(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ポンプを有する自動注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A61M5/142 504
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536862
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2021086104
(87)【国際公開番号】W WO2022129285
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ラムゼイ・ブラック
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ダスバッハ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・マーク・ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ティミス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD17
4C066EE01
4C066FF04
4C066HH08
(57)【要約】
本発明は、自動注射器であって、- 流体を有する動作リザーバ(120、220)を受けるように構成された、ハウジング(105)と、- 投薬動作時に動作リザーバ(120、220)から自動注射器の出口(180)に向かってそこを通して流体を押しやるように構成された、ポンプ装置(100、200)とを含む、自動注射器に関する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動注射器であって、
流体を有する動作リザーバ(120、220)を受けるように構成された、ハウジング(105)と、
投薬動作時に動作リザーバ(120、220)から自動注射器の出口(180)に向かってそこを通して流体を押しやるように構成された、ポンプ装置(100、200)と
を含む、前記自動注射器。
【請求項2】
ポンプ装置(100、200)は可動要素(130、230)を含み、該可動要素(130、230)は、該可動要素(130、230)の動きが動作リザーバ(120、220)から出口(180)に流体の少なくとも一部を押しやるように、動作リザーバ(120、220)と動作可能に連結されている、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項3】
予備リザーバ(110)を含み、該予備リザーバは、動作リザーバ(120、220)と流体連絡しており、投薬動作中に動作リザーバ(120、220)に流体を補充するように構成されている、請求項1または2に記載の自動注射器。
【請求項4】
周方向に配設された要素(125、240)を含み、該要素は、回転軸(Xro)を囲み、予備リザーバ(110)にその径方向内側で隣接して配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項5】
可動要素(130、230)を動かすように構成されている渦巻ばね(170)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項6】
可動要素(130、230)は圧搾ユニット(130)を含み、該圧搾ユニットは、
動作リザーバ(120)を圧搾するように構成された圧搾要素(140)を少なくとも1つ有し、
圧搾ユニット(130)は、少なくとも1つの圧搾要素(140)が回転軸(Xro)周りに回転し、それにより動作リザーバ(120)を圧搾して動作リザーバ(120)内で流体が押しやられるように、回転軸(Xro)周りに回転可能である、請求項2~5のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項7】
動作リザーバ(120)が少なくとも1つの圧搾要素(140)によって径方向に圧搾されている間に動作リザーバ(120)を機械的に支持するように、周方向に配設された要素(125)は径方向において動作リザーバ(120)と予備リザーバ(110)との間に配置されている、請求項6に記載の自動注射器。
