(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-27
(54)【発明の名称】光学システム用のインピーダンス制御を有する磁気スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01S 3/0975 20060101AFI20231220BHJP
H01S 3/104 20060101ALI20231220BHJP
H01S 3/041 20060101ALI20231220BHJP
H01S 3/225 20060101ALI20231220BHJP
H01S 3/00 20060101ALN20231220BHJP
【FI】
H01S3/0975
H01S3/104
H01S3/041
H01S3/225
H01S3/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534344
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021062704
(87)【国際公開番号】W WO2022140073
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ユ,チャンチー
(72)【発明者】
【氏名】メルチャー,ポール,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユダ
【テーマコード(参考)】
5F071
5F172
【Fターム(参考)】
5F071AA02
5F071AA06
5F071GG03
5F071GG05
5F071GG08
5F172AD02
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5F172ZA03
5F172ZA04
5F172ZZ01
(57)【要約】
電気量の1つ以上の特性は、レーザシステムを含む光学システムの1つ以上の動作特性に基づいて決定され、磁気切り替えネットワークの磁気コアのインピーダンスは、磁気コアに磁気的に結合されたコイルに電気量を提供することによって調整され、磁気コアのインピーダンスを調整した後、光のパルスが生成される。光のパルスを生成することは、電気パルスがレーザシステムの励起機構に提供されるように磁気コアを飽和させることを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスシード光ビームを生成するように構成された第1の光学サブシステムであって、
第1のガス状利得媒質を保持するように構成された第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内の第1の励起機構と、
を備える第1の光学サブシステムと、
前記パルスシード光ビームに基づいてパルス出力光ビームを生成するように構成された第2の光学サブシステムであって、
第2のガス状利得媒質を保持するように構成された第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内の第2の励起機構と、
を備える第2の光学サブシステムと、
前記第1の励起機構を作動させるように構成された第1の磁気切り替えネットワークであって、前記第1の励起機構を作動させることは前記第1の光学サブシステムに前記パルスシード光ビームのパルスを生成させる、第1の磁気切り替えネットワークと、
前記第2の励起機構を作動させるように構成された第2の磁気切り替えネットワークであって、前記第2の励起機構を作動させることは前記第2の光学サブシステムに前記パルス出力光ビームのパルスを生成させる、第2の磁気切り替えネットワークと、
コントローラであって、
前記第1の光学サブシステム及び前記第1の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を備える第1の指標に基づいて、前記第1の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように、及び
前記第2の光学サブシステム及び前記第2の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を備える第2の指標に基づいて、前記第2の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されたコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第1の励起機構を作動させる前に、前記第1の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されており、
前記コントローラは、前記第2の励起機構を作動させる前に、前記第2の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の飽和した磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されている、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記第1の磁気切り替えネットワークは、
第1の可飽和リアクトル及び第1の磁気コアを備える第1の整流子モジュールと、
第2の可飽和リアクトル及び第2の磁気コアを備える第1の圧縮モジュールと、
を備えており、
前記第2の磁気切り替えネットワークは、
第3の可飽和リアクトル及び第3の磁気コアを備える第2の整流子モジュールと、
第4の可飽和リアクトル及び第4の磁気コアを備える第2の圧縮モジュールと、
を備えており、
前記コントローラは、
1つ以上の動作特性の前記第1の指標に基づいて前記第1の磁気コア及び前記第2の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように、並びに
1つ以上の動作特性の前記第2の指標に基づいて前記第3の磁気コア及び前記第4の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されている、
請求項1のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって前記第1の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されており、前記1つ以上のコイルの各々は前記第1の磁気切り替えネットワークの前記1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、前記電流の1つ以上の特性は前記第1の指標に基づいており、
前記コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって前記第2の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されており、前記1つ以上のコイルの各々は前記第2の磁気切り替えネットワークの前記1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、前記電流の1つ以上の特性は前記第2の指標に基づいている、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記電流の前記1つ以上の特性は前記電流の振幅を備える、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記第1の光学チャンバは加圧された利得媒質を備え、前記第1の励起機構は2つの電極を備え、前記第1の光学チャンバの前記動作特性は、前記第1の光学チャンバ内の前記電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、前記第1の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、前記第1の光学チャンバ内の前記利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備え、前記第1の磁気切り替えネットワークの前記動作特性は、前記第1の磁気切り替えネットワーク内の前記磁気コアのうち1つ以上の温度を備え、
前記第2の光学チャンバは加圧された利得媒質を備え、前記第2の励起機構は2つの電極を備え、前記第2の光学チャンバの前記動作特性は、前記第2の光学チャンバ内の前記電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、前記第2の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、前記第2の光学チャンバ内の前記利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備え、前記第2の磁気切り替えネットワークの前記動作特性は、前記第1の磁気切り替えネットワークの前記磁気コアのうち1つ以上の温度を備える、
請求項1のシステム。
【請求項7】
前記第1の光学サブシステムは主発振器を備え、前記第2の光学サブシステムはパワー増幅器を備える、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記パルスシード光ビーム及び前記パルス出力光ビームはいずれも、深紫外(DUV)域内の1つ以上の波長を備える、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記第1のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を備え、前記第2のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を備える、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記第1の光学源の前記1つ以上の動作特性を測定するように及び前記第1の光学システムの前記1つ以上の動作特性の前記指標を前記コントローラに提供するように構成された第1の監視モジュールと、
前記第2の光学源の前記1つ以上の動作特性を測定するように及び前記第2の光学システムの前記1つ以上の動作特性の前記指標を前記コントローラに提供するように構成された第2の監視モジュールと、
を更に備える、請求項1のシステム。
【請求項11】
光学源及び磁気切り替えネットワークを備える光学システムの1つ以上の動作特性にアクセスするように構成された監視モジュールと、
コマンドモジュールであって、
前記磁気切り替えネットワークに磁気的に結合された電気ネットワークに電気量を提供するべく電源を制御するように構成されており、
前記前記磁気切り替えネットワークは、励起パルスを前記光学源に提供するように構成されており、
前記電気量は前記磁気切り替えネットワークの磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置き、
前記電気量の1つ以上の特性は、前記光学システムの前記1つ以上の動作特性に基づいている、コマンドモジュールと、
を備える制御システム。
【請求項12】
前記光学システムの前記1つ以上の動作特性は、前記光学源に提供される励起電圧の大きさと、前記光学源によって生成される前記パルス光ビームの反復率と、前記磁気コアの温度と、前記光学源内のガス状利得媒質の圧力とのうちいずれかを備え、
前記電気量の前記1つ以上の特性は、振幅及び持続時間を備える、
請求項11の制御システム。
【請求項13】
前記電気量は電圧又は電流を備える、請求項11の制御システム。
【請求項14】
前記電気量は直流(DC)電流を備え、前記DC電流の前記振幅は前記光学システムの前記1つ以上の動作特性に基づく、請求項13の制御システム。
【請求項15】
前記コマンドモジュールは更に、前記光学システムの前記1つ以上の動作特性に基づいてコマンド信号を決定するように、及び前記コマンド信号に基づいて前記電源を制御するように構成されている、請求項13の制御システム。
【請求項16】
前記電気量の前記1つ以上の特性は振幅及び持続時間を備え、前記振幅は前記動作特性のうち1つ以上に依存する値を有し、前記持続時間は前記動作特性のうち1つ以上に依存する値を有する、請求項15の制御システム。
【請求項17】
前記コントローラは、複数のパルスの各々が生成された後に前記磁気スイッチの前記磁気コアが前記非飽和状態又は逆飽和状態に置かれるように、前記光学システムによって生成される前記パルス光ビーム内の前記複数のパルスの各パルスの後に前記電源を制御する、請求項11の制御システム。
【請求項18】
前記複数のパルスは、パルスのバースト内の連続パルスである、請求項17の制御システム。
【請求項19】
前記複数のパルスは、パルスの第1のバースト内の第1のパルス及びパルスの第2のバースト内の第2のパルスを備える、請求項17の制御システム。
【請求項20】
前記電気量の1つの特性は、前記複数のパルスのうちの第1のパルスの後に前記磁気コアを前記非飽和状態又は逆飽和状態に置く第1の値と、前記複数のパルスのうちの第2のパルスの後に前記磁気コアを前記非飽和状態又は逆飽和状態に置く第2の値とを有し、前記第1の値は前記第2の値とは異なる、請求項17の制御システム。
【請求項21】
レーザシステムを備える光学システムの1つ以上の動作特性に基づいて電気量の1つ以上の特性を決定することと、
磁気切り替えネットワークの磁気コアのインピーダンスを、前記磁気コアに磁気的に結合されたコイルに前記電気量を提供することによって調整することと、
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整した後、光のパルスを生成することと、
を備える方法であって、
