(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(54)【発明の名称】有機蒸気によるフォトレジストの現像
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20231206BHJP
G03F 7/36 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01L21/30 569H
G03F7/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533602
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 US2021061751
(87)【国際公開番号】W WO2022125388
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディクタス・ドライズ
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チェンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン・エリック・カルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ウエイドマン・ティモシー・ウィリアム
【テーマコード(参考)】
2H196
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA13
2H196CA17
2H196EA07
2H196GA36
2H196GA60
5F146LB07
5F146LB09
(57)【要約】
【解決手段】レジストの現像は、例えば、高解像度パターニングの場面においてパターニングマスクを形成するのに有用である。現像は、カルボン酸などの有機蒸気を使用して達成することができる。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、トリフルオロ酢酸である。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンである。EUV感受性有機金属酸化物などの金属含有レジスト膜は、乾式または湿式堆積技法を使用して半導体基板上に堆積させることができる。半導体基板上の金属含有レジスト膜は、有機蒸気を使用して現像することができ、またはプロセスチャンバの表面上に形成された金属含有レジスト材料の残留物は、有機蒸気を使用して除去することができる。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上にフォトパターニングされた金属含有レジストを設けることと、
有機蒸気を含む現像化学物質に曝露することで前記フォトパターニングされた金属含有レジストの一部を選択的に除去することによって前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像し、レジストマスクを形成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、カルボン酸を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記現像化学物質は、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む、方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、前記有機蒸気を前記フォトパターニングされた金属含有レジストと反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む、方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも前記有機蒸気に曝露することを含む、方法。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストは、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストであり、前記フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、有機金属酸化物または有機金属含有膜である、方法。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、前記現像化学物質を用いて前記フォトパターニングされた金属含有レジストのEUV露光部分に対してEUV非露光部分を選択的に除去し、前記レジストマスクを形成することを含む、方法。
【請求項11】
方法であって、
プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上に金属含有レジスト材料を堆積することであって、前記金属含有レジスト材料の一部は、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に残留物を形成する、金属含有レジスト材料の堆積と、
有機蒸気を含むドライエッチャントを前記プロセスチャンバに導入することであって、前記ドライエッチャントは、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面上の前記残留物を少なくとも部分的に除去する、ドライエッチャントの導入と、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、カルボン酸を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、方法。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ドライエッチャントは、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む、方法。
【請求項17】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記残留物の少なくとも部分的な除去は、前記有機蒸気を前記金属含有レジスト材料と反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む、方法。
【請求項18】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記残留物の少なくとも部分的な除去は、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも前記有機蒸気に曝露することを含む、方法。
【請求項19】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属含有レジスト材料は、有機金属酸化物または有機金属含有膜である、方法。
【請求項20】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ドライエッチャントを導入した後に前記プロセスチャンバをパージし、前記プロセスチャンバから残留ドライエッチャントを除去することと、
前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面上に前記金属含有レジスト材料の保護コーティングを形成することによって、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面をコンディショニングすることと
をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
集積回路などの半導体デバイスの製作は、フォトリソグラフィを伴う多段階プロセスである。一般に、このプロセスは、ウエハ上への材料の堆積と、リソグラフィ技法により材料をパターニングし、半導体デバイスの構造的フィーチャ(例えば、トランジスタおよび回路)を形成することとを含む。当技術分野で知られている典型的なフォトリソグラフィプロセスのステップは、スピンコーティングなどによってフォトレジストを塗布する基板を準備することと、所望のパターンでフォトレジストを光に露光し、フォトレジストの露光領域を現像液にある程度可溶にすることと、現像液を適用してフォトレジストの露光領域または非露光領域を除去することによって現像を行うことと、エッチングまたは材料堆積などによって、フォトレジストが除去された基板の領域上にフィーチャを形成する後続の処理を行うこととを含む。
【0003】
半導体設計の進化は、半導体基板材料上にさらに小さなフィーチャを形成する必要性を生じさせ、かつその能力によって推進されている。この技術の進歩は、「ムーアの法則」において、高密度集積回路におけるトランジスタの密度が2年ごとに2倍になることとして特徴付けられている。実際、チップの設計および製造は進歩しており、最新のマイクロプロセッサは、単一のチップ上に数十億個のトランジスタおよび他の回路フィーチャを含むことが可能である。そのようなチップ上の個々のフィーチャは、22ナノメートル(nm)以下程度、場合によっては10nm未満であり得る。
【0004】
そのような小さなフィーチャを有するデバイスを製造する際の1つの課題は、十分な解像度を有するフォトリソグラフィマスクを確実かつ再現可能に形成する能力である。現在のフォトリソグラフィプロセスは、典型的には、フォトレジストを露光するために193nmの紫外(UV)光を使用する。光が半導体基板上に作製されるフィーチャの所望のサイズよりも大幅に長い波長を有するという事実が、固有の問題を引き起こす。光の波長よりも小さいフィーチャサイズを達成するには、マルチパターニングなどの複雑な解像度向上技法の使用が必要である。したがって、10nm~15nm、例えば、13.5nmの波長を有する極紫外線(EUV)などの短波長光を使用するフォトリソグラフィ技法の開発には大きな関心があり、かつその研究努力が注がれている。
【0005】
しかし、EUVフォトリソグラフィプロセスは、パターニング中の出力の低下および光の損失などの課題を有する場合がある。193nmのUVリソグラフィで使用されるものと同様の従来の有機化学増幅レジスト(CAR)は、特にEUV領域において吸収係数が低く、かつ光活性化化学種の拡散によりぼけまたはラインエッジラフネスが生じる可能性があるため、EUVリソグラフィで使用する場合に潜在的な欠点を有する。さらに、下層のデバイス層をパターニングするのに必要な耐エッチング性を提供するために、従来のCAR材料でパターニングされた小さなフィーチャは、パターン崩壊のリスクがある高アスペクト比をもたらす場合がある。したがって、厚さの減少、より大きな吸光度、およびより大きな耐エッチング性などの性質を有する改善されたEUVフォトレジスト材料の必要性が依然として存在する。
【0006】
ここで提供される背景の説明は、本技術の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本技術に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0007】
フォトパターニングされた金属含有レジストを現像する方法が、本明細書に提供される。方法は、プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上にフォトパターニングされた金属含有レジストを設けることと、有機蒸気を含む現像化学物質に曝露することでフォトパターニングされた金属含有レジストの一部を選択的に除去することによってレジストを乾式現像し、レジストマスクを形成することとを含む。
【0008】
いくつかの実施態様では、有機蒸気は、カルボン酸を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む。いくつかの実施態様では、現像化学物質は、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む。いくつかの実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、有機蒸気をフォトパターニングされた金属含有レジストと反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む。いくつかの実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも有機蒸気に曝露することを含む。いくつかの実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストは、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストであり、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、有機金属酸化物または有機金属含有膜である。いくつかの実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、現像化学物質を用いてレジストのEUV露光部分に対してEUV非露光部分を選択的に除去し、レジストマスクを形成することを含む。
【0009】
プロセスチャンバの1つまたは複数の表面から残留物を除去する方法もまた、提供される。方法は、プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上に金属含有レジスト材料を堆積することであって、金属含有レジスト材料の一部は、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に残留物を形成することと、有機蒸気を含むドライエッチャントをプロセスチャンバに導入することであって、ドライエッチャントは、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上の残留物を少なくとも部分的に除去することとを含む。
【0010】
いくつかの実施態様では、有機蒸気は、カルボン酸を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む。いくつかの実施態様では、ドライエッチャントは、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む。いくつかの実施態様では、残留物の少なくとも部分的な除去は、有機蒸気を金属含有レジスト材料と反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む。いくつかの実施態様では、残留物の少なくとも部分的な除去は、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも有機蒸気に曝露することを含む。いくつかの実施態様では、金属含有レジスト材料は、有機金属酸化物または有機金属含有膜である。いくつかの実施態様では、方法は、ドライエッチャントを導入した後にプロセスチャンバをパージし、プロセスチャンバから残留ドライエッチャントを除去することと、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に金属含有レジスト材料の保護コーティングを形成することによって、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面をコンディショニングすることとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、いくつかの実施態様による、フォトレジストを堆積および現像するための例示的な方法のフロー図である。
【0012】
【
図2】
図2は、いくつかの実施態様による、金属含有レジストを乾式現像する例示的な方法のフロー図である。
【0013】
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施態様による、乾式現像の様々な処理段階の断面概略図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施態様による、乾式現像の様々な処理段階の断面概略図である。
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施態様による、乾式現像の様々な処理段階の断面概略図である。
【0014】
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施態様による、不活性ガスプラズマを適用しない乾式現像の断面概略図である。
【0015】
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施態様による、デスカムのための乾式現像サイクル不活性ガスプラズマの断面概略図である。
【0016】
【
図5】
図5は、いくつかの実施態様による、乾式チャンバ洗浄の例示的な方法のフロー図である。
【0017】
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施態様による、乾式チャンバ洗浄の様々な処理段階の断面概略図である。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施態様による、乾式チャンバ洗浄の様々な処理段階の断面概略図である。
【
図6C】
図6Cは、いくつかの実施態様による、乾式チャンバ洗浄の様々な処理段階の断面概略図である。
【
図6D】
図6Dは、いくつかの実施態様による、乾式チャンバ洗浄の様々な処理段階の断面概略図である。
【0018】
【
図7】
図7は、いくつかの実施態様による、乾式現像、洗浄、再加工、デスカム、および平滑化動作を実施するのに適した例示的なプロセスステーションの概略図である。
【0019】
【
図8】
図8は、本明細書に記載の様々な乾式現像、洗浄、再加工、デスカム、および平滑化動作の実施に適した例示的なマルチステーション処理ツールの概略図である。
【0020】
【
図9】
図9は、本明細書に記載の特定の実施態様および動作を実施するための例示的な誘導結合プラズマ装置の断面概略図である。
【0021】
【
図10】
図10は、本明細書に記載のプロセスの実施に適した、真空移送モジュールとインターフェースする真空統合堆積およびパターニングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する図である。
【0022】
【
図11A】
図11Aは、いくつかの実施態様による、乾式堆積装置の一例の断面概略図である。
【0023】
【
図11B】
図11Bは、いくつかの実施態様による、乾式堆積装置のトッププレート、基板、およびエッジリングの一部の詳細な側断面図および平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、一般に、半導体処理の分野に関する。特定の態様では、本開示は、例えばEUVパターニングまたは他の波長パターニングの場面においてパターニングマスクを形成するために、有機酸などの有機蒸気を使用してフォトレジスト(例えば、EUV感受性金属および/または金属酸化物含有フォトレジスト)を現像するためのプロセスおよび装置を対象とする。以下の説明はEUVフォトレジストに焦点を当てているが、本明細書で説明するフォトレジストは他の波長の放射線での使用にも適し得ることは明らかであり、本明細書で説明する技法および装置はEUVフォトレジストの製造のみに限定されるものではない。
【0025】
本明細書では、本開示の特定の実施形態を詳細に参照する。特定の実施形態の例は、添付の図面に示されている。本開示は、これらの特定の実施形態と併せて説明されるが、本開示をそのような特定の実施形態に限定することを意図していないことが理解されるであろう。逆に、本開示の精神および範囲内に含まれ得る代替物、修正物、および均等物をカバーすることを意図している。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。本開示は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができる。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0026】
序論
半導体処理における薄膜のパターニングは、多くの場合、半導体の製造において重要なステップである。パターニングは、リソグラフィを伴う。193nmのフォトリソグラフィなどの従来のフォトリソグラフィでは、パターンは、光子を光子源からマスク上に放出し、そのパターンを感光性フォトレジスト上に印刷することによって印刷され、それによってフォトレジスト内で化学反応を引き起こし、現像後、フォトレジストの特定の部分を除去してパターンを形成する。
【0027】
先端技術ノード(国際半導体技術ロードマップによって定義される)には、22nm、16nm、およびそれ以降のノードが挙げられる。例えば、16nmノードでは、ダマシン構造における典型的なビアまたはラインの幅は、典型的には、約30nm以下である。先端半導体集積回路(IC)および他のデバイス上のフィーチャのスケーリングが、リソグラフィを推進して解像度を改善する。
【0028】
極紫外(EUV)リソグラフィは、従来のフォトリソグラフィ方法で達成可能なものよりも短い結像源波長に移行することによって、リソグラフィ技術を拡張することができる。約10~20nm、または11~14nmの波長、例えば13.5nmの波長のEUV光源を、スキャナとも呼ばれる最先端のリソグラフィツールに使用することができる。EUV放射線は、石英および水蒸気を含む広範囲の固体および流体材料に強く吸収されるため、真空中で動作する。
【0029】
EUVリソグラフィは、下層のエッチングに使用するマスクを形成するようにパターニングされたEUVレジストを利用する。EUVレジストは、液体ベースのスピンオン技法によって得られるポリマーベースの化学増幅レジスト(CAR)であってもよい。CARに代わるものは、オレゴン州コーバリスのInpriaから入手可能であり、例えば、米国特許出願公開第2017/0102612号、米国特許出願公開第2016/021660号、および米国特許出願公開第2016/0116839号に記載されているものなど、直接フォトパターニング可能な金属酸化物含有膜であり、上記の出願は、少なくともフォトパターニング可能な金属酸化物含有膜の開示について、参照により本明細書に組み込まれる。そのような膜は、スピンオン技法または乾式気相堆積によってもたらされ得る。金属酸化物含有膜は、例えば2018年6月12日に発行され、EUV PHOTOPATTERNING OF VAPOR-DEPOSITED METAL OXIDE-CONTAINING HARDMASKSと題する米国特許第9,996,004号、および/または2019年5月9日に出願され、METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKSと題する国際特許出願第PCT/US2019/31618号に記載されている、30nm未満のパターニング解像度を提供する真空雰囲気でのEUV露光によって直接(すなわち、別々のフォトレジストを使用せずに)パターニングすることができ、EUVレジストマスクを形成するための直接フォトパターニング可能な金属酸化物膜の組成、堆積、およびパターニングに少なくとも関連する上記の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。一般に、パターニングは、EUV放射線でEUVレジストを露光してレジストにフォトパターンを形成し、続いて現像してフォトパターンに従ってレジストの一部を除去し、マスクを形成することを伴う。
【0030】
本開示は、EUVリソグラフィによって例示されるリソグラフィパターニング技法および材料に関するが、他の次世代リソグラフィ技法にも適用可能であることも理解されたい。現在使用および開発されている標準的な13.5nmのEUV波長を含むEUVに加えて、そのようなリソグラフィに最も関連する放射線源は、一般に248nmまたは193nmのエキシマレーザ源の使用を指すDUV(深UV)、正式にはX線範囲のより低いエネルギー範囲におけるEUVを含むX線、ならびに広いエネルギー範囲をカバーすることができるeビームである。特定の方法は、半導体基板および最終的な半導体デバイスで使用される特定の材料および用途に依存し得る。したがって、本出願で説明される方法は、本技術で使用され得る方法および材料の単なる例示にすぎない。
【0031】
直接フォトパターニング可能なEUVレジストは、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物で構成され得るか、またはそれらを含有し得る。金属/金属酸化物は、EUV光子の吸収を強化し、二次電子を生成し、かつ/または下層の膜スタックおよびデバイス層に対して高いエッチング選択性を示すことができるという点で、非常に有望である。今日まで、これらのレジストは湿式(溶剤)手法を使用して開発されており、これにはウエハがトラックに移動する必要があり、そこでウエハは現像溶剤に曝露され、乾燥され、そしてベークされる。湿式現像は生産性を制限するだけでなく、表面張力効果および/または層間剥離によるライン崩壊を引き起こす可能性もある。
【0032】
