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特表2023-551163複数の測定列を用いた大規模オーバレイ計測サンプリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-07
(54)【発明の名称】複数の測定列を用いた大規模オーバレイ計測サンプリング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20231130BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20231130BHJP
   G03F 9/00 20060101ALI20231130BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01B11/00 C
G03F9/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530224
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 US2021056943
(87)【国際公開番号】W WO2022108723
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/116,163
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/210,793
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マドセン ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】シチェグロフ アンドレイ ブイ
(72)【発明者】
【氏名】マナッセン アムノン
(72)【発明者】
【氏名】ヒル アンドリュー ブイ
(72)【発明者】
【氏名】シモン ヨッシ
(72)【発明者】
【氏名】ラレド ジラッド
(72)【発明者】
【氏名】ウツィエル ヨラム
【テーマコード(参考)】
2F065
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2F065BB02
2F065BB27
2F065DD03
2F065HH04
2F065JJ05
2F065LL02
2F065LL04
2F065MM02
2F065MM06
2F065PP12
2F065PP13
2H197EA11
2H197EA15
2H197EA17
2H197EA18
2H197EB16
2H197HA03
2H197JA23
4M106BA02
4M106BA03
4M106BA05
4M106CA39
4M106DB01
4M106DB04
4M106DH25
4M106DH34
4M106DJ17
(57)【要約】
マルチカラム計測ツールは、列方向に沿って分散された2つ以上の測定列を含むことができ、2つ以上の測定列は、計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブする。測定列は、照明を試料に向けるための照明サブシステムと、試料から測定信号を収集し、それを1つ以上の検出器に向けるための集光レンズを含む収集サブシステムと、集光レンズの位置を調整するためのカラム位置決めサブシステムとを含み得る。測定列の測定領域は、集光レンズの視野および横方向平面における位置決めシステムの範囲によって画定され得る。ツールは、測定のために計測ターゲットを測定列の測定領域内に位置決めするために列方向とは異なる走査経路に沿って試料を走査する試料位置決めサブシステムをさらに含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチカラム計測ツールであって、
列方向に沿って分布する2つ以上の測定列であって、前記2つ以上の測定列は、複数の計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブするように構成され、前記2つ以上の測定列のうちの特定の測定列は、
1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を前記試料に向けるように構成される照明サブシステムと、
前記試料から測定信号を収集し、前記測定信号を1つ以上の検出器に向けるように構成された集光レンズを含む収集サブシステムと、
測定のために試料平面に平行な横方向平面内で前記集光レンズの位置を調整するように構成されたカラム位置決めサブシステムであって、特定の測定列の測定領域は、前記集光レンズの視野および前記横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される、カラム位置決めサブシステムと、
列方向とは異なる走査経路に沿って前記試料を走査するように構成され、前記走査経路は、測定のために前記複数の計測ターゲットのうちの計測ターゲットを2つ以上の測定列の測定領域内に位置決めする、試料位置決めサブシステムと、
を備え、
前記2つ以上の測定列の前記カラム位置決めサブシステムは、前記2つ以上の測定列の前記集光レンズを位置決めして、測定のための前記集光レンズの視野に前記走査経路に沿って測定領域内の前記計測ターゲットを位置合わせする、マルチカラム計測ツール。
【請求項2】
前記2つ以上の測定列の少なくとも1つの前記カラム位置決めサブシステムはさらに、側面に垂直な軸方向に沿って関連する前記集光レンズの位置を調整するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項3】
前記カラム位置決めサブシステムはさらに、軸方向に沿った関連する前記集光レンズの位置を、測定のための前記計測ターゲットの所望の測定平面に調整することを特徴とする請求項2に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項4】
前記2つ以上の測定列の少なくとも1つは、2つ以上の測定平面から前記測定信号を収集し、前記2つ以上の測定平面から前記1つ以上の検出器の少なくとも1つに前記測定信号を方向付けることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項5】
前記試料位置決めサブシステムはさらに、側面に垂直な軸方向に沿って前記試料の位置を調整するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項6】
前記試料位置決めサブシステムは、前記試料を回転させる回転ステージを含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項7】
前記1つ以上の検出器のうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の測定列の外部に位置する固定検出器を備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項8】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つによって提供される前記測定信号は、1つ以上のパラメータによって多重化されることを特徴とする請求項7に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項9】
前記1つ以上のパラメータは、偏光、波長、または時間の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項10】
前記固定検出器は、前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つからの多重化された測定信号に関連する別個の検出器データを提供することを特徴とする請求項8に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項11】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つから多重化された測定信号を受信し、2つ以上の逆多重化された測定信号を生成するように構成された検出デマルチプレクサであって、前記2つ以上の逆多重化された測定信号を前記固定検出器にさらに分配する、検出デマルチプレクサをさらに含む請求項8に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項12】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つによって受け取られる照明は、1つ以上のパラメータによって多重化されることを特徴とする請求項8に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項13】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも1つは、1つ以上の光ファイバを通して前記測定信号を方向付けることを特徴とする請求項7に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項14】
前記1つ以上の検出器のうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも1つに配置された可動検出器を備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項15】
前記1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つは、2つ以上の測定列の外部に位置する固定照明源を備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項16】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つは、前記固定照明源から照明を受け取ることを特徴とする請求項15に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項17】
前記2つ以上の測定列の少なくとも1つは、1つ以上の光ファイバを通して前記固定照明源から照明を受け取ることを特徴とする請求項15に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項18】
前記1つ以上の照明源の少なくとも1つは、前記2つ以上の測定列の少なくとも1つに配置された可動照明源を含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項19】
前記1つ以上の照明源の少なくとも1つは電磁照明源を含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項20】
前記1つ以上の照明源の少なくとも1つは、粒子ビーム照明源を含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項21】
前記2つ以上の測定列の少なくとも1つは、前記試料が走査方向に沿って移動しているときに前記複数の計測ターゲットの少なくとも1つに対して測定を実行するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項22】
前記2つ以上の測定列の少なくとも1つは、前記試料が静止しているときに測定を実行するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項23】
前記走査経路は線形であり、前記複数の計測ターゲットのうちの少なくともいくつかは、前記試料が前記走査経路に沿って走査されるときに前記2つ以上の測定列のうちの少なくともいくつかによって測定されるように直線的に配列されることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項24】
列方向に沿った前記2つ以上の測定列の空間的広がりは、前記試料上の所望の測定領域のサイズに対応することを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項25】
列方向に沿った前記1つ以上の検出器の測定領域のサイズは、列方向に沿った前記試料のサイズの少なくとも10%に合計されることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項26】
前記集光レンズは、対物レンズであることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項27】
前記計測ターゲットは、専用計測ターゲットを含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項28】
前記計測ターゲットは、前記試料上のデバイスフィーチャを含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項29】
前記計測ターゲットは、現像後フィーチャ、エッチング後フィーチャ、または洗浄後フィーチャのうちの少なくとも1つから形成されることを特徴とする請求項1に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項30】
マルチカラム計測ツールであって、
2次元パターンで分布する2つ以上の測定列であって、前記2つ以上の測定列は、複数の計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブするように構成され、前記2つ以上の測定列の測定領域は、前記複数の計測ターゲットの少なくともいくつかを含む前記試料の1つ以上の選択された領域をカバーするように分布され、前記2つ以上の測定列のうちの特定の測定列は、
1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を前記試料に向けるように構成される照明サブシステムと、
前記試料から測定信号を収集し、測定信号を1つ以上の検出器に向けるように構成された集光レンズを含む収集サブシステムと、