【請求項8】
回転ギアシステム(150)を含み、該回転ギアシステムは、圧搾ユニット(130)に機械的に連結されており、回転軸(Xro)周りに圧搾ユニット(130)を回転させるように構成されており、圧搾ユニット(130)の回転速度は、回転ギアシステム(150)の歯数比によって決定される、請求項6または7に記載の自動注射器。
【請求項9】
渦巻ばね(170)は、回転ギアシステム(150)に機械的に連結されており、回転エネルギーを回転ギアシステム(150)に供給する、請求項8に記載の自動注射器。
【請求項10】
可動要素(230)はダイヤフラムアクチュエータ(235)を含み、該ダイヤフラムアクチュエータは、動作リザーバ(220)と流体連絡しているダイヤフラムポンプ(200)に組み込まれており、ダイヤフラムアクチュエータ(235)は、回転軸(Xro)に平行に動き、その動きによって流体の少なくとも一部が動作リザーバ(200)からダイヤフラムポンプ(230)を通って出口(180)に流れるように構成されている、請求項2~5のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項11】
周方向に配設された要素(240)は、回転軸(Xro)周りに回転可能であり、機械的案内機能(250)を含み、ダイヤフラムアクチュエータ(235)は、周方向に配設された要素(240)が回転軸(Xro)周りに回転するときにダイヤフラムアクチュエータ(235)が回転軸(Xro)に平行に動かされ、それにより流体が針(180)に向かって流れるように、機械的案内機能(250)に連結されている、請求項10に記載の自動注射器。
【請求項12】
出口駆動機構(300)を含み、該出口駆動機構は、
出口(180)と、
該出口(180)に連結されているかまたは一体化されているインターフェース要素(340)であって、回転軸(Xro)に沿って第1の軸方向位置から第2の軸方向位置に可動である、インターフェース要素(340)と、
該インターフェース要素(340)に動作可能に連結されている、トリガ(320)と
を含み、
該トリガ(320)は、回転軸(Xro)に沿って第1のトリガ位置から第2のトリガ位置に可動であり、
第1のトリガ位置では、インターフェース要素(340)は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置への動きが解放可能にロックされており、
第2のトリガ位置では、インターフェース要素(340)は、第2の軸方向位置に可動であり、
第1のトリガ位置から第2のトリガ位置へのトリガ(320)の動きによって、インターフェース要素(340)が第1の軸方向位置から解放されて、インターフェース要素(340)が第2の軸方向位置まで可動になる、請求項1~11のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項13】
インターフェース要素(340)と機械的に接触している保持要素(360)を含み、
該保持要素(360)は、インターフェース要素(340)に対してブロック位置から解放位置に回転軸(Xro)周りに回転可能であり、
ブロック位置では、インターフェース要素(340)は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置への動きが保持要素(360)によって解放可能にロックされており、
解放位置では、インターフェース要素(340)は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置に可動であり、
第1のトリガ位置から第2のトリガ位置へのトリガ(320)の動きによって、保持要素(360)がブロック位置から解放位置に回転する、請求項12に記載の自動注射器。
【請求項14】
トリガ(320)およびインターフェース要素(340)に動作可能に連結されている出口駆動ユニット(310)を含み、
該出口駆動ユニット(310)は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置にインターフェース要素(340)を動かすためのエネルギーを供給するように構成されており、出口駆動ユニット(310)は、第1の駆動ユニット状態および第2の駆動ユニット状態を有し、