基板剥離および界面欠陥を排除することによってこれらの問題を克服するために、乾式現像技法が提案されている。乾式現像は、より狭いライン幅での性能を改善することができ(例えば、湿式現像で見られる表面張力によるライン崩壊および層間剥離を防止する)、スループットを向上させる可能性がある(例えば、湿式現像トラックの必要性を回避することによって)。他の利点には、有機溶剤現像剤の使用の排除、下層接着に対する感度の低下、および溶解度に基づく制限をなくすことが挙げられ得る。乾式現像は、さらなる調整可能性を提供し、さらに限界寸法(CD)制御およびスカム除去を行うことも可能である。
【0033】
乾式現像には、非露光レジスト材料とEUV露光レジスト材料との間のエッチング選択性を含む独自の課題があり、湿式現像と比較した場合、効果的なレジスト露光のためのサイズ要件に対する線量がより高くなる場合がある。最適ではない選択性は、フィーチャエッジにおけるコントラストの低下によりPRコーナーを丸くしてしまう可能性もあり、これにより次の転写エッチングステップにおけるラインCDのばらつきが増加する場合がある。
【0034】
金属含有レジストの乾式除去
本開示の様々な態様によれば、フォトパターニングされた金属含有フォトレジストは、有機酸または他の気相前駆体の蒸気に曝露することによって現像される。EUV感受性金属または金属酸化物含有膜、例えば、有機スズ酸化物が半導体基板上に配置される。EUV感受性金属または金属酸化物含有膜は、真空雰囲気中でのEUV露光によって直接パターニングされる。次に、現像化学物質を使用してパターンが現像され、レジストマスクを形成する。いくつかの実施態様では、現像化学物質は、乾式現像化学物質である。いくつかの実施態様では、乾式現像化学物質は、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気を含む。そのような乾式現像技法は、有機蒸気を流しつつ穏やかなプラズマ(高圧、低電力)または非プラズマ熱プロセスのいずれかを使用しながら行うことができる。追加的または代替的に、本開示は、有機酸または他の気相前駆体に曝露することによってプロセスチャンバの内面からEUVレジスト材料または金属含有レジスト材料を乾式チャンバ洗浄することを提供する。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、トリフルオロ酢酸である。乾式洗浄は、非プラズマ熱ベースの洗浄動作であってもよい。乾式チャンバ洗浄は、堆積、ベベルエッジ、および/もしくは裏面洗浄、ベーク、現像、またはエッチング動作に使用される任意のプロセスチャンバ内で実施することができる。
【0035】
本開示の様々な実施態様は、気相堆積、EUVリソグラフィパターニング、および乾式現像によるすべての乾式動作を組み合わせることを含むことができる。様々な他の実施態様は、湿式処理動作と乾式処理動作の組み合わせを含み、例えば、スピンオンEUVフォトレジスト(湿式プロセス)は、本明細書に記載のような乾式現像または他の湿式プロセスもしくは乾式プロセスと組み合わせることができる。また、ベベル洗浄および裏面洗浄、チャンバ洗浄、デスカム、平滑化、膜特性を修正および強化させる硬化、ならびにフォトレジスト再加工処理などの様々な堆積後(または塗布後)プロセスについても説明される。
【0036】
図1は、いくつかの実施態様による、フォトレジストを堆積および現像するための例示的な方法のフロー図を示す。プロセス100の動作は、異なる順序で、および/または異なる、より少ない、もしくは追加の数の動作で実施されてもよい。プロセス100の態様は、
図2、
図3A~
図3C、
図4A~
図4B、
図5、および
図6A~
図6Dを参照して説明され得る。プロセス100の1つまたは複数の動作は、
図7~
図11Bのいずれか1つに記載された装置を使用して実施することができる。いくつかの実施態様では、プロセス100の動作は、少なくとも部分的に、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアに従って実装されてもよい。いくつかの実施態様では、乾式チャンバ洗浄は、堆積、裏面洗浄およびベベルエッジ洗浄、塗布後ベーク、露光後ベーク、または乾式現像後に実施されてもよい。
【0037】
プロセス100のブロック102において、フォトレジストの層が堆積される。これは、気相堆積プロセスなどの乾式堆積プロセス、またはスピンオン堆積プロセスなどの湿式プロセスのいずれかであり得る。
【0038】
フォトレジストは、金属含有EUVレジストであってもよい。EUV感受性金属または金属酸化物含有膜は、湿式(例えば、スピンオン)または乾式(例えば、CVD)堆積技法を含む任意の適切な技法によって半導体基板上に堆積され得る。例えば、記載のプロセスは、有機スズ酸化物に基づくEUVフォトレジスト組成物について実証されており、市販のスピンコート可能な配合物(例えば、オレゴン州コーバリスのInpria Corpから入手可能な配合物)と、以下でさらに説明される乾式真空堆積技法を使用して適用される配合物の両方に適用可能である。
【0039】
半導体基板は、フォトリソグラフィ処理、特に集積回路および他の半導体デバイスの生産に適した任意の材料構造を含むことができる。いくつかの実施態様では、半導体基板は、ケイ素ウエハである。半導体基板は、不規則な表面トポグラフィを有するフィーチャ(「下層フィーチャ」)がその上に形成されたケイ素ウエハであってもよい。本明細書で言及される場合、「表面」は、本開示の膜が堆積される表面、または処理中にEUVに露光される表面である。下層フィーチャは、本開示の方法を行う前の処理中、材料が(例えば、エッチングによって)除去された領域、または材料が(例えば、堆積によって)追加された領域を含み得る。そのような事前処理には、本開示の方法、または2つ以上のフィーチャの層が基板上に形成される反復プロセスにおける他の処理方法が挙げられ得る。
【0040】
EUV感受性薄膜を半導体基板上に堆積することができ、そのような膜は、その後のEUVリソグラフィおよび処理のためのレジストとして動作可能である。そのようなEUV感受性薄膜は、EUVに露光されると、低密度のM-OH富化材料中の金属原子に結合した嵩高いペンダント置換基の喪失などの変化を受け、より高密度のM-O-M結合金属酸化物材料への架橋を可能にする材料を含む。EUVパターニングを通じて、非露光領域と比較して物理的または化学的性質が変化した膜の領域が形成される。これらの性質は、非露光領域もしくは露光領域のいずれかを溶解するため、または露光領域もしくは非露光領域のいずれかに材料を選択的に堆積するためなど、後続の処理で利用することができる。いくつかの実施態様では、非露光膜は、そのような後続の処理が実施される条件下で露光膜よりも疎水性の高い表面を有する。例えば、材料の除去は、膜の化学組成、密度、および架橋の違いを利用することによって実施されてもよい。除去は、以下でさらに説明されるように、湿式処理または乾式処理によって行うことができる。
【0041】
薄膜は、様々な実施態様において、有機金属材料、例えば酸化スズを含む有機スズ材料、または他の金属酸化物材料/部分である。有機金属化合物は、有機金属前駆体と逆反応剤の気相反応で作製され得る。様々な実施態様において、有機金属化合物は、嵩高いアルキル基またはフルオロアルキル基を有する有機金属前駆体の特定の組み合わせを逆反応剤と混合し、気相中で混合物を重合させることにより形成され、半導体基板上に堆積する低密度のEUV感受性材料を発生させる。
【0042】
様々な実施態様において、有機金属前駆体は、気相反応に耐えることができる各金属原子上に少なくとも1つのアルキル基を含むが、金属原子に配位した他の配位子またはイオンは逆反応剤によって置換され得る。有機金属前駆体は、以下の式の有機金属前駆体を含む:
MaRbLc
(式1)
【0043】
式中、Mは、高いパターニング放射線吸収断面を有する要素であり、Rは、CnH2n+1などのアルキルであり、好ましくはn=1~6であり、Lは、逆反応剤と反応する配位子、イオン、または他の部分であり、a≧1、b≧1、およびc≧1である。様々な実施態様において、Mは、1×107cm2/モル以上の原子吸収断面を有する。Mは、例えば、スズ、ハフニウム、テルル、ビスマス、インジウム、アンチモン、ヨウ素、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの実施態様では、Mは、スズである。Rは、例えば、式CnFxH(2n+1)を有するようにフッ素化されてもよい。様々な実施態様において、Rは、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を有する。例えば、Rは、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。Lは、アミン(ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノなど)、アルコキシ、カルボキシレート、ハロゲン、およびそれらの混合物からなる群から選択される部分など、逆反応剤によって容易に置換されてM-OH部分を生成する任意の部分であってもよい。
【0044】
有機金属前駆体は、多種多様な候補金属有機前駆体のいずれかであってもよい。例えば、Mがスズである場合、そのような前駆体には、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ、n-プロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、エチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、および類似のアルキル(トリス)(t-ブトキシ)スズ化合物、例えばt-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズが挙げられる。いくつかの実施態様では、有機金属前駆体は、部分的にフッ素化される。
【0045】
逆反応剤は、化学結合を介して少なくとも2つの金属原子を連結するために、反応性部分、配位子、またはイオン(例えば、上記の式1のL)を置換する能力を有する。逆反応剤には、水、過酸化物(例えば、過酸化水素)、ジヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、および他のヒドロキシル部分の源が挙げられ得る。様々な実施態様において、逆反応剤は、隣接する金属原子間に酸素ブリッジを形成することによって有機金属前駆体と反応する。他の潜在的な逆反応剤には、硫黄ブリッジを介して金属原子を架橋することができる硫化水素および二硫化水素が挙げられる。
【0046】
薄膜は、有機金属前駆体および逆反応剤に加えて任意選択の材料を含み、EUVに対する膜の感度を修正する、または耐エッチング性を強化するなど、膜の化学的もしくは物理的性質を修正することができる。そのような任意選択の材料は、半導体基板上への堆積前、薄膜の堆積後、またはその両方における気相形成中のドーピングなどによって導入されてもよい。いくつかの実施態様では、穏やかなリモートH2プラズマを導入することで一部のSn-L結合をSn-Hで置換することができ、これによりEUV下でのレジストの反応性を高めることができる。
【0047】
様々な実施態様において、EUVパターニング可能な膜は、当技術分野で知られている気相堆積機器およびプロセスを使用して作製され、半導体基板上に堆積される。そのようなプロセスでは、重合有機金属材料が気相で、または半導体基板の表面上にin situで形成される。適切なプロセスには、例えば、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、ならびにCVD成分を用いたALD、例えば金属前駆体および逆反応剤が時間または空間のいずれかで分離される不連続なALD様プロセスが挙げられる。
【0048】
一般に、方法は、有機金属前駆体の蒸気流を逆反応剤の蒸気流と混合して重合有機金属材料を形成することと、有機金属材料を半導体基板の表面上に堆積することとを含む。いくつかの実施態様では、複数の有機金属前駆体が蒸気流に含まれる。いくつかの実施態様では、複数の逆反応剤が蒸気流に含まれる。当業者には理解されるように、プロセスの混合および堆積の態様は、実質的に連続したプロセスにおいて同時に行うことが可能である。
【0049】
例示的な連続CVDプロセスでは、別々の入口経路において、有機金属前駆体および逆反応剤の源の2つ以上のガス流がCVD装置の堆積チャンバに導入され、そこでそれらが混合して気相中で反応し、(例えば、金属-酸素-金属結合形成を介して)凝集ポリマー材料を形成する。ガス流は、例えば、別々の注入入口またはデュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入することができる。装置は、有機金属前駆体および逆反応剤の流れがチャンバ内で混合され、それにより有機金属前駆体および逆反応剤が反応して重合有機金属材料を形成することができるように構成される。本技術の機構、機能、または有用性を限定することなく、このような気相反応からの生成物は、金属原子が逆反応剤によって架橋されるにつれて分子量が重くなり、次いで凝縮されるか、場合によっては半導体基板上に堆積されると考えられている。様々な実施態様において、嵩高いアルキル基の立体障害は、高密度に充填されたネットワークの形成を防止し、滑らかで非晶質の低密度膜を発生させる。
【0050】
CVDプロセスは、一般に、10ミリTorr~10Torrなどの減圧で行われる。いくつかの実施態様では、プロセスは、0.5~2Torrで行われる。いくつかの実施態様では、半導体基板の温度は、反応剤の流れの温度以下である。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であり得る。様々なプロセスにおいて、基板上への重合有機金属材料の堆積は、表面温度に反比例する速度で発生する。
【0051】
いくつかの実施態様では、EUVパターニング可能な膜は、当技術分野で知られている湿式堆積機器およびプロセスを使用して作製され、半導体基板上に堆積される。例えば、有機金属材料は、半導体基板の表面上にスピンコーティングによって形成される。
【0052】
半導体基板の表面上に形成されるEUVパターニング可能な膜の厚さは、表面特性、使用される材料、および処理条件に従って変化し得る。様々な実施態様において、膜厚は、0.5nm~100nmの範囲であり得、EUVパターニングの条件下でEUV光の大部分を吸収するのに十分な厚さであり得る。EUVパターニング可能な膜は、30%以上の吸収に対応することができ、それによってEUVパターニング可能な膜の底部に向かって利用可能なEUV光子が大幅に少なくなる。EUV吸収が高いと、EUV露光膜の底部と比較して、EUV露光膜の上部付近での架橋および緻密化が多くなる。架橋が不十分である場合、湿式現像ではレジストがリフトオフまたは崩壊しやすくなる可能性があるが、乾式現像ではそのようなリスクは存在しない。全乾式リソグラフィ手法は、より不透明なレジスト膜によるEUV光子のより効率的な利用を容易にすることができる。EUV光子の効率的な利用は、全体の吸収率がより高いEUVパターニング可能な膜で行われ得るが、場合によっては、EUVパターニング可能な膜が約30%未満であり得ることが理解されるであろう。比較のために、大部分の他のレジスト膜の最大全体吸収率は30%未満(例えば、10%以下、または5%以下)であるため、レジスト膜の底部におけるレジスト材料は十分に露光される。いくつかの実施態様では、膜厚は、10nm~40nm、または10nm~20nmである。本開示の機構、機能、または有用性を限定することなく、本開示のプロセスは、基板の表面接着性質にほとんど制限がなく、したがって多種多様な基板に適用することができる。さらに、上述のように、堆積膜は、表面フィーチャに密接に適合し、そのようなフィーチャを「埋める」あるいは平坦化することなく、下層のフィーチャを有する基板などの基板の上にマスクを形成する際に利点を提供することができる。
【0053】
プロセス100のブロック102で半導体基板上に金属含有EUVレジスト薄膜を堆積することに加えて、一部の金属含有EUVレジスト材料は、プロセスチャンバの内面上に残留物として形成される場合がある。内面には、プロセスチャンバのチャンバ壁、床、および天井が含まれ得る。他の内面には、シャワーヘッド、ノズル、および基板支持表面が含まれる場合がある。金属含有EUVレジスト材料は、CVDまたはALDプロセスなどの乾式堆積プロセスの結果として形成され得る。金属含有EUVレジスト材料の残留物の厚さは、プロセスチャンバ内で実施される追加の処理(例えば、堆積)動作の結果として、経時的に増加することがある。残留物は、プロセスチャンバの内面から剥がれ落ち、粒子を落とし、または剥離することで、下流のプロセスで汚染を引き起こす傾向がある。
【0054】
プロセス100のブロック150において、乾式チャンバ洗浄が、プロセス100のブロック102における金属含有EUVレジスト薄膜の堆積後に実施される。これにより、堆積および乾式洗浄を同じプロセスチャンバ内で実施することが可能になる。しかし、乾式チャンバ洗浄は、いくつかの実施態様では、堆積動作とは異なるプロセスチャンバ内で実施されてもよいことが理解されるであろう。実際、乾式チャンバ洗浄は、ベベルエッジおよび/もしくは裏面洗浄、ベーク、現像、またはエッチング動作の後に実施されてもよく、これは、堆積チャンバと同じであってもなくてもよい、これらの動作のいずれかが実施されるチャンバ内にも残留物が形成される場合があるためである。
【0055】
除去される乾式堆積されたEUVレジスト材料は、一般に、Sn、O、およびCで構成されるが、同じ洗浄手法を他の金属酸化物レジストおよび材料の膜に拡張することができる。加えて、この手法は、膜剥離およびフォトレジスト再加工に使用することができる。
【0056】
ブロック104において、半導体基板の裏面および/またはベベルエッジを洗浄するために、任意選択の洗浄プロセスが実施される。裏面および/またはベベルエッジ洗浄は、EUVレジスト膜を非選択的にエッチングし、基板裏面およびベベルエッジ上の様々なレベルの酸化または架橋を伴う膜を均等に除去することができる。湿式堆積処理または乾式堆積処理によるEUVパターニング可能な膜の適用中、基板のベベルエッジおよび/または裏面上にレジスト材料の意図しない堆積が生じる場合がある。意図しない堆積により、後に望ましくない粒子が半導体基板の上面に移動して粒子欠陥となることがある。さらに、このベベルエッジおよび裏面堆積は、パターニング(スキャナ)および現像ツールの汚染を含む、下流の処理上の問題を引き起こす可能性もある。従来、このベベルエッジの除去および裏面堆積は、湿式洗浄技法によって行われている。スピンコーティングされたフォトレジスト材料の場合、このプロセスはエッジビード除去(EBR)と呼ばれ、基板がスピンしている間にベベルエッジの上下から溶媒の流れを誘導することによって実施される。同じプロセスを、気相堆積技法によって堆積された可溶性有機酸化スズベースのレジストに適用することが可能である。
【0057】
基板のベベルエッジおよび/または裏面洗浄は、乾式洗浄プロセスであってもよい。いくつかの実施態様では、乾式洗浄プロセスは、以下のガス:HBr、HCl、BCl3、SOCl2、Cl2、BBr3、H2、O2、PCl3、CH4、メタノール、アンモニア、ギ酸、NF3、HFの1つまたは複数を有する蒸気および/またはプラズマを伴う。いくつかの実施態様では、乾式洗浄プロセスは、本明細書に記載の乾式現像プロセスと同じ化学物質を使用してもよい。例えば、ベベルエッジおよび/または裏面洗浄には、トリフルオロ酢酸などの有機酸または他の有機蒸気を使用することができる。ベベルエッジおよび/または裏面洗浄プロセスの場合、基板の表側上の膜を劣化させることなく、裏面およびベベルのみが確実に除去されるように蒸気および/またはプラズマを基板の特定の領域に限定する必要がある。
【0058】
プロセス条件は、ベベルエッジおよび/または裏面洗浄のために最適化することができる。いくつかの実施態様では、より高い温度、より高い圧力、および/またはより高い反応剤流量により、エッチング速度を増加させることが可能である。乾式ベベルエッジおよび裏面洗浄に適したプロセス条件は、以下の通りであり得る:フォトレジスト膜ならびに組成および性質に応じて、100~10000sccmの反応剤流量(例えば、500sccmのHCl、HBr、HI、またはH2およびCl2もしくはBr2、BCl3もしくはH2、または他のハロゲン含有化合物)、20~140℃の温度(例えば、80℃)、20~1000mTorr(例えば、100mTorr)の圧力、または50~765Torr(例えば、760Torr)の圧力、高周波(例えば、13.56MHz)における0~500Wのプラズマ電力、および約10~20秒の時間。ベベルおよび/または裏面洗浄は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なCoronus(登録商標)ツールを使用して達成することができるが、処理リアクタの能力に応じて、より広い範囲のプロセス条件を使用することができる。
【0059】
ベベルエッジおよび/または裏面洗浄は、代わりに、元のフォトレジストが損傷しているか他の欠陥がある場合など、塗布されたEUVフォトレジストが除去され、半導体基板がフォトレジストの再塗布のために準備される完全なフォトレジスト除去またはフォトレジスト「再加工」に拡張することができる。フォトレジスト再加工は、下層の半導体基板に損傷を与えることなく達成されるべきであるため、酸素ベースのエッチングは回避するべきである。代わりに、本明細書に記載のような有機蒸気化学物質またはハロゲン含有化学物質の変形を使用することができる。フォトレジスト再加工動作は、プロセス100中のどの段階でも適用することができることが理解されるであろう。したがって、フォトレジスト再加工動作は、堆積後、ベベルエッジおよび/または裏面洗浄後、PAB処理後、EUV露光後、PEB処理後、現像後、またはハードベーク後に適用され得る。いくつかの実施態様では、フォトレジスト再加工は、フォトレジストの露光領域および非露光領域を非選択的に除去するが、下層に対しては選択的に除去するために実施されてもよい。
【0060】
いくつかの実施態様では、フォトレジスト再加工プロセスは、以下のガスの1つまたは複数を有する蒸気および/またはプラズマを伴う:HBr、HCl、HI、BCl3、Cl2、BBr3、H2、PCl3、CH4、メタノール、アンモニア、ギ酸、NF3、HF。いくつかの実施態様では、フォトレジスト再加工は、本明細書に記載の乾式現像プロセスと同じ化学物質を使用することができる。例えば、フォトレジスト再加工には、トリフルオロ酢酸などの有機酸または他の有機蒸気を使用することができる。
【0061】
プロセス条件は、フォトレジスト再加工のために最適化することができる。いくつかの実施態様では、より高い温度、より高い圧力、および/またはより高い反応剤流量により、エッチング速度を増加させることが可能である。フォトレジスト再加工に適したプロセス条件は、以下の通りであり得る:フォトレジスト膜ならびに組成および性質に応じて、100~500sccmの反応物流量(例えば、500sccmのHCl、HBr、HI、BCl3またはH2およびCl2またはBr2)、20~140℃の温度(例えば、80℃)、20~1000mTorr(例えば、300mTorr)の圧力、または50~765Torr(例えば、760Torr)の圧力、高周波(例えば、13.56MHz)における0~800W(例えば、500W)のプラズマ電力、0~200Vbのウエハバイアス(下層の基板材料が硬い場合ほど、高いバイアスが使用され得る)、およびEUVフォトレジストを完全に除去するのに十分な、約20秒~3分の時間。これらの条件は、いくつかの処理リアクタ、例えば、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なKiyoエッチングツールに適しているが、処理リアクタの能力に応じて、より広い範囲のプロセス条件を使用することができることを理解されたい。
【0062】
プロセス100のブロック150において、乾燥チャンバ洗浄動作が、プロセス100のブロック104におけるベベルエッジおよび/または裏面洗浄の後に実施されてもよい。これにより、ベベルエッジおよび/または裏面洗浄ならびに乾燥チャンバ洗浄を同じプロセスチャンバ内で実施することが可能になる。しかし、乾式チャンバ洗浄は、いくつかの実施態様では、ベベルエッジおよび/または裏面洗浄とは異なるプロセスチャンバ内で実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0063】
プロセス100のブロック106において、任意選択の塗布後ベーク(PAB)が、金属含有EUVレジスト膜の堆積の後、およびEUV露光の前に実施される。PAB処理は、金属含有EUVレジスト膜のEUV感度を増加させるために熱処理、化学物質への曝露、および水分の組み合わせを伴うことができ、それによってEUV線量を低減して金属含有EUVレジスト膜にパターンを現像する。PAB処理温度は、金属含有EUVレジスト膜の感度を増加させるために調整および最適化することができる。例えば、処理温度は、約90℃~約200℃、または約150℃~約190℃であってもよい。いくつかの実施態様では、PAB処理は、大気圧と真空との間の圧力において、約1~15分、例えば約2分の処理期間にわたって行うことができる。いくつかの実施態様では、PAB処理は、約100℃~230℃の温度で約1分~2分にわたって行われる。