前記光のパルスを生成することは、電気パルスが前記レーザシステムの励起機構に提供されるように前記磁気コアを飽和させることを備える、方法。
【請求項22】
前記電気量は電流を備え、前記電気量の前記1つ以上の特性は大きさ又は持続時間を備える、請求項21の方法。
【請求項23】
前記1つ以上の動作特性は、前記レーザシステムに提供される励起電圧の大きさと、前記レーザシステムによって生成されるパルス光ビームの反復率と、前記磁気コアの温度と、前記レーザシステムのガス状利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備える、請求項21の方法。
【請求項24】
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整することは、前記磁気コアの前記インピーダンスを所定のレベルに調整することを備える、請求項21の方法。
【請求項25】
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整することは、前記磁気コアを逆飽和状態に置くことを備える、請求項21の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本願は2020年12月22日に提出され「光学システム用のインピーダンス制御を有する磁気スイッチ」と題された米国出願第63/129,369号の優先権を主張するものであり、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本開示は、光学システム用のインピーダンス制御を有する磁気スイッチに関する。光学システムは、例えば、エキシマレーザであり得るか又はそれを含んでいてもよく、深紫外(DUV)光を生成し得る。
【0003】
[0003] フォトリソグラフィとは、半導体回路をシリコンウェーハなどの基板上にパターニングするプロセスである。フォトリソグラフィ光学源(又は光源)が、ウェーハ上のフォトレジストを露光させるために用いられる深紫外(DUV)光を提供する。フォトリソグラフィにおいて用いられるガス放電光源の1つの種類は、エキシマ光源又はレーザとして知られている。エキシマ光源は、典型的には、アルゴン、クリプトン、又はキセノンなど1つ以上の貴ガスとフッ素又は塩素などの反応性との組み合わせを使用する。エキシマ光源は、(供給される)電気刺激(エネルギ)及び高圧(のガス混合物)の適正条件下では、通電状態においてのみ存在し紫外域の増幅光のもとになるエキシマと呼ばれる擬似分子が作り出されるという事実からその名を得ている。エキシマ光源は深紫外(DUV)域に波長を有する光ビームを生成し、この光ビームがフォトリソグラフィ装置内で半導体基板(又はウェーハ)をパターニングするために用いられる。エキシマ光源は、単一のガス放電チャンバを用いて又は複数のガス放電チャンバを用いて構築することができる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一態様においては、システムは、パルスシード光ビームを生成するように構成された第1の光学サブシステムであって、第1のガス状利得媒質を保持するように構成された第1のチャンバと、その第1のチャンバ内の第1の励起機構とを含む第1の光学サブシステムと、パルスシード光ビームに基づいてパルス出力光ビームを生成するように構成された第2の光学サブシステムであって、第2のガス状利得媒質を保持するように構成された第2のチャンバと、その第2のチャンバ内の第2の励起機構とを含む第2の光学サブシステムと、第1の励起機構を作動させるように構成された第1の磁気切り替えネットワークであって、第1の励起機構を作動させることは第1の光学サブシステムにパルスシード光ビームのパルスを生成させる、第1の磁気切り替えネットワークと、第2の励起機構を作動させるように構成された第2の磁気切り替えネットワークであって、第2の励起機構を作動させることは第2の光学サブシステムにパルス出力光ビームのパルスを生成させる、第2の磁気切り替えネットワークと、コントローラであって、第1の光学サブシステム及び第1の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を含む第1の指標に基づいて、第1の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように、及び第2の光学サブシステム及び第2の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を含む第2の指標に基づいて、第2の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されたコントローラと、を含む。
【0005】
[0005] 実施例は以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0006】
[0006] コントローラは、第1の励起機構を作動させる前に、第1の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されていてもよく、コントローラは、第2の励起機構を作動させる前に、第2の磁気切り替えネットワークの1つ以上の飽和した磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されていてもよい。
【0007】
[0007] 第1の磁気切り替えネットワークは、第1の可飽和リアクトル及び第1の磁気コアを含む第1の整流子モジュールと、第2の可飽和リアクトル及び第2の磁気コアを含む第1の圧縮モジュールとを含んでいてもよく、第2の磁気切り替えネットワークは、第3の可飽和リアクトル及び第3の磁気コアを含む第2の整流子モジュールと、第4の可飽和リアクトル及び第4の磁気コアを含む第2の圧縮モジュールとを含んでいてもよく、コントローラは、1つ以上の動作特性の第1の指標に基づいて第1の磁気コア及び第2の磁気コアのインピーダンスを調整するように、並びに1つ以上の動作特性の第2の指標に基づいて第3の磁気コア及び第4の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されていてもよい。
【0008】
[0008] コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって第1の磁気切り替えネットワークの1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されていてもよく、1つ以上のコイルの各々は第1の磁気切り替えネットワークの1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、電流の1つ以上の特性は第1の指標に基づいている。コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって第2の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されていてもよく、1つ以上のコイルの各々は第2の磁気切り替えネットワークの1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、電流の1つ以上の特性は第2の指標に基づいている。電流の1つ以上の特性は電流の振幅を含み得る。
【0009】
[0009] 第1の光学チャンバは加圧された利得媒質を含んでいてもよく、第1の励起機構は2つの電極を含んでいてもよい。第1の光学チャンバの動作特性は、第1の光学チャンバ内の電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、第1の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、第1の光学チャンバ内の利得媒質の圧力とのうち1つ以上を含み得る。第1の磁気切り替えネットワークの動作特性は、第1の磁気切り替えネットワーク内の磁気コアのうち1つ以上の温度を含み得る。第2の光学チャンバは加圧された利得媒質を含んでいてもよく、第2の励起機構は2つの電極を含んでいてもよい。第2の光学チャンバの動作特性は、第2の光学チャンバ内の電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、第2の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、第2の光学チャンバ内の利得媒質の圧力とのうち1つ以上を含み得る。第2の磁気切り替えネットワークの動作特性は、第1の磁気切り替えネットワークの磁気コアのうち1つ以上の温度を含み得る。
【0010】
[0010] 第1の光学サブシステムは主発振器を含んでいてもよく、第2の光学サブシステムはパワー増幅器を含んでいてもよい。
【0011】
[0011] パルスシード光ビーム及びパルス出力光ビームはいずれも、深紫外(DUV)域内の1つ以上の波長を含み得る。第1のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を含み得る。そして第2のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を含み得る。
【0012】
[0012] システムは、第1の光学源の1つ以上の動作特性を測定するように及び第1の光学システムの1つ以上の動作特性の指標をコントローラに提供するように構成された第1の監視モジュールと、第2の光学源の1つ以上の動作特性を測定するように及び第2の光学システムの1つ以上の動作特性の指標をコントローラに提供するように構成された第2の監視モジュールとを更に含み得る。
【0013】
[0013] 別の一態様においては、コントローラは、光学源及び磁気切り替えネットワークを含む光学システムの1つ以上の動作特性にアクセスするように構成された監視モジュールを含み、コントローラは、磁気切り替えネットワークに磁気的に結合された電気ネットワークに電気量を提供するべく電源を制御するように構成されたコマンドモジュールも含む。磁気切り替えネットワークは励起パルスを光学源に提供するように構成されており、電気量は磁気切り替えネットワークの磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置き、電気量の1つ以上の特性は光学システムの1つ以上の動作特性に基づいている。
【0014】
[0014] 実施例は以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0015】
[0015] 光学システムの1つ以上の動作特性は、光学源に提供される励起電圧の大きさと、光学源によって生成されるパルス光ビームの反復率と、磁気コアの温度と、光学源内のガス状利得媒質の圧力とのうちいずれかを含み得る。電気量の1つ以上の特性は振幅及び持続時間を含み得る。
【0016】
[0016] 電気量は、電圧又は電流を含み得る。電気量は直流(DC)電流を含んでいてもよく、DC電流の振幅は光学システムの1つ以上の動作特性に基づき得る。コマンドモジュールは更に、光学システムの1つ以上の動作特性に基づいてコマンド信号を決定するように、及びそのコマンド信号に基づいて電源を制御するように構成されていてもよい。電気量の1つ以上の特性は振幅及び持続時間を含み得、振幅は動作特性のうち1つ以上に依存する値を有し得、持続時間は動作特性のうち1つ以上に依存する値を有し得る。
【0017】
[0017] コントローラは、複数のパルスの各々が生成された後に磁気スイッチの磁気コアが非飽和状態又は逆飽和状態に置かれるように、光学システムによって生成されるパルス光ビーム内の複数のパルスの各パルスの後に電源を制御し得る。複数のパルスは、パルスのバースト内の連続パルスであってもよい。複数のパルスは、パルスの第1のバースト内の第1のパルス及びパルスの第2のバースト内の第2のパルスであってもよい。電気量の1つの特性は、複数のパルスのうちの第1のパルスの後に磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置く第1の値と、複数のパルスのうちの第2のパルスの後に磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置く第2の値とを有していてもよく、第1の値は第2の値とは異なる。
【0018】
[0018] 別の一態様においては、方法は、レーザシステムを含む光学システムの1つ以上の動作特性に基づいて電気量の1つ以上の特性を決定することと、磁気切り替えネットワークの磁気コアのインピーダンスを、磁気コアに磁気的に結合されたコイルに電気量を提供することによって調整することと、磁気コアのインピーダンスを調整した後、光のパルスを生成することとを含む。光のパルスを生成することは、電気パルスがレーザシステムの励起機構に提供されるように磁気コアを飽和させることを含む。
【0019】
[0019] 実施例は以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。
【0020】
[0020] 電気量は電流を含んでいてもよく、電気量の1つ以上の特性は大きさ又は持続時間を含んでいてもよい。
【0021】
[0021] 1つ以上の動作特性は、レーザシステムに提供される励起電圧の大きさと、レーザシステムによって生成されるパルス光ビームの反復率と、磁気コアの温度と、レーザシステムのガス状利得媒質の圧力とのうち1つ以上を含み得る。
【0022】
[0022] 磁気コアのインピーダンスを調整することは、磁気コアのインピーダンスを所定のレベルに調整することを含み得る。
【0023】
[0023] 磁気コアのインピーダンスを調整することは、磁気コアを逆飽和状態に置くことを含み得る。
