(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-26
(54)【発明の名称】光学コンポーネントアライメントの装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01S 3/101 20060101AFI20231219BHJP
H01S 3/081 20060101ALI20231219BHJP
H01S 3/00 20060101ALN20231219BHJP
【FI】
H01S3/101
H01S3/081
H01S3/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531502
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021061538
(87)【国際公開番号】W WO2022132448
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ホン
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,エリック,アンダース
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AD06
5F172AD07
5F172DD03
5F172NN11
5F172NR12
5F172ZZ02
(57)【要約】
光学パルスストレッチャにおいてビームスプリッタ等の光学コンポーネントを位置合わせする装置及び方法。光学ビームスプリッタの一部を通ったビームの入射スポットと、逆反射した入力ビームから分割したビームの一致する入射スポットと、をターゲットスポット上で位置合わせする。また、適正なビーム位置合わせを容易にするためレトロリフレクタを位置合わせする装置及び方法も開示される。蛍光材料を用いてビーム入射スポットを可視化することができる。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共焦点光学パルスストレッチャであって、
第1の凹面ミラーと、
前記第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、
レトロリフレクタと、
前記第1の凹面ミラーと前記第2の凹面ミラーとの間に光学的に配置されたビームスプリッタであって、更に、第1の方向に進む第1のビームを前記第1の凹面ミラーへ誘導される第1のビーム部分と前記第1の方向に進む第2のビーム部分とに分割するように配置されたビームスプリッタと、を備え、
前記第1のビーム部分は、前記共焦点光学パルスストレッチャ内の閉鎖光路を通り、
前記光路は、前記第2の凹面ミラーと前記ビームスプリッタとの間のセグメントを含み、
前記レトロリフレクタは、前記第2のビーム部分を逆反射して前記第1の方向と反対の第2の方向に進む逆反射ビームを生成するように配置され、
前記ビームスプリッタは更に、前記逆反射ビームを、前記セグメントを通って前記第2の凹面ミラーに入射する第3のビーム部分に分割するように配置されている、共焦点光学パルスストレッチャ。
【請求項2】
前記レトロリフレクタは、調整可能チップ及びチルトを備えるミラーを含む、請求項1に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
【請求項3】
前記レトロリフレクタは、調整可能チップ及びチルトを備える折り畳みミラーと固定ミラーとを含み、
前記折り畳みミラーは、前記第2のビーム部分を受けて前記固定ミラーの方へ方向転換するように配置され、
前記固定ミラーは、前記第2のビーム部分を反射して前記折り畳みミラーの方へ戻すように構成されている、請求項1に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
【請求項4】
前記ビームスプリッタを通過して前記第1の方向と逆の第2の方向に進む逆反射光を受け、前記光を方向転換するように配置されたアパーチャを有する反射要素と、
前記方向転換された光を受けるように配置された蛍光スクリーンと、
を更に備える、請求項1に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
【請求項5】
前記反射要素は、前記ビームスプリッタを通過する前記光に対してある角度に向けられ、アパーチャを有する、請求項4に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
【請求項6】
前記UV反射要素は、前記光を方向転換するように配置された反射面を有する、請求項4に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
【請求項7】
共焦点光学パルスストレッチャにおけるビームスプリッタの位置合わせを容易にするための装置であって、
前記共焦点光学パルスストレッチャは、少なくとも第1の凹面ミラーと、前記第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、を含み、
前記共焦点光学パルスストレッチャは更に、レトロリフレクタを含み、
前記ビームスプリッタは、前記第1の凹面ミラーと前記第2の凹面ミラーとの間に光学的に配置され、
前記ビームスプリッタは更に、第1のビームを前記第1の凹面ミラーへ誘導される第1のビーム部分と前記第1の方向に前記レトロリフレクタの方へ進む第2のビーム部分とに分割するように配置され、
前記レトロリフレクタは、前記第2のビーム部分を逆反射して逆反射ビームを生成するように配置され、
前記第1のビーム部分は、前記共焦点光学パルスストレッチャ内の光路を通り、
前記ビーム経路は、前記第2の凹面ミラーと前記ビームスプリッタとの間のセグメントを含み、
前記ビームスプリッタは更に、前記逆反射ビームを、前記第2のミラーへ進む第1の部分と前記ビームスプリッタを通過する第2の部分とに分割するように配置され、
前記装置は、
前記ビームスプリッタを通過する逆反射ビーム光の前記第2の部分を受け、前記光を方向転換するように配置されたアパーチャを有する反射要素と、
前記方向転換された光を受けるように配置された蛍光スクリーンと、
を備える、装置。
【請求項8】
前記反射要素は、前記ビームスプリッタを通過する前記逆反射ビームの前記第2の部分に対してある角度に向けられ、アパーチャを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記反射要素は、逆反射ビームの前記第2の部分を方向転換するように配置された反射面を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
共焦点光学パルスストレッチャにおいてビームスプリッタを位置合わせする方法であって、
前記共焦点光学パルスストレッチャは、少なくとも第1の凹面ミラーと、前記第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、を含み、
前記ビームスプリッタは、前記第1の凹面ミラー上の第1のスポットと前記第2の凹面ミラー上の第2のスポットとの間に光学的に配置され、
前記ビームスプリッタは更に、第1の方向に進む第1の入来ビームを前記第1のスポットへ誘導される第1のビーム部分と前記第1の方向にレトロリフレクタの方へ進み続ける第2のビーム部分とに分割するように配置され、
前記第1のビーム部分は、前記共焦点光学パルスストレッチャ内の光路を通り、
前記光路は、前記第2のスポットと前記ビームスプリッタとの間のセグメントを含み、
前記第1のビーム部分は、前記第2のミラーの前記第2のスポットに当たり、
前記方法は、
前記第2のビーム部分を、前記第1の方向と反対の第2の方向の戻り経路に沿って前記ビームスプリッタへ逆反射することと、
前記逆反射された第2のビーム部分を、前記ビームスプリッタから前記第2のスポットへ進むビームと前記第2の方向に進み続ける第3のビーム部分とに分割することと、
前記分割した逆反射された第2のビーム部分を前記第2のミラー上の前記第2のスポットに入射するように位置合わせすることと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記第3のビーム部分の一部を蛍光スクリーンに当てて像を生成することと、
前記像が所定の特徴を有するか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて前記レトロリフレクタを位置合わせすることと、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第3のビーム部分の一部を蛍光スクリーンに当てて像を生成することは、アパーチャを有する反射要素を用いて前記第3のビーム部分の少なくとも一部を前記蛍光スクリーン上へ反射することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記像が所定の特徴を有するか否かの判定は、前記像が前記アパーチャの周縁から対称的に反射された光を含むか否かを判定することを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2020年12月16日に出願された「APPARATUS FOR AND METHOD OF OPTICAL COMPONENT ALIGNMENT FIELD」と題する米国出願第63/126,067号に対する優先権を主張する。これは援用により全体が本願に含まれる。
【0002】
[0002] 本出願は、例えばリソグラフィ装置において用いられる光学コンポーネントを位置合わせするためのシステム及び方法に関し、特に、レーザ源の出力のパルスを伸長するために有用な光学パルスストレッチャのコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを半導体材料のウェーハ等の基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する。マスク又はレチクル等のパターニングデバイスを使用して、ウェーハの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。パターンの転写は通常、基板上に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分を含んでいる。
【0004】
[0004] リソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行にあるいは反対方向に同期的にスキャンしながらパターンをスキャン方向に放射ビームでスキャンすることにより各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。また、パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へパターンを転写することが可能である。本明細書では、簡略化のため、ステッパ及びスキャナの双方を単にスキャナと呼ぶ。
【0005】
[0005] パターンを照明し、これを基板上に投影するために用いられる光源は、多数の構成のうちいずれか1つとすることができる。リソグラフィシステムで一般的に用いられる深紫外線エキシマレーザには、248nm波長のフッ化クリプトン(KrF)レーザと、193nm波長のフッ化アルゴン(ArF)レーザと、が含まれる。レーザ源は、高パワーガス放電レーザシステムの出力のパルスを伸長するための光学パルスストレッチャを含むことができる。
【0006】
[0006] リソグラフィスキャナ性能に対する新たな要件では、より長いパルス長が必要である。これは、パルス長の時間積分2乗(TIS:time integral square)で測定される。例えば、チップフィーチャのエッジ配置誤差(EPE:Edge Placement Error)を改善するには、より長いTISが必要となる。所望のTISを達成するため、光学パルスストレッチャ(OPuS:optical pulse stretcher)を用いてパルスを伸長する。TISの増大には、より大型のOPuSが必要である。OPuSのサイズが大きくなると、OPuSのコンポーネントが適正に光学アライメントされていることがいっそう重要となる。
【0007】
[0007] OPuSのコンポーネントを位置合わせする従来の方法は、OPuS外装を開き、位置合わせを行うコンポーネントの光学表面の近くにターゲットカードを物理的に位置決めすることを含む。次いで、ターゲットカードのビームの入射位置(又はフットプリント(footprint))に基づいて、入来ビームを位置合わせする。次いで、位置合わせを必要とする次の光学コンポーネントにターゲットカードをシフトし、これを、位置合わせする必要がある全ての光学コンポーネントが適正に位置合わせされるまで続ける。本明細書で用いる場合、「光線」及び「ビーム」は同じ意味を有する。
【0008】
[0008] 開放ビーム紙ターゲットアライメント(open beam paper target alignment)と呼ばれることがあるこのアライメントプロセスでは、カードを配置するため、密閉されたレーザ外装を開ける必要がある。これは開放ビーム動作のリスクを伴うので、アライメントを行っている人の皮膚をUV放射に暴露するのを避けるため、非常に注意深く実行しなければならない。また、これは時間がかかり、大量の手動操作を必要とする。これは、位置合わせしている光学表面を汚染に暴露し、結果として重要な光学コンポーネントの光学寿命を縮める可能性がある。また、ビームアライメントターゲットを設定する複雑さとビーム位置の主観的判断のため、正確なアライメントを達成することが難しい。
