IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】有機材料をベースとする成形物品
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20231213BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20231213BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20231213BHJP
   C08L 23/06 20060101ALI20231213BHJP
   C08L 23/12 20060101ALI20231213BHJP
   C08K 5/20 20060101ALI20231213BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20231213BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20231213BHJP
   C08K 5/524 20060101ALI20231213BHJP
   C08K 5/3435 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/3492
C08L23/00
C08L23/06
C08L23/12
C08K5/20
C08L83/04
C08K5/13
C08K5/524
C08K5/3435
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534613
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2021084899
(87)【国際公開番号】W WO2022122868
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】20212901.1
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テトラパック
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フーバー,グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】ハーブスト,ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】ズオ,フェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイランド,タニア
(72)【発明者】
【氏名】ゲルスター,ミッシェル
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA001
4J002BB001
4J002BB031
4J002BB121
4J002BD031
4J002BG061
4J002BN151
4J002CB001
4J002CL001
4J002CP032
4J002EJ018
4J002EJ026
4J002EJ038
4J002EJ048
4J002EP007
4J002EP016
4J002EP017
4J002EU079
4J002EU186
4J002EW068
4J002FD010
4J002FD049
4J002FD050
4J002FD076
4J002FD078
4J002FD090
4J002FD202
4J002FD207
4J002GN00
(57)【要約】
ここで特許請求される本発明は、式(1)の化合物と、少なくとも1種の抗スクラッチ剤とを含む、有機材料をベースとする成形物品に関する。さらに、有機材料をベースとする成形物品は、自動車の内装材又は外装材である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i.式(1)
【化1】
の化合物と、
ii.少なくとも1種の抗スクラッチ剤と
を含む、有機材料をベースとする成形物品。
【請求項2】
前記有機材料は、ポリオレフィン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド又はポリオキシメチレン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項3】
前記有機材料は、熱可塑性ポリオレフィンである、請求項1又は2に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリオレフィンは、熱可塑性ポリエチレン又はポリプロピレンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項5】
前記抗スクラッチ剤は、不飽和又は飽和脂肪酸アミド、ポリ(オルガノ)シロキサン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項6】
前記抗スクラッチ剤は、エルカミド、オレアミド、ステアラミド及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項7】
前記抗スクラッチ剤は、エルカミド、ステアラミド又はそれらの混合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項8】
前記式(1)の化合物と前記少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、1:70~30:99の範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項9】
前記有機材料と前記式(1)の化合物との重量比は、99.99:0.01~99.0:1.0の範囲である、請求項1~8のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項10】
前記有機材料と前記少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、99.99:0.01~98:2の範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項11】
フェノール系酸化防止剤及び/又はフェノール系ホスファイトをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項12】
前記フェノール系酸化防止剤は、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-ブチル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート)及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項13】
前記フェノール系ホスファイトは、トリス[2,4-ジ-tert-ブチルフェニル]ホスファイトである、請求項1~11のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項14】
立体障害アミン光安定剤及び/又はUV吸収剤をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項15】
前記立体障害アミン光安定剤は、炭酸ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)エステル、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルフォリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物;1,6-ヘキサンジアミン及び2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン並びにN,N-ジブチルアミン及び4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの縮合物;N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)-2-(4-メトキシフェニル)エテン、N,N’-ビス-ホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4-メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル-3-オキシ-4-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物-α-オレフィンコポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジン又は1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物、2,4-ビス[N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,3,5-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルヘキサメチレンジアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項16】
前記UV吸収剤は、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、オキサミド、置換及び非置換安息香酸のエステル並びに2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンからなる群から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項17】
スリップ添加剤、充填剤及び/又は顔料をさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【請求項18】
自動車の内装材又は外装材である、請求項1~17のいずれか一項に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここで特許請求される本発明は、式(1)の化合物と、少なくとも1種の抗スクラッチ剤とを含む、有機材料をベースとする成形物品に関する。ここで特許請求される本発明は、自動車の内装材又は外装材である、有機材料をベースとする成形物品にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機材料、すなわち合成ポリマーは、様々な押出及び成形物品の製造に容易に使用できることから、幅広い用途で使用されている。しかしながら、これらの物品は、UV光に繰り返し暴露されることにより、多くの場合に一般的な安定性の問題に直面する。さらに、現在の安定化系、すなわち抗スクラッチ剤改良有機材料は、自動車用物品を調製するために使用される場合、これらの成形物品がUV光に繰り返し曝露されるため、ブルーミング/滲出が見られる。ブルーム/滲出は、ブルームしているポリマーを用いて製造された物品の美的な表面特性を破壊する可能性があるために望ましくない。透明性が望まれる物品でブルームが発生することは、特に望ましくない。ブルームは、ブルームしているポリマーを用いて製造された物品を接着剤によって他の物品に確実に結合させる能力を低下させることからも望ましくない。ブルーミングは、いくつかの用途において深刻な問題として認識されており、それを緩和するための有効な手段が長年にわたって求められてきた。
【0003】