測定のために試料平面に平行な横方向平面内で前記集光レンズの位置を調整するように構成されたカラム位置決めサブシステムであって、前記特定の測定列の測定領域は、前記集光レンズの視野および横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される、カラム位置決めサブシステムと、
を備え、
前記2つ以上の測定列の前記カラム位置決めサブシステムは、それぞれの前記集光レンズの位置を調整して、それぞれの測定領域内の前記複数の計測ターゲットのうちの計測ターゲットと位置合わせする、マルチカラム計測ツール。
【請求項31】
前記2つ以上の測定列の測定領域の各々は、選択された範囲の方位角と選択された範囲の半径との間の前記試料の一部をカバーすることを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項32】
前記2つ以上の測定列の測定領域は、前記複数の計測ターゲットを含む前記試料の測定可能領域全体をカバーすることを特徴とする請求項31に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項33】
前記2つ以上の測定列の測定領域は、前記試料の測定可能領域の一部をカバーすることを特徴とする請求項31に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項34】
前記試料位置決めサブシステムは、前記試料を回転させるようにさらに構成され、前記試料の測定可能領域全体のサンプリングを提供する請求項33に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項35】
前記2次元パターンは、2次元アレイを含むことを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項36】
前記1つ以上の検出器のうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の測定列の外部に位置する固定検出器を備えることを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項37】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つによって提供される前記測定信号は、1つ以上のパラメータによって多重化されることを特徴とする請求項36に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項38】
前記1つ以上のパラメータは、偏光、波長、または時間の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項37に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項39】
前記固定検出器は、前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つからの多重化された測定信号に関連する別個の検出器データを提供することを特徴とする請求項37に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項40】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つから多重化された測定信号を受信し、2つ以上の逆多重化された測定信号を生成するように構成された検出デマルチプレクサであって、前記2つ以上の逆多重化された測定信号を前記固定検出器にさらに分配する、検出デマルチプレクサをさらに含む請求項37に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項41】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つによって受け取られる前記照明は、1つ以上のパラメータによって多重化されることを特徴とする請求項37に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項42】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも1つは、1つ以上の光ファイバを通して測定信号を方向付けることを特徴とする請求項36に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項43】
前記1つ以上の検出器のうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも1つに配置された可動検出器を備えることを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項44】
前記1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つは、前記2つ以上の測定列の外部に位置する固定照明源を備えることを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項45】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つは、前記固定照明源から照明を受け取ることを特徴とする請求項44に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項46】
前記2つ以上の測定列の少なくとも1つは、1つ以上の光ファイバを通して前記固定照明源から照明を受け取ることを特徴とする請求項44に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項47】
前記1つ以上の照明源の少なくとも1つは、前記2つ以上の測定列の少なくとも1つに配置された可動照明源を含むことを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項48】
前記1つ以上の照明源の少なくとも1つは電磁照明源を含むことを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項49】
前記1つ以上の照明源の少なくとも1つは、粒子ビーム照明源を含むことを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項50】
前記集光レンズは、対物レンズであることを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項51】
前記計測ターゲットは、専用計測ターゲットを含むことを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項52】
前記計測ターゲットは、試料上のデバイスフィーチャを含むことを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項53】
前記計測ターゲットは、現像後フィーチャ、エッチング後フィーチャ、または洗浄後フィーチャのうちの少なくとも1つから形成されることを特徴とする請求項30に記載のマルチカラム計測ツール。
【請求項54】
マルチカラム計測方法であって、
照明を2つ以上の測定列に提供するステップであり、前記2つ以上の測定列は、複数の計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブするように構成され、2つ以上の測定列のうちの特定の測定列は、
1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を試料に向けるように構成される照明サブシステムと、
前記試料から測定信号を収集し、前記測定信号を1つ以上の検出器に向けるように構成された集光レンズを含む収集サブシステムと、
測定のために試料平面に平行な横方向平面内で前記集光レンズの位置を調整するように構成されたカラム位置決めサブシステムであって、前記特定の測定列の測定領域は、前記集光レンズの視野および横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される、カラム位置決めサブシステムと、
を備え、
照明光を前記2つ以上の測定列の測定視野内の計測ターゲットに向けるステップと、
多重化された測定信号を前記2つ以上の測定列によって収集するステップと、
前記多重化された測定信号を1つ以上の検出器で検出するステップと、
検出された測定信号に基づいて、前記計測ターゲットのための測定データを生成するステップと、
を含むマルチカラム計測方法。
【請求項55】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つによって提供される前記多重化された測定信号は、1つ以上のパラメータによって多重化されることを特徴とする請求項54に記載のマルチカラム計測方法。
【請求項56】
前記2つ以上の測定列のうちの少なくとも2つによって提供される前記多重化された測定信号は、偏光、波長、または時間のうちの少なくとも1つによって多重化されることを特徴とする請求項55に記載のマルチカラム計測方法。
【請求項57】
マルチカラム計測方法であって、
マルチカラム計測ツールの1つ以上の較正測定列を使用して、試料上の1つ以上の較正ターゲットの第1の較正測定セットを生成するステップと、
前記マルチカラム計測ツールの1つ以上の試験測定列を使用して、前記1つ以上の較正ターゲットの第2の較正測定セットを生成し、前記1つ以上の試験測定列は、1つ以上の較正列とは異なる測定精度を提供し、特定の較正測定列または特定の試験測定列は、
1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を前記試料に向けるように構成される照明サブシステムと、
前記試料から測定信号を収集し、前記測定信号を1つ以上の検出器に向けるように構成された集光レンズを含む収集サブシステムと、
測定のために試料平面に平行な横方向平面内で前記集光レンズの位置を調整するように構成されたカラム位置決めサブシステムであって、前記特定の測定列の測定領域は、前記集光レンズの視野および横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される、カラム位置決めサブシステムと、
を備え、
前記較正測定の第1および第2のセットに基づいて、1つ以上の試験測定列を較正するステップと、
前記1つ以上の試験測定列を使用して、1つ以上の較正ターゲットとは異なる1つ以上の試験ターゲットの1つ以上の較正された測定値を生成するステップと、
を含むマルチカラム計測方法。
【請求項58】
前記1つ以上の照明源は、2つ以上の照明源を含み、前記1つ以上の試験測定列および前記1つ以上の較正測定列は、前記2つ以上の照明源のうちの異なる照明源から測定信号を受信する請求項57に記載のマルチカラム計測方法。
【請求項59】
前記較正測定の前記第1および第2のセットに基づいて前記1つ以上の試験測定列を較正することは、
前記1つ以上の試験ターゲットについての前記較正測定値の前記第1のセットと第2のセットとの間の相関を識別するステップと、
前記相関に基づいて計測測定値を生成するように前記1つ以上の試験測定列をトレーニングするステップと、
を含むことを特徴とする請求項57に記載のマルチカラム計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して光学計測に関し、より詳細には、ハイスループットサンプリングのための複数の測定列を有する光学計測に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本願は、米国仮出願63/116.163(2020年11月20日、MASSIVE OVERLAY METROLOGY SAMPLING FOR SEMICONDUCTORS WAFER LITHOGRAPHY AND PATTERNING PROCESS CONTROL BY MULTI OPTICAL COLUMNS AND SIGNAL MULTIPLEXING)の利益を米国特許法119条(e)の下で請求し、これは全体が参照に組み込まれる。
【0003】
フィーチャサイズを減少させ、フィーチャ密度を増大させる要求は、正確かつ効率的な計測に対する対応して増大した要求をもたらしている。
【0004】
計測システムの効率およびスループットを増大させる1つのアプローチは、光学計測ツールおよび光学計測ツールによる測定に適した専用の計測ターゲットを利用することである。例えば、光学計測は、概して、限定ではないが、電子ビーム(eビーム)計測システム等の粒子ベースの計測システムよりも比較的高いスループット測定を提供し得るが、精度は、システム内の光の波長によって制限され得る。それにもかかわらず、専用のオーバレイターゲットの使用ならびに試料にわたって分布するより多数の試料のサンプリングは、粒子ベースのシステムを超える総スループットを有する光学技術を用いて充分な精度を提供しえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0122668号
【特許文献2】米国特許第5455673号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
次世代半導体デバイスは、半導体製造プロセスにおける連続する層の相対的な位置合わせに関連するサブナノメートルのオーバレイ精度要件を必要とするかもしれない。オーバレイ公差が厳しくなるにつれて、必要なレベルの制御を提供するために必要とされるオーバレイターゲットの数は増加し続ける。したがって、正確かつ効率的な計測を提供するためのシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