【0064】
プロセス100のブロック150において、乾式チャンバ洗浄動作が、プロセス100のブロック106におけるPAB処理の後に実施されてもよい。これにより、ベークおよび乾式チャンバ洗浄を同じプロセスチャンバ内で実施することが可能になる。しかし、乾式チャンバ洗浄は、いくつかの実施態様では、PAB処理とは異なるプロセスチャンバ内で実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0065】
プロセス100のブロック108において、金属含有EUVレジスト膜がEUV放射線に曝露され、パターンを現像する。一般的に言えば、EUV露光は、金属含有EUVレジスト膜における化学組成および架橋の変化を引き起こし、その後の現像に利用することができるエッチング選択性のコントラストをもたらす。
【0066】
次に、金属含有EUVレジスト膜は、典型的には比較的高真空下で、膜の領域をEUV光に露光することによってパターニングされ得る。本明細書で有用なEUVデバイスおよびイメージング方法には、当技術分野で知られている方法が挙げられる。特に、上述のように、膜の露光領域は、非露光領域と比較して物理的または化学的性質が変化したEUVパターニングにより形成される。例えば、露光領域では、金属-炭素結合の開裂は、ベータ水素化物の脱離により起こる場合があり、これにより後続の露光後ベーク(PEB)ステップ中に金属-酸素ブリッジを介して水酸化物および架橋金属酸化物部分に変換することができる反応性およびアクセス可能な金属水素化物官能基が残される。このプロセスを使用して、ネガ型レジストとして現像するための化学的コントラストを形成することができる。一般に、アルキル基中のベータHの数が多いほど、膜の感度がより高くなる。これは、より多くの分岐を伴う弱いSn-C結合として説明することも可能である。露光に続いて、金属含有EUVレジスト膜をベークすることで、金属酸化物膜のさらなる架橋を生じさせることができる。露光領域と非露光領域との間の性質の違いは、非露光領域を溶解する、または露光領域に材料を堆積するなど、後続の処理で利用され得る。例えば、乾式方法を使用してパターンを現像し、金属酸化物含有マスクを形成することができる。
【0067】
特に、様々な実施態様において、表面上に存在するヒドロカルビル末端酸化スズは、特に露光がEUVを使用して真空中で実施される場合、イメージング層の露光領域において水素末端酸化スズに変換される。しかし、露出したイメージング層を真空から空気中に除去すること、または酸素、オゾン、H2O2、もしくは水を制御して導入することにより、表面Sn-HがSn-OHに酸化する可能性がある。露光領域と非露光領域との間の性質の違いは、例えば照射領域、非照射領域、またはその両方を1つまたは複数の試薬と反応させ、材料をイメージング層に選択的に追加するか、またはイメージング層から材料を除去することによって後続の処理で利用され得る。
【0068】
本技術の機構、機能、または有用性を限定することなく、例えば、10mJ/cm2~100mJ/cm2の線量でのEUV露光は、Sn-C結合の開裂をもたらし、これによりアルキル置換基が失われ、立体障害が軽減され、したがって低密度膜が崩壊することを可能にする。加えて、ベータ水素化物脱離反応で生成された反応性金属-H結合は、膜中のヒドロキシルなどの隣接する活性基と反応することができ、これはさらなる架橋および緻密化をもたらし、露光領域と非露光領域との間に化学的コントラストを形成することができる。
【0069】
金属含有EUVレジスト膜をEUV光に露光した後、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストが提供される。フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、EUV露光領域およびEUV非露光領域を含む。
【0070】
プロセス100のブロック110において、任意選択の露光後ベーク(PEB)が、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストのエッチング選択性のコントラストをさらに高めるために実施される。フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、EUV露光領域の架橋を促進するために様々な化学種の存在下で熱処理することができ、または例えば100℃~250℃で1~5分間(例えば、190℃で2分間)、周囲空気中のホットプレート上で単にベークすることが可能である。
【0071】
様々な実施態様において、ベーク戦略には、ベーク雰囲気の慎重な制御、反応性ガスの導入、および/またはベーク温度の上昇速度の慎重な制御を伴う。有用な反応性ガスの例には、例えば、空気、H2O、H2O2蒸気、CO2、CO、O2、O3、CH4、CH3OH、N2、H2、NH3、N2O、NO、アルコール、アセチルアセトン、ギ酸、Ar、He、またはそれらの混合物が挙げられる。PEB処理は、(1)EUV露光中に生成される有機フラグメントの完全な蒸発を駆動し、(2)EUV露光によって生成された任意のSn-H、Sn-Sn、またはSnラジカル種を金属水酸化物に酸化し、(3)隣接するSn-OH基間の架橋を促進し、より高密度に架橋されたSnO2様ネットワークを形成するように設計されている。ベーク温度は、最適なEUVリソグラフィ性能を達成するために慎重に選択される。PEB温度が低すぎると架橋が不十分になり、その結果、所与の線量での現像についての化学的コントラストが低下する場合がある。PEB温度が高すぎると、非露光領域(この例ではマスクを形成するためにパターニングされた膜の現像によって除去される領域)における激しい酸化および膜の収縮、ならびにフォトパターニングされた金属含有EUVレジストと下層との間の界面における望ましくない相互拡散などの悪影響も生じる可能性があり、その両方が不溶性スカムによる化学的コントラストの損失および欠陥密度の増加に寄与する場合がある。PEB処理温度は、約100℃~約300℃、約170℃~約290℃、または約200℃~約240℃であり得る。いくつかの実施態様では、PEB処理は、大気圧と真空との間の圧力において、約1~15分、例えば約2分の処理期間にわたって行うことができる。いくつかの実施態様では、PEB熱処理は、エッチング選択性をさらに高めるために繰り返すことができる。
【0072】
プロセス100のブロック150において、乾式チャンバ洗浄動作が、プロセス100のブロック110におけるPEB処理の後に実施されてもよい。これにより、ベークおよび乾式チャンバ洗浄を同じプロセスチャンバ内で実施することが可能になる。しかし、乾式チャンバ洗浄は、いくつかの実施態様では、PEB処理とは異なるプロセスチャンバ内で実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0073】
プロセス100のブロック112において、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストが現像され、レジストマスクを形成する。様々な実施態様において、露光領域が除去される(ポジ型)か、非露光領域が除去される(ネガ型)。いくつかの実施態様では、現像は、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストの露光領域または非露光領域のいずれかへの選択的堆積と、それに続くエッチング動作とを含み得る。いくつかの実施態様では、現像は、1つまたは複数の有機蒸気(例えば、トリフルオロ酢酸)への曝露により行われてもよい。現像は、いくつかの実施態様ではプラズマを当てることなく行うことができる。または、現像は、リモートプラズマ源内で活性化される、またはリモートUV放射線への曝露によって活性化される1つまたは複数の有機蒸気(例えば、トリフルオロ酢酸)の流れにより行われてもよい。現像用のフォトレジストは、スズ、ハフニウム、テルル、ビスマス、インジウム、アンチモン、ヨウ素、およびゲルマニウムからなる群から選択される要素を含み得る。要素は、高いパターニング放射線吸収断面を有し得る。いくつかの実施態様では、要素は、高いEUV吸収断面を有し得る。いくつかの実施態様では、金属含有EUVレジストは、30%を超える全体の吸収率を有することができる。全乾式リソグラフィプロセスにおいては、これによりEUV光子をより効率的に利用することができ、より厚く、かつよりEUV不透明なレジストの現像が可能になる。
【0074】
現像プロセスの例には、有機スズ酸化物含有EUV感受性フォトレジスト薄膜(例えば、厚さ10~30nm、例えば20nm)をEUV露光線量および露光後ベークに供し、その後現像することが挙げられる。フォトレジスト膜は、例えば、イソプロピル(トリス)(ジメチルアミノ)スズなどの有機スズ前駆体と水蒸気の気相反応に基づいて堆積されてもよく、または有機マトリックス中にスズクラスタを含むスピンオン膜であってもよい。
【0075】
プロセス100のブロック150において、乾式チャンバ洗浄が、プロセス100のブロック112における乾式現像の後に実施されてもよい。これにより、乾式現像および乾式チャンバ洗浄が同じプロセスチャンバ内で実施することが可能になる。しかし、乾式チャンバ洗浄は、いくつかの実施態様では、乾式現像とは異なるプロセスチャンバ内で実施されてもよいことが理解されるであろう。さらに、乾式チャンバ洗浄は、エッチング動作と同じプロセスチャンバ内で実施されてもよいし、異なるプロセスチャンバ内で実施されてもよいことが理解されるであろう。エッチング動作は、半導体基板の基板下層をエッチングするために適用されてもよい。
【0076】
プロセス100のブロック114において、半導体基板は、任意選択でハードベークを受ける。ハードベーク中、半導体基板は、高温に曝露される。例えば、半導体基板は、約50℃以上、約100℃~約300℃、または約170℃~約290℃の高温に曝露されてもよい。ハードベークは、現像から残留溶媒またはエッチングガスを排除することができる。
【0077】
図2は、いくつかの実施態様による、金属含有レジストを乾式現像する例示的な方法のフロー図を示す。プロセス200の動作は、異なる順序で、および/または異なる、より少ない、もしくは追加の数の動作で実施されてもよい。プロセス200の態様は、
図3A~
図3Cおよび
図4A~
図4Bを参照して説明され得る。プロセス200の1つまたは複数の動作は、
図7~
図11Bのいずれか1つに記載された装置を使用して実施することができる。いくつかの実施態様では、プロセス200の動作は、少なくとも部分的に、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアに従って実装されてもよい。
【0078】
プロセス200のブロック202において、フォトパターニングされた金属含有レジストが、プロセスチャンバ内の半導体基板の表面上に設けられる。金属含有レジストが、半導体基板の表面上に堆積されてもよい。金属含有レジストは、スキャナまたはEUVリソグラフィツールによってUV放射線(例えば、EUV放射線)に露光され、フォトパターニングされた金属含有レジストを形成することができる。いくつかの実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストは、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストである。例えば、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、有機金属酸化物または有機金属含有膜である。半導体基板は、スキャナおよび/またはPEB処理チャンバ内で処理した後にプロセスチャンバ内に設けられてもよい。
【0079】
プロセス200のブロック204において、フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像して有機蒸気を含む現像化学物質に曝露することによってレジストの一部を選択的に除去し、レジストマスクを形成する。フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、現像化学物質を用いてレジストのEUV露光部分に対してEUV非露光部分を選択的に除去し、レジストマスクを形成することを含む。典型的には、現像は、湿式現像化学物質を使用して行われる。溶媒を使用した湿式現像は、望ましくない廃棄物の流れを発生させる。湿式現像は、一般に、水分および/または酸素を伴い、スカムの形成をより容易に引き起こす。湿式現像は溶解度およびクラスタサイズによって限定されるが、乾式現像は溶解度およびクラスタサイズによって限定されない。湿式現像は、乾式現像が回避するパターン崩壊および層間剥離の問題をより起こしやすい。本開示における現像は、湿式現像化学物質の代わりに乾式現像化学物質を使用して気相で行われる。
【0080】
乾式現像化学物質を使用する現像は、通常、三塩化ホウ素(BCl3)の蒸気、塩素ガス(Cl2)もしくは臭素ガス(Br2)と混合された水素ガス(H2)、または臭化水素(HBr)、塩化水素(HCl)、もしくはフッ化水素(HF)などのハロゲン化水素の蒸気などのハロゲンの蒸気を伴う。しかし、そのような蒸気は、現像後に残留物またはスカムを残す可能性がある。残留物は、半導体基板の表面、場合によってはチャンバ壁に吸着された残留エッチング副生成物を含む場合がある。例えば、ハロゲンの蒸気は水分または酸素と反応し、除去が困難な残留エッチング副生成物を形成することがある。場合によっては、残留エッチング副生成物は、粘着性があり除去しにくい臭化物を含む。残留エッチング副生成物の蓄積はプロセスドリフトを引き起こす可能性があり、結果としてプロセスチャンバ内で危険な予防措置が行われることになる。さらに、半導体基板に吸着された残留物は、半導体基板から脱離し、下流の処理ツールを汚染する場合がある。場合によっては、残留物は、下流の処理ツールを汚染し得る高濃度の金属または金属酸化物のクラスタを含む場合がある。また、残留エッチング副生成物は除去が困難であり、かつ容易に揮発しないため、別々のプラズマステップ、またはプラズマ機能を有する別々のチャンバが必要となり得る。それらが存在しない場合、残留物を揮発させる高温のスイングが実施され、これは多くの場合に半導体基板およびプロセスチャンバにとって望ましくない。
【0081】
本開示の現像化学物質は、有機蒸気である。有機蒸気は、有機酸であってもよい。いくつかの実施態様では、有機酸は、カルボン酸を含む。いくつかの実施態様では、有機酸は、トリフルオロ酢酸(CF3COOH)を含む。有機蒸気は、ハロゲン化または少なくともフッ素化されてもよい。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトン(CF3CCH2CCF3)を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸((CF3CO)2O)、無水酢酸((CH3CO)2O)、トリクロロ酢酸(CCl3COOH)、モノフルオロ酢酸(CFH2COOH)、ジフルオロ酢酸(CF2HCOOH)、クロロジフルオロ酢酸などの混合ハロゲン化物酢酸、酢酸の硫黄含有類似体、チオ酢酸(CH3COSH)、またはチオグリコール酸(HSCH2CO2H)を含む。いくつかの実施態様では、現像化学物質は、気相中のカルボン酸とハロゲン化水素の混合物を含む。例えば、現像化学物質は、酢酸またはギ酸と塩化水素または臭化水素の混合物を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、および窒素(N2)などの不活性/キャリアガスの有無にかかわらず流されてもよい。
【0082】
有機蒸気は金属含有レジストと反応し、ハロゲンの蒸気から形成されるエッチング副生成物よりも揮発性の高い副生成物を形成する場合がある。一例として、臭化スズのエッチング副生成物は、約200℃以上の沸点を有することが可能である。しかし、フルオロ酢酸スズのエッチング副生成物は、約200℃未満であり得る。例えば、ヘキサチン(II)-ジ-μ-オキシ-オクタキス-μ-トリフルオロ酢酸(1F)は、1Torrにおいて191℃で揮発性であり、テトラキス(トリフルオロ酢酸)スズ(IV)(2F)は、1Torrにおいて84℃で揮発性である。1Fと2Fの両方が、高い熱安定性および揮発性を提供する。金属含有レジストと反応する有機蒸気から形成されるエッチング副生成物は、優れた揮発性を有し得る。特に、EUV非露光有機金属レジストと反応するトリフルオロ酢酸から形成されるエッチング副生成物は、優れた揮発性を有する場合がある。いかなる理論によっても限定されるものではないが、トリフルオロ酢酸または有機酸の他のフッ素化誘導体は、それらの電子吸引効果によりエッチング副生成物の揮発性を高めることができる。トリフルオロ酢酸または有機酸の他のフッ素化誘導体は、強有機酸であり得る。
【0083】
本開示の有機蒸気は、強有機酸であり得る。本明細書で使用される場合、強有機酸は、約3.8以下のpKa値を有することができる。有機酸の強度は、ハロゲン化によって増加する場合がある。いくつかの実施態様では、有機酸の強度は、フッ素化によって大幅に増加する場合がある。例えば、ギ酸または酢酸は有機金属レジスト材料などの金属含有レジスト材料をエッチングすることが可能であるが、トリフルオロ酢酸は、そのような金属含有レジスト材料をより効果的にエッチングすることができる。それほど強くない有機酸(例えば、酢酸)は金属含有レジスト材料の選択的除去のためにプラズマによって支援され得るが、より強力な有機酸は、プラズマの支援なしで金属含有レジスト材料を選択的に除去することができる。したがって、本開示では、金属含有レジストの乾式現像はプラズマの支援なしで実施することができる。しかし、以下で説明されるように、プラズマは、乾式現像後の脱着、デスカム、または平滑化動作に任意選択で用いられてもよい。このプラズマベースの脱着、デスカム、または平滑化動作は、有機蒸気のエッチング副生成物が揮発する場合には不必要な可能性がある。
【0084】
本開示の有機蒸気は、プラズマフリーの熱プロセスで乾式現像を実施することができる。これは、プラズマ機能のないプロセスチャンバ内で乾式現像を実施することができることを意味する。いくつかの実施態様では、乾式現像は、後続のプラズマベースのデスカムまたは平滑化動作なしで実施されてもよい。プラズマへの露光を排除することによって、半導体基板へのプラズマ損傷を回避し、コストを大幅に削減し、かつスループットを増加させることができる。さらに、プロセスチャンバの内面は、プラズマに対して耐性を有する必要がなく、ハロゲン化水素などのハロゲンの蒸気に対して耐性を有する材料で作製することが可能である。チャンバ壁、天井、およびシャワーヘッドなどのチャンバ構成要素の表面は、水分およびハロゲンの蒸気の存在下で腐食しやすい場合がある。結果として、プロセスチャンバの内面は、典型的には、プラズマ、ハロゲンの蒸気、および水蒸気中で安定な材料で構成される。しかし、トリフルオロ酢酸などの本開示の乾式現像化学物質の場合、本開示のプロセスチャンバの内面は、必ずしも前述の要件を満たさない材料で構成されてもよい。いくつかの実施態様では、プロセスチャンバのチャンバ壁は、酸化アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、またはプラスチックを含んでもよい。
【0085】
プラズマフリーの熱手法を適用することによって、複数のウエハを低コストの熱真空チャンバ/オーブン内で同時にバッチ現像することができるため、生産性を大幅に改善することができる。しかし、いくつかの実施態様では、熱乾式現像プロセスの後にプラズマへの露光が続く場合がある。後続のプラズマへの露光は、脱着、デスカム、平滑化、または他の処理動作のために行われてもよい。
【0086】
フォトパターニングされた金属含有レジストの乾式現像は、金属含有レジストの乾式堆積(例えば、CVD)などの他の乾式処理動作と組み合わせることが可能である。いくつかの実施態様では、半導体基板の処理は、気相堆積による膜形成、EUVリソグラフィパターニング、および乾式現像を含むすべての乾式ステップを組み合わせてもよい。ベーク動作、ベベルエッジおよび/または裏面洗浄動作、およびチャンバ洗浄動作はまた、乾式動作であってもよい。そのような処理動作は、湿式現像などの湿式処理動作に関連する材料コストおよび生産コストを回避することができる。さらに、乾式処理はさらなる調整可能性をもたらし、さらなる限界寸法(CD)制御が得られ、スカム除去を可能にする。一般に、湿式処理は水分および/または酸素を伴い、スカムの形成をより容易に引き起こす。湿式現像は溶解度およびクラスタサイズによって限定されるが、乾式現像は溶解度およびクラスタサイズによって限定されない。湿式現像は、乾式現像が回避するパターン崩壊および層間剥離の問題をより起こしやすい。加えて、全乾式処理動作を用いることにより、周囲空気または周囲空気に含まれる微量汚染物質への曝露、およびそれらによる汚染なしに、相互接続された真空処理チャンバ内での統合を容易にすることができる。例えば、露光領域がさらなる架橋を受けるPEB熱処理は、現像と同じチャンバ内で行われてもよいが、PEB熱処理は別のチャンバで実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0087】
いくつかの実施態様では、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気を流しながら熱プロセスを使用することによって、乾式現像を行うことができる。例えば、乾式現像は、熱処理チャンバ内で実行することができる。いくつかの実施態様では、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気は、フォトパターニングされた金属含有レジストの露光部分に対してフォトパターニングされた金属含有レジストの非露光部分を迅速に除去することができ、これによりエッチングプロセスによって半導体基板の下層に転写することができる露光膜のパターンを残す。
【0088】
いくつかの実施態様では、半導体基板は、オーブンなどの熱処理チャンバ内で強有機酸などの乾式現像化学物質に曝露され得る。熱処理チャンバは、有機蒸気を熱処理チャンバに送給するための現像化学物質ラインを含むことができる。いくつかの実施態様では、熱処理チャンバは、基板温度制御のためにプロセスチャンバ内で半導体基板に面する加熱アセンブリに結合された加熱要素など、温度制御のための1つまたは複数の加熱要素を含み得る。いくつかの実施態様では、1つまたは複数の加熱要素は、1つまたは複数のLEDであり得る。1つまたは複数のヒータは、乾式現像中に半導体基板を高温に加熱し、エッチング副生成物の揮発を促進することが可能である。
【0089】
熱乾式現像プロセスでは、フォトパターニングされた金属含有レジストは、露光領域と非露光領域との間のエッチング選択性に対して最適化された現像化学物質に曝露される。一般に、温度が低いとエッチング選択性におけるコントラストが増加し、温度が高いとエッチング選択性におけるコントラストが減少し得る。温度が高くなると、エッチング副生成物の揮発が増加し、半導体基板上での残留物の形成を限定する場合がある。いくつかの実施態様では、温度は、約200℃未満、約20℃~約190℃、約40℃~約120℃、または約50℃~約100℃であり得る。フォトパターニングされた金属含有レジストを有機蒸気と反応させることで、約200℃未満の温度で揮発性化合物が形成される。
【0090】
チャンバ圧力は調整することが可能であり、チャンバ圧力は、熱乾式現像中の露光領域と非露光領域との間のエッチング選択性に影響を与えることがある。いくつかの実施態様では、チャンバ圧力は比較的低く、希釈を伴わない場合があり、チャンバ圧力は、約0.1mTorr~約1000mTorr、約0.2mTorr~約300mTorr、または約0.5mTorr~約100mTorrであってもよい。いくつかの実施態様では、チャンバ圧力は、約20mTorr~約2000mTorr、または約20mTorr~約1000mTorr、例えば約300mTorrであってもよい。いくつかの実施態様では、チャンバ圧力は高流量で比較的高く、希釈を伴う場合があり、チャンバ圧力は、約100Torr~約765Torr、または約200Torr~約760Torrであってもよい。
【0091】
乾式現像化学物質のガス流量を調整することができ、ガス流は、熱乾式現像中の露光領域と非露光領域との間のエッチング選択性に影響を与えることが可能である。いくつかの実施態様では、ガス流は、約0.5SLM~約30SLM、約1SLM~約20SLM、または約2SLM~約15SLMであってもよい。ガス流量は、有機蒸気および窒素、アルゴンなどのキャリアガスを含む、流されるガスの総流量を含み得る。有機蒸気流量は、総流量の一部のみであってもよく、有機蒸気流量は、約0.01SLM~約1SLMであり得る。高流量の場合、有機蒸気流量は、約1SLM~約10SLMであり得る。
【0092】
露光の期間は、熱乾式現像プロセスにおいて調整することができる。露光時間は、他の要因の中でもとりわけ、除去することが望ましいレジストの量、現像化学物質、レジストにおける架橋量、ならびにレジストの組成および性質に依存し得る。いくつかの実施態様では、露光の期間は、約5秒~約5分、約10秒~約3分、または約10秒~約1分であり得る。