したがって、UV光に曝露されたときのポリマーの安定性などの特性を保持し、ポリマーのブルーミングの傾向を低減することが非常に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、酸化的、熱的又は光誘導性分解の影響を受けやすい、有機材料をベースとする成形物品を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、粘着性を示さない表面を有し、有機材料物品からのブルーミング/滲出を示さない、有機材料をベースとする成形物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、ここで特許請求される本発明による有機材料をベースとする成形物品は、酸化的、熱的又は光誘導性分解の影響を受けやすいことが見出されている。ここで特許請求される本発明による有機材料をベースとする成形物品は、粘着性を示さない表面及び有機材料物品からのブルーミング/滲出を示さない表面を有する。
【0007】
したがって、一態様において、ここで特許請求される本発明は、
i.式(1)
【化1】
の化合物と、
ii.少なくとも1種の抗スクラッチ剤と
を含む、有機材料をベースとする成形物品に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の組成物及び製剤を説明する前に、このような組成物及び製剤は、当然のことながら、変化し得るため、本発明は、説明される特定の組成物及び製剤に限定されないことを理解されたい。ここで特許請求される本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、限定するように意図されないことも理解されたい。
【0009】
以下では、ある群が、少なくとも特定の数の実施形態を含むと定義される場合、これは、好ましくは、これらの実施形態のみからなる群も包含することを意味する。さらに、本明細書及び特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」などの用語は、類似の構成要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも連続した順序又は時系列順に記載するものではない。したがって、このように使用される用語は、適切な状況下において交換可能であることと、本明細書に記載する実施形態は、本明細書に記載又は図示する順序以外の順序で実施することが可能であることとが理解されるべきである。「第1の」、「第2の」、「第3の」又は「(A)」、「(B)」、「(C)」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「i」、「ii」などの用語が方法、又は使用、又はアッセイのステップに関する場合、本出願で別段の指定がない限り、本明細書において前述又は後述するように、このステップ間に時間を置かないか又は時間間隔の一貫性がなく、すなわち、このステップは、同時に実施され得るか、又はこのようなステップ間に数秒間、数分間、数時間、数日間、数ヶ月間、数週間若しくはさらに数年間の時間間隔があり得る。
【0010】
以下の文章では、本発明の異なる態様をより詳細に定義する。このように定義された各態様は、反対のことが明確に示されない限り、任意の他の態様と組み合わされ得る。特に、好ましい又は有利であると示された任意の特徴は、好ましい又は有利であると示された任意の他の特徴と組み合わされ得る。
【0011】
本明細書において、「一実施形態」又は「好ましい実施形態」という記載は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が、ここで特許請求される本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な箇所に現れる「一実施形態において」、又は「好ましい実施形態において」、又は「別の実施形態において」という表現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではないが、全てが同じ実施形態を指し得る。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、本開示から当業者に明らかなように、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされ得る。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、いくつかの、しかし他の実施形態に含まれる他の特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあることを意味し、当業者によって理解されるであろうように異なる実施形態を形成する。例えば、添付の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれかを任意の組み合わせで使用することができる。
【0012】
さらに、本明細書中で定義された範囲は、端値も含み、すなわち、1~10の範囲は、1及び10の両方がその範囲に含まれることを意味する。疑義を避けるため、本出願人は、適用可能な法律に従い、あらゆる均等物を得る権利を有する。
【0013】
本開示をより容易に理解することができるように、特定の用語を最初に定義する。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の実施形態が関連する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0014】
一態様において、ここで特許請求される本発明は、
i.式(1)
【化2】
の化合物と、
ii.少なくとも1種の抗スクラッチ剤と
を含む、有機材料をベースとする成形物品に関する。
【0015】
安定化させることができる有機材料の例は、以下の通りである。
【0016】
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ-1-エン、ポリ-4-メチルペンタ-1-エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン並びにシクロオレフィンのポリマー、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(任意選択的に架橋可能)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE-HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE-UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0017】
ポリオレフィン、すなわち前項で例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、種々の、特に以下の方法によって調製することが可能である:
a)ラジカル重合(通常、高圧及び高温下)。
b)周期律表のIVb族、Vb族、VIb族又はVIII族の金属を通常1種又は2種以上含む触媒を用いた触媒重合。これらの金属は、通常、1種又は2種以上の配位子、典型的にはオキシド、ハライド、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有し、これらは、π-又はσ-配位のいずれかであり得る。これらの金属錯体は、遊離形態であり得るか、又は基材、典型的には活性化された塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ若しくは酸化ケイ素上に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体に可溶性又は不溶性であり得る。触媒は、重合において単独で使用することができるか、又はさらなる活性化剤が使用され得、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンが使用され得、前記金属は、周期律表のIa、IIa及び/又はIIIa族に属する元素である。活性化剤は、さらなるエステル基、エーテル基、アミン基又はシリルエーテル基で都合よく変性され得る。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(-Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0018】
2.1)に記載されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)及び異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0019】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いとの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブト-1-エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブト-1-エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン、COCなど)、エチレン/1-オレフィンコポリマー(1-オレフィンはその場で生成される)、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー及びその塩(イオノマー)並びにエチレンと、プロピレン及びヘキサジエン、ジシクロペンタジエン若しくはエチリデンノルボルネンなどのジエンとのターポリマー並びにそのようなコポリマーと互いの及び上記1)のポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン-プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン-アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及び他のポリマー、例えばポリアミドとのそれらの混合物。
【0020】
4.炭化水素樹脂(例えば、C~C)、例えば水素化変性物(例えば、粘着付与剤)並びにポリアルキレン及び澱粉の混合物。
【0021】
1.)~4.)からのホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有し得、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0022】
5.ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)。
【0023】
6.スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンの全異性体、特にp-ビニルトルエン、エチルスチレンの全異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン並びにそれらの混合物を含むビニル芳香族モノマーから誘導される芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有し得、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0024】