マルチカラム計測ツールは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。1つの例示的な実施形態では、ツールは、列方向に沿って分散された2つ以上の測定列を含み、2つ以上の測定列は、複数の計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブする。別の例示的な実施形態では、2つ以上の測定列のうちの特定の測定列は、1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を試料に向けるための照明サブシステムと、試料から測定信号を収集し、測定信号を1つ以上の検出器に向けるための集光レンズを含む収集サブシステムとを含む。また、カラム位置決めサブシステムは、測定のために試料平面に平行な横方向平面内で集光レンズの位置を調整する。別の例示的な実施形態では、特定の測定列の測定領域は、集光レンズの視野及び横方向平面における位置決めシステムの範囲によって画定される。別の例示的な実施形態では、ツールは、列方向とは異なる走査経路に沿って試料を走査するための試料位置決めサブシステムを含み、走査経路は、測定のために2つ以上の測定列の測定領域内に複数の計測ターゲットの計測ターゲットを位置決めする。別の例示的な実施形態では、2つ以上の測定列のカラム位置決めサブシステムは、2つ以上の測定列の集光レンズを位置決めして、測定のための集光レンズの視野に走査経路に沿って測定領域内の計測ターゲットを位置合わせする。
【0008】
マルチカラム計測ツールは、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。1つの例示的な実施形態では、ツールは、2次元パターンで分配された2つ以上の測定列を含み、2つ以上の測定列は、複数の計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブし、2つ以上の測定列の測定領域は、複数の計測ターゲットの少なくともいくつかを含む試料の1つ以上の選択された領域をカバーするように分配される。2つ以上の測定列のうちの特定の測定列は、1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を試料に向けるための照明サブシステムと、試料から測定信号を収集し、測定信号を1つ以上の検出器に向けるための集光レンズを含む収集サブシステムとを含み得る。また、カラム位置決めサブシステムは、測定のために試料平面に平行な横方向平面内で集光レンズの位置を調整し、特定の測定列の測定領域は、集光レンズの視野及び横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される。別の例示的な実施形態では、2つ以上の測定列のカラム位置決めサブシステムは、それぞれの集光レンズの位置を調整して、それぞれの測定領域内の複数の計測ターゲットの計測ターゲットと位置合わせする。
【0009】
マルチカラム計測方法は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。1つの例示的な実施形態では、方法は、2つ以上の測定列に照明を提供することを含み、2つ以上の測定列は、複数の計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブする。別の例示的な実施形態では、2つ以上の測定列のうちの特定の測定列は、1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を試料に向けるための照明サブシステムと、試料から測定信号を収集し、測定信号を1つ以上の検出器に向けるための集光レンズを含む収集サブシステムとを含む。また、カラム位置決めサブシステムは、測定のために試料平面に平行な横方向平面内で集光レンズの位置を調整し、特定の測定列の測定領域は、集光レンズの視野及び横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される。別の例示的な実施形態では、方法は、照明光を2つ以上の測定列の測定視野内の計測ターゲットに向けるステップを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、2つ以上の測定列によって多重化された測定信号を収集することを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、1つ以上の検出器上で多重化された測定信号を検出するステップを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、検出された測定信号に基づいて計測ターゲットの計測データを生成することを含む。
【0010】
マルチカラム計測方法は、本開示の1つ以上の例示的な実施形態に従って開示される。1つの例示的な実施形態では、方法は、マルチカラム計測ツールの1つ以上の較正測定列を使用して、試料上の1つ以上の較正ターゲットの第1の較正測定セットを生成するステップを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、マルチカラム計測ツールの1つ以上の試験測定列を使用して、1つ以上の較正ターゲットの第2の較正測定セットを生成するステップを含み、1つ以上の試験測定列は、1つ以上の較正列とは異なる測定精度を提供する。別の例示的な実施形態では、特定の較正測定列または特定の試験測定列は、1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を試料に向けるための照明サブシステムと、試料から測定信号を収集し、測定信号を1つ以上の検出器に向けるための集光レンズを含む収集サブシステムとを含む。また、カラム位置決めサブシステムは、測定のために試料平面に平行な横方向平面内で集光レンズの位置を調整し、特定の測定列の測定領域は、集光レンズの視野及び横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される。別の例示的な実施形態では、方法は、第1および第2の組の較正測定値に基づいて1つ以上の試験測定列を較正するステップを含む。別の例示的な実施形態では、方法は、1つ以上の試験測定列を使用して、1つ以上の較正ターゲットとは異なる1つ以上の試験ターゲットの1つ以上の較正された測定値を生成するステップを含む。
【0011】
前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことを理解されたい。明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、全般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る:
【0013】
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による複数の測定列を有するオーバレイ計測ツールを有する光学計測システムの概念図である。
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、測定列と試料との相対的な位置決めを示す光学計測システムの概念図である。
図1C】本開示の1つ以上の実施形態による、共通レンズを通して照明および収集を提供する、関連付けられた照明源および検出器を伴う光学測定列を含む、マルチカラムオーバレイ計測ツールの一部分の概念図である。
図1D】本開示の1つ以上の実施形態による、別個の経路を通して照明および収集を提供する、関連付けられた照明源および検出器を伴う光学測定列を含む、マルチカラムオーバレイ計測ツールの一部分の概念図である。
図1E】本開示の1つ以上の実施形態による、関連するEUV照明源および検出器を有するEUV測定列を含むマルチカラムオーバレイ計測ツールの一部分の概念図である。
図1F】本開示の1つ以上の実施形態による、関連する粒子照明源および検出器を有するx線測定列を含むマルチカラムオーバレイ計測ツールの一部分の概念図である。
図1G】本開示の1つ以上の実施形態による、関連する粒子照明源および検出器を有する粒子ベースの測定列10を含むマルチカラムオーバレイ計測ツールの一部分の概念図である。
図2A】本開示の1つ以上の実施形態による、独立した照明および収集を提供する、試料にわたって分散される一連の測定列の概念図である。
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、共通の照明源および共通の検出器を共有する試料にわたって分散された一連の測定列の概念図である。
図3A】本開示の1つ以上の実施形態による照明マルチプレクサの概念図である。
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による検出デマルチプレクサの概念図である。
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による、列方向に沿って分散された一連の測定列104を含む光学計測システムの概念図である。
図4B】本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲットの非線形分布を含む試料上の測定スワスの概念図である。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、測定列の2次元分布を含む光学計測システムの概念図である。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による光学計測のための方法において実行されるステップを示す流れ図である。
図7】本開示の1つ以上の実施形態によるマルチカラム計測ツールの自己較正のための方法700において実行されるステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、添付の図面に示される開示された主題を詳細に参照する。本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して具体的に示され、説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるはずである。
【0015】
本開示の実施形態は、試料にわたって分布するオーバレイターゲットのハイスループットサンプリングを提供するマルチカラムオーバレイ計測に関する。いくつかの実施形態において、オーバレイ計測ツールは複数の測定列を含み、各測定列は、照明源からの照明を試料に向ける照明サブシステムと、試料からの光を測定信号として収集し、測定信号を検出器に向ける収集サブシステムとを含む。加えて、測定列の少なくともいくつかは、任意の方向における測定列の独立した位置決めを提供するために、専用カラム位置決めサブシステム(例えば、1つ以上の変換ステージを用いる)を含んでもよい。その結果、各測定列は、収集サブシステムの測定視野(例えば、収集サブシステムが測定信号を収集することができる試料の空間的広がりに関連する)ならびにカラム位置決めサブシステムの移動範囲の両方に基づく測定領域を有し得る。本明細書では、測定列の少なくともいくつかの独立した位置決めと組み合わされた複数の測定列が、高い総測定スループットで試料全体にわたる計測ターゲットの並列測定のための柔軟なプラットフォームを提供し得ることが企図される。
【0016】
本明細書において、測定列は概して、オーバレイ測定を提供するのに適した当該技術分野において既知の任意のタイプの照明源を含みうることが想定される。例えば、測定列は、選択されたスペクトルを有する光で試料を照射し、測定のために試料からの反射、回折、および/または散乱光を捕捉するための光学測定列を含み得る。光学測定列は、極端紫外線(EUV)、深紫外線(DUV)、真空紫外線(VUV)、紫外線(UV)、可視、または赤外線(IR)波長を含むが、それらに限定されない、照明の任意の選択された波長を利用してもよい。別の例として、測定列は、X線照明で試料を照明し、測定のために試料から収集されたX線測定信号を生成するためのX線測定列を含むことができる。別の例として、測定列は、限定はしないが、電子ビーム、イオンビーム、または中性粒子ビームなどの粒子ビームで試料を照射するための粒子ビーム測定列を含むことができる。次いで、粒子ビーム測定列は、後方散乱電子、二次電子、または測定のための試料からのルミネセンス等であるが、それらに限定されない、種々の測定信号を収集してもよい。さらに、マルチカラムオーバレイツールは、任意の選択された照明源を有する測定列の任意の組み合わせを含むことができる。
【0017】
本開示の目的のために、オーバレイ計測という用語は、試料の共通部分上での2回以上の露光によって形成されるフィーチャの位置ずれ(ミスアライメント)の測定を広く指す。この点に関して、オーバレイ計測は、試料上の2つ以上の層上に形成されたフィーチャのアライメントの測定値、ならびに共通の試料層(例えば、ダブルパターニング、トリプルパターニングなどである)上の連続露光を通して形成されたフィーチャのアライメントの測定値を提供し得る。さらに、オーバレイ測定は、試料上の任意の適切な位置で実行されえる。例えば、オーバレイ計測は、関心のあるデバイスフィーチャを表すオーバレイ計測を提供するよう設計された1以上のオーバレイターゲット上で実行されえる。そのようなオーバレイターゲットは、試料上のダイとともに、スクライブライン内に、または任意の他の適切な位置に配置され得る。別の例として、オーバレイ測定は、デバイスフィーチャ上で直接実行されえる。さらに、オーバレイ測定は、製造プロセスの任意のステップに関連するフィーチャに対して実行されえる。この点に関して、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、概して、現像後検査(ADI)、エッチング後検査(AEI)、またはクリーン後検査(ACI)に適用可能であるが、それらに限定されない。本開示の目的のために、オーバレイターゲットという用語は、専用のオーバレイターゲットまたは直接オーバレイ測定に適したデバイスフィーチャを含むがこれらに限定されない、オーバレイ計測ツールの測定列によって特徴付けられる試料の任意の適切な部分を広く記述するために使用される。
【0018】