【0093】
いくつかの実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストは、プラズマフリーの熱手法で現像される。代替の実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストは、プラズマ現像プロセスで現像される。フォトパターニングされた金属含有レジストは、1つまたは複数のガスのラジカル/イオンを含む現像化学物質に曝露される。1つまたは複数のガスは、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気を含んでもよい。乾式現像のために半導体基板を処理するためのプロセスチャンバは、プラズマ生成チャンバであってもよいし、またはプロセスチャンバから離れたプラズマ生成チャンバに結合されてもよい。プラズマ生成チャンバは、当技術分野で知られている機器および技法を用いる、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタ、トランス結合プラズマ(TCP)リアクタ、または容量結合プラズマ(CCP)リアクタであってもよい。電磁場が1つまたは複数のガスに対して作用し、プラズマ生成チャンバ内にプラズマを発生させる。リモートプラズマからのイオンおよび/またはラジカルは、フォトパターニングされた金属含有レジストと相互作用し得る。イオンおよび/またはラジカルは、トリフルオロ酢酸などの有機酸のイオンおよび/またはラジカルを含んでもよい。いくつかの実施態様では、圧力制御のために真空ラインがプロセスチャンバに結合され、1つまたは複数のガスをプラズマ生成チャンバに送給するために現像化学物質ラインがプラズマ生成チャンバに結合されてもよい。プロセスチャンバは、基板温度制御のために基板に面する加熱アセンブリに結合されたヒータなど、温度制御のための1つまたは複数のヒータを含むことができる。いくつかの実施態様では、フォトパターニングされた金属含有レジストの現像は、高圧および低電力によって特徴付けられる穏やかなプラズマを生成するために最適化された条件に曝露される。いくつかの実施態様では、RF電力レベルを調整することができ、RF電力は、約1000W以下、約800W以下、または約500W以下であってもよい。
【0094】
プラズマ活性化に加えて、またはプラズマ活性化に代えて、乾式現像プロセスにおける1つまたは複数のガスの活性化は、光活性化によって発生し得る。いくつかの実施態様では、光活性化は、紫外(UV)放射線への曝露によって達成することができる。例えば、プロセスチャンバは、UV放射線を生成するように構成されたUVランプなどのランプを含んでもよい。1つまたは複数のガスをUV放射線に曝露すると、フォトパターニングされた金属含有レジストの乾式現像に使用することができる1つまたは複数のガスのラジカルを生成し得る。UV放射線への1つまたは複数のガスの曝露は、フォトパターニングされた金属含有レジストをUV放射線に曝露することなく行うことができる。言い換えれば、フォトパターニングされた金属含有レジストは、UVランプからは見えない。
【0095】
熱現像、プラズマ現像、および光活性化現像の前述の方法は、互いに組み合わせてもよいことが理解されるであろう。そのような現像方法は、同時にまたは順次適用することができる。1つまたは複数の現像方法は、気相中に乾式現像化学物質を流しながら適用することが可能である。現像はポジ型またはネガ型をもたらし得、乾式現像化学物質が非露光材料または露光材料のいずれかを選択的に除去し、マスクとして露光または非露光の対応物を残す。
【0096】
上述のように、乾式現像中のエッチング選択性は、調整可能なプロセス条件の中でもとりわけ、温度、圧力、ガス流、ガス組成、およびプラズマ電力などのプロセス条件を制御することによって調整可能である。単一のステップまたは複数のステップでエッチング選択性を調整することにより、所望のパターニングされた特性を達成することができる。いくつかの実施態様では、乾式現像中のエッチング選択性は1つまたは複数のステップにわたって調整され、これによりレジストプロファイルに影響を与える。より具体的には、レジストプロファイルにおけるテーパ量または凹角は、1つまたは複数のステップにわたって異なるエッチング選択性の乾式現像化学物質を適用することによって制御することができる。デスカム、フォトレジスト再加工、硬化、平滑化、および洗浄動作もまた、調整可能なエッチング選択性に従って調整することが可能である。
【0097】
図3A~
図3Cは、いくつかの実施態様による、乾式現像の様々な処理段階の断面概略図を示す。
図3A~
図3Cに示す例は、ネガ型乾式現像を示している。
図3Aに示すように、ウエハ300が、基板302と、エッチングされる基板層304とを含む。いくつかの実施態様では、基板層304は、スピンオンカーボン(SoC)または他の材料、例えば、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素などのアッシング可能なハードマスクを含む。いくつかの実施態様では、基板層304は、基板302上に配置された層スタックであり得る。ウエハ300は、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜306をさらに含む。例えば、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜306は、エッチングされる基板層304上に配置された有機金属含有層であってもよい。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜306は、約5nm~約50nm、または約10nm~約30nmの厚さを有し得る。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜306は、EUVスキャナでのフォトパターニングの後、および/または上述のPEB処理の後にプロセスチャンバ内に提供され得る。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜306は、非EUV露光領域306aと、EUV露光領域306bとを含む。
図3Bに示すように、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜306の非EUV露光領域306aは、プラズマを当てることなく乾式現像化学物質の流れに曝露することによって乾式現像プロセスで除去することができる。乾式現像化学物質は、有機酸などの有機蒸気を含み得る。有機酸には、ハロゲン化カルボン酸またはフッ素化カルボン酸が挙げられ得る。有機酸の例には、限定はしないが、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロアセチルアセトン、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、およびジフルオロ酢酸が挙げられる。有機酸の他の例には、クロロジフルオロ酢酸などの混合ハロゲン化物酢酸、酢酸の硫黄含有類似体、チオ酢酸、およびチオグリコール酸が挙げられる。現像後に非EUV露光領域306aを除去することによって、レジストマスク308が形成される。その後、エッチングされる基板層304は、レジストマスク308を使用してエッチングすることができ、
図3Cに図示される構造を提供する。
【0098】
有機金属酸化物膜は、四面体配位構造を有し得る。露光領域はより高いレベルのSn-O-Sn架橋を有し、その結果として密度がより高くなり、ハロゲン化カルボン酸との反応性がより低く/より遅くなる。非露光領域は、Sn-OH部分の接近および縮合を遮断する嵩高いアルキル置換基の存在により、より低い密度を示す。非露光領域では、トリフルオロ酢酸などの酸は、より四面体配位の有機スズオキシド水酸化物に特徴的な、より「塩基性」でありアクセスしやすい酸素孤立電子対をより容易にプロトン化する。トリフルオロ酢酸塩の揮発性副生成物が生成され、非露光領域から除去される。いかなる理論によっても限定されるものではないが、トリフルオロ酢酸は酸素孤立電子対を選択的にプロトン化し、揮発性副生成物を形成する場合がある。アルキル基がイソプロピルである場合、典型的なEUVパターニング線量では、3つのイソプロピル置換基のうち少なくとも2つが除去され、それによりPEBステップの後に露光領域が凝縮して高密度のよりSnO2様の材料を形成し、これは、酸素原子がアクセスしにくいより六配位のスズ構造の採用によりトリフルオロ酢酸との反応性がより低くなり、その結果としてトリフルオロ酢酸との反応性が非常に遅くなる。
【0099】
場合によっては、現像後に残留物またはスカムが残る可能性がある。残留物は、スピンコーティング技法によって適用されるものを含む、均質性の低いEUVレジスト配合物中の遅いエッチング成分から生じる場合がある。そのようなスカムは高濃度の金属を含んでいる場合があり、これはその後のパターン転写中に問題となる可能性がある。
【0100】
追加的または代替的に、現像後、現像されたパターンでエッチングされたフィーチャの側壁に粗さが形成される場合がある。この一部は、レジストが露光されないままであるべき領域で部分的もしくは完全に露光された材料が得られる、またはその逆の結果となる、光の確率論的または非最適なガウス分布に起因し得る。
【0101】
いくつかの実施態様では、乾式現像は、デスカム/平滑化動作を伴う場合がある。いくつかの実施態様では、デスカムおよび平滑化動作は、不活性ガスプラズマ脱着動作であり得る。例えば、不活性ガスプラズマ脱着動作は、ヘリウムプラズマ脱着動作であってもよい。不活性ガスプラズマ脱離動作は、乾式現像後に実施するか、または乾式現像と繰り返して実施することが可能である。
【0102】
図4Aは、いくつかの実施態様による、不活性ガスプラズマを適用しない乾式現像の断面概略図を示す。フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜は、露光領域と、非露光領域とを含む。
図4Aに示すように、金属酸化物(例えば、SnO
x)の粒子またはクラスタが、非露光領域を占める場合がある。乾式現像が進むにつれて、金属酸化物のクラスタがより集中するようになる。金属酸化物のクラスタは、一般に、除去するのが困難である。現像は、有機材料の除去に関して選択的であってもよい。非露光領域を除去した後、金属酸化物のクラスタは、スカムとして基板の表面上に残ることがある。露光領域の側壁に残る金属酸化物のクラスタは、粗さをもたらす場合がある。
【0103】
図4Bは、いくつかの実施態様による、デスカムのための乾式現像サイクル不活性ガスプラズマの断面概略図を示す。第1の段階は、フォトパターニングされた金属含有EUVレジスト膜の非露光領域の実質的な部分を除去する乾式現像を伴う。乾式現像化学物質には、例えば、有機酸および/またはハロゲン化水素が挙げられ得る。実質的な部分とは、非露光領域の少なくとも70容積%を超える、非露光領域の80容積%を超える、または非露光領域の90容積%を超えることを表し得る。金属酸化物のクラスタは、EUVレジスト膜の残りの非露光領域の表面に集中する。第2の段階は、ヘリウムプラズマのような不活性ガスプラズマを短期間にわたって低電力および高イオンエネルギーで適用することを伴う。ヘリウムプラズマは、金属酸化物のクラスタを除去する。加えて、ヘリウムプラズマは側壁からクラスタを除去し、側壁を平滑化する。ヘリウムプラズマ処理はまた、パターニングされたEUVレジスト膜を凝固または硬化させ、ハードマスクのようなより緻密な金属酸化物を形成するのに役立ち得る。ヘリウムプラズマ処理後、選択性の低い乾式エッチングステップを用いて、EUVレジスト膜の非露光領域に残っている残留物を除去することができる。
【0104】
いくつかの実施態様では、乾式現像は、EUVレジスト膜の非露光領域が除去されるまで、1つまたは複数のサイクルにわたってヘリウムプラズマ処理と繰り返してもよい。ヘリウムプラズマのデスカム/平滑化は、上述したように、結果を向上させるために乾式現像と繰り返すことが可能である。このようにして、例えば、パターンの非露光領域の有機成分の大部分が乾式現像によって除去され、次に短いヘリウムプラズマ動作により表面における集中した金属の一部を除去することができ、これにより残っている下層の有機材料へのアクセスが可能になり、これはその後の乾式現像動作/サイクルで除去することができる。ヘリウムプラズマの別のサイクルを使用して残っている金属を除去し、清浄で滑らかなフィーチャ表面を残すことが可能である。すべてまたは実質的にすべてのスカムおよび粗さの残留物が除去されて清浄で滑らかなフィーチャ表面が残るまで、このサイクリングは継続することができる。
【0105】
デスカムおよび平滑化動作のためのプロセス条件は、現像中または現像後に制御され得る。いくつかの実施態様では、反応剤の流れは、約50sccm~約1000sccm、または約100sccm~約500sccm、例えば約500sccmのHeであってもよい。いくつかの実施態様では、温度は、約-60℃~約120℃、約-20℃~約60℃、または約20℃~約40℃、例えば約20℃であってもよい。いくつかの実施態様では、チャンバ圧力は、約1mTorr~約300mTorr、約5mTorr~約100mTorr、約5mTorr~約20mTorr、例えば約10mTorrであってもよい。プラズマ電力は、イオンエネルギーが高い場合に比較的低くてもよい。いくつかの実施態様では、プラズマ電力は、約50W~約1000W、約100W~約500W、または約100W~約300W、例えば約300Wであってもよい。いくつかの実施態様では、ウエハバイアスは、約10V~約500V、約50V~約300V、例えば約200Vである。プラズマは、高RF周波数を使用して生成され得る。いくつかの実施態様では、RF周波数は、13.56MHzである。不活性ガスプラズマへの露光の期間は、プラズマ露光中のUV放射線への過剰な曝露を避けるために比較的短くてもよい。いくつかの実施態様では、露光の期間は、約0.5秒~約5秒、約1秒~約3秒、例えば約2秒である。
【0106】
非露光レジスト残留物のデスカムおよび洗浄のための不活性ガスプラズマ処理は、露光レジストを硬化して凝固させるという付随的な利点を有し、それによって下層の基板をエッチングする後続の動作におけるそのハードマスク機能を強化することができる。このレジスト凝固は、EUV露光レジストを不活性ガスプラズマによって生成されるUV放射線に曝露することによって達成され、これはバイアスをオフにしてデスカム/平滑化が完了した後も継続することが可能である。デスカム/平滑化が必要ない、または実施されない場合、代わりに不活性ガスプラズマ硬化が実施されてもよい。
【0107】
本開示の有機蒸気は乾式現像プロセスで用いることができるだけでなく、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気は、金属含有レジストを乾式除去するための乾式チャンバ洗浄または他の処理動作でも用いることが可能である。
【0108】
図5は、いくつかの実施態様による、乾式チャンバ洗浄の例示的な方法のフロー図を示す。乾式チャンバ洗浄は、堆積、ベベルおよび/もしくは裏面洗浄、ベーク、現像、またはエッチングの後に実施されてもよい。いくつかの実施態様では、乾式チャンバ洗浄は、レジスト材料の堆積後、レジスト材料の堆積と同じプロセスチャンバ内で実施され得る。プロセス500の動作は、異なる順序で、および/または異なる、より少ない、もしくは追加の数の動作で実施されてもよい。プロセス500の態様は、
図6A~
図6Dを参照して説明され得る。プロセス200の1つまたは複数の動作は、
図7~
図11Bのいずれか1つに記載された装置を使用して実施することができる。いくつかの実施態様では、プロセス500の動作は、少なくとも部分的に、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアに従って実装されてもよい。
【0109】
プロセス500のブロック502において、金属含有レジスト材料がプロセスチャンバ内の半導体基板の表面上に堆積され、金属含有レジスト材料の一部は、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に残留物を形成する。そのような金属含有レジスト材料の組成および堆積は、例えば、2019年5月9日に出願された国際特許出願第PCT/US2019/31618号に記載され得、上記の出願は、本開示に適用可能な方法および材料の開示について、参照により本明細書に組み込まれる。方法は、重合した有機金属材料を気相で発生させ、半導体基板上に堆積させる方法を含む。いくつかの実施態様では、金属含有レジスト材料は、金属酸化物含有EUVレジスト材料である。例えば、金属含有レジスト材料中の要素は、スズ、ハフニウム、テルル、ビスマス、インジウム、アンチモン、ヨウ素、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、金属含有レジスト材料は、有機スズ酸化物などの有機金属酸化物を含む。
【0110】
いくつかの実施態様では、半導体基板が設けられるプロセスチャンバは、乾式堆積チャンバであってもよい。他の実施態様では、半導体基板が設けられるプロセスチャンバは、ベベルエッジおよび/もしくは裏面洗浄チャンバ、PAB処理チャンバ、PEB処理チャンバ、現像チャンバ、またはエッチングチャンバであり得る。前述のチャンバのいずれも、経時的に内面に金属含有レジスト材料を蓄積する場合がある。処理チャンバ内で処理される半導体基板の数が増加するにつれ、意図しない金属含有レジスト材料が残留物として内面において増加する可能性がある。金属含有レジスト材料の意図しない堆積物を除去するためには、定期的な洗浄が必要である。洗浄は「in situ」で実施することができ、乾式チャンバ洗浄は、意図しない金属含有レジスト材料が形成される同じプロセスチャンバ内で実施される。
【0111】
残留物は、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に形成される可能性があり、1つまたは複数の表面は、チャンバ壁、天井、床、シャワーヘッド表面、ノズル表面、および基板支持表面の1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施態様では、残留物は、CVDまたはALDプロセスなどの乾式堆積プロセスの結果として形成される場合がある。1つまたは複数の表面上の残留物の厚さは、プロセスチャンバ内で実施される追加の処理(例えば、堆積)動作の結果として、経時的に増加し得る。いくつかの実施態様では、残留物の平均厚さは、約2nm以上、約3nm以上、約5nm以上、または約10nm以上である。金属含有レジスト材料は、1つまたは複数の表面から剥がれ落ち、粒子を落とし、または剥離することで、処理中に後続の半導体基板を汚染する傾向がある。
【0112】
図6Aは、プロセスチャンバのチャンバ壁604上に形成された金属含有EUVレジスト材料602の断面概略図を示す。金属含有EUVレジスト材料602は、金属酸化物606の粒子またはクラスタを含む可能性がある。金属酸化物606の粒子またはクラスタは、除去するのが困難であり得る。いくつかの実施態様では、金属含有EUVレジスト材料602は、CVDまたはALDなどの気相堆積方法によって形成される。経時的に、金属含有EUVレジスト材料602は、プロセスチャンバのチャンバ壁604上に厚く蓄積し得る。金属含有EUVレジスト材料602は、有機スズ酸化物であってもよい。金属酸化物606の粒子またはクラスタは、酸化スズを含む場合がある。
【0113】
図5に戻ると、プロセス500のブロック504において、有機蒸気を含むドライエッチャントがプロセスチャンバに導入され、ドライエッチャントは、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上の残留物を少なくとも部分的に除去する。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、有機酸である。有機酸は、約3.8以下のpKaを有する強有機酸であってもよい。いくつかの実施態様では、有機酸は、カルボン酸を含む。いくつかの実施態様では、有機酸は、トリフルオロ酢酸を含む。有機蒸気は、ハロゲン化または少なくともフッ素化されてもよい。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸などの混合ハロゲン化物酢酸、酢酸の硫黄含有類似体、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む。いくつかの実施態様では、ドライエッチャントは、気相中のカルボン酸とハロゲン化水素の混合物を含む。例えば、ドライエッチャントは、酢酸またはギ酸と塩化水素または臭化水素の混合物を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、および窒素などの不活性/キャリアガスの有無にかかわらず流されてもよい。
【0114】
いくつかの実施態様では、残留物の少なくとも部分的な除去は、有機蒸気を金属含有レジスト材料と反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む。いくつかの実施態様では、少なくとも部分的な除去は、残留物の実質的な除去を含み、「実質的な除去」は、1つまたは複数の表面の少なくとも一部が除去後に露出するような残留物の十分な除去を指す。
【0115】
いくつかの実施態様では、プロセスチャンバは、ドライエッチャントを導入する前に乾式チャンバ洗浄のための所望の条件で準備することができる。プロセスチャンバの準備により、特定の圧力条件、遊離粒子もしくは膜不純物のレベル、水分レベル、温度条件、またはドライエッチャントからのプロセスチャンバ内の表面もしくは構成要素(例えば、基板支持体)の保護を達成することができる。いくつかの実施態様では、プロセスチャンバを準備することは、プロセスチャンバをパージおよび/またはポンピングし、不要な粒子を除去することを含んでもよい。プロセスチャンバ内の不要な粒子の除去を促進するために、パージガスをプロセスチャンバに流すことができる。有機金属前駆体のパージは、望ましくない副生成物を回避し、乾式チャンバ洗浄の前に有機金属前駆体の十分な除去を確実にするために有用であり得る。
【0116】
いくつかの実施態様では、チャンバ壁および他の構成要素を加熱し、未反応の前駆体を放出することができる。熱は、追加的または代替的に、プロセスチャンバ内の水分の除去を促進することができる。いかなる理論によっても限定されるものではないが、水分の存在により、金属含有レジスト材料を除去するためのドライエッチャントと金属含有レジスト材料との間の反応が遅くなる場合がある。加えて、プロセスチャンバ内の温度が上昇すると、金属含有レジスト材料を除去する際のエッチング速度が速くなる。プロセスチャンバ内の1つまたは複数のヒータは、1つまたは複数の表面を高温まで加熱することができる。いくつかの実施態様では、高温は、約20℃~約180℃、約40℃~約160℃、または約80℃~約140℃であり得る。
【0117】
いくつかの実施態様では、プロセスチャンバを準備することは、プロセスチャンバ内の基板支持体上にダミー基板を設けることを含み得る。したがって、金属含有レジスト材料が堆積された半導体基板は、乾式チャンバ洗浄の前にプロセスチャンバの外に移送され得る。このようにして、半導体基板は、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面から金属含有レジスト材料の残留物を除去する際、ドライエッチャントに曝露されない。ダミー基板は、乾式チャンバ洗浄中に基板支持体(例えば、静電チャック)がドライエッチャントに曝露されるのを保護するために基板支持体上に設けることができる。あるいは、基板支持体の保護は、乾式チャンバ洗浄中に基板支持体の上に保護カバーを設けることによって行われてもよい。
【0118】
ドライエッチャントは、プロセスチャンバに結合されたシャワーヘッドまたは別々のチャンバ入口を通して導入され得る。ドライエッチャントはプロセスチャンバに流入して金属含有レジスト材料の残留物と反応し、揮発性生成物を形成し得る。いかなる理論によっても限定されるものではないが、有機金属酸化物レジスト材料は四面体配位構造を有し得、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気は酸素孤立電子対をプロトン化し、揮発性副生成物を形成し得る。揮発性副生成物が形成された後、プロセスチャンバは、揮発性副生成物を除去するためにポンピングおよびパージすることができる。さらに、プロセスチャンバは、残留ドライエッチャントを除去するためにポンピングおよびパージされてもよい。そのような残留ドライエッチャントは、後続の半導体基板の望ましくないエッチングを引き起こす場合がある。
【0119】
