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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】流動層を用いた分級システム
(51)【国際特許分類】
   B07B 4/08 20060101AFI20231207BHJP
   B01D 45/12 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B07B4/08 B
B01D45/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500074
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-04
(86)【国際出願番号】 KR2022008604
(87)【国際公開番号】W WO2023080374
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0149249
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】スン・ウ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イン・ヨン・ジョン
【テーマコード(参考)】
4D021
4D031
【Fターム(参考)】
4D021FA09
4D021GA02
4D021GA08
4D021GA17
4D021GB02
4D031AC00
4D031BA10
4D031DA05
(57)【要約】
本発明による流動層を用いた分級システムは、サイズが異なる粒子を含む粉体が供給され、前記粉体を流動化気体に流動させ、下部の粗粉排出口を介して粗粉を排出させる流動層分級機と、前記流動層分級機の上部と連通し、下部の微粉排出口に前記流動層分級機から移送される流動化気体に含まれた微粉を排出させるサイクロンとを含み、前記流動層分級機内の流動層に位置し、流動化気体の気泡のサイズを減少させる内部構造物を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイズが異なる粒子を含む粉体が供給され、前記粉体を流動化気体に流動させ、下部の粗粉排出口を介して粗粉を排出させる流動層分級機と、
前記流動層分級機の上部と連通し、下部の微粉排出口に前記流動層分級機から移送される流動化気体に含まれた微粉を捕集して排出させるサイクロンとを含み、
前記流動層分級機内の流動層に位置し、流動化気体の気泡のサイズを減少させる内部構造物を含む、流動層を用いた分級システム。
【請求項2】
前記内部構造物は、前記流動層分級機の内周面と対応するフレームおよび前記フレームの内部に格子構造を形成するワイヤを含む、請求項1に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項3】
前記ワイヤは、多角形格子構造に形成される、請求項2に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項4】
前記内部構造物は、前記流動層分級機の高さ方向に沿って所定間隔を置いて複数個で設置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項5】
前記内部構造物は、隣接する内部構造物との間隔が0.05m~0.25mである、請求項4に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項6】
前記複数個の内部構造物のうち最上段に位置する内部構造物は、前記流動層の表面高さと対応する位置に設置される、請求項4に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項7】
前記ワイヤの直径は、前記流動層分級機の直径の0.1%~2%である、請求項2に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項8】
前記複数個の内部構造物は、隣接する内部構造物に対して30゜~55゜回転した形態で設置される、請求項2に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項9】
前記内部構造物の開放面積は、前記流動層分級機の横断面積の80%~95%である、請求項1に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項10】