第1の駆動ユニット状態では、出口駆動ユニット(310)にはエネルギーが蓄積されており、インターフェース要素(340)は第1の軸方向位置にあり、保持要素(360)はブロック位置にあり、インターフェース要素(340)は、第2の軸方向位置への動きが妨げられており、
第2の駆動ユニット状態では、保持要素(360)が解放位置にあるときに、インターフェース要素(340)が回転軸(Xro)に沿って第1の軸方向位置から第2の軸方向位置に動かされるように、出口駆動ユニット(310)はインターフェース要素(340)にエネルギーを伝達でき、
第1のトリガ位置から第2のトリガ位置へのトリガ(320)の動きによって、出口駆動ユニット(310)が第1の駆動ユニット状態から第2の駆動ユニット状態に変化する、請求項12または13に記載の自動注射器。
【請求項15】
単回用量を供給するための、使い捨てまたは単回使用のデバイスである、請求項1~14のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項16】
自動注射器は予備リザーバ(110)を含み、該予備リザーバは、動作リザーバ(120、220)と流体連絡しており、投薬動作中に動作リザーバ(120、220)に流体を補充するように構成されており、
自動注射器は周方向に配設された要素(125、240)を含み、該要素は、回転軸(Xro)を囲み、予備リザーバ(110)にその径方向内側で隣接して配置されており、
周方向に配設された要素(125)は、径方向において動作リザーバ(120)と予備リザーバ(110)との間に配置されており、動作リザーバ(120)を機械的に支持する、請求項1~15のいずれか1項に記載の自動注射器。
【請求項17】
圧搾ユニット(130)は、径方向に向けられたアームを含み、
圧搾要素(140)は、アームの一端に配置されたローラであり、
圧搾要素(140)は、回転軸周りに回転しながら同時にさらなる回転軸周りに回転するように構成されており、さらなる回転軸は回転軸に平行であり、
圧搾ユニット(130)は、圧搾要素(140)が動作リザーバ(120)を圧搾するときに、圧搾要素(140)が径方向外側の方向に動作リザーバ(120)を押圧するように配置されている、請求項6または請求項6に従属している請求項7~16のいずれか1項に記載の自動注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプを有する自動注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の薬物送達デバイスでは、カートリッジまたはアンプルに収容された薬物をデバイスから投薬するために、薬物送達デバイスのハウジングに収納できる単一の駆動機構がいくつかのカートリッジまたはアンプルと併せて使用されており、通常、デバイスのカートリッジホルダがハウジングに解放可能に連結され、使用済みカートリッジを交換するためにハウジングから着脱することができる。
【0003】
しかし、この種のデバイスは、カートリッジおよびシリンジを収納するように設計されており、それらの構成要素の形状のため、デバイスの全体的な形状がシリンジおよびカートリッジに適用され、そのことが、通常、デバイスのフォームファクタにとって決定要因になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一目的は、代替的な自動注射器を提供することである。その目的は、本開示によって、特に、独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態および改良は従属請求項に従う。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、自動注射器であって、流体、たとえば液体を有する動作リザーバを受けるように構成された、ハウジングと、投薬動作時に動作リザーバから自動注射器の出口に向かってそこを通して流体を押しやるように構成された、ポンプ装置とを含む、自動注射器に関する。
【0006】
動作リザーバから出口に流体を押しやるためにポンプを使用することは、出口を通して移動予定および送達予定の流体の量をポンプによって制御できるという利点を有する。また、ある程度、リザーバの形状を選択する自由がある。たとえば、シリンジとは異なる形状を有することができる。
【0007】