6a.前述のビニル芳香族モノマーと、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びそれらの混合物から選択されるコモノマーとを含むコポリマー。例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマーと他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの高衝撃強度の混合物;並びにスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンなどのスチレンのブロックコポリマー。
【0025】
6b.6.)で記載されたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー、特にアタクチックポリスチレンの水素化によって調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)が挙げられ、これは、多くの場合、ポリシクロヘキサン(PVCH)と呼ばれる。
【0026】
6c.6a.)で記載されたポリマーの水素化から誘導される水素化芳香族ポリマー。
【0027】
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミアイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有し得、アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーも含まれる。
【0028】
7.スチレン又はα-メチルスチレンなどのビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン-スチレン上のスチレン又はポリブタジエン-アクリロニトリルコポリマー;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレート上のスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル並びにこれらと6)に記載のコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして知られるコポリマー混合物。
【0029】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン-イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0030】
9.ポリアクリレート及びポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリルなどのα,β-不飽和酸及びその誘導体から得られるポリマーであって、ブチルアクリレートによって衝撃変性されているもの。
【0031】
10.9)に記載されたモノマーの互いとの又は他の未飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリルレート/ブタジエンターポリマー。
【0032】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されるポリマー又はそのアシル誘導体若しくはアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリブチラル、フタル酸ポリアリル又はポリアリルメラミン並びにそれらの上記1)のオレフィンとのコポリマー。
【0033】
12.ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどの環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー又はそれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0034】
13.ポリオキシメチレン及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレンなどのポリアセタール;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSによって変性されたポリアセタール。
【0035】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド並びにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0036】
15.一方でヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエンから及び他方で脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートから誘導されるポリウレタン並びにその前駆体。
【0037】
16.ジアミン及びジカルボン酸並びに/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムから誘導されるポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m-キシリレンジアミン及びアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミン及びイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から調製され、変性剤としてエラストマーを含むか若しくは含まないポリアミド、例えばポリ-2,4,4,-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ-m-フェニレンイソフタルアミド;並びに前述のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー、化学的に結合又はグラフト化されたエラストマーとのブロックコポリマー;或いはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSによって変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工時に縮合したポリアミド(RIMポリアミドシステム)。
【0038】
17.ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステリミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダゾール。
【0039】
18.ジカルボン酸及びジオール及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトン若しくはラクチドから誘導されるポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート及びポリヒドロキシベンゾエート並びにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されるコポリエーテルエステル、またポリカーボネート及びMBSによって変性されたポリエステル。コポリエステルは、例えば、これらに限定されないが、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリ-3-ヒドロキシブチレート/オクタノエートコポリマー、ポリ-3-ヒドロキシブチレート/ヘキサノエート/デカノエートターポリマーを含む。さらに、脂肪族ポリエステルは、例えば、これらに限定されないが、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)のクラス、特にポリ(プロピオラクトン)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)及びポリ(カプロラクトン)、ポリエチレンスクシネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリヘキサメチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート及びポリ乳酸(PLA)並びにポリカーボネート又はMBSによって変性された対応するポリエステルを含み得る。「ポリ乳酸(PLA)」という用語は、好ましくは、ポリL-ラクチドのホモポリマー及び他のポリマーとの任意のブレンド又はアロイ;乳酸又はラクチドと、他のモノマー、例えばヒドロキシカルボン酸、例えばグリコール酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシカプロン酸及びそれらの環状体とのコポリマーを意味し;「乳酸」又は「ラクチド」という用語は、L-乳酸、D-乳酸、それらの混合物及び二量体、すなわちL-ラクチド、D-ラクチド、D-ラクチド、D-ラクチド、D-ラクチド、D-ラクチドを含み、すなわちL-ラクチド、D-ラクチド、メソ-ラクチド及びそれらの任意の混合物を含む。
【0040】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0041】
20.ポリケトン。
【0042】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0043】
22.一方でアルデヒド、他方でフェノール、尿素及びメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0044】
23.乾燥及び非乾燥アルキド樹脂。
【0045】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、多価アルコール及びビニル化合物を架橋剤とする個ポリエステルとから誘導される不飽和ポリエステル樹脂及びそのハロゲン含有変性物であって、燃焼性の低いもの。
【0046】
25.置換アクリレート、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートから誘導される架橋性アクリル樹脂。
【0047】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂によって架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0048】
27.脂肪族、脂環族、複素環式又は芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えば無水物又はアミンなどの慣用の硬化剤により、促進剤の有無にかかわらず架橋されたビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物。
【0049】
28.天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン及びそれらの化学変性された同種の誘導体、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート及びセルロースブチレート又はメチルセルロースなどのセルロースエーテル並びにロジン及びその誘導体。
【0050】
29.前述のポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0051】
30.純粋なモノマー化合物又はその混合物である天然由来及び合成有機材料、例えば鉱油、動植物油脂及びワックス又は合成エステル(例えば、フタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)に基づく油脂及びワックス、さらにまた任意の重量比の合成エステルと鉱油との混合物、典型的に紡糸組成物として使用されるもの並びにそのような材料の水性エマルジョン。
【0052】