前記流動化気体は、前記流動層分級機の下部に設置された流動化気体注入管を介して供給されて粉体を流動させながら上方に移動し、前記流動層分級機の上部からサイクロンに移動し、前記サイクロンの上部に排出されて前記流動化気体注入管に循環する、請求項1に記載の流動層を用いた分級システム。
【請求項11】
前記サイクロンの上部に排出される流動化気体は、集塵機を通過した後、気体循環管に移送され、前記流動化気体注入管と合流して前記流動層分級機に循環する、請求項10に記載の流動層を用いた分級システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月2日付けの韓国特許出願第10-2021-0149249号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、粉体を粒度に応じて選別するための流動層を用いた分級システムに関し、より詳細には、粒度による粒子の流動および飛散特性の差を調節して、粉体を粒度に応じて選別することができる分級システムに関する。
【背景技術】
【0003】
様々な分野において、小さな粒の粒子の集合体である粉体の粒度を選別するための作業が行われる。前記粉体の粒度を選別するための装置として分級機を使用しており、従来、機械式分級機、気流式分級機を使用していた。
【0004】
前記機械式分級機は、メッシュ(mesh)を有する篩(sieve)のような機械的部品を使用するものであり、この場合、前記メッシュのサイズより小さいサイズの粒子のみ前記篩を通過するようにすることで粒度を選別するが、前記粒子が約150μm以下の微粉であるほど篩の目詰まり現象が頻繁に発生し、分級性能が低下するか作業が難しいという問題があった。
【0005】
また、気流式分級機の場合には、粉体の粒子と気体の接触によって粒度を選別する方法であり、装置内の粒子の滞留時間が短くて気体の飽和運搬能力(saturation carrying capacity)以上の処理量が求められる場合、分級性能が低下する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためのものであり、流動層分級機とサイクロンを使用して粉体の粒度を選別する際に、流動化気体の気泡のサイズを減少させて粒度による粒子の流動および飛散特性を調節し、目詰まりなく連続して粉体の粒度を選別することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、サイズが異なる粒子を含む粉体が供給され、前記粉体を流動化気体に流動させ、下部の粗粉排出口を介して粗粉を排出させる流動層分級機と、前記流動層分級機の上部と連通し、下部の微粉排出口に前記流動層分級機から移送される流動化気体に含まれた微粉を捕集して排出させるサイクロンとを含み、前記流動層分級機内の流動層に位置し、流動化気体の気泡のサイズを減少させる内部構造物を含む流動層を用いた分級システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による分級システムによると、流動層分級機内の流動層に流動化気体の気泡のサイズを制御するための内部構造物を形成して、粒度による粒子の流動および飛散特性を制御することで、目詰まりなく連続して粉体の粒度を選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例による流動層を用いた分級システムを示す図である。
図2】本発明の一実施例による内部構造物を具体的に示す図である。
図3】本発明の一実施例による内部構造物を具体的に示す図である。
図4】本発明の一実施例による内部構造物を具体的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の説明および特許請求の範囲にて使用されている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
【0011】
以下、本発明に関する理解を容易にするために、下記図1図4を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0012】
