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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(54)【発明の名称】通気コアを備えたフィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 27/04 20060101AFI20231201BHJP
   B01D 27/08 20060101ALI20231201BHJP
   B01D 27/10 20060101ALI20231201BHJP
【FI】
B01D27/04
B01D27/08
B01D27/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530690
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 US2021059535
(87)【国際公開番号】W WO2022108932
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/116,451
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】グレガーソン, バリー エル.
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA07
4D116AA30
4D116BB01
4D116BC27
4D116BC44
4D116BC46
4D116BC47
4D116BC76
4D116DD05
4D116FF18B
4D116KK04
4D116QA12C
4D116QA12F
4D116QA39C
4D116QA39D
4D116QA39E
4D116QA39F
4D116QA60C
4D116QA60F
4D116QB03
4D116QB12
4D116QB24
4D116QB26
4D116QB32
4D116QB35
4D116QB36
4D116QB44
4D116UU20
(57)【要約】
ハウジングと、ハウジング内の内部と、ハウジング内に収容されたカートリッジアセンブリ(あるいは、「フィルタカートリッジ」として知られる)と、ガス状流体をハウジングの内部からハウジングの外部へと放出するのを可能にする通気孔とを含む、液体フィルタ装置、ならびに関連する方法が記載される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ろ過装置であって、
開放端、前記開放端とは反対側の遠位端、および前記開放端と前記遠位端との間に延在する内部を含むボウルと、
前記ボウルの前記開放端を封止係合することができるマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、
前記内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、前記カートリッジアセンブリ近位端が、前記マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含み、前記カートリッジアセンブリ遠位端が、前記ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを前記内部に形成するように適合された表面を含む、カートリッジアセンブリと、
前記カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、
前記カートリッジアセンブリの外側で前記カートリッジアセンブリと前記ボウルとの間にあるハウジング容積と、
前記ボウル遠位端を通って前記コア容積まで延在して、前記コア容積を前記液体ろ過装置の外部と流体接続する通気孔と
を備える、液体ろ過装置。
【請求項2】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を押圧して前記マニホルドの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を前記マニホルドの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を押圧して前記ボウルの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を前記ボウルの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面と前記マニホルドの前記表面との間に、環状封止ガスケットを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記通気孔を選択的に開閉して、前記コア容積と前記外部との間の流体連通を選択的に可能にすることができる、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流体入口が前記ハウジング容積と連通し、前記流体出口が前記コア容積と連通する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記通気孔が、第1の端部および第2の端部を有する導管を備え、前記第1の端部が前記コア容積の遠位部分に位置し、前記第2の端部が前記外部に位置する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記通気孔が、前記コア容積をアースに電気的に接続する導電性材料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
液体ろ過装置を使用して液体をろ過する方法であって、
マニホルドおよびボウルを含むハウジングを備え、前記ボウルが前記マニホルドの垂直方向上方に載置された前記装置に流体を入れることであって、前記ハウジングが、
開放端、前記開放端とは反対側の遠位端、および前記開放端と前記遠位端との間に延在する内部を備える前記ボウルと、
前記ボウルの前記開放端と係合されてマニホルド-ボウル間シールを形成するマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、
前記内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、前記カートリッジアセンブリ近位端が、前記マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含み、前記カートリッジアセンブリ遠位端が、前記ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを前記内部に形成するように適合された表面を含む、カートリッジアセンブリと、
前記カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、
前記カートリッジアセンブリの外側で前記カートリッジアセンブリと前記ボウルとの間にあるハウジング容積と、
前記ボウル遠位端を通って前記コア容積まで延在して、前記コア容積を前記ハウジングの外部と流体接続する通気孔と、を備える
前記装置に流体を入れることと、
前記液体を前記入口に入れ、前記入口から前記ハウジング容積に通し、前記ろ過膜に通して前記コア容積まで至らせ、次に前記出口を通すことであって、ガスが前記コア容積の遠位領域に蓄積する、前記液体を通すことと、
前記通気孔を通して前記ガスを放出することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を押圧して前記マニホルドの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を前記マニホルドの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を押圧して前記ボウルの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を前記ボウルの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面と前記ボウルの前記表面との間に、環状封止ガスケットを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記流体入口が前記ハウジング容積と連通し、前記流体出口が前記コア容積と連通する、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記通気孔が、前記コア容積をアースに電気的に接続する導電性材料を含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング、ハウジング内の内部、ハウジング内に収容されたカートリッジアセンブリ(あるいは、「フィルタカートリッジ」として知られる)、およびガス状流体をハウジングの内部からハウジングの外部へと放出するのを可能にする通気孔を含む、液体フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体ろ過システムは、精製した液体、例えば高純度の液体のフローの調製および制御を可能にする。これらのシステムは、化学処理および製造産業での用途、例えば、製薬、食品処理および包装、工業用および市販の化学薬品および化学製品、ならびに半導体およびマイクロ電子加工に使用される液体の処理など、広範囲の用途を有する。半導体およびマイクロ電子加工の場合、液体ろ過システムは、ソーラーパネル、フラットパネルディスプレイ、ならびに半導体およびマイクロ電子デバイスの製造に使用される液体をろ過するのに使用される。液体は、他のタイプの処理の中でも特に、フォトリソグラフィ、バルクケミカル移送、化学的機械的処理(CMP)、ウェットエッチング、または洗浄などのプロセスで使用されることがある。
【0003】
液体の処理(ろ過)に使用されるフィルタアセンブリの様々な設計としては、液体が膜を通過する際に液体から不純物を除去するろ過膜を収容する内部を画定する、多部品のフィルタハウジングが挙げられる。使用の際、液体は、ろ過膜を通るフローを含む流路で、内部を通して流される。ろ過膜は、使用期間後にハウジングから除去し交換することができる、交換可能なフィルタカートリッジ(即ち、「カートリッジアセンブリ」)の構成要素である。
【0004】