31.天然ゴム又は合成ゴムの水性エマルジョン、例えば天然ラテックス又はカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーのラテックス。
【0053】
ポリオレフィン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド又はポリオキシメチレンが特に興味深い。
【0054】
好ましい実施形態において、有機材料は、熱可塑性エラストマーである。
【0055】
熱可塑性エラストマーの例としては、ポリオレフィン熱可塑性エラストマー、ブロックコポリマー型ポリスチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。ポリオレフィン熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂をハードセグメントとして、且つエチレン-プロピレン-ジエン-エラストマー(EPDM)などのゴム組成物をソフトセグメントとして含む。ブロックコポリマー型ポリスチレン熱可塑性エラストマーは、ポリスチレンをハードセグメントとして、且つポリブタジエン又はポリイソプレンなどのポリジエンをソフトセグメントとして含む。
【0056】
代わりに、本発明の熱可塑性エラストマーとして、ポリオレフィンエラストマーとポリスチレンエラストマーとのブレンドも使用され得る。熱可塑性エラストマー中のソフトセグメント及びハードセグメントの組み合わせ方法は、単純なブレンド、共重合による植え込み及び動的架橋に大別され得る。ポリスチレン熱可塑性エラストマーのセグメントの組み合わせとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロックコポリマー(SEPS)、4種のコポリマーのいずれか1種の水添ポリマー、ランダムSBRの水添ポリマー(HSBR)、ポリプロピレンと、これらのポリマーの中から選択される1種又は複数の任意のメンバーとのブレンド物が挙げられる(SBR=スチレンブタジエンゴム)。
【0057】
興味深いものは、熱可塑性ポリオレフィン、特にエチレン及び/又はプロピレンをベースとするゴム相を含むポリエチレン又はポリプロピレンである。
【0058】
一実施形態において、抗スクラッチ剤は、不飽和又は飽和脂肪酸アミド、ポリ(オルガノ)シロキサン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0059】
好ましい実施形態において、抗スクラッチ剤は、エルカミド、オレアミド、ステアラミド及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0060】
より好ましい実施形態において、抗スクラッチ剤は、エルカミド、ステアラミド又はそれらの混合物から選択される。
【0061】
本発明の抗スクラッチ添加剤は、当業者に公知である。
【0062】
それらは、既知の方法と同様に調製することができる。それらのほとんどは、商業的に入手可能である。
【0063】
好ましい市販のポリ(オルガノ)シロキサン抗スクラッチ添加剤は、以下の通りである:
TEGOMER(登録商標)AntiScratch 100、
TEGOMER(登録商標)M-Si 2650、
TEGOPREN(登録商標)6846、
TEGOMER(登録商標)H-Si 6440 P、
TEGOMER(登録商標)AntiScratch 200、
GENIOPLAST(登録商標)S
GENIOPLAST(登録商標)Pellet P、及び
GENIOPLAST(登録商標)Pellet P plus。
【0064】
好ましいポリ(オルガノ)シロキサン抗スクラッチ添加剤は、ケイ素及びシリコーンポリマーの混合物に関する(例えば、0~50重量%、好ましくは30重量%のフュームドシリカ及び50~0重量%、好ましくは70重量%のシリコーンポリマー)。
【0065】
さらに好ましいポリ(オルガノ)シロキサン抗スクラッチ添加剤は、式
【化3】
(式中、Rは、アルキル、ポリエステル残基、アクリレート残基、エポキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルなどである)
の化合物である。
【0066】
別の好ましい抗スクラッチ添加剤は、IRGASURF(登録商標)SR 100である。
【0067】
一実施形態において、式(1)の化合物と少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、1:70~30:99の範囲である。
【0068】
好ましい実施形態において、式(1)の化合物と少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、1:98、又は2:98、又は2:97、又は3:97、又は4:96、又は4:95、又は5:95、又は5:94、又は6:94、又は6:93、又は7:93、又は7:92、又は6:92、又は6:91、又は5:91、又は5:90、又は6:90、又は6:89、又は7:89、又は7:88、又は8:88、又は8:87、又は9:87、又は9:86、又は10:86、又は10:85、又は11:85、又は11:84、又は12:84、又は12:83、又は13:83、又は13:82、又は14:82、又は14:81、又は15:81、又は15:80、又は16:80、又は16:79、又は17:79、又は17:78、又は18:78、又は18:77、又は19:77、又は19:76、又は20:76、又は20:75、又は21:75、又は21:76、又は22:76、又は22:75、又は23:75、又は23:74、又は24:74、又は24:73、又は25:73、又は25:72、又は26:72、又は26:71、又は27:71、又は27:70、又は28:70、又は29:70、又は30:70である。
【0069】
より好ましい実施形態において、式(1)の化合物と少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、5:91、又は5:90、又は6:90、又は6:89、又は7:89、又は7:88、又は8:88、又は8:87、又は9:87、又は9:86、又は10:86、又は10:85、又は11:85、又は11:84、又は12:84、又は12:83、又は13:83、又は13:82、又は14:82、又は14:81、又は15:81、又は15:80である。
【0070】
最も好ましい実施形態において、式(1)の化合物と少なくとも1つの抗スクラッチ剤との重量比は、10:86、又は10:85、又は11:85、又は11:84、又は12:84、又は12:83、又は13:83、又は13:82、又は14:82、又は14:81、又は15:81、又は15:80である。
【0071】
一実施形態において、有機材料と式(1)の化合物との重量比は、99.99:0.01~99.0:1.0の範囲である。
【0072】
一実施形態において、有機材料と少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、99.99:0.01~98:2の範囲である。
【0073】
式(1)の化合物及び抗スクラッチ剤は、例えば、前記材料の重合又は架橋前、その間又はその後にポリマー材料に添加することができる。さらに、これらは、純粋な形態において又はワックス、オイル若しくはポリマー中にカプセル化されてポリマー材料に組み込むことができる。
【0074】
一般に、式(1)の化合物及び抗スクラッチ剤は、粉末の形態での乾式混合又は溶液若しくは懸濁液の形態での湿式混合或いは式(I)の化合物及び/又は抗スクラッチ添加剤を0.01~70重量%、好ましくは0.01~50重量%、特に0.01~25重量%の濃度で含むマスターバッチの形態などでの種々のプロセスにより、一緒に又は個々の形態で有機材料に組み込むことができる。このような操作において、ポリマーは、粉末、顆粒、溶液、懸濁液の形態又はラテックスの形態で使用することができる。
【0075】
式(1)の化合物とスクラッチ防止剤とを一緒に又は個々の形態において本発明による有機材料中に加工する例は、以下の通りである:射出ブロー成形、押出成形、ブロー成形、回転成形、インモールドデコレーション(バックインジェクション)、スラッシュ成形、射出成形、共射出成形、成形、圧縮成形、プレス、フィルム押出(キャストフィルム;ブローフィルム)、紡績(織物、不織布)、延伸(一軸、二軸)、アニール、深絞り、カレンダリング、メカニカルトランスフォーメーション、焼結、共押出、コーティング、ラミネート、架橋(放射線、過酸化物、シラン)、蒸着、溶接、接着剤、加硫、熱成形、パイプ押出、プロファイル押出、シート押出;シートキャスティング、スピンコーティング、ストラッピング、発泡、リサイクル/リワーク、押出コーティング、ビスブレーキング(過酸化物、熱)、ファイバーメルトブローン、スパンボンド、表面処理(コロナ放電、火炎、プラズマ)、殺菌(ガンマ線、電子線による)、ジェルコーティング、テープ押出、SMCプロセス又はプラスチソル。
【0076】
本発明による有機材料中への式(I)の化合物及び抗スクラッチ剤の一緒の又は個々の形態は、種々の成形物品の調製に有利に使用することができる。例えば、以下が挙げられる。
【0077】
I-1)フローティングデバイス、海洋用途、ポンツーン、ブイ、デッキ用プラスチック板、桟橋、ボート、カヤック、オール及びビーチ補強材。
【0078】
I-2)自動車用途、特にバンパー、ダッシュボード、バッテリー、リア及びフロントライニング、フード下の成形部品、ハットシェルフ、トランクライニング、インテリアライニング、エアバッグカバー、フィッティング(ライト)のための電子成形物、ダッシュボードのためのパネル、ヘッドランプガラス、インストルメントパネル、外装ライニング、内装、自動車ライト、ヘッドライト、パーキングライト、リアライト、ストップライト、内装及び外装トリム;ドアパネル;ガソリンタンク;ガラスフロントサイド;リアウィンドウ;シートバック、外装パネル、ワイヤー絶縁材、シール用プロファイル押出物、クラッディング、ピラーカバー、シャーシ部品、排気システム、燃料フィルター/フィラー、燃料ポンプ、燃料タンク、ボディサイド成形物、コンバーティブルトップ、外装ミラー、外装トリム、締結具/固定具、フロントエンドモジュール、ガラス、ヒンジ、ロックシステム、ラゲッジ/ルーフラック、プレス/スタンプ部品、シール、側面衝撃保護、消音/絶縁材及びサンルーフ。
【0079】
I-3)道路交通デバイス、特に案内標識柱、路面表示用柱、カーアクセサリー、警告用三角表示板、医療用ケース、ヘルメット、タイヤ。
【0080】
I-4)調度品を含む、飛行機、鉄道、自動車(車、バイク)のためのデバイス。
【0081】
I-5)宇宙応用のためのデバイス、特にロケット及び衛星、例えば再突入シールド。
【0082】
I-6)建築及びデザイン、鉱業用、音響設備、街頭避難所及びシェルターのためのデバイス。
【0083】
II-1)電化製品、汎用及び電気/電子デバイスのケース及びカバー(パーソナルコンピューター、電話機、携帯電話、プリンター、テレビ、オーディオ及びビデオデバイス)、植木鉢、衛星放送受信機及びパネルデバイス。
【0084】
II-2)鉄鋼及び繊維などの他の材料のジャケット。
【0085】
II-3)電子産業用デバイス、特にプラグ、特にコンピュータプラグの絶縁材、電気及び電子部品用ケース、プリント基板及びチップ、チェックカード又はクレジットカードなどの電子データ記憶用材料。
【0086】
II-4)電気電化製品、特に洗濯機、タンブラー、オーブン(電子レンジ)、食器洗浄機、ミキサー及びアイロン。
【0087】
II-5)照明用カバー(例えば、街灯、ランプシェード)。
【0088】
