(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】重なり合うサセプタ及び予熱リング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20231219BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/44 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523226
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 US2022021463
(87)【国際公開番号】W WO2022216458
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ツォン, チョーポン
(72)【発明者】
【氏名】チュー, シューベルト
(72)【発明者】
【氏名】ミオ, ニィ オー.
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティク ブペンドラ
(72)【発明者】
【氏名】イェー, ジーユエン
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ, リチャード オー.
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030KA45
5F045AB02
5F045AB05
5F045AB09
5F045AB10
5F045AB14
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AD10
5F045AD11
5F045AD12
5F045AD13
5F045AD14
5F045AD15
5F045AD16
5F045AD17
5F045AD18
5F045AE23
5F045DP04
5F045DP28
5F045EC02
5F045EC03
5F045EC05
5F045EG02
5F045EK12
5F045EK14
5F045EM09
5F045EM10
5F045GB06
5F045GB15
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は一般的に、処理チャンバにおけるガス流制御を改善する。少なくとも1つの実施形態では、処理チャンバのためのライナーが、側壁を有する環状体と、環状体の内部から外部へとガスを排出するための、環状体に形成されたベントとを備える。当該ベントは、側壁を通じて配置された1又は複数の通気孔を備える。ライナーはさらに、基板をロード及びアンロードするための、環状体にある開口部を含む。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバのためのライナーであって、
側壁を有する環状体、
前記環状体の内部から外部へとガスを排出するための、前記環状体に形成されたベントであって、前記側壁を通じて配置された1又は複数の通気孔を備える、ベント、並びに
基板のロード及びアンロードのための、前記環状体にある開口部、
を備える、ライナー。
【請求項2】
前記環状体が、半径方向内側に延びる内側フランジを備え、前記内側フランジが、当該内側フランジ上の予熱リングを支持するように構成されている、
請求項1に記載のライナー。
【請求項3】
前記1又は複数の通気孔が、前記側壁を通じて、互いに平行に横方向に延びる、請求項1に記載のライナー。
【請求項4】
前記1又は複数の通気孔が、前記ライナーの前記側壁を通じて半径方向に延びる、請求項1に記載のライナー。
【請求項5】
前記1又は複数の通気孔が、円形孔、細長スロット、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のライナー。
【請求項6】
前記1又は複数の通気孔の少なくとも1つのペアが、前記ライナーの前記側壁の周囲に円周方向に整列されており、約90°以下の前記環状体の半径方向角度内に配置されている、請求項1に記載のライナー。
【請求項7】
前記側壁に、及び前記環状体の上面に形成された複数の凹部をさらに備え、前記複数の凹部が、前記ベントと円周方向に対向して配置されている、請求項1に記載のライナー。
【請求項8】
処理チャンバのためのアセンブリであって、
基板受け入れ上面を有するサセプタ、
前記サセプタの平面の下方にある第1の容積を半径方向外側で取り囲むライナー、及び
前記ライナーに結合されるとともに、前記ライナーから半径方向内側に延び、前記サセプタに半径方向で重なる、予熱リング、
を備える、処理チャンバのためのアセンブリ。
【請求項9】
前記予熱リング及びサセプタが半径方向で重なる部分同士が、互いに間隔を空けて鉛直方向に離れている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記予熱リングの半径方向で重なる部分が、前記サセプタの半径方向で重なる部分の上方に配置されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記予熱リング及び前記サセプタが半径方向で重なる部分同士の間の鉛直方向ギャップが、約1mm以下である、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記予熱リングが環状体を備え、当該環状体が、
前記サセプタの半径方向外側に延びる外側フランジと重なるように構成された、半径方向内側に延びる内側フランジ、及び
前記環状体の下面の下方に延びる外側フランジであって、前記ライナーと接触するように構成された外側フランジ、