【0024】
[0024] 上述した技術のうちいずれの実施例も、システム、方法、プロセス、デバイス、又は装置を含み得る。1つ以上の実施例の詳細を、添付の図面及び以下の説明に記載する。他の特徴は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】[0025] システムの一例のブロック図である。
【
図1B】[0026] 切り替えネットワークの一例の概略図である。
【
図1D】[0028] 時間の関数としての電流の一例である。
【
図2】[0029] 2ステージレーザシステムの一例のブロック図である。
【
図3】[0030] コマンドモジュールの一例のブロック図である。
【
図4】[0031] 切り替えネットワークの別の一例の概略図である。
【
図5A】[0032] 深紫外(DUV)光学システムの一例のブロック図である。
【
図5B】[0033]
図5AのDUV光学システムにおいて用いられ得る投影光学システムの一例のブロック図である。
【
図6】[0034] DUV光学システムの別の一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0036]
図1Aは、システム100のブロック図である。システム100は光学源110を含む。光学源110は、半導体ウェーハを露光するために使用される深紫外(DUV)光学源であり得る。光学源110は、利得媒質119及び励起機構113を封入する放電チャンバ115を含む。励起機構113は、切り替えネットワーク150によって生成される電気パルス155によって作動される。
図1Bは、切り替えネットワーク150の概略図である。励起機構113を作動させると、利得媒質119内に反転分布が生じ、光のパルスが生成される。切り替えネットワーク150は励起機構113に提供される電気パルス155の列を発生させ、それによって光学源110がパルス光ビーム116を生成する。
【0027】
[0037] 以下でより詳細に述べるように、コマンドモジュール130が、電気量149を使用して、切り替えネットワーク150内の磁気スイッチ153のインピーダンスを制御する。電気量149の1つ以上の特性はシステム100の1つ以上の動作特性に基づいている。システム100の動作特性は、光学源110と、切り替えネットワーク150と、電力源142との動作特性、及び/又は光学源110と、切り替えネットワーク150と、電力源142との任意のコンポーネント又はサブシステムの動作特性を含む。このようにして、コマンドモジュール130は、磁気スイッチ153のインピーダンスを一定値にリセットすること、及び/又は磁気スイッチ153が動作特性の変化にかかわらず電気パルス155の生成の前(よって、光ビーム116のパルスの生成の前)の特定の動作範囲内に動作点を有するように磁気スイッチ153のインピーダンスを調整することができる。磁気スイッチ153のインピーダンスは、光ビーム116内の各パルスを生成する前に、又は光ビーム116内の1つ以上であるが全部ではないパルスを生成する前に、調整され得る。
【0028】
[0038] 切り替えネットワーク150は、パルス発生ネットワーク152と電気ネットワーク156とを含む。磁気スイッチ153は磁気コア151を含む。電気ネットワーク156は、磁気コア151を介して磁気スイッチ153に磁気的に結合される。
図1Bに示す例では、電気ネットワーク156は、磁気コア151の周りに巻かれたコイル(例えばコイル状の電線)である。磁気スイッチ153は、磁気コア151の周りに巻かれた導電性コイルも含み得る。磁気スイッチ153は、例えば、可飽和インダクタであってもよい。
【0029】
[0039] 磁気コア151は、外部磁界に曝されることに応じて磁化される任意の材料である。磁気コア151は、例えば、鉄又は鉄合金のような強磁性材料など、比較的高い透磁率を有する磁性材料であり得る。透磁率(μ)とは、印加される磁界に応じて材料が得る磁化の程度である。強磁性材料が一例として挙げられているが、他の材料が使用されてもよい。
【0030】
[0040]
図1Cは、磁気コア151に使用され得る材料の磁化曲線160の一例の図示である。
図1Cの磁化曲線は、磁界強度(H)の関数としての磁気コア151の磁化(B)のプロットである。磁化(B)の単位はテスラ(T)であり、磁界強度(H)の単位はアンペア毎メートル(A/m)である。磁化曲線160は非線形であり、磁気コア151は磁気ヒステリシスを経験する。第1の方向を有する磁界が磁気コア151に印加されると、コア151の材料内の原子双極子は第1の方向と整列し、コア151の材料は第1の方向に磁化される。第1の磁界が除去されると、整列の一部が保持される。よって、外部磁界が存在しないとき(すなわち、H=0)であっても、コア151の磁性材料はいくらかの磁化を保持する。
【0031】
[0041] 磁気コア151は、順方向飽和領域162と逆方向飽和領域161とを有する。磁気コア151は、外部磁界の印加がもはや磁気コア151の材料の磁化の更なる変化を生じないとき、飽和している。磁気コア151のインピーダンスは、領域162及び161において最も低い。磁気コア151が飽和しておらず、磁化(B)が領域161と162との間にあるとき、磁気スイッチ153は比較的高いインピーダンスを有する。議論を進めるために、磁気コア151の磁化(B)は、当初は、
図1Cにおいて163と標識された動作点にある。動作点163は逆方向飽和領域161にある。他の構成では、動作点は、順方向飽和領域162の外側の非飽和領域において開始し得る。
【0032】
[0042] パルス発生ネットワーク152は電力源142に電気的に接続されている。
図1Bも参照すると、電力源142は、高電圧電源141と共振充電回路135とを含む。共振充電回路135は、高電圧電源141の出力133ノードに電気的に接続されている。高電圧電源141は、例えば、出力ノード133において900V DCを供給することができる32キロワット(kW)電源であってもよい。高電圧電源141は、他の仕様及び特性を有していてもよい。例えば、電源141は、出力ノード133において800V DCを供給することができる52kW電源であってもよい。電源141は、他の電力量及び電圧量を提供するように構成されていてもよく、電圧及び電力の上記の値は例として提供されている。また、出力ノード133における電圧は、接地に対して正又は負であり得る。換言すれば、900V DCを供給することができる32kW電源の例においては、出力ノード133における電圧は+900V又は-900Vであり得る。下記で述べる例においては、電源141は負極性を有する。
【0033】
[0043] 共振充電回路135は、キャパシタ143、スイッチ148、及びインダクタ144を含む。スイッチ148は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのトランジスタであり得る。キャパシタ143は、出力ノード133及び接地に電気的に接続されている。スイッチ148は出力ノード133に電気的に接続されており、スイッチ148はインダクタ144と直列である。スイッチ148が閉じられると、インダクタ144はキャパシタ143に電気的に接続される。
図1Bに示す共振充電回路135は一例である。他の実施例においては、共振充電回路135は、例えば、ダイオード及び追加のスイッチなどの追加のコンポーネントを含み得る。
【0034】
[0044] 高電圧電源141は、キャパシタ143の両端に電圧を印加する。電荷がキャパシタ143に蓄積し、キャパシタ143の両端の電圧は、スイッチ148が閉じるまで増加するか又は一定のままである。スイッチ148が閉じると、キャパシタ143に蓄えられた電荷は放電され、共振充電回路135の出力ノード134に電気的に接続されたキャパシタ159に流れる。スイッチ148は、キャパシタ143の両端の電圧が指定された電圧に達した後及び/又は指定された時間の後に閉じるようにトリガされ得る。指定された電圧値は、指令電圧、プリセット電圧値、又は他の電圧値であってもよい。スイッチ148が閉じた後、キャパシタ143の電荷は放電される。
【0035】
[0045] キャパシタ143からの電荷はキャパシタ159に蓄積し、キャパシタ159の両端の電圧は、指令電圧まで増加し、スイッチ145が閉じるまで指令電圧のままである。スイッチ145が閉じると、キャパシタ159に蓄えられた電荷は、電流(i1)として、キャパシタ159、インダクタ158、及びキャパシタ154によって形成される共振回路を流れる。
図1Dは、その電流(i1)と電流(i2)との一例を時間の関数として示す。電流(i1)は、時間幅(w1)及び振幅h1を有する。電流(i2)は、時間幅(w2)及び振幅h2を有する。時間幅w1は、インダクタ158、キャパシタ159、及びキャパシタ154の相対的なインピーダンス値によって決定される。例えば、電流(i1)の時間幅w1は、約5マイクロ秒(μs)であり得る。時間幅w2は、キャパシタ154、磁気スイッチ153、及びピーキングキャパシタ146の相対的なインピーダンス値によって決定される。時間幅w2は、例えば500ナノ秒(ns)であり得る。
【0036】
[0046] 電流(i1)はキャパシタ154から流れ出し、キャパシタ154の両端の電圧の絶対値は増加する。電流i1の大部分はキャパシタ154から流れ出すが、漏れ電流が磁気スイッチ153にも流れる。磁気スイッチ153を流れる電流は、
図1Dでは電流i2として示されている。漏れ電流は、コア151の磁化を動作点163から経路164(
図1C)に沿って増加させ、コア151はもはや逆飽和領域161にはない。漏れ電流は磁気スイッチ153に流入し続け、コア151の磁化は、順方向飽和領域162に達するまで、経路164に沿って増加し続ける。順方向飽和領域162にあるとき、コア151のインピーダンスはゼロに近い。この点では、磁気スイッチ153は、インダクタ158よりも低いインピーダンスを有する。キャパシタ154に蓄えられた電気エネルギは、磁気スイッチ153を通って電流(
図1Dにおいてはi2として示される)として流れ、ピーキングキャパシタ146に蓄積する。これにより、ピーキングキャパシタ146の両端に電位差が形成される。ピーキングキャパシタ146の電圧の絶対値は、例えば、約20kVであり得る。キャパシタ146は電極113a及び113bと並列である。よって、キャパシタ146の両端の電位差は、電極113aと113bとの間にも形成される。電極113a及び113b間のこの電位差は利得媒質119を励起する励起パルス155であり、放電チャンバ115は光パルスを放出する。
【0037】
[0047] 磁気スイッチ153のインピーダンスは、電流i2が磁気スイッチ153の材料の保磁力(Hc)によって決定される閾値電流値よりも低くなるまで、小さいままである。電流i2が磁気スイッチ153を通過すると、電流i2はもはやコア151に磁界を印加せず、動作点は動作点167に移動する。
【0038】
[0048] 電気パルス155内のエネルギの大部分は励起機構113及び利得媒質119によって吸収されるが、電気パルス155内のエネルギの一部は反射し、反射電流147(反射147と称される)としてパルス発生ネットワーク152内に戻る。この例では、反射147は、電流(i1)及び(i2)と同じ方向である。再び
図1Cを参照すると、この例では、コア151の磁化(B)は反射147の結果として変化し、コア151の動作点は再び飽和領域162に向かって移動する。
【0039】
[0049] 反射147の大きさは動作特性に依存する。動作特性とは、観察もしくは測定される量、並びに/又は光学源110、電力源142、切り替えネットワーク150、及び/もしくはシステム100の他の態様からアクセスされる仕様もしくは設定であり得る。動作特性は、放電チャンバ115、利得媒質119、励起機構113、及び切り替えネットワーク150の動作に関連する任意のタイプのパラメータ又は特性を含む。動作特性は、例えば、利得媒質119の圧力、励起機構113に印加される電気パルス155の大きさ及び/又は持続時間、利得媒質119の温度、コア151の温度、コア151以外の磁気スイッチ153のコンポーネントの温度、キャパシタ143の指定された電圧、キャパシタ159の指定された電圧、及び/又は電気パルス155が励起機構113に印加される周波数(光ビーム116の反復率に関係する)を含む。
【0040】
[0050] 動作特性は、光学源110の動作及び使用中に変動し、バースト間又はパルス間で変動し得る。よって、コア151の磁化(B)が反射147に起因して変化する量は一定ではなく、光学源110によって生成される各パルスについて異なり得る。したがって、次の電気パルス155(よって、光ビーム116の次のパルス)が予想通りに生成されるように磁気コア151を順方向飽和領域162に置くのに必要とされる磁界(H)の量及び時間の量は、光学源110の動作中、必ずしも一定ではない。
【0041】
[0051] 光パルス生成サイクルの開始時にコア151の予測可能な磁化を保証するために、磁気コア151は電気量149(例えばバイアス電流149)を使用してバイアスされ、電気量149の1つ以上の特性は動作条件に基づいている。
【0042】
[0052] 電気ネットワーク156は、コマンドモジュール130によって制御されるバイアス電源140に電気的に接続されている。コマンドモジュール130は、1つ以上の動作特性にアクセスする及び/又はこれを監視する監視モジュール120からデータを受信するか又はそのデータにアクセスする。
図1Bに示す例では、電気量149は、ネットワーク156のコイルを流れるバイアス電流である。
