックチェーンへの全ての既存のエントリを分析することにより、プラスチックコンパウンドの選別を制御することができ、これが、改善された選別決定をもたらす場合がある。

【0030】

図２は、本開示によるプラスチックコンパウンド選別装置１０の概略的な部分図を示す。プラスチックコンパウンド取扱い装置１０は、照明光源としてＸ線発生器１２を備える、本実施例ではＸ線蛍光スキャナである、波長スキャナ１１と、測定のノイズを減らすための銅フィルタ１３と、Ｘ線蛍光検出ユニット１４と、を備える。プラスチックコンパウンドシステムは、プログラマブルコントローラ１５を更に備える。特定のプラスチックコンパウンド１６は、２つの標識Ａ及びＢを備える。Ｘ線発生器１２は、Ｘ線を発生させ、それを特定のプラスチックコンパウンド１６に導くように構成され、Ｘ線は標識Ａ、Ｂを励起させる。標識は、例えば、Ｆｅ及びＮｉである。各標識は、元素の原子番号に依存する蛍光Ｘ線分光分析法の固有の放射線を放出する。Ｘ線蛍光スキャナ１４は、プラスチックコンパウンド１６の試料をスキャンするように構成されており、スキャン手段が、標識の放出された放射線を検出する。Ｘ線蛍光スキャナは、特定のプラスチックコンパウンド１６のシグネチャをそれぞれ識別するプログラマブルコントローラ１５と結合される。プログラマブルコントローラ１５は、上述した方法を用いて、プラスチックコンパウンドを選別するように更に構成されている。

【0031】

図３は、本開示によるシステムの概要図である。プラスチックコンパウンドを選別するためのシステム３０は、それぞれが特定のプラスチックコンパウンドを識別する複数の標識、に関するエントリを含む、コンピュータベースのデータベース３１を含む。システム３０は、プラスチックコンパウンドの試料からスキャンデータを受信するように構成された１つの受信ユニット３２を更に備える。システム３０は、受信したスキャンデータ及びデータベースの複数の標識に基づいて、プラスチックコンパウンドの試料中における標識を識別するように構成された、１つの処理ユニット３３を更に備える。選別ユニット３４は、プラスチックコンパウンドの試料の識別された標識に基づいて、プラスチックコンパウンドを選別するように更に構成されている。処理ユニットは、受信された試料のスキャンデータ、試料の識別された標識、及び／又は試料の決定された選別決定を、ブロックチェーン３５にアップロードするように更に構成されている。これらの情報をブロックチェーン３５にアップロードすることにより、台帳が延長され、したがって特定のプラスチックコンパウンドの履歴書の高い透明性がもたらされる。これに関連して、ブロックチェーン３５への全ての既存のエントリを分析することにより、選別決定を更に決定することができ、これが、プラスチックコンパウンドの改善された選別をもたらす場合がある。

【0032】

図４は、循環経済４０における本方法の例示的な用途ケースを示す。プラスチックコンパウンド生産者４２が、第１のステップにおいて、標識Ａを含む特定のプラスチックコンパウンドを生産することができる。特定のプラスチックコンパウンドの対応するデータが、デジタルプラットフォーム４１に送信されることができ、デジタルプラットフォーム、又はデジタルプラットフォームのサーバが、対応するデータを格納することができる。プラスチックコンパウンド生産者４２は、プラスチックボトルの製造業者４３に、特定のプラスチックコンパウンドを販売することができる。特定のプラスチックコンパウンドに関連する、プラスチックボトルの生産データ（例えばタイムスタンプ、量など）が、デジタルプラットフォーム４１に送信され得る。生産されたプラスチックボトルは、ＱＲコード（登録商標）を含んでもよく、次いで、製造業者４３から、例えば他国にある倉庫４４に、そしてそこから小売業者４５に出荷され得る。プラスチックボトル４６用の関連する輸送データの各々が、デジタルプラットフォーム４１に送信され得る。次いで、顧客が小売業者４５からプラスチックボトル４６を買うことができる。顧客は、使用後にプラスチックボトル４６を廃棄し得る。次いで、プラスチックボトル４６及び他の標識Ｂを有する更なるプラスチックボトル４８を含む廃棄物が、廃棄物処理会社４７によって収集され得る。廃棄物処理会社４７は、選別機械４９を有し得る。選別機械４９は、標識Ａを有する特定のプラスチックコンパウンドを有するプラスチックボトル４６を識別することができる。プラスチックボトル４６に関連して収集されたデータは、廃棄物処理会社４７からデジタルプラットフォーム４１に送信され得る。廃棄物処理会社４７は、プラスチックボトル４６を、新規な特定のプラスチック材料を生産するリサイクル会社５０に販売することができる。リサイクル会社５０は、プラスチック材料に更なる標識Ｃを加えることができ、次いで、そのプラスチック材料をプラスチックコンパウンド生産者４２に販売することができる。リサイクル会社５０は、プラスチックボトル４６に関連したデータをデジタルプラットフォーム４１に問い合わせることができ、更に、新しいデータをデジタルプラットフォーム４１に送信することができる。

【0033】

本開示を、実施例としても好ましい実施形態に関連させて説明してきた。しかしながら、当業者が、図面、本開示、及び請求項を検討し、本発明の請求項を実現することにより、他の変形形態が理解され達成され得る。とりわけ、特に、記載されているステップは、いかなる順序で実行することもできる。すなわち、本開示は、それらステップの特定の順序に限定されない。更には、異なるステップが特定の場所又は１つの場所で実行されることも必要ではない。すなわち、ステップのそれぞれが、異なる機器／データ処理ユニットを使用して、異なる場所で実行されてもよい。特許請求の範囲及び明細書において、単語「備える（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「１つの（ａ）」又は「１つの（ａｎ）」は複数を除外するものではない。単一の要素又は他のユニットが、請求項において列挙されるいくつかのエンティティ又は物品の機能を果たすことができる。互いに異なる従属請求項において特定の手段が挙げられているという事実だけでは、これら手段の組合せを有利な実現形態において使用できないことを示すわけではない。

【符号の説明】

【0034】

１０ プラスチックコンパウンド選別装置
１１ 波長スキャナ
１２ Ｘ線発生器
１３ 銅フィルタ
１４ Ｘ線蛍光スキャナ
１５ プログラマブルコントローラ
１６ プラスチックコンパウンド
３０ システム
３１ データベース
３２ 受信ユニット
３３ 処理ユニット
３４ 選別ユニット
３５ ブロックチェーン
４０ 循環経済
４１ デジタルプラットフォーム
４２ プラスチックコンパウンド生産者
４３ 製造業者
４４ 倉庫
４５ 小売業者
４６、４８ プラスチックボトル
４７ 廃棄物処理会社
４９ 選別機械
５０ リサイクル会社

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【国際調査報告】