測定列内の平行移動ステージが測定列の位置を調整し得る速度は、測定列の質量に少なくとも部分的に基づき得る。質量が大きいほど位置決め速度は遅い。したがって、測定列内に配置される構成要素の数および/または質量を制限することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、測定列の少なくとも1つは、測定列の外部の照明源から照明を受け取る。このように、測定列は、照明源に関連する質量を含む必要はない。同様に、いくつかの実施形態では、測定列の少なくとも1つは、測定信号を測定列の外部の検出器に向ける。しかしながら、本開示は、測定列上に照明源または検出器の任意の組み合わせを有する計測システムに及ぶことを理解されたい。さらに、測定列は、光ファイバまたは自由空間光学を含むが、それらに限定されない、当技術分野で公知の任意の技法を使用して、外部構成要素(例えば、照明源、検出器等である)と連結されてもよい。
【0019】
本開示のさらなる実施形態は、検出器に向けられた照明源または測定信号からの照明の多重化および/または逆多重化を対象とする。このようにして、測定列は、照明源および/または検出器を共有することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、照明源からの照明は、複数の経路に沿って分割され、複数の測定列(例えば、測定列のいくつかまたは全て)に向けられる。例えば、様々な測定列を通して試料に向けられる照明は、概して、様々な測定列を通して共通の照明条件を提供するために共通の特性(例えば、偏光、波長、時間的特性、粒子エネルギーなど)を有し得る。別の例として、様々な測定列を通して試料に向けられる照明は、異なる特性を有し得る。この構成では、照明は、照明の1つ以上の特性に基づいて多重化され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数の測定列からの測定信号は、共通の検出器に向けられる。この構成では、様々な測定列から共通検出器に向けられる測定信号は、異なる特性(例えば、偏光、波長、時間的特性など)を有し得る。さらに、様々な測定列からの測定信号は、測定信号の1つ以上の特性に基づいて多重化され得る。次いで、検出器は、測定信号を受信し、各測定列に関連する別個の検出器信号を生成することができる。別の実施形態では、計測システムは、さまざまな測定列から多重化光を受け取り、1つ以上の検出器に導かれる前にそれらを共通の経路に沿って配置する検出デマルチプレクサをさらに含む。
【0022】
本開示のさらなる実施形態は、試料にわたって分布する多くの計測ターゲットの大規模なサンプリングを容易にするための、独立して位置決め可能な測定列の様々な構成を対象とする。いくつかの実施形態では、複数の測定列は、列方向に沿った線に沿って分散される。
【0023】
例えば、計測システムは、少なくとも試料の寸法と同じ長さの空間範囲に沿って測定列を含むことができる。このようにして、試料は、列方向に直交し得るが、そうである必要はない走査方向に沿って走査され得る。この構成では、計測ターゲットは、走査方向に沿って線形経路に沿って分散され得、その結果、走査方向に沿って試料を走査することは、計測ターゲットを様々な測定列の測定領域内にもたらし得る。さらに、カラム位置決めサブシステムは、計測ターゲットをプローブするために必要に応じて測定列の位置を調整することができる。
【0024】
別の例として、計測システムは、試料にわたって2次元パターンで分散された測定列を含むことができる。この点に関して、様々な測定列の測定領域は、試料にわたって2次元で分散されてもよく、カラム位置決めサブシステムは、測定列の各々を位置決めして、その関連する測定領域内の計測ターゲットをプローブしてもよい。
【0025】
独立して位置決め可能な測定列を含む計測システムは、測定中に試料が動いている走査モード、または測定中に試料が静止している静止モード(例えば、移動および測定またはMAMモード)のいずれかで計測ターゲットをプローブすることができることが本明細書でさらに企図される。
【0026】
本開示のさらなる実施形態は、異なる照明源を有する測定列を有するマルチカラムオーバレイツールの自己較正を対象とする。異なる照明源を有するオーバレイ計測ツールは、測定精度と測定スループットとの間に異なるトレードオフを有しうる。例えば、粒子ビーム計測システム(例えば、電子ビーム計測システム)は、比較的高い精度を提供し得るが、比較的低いスループットを提供し得るが、光学計測システムは、比較的高いスループットを提供し得るが、比較的低い精度を提供し得る。しかし、本明細書では、マルチカラムオーバレイツールの1つの測定列からの計測データを使用して、別の測定列からの計測データを較正して、両方のタイプの測定列の利点を提供することができることが企図される。第2の計測ツールからのデータを用いて1つの計測ツールをトレーニングすることは、2019年1月3日に公開された米国特許出願公開2019/0003988に概して記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示の実施形態は、自己較正された測定データを提供するために、異なるタイプの測定列を有する単一のオーバレイツールを使用することを対象とする。そのようなツールは、マルチツールシステムと比較して、迅速な自己較正、低減された複雑性、および低減されたコストから利益を得ることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツールは、第1のタイプの1つ以上の測定列および第2のタイプの1つ以上の測定列を含み、第1および第2のタイプの測定列は、異なるスループットおよび/または測定精度を有し得る。例えば、第1のタイプの測定列は、第2のタイプの測定列よりも比較的高い精度および比較的低いスループットを有し得る。非限定的な例として、第1のタイプの測定列は、粒子ビーム計測カラムまたはX線計測カラムを含み得るが、これらに限定されず、第2のタイプの測定列は、光学計測カラムを含み得るが、これらに限定されない。マルチカラム計測ツールは、次いで、第1および第2のタイプの両方の計測カラムを用いて1つ以上のオーバレイターゲットのオーバレイ計測を生成し、次いで第2のタイプの計測カラムからの計測データを第2のタイプの計測カラムからの計測データで較正しえる。このようにして、第2のタイプの較正された測定列は、比較的高いスループットを維持しながら、向上した精度(例えば、較正されていない構成と比較する)を提供することができる。結果として、マルチカラム計測ツールは、高スループットで正確なオーバレイデータを生成するために、第2のタイプの較正された測定列のみを用いて将来のオーバレイターゲットの測定を提供しえる。
【0028】
ここで図1A図7を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態による、複数の測定列を使用する計測のためのシステムおよび方法が、より詳細に説明される。
【0029】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、複数の測定列104を有するマルチカラムオーバレイ計測ツール102を有するオーバレイ計測システム100の概念図である。例えば、図1Aは、N個の測定列104を有するマルチカラムオーバレイ計測ツール102を示す。一般的な意味で、オーバレイ計測システム100は、任意の数の測定列104を含み得る。
【0030】
一実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、1つ以上の測定列104を通して試料108に向けられる照明134を生成する少なくとも1つの照明源106と、1つ以上の測定列104によって試料108からの測定信号(例えば、試料108からの光および/または粒子)を取り込む少なくとも1つの検出器110とを含む。さらに、任意の特定の測定列104は、反射構成(例えば、測定信号は、試料108の入射照明134と同じ側の反射光、回折光、または散乱光を含む)または透過構成(例えば、測定信号は、試料108の入射照明134と反対側の透過光、回折光、または散乱光を含む)で構成され得る。
【0031】
照明源106(例えば、オーバレイ計測システム100内の1つ以上の照明源106のうちの1つである)は、オーバレイ測定に適した照明を生成するのに適した任意のタイプの源を含みえる。例えば、照明源106は、X線、EUV、DUV、VUV、UV、可視、またはIRスペクトル範囲を含むが、それらに限定されない、電磁スペクトルの任意の領域内の波長を有する電磁照明134を生成するための電磁源を含んでもよい。別の例として、照明源106は、限定はしないが、電子ビーム(eビーム)、イオンビーム、または中性粒子ビームなどの粒子ベースの照明134を生成するための粒子ビーム源を含むことができる。
【0032】
一実施形態では、照明源106はレーザ源である。例えば、照明源106は、限定はしないが、1つ以上の狭帯域レーザ源、広帯域レーザ源、スーパーコンティニュームレーザ源、白色光レーザ源などを含むことができる。これに関して、照明源106は、高いコヒーレンス(例えば、高い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明を提供することができる。
【0033】
別の実施形態では、照明源106は、限定はしないが、レーザ維持プラズマ(LSP)源などのプラズマ源を含む。例えば、照明源106は、限定はしないが、LSPランプ、LSPバルブ、またはレーザ源によってプラズマ状態に励起されると広帯域照明を放出することができる1つ以上の要素を収容するのに適したLSPチャンバを含むことができる。別の実施形態では、照明源106はランプ源を含む。例えば、照明源106は、限定はしないが、アークランプ、放電ランプ、無電極ランプなどを含むことができる。これに関して、照明源106は、低コヒーレンス(例えば、低い空間コヒーレンスおよび/または時間コヒーレンス)を有する照明を提供することができる。
【0034】
別の実施形態では、照明源106は、硬または軟X線を含むが、それらに限定されない、任意の波長のX線照明134を生成するためのX線源を含む。例えば、照明源106は、約3~20keVのエネルギーを有する空間的にコヒーレントな硬X線ビームを形成するための硬X線源を含むことができる。例えば、照明134は、約5~6keVのエネルギーを有するX線を含むことができる。別の例として、照明源106は、レーザ生成プラズマ(LPP)X線源を含むことができる。例えば、照明源106は、プラズマを励起するためのレーザビームを生成するように構成されたレーザ源を含むことができる。レーザ放射に応答して、プラズマは空間的にコヒーレントなX線ビームを生成することができる。別の例として、照明源106は、コンプトンX線源を含んでもよいが、これに限定されない。
【0035】
いくつかの実施形態では、照明源106またはマルチカラムオーバレイ計測ツール102は、より一般的には、X線照明134のコヒーレンスを改善するように構成された任意の数の調整要素を含むことができる。例えば、測定列104は、所望のレベルの空間コヒーレンスを達成するために、プラズマからのX線出力を捕捉、再集束、空間フィルタリング、および/または調整するための1つ以上のX線光学系を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0036】
別の実施形態では、照明源106は粒子源を含む。例えば、照明源106は、電子銃またはイオン銃を含んでもよいが、それらに限定されない。別の実施形態では、照明源106は、調整可能なエネルギーを有する粒子ビームを提供するように構成される。例えば、電子源を含む照明源106は、0.1kV~30kVの範囲の加速電圧を提供することができるが、これに限定されない。別の例として、イオン源を含む照明源106は、1keV~50keVの範囲のエネルギーを有するイオンビームを提供することができるが、これは必須ではない。
【0037】
照明源106は、1つ以上の照明ビームまたは照明ローブの形態の照明をさらに提供してもよいが、提供する必要はない。この点に関して、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、ダイポール照明、直交照明などを提供することができる。複数の照明ビームは、様々な方法で生成することができる。一実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、照明瞳平面に1つ以上の開口を含み、照明源106からの照明を1つ以上の照明ビームに分割する。別の実施形態では、オーバレイ計測システム100は、1つ以上の照明ビームにおいて照明を直接生成する。例えば、1つ以上の照明源106は、1つ以上の照明ビームにおいて照明を直接生成することができる。例えば、1つ以上の照明源106は、2つ以上の光ファイバに光を提供してもよく、各光ファイバからの光出力は、照明ビームを提供する。これらの光ファイバは、照明瞳に配置されてもよく、または試料108を直接照明するために別個の照明光学系と対にされてもよい。別の例では、照明源106は、光源を2つ以上の回折次数に回折することによってマルチローブ照明を生成し、照明の照明ローブは、光源の回折次数のうちの少なくともいくつかから形成される。制御された回折による複数の照明ローブの効率的な生成は、概して、2020年4月23日に公開された米国特許出願公開2020/0124408に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の例として、オーバレイ計測システム100は、照明瞳平面における少なくとも1つの照明ビームの位置を選択的に調整して照明入射角に対する選択的な制御を提供する1つ以上のビームステアリングまたは回折光学系を含みうる。
【0038】
加えて、試料108上の1つ以上の照明ビームを含む照明の空間プロファイルは、任意の選択された空間プロファイルを有するように照明視野絞りによって制御され得る。
【0039】
マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、オーバレイを示す試料108からの測定信号122を取り込むのに適した任意の数またはタイプの検出器110を含み得る。例えば、検出器110は、電磁スペクトル(例えば、光検出器、光電子増倍管(PMT)、X線検出器などである)の任意の波長の光を捕捉するのに適した1つ以上のセンサを含むことができる。別の例として、検出器110は、試料108から粒子(例えば、電子、イオン、中性粒子)を捕捉するのに適した1つ以上の粒子検出器を含むことができる。別の例として、検出器110は、試料表面からの粒子及び/又は光子を検出するための光検出器に結合されたシンチレーション素子を含むことができる。