一実施形態において、動作リザーバは、チューブ、パイプ、またはそれを通して流体を動かすように構成された別の中空形状の本体を含む。
【0008】
一実施形態において、動作リザーバは、可撓性プラスチック、好ましくはエラストマーなど、可撓性材料を含む。動作リザーバは弾性変形可能でよい。すなわち、変形されるときに、動作リザーバはその未変形の形状を取り戻そうとする傾向がある。これは、たとえば蠕動ポンプ装置の場合に、ポンプ装置がその動作中に動作リザーバを変形させることを含むときに特に適切である可能性がある。パウチは、化学的および/または機械的な要件に従ってその内側および外側に特に適合性のある2つ以上の材料を含むことができる。たとえば、パウチの外側に関しては、材料は、圧搾によってパウチに加えられる圧力に対して機械的に頑強でよい。パウチの内側に関しては、パウチに収容される流体との化学反応に関与しない材料が必要とされる場合がある。
【0009】
一実施形態において、出口は、患者に薬剤を投薬するために使用できる針を含む。
【0010】
一実施形態において、ポンプ装置は可動要素を含み、その可動要素は、可動要素の動きが動作リザーバから針に流体の少なくとも一部を押しやるように、動作リザーバと動作可能に連結されている。可動要素は、繰り返すたびに流体の一部が動作リザーバから針に動かされるように、繰り返しの、好ましくは周期的に繰り返しの動きを行うように構成することができる。そのときに、動作リザーバから針に動かされる流体の総量は、繰り返しの回数によって決定することができる。
【0011】
一実施形態において、自動注射器は渦巻ばねを含み、その渦巻ばねは、可動要素を動かすように構成されている。渦巻ばねは、可動要素と一緒に組み立てられるときに付勢可能である。渦巻ばねはトリガを用いて起動でき、したがって、その蓄積された位置エネルギーが運動エネルギーに変化し、それにより可動要素を駆動する。次に、可動要素は、動作リザーバから流体を押しやる。蓄積されたエネルギーに対する渦巻ばねの構成に応じて、動きの全距離を決定することができる。可動要素が動く距離を予め決定することによって、動作リザーバおよび針を通して押しやられる流体の量を間接的に予め決定することができる。流体が薬剤に関係する場合は、薬剤の用量は、たとえば、リザーバのサイズ、またはばねの設計に関連する可動要素の旋回数によって調節することができる。それらの調節は、デバイスを組み立てる工程で行うことができる。デバイスが組み立てられると、その構成によって供給される用量が解放される。
【0012】
一実施形態において、自動注射器は予備リザーバを含み、その予備リザーバは、動作リザーバと流体連絡しており、投薬動作中に動作リザーバに流体を補充するように構成されている。これは、投薬動作のために出口に供給できる流体のより大きい量を利用可能に維持する。
【0013】
動作リザーバは、好都合には、予備リザーバよりも小さい直径を有する。流体が動作リザーバを通して押しやられるときに、予備リザーバの流体は、動作リザーバから押しのけられた流体の量を直接的に置き換える。流体の量がより大きく、予備リザーバの直径がより大きいと、予備リザーバから動作リザーバへの流体圧力が生じる。流体が動作リザーバの外へ動かされるとすぐに、予備リザーバから動作リザーバへの流体の連続的な流れを確立できる。これは、液体の連続的な流れが不可欠であり、同時に、所定の用量を確保する必要がある薬剤投薬が行われるときに重要である。
【0014】
一実施形態において、予備リザーバは、パウチでよい可撓性の一次パックを含む。可撓性の一次パックを採用することは、具体的には壊れやすく破損の恐れのあるガラスシリンジと比べて、頑強性が改善されるという利点を有する。さらに、封止の必要がある開口部をリザーバが注射側に1つしか含まないので、薬物の完全性が改善され、汚染のリスクが低下される。シリンジを有する自動注射器では、さらに、ストッパ側を封止しなければならない。
【0015】
別の利点は、デバイスの形態に合わせてリザーバを調節できるので、操作性の利益を伴う異なる形態に対応できることである。そのコンパクト性および整合性によってPFS公差が大きくなることを避けて、注射のばらつきを低減させる。具体的には、リザーバには、ガラスの代わりに、ガラスに比べて高い正確さで製造できるプラスチックを採用することが可能である。さらに、ストッパが必要とされないので、失速するリスクが低く、ストッパの摩擦がない。リザーバは、空気があればそれをなくす真空充填または容器を閉じる前の蒸気パージによって充填できる。真空充填の場合、パウチは、(たとえば真空によって)引き離すことができ、これがパウチ内に真空を生み出す。これは、連結された容器からパウチ内部に液体を引っ張る。