【0009】
[0009] また、アライメントプロセスは、OPuS内のビームスプリッタを位置合わせすることも含む。このプロセスはいくつかのステップを含むが、アライメントプロセス中にビームがミラーのうち1つから「外れた(fall off of)」場合、すなわちミラーに当たらなかった場合、それらのステップの一部を繰り返す必要があり得る。これは、アライメントの実行に必要な時間を大幅に増大する可能性がある。
【0010】
[0010] この状況で、開示される主題に対する必要性が生じる。
【発明の概要】
【0011】
[0011] 以下は、1つ以上の実施形態の基本的な理解を得るため、これらの実施形態の簡潔な要約を与える。この要約は、想定される全ての実施形態の広範な概要でなく、全ての実施形態の重要な又は不可欠な要素を識別することを意図しておらず、任意の又は全ての実施形態の範囲を画定することも意図していない。その唯一の目的は、後に提示される更に詳細な説明に対する準備として、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【0012】
[0012] 実施形態の一態様によれば、適正なビームアライメントを容易にするため、カメラシステムを用いて、ミラー等のOPuSコンポーネント上のビーム位置を監視する。いくつかの実施形態では、像統合光学システムを用いて、左ミラーバンク及び右ミラーバンクの双方のような複数の光学フィーチャからの像を統合し、これらの像を同時にカメラシステムに提示する。これによって設計を簡略化し、フィーチャを別個に検査する複数のカメラを有するコストを回避する。実施形態の一態様によれば、カメラシステムをOPuS外装のパージボリュームの外側に設置することで、開放ビーム動作のリスクを軽減すると共にパージの破壊(breaking)を回避する。本明細書で用いる場合、「カメラ」という用語は、像をキャプチャする(変換する)ための任意のデバイス、システム、又は装置を包含することが意図される。
【0013】
[0013] 実施形態の一態様によれば、アライメント中に、「蛍光フットプリント(florescence footprint)」によって明らかになるビームの入射位置が、位置合わせされているコンポーネントのアライメントフィーチャと一致するか又は重複するように位置決めされる。例えば、光学コンポーネントがOPuS内のダイクロイックミラーである場合、ビーム位置決めを容易にするため、ダイクロイックミラーを介して後面支持板上にアライメントフィーチャを配置すればよい。
【0014】
[0014] 従って、いくつかの実施形態によれば、カメラシステムの使用は、アライメント中に必要な開放ビーム動作の量を最小限に抑える。これは、アライメント手順の安全性を大幅に改善する。また、このアライメントシステムの非接触の性質は、表面汚染のリスクを含む直接的な近接光学部品の取り扱いに内在するリスクを軽減する。また、このシステムは、外装の開放とパージの破壊が必要でなくなると共に、手動ターゲット位置決めが行われないので、OPuSモジュールの現場サービス時間を著しく短縮することができる。
【0015】
[0015] 実施形態の一態様によれば、光学コンポーネントが開示される。この光学コンポーネントは、可視光に対して透明なウィンドウを含む密閉外装と、外装内の第1の位置に位置決めされた第1の光学フィーチャと、外装内の第2の位置に位置決めされた第2の光学フィーチャと、第1の光学フィーチャからの第1の光学フィーチャ光及び第2の光学フィーチャからの第2の光学フィーチャ光を受けるように配置されると共に、ウィンドウを介して第1の光学フィーチャ光及び第2の光学フィーチャ光を方向転換して、第2の光学フィーチャ光からの像と並置された第1の光学フィーチャ光からの像を形成するように適合された像統合モジュールと、を備える。光学コンポーネントは光学パルスストレッチャとすることができる。第1の光学フィーチャは第1のミラーを含み、第2の光学フィーチャは第2のミラーを含み得る。第1のミラーは第1の凹面ダイクロイックミラーを含み、第2のミラーは第2の凹面ダイクロイックミラーを含み得る。第1の光学フィーチャ及び第2の光学フィーチャは像統合モジュールに対して実質的に対称的に位置決めされ得る。
【0016】
[0016] 実施形態の別の態様によれば、像統合モジュールは、第1の光学フィーチャからの光を方向転換するように配置された第1の反射面と、第2の光学表面からの光を方向転換するように配置された第2の反射面と、を含み得る。第1の反射面は第1のプリズムの第1のプリズム反射面を含み、第2の反射面は第2のプリズムの第2のプリズム反射面を含み得る。像統合モジュールは、第1の光学フィーチャの方へ向けられた第1の反射面と第2の光学フィーチャの方へ向けられた第2の反射面とを有するプリズムを含み得る。像統合モジュールは、2つの平坦な面取りしたミラーを含み得る。
【0017】
[0017] 実施形態の別の態様によれば、光学コンポーネントは更に、外装内の第3の位置に位置決めされた第3の光学フィーチャと、外装内の第4の位置に位置決めされた第4の光学フィーチャと、を含み得る。像統合モジュールは、第3の光学フィーチャからの第3の光学フィーチャ光と第4の光学フィーチャからの第4の光学フィーチャ光とを受けるように配置され、第3の光学フィーチャ光及び第4の光学フィーチャ光を組み合わせると共にウィンドウを介して方向転換して、第4の光学フィーチャ光からの像に隣接して第3の光学フィーチャ光からの像を形成するように適合されている。
【0018】
[0018] 実施形態の別の態様によれば、光学コンポーネントは更に、ウィンドウを介して第1の光学フィーチャ光及び第2の光学フィーチャ光を受けるように配置されたカメラシステムを含み得る。カメラシステムは、ウィンドウを介して第1の光学フィーチャ光及び第2の光学フィーチャ光を受けるように配置されたレンズシステムと、レンズシステムから第1の光学フィーチャ光及び第2の光学フィーチャ光を受けるように配置されたカメラと、を含み得る。光学コンポーネントは更に、第1の光学フィーチャ光及び第2の光学フィーチャ光の光路を曲げるため、像統合モジュールとウィンドウとの間に光学的に位置決めされた折り畳みミラーを含み得る。
【0019】
[0019] 実施形態の別の態様によれば、第1の光学フィーチャ及び第2の光学フィーチャのち少なくとも1つは調整可能とすることができ、更に、第1の光学フィーチャ及び第2の光学フィーチャのうち少なくとも1つの向きを調整するため、第1の光学フィーチャ及び第2の光学フィーチャのうち少なくとも1つに機械的に結合されたアクチュエータを含み得る。
【0020】
[0020] 実施形態の別の態様によれば、第1の光学フィーチャは第1の蛍光材料及び第1のアライメントフィーチャを含み、第2の光学フィーチャは第2の蛍光材料及び第2のアライメントフィーチャを含み得る。第1の光学フィーチャは、可視光に対して透明な第1の基板及びUV放射を反射する第1の反射性コーティングを含む第1のミラーと第1のミラーサポートとを含み、第2の光学フィーチャは、可視光に対して透明な第2の基板及びUV放射を反射する第2の反射性コーティングを含む第2のミラーと第2のミラーサポートとを含み得る。第1のミラーサポートは、第1のミラーサポートの前面上に第1のアライメントフィーチャを含み、第2のミラーサポートは、第2のミラーサポートの前面上に第2のアライメントフィーチャを含み得る。第1のアライメントフィーチャは第1のミラー上の位置合わせされたビームフットプリントの位置に対応し、第2のアライメントフィーチャは第2のミラー上の位置合わせされたビームフットプリントの位置に対応し得る。
【0021】
[0021] 実施形態の別の態様によれば、第1の光学フィーチャは第1の蛍光材料を含む第1の反射性コーティングを含み、第2の光学フィーチャは第2の蛍光材料を含む第2の反射性コーティングを含み得る。第1の蛍光材料は第1の基板の後面上に提供され、第2の蛍光材料は第2の基板の後面上に提供され得る。第1の蛍光材料は第1のミラーサポートの前面上に提供され、第2の蛍光材料は第2のミラーサポートの前面上に提供され得る。第1のミラーサポートは第1の蛍光材料を含み、第2のミラーサポートは第2の蛍光材料を含み得る。
【0022】
[0022] 実施形態の別の態様によれば、光学コンポーネントが開示される。この光学コンポーネントは、可視光に対して透明なウィンドウを含む密閉外装と、外装内の第1の視野内に位置決めされた第1の光学フィーチャと、外装内の第1の視野内に位置決めされた第2の光学フィーチャと、第1の視野から第1の視野光を受けるように配置されると共に、第1の視野光を組み合わせてウィンドウを介して方向転換するように適合された像統合モジュールと、を備える。像統合モジュールは平面状鏡面を含むことができ、この平面状鏡面は、平面状鏡面の中心を通ると共に第1の視野に対して実質的に平行である線に対して、以下で与えられる角度θだけ傾斜している。
【0023】
【0024】
[0024] ここで、hは第1の視野の高さであり、dは第1の視野の中心と平面状鏡面の中心との間の垂直方向距離であり、sは第1の視野と平面状鏡面の中心との間の水平方向距離である。
【0025】
[0025] 実施形態の別の態様によれば、ウィンドウを有する密閉外装内に配置された複数の光学フィーチャを位置合わせする方法が開示される。この方法は、各光学フィーチャからの光を組み合わせて組み合わせ光信号を生成することと、ウィンドウを介して外装外へ組み合わせ光信号を誘導することと、組み合わせ光信号に少なくとも部分的に基づいて複数の光学フィーチャのうち少なくともいくつかを位置合わせすることと、を含む。方法は更に、ウィンドウを介して外装外へ組み合わせ光信号を誘導した後に、密閉外装の外側に位置決めされると共に組み合わせ光信号を受けるよう配置されたカメラシステムを用いて組み合わせ光信号を結像することを含み得る。複数の光学フィーチャの各々は、アライメントフィーチャと、光学フィーチャ上に入射するUVビームの可視フットプリントを発生するように配置された蛍光材料と、を含み得る。方法は更に、各光学フィーチャからの光を組み合わせて組み合わせ光信号を生成する前に、各光学フィーチャをUV放射ビームに暴露することと、各光学フィーチャ上にUV放射ビームの照明フットプリントを発生することと、を含み得る。組み合わせ光信号に少なくとも部分的に基づいて複数の光学フィーチャのうち少なくともいくつかを位置合わせすることは、各光学フィーチャにおいて照明フットプリントとアライメントフィーチャとの位置関係に少なくとも部分的に基づいて複数の光学フィーチャのうち少なくともいくつかを位置合わせすることを含み得る。位置合わせは、複数の光学フィーチャのうち1つ以上を調整することを含み得る。複数の光学フィーチャのうち1つ以上を調整することは、複数の光学フィーチャのうち1つ以上のそれぞれに機械的に結合された1つ以上のアクチュエータを手動で動作することを含み得る。複数の光学フィーチャのうち1つ以上を調整することは、複数の光学フィーチャのうち1つ以上のそれぞれに機械的に結合された1つ以上のモータ駆動アクチュエータを作動するため信号を供給することを含み得る。複数の光学フィーチャのうち1つ以上を調整することは、複数の光学フィーチャのうち1つ以上の向きを調整することを含み得る。
【0026】
[0026] 実施形態の別の態様によれば、共焦点光学パルスストレッチャにおいてビームスプリッタを位置合わせする方法が開示される。共焦点光学パルスストレッチャは、少なくとも第1の凹面ミラーと、この第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、を含む。ビームスプリッタは、第1の凹面ミラー上の第1のスポットと第2の凹面ミラー上の第2のスポットとの間に光学的に(すなわちそれらの間の光路上に)配置されている。ビームスプリッタは更に、第1の方向に進む第1の入来ビームを、第1のスポットへ誘導される第1のビーム部分と第1の方向にレトロリフレクタの方へ進み続ける第2のビーム部分とに分割するように配置されている。第1のビーム部分は共焦点光学パルスストレッチャ内の光路を通り、この光路は第2のスポットとビームスプリッタとの間のセグメントを含む。第1のビーム部分は第2のミラーの第2のスポットに当たる。方法は、第2のビーム部分を、第1の方向と反対の第2の方向の戻り経路に沿ってビームスプリッタへ逆反射することと、逆反射された第2のビーム部分を、ビームスプリッタから第2のスポットへ進むビームと第2の方向に進み続ける第3のビーム部分とに分割することと、分割した逆反射された第2のビーム部分を第2のミラーの第2のスポットに入射するように位置合わせすることと、を含む。方法は更に、第3のビーム部分の一部を蛍光スクリーンに当てて像を生成することと、この像が所定の特徴を有するか否かの判定に少なくとも部分的に基づいてレトロリフレクタを位置合わせすることと、を含み得る。第3のビーム部分の少なくとも一部を蛍光スクリーンに当てて像を生成することは、アパーチャを有する反射要素を用いて第3のビーム部分の少なくとも一部を蛍光スクリーン上へ反射することを含み得る。像が所定の特徴を有するか否かの判定は、像がアパーチャの周縁から対称的に反射された光を含むか否かを判定することを含む。
【0027】