乾式チャンバ洗浄は、プロセスチャンバ内に堆積されたレジスト材料の低いエッチング選択性または高いエッチング速度に対して最適化することができる。このようにして、不要なレジスト材料を迅速かつ効率的に除去することが可能である。いくつかの実施態様では、より高い温度および/またはより高い圧力により、ドライエッチャントのエッチング選択性を低下させ、エッチング速度を増加させる場合がある。例えば、レジスト材料は、最大1nm/秒のエッチング速度で除去することができる。ドライエッチャントへの曝露中、1つまたは複数の表面上の金属含有レジスト材料の残留物は、高温に曝露される場合がある。高温は、約20℃~約180℃、約40℃~約160℃、または約80℃~約140℃であり得る。いくつかの実施態様では、金属含有レジスト材料の残留物を有機蒸気と反応させることで、約200℃未満の温度で揮発性化合物が形成される。ドライエッチャントへの曝露中、プロセスチャンバ内の圧力が高くなる場合がある。いくつかの実施態様では、チャンバ圧力は、約0.01Torr~765Torr、約0.1Torr~100Torr、または約0.1Torr~約6Torrである。いくつかの実施態様では、チャンバ圧力は、ドライエッチャントへの曝露中に高圧と低圧との間で循環される。有機蒸気の流量を調整し、エッチング選択性を制御することも可能である。いくつかの実施態様では、有機蒸気の流量は、約0.05SLM~約10SLM、または約0.1SLM~約5SLMである。
【0120】
乾式現像に関して上述したように、乾式チャンバ洗浄は、ハロゲンの蒸気の代わりに有機酸などの有機蒸気を使用して実施される。ハロゲン化水素の蒸気などのハロゲンの蒸気は、金属含有レジスト材料の除去後に残留エッチング副生成物を残す傾向がある。しかし、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気は、プロセスチャンバから除去するのがそれほど困難ではないより揮発性のエッチング副生成物を形成する。トリフルオロ酢酸などの有機蒸気は、プラズマフリーの熱プロセスにおける乾式チャンバ洗浄に使用され得る。言い換えれば、金属含有レジスト材料の残留物は、プラズマを当てることなく除去される。残留炭素、汚染物質、または他の残っている材料は、プラズマへの露光によって除去されてもされなくてもよい。いくつかの実施態様では、ドライエッチャントの導入に続いて、1つまたは複数の表面を酸素(O2)、オゾン(O3)、二酸化炭素(CO2)、または一酸化炭素(CO)などの酸化性ガスに曝露してもよい。
【0121】
プラズマを使用する必要がなく、熱的に堆積したままの膜(非露光または非架橋)を洗浄することができるため、本明細書に記載の手法はまた、プロセスチャンバを越えて、ツールの下流および上流の構成要素(例えば、プロセスチャンバから真空ポンプに向かう排気ライン)も洗浄することができる。より一般的には、この乾式洗浄方法は、有機蒸気による揮発性副生成物を有する金属の同様の組成を有する汚染された他の部品および構成要素を洗浄するために使用することが可能である。
【0122】
いくつかの実施態様では、プロセスチャンバの内面は、本開示の有機蒸気と適合することができる。プロセスチャンバの内面がプラズマに対して耐性を有し、かつハロゲン化水素などのハロゲンの蒸気に対して耐性を有するのではなく、内面は、本開示の有機蒸気に対して単に耐性がある任意の材料を含んでもよい。いくつかの実施態様では、プロセスチャンバのチャンバ壁は、酸化アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、またはプラスチックを含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施態様では、プロセスチャンバは、温度を制御するために1つまたは複数の表面(例えば、チャンバ壁)に結合されたチャンバ部品温度制御部を含み得る。いくつかの実施態様では、プロセスチャンバは、ドライエッチャントを送給するためのシャワーヘッド以外のガス入口を含んでもよい。ガス入口は、金属含有レジスト材料の濃度がより高いプロセスチャンバの領域に位置決めすることができる。ガス入口は、ドライエッチャントがシャワーヘッドを介して送給されることで達する可能性が低いプロセスチャンバの領域に位置決めすることができる。いくつかの実施態様では、ガス入口は、基板支持体の下に位置決めされてもよく、プロセスチャンバの壁に位置決めされてもよく、かつ/またはプロセスチャンバの排気口の近くに位置決めされてもよい。複数のガス入口を使用して、ドライエッチャントをプロセスチャンバに送給することも可能である。これにより、プロセスチャンバ全体の乾式洗浄を確実に行うことができる。様々な実施態様において、ドライエッチャントは、シャワーヘッドとは別々の1つまたは複数のガス入口を通してプロセスチャンバに送給され、堆積ガスは、シャワーヘッドを通してプロセスチャンバに送給され得る。いくつかの実施態様では、シャワーヘッドは、シャワーヘッド内でガスを大きく隔離して保つことによって、別々のガスを供給することができる。シャワーヘッドは、複数のプレナム容積を含むことができる。複数の排気ラインを使用することで、プロセスチャンバの下流でガスを確実に分離することが可能である。スイッチを複数の排気ラインに動作可能に結合することで、堆積ガス/前駆体からドライエッチャント化学物質を分離することが可能になり得る。
【0124】
シャワーヘッドを保護するために、圧力差を使用してドライエッチャントがシャワーヘッドに入る(例えば、逆流する)ことを防止することができる。いくつかの実施態様では、ドライエッチャントは、シャワーヘッドを通してドライエッチャントを流すことによってシャワーヘッドの内面を洗浄することが可能である。しかし、残留有機蒸気または水分が、シャワーヘッドのチャネル内に保持されている場合がある。いくつかの実施態様では、シャワーヘッドは透明な材料から作製され、適切な光源で加熱され得る。例えば、適切な波長(例えば、IRまたは青色波長)に調整された照射源は、残留有機蒸気および/または水分を直接加熱し、残留有機蒸気および/または水分を除去することができる。あるいは、残留有機蒸気および/または水分は、ガスパージによって除去することも可能である。
【0125】
図6Bは、ドライエッチャントがチャンバ壁604から金属含有EUVレジスト材料602を除去した後のチャンバ壁604の断面概略図を示す。ドライエッチャントは、有機酸などの有機蒸気を含み得、有機酸は、トリフルオロ酢酸を含んでもよい。チャンバ壁604は、低いエッチング選択性を促進するために高温に加熱することができる。プロセスチャンバは、低いエッチング選択性を促進するために高圧にすることができる。金属含有EUVレジスト材料602の除去は、プラズマを使用せずに行うことが可能である。金属酸化物606の残留粒子またはクラスタは、ドライエッチャントに曝露された後、チャンバ壁604上に残る場合がある。加えて、残留ドライエッチャント608が、プロセスチャンバ内に残ることがある。
【0126】
図5に戻ると、プロセス500のブロック506において、プロセスチャンバは、プロセスチャンバから残留ドライエッチャントを除去するために任意選択でパージされる。パージ動作は、パージガスをプロセスチャンバに流すこと、またはパージガスを流すこととプロセスチャンバを所望のチャンバ圧力にポンピングすることの組み合わせを含み得る。パージガスは、不活性ガスおよび/または反応性ガスであってもよい。反応性ガスは残留ドライエッチャントと反応し、除去を容易にすることができる。反応性ガスは、例えば、有機スズ前駆体などのスズベースの前駆体であってもよい。不活性ガスは、アルゴン、ヘリウム、キセノン、または窒素であってもよい。チャンバ圧力は、約0.1Torr~約6Torrであり得る。
【0127】
いくつかの実施態様では、パージ動作は、高温で進行し得る。高温により、プロセスチャンバからの有機蒸気の除去を促進することができる。一例では、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面に結合された1つまたは複数のヒータが、プロセスチャンバを高温に加熱することができる。別の例では、1つまたは複数のIR源またはLEDがプロセスチャンバ内に設置され、プロセスチャンバを高温に加熱することができる。高温は、約20℃~約180℃、または約80℃~約140℃であり得る。
【0128】
いくつかの実施態様では、直接またはリモートであるプラズマベースの処理は、残留ドライエッチャントの除去を促進するのに有用であり、残留ドライエッチャントは、乾式チャンバの洗浄後にプロセスチャンバの内面を覆う場合がある。他の実施態様では、非プラズマ処理が、残留ドライエッチャントの除去を加速するために有用であり得る。酸化性ガスを導入することで、残留ドライエッチャントを酸化してもよい。したがって、非プラズマ処理は、オゾンおよび/または酸素ガスの流れを送給することを含み得る。
【0129】
図6Cは、プロセスチャンバから残留ドライエッチャント608を除去した後のチャンバ壁604の断面概略図を示す。ポンピング/パージ動作を実施することで、プロセスチャンバから残留ドライエッチャント608を排気することができる。いくつかの実施態様では、チャンバ壁604またはプロセスチャンバの他の構成要素を加熱し、残留ドライエッチャント608の放出を促進することが可能である。いくつかの実施態様では、直接またはリモートであるプラズマベースの処理が残留ドライエッチャント608を除去するために適用されてもよく、そのようなプラズマベースの処理は、フッ素ベースのプラズマプロセス、酸素ベースのプラズマプロセス、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの他の実施態様では、非プラズマ処理が残留ドライエッチャント608を除去するために適用されてもよい。金属酸化物606の粒子またはクラスタは、チャンバ壁604上に残る場合がある。
【0130】
図5に戻ると、プロセス500のブロック508において、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に金属含有レジスト材料の保護コーティングを形成することによって、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面が任意選択でコンディショニングされる。保護コーティングの平均厚さは、金属含有レジスト材料の残留物の平均厚さよりも小さくてもよい。いくつかの実施態様では、保護コーティングの平均厚さは、約1nm以上、約2nm以上、約3nm以上、または約1nm~約5nmである。あるいは、1つまたは複数の表面は、金属含有レジスト材料とは異なる材料で作製された保護コーティングを形成することによって任意選択でコンディショニングされる。そのような保護コーティングは、有機スズ酸化物の変形であってもよい。ドライエッチャントに曝露された後、1つまたは複数の表面は、露出されたままになる。プロセスチャンバ内の露出した表面は、特にハロゲンベースの化学種による攻撃に対して脆弱であり得る。コンディショニング動作は、1つまたは複数の表面を保護することが可能である。加えて、コンディショニング動作は、1つまたは複数の表面に付着した残留粒子または金属酸化物のクラスタを覆うことができる。このようにして、金属酸化物の粒子またはクラスタが、後続の処理中にウエハを汚染する可能性が低くなる。
【0131】
プロセスチャンバの1つまたは複数の表面のコンディショニングは、CVDまたはALD技法などの気相ベースの堆積技法によって行うことができる。有機金属材料は気相で得られ、プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に堆積される。有機金属材料は、例えば、イソプロピル(トリス)(ジメチルアミノ)スズなどの有機スズ前駆体と水蒸気の気相反応に基づいて堆積させることができる。水蒸気の流れは、比較的少なくてもよい。コンディショニング中、基板支持体は、ダミーウエハまたは他の保護カバーによって保護または覆うことができる。保護コーティングは、チャンバ壁、床、天井、またはガス入口、シャワーヘッド、および排気ラインなどのチャンバ構成要素上に形成されてもよい。金属含有レジスト材料の保護コーティングの堆積後、過剰な前駆体および/または逆反応剤を除去するためにポンピング/パージ動作が続く場合がある。プロセスチャンバの1つまたは複数の表面をコンディショニングすることで、金属酸化物の残留粒子を捕捉し、粒子汚染を限定することができる。
【0132】
図6Dは、プロセスチャンバのチャンバ壁604上に形成された金属含有レジスト材料610の断面概略図を示す。金属含有EUVレジスト材料610は、コンディショニング動作において再堆積され、処理中にチャンバ壁604を保護し、金属酸化物606の粒子またはクラスタをウエハの汚染から捕捉することができる。これは、チャンバシーズニングとも呼ばれることがある。金属含有EUVレジスト材料610は、CVDまたはALDなどの気相堆積方法によって形成される。いくつかの実施態様では、金属含有EUVレジスト材料610は、有機スズ酸化物であってもよい。チャンバ壁604およびプロセスチャンバの他の内面をコンディショニング/シーズニングすることによって、半導体基板上で堆積動作を再開する際に望ましくない最初のウエハの影響が軽減される。
【0133】
本開示は、露光および/または現像されたEUV感受性膜の除去に頻繁に言及するが、記載された除去プロセスは、同様の組成のEUV膜(例えば、他のMOxRyベースの膜)、例えば、非露光EUVレジスト膜を含む、金属が有機蒸気と共に揮発性副生成物を形成し得る金属酸化物を含む他の膜に拡張することができる。いくつかの実施態様では、EUVレジスト以外の膜、例えばハードマスク、UVレジスト、または他の用途を有する同様の組成の膜をこの方法によって除去することができ、この点において、記載される除去プロセスは、その機能ではなく、膜の化学組成に関係する。
【0134】
装置
本開示の装置は、EUVレジストを乾式除去するように構成される。装置は、乾式現像または乾式チャンバ洗浄を実施するように構成され得る。装置は、堆積、ベベルおよび裏面洗浄、塗布後ベーク、EUV走査、露光後ベーク、フォトレジスト再加工、デスカム、平滑化、硬化、および他の動作などの他の処理動作用に構成することができる。いくつかの実施態様では、装置は、すべての乾燥動作を実施するように構成される。いくつかの実施態様では、装置は、湿式動作と乾式動作の組み合わせを実施するように構成される。装置は、同じプロセスチャンバ内に単一のウエハチャンバまたは複数のステーションを含むことができる。同じプロセスチャンバ内に複数のステーションがある場合、本開示で説明されるような様々な処理動作は、同じプロセスチャンバ内の異なるステーションで実施されてもよい。一例では、PEB熱処理をあるステーションで実施し、現像を別のステーションで実施することができる。
【0135】
EUVレジストを乾式除去するように構成された装置は、基板支持体を有するプロセスチャンバを含む。装置は、エッチングガスを送給するためにプロセスチャンバに結合された乾式エッチングラインを含むことができる。いくつかの実施態様では、エッチングガスは、トリフルオロ酢酸などの有機蒸気を含む。装置は、温度制御のために1つまたは複数のヒータを含み得る。そのようなヒータは、プロセスチャンバおよび/または基板支持体に設けることができる。いくつかの実施態様では、意図しないEUVレジストが形成される傾向にある領域の近くにエッチングガスを流すために、複数のガス入口がプロセスチャンバ内に位置決めされ得る。装置は、粒子数、ウエハ数、厚さ数、または乾式チャンバ洗浄をトリガするための、および/もしくは乾式チャンバ洗浄の終点をトリガするための他のパラメータを感知するための1つまたは複数のセンサをさらに含むことができる。
【0136】
いくつかの実施態様では、プロセスチャンバは、プラスチックなどの安価な材料で作製される。他のいくつかの実施態様では、プロセスチャンバは、陽極酸化アルミニウムなどの金属、または酸化アルミニウムなどのセラミックで作製される。
【0137】
図7は、いくつかの実施態様による、乾式現像、洗浄、再加工、デスカム、および平滑化動作を実施するのに適した例示的なプロセスステーションの概略図を図示する。複数のプロセスステーション700が、共通の低圧プロセスツール環境に含まれてもよい。例えば、
図8は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なVECTOR(登録商標)処理ツールなどのマルチステーション処理ツール800の一実施態様を図示する。いくつかの実施態様では、プロセスツール800の1つまたは複数のハードウェアパラメータ(以下で詳細に説明されるものを含む)は、1つまたは複数のコンピュータコントローラ850によってプログラム的に調整することができる。
【0138】
プロセスステーションは、クラスタツール内のモジュールとして構成することができる。
図10は、本明細書に記載の実施態様の実施に適した真空統合堆積およびパターニングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する。そのようなクラスタプロセスツールアーキテクチャは、上述され、
図9および
図10を参照して以下でさらに説明されるように、レジスト堆積、レジスト露光(EUVスキャナ)、レジスト現像、およびエッチングモジュールを含むことができる。
【0139】
いくつかの実施態様では、例えば乾式現像およびエッチングまたは乾式堆積および乾式チャンバ洗浄など、特定の処理機能を同じモジュール内で連続して実施することができる。また、本開示の実施態様は、本明細書で説明するように、エッチングされる層または層スタック上に配置されたEUVレジスト薄膜層を含むウエハを、EUVスキャナにおけるフォトパターニングに続いて乾式現像/エッチングチャンバに受け取り、フォトパターニングされたEUVレジスト薄膜層を乾式現像し、次にマスクとしてパターニングされたEUVレジストを使用して下層をエッチングするための方法および装置を対象とする。
【0140】
図7に戻ると、プロセスステーション700は、プロセスガスを分配シャワーヘッド706に送給するための反応剤送給システム701と流体連通する。反応剤送給システム701は、シャワーヘッド706に送給するプロセスガスをブレンドおよび/または調整するための混合容器704を含む。1つまたは複数の混合容器入口弁720は、混合容器704へのプロセスガスの導入を制御することができる。プラズマ露光が使用される場合、プラズマは、シャワーヘッド706にも送給され得るか、またはプロセスステーション700で生成され得る。上記のように、少なくともいくつかの実施態様では、非プラズマ熱露光が好まれる。
【0141】
図7は、混合容器704に供給される液体反応剤を気化するための任意選択の気化ポイント703を含む。いくつかの実施態様では、気化されてプロセスステーション700に送給される液体の質量流量を制御するために、液体流コントローラ(LFC)を気化ポイント703の上流に設けることができる。例えば、LFCは、LFCの下流に位置する熱質量流量計(MFM)を含み得る。次に、LFCのプランジャ弁は、MFMと電気的に通信する比例積分微分(PID)コントローラによって提供されるフィードバック制御信号に応答して調整され得る。
【0142】
シャワーヘッド706は、プロセスガスを基板712に向かって分配する。
図7に示す実施態様では、基板712は、シャワーヘッド706の下に位置し、台座708上に静止した状態で示されている。シャワーヘッド706は、任意の適切な形状を有してもよく、プロセスガスを基板712に分配するための任意の適切な数および配置のポートを有してもよい。
【0143】
いくつかの実施態様では、台座708を上昇または下降させ、基板712を基板712とシャワーヘッド706との間の容積707に露出させることができる。いくつかの実施態様では、台座の高さは、適切なコンピュータコントローラ750によってプログラム的に調整することができることが理解されよう。いくつかの実施態様では、シャワーヘッド706は、複数の温度制御部を有する複数のプレナム容積を有し得る。
【0144】
いくつかの実施態様では、台座708は、ヒータ710を介して温度制御され得る。いくつかの実施態様では、台座708は、開示された実施態様に記載のようにトリフルオロ酢酸などの有機蒸気現像化学物質へのフォトパターニングされたレジストの非プラズマ熱露光中、0℃超~300℃以上、例えば40℃~160℃、例えば約80℃~140℃の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施態様では、台座708のヒータ710は、複数の独立して制御可能な温度制御ゾーンを含むことができる。
【0145】
さらに、いくつかの実施態様では、プロセスステーション700についての圧力制御は、バタフライ弁718によって提供され得る。
図7の実施態様に示すように、バタフライ弁718は、下流の真空ポンプ(図示せず)によって提供される真空を絞る。しかし、いくつかの実施態様では、プロセスステーション700の圧力制御はまた、プロセスステーション700に導入される1つまたは複数のガスの流量を変化させることによって調整することができる。
【0146】
いくつかの実施態様では、シャワーヘッド706の位置を台座708に対して調整し、基板712とシャワーヘッド706との間の容積707を変化させることができる。さらに、台座708および/またはシャワーヘッド706の垂直位置は、本開示の範囲内の任意の適切な機構によって変化させてもよいことが理解されよう。いくつかの実施態様では、台座708は、基板712の配向を回転させるための回転軸を含んでもよい。いくつかの実施態様では、これらの例示的な調整の1つまたは複数は、1つまたは複数の適切なコンピュータコントローラによってプログラム的に実施することができることが理解されよう。
【0147】
例えばデスカムまたは平滑化動作において、プラズマが使用され得る場合、シャワーヘッド706および台座708は、プラズマに電力を供給するために、高周波(RF)電源714および整合ネットワーク716と電気的に通信する。いくつかの実施態様では、プラズマエネルギーは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングの1つまたは複数を制御することによって制御することができる。例えば、RF電源714および整合ネットワーク716は、任意の適切な電力で動作してラジカル種の所望の組成を有するプラズマを形成することができる。適切な電力の例は、最大約500Wである。
【0148】
いくつかの実施態様では、コントローラ750に対する命令は、入出力制御(IOC)シーケンス命令を介して提供され得る。一例では、プロセス段階に対する条件を設定するための命令は、プロセスレシピの対応するレシピ段階に含まれてもよい。場合によっては、プロセスレシピ段階は、プロセス段階に対するすべての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順に配置されてもよい。いくつかの実施態様では、1つまたは複数のリアクタパラメータを設定するための命令がレシピ段階に含まれてもよい。例えば、レシピ段階は、トリフルオロ酢酸などの乾式現像化学物質反応ガスの流量を設定するための命令、およびレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。いくつかの実施態様では、コントローラ750は、
図8のシステムコントローラ850に関して以下で説明される特徴のいずれかを含むことができる。
【0149】
上述のように、1つまたは複数のプロセスステーションをマルチステーション処理ツールに含めることができる。
図8は、インバウンドロードロック802およびアウトバウンドロードロック804を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を含み得るマルチステーション処理ツール800の一実施態様の概略図を示す。ロボット806は、大気圧において、ポッド808を介してロードされたカセットから、大気圧ポート810を介してインバウンドロードロック802にウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット806によって、インバウンドロードロック802の台座812上に載置され、大気圧ポート810が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック802がリモートプラズマ源を含む場合、ウエハは、処理チャンバ814に導入される前にロードロック内で基板表面を処理するためにリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、ウエハはまた、例えば、水分および吸収したガスを除去するためにインバウンドロードロック802においても加熱されてもよい。次に、処理チャンバ814へのチャンバ搬送ポート816が開かれ、別のロボット(図示せず)が、処理のためにリアクタ内に示す第1のステーションの台座上のリアクタ内にウエハを配置する。
図8に図示される実施態様はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施態様では、プロセスステーションにウエハを直接進入させてもよいことが理解されよう。
【0150】
図示の処理チャンバ814は、