【0016】
一実施形態において、予備リザーバは、可撓性でよく、特に潰れ可能でよい。潰れ可能のリザーバは、流体がそのリザーバから排出されるかまたは取り除かれるにつれて小さくなる内側断面を有することができる。リザーバが空になると、リザーバの直径を画成する、以前は離間していた内面は互いに接触することができる。
【0017】
一実施形態において、動作リザーバおよび予備リザーバは、自動注射器の出口への流体連結および互いに対する流体相互連結は別にして、外部に対して閉じることができる。
【0018】
一実施形態において、自動注射器は、周方向に配設された要素を含み、その要素は、回転軸を囲み、予備リザーバにその径方向内側で隣接して配置されている。これは、予備リザーバの安定した配置を保証し、包装の効率をもたらす。
【0019】
一実施形態において、可動要素は圧搾ユニットを含み、その圧搾ユニットは、動作リザーバを圧搾するように構成された圧搾要素を少なくとも1つ有し、圧搾ユニットは、少なくとも1つの圧搾要素が回転軸周りに回転し、それにより動作リザーバを圧搾して動作リザーバ内で流体が押しやられるように、回転軸周りに回転可能である。流体そのものよりも動作リザーバを圧搾することが有利である。こうした構成においては、流体は、動作リザーバに向かう圧搾要素の間接的な動きによって動かされる。流体は、閉ループに維持することができ、針を退出するときに初めて解放される。圧搾要素の回転はさらに、動作リザーバの圧搾が繰り返し可能であり、それにより流体の動きが可能であるという利点を有する。
【0020】
圧搾要素は、ローラを含むことができるか、またはローラとすることができる。圧搾要素は、回転軸周りに回転しながら同時にさらなる回転軸周りに回転するように構成することができる。そのさらなる回転軸は、圧搾要素を通って延びることができる。回転軸は、圧搾要素の外側にあってよい。さらなる回転軸は、回転軸に平行に延びることができるか、または回転軸との間に鋭角を、たとえば10°未満を成すことができる。
【0021】
圧搾ユニットは、径方向に延びるかまたは径方向に向けられたアームを含むことができる。アームは、回転軸により近い第1の端部と、第1の端部に対して径方向外側に位置する、すなわち、回転軸までより遠い第2の端部とを有することができる。圧搾要素は、アームの一端に、たとえばアームの第2の端部に配置することができる。
【0022】
圧搾ユニットは、このようなアームを2つ以上、たとえば3つ含むことができる。アームはそれぞれ、圧搾要素に割り当てることができる。アームは、回転軸の周りに対称的に配置することができる。
【0023】
圧搾ユニットは、圧搾要素が動作リザーバを圧搾すると、圧搾要素が径方向外側の方向において動作リザーバに押圧するように配置することができる。言い換えると、動作リザーバは、圧搾されると、径方向に圧縮されかつ/または軸方向に伸長される。
【0024】
一実施形態において、動作リザーバは、効果的に圧搾できるように可撓性材料を含む。回転軸周りの圧搾要素の回転は、動作リザーバの関連する圧搾を保証する。
【0025】
圧搾要素を有する動作リザーバを含むポンプ装置は、蠕動ポンプを含むことができる。
【0026】
一実施形態において、動作リザーバは、回転軸の周りで周方向に配置されている。このように、回転軸周りに回転可能な圧搾要素は、動作リザーバを連続的に圧搾でき、それにより針を通る流体の連続的な流れを引き起こす。動作リザーバは、回転軸の周りで周方向に配置することができ、円弧の断面を含む。このような構成において、予備リザーバは、動作リザーバに対して径方向外側に配置することができる。予備リザーバも、回転軸の周りで周方向に配置することができる。予備リザーバも、円弧の断面を含むことができ、予備リザーバの一端は、動作リザーバと流体連絡しており、それによりより大きく、径方向のより外側に配置された予備リザーバが、径方向内側に載置されたより小さい円弧半径を含む動作リザーバと連結される。予備リザーバおよび動作リザーバは、渦巻き形の配置を含む。動作リザーバの開放された終端部は針に連結されている。