かかるフィルタアセンブリのハウジングは、一般的に、マニホルドおよびボウルという2つの主要な外部構造を含む。マニホルドは、フィルタハウジングに入る流体(未ろ過液体)が通過する流体入口と、ろ過膜を通過した後にフィルタアセンブリを出る流体(ろ過液)が通過する流体出口とを含む。入口と出口との間で、流体は多孔質ろ過膜を通過しなければならない。ろ過膜は、ハウジングに収容された交換可能なフィルタカートリッジによって支持される。ボウルは、マニホルドを係合する開放端を含み、マニホルドとボウルとの間に液密シールを形成する。
【0005】
このタイプのフィルタアセンブリの標準的な設置形態は、入力導管および出力導管に接続されたマニホルドを用いるものである。入力導管はマニホルド入口に接続され、マニホルド入口が、未ろ過液体の入ってくるフローをハウジング内へと向き付ける。出力導管は、マニホルド出口に接続されて、ろ過膜を通過した後にマニホルド出力を通ってアセンブリから出る流体のフロー(即ち、「ろ過液」)を受け入れる。
【0006】
かかるフィルタハウジングアセンブリの標準的な設置形態は、ボウルがマニホルドの下方で垂直方向下向きに延在するようにして取り付けられるように設計される。この形態は、標準構成または「ボウルを下にした」構成と呼ばれる場合が多い。このように取り付けられると、マニホルドがハウジングの上方に載置されるので、通気ポートは、マニホルドに含まれてもよく、また、ハウジングの上側部分でフィルタアセンブリ内に蓄積する空気または他のガスを外部に放出するように選択的に開放されてもよい。始動時または使用中、例示のフィルタアセンブリでは、液体流体をろ過するとき、フィルタカートリッジの内部空間において、例えば、ハウジング内に収容されたフィルタカートリッジの中央チャネル内に位置する内部コア容積において、大量のガス(例えば、空気)が蓄積することがある。
【0007】
特定の適用例では、例えば、これらのフィルタ装置を半導体メーカーが使用する場合、このタイプの液体ろ過装置のより好ましい設置形態は、カートリッジアセンブリおよびハウジングのボウルがマニホルドの上方に位置する、逆向きの「ボウルを上にした」構成であってもよい。ボウルを上にした構成は利点を有するが、異なる構成によって生じる課題もある。ボウルを上にした構成では、マニホルドに接続する配管(入口導管および出口導管)が、マニホルドと並んでボウルおよびフィルタカートリッジの下方で、フィルタ装置の下側部分または底部に位置することが可能になる。この形態は、ボウルおよびカートリッジアセンブリを、マニホルドの上方のよりアクセスしやすい位置に位置決めし、また、フィルタ交換ステップ中のフィルタの排水をより効率的にすることができるので、好ましいことがある。
【0008】
しかしながら、ボウルを上にした配向では、通気孔がフィルタアセンブリの底部に位置するので、マニホルドを通る通気機構が動作しなくなり、また、ハウジング内、例えばフィルタカートリッジの内部空間(即ち、略して「コア容積」の「カートリッジコア容積」)内に蓄積するガス状流体が、フィルタ装置の頂部、即ちボウルの頂部に蓄積する可能性がある。
【0009】
液体ろ過装置の通気機構は、少なくとも2つの大きな理由によって重要であり得る。1つの理由は、使用中のフィルタハウジング内にガスポケットが存在することにより、ろ過装置の性能が低減されるのを防ぐことである。第2の(まったく無関係ではない)理由は、静電放電のリスクを防ぐことである。
【0010】
前者に関して、液体ろ過装置のハウジングの内部が、捕捉された空気または別のガス状流体のポケットを含む場合、ハウジングを通過している液体がろ過膜の面積全体に接触しなくてもよくなり、膜の水分が除去されることができる。水分の除去は、疎水性ろ過膜など、異なるタイプのろ過膜についての懸案事項であり得る。
【0011】
第2の懸案事項は静電放電である。フィルタハウジング、ハウジングの構造および構成要素は、一般的に、非導電性(絶縁性)である、化学耐性をもつポリマー材料で作られる。フィルタハウジングを通過している液体も低い導電性を有する場合、著しい静電気が、フィルタハウジング、システム内の流体、またはシステムの構成要素もしくは構造内に累積するおそれがある。電荷の累積は静電放電のリスクをもたらす。液体ろ過装置ハウジングの上側領域における大量の捕捉空気は、フィルタカートリッジを通って流れる液体の乱流または自由落下をもたらし、それによって、液体、フィルタ装置、構造、またはハウジング内に静電気が累積する可能性がある。
【0012】
さらに詳細には、ろ過システム内における静電気の累積は、ろ過システムを通る液体流体のフローと、ろ過システムの表面(例えば、管材、導管、配管、バルブ、取付具、フィルタハウジング、およびフィルタカートリッジなど)との間の摩擦接触によって起こり得る。電荷累積は、フィルタハウジング内の大量のガス、特にフィルタカートリッジアセンブリの内部のコア容積にあるガスによって引き起こされる、フィルタハウジングを通る液体の不均一なフローまたは乱流によって増加する可能性がある。電荷累積の規模は、ハウジングの性質(例えば、化学組成)、ハウジングを通過する液体のタイプおよび組成、液体の速度、液体の粘度、液体の導電性、接地までの経路、液体中の乱流およびせん断、流体ハンドリングシステム(例えば、フィルタ装置)の流体中における空気の存在および位置、ならびに流体と流体ハンドリング構成要素との間の接触面積のサイズなどの要因によって影響を受ける。
【0013】
さらに、流体が流体ハンドリングシステムを通って流れると、流動帯電(streaming charge)と呼ばれる現象で電荷が下流に運ばれる場合があり、それによって、電荷が発生した位置とは異なる位置に電荷が累積することがある。十分な量の電荷蓄積が、流体ハンドリングシステム、例えばフィルタ装置の構成要素の構造において、静電放電を引き起こす可能性がある。しかしながら、場合によっては、放電は、流体ハンドリングシステムに接続されそれによって供給される処理機器(例えば、半導体製造ツール)など、流体ハンドリングシステムに接続された別の位置で起こることがある。
【0014】
半導体およびマイクロ電子デバイス基板は、静電気の影響を非常に受けやすい。半導体またはマイクロ電子デバイス基板が関与する静電放電は、基板の損傷および破損をもたらす可能性がある。例えば、基板上の回路が破壊される場合があり、制御されない静電放電によって光活性化合物が通常の露光前に活性化される場合がある。加えて、累積した静電気が流体ハンドリングシステム内から外部環境へと放電して、場合によっては流体ハンドリングシステムの構成要素(例えば、管材もしくは配管、取付具、構成要素、容器、フィルタなど)を損傷して、流体ハンドリングシステムの損傷をもたらす可能性があり、それが、システムにおける流体の漏れ、溢水、または性能の減少の原因となるおそれがある。環境によっては、放電は、システムが扱う流体が可燃性、毒性、もしくは腐食性の場合、火災、爆発、または安全上の問題につながることがある。
【0015】
いくつかの流体ハンドリングシステムでは、静電気の累積を低減するため、システム内における静電気の累積を抑制するため、特定の金属または導電性構成要素がアースに接続される。従来の複数の接地ストラップの使用は、流体ハンドリングシステム内における過度の機械的騒音につながることがあり、また接地システムネットワークが複雑になって大がかりな保守点検を要することになるか、または故障しやすい複雑なシステムになることがある。
【0016】
フィルタ装置を含む流体ハンドリングシステムにおいて、性能を改善するとともに、損傷をもたらす可能性がある静電放電イベントのリスクを低減するため、静電抑制システムおよび技術を改善することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0017】
本開示は、特定の観点において、特に、ボウルを上にした構成で設置された液体ろ過装置の使用中、装置のフィルタカートリッジ内の内部コア容積からガス状流体を通気することに関して、改善された通気機構を含む、ろ過装置を提供する。
【0018】
また、特定の例示の実施形態によれば、液体ろ過装置は、別の方法としてまたは加えて、ESD抑制機構とも呼ばれる静電気散逸機構を含む。ESD抑制機構は、装置の任意の1つまたは複数の構成要素を導電性材料で、例えば導電性ポリマーまたは導電性フルオロポリマーで構築することによって、装置に組み込まれてもよい。例示の装置では、通気機構またはハウジングの他の構成要素を、導電性ポリマー、または導電性/非導電性ポリマーのハイブリッド構造など、導電性材料で作ることができる。通気チューブなどの導電性構造が存在する場合、ハウジングに結合され、最終的にはアースに結合されて、ESDのリスクが抑制される。いくつかの実施形態では、絶縁性ポリマーのマニホルドを通って延在する導電性取付具によって、フィルタコア内の電気経路から接地までの回路が完成する(例えば、通気チューブと接地との間に電気的接続を作ることができる)。
【0019】
一態様では、本発明は、液体ろ過装置に関する。装置は、開放端、開放端とは反対側の遠位端、および開放端と遠位端との間に延在する内部を含むボウルと、ボウルの開放端を封止係合することができるマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、内部に配設されたカートリッジアセンブリとを含む。カートリッジアセンブリは、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を含む。カートリッジアセンブリ近位端は、マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含む。カートリッジアセンブリ遠位端は、ボウルの内表面に接触して、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールを内部に形成するように適合された、表面を含む。装置はまた、カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、カートリッジアセンブリの外側でカートリッジアセンブリとハウジングとの間にあるハウジング容積と、ボウル遠位端を通ってコア容積まで延在して、コア容積を液体ろ過装置の外部と流体接続する通気孔と、を含む。
【0020】