を備える、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記サセプタの上面、前記予熱リングの上面、及び前記ライナーの上面が、相互に実質的に同一平面にある、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記ライナーが、
側壁を有する環状体、
前記環状体の内部から外部へとガスを排出するための、環状体に形成されたベントであって、前記側壁を通じて配置された1又は複数の通気孔を備える、ベント、並びに
基板のロード及びアンロードのための、前記環状体にある開口部
を備える、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項15】
処理チャンバであって、該処理チャンバは、
サセプタ及び予熱リングが内部に配置されたチャンバ本体であって、
前記サセプタの平面の上方に画定された上部チャンバ容積、及び
前記サセプタの平面の下方に画定された下部チャンバ容積
を備えるとともに、前記サセプタの一部と前記予熱リングの一部とが半径方向で重なる、チャンバ本体、
前記上部チャンバ容積からプロセスガスを排出するための、前記チャンバ本体の側壁を通じて配置された、第1の排気ポート、
前記下部チャンバ容積からパージガスを排出するための、前記チャンバ本体の側壁を通じて配置された、第2の排気ポート、
前記上部チャンバ容積と前記下部チャンバ容積との間の差圧を測定するように構成された、差圧センサ、並びに
前記第1の排気ポート及び前記第2の排気ポートを真空源に流体結合するように構成された、圧力平衡バルブ、
を備え、
前記圧力平衡バルブは、前記上部チャンバ容積と前記下部チャンバ容積との間の差圧を調節するように動作可能である、処理チャンバ。
【請求項16】
前記差圧センサが、前記第1の排気ポート及び前記第2の排気ポートに結合されている、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記圧力平衡バルブは、前記上部チャンバ容積と前記下部チャンバ容積との間の差圧を約10%以下に維持するように動作可能である、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記圧力平衡バルブは、前記下部チャンバ容積を、前記上部チャンバ容積よりも高い圧力に維持するように動作可能である、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記チャンバ本体に配置されるとともに、前記下部チャンバ容積を半径方向外側で取り囲むライナーをさらに備え、前記ライナーが、前記下部チャンバ容積から前記第2の排気ポートへ直接、パージガスを排出するためのベントを備える、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記予熱リングが前記ライナーに結合されており、前記ライナーから半径方向内側に延びる、請求項19に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は一般に、処理チャンバ内のガス流に関する。より具体的には、本明細書に開示される実施形態は、重なり合うサセプタ及び予熱リング、ベント付きライナー、並びにチャンバ圧力平衡化に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体基板は、集積デバイス及びマイクロデバイスの製造など多様な用途で処理される。基板処理の1つの方法は、基板の上面に誘電体材料又は導電性金属などの材料を堆積させることを含む。例えばエピタキシーとは、基板の表面に薄い超高純度層(通常はシリコン又はゲルマニウム)を成長させる堆積プロセスである。支持体上に配置された基板の表面に平行にプロセスガスを流し、プロセスガスを熱分解してプロセスガスから基板表面に材料を堆積させることにより、横方向フローチャンバで材料を堆積させることができる。エピタキシャル成長における膜質は、堆積の間のガス流の精度に依存する。例えば、チャンバの下部内のパージガス流は、プロセスガス流又は下部へのプロセスガスの拡散を防止又は低減するのに役立つように使用することができる。しかしながら、プロセスガス流とパージガス流の間のガス交換は、堆積プロセスにとって有害となり得る。
【0003】
[0003]よって、処理チャンバにおけるガス流の制御を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本開示の実施形態は一般に、処理チャンバ内のガス流に関する。より具体的には、本明細書に開示される実施形態は、重なり合うサセプタ及び予熱リング、ベント付きライナー、並びにチャンバ圧力平衡化に関する。
【0005】
[0005]少なくとも1つの実施形態において、処理チャンバのためのライナーは、側壁を有する環状体と、環状体の内部から外部へとガスを排出するための、環状体に形成されたベントとを含む。ベントは、側壁を通じて配置された1又は複数の通気孔を含む。ライナーはさらに、基板のロード及びアンロードのための、環状体にある開口部を含む。
【0006】
[0006]少なくとも1つの実施形態において、処理チャンバのためのアセンブリは、基板受け入れ上面を有するサセプタと、サセプタの平面の下方にある第1の容積を半径方向外側で取り囲むライナーと、ライナーに結合されるとともに、ライナーから半径方向内側に延び、サセプタに半径方向で重なる予熱リングとを含む。
【0007】