【0027】
一実施形態において、周方向に配設された要素は、径方向において、動作リザーバと予備リザーバとの間に配置されている。周方向に配設された要素は、動作リザーバおよび/または予備リザーバと機械的に接触することができる。たとえば、周方向に配設された要素は、たとえば動作リザーバが少なくとも1つの圧搾要素によって径方向に圧搾されている間にそれを機械的に支持する。
【0028】
圧搾要素の回転中に、動作リザーバは圧搾され、それにより径方向外側に押される。周方向に配設された要素は、径方向外側に配置されており、好ましくは、動作リザーバに隣接している。径方向外側に押された動作リザーバは、周方向に配設された要素によって機械的に支持することができる。そのことは、動作リザーバの一部分が外側に動かされることを保証するだけでなく、動作リザーバに向かう圧搾要素の力が確実に伝達されて圧搾を行い、その結果、流体が動作リザーバを通って動くことも保証する。
【0029】
一実施形態において、周方向に配設された要素は筒状壁を含む。筒形状は、回転軸の周りの方向に均一の面をもたらす。筒状壁は円弧の断面を有することができる。
【0030】
一実施形態において、少なくとも1つの圧搾要素はローラを含み、ローラは、動作リザーバを圧搾するように構成されている。ローラは、動作リザーバを圧搾するために動作リザーバと直接的に接触するように、圧搾ユニットの径方向外側の終端部に配置できる。圧搾ユニットが回転軸周りに回転するときに、ローラは動作リザーバを圧搾する。ローラ自体は、その独自の回転軸周りに回転し、その回転軸は圧搾ユニットの回転軸から径方向にオフセットしており、ローラを通って延びる。ローラは、圧搾ユニットとは反対の回転方向に回転することができる。回転する圧搾ユニットと一緒にローラが圧搾ユニットの回転軸周りに動かされている間に、ローラのローリング機能は、ローラと動作リザーバとの間の摩擦によって引き起こされる抵抗を低減させる。
【0031】
一実施形態において、圧搾ユニットは、圧搾要素を少なくとも2つ含む。圧搾要素は、好ましくは角度方向にオフセットした位置で、動作リザーバを同時に圧搾するように構成されている。これは、動作リザーバを通る流体の連続的な動きが維持されることを保証する。
【0032】
一実施形態において、圧搾ユニットは、圧搾要素を3つ含み、圧搾要素は、回転軸の周りの円形の経路に配置されている。3つの圧搾要素は、円に沿って互いに等間隔に配置することができる。好ましくは、2つの圧搾要素はそれぞれ120°の角度だけ離れている。圧搾要素間の3つの間隔は90°、130°、および70°とすることも可能である。4つ以上の圧搾要素があることも可能である。
【0033】
一実施形態において、渦巻ばねは、圧搾ユニットに機械的に連結されており、圧搾ユニットに回転エネルギーを供給して圧搾ユニットを回転方向に駆動する。可動要素と一緒に組み立てられるときに、渦巻ばねを付勢することができる。渦巻ばねはトリガを用いて起動でき、したがって、その蓄積された位置エネルギーが運動エネルギーに変化し、それにより圧搾ユニットを駆動する。次に、圧搾ユニットおよび圧搾要素は、動作リザーバから流体を押しやる。蓄積されたエネルギーに対する渦巻ばねの構成に応じて、動きの全距離を決定することができる。圧搾要素が動く距離を予め決定ことによって、動作リザーバおよび針を通して押しやられる流体の量を間接的に予め決定することができる。流体が薬剤に関係する場合は、薬剤の用量は、たとえば、リザーバのサイズ、またはばねの設計に関連する可動要素の旋回数によって調節することができる。それらの調節は、デバイスを組み立てる工程で行うことができる。デバイスが組み立てられるときに、用量が設定される。
【0034】
一実施形態において、自動注射器は回転ギアシステムを含み、回転ギアシステムは、圧搾ユニットに機械的に連結されており、回転軸周りに圧搾ユニットを回転させるように構成されており、圧搾ユニットの回転速度は、回転ギアシステムの歯数比によって決定される。回転ギアシステムの歯数比は、回転ギアシステムを回すために必要な力を低減できるように調節することができ、回転ギアシステムは、圧搾ユニットを駆動し、それにより動作リザーバおよび流体の抵抗を補償する。これは、圧搾ユニットを駆動するために限られた量のエネルギーしか蓄積されていないエネルギー源を用いて圧搾ユニットが回される場合に有利である。このようなエネルギー源は渦巻ばねとすることができ、その渦巻ばねは、回転ギアシステムに機械的に連結されており、回転ギアシステムに回転エネルギーを供給する。