図8に示す実施態様において1から4まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に対して818で示す)と、ガスライン入口とを有する。いくつかの実施態様では、各プロセスステーションは、異なる目的または複数の目的を有し得ることが理解されよう。例えば、いくつかの実施態様では、プロセスステーションは乾式現像モードとエッチングプロセスモードとの間で切り替え可能であってもよい。追加的または代替的に、いくつかの実施態様では、処理チャンバ814は、乾式現像およびエッチングプロセスステーションの1つまたは複数の対応する対を含んでもよい。図示の処理チャンバ814は4つのステーションを含むが、本開示による処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施態様では、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施態様では、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
【0151】
図8は、処理チャンバ814内でウエハを移送するためのウエハハンドリングシステム890の一実施態様を図示する。いくつかの実施態様では、ウエハハンドリングシステム890は、様々なプロセスステーション間および/またはプロセスステーションとロードロックとの間でウエハを移送することができる。任意の適切なウエハハンドリングシステムが用いられてもよいことが理解されよう。非限定的な例として、ウエハカルーセルおよびウエハハンドリングロボットが挙げられる。
図8はまた、プロセスツール800のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ850の一実施態様を図示する。システムコントローラ850は、1つまたは複数のメモリデバイス856と、1つまたは複数の大容量記憶デバイス854と、1つまたは複数のプロセッサ852とを含むことができる。プロセッサ852は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
【0152】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ850は、プロセスツール800の活動のすべてを制御する。システムコントローラ850は、大容量記憶デバイス854に記憶され、メモリデバイス856にロードされ、プロセッサ852で実行されるシステム制御ソフトウェア858を実行する。あるいは、制御論理は、コントローラ850にハードコード化されてもよい。特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはFPGA)などをこれらの目的のために使用することができる。以下の説明では、「ソフトウェア」または「コード」が使用される場合は常に、機能的に同等のハードコード化された論理をその代わりに使用することができる。システム制御ソフトウェア858は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにプロセスツール800によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。システム制御ソフトウェア858は、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために使用されるプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェア858は、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0153】
いくつかの実施態様では、システム制御ソフトウェア858は、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含み得る。いくつかの実施態様では、システムコントローラ850に関連する大容量記憶デバイス854および/またはメモリデバイス856に記憶された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例には、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムが挙げられる。
【0154】
基板位置決めプログラムは、基板を台座818上にロードし、基板とプロセスツール800の他の部分との間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のプログラムコードを含むことができる。
【0155】
プロセスガス制御プログラムは、プロセスステーションの圧力を安定化するために、有機蒸気組成(例えば、本明細書に記載のトリフルオロ酢酸)および流量を制御するためのコード、および任意選択で、堆積前にガスを1つまたは複数のプロセスステーションに流すためのコードを含むことができる。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムのスロットル弁、プロセスステーションへのガス流などを調節することによってプロセスステーションの圧力を制御するためのコードを含み得る。
【0156】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。
【0157】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施態様に従って1つまたは複数のプロセスステーション内のプロセス電極に適用されるRF電力レベルを設定するためのコードを含むことができる。
【0158】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施態様に従って反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを含むことができる。
【0159】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ850に関連するユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。
【0160】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ850によって調整されたパラメータは、プロセス条件に関係するものであってもよい。非限定的な例として、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベルなど)などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてもよく、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
【0161】
プロセスを監視するための信号は、様々なプロセスツールセンサからシステムコントローラ850のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール800のアナログおよびデジタル出力接続で出力することができる。監視することができるプロセスツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、プロセス条件を維持することができる。
【0162】
システムコントローラ850は、上述の堆積プロセスを実施するためのプログラム命令を提供することができる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度などの様々なプロセスパラメータを制御することが可能である。命令は、本明細書に記載の様々な実施態様に従って現像、洗浄、および/またはエッチングプロセスを動作させるパラメータを制御することができる。
【0163】
システムコントローラ850は、典型的には、装置が開示された実施態様に従って方法を実施するように命令を実行するように構成された1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含む。開示された実施態様に従ってプロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体は、システムコントローラ850に結合され得る。
【0164】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ850はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。システムコントローラ850は、処理条件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0165】
広義には、システムコントローラ850は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でシステムコントローラ850に通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施態様では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0166】
システムコントローラ850は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、システムコントローラ850は、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、システムコントローラ850は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびシステムコントローラ850が連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ850は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0167】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、現像チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0168】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、システムコントローラ850は、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0169】
特定の実施態様では、いくつかの実施態様の実施に適したエッチング動作に適切であり得るICPリアクタが、ここで説明される。ICPリアクタが本明細書では説明されるが、いくつかの実施態様では、容量結合プラズマリアクタも使用することができることを理解されたい。
【0170】
図9は、乾式現像、洗浄、および/またはエッチングなどの特定の実施態様または実施態様の態様を実施するのに適切な誘導結合プラズマ装置900の断面図を概略的に示し、その一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社によって製造されるKiyo(登録商標)リアクタである。他の実施態様では、本明細書に記載の乾式現像、洗浄、および/またはエッチングプロセスを行う機能を有する他のツールまたはツールタイプを使用して実施することができる。
【0171】
誘導結合プラズマ装置900は、チャンバ壁901および窓911によって構造的に画定された総合プロセスチャンバ924を含む。チャンバ壁901は、ステンレス鋼、アルミニウム、またはプラスチックから製作することができる。窓911は、石英または他の誘電体材料から製作することができる。任意選択の内部プラズマグリッド950は、総合プロセスチャンバを上部サブチャンバ902および下部サブチャンバ903に分割する。多くの実施態様では、プラズマグリッド950を除去することができ、それによってサブチャンバ902および903からなるチャンバ空間を利用することができる。チャック917が、底部内面近くの下部サブチャンバ903内に位置決めされる。チャック917は、エッチングおよび堆積プロセスが実施される半導体ウエハ919を受け入れて保持するように構成される。チャック917は、存在する場合、ウエハ919を支持するための静電チャックであり得る。いくつかの実施態様では、エッジリング(図示せず)がチャック917を囲み、チャック917の上に存在する場合、ウエハ919の上面とほぼ平面である上面を有する。チャック917はまた、ウエハ919をチャックおよびデチャックするための静電電極を含む。この目的のために、フィルタおよびDCクランプ電源(図示せず)が設けられてもよい。チャック917からウエハ919を持ち上げるための他の制御システムもまた、設けられてもよい。チャック917は、RF電源923を使用して充電させることができる。RF電源923は、接続927を通して整合回路921に接続される。整合回路921は、接続925を通してチャック917に接続される。このようにして、RF電源923はチャック917に接続される。様々な実施態様において、静電チャックのバイアス電力は、約50Vに設定されてもよいし、開示された実施態様に従って実施されるプロセスに応じて異なるバイアス電力に設定されてもよい。例えば、バイアス電力は、約20V~約100V、または約30V~約150Vであってもよい。
【0172】
プラズマ生成のための要素は、コイル933を含み、窓911の上に位置決めされる。いくつかの実施態様では、コイルは、開示された実施態様では使用されない。コイル933は、導電性材料から製作され、少なくとも1つの完全なターンを含む。
図9に示すコイル933の例は、3ターンを含む。コイル933の断面は記号で示されており、「X」を有するコイルはページ内に回転して延びるが、「●」を有するコイルはページ外に回転して延びる。プラズマ生成のための要素はまた、RF電力をコイル933に供給するように構成されたRF電源941を含む。一般に、RF電源941は、接続945を通して整合回路939に接続される。整合回路939は、接続943を通してコイル933に接続される。このようにして、RF電源941はコイル933に接続される。任意選択のファラデーシールド949は、コイル933と窓911との間に位置決めされる。ファラデーシールド949は、コイル933に対して間隔を置いて離れた関係に維持され得る。いくつかの実施態様では、ファラデーシールド949は、窓911のすぐ上に配置される。いくつかの実施態様では、ファラデーシールド949は、窓911とチャック917との間にある。いくつかの実施態様では、ファラデーシールド949は、コイル933に対して間隔を置いて離れた関係に維持されない。例えば、ファラデーシールド949は、ギャップなく窓911の直下にあってもよい。コイル933、ファラデーシールド949、および窓911は各々、互いに実質的に平行になるように構成される。ファラデーシールド949は、金属または他の種がプロセスチャンバ924の窓911上に堆積するのを防止することができる。
【0173】
プロセスガスは、上部サブチャンバ902に位置決めされた1つまたは複数の主ガス流入口960および/または1つまたは複数のサイドガス流入口970を介してプロセスチャンバに流入することができる。同様に、明示的に示されていないが、同様のガス流入口を使用して、プロセスガスを容量結合プラズマ処理チャンバに供給することができる。真空ポンプ、例えば、1段または2段機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ940を使用して、プロセスチャンバ924からプロセスガスを引き出し、プロセスチャンバ924内の圧力を維持することができる。例えば、真空ポンプを使用して、パージ動作中に下部サブチャンバ903を排気することができる。真空ポンプによって提供される真空環境の適用を選択的に制御するために、弁制御導管を使用して真空ポンプをプロセスチャンバ924に流体接続することができる。これは、プラズマ処理動作中、スロットル弁(図示せず)または振り子弁(図示せず)などの閉ループ制御流量制限デバイスを用いて行うことができる。同様に、容量結合プラズマ処理チャンバへの真空ポンプおよび弁制御流体接続も用いることができる。
【0174】
装置900の動作中、1つまたは複数のプロセスガスは、ガス流入口960および/または970を通して供給され得る。特定の実施態様では、プロセスガスは、主ガス流入口960のみを通して、またはサイドガス流入口970のみを通して供給され得る。場合によっては、図に示すガス流入口は、より複雑なガス流入口、例えば、1つまたは複数のシャワーヘッドに置き換えられてもよい。ファラデーシールド949および/または任意選択のグリッド950は、プロセスチャンバへ924のプロセスガスの送給を可能にする内部チャネルおよび穴を含み得る。ファラデーシールド949および任意選択のグリッド950のいずれかまたは両方が、プロセスガスを送給するためのシャワーヘッドとして機能してもよい。いくつかの実施態様では、液体気化および送給システムは、プロセスチャンバ924の上流に配置され得、それにより液体反応剤または前駆体が気化されると、気化した反応剤または前駆体は、ガス流入口960および/または970を介してプロセスチャンバ924に導入される。
【0175】
高周波電力は、RF電源941からコイル933に供給され、RF電流がコイル933を通って流れるようにする。コイル933を通って流れるRF電流は、コイル933の周りに電磁場を生成する。電磁場は、上部サブチャンバ902内で誘導電流を生成する。様々な生成されたイオンおよびラジカルとウエハ919の物理的および化学的相互作用により、ウエハ919のフィーチャがエッチングされ、ウエハ919上に層を選択的に堆積させる。
【0176】
プラズマグリッド950が、上部サブチャンバ902と下部サブチャンバ903の両方が存在するように使用される場合、誘導電流は、上部サブチャンバ902に存在するガスに作用し、上部サブチャンバ902に電子-イオンプラズマを生成する。任意選択の内部プラズマグリッド950は、下部サブチャンバ903内の熱電子の数を限定する。いくつかの実施態様では、装置900は、下部サブチャンバ903に存在するプラズマがイオン-イオンプラズマであるように設計および動作される。
【0177】
上部電子-イオンプラズマと下部イオン-イオンプラズマの両方が正イオンおよび負イオンを含むことができるが、イオン-イオンプラズマは、正イオンに対して負イオンの比率が大きい。揮発性エッチングおよび/または堆積副生成物は、ポート922を通して下部サブチャンバ903から除去され得る。本明細書に開示されるチャック917は、約10℃~約250℃の範囲の高温で動作することができる。温度は、プロセス動作および特定のレシピに依存する。
【0178】
装置900は、クリーンルームまたは製作施設に設置される場合、設備(図示せず)に結合されてもよい。設備は、処理ガス、真空、温度制御、および環境粒子制御を提供する配管を含む。これらの設備は、目的の製作施設に設置されると、装置900に結合される。加えて、装置900は、ロボットが典型的な自動動作を使用して半導体ウエハを装置900に出入りすることを可能にする移送チャンバに結合され得る。
【0179】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ930(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含むことができる)が、プロセスチャンバ924の動作の一部またはすべてを制御する。システムコントローラ930は、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含むことができる。いくつかの実施態様では、装置900は、開示された実施態様が実施されるときに流量および期間を制御するための切り替えシステムを含む。いくつかの実施態様では、装置900は、最大約500ms、または最大約750msの切り替え時間を有することができる。切り替え時間は、流れる化学物質、選択されたレシピ、リアクタアーキテクチャ、および他の要因に依存し得る。
【0180】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ930はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器はシステムコントローラ930に一体化され、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。システムコントローラ930は、処理パラメータおよび/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0181】
広義には、システムコントローラ930は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施態様では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作または除去における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0182】
システムコントローラ930は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、システムコントローラ930は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ930は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0183】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、ALEチャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、乾式現像チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0184】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0185】
EUVLパターニングは、多くの場合スキャナと呼ばれる任意の適切なツール、例えばオランダ国ベルドホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームを使用して行うことができる)。EUVLパターニングツールは、本明細書で説明される堆積およびエッチングのためにそこから基板を出し入れするスタンドアロンデバイスであってもよい。または、以下で説明するように、EUVLパターニングツールは、より大きなマルチ構成要素ツール上のモジュールであってもよい。
図10は、本明細書に記載のプロセスの実施に適した、真空移送モジュールとインターフェースする真空統合堆積、EUVパターニング、および乾式現像/エッチングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する。プロセスはそのような真空統合装置なしで行うことができるが、そのような装置は、いくつかの実施態様において有利であり得る。
【0186】
図10は、本明細書に記載のプロセスの実施に適した、真空移送モジュールとインターフェースする真空統合堆積およびパターニングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する。複数の保管施設および処理モジュールの間でウエハを「移送」するための移送モジュールの配置は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれることがある。特定のプロセスの要件に従って、堆積およびパターニングモジュールが真空統合される。エッチング用などの他のモジュールもまた、クラスタに含めることができる。
【0187】
真空搬送モジュール(VTM)1038は、4つの処理モジュール1020a~1020dとインターフェースし、様々な製作プロセスを実施するために個々に最適化することができる。一例として、処理モジュール1020a~1020dは、堆積、蒸着、ELD、乾式現像、洗浄、エッチング、ストリップ、および/または他の半導体プロセスを実施するように実装され得る。例えば、モジュール1020aは、カリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なVectorツールなど、本明細書に記載の非プラズマ熱原子層堆積を実施するように動作され得るALDリアクタであってもよい。そしてモジュール1020bは、Lam Vector(登録商標)などのPECVDツールであってもよい。図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。
【0188】
ロードロックまたは移送モジュールとしても知られるエアロック1042および1046は、VTM1038およびパターニングモジュール1040とインターフェースする。例えば、上記のように、適切なパターニングモジュールは、オランダ国ベルドホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームであり得る)。このツールアーキテクチャは、露光前に反応しないように、半導体基板またはウエハなどのワークピースを真空下で移送することを可能にする。堆積モジュールとリソグラフィツールの統合は、H2O、O2などの周囲ガスによる入射光子の強い光吸収を考慮して、EUVLも大幅に低減された圧力を必要とするという事実によって促進される。
【0189】
上記のように、この統合されたアーキテクチャは、説明されたプロセスを実施するためのツールの可能な実施態様の1つにすぎない。プロセスはまた、より従来型のスタンドアロンEUVLスキャナを用いて、およびモジュールとして、例えば