別の態様では、本発明は、マニホルドおよびボウルを含むハウジングを含み、ボウルがマニホルドの垂直方向上方に載置された、液体ろ過装置を使用して液体をろ過する方法に関する。ハウジングは、開放端、開放端とは反対側の遠位端、および開放端と遠位端との間に延在する内部を含むボウルと、ボウルの開放端と係合されてマニホルド-ボウル間シールを形成するマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、カートリッジアセンブリ近位端が、マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含み、カートリッジアセンブリ遠位端が、ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを内部に形成するように適合された表面を含む、カートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、カートリッジアセンブリの外側でカートリッジアセンブリとボウルとの間にあるハウジング容積と、ボウル遠位端を通ってコア容積まで延在して、コア容積をボウルの外部と流体接続する通気孔と、を含む。方法は、液体を入口に入れ、入口からハウジング容積を通し、ろ過膜を通してコア容積まで流し、次に出口を通すことによって、液体を装置に通すことであって、ガスがコア容積の遠位領域に蓄積する、液体を装置に通すことと、通気孔を通してガスを放出することと、を含む。
【0021】
さらに別の態様では、本発明は、マニホルドおよびボウルを含むハウジングを含み、ボウルがマニホルドの垂直方向上方に載置された、液体ろ過装置のカートリッジアセンブリを交換する方法に関する。ハウジングは、開放端、開放端とは反対側の遠位端、および開放端と遠位端との間に延在する内部を備えるボウルと、ボウルの開放端と係合されてマニホルド-ボウル間シールを形成するマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、カートリッジアセンブリ近位端が、マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成する表面を含み、カートリッジアセンブリ遠位端が、ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを内部に形成する表面を含む、カートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、カートリッジアセンブリの外側でカートリッジアセンブリとボウルとの間にあるハウジング容積と、ボウル遠位端を通ってコア容積まで延在して、コア容積をボウルの外部と流体接続する通気孔と、を含む。方法は、液体流体を液体ろ過アセンブリから排水することと、マニホルド-ボウル間シールを分解することと、ボウルおよびカートリッジアセンブリをマニホルドの上方まで垂直方向に持ち上げて、ボウルとマニホルドとの間、およびカートリッジアセンブリとマニホルドとの間に垂直方向の遊びを作ることと、ボウルおよびカートリッジアセンブリを共に横方向に移動させて、マニホルドとボウルとの間、およびマニホルドとカートリッジアセンブリとの間に遊びを作ることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ボウルを下にした構成のフィルタ装置を示す図である。
図2】ボウルを上にした構成のフィルタ装置を示す図である。
図3】コア通気孔がフィルタハウジングの遠位端を通っている、ボウルを上にした構成のフィルタ装置を示す概略図である。
図4】コア通気孔がフィルタハウジングの遠位端を通っている、ボウルを上にした構成のフィルタ装置を示す概略図である。
図5図4の例示のフィルタアセンブリを示す断面図である。
図6図5のフィルタアセンブリの一部分を示す拡大図である。
図7】任意選択の静電放電メカニズムを含むように適合されたコア通気孔を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書は、液体ろ過装置に対する改善に関与する、新規な発明のシステムに関する。特定の詳細な非現定例では、本明細書は、ボウルを上にした配向で操作されてもよく、液体ろ過装置の内部内のコア容積を通気する、ボウルを通って延在する通気機構を含む、液体ろ過装置に関する。
【0024】
本明細書はまた、別の方法としてまたは加えて、液体ろ過装置内または隣接する構造内の静電気の累積を抑制して、フィルタ装置もしくは接続されたフロー制御装置または他のタイプの装置からの静電放電(ESD)のリスクを抑制するシステムを組み込んだ、液体ろ過装置に関する。
【0025】
記載されるような液体ろ過装置は、マニホルドおよびボウルの両方を含むハウジング(場合によっては、「フィルタハウジング」と呼ばれる)を含むタイプのものである。ボウルは、開放端および開放端とは反対側の遠位端を含む構造を有する。開放端と遠位端との間で、ボウルは側壁構造を含み、側壁構造はまた、開放端と、側壁と、遠位端との間に載置されたボウルの内部を画定する。「開放」端は、カートリッジアセンブリがそこを通して結合してカートリッジアセンブリを内部内に配置することができる、アパーチャまたは開口部を含む端部を指す。
【0026】
ボウルの遠位端は、1つまたは複数の通気孔が遠位端を通るのを例外として、実質的に閉じている。液体ろ過装置を「ボウルを上にした」構成で使用する場合、ボウルの遠位端は、遠位端の外側とコア容積との間の通気を可能にする開口部を含んでもよい。別の方法としてまたは加えて、ボウルの遠位端は、遠位端の外側とハウジング容積との間の通気を可能にする開口部を含んでもよい。
【0027】
ハウジングはまた、ボウルの開放端に対向しそれを係合して、ボウルの開放端との間に液密シールを形成する、マニホルドを含む。係合は、「マニホルド-ボウル間シール」と呼ばれるマニホルドとボウルの開放端との間の液密シールをもたらす、螺合、ガスケット、クランプ、または他の任意の機械的締結係合を含んでもよい。
【0028】
ボウルの開放端と係合されると、マニホルドは、ボウルの開放端を覆って、開口部を塞いで閉止し、ボウルの内部を覆う。ボウルは、それぞれマニホルド構造の一部である入口および出口の形態の、マニホルドの開口部または通路を通して外部空間と連通する。マニホルド入口は、流体(未ろ過液体)が、マニホルドを通って外部供給源から、フィルタカートリッジのコア容積またはハウジング容積のどちらかであってもよいハウジングの内部空間内へと流れるのを可能にする。マニホルドはまた、コア容積からハウジング外部の位置へ、または開放側空間からハウジング外部の位置へのどちらかで、液体がハウジングから出るのを可能にする、マニホルドを通る通路である出口を含む。
【0029】
ハウジング内部は、入口を通してハウジングに入る未ろ過液体が、入口から入り、内部を通過し、次に出口を通過する際に必ず通る多孔質ろ過膜を収容する、カートリッジアセンブリを収容するように構成される。
【0030】
カートリッジアセンブリは、液体ろ過装置のフィルタハウジング内で使用されるろ過膜を支持する任意の構造であってもよい。多くの場合、つまり一般的に、カートリッジは、近位端(または「カートリッジアセンブリ近位端」)と遠位端(または「カートリッジアセンブリ遠位端」)とを含む対向端部を含む、環状の、一般的には円筒状の支持構造を収容する。ろ過膜は、支持構造によって保持および支持され、2つの対向端部の間で封止されるとともに、カートリッジアセンブリが組み立てられたハウジング内に設置された際に、ハウジング入口を通ってハウジングに入る液体がろ過膜を必ず通過して、液体が実質的にハウジング出口を通過するような位置で封止される。
【0031】
カートリッジアセンブリは、2つの対向端部の間の中心位置または中央位置に沿った、カートリッジアセンブリの長さに沿って延在する軸(例えば、中心軸)を含むものとみなすことができる。カートリッジアセンブリはまた、ろ過膜のコア側に面して、環状または円筒状のカートリッジアセンブリの中央内部に開放空間を画定する。開放空間は、カートリッジアセンブリの2つの対向端部間に延在し、中心軸を含む。この開放空間は、組み立てられたハウジングの「コア容積」と呼ばれ、ろ過膜の一方の側(ろ過膜の「コア側」)に位置し、ろ過膜のコア側とハウジング入口またはハウジング出口のどちらか(一般的に、ハウジング出口)との間に延在する。
【0032】
カートリッジアセンブリは、カートリッジアセンブリが組み立てられたフィルタハウジング内に設置されたときにハウジングボウルに面する、コア側とは反対側の第2の側、即ちハウジング側を含む。カートリッジアセンブリおよびハウジングは、環状のカートリッジアセンブリの外部に第2の開放空間を画定し、この空間は、「ハウジング容積」と呼ばれ、ハウジングボウルの内表面、カートリッジアセンブリのハウジング側、およびろ過膜のハウジング側の間に位置する。このハウジング容積は、ろ過膜のハウジング側、ハウジングボウルの内表面、およびハウジング入口またはハウジング出口の一方(一般的に、入口)の間に延在する。
【0033】
カートリッジアセンブリ近位端は、マニホルドを係合し、マニホルドとカートリッジアセンブリ近位端との間に液密シールを、即ち「カートリッジアセンブリ-マニホルド間シール」を作るように構成される。カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、コア容積とマニホルドとの間に液密流路を設けて、加圧された液体がコア容積とマニホルドとの間を流れ、ハウジング入口またはハウジング出口のどちらかを通ることを可能にする。
【0034】
カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、マニホルドとカートリッジアセンブリ近位端との間に封止された流路をもたらす、任意の有用な設計のものであることができる。例としては、螺合、スナップ嵌め係合、およびプレス係合が挙げられる。
【0035】
カートリッジアセンブリの交換ステップ中に、カートリッジアセンブリをマニホルドから除去するのを簡単にするため、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成する、カートリッジアセンブリ近位端とマニホルドとの間の好ましい係合は、プレス嵌め係合である封止係合であってもよい。このタイプの係合を用いて、カートリッジアセンブリ近位端の表面を押圧してマニホルドの表面と接触させ、カートリッジアセンブリを、中心軸に沿ってマニホルドに向かって、例えば、排他的に軸の方向に沿って、カートリッジアセンブリを中心軸に対して回転させることなく移動させることによって、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成することができる。一般的に、カートリッジアセンブリ近位端は、カートリッジアセンブリの中心軸と整列し、その方向に沿って延在する、円筒状の外側に面する表面を含む。マニホルドは、カートリッジアセンブリ近位端の円筒状表面を係合するように適合された、対向面を画定する開口部を含む。1つまたは複数のガスケット、例えば「Oリング」タイプのガスケットが、マニホルドの対向面と近位端との間に配設されて、液密シールを形成する。