図1Cの例に戻ると、電気量149は、コア151の動作点を点163に向かって(及び逆方向飽和領域161のより近くに)移動させる。いくつかの実施例においては、電気量149は、光の各パルスが生成された後に動作点が逆方向飽和領域161内に移動するようなものである。換言すれば、電気量149は、磁気コア151の動作点(よって、コア151のインピーダンス)を、既知の値又は予測可能な値(例えば逆方向飽和領域161内の動作点)にリセットする。
【0043】
[0053] コマンドモジュール130は、バイアス電源140を制御して、バイアス電源140に電気ネットワーク156への出力(例えば電圧又は電流)を提供させる。出力の特性(例えば大きさ)は動作特性のうち1つ以上に基づいており、したがって電気量149も動作特性のうち1つ以上に基づいている。例えば、コマンドモジュール130は、光学源110の1つ以上の動作特性をバイアス電源140の出力の1つ以上の特性に関連付けるデータベース又はルックアップテーブルを格納し得る。よって、電気量149は、光学源110の動作特性の変化を考慮して変化することができる。このようにバイアス電源140を制御することによって、磁気コア151の磁化は、動作特性の値にかかわらず、光ビーム116のパルスを発生させる前の一定又は略一定の値にリセットされる。
【0044】
[0054] パルス発生サイクルの開始時に磁気コア151の磁化を既知の値及び/又は一定値にリセットすることは、電気パルス155のタイミングがよりきめ細かく且つ正確に制御及び予測されることを可能にする。例えば、磁気コア151の磁化はパルス発生サイクルの開始時に常に同じ動作点にあるので、磁気スイッチに入力されるある特定の量の電気エネルギに対して、磁気コア151は、常に同じ時間量で順方向飽和領域162に達するであろう。(利得媒質119を励起する)電気パルス155の生成のタイミングの精密な制御は、例えば、光学源110が(
図2及び
図6に示すような)マルチステージ光源であるとき、切り替えネットワーク150がより効果的に使用されることを可能にする。また、電気量149は、磁気コア151の磁化が各パルス発生サイクルの開始時に逆方向飽和領域161に置かれるように制御され得る。電気量149の1つ以上の特性を制御すること(及びそれにより磁気コア151の磁化を制御すること)によって、逆方向飽和領域161と順方向飽和領域162との間の磁気コア151の全磁化範囲が利用され得る。
【0045】
[0055] さらに、コア151の磁化を制御することは、光学源110のバーストモード性能も向上させる。バーストモードで動作するとき、光学源110によって生成された光ビーム116は、光パルスを含まない期間によって分離された光のパルスのバーストを含む。各バーストは、数百、数千、数万、又はそれ以上のパルスを含み得る。パルスのバースト内のパルスは用途に適した反復率を有する。例えば、バースト内のパルスは、6,000ヘルツ(Hz)以上の反復率を有し得る。バースト間の期間は、バースト内の2つの連続するパルス間の時間よりもはるかに長い持続時間を有する。例えば、あるパルスのバーストの終わりと次のパルスのバーストとの間の時間は、バースト内の2つの連続するパルス間の時間よりも数百倍又は数千倍長いであろう。バーストの開始時には、放電チャンバ115内の過渡現象効果が、最初の数個のパルス(例えば最初の100個又は200個のパルス)における光エネルギの量を劇的に変化させる。また、マルチステージシステムでは、様々なステージ間のタイミング差は、バーストの開始時により顕著になる傾向がある。さらに、過渡現象は、例えば、励起機構113に印加される電圧、反復率、及び利得媒質119の圧力などの動作特性に基づいて変動する。コア151の磁化を制御することによって、バースト過渡現象効果は低減され得る。
【0046】
[0056]
図1Bに示す概略図は一例として提供されており、他の実施例が可能である。例えば、パルス発生ネットワーク152は1つの磁気スイッチのみを含み、キャパシタ154と、磁気スイッチ153と、ピーキングキャパシタ146とによって形成される共振回路は単一の磁気圧縮ステージである。しかしながら、他の実施例においては、パルス発生ネットワーク152は追加の磁気圧縮ステージを含む。例えば、パルス発生ネットワーク152は、2つ以上の磁気スイッチ及び2つ以上の磁気圧縮ステージを含んでいてもよい。これらの追加のステージは、ピーキングキャパシタ146が電極113a及び113bと並列のままであるように、パルス発生回路内に置かれる。
図4は、2つ以上の磁気圧縮ステージを含む切り替えネットワーク450の一例を示す。
【0047】
[0057] また、マルチステージ磁気圧縮回路の任意の変形形態が使用されてもよい。例えば、パルス発生ネットワーク152の他の実施例は各磁気圧縮ステージについて別個のバイアス電源140及び電気ネットワーク156を含んでいてもよく、又は、バイアス電源140及び電気ネットワーク156の1つのインスタンスが2つ以上の磁気スイッチのインピーダンスを制御するために使用されてもよい。さらに、磁気圧縮ステージの様々なコンポーネント(例えばキャパシタ及びインダクタンスコンポーネントの値)は、ピーキングキャパシタ146において生成される電流及び電圧パルスが、他のステージにおいて生成される電圧及び電流よりも短い持続時間及び大きい振幅を有するように選択され得る。
【0048】
[0058] また、パルス発生ネットワーク152は、例えばダイオード及び1つ以上の電圧変換器のような他のコンポーネントを含んでいてもよい。パルス発生ネットワーク152の具体的な構成にかかわらず、パルス発生ネットワーク152内の磁気スイッチのうち少なくとも1つのインピーダンス又は磁化は、上述の電気量149のような電気量で制御される。
【0049】
[0059] 加えて、
図1Bに示す例では、高電圧電源141は負極性を有する電圧を提供し、したがって出力ノード133における電圧は接地に対して負である。しかしながら、他の実施例においては、高電圧電源141は正極性を有する電圧を提供し、したがって出力ノード133における電圧は接地に対して正である。高電圧電源141の極性が正である実施例においては、電流(i1)及び(i2)並びに反射147は、
図1Bに示されている方向とは反対の方向に流れる。
【0050】
[0060]
図2はシステム200のブロック図である。システム200は2ステージレーザシステム210を含む。2ステージレーザシステム210は、パルスシード光ビーム216_1を生成する第1の放電チャンバ215_1と、パルスシード光ビーム216_1を増幅して増幅パルス光ビーム216_2を生成する第2の放電チャンバ215_2とを含む。第1の放電チャンバ215_1は電極213_1a及び213_1bとガス状利得媒質219_1とを封入し、第2の放電チャンバ215_2は電極213_2a及び213_2bとガス状利得媒質219_2とを封入する。
【0051】
[0061] システム200は切り替えネットワーク250_1及び250_2も含み、その各々が切り替えネットワーク150(
図1A)のインスタンスである。切り替えネットワーク250_1及び250_2は、それぞれの磁気コア251_1及び251_2を含む。第1の放電チャンバ215_1は第1の監視モジュール220_1によって監視され、第2の放電チャンバ215_2は第2の監視モジュール220_2によって監視される。監視モジュール220_1及び220_2は、それぞれの放電チャンバ215_1及び215_2の1つ以上の動作特性にアクセスし又はこれを監視し、動作特性についてのデータをコマンドモジュール230に提供する。例えば、監視モジュール220_1はシード光ビーム216_1の反復率を測定してもよく、監視モジュール220_2は出力光ビーム216_2の反復率を測定してもよい。別の一例では、監視モジュール220_1は、利得媒質219_1の圧力及び温度を測定する環境センサと通信するように構成され得る。同様に、監視モジュール220_2は、利得媒質219_2の圧力及び温度を測定する環境センサと通信するように構成され得る。コマンドモジュール230は、放電チャンバ215_1及び215_2の動作特性にそれぞれ基づいて、磁気コア251_1及び251_2のインピーダンスを制御する。
【0052】
[0062] 追加的又は代替的には、監視モジュール220_1及び220_2は、システム200の他の態様に関係する1つ以上の動作特性を監視する又はこれにアクセスするように構成され得る。例えば、監視モジュール220_1は、切り替えネットワーク250_1内の温度センサと通信して磁気コア251_1の温度を得るように構成され得る。監視モジュール220_2は、切り替えネットワーク250_2内の温度センサと通信して磁気コア251_2の温度を得るように構成され得る。監視モジュール220_1及び220_2はデータをコマンドモジュール230に提供し、コマンドモジュールは、監視モジュール220_1及び220_2からのデータにそれぞれ基づいて、磁気コア251_1及び251_2のインピーダンスを制御する。
【0053】
[0063] シード光ビーム216_1のパルスは放電チャンバ215_2に進入する。電気パルス255_2は電極213_2bに提供され、電極213_2bと電極213_2aとの間に電位差が形成される。電位差は、利得媒質219_2内の原子、イオン、及び/又は分子を励起する。励起状態の原子、イオン、及び/又は分子は、シード光ビーム216_1のパルスによって刺激されて、より多くの光を同じ放射モードに放出し、増幅光ビームを形成し得る。よって、放電チャンバ215_2はシード光ビーム216_1を増幅し、増幅光ビーム216_2を放出する。
【0054】
[0064] しかしながら、利得媒質219_2が励起されていないときにシード光ビーム216_1のパルスが放電チャンバ215_2を通過する場合には、パルスは増幅されない。コマンドモジュール230は、シード光ビーム216_1が放電チャンバ215_2を通過するときに利得媒質219_2が励起されるように、放電チャンバ215_2及び/又は切り替えネットワーク250_1の動作特性に基づいて、切り替えネットワーク250_2内の磁気コア251_2を制御する。また、コマンドモジュール230は、切り替えネットワーク250_1内の磁気コア251_1も制御し得る。例えば、コマンドモジュール230は、コアを飽和させるのに必要な時間が一定且つ予測可能になるように、それぞれの切り替えネットワーク250_1及び250_2内の磁気コア251_1及び251_2を一定レベルにリセットさせ得る。
【0055】
[0065]
図3はコマンドモジュール330のブロック図である。コマンドモジュール330は、コマンドモジュール130(
図1A)又はコマンドモジュール230(
図2)として使用され得る。コマンドモジュール330は、電子処理モジュール331と、電子記憶モジュール332と、入力/出力(I/O)インターフェイス333とを含む。
【0056】
[0066] 電子処理モジュール331は、汎用又は専用マイクロプロセッサのようなコンピュータプログラムの実行に適した1つ以上のプロセッサと、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサとを含む。一般に、電子プロセッサは、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はその両方から命令及びデータを受信する。電子処理モジュール331は任意のタイプの電子プロセッサを含み得る。電子処理モジュール331の1つ又は複数の電子プロセッサは、命令を実行すると共に電子記憶装置332に記憶されたデータにアクセスする。1つ又は複数の電子プロセッサは、電子記憶装置332にデータを書き込むこともできる。
【0057】
[0067] 電子記憶装置332は、任意のタイプのコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体である。例えば、電子記憶装置332は、RAMなどの揮発性メモリであってもよいし、又は不揮発性メモリであってもよい。いくつかの実施例においては、電子記憶装置332は、不揮発性及び揮発性の部分又はコンポーネントを含む。電子記憶装置332はコマンドモジュール330の動作において用いられるデータ及び情報を記憶し得る。電子記憶装置332は、コマンドモジュール330にバイアス電源140のコンポーネント及びサブシステム、切り替えネットワーク150、監視装置120、光学源110、及び/又は(
図5及び
図6に示すスキャナ装置580のような)スキャナ装置と相互作用させる(例えばコンピュータプログラムの形をとる)命令も記憶し得る。
【0058】
[0068] 電子記憶装置332は、バイアス制御モジュール336を実装する命令も記憶する。バイアス制御モジュール336は、監視モジュール120から動作特性についての情報を受信し、コマンド信号357のための情報をルックアップテーブル335から決定する。
【0059】
[0069] コマンド信号357は、電気ネットワーク156に入力を提供するようにバイアス電源140を制御する。電気ネットワーク156は、その入力から電気量149を発生させる。電気量149は、コア151(
図1A)の磁化を所望の動作点に変化させる。このようにして、電気量149は、コア151を含む磁気スイッチのインピーダンスを、動作特性に基づいて調整する。
【0060】
[0070] コマンド信号357は、バイアス電源140が電気ネットワーク156に提供する出力電圧及び/又は電流の特性を決定する情報を含む。例えば、バイアス電源140はDC電圧及び/又はDC電流を生成することができ、コマンド信号357はそのDC電圧及び/又はDC電流の大きさ及び/又は極性を制御し得る。いくつかの実施例においては、バイアス電源140は一定の電圧/及び電流を提供し、コマンド信号357はバイアス電源140と電気ネットワーク156との間の外部要素を制御する。例えば、コマンド信号357は、ポテンショメータ又は他の要素を制御し、それによって電気ネットワーク156への入力を制御し得る。