本発明によると、流動層を用いた分級システムを提供する。前記流動層を用いた分級システムとして、サイズが異なる粒子を含む粉体が供給され、前記粉体を流動化気体に流動させ、下部の粗粉排出口15を介して粗粉を排出させる流動層分級機10と、前記流動層分級機10の上部と連通し、下部の微粉排出口31に前記流動層分級機10から移送される流動化気体に含まれた微粉を捕集して排出させるサイクロン30とを含み、前記流動層分級機10内の流動層16に位置し、流動化気体の気泡18のサイズを減少させる内部構造物20を含む流動層を用いた分級システムを提供することができる。
【0013】
従来、様々な分野において小さな粒の粒子の集合体である粉体の粒度を選別するための作業が行われている。前記粉体の粒度を選別するための装置として分級機を使用しており、従来、機械式分級機、気流式分級機を使用していた。
【0014】
前記機械式分級機は、メッシュ(mesh)を有する篩(sieve)のような機械的部品を使用するものであり、この場合、前記メッシュのサイズより小さいサイズの粒子のみ前記篩を通過するようにすることで、粒度を選別するが、前記粒子が約150μm以下の微粉であるほど、篩の目詰まり現象が頻繁に発生し、分級性能が低下するか、作業が難しい問題があった。
【0015】
また、気流式分級機の場合には、粉体の粒子と気体の接触によって粒度を選別する方法であり、装置内の粒子の滞留時間が短くて気体の飽和運搬能力(saturation carrying capacity)以上の処理量が求められる場合、分級性能が低下する問題があった。
【0016】
これに対して、本発明では、粒度による粒子の流動および飛散特性を調節して粉体の粒度を選別することで、分級性能の指標である処理量と選別能力を確保することができ、篩を使用しないことから目詰まりによる性能低下の問題がない流動層を用いた分級システムを提供することを目的とする。
【0017】
本発明の一実施形態によると、前記流動層分級機10には、粒度を選別するためのサイズが異なる粒子を含む粉体が連続して供給されることができる。ここで、前記粉体は、微粉と粗粉を含むことができる。例えば、前記微粉は、150μm以下の直径を有する粒子を意味し得、粗粉は150μm超~850μmの直径を有する粒子を意味し得る。一方、前記微粉と粗粉の区分は絶対的な事項ではないことがある。例えば、流動層分級機10の下部に備えられた粗粉排出口15を介して排出される粉体を粗粉に、前記流動層分級機10の上部に微粉排出口31を介して排出される粉体を微粉に区分することもできる。この場合、前記流動化気体の操業条件に応じて前記粗粉と微粉の境界が決定され得る。
【0018】
前記粉体は、前記流動層分級機10の側部に備えられた粒子注入口11を介して前記流動層分級機10の内部に供給されることができる。前記粒子注入口11は、前記流動層分級機10の方向に下方傾斜を有することができ、これにより、前記粉体が連続して流動層分級機10に供給されることができる。
【0019】
前記流動層分級機10に供給された粉体は、前記流動層分級機10の下部に設置された気体分散板14の上部に蓄積され、前記気体分散板14の下部の気体室13を介して上方に移動する流動化気体によって流動する流動層16を形成することができる。
【0020】
本発明の一実施形態によると、前記流動層分級機10の下部には、流動化気体注入管12が設置されることができる。前記流動化気体注入管12を介して流動化気体が流動層分級機10の下部気体室13に流入し、前記気体室13から気体分散板14を通過して上方に移動しながら流動層16の粉体を流動させることができる。ここで、前記流動化気体の種類は、特に限定されず、例えば、圧縮された空気または酸素などの様々な気体を使用することができ、粉体に含まれている粒子が空気と接触してはならない場合には、窒素、ヘリウムなどの不活性気体を使用して流動化が行われるようにすることができる。
【0021】
前記流動化気体は、前記流動層分級機10の上部からサイクロン30に移動することができ、前記サイクロン30の上部に排出されて前記流動化気体注入管12に循環し、再使用することができる。
【0022】
本発明の一実施形態によると、前記流動層分級機10は、前記流動層16に備えられた内部構造物20を含むことができる。前記内部構造物20は、前記流動層分級機10内の流動層16に位置して上昇する流動化気体の気泡18のサイズを減少させるためのものであり、流動化気体の気泡18のサイズを減少させて粒子の飛散特性を制御して、篩を用いることなく連続した分級が可能であり、篩の使用時の目詰まり現象がなくて分級性能が向上することができる。
【0023】