【0036】
封止係合は、近位端をマニホルドの開口部に押し込んで、1つまたは複数のガスケットが対向面の両方に接触した状態で2つの対向面を整列させることによって作ることができる。ハウジングがボウルを上にした構成で設置される場合、これは、カートリッジアセンブリを、カートリッジアセンブリの中心軸に沿って垂直方向下向きの方向で、マニホルドの上面に向かって押圧することを含む。封止係合は、カートリッジアセンブリ近位端の表面をマニホルドの表面から引き離すことによって分解することができる。ハウジングがボウルを上にした構成で設置される場合、これは、カートリッジアセンブリを、カートリッジアセンブリの中心軸に沿って垂直方向上向きの方向で、マニホルドの上面から離れる方向に持ち上げることを含む。
【0037】
ハウジングは、ボウル遠位端において、内部(コア)側容積(または「コア容積」)の位置からハウジング外部の位置への、ガス状流体の通気(除去)を可能にする通気機構を含む。ボウルを上にした構成で説明したような、例えば、液体のフローがハウジング容積(ハウジング入口に接続される)からフィルタコア容積(ハウジング出口に接続される)への方向でろ過膜を通る、液体ろ過装置の使用中、空気または他のガス状流体は、コア容積の「遠位部分」でもあるコア容積の上側部分に集まってもよい。「上側部分」は、ボウルを上にした構成でハウジングを設置したときの、コア容積の上側4分の1、3分の1、または半分を指し、これは、ハウジングの遠位端にマニホルドから離れて位置するコア容積の部分でもある。それと一貫して、「遠位部分」は、ボウルの遠位端の近位側であってボウルの開放端から離れて位置する端部である、コアの遠位端に位置する、コア容積の4分の1、3分の1、または半分を指す。
【0038】
記載するような例示のハウジング構造によれば、ハウジングボウルは、カートリッジアセンブリと併せて、コア容積、例えばコア容積の上側部分(遠位部分)と、ハウジング外部との間の流体連通を可能にして、液体ろ過装置の使用中にコア容積に蓄積することがあるガス状流体をコア容積から除去することを可能にする、通気機構を含む。
【0039】
通気機構は、コア容積とハウジング外部との間に流体連通をもたらす任意の構造を含んでもよい。例としては、コア容積とハウジング外部との間に延在し、ガスがコア容積から流れてコア容積を出て外部位置へと流れることを可能にするのに使用することができる、管、導管、チャネル、または他の通路が挙げられる。通気構造は、単一の一体部品の形態であってもよく、またはコア容積とハウジング外部との間の連続した流体流路を共に形成する2つ以上の部品のアセンブリであってもよい。
【0040】
コア容積とハウジング外部との間の流体連通をもたらす通気機構を提供するため、記載するような液体ろ過装置は、ハウジングボウルの内表面とカートリッジアセンブリの遠位端との間の液密シールを含むことができ、シールは、「カートリッジアセンブリ-ボウル間シール」と呼ばれる。
【0041】
カートリッジアセンブリ-ボウル間シールは、アセンブリ-ボウル間の内表面とカートリッジアセンブリ遠位端との間に液密通路をもたらす、任意の有用な設計のものであることができる。例としては、対向する螺合、スナップ嵌め係合、およびプレス嵌め係合が挙げられる。カートリッジアセンブリ-ボウル間シールを形成する、カートリッジアセンブリ遠位端とボウルの内表面との間の有用な係合の一例は、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールを形成するのに使用される本明細書に記載するようなプレス嵌め係合である、封止係合である。このタイプの係合を用いて、カートリッジアセンブリ遠位端の表面を押圧してボウルの内表面と接触させ、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってボウルの遠位端に向かって移動させることによって、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールを形成することができる。一般的に、カートリッジアセンブリ遠位端は、カートリッジアセンブリの中心軸と整列し、その方向に沿って延在する、円筒状の外側に面する表面を含んでもよい。ボウルの内表面は、カートリッジアセンブリ遠位端の円筒状表面を係合するように構成された、対向面を画定する開口部を含む。1つまたは複数のガスケット、例えば「Oリング」タイプのガスケットが、ボウルの対向面と遠位端との間に配設されて、2つの対向面の間に液密シールを形成する。
【0042】
封止係合は、遠位端を開口部に押し込んで対向面と整列させ、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってボウルの遠位端に向かって移動させ、1つまたは複数のガスケットを対向面の両方と接触させることによって、作ることができる。封止係合は、カートリッジアセンブリ遠位端表面をボウルの表面から引き離し、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってボウルの遠位端から離れる方向に移動させることによって、分解することができる。
【0043】
液体ろ過装置の特定の例は、ハウジングおよびその構成要素内における静電気の累積を抑制して、アースへの静電放電をもたらすのに十分であろう電荷が累積するリスクを抑制する構造である、ESD抑制機構を含むことができる。これらの機構の特定の(非排他的な)例によれば、ESD抑制機構は、通気機構の一部として含めることができる。したがって、ESD抑制機構は、静電気が発生し得る位置である、コア容積の上側部分のガスが蓄積する可能性がある位置に配置することができる。
【0044】
多くの場合、液体ろ過装置の予期される用途に応じて、装置の構造(例えば、ボウル、マニホルド、カートリッジアセンブリの構成要素、隣接するバルブおよびフロー導管など)は、酸化または腐食などの化学的劣化に特に耐性がある不活性ポリマーで作られる。かかる適用例に対する耐腐食性および純度の要件を満たすため、管材、取付具、バルブ、導管、ハウジング、カートリッジアセンブリ、および他の品目など、流体ハンドリングおよび液体ろ過の構成要素は、不活性ポリマーから作られる。有用な不活性ポリマーの例としては、テトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、エチレンテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンポリマー(EFEP)、およびフッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)などのフルオロポリマーが挙げられる。非腐食性および不活性の構成を提供することに加えて、PFAなど、多くのフルオロポリマーは、射出成形可能および押出し加工可能である。用途に応じて、PPまたはHDPEなど、他のポリマーの選択肢も同様に実行可能である。かかるポリマーから作られた、PRIMELOCK(登録商標)取付具、PILLAR(登録商標)取付具、フレア取付具、および他の取付具など、いくつかのタイプのコネクタ取付具が利用可能であって知られている。例示的な取付具は、例えば、米国特許第5,154,453号、第6,409,222号、第6,412,832号、第6,601,879号、第6,758,104号、および第6,776,440に例証されている。しかしながら、これらのタイプの不活性ポリマーは、一般的に、低い導電性を示すかまたは絶縁性であり、そのため、それらの材料およびそれらから作られた構成要素は、静電気の蓄積の影響を受けやすくなる。したがって、記載したように、本明細書のフィルタハウジングはESD抑制機構を含むことができる。
【0045】
ESD抑制機構は、流体中またはハウジング内における静電気の蓄積を防止する、あるいは発生または蓄積した電荷をハウジングの構造から除去または最小化または低減する、記載したようなハウジングの構造または構造の一部分である。ESD抑制は、通気機構の導電性構成要素(例えば、通気導管またはその一部分)、ハウジングボウルの導電性構成要素、ハウジングマニホルドの導電性構成要素、カートリッジアセンブリの導電性構成要素など、アースに接続された、ハウジングの構造の導電性要素であることができる。
【0046】
導電性構成要素は、ハウジングの他の材料と一致する、例えば不活性であってもよい、材料で作られてもよい。例としては、導電性ポリマー、特に導電性フルオロポリマーが挙げられる。導電性フルオロポリマーは、フルオロポリマーをESD機構の一部として十分に有効な導電性をもつものにする、導電性材料を含むように配合された非導電性フルオロポリマーがベースであってもよい。かかるフルオロポリマーの例としては、パーフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、エチレンテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンポリマー(EFEP)、フッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)、ならびに他の好適なポリマー性材料が挙げられる。例示の導電性フルオロポリマーとしては、導電性材料と結合されている(「配合」している)PFA(例えば、配合PFA)が挙げられる。この担持PFAは、それらに限定されないが、炭素繊維、ニッケル被覆グラファイト、炭素繊維、炭素粉末、カーボンナノチューブ、金属粒子、および鋼繊維を担持したPFAを含む。様々な実施形態では、ESD抑制機構の導電性構成要素は、約1×10Ωm未満のレベルの電気抵抗率を有することができ、絶縁性とみなされる材料は、約1×10Ωm超過の抵抗率レベルを有する。特定の実施形態では、ESD抑制機構の導電性構成要素は、約1×10Ωm未満の低効率を有し、非導電性とみなされる材料は、約1×10Ωm超過の抵抗率レベルを有する。
【0047】
次に図面を参照すると、図1は、ボウルを下にした構成で設置され、記載したような通気機構、記載したようなESD抑制機構、または両方など、本明細書に記載するような1つもしくは複数の機構を含んでもよく、または含むように適合されてもよい、液体ろ過アセンブリ10を示している。アセンブリ10は、ハウジングマニホルド22およびハウジングボウル18を含む、ハウジングを含む。ハウジングボウル18は、図示されるようにアセンブリ10の底部または下端に位置する遠位端20と、図示されるようにボウル18の頂部に位置し(「ボウルを下にした」配向の場合)、マニホルド22と係合された、開放端17とを含む。ボウル18は、ねじ式係合または別のタイプの液密封止係合であってもよいマニホルド-ボウル間シール26において、マニホルド22に取外し可能に取り付けられる。