【0061】
[0071] コマンド信号357が電気ネットワーク156への入力をどのように制御するかにかかわらず、コマンド信号357内の情報は、1つ以上の動作特性に基づいて決定される。例えば、コマンド信号357内の情報は、ルックアップテーブル又はデータベース335から決定され得る。ルックアップテーブル又はデータベース335は、電気量149及び/又は電気ネットワーク156への入力についての情報を1つ以上の動作特性に関連付ける。電気量149についての情報は、例えば、電気量149の振幅、極性、及び/又は持続時間を含み得る。例えば、ルックアップテーブル335は、電気量149の大きさ及び極性の値並びに/又はそのような電気量149を生成するであろう電気ネットワーク156への入力を、光学源110、切り替えネットワーク150、及び/又は電力源142の動作条件に関連付け得る。光学源110の動作条件は、光学源の1つ以上の動作特性によって定義される。例えば、動作条件は、励起機構113に印加される電圧、光ビーム116の波長、利得媒質119の圧力、及び/又は光ビーム116の反復率によって定義され得る。
【0062】
[0072] 別の一例では、ルックアップテーブル335は、電気量149の1つ以上の特性及び/又は電気ネットワーク156への入力を、切り替えネットワーク150の動作条件に関連付け得る。切り替えネットワーク150の動作条件は、コア151の温度及び/又はキャパシタ143の指定された電圧によって定義され得る。
【0063】
[0073] 更に別の一例では、ルックアップテーブル335は、電気量149の1つ以上の特性及び/又は電気ネットワーク156への入力を、システム100の動作条件に関連付け得る。システム100の動作条件は、システム100の少なくとも2つの異なるサブシステムの少なくとも1つの動作条件によって定義される。例えば、システム100の動作条件は、利得媒質119の温度及びコア151の温度によって定義され得る。
【0064】
[0074] ルックアップテーブル又はデータベース335は、少なくとも2つの動作条件を含み、各々が電気量149及び/又は電気ネットワーク156に提供される入力についての情報の1つ以上の特性に関連付けられた数十、数百、数千、又はそれ以上の異なる動作条件を含んでいてもよい。電気量149の特性及び/又は特定の動作条件について電気ネットワーク156に提供される入力の値は、光学源110の製造中に収集されてもよく、光学源110が設置された後にオペレータ(例えばエンドユーザ又は保守要員)がルックアップテーブル335に値を入力してもよく、又は、ルックアップテーブル335はI/Oインターフェイス333を介して自動的に更新されてもよい。また、他の実施例が可能である。例えば、いくつかの実施例においては、ルックアップテーブル335に代えて又は加えて、電子記憶装置332が、電気量149と動作条件との間の数学的関係を実装する命令を記憶する。数学的関係は、光学源110が光のパルスを生成した後の磁気コアのインピーダンス又は磁化の量を観察する経験的データから決定され得る。
【0065】
[0075] ルックアップテーブル335が対象の動作条件を含まない場合、バイアス制御モジュール336は、対象の動作条件に最も類似する動作条件間を補間し得る。バイアス制御モジュール336は、バイアス電源140及び/又は電気ネットワークがバイアス電流(又は他の形態の電気量149)を発生させるのに十分な情報を有するコマンド信号357を発生させる。
【0066】
[0076] 監視モジュール120は、動作特性を監視することができる任意のタイプのデバイスである。例えば、監視モジュール120は、反復率又は励起機構113に印加される電圧などの動作特性を測定する光学及び/又は電子コンポーネントを含み得る。いくつかの実施例においては、監視モジュール120は、光学源110、切り替えネットワーク150、及び/又は電力源142からの動作特性の値にアクセスする。これらの実施例では、監視モジュール120は動作特性を直接測定しない。例えば、監視モジュール120は、直接測定を実施する他のセンサ(温度センサ又は圧力センサなど)から読み取り値を取得してもよく、及び/又は製造時に設定されてソース110の特定のサブシステム内のメモリに記憶された設定値を取得してもよい。
【0067】
[0077] 監視モジュール120は、光ビーム116の各パルスの後に、1つ以上の動作特性の値をコマンドモジュール330に提供し得る。更に他の実施例においては、監視モジュール120からの情報は使用されず、光学源110のオペレータは、I/Oインターフェイス333介してコマンドモジュール330に動作特性を直接入力する。
【0068】
[0078] 電子記憶装置332は、レーザコマンドモジュール337を構成する命令も記憶する。レーザコマンドモジュール337は、光学源110及び/又はパルス発生ネットワーク152の動作の様々な態様を制御する。レーザコマンドモジュール337は、例えば、スイッチ148及び145の状態を制御する。レーザコマンドモジュール337は、共振充電器内のキャパシタ143の両端の電圧が指定された電圧に達した後又は所定の時間量が経過した後、スイッチ148を閉じるようにトリガする。レーザコマンドモジュール337は、キャパシタ159の両端の電圧が指定された電圧に達した後、スイッチ145を閉じるようにトリガする。例えば、スイッチ148及び145がトランジスタである実施例においては、レーザコマンドモジュール337は、トランジスタのゲートに電圧を提供する電圧源を制御してもよく、その電圧は、トランジスタに状態を変化させ電流を伝導させるのに十分である。指定された電圧及び所定の時間は、電子記憶装置332に記憶される。
【0069】
[0079] レーザコマンドモジュール337は、光ビーム116の反復率など、光学源110の他の態様も制御し得る。レーザコマンドモジュール337は、やはり電子記憶装置332に記憶された及び/又はI/Oインターフェイス333を介して提供される予めプログラムされたレシピに基づいて、様々な態様を制御し得る。
【0070】
[0080] 電子記憶装置332は、光学源110及び/又はパルス発生ネットワーク152の動作において使用される他の様々なパラメータ及び値も記憶し得る。
【0071】
[0081] I/Oインターフェイス333は、コマンドモジュール330がオペレータ、他のデバイス(監視モジュール120など)、及び/又は別の電子デバイス上で動作する自動化されたプロセスとデータ及び信号を交換することを可能にする、任意の種類のインターフェイスである。例えば、電子記憶装置332に記憶されたルール又は命令が編集され得る実施例においては、その編集はI/Oインターフェイス333を通じて行われ得る。I/Oインターフェイス333は、視覚表示装置、キーボード、並びにパラレルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、及び/又は例えばイーサネットのような任意のタイプのネットワークインターフェイスなどの通信インターフェイスのうち、1つ以上を含み得る。I/Oインターフェイス333は、例えばIEEE802.11、Bluetooth、又は近距離通信(NFC)接続を通じて、物理的接触のない通信も可能にし得る。
【0072】
[0082]
図4は、切り替えネットワーク450の概略図である。切り替えネットワーク450は、
図2及び
図6に示される光学システムのような2ステージ光学システムと共に使用される切り替えネットワークの一例である。切り替えネットワーク450は、電力源142及びコマンドモジュール330と共に使用される。切り替えネットワーク450は第1の整流子470_1及び第1の圧縮ヘッド472_1を含み、これらは、第1組の分離された電極413_1の間に電位差を作り出す電気パルスを生成する。電極413_1は、第1のガス状利得媒質も含む第1の放電チャンバ内に封入される。切り替えネットワーク450は第2の整流子470_2及び第2の圧縮ヘッド472_2も含み、これらは、第2組の分離された電極413_2の間に電位差を作り出す電気パルスを生成する。分離された電極413_2は、ガス状利得媒質も封入する第2の放電チャンバ内に封入される。
【0073】
[0083] 共振充電回路135は、キャパシタ459_1とスイッチ445_1のエミッタとに電気的に接続されている。この例では、スイッチ445_1は、絶縁バイポーラゲートトランジスタ(IGBT)である。スイッチ445_1のゲートは電圧源(図示しない)に結合されている。高電圧電源142がオンにトリガされ、電流がキャパシタ459_1に流れる。キャパシタ459_1の両端の電圧が指定された電圧を満たすと、スイッチ445_1はオン状態に変化するようにトリガされ、電流がスイッチ445_1及びインダクタ458_1を通って流れてキャパシタ454_1に蓄積する。電流i1の一部は磁気スイッチ453a_1にも漏れ、コア451a_1の磁化は順方向飽和点に達するまで増加する。キャパシタ454_1の電気エネルギは磁気スイッチ453a_1を通って流れ、ステップアップ電圧変換器(step-up voltage transformer)473_1によってより高い電圧に変換され、キャパシタ474_1に蓄積する。磁気コア451b_1が順方向飽和領域162に進入する。キャパシタ474_1に蓄えられた電気エネルギは磁気スイッチ453b_1を通って流れ、ピーキングキャパシタ446_1に蓄積して、第1の対の電極413_1の間に電位差を作り出す。反射電流447_1が作り出され、磁気スイッチ453b_1及び453a_1に戻る。第2の整流子470_2及び第2の圧縮ヘッド472_2は、同様に動作する。
【0074】
[0084] 切り替えネットワーク450はまた、それぞれのバイアス電源442a_1,442a_2,442b_1,及び442b_2に電気的に接続された電気ネットワーク456a_1,456a_2,456b_1,及び456b_2も含む。電気ネットワーク456a_1,456a_2,456b_1,及び456b_2の各々は、互いに電気的に直列接続されると共にバイアス電源442a_1,442a_2,442b_1,及び442b_2のそれぞれ1つに電気的に接続された抵抗器及びインダクタを含む。電気ネットワーク456a_1,456a_2,456b_1,及び456b_2の各々は、電気ネットワークを磁気スイッチ453a_1,453a_2,452b_1,及び435b_2に磁気的に結合するコイルも含む。
【0075】
[0085] バイアス電源442a_1,442a_2,442b_1,及び442b_2はコマンドモジュール330に結合されている。コマンドモジュール330は、電気ネットワーク456a_1,456a_2,456b_1,及び456b_2へのそれぞれの入力を生成するようにバイアス電源442a_1,442a_2,442b_1,及び442b_2を制御し、それによってそれぞれの電気量449a_1,449a_2,449b_1,及び449b_2が生成される。電気量449a_1,449a_2,449b_1,及び449b_2の各々は、それぞれの磁気スイッチ453a_1,453a_2,453b_1,及び453b_2の磁気コアの磁化が既知の値にリセットされることをもたらす振幅及び極性を有するバイアス電流である。コマンドモジュール330は、それぞれのバイアス電流がそれぞれのコア451a_1,451a_2,451b_1,及び451b_2を所望の磁化に至らせる振幅及び偏波を有するように、バイアス電源442a_1,442a_2,442b_1,及び442b_2を制御する。具体的には、コマンドモジュール330は、第1組の電極413_1を含む光学源の1つ以上の動作特性、第1の整流子470_1の動作特性、及び/又は第1の圧縮ヘッド472_1の動作特性に基づいて、バイアス電源442a_1及び442b_1を制御する。コマンドモジュール330は、第2組の電極413_2を含む光学源の1つ以上の動作特性、第2の整流子470_2の動作特性、及び/又は第2の圧縮ヘッド472_2の動作特性に基づいて、バイアス電源442a_2及び442b_2を制御する。
【0076】
[0086]
図5A及び
図6は、上述した技術を使用し得るシステムの追加例を提供する。
【0077】
[0087]
図5Aは、深紫外(DUV)光学システム500の一例である。システム500は、露光ビーム(又は出力光ビーム)516をスキャナ装置580に提供する光発生モジュール510を含む。
図5Aの例では、光発生モジュール510は切り替えネットワーク150と共に使用される。制御システム505も、光発生モジュール510と、光発生モジュール510に関連付けられた様々なコンポーネントとに結合されている。
【0078】
[0088] 光発生モジュール510は、光発振器512を含む。光発振器512は出力光ビーム516を発生させる。光発振器512は、励起機構(カソード513-a及びアノード513-b)を封入する放電チャンバ515を含む。放電チャンバ515はガス状利得媒質519(
図5Aにおいて薄いドットのシェーディングで示される)も含有する。カソード513-aとアノード513-bとの間の電位差がガス状利得媒質519中に電界を形成する。電位差は、切り替えネットワーク150が電極513-aと513-bとの間に電位差を発生させるように高電圧電源140を制御することによって発生する。電位差は電界を形成し、電界は利得媒質519に、反転分布を引き起こすのに及び誘導放出を介して光のパルスの発生を可能にするのに十分なエネルギを提供する。
【0079】