前記内部構造物20は、前記流動層分級機10の内周面と対応するフレーム21と、前記フレーム21の内部に格子構造を形成するワイヤ22とを含むことができる。
【0024】
前記フレーム21は、前記流動層分級機10の内周面と対応して前記流動層分級機10の内壁と密着固定されることができ、同時に、前記フレーム21の内部に形成される格子構造で形成されるワイヤ22を固定することができる。
【0025】
前記ワイヤ22は、多角形格子構造に形成されることができる。具体的には、前記ワイヤ22は、前記フレーム21内で、気泡18のサイズの減少に有利であるように、三角形、四角形、五角形および六角形などの多角形に適切に形成されることができる。
【0026】
前記ワイヤ22の直径は、前記流動層分級機10の直径の0.1%以上、0.5%以上または0.7%以上および1%以下、1.5%以下または2%以下であることができる。前記範囲内の直径を有するワイヤ22で内部構造物20に格子構造を形成することで、粒子の流れを妨害せずに粒子の飛散特性を調節して、粉体内の微粉と粗粉の選別能力を向上させることができる。
【0027】
前記内部構造物20の開放面積(opening area)は、前記流動層分級機10の横断面積の80%以上、83%以上または85%以上および90%以下、92%以下または95%以下であることができる。前記内部構造物20の開放面積を前記範囲内に設計することで、粒子の流れには影響を与えることなく気泡18のサイズを減少させることができ、流動化気体の線速度を適切に制御して粒子の飛散する量が急激に増加することを防止し、粒度による選別能力を向上させることができる。
【0028】
前記内部構造物20は、前記流動層分級機10の高さ方向に沿って所定の間隔を置いて複数個で設置されることができる。例えば、前記内部構造物20の個数は、粉体内の粒子のサイズに応じて必要な気泡18のサイズを調節するために適切に選択されることができ、具体的な例として、4個~10個設置されることができる。
【0029】
前記内部構造物20を複数個で設置する時に、前記内部構造物20は、隣接する内部構造物20との間隔が、0.05m以上、0.1m以上または0.15m以上および0.2m以下または0.25m以下であることができる。前記範囲内に内部構造物20の間の間隔を調節することで、気泡18のサイズ減少の効果を増加させることができ、特に、比較的大きい粒子である粗粉の飛散減少効果を増加させることができる。
【0030】
前記複数個の内部構造物20のうち最上段に位置する内部構造物20は、前記流動層表面17の高さと対応する位置に設置されることができる。具体的には、気泡18のサイズは、比較的大きい粒子である粗粉の飛散に大きい影響を及ぼし、前記気泡18が大きい場合には、粗粉が飛散して流動層分級機10の上部に排出される問題があり、分級性能が低くなり得る。そのため、前記流動層16内の複数個の内部構造物20を形成し、前記複数個の内部構造物20のうち最上段に位置する内部構造物20を流動層表面17の高さ付近に設置することで、流動層表面17付近で気泡18によって粒子が噴出する直前に最終的に気泡18のサイズを減少させて、粒子の飛散特性を調節することができる。
【0031】
前記複数個の内部構造物20は、隣接する内部構造物20に対して、30゜以上、35゜以上または40゜以上および50゜以下または55゜以下回転した形態で設置されることができる。例えば、前記複数個の内部構造物20は、下記図4の(a)のような内部構造物20および前記図4の(a)のような内部構造物20を右側方向に45゜回転させた図4の(b)のような内部構造物20を交差配列して設置することができ、この場合、A-B横断面図は、下記図4の(c)のとおりであることができる。このように複数個の内部構造物20を設置する場合、流動化気体の線速度の急激な増加なく気泡18のサイズを効果的に減少させることができる。
【0032】
本発明の一実施形態によると、前記流動層分級機10の下部には、粗粉排出口15が形成されることができる。具体的には、前記粗粉排出口15は、前記流動層分級機10の下部、例えば、前記粉体に形成された流動層16の下部に設置されることができ、前記粗粉排出口15を介して粗粉を連続して排出および分離させることができる。
【0033】
前記粗粉排出口15は、前記流動層分級機10から下方傾斜を有して形成されることができ、これにより、前記流動層16内の粗粉が連続して流動層分級機10の外部に排出されることができる。