【0048】
組み立てられたハウジングは、カートリッジアセンブリ21が保持される内部を含む。ろ過される液体(「未ろ過液体」)は、入口14でアセンブリ10に入り、マニホルド22の入口14を通過し、次にカートリッジアセンブリ21によって支持されたろ過膜(図示せず)を通り、続いて出口16でアセンブリ10を出ることを含む流路を辿るようにされる(アセンブリ10を通る液体の例示的な流路を示す矢印を参照)。カートリッジアセンブリ21およびボウル18に対して、ハウジングの内部は、カートリッジアセンブリ21のコア側のコア容積13およびそのろ過膜と、カートリッジアセンブリ21のハウジング側のハウジング容積19およびその関連するろ過膜とを含む。1つまたは複数の通気孔は、流体(ガスなど)が、ろ過膜を通過する前または通過した後に、ろ過膜のどちらかの側で(例えば、膜のハウジング空間側もしくは膜のコア容積側で)アセンブリの内部から放出される、経路をもたらすことができる。図1に示されるように、ハウジング通気孔12はボウル18の遠位端20に位置し、コア通気孔24はマニホルド22の一部として含まれる。ハウジング通気孔12は、ハウジング容積19とハウジング外部の位置との間の流体連通を可能にする。コア通気孔24は、コア容積13とハウジング外部の位置との間の流体連通を可能にする。
【0049】
具体的には図示されないが、図1のアセンブリ10は、ESD抑制デバイスなどの本明細書の機構を含んでもよい。
【0050】
図2は、代替のボウルを上にした構成のフィルタ装置10を示している。図示されるように、アセンブリ10は、ボウルを下にした構成の図1のフィルタアセンブリ10と実質的に同じ機構を有するが、垂直方向に反転して、ボウルハウジング18がマニホルド18の上方に位置し、ボウル18の遠位端20がボウル18の開放端17の上方に位置している。
【0051】
図2のボウルを上にした構成によって課題が生じる。例えば、図示されないが、アセンブリを使用して液体をろ過する間、大量の気相(空気)がコア容積13の上側部分に蓄積することがある。かかるコア容積13における大量の蓄積ガスは、通気孔20または通気孔24のどちらを通してもアセンブリ10から除去することができない。
【0052】
別の方法としてまたはそれに加えて、アセンブリ10を使用してアセンブリ10を通過する液体をろ過する間、特に大量のガス(例えば、空気)がコア容積13の上側部分に蓄積すると、コアアセンブリ13、ボウルハウジング18、または両方が、静電気を蓄積することがある。したがって、ボウルを上にした構成で配向したときの、フィルタアセンブリ10の、特に装置内のコア容積の、通気を改善することが有益であろう。液体ろ過中に電荷が蓄積される際の静電放電(ESD)抑制の改善は、図2のフィルタアセンブリ10などのフィルタ装置においても有益であろう。
【0053】
図3に示されるのは、本明細書に記載するような通気機構を含む液体ろ過装置(30)の一例である。フィルタアセンブリ30は、ボウル42およびマニホルド48を含むハウジング41を含む。ハウジング41は、ボウル42の遠位端(上端)に、コア通気孔34およびハウジング通気孔44を備える。図示されるような組み立てられた状態では、マニホルド48は、マニホルド-ボウル間シール60においてハウジングボウル42の開放端(下端)を係合する。マニホルド-ボウル間シール60は、液密シール、例えばねじ式接続、スナップ嵌め接続、バヨネット式ツイストロック接続、または他の任意の好適な液密封止接続であることができる。
【0054】
マニホルド48は、装置30を流体入力導管および流体出力導管(どちらも図示せず)に接続する、流体入口82および流体出口84を含む通路を含む。液体80は、入口82を入ってハウジング容積77に流れ込み、次に、カートリッジアセンブリ56によって支持されたろ過膜54を通過し、コア容積83に入る。未ろ過液体80がろ過膜54を通過すると、未ろ過液体の汚染物質が除去され、ろ過膜54によって保定され、汚染物質のレベルが低減された浸透液81が生成される。浸透液81は、コア容積83を出て、出口84を通過することによってアセンブリ30から流れ出る。
【0055】
ハウジングボウル42は、ハウジングボウル42の遠位端(図示されるようなボウルを上にした構成のときの上端)にコア通気孔34を含む。コア通気孔34は、コア容積83をアセンブリ30の外部の位置と接続する、管、導管、チャネル、または他の流路を含む。加えて、また任意に、ハウジングボウル42はまた、ハウジング容積77とアセンブリ30の外部位置との間に流体連通をもたらす、やはりボウル42の遠位端(上端)に位置する、ハウジング通気孔44を含む。
【0056】
任意に、ただし具体的には図示されないが、アセンブリ30は、アセンブリ30の内部をアースに接続する、アセンブリ30の構造の1つまたは複数に位置する導電性ポリマーなどの、ESD抑制機構を含むことができる。例示のESD抑制機構は、導電性ポリマーを含むアセンブリ30の構造であってもよい。例えば、ハウジングボウル42、コア通気孔34、ハウジング通気孔44、およびカートリッジアセンブリ56の任意の1つまたは複数は、全体的または部分的に導電性ポリマーで作られてもよい。
【0057】
頂部に取り付けられたコア通気孔を含む、記載したような液体ろ過アセンブリ(32)の第2の例が、図4に記載されている。図4のアセンブリ32は、装置30に相当する構造および機能性を含むが、アセンブリ30のより短いコア通気孔34がアセンブリ32のより長いコア通気孔36に置き換えられている。コア通気孔36は、外部位置から、ハウジング42の遠位端を通ってコア容積83に入り、コア容積83の下側部分まで延在する。コア通気孔36は、コア容積83の下側部分に位置する下端を含み、その端部に開口部を有する。具体的には図示されないが、コア通気孔36の長さに沿って、コア容積83の上側部分に位置してもよい1つまたは複数の開口部を含む、1つまたは複数の追加の開口部が存在してもよい。具体的には図示されないコア通気孔36の任意の、場合によっては好ましい機構は、記載したようなESD抑制機構である。
【0058】
アセンブリ30および32はそれぞれ、流路を通してコア容積83を通気することを可能にするコア通気孔(それぞれ、34および36)と、アセンブリがボウルを上にした構成のとき、外部位置からコア容積83の上側部分(アセンブリ30)またはコア容積83の下側部分(アセンブリ32)までの間に延在する、カートリッジアセンブリ56の中心軸とほぼ整列する導管とを含む、液体ろ過アセンブリを示している。
【0059】
図3および図4に示されるように、アセンブリ30または32は、入口82を通してハウジング41に入る未ろ過液体80を受け入れる。未ろ過液体80が受け入れられると、液体が流れ、ハウジング容積77内においてカートリッジアセンブリ56とボウル42の内側との間で分配される。フィルタカートリッジ56のろ過膜54は、入口82と出口84との間の流体流路内にあり、それによって、入口83に入る流体がろ過されてから、出口84を通ってアセンブリ30を出る。
【0060】
矢印によって示されるように、未ろ過液体80は、フィルタカートリッジ56によって支持されたろ過膜54を通って流れ、それにより、未ろ過液体中に存在する様々な汚染物質、粒子、または不純物が、ろ過膜の機械的または化学的機構(例えば、ポア、反応性官能基、膜表面上への吸着)によって、未ろ過液体から除去されてもよい。ろ過済み流体(「浸透液」として知られる)81は、コア容積83から出口84を通ってハウジング41を出ることができる。様々なポンプ、バルブ、流量制御器、および導管などが、所望の量および速度の流体がアセンブリを通って流れるようにするのに有効であり得る。
【0061】
使用中、ガスなどの稠密度が低い流体相を、液体がろ過膜54を通る前または後に、アセンブリ30または32を通過する液相(80、81)から分離することができる。流体80は、ハウジング容積77に入る際は液相であるが、気泡または溶存ガスを包含してもよい。溶存ガスからの気泡は、例えば、ろ過中の流体の圧力降下によって形成される場合がある。ガスが生じ、ハウジング容積77の上側部分のハウジングガスポケット46内に蓄積する場合がある。加えて、コア側ガスポケット58が生じ、ガス側空間83の上側部分にあるガス側空間83内に蓄積することがある。気相は、液体80、81の液相よりも稠密度が低く、気相がそこから分離された液体の上方に蓄積する。
【0062】
ハウジング容積77の上側部分に位置するハウジングガスポケット46は、ハウジング通気孔44を介してハウジング41の外部にガス88として通気することができる。ガス側空間83の上側部分に位置するポケット58内のガスは、コア通気孔34(図3)を通して、または通気孔36(図4)を通して、ガス86として外部位置へと通気することができる。通気孔をろ過膜54のハウジング空間側77およびコア容積側83の両方に設けることによって、有益には、装置30内に蓄積された実質的にすべてのガスを外部位置に通気することができる。
【0063】
引き続き図3および図4を参照すると、アセンブリ30のボウル42の遠位端(上端)において、部分的にはボウル42の内表面によって、例えば図示されるような仕切り74によって、封止された上部空間76が画定される。仕切り74は、ハウジング容積77を、通気孔34または通気孔36を含む封止された上部空間76から分離する。封止された上部空間76はまた、部分的には、カートリッジアセンブリをハウジングボウル42の内部に設置したときに仕切り74の表面に接触する、カートリッジアセンブリ56の遠位端の表面によって画定することができる。
【0064】
上部空間76は、カートリッジアセンブリ56の上方の位置において形作り位置決めすることができ、ハウジングボウルの遠位端において、フィルタカートリッジ56の遠位端とハウジングボウルの内表面との間に液密空間を設けることができる。図3および図4に示されるように、通気孔34および36はそれぞれ、上部空間76を通過する間上部空間76から封止される。他の例示の実施形態では、通気孔34または36は上部空間76と流体連通することができる。
【0065】
カートリッジアセンブリ遠位端は、液密カートリッジアセンブリ-ボウル間シールを形成する任意の有用な手法によって、仕切り74と接合してもよい。係合は、例えば、ねじ式接合、プレス嵌め係合、スナップ嵌め係合などであってもよい。