II-6)電線及びケーブルでの応用(半導体、絶縁体及びケーブルジャケット)。
【0089】
II-7)コンデンサー、冷蔵庫、ヒーティングデバイス、エアコン、電子機器の封止、半導体、コーヒーメーカー及び掃除機のためのホイル。
【0090】
III-1)歯車(ギア)、スライド金具、スペーサー、ネジ、ボルト、ハンドル及びツマミなどの技術製品。
【0091】
III-2)回転翼、換気装置及び風車の羽根、太陽電池装置、プール、プールカバー、プールライナー、池ライナー、クローゼット、ワードローブ、仕切り壁、スラット壁、折りたたみ壁、屋根、シャッター(例えば、ローラーシャッター)、継手、パイプ間の接続、スリーブ及びコンベヤベルト。
【0092】
III-3)サニタリー物品、特にシャワールーム、トイレシート、カバー及びシンク。
【0093】
III-4)衛生用品、特におむつ(乳児用、成人失禁用)、女性用衛生用品、シャワーカーテン、ブラシ、マット、浴槽、移動トイレ、歯ブラシ及びベッドパン。
【0094】
III-5)水、排水及び化学薬品のためのパイプ(架橋されているか否かを問わない)、電線及びケーブル保護のためのパイプ、ガス、油及び下水のためのパイプ、雨樋、ダウンパイプ並びに排水設備。
【0095】
III-6)あらゆる形状のプロファイル(窓ガラス)及びサイディング。
【0096】
III-7)ガラス代替品、特に押出プレート、建築物用グレージング(モノリシック、ツイン又はマルチウォール)、航空機、学校、押出シート、建築用グレージング用ウィンドウフィルム、列車、輸送及び衛生用品。
【0097】
III-8)プレート(壁、カッティングボード)、押出コーティング(印画紙、テトラパック及びパイプコーティング)、サイロ、代用木材、プラスチック板、木材複合材、壁、表面、家具、装飾箔、床材(内外装)、フローリング、ダックボード及びタイル。
【0098】
III-9)吸気口及び排気口マニホールド。
【0099】
III-10)セメント、コンクリート、複合剤用途及びカバー、サイディング及びクラッディング、ハンドレール、バニスター、キッチンワークトップ、ルーフィング、ルーフィングシート、タイル及びターポリン。
【0100】
IV-1)プレート(壁及びカッティングボード)、トレイ、人工芝、アストロターフ、競技場リング(陸上競技)用人工被覆、競技場リング(陸上競技)用人工床及びテープ。
【0101】
IV-2)連続及び短繊維の織物、繊維(カーペット/衛生用品/ジオテキスタイル/モノフィラメント/フィルター/ワイプ/カーテン(シェード)/医療用)、バルク繊維(ガウン/防護服などの用途)、ネット、ロープ、ケーブル、ひも、コード、糸、安全シートベルト、衣類、下着、グローブ;ブーツ、ゴムブーツ、インナーウェア、衣類、水着、スポーツウェア、傘(パラソル、日よけ)、パラシュート、パラグライダー、帆、「バルーンシルク」、キャンプ用品、テント、エアベッド、サンベッド、バルクバッグ及びバッグ。
【0102】
IV-3)屋根、トンネル、ダンプ、池の膜、断熱材、カバー、シール、ダンプ、ウォールルーフィング膜、ジオメンブレン、プール、カーテン(日よけ)/サンシールド、オーニング、天蓋、壁紙、食品包装及び梱包(フレキシブル及びソリッド)、医療用包装(フレキシブル及びソリッド)、エアバッグ/安全ベルト、アームレスト及びヘッドレスト、カーペット、センターコンソール、ダッシュボード、コックピット、ドア、オーバーヘッドコンソールモジュール、ドアトリム、ヘッドライナー、室内照明、室内ミラー、パーセルシェルフ、リアラゲージカバー、シート、ステアリングコラム、ステアリングホイール、テキスタイル及びトランクトリム。
【0103】
V-1)フィルム(包装、ダンプ、ラミネート、ベールラップ、プール、ゴミ袋、壁紙、ストレッチフィルム、ラフィア、脱塩フィルム、電池及びコネクター。
【0104】
V-2)農業用フィルム(温室用カバー、トンネル、マルチ、サイレージ、ベールラップ)、特に農薬の集中散布がある場合。
【0105】
VI-1)食品包装及び梱包(フレキシブル及びソリッド)、BOPP、BOPET、ボトル。
【0106】
VI-2)箱(クレート)、荷物、チェスト、家庭用箱、パレット、棚、トラック、スクリューボックス、パック及び缶などの保管システム。
【0107】
VI-3)カートリッジ、注射器、医療応用、輸送用容器、ゴミバスケット及びゴミ入れ、ゴミ袋、ゴミ箱、ダストビン、ビンライナー、車輪付きゴミ箱、容器全般、水/使用済みの水/化学/ガス/油/ガソリン/ディーゼル用タンク;タンクライナー、箱、木箱、電池ケース、トラフ、医療用デバイス、例えばピストン、眼科応用、診断用デバイス及び医薬品ブリスター用包装。
【0108】
VII-1)押出コーティング(写真用紙、テトラパック、パイプコーティング)、あらゆる種類の家庭用品(例えば、家電製品、魔法瓶/衣類ハンガー)、締結システム、例えばプラグ、ワイヤー及びケーブルクランプ、ジッパー、クロージャー、ロック及びスナップクローザー。
【0109】
VII-2)サポートデバイス、余暇用物品、例えばスポーツ及びフィットネスデバイス、体操用マット、スキーブーツ、インラインスケート、スキー、ビッグフット、スポーツサーフェイス(例えば、テニス場)、スクリュートップ、瓶及び缶のトップ及びストッパー。
【0110】
VII-3)家具全般、発泡製品(クッション、衝撃吸収材)、フォーム、スポンジ、食器拭き、マット、ガーデンチェア、スタジアムシート、テーブル、ソファ、おもちゃ、組み立てキット(ボード/フィギュア/ボール)、プレイハウス、滑り台及び遊戯車。
【0111】
VII-4)光学及び磁気データ記憶用材料。
【0112】
VII-5)キッチン用品(飲食、調理、収納)。
【0113】
VII-6)CD、カセット及びビデオテープのための箱;DVD電子物品、あらゆる種類の事務用品(ボールペン、スタンプ及びインクパッド、マウス、棚、トラック)、あらゆる容量及び内容のボトル(飲料、洗剤、香水などの化粧品)及び粘着テープ。
【0114】
VII-7)履物(靴/靴底)、中敷、スパッツ、接着剤、構造用接着剤、食品箱(果物、野菜、肉、魚)、合成紙、瓶用ラベル、長椅子、人工関節(ヒト)、印刷版(フレキソ)、プリント基板及びディスプレー技術。
【0115】
VII-8)充填ポリマーのデバイス(タルク、チョーク、中国粘土(カオリン)、ウォラストナイト、顔料、カーボンブラック、TiO2、マイカ、ナノコンポジット、ドロマイト、シリケート、ガラス、アスベスト)。
【0116】
本発明による有機材料中に式(1)の化合物及び抗スクラッチ剤を一緒の又は個々の形態で用いて製造された自動車用内外装トリム材が好ましい。特に好ましい成形物品は、上記のI-2で挙げたものである。ルーフ、シート又はダッシュボードのための面材料も興味深い。
【0117】
必要に応じて、式(I)の化合物を含む有機材料に、酸化防止剤、UV吸収剤、ニッケル安定剤、スリップ添加剤、顔料、充填剤、可塑剤、腐食防止剤及び金属不活性化剤などの合成ポリマーのための1種又は複数の従来の添加剤を添加することができる。
【0118】
従来の添加剤の例としては、以下が挙げられる。
【0119】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、直鎖又は側鎖が分枝しているノニルフェノール、例えば2,6-ジノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルペンタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデカ-1’-イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0120】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール。
【0121】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0122】
1.4.トコフェロール、例えばα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0123】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0124】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン。
【0125】
1.7.O-、N-及びS-ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0126】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ-オクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジ-ドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0127】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0128】
1.10.トリアジン化合物、例えば2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0129】
1.11.ベンジルホスホネート、例えばジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0130】
1.12.アシルアミノフェノール、例えば4-ヒドロキシラウラニリド、4-ヒドロキシステアラニリド、オクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0131】
1.13.β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0132】
1.14.β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル。
【0133】
1.15.β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0134】
1.16.3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0135】
1.17.β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Uniroyalによって供給されるNaugard(登録商標)XL-1)。
【0136】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0137】
1.19.アミン系酸化防止剤、例えばN,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルへプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルへプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トリエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラメチルー4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ及びジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ及びジアルキル化tert-オクチル-フェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エン。
【0138】