[0007]少なくとも1つの実施形態において、処理チャンバは、サセプタ及び予熱リングが内部に配置されたチャンバ本体を含む。チャンバ本体は、サセプタの平面の上方に画定された上部チャンバ容積と、サセプタの平面の下方に画定された下部チャンバ容積とを含む。サセプタの一部と予熱リングの一部とは、半径方向で重なる。処理チャンバは、上部チャンバ容積からプロセスガスを排出するための、チャンバ本体の側壁を通じて配置された第1の排気ポートを含む。処理チャンバは、下部チャンバ容積からパージガスを排出するための、チャンバ本体の側壁を通じて配置された第2の排気ポートを含む。処理チャンバは、上部チャンバ容積と下部チャンバ容積との間の差圧を測定するように構成された差圧センサを含む。処理チャンバは、第1の排気ポート及び第2の排気ポートを真空源に流体接続するように構成された圧力平衡バルブを含む。圧力平衡バルブは、上部チャンバ容積と下部チャンバ容積との間の差圧を調節するように動作可能である。
【0008】
[0008]先に言及した本開示の特徴が詳細に理解可能となるように、先に簡潔に要約した本開示のより具体的な説明について、実施形態(そのうち一部が添付図面に図示されている)を参照することができる。しかしながら、添付図面は例示的な実施形態を示すに過ぎないため、その範囲を限定するとみなされるべきではなく、他の同様に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】少なくとも1つの実施形態による、処理チャンバの概略的な断面図である。
【
図2A】少なくとも1つの実施形態による、下部ライナーの上面のみを描いた等角図である。
【
図3】
図1Aの処理チャンバで使用可能な、異なるサセプタと予熱リングとの組み合わせの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0014]理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指すためには、可能な限り同一の参照番号を使用した。1つの実施形態の要素及び特徴は、さらに言及せずとも、他の実施形態に有益に組み込むことができることが考慮される。
【0011】
[0015]本開示の実施形態は一般に、処理チャンバ内のガス流に関する。より具体的には、本明細書に開示される実施形態は、重なり合うサセプタ及び予熱リング、ベント付きライナー、並びにチャンバ圧力平衡化に関する。
【0012】
[0016]本明細書に開示される実施形態により、処理チャンバにおいて、特に、チャンバの上部にプロセスガス流を有し、チャンバの下部にパージガス流を有する処理チャンバにおいて、ガス流制御が改善される。本明細書に開示される実施形態により、重なり合うサセプタ及び予熱リングがもたらされ、これにより、サセプタと予熱リングとの間のギャップによってこれらの間でガス交換が起こり得る従来の装置と比較して、上部のプロセスガス流と、下部のパージガス流との間でのガス交換が減少又は防止される。
【0013】
[0017]本明細書に開示される実施形態により、チャンバの上部へのパージガス流が減少又は防止され、これは、堆積プロセスにとって不利になり得るプロセスガス流の希釈防止に役立つ。いくつかの堆積プロセスでは、例えば膜形成の間に高いドーパントレベルを達成するために、主なキャリアガス流の使用量を少なくして、高い前駆体分圧を維持している。このようなプロセスの間には、上部への高いパージガス流がプロセスガス流を希釈し、これによって主なキャリアガス流を減少させることが必要となり得る。主なキャリアガス流が不所望に低いレベルに低下すると、回転による堆積の均一性調整が悪くなるなど、堆積の均一性が悪くなる。さらに、パージガス流によって、上部に粒子(例えば金属粒子)が導入され、欠陥性能に悪い影響を与える。
【0014】
[0018]本明細書に開示される実施形態により、チャンバの下部へのプロセスガス流が低減又は防止され、下部表面への望ましくない材料堆積の防止に役立つ。例えば、プロセスガスがサセプタの裏面若しくは下窓の一方、又は両方に接触して膜が堆積されること(これらはいずれも、膜厚、ドーパントレベル及び欠陥形成における望ましくない変化につながるプロセスシフトをもたらし得る)を防止することができる。チャンバ下部での材料堆積を防止することにより、洗浄に伴う予防的メンテナンスの間隔が延長され、ツールの稼働率が向上する。
【0015】
[0019]本明細書に開示された実施形態は、パージガス流がプロセスガスと混合されてチャンバの上部から排気されるベントなしの従来のライナーとは対照的に、チャンバの下部から直接パージガス流を排気可能なベント付きライナーを提供する。パージガス流をチャンバ下部から直接ベントすることにより、上記メカニズムに従って、堆積プロセスの均一性及びツールの稼働率が向上する。
【0016】
[0020]本明細書に開示された実施形態は、圧力がプロセスガス流インプット、パージガス流インプット、及びサセプタと予熱リングとの間のギャップサイズに少なくとも部分的に基づいて受動的に制御される従来の処理チャンバとは対照的に、チャンバの上部と下部との間で動的な圧力平衡化をもたらす。動的な圧力平衡化により、上記メカニズムに従って、堆積プロセスの均一性及びツールの稼働率が向上する。
【0017】
[0021]
図1Aは、処理チャンバ100の概略的な断面図である。処理チャンバ100は、1又は複数の基板101を処理するため(基板101の上面への材料の堆積を含む)に、使用され得る。例えば、処理チャンバ100は、エピタキシャル堆積プロセスを行うように適合されていてよい。1つの例では、処理チャンバ100が、300mmの基板を処理するように構成されていてよい。
【0018】