[0027] 実施形態の別の態様によれば、共焦点光学パルスストレッチャが開示される。この共焦点光学パルスストレッチャは、第1の凹面ミラーと、第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、レトロリフレクタと、第1の凹面ミラーと第2の凹面ミラーとの間に光学的に配置されたビームスプリッタであって、更に、第1の方向に進む第1のビームを第1の凹面ミラーへ誘導される第1のビーム部分と第1の方向に進む第2のビーム部分とに分割するように配置されたビームスプリッタと、を備える。第1のビーム部分は共焦点光学パルスストレッチャ内の閉鎖光路を通り、この光路は第2の凹面ミラーとビームスプリッタとの間のセグメントを含む。レトロリフレクタは、第2のビーム部分を逆反射して第1の方向と反対の第2の方向に進む逆反射ビームを生成するように配置されている。ビームスプリッタは更に、逆反射ビームを、セグメントを通って第2の凹面ミラーに入射する第3のビーム部分に分割するように配置されている。レトロリフレクタは、調整可能チップ及びチルト(adjustable tip and tilt)を備えるミラーを含み得る。レトロリフレクタは、調整可能チップ及びチルトを備える折り畳みミラーと固定ミラーとを含み、折り畳みミラーは第2のビーム部分を受けて固定ミラーの方へ方向転換するように配置され、固定ミラーは第2のビーム部分を反射して折り畳みミラーの方へ戻すように構成され得る。共焦点光学パルスストレッチャは更に、ビームスプリッタを通過して第1の方向と逆の第2の方向に進む逆反射光を受け、この光を方向転換するように配置されたアパーチャを有する反射要素と、方向転換された光を受けるように配置された蛍光スクリーンと、を含み得る。反射要素は、ビームスプリッタを通過する光に対してある角度に向けられ、アパーチャを有し得る。UV反射要素は、光を方向転換するように配置された反射面を有し得る。
【0028】
[0028] 実施形態の別の態様によれば、共焦点光学パルスストレッチャにおけるビームスプリッタの位置合わせを容易にするための装置が開示される。共焦点光学パルスストレッチャは、少なくとも第1の凹面ミラーと、第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、を含む。共焦点光学パルスストレッチャは更にレトロリフレクタを含む。ビームスプリッタは、第1の凹面ミラーと第2の凹面ミラーとの間に光学的に配置されている。ビームスプリッタは更に、第1のビームを第1の凹面ミラーへ誘導される第1のビーム部分と第1の方向にレトロリフレクタの方へ進む第2のビーム部分とに分割するように配置されている。レトロリフレクタは、第2のビーム部分を逆反射して逆反射ビームを生成するように配置されている。第1のビーム部分は共焦点光学パルスストレッチャ内の光路を通り、このビーム経路は第2の凹面ミラーとビームスプリッタとの間のセグメントを含む。ビームスプリッタは更に、逆反射ビームを、第2のミラーへ進む第1の部分とビームスプリッタを通過する第2の部分とに分割するように配置されている。装置は、ビームスプリッタを通過する逆反射ビーム光の第2の部分を受け、この光を方向転換するように配置されたアパーチャを有する反射要素と、方向転換された光を受けるように配置された蛍光スクリーンと、を備える。反射要素は、ビームスプリッタを通過する逆反射ビームの第2の部分に対してある角度に向けられ、アパーチャを有し得る。反射要素は、逆反射ビームの第2の部分を方向転換するように配置された反射面を有し得る。
【0029】
[0029] 本発明の更なる特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者は更なる実施形態を容易に思いつくであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
[0030] 本明細書に組み込まれ本明細書の一部を形成する添付図面は、本発明の実施形態の方法及びシステムを、限定としてではなく例として説明する。図面は更に、詳細な説明と併せて、本明細書に提示されている方法及びシステムの原理を説明するように、また、当業者がこの方法及びシステムを作製し使用できるように機能する。図面中、同じ参照番号は同一の又は機能的に類似の要素を表す。
【0031】
【
図1】[0031] 開示される主題の一態様に従ったフォトリソグラフィシステムの全体的な広い概念を示す、一定の縮尺通りではない概略図である。
【
図2】[0032] 開示される主題の一態様に従ったリソグラフィシステムで用いられるレーザシステムの全体的な広い概念を示す、一定の縮尺通りではない概略図である。
【
図3】[0033] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャの図である。
【
図4】[0034] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図5A】[0035] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図5B】[0035] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図6】[0036] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャの一方側におけるミラーの配置を示す部分斜視図である。
【
図7】[0037] 光学コンポーネント内の光学フィーチャを位置合わせする従来の方法を示す図である。
【
図8A】[0038] 開示される主題の一態様に従った、光学フィーチャを位置合わせするためのシステムを示す図である。
【
図8B】[0038] 開示される主題の一態様に従った、光学フィーチャを位置合わせするためのシステムを示す図である。
【
図9A】[0039] 開示される主題の一態様に従った、光学フィーチャを位置合わせするためのシステムを示す図である。
【
図9B】[0040] 開示される主題の一態様に従った、光学フィーチャを位置合わせするためのシステムにおける像の並置を示す図である。
【
図10】[0041] 開示される主題の一態様に従った、最大の視野を達成するための条件を示す図である。
【
図11A】[0042] 開示される主題の一態様に従った像統合モジュールの代替的なコンポーネントを示す。
【
図11B】[0042] 開示される主題の一態様に従った像統合モジュールの代替的なコンポーネントを示す。
【
図11C】[0043] 開示される主題の一態様に従った、光学像統合モジュール内のコンポーネントの配置が視野に及ぼす効果を示す図である。
【
図12A】[0044] 開示される主題の一態様に従った、光学フィーチャを位置合わせするためのシステムを示す図である。
【
図12B】[0045] 開示される主題の一態様に従った、光学フィーチャを位置合わせするためのシステムにおける像の並置を示す図である。
【
図13A】[0046] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図13B】[0046] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図13C】[0046] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図13D】[0046] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図14A】[0047] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図14B】[0047] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図14C】[0047] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図14D】[0047] 開示される主題の態様に従った光学フィーチャの構造の態様を示す。
【
図15A】[0048] 開示される主題の一態様に従った、アライメントプロセス前のUVフットプリント及びアライメントマークの相対的な位置決めを示す。
【
図15B】[0048] 開示される主題の一態様に従った、アライメントプロセス後のUVフットプリント及びアライメントマークの相対的な位置決めを示す。
【
図16】[0049] 開示される主題の一態様に従った、光学コンポーネントの光学フィーチャを位置合わせする方法を示すフローチャートである。
【
図17】[0050] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図18】[0051] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図19】[0052] 開示される主題の一態様に従った、光学コンポーネントの光学フィーチャを位置合わせする方法を示すフローチャートである。
【
図20】[0053] 開示される主題の一態様に従った、光学コンポーネントの光学フィーチャを位置合わせする方法を示すフローチャートである。
【
図21】[0054] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図22】[0055] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図23A】[0056] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図23B】[0057] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の光線の様々な位置合わせ条件を示す図である。
【
図24】[0058] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図25】[0059] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図26】[0060] 開示される主題の一態様に従った、光学コンポーネントの光学フィーチャを位置合わせする方法を示すフローチャートである。
【
図27】[0061] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図28】[0062] 開示される主題の一態様に従った光学パルスストレッチャ内の様々な光路を示す図である。
【
図29A】[0063] 開示される主題の一態様に従った、光学パルスストレッチャ内の逆反射光線の様々な位置合わせによって生じ得るパターンを示す図である。
【
図29B】[0063] 開示される主題の一態様に従った、光学パルスストレッチャ内の逆反射光線の様々な位置合わせによって生じ得るパターンを示す図である。
【
図29C】[0063] 開示される主題の一態様に従った、光学パルスストレッチャ内の逆反射光線の様々な位置合わせによって生じ得るパターンを示す図である。
【
図30A】[0064] 開示される主題の一態様に従った、光学パルスストレッチャにおいて逆反射光線を位置合わせするためのモジュール内のアパーチャ板の態様を示す図である。
【
図30B】[0064] 開示される主題の一態様に従った、光学パルスストレッチャにおいて逆反射光線を位置合わせするためのモジュール内のアパーチャ板の態様を示す図である。
【
図30C】[0064] 開示される主題の一態様に従った、光学パルスストレッチャにおいて逆反射光線を位置合わせするためのモジュール内のアパーチャ板の態様を示す図である。
【0032】
[0065] 本発明の更なる特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者は更なる実施形態を容易に思いつくであろう。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0066] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される1つ又は複数の実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される1つ又は複数の実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
【0034】
[0067] 記載された1つ又は複数の実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された1つ又は複数の実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
【0035】
[0068] 「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(on)」、「上(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、図に示すように、ある要素又は特徴と別の1つ又は複数の要素又は1つ又は複数の特徴との関係を説明するのを容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの様々な方向を包含することを意図している。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0036】
[0069] 特定の実施形態を詳細に説明する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示的な環境を示すことが有益である。
図1を参照すると、フォトリソグラフィシステム100は照明システム105を含む。以下で更に充分に記載する通り、照明システム105は、パルス光ビーム110を生成してこれをフォトリソグラフィ露光装置又はスキャナ115へ誘導する光源を含む。フォトリソグラフィ露光装置又はスキャナ115は、ウェーハ120上にマイクロ電子フィーチャをパターン形成する。ウェーハ120はウェーハテーブル125上に配置されている。ウェーハテーブル125は、ウェーハ120を保持するように構築され、特定のパラメータに従ってウェーハ120を正確に位置決めするよう構成されたポジショナ(図示せず)に接続されている。