【0066】
図5図6、および図7は、図4の例示のアセンブリ32の図であり、同様の機構および構造に対して同様の番号指示を使用し、特に、カートリッジアセンブリ-ボウル間シール、カートリッジアセンブリマニホルドシール、およびESD抑制機構に関して詳細を追加している。
【0067】
図5図7は、コア容積83の下側(近位)部分まで、つまり、マニホルド48に最も近いコア容積83の半分、3分の1、または4分の1の部分まで延在するコア通気孔36を含む、アセンブリ32を示している。通気孔36は、流体が通気孔に沿ってコア容積側83から外部位置へと進む、任意の構造であることができる。通気孔36は、中空の管であってもよく、あるいは、通気のための管として機能するスロット入りの管(図7を参照)、ならびにESD抑制機構であってもよい。通気孔36は、本明細書に記載するように、外部位置に対するコア容積83の通気をもたらすように構成することができる。1つの任意の通気孔36として、図7に示されるような通気(スロット入り)プローブ96が使用されてもよい(後述する図7の考察を参照)。あるいは、通気孔36は、通気孔36の長さに沿って1つもしくは複数のアパーチャまたは穴を含む、中空の管またはパイプであることができ、それによって、上側部分を含むコア容積83の様々な深さが通気される。どちらのタイプの通気孔構造も、ESD抑制機構の技術を作り上げるため、部分的または全体的に導電性ポリマーで、例えば導電性フルオロポリマーで作られてもよい。
【0068】
図5および図6は、図4のフィルタアセンブリ32をさらに詳細に示している。特に、これらの図面は、カートリッジアセンブリ-ボウル間シール72およびカートリッジアセンブリ-マニホルド間シール64それぞれに使用される、プレス嵌めタイプのシールの例を示している。
【0069】
カートリッジアセンブリ-ボウル間シール72は、カートリッジアセンブリ56の遠位端の円筒状表面と、その反対側の、仕切り74の円筒状内表面上に位置するハウジングボウル42の円筒状内表面との間のシールとして示される。これら2つの対向面が係合されたとき、その間には、表面間に液密シールをもたらす、2つの「Oリング」タイプのガスケット71および71がある。このカートリッジアセンブリ-ボウル間シールはまた、封止された上部空間76をハウジング容積77から液密シールする。
【0070】
カートリッジアセンブリ-マニホルド間シール(64)は、カートリッジアセンブリ56の近位端の円筒状表面と、その反対側の、仕切り65の一部であるマニホルド48の円筒状内表面との間のシールとして示される。これら2つの対向面が係合されたとき、その間には、2つの「Oリング」タイプのガスケット66および66がある。
【0071】
図示されるように、アセンブリ32はまた、ボウル42の遠位端または部分に取り付けるためのねじ40を含む、コア通気孔上側取付具38を含む。取付具38は、アセンブリ32のコア通気孔36をボウル42の遠位端に固定するようにねじで締め付けることができ、ボウル42の遠位端に封止された付属物を設けることができる。ボウル42および通気孔36に対する取付具38接続は、通気孔36に位置するESD機構とアース(図示せず)との間の回路の一部分として機能することなどによって、ESD抑制機構の一部であることができる。
【0072】
また、マニホルド-ボウル間シール60に関する詳細の例が示されている。例えば、図5および図6に示されるように、マニホルド48はマニホルド-ボウル間シール60の雄ねじ62を備え、マニホルドのねじ山62に螺着してボウル42をマニホルド48にしっかり取り付ける、取付具61が示されている。ねじ式の取付具61の動作によって、カートリッジアセンブリ56およびボウル42がマニホルド48に対して締め付けられたとき、ハウジング容積77は入口84と流体連通し、コア容積83は出口84と通信する。
【0073】
カートリッジアセンブリ56およびそのろ過膜54は、ろ過技術として一般に知られる、本明細書に記載するような、特に、半導体およびマイクロ電子デバイス加工に使用される流体および液体をろ過するのに有用なろ過膜を含む、構造を含むことができる。
【0074】
マニホルド48の出口84と外部位置との間の下側コア通気孔50を、任意に、マニホルド48上に設けることができる。アセンブリ32は、好ましくはボウルを上にした構成で取り付けられるので、通気孔50は、排水または高圧流体放出バルブとして設けることができ、任意のものである。
【0075】
図7は、通気スロット96を備え、プローブ本体98を有する、スロット入りコア通気孔またはプローブ94としての、一実施形態における例示の通気孔(例えば、通気孔36)を示している。図示されるように、プローブ94は中空ではないが、他の実施形態は、中空の管状プローブまたは他の通気孔36を実装することができる。リング100もプローブ94上に設けられる。プローブ94は、本明細書に記載するようなESD抑制をもたらすのに、導電性であることができる。プローブ94は、任意に、ボウル42に組み合わされたままであってもよく、取り外されるかまたはカートリッジアセンブリ56と交換されなくてもよい。プローブ94は、通気孔36の一例であるが、通気孔36の非現定例を表しているにすぎない。通気孔36は、液体ろ過装置の一部として設置されると、コア容積を通気することを可能にする、実質的に管状、中空、穴開き、またはそれ以外の形状であることができる。
【0076】
本明細書の液体ろ過装置は、望ましくない粒子、微粒子、汚染物質、または不純物を未ろ過液体の供給源から除去する方法に使用することができる。粒子または不純物は、溶存有機化合物、溶存金属、固体金属、および他の個体の有機または無機材料など、無機および有機材料を含むことがある。記載する方法は、未ろ過液体を、例えば記載したような入口を通して装置に流し込み、カートリッジアセンブリによって装置内で支持されたろ過膜に通すことによって実施される。ろ過膜に通した後、ろ過済み流体(「ろ過液」)は、例えば記載したような出口を通して、装置から出ることができる。記載したような液体ろ過装置の使用中、ガス状流体がコア容積の上側部分に蓄積している場合、記載したような通気機構を使用して、ガス状流体のその体積をコア容積から除去することができる。
【0077】
記載したような液体ろ過装置は、異なる産業での様々な使用のため、様々なタイプの流体を処理するのに有用であり得る。一例として、本明細書に記載する装置および方法は、例えば、ソーラーパネル、フラットパネルディスプレイ、ならびに半導体およびマイクロ電子デバイスを製造するのに使用される方法において、半導体およびマイクロ電子加工に使用される、精製した液体を準備するのに有効であってもよい。液体は、他のタイプの処理の中でも特に、フォトリソグラフィ、バルクケミカル移送、化学的機械的処理(CMP)、ウェットエッチング、または洗浄などのプロセスで使用されることがある。
【0078】
使用中、カートリッジアセンブリのろ過膜は、膜を通る液体のフローから不純物を除去する。フィルタは、動作寿命が限定されており、ある量の未ろ過液体をろ過膜に通した後、膜は交換しなければならない。ボウルを上にした構成で設置された液体ろ過装置内のカートリッジアセンブリおよび付属のろ過膜を交換する方法は、ハウジング容積およびコア容積の両方からを含めて、ハウジングから液体を排水するステップを含むことができる。液体が両方の空間から排水されると、マニホルド-ボウル間シールを分解することができる。次に、ボウルを垂直方向に持ち上げてマニホルドから離して、ボウルをマニホルドから分離してもよい。
【0079】
カートリッジアセンブリを交換する例示の方法では、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを作るのに使用される係合のタイプに応じて、カートリッジアセンブリは、ボウルを取り外している間、カートリッジアセンブリ近位端がマニホルドと係合されたままの状態で、適所に残っていることが必要なことがある。これらの設計では、カートリッジの遠位端のカートリッジアセンブリ-ボウル間シールは、カートリッジアセンブリをマニホルドから取り外す前に分解しなければならない。カートリッジアセンブリ近位端がマニホルドと係合されたままの状態で、ボウルの開放端(下端)がカートリッジアセンブリ(マニホルドと係合されている)の遠位端(上端)の高さの上方に来る高さまで、ボウルを持ち上げて、カートリッジアセンブリのカバーを外す。続いて、カートリッジアセンブリの近位端におけるカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを分解することによって、カートリッジアセンブリをマニホルドから取り外してもよい。次いで、カートリッジアセンブリの近位端をマニホルドと係合することによって、交換品のカートリッジアセンブリをマニホルドと係合させてもよい。次いで、マニホルドおよびカートリッジアセンブリの上方にボウルを設置し直してもよい。
【0080】
液体ろ過装置のフィルタカートリッジを交換するこの例示の方法では、図3図4図5、または図6の通気孔34または36など、記載したような通気機構は、カートリッジアセンブリの交換中、ボウルと係合されたままであってもよい。記載したような通気孔は、ボウルの遠位端の位置で係合され固定されていてもよく、カートリッジアセンブリと共に除去され交換される必要はない。他の実施形態では、通気孔は、カートリッジアセンブリの一部とみなされてもよく、ハウジングから取り外され、カートリッジアセンブリの一部として交換されてもよい。
【0081】
いくつかの設置された液体ろ過装置では、ボウルを上にした構成で設置された液体ろ過装置のカートリッジアセンブリを交換する好ましい方法は、望ましくは、カートリッジアセンブリの近位端をマニホルドと係合させたまま、カートリッジアセンブリの高さの上方であるボウル開放端の高さまで、ボウルを持ち上げる必要性をなくしてもよい。例えば、特定のタイプの半導体およびマイクロ電子デバイス加工システム(例えば、「ツール」)、ならびにそれらの使用場所(クリーンルーム)では、ろ過装置の上方の空間を含む、空間の値は相当である。
【0082】