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3’-sec-ブチル-5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ビス-(α,α-ジメチルベンジル)-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)-カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-ドデシル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’-メチレン-ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール];2-[3’-tert-ブチル-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【化4】
(式中、R=3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシ-5’-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(α,α-ジメチルベンジル)-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-ベンゾトリアゾール;及び2-[2’-ヒドロキシ-3’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-5’-(α,α-ジメチルベンジル)-フェニル]ベンゾトリアゾール)。
【0139】
2.2.2-ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシルオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2’,4’-トリヒドロキシ及び2’-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ誘導体。
【0140】
2.3.置換及び非置換の安息香酸のエステル、例えば4-tert-ブチル-フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート。
【0141】
2.4.アクリレート、例えばエチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチルα-カルボメトキシシンナメート、メチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチルα-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート、N-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレ-ト。
【0142】
2.5.ニッケル化合物、例えば2,2’-チオ-ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば1:1又は1:2錯体(n-ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN-シクロヘキシルジエタノールアミンなどの追加の配位子の有無にかかわらず)、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシムのニッケル錯体、例えば2-ヒドロキシ-4-メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1-フェニル-4-ラウロイル-5-ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体(追加の配位子の有無にかかわらず)。
【0143】
2.6.立体障害アミン、例えば1,6-ヘキサンジアミンN,N’-ビス(1-プロピルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-N,N’-ビス-2-[4,5-ビス-(N-n-ブチル-N’-1-プロピルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1,3,5-トリアジン]、1,6-ヘキサンジアミンN,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-N,N’-ビス-2-[4,5-ビス-(N-n-ブチル-N‘-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1,3,5-トリアジン]、炭酸ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)エステル、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、主成分(80%以上)として1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イルドコサノエートからなるアルカン酸(C=18、20、22、24、直鎖)と1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-オールとの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート(CAS登録番号[705257-84-7]、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルフォリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS登録番号[136504-96-6]);1,6-ヘキサンジアミン及び2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン並びにN,N-ジブチルアミン及び4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268-64-7]);N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)-2-(4-メトキシフェニル)エテン、N,N’-ビス-ホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4-メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル-3-オキシ-4-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物-α-オレフィンコポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジン又は1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物、2,4-ビス[N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,3,5-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、Sanduvor(Clariant;CAS登録番号106917-31-1]、アミノエーテルHALS/Polymer Hostavin NOW Pills XP(Clariant;CAS登録番号[942926-88-7]、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルヘキサメチレンジアミン。
【化5】
【0144】
2.7.ベンゾキサジノン誘導体、例えば2,2’-(1,4-フェニレン)ビス[4H-3,1-ベンゾキサジン-4-オン](CAS番号018600-59-4)。
【0145】
2.8.オキサミド、例えば4,4’-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’-ジエトキシオキサニリド、2,2’-ジオクチルオキシ-5,5’-ジtert-ブトキサニリド、2,2’-ジドデシルオキシ-5,5’-ジtert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2’-エチルオキサニリド、N,N’-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2’-エトキサニリド及び2-エトキシ-2’-エチル-5,4’-ジ-tert-ブトキサニリドとのその混合物、o-及びp-メトキシ-二置換オキサニリドの混合物並びにo-及びp-エトキシ-二置換オキサニリドの混合物。
【0146】
2.9.2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、例えば2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ)フェニル-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、2-{2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(4-[2-エチルヘキシルオキシ]-2-ヒドロキシフェニル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ビス-ビフェニリル-4-イル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(2-エチル-(n)-ヘキシルオキシ)フェノール。
【0147】
3.金属不活性化剤、例えばN,N’-ジフェニルオキサミド、N-サリチルアル-N’-サリチロイルヒドラジン、N,N’-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’-ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0148】
3a.ホルムアミジン、例えばエトキシカルボニルフェニル)-N’-エチル-N’-フェニルホルムアミジン。
【0149】
4.ホスファイト及びホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2’,2’’-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン、リン酸、混合2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェニル及び4-(1,1-ジメチルプロピル)フェニルトリエステル(CAS:939402-02-5)、リン酸、トリフェニルエステル、ポリマーとのα-ヒドロ-ω-ヒドロキシポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]、C10-16-アルキルエステル(CAS:1227937-46-3)。
【0150】
以下のホスファイトが特に好ましい。
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【化6】
【0151】
5.ヒドロキシルアミン、例えばN,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、水素添加獣脂アミンから誘導されるN,N-ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0152】