【0037】
[0070] フォトリソグラフィシステム100は、例えば248ナノメートル(nm)又は193nmの波長のような、深紫外線(DUV)範囲内の波長を有する光ビーム110を用いる。ウェーハ120上にパターン形成できるマイクロ電子フィーチャの最小サイズは光ビーム110の波長に依存し、波長が短くなればなるほど小さい最小フィーチャサイズが可能となる。光ビーム110の波長が248nm又は193nmである場合、マイクロ電子フィーチャの最小サイズは例えば50nm以下であり得る。光ビーム110の帯域幅は、光ビーム110の光エネルギが様々な波長にわたってどのように分布しているかに関する情報を含む光スペクトル(又は放出スペクトル)の実際の瞬時帯域幅であり得る。スキャナ115は、例えば1つ以上のコンデンサレンズ、マスク、及び対物系機構を有する光学機構を含む。マスクは、1つ以上の方向に沿って、例えば光ビーム110の光軸に沿って又は光軸に対して垂直な面内で、移動可能である。対物系機構は投影レンズを含み、マスクからウェーハ120上のフォトレジストへ像転写を行うことを可能とする。照明システム105は、マスクに入射する光ビーム110の角度範囲を調整する。また、照明システム105は、マスクにおける光ビーム110の強度分布を均質にする(均一にする)。
【0038】
[0071] スキャナ115は、いくつかの特徴部(feature)の中でも特に、リソグラフィコントローラ130と、空調デバイスと、様々な電気コンポーネントのための電力供給と、を含むことができる。リソグラフィコントローラ130は、ウェーハ120にどのように層をプリントするかを制御する。リソグラフィコントローラ130は、プロセスレシピ等の情報を記憶しているメモリを含む。プロセスプログラム又はレシピは、例えば使用するマスクや、露光に影響を及ぼす他のファクタに基づいて、ウェーハ120に対する露光の長さを決定する。リソグラフィの間、光ビーム110の複数のパルスがウェーハ120の同一エリアを照明して照明ドーズを構成する。
【0039】
[0072] また、フォトリソグラフィシステム100は制御システム135も含むことが好ましい。一般に、制御システム135は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうち1つ以上を含む。制御システム135は、読み取り専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリとすることができるメモリも含む。コンピュータプログラム命令及びデータをタンジブルに具現化するのに適したストレージデバイスには、あらゆる形態の不揮発性メモリが含まれるが、一例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス等の半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び着脱可能ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROMディスクが含まれる。
【0040】
[0073] 制御システム135は、1つ以上の入力デバイス(キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、マウス、ハンドヘルド入力デバイス等)と、1つ以上の出力デバイス(スピーカ又はモニタ等)も含むことができる。また、制御システム135は、1つ以上のプログラマブルプロセッサと、1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実行するため機械可読ストレージデバイスにおいてタンジブルに具現化された1つ以上のコンピュータプログラム製品と、をも含む。1つ以上のプログラマブルプロセッサの各々は、入力データに対して動作を行うと共に適切な出力を発生することにより、命令のプログラムを実行して所望の機能を実施できる。一般に、プロセッサはメモリから命令及びデータを受信する。前述したもののうち任意のものを、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補足するか又はそれに組み込むことも可能である。制御システム135は、集中型とするか、又は、部分的にもしくは全体的にフォトリソグラフィシステム100の全体にわたって分散させることができる。
【0041】
[0074]
図2を参照すると、照明システム105内の例示的なレーザ源システムは、光ビーム110としてパルスレーザビームを生成するパルスレーザ源である。
図2は、開示される主題の特定の態様の実施形態に従ったガス放電レーザシステムを例示的にブロック図で示している。ガス放電レーザシステムは例えば、固体又はガス放電シードレーザシステム140と、例えばパワーリング増幅器(「PRA:power ring amplifier」)段145のような増幅段と、リレー光学系150と、レーザシステム出力サブシステム160と、を含むことができる。シードシステム140は、例えば主発振器(「MO:master oscillator」)チャンバ165を含むことができる。
【0042】
[0075] シードレーザシステム140は、主発振器出力カプラ(「MOOC:master oscillator output coupler」)175も含むことができる。MOOC175は部分反射ミラーを含むことができ、ライン狭隘化モジュール(「LNM:line narrowing module」)170内の反射格子(図示せず)と共に発振器キャビティを形成する。このキャビティ内で、シードレーザ140が発振してシードレーザ出力パルスを形成する、すなわち主発振器(「MO」)を形成する。このシステムは、ライン中心解析モジュール(「LAM:line-center analysis module」)180も含み得る。LAM180は、微細な波長測定のためのエタロンスペクトロメータと粗解像度格子スペクトロメータを含むことができる。MO波面エンジニアリングボックス(「WEB:wavefront engineering box」)185は、MOシードレーザシステム140の出力を増幅段145へ方向転換させるように機能し、例えばマルチプリズムビームエキスパンダ(図示せず)によるビーム拡大と、例えば光遅延経路(図示せず)の形態のコヒーレンス破壊(coherence busting)と、を含み得る。
【0043】
[0076] 増幅段145は、例えばPRAレーザ発振チャンバ200を含み得る。これは、例えばPRA WEB210内に組み込まれ得るシードビーム入射及び出力結合光学系(図示せず)によって形成された発振器とすることができ、ビーム反転器220によってチャンバ200内で利得媒体を通って後方へ方向転換を行うことができる。PRA WEB210は、部分反射入力/出力カプラ(図示せず)と、公称動作波長(例えばArFシステムでは約193nm)のための最大反射ミラーと、1つ以上のプリズムと、を組み込むことができる。
【0044】
[0077] 増幅段145の出力における帯域幅解析モジュール(「BAM:bandwidth analysis module」)230は、増幅段から出力レーザ光ビームパルスを受け取り、光ビームの一部をメトロロジの目的のために、例えば出力帯域幅とパルスエネルギを測定するために選び出すことができる。次いでレーザ出力光ビームパルスは、パルスエネルギ計測器の位置にあり得る光学パルスストレッチャ(「OPuS:optical pulse stretcher」)240と出力結合オートシャッタメトロロジモジュール(「CASMM:combined autoshutter metrology module」)250を通過する。OPuS240の1つの目的は、例えば単一の出力レーザパルスをパルス列に変換することである。最初の単一の出力パルスから生成された二次パルスは、相互に対して遅延し得る。最初のレーザパルスエネルギを二次パルス列内に分散させることによって、レーザの有効パルス長を拡大し、同時にピークパルス強度を低減させることができる。このようにOPuS240は、PRA WEB210からBAM230を介してレーザビームを受け取り、OPuS240の出力をCASMM250へ誘導することができる。他の実施形態では他の適切な構成を用いてもよい。
【0045】
[0078] PRAレーザ発振チャンバ200及びMO165はチャンバとして構成されており、このチャンバ内で、電極間の放電がレーザ発振ガスにおけるレーザ発振ガス放電を引き起こし、例えばAr、Kr、及び/又はXeを含む高エネルギ分子の反転分布を発生させて、比較的広い帯域の放射を生成することができる。この放射は、ライン狭隘化モジュール(「LNM」)170において選択された比較的極めて狭い帯域幅と中心波長にライン狭隘化することができる。これは当技術分野では既知である。
【0046】
[0079] 通常、LNMでは調整が行われる。ライン狭隘化及びレーザ調整のために用いられる典型的な技法は、レーザ放電キャビティの後部に、レーザビームの一部がLNMへ入射する際に通過するウィンドウを設けることである。ここで、ビームの一部はプリズムビームエキスパンダによって拡大されて格子へ誘導され、この格子はレーザの広いスペクトルのうち狭い選択部分を反射して放電チャンバへ戻し、これが放電チャンバ内で増幅される。レーザの調整は典型的に、例えばピエゾアクチュエータ等のアクチュエータを用いて、ビームが格子を照明する角度を変化させることにより行われる。
【0047】
[0080] 動作時、OPuS240は、所与のパルス持続時間とTISを有するエキシマレーザ又は例えば分子フッ素ガス放電レーザのような他のガス放電レーザを伸長して、いくつかのピーク及び大きくなったTISを有する長いパルスを生成する。
【0048】
[0081]
図3は、本開示のいくつかの実施形態に従った、第1の光学パルスストレッチャ401a及び第2の光学パルスストレッチャ401bを有する光学パルスストレッチャ401の一例の正面の概略図である。光学パルスストレッチャ401は、入力ビームパルス411を受け、これを伸長して、伸長出力ビームパルス413を出力する。
【0049】
[0082] いくつかの実施形態に従って、また以下で更に詳しく検討するように、第2の光学パルスストレッチャ401bは、共焦点光学パルスストレッチャの2つ以上の(例えば3つの)段を含むことができる。いくつかの例では、共焦点光学パルスストレッチャのこれら3つの段は、第2の光学パルスストレッチャ401b内で相互にほぼ平行に位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、第2の光学パルスストレッチャ401bは、第1の光学パルスストレッチャ401aに対して垂直に又はほぼ垂直に位置決めすることができる。言い換えると、いくつかの実施形態において、第1の光学パルスストレッチャ401a(例えば縦方向に(vertically)位置決めされ得る直交光学パルスストレッチャ)は、図において縦方向に位置決めされている第2の光学パルスストレッチャ401bの共焦点光学パルスストレッチャの2つ以上の(例えば3つの)段に対して垂直に又はほぼ垂直に位置決めされる。いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bは追加の光遅延を与えるように設計されている。
【0050】
[0083] いくつかの実施形態によれば、拡張光学パルスストレッチャ401は、2つ以上の共焦点光学パルスストレッチャを組み合わせる。例えば、拡張光学パルスストレッチャ401は、1つの光回路構成当たり4回の反射、4回の反射、12回の反射、及び12回の反射の組み合わせで、共焦点光学パルスストレッチャを組み合わせる。いくつかの実施形態によれば、異なるミラー分離と遅延経路長(例えば4回の反射及び12回の反射の遅延長)の組み合わせを含めることにより、結果として、極めて長いパルス伸長と最小限の効率損失を達成できる。
【0051】
[0084] いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bは共焦点光学パルスストレッチャの3つの段を含むことができる。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光学パルスストレッチャ401bは共焦点光学パルスストレッチャの他の数の段を含み得る。いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は2つのミラーを有するものとして検討される。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は、他の数(例えば2つ以上)及び/又は構成のミラーを含み得る。いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段で用いられる複数のミラーは、それらの間でレーザビームの4回の反射を生成するように構成されている。
【0052】
[0085] いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は4つのミラーを有するものとして検討される。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は、他の数(例えば4つ以上)及び/又は構成のミラーを含み得る。いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段で用いられる複数のミラーは、それらの間でレーザビームの12回の反射を生成するように構成されている。