【0035】
一実施形態において、回転ギアシステムは、回転軸周りに回転する軸を含む遊星ギアシステムを含むことができる。
【0036】
一実施形態において、可動要素はダイヤフラムアクチュエータを含み、そのダイヤフラムアクチュエータは、動作リザーバと流体連絡しているダイヤフラムポンプに組み込まれており、ダイヤフラムアクチュエータは、軸方向に、たとえば回転軸に平行に動き、その動きによって流体の少なくとも一部が動作リザーバからダイヤフラムポンプを通って針に流れるように構成されている。ダイヤフラムポンプのハウジングは、静止して配置でき、対応するダイヤフラムアクチュエータおよびダイヤフラムは動いている。ダイヤフラムポンプの原理によれば、ダイヤフラムの動きは傾斜しており、好ましくはポンプのハウジング内での流体の動きの方向に垂直である。したがって、ダイヤフラムポンプは、動作中にほんの小さい空間だけを必要とする。
【0037】
一実施形態において、周方向に配設された要素は、回転軸周りに回転可能であり、機械的案内機能を含み、ダイヤフラムアクチュエータは、周方向に配設された要素が回転軸周りに回転するときにダイヤフラムアクチュエータが回転軸に平行に動かされ、それにより流体が針に向かって流れるように、機械的案内機能に連結されている。
【0038】
ダイヤフラムアクチュエータの動きは、回転軸に平行なある方向に動き、その後、回転軸平行な反対方向に動くような変動でよい。
【0039】
ダイヤフラムポンプを使用することは、動作リザーバに外的負荷が加えられないので有利である。流体の流れは、専ら、ダイヤフラムを押したり引いたりして動作リザーバを通る流体の動きを引き起こす、ダイヤフラムアクチュエータの動きを通して起こる。また、こうした構成は、別個のギアリングシステムを必要としない。こうしたポンプ装置は、蠕動ポンプ装置と比べてトルク要件が低く、ポンプ効率が高く、より小さいデバイスサイズを促進する。
【0040】
一実施形態において、機械的案内機能は、正弦曲線の周方向案内機能を含む。これは、ダイヤフラムアクチュエータの周期的な動きおよび/または動作リザーバを通る流体の連続的な流れの供給を保証する。
【0041】
周方向に配設された要素が時計回りに回転するときに、案内機能の正弦曲線の形態は、ダイヤフラムアクチュエータを波に従って上方向に動かすことができる。これは、動作リザーバから流体を引き込んで、ダイヤフラムを充填する。周方向に配設された要素が回転し続けると、正弦曲線の形態はある時点でダイヤフラムアクチュエータを下向きに動かして、ポンプから薬物を押し出す。周方向に配設された要素が回転し続けると、ダイヤフラムアクチュエータは再び上向きに動いて、ポンプを再充填する。軸に沿った異なる方向を向く案内機能の2つの軸方向端面は、デバイスの動作中にアクチュエータの動きを案内することができる。一方の軸方向端部は、上方向に、すなわち、流体またはハウジングから離れる方の動きを案内でき、他方は、下方向の動きを案内することができる。
【0042】
周方向に配設された要素は、回転軸周りに回転可能な筒状カムを含むことができる。
【0043】
一実施形態において、機械的案内機能は、周方向に配設された要素の径方向内側または径方向外側に配置されている。これは、そのときにダイヤフラムポンプも筒状カムの径方向内側に配置されているので、組み込まれたデバイスを支持する。
【0044】
一実施形態において、機械的案内機能は、溝またはリッジを含む。溝は、溝に係合する単純なピンを用いてダイヤフラムアクチュエータとの機械的な連結を確立できるという利点を有する。リッジは、リッジの2つの側から機械的連結を固定する必要があり、これは溝に入る単一のピンよりも安定する可能性があるという利点を有する。
【0045】
一実施形態において、動作リザーバおよび予備リザーバは、回転軸に垂直な共通の平面に配置されており、当てはまる場合は、動作リザーバのうちの出口近くの端部分は別であり、その端部分は針に連結することができる。
【0046】
一実施形態において、自動注射器は出口駆動機構を含み、その出口駆動機構は、
- 出口と、