6.アミンオキシド、例えばN,N-ジベンジルヒドロキシルアミンオキシド、N,N-ジエチルヒドロキシルアミンオキシド、N,N-ジオクチルヒドロキシルアミンオキシド、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミンオキシド、N,N-ジテトラデシルヒドロキシルアミンオキシド、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシルアミンオキシド、N,N-ジオクタデシルヒドロキシルアミンオキシド、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミンオキシド、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミンオキシド、水素添加獣脂アミンから誘導されるN,N-ジアルキルヒドロキシルアミンオキシド。
【0153】
7.ニトロン、例えばN-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-エチル-α-メチルニトロン、N-オクチル-α-ヘプチルニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシルニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシルニトロン、水素添加獣脂アミンから誘導されるN,N-ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されるニトロン。
【0154】
8.チオ相乗作用剤、例えばチオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミストリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]又はジステアリルジスルフィド。
【0155】
9.過酸化物捕捉剤、例えばβ-チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2-メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β-ドデシルメカプト)プロピオネート。
【0156】
10.ポリアミド安定剤、例えばヨージド及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩、二価マンガンの塩。
【0157】
11.塩基性共安定剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモン又はピロカテコール酸亜鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト。
【0158】
12.核剤、例えば無機物質、例えばタルカム、金属酸化物、例えば二酸化チタン又は酸化マグネシウム、リン酸塩、カルボン酸塩又は硫酸塩の好ましくはアルカリ土類金属。有機化合物、例えばモノ又はポリカルボン酸及びその塩、例えば4-tert-ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;ポリマー化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー)。特に好ましいのは、1,3:2,4-ビス(3’,4’-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0159】
13.充填剤及び補強剤、例えば炭酸カルシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルカン(好ましくは粒径が0.01~20μmのもの)、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木粉及び他の天然産物の粉又は繊維、合成繊維。
【0160】
14.他の添加剤、例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流動制御剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0161】
15.ベンゾフラノン及びインドリノン、例えば米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第A-4316611号明細書;独国特許出願公開第A-4316622号明細書;独国特許出願公開第A-4316876号明細書;欧州特許出願公開第A-0589839号明細書、欧州特許出願公開第A-0591102号明細書;欧州特許出願公開第A-1291384号明細書に開示されているもの或いは3-[4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン、3,3’-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2-アセチル-5-イソオクチルフェニル)-5-イソオクチルベンゾフラン-2-オン。
【0162】
好ましい実施形態において、立体障害アミンは、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン及びコハク酸の縮合物、1,6-ヘキサンジアミン及び2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン並びにN,N-ジブチルアミン及び4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの縮合物、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルヘキサメチレンジアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0163】
より好ましい実施形態において、立体障害アミンは、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン及び/又はN,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルヘキサメチルエンジアミンである。
【0164】
フェノール系酸化防止剤が好ましい。上記で項目1に列挙されたものが興味深い。フェノール系酸化防止剤及びプロセス安定化剤、例えばオクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-ブチル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート)及びトリス[2,4-ジ-tert-ブチルフェニル]ホスファイトが特に興味深い。
【0165】
さらに好ましい添加剤は、ステアリン酸Caである。
【0166】
TiO、カーボンブラックなどの顔料がさらに好ましい。タルクなどの充填剤も興味深い。
【0167】
好ましい添加剤は、特に上記で項目2に列挙された立体障害アミン光安定剤及び/又はUV吸収剤でもある。
【0168】
好ましい障害アミン光安定剤は、以下である:
【化7】
(式中、aは、2~10である)、
【化8】
(式中、bは、2~20、好ましくは2~10の数である)、
【化9】
(式中、aは、2~10である)、
【化10】
(式中、aは、2~10である)、
【化11】
(式中、X、X、X、X、X、X、X及びXは、基
【化12】
である)、
【化13】
(式中、Yは、互いに独立して、水素又はプロポキシであり、好ましくはプロポキシである)、
【化14】
(式中、nは、4~20である)、
【化15】
(式中、n’は、14~16である)。
【0169】
好ましいUV吸収剤は、ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤である。ヒドロキシフェニルトリアジンUV吸収剤は、以下の通りである。
【化16】
【化17】
【化18】
【0170】
好ましいUV吸収剤は、置換及び非置換の安息香酸のエステルである。置換及び非置換の安息香酸のエステルは、ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート及び/又はヘキサデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートから選択される。
【0171】
本発明による式(1)の化合物及び抗スクラッチ剤は、好ましくは、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト、好ましくはトリス[2,4-ジ-tert-ブチルフェニル]ホスファイト、立体障害アミン光安定剤、UV吸収剤、酸捕捉剤、好ましくはステアリン酸Ca並びにカーボンブラック及びタルクと一緒に適用される。
【0172】
式(1)の化合物及び抗スクラッチ剤と、従来の添加剤との重量比は、例えば、1:100~100:1、好ましくは1:100~10:1、特に1:10~10:1である。
【0173】
ここで特許請求される本発明は、以下の利点の1つ又は複数を提供する:
1.式(1)の化合物及び抗スクラッチ剤を含む、有機材料をベースとする成形物品は、酸化的、熱的又は光誘導性分解の影響を受けやすい。
2.式(1)の化合物及び抗スクラッチ剤を含む、有機材料をベースとする成形物品は、粘着性を示さず、且つ有機材料成形物品からのブルーミング/滲出がないことを示す表面を有する。
【0174】
以下では、ここで特許請求される本発明の特定の実施形態について説明する。
【0175】
1.i.式(1)
【化19】
の化合物と、
ii.少なくとも1種の抗スクラッチ剤と
を含む、有機材料をベースとする成形物品。
【0176】
2.有機材料は、ポリオレフィン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド又はポリオキシメチレン及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態1に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0177】
3.有機材料は、熱可塑性ポリオレフィンである、実施形態1又は2に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0178】
4.熱可塑性ポリオレフィンは、熱可塑性ポリエチレン又はポリプロピレンである、実施形態1~3の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0179】
5.抗スクラッチ剤は、不飽和又は飽和脂肪酸アミド、ポリ(オルガノ)シロキサン及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態1~4の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0180】
6.抗スクラッチ剤は、エルカミド、オレアミド、ステアラミド及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態1~5の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0181】
7.抗スクラッチ剤は、エルカミド、ステアラミド又はそれらの混合物から選択される、実施形態1~6の1つ以上に記載の成形物品。
【0182】
8.式(1)の化合物と少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、1:70~30:99の範囲である、実施形態1~7の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0183】