【0053】
[0086] いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段は4つのミラーを有するものとして検討される。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段は、他の数(例えば4つ以上)及び/又は構成のミラーを含み得る。いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段で用いられる複数のミラーは、それらの間でレーザビームの12回の反射を生成するように構成されている。
【0054】
[0087] いくつかの実施形態によれば、第1の光学パルスストレッチャ401a及び第2の光学パルスストレッチャ401bの段は、光遅延が第1の光学パルスストレッチャ401aから第2の光学パルスストレッチャ401bへ向かうにつれて増大するように設計されている。また、第2の光学パルスストレッチャ401bの各段の光遅延は、第1の段から第3の段へ向かうにつれて増大する。例えば、第1の光学パルスストレッチャ401a(例えば直交光学パルスストレッチャ)は、ある光遅延を有し得る。第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は、第1の光学パルスストレッチャ401aの光遅延以上の第1の光遅延を有し得る。第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は、第1の光遅延以上の第2の光遅延を有し得る。第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段は、第2の光遅延以上の第3の光遅延を有し得る。いくつかの実施形態によれば、光遅延は、光学パルスストレッチャ内でビームが進む距離に基づいて決定することができる。
【0055】
[0088] いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は、2つのミラー(例えば、
図3のミラー501及び502の2つの下方ミラー)を含む光学設計を有することができ、これらの間でレーザビームの4回の反射を生成する。この例は2つのミラーを用いて検討されるが、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は、他の数のミラー(例えば2つ以上のミラー)を含むことも可能である。これらのミラーは、それらの間でレーザビームの4回の反射を生成するように位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段の2つのミラーは、相互に約2m~4mの物理的距離だけ離すことができる。例えば、物理的距離は約2.5m~3.5mとすることができる。これらの距離は単に例示のために与えられており、他の実施形態では他の距離が使用され得る。いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は、例えば約60ns~80nsの光遅延を有する光学パルス伸長を行うことができる。例えば、光遅延は約65ns~75nsである。例えば、光遅延は約70ns~75nsである。2つのミラー間の例示の物理的距離及び与えられる例示の光遅延は、本開示の実施形態を限定しないことに留意するべきである。第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は、他の様々な物理的距離及び/又は様々な光遅延が達成されるように設計することができる。
【0056】
[0089] いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段のミラー(例えばミラー501及び502の2つの下方ミラー)は、矩形凹面ミラーを含むことができる。例えば、2つの大型の矩形凹面ミラーを使用できるが、他の実施形態では他の形状が用いられる。いくつかの実施形態によれば、ミラーの反射面を球状凹面として、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段の2つのミラー(例えばミラー501及び502の2つの下方ミラーの表面)間の距離を、2つのミラーの各々の曲率半径に等しく(又はほぼ等しく)することができる。例えば、テレセントリック設計に基づいてミラーを設計及び位置決めすることができる。いくつかの実施形態によれば、凹面ミラーは、直交チップチルト調整及びZ軸(例えばビーム伝搬方向)調整を用いて設計することができる。
【0057】
[0090] いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は追加の光学要素を含むことができる。一例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段は、レーザビームを分割し、レーザビームのコピーを生成するため用いられるビームスプリッタを含み得る。第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段のビームスプリッタは、例えば約45%~65%の反射率を有し得る。いくつかの例では、ビームスプリッタは約50%~60%の反射率を有し得る。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、反射率の他の様々な値を用いることができる。いくつかの例では、ビームスプリッタの反射率は、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段で用いられるミラーの反射率に依存する及び/又はそれらのミラーの反射率に基づいて計算することができる。
【0058】
[0091] いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は、4つのミラー(例えば、
図3のミラー501及び502の4つの中央ミラー)を含む光学設計を有することができ、これらの間でレーザビームの12回の反射を生成する。この例は4つのミラーを用いて検討されるが、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は、他の数のミラー(例えば4つ以上のミラー)を含むことも可能である。これらのミラーは、それらの間でレーザビームの12回の反射を生成するように位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段の2対のミラーは、相互に約2m~4mの物理的距離だけ離すことができる。例えば、物理的距離は約2.5m~3.5mとすることができる。これらの距離は単に例示のために与えられており、他の実施形態では他の距離が使用され得る。いくつかの例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は、例えば約170ns~210nsの光遅延を有する光学パルス伸長を行うことができる。例えば、光遅延は約180ns~190nsである。例えば、光遅延は約185ns~195nsである。2対のミラー間の例示の物理的距離及び与えられる例示の光遅延は、本開示の実施形態を限定しないことに留意するべきである。第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は、他の様々な物理的距離及び/又は様々な光遅延が達成されるように設計することができる。
【0059】
[0092] いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段のミラー(例えばミラー501及び502の4つの中央ミラー)は、矩形凹面ミラーを含むことができる。例えば、4つの大型の矩形凹面ミラーを使用できるが、他の実施形態では他の形状が用いられる。いくつかの実施形態によれば、ミラーの反射面を球状凹面として、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段の2対のミラー(例えばミラー501及び502の2対の中央ミラーの表面)間の距離を、4つのミラーの各々の曲率半径に等しく(又はほぼ等しく)することができる。例えば、テレセントリック設計に基づいてミラーを設計及び位置決めすることができる。いくつかの実施形態によれば、凹面ミラーは、直交チップチルト調整を用いて設計することができる。
【0060】
[0093] いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は追加の光学要素を含むことができる。一例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段は、レーザビームを分割し、レーザビームのコピーを生成するため用いられるビームスプリッタ(
図3のビームスプリッタ503の中央ビームスプリッタ)を含み得る。第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段のビームスプリッタは、例えば約45%~65%の反射率を有し得る。いくつかの例では、ビームスプリッタは約50%~60%の反射率を有し得る。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、反射率の他の様々な値を用いることができる。いくつかの例では、ビームスプリッタの反射率は、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段で用いられるミラーの反射率に依存する及び/又はそれらのミラーの反射率に基づいて計算することができる。
【0061】
[0094] 光学パルスストレッチャに関する他の詳細事項は、2008年5月6日に発行された「Laser Output Light Pulse Stretcher」と題する米国特許第7,369,597号から得られる。この全体的な内容は援用により全体が本願に含まれる。
【0062】
[0095]
図4は、本開示のいくつかの実施形態に従った、第2の光学パルスストレッチャ401bにおけるレーザビーム経路の一部の概略図を示す。
【0063】
[0096]
図4で示されているように、第1の光学パルスストレッチャ401aの段を用いて光学的に伸長されたレーザビーム601は、第2の光学パルスストレッチャ401bに入射する。第1のビームスプリッタ503aを用いて、レーザビーム601はレーザビーム603とレーザビーム605とに分割される。レーザビーム605は第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段に入射する。レーザビーム603は、2つのミラーを含む第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段に入射する。
図5Aで示されているように、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段の2つのミラー501a、502aからの4回の反射の後、レーザビームの一部はビームスプリッタ503aで反射して第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段に入射し、ビームの残り部分は光学パルスストレッチャ400内部で更にループし続ける。
【0064】
[0097] レーザビーム605(及び/又は第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段からのレーザビーム)は、レーザビーム607とレーザビーム609とに分割される。レーザビーム609は第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段に入射する。レーザビーム607は、
図5Bで示されているように4つのミラー501c、501b、502b、及び501cを含む第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段に入射する。第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段における番号1~12で識別される4つのミラーからの12回の反射の後、レーザビームの一部はビームスプリッタ503bで反射して、第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段に入射する。
【0065】
[0098] レーザビーム609(及び/又は第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段からのレーザビーム)は、レーザビーム611とレーザビーム613とに分割される。レーザビーム613は、ミラー505a及び505bを用いて反射されて第1の光学パルスストレッチャ401aへ戻される。レーザビーム611は、4つのミラーを含む第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段に入射する。第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段の4つのミラーからの12回の反射の後、レーザビームの一部は、ビームスプリッタ503c並びに折り畳みミラー505a及び505b(
図4)を用いて第1の光学パルスストレッチャ401aの方へ反射される。
【0066】
[0099]
図6は、本開示のいくつかの実施形態に従った、第2の光学パルスストレッチャ401b内のレーザビーム経路の一部及び第2の光学パルスストレッチャ401bで用いられるミラーの部分の概略図を示す。