【0040】
一実施形態では、検出器110は、静的試料を特徴付けるのに適している。この点に関して、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、試料108が測定中に静的である静的モードで動作することができる。例えば、検出器110は、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスなどであるがこれらに限定されない、2D画像(例えば、視野平面画像、瞳平面画像などである)を生成するのに適した2D画素アレイを有する撮像検出器を含むことができる。
【0041】
別の実施形態では、検出器110は、移動する試料(例えば、走査試料)を特徴付けるのに適した1つ以上の検出器110を含む。これに関して、マルチカラムオーバレイ計測ツール102またはその中の任意の測定列104は、測定中に試料108が測定領域に対して走査される走査モードで動作することができる。例えば、検出器110は、選択された画像許容差(例えば、画像のぼけ、コントラスト、シャープネスなど)内で走査中に1つ以上の画像を捕捉するのに充分な捕捉時間および/またはリフレッシュレートを有する2D画素アレイを含んでもよい。別の例として、検出器110は、一度に1ラインの画素の画像を連続的に生成するラインスキャン検出器を含んでもよい。別の例として、検出器110は、試料108の動きがTDI検出器内の電荷転送クロック信号に同期されるときに試料108の連続画像を生成する時間遅延積分(TDI)検出器を含むことができる。
【0042】
別の実施形態では、測定列104(例えば、N個の測定列104のうちの1つ以上)は、測定列104の独立した位置決めを提供するためのカラム位置決めサブシステム112を含む。カラム位置決めサブシステム112は、1つ以上の方向に沿って測定列104を独立して位置決めするように構成された1つ以上のアクチュエータを含むことができる。例えば、カラム位置決めサブシステム112は、1つ以上の直線並進ステージ、1つ以上の回転並進ステージ、または1つ以上の先端/傾斜アクチュエータを含んでもよいが、それらに限定されない。このようにして、測定列104のカラム位置決めサブシステム112は、任意の所望の寸法に沿って試料108に対して測定列104の構成要素を位置決めすることができる。例えば、カラム位置決めサブシステム112は、試料108上の計測ターゲットとの測定列104の位置合わせを容易にすることができる。
【0043】
別の実施形態において、オーバレイ計測システム100は、任意の測定列104に対して試料108を固定および/または位置決めする試料位置決めシステム114を含む。試料位置決めサブシステム114は、1つ以上の方向に沿って試料108を独立して位置決めするように構成された1つ以上のアクチュエータを含むことができる。例えば、試料位置決めシステム114は、1つ以上の直線並進ステージ、1つ以上の回転並進ステージ、または1つ以上の先端/傾斜アクチュエータを含んでもよいが、それらに限定されない。このようにして、試料位置決めサブシステム114は、測定列104に対して任意の選択された配向で試料108を位置決めすることができる。
【0044】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、測定列104および試料108の相対的位置決めを示すオーバレイ計測システム100の概念図である。図1Bでは、分かりやすくするために、単一の測定列104のみが示されている。オーバレイ計測システム100は、少なくとも1つの構造支持体116(例えば、テーブル、壁、天井等である)上に搭載されるか、またはそうでなければそれを含み、測定列104の各々のための試料位置決めシステム114およびカラム位置決めサブシステム112などであるがこれらに限定されない様々な構成要素を固定しうる。図1Bでは、試料位置決めシステム114は、試料108を側面(ここでは、X-Y平面)に配向し、測定列104は、軸方向(ここでは、Z方向)に沿って試料108を照射する。例えば、測定列104は、Z軸に沿って伝播する垂直入射光、またはZ軸に沿った少なくとも1つの方向成分を有する斜め光で試料108を照明することができる。別の実施形態では、各測定列104は、それ自体が構造支持体116に取り付けられるカラム位置決めサブシステム112に取り付けられる。別の実施形態では、試料位置決めシステム114は、横方向平面(X-Y平面)に沿った試料108の横方向並進、ならびに軸方向(Z方向)に沿った並進を提供する3D並進ステージを含む。別の実施形態では、試料位置決めシステム114は、横方向平面内で試料108を回転させるための回転ステージを含む。
【0045】
本明細書では、本開示の精神および範囲内で、測定列104、照明源106、および検出器110の様々な構成が可能であることが企図される。例えば、照明源106および/または検出器110は、関連付けられた測定列104上またはその外部に位置してもよい。例えば、照明源106および/または検出器110を関連する測定列104の外部に位置付けることは、測定列104の質量を低減し得、これは、カラム位置決めサブシステム112に対する負荷を低減し得る。結果として、関連する測定列104の外部に照明源106および/または検出器110を設けることは、構成要素が測定列104の一部である場合よりも、カラム位置決めサブシステム112による測定列104のより速いおよび/またはより正確な位置決めを容易にすることができる。
【0046】
関連する測定列104に対する照明源106および/または検出器110の特定の位置決めにかかわらず、各測定列104は、照明源106および検出器110と結合されるとき、オーバレイを測定するのに適しえる。この点に関して、関連付けられた照明源106および検出器110を有する各測定列104は、オーバレイツールとして動作することができ、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、試料108の異なる部分の複数の並列オーバレイ測定に適した複数のオーバレイツールを提供するものとして特徴付けることができる。
【0047】
マルチカラムオーバレイ計測ツール102またはその中の任意の測定列104は、当技術分野で知られている任意のタイプのオーバレイ計測ツールとして動作することができる。例えば、マルチカラムオーバレイ計測ツール102またはその中の任意の測定列104は、撮像モード、非撮像モードで動作してもよく、または撮像モードと非撮像モードとの間で選択的に切り替えてもよい。光学測定列104の場合の例示的な例として、試料108に共役な視野平面に配置された検出器110は、試料108の画像を生成することができる。この画像は、それぞれの照明サブシステム118および収集サブシステム120の構成に基づく明視野画像、暗視野画像、位相差画像などを含むことができる。別の例として、瞳面に配置された1つ以上の検出器110は、試料108からの放射の角度分布(例えば、試料108による放射の散乱および/または回折に関連する)を特徴付けることができる。このようにして、マルチカラムオーバレイ計測ツール102またはその中の任意の計測カラム104は、散乱計測(SCOL)オーバレイツールとして動作しえる。さらに、散乱計測オーバレイ計測は、瞳面の画像を生成することにより、または非結像検出器(例えばフォトダイオード)を用いて瞳面の選択された位置で光を捕獲することにより実行されえる。例えば、瞳平面における非結像検出器を用いる散乱計測オーバレイは、概して米国特許出願17/142,783(2021年1月6日)で記述される。これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
マルチカラムオーバレイ計測ツール102またはその中の任意の測定列104は、オーバレイ測定のための測定パラメータを定義する任意の数のレシピに基づいてオーバレイ信号を生成するように構成可能であり得る。例えば、光学測定列104のレシピは、照明波長、試料から発する光の検出波長、試料上の照明のスポットサイズまたは形状、入射照明の角度、入射照明の偏光、収集された光の偏光、オーバレイターゲット上の入射照明のビームの位置を含み得るが、これらに限定されない。オーバレイ計測ツールの焦点ボリュームにおけるオーバレイターゲットの位置など。別の例として、粒子ビーム測定列104のレシピは、粒子ビームエネルギーまたはビーム走査速度を含み得るが、これらに限定されない。さらに、マルチカラムオーバレイ計測ツール102またはその中の任意の測定列104は、走査モード、静的モードでオーバレイ測定値を生成するように、または走査モードと静的モードとの間で選択的に切り替えるように構成され得る。
【0049】
ここで図1C~1Gを参照して、オーバレイ計測システム100全体にわたるコンポーネントの分配が、本開示の1つ以上の実施形態に従ってより詳細に説明される。特に、図1C及び図1Dは光学測定列104の態様を示し、図1EはEUV測定列104の態様を示し、図1FはX線測定列104の態様を示し、図1Gは粒子ビーム測定列104の態様を示す。
【0050】
一実施形態では、測定列104(例えば、N個の測定列104のうちの1つ以上)は、照明源106からの照明を試料108(例えば、試料108上の計測ターゲット)に向けるように構成された照明サブシステム118と、試料108(例えば、光、粒子などである)から測定信号122を収集し、測定信号122を検出器110に向ける収集サブシステム120とを含む。図1Cおよび図1Dは、照明サブシステム118および収集サブシステム120の様々な構成の非限定的な例を示す。本明細書では、試料108中の様々な測定列104は、同じまたは異なる構成を有し得ることが企図される。
【0051】
図1C図1Gに示すように、照明サブシステム118は、照明134を修正および/または調整するとともに、照明134を試料108に向けるのに適した1つ以上の構成要素を含むことができる。一実施形態では、照明サブシステム118は、1つ以上の照明経路集束要素124(例えば、照明134をコリメートするため、瞳面および/または視野面を中継するためなどである)を含む。別の実施形態では、照明サブシステム118は、照明134を成形または別様に制御する、1つ以上の照明経路制御要素126を含む。例えば、照明経路制御要素126は、1つ以上の視野絞り、1つ以上の瞳絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のミラー(例えば、静的ミラー、平行移動可能ミラー、走査ミラーなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0052】
同様に、収集サブシステム120は、試料108からの測定信号122を修正および/または調整するのに適した1つ以上の要素を含むことができる。一実施形態では、収集サブシステム120は、1つ以上の収集経路集束要素128(例えば、測定信号122をコリメートするため、瞳面および/または視野面を中継するためなどである)を含む。別の実施形態では、収集サブシステム120は、測定信号122を成形または別様に制御する、1つ以上の収集経路制御要素130を含む。例えば、収集経路制御要素130は、1つ以上の視野絞り、1つ以上の瞳絞り、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のミラー(例えば、静的ミラー、平行移動可能ミラー、走査ミラーなどである)を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0053】
図1Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、共通レンズを通して照明および収集を提供する、関連付けられた照明源106および検出器110を伴う光学測定列104を含む、マルチカラムオーバレイ計測ツール102の一部分の概念図である。追加の測定列104ならびに関連する照明源106および/または検出器110は、明確にするために図示されていない。一実施形態では、測定列104は、照明源106からの照明134を試料108に同時に方向付け、検出器110による検出のために試料108から測定信号122を収集するための集光レンズ132(例えば、対物レンズ)を含む。これに関して、測定列104は、試料108のスルーザレンズ(TTL)照明を提供することができる。
【0054】
図1Dは、本開示の1つ以上の実施形態による、別個の経路を通して照明および収集を提供する、関連付けられた照明源106および検出器110を伴う光学測定列104を含む、マルチカラムオーバレイ計測ツール102の一部分の概念図である。図1Cと同様に、追加の測定列104ならびに関連する照明源106および/または検出器110は、明確にするために図示されていない。一実施形態では、測定列104は、照明サブシステム118および収集サブシステム120のための別個の構成要素および/または光路を含む。これに関して、測定列104は、試料108のレンズ外(OTL)照明を提供することができる。例えば、図1Dに示すように、測定列104は、試料108に垂直に配向された光軸(例えば、図1Cに示すように)を有する集光レンズ132を有する集光サブシステム120を含むことができる。そして、2つの別個の照明経路集束要素124を有する照明サブシステム118は、照明源106からの照明134を、集光レンズ132の開口数(NA)の外側の斜めの角度で試料108に向けて方向付けるように構成されている。しかしながら、図1Dは、斜めの照明および垂直の収集を示しているが、測定列104は、任意の所望の角度で照明および収集を提供し得ることを理解されたい。
【0055】
図1Eは、本開示の1つ以上の実施形態による、関連するEUV照明源106および検出器110を有するEUV測定列104を含むマルチカラムオーバレイ計測ツール102の一部分の概念図である。EUV測定列104は、多くの材料におけるEUV光の高い吸収に起因して、可視又はIR波長に適した光学システムとは異なる構成要素又はレイアウトを必要とし得ることが本明細書において認識される。
【0056】