有利には、本明細書によれば、液体ろ過装置の特定の例は、カートリッジアセンブリの高さの上方である(ボウル開放端の)高さまでボウルを持ち上げて、マニホルドと係合されたままのカートリッジアセンブリのカバーを外して露出させることなく、カートリッジアセンブリを交換する目的のために分解することができる。具体的には、記載したような様々な装置は、マニホルドとカートリッジアセンブリ近位端との組み合わせを含み、それらを組み立てて、カートリッジアセンブリ近位端を押圧してマニホルドの表面と接触させることによって、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成することができる。カートリッジアセンブリをマニホルドに向かって押圧してシールを形成する動きは、マニホルドに向かうカートリッジアセンブリの中心軸に排他的に沿ったものであってもよく、シールの形成には、カートリッジアセンブリの中心軸を中心にしたカートリッジアセンブリの回転など、カートリッジアセンブリの他のいずれの方向の動きも必要としない。シールは、螺合、ツイストロック係合、またはカートリッジアセンブリを中心軸に沿った方向以外の任意の方向で動かす必要がある他の任意の係合を含まない。
【0083】
このタイプの好ましいプレス嵌めシールは、記載したように(また、図5で詳細に例示したように)、カートリッジアセンブリの中心軸に沿ってマニホルドから離れる方向に、即ち上方向に、カートリッジを排他的に移動させることを含む反対方向の移動によって、分解することができる。必要な移動距離は限定されており、カートリッジアセンブリの近位端とマニホルドとの間に物理的な垂直方向の遊び(空間)をもたらすようなマニホルド上方の距離で、カートリッジアセンブリの近位端が持ち上げられればよい。ボウル-マニホルド間シールおよびカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールの両方を分解し、ボウルとマニホルドとの間、およびカートリッジアセンブリの近位端とマニホルドとの間の両方で垂直方向の遊びをもたらす高さまで、ボウルおよびカートリッジアセンブリを持ち上げると、ボウルおよびカートリッジアセンブリは共に、カートリッジアセンブリが少なくとも部分的に(または実質的に)ボウルの内部空間内に残ったまま、マニホルドの上方の空間から離れるように横方向に動かされてもよい。横方向移動によって、マニホルドとボウルとの間、およびマニホルドとカートリッジアセンブリとの間に横方向の遊びが作られる。
【0084】
カートリッジアセンブリおよびボウルをマニホルドから離れる方向に取り外す際、カートリッジアセンブリ遠位端は、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールにおいて、ボウルの遠位端の内部に接続されたままであってもよい。このシールを分解して、カートリッジアセンブリをボウルの内部空間から除去するのを可能にすることができる。カートリッジアセンブリ-ボウル間シールを分解するのに必要な動きは、シールのタイプ、例えばねじ式、ツイストロック、またはプレス嵌めに応じて決まる。例えば、図5および図6に示されるような、プレス嵌めシールの場合、シールは、カートリッジアセンブリの中心軸に沿ってカートリッジアセンブリをボウル遠位端から引き離す動きによって、排他的に分解されてもよい。
【0085】
液体ろ過装置のフィルタカートリッジを交換するこの例示の方法では、図3図4図5、または図6の通気孔34または36など、記載したような通気機構は、カートリッジアセンブリの交換中、ボウルと係合されたままであってもよい。記載したような通気孔は、ボウルの遠位端の位置で係合され固定されていてもよく、カートリッジアセンブリと共に除去され交換される必要はない。他の実施形態では、通気孔は、カートリッジアセンブリの一部とみなされてもよく、カートリッジアセンブリの一部としてハウジングから取り外され交換されてもよい。
【0086】
第1の態様では、液体ろ過装置は、開放端、開放端とは反対側の遠位端、および開放端と遠位端との間に延在する内部を備えるボウルと、ボウルの開放端を封止係合することができるマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、カートリッジアセンブリ近位端が、マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含み、カートリッジアセンブリ遠位端が、ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを内部に形成するように適合された表面を含む、カートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、カートリッジアセンブリの外側でカートリッジアセンブリとボウルとの間にあるハウジング容積と、ボウル遠位端を通ってコア容積まで延在して、コア容積を液体ろ過装置の外部と流体接続する通気孔と、を備える。
【0087】
第1の態様による第2の態様では、カートリッジアセンブリは、コア容積内でカートリッジアセンブリ近位端とカートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面を押圧してマニホルドの表面と接触させ、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってマニホルドに向かって移動させることによって形成することができ、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面をマニホルドの表面から引き離し、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってマニホルドの表面から離れるように移動させることによって分解することができる。
【0088】
第1または第2の態様による第3の態様では、カートリッジアセンブリは、コア容積内でカートリッジアセンブリ近位端とカートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールは、カートリッジアセンブリ遠位端表面を押圧してボウルの表面と接触させ、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってボウルに向かって移動させることによって形成することができ、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールは、カートリッジアセンブリ遠位端表面をボウルの表面から引き離し、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってボウルの表面から離れるように移動させることによって分解することができる。
【0089】
第3の態様による第4の態様では、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面とマニホルドの表面との間に、環状封止ガスケットを含む。
【0090】
上述の態様のいずれかによる第5の態様では、通気孔を選択的に開閉して、コア容積と外部との間の流体連通を選択的に可能にすることができる。
【0091】
上述の態様のいずれかによる第6の態様では、流体入口はハウジング容積と連通し、流体出口はコア容積と連通する。
【0092】
いずれかの上述の態様による第7の態様では、通気孔は、第1の端部および第2の端部を有する導管を備え、第1の端部はコア容積の遠位部分に位置し、第2の端部は外部に位置する。
【0093】
いずれかの上述の態様による第8の態様では、通気孔は、コア容積をアースに電気的に接続する導電性材料を含む。
【0094】
第9の態様では、液体ろ過装置を使用して液体をろ過する方法は、マニホルドおよびボウルを含むハウジングを備え、ボウルがマニホルドの垂直方向上方に載置された装置に流体を入れることであって、ハウジングが、開放端、開放端とは反対側の遠位端、および開放端と遠位端との間に延在する内部を備えるボウルと、ボウルの開放端と係合されてマニホルド-ボウル間シールを形成するマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、カートリッジアセンブリ近位端が、マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含み、カートリッジアセンブリ遠位端が、ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを内部に形成するように適合された表面を含む、カートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、カートリッジアセンブリの外側でカートリッジアセンブリとボウルとの間にあるハウジング容積と、ボウル遠位端を通ってコア容積まで延在して、コア容積をハウジングの外部と流体接続する通気孔と、を備える、装置に流体を入れることと、液体を入口に入れ、入口からハウジング容積に通し、ろ過膜に通してコア容積まで至らせ、次に出口を通すことであって、ガスがコア容積の遠位部分に蓄積する、液体を通すことと、通気孔を通してガスを放出することと、を含む。
【0095】
第9の態様による第10の態様では、カートリッジアセンブリは、コア容積内でカートリッジアセンブリ近位端とカートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面を押圧してマニホルドの表面と接触させ、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってマニホルドに向かって移動させることによって形成することができ、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面をマニホルドの表面から引き離し、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってマニホルドの表面から離れるように移動させることによって分解することができる。
【0096】
第9または第10の態様による第11の態様では、カートリッジアセンブリは、コア容積内でカートリッジアセンブリ近位端とカートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールは、カートリッジアセンブリ遠位端表面を押圧してボウルの表面と接触させ、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってボウルに向かって移動させることによって形成することができ、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールは、カートリッジアセンブリ遠位端表面をボウルの表面から引き離し、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってボウルの表面から離れるように移動させることによって分解することができる。