[0100]処理チャンバ100は一般に、チャンバ本体102、サポートシステム104、及びコントローラ106を含む。サポートシステム104は、処理チャンバ100を使用して実行される1又は複数のプロセス(例えば膜堆積)を監視及び/又は実行するための構成要素を含み得る。コントローラ106、例えばプログラマブルコンピュータは、サポートシステム104に結合され、処理チャンバ100及びサポートシステム104を制御するように適合されている。コントローラ106は、メモリ111(例えば、不揮発性メモリ)及び支持回路113と共に動作可能なプログラマブル中央処理装置(CPU)107を含む。支持回路113は従来どおり、CPU107に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源等と、処理チャンバ100の様々な構成要素に結合されたそれらの組み合わせとを含む。
【0019】
[0101]いくつかの実施形態では、CPU107が、様々な監視システム構成要素及びサブプロセッサを制御するための、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの工業的設定で使用される汎用コンピュータプロセッサの任意の形態の1つである。CPU107に結合されたメモリ111は非一時的であり、典型的には、1又は複数の容易に利用可能なメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又はローカル若しくはリモートの他の任意の形態のデジタルストレージである。
【0020】
[0102]ここで、メモリ111は、命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば不揮発性メモリ)の形態であり、CPU107によって実行されると、処理チャンバ100の動作を容易にする。メモリ111内の命令は、本開示の方法を実現するプログラム(例えば、ミドルウェアアプリケーション、機器ソフトウェアアプリケーションなど)などのプログラム製品の形態である。プログラムコードは、多数の異なるプログラミング言語のいずれか1つに従っていてよい。1つの例では、本開示が、コンピュータシステムと共に使用するためにコンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラム製品として実施され得る。プログラム製品のプログラムは、実施形態の機能(本明細書に記載される方法を含む)を規定する。
【0021】
[0103]例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、
(i)情報が永続的に保存される書き込み不可能な記憶媒体(例えばコンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス、例えばCD-ROMドライブで読み取り可能なCD-ROMディスク、フラッシュメモリ、ROMチップ、又はあらゆる種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリ)、及び
(ii)変更可能な情報が格納される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、又は任意のタイプのソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)
が含まれるが、これらに限られない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載された方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を保持する場合、本開示の実施形態である。
【0022】
[0022]チャンバ本体102は、上部窓108(例えばドーム)、側壁109、及び下部窓110(例えばドーム)を有し、これらにより処理領域が画定される。基板101を支持するために用いられるサセプタ112は、処理領域に配置されている。サセプタ112は、炭化ケイ素から、又は炭化ケイ素で被覆されたグラファイトから形成されていてよい。サセプタ112は、基板受け入れ上面114を有する。サセプタ112は、支持支柱116により回転及び支持され、これらの支持支柱は、シャフト120から延びる各支持アーム118に結合されている。動作中、サセプタ112上に配置された基板101は、リフトピン124を介して基板リフトアーム122により、サセプタ112に対して上昇させることができる。
【0023】
[0023]処理チャンバ100の内部容積は、サセプタ112の平面の上方にある上部チャンバ容積134(例えばプロセスガス領域)と、サセプタ112の平面の下方にある下部チャンバ容積136(例えばパージガス領域)とに分割される。
【0024】
[0024]処理チャンバ100は、他の構成要素の中でもとりわけ、サセプタ112の裏側115と予熱リング132とを加熱するための、放射熱ランプ126のアレイを含む(以下でより詳細に説明する)。サセプタ112及び予熱リング132の加熱は、基板101上へのプロセスガスの熱分解に寄与し、基板101上に1又は複数の層が形成される。放射熱ランプ126は、
図1Aに示すように、上部窓108の上方、下部窓110の下方、又はその両方に配置され得る。上部窓108及び下部窓110は、これらを通る熱放射の透過を容易にするために、光学的に透明な材料(例えば石英)から形成されていてよい。
【0025】
[0025]放射熱ランプ126は、基板101の上面への材料の堆積を容易にするため、基板101の様々な領域における温度を独立して制御するために、サセプタ112の周囲に任意の所望のやり方で配置されていてよい。ここでは詳細に論じないが、堆積材料は、とりわけ、シリコンゲルマニウム、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、又は窒化アルミニウムガリウムを含むことができる。各放射熱ランプ126の熱エネルギー出力は、コントローラ106を用いて精密に制御され得る。放射熱ランプ126は、処理チャンバ100の内部を約200℃~約1600℃の範囲内の温度に加熱するように構成されていてよい。