[0089] そのような電位差を繰り返し作り出すことによって、光ビーム516として放出されるパルスの列が形成される。パルス光ビーム516の反復率は、電圧が電極513-a及び513-bに印加される率によって決定される。パルスの反復率は、例えば、約500から6,000ヘルツ(Hz)に及び得る。いくつかの実施例においては、反復率は6,000Hzより大きくてもよく、例えば12,000Hz以上であってもよい。光発振器512から放出される各パルスは、例えば、およそ1ミリジュール(mJ)のパルスエネルギを有し得る。
【0080】
[0090] また、光ビーム516は、光のない間隔によって分離された光のパルスのバーストを含み得る。バーストは、数百又は数千の光のパルスを含み得る。バースト内で、光のパルスは、電極513-aと513-bとの間に電位差が形成される率によって決定される反復率を有する。バースト間の時間は、用途によって決定され、例えば、バースト内の2つの連続するパルス間の時間よりも数百倍又は数千倍長いであろう。
【0081】
[0091] 制御システム505は、監視モジュール120からの情報を受信し又はこれにアクセスし、コマンドモジュール130を制御する。コマンドモジュール130は、電気量149(例えばバイアス電流)が用途に適した任意の手法で磁気コア151(
図1A)をリセットするように、バイアス電源142を制御する。例えば、各光パルスが生成される前、一部であるが全部ではない光パルスが生成される前、各パルスバーストが生成される前、一部であるが全部ではない光バーストが生成される前に、所定の時間量の経過に基づいて、又はDUV光学システム500のオペレータからの入力に基づいて、電気量149が決定され得ると共に磁気コア151がリセットされる。いくつかの実施例においては、ウェーハ毎に電気量149が決定され磁気コア151がリセットされる。つまり、磁気コア151は、スキャナ装置580において露光されるウェーハ582を露光する前に、リセットされる。これらの実施例においては、制御システム505は、スキャナ装置580に結合されてもよく、露光のために新しいウェーハがロードされる度にトリガを受信し得る。
【0082】
[0092] ガス状利得媒質519は、用途に必要な波長、エネルギ、及び帯域幅の光ビームを生成するのに適当な任意のガスであり得る。ガス状利得媒質519は1つよりも多くの種類のガスを含んでいてもよく、様々なガスがガス成分として参照される。エキシマ光源の場合には、ガス状利得媒質519は、例えばアルゴン又はクリプトンのような貴ガス(希ガス)、あるいは例えばフッ素又は塩素のようなハロゲンを含有し得る。ハロゲンが利得媒質である実施例においては、利得媒質は、ヘリウムなどのバッファガスの他に、微量のキセノンも含む。
【0083】
[0093] ガス状利得媒質519は深紫外(DUV)域の光を放出する利得媒質であり得る。DUV光は、例えば、約100ナノメートル(nm)から約400nmまでの波長を含み得る。ガス状利得媒質519の具体例は、約193nmの波長の光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長の光を放出するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長の光を放出する塩化キセノン(XeCl)を含む。
【0084】
[0094] 放電チャンバ515の一方の側の分光調整装置595と放電チャンバ515の第2の側の出力カプラ596との間には共振器が形成される。分光調整装置595は、例えば格子及び/又はプリズムなど、放電チャンバ515の分光出力を微調整する回折光学素子を含み得る。回折光学素子は反射型又は屈折型であり得る。いくつかの実施例においては、分光調整装置595は複数の回折光学要素を含む。例えば、分光調整装置595は4つのプリズムを含んでいてもよく、そのうちのいくつかは光ビーム516の中心波長を制御するように構成され、そのうちの他のものは光ビーム516の分光帯域幅を制御するように構成されている。
【0085】
[0095] 光ビーム516の分光特性は他の手法で調整されてもよい。例えば、光ビーム516の分光帯域幅及び中心波長などの分光特性は、チャンバ515のガス状利得媒質の圧力及び/又はガス濃度を制御することによって調整され得る。光発生モジュール510がエキシマ光源である実施例については、光ビーム516の分光特性(例えば分光帯域幅又は中心波長)は、例えば、チャンバ515内のフッ素、塩素、アルゴン、クリプトン、キセノン、及び/又はヘリウムの圧力及び/又は濃度を制御することによって調整され得る。
【0086】
[0096] ガス状利得媒質519の圧力及び/又は濃度はガス供給システム590によって制御可能である。ガス供給システム590は、流体導管589を介して放電チャンバ515の内部に流体結合される。流体導管589は、ガス又は他の流体を、その流体の損失無しに又は最小の損失で輸送することができる、任意の導管である。例えば、流体導管589は、流体導管589で輸送される1つ又は複数の流体と反応しない材料で作製又はコーティングされたパイプであり得る。ガス供給システム590は、利得媒質519において用いられる1つ又は複数のガスを含有する及び/又はその供給を受けるように構成されたチャンバ591を含む。ガス供給システム590は、ガス供給システム590が放電チャンバ515からガスを除去すること又は同チャンバ内にガスを噴射することを可能にするデバイス(ポンプ、バルブ、及び/又は流体スイッチなど)も含む。ガス供給システム590は制御システム505に結合されている。
【0087】
[0097] 光発振器512は分光分析装置598も含む。分光分析装置598は、光ビーム516の波長を測定又は監視するために用いられ得る測定システムである。
図5Aに示される例においては、分光分析装置598は出力カプラ596から光を受ける。
【0088】
[0098] 光発生モジュール510は他の構成要素及びシステムを含んでいてもよい。例えば、光発生モジュール510はビーム準備システム599を含み得る。ビーム準備システム599はパルスストレッチャを含んでいてもよく、これは時間的にパルスストレッチャと相互作用する各パルスを拡張する。ビーム準備システムは、例えば反射及び/又は屈折光学要素(例えばレンズ及びミラーなど)、及び/又はフィルタなど、光に対して作用することのできる他の構成要素も含み得る。図示される例においては、ビーム準備システム599は露光ビーム516の経路に位置している。しかしながら、ビーム準備システム599はシステム500内の他の場所に設置されてもよい。
【0089】
[0099] システム500はスキャナ装置580も含む。スキャナ装置580はウェーハ582を整形された露光ビーム516Aで露光する。整形された露光ビーム516Aは、露光ビーム516に投影光学システム581を通過させることによって形成される。スキャナ装置580は液浸システム又は乾式システムであり得る。スキャナ装置580は、ウェーハ582に到達する前に露光ビーム516が通過する投影光学システム581と、センサシステム又はメトロロジシステム570とを含む。ウェーハ582はウェーハホルダ583上に保持又は受容される。スキャナ装置580は、例えば、(空調デバイス及び/又は加熱デバイスなどの)温度制御デバイス、及び/又は様々な電気部品のための電源も含み得る。
【0090】
[0100] メトロロジシステム570はセンサ571を含む。センサ571は、例えば帯域幅、エネルギ、パルス長、及び/又は波長など、整形された露光ビーム516Aの特性を測定するように構成され得る。センサ571は、例えば、ウェーハ582における整形された露光ビーム516Aの像を捕捉することのできるカメラ又は他のデバイス、あるいは、ウェーハ582におけるx-y平面内の光エネルギの量を記述するデータを捕捉することのできるエネルギ検出器であり得る。
【0091】
[0101]
図5Bも参照すると、投影光学システム581は、スリット584と、マスク585と、レンズシステム586を含む投影対物システムとを含む。レンズシステム586は1つ以上の光学要素を含む。露光ビーム516はスキャナ装置580に進入してスリット584に衝突し、出力光ビーム516の少なくともいくらかがスリット584を通過して整形された露光ビーム516Aを形成する。
図5A及び
図5Bの例においては、スリット584は矩形であり、露光ビーム516を細長の矩形形状の光ビームに整形し、これが整形された露光ビーム516Aとなる。マスク585は、整形された光ビームのどの部分がマスク585によって透過されどの部分がマスク585によって遮断されるのかを決定するパターンを含む。ウェーハ582上には、ウェーハ582上の放射感応性フォトレジスト材料の層を露光ビーム516Aで露光することによって、マイクロ電子フィーチャが形成される。マスク上のパターンの設計は、所望される具体的なマイクロ電子回路フィーチャによって決定される。
【0092】
[0102]
図5Aに示される構成は、DUVシステム用の構成の一例である。他の実施例が可能である。例えば、光発生モジュール510は、N個の光発振器512を含み得る。ただし、Nは1よりも大きい整数である。これらの実施例では、各光発振器512は、露光ビーム516を形成するビームコンバイナに向けてそれぞれの光ビームを放出するように構成されている。
【0093】
[0103]
図6は、DUVシステムの別の一構成例を示す。
図6は、スキャナ装置580に提供されるパルス光ビーム616を生成する光発生モジュール610を含むフォトリソグラフィシステム600のブロック図である。制御システム505は、システム600の様々な動作を制御するために、光発生モジュール610の様々なコンポーネント及びスキャナ装置580に結合されている。光発生モジュール610は切り替えネットワーク450と共に使用される。
【0094】
[0104] 光発生モジュール610は、シード光ビーム618をパワー増幅器(PA)612_2に提供する主発振器(MO)612_1を含む2ステージレーザシステムである。PA612_2は、MO612_1からシード光ビーム618を受けてそのシード光ビーム618を増幅し、スキャナ装置580で使用される光ビーム616を発生させる。例えば、いくつかの実施例においては、MO612_1は、毎パルスおよそ1ミリジュール(mJ)のシードパルスエネルギを有するパルスシード光ビームを放出し得、これらのシードパルスはPA612_2によって約6から15mJに増幅され得るが、他の例においては他のエネルギが使用されてもよい。
【0095】
[0105] MO612_1は、2つの細長い電極613a_1及び613b_1と、ガス混合物である利得媒質619_1(
図6において薄いドットのシェーディングで示される)と、ガス混合物を電極613a_1,613b_1間で循環させるための送風機(図示しない)とを有する放電チャンバ615_1を含む。放電チャンバ615_1の一方の側のライン狭隘化モジュール695と放電チャンバ615_1の第2の側の出力カプラ696との間には共振器が形成される。
【0096】
[0106] 放電チャンバ615_1は、第1のチャンバ窓663_1及び第2のチャンバ窓664_1を含む。第1及び第2のチャンバ窓663_1及び664_1は、放電チャンバ615_1の対向する側部にある。第1及び第2のチャンバ窓663_1及び664_1は、DUV範囲の光を透過させると共に、DUV光が放電チャンバ615_1に出入りすることを可能にする。
【0097】
[0107] ライン狭隘化モジュール695は、放電チャンバ615_1のスペクトル出力を微調整する格子などの回折光学素子を含み得る。光発生モジュール610は、出力カプラ696及びビーム結合光学システム669から出力光ビームを受ける線中心分析モジュール668も含む。線中心分析モジュール668は、シード光ビーム618の波長を測定又は監視するために用いられ得る測定システムである。線中心分析モジュール668は、光発生モジュール610内の他の場所に設置されてもよいし、又は光発生モジュール610の出力に設置されてもよい。
【0098】
[0108] 利得媒質619_1であるガス混合物は、用途に必要とされる波長及び帯域幅の光ビームを生成するのに適当な任意のガスであり得る。エキシマ光源の場合には、ガス混合物は、例えばアルゴン又はクリプトンのような貴ガス(希ガス)、例えばフッ素又は塩素のようなハロゲン、及びヘリウムのようなバッファガスを除く少量のキセノンを含有していてもよい。ガス混合物の具体例は、約193nmの波長の光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長の光を放出するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長の光を放出する塩化キセノン(XeCl)を含む。よって、光ビーム616及び618は、この実施例ではDUV範囲内の波長を含む。エキシマ利得媒質(ガス混合物)は、細長い電極613a_1,613b_1への電圧の印加によって、高電圧放電における短い(例えばナノ秒)電流パルスでポンピングされる。
【0099】
[0109] PA612_2は、MO612_1からシード光ビーム618を受けそのシード光ビーム618を放電チャンバ615_2を通じてビーム折り返し光学素子692へと誘導するビーム結合光学システム669を含み、ビーム折り返し光学素子は、シード光ビーム618の方向を、放電チャンバ615_2内へと送り返されるように修正又は変更する。ビーム折り返し光学素子692及びビーム結合光学システム669は循環閉ループ光経路を形成し、その経路内ではリング増幅器への入力がビーム結合光学システム669でリング増幅器の出力と交差する。
【0100】
[0110] 放電チャンバ615_2は、1対の細長い電極613a_2及び613b_2と、利得媒質619_2(