【0067】
[0100]
図6では、第2の光学パルスストレッチャ401bの一方側における5つのミラーが図示されている。いくつかの実施形態によれば、第2の光学パルスストレッチャ401b内にほぼ対称的な構成も存在することは理解されよう。この例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段のミラー502aが示されている。第2の光学パルスストレッチャ401bの第1の段の他方側にミラー(例えばミラー501a)が存在するが、この図には描かれていない。この例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段の一対のミラー502b及び502cが図示されている。第2の光学パルスストレッチャ401bの第2の段の他方側に別の対のミラー(例えば一対のミラー501b及び501c)が存在するが、この図には描かれていない。また、この例では、第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段の一対のミラー502d及び502eが図示されている。第2の光学パルスストレッチャ401bの第3の段の他方側に別の対のミラー(例えば一対のミラー501d及び501e)が存在するが、この図には描かれていない。
【0068】
[0101] 以下の検討は、説明を円滑にする具体例を示すため、ミラー等のOPuS内の光学コンポーネントが、中心軸に対してほぼ左右対称である2つのバンクに配置されている構成に関して行われる。しかしながら、本明細書で説明される原理は他の構成にも適用可能であるので、本明細書で記載される特定の例は限定でないことは認められよう。本明細書で用いる場合、「ほぼ対称的」及び「実質的に対称的」とは、OPuSがその意図する目的を果たすため機能できると共に、以下で記載される像統合モジュールがミラーの全てを同時に「見る」ことができるよう充分に対称的であることを意味する。一実施形態の態様によれば、このような構成における像統合モジュールは、この例では凹面ミラーである左側光学部品と右側光学部品の双方から物体光線を収集するように構成されている。従ってこの構成では、いくつかの左右ミラー対が存在する。カメラ及びレンズシステムを含むカメラシステムは、密閉OPuS外装の外側に位置決めされる。カメラは、スペクトルの可視部分、すなわち約380~約700nmの波長範囲内の光に対して透明な密閉ウィンドウを介して光線を収集するように構成されている。これらの光線は像を形成する。この像の半分はミラー対の左側凹面ミラーから生じ、他の半分はミラー対の右側凹面ミラーから生じる。
【0069】
[0102] このような状況を背景として、OPuS内の光学要素を位置合わせする従来の方法を
図7に関連付けて説明する。
図7で示されているように、OPuS700は外装710を含む。外装710内に、光学要素720、730、740、及び750が位置決めされている。これらの光学要素は例えばミラーとすることができる。これらの光学要素は、入来ビームが光学要素の適正な位置に当たるように位置合わせしなければならない。このアライメント手順を実行するため、外装710を開き、光学要素のうち1つ、この図では光学要素750の光学表面の位置に隣接して、アライメントカード760を配置する。次いで、アライメントカード760上の適正位置にビームが当たるように光学要素を位置合わせする。上述のように、この方法はいくつかの欠点を伴う。この欠点は例えば、外装710の開放とパージの破壊が必要であること、及び、開放ビーム状況でオペレータが外装710内に手を挿入する必要があるので、オペレータの手を紫外線放射に暴露する可能性があることである。また、これは光学汚染のリスクを増大させ、結果として光学部品の耐用年数が短縮する。
【0070】
[0103] 一実施形態の態様によれば、
図8Aで示されているように、改良されたアライメント方法を可能とするOPuS800は外装810を含む。外装810内に配置されているのは、光学フィーチャ820、830、840、及び850である。外装810の中央部に配置されているのは、像統合モジュール860である。以下で更に詳しく記載されるように、この像統合モジュール860は光学フィーチャから光を収集し、この光を、密閉ウィンドウ870及びレンズ880を介してカメラ890に与える。基本的に、カメラ890は、外装810を開放する必要なく、外装810内の全ての光学フィーチャを同時に「見る」。これにより、従来の方法の欠点を回避しながら、OPuS800のアライメント状態の連続的な観察が可能となる。いくつかの実施形態では、像統合モジュール860をできる限りカメラシステムの近くに配置して、利用可能視野を最大化する。以下で更に詳しく説明するように、要素835及び855は調整器である。
図8Bは、
図5Bに示した構成に対する像統合モジュール860の配置を示す。この場合も、番号1~12は4つのミラーからの12回の反射の位置を示す。
【0071】
[0104]
図9Aは、一実施形態の態様に従った像統合モジュール860の可能な実施例を示す。図示のように、像統合モジュール860は一対の鏡面プリズム910、920として実施することができる。プリズム910は、少なくとも1つの光学フィーチャ820を含む関心領域825から光を受け、この光を図示のように密閉ウィンドウ870を通して外部へ方向転換するように配置されている。同様に、プリズム920は、関心領域835から光を受け、この光を図示のように密閉ウィンドウ870を通して方向転換するように配置されている。このため、密閉ウィンドウ870の他方側に配置されたカメラ及び1つ以上のレンズを含むカメラシステムは、左側の関心領域825と右側の関心領域835の双方からの像形成光を同時に受ける。言い換えると、像統合モジュール860は、左側の光学フィーチャと右側の光学フィーチャの双方から物体光線を集める。密閉OPuS外装820カメラの外側に位置決めされたカメラ及びレンズシステムは、可視光に透明な密閉ウィンドウを通して物体光線を集め、像を生成する。この像の半分は左側の光学フィーチャからのものであり、他の半分は右側の光学フィーチャからのものである。
【0072】
[0105]
図9Bは、像統合モジュール860が、少なくとも1つの光学フィーチャを含む左側関心領域825と少なくとも1つの光学フィーチャを含む右側関心領域835の双方から光を受け、この光を位置Aへ方向転換する様子を示す図である。位置Aからは、左側関心領域825の像である仮想物体(virtual object)825a及び右側関心領域835の像である仮想物体835aは並置されているように見える、すなわち並んで位置決めされているように見えるので、それらは位置Aに配置された単一のカメラシステムによって同時に見ることができる。
【0073】
[0106] 一実施形態の態様によれば、像統合モジュール860は一対の鏡面を用いて実施することも可能である。一例として、ミラー950が
図10に示され、他方のミラーは軸970に対して実質的に対称に配置されている。このような構成における最大視野のための条件は、
図10で示されているように幾何学的に確立される。この図において、hは対象の視野960の高さであり、dは視野の中心とミラー950の中心との間の垂直方向距離であり、sは視野とミラー950との間の水平方向距離である。図の上部分は、(この図で)ミラーの下方から見た仮想像の位置である。対象の視野960に平行であると共にミラー950の中心を通る線980との間の最大視野のための角度θsは、以下の関係によって与えられる。
【0074】
【0075】
このため、光学垂直線に対するミラー950の傾斜角である角度θsは以下によって与えられる。
【0076】
【0077】
[0107] 図示のように、像統合モジュール860は多数の方法のうちいずれか1つで実施され得る。いくつかの実施形態の態様によれば、像統合モジュール860は、
図9で示されているように一対のプリズム910、920として、又は
図11Aで示されているように2つの鏡面1010及び1020を有する単一のプリズム1000として、又は
図11Bで示されているように2つの平坦な面取りしたミラー1030及び1040として実施され得る。しかしながら、像統合モジュール860が実施されるいくつかの実施形態では、
図11Cで示されているように、光学要素間又は鏡面間のギャップを最小限に抑えて、ギャップで失われる視野の部分を無駄にしないようにする。
図11Cにおいて、矢印Aは、例えばミラーのような光学フィーチャのうち1つからの視野を示し、矢印Bは、対になった他方の光学フィーチャからの視野を示し、矢印Cは、プリズム910、920間のギャップによって失われた視野を示す。
【0078】
[0108]
図9Aは、密閉ウィンドウ870を通過する光が真っすぐに進んで直接レンズシステム880に達する構成を示す。いくつかの実施形態では、密閉ウィンドウ870からレンズシステム880までの経路に追加の光学要素を介在させることが有利であり得る。例えば
図12Aは、この経路に折り畳みミラー1100を配置することで光路を折り曲げ、よりコンパクトな構成を提供することを可能とする構成を示す。
図12Aの構成では、より大きい視野を得るため、ミラー1100は外装内に位置決めされる。この構成は、像の向きを調整し、視野とカメラ内の画像センサとの大きさ及び形状の一致を改善する機能も与える。
図12Bは、プリズム910a、920aを部分的に回転させて光路を折り曲げる構成を示す。
図12Bは、像統合モジュール860aが、左側関心領域825と右側関心領域835の双方から光を受け、この光を位置Bへ方向転換する様子を示す。位置Bからは、左側関心領域825の像である仮想物体825b及び右側関心領域835の像である仮想物体835bは並置されているように見える、すなわち並んで位置決めされているように見えるので、それらは位置Bに配置された単一のカメラシステムによって同時に見ることができる。図示のように、この構成は、像の向きを調整し、視野とカメラ内の画像センサとの大きさ及び形状の一致を改善する機能も与える。
【0079】
[0109] いくつかの実施形態では、アライメントフィーチャを提供し、紫外線光の吸収によって生成された蛍光からの(カメラに対して)可視的な光を用いることによって、関心領域の可視性を増大することが有利であり得る。位置合わせする光学要素としてダイクロイックミラーの例を用いると、このミラーは一般に、サポート1310及び少なくとも1つのアライメントフィーチャ1320を含むミラー支持板1300によって支持されている。いくつかの実施形態によれば、
図13で示されているように、ダイクロイックミラーアセンブリ1330は、
図13Bで示されているように可視光を透過する基板1340及びUV反射コーティング1360(
図13D)を含む。ダイクロイックミラーアセンブリ1330は、ミラー支持板1300の上に重ねられて、
図13C及び
図13Dに示されているサンドイッチ状構造を生成する。ダイクロイックミラーアセンブリ1330に当たったUV放射は、以下で更に充分に説明するように、可視ビーム蛍光フットプリント1350を生成する。紫外線放射によって発生した蛍光及び後方のアライメントフィーチャは、例えば可視スペクトル範囲内で動作しているカメラによって観察することができる。ミラー又は基板を介して蛍光の位置とアライメントフィーチャとを比較することにより、以下で説明するようにシステムを容易に位置合わせすることができる。この例では可視光が用いられるが、スペクトルの可視部外の放射を使用してもよいことは理解されよう。
【0080】
[0110] 様々な実施形態の態様によれば、照明ビームフットプリントは、UVに対する暴露時に、多数の異なる方法のうちいずれか1つで発生させることができる。例えば
図14Aで示されているように、UV反射コーティング1360は、UVに対する暴露時に固有の蛍光特性を示すものを選択することができる。これは
図14Aから
図14Dに示されており、太い矢印は入射UV放射を示し、波状の矢印は蛍光によって生成された光を示す。あるいは、
図14Bで示されているように、基板1340の後面に蛍光コーティング1370を設けることができ、反射コーティング1360を介したUVの漏れによって光が発生する。基板1340に言及する場合の「後面」という用語は、入来UV放射の反対側に面する基板表面を意味する。あるいは、
図14Cで示されているように、サポート1310の前面に蛍光コーティング1380を設けることができ、反射コーティング1360を介したUVの漏れによって光が発生する。サポート1310に言及する場合の「前面」という用語は、入来UV放射の方向に面するサポート表面を意味する。あるいは、
図14Dで示されているように、サポート1310を蛍光材料で作製することができ、反射コーティング1360を介したUVの漏れによって光が発生する。
【0081】
[0111]
図15Aは、アライメントフィーチャ1320を有するミラー支持板1300の上に重ねられたダイクロイックミラーアセンブリ1330の平面図である。アライメントフィーチャ1320を有するミラー支持板1300は、ダイクロイックミラーアセンブリ1330の背後にあるので、透視で図示されている。ダイクロイックミラーアセンブリ1330に当たったUV放射は、記載したように可視ビーム蛍光フットプリント1350を生成する。
図15Aは、蛍光フットプリント1350がアライメントフィーチャ1320と充分に一致しない非位置合わせ位置を示す。