【0026】
[0026]リフレクタは任意選択的に、基板101から放射される赤外光を基板101上に反射し返すために、上部窓108の上方に配置されていてよい。リフレクタは、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属から作製されていてよい。リフレクタ領域を金などの反射率の高いコーティングでコーティングすることにより、反射の効率を向上させることができる。リフレクタは、リフレクタを冷却するため、水などの冷却流体を供給するための冷却源に結合されていてよい。
【0027】
[0027]上部ライナー128は、上部窓108の下方に配置され、チャンバ構成要素(例えば側壁109又は上部窓108の周辺部)への望ましくない堆積を防止するように構成されている。上部ライナー128は、下部ライナー130に隣接して配置されている。下部ライナー130は、側壁109の内周の内側に収まるように構成されている。下部ライナー130は、上部窓108と下部窓110との間に配置されている。下部ライナー130は、下部チャンバ容積136を半径方向外側で取り囲んでいる。上部ライナー128及び下部ライナー130は、石英から形成されていてよい。
【0028】
[0028]予熱リング132は、予熱リング132を支持及び位置決めするために下部ライナー130に結合される。下部ライナー130の上端129は、その上に予熱リング132を受け入れるためのプロファイルを有する。予熱リング132は、
図1Aに示すように、サセプタ112が処理位置にあるときにサセプタ112の周囲に配置されるように構成されている。予熱リング132は、下部ライナー130から半径方向内側に延びている。予熱リング132及びサセプタ112が半径方向で重なり合う部分は、以下でより詳細に説明するように、上部チャンバ容積134と下部チャンバ容積136との間のガス交換を低減又は防止するように構成されている。予熱リング132は、炭化ケイ素から形成されていてよい。稼働中の予熱リング132の温度は、約100℃~約800℃の範囲内にあり得る。加熱された予熱リング132は、上部チャンバ容積134を通って流れるプロセスガスを活性化するのに役立つ。
【0029】
[0029]プロセスガス供給源138から供給されたプロセスガスは、側壁109を貫通して形成されたプロセスガス入口140を介して上部チャンバ容積134に導入される。プロセスガス入口140は、上部ライナー128と下部ライナー130との間に少なくとも部分的に延びている。プロセスガス入口140は、プロセスガス流170によって示されるように、プロセスガスを概ね半径方向内側の方向に向けるように構成されている。膜形成の間、サセプタ112は、プロセスガス入口140の終端に隣接するとともに、ほぼ同じ高度にある処理位置(
図1A参照)に配置されていてよく、これによってプロセスガスは、基板101の上面を少なくとも部分的に横切って画定された流路に沿って、概ね平面的な層状状態で流れることができる。プロセスガス入口140は1つしか示されていないが、プロセスガス入口140は、異なる組成、濃度、分圧、密度及び/又は速度を有する2つ以上の別個のプロセスガス流を送達するための2つ以上の入口を含むことができる。
【0030】
[0030]プロセスガスは、プロセスガス入口140と反対側の処理チャンバ102の側壁109を通って形成された排気ポート(例えばプロセスガス出口142)を通って、上部チャンバ容積134から出る。プロセスガス出口142を通るプロセスガスの排気は、真空源(例えば真空ポンプ144)によって促進され、プロセスガス排出口142の下流側に流体結合される。
【0031】
[0031]パージガスは、1又は複数のパージガス源148a及び/又は148bから下部チャンバ容積136に供給される。パージガス源148a及び148bは、図示したように、同じ供給源であるか、又は異なる供給源であり得る。パージガスは、不活性ガス、例えば水素又は窒素であり得る。下部チャンバ容積136におけるパージガス流は、上部チャンバ容積134から下部チャンバ容積136へのプロセスガス流又はプロセスガスの拡散を防止又は低減するのに役立つ。パージガス流は、側壁109内若しくはその周囲に形成された側方入口150、又は下部窓110に形成された底部入口160の一方又は両方を通って、下部チャンバ容積136に入る。側方入口150は、プロセスガス入口140より下の高度に配置されている。下部ライナー130と側壁109との間には半径方向に、側壁109と下部窓110との間には鉛直方向に、分配流路152が形成されている。分配流路152は、側方入口150からパージガスを受け取るために、側方入口150に流体結合されている。分配流路152は、パージガスを下部チャンバ容積136の周囲に均等に分配するために、下部ライナー130の周囲に360°、延びていてよい。分配流路152は、第2の流路154を介して下部チャンバ容積136に流体結合される。図示した第2の流路154は、下部ライナー130と下部窓110との間に形成されている。第2の流路154は、下部ライナー130の下端131に向かって半径方向内側に延びている。あるいは、第2の流路154は、下部ライナー130の本体を貫通して形成されていてよい。第2の流路154は、単独の環状流路として、又は複数の円弧状流路として形成されていてよい。第2の流路154は、プロセスガス入口140より下の高度に配置されている。図示した第2の流路154も、分配流路152より下の高度に配置されている。あるいは、第2の流路154は、分配流路152に、又はその上方に配置されていてよい。第2の流路154は、パージガス流172によって示されるように、パージガスを概ね半径方向内側の方向で下部チャンバ容積136に導くように構成されている。