図6において薄いドットのシェーディングで示される)と、利得媒質619_2を電極613a_2,613b_2間で循環させるための送風機(図示しない)とを含む。利得媒質619_2を形成するガス混合物は、利得媒質619_1を形成するガス混合物と同一であってもよい。
【0101】
[0111] 放電チャンバ615_2は、第1のチャンバ窓663_2及び第2のチャンバ窓664_2を含む。第1及び第2のチャンバ窓663_2及び664_2は、放電チャンバ615_2の対向する側部にある。第1及び第2のチャンバ窓663_2及び664_2は、DUV範囲の光を透過させると共に、DUV光が放電チャンバ615_2に出入りすることを可能にする。
【0102】
[0112] 利得媒質619_1又は619_2が、電極613a_1,613b_1又は613a_2,613b_2間にそれぞれ電位差を作り出すことによってポンピングされるとき、利得媒質619_1及び/又は619_2は光を放出する。パルスの反復率は、様々な用途に関して約500Hzから6,000Hzに及ぶであろう。いくつかの実施例においては、反復率は6,000Hzより大きくてもよく、例えば12,000Hz以上であり得るが、他の実施例においては他の反復率が使用されてもよい。
【0103】
[0113] 電極613a_1と613b_1との間の電位差は、
図4に関して述べた整流子470_1及び圧縮ヘッド472_1を使用して作り出される。電極613a_2と613b_2との間の電位差は、
図4に関して述べた整流子470_2及び圧縮ヘッド472_2を使用して作り出される。磁気コア451a_1,451a_2,451b_1,及び451b_2の各々の磁化は、上述のように、それぞれのバイアス電流449a_1,449a_2,449b_1,及び449b_2を使用して制御される。磁気コア451a_1,451a_2,451b_1,及び451b_2の磁化を制御することは、MO612_1及びPA612_2の動作が効率的且つ適切に同期され協調することを保証するのに役立つ。例えば、MOチャンバ612_1及びPAチャンバ612_2のそれぞれの動作条件に基づくバイアス電流でコア451a_1,451a_2及びコア451b_1,451b_2の磁化を制御することは、シード光ビーム618が放電チャンバ615_2に進入するときに利得媒質619_2内に反転分布が存在することを保証するのに役立つ。
【0104】
[0114] 出力光ビーム616は、スキャナ装置580に到達する前に、ビーム準備システム699を通って誘導され得る。ビーム準備システム699は、ビーム616の様々なパラメータ(帯域幅又は波長など)を測定する帯域幅分析モジュールを含み得る。ビーム準備システム699は、出力光ビーム616の各パルスを時間的に拡張するパルスストレッチャも含み得る。ビーム準備システム699は、例えば反射及び/又は屈折光学要素(例えばレンズ及びミラーなど)、フィルタ、並びに光学的開口(自動シャッタを含む)など、ビーム616に対して作用することのできる他の構成要素も含み得る。
【0105】
[0115] DUV光発生モジュール610は、DUV光発生モジュール610の内部678と流体連通するガス管理システム690も含む。
【0106】
[0116]
図7から
図10は、
図6の光発生モジュール610と同様の2ステージレーザシステムで収集された実験データの例である。
図7から
図10にプロットされたデータは、磁気スイッチが順方向飽和に達して電気パルスを生成するための遅延時間である。電気パルスの生成は光パルスの生成に対応する。
【0107】
[0117]
図7から
図10のプロットは、遅延時間を電極電圧(縦軸)及び反復率(横軸)の関数として示す。シェーディングは、観察された遅延時間の量を示す。
図7から
図10の各々は、以下のように遅延時間の9つのプロットを含む。3つのプロットからなる最上行はパルスのバースト内の第1のパルスに関するものであり、3つのプロットからなる中間行はパルスのバースト内の第2のパルスに関するものであり、下の3つのプロットはパルスのバースト内の第3のパルスに関するものである。各行において、最も左側のプロットはMOチャンバ(
図6の放電チャンバ615_1)に関するものであり、中央のプロットはPAチャンバ(
図6の放電チャンバ615_2)に関するものであり、最も右側のプロットはMO遅延時間とPA遅延時間との間の差である。
図7は、230キロパスカル(kPa)の圧力の利得媒質と磁気スイッチの磁気コアに提供される標準バイアス電流とで動作するMO及びPAチャンバから得られた。標準バイアス電流とは、予め設定された一定のバイアス電流である。標準バイアス電流は、光源の動作中に変化し得る電気量(上述した量149など)とは対照的である。
図8は、230kPaの圧力の利得媒質と予め設定されたオーバーバイアスとで動作するMO及びPAチャンバから得られた。一定のオーバーバイアスは、標準バイアス電流よりも大きいバイアス電流であった。よって、
図7及び
図8のデータを比較することによって、動作中にバイアス電流を変化させることの効果が見られる。
【0108】
[0118]
図7及び
図8のデータに基づくと、遅延差は概してバースト内の第1のパルスについてより顕著であり、遅延差はバイアス電流の量によって影響を受けることが明らかである。よって、上述した制御可能な電気量149は、バースト過渡現象の影響を低減するために使用され得る。
【0109】
[0119]
図9のデータは、320kPa及び標準バイアス電流のMO及びPAチャンバで得られた。
図10のデータは、320kPa及び予め設定されたオーバーバイアスのMO及びPAチャンバで得られた。
図9及び
図10のデータを比較すると、遅延差はバースト内の第1のパルスについて最大になる傾向があり、バイアス電流の差は異なる遅延時間をもたらす。また、
図9を
図7と比較すること及び
図10を
図8と比較することも、圧力が遅延時間に影響を与えることを示す。
【0110】
[0120] したがって、上述のように光学源の動作特性に基づくと共に磁気スイッチのインピーダンスを制御するために使用される、制御可能且つ調整可能な電気量149(例えば)は、バースト過渡現象の影響を低減すること及び異なるステージの利得媒質の励起の同期を向上させることによって、2ステージレーザシステムの性能を向上させる。
【0111】
[0121] 以下の条項を使用して、様々な実施形態が更に説明され得る。
1.パルスシード光ビームを生成するように構成された第1の光学サブシステムであって、
第1のガス状利得媒質を保持するように構成された第1のチャンバと、
第1のチャンバ内の第1の励起機構と、
を備える第1の光学サブシステムと、
パルスシード光ビームに基づいてパルス出力光ビームを生成するように構成された第2の光学サブシステムであって、
第2のガス状利得媒質を保持するように構成された第2のチャンバと、
第2のチャンバ内の第2の励起機構と、
を備える第2の光学サブシステムと、
第1の励起機構を作動させるように構成された第1の磁気切り替えネットワークであって、第1の励起機構を作動させることは第1の光学サブシステムにパルスシード光ビームのパルスを生成させる、第1の磁気切り替えネットワークと、
第2の励起機構を作動させるように構成された第2の磁気切り替えネットワークであって、第2の励起機構を作動させることは第2の光学サブシステムにパルス出力光ビームのパルスを生成させる、第2の磁気切り替えネットワークと、
コントローラであって、
第1の光学サブシステム及び第1の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を備える第1の指標に基づいて、第1の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように、及び
第2の光学サブシステム及び第2の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を備える第2の指標に基づいて、第2の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されたコントローラと、
を備えるシステム。
2.コントローラは、第1の励起機構を作動させる前に、第1の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されており、
コントローラは、第2の励起機構を作動させる前に、第2の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の飽和した磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されている、
条項1のシステム。
3.第1の磁気切り替えネットワークは、
第1の可飽和リアクトル及び第1の磁気コアを備える第1の整流子モジュールと、
第2の可飽和リアクトル及び第2の磁気コアを備える第1の圧縮モジュールと、
を備えており、
第2の磁気切り替えネットワークは、
第3の可飽和リアクトル及び第3の磁気コアを備える第2の整流子モジュールと、
第4の可飽和リアクトル及び第4の磁気コアを備える第2の圧縮モジュールと、
を備えており、
コントローラは、
1つ以上の動作特性の第1の指標に基づいて第1の磁気コア及び第2の磁気コアのインピーダンスを調整するように、並びに
1つ以上の動作特性の第2の指標に基づいて第3の磁気コア及び第4の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されている、
条項1のシステム。
4.コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって第1の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されており、1つ以上のコイルの各々は第1の磁気切り替えネットワークの1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、電流の1つ以上の特性は第1の指標に基づいており、
コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって第2の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されており、1つ以上のコイルの各々は第2の磁気切り替えネットワークの1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、電流の1つ以上の特性は第2の指標に基づいている、
条項1のシステム。
5.電流の1つ以上の特性は電流の振幅を備える、条項4のシステム。
6.第1の光学チャンバは加圧された利得媒質を備え、第1の励起機構は2つの電極を備え、第1の光学チャンバの動作特性は、第1の光学チャンバ内の電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、第1の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、第1の光学チャンバ内の利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備え、第1の磁気切り替えネットワークの動作特性は、第1の磁気切り替えネットワーク内の磁気コアのうち1つ以上の温度を備え、
第2の光学チャンバは加圧された利得媒質を備え、第2の励起機構は2つの電極を備え、第2の光学チャンバの動作特性は、第2の光学チャンバ内の電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、第2の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、第2の光学チャンバ内の利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備え、第2の磁気切り替えネットワークの動作特性は、第1の磁気切り替えネットワークの磁気コアのうち1つ以上の温度を備える、
条項1のシステム。
7.第1の光学サブシステムは主発振器を備え、第2の光学サブシステムはパワー増幅器を備える、条項1のシステム。
8.パルスシード光ビーム及びパルス出力光ビームはいずれも、深紫外(DUV)域内の1つ以上の波長を備える、条項1のシステム。
9.第1のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を備え、第2のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を備える、条項8のシステム。
10.第1の光学源の1つ以上の動作特性を測定するように及び第1の光学システムの1つ以上の動作特性の指標をコントローラに提供するように構成された第1の監視モジュールと、
第2の光学源の1つ以上の動作特性を測定するように及び第2の光学システムの1つ以上の動作特性の指標をコントローラに提供するように構成された第2の監視モジュールと、
を更に備える、条項1のシステム。
11.光学源及び磁気切り替えネットワークを備える光学システムの1つ以上の動作特性にアクセスするように構成された監視モジュールと、
コマンドモジュールであって、
磁気切り替えネットワークに磁気的に結合された電気ネットワークに電気量を提供するべく電源を制御するように構成されており、
磁気切り替えネットワークは、励起パルスを光学源に提供するように構成されており、
電気量は磁気切り替えネットワークの磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置き、
電気量の1つ以上の特性は、光学システムの1つ以上の動作特性に基づいている、コマンドモジュールと、
を備える制御システム。
12.光学システムの1つ以上の動作特性は、光学源に提供される励起電圧の大きさと、光学源によって生成されるパルス光ビームの反復率と、磁気コアの温度と、光学源内のガス状利得媒質の圧力とのうちいずれかを備え、