一実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、EUV照明134をコリメートまたは集束するのに適したEUV照明経路集束要素124と、試料108からのEUV測定信号122を収集、コリメート、および/または集束するのに適した収集経路集束要素128(例えば、投影光学系)とを含む。さらに、収集経路集束要素128は、EUV測定信号122を1つ以上の検出器110に向けることができる。照明経路集束要素124および/または収集経路集束要素128は、照明源106からの光の波長とともに使用するのに好適な任意の種類の集束要素を含んでもよい。例えば、照明経路集束要素124および/または集光経路集束要素128は、ミラーまたは他の反射面(例えば、球面鏡、放物面鏡、楕円鏡などである)を含んでもよいが、それらに限定されない。このようにして、吸収損失を軽減するか、または他の方法で制御することができる。さらに、照明経路集束要素124は、任意の好適な入射角で動作してもよい。例えば、視射角ミラーは効率的な反射を提供し得る。
【0057】
図1Fは、本開示の1つ以上の実施形態による、関連する粒子照明源106および検出器110を有するX線測定列104を含むマルチカラムオーバレイ計測ツール102の一部分の概念図である。X線源を使用する計測は、2019年1月3日に公開された米国特許9,846,132(2017年12月19日)、米国特許10,775,323(2020年9月15日)、及び米国特許出願公開2019/0003988に概して記載されており、そのすべてが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、図1Fは、透過型X線測定列104を示す。
【0058】
一実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、X線照明134をコリメートまたは集束するのに適したX線照明経路集束要素124と、X線コリメートミラーなどであるがこれに限定されない、試料108からのX線測定信号122を収集、コリメート、および/または集束するのに適した収集経路集束要素128とを含む。例えば、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、X線コリメートミラー、斜入射楕円面ミラーなどの鏡面X線光学系、中空キャピラリX線導波路などのポリキャピラリ光学系、多層光学系、またはシステム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。別の実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、X線モノクロメータ(例えば、Loxley-Tanner-Bowenモノクロメータなどの結晶モノクロメータなどである)X線アパーチャ、X線ビームストップ、またはゾーンプレートなどの回折光学系などであるがこれらに限定されないX線照明経路制御要素126を含む。
【0059】
図1Gは、本開示の1つ以上の実施形態による、関連する粒子照明源106および検出器110を有する粒子ベースの測定列104を含むマルチカラムオーバレイ計測ツール102の一部分の概念図である。
【0060】
一実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、1つ以上の粒子集束要素を含む。例えば、図1Gは、照明経路集束要素124、収集経路集束要素128、または同等物を図示する。例えば、1つ以上の粒子集束要素は、単一の粒子集束要素または複合システムを形成する1つ以上の粒子集束要素を含んでもよいが、それらに限定されない。別の実施形態では、1つ以上の粒子集束要素は、粒子照明134を試料108に向けるように構成された集光レンズ132を含む。さらに、1つ以上の粒子集束要素は、静電、磁気、単電位、または複電位レンズを含むが、それらに限定されない、当技術分野で公知の任意の種類の電子レンズを含んでもよい。図1Cに描写されるような電圧コントラスト撮像検査システムの説明および上記の関連説明は、単に例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではないことに留意されたい。例えば、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、試料108上で検査データを生成するのに適した当技術分野で知られている任意の励起源を含むことができる。別の実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、2つ以上の粒子ビームを生成するための2つ以上の粒子ビーム源(例えば、電子ビーム源またはイオンビーム源)を含む。さらなる実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、試料108の1つ以上の位置に1つ以上の電圧を印加するように構成された1つ以上の構成要素(例えば、1つ以上の電極)を含む。この点に関して、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、電圧コントラスト撮像データを生成することができる。
【0061】
別の実施形態では、マルチカラムオーバレイ計測ツール102は、試料108から発する粒子を画像化するかまたは別様に検出するための1つ以上の粒子検出器110を含む。一実施形態では、検出器110は電子コレクタ(例えば、二次電子コレクタ、後方散乱電子検出器などである)を含む。別の実施態様においては、検出器110が、試料表面からの電子及び/又は光子を検出するための光子検出器(例えば、光検出器、X線検出器、光電子増倍管(PMT)検出器に結合されたシンチレータ素子などである)を含む。
【0062】
加えて、本明細書では、試料108を照明することおよび/または試料から測定信号122を収集することに関連する構成要素は、測定列104のいずれかの中に、測定列104のいずれかの外部で分散されてもよく、または測定列104のいずれかの間で共有されてもよいことが企図される。例えば、図1Cは、照明源106および検出器110が測定列104の外部に位置する構成を示す。照明源106が測定列104の外部に位置する構成では、オーバレイ計測システム100は、照明源106と測定列104との間に経路を提供する照明接続経路136を含み得る。同様に、検出器110が測定列104の外部に位置する構成では、オーバレイ計測システム100は、測定列104と検出器110との間に経路を提供する検出接続経路138を含んでもよい。照明接続経路136および/または検出接続経路138は、照明134および/または測定信号122のための経路を提供するための好適な構成要素の任意の組み合わせを含んでもよい。例として、光学照明134の場合、照明接続経路136および/または検出接続経路138は、1つ以上の光ファイバを含むことができる。別の例として、照明接続経路136および/または検出接続経路138は、1つ以上の自由空間構成要素を含むことができる。例えば、照明接続経路136および/または検出接続経路138は、測定コラム104が動いているときに安定した経路を提供するために、1つ以上の傾斜可能な送信器自由空間構成要素および1つ以上の傾斜可能な受信器自由空間構成要素を含むことができる。
【0063】
したがって、図1C~1Gは、単に例示目的で提供され、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、マルチカラムオーバレイ計測ツール102のさまざまな構成要素は、1つ以上の測定列104内に、任意の測定列104の外部で、または任意の測定列104の間で共有されて分配され得る。さらに、任意の照明源106に関連付けられた測定列104は、要素の任意の好適なレイアウトを有し得る。例えば、任意の照明源106に関連付けられた測定列104は、反射モードまたは透過モードで構成され得る。別の例として、任意の照明源106に関連付けられた測定列104は、図1C~1Gに示されているか否かにかかわらず、好適な照明経路集束要素124、照明経路制御要素126、収集経路集束要素128、または収集経路制御要素130の組み合わせを有し得る。
【0064】
別の実施形態では、図1C~1Gには示されていないが、測定列104、マルチカラムオーバレイ計測ツール102全体、またはその任意の部分が、チャンバ内に封入され得る。このようにして、チャンバ内の雰囲気および/または圧力を制御することができる。例えば、オーバレイ計測システム100は、チャンバ内に所望の強度の真空を生成する真空ポンプを含み得る。別の例として、オーバレイ計測システム100は、選択された圧力で選択されたガス組成物でチャンバを充填するガスフローシステムを含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、測定列104の収集サブシステム120は、試料108内の異なる深さで計測データを生成するように構成され得る。例えば、図1C図1Gに示す構成では、試料108の表面に対する集光レンズ132の測定面(例えば、像面)の位置は、多数の方法で調整することができる。一例では、試料108は、試料位置決めシステム114によって軸方向(Z方向)に沿って平行移動させることができる。別の実施形態では、測定列104は、カラム位置決めサブシステム112によって軸方向(Z方向)に沿って調整されてもよい。別の例では、収集経路集束要素128のうちの1つ以上は、測定平面を修正するように調整されてもよい。
【0066】
さらに、複数の測定平面における測定は、順次または同時に提供され得る。例えば、連続測定は、試料108または測定列104(またはその一部)を順次移動させて連続測定を提供することによって提供され得る。別の例として、同時測定は、複数の検出器110と、検出器110の各々に対して異なる測定平面を生成するように構成された関連する収集経路集束要素128とを用いて提供され得る。
【0067】
ここで図2A図3Bを参照すると、本開示の1つ以上の実施形態に従って、照明および収集の様々な実装形態がより詳細に説明される。
【0068】
一実施形態では、測定列104の少なくとも1つは、専用照明源106および/または検出器110を含む。そのような構成は、測定列104の独立した制御および部品使用を容易にすることができる。さらに、照明および/または収集に関連するパラメータ(例えば、検出器110に向けられた照明134および/または測定信号122の波長、偏光、スペクトル、照明134の時間的特性、検出器の積分時間など)は、他の測定列104に影響を与えることなく、測定列104に対して独立して制御することができる。図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、独立した照明および収集を提供する、試料108にわたって分散される一連の測定列104の概念図である。図2Aでは、各測定列104は、別個の照明源106から照明134を受け取り、試料108からの測定信号122を別個の検出器110に向ける。
【0069】
別の実施形態では、2つ以上の測定列104は、共通の照明源106から照明を受け取る。この構成は、照明源106が複数の測定列104を駆動するのに充分な出力を提供する場合に、システムの複雑さおよび/またはコストを減少させることができる。さらに、以下でより詳細に論じるように、共通の照明源106からの照明は、異なる測定列104が区別可能なパラメータを有する照明を受け取るように多重化されてもよいが、多重化される必要はない。
【0070】
同様に、測定列104は、専用または共有の検出器110を使用することができる。一実施形態では、各検出器110は、別個の測定列104から測定信号122を受信する。別の実施形態では、共通検出器110は、2つ以上の測定列104から測定信号122を受信する。図2Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、共通の照明源106および共通の検出器110を共有する試料108にわたって分散された一連の測定列104の概念図である。
【0071】
本明細書では、複数の測定列104からの測定信号122の検出は、限定はしないが、波長、偏光、または時間特性(例えば、測定列104からの測定信号122間の相対的な時間遅延)など、測定信号122の1つ以上の区別可能な光学特性に基づいて、測定信号122の多重化/逆多重化を必要とし得ることが企図される。したがって、様々な測定列104からの測定信号122は、検出器110によって区別可能であり得、検出器110は、測定列104の各々に関連する別個の検出信号を生成し得る。一実施形態において、オーバレイ計測システム100は、異なる測定列104から検出器110の異なる部分に測定信号122を導く1つ以上のコンポーネントを含む。例えば、様々な測定列104からの測定信号122は、別個の経路に沿って検出器110の異なる部分に向けられ得る。別の例として、測定信号122が波長に基づいて多重化される場合、検出器110は、検出器110上の異なる測定列104から測定信号122を物理的に分離するための回折要素(例えば、プリズム、回折格子等である)を含み得る。別の実施形態では、測定信号122が時間特性(例えば、遅延線等に基づく)に基づいて多重化される場合、様々な測定列104からの測定信号122は、検出器110の共通部分に向けられ、時間に基づいて区別され得る。
【0072】
一実施形態では、多重化測定信号122の生成は、少なくとも部分的に、種々の測定列104に提供される照明を多重化することによって実装される。このようにして、様々な測定列104からの測定信号122を同様の方法で多重化することができる。さらに、種々の測定列104に提供される照明は、複数の技法を使用して多重化されてもよい。例えば、測定列104が専用照明源106を有する構成では、この専用照明源106は、他の測定列104とは異なる照明パラメータを提供するように構成することができる。別の例として、測定列104の照明サブシステム118(例えば、照明経路制御要素126、照明経路集束要素124など)の構成要素は、他の測定列104とは異なる選択された照明パラメータを提供するように構成され得る。
【0073】