【0032】
[0032]上部チャンバ容積134は、サセプタ112の平面の鉛直方向上方(例えば、その基板受け入れ面114の上方、又はその上に配置された基板101の上方)に画定され、予熱リング132は、上部窓108の鉛直方向下方に画定され、側壁109の半径方向内側に画定される。下部チャンバ容積136は、サセプタ112の平面の鉛直方向下方(例えば、その裏面115の下方)に画定され、下部窓110の鉛直方向上方に画定され、下部ライナー130の半径方向内側に画定される。
【0033】
[0033]基板ロード位置において、サセプタ112は、サセプタ112及び予熱リング132が半径方向で重なり合う部分同士の間に鉛直方向ギャップをもたらすために、予熱リング132に対して下降される。基板101は、チャンバ本体102内にロードされ、ギャップを通って、下部ライナー130内の対応する開口部を通ってチャンバ本体102からアンロードされるように構成されている(
図2A参照)。処理位置(
図1A参照)において、サセプタ112は、サセプタ112及び予熱リング132が、プロセスガス入口140の終端と第2の流路154の終端との間の高度に配置されるように上昇される。
【0034】
[0034]底部入口160は、シャフト120と下部窓110との間に配置されている。底部入口160は、下部チャンバ容積136に直接、流体結合される。下部入口160は、第2の流路154より下の高度に配置されている。底部入口160は、パージガス流174によって示されるように、概ね上向き及び半径方向外方向で、パージガスを下部チャンバ容積136に導くように構成されている。底部入口160からのパージガス流174は、パージガス流172単独と比較して、下部チャンバ容積136の底部へのパージガス流を増加させるように構成されていてよい。
【0035】
[0035]パージガスは、排気ポート(例えば、側壁109を貫通して形成されたパージガス出口156)を通って下部チャンバ容積136から出る。図示したパージガス出口156は、プロセスガス入口140の反対側に位置する。しかしながら、パージガス出口156は、プロセスガス入口140に対して側壁109に沿った任意の半径方向の位置に位置していてよい。下部ライナー130は、パージガスを下部チャンバ容積136から直接、パージガス出口156内に排気するためのベント133(以下でより詳細に説明する)を有する。ベント133及びパージガス出口156を通るパージガスの排気は、真空源(例えば真空ポンプ144)によって促進され、パージガス出口156の下流側に流体結合される。
【0036】
[0036]差圧センサ162は、上部チャンバ容積134と下部チャンバ容積136との間の差圧を測定するように構成されている。差圧センサ162は、プロセスガス出口142及びパージガス出口156のそれぞれに結合されている。図示した差圧センサ162は、側壁109に配置されている。あるいは、差圧センサ162は、チャンバ本体102の外側に、及びチャンバ本体に隣接して位置していてよい(例えば側壁109に結合される)。差圧センサ162からの測定データは、コントローラ106及び圧力平衡バルブ166の一方又は両方に伝達される(これについては以下で詳述)。
【0037】
[0037]圧力センサ164は、上部チャンバ容積134内の圧力を測定するように構成されている。処理の間、上部チャンバ容積134内の圧力は、約5トル(Torr)~約600トルであり得る。図示した圧力センサ164は、チャンバ本体102の外側に、及びチャンバ本体に隣接して位置し、側壁109に結合されている。あるいは、圧力センサ164は、側壁109に配置されていてよい。図示した圧力センサ164は、側壁109及び上部ライナー128を介して、上部チャンバ容積134に結合されている。あるいは、圧力センサ164は、上部窓108を介して、又は上部窓108と側壁109との間で、上部チャンバ容積134に結合されていてよい。圧力センサ164からの測定データは、コントローラ106及び圧力平衡バルブ166の一方又は両方に通信される。第2の圧力センサは、下部チャンバ容積136内の圧力を測定するように構成されていてよい。第2の圧力センサからの測定データは、コントローラ106及び圧力平衡バルブ166の一方又は両方に通信され得る。
【0038】
[0038]圧力平衡バルブ166は、プロセスガス出口142及びパージガス出口156のそれぞれを、真空ポンプ144に流体結合する。圧力平衡バルブ166は、差圧センサ162又は圧力センサ164の一方又は両方からのデータに基づき、コントローラ106によって操作され得る。作動中、圧力平衡バルブ166は、上部チャンバ容積134と下部チャンバ容積136との間の差圧を調節するために、プロセスガス出口142を通るプロセスガスの排気及びパージガス出口156を通るパージガスの排気を調節する。上部チャンバ容積134と下部チャンバ容積136との間の圧力平衡化により、それらの間のガス交換のための駆動力を省略(remove)することができる。差圧に対するプロセス設計の許容誤差は、約±5%以下、例えば約±0.1%~約±5%、例えば約±2%~約±5%であり得る。1つの例では、上部チャンバ容積134における10トルの圧力に対して、下部チャンバ容積136は、約9.9トル~約10.1トル(すなわち、±1%の許容誤差)の範囲内に維持され得る。1つの例では、圧力平衡バルブ166が、上部チャンバ容積134と下部チャンバ容積136との間の差圧を約10%以下、例えば約5%以下、例えば約1%以下に維持するように作動可能である。
【0039】