【0034】
本発明の一実施形態によると、前記粉体内の微粉を分離するためのサイクロン30を含むことができる。具体的には、前記サイクロン30は、前記流動層分級機10の上部と連通して形成されることができ、前記流動層分級機10から流動化気体が流入されることができ、ここで、前記流動層分級機10から流入される流動化気体には、流動化気体とともに飛散する微粉が含まれていてもよい。
【0035】
前記サイクロン30は、下部に微粉排出口31が形成されていてもよい。具体的には、前記流動層分級機10から流動化気体とともに流入される微粉は、前記微粉排出口31を介してサイクロン30の下部に分離および排出することができる。
【0036】
本発明の一実施形態によると、前記サイクロン30の上部に排出される流動化気体は、前記さらなる固体粒子の除去のために、集塵機40を通過した後、気体循環管41を介して移送され、前記流動化気体注入管12と合流させて前記流動層分級機10に循環することができる。前記集塵機40で前記流動化気体に残っている可能性のある微粉を除去することで、前記流動化気体を循環させて前記流動層分級機10の下部に供給して再使用する時に、前記流動層分級機10の下部に形成されている粗粉排出口15を介して微粉が分離することを防止することができる。
【0037】
前記流動層16で粒子の飛散は、主に流動層表面17での気泡18の破壊に起因し、粒子の滞留量は、前記流動層表面17から上昇するほど下降流に転換する粒子の割合が増加することから指数的に減少することができる。前記流動層表面17の高さから前記粒子の滞留量が高さと無関係に一定になる最小の高さ(Transportation Disengaging Height、TDH)は、前記流動化気体から形成される気泡のサイズに応じて変化し得る。本発明では、前記流動層16に内部構造物20を形成し、前記内部構造物20の形状、個数および配置を調節することで、粒子の流れを妨害せずに気泡18のサイズを制御してTDHを調節することで、優れた選別能力と高い処理量を実現することができる。
【0038】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。したがって、本発明に開示されている実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって解釈すべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【0039】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例は、本発明を例示するためのものであって、本発明の範疇および技術思想の範囲内で様々な変更および修正が可能であることは通常の技術者にとって明白であり、これらにのみ本発明の範囲が限定されるものではない。
【0040】
実施例
実施例1
下記図1による流動層を用いた分級システムを用いて粉体の粒度を選別した。
【0041】
具体的には、流動層分級機10の粒子注入口11を介してサイズが異なる粒子を含む粉体を投入し、流動化気体注入管12を介して移送される流動化気体を気体室13に流入させた後、気体分散板14を通過させて上部に移動する流動化気体を用いて粉体を流動させた。ここで、前記粉体は、下記実施例2~5および比較例1~2でも同様に使用した。
【0042】
前記流動層分級機10内の流動層16には、流動層分級機10の高さ方向に沿って6個の内部構造物20を設置した。前記内部構造物20のワイヤ22の直径は、前記流動層分級機10の直径の2%に調節し、前記各内部構造物20の間の間隔は0.2mに調節した。また、前記各内部構造物20のワイヤ22は、下記図3の左側図のように四角形の格子構造に形成し、開放面積は、前記流動層分級機10の横断面積の85%に設計し、前記6個の内部構造物20のうち最上段の内部構造物20は、前記流動層表面17の高さ付近に設置した。
【0043】
前記流動層分級機10で下部に設置された粗粉排出口15を介して粗粉を排出し、前記流動層分級機10の上部に移動する流動化気体および前記流動化気体とともに飛散する微粉は、サイクロン30に供給した。
【0044】
前記サイクロン30で下部の微粉排出口31を介して微粉を分離し、流動化気体は上部に排出して集塵機40で固体粒子を分離させた後、気体循環管41を介して前記流動化気体注入管12と合流させて流動層分級機10に循環させた。
【0045】