図15Bは、蛍光フットプリント1350がアライメントフィーチャ1320と充分に一致している位置合わせ位置を示す。これは、UVビームがダイクロイックミラーアセンブリ1330上の正しい位置(この例では2つ)に入射するよう位置合わせを行うことによって達成される。蛍光により、UVフットプリントとアライメントフィーチャとの相対的位置決めが照らし出されて明らかになる。アライメントを補正するため、1つ以上のミラーの向きを調整して、ビームがこれら全てのミラー上の正しい位置に入射するようにする。アライメントフィーチャと隣り合って入射するビームの像はカメラによってキャプチャされ、すなわちデジタル像に変換され、オペレータは位置合わせ動作を実行しながらこれを見ることができる。
【0082】
[0112] いくつかの実施形態によれば、パルスストレッチャのアライメントでは、ミラーのうち少なくともいくつかが調整可能であることが必要であり、例えば4ミラー構成の場合は、4つの結像リレーミラーのうち少なくとも2つが調整可能であることが必要である。2つの調整可能ミラーの各々がチップ/チルト調整を有するので、合計で4自由度が得られる。システムの共焦点設計のため、2つの調整可能ミラーはOPuSの両端に位置付けることができる。また、いくつかの実施形態によれば、調整可能ミラーは、Z軸(例えばビーム伝搬方向)調整を用いて設計することも可能である。
【0083】
[0113] 典型的に、アライメントを実行するためのこれらのコンポーネントの調整は、調整器855及び835(
図8A)のような壁貫通型調整器(「TWA:through-the-wall adjustor」)を用いて行われる。これらは、光学部品又はモジュールをチップ動作(tip)、チルト動作(tilt)、又は平行移動させるため、手動操作される六角ドライバの使用を伴う。TWAは、特定の調整装置に対する密閉機械的フィードスルーを与え、これらの調整装置は、例えば密閉機械的フィードスルーを介してカバーを通してアクセスされる。また、調整は、手動で作動されるTWAでなく電気的に作動されるTWAを用いて実行することも可能である。TWAにモータが機械的に結合される。例えばモータはシャフトを有し、これに六角アダプタを取り付けることで、モータがシャフトを回転させると六角ドライバも回転するので、シャフトの回転方向に応じてTWAの端部を軸に沿って平行移動させることができる。電気的に作動されるTWAを用いることで、アライメントプロセスの自動化が可能となり、カメラ890からのデジタル像は制御システム135(
図1)に送出され、制御システム135は次いで像を解析し、アライメントを実行するようにTWAを作動させる。
【0084】
[0114] アライメントは1つだけの光学フィーチャを調整することを含み得ること、また、第1の光学フィーチャの適正部分にビームを入射させるには第2の光学フィーチャを調整する必要があり得ることは理解されよう。
【0085】
[0115]
図16は、実施形態の態様に従った、密閉外装内に位置決めされた光学フィーチャを位置合わせするためのプロセスを示すフローチャートである。ステップS10では、外装内の光学フィーチャをUV放射ビームに暴露する。UV放射ビームは、UV放射ビームのフットプリントを可視化する。ステップS20では、UV放射ビーム蛍光によって発生した光を組み合わせて、光学フィーチャからの単一の像にする。ステップS30では、単一の像を閉鎖チャンバの外部のカメラへ送出する。ステップS40では、フィーチャから組み合わせた光により生成された像に基づいて、カメラがキャプチャした像を見ている技術者によって又は上述したような制御システムによって、フィーチャを位置合わせする。基本的に、各フィーチャがアライメントフィーチャを含む例では、各光学フィーチャのビームフットプリント及びアライメントフィーチャの像内の位置関係に基づいてアライメントを決定する。
【0086】
[0116]
図17で示されているように、共焦点4xOpuS1710は、共焦点OpuS1710の内外へ光を結合するためのビームスプリッタ1720を含み得る。共焦点OpuS1710は共焦点凹面ミラーCM1及びCM2も含み、これらの各々は焦点距離fを有し、焦点距離fの2倍にほぼ等しい距離dだけ離れている。ビームスプリッタ1710の位置合わせは、複数のステップを行う必要があり、他のミラー位置合わせに依存するので、困難である。
【0087】
[0117]
図17で示されているような4xOpuS1710の例では、CM1、SP1上の第1のビーム入射スポットの位置はビームスプリッタ1720の向きによって制御される。CM2、SP2上の第1のビーム入射スポットの位置は、典型的に調整可能チップ及びチルトによって与えられるCM1の向きによって制御され、また、ビームスプリッタ1720の向きによっても影響を受ける。CM1、SP3上の第2のビーム入射スポットの位置は、CM2の向き、ビームスプリッタ1720の向き、及びCM1の向きによって制御される。ここでも他の箇所でも、「向き」という用語は、少なくともチップ及びチルトの向きを指す。しかしながら、CM2、SP4上の第2のビーム入射スポットの位置は、ほとんどビームスプリッタ1720の向きによってのみ制御される。一実施形態の態様によれば、ビームスプリッタ1720は横方向に非対称的に配置され、SP4とビームスプリッタ1720との間の距離はビームスプリッタ1720とSP1との間の距離の約6倍である。
【0088】
[0118]
図18で示されているように、共焦点12xOpuS1810は、共焦点OpuS1810の内外へ光を結合するためのビームスプリッタ1820を含み得る。共焦点OpuS1810は第1の共焦点凹面ミラー対CM1及びCM2も含み、これらの各々は焦点距離fを有し、焦点距離fの2倍にほぼ等しい距離dだけ離れている。共焦点OpuS1810は第2の共焦点凹面ミラー対CM3及びCM4も含み、これらの各々は焦点距離fを有し、焦点距離fの2倍にほぼ等しい距離dだけ離れている。
【0089】
[0119]
図18で示されているような12xOpuS1810の例では、CM1、SP1上の第1のビーム入射スポットの位置はビームスプリッタ1820の向きによって制御される。CM4、SP2上の第1のビーム入射スポットの位置は、典型的に調整可能チップ及びチルトによって与えられるCM1の向きによって制御され、また、ビームスプリッタ1820の向きによっても影響を受ける。CM1、SP3上の第2のビーム入射スポットの位置は、CM4の向き、ビームスプリッタ1820の向き、及びCM1の向きによって制御される。しかしながら、CM4、SP4上の第1のビーム入射スポットの位置は、ほとんどビームスプリッタ1820の向きによってのみ制御される。
【0090】
[0120] これらのパルスストレッチャは複数の段にわたって直列に配列され得る。例えば、全体的なOpuSの設計は、
図17で示されているような1つの4xOpuSアライメントブロック及び
図18で示されているような2つの12xOpuSアライメントブロックを含み得る。
【0091】
[0121] 現在、例えば4xOpuSアライメントブロックにおけるビームスプリッタのアライメントは、いくつかのアライメントステップを含む。これらのステップは、ビームがSP4に到達し、ビームスプリッタ調整によってSP1とSP4を一緒に位置合わせできるように実行しなければならない。もしもビームスプリッタアライメント中にビームが凹面ミラーのうち1つから外れると、追加の再アライメントステップが必要となる。
【0092】
[0122]
図19は、本明細書に開示されている主題の利点なしに4xOpuSアライメントブロックにおいてビームスプリッタを位置合わせするための方法を記載するフローチャートである。ステップS100では、ビーム入射スポットSP1が第1の凹面ミラーCM1上の適正なビーム位置に位置合わせされるようにビームスプリッタを位置合わせする。ステップS110では、入射スポットSP2が第2の凹面ミラーCM2上の適正なビーム位置に位置合わせされるように凹面ミラーCM1を位置合わせする。ステップS120では、第3の入射スポットSP3が第1の凹面ミラーCM1上の適正なビーム位置に位置合わせされるようにCM2を位置合わせする。ステップS130では、SP1及びSP4が適正なビーム位置に位置合わせされるようにビームスプリッタを再び位置合わせする。ステップS140では、アライメントプロセス中にビームがCM1又はCM2から外れたか否かを判定する。アライメントプロセス中にビームが凹面ミラーのうち1つから外れた場合、プロセスはステップS110に戻って再実行しなければならない。ビームが凹面ミラーのうち1つから外れなかった場合、プロセスはステップS150で終了する。
【0093】
[0123]
図20は、本明細書に開示されている主題の利点なしに12xOpuSアライメントブロックにおいてビームスプリッタを位置合わせするための方法を記載するフローチャートである。ステップS200では、ビーム入射スポットSP1が第1の凹面ミラーCM1上の適正なビーム位置に位置合わせされるようにビームスプリッタを位置合わせする。ステップS210では、入射スポットSP2が凹面ミラーCM4上の適正なビーム位置に位置合わせされるように凹面ミラーCM1を位置合わせする。ステップS220では、第3の入射スポットSP3が第1の凹面ミラーCM1上の適正なビーム位置に位置合わせされるようにCM4を位置合わせする。ステップS230では、SP1及びSP4が適正なビーム位置に位置合わせされるようにビームスプリッタを再び位置合わせする。ステップS240では、アライメントプロセス中にビームがCM1又はCM4から外れたか否かを判定する。アライメントプロセス中にビームがこれらの凹面ミラーのうち1つから外れた場合、プロセスはステップS210に戻って再実行しなければならない。ビームが凹面ミラーのうち1つから外れなかった場合、プロセスはステップS250で終了する。
【0094】
[0124] OpuSが複数のブロックから成る上述したような構成では、全体的なアライメントプロセスは多くのステップを含み、もしもビームがミラーから「外れた」場合、すなわちミラーに衝突しないように送出された場合は、更に多くのステップを含む可能性がある。従って、アライメントプロセス全体を実行する時間期間が長くなる可能性がある。これは、レーザ設置及びサービス中の平均修理時間(MTTR:mean time to repair)(約30分~60分)が長くなるという望ましくない結果を招く。MTTRの短縮は、システム可用性の改善とサービスコスト削減のための鍵である。
【0095】
[0125] MTTRを短縮する1つの方法は、充分に位置合わせされた共焦点OpuSでは直接通過ビームとOpuSを通った後の分割ビームとの実質的に完璧な共線関係があるという事実を利用する。
図21を参照すると、入来光線2100、すなわち、図において上方へ進み、ブロック2110内に入り、ビームスプリッタ2120に当たる光線は、結果として「出射光線(outgoing ray)」2130、すなわち
図21で上方へ進む直接通過光線2130になる。入来光線2100の他の部分は、ビームスプリッタ2120によって光線2150としてSP1へ偏向される。この光線2150は、OpuS2110内の閉鎖経路を通る。この経路の1つのセグメントは、SP4からビームスプリッタ2120へ進む光線2140であり、光線2150と共線的である。光線2140はビームスプリッタ2120によって光線2160として上方へ偏向され、光線2160は、充分に位置合わせされたOpuSではビーム2130と一致する。これは
図22及び
図23にも示されている。
【0096】
[0126] 光線2130は光線2160と共線的であるので、光線2130が逆反射された場合、ビームスプリッタ2120によって分割されてSP4へ誘導される光線2130の一部、すなわち
図23Aにおける光線2170は、光線2140と共線的となり、これら双方のビームはSP4上で重複する。従ってSP4は、CM1及びCM2を位置合わせすることなく、光線2130の単純な逆反射ビームを用いて再確立することができる。これにより、ビームスプリッタ位置合わせ手順を大幅に簡略化する可能性が生じる。
【0097】
[0127] これは
図23Aにも示されている。ここで、入来光線2100はビームスプリッタ1720によって分割され、光線2130の一部はレトロリフレクタ2200に当たる。既知のように、レトロリフクレタ(レトロフレクタ(retroflector)又はカタフォト(cataphote)と呼ばれることもある)は、放射を反射してそのソースへ戻すデバイス又は表面である。レトロリフレクタ2200は光線2130を反射して光線2135にする。光線2135は、ビームスプリッタ2100に当たり、光線2170としてSP4の方へ反射される。同時に、SP4からビームスプリッタ1720への光線2140は、SP4とビームスプリッタ1720との間の同じ経路を通り、このため光線2140及び2170は共線的になる。これは、これらの光線のフットプリントがSP4で一致し重複することを意味する。この重複条件の図が
図23Bに示されている。ここで、スポットSP4を有する凹面ミラーCM2の部分に光線2170及び2140が当たる。上述のように、スポットSP4が発生するCM2の部分に、紫外線光で蛍光を発する材料を提供することにより、ビーム入射スポットを可視化することができる。一般に、光線2140及び2170の入射スポットは相互に精密にマッピングされるが、例えば、もしも光線2140がCM1及びCM2から外れると、光線2140はCM1又はCM2によって切り取られる可能性があるので、これらの入射スポットは図示のように完璧な円形でない場合があることに留意するべきである。しかしながら、ビームスプリッタ1720が調整された場合、双方のビームの入射スポットは一般に同期して一緒に移動する。破線で示されている円2180は、ビームスプリッタ1720(
図23A)を調整することによって光線2140及び2170が一緒に誘導される好適なビーム位置を示す。