[0039]圧力平衡バルブ166は、差圧を上部チャンバ容積134又は下部チャンバ容積136のいずれかへと偏らせる(bias)ために使用され得る。1つの例では、圧力平衡弁166が、下部チャンバ容積136を上部チャンバ容積134よりも高い圧力に維持するように動作可能である。あるいは、圧力平衡バルブ166は、下部チャンバ容積136を上部チャンバ容積134よりも低い圧力に維持するように動作可能であり得る。
【0040】
[0040]
図1Bは、
図1Aの一部を拡大した断面図である。サセプタ112は、サセプタ112の基板受け入れ上面114を半径方向外側で取り囲む、隆起した境界部180を有する。隆起した境界部180は、上部チャンバ容積134に面する上面181を有する。サセプタ112は、以下でより詳細に説明するように、予熱リング132の対応する重なり部分に重なるように構成された、半径方向外側に延びる外側フランジ182を有する。外側フランジ182は、隆起した境界部180に対して半径方向外側に延びる。外側フランジ182の上面183は、隆起した境界部180の上面181の下方に凹んでいる。
【0041】
[0041]予熱リング132の本体184(例えば環状体)は、上部チャンバ容積134に面する上面185を有する。予熱リング132の上面185は、サセプタ112の上面181と同一平面にある。予熱リング132の本体184は、サセプタ112の外側フランジ182に重なるように構成された、半径方向内側に延びる内側フランジ186を有する。内側フランジ186の下面187は、(下から)本体184の下面188の上方で凹んでいる。予熱リング132の内側フランジ186は、サセプタ112の外側フランジ182の上方に配置され、基板のロード及びアンロードのために、サセプタ112を予熱リング132に対して下降させることができる。
図1Bに示したように、予熱リング132の内側フランジ186とサセプタ112の外側フランジ182とは、互いに間隔を空けて離れている(例えば、互いに接触しない)。図示した処理位置では、サセプタ112の外側フランジ182の上面183と、予熱リング132の内側フランジ186の下面187との間の鉛直方向ギャップ189は、約1mm以下、例えば約0.5mm~約1mm、例えば約0.6mm~約0.8mm、例えば約0.6mmである。予熱リング132の本体184は、下面188の下方に延びる外側フランジ190を有する。外側フランジ190は、以下でより詳細に説明するように、下部ライナー130に接触し、下部ライナー130の隆起部を取り囲むように構成されている。
【0042】
[0042]下部ライナー130は、上部チャンバ容積134に面する上端129に、上面191を有する。上面191は、予熱リング132の上面185及びサセプタ112の上面181と同一平面にある。下部ライナー130は、外側フランジ190を介して予熱リング132を支持するように構成された上面193を有する半径方向内側に延びる内側フランジ192を有する。内側フランジ192は、予熱リング132の外側フランジ190内に半径方向で適合するように構成されるとともに、予熱リング132を下部ライナー130上に保持し、中心を合わせるのに役立つように構成された隆起部194を有する。
【0043】
[0043]
図2Aは、
図1Aの下部ライナー130の上面のみを描いた等角図である。
図2Bは、
図2Aの下部ライナー130の側面図である。よって
図2A及び
図2Bは、明確さのために、本明細書において一緒に説明する。下部ライナー130は一般に、第1の端部又は上端部129と、反対側の第2の端部又は下端部131とを有する環状体202を含む(
図2B参照)。下部ライナー130が処理チャンバ100に配置される場合、
図1Aに示したように、第1の端部129は、上部チャンバ容積134に配置され、第2の端部131は、下部チャンバ容積136に配置される。
【0044】
[0044]ベント133は、下部ライナー130の本体202に形成されている。ベント133は、下部ライナー130を貫通して配置された1又は複数の通気孔212を含む。図示したように、1又は複数の通気孔212は、円形である。いくつかの他の例では、1又は複数の通気孔が、非円形(例えば、丸みを帯びた形状、多角形、下部ライナーに対して円周方向若しくは長手方向に縦方向に延びる細長いスロットの形状、任意の他の適切な形状、又はこれらの組み合わせ)であり得る。いくつかの例では、同じ下部ライナーが、異なる通気孔の組み合わせ(例えば、円形孔と細長いスロットとの組み合わせ)を含み得る。図示した1又は複数の通気孔212は、下部ライナー130の側壁208を通って半径方向に延びている。あるいは、1又は複数の通気孔212は、側壁208を通って横方向に延びてもよく、互いに平行であってもよい。図示した下部ライナー130は、14個の通気孔を有する。しかしながら、下部ライナー130は、下部チャンバ容積136からパージガスを排出するために必要な任意の数の通気孔を有し得る。1又は複数の通気孔212は、ライナー130の側壁208の周囲に円周方向に整列している。1つの例では、1又は複数の通気孔212の少なくとも1つのペアが、円周方向に整列している。1又は複数の通気孔212は、下部ライナー130の円弧状の部分内に配置されている。例えば、1又は複数の通気孔212が、ライナー130の半径方向角度214内に配置されていてよい。半径方向角度214は、約90°以下、例えば約45°以下、例えば約30°~約60°、例えば約45°であり得る。
【0045】
[0045]図示した下部ライナー130は、下部ライナー130の周囲に円周方向に等間隔に配置された8つの隆起部194を有する。しかしながら下部ライナー130は、
図1Bに示したように、予熱リング132を下部ライナー130上に保持し、中心を合わせることに役立てるために必要な任意の数の隆起部194を有し得る。