別の例として、2つ以上の測定列104が共通の照明源106から照明を受け取る構成では、オーバレイ計測システム100は、異なる照明パラメータを様々な測定列104に向けられた照明に導入するための照明マルチプレクサ140を含むことができる。図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態による照明マルチプレクサ140の概念図である。一実施形態では、照明マルチプレクサ140は、照明源106からの照明134を選択された数の経路304に分割するための1つ以上のビームスプリッタ302を含み、経路304のそれぞれからの光は、異なる測定列104(例えば、照明接続経路136に沿っている)に指向される。さらに、照明マルチプレクサ140は、様々な測定列104に向けられた照明134を区別するために、経路304のいずれかに照明経路制御要素126および/または照明経路集束要素124を含むことができる。照明経路制御要素126および/または照明経路集束要素124は、測定列104の照明サブシステム118に関して説明されるものと実質的に同じであってもよく、フィルタ、絞り、偏光子、時間遅延線等を含んでもよいが、それらに限定されない。この点に関して、照明多重化は、測定列104の外部で、測定列104内で、または2つの任意の組み合わせを通して生じ得る。
【0074】
別の実施形態では、多重化測定信号122の生成は、少なくとも部分的に、1つ以上の測定列104からの測定信号122を直接多重化することによって実施される。例えば、測定列104の収集サブシステム120は、他の測定列104からの測定信号122に対して、その測定列104からの測定信号122を区別することができる。測定信号122の多重化は、偏波または時間特性に基づく多重化に特に適しているが、これに限定されない。
【0075】
図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態による検出デマルチプレクサ142の概念図である。一実施形態では、検出デマルチプレクサ142は、複数の経路308(例えば、複数の検出接続経路138から)から検出器110に向けられた共通経路310に測定信号122を収集するための1つ以上のビームコンバイナ306を含む。このようにして、検出器110は、様々な経路308から測定信号122を受信することができる。さらに、検出デマルチプレクサ142は、測定列104の各々からの測定信号122が検出器110によって区別可能であることをもたらすために、経路308のいずれかに沿って収集経路制御要素130および/または収集経路集束要素128を含むことができる。
【0076】
しかし、図3Aおよび図3Bの図は、関連する説明とともに、単に例示を目的として提供されており、限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、図3Aおよび図3Bは、照明経路集束要素124および集光経路集束要素128を、光波長に使用される透過レンズとして示す。しかしながら、図3A及び図3Bに示す概念は、X線測定列104、EUV測定列104、又は粒子ビーム測定列104を含むがこれらに限定されない任意のタイプ又は組み合わせの測定列104に適用可能であることを理解されたい。したがって、照明マルチプレクサ140および/または検出デマルチプレクサ142は、対象の照明134および測定信号122に基づく任意の適切な構成要素を含み得る。
【0077】
ここで図4A図4Bを参照すると、オーバレイ計測システム100における測定列104の様々な物理的構成が、本開示の1つ以上の実施形態に従ってより詳細に説明される。本明細書では、複数の測定列104は、試料108に対して様々なパターンで分散され得ることが企図される。さらに、測定列104の異なる分布パターンは、走査モード測定、静的モード測定、または2つの間の選択的切り替えに好適であり得る。
【0078】
一実施形態では、2つ以上の測定列104がカラム方向に沿って分布している。例えば、2つ以上の測定列104は、列方向に沿って直線的に、または列方向に沿って少なくとも1つの方向成分を有する湾曲した経路に沿って分布してもよい。
【0079】
図4Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、列方向に沿って分散された一連の測定列104を含むオーバレイ計測システム100の概念図である。図4(A)において、列方向はY方向に対応する。
【0080】
図4Aに示す分布では、測定列104の各々は、関連する収集サブシステム120の視野(例えば、収集サブシステム120内の集光レンズ132の視野である)および関連する列位置決めサブシステム112の可動域(例えば、図4Aに示される横方向X-Y平面における)によって定義される測定領域402を有し得る。例えば、各測定列104の測定領域402は、典型的には円形である収集サブシステム120(図示せず)の視野の半径、ならびにXおよびY方向に沿ったカラム位置決めサブシステム112の移動範囲によって画定されるサイズを有し得る、図4Aの円として図示される。しかしながら、測定領域402は、概して、任意のサイズまたは形状を有し得る。
【0081】
測定列104は、カラム位置決めサブシステム112を使用して収集サブシステム120の視野を計測ターゲットに位置合わせすることによって、その測定領域内の計測ターゲットに対して測定を実行することができる。さらに、図4Aに示すような列方向に沿った測定列104の分布を含むオーバレイ計測システム100は、列方向とは異なる1つ以上の走査経路に沿って試料108を走査して、測定列104の測定領域402を通して試料108上の様々な計測ターゲットを移動させることによって、試料108にわたって分布する複数の計測ターゲットを測定することができる。例えば、走査経路は、X方向に沿った走査を含み得るが、これに限定されない。
【0082】
さらに、試料108が走査経路に沿ってオーバレイ計測システム100を通過する際に様々な測定列104の測定領域402内にもたらされる試料108上の領域を含む一連の測定スワス404が定義されてもよい。例えば、図4Aは、X方向に沿った試料108の走査に関連するX方向に沿った一連の平行な測定スワス404を示す。
【0083】
図4Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、計測ターゲット(またはそのセル)の非線形分布を含む試料108上の測定スワス404の概念図である。例えば、図4Bは、走査方向410に垂直な列方向408に沿って測定スワス404内でほぼ中心に置かれた収集サブシステム120の視野406の開始位置を示す。図4Bは、列方向408に沿った第1の位置にある第1の計測ターゲット412と、列方向408に沿った第2の位置にある第2の計測ターゲット414とをさらに示す。一実施形態では、カラム位置決めサブシステム112(図示せず)は、収集サブシステム120の視野406を連続的に調整して第1の計測ターゲット412と位置合わせして第1の計測ターゲット412の測定を提供し、次いで収集サブシステム120の視野406を調整して第2の計測ターゲット414と位置合わせして試料108としての第2の計測ターゲット414の測定を提供することができる走査方向410に沿って走査される。さらに、第1の計測ターゲット412および第2の計測ターゲット414の測定は、試料108が走査方向410に沿って動いているときに(たとえば、走査モードで)、または試料108が静止しているときに(たとえば、静的モードで)実行され得る。これに関して、試料108の走査の説明は、走査モード測定に限定されず、より一般的には、試料108を移動させて、選択された計測ターゲットを測定列104の測定領域内に位置決めすることを指すことを理解されたい。
【0084】
再び図4Aを参照すると、本明細書では、測定列104は、列方向に沿った任意の長さまたは空間範囲に沿って、任意の密度で分布され得ることが企図される。この点に関して、図4Aの図は、単に例示を目的として提供されており、限定として解釈されるべきではない。例えば、図4Aは、試料108のサイズ(例えば、測定される試料108の予想サイズ)に及ぶ測定列104の分布を示し、試料108全体にわたる計測ターゲットが、試料108が走査されるときに特徴付けられ得るようになっている。しかしながら、いくつかの実施形態では、測定列104は、試料108よりも大きいか、または試料108よりも小さい列方向に沿った長さ(ここで、試料108全体を測定するために複数のスキャンが必要であり得る)に及んでもよい。
【0085】
別の例として、図4Aは、測定領域402が列方向に沿って試料108の完全なカバーを提供するように配置された測定列104の分布を示す。この点に関して、試料108全体を単一の走査で測定することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、測定列104は、列方向に沿って測定領域402間に間隙が存在するように、列方向に沿って広げられてもよい。この点に関して、試料108全体を測定するために複数の走査が必要とされ得る。一実施形態では、測定列104は、計測ターゲットを含み得る試料108上のスクライブラインに対応するように配置される。この場合、走査方向に沿ったスクライブライン内の計測ターゲットは、列方向に沿った測定領域402間にギャップが存在しても、単一の走査で測定することができる。
【0086】
別の実施形態では、複数の測定列104は、2次元パターンで分散される。これに関して、測定列104に関連付けられた測定領域402は、試料108にわたって分散され得る。さらに、各測定列104のカラム位置決めサブシステム112は、測定列104の位置を調整して、収集サブシステム120の視野(例えば、収集サブシステム120内の集光レンズ132)を、測定のための関連する測定領域402内の任意の計測ターゲットに位置合わせすることができる。
【0087】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、測定列104の2次元分布を含むオーバレイ計測システム100の概念図である。例えば、図5は、4つの測定列104を有するオーバレイ計測システム100の構成を示し、各測定列104は、試料108の四分の一にわたる測定領域402を有する。例えば、300mmの直径(例えば、半導体ウェハの1つの標準サイズに対応する)を有する試料108の場合、各測定列104のためのカラム位置決めサブシステム112は、X方向およびY方向の両方において約150mmの移動を提供することができる。さらに、図5は、各測定列104に関連するカラム位置決めサブシステム112を示す。
【0088】
本明細書では、測定列104は、測定領域402の任意の選択された分布または密度を提供するように分布され得ることが企図される。一実施形態では、測定列104の測定領域402は、試料108の角度区分(例えば、中心点に関して、)に対応し得る。別の実施形態では、測定列104の測定領域402は、2次元アレイまたは格子パターンに分散されてもよい。
【0089】
さらに、図5は、試料108の平行移動を必要とせずに試料108全体を測定することができるように、測定領域402が試料108全体をカバーする構成を示す。いくつかの実施形態において、オーバレイ計測システム100は、試料108を平行移動させることによって試料108の完全な測定が提供され得るように、測定領域402のうちの少なくともいくつかの間にギャップを提供するように構成される。これに関して、各カラム位置決めサブシステム112の必要とされる範囲は、関連する測定領域402内の計測ターゲットのより速い及び/又はより正確な測定を容易にするために低減され得る。
【0090】
再び図1Aを参照すると、一実施形態では、オーバレイ計測システム100は、マルチカラムオーバレイ計測ツール102および/またはその中の任意の構成要素に通信可能に結合されたコントローラ144を含む。別の実施形態では、コントローラ144は、1つ以上のプロセッサ146を含む。たとえば、1つ以上のプロセッサ146は、メモリデバイス148またはメモリ内に維持されるプログラム命令のセットを実行するように構成され得る。コントローラ144の1つ以上のプロセッサ146は、当技術分野で知られている任意の処理要素を含むことができる。この意味で、1つ以上のプロセッサ146は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。
【0091】
コントローラ144の1つ以上のプロセッサ146は、当技術分野で知られている任意のプロセッサまたは処理要素を含むことができる。本開示の目的のために、「プロセッサ」または「処理要素」という用語は、1つ以上の処理または論理要素(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上の領域プログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP))を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ146は、アルゴリズムおよび/または命令(たとえば、メモリに記憶されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。一実施形態において、1つ以上のプロセッサ146は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワーク接続されたコンピュータ、または本開示全体にわたって記載されるようにオーバレイ計測システム100と共に動作または動作するよう構成されたプログラムを実行するよう構成された任意の他のコンピュータシステムとして具現化されえる。さらに、オーバレイ計測システム100の異なるサブシステムは、本開示に記載されたステップの少なくとも一部を実行するのに適したプロセッサまたは論理要素を含みうる。したがって、上記の説明は、本開示の実施形態に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。さらに、本開示全体にわたって説明されるステップは、単一のコントローラによって、または代替として、複数のコントローラによって実行され得る。さらに、コントローラ144は、共通のハウジングまたは複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含むことができる。このようにして、任意のコントローラまたはコントローラの組み合わせが、オーバレイ計測システム100への統合に適したモジュールとして別個にパッケージ化され得る。