9.有機材料と式(1)の化合物との重量比は、99.99:0.01~99.0:1.0の範囲である、実施形態1~8の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0184】
10.有機材料と少なくとも1種の抗スクラッチ剤との重量比は、99.99:0.01~98:2の範囲である、実施形態1~9の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0185】
11.フェノール系酸化防止剤及び/又はフェノール系ホスファイトをさらに含む、実施形態1~10の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0186】
12.フェノール系酸化防止剤は、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-ブチル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート)及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態1~11の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0187】
13.フェノール系ホスファイトは、トリス[2,4-ジ-tert-ブチルフェニル]ホスファイトである、実施形態1~11の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0188】
14.立体障害アミン光安定剤及び/又はUV吸収剤をさらに含む、実施形態1~13の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0189】
15.立体障害アミン光安定剤は、炭酸ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)エステル、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルフォリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合物、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと、2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンと、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの縮合物;1,6-ヘキサンジアミン及び2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン並びにN,N-ジブチルアミン及び4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの縮合物;N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)-2-(4-メトキシフェニル)エテン、N,N’-ビス-ホルミル-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4-メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル-3-オキシ-4-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物-α-オレフィンコポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジン又は1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジンとの反応生成物、2,4-ビス[N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,3,5-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンとN,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)との反応生成物、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルヘキサメチレンジアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態1~14の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0190】
16.UV吸収剤は、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、オキサミド、置換及び非置換安息香酸のエステル並びに2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジンからなる群から選択される、実施形態1~14の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0191】
17.スリップ添加剤、充填剤及び/又は顔料をさらに含む、実施形態1~16の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0192】
18.自動車の内装材又は外装材である、実施形態1~17の1つ以上に記載の有機材料をベースとする成形物品。
【0193】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するものである。本願で言及される全てのパーセント及び部は、特記されない限り、重量によるものである。
【実施例
【0194】
実施例1:熱可塑性ポリプロピレンの安定化
ベース製剤:
1.89.36重量%の熱可塑性ポリプロピレン(BorealisのDaplen(登録商標)EE013 AE);メルトフローレート:11g/10分(ISO 1133)、密度:905kg/m(ISO 1183)、
2.0.100重量%の、80%トリス(2,4-ジ-tert.-ブチルフェニル)ホスファイト)+20%オクタデシル-3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートのブレンド、
3.0.050重量%のステアリン酸カルシウム、
4.10重量%のタルク、
5.0.03重量%のカーボンブラック、及び
6.0.400重量%のエルカミド。
【0195】
以下に概説するようなさらなる添加剤をベース製剤の場合と同じ方法で組み込む。いずれの場合にも、熱可塑性ポリプロピレンの重量パーセントは、全成分の合計が100%となるように調整する。
【0196】
添加剤混合物:
化合物A:1,3,5-トリ(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
化合物B:ペンタエリスリトールテトラキス[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオネート]、
化合物C:1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、
化合物D:N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルヘキサメチレンジアミン。
【0197】
【表1】
【0198】
試験片の調製:
ベース製剤をPappermaier(登録商標)ESK-150ミキサー中で予備混合した。この混合物をMixaco Lab CM12高速ミキサー中で0.60重量%の上記の添加剤と組み合わせ、二軸押出機Berstorff(登録商標)ZE 25x32D中220℃でコンパウンドした。その後、240℃の温度でEngel HL65射出成形機中で射出成形を行った。
【0199】
40mm×60mm×2mm又は25mm×60mm×2mmの射出成形プラークを、Volkswagen(VW)、PV 1303-グレースケール及びVolkswagen、PV 1303-デルタEからの国際基準に従って人工風化に曝露した。PV 1303の設定は、以下の通りである。
VW PV 1303、DIN 75 202:
ランプ:キセノンアーク
ランプの照射量:1.2W/m@420nm又は300~400nmで60W/m
ランプ周りのフィルターセット:内側ボロシリケート/外側ソーダライム
ブラックパネル温度BPT:100±3℃
ドライバルブ温度:65±3℃
チャンバー内R.H.:20±10%
天候サイクル:永久的光/暗期なし、乾燥のみ/雨なし
【0200】
測定したパラメータは、DIN EN ISO 105-A05によるGrayスケール及びDIN 6174によるデルタEスケールでの色ずれであった。
【0201】
結果を表1及び表2に示す。
【0202】
【表2】
【0203】
【表3】
【0204】
表1及び表2から、本発明の添加剤を添加することにより、試験した熱可塑性ポリプロピレン試料の特性がより良好に保持される(すなわち人工風化に曝露したときに分解による色の変化がない)ことが明らかである。
【0205】
実施例2:熱可塑性ポリプロピレンの安定化
実施例1に記載された方法と同様に試験片を調製し、Volkswagen、PV 3930-グレースケール及びVolkswagen、PV 3930-デルタE(PV3930は「フロリダ試験」としても知られる)からの国際基準に従って人工風化に曝露した。
【0206】
PV 3930の設定は、以下の通りである。
VW PV 3930:
ランプ:キセノンアーク
ランプの照射量:0.5W/m@340nm
ランプ周りのフィルターセット:内側ボロシリケート/外側ボロシリケート
ブラック標準温度BST:65±3℃
ドライバルブ温度:40±3℃
チャンバー内R.H.:70±10%
天候サイクル:108分光及び乾燥/18分光及び湿潤
【0207】
測定したパラメータは、DIN EN ISO 105-A05によるGrayスケール及びDIN 6174によるデルタEスケールでの色ずれであった。
【0208】
結果を表3及び表4に示す。
【0209】
【表4】
【0210】
【表5】
【0211】
表3及び4から、本発明の添加剤混合物を添加することにより、試験した熱可塑性ポリプロピレン試料の特性がより良好に保持される(すなわち人工風化に曝露したときに分解による色の変化がない)ことが明らかである。
【0212】
実施例3:熱可塑性ポリプロピレンの安定化
ポリマー、充填剤、色、安定剤及び抗スクラッチ剤のいくつかの組み合わせにおいて、添加剤の一部が移行し得、不運な組み合わせ比では、これらの添加剤がさらに表面にブルームし得る。太陽光に曝露されて分解したこれらの添加物は、したがって、粘着性のある層を形成し得る。粘着性試験により、表面のこの粘着性がどのように発生するかを記録することができる。
【0213】
実施例1に記載された方法と同様に試験片を調製し、国際基準PV 1306-GS及びPV 1306-DE(PV1306は、ポリプロピレン部品の粘着性を決定するための暴露試験である)に従い、その粘着性を評価することができた。指が感じる粘着性を所定のシステムに従って評価し、老化時間にわたって記録した。今回の試験に関して、以下に示す評価システムを使用した。
【0214】
【表6】
【0215】
結果を表5に示す。
【0216】
【表7】
【0217】
表5から、添加剤混合物を添加することにより、熱可塑性ポリプロピレン試料に粘着性を示さず、熱可塑性ポリプロピレン試料からのブルーミング/滲出を示さないか又はそれらが低減した表面が得られることが明らかである。
【国際調査報告】