この場合、前記微粉と粗粉の選別能力に優れ、連続して粒度による選別が可能であり、時間当たりの処理量が高く示された。
【0046】
実施例2
下記図1による流動層を用いた分級システムを用いて、粉体の粒度を選別した。
【0047】
具体的には、流動層分級機10の粒子注入口11を介してサイズが異なる粒子を含む粉体を投入し、流動化気体注入管12を介して移送される流動化気体を気体室13に流入させた後、気体分散板14を通過させて、上部に移動する流動化気体を用いて粉体を流動させた。
【0048】
前記流動層分級機10内の流動層16には、流動層分級機10の高さ方向に沿って6個の内部構造物20を設置した。前記内部構造物20のワイヤ22の直径は、前記流動層分級機10の直径の1.5%に調節し、前記各内部構造物20の間の間隔は0.15mに調節した。また、前記各内部構造物20のワイヤ22は、下記図3の右側図のように三角形の格子構造に形成し、開放面積は、前記流動層分級機10の横断面積の80%に設計し、前記6個の内部構造物20のうち最上段の内部構造物20は、前記流動層表面17の高さ付近に設置した。
【0049】
前記流動層分級機10で下部に設置された粗粉排出口15を介して粗粉を排出し、前記流動層分級機10の上部に移動する流動化気体および前記流動化気体とともに飛散する微粉は、サイクロン30に供給した。
【0050】
前記サイクロン30で下部の微粉排出口31を介して微粉を分離し、流動化気体は上部に排出して、集塵機40で固体粒子を分離させた後、気体循環管41を介して前記流動化気体注入管12と合流させて流動層分級機10に循環させた。
【0051】
この場合、前記実施例1と類似する水準に、前記微粉と粗粉の選別能力に優れ、連続して粒度による選別が可能であり、時間当たりの処理量が高く示された。
【0052】
実施例3
下記図1による流動層を用いた分級システムを用いて、粉体の粒度を選別した。
【0053】
具体的には、流動層分級機10の粒子注入口11を介してサイズが異なる粒子を含む粉体を投入し、流動化気体注入管12を介して移送される流動化気体を気体室13に流入させた後、気体分散板14を通過させて、上部に移動する流動化気体を用いて粉体を流動させた。
【0054】
前記流動層分級機10内の流動層16には、流動層分級機10の高さ方向に沿って6個の内部構造物20を設置した。前記内部構造物20のワイヤ22の直径は、前記流動層分級機10の直径の1.8%に調節し、前記各内部構造物20の間の間隔は0.1mに調節した。また、前記各内部構造物20のワイヤ22は、下記図3の左側図のように四角形の格子構造に形成し、開放面積は、前記流動層分級機10の横断面積の80%に設計した。また、前記6個の内部構造物20は、下記図4の(a)のような内部構造物20および前記図4の(a)のような内部構造物20を右側方向に45゜回転させた図4の(b)のような内部構造物20を交差配列し、最上段の内部構造物20は、前記流動層表面17の高さ付近に設置した。
【0055】
前記流動層分級機10で下部に設置された粗粉排出口15を介して粗粉を排出し、前記流動層分級機10の上部に移動する流動化気体および前記流動化気体とともに飛散する微粉は、サイクロン30に供給した。
【0056】
前記サイクロン30で下部の微粉排出口31を介して微粉を分離し、流動化気体は上部に排出して、集塵機40で固体粒子を分離させた後、気体循環管41を介して前記流動化気体注入管12と合流させて流動層分級機10に循環させた。
【0057】
この場合、前記実施例1および実施例2と類似する水準に、前記微粉と粗粉の選別能力に優れ、連続して粒度による選別が可能であり、時間当たりの処理量が高く示された。
【0058】
実施例4
下記図1による流動層を用いた分級システムを用いて、粉体の粒度を選別した。
【0059】
具体的には、流動層分級機10の粒子注入口11を介してサイズが異なる粒子を含む粉体を投入し、流動化気体注入管12を介して移送される流動化気体を気体室13に流入させた後、気体分散板14を通過させて、上部に移動する流動化気体を用いて粉体を流動させた。
【0060】
前記流動層分級機10内の流動層16には、流動層分級機10の高さ方向に沿って4個の内部構造物20を設置した。前記内部構造物20のワイヤ22の直径は、前記流動層分級機10の直径の3.5%に調節し、前記各内部構造物20の間の間隔は0.3mに調節した。また、前記各内部構造物20のワイヤ22は、下記図3の左側図のように四角形の格子構造に形成し、開放面積は前記流動層分級機10の横断面積の75%に設計し、前記4個の内部構造物20のうち最上段の内部構造物20は、前記流動層表面17の高さ付近に設置した。