【0098】
[0128]
図24は、12xOpuSブロック2300のためのこの構成を示す。ここで、入来光線2310はビームスプリッタ2320によって分割され、光線2130の一部はビームスプリッタ2320を通過し、光線2330はレトロリフレクタ2340に当たる。レトロリフレクタ2340は、光線2330を反射して光線2350にする。光線2350はビームスプリッタ2320に当たり、光線2360としてスポットSP4の方へ反射される。同時に、充分に位置合わせされた12XOPuSでは、直接通過ビーム2360とOpuSを通るビーム2370との完璧な共線的関係がある。言い換えると、SP4からビームスプリッタ2320への光線2370は、SP4とビームスプリッタ2320との間の同じ経路を通り、このため光線2360及び2370は共線的になる。これは、これらの光線がSP4で実質的に完璧に一致し重複することを意味する。
【0099】
[0129] 上記の説明はビームスプリッタ2120が厚さを持たないと仮定しているが、上記の結論は、ビームスプリッタ2120が非ゼロの厚さを有する場合であっても有効である。また、SP4は逆反射ビームによって容易に再現できるので、上記の結論は12xOpuSアライメントにも当てはまる。例えば、上述したカメラ方法によって可視的なSP1及びSP4を用いることで、これら2つのビーム位置のみに基づいてビームスプリッタを調整することができる。これにより、迅速に実行できる、大幅に簡略化されたOpuSビームスプリッタのアライメント手順が提供される。
【0100】
[0130]
図25で示されているように、上述の構成は、多段光学パルスストレッチャにおいて特別な利点を与える。
図25において、第1段の光学パルスストレッチャ2500は2つの共焦点ミラー2510及び2520を含み、入力光線2530を受ける。入力光線2530は、ビームスプリッタ2540によってSP1の方へ進むビームに分割され、他の部分は分割されて図内の上方へ進み、光学パルスストレッチャの第2段2560の第2のビープスプリッタ2550に至る。この段2560は第1のミラー2570及び第2のミラー2580を含み、これは、点で示されるように、ビームスプリッタ2600並びにミラー2610及び2620を有する光学パルスストレッチャのn番目の段2590まで続く。このn番目の段の上に、図内で上方へ進むビームを反射するレトロリフレクタ2630がある。反射された光線はこれらのビームスプリッタに当たって次々と分割され、分かれた各光線はSP4に対応するスポットを生成する。従って、単一の入力光線と単一のレトロリフレクタを用いて全ての段を位置合わせすることができる。
【0101】
[0131] 例えば、
図26は、多段OPuSにおいてビームスプリッタを位置合わせするための簡略化手順を示す。この手順が開始するステップS300では、「外部への光線(ray out)」ビーム、すなわちビームスプリッタを通過する光線を反射するようにレトロリフレクタを位置合わせする。次いでステップS310では、第1段OpuSにおけるSP1の位置とSP4の位置に基づいてビームスプリッタを位置合わせする。次いでステップS320では、第2段OPuSにおけるスポットSP1とスポットSP4に基づいて、OPuSの第2段におけるビームスプリッタを位置合わせする。これを、OpuSの最終段に関連するステップS330まで続ける。ステップS330では、N段のOPuSにおけるSP1及びSP4の位置に基づいてビームスプリッタNを位置合わせする。この時点で、手順はステップS340において終了する。
【0102】
[0132]
図27は
図25と同様の構成を示すが、レトロリフレクタが回転ミラー(turning mirror)又は折り畳みミラー2700及びリフレクタ2710として実施されている点が異なる。この構成は、光路の折り曲げを可能とし、レトロリフレクタのためのいっそうコンパクトな構成を可能とする。
【0103】
[0133] レトロリフレクタの適正な調整は、OpuSの第1段の外へ進んだ後の逆反射ビームの位置を見ることによって達成できる。
図28に、これを達成する構成が示されている。
図28において、逆反射ビーム2800は、アパーチャ2830を有する板2820を含むモジュール2810内に入る。レトロリフレクタが適切に調整された場合、光線2800はアパーチャ2830のエッジを照明する。板2820は、これを作製した材料のため、又は図示のように反射性コーティング2840を有するため、紫外線放射に対して反射性である。アパーチャ2830の周縁からの反射は蛍光スクリーン2850上で光る。蛍光スクリーン2850上の像の特性に応じて、レトロリフレクタの位置合わせを査定することができる。
【0104】
[0134]
図29A、
図29B、及び
図29Cは、蛍光スクリーン上の像について様々な可能性を示す。
図29Aは、プロファイルがアパーチャのエッジを対称的に追っているアパーチャ像の断面を示し、レトロリフレクタが適正に調整されていることを示唆している。板は逆反射ビームに対してある角度に配置されているので、円形アパーチャの像はやや楕円形であることに留意するべきである。
図29Bは、プロファイルがアパーチャに対して中心を外れているアパーチャ像の断面を示し、レトロリフレクタが適正な向きに配置されていないことを示唆している。
図29Cは、プロファイルがアパーチャのエッジを対称的に追っていないアパーチャ像の断面の別の例であり、レトロリフレクタが適正に調整されていないことを示唆している。
【0105】
[0135]
図30A、
図30B、及び
図30Cは、一実施形態の特定の態様に従って使用されるアパーチャ板の様々な詳細を示す。
図30Aはアパーチャ板2820の側面切り取り図であり、アパーチャ2830は逆反射ビーム2800を受けるように配置され、理想的にはアパーチャ2830のエッジ全体からビーム2860の一部を反射する。上述のように、ビーム2800が入射する板2820の側に反射性コーティング2840を配置することができる。板が傾いた場合にアパーチャを通過するビームが妨害されるのを回避するため、アパーチャは傾斜プロファイルを有する。これらの詳細は、
図30B及び
図30Cでも見ることができる。
【0106】
[0136] 図内で下方へ進む逆反射ビームの直径は、レーザビームの有限発散度のため、アパーチャよりもわずかに大きく、反射ビームはアパーチャと同様のプロファイルを示す。逆反射ビームの位置合わせの間はモジュール2810全体(
図28)をビーム内に挿入し、位置合わせが終了したらビームから除去することができる。板2820は、例えばダイアモンド旋削加工によって研摩した場合に高い固有UV反射率を有するアルミニウム等の材料で作製され得る。また、板2820は、UV反射性コーティングによる表面コーティングを用いてガラス/セラミック材料で作ることも可能である。
【0107】
[0137] 本発明は、特定の機能及びそれらの関係の実装形態を説明する機能的なビルディングブロックの助けによってなされる。これらの機能的なビルディングブロックの境界は、本明細書においては説明の便宜のために任意に定義されている。特定の機能及びそれらの関係が適切に実施される限りは、代替的な境界が定義されてもよい。
【0108】
[0138] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書における表現又は用語は限定でなく例示による記載のためのものであるので、本明細書の表現又は用語は、当業者によって教示及び案内の観点から解釈されるべきであることは理解されよう。
【0109】
[0139] 以下の条項を用いて更に実施形態を記載することができる。
1.共焦点光学パルスストレッチャであって、
第1の凹面ミラーと、
第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、
レトロリフレクタと、
第1の凹面ミラーと第2の凹面ミラーとの間に光学的に配置されたビームスプリッタであって、更に、第1の方向に進む第1のビームを第1の凹面ミラーへ誘導される第1のビーム部分と第1の方向に進む第2のビーム部分とに分割するように配置されたビームスプリッタと、を備え、
第1のビーム部分は共焦点光学パルスストレッチャ内の閉鎖光路を通り、光路は第2の凹面ミラーとビームスプリッタとの間のセグメントを含み、レトロリフレクタは第2のビーム部分を逆反射して第1の方向と反対の第2の方向に進む逆反射ビームを生成するように配置され、
ビームスプリッタは更に、逆反射ビームを、セグメントを通って第2の凹面ミラーに入射する第3のビーム部分に分割するように配置されている、共焦点光学パルスストレッチャ。
2.レトロリフレクタは調整可能チップ及びチルトを備えるミラーを含む、条項1に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
3.レトロリフレクタは調整可能チップ及びチルトを備える折り畳みミラーと固定ミラーとを含み、折り畳みミラーは第2のビーム部分を受けて固定ミラーの方へ方向転換するように配置され、固定ミラーは第2のビーム部分を反射して折り畳みミラーの方へ戻すように構成されている、条項1に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
4.ビームスプリッタを通過して第1の方向と逆の第2の方向に進む逆反射光を受け、光を方向転換するように配置されたアパーチャを有する反射要素と、
方向転換された光を受けるように配置された蛍光スクリーンと、
を更に備える、条項1に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
5.反射要素は、ビームスプリッタを通過する光に対してある角度に向けられ、アパーチャを有する、条項4に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
6.UV反射要素は光を方向転換するように配置された反射面を有する、条項4に記載の共焦点光学パルスストレッチャ。
7.共焦点光学パルスストレッチャにおけるビームスプリッタの位置合わせを容易にするための装置であって、
共焦点光学パルスストレッチャは、少なくとも第1の凹面ミラーと、第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、を含み、
共焦点光学パルスストレッチャは更にレトロリフレクタを含み、
ビームスプリッタは第1の凹面ミラーと第2の凹面ミラーとの間に光学的に配置され、
ビームスプリッタは更に、第1のビームを第1の凹面ミラーへ誘導される第1のビーム部分と第1の方向にレトロリフレクタの方へ進む第2のビーム部分とに分割するように配置され、
レトロリフレクタは第2のビーム部分を逆反射して逆反射ビームを生成するように配置され、
第1のビーム部分は共焦点光学パルスストレッチャ内の光路を通り、
ビーム経路は第2の凹面ミラーとビームスプリッタとの間のセグメントを含み、
ビームスプリッタは更に、逆反射ビームを、第2のミラーへ進む第1の部分とビームスプリッタを通過する第2の部分とに分割するように配置され、
装置は、
ビームスプリッタを通過する逆反射ビーム光の第2の部分を受け、光を方向転換するように配置されたアパーチャを有する反射要素と、
方向転換された光を受けるように配置された蛍光スクリーンと、
を備える、装置。
8.反射要素は、ビームスプリッタを通過する逆反射ビームの第2の部分に対してある角度に向けられ、アパーチャを有する、条項7に記載の装置。
9.反射要素は逆反射ビームの第2の部分を方向転換するように配置された反射面を有する、条項7に記載の装置。
10.共焦点光学パルスストレッチャにおいてビームスプリッタを位置合わせする方法であって、
共焦点光学パルスストレッチャは、少なくとも第1の凹面ミラーと、第1の凹面ミラーと共焦点である第2の凹面ミラーと、を含み、
ビームスプリッタは、第1の凹面ミラー上の第1のスポットと第2の凹面ミラー上の第2のスポットとの間に光学的に配置され、
ビームスプリッタは更に、第1の方向に進む第1の入来ビームを第1のスポットへ誘導される第1のビーム部分と第1の方向にレトロリフレクタの方へ進み続ける第2のビーム部分とに分割するように配置され、
第1のビーム部分は共焦点光学パルスストレッチャ内の光路を通り、光路は第2のスポットとビームスプリッタとの間のセグメントを含み、第1のビーム部分は第2のミラーの第2のスポットに当たり、
方法は、
第2のビーム部分を、第1の方向と反対の第2の方向の戻り経路に沿ってビームスプリッタへ逆反射することと、
逆反射された第2のビーム部分を、ビームスプリッタから第2のスポットへ進むビームと第2の方向に進み続ける第3のビーム部分とに分割することと、
分割した逆反射された第2のビーム部分を第2のミラー上の第2のスポットに入射するように位置合わせすることと、
を含む、方法。
11.第3のビーム部分の一部を蛍光スクリーンに当てて像を生成することと、像が所定の特徴を有するか否かの判定に少なくとも部分的に基づいてレトロリフレクタを位置合わせすることと、を更に含む、条項10に記載の方法。
12.第3のビーム部分の一部を蛍光スクリーンに当てて像を生成することは、アパーチャを有する反射要素を用いて第3のビーム部分の少なくとも一部を蛍光スクリーン上へ反射することを含む、条項11に記載の方法。
13.像が所定の特徴を有するか否かの判定は、像がアパーチャの周縁から対称的に反射された光を含むか否かを判定することを含む、条項11に記載の方法。
【0110】
[0140] 前述の実施例及び他の実施例は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【国際調査報告】