電気量の1つ以上の特性は、振幅及び持続時間を備える、
条項11の制御システム。
13.電気量は電圧又は電流を備える、条項11の制御システム。
14.電気量は直流(DC)電流を備え、DC電流の振幅は光学システムの1つ以上の動作特性に基づく、条項13の制御システム。
15.コマンドモジュールは更に、光学システムの1つ以上の動作特性に基づいてコマンド信号を決定するように、及びコマンド信号に基づいて電源を制御するように構成されている、条項13の制御システム。
16.電気量の1つ以上の特性は振幅及び持続時間を備え、振幅は動作特性のうち1つ以上に依存する値を有し、持続時間は動作特性のうち1つ以上に依存する値を有する、条項15の制御システム。
17.コントローラは、複数のパルスの各々が生成された後に磁気スイッチの磁気コアが非飽和状態又は逆飽和状態に置かれるように、光学システムによって生成されるパルス光ビーム内の複数のパルスの各パルスの後に電源を制御する、条項11の制御システム。
18.複数のパルスは、パルスのバースト内の連続パルスである、条項17の制御システム。
19.複数のパルスは、パルスの第1のバースト内の第1のパルス及びパルスの第2のバースト内の第2のパルスを備える、条項17の制御システム。
20.電気量の1つの特性は、複数のパルスのうちの第1のパルスの後に磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置く第1の値と、複数のパルスのうちの第2のパルスの後に磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置く第2の値とを有し、第1の値は第2の値とは異なる、条項17の制御システム。
21.レーザシステムを備える光学システムの1つ以上の動作特性に基づいて電気量の1つ以上の特性を決定することと、
磁気切り替えネットワークの磁気コアのインピーダンスを、磁気コアに磁気的に結合されたコイルに電気量を提供することによって調整することと、
磁気コアのインピーダンスを調整した後、光のパルスを生成することと、
を備える方法であって、
光のパルスを生成することは、電気パルスがレーザシステムの励起機構に提供されるように磁気コアを飽和させることを備える、方法。
22.電気量は電流を備え、電気量の1つ以上の特性は大きさ又は持続時間を備える、条項21の方法。
23.1つ以上の動作特性は、レーザシステムに提供される励起電圧の大きさと、レーザシステムによって生成されるパルス光ビームの反復率と、磁気コアの温度と、レーザシステムのガス状利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備える、条項21の方法。
24.磁気コアのインピーダンスを調整することは、磁気コアのインピーダンスを所定のレベルに調整することを備える、条項21の方法。
25.磁気コアのインピーダンスを調整することは、磁気コアを逆飽和状態に置くことを備える、条項21の方法。
【0112】
[0122] 前述の及び他の実施例は以下の特許請求の範囲内にある。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスシード光ビームを生成するように構成された第1の光学サブシステムであって、
第1のガス状利得媒質を保持するように構成された第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内の第1の励起機構と、
を備える第1の光学サブシステムと、
前記パルスシード光ビームに基づいてパルス出力光ビームを生成するように構成された第2の光学サブシステムであって、
第2のガス状利得媒質を保持するように構成された第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内の第2の励起機構と、
を備える第2の光学サブシステムと、
前記第1の励起機構を作動させるように構成された第1の磁気切り替えネットワークであって、前記第1の励起機構を作動させることは前記第1の光学サブシステムに前記パルスシード光ビームのパルスを生成させる、第1の磁気切り替えネットワークと、
前記第2の励起機構を作動させるように構成された第2の磁気切り替えネットワークであって、前記第2の励起機構を作動させることは前記第2の光学サブシステムに前記パルス出力光ビームのパルスを生成させる、第2の磁気切り替えネットワークと、
コントローラであって、
前記第1の光学サブシステム及び前記第1の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を備える第1の指標に基づいて、前記第1の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように、及び
前記第2の光学サブシステム及び前記第2の磁気切り替えネットワークのうち1つ以上の、1つ以上の動作特性の指標を備える第2の指標に基づいて、前記第2の磁気切り替えネットワーク内の1つ以上の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成されたコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第1の励起機構を作動させる前に、前記第1の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されており、
前記コントローラは、前記第2の励起機構を作動させる前に、前記第2の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の飽和した磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されている、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記第1の磁気切り替えネットワークは、
第1の可飽和リアクトル及び第1の磁気コアを備える第1の整流子モジュールと、
第2の可飽和リアクトル及び第2の磁気コアを備える第1の圧縮モジュールと、
を備えており、
前記第2の磁気切り替えネットワークは、
第3の可飽和リアクトル及び第3の磁気コアを備える第2の整流子モジュールと、
第4の可飽和リアクトル及び第4の磁気コアを備える第2の圧縮モジュールと、
を備えており、
前記コントローラは、
1つ以上の動作特性の前記第1の指標に基づいて前記第1の磁気コア及び前記第2の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように、並びに
1つ以上の動作特性の前記第2の指標に基づいて前記第3の磁気コア及び前記第4の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されている、
請求項1のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって前記第1の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されており、前記1つ以上のコイルの各々は前記第1の磁気切り替えネットワークの前記1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、前記電流の1つ以上の特性は前記第1の指標に基づいており、
前記コントローラは、1つ以上のコイルに電流を提供することによって前記第2の磁気切り替えネットワーク内の前記1つ以上の磁気コアの前記インピーダンスを調整するように構成されており、前記1つ以上のコイルの各々は前記第2の磁気切り替えネットワークの前記1つ以上の磁気コアのうち1つに磁気的に結合されており、前記電流の1つ以上の特性は前記第2の指標に基づいている、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記第1の光学チャンバは加圧された利得媒質を備え、前記第1の励起機構は2つの電極を備え、前記第1の光学チャンバの前記動作特性は、前記第1の光学チャンバ内の前記電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、前記第1の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、前記第1の光学チャンバ内の前記利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備え、前記第1の磁気切り替えネットワークの前記動作特性は、前記第1の磁気切り替えネットワーク内の前記磁気コアのうち1つ以上の温度を備え、
前記第2の光学チャンバは加圧された利得媒質を備え、前記第2の励起機構は2つの電極を備え、前記第2の光学チャンバの前記動作特性は、前記第2の光学チャンバ内の前記電極のうちの少なくとも1つに印加される電圧パルスの大きさと、前記第2の光学チャンバによって生成されるパルス光ビームの反復率と、前記第2の光学チャンバ内の前記利得媒質の圧力とのうち1つ以上を備え、前記第2の磁気切り替えネットワークの前記動作特性は、前記第1の磁気切り替えネットワークの前記磁気コアのうち1つ以上の温度を備える、
請求項1のシステム。
【請求項6】
前記パルスシード光ビーム及び前記パルス出力光ビームはいずれも、深紫外(DUV)域内の1つ以上の波長を備える、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記第1のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を備え、前記第2のガス状利得媒質は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を備える、請求項
6のシステム。
【請求項8】
前記第1の光学源の前記1つ以上の動作特性を測定するように及び前記第1の光学システムの前記1つ以上の動作特性の前記指標を前記コントローラに提供するように構成された第1の監視モジュールと、
前記第2の光学源の前記1つ以上の動作特性を測定するように及び前記第2の光学システムの前記1つ以上の動作特性の前記指標を前記コントローラに提供するように構成された第2の監視モジュールと、
を更に備える、請求項1のシステム。
【請求項9】
光学源及び磁気切り替えネットワークを備える光学システムの1つ以上の動作特性にアクセスするように構成された監視モジュールと、
コマンドモジュールであって、
前記磁気切り替えネットワークに磁気的に結合された電気ネットワークに電気量を提供するべく電源を制御するように構成されており、
前記前記磁気切り替えネットワークは、励起パルスを前記光学源に提供するように構成されており、
前記電気量は前記磁気切り替えネットワークの磁気コアを非飽和状態又は逆飽和状態に置き、
前記電気量の1つ以上の特性は、前記光学システムの前記1つ以上の動作特性に基づいている、コマンドモジュールと、
を備える制御システム。
【請求項10】
前記光学システムの前記1つ以上の動作特性は、前記光学源に提供される励起電圧の大きさと、前記光学源によって生成される前記パルス光ビームの反復率と、前記磁気コアの温度と、前記光学源内のガス状利得媒質の圧力とのうちいずれかを備え、
前記電気量の前記1つ以上の特性は、振幅及び持続時間を備える、
請求項
9の制御システム。
【請求項11】
前記電気量は電圧又は電流を備える、請求項
9の制御システム。
【請求項12】
前記コマンドモジュールは更に、前記光学システムの前記1つ以上の動作特性に基づいてコマンド信号を決定するように、及び前記コマンド信号に基づいて前記電源を制御するように構成されている、請求項
11の制御システム。
【請求項13】
前記コントローラは、複数のパルスの各々が生成された後に前記磁気スイッチの前記磁気コアが前記非飽和状態又は逆飽和状態に置かれるように、前記光学システムによって生成される前記パルス光ビーム内の前記複数のパルスの各パルスの後に前記電源を制御する、請求項
9の制御システム。
【請求項14】
前記電気量の1つの特性は、前記複数のパルスのうちの第1のパルスの後に前記磁気コアを前記非飽和状態又は逆飽和状態に置く第1の値と、前記複数のパルスのうちの第2のパルスの後に前記磁気コアを前記非飽和状態又は逆飽和状態に置く第2の値とを有し、前記第1の値は前記第2の値とは異なる、請求項
13の制御システム。
【請求項15】
レーザシステムを備える光学システムの1つ以上の動作特性に基づいて電気量の1つ以上の特性を決定することと、
磁気切り替えネットワークの磁気コアのインピーダンスを、前記磁気コアに磁気的に結合されたコイルに前記電気量を提供することによって調整することと、
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整した後、光のパルスを生成することと、
を備える方法であって、
前記光のパルスを生成することは、電気パルスが前記レーザシステムの励起機構に提供されるように前記磁気コアを飽和させることを備える、方法。
【請求項16】
前記電気量は電流を備え、前記電気量の前記1つ以上の特性は大きさ又は持続時間を備える、請求項
15の方法。
【請求項17】
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整することは、前記磁気コアの前記インピーダンスを所定のレベルに調整することを備える、請求項
15の方法。
【請求項18】
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整することは、前記磁気コアを逆飽和状態に置くことを備える、請求項
15の方法。
【国際調査報告】