【0092】
メモリデバイス148は、関連する1つ以上のプロセッサ146によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリデバイス148は、非一時的なメモリ媒体を含み得る。別の例として、メモリデバイス148は、限定はしないが、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光メモリデバイス(たとえば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。メモリデバイス148は、1つ以上のプロセッサ146とともに共通のコントローラハウジング内に収容され得ることにさらに留意されたい。一実施形態では、メモリデバイス148は、1つ以上のプロセッサ146およびコントローラ144の物理的位置に対して遠隔に位置し得る。例えば、コントローラ144の1つ以上のプロセッサ146は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を介してアクセス可能な遠隔メモリ(例えば、サーバ)にアクセスしてもよい。
【0093】
このようにして、コントローラ144は、マルチカラムオーバレイ計測ツール102またはその中の任意の構成要素からデータを(例えば、制御信号を通して)指示または受信することができる。コントローラ144はさらに、本開示を通して説明される種々のプロセスステップのうちのいずれか、例えば、限定されないが、カラム位置決めサブシステム112に、測定列104の位置を調整するように指示すること、試料位置決めシステム114に、試料108の位置を調整するように指示すること、または計測測定と関連付けられる1つ以上の検出器110から検出信号を受信すること、検出器110からの検出信号に基づいてオーバレイ測定値を生成すること、オーバレイ測定値に基づいて1つ以上の追加ツールに対する補正可能値を生成すること、または少なくとも1つの追加測定列104からのオーバレイ測定値を用いて少なくとも1つの測定列104を較正する、ように構成されてもよい。
【0094】
別の実施形態では、オーバレイ計測システム100は、コントローラ144に通信可能に結合されたユーザインターフェース150を含む。一実施形態では、ユーザインターフェース150は、限定はしないが、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含むことができる。別の実施形態では、ユーザインターフェース150は、オーバレイ計測システム100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインターフェース150のディスプレイは、当技術分野で知られている任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、またはCRTディスプレイを含んでもよいが、それらに限定されない。当業者は、ユーザインターフェース150と統合可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示における実装に好適であることを認識するはずである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース150のユーザ入力デバイスを介してユーザに表示されるデータに応答して、選択および/または命令を入力してもよい。
【0095】
図6は、本開示の1つ以上の実施形態によるマルチカラム計測のための方法600において実行されるステップを示す流れ図である。オーバレイ計測システム100の文脈において本明細書で前に説明された実施形態および有効化技術は、方法600に拡張されると解釈されるべきであることに留意すべきである。しかしながら、方法600は、オーバレイ計測システム100のアーキテクチャに限定されないことにさらに留意されたい。
【0096】
一実施形態では、方法600は、複数の計測ターゲットを含む試料上の2つ以上の測定領域を同時にプローブするように構成された2つ以上の測定列に多重化照明を提供するステップ602を含む。例えば、特定の測定列は、1つ以上の照明源のうちの少なくとも1つからの照明を試料に向ける照明サブシステムと、試料から測定信号を収集し、測定信号を1つ以上の検出器に向けるように構成された集光レンズを含む収集サブシステムとを含むことができる。また、カラム位置決めサブシステムは、測定のために試料平面に平行な横方向平面内で集光レンズの位置を調整するように構成され、特定の測定列の測定領域は、集光レンズの視野および横方向平面内の位置決めシステムの範囲によって画定される。
【0097】
別の実施形態では、方法600は、照明光を2つ以上の測定列の測定視野内の計測ターゲットに向けるステップ604を含む。別の実施形態では、方法600は、2つ以上の測定列によって多重化された測定信号を収集するステップ606を含む。例えば、測定信号は、限定はしないが、波長、偏光、または時間特性を含む1つ以上のパラメータのいずれかに基づいて多重化され得る。さらに、測定信号は、様々な方法で多重化され得る。一例では、測定信号は、測定(例えば、1つ以上の偏光子、1つ以上の遅延線等を介して)の後に多重化され得る。別の例では、2つ以上の測定列に向けられた照明光は、測定信号が同様に多重化されるように多重化される。別の実施形態では、方法600は、1つ以上の検出器上で多重化された測定信号を検出するステップ608を含む。別の実施形態では、方法600は、検出された測定信号に基づいて計測ターゲットの計測データを生成するステップ610を含む。例えば、計測データは、オーバレイ計測データを含んでもよいが、これに限定されない。
【0098】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態によるマルチカラム計測ツールの自己較正のための方法700において実行されるステップを示す流れ図である。オーバレイ計測システム100の文脈において本明細書で前に説明された実施形態および有効化技術は、方法700に拡張されると解釈されるべきである。しかしながら、方法700は、オーバレイ計測システム100のアーキテクチャに限定されないことにさらに留意されたい。
【0099】
異なる測定精度(または他の特性)を有する少なくとも2つの測定列104を含むマルチカラムオーバレイ計測ツール102などであるがこれに限定されないマルチカラム計測ツールが、自己較正された計測データを提供し得ることが本明細書で企図される。特に、ある測定列104からの計測データは、別の測定列104を較正および/または訓練するために使用され得る。例えば、異なるタイプの照明源106を利用する測定列104が、精度またはスループットなどの異なる測定特性を自然に示し得る場合があり得る。例えば、X線、EUV、または粒子ビーム照明134に基づく測定列104は、しばしば(必ずしも常にではないが)、可視またはIR照明134に基づく測定列104よりも高い測定精度を提供するが、スループットは低い。しかしながら、より高いスループットの測定列104は、より高い精度の測定列104からの計測データを使用して改善された精度を提供するように較正され得る。
【0100】
一実施形態では、方法700は、マルチカラム計測ツールの1つ以上の較正測定列を使用して、試料上の1つ以上の較正ターゲットの第1の較正測定セットを生成するステップ702を含む。別の実施形態では、方法700は、マルチカラム計測ツールの1つ以上の試験測定列を使用して、1つ以上の較正ターゲットの第2の較正測定セットを生成するステップ704を含む。例えば、1つ以上の試験測定列は、1つ以上の較正カラムとは異なる測定精度を提供し得、異なる測定精度は、異なる照明源106の使用の結果であり得るが、そうである必要はない。
【0101】
しかし、「試験測定列」および「較正測定列」という用語は、本明細書では例示目的で使用され、限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、任意のまたは全ての測定列104は、ランタイム測定、他の測定列104の較正、またはそれらの組み合わせを含む、任意の所望の目的のために利用されてもよい。このように、「試験測定列」および「較正測定列」という用語は、本明細書では明確にするために使用され、自己較正に使用されるときの測定列104の異なるサブセットを指す。
【0102】
別の実施形態では、方法700は、較正測定の第1および第2のセットに基づいて、1つ以上の試験測定列を較正するステップ706を含む。別の実施形態では、方法700は、1つ以上の試験測定列を使用して、1つ以上の較正ターゲットとは異なる1つ以上の試験ターゲットの1つ以上の較正された測定値を生成するステップ708を含む。
【0103】
1つ以上の試験測定列を較正するステップ706は、種々の技法を使用して実装されてもよい。一実施形態では、ステップ706は、試験測定列と較正測定列の両方によって生成された計測測定値の間の相関またはパターンを識別することと、次いで、相関に基づいて計測データを生成するように試験測定列(または、測定列のいずれかに接続されたコントローラ144)をトレーニングすることとを含む。このようにして、試験測定列(または、試験測定列のいずれかに接続されたコントローラ)は、試験測定列によって取得された測定信号とステップ706で識別された相関との組み合わせを使用して、新しい試験計測ターゲットのための較正された計測データを生成することができる。さらに、この較正された計測は、試験測定列からの較正されていない計測データよりも高い精度を有し得、さらに、試験測定列のスループットで生成され得る。
【0104】
ステップ706は、いくつかのアルゴリズムを含むことができる。例えば、計測ターゲットは、限定はしないが、幾何学的エンジン、プロセスモデリングエンジン、またはそれらの組合せを含む、当技術分野で知られている任意の技法を使用してモデリング(パラメータ化)され得る。プロセスモデリングの使用は、概して、米国特許10/769,320(2020年9月8日)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。幾何学的エンジンは、KLA Corp.によって提供される製品であるAcuShapeソフトウェアによって実装され得るが、実装される必要はない。さらに、EMソルバは、厳密結合波分析(RCWA)、有限要素法分析、モーメント分析の方法、表面積分技法、体積積分技法、または有限差分時間領域分析を含むが、それらに限定されない、当技術分野で公知の任意の方法を利用してもよい。
【0105】
ステップ706はさらに、ライブラリ、高速次数低減モデル、回帰、ニューラルネットワークなどの機械学習アルゴリズム、サポートベクターマシン(SVM)、次元低減アルゴリズム(例えば、主成分分析(PCA)、独立成分分析(ICA)、局所線形埋め込み(LLE)など)を含むが、これらに限定されない、収集されたデータをモデルに適用するための当技術分野で公知の任意のデータフィッティングおよび最適化技法を使用して、試験または較正測定列から収集された計測データの分析を含んでもよい。データのスパース表現(例えば、フーリエ変換またはウェーブレット変換、カルマンフィルタ、同じまたは異なるツールタイプからのマッチングを促進するアルゴリズムなどである)。例えば、データ収集および/またはフィッティングは、KLA Corp.によって提供される製品であるSignal Response Metrology(SRM)によって行われてもよいが、そうである必要はない。
【0106】
さらに、アルゴリズムの種々の実装は、ファームウェア、ソフトウェア、または領域プログラマブルゲートアレイ(FPGA)、あるいは1つ以上の他のプログラマブル光学要素を通して、コントローラ(例えば、コントローラ144)によって行われてもよいが、その必要はない。
【0107】
ステップ706においてモデルがトレーニングされると、ステップ708は、試験測定列を有する新しい計測ターゲットの新しい計測測定に基づいて較正された計測データを提供するようにモデルを実装することを含み得る。ステップ708は、新しい計測ターゲットから収集された計測データをモデルに適用するために、当技術分野で知られている任意のデータフィッティングまたは最適化技法を組み込むことができる。ステップ706について提供された例を続けると、これは、ライブラリ検索、回帰分析、機械学習アルゴリズムの実装、サポートベクターマシン(SVM)、次元削減アルゴリズムなどを含み得るが、これらに限定されない。例えば、データ収集および/またはフィッティングは、KLA Corp.による信号応答計測(SRM)によって行われ得るが、そうである必要はない。
【0108】
本明細書で説明される主題は、場合によっては、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される、異なる構成要素を図示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「接続」または「結合」されていると見なされることができ、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「結合可能」であると見なされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に相互作用可能な及び/又は物理的に相互作用するコンポーネント及び/又は無線で相互作用可能な及び/又は無線で相互作用するコンポーネント及び/又は論理的に相互作用可能な及び/又は論理的に相互作用するコンポーネントを含むが、これらに限定されない。
【0109】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、開示される主題から逸脱することなく、またはその物質的利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明白となるであろう。説明される形態は単なる説明であり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
【国際調査報告】