【0097】
第11の態様による第12の態様では、カートリッジアセンブリ-ボウル間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面とボウルの表面との間に、環状封止ガスケットを含む。
【0098】
第9~第12の態様のいずれかによる第13の態様では、流体入口はハウジング容積と連通し、流体出口はコア容積と連通する。
【0099】
第9~第13の態様のいずれかによる第14の態様では、通気孔は、コア容積をアースに電気的に接続する導電性材料を含む。
【0100】
第15の態様では、マニホルドおよびボウルを含むハウジングを備え、ボウルがマニホルドの垂直方向上方に載置された、液体ろ過装置のカートリッジアセンブリを交換する方法であって、ハウジングは、開放端、開放端とは反対側の遠位端、および開放端と遠位端との間に延在する内部を備えるボウルと、ボウルの開放端と係合されてマニホルド-ボウル間シールを形成するマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、カートリッジアセンブリ近位端が、マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成する表面を含み、カートリッジアセンブリ遠位端が、ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを内部に形成する表面を含む、カートリッジアセンブリと、カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、カートリッジアセンブリの外側でカートリッジアセンブリとボウルとの間にあるハウジング容積と、ボウル遠位端を通ってコア容積まで延在して、コア容積をボウルの外部と流体接続する通気孔と、を備え、方法は、液体流体を液体ろ過アセンブリから排水することと、マニホルド-ボウル間シールを分解することと、ボウルおよびカートリッジアセンブリをマニホルドの上方まで垂直方向に持ち上げて、ボウルとマニホルドとの間、およびカートリッジアセンブリとマニホルドとの間に垂直方向の遊びを作ることと、ボウルおよびカートリッジアセンブリを共に横方向に移動させて、マニホルドとボウルとの間、およびマニホルドとカートリッジアセンブリとの間に横方向の遊びを作ることと、を含む。
【0101】
第15の態様による第16の態様では、カートリッジアセンブリは、コア容積内でカートリッジアセンブリ近位端とカートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面を押圧してマニホルドの表面と接触させ、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってマニホルドに向かって移動させることによって形成することができ、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールは、カートリッジアセンブリ近位端表面をマニホルドの表面から引き離し、カートリッジアセンブリを中心軸に沿ってマニホルドの表面から離れるように移動させることによって分解することができ、方法は、カートリッジマニホルドをマニホルドの上方で垂直方向に持ち上げることによって、カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを分解することを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ろ過装置であって、
開放端、前記開放端とは反対側の遠位端、および前記開放端と前記遠位端との間に延在する内部を含むボウルと、
前記ボウルの前記開放端を封止係合することができるマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、
前記内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、前記カートリッジアセンブリ近位端が、前記マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含み、前記カートリッジアセンブリ遠位端が、前記ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを前記内部に形成するように適合された表面を含む、カートリッジアセンブリと、
前記カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、
前記カートリッジアセンブリの外側で前記カートリッジアセンブリと前記ボウルとの間にあるハウジング容積と、
前記ボウル遠位端を通って前記コア容積まで延在して、前記コア容積を前記液体ろ過装置の外部と流体接続する通気孔と
を備える、液体ろ過装置。
【請求項2】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を押圧して前記マニホルドの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を前記マニホルドの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を押圧して前記ボウルの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を前記ボウルの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面と前記マニホルドの前記表面との間に、環状封止ガスケットを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記通気孔を選択的に開閉して、前記コア容積と前記外部との間の流体連通を選択的に可能にすることができる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記流体入口が前記ハウジング容積と連通し、前記流体出口が前記コア容積と連通する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記通気孔が、第1の端部および第2の端部を有する導管を備え、前記第1の端部が前記コア容積の遠位部分に位置し、前記第2の端部が前記外部に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記通気孔が、前記コア容積をアースに電気的に接続する導電性材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
液体ろ過装置を使用して液体をろ過する方法であって、
マニホルドおよびボウルを含むハウジングを備え、前記ボウルが前記マニホルドの垂直方向上方に載置された前記装置に流体を入れることであって、前記ハウジングが、
開放端、前記開放端とは反対側の遠位端、および前記開放端と前記遠位端との間に延在する内部を備える前記ボウルと、
前記ボウルの前記開放端と係合されてマニホルド-ボウル間シールを形成するマニホルドであって、流体入口および流体出口を備えるマニホルドと、
前記内部に配設されたカートリッジアセンブリであって、ろ過膜、カートリッジアセンブリ近位端、およびカートリッジアセンブリ遠位端を備え、前記カートリッジアセンブリ近位端が、前記マニホルドの表面に接触してカートリッジアセンブリ-マニホルド間シールを形成するように適合された表面を含み、前記カートリッジアセンブリ遠位端が、前記ボウルの内表面に接触してカートリッジアセンブリ-ボウル間シールを前記内部に形成するように適合された表面を含む、カートリッジアセンブリと、
前記カートリッジアセンブリの中央内側にあるコア容積と、
前記カートリッジアセンブリの外側で前記カートリッジアセンブリと前記ボウルとの間にあるハウジング容積と、
前記ボウル遠位端を通って前記コア容積まで延在して、前記コア容積を前記ハウジングの外部と流体接続する通気孔と、を備える
前記装置に流体を入れることと、
前記液体を前記入口に入れ、前記入口から前記ハウジング容積に通し、前記ろ過膜に通して前記コア容積まで至らせ、次に前記出口を通すことであって、ガスが前記コア容積の遠位領域に蓄積する、前記液体を通すことと、
前記通気孔を通して前記ガスを放出することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を押圧して前記マニホルドの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-マニホルド間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面を前記マニホルドの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記マニホルドの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カートリッジアセンブリが、前記コア容積内で前記カートリッジアセンブリ近位端と前記カートリッジアセンブリ遠位端との間に延在する中心軸を有し、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を押圧して前記ボウルの前記表面と接触させ、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルに向かって移動させることによって形成することができ、
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ遠位端表面を前記ボウルの前記表面から引き離し、前記カートリッジアセンブリを前記中心軸に沿って前記ボウルの前記表面から離れるように移動させることによって分解することができる、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記カートリッジアセンブリ-ボウル間シールが、前記カートリッジアセンブリ近位端表面と前記ボウルの前記表面との間に、環状封止ガスケットを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記流体入口が前記ハウジング容積と連通し、前記流体出口が前記コア容積と連通する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記通気孔が、前記コア容積をアースに電気的に接続する導電性材料を含む、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】