【0061】
前記流動層分級機10で下部に設置された粗粉排出口15を介して粗粉を排出し、前記流動層分級機10の上部に移動する流動化気体および前記流動化気体とともに飛散する微粉はサイクロン30に供給した。
【0062】
前記サイクロン30で下部の微粉排出口31を介して微粉を分離し、流動化気体は上部に排出して集塵機40で固体粒子を分離させた後、気体循環管41を介して前記流動化気体注入管12と合流させて流動層分級機10に循環させた。
【0063】
この場合、前記内部構造物20の間隔が広くて気泡のサイズの制御が適切に行われず、前記内部構造物20の狭い開放面積によって粒子の流れに妨害が生じて、部分的に流動化気体の線速度が増加して粗粉の飛散挙動が強化し、前記実施例1~実施例3に比べて、前記微粉と粗粉の選別能力が多少低く示された。
【0064】
実施例5
下記図1による流動層を用いた分級システムを用いて、粉体の粒度を選別した。
【0065】
具体的には、流動層分級機10の粒子注入口11を介してサイズが異なる粒子を含む粉体を投入し、流動化気体注入管12を介して移送される流動化気体を気体室13に流入させた後、気体分散板14を通過させて、上部に移動する流動化気体を用いて粉体を流動させた。
【0066】
前記流動層分級機10内の流動層16には、流動層分級機10の高さ方向に沿って3個の内部構造物20を設置した。前記内部構造物20のワイヤ22の直径は前記流動層分級機10の直径の5%に調節し、前記各内部構造物20の間の間隔は0.3mに調節した。また、前記各内部構造物20のワイヤ22は、下記図3の左側図のように四角形の格子構造に形成し、開放面積は前記流動層分級機10の横断面積の70%に設計し、前記6個の内部構造物20のうち最上段の内部構造物20は、前記流動層表面17高さより0.3m低い高さに設置した。
【0067】
前記流動層分級機10で下部に設置された粗粉排出口15を介して粗粉を排出し、前記流動層分級機10の上部に移動する流動化気体および前記流動化気体とともに飛散する微粉はサイクロン30に供給した。
【0068】
前記サイクロン30で下部の微粉排出口31を介して微粉を分離し、流動化気体は上部に排出して集塵機40で固体粒子を分離させた後、気体循環管41を介して前記流動化気体注入管12と合流させて流動層分級機10に循環させた。
【0069】
この場合、前記内部構造物20の間隔が広く、最上段の内部構造物20の位置が適切ではなく、前記流動化気体の気泡18のサイズの制御が適切に行われず、前記内部構造物20の狭い開放面積によって粒子の流れに妨害が生じ、部分的に流動化気体の線速度が増加して粗粉の飛散挙動が強化し、前記実施例1~実施例4に比べて、前記微粉と粗粉の選別能力が非常に低く示された。
【0070】
比較例
比較例1
流動層分級機10の粒子注入口11を介してサイズが異なる粒子を含む粉体を投入し、流動化気体注入管12を介して移送される流動化気体を気体室13に流入させた後、気体分散板14を通過させて、上部に移動する流動化気体を用いて粉体を流動させた。
【0071】
前記流動層分級機10で下部に設置された粗粉排出口15を介して粗粉を排出し、前記流動層分級機10の上部に移動する流動化気体および前記流動化気体とともに飛散する微粉はサイクロン30に供給した。
【0072】
前記サイクロン30で下部の微粉排出口31を介して微粉を分離し、流動化気体は上部に排出して集塵機40で固体粒子を分離させた後、気体循環管41を介して前記流動化気体注入管12と合流させて流動層分級機10に循環させた。
【0073】
この場合、内部構造物20の不在で前記流動化気体の気泡18のサイズの制御が行われず、前記実施例1~実施例5に比べて、前記微粉と粗粉の選別能力が非常に低く示された。
【0074】
比較例2
前記実施例1で、内部構造物20を流動層16ではなく、前記流動層表面17の高さより高い上部領域に設置した以外は、前記実施例1と同じ方法で行った。
【0075】
この場合、内部構造物20が気泡18のサイズの制御に影響を与えることができず、実施例1での効果を奏することができず、そのため、前記比較例1と類似する水準に、前記微粉と粗粉の選別能力が非常に低く示された。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
【国際調査報告】