【0046】
[0046]下部ライナー130は、下部ライナー130の外表面224の周囲に円周方向に配置された複数のタブ218を含む。複数のタブ218は、
図1Aに示したように、分配流路152を第2の流路154に流体結合するため、下部ウィンドウ110と下部ライナー130の円錐部226との間に鉛直方向ギャップを設けるために、下部ウィンドウ110上に静止するように構成されている。
【0047】
[0047]下部ライナー130は、側壁208に、基板のロード及びアンロードのための開口部220を有する。下部ライナー130は、プロセスガス入口140の少なくとも一部を形成するように構成された、複数の凹部222を有する(
図2A参照)。複数の凹部222は、第1の端部129及び外表面224に形成されている。複数の凹部222は、互いに流体結合されている。複数の凹部222は、ベント133から円周方向に対向して配置されている。
【0048】
[0048]
図3は、
図1Aの処理チャンバ100において使用可能な、異なるサセプタ及び予熱リングの組み合わせについての拡大断面図である。サセプタ312及び予熱リング332は、重なり合う部分を除いて、
図1Bに示したものと同様である。したがって、重なり合わない部分の構造及び対応する説明は、
図1Bと同様である。
図1Bとは対照的に、サセプタ312の外側フランジ382と予熱リング332の内側フランジ386とは、
図1Bに示すように、鉛直方向に重なり合うのに加えて、半径方向で重なり合っている。
【0049】
[0049]
図3では、サセプタ312の外側フランジ382が、第1の上面383aと、第1の上面383aの高度より上に延びる第2の上面383bとを有する。図示した第1の上面383a及び第2の上面383bは、サセプタ312の平面に平行である。しかしながら、いくつかの他の例では、第1の上面383a及び第2の上面383bが、サセプタ312の平面に対して鋭角又は鈍角で位置決めされ得る。内表面383cは、第1の上面383aと、第2の上面383bとを接続する。図示した内表面383cは、サセプタ312の平面に対して垂直である。しかしながら、いくつかの他の例では、内表面383cが、サセプタ312の平面に対して鋭角又は鈍角で位置決めされ得る。
【0050】
[0050]
図3においても、予熱リング332の半径方向内側に延びる内側フランジ386は、第1の下面387aと、第1の下面387aの高度より下に延びる第2の下面387bとを有する。図示した第1の下面387a及び第2の下面387bは、予熱リング332の平面に平行である。しかしながら、いくつかの他の例では、第1の下面387a及び第2の下面387bが、予熱リング332の平面に対して鋭角又は鈍角で位置決めされ得る。外表面387cは、第1の下面387aと第2の下面387bとを接続する。図示した外表面387cは、予熱リング332の平面に垂直である。しかしながらいくつかの他の例では、外表面387cが、予熱リング332の平面に対して鋭角又は鈍角で位置決めされ得る。図示したように、内側フランジ386のプロファイルは、
図1Bに示される例と比較して、ガス流をさらに妨害する経路が形成されるように、外側フランジ382のプロファイルに適合するように成形されている。いくつかの例では、
図3のガス流経路が、「曲がりくねった経路(tortuous path)」と呼ばれることがある。いくつかの例では、追加の重なり合う表面が、同じパターン又は異なるパターンに従って、サセプタ312及び予熱リング332の重なり合う部分に含まれていてよい。
【0051】
[0051]
図1Bと同様に、第1の上面383aと第1の下面387aとが鉛直方向に重なり合って、これらの間に第1の鉛直方向ギャップ389aを形成し、これは
図1Bの鉛直方向ギャップ189と大きさが類似していてよい。
図3では、ガス流を妨害する追加の鉛直方向及び半径方向のギャップが形成されている。例えば、第2の上面383bと第1の下面387aとが鉛直方向に重なり合って、その間に第2の鉛直方向ギャップ389bが形成される。また、第2の下面387bと第1の上面383aとは、鉛直方向に重なり合い、その間に第3の鉛直方向ギャップ389cが形成される。この例では、図示した第2の鉛直方向ギャップ389b及び第3の鉛直方向ギャップ389cがそれぞれ、第1の鉛直方向ギャップ389aよりも小さい。しかしながら、いくつかの他の例では、第2の鉛直方向ギャップ389b及び第3の鉛直方向ギャップ389cが、第1の鉛直方向ギャップ389aと同じサイズ又はそれ以上であり得る。この例では、図示した第2の鉛直方向ギャップ389bと第3の鉛直方向ギャップ389cとが、同じサイズである。しかしながら、いくつかの他の例では、第2の鉛直方向ギャップ389b及び第3の鉛直方向ギャップ389cが、異なるサイズであり得る。さらに、内表面383cと外表面387cとは、半径方向で重なっている。いくつかの例では、その間に形成される半径方向のギャップが、対向する表面間の接触を防ぐために、
図1Bの鉛直方向ギャップ189よりも大きいサイズであり得る。有利なことに、
図3に示したサセプタと予熱リングとの組み合わせにより、
図1Bに示した組み合わせと比較して、基板のロード及びアンロードのためにサセプタを予熱リングに対して下げることができるようにしたまま、サセプタの平面の上部及び下部のチャンバ容積間のガス流をさらに妨害することができる。
【0052】
[0052]前述のことは本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他の実施形態及びさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】