図10を参照して説明されているが統合されたパターニングモジュールがない、スタンドアロンであるか、エッチング、ストリップなどの他のツール(例えば、Lam KiyoまたはGammaツール)とクラスタアーキテクチャに統合されている、Lam Vectorツールなどの堆積リアクタを用いて実施することができる。
【0190】
エアロック1042は、堆積モジュール1020aを機能させるVTM1038からパターニングモジュール1040への基板の移送を指す、「搬出」ロードロックであり得、エアロック1046は、パターニングモジュール1040からVTM1038に戻る基板の移送を指す、「搬入」ロードロックであってもよい。搬入ロードロック1046はまた、基板のアクセスおよび出口のためのツールの外部へのインターフェースを提供することができる。各プロセスモジュールは、モジュールをVTM1038にインターフェースさせるファセットを有する。例えば、堆積プロセスモジュール1020aは、ファセット1036を有する。各ファセット内では、センサ、例えば図示のセンサ1~18を使用して、それぞれのステーション間を移動する際にウエハ1026の通過を検出する。パターニングモジュール1040ならびにエアロック1042および1046は、図示されていない追加のファセットおよびセンサを同様に備えることができる。
【0191】
主VTMロボット1022は、エアロック1042および1046を含むモジュール間でウエハ1026を移送する。一実施態様では、ロボット1022は1つのアームを有し、別の実施態様では、ロボット1022は2つのアームを有し、各アームは、搬送のためにウエハ1026などのウエハを持ち上げるエンドエフェクタ1024を有する。フロントエンドロボット1044は、その中において、ウエハ1026を搬出エアロック1042からパターニングモジュール1040に、パターニングモジュール1040から搬入エアロック1046に移送するために使用される。フロントエンドロボット1044はまた、基板のアクセスおよび出口のために、搬入ロードロックとツールの外部との間でウエハ1026を搬送することができる。搬入エアロックモジュール1046が大気圧と真空との間の環境を適合させる能力を有するので、ウエハ1026は、損傷を受けることなく2つの圧力環境の間を移動することができる。
【0192】
EUVLツールは、典型的には、堆積ツールよりも高い真空で動作することに留意されたい。この場合、パターニングツールに入る前に基板の脱ガスを可能にするために、堆積ツールとEUVLツールとの間の移送中に基板の真空環境を増加させることが望ましい。搬出エアロック1042は、一定期間にわたってパターニングモジュール1040内の圧力よりも高くない低圧で移送されたウエハを保持し、かつオフガスを排出することによってこの機能を提供することができ、それによりパターニングモジュール1040の光学系が基板からのオフガスによって汚染されなくなる。排出オフガスエアロックに対して適切な圧力は、1E-8Torr以下である。
【0193】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ1050(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含むことができる)が、クラスタツールおよび/またはその別々のモジュールの動作の一部またはすべてを制御する。コントローラは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであり得るか、または製造フロアのクラスタアーキテクチャの外部に位置し得るか、または遠隔地に位置し、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続され得ることに留意されたい。システムコントローラ1050は、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含むことができる。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボード、および他の同様の構成要素を含み得る。適切な制御動作を実施するための命令が、プロセッサ上で実行される。これらの命令は、コントローラに関連付けられたメモリデバイスに記憶することができ、またはネットワークを介して提供することができる。特定の実施態様では、システムコントローラは、システム制御ソフトウェアを実行する。
【0194】
システム制御ソフトウェアは、適用のタイミングおよび/またはツールもしくはモジュール動作の任意の態様の大きさを制御するための命令を含むことができる。システム制御ソフトウェアは、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するのに必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェアは、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。いくつかの実施態様では、システム制御ソフトウェアは、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含む。例えば、半導体製作プロセスの各段階は、システムコントローラによって実行される1つまたは複数の命令を含み得る。例えば、凝縮、堆積、蒸着、パターニング、および/またはエッチング段階に対するプロセス条件を設定するための命令は、対応するレシピ段階に含まれてもよい。
【0195】
様々な実施態様において、ネガパターンマスクを形成するための装置が提供される。装置は、パターニング、堆積、およびエッチングのための処理チャンバと、ネガパターンマスクを形成するための命令を含むコントローラとを含むことができる。命令は、処理チャンバにおいて、EUV露光によって半導体基板上の化学増幅(CAR)レジスト内のフィーチャをパターニングして基板の表面を露出させ、フォトパターニングされたレジストを現像し、マスクとしてパターニングされたレジストを使用して下層または層スタックをエッチングするためのコードを含むことができる。現像は、有機酸などの有機蒸気を使用して実施されてもよい。
【0196】
ウエハの移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであり得るか、または製造フロアのクラスタアーキテクチャの外部に位置し得るか、または遠隔地に位置し、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続され得ることに留意されたい。
図7、
図8、または
図9のいずれかに関して上述したコントローラは、
図10のツールを用いて実装することができる。
【0197】
図11Aは、いくつかの実施態様による、金属含有レジスト材料の蒸気ベースの堆積のための堆積チャンバの一例を示す。見てわかるように、蓋1108を含むプロセスチャンバ1102を有する装置1100が図示されている。プロセスチャンバ1102は、プロセスチャンバ1102の壁の1つを通るウエハ移送通路1104を含むことができ、ウエハ移送通路1104は、基板1122が通過してプロセスチャンバ1102の内部に入ることができるようなサイズであり、そこで基板1122は、ウエハ支持体1124上に載置され得る。ウエハ移送通路1104は、ウエハ移送通路1104を密閉または開放するために動作することができるゲート弁1106または同様のドア機構を有することができ、それによってプロセスチャンバ1102内の環境をゲート弁1106の反対側の環境から隔離することが可能になる。例えば、プロセスチャンバ1102には、隣接する移送チャンバ内に位置するウエハハンドリングロボットを介して基板1122が提供されてもよい。そのような移送チャンバは、例えば、その周囲に配置された複数のプロセスチャンバ1102を有し得、各そのようなプロセスチャンバ1102は、対応するゲート弁1106を介して移送チャンバと接続される。
【0198】
ウエハ支持体1124は、例えば、基板1122を支持するためのウエハ支持面を提供するために使用され得る静電チャック(ESC)1126を含むことができる。ESC1126は、例えば、ベースプレート1134の上に載置されるトッププレート1128に接合されるベースプレート1134を含むことができる。トッププレート1128は、例えば、セラミック材料で作製されてもよく、内部にいくつかの他の構成要素が埋め込まれていてもよい。図示の例では、トッププレート1128は、内部に埋め込まれた2つの別々の電気システムを有する。1つのそのようなシステムは、静電クランプ電極システムであり、これは、基板1122内に電荷を生成するために使用され得る1つまたは複数のクランプ電極1132を有し得、基板1122をトッププレート1128のウエハ支持表面に対して引き寄せさせる。
図11Aの実施態様では、双極静電クランプシステムを提供する2つのクランプ電極1132が存在するが、いくつかの実施態様では、単極静電クランプシステムを提供するために単一のクランプ電極1132のみを使用することができる。
【0199】
他のシステムは、処理条件中に基板1122の温度を制御するために使用され得る熱制御システムである。
図11Aでは、熱制御システムは、互いに同心であり、クランプ電極1132の下に位置決めされた4つの環状抵抗ヒータトレース1130a、1130b、1130c、および1130dを特徴とするマルチゾーン熱制御システムである。中心の抵抗ヒータトレース1130aは、いくつかの実施態様では、略円形の領域を満たしてもよく、各抵抗ヒータトレース1130a/b/c/dは、対応する環状領域内で略蛇行状あるいは曲がりくねった経路を辿ってもよい。各抵抗ヒータトレース1130a/b/c/dを個々に制御することで、トッププレート1128に様々な放射状加熱プロファイルを提供することができ、そのような4ゾーン加熱システムは、例えば、場合によっては±0.5℃の温度均一性を有するように基板1122を維持するように制御されてもよい。
図11Aの装置1100はESC1126内の4ゾーン加熱システムを特徴とするが、他の実施態様では、4つよりも多いまたは少ないゾーンを有する単一ゾーンまたはマルチゾーン加熱システムを使用することができる。
【0200】
例えば、上述した温度制御機構のいくつかの実施態様では、抵抗加熱トレースの代わりにヒートポンプが使用されてもよい。例えば、いくつかの実施態様では、抵抗ヒータトレースは、一方の側から他方の側に熱を「ポンピング」するように制御され得るペルチェ接合または他の同様のデバイスによって置き換えられ、または増強されてもよい。そのような機構は、例えば、トッププレート1128(したがって基板1122)から熱を引き出し、熱をベースプレート1134および熱交換通路1136に導くために使用され得、それによって所望に応じて、基板1122をより迅速かつより効果的に冷却することが可能になる。
【0201】
ESC1126はまた、例えば、構造的支持をトッププレート1128の下側に提供するために使用され得、かつ熱分散システムとしても作用し得るベースプレート1134を含むことができる。例えば、ベースプレート1134は、ベースプレート1134全体に概して分散して配置される1つまたは複数の熱交換通路1136を含み得、例えば、熱交換通路1136は、ベースプレート1134の中心の周りで蛇行状、円形スイッチバック状、または螺旋状のパターンを辿ってもよい。使用中に熱交換媒体、例えば、水または不活性フッ素化液体を熱交換通路1136を通して循環させることが可能である。熱交換媒体の流量および温度は、ベースプレート1134内で特定の加熱または冷却挙動をもたらすように外部から制御することができる。
【0202】
ESC1126は、例えば、ウエハ支持柱1144に接続され、ウエハ支持柱1144によって支持されるウエハ支持ハウジング1142によって支持されてもよい。ウエハ支持柱1144は、例えば、ケーブル配線、流体流導管、および他の機器をベースプレート1134および/またはトッププレート1128の下側に送るためのルーティング通路1148他の通過路を有してもよい。例えば、
図11Aには示されていないが、電力を抵抗ヒータトレース1130a/b/c/dに供給するためのケーブル配線は、電力をクランプ電極1132に供給するためのケーブル配線と同様に、ルーティング通路1148を通して送られてもよい。他のケーブル、例えば、温度センサ用のケーブルもまた、ルーティング通路1148を通してウエハ支持体1124の内部の場所に送られてもよい。温度制御可能なベースプレート1134を有する実施態様では、熱交換媒体をベースプレート1134間で搬送するための導管もまた、ルーティング通路1148を通して送られてもよい。過度の乱雑さを回避するために、そのようなケーブルおよび導管は
図11Aには図示されていないが、それでもなおそれらは存在することを理解されたい。
【0203】
図11Aの装置1100はまた、可動支持をウエハ支持柱1144に提供することができるウエハ支持体Zアクチュエータ1146を含む。ウエハ支持体Zアクチュエータ1146を作動させ、ウエハ支持柱1144、およびそれによって支持されるウエハ支持体1124を、プロセスチャンバ1102の反応空間1120内において、例えば、最大数インチだけ垂直に上下に移動させることが可能である。これを行う際、基板1122とシャワーヘッド1110の下側との間のギャップ距離Xは、様々なプロセス条件に応じて調整することができる。
【0204】
ウエハ支持体1124はまた、いくつかの実施態様では、様々なプロセス条件を制御および/または微調整するために使用され得る1つまたは複数のエッジリングを含み得る。
図11Aでは、上部エッジリング1138が、例えば、下部エッジリング1140aおよび1140bの上に設けられ、これらはウエハ支持ハウジング1142および第3の下部エッジリング1140cによって支持される。上部エッジリング1138は、例えば、一般に基板1122と同じ処理環境に供され得るが、下部エッジリング1140a/b/cは、一般に処理環境から遮蔽され得る。上部エッジリング1138の露出が増加するため、上部エッジリング1138は寿命は限られており、下部エッジリング1140a/b/cと比較してより頻繁な交換または洗浄が必要となり得る。
【0205】
装置1100はまた、処理中および処理の終了後にプロセスチャンバ1102からプロセスガスを除去するためのシステムを含むことができる。例えば、プロセスチャンバ1102は、ウエハ支持柱1144を取り囲む環状プレナム1156を含み得る。次いで環状プレナム1156は、例えば、装置1100の下における下地床の下に位置し得るものなど、真空ポンプと接続され得る真空フォアライン1152と流体接続することができる。調節弁1154が真空フォアライン1152とプロセスチャンバ1102との間に設けられ、真空フォアライン1152への流れを制御するために作動させることができる。いくつかの実施態様では、環状プレナム1156への流れをウエハ支持柱1144の円周の周りにより均一に分散させるように機能し得るバッフル1150、例えば、環状プレートまたは他の構造を設けることで、基板1122を横切って流れる反応剤において流れの不均一性が生じる可能性を低減することが可能である。
【0206】
シャワーヘッド1110は、示すように、デュアルプレナムシャワーヘッド1110であり、第1の入口1116を介してプロセスガスが供給される第1のプレナム1112と、第2の入口1118を介してプロセスガスが供給される第2のプレナム1114とを含む。一般に、前駆体および逆反応剤の放出前に前駆体と逆反応剤との間の分離を維持するために、2つのプレナムを用いることが可能である。シャワーヘッド1110は、いくつかの実施態様では、3つ以上のプレナムを有してもよい。場合によっては、単一のプレナムを使用して、前駆体を処理チャンバ1102の反応空間1120に送給する。各プレナムは、シャワーヘッド1110のフェースプレート(フェースプレートは、最下部のプレナムと反応空間1120との間に介在するシャワーヘッド1110の部分である)を通してそれぞれのプレナムを反応空間1120と流体接続する、対応する一組のガス分配ポートを有することができる。
【0207】
シャワーヘッド1110の第1の入口1116および第2の入口1118には、ガス供給システムを介して処理ガスが供給されてもよく、ガス供給システムは、本明細書で説明されるように、1つまたは複数の前駆体および/または逆反応剤を供給するように構成され得る。図示の装置1100は、複数の前駆体および複数の逆反応剤を供給するように構成される。例えば、第1の弁マニホールド1168aは、前駆体を第1の入口1116に供給するように構成され得、第2の弁マニホールド1168bは、他の前駆体または他の逆反応剤を第2の入口1118に供給するように構成され得る。
【0208】
第1の弁マニホールド1168aは、1つまたは複数の前駆体を第1の入口1116に供給するように構成され得、第2の弁マニホールド1168bは、他の前駆体または他の反応剤を第2の入口1118に供給するように構成され得る。この例では、第1の弁マニホールド1168aは、例えば、複数の弁A1~A5を含む。弁A2は、例えば、第1の気化器1172aと流体接続された1つのポート、バイパスライン1170aと流体接続された別のポート、および別の3方弁A3上のポートと流体接続された第3のポートを有する三方弁であってもよい。同様に、弁A4は、第2の気化器1172bと流体接続された1つのポート、バイパスライン1170aと流体接続された別のポート、および別の3方弁A5上のポートと流体接続された第3のポートを有する別の三方弁であってもよい。弁A5上の他のポートのうちの1つは第1の入口1116と流体接続され得、弁A5上の残りのポートは弁A3上の残りのポートのうちの1つと流体接続され得る。続いて弁A3上の残りのポートは弁A1と流体接続され得、弁A1は、弁A3とパージガス源1174、例えば、窒素、アルゴン、または他の適切な不活性ガス(前駆体および/または逆反応剤に関して)との間に流体的に介在され得る。いくつかの実施態様では、第1の弁マニホールドのみが用いられる。
【0209】
本開示の目的のために、「流体接続された」という用語は、「電気的に接続された」という用語が互いに接続されて電気的接続を形成する構成要素に関して使用されるのと同様に、流体接続を形成するために互いに接続され得る容積、プレナム、穴などに関して使用される。「流体的に介在された」という用語は、使用される場合、構成要素、容積、プレナム、または穴が少なくとも2つの他の構成要素、容積、プレナム、または穴と流体接続され、それによりそれらの他の構成要素、容積、プレナム、または穴のうちの1つからそれらの構成要素、容積、プレナム、または穴の他方に流れる流体が、それらの他方の構成要素、容積、プレナム、または穴に達する前にまず「流体的に介在された」構成要素を通って流れることになる構成要素、容積、プレナム、または穴を指すために使用することができる。例えば、ポンプがリザーバと出口との間に流体的に介在される場合、リザーバから出口に流れた流体は、出口に達する前にまずポンプを通って流れることになる。
【0210】
第1の弁マニホールド1168aは、例えば、気化器1172aおよび1172bの一方または両方からの蒸気をプロセスチャンバ1102に流すか、または第1のバイパスライン1170aを通して真空フォアライン1152に流すように制御可能であり得る。第1の弁マニホールド1168aはまた、パージガスをパージガス源1174から第1の入口1116に流すように制御可能であってもよい。
【0211】
例えば、蒸気を第1の気化器1172aから反応空間1120に流すために、弁A2を作動させ、第1の気化器1172aからの蒸気をまず第1のバイパスライン1170aに流すことができる。この流れは、蒸気の流れが定常状態の流れ条件に達するのを可能にするのに十分な期間にわたって維持され得る。十分な時間が経過した後(または使用される場合、流量計が流量が安定していることを示した後)、弁A2、A3、およびA5を作動させ、第1の気化器1172aからの蒸気流を第1の入口に誘導することができる。弁A4およびA5を用いた同様の動作を実施し、蒸気を第2の気化器1172bから第1の入口1116に送給してもよい。場合によっては、パージガス源1174からのパージガスを第1の入口1116に流入させるように弁A1、A3、およびA5を作動させることによって、第1のプレナム1112から蒸気のうちの1つをパージすることが望ましいことがある。いくつかの追加の実施態様では、ガスをパージガスから第1の入口1116に流すのと並行して、気化器1172aまたは1172bのうちの1つから蒸気を同時に流すことが望ましい場合がある。そのような実施態様は、かかる蒸気に含まれる反応剤の濃度を希釈するために使用することが可能である。
【0212】
第2の弁マニホールド1168bを同様の方式で、例えば、弁B1~B5を制御することによって制御し、蒸気を気化器1172cおよび1172dから第2の入口1118または第2のバイパスライン1170bに供給することができることが理解されるであろう。さらに、第1の入口1116および第2の入口1118への前駆体、逆反応剤、または他の反応剤の流れを制御するための弁を含む単一の一体型マニホールドを含む、異なるマニホールド配置も同様に利用することができることが理解されるであろう。
【0213】
前述したように、いくつかの装置1100は、より少ない数の蒸気源、例えば、2つの気化器1172のみを特徴とすることができ、その場合、より少ない数の弁、例えば、弁A1~A3のみを有するように弁マニホールド1168を修正することが可能である。]
【0214】
上述のように、膜の乾式堆積を行うために使用され得る装置1100などの装置は、プロセスチャンバ1102内で特定の温度プロファイルを維持するように構成され得る。特に、そのような装置1100は、前駆体および/または逆反応剤と直接接触する装置1100の大部分の機器よりも低い温度、例えば、少なくとも25℃~50℃低い温度に基板1122を維持するように構成され得る。加えて、前駆体および/または逆反応剤と直接接触する装置1100の機器の温度は、そのような機器の表面上における気化した反応剤の凝縮が妨げられるのに十分に高い高温レベルに保持することができる。同時に、基板1122の温度は、基板1122上での反応剤の凝縮、または少なくとも堆積を促進するレベルに制御されてもよい。
【0215】
このような温度制御を提供するために、様々な加熱システムが装置1100に含まれ得る。例えば、プロセスチャンバ1102は、カートリッジヒータ1158を受け入れるためのレセプタクルを有してもよく、例えば、概して円筒形の内部容積を有するが、正方形または長方形の外形を有するプロセスチャンバ1102の場合、カートリッジヒータ1158を受け入れるための垂直穴をチャンバ1102のハウジングの四隅に開けることが可能である。いくつかの実施態様では、シャワーヘッド1110はヒータブランケット1160で覆われてもよく、ヒータブランケット1160は、シャワーヘッド1110の露出した上面全体に熱を加え、シャワーヘッドの温度を高く保つために使用することができる。また、気化した反応剤を気化器1172からシャワーヘッド1110に導くために使用される様々なガスラインを加熱することも有益であり得る。例えば、抵抗性ヒータテープをそのようなガスラインの周りに巻き付け、ガスラインを高温に加熱するために使用することができる。
図11Aに示すように、バイパスライン1170を含め、前駆体および/または逆反応剤が通って流れる可能性のあるすべてのガスラインが加熱されているものとして示されている。唯一の例外は、弁マニホールド1168から第1の入口1116および第2の入口1118へのガスラインであり、これは非常に短く、シャワーヘッド1110によって間接的に加熱することができる。もちろん、所望に応じて、これらのガスラインも積極的に加熱することが可能である。いくつかの実施態様では、ゲート弁1106に近接してヒータを設けることで、熱をゲート弁にも供給することができる。
【0216】
装置1100の様々な動作システムは、コントローラ1184によって制御することができ、コントローラ1184は、互いに動作可能に接続され、装置1100の様々なシステムおよびサブシステムと通信可能に接続されることでこれらのシステムに対する制御機能を提供する、1つまたは複数のプロセッサ1186および1つまたは複数のメモリデバイス1188を含み得る。例えば、コントローラ1184は、弁A1~A5およびB1~B5、様々なヒータ1158、1160、気化器1172、調節弁1154、ゲート弁1106、ウエハ支持体Zアクチュエータなどを制御するように構成され得る。
【0217】
装置1100が含み得る別の特徴が
図11Bに示されており、
図11Bは、
図11Aの基板1122、トッププレート1128、および上部エッジリング1138の一部の拡大側断面図および平面図を図示する。見てわかるように、いくつかの実施態様では、基板1122は、複数の小さなメサ1176によってトッププレート1128の大部分から上昇されてもよく、小さなメサ1176は、基板1122の下側とトッププレート1128の大部分との間に裏面ギャップ1178を提供するように、わずかな距離だけトッププレート1128の公称上面から突出する浅いボスであり得る。周壁フィーチャ1177が、トッププレート1128の周縁に設けられてもよい。周壁フィーチャ1177は、トッププレート1128の周囲全体の周りに延び、名目上はメサ1176と同じ高さであり得る。処理動作中、ヘリウムなどの概して不活性なガスが、1つまたは複数のガスポート1182を介して裏面ギャップ1178に流入することができる。次にこのガスは、周壁フィーチャ1177に遭遇する前に半径方向外向きに流れることができ、その後そのような半径方向外向きの流れが制限され、ガスの高圧領域が基板1122とトッププレート1128との間に閉じ込められる。周壁1177を越えて漏れる不活性ガスは、最終的に、基板1122の外縁と上部エッジリング1138の一部との間の半径方向ギャップ1180を通って流出し得る。そのようなガスは、シャワーヘッド1110によって放出されるガスが基板1122の下側に達するのを防止するように作用することによって、基板の下側を実施される処理動作による望ましくない影響から保護するように機能し得る。同時に、裏面ギャップ1178の領域に放出されたガスは、基板1122とトッププレート1128との間の熱結合を増加させるように作用することもでき、それによってトッププレート1128が基板1122をより効果的に加熱または冷却することが可能になる。周壁によって提供される高圧により、裏面ギャップ1178の領域内にあるガスもまた、チャンバの残りの部分におけるガスよりも高密度であり得、したがって基板1122とトッププレート1128との間により効果的な熱結合を提供することができる。
【0218】
コントローラ1184は、例えば、コンピュータ実行可能命令の実行を介して、装置1100に上記の開示と一致する様々な動作を実施させるように構成することができる。
【0219】
金属含有レジスト膜が基板1122上に堆積されると、基板1122は、上記のように、追加の動作(例えば、本明細書に記載のいずれか)のために1つまたは複数の後続のプロセスチャンバまたはツールに移送され得る。さらなる堆積装置は、2020年6月22日に出願され、「APPARATUS FOR PHOTORESIST DRY DEPOSITION」と題する国際特許出願第PCT/US2020/038968号に記載されており、上記の出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0220】
結論
例えばEUVパターニングの場面においてパターニングマスクを形成するための、金属および/または金属酸化物フォトレジストの乾式現像のためのプロセスおよび装置が開示される。
【0221】
本明細書に記載の例および実施態様は例示のみを目的としており、それに照らして様々な修正または変更が当業者には示唆されることが理解されるであろう。明瞭性のために様々な詳細が省略されているが、様々な設計の代替案を実施することができる。したがって、本例は、限定的なものではなく例示的なものであると見なされ、本開示は、本明細書に与えられる詳細に限定されるものではなく、本開示の範囲内で修正することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジストを現像する方法であって、
プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上にフォトパターニングされた金属含有レジストを設けることと、
有機蒸気を含む現像化学物質に曝露することで前記フォトパターニングされた金属含有レジストの一部を選択的に除去することによって前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像し、レジストマスクを形成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、カルボン酸を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記現像化学物質は、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む、方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、前記有機蒸気を前記フォトパターニングされた金属含有レジストと反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む、方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも前記有機蒸気に曝露することを含む、方法。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストは、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストであり、前記フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、有機金属酸化物または有機金属含有膜である、方法。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、前記現像化学物質を用いて前記フォトパターニングされた金属含有レジストのEUV露光部分に対してEUV非露光部分を選択的に除去し、前記レジストマスクを形成することを含む、方法。
【請求項11】
プロセスチャンバから残留物を除去する方法であって、
プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上に金属含有レジスト材料を堆積することであって、前記金属含有レジスト材料の一部は、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に残留物を形成する、金属含有レジスト材料の堆積と、
有機蒸気を含むドライエッチャントを前記プロセスチャンバに導入することであって、前記ドライエッチャントは、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面上の前記残留物を少なくとも部分的に除去する、ドライエッチャントの導入と、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、カルボン酸を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、方法。
【請求項16】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ドライエッチャントは、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む、方法。
【請求項17】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記残留物の少なくとも部分的な除去は、前記有機蒸気を前記金属含有レジスト材料と反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む、方法。
【請求項18】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記残留物の少なくとも部分的な除去は、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも前記有機蒸気に曝露することを含む、方法。
【請求項19】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属含有レジスト材料は、有機金属酸化物または有機金属含有膜である、方法。
【請求項20】
請求項11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ドライエッチャントを導入した後に前記プロセスチャンバをパージし、前記プロセスチャンバから残留ドライエッチャントを除去することと、
前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面上に前記金属含有レジスト材料の保護コーティングを形成することによって、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面をコンディショニングすることと
をさらに含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
本開示の現像化学物質は、有機蒸気である。有機蒸気は、有機酸であってもよい。いくつかの実施態様では、有機酸は、カルボン酸を含む。いくつかの実施態様では、有機酸は、トリフルオロ酢酸(CF3COOH)を含む。有機蒸気は、ハロゲン化または少なくともフッ素化されてもよい。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトン(CF3COCH2COCF3)を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸((CF3CO)2O)、無水酢酸((CH3CO)2O)、トリクロロ酢酸(CCl3COOH)、モノフルオロ酢酸(CFH2COOH)、ジフルオロ酢酸(CF2HCOOH)、クロロジフルオロ酢酸などの混合ハロゲン化物酢酸、酢酸の硫黄含有類似体、チオ酢酸(CH3COSH)、またはチオグリコール酸(HSCH2CO2H)を含む。いくつかの実施態様では、現像化学物質は、気相中のカルボン酸とハロゲン化水素の混合物を含む。例えば、現像化学物質は、酢酸またはギ酸と塩化水素または臭化水素の混合物を含む。いくつかの実施態様では、有機蒸気は、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、および窒素(N2)などの不活性/キャリアガスの有無にかかわらず流されてもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
図5は、いくつかの実施態様による、乾式チャンバ洗浄の例示的な方法のフロー図を示す。乾式チャンバ洗浄は、堆積、ベベルおよび/もしくは裏面洗浄、ベーク、現像、またはエッチングの後に実施されてもよい。いくつかの実施態様では、乾式チャンバ洗浄は、レジスト材料の堆積後、レジスト材料の堆積と同じプロセスチャンバ内で実施され得る。プロセス500の動作は、異なる順序で、および/または異なる、より少ない、もしくは追加の数の動作で実施されてもよい。プロセス500の態様は、
図6A~
図6Dを参照して説明され得る。プロセス
500の1つまたは複数の動作は、
図7~
図11Bのいずれか1つに記載された装置を使用して実施することができる。いくつかの実施態様では、プロセス500の動作は、少なくとも部分的に、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアに従って実装されてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0172
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0172】
プラズマ生成のための要素は
、窓911の上に位置決めされ
たコイル933を含む。いくつかの実施態様では、コイルは、開示された実施態様では使用されない。コイル933は、導電性材料から製作され、少なくとも1つの完全なターンを含む。
図9に示すコイル933の例は、3ターンを含む。コイル933の断面は記号で示されており、「X」を有するコイルはページ内に回転して延びるが、「●」を有するコイルはページ外に回転して延びる。プラズマ生成のための要素はまた、RF電力をコイル933に供給するように構成されたRF電源941を含む。一般に、RF電源941は、接続945を通して整合回路939に接続される。整合回路939は、接続943を通してコイル933に接続される。このようにして、RF電源941はコイル933に接続される。任意選択のファラデーシールド949は、コイル933と窓911との間に位置決めされる。ファラデーシールド949は、コイル933に対して間隔を置いて離れた関係に維持され得る。いくつかの実施態様では、ファラデーシールド949は、窓911のすぐ上に配置される。いくつかの実施態様では、ファラデーシールド949は、窓911とチャック917との間にある。いくつかの実施態様では、ファラデーシールド949は、コイル933に対して間隔を置いて離れた関係に維持されない。例えば、ファラデーシールド949は、ギャップなく窓911の直下にあってもよい。コイル933、ファラデーシールド949、および窓911は各々、互いに実質的に平行になるように構成される。ファラデーシールド949は、金属または他の種がプロセスチャンバ924の窓911上に堆積するのを防止することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0185
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0185】
EUVLパターニングは、多くの場合スキャナと呼ばれる任意の適切なツール、例えばオランダ国ベルドホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームを使用して行うことができる
。EUVLパターニングツールは、本明細書で説明される堆積およびエッチングのためにそこから基板を出し入れするスタンドアロンデバイスであってもよい。または、以下で説明するように、EUVLパターニングツールは、より大きなマルチ構成要素ツール上のモジュールであってもよい。
図10は、本明細書に記載のプロセスの実施に適した、真空移送モジュールとインターフェースする真空統合堆積、EUVパターニング、および乾式現像/エッチングモジュールを有する半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する。プロセスはそのような真空統合装置なしで行うことができるが、そのような装置は、いくつかの実施態様において有利であり得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0188
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0188】
ロードロックまたは移送モジュールとしても知られるエアロック1042および1046は、VTM1038およびパターニングモジュール1040とインターフェースする。例えば、上記のように、適切なパターニングモジュールは、オランダ国ベルドホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームであり得る。このツールアーキテクチャは、露光前に反応しないように、半導体基板またはウエハなどのワークピースを真空下で移送することを可能にする。堆積モジュールとリソグラフィツールの統合は、H2O、O2などの周囲ガスによる入射光子の強い光吸収を考慮して、EUVLも大幅に低減された圧力を必要とするという事実によって促進される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0195
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0195】
様々な実施態様において、ネガパターンマスクを形成するための装置が提供される。装置は、パターニング、堆積、およびエッチングのための処理チャンバと、ネガパターンマスクを形成するための命令を含むコントローラとを含むことができる。命令は、処理チャンバにおいて、EUV露光によって半導体基板上の化学増幅レジスト(CAR)内のフィーチャをパターニングして基板の表面を露出させ、フォトパターニングされたレジストを現像し、マスクとしてパターニングされたレジストを使用して下層または層スタックをエッチングするためのコードを含むことができる。現像は、有機酸などの有機蒸気を使用して実施されてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0202
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0202】
ESC1126は、例えば、ウエハ支持柱1144に接続され、ウエハ支持柱1144によって支持されるウエハ支持ハウジング1142によって支持されてもよい。ウエハ支持柱1144は、例えば、ケーブル配線、流体流導管、および他の機器をベースプレート1134および/またはトッププレート1128の下側に送るためのルーティング通路1148
または他の通過路を有してもよい。例えば、
図11Aには示されていないが、電力を抵抗ヒータトレース1130a/b/c/dに供給するためのケーブル配線は、電力をクランプ電極1132に供給するためのケーブル配線と同様に、ルーティング通路1148を通して送られてもよい。他のケーブル、例えば、温度センサ用のケーブルもまた、ルーティング通路1148を通してウエハ支持体1124の内部の場所に送られてもよい。温度制御可能なベースプレート1134を有する実施態様では、熱交換媒体をベースプレート1134間で搬送するための導管もまた、ルーティング通路1148を通して送られてもよい。過度の乱雑さを回避するために、そのようなケーブルおよび導管は
図11Aには図示されていないが、それでもなおそれらは存在することを理解されたい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0206
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0206】
シャワーヘッド1110は、示すように、デュアルプレナムシャワーヘッド1110であり、第1の入口1116を介してプロセスガスが供給される第1のプレナム1112と、第2の入口1118を介してプロセスガスが供給される第2のプレナム1114とを含む。一般に、前駆体および逆反応剤の放出前に前駆体と逆反応剤との間の分離を維持するために、2つのプレナムを用いることが可能である。シャワーヘッド1110は、いくつかの実施態様では、3つ以上のプレナムを有してもよい。場合によっては、単一のプレナムを使用して、前駆体をプロセスチャンバ1102の反応空間1120に送給する。各プレナムは、シャワーヘッド1110のフェースプレート(フェースプレートは、最下部のプレナムと反応空間1120との間に介在するシャワーヘッド1110の部分である)を通してそれぞれのプレナムを反応空間1120と流体接続する、対応する一組のガス分配ポートを有することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0213
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0213】
前述したように、いくつかの装置1100は、より少ない数の蒸気源、例えば、2つの気化器1172のみを特徴とすることができ、その場合、より少ない数の弁、例えば、弁A1~A3のみを有するように弁マニホールド1168を修正することが可能である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0221
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0221】
本明細書に記載の例および実施態様は例示のみを目的としており、それに照らして様々な修正または変更が当業者には示唆されることが理解されるであろう。明瞭性のために様々な詳細が省略されているが、様々な設計の代替案を実施することができる。したがって、本例は、限定的なものではなく例示的なものであると見なされ、本開示は、本明細書に与えられる詳細に限定されるものではなく、本開示の範囲内で修正することができる。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
方法であって、
プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上にフォトパターニングされた金属含有レジストを設けることと、
有機蒸気を含む現像化学物質に曝露することで前記フォトパターニングされた金属含有レジストの一部を選択的に除去することによって前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像し、レジストマスクを形成することと、
を含む、方法。
適用例2:
適用例1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、カルボン酸を含む、方法。
適用例3:
適用例2に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む、方法。
適用例4:
適用例1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む、方法。
適用例5:
適用例1に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、方法。
適用例6:
適用例1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記現像化学物質は、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む、方法。
適用例7:
適用例1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、前記有機蒸気を前記フォトパターニングされた金属含有レジストと反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む、方法。
適用例8:
適用例1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも前記有機蒸気に曝露することを含む、方法。
適用例9:
適用例1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストは、フォトパターニングされた金属含有EUVレジストであり、前記フォトパターニングされた金属含有EUVレジストは、有機金属酸化物または有機金属含有膜である、方法。
適用例10:
適用例1から5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトパターニングされた金属含有レジストを乾式現像することは、前記現像化学物質を用いて前記フォトパターニングされた金属含有レジストのEUV露光部分に対してEUV非露光部分を選択的に除去し、前記レジストマスクを形成することを含む、方法。
適用例11:
方法であって、
プロセスチャンバ内で半導体基板の表面上に金属含有レジスト材料を堆積することであって、前記金属含有レジスト材料の一部は、前記プロセスチャンバの1つまたは複数の表面上に残留物を形成する、金属含有レジスト材料の堆積と、
有機蒸気を含むドライエッチャントを前記プロセスチャンバに導入することであって、前記ドライエッチャントは、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面上の前記残留物を少なくとも部分的に除去する、ドライエッチャントの導入と、
を含む、方法。
適用例12:
適用例11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、カルボン酸を含む、方法。
適用例13:
適用例12に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、トリフルオロ酢酸を含む、方法。
適用例14:
適用例11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、クロロジフルオロ酢酸、チオ酢酸、またはチオグリコール酸を含む、方法。
適用例15:
適用例11に記載の方法であって、
前記有機蒸気は、ヘキサフルオロアセチルアセトンを含む、方法。
適用例16:
適用例11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ドライエッチャントは、ハロゲン化カルボン酸とハロゲン化水素の気相混合物を含む、方法。
適用例17:
適用例11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記残留物の少なくとも部分的な除去は、前記有機蒸気を前記金属含有レジスト材料と反応させ、約200℃未満の温度で揮発性化合物を形成することを含む、方法。
適用例18:
適用例11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記残留物の少なくとも部分的な除去は、プラズマフリーの熱プロセスにおいて少なくとも前記有機蒸気に曝露することを含む、方法。
適用例19:
適用例11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金属含有レジスト材料は、有機金属酸化物または有機金属含有膜である、方法。
適用例20:
適用例11から15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記ドライエッチャントを導入した後に前記プロセスチャンバをパージし、前記プロセスチャンバから残留ドライエッチャントを除去することと、
前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面上に前記金属含有レジスト材料の保護コーティングを形成することによって、前記プロセスチャンバの前記1つまたは複数の表面をコンディショニングすることと
をさらに含む、方法。
【国際調査報告】