- 出口に連結されているかまたは一体化されている、インターフェース要素であって、回転軸に沿って第1の軸方向位置から第2の軸方向位置に可動である、インターフェース要素と、
- インターフェース要素に動作可能に連結されている、トリガであって、回転軸に沿って第1のトリガ位置から第2のトリガ位置に可動である、トリガと
を含み、
○第1のトリガ位置では、インターフェース要素は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置への動きが解放可能にロックされており、
○第2のトリガ位置では、インターフェース要素は、第2の軸方向位置に可動であり、
○第1のトリガ位置から第2のトリガ位置へのトリガの動きによって、インターフェース要素が第1の軸方向位置から解放されて、インターフェース要素が第2の軸方向位置に可動になる。
【0047】
出口は針を含むことができる。インターフェース要素は、インターフェース機能を少なくとも1つ含むことができる。インターフェース要素はニードルホルダを含むことができる。インターフェース機能は、ニードルホルダ面を含むことができ、ニードルホルダ面は、ニードルホルダに配置されており、回転軸に対して直角に向けられている。好ましくは、ニードルホルダはニードルホルダレッジを含み、ニードルホルダ面はニードルホルダレッジに配置されている。ニードルホルダは、ニードルホルダレッジを2つ含むことができ、ニードルホルダレッジは、回転軸に対して互いに反対側に配置されており、それぞれがニードルホルダ面を含む。ニードルホルダは、筒状本体を含むことができ、その軸は回転軸である。2つのニードルホルダレッジは、ニードルホルダの筒状本体の径方向外側に配置されている。ニードルホルダは、回転軸に沿ったトリガの動きを案内するための、機械的な案内、たとえば筒状本体の径方向外側にある軸方向の溝を含むことができる。
【0048】
トリガは、ボタン、1つまたはそれ以上のトリガアーム、および1つまたはそれ以上のトリガインターフェースを含むことができる。トリガアームはボタンから延びることができる。好ましくは、トリガは、トリガアームを2つ含む。トリガインターフェースは、トリガアームの終端部に配置されている。トリガインターフェースは、傾斜したトリガ面を含むことができる。
【0049】
トリガが回転軸に沿って動くと、ニードルホルダの機械的案内によってトリガアームを案内することができ、ニードルホルダの機械的案内は、トリガアームを回転不能にする。トリガアームはベース要素によって回転不能にされることも可能であり、そのベース要素は、機械的案内を含み、デバイスのハウジングに固定されているかまたはそれと一体化されている。ベース要素は、ベース要素本体を含むことができ、ベース要素本体は、ハウジングに固定されているかまたはそれと一体化されている。ベース要素本体は、孔を含むことができ、その孔は、回転軸上に配置することができ、針が回転軸に沿って孔を通って可動になるように構成されている。孔は、外部に対して孔およびハウジングを封止する封止部によって、封止することができる。針が駆動ばねによって孔の方向に動かされるときに、針によって封止部を貫通できる。ベース要素は、ベース要素アームを含むことができ、ベース要素アームは、ベース要素本体からデバイスのハウジングの内側に向かって延びる。ベース要素アームは、回転軸の周りに配置されており、間隔を有するように離間配置されている。ベース要素アーム間の間隔は、組み立てられた状態において、トリガアームの径方向外側部材を軸方向に案内するためにそれら部材を受けるように構成されている。組み立てられた状態では、ニードルホルダレッジは、ベース要素アーム間の他の間隔に受け入れられ、ベース要素に対して回転不能にされており、ベース要素がハウジングに固定されているかまたはそれと一体化されているので、ニードルホルダレッジおよびニードルホルダは、ハウジングに対して回転不能にされている。
【0050】
トリガが第1のトリガ位置から第2のトリガ位置に動かされるときに、出口駆動機構は、注射のためにある位置まで動くように針の解放を有効にする。針の偶発的な動きを避けるために、ニードルホルダは、トリガがその第2のトリガ位置に動かされるまで、第1の軸方向位置にロックされている。
【0051】
一実施形態において、自動注射器は保持要素を含み、その保持要素は、インターフェース要素と機械的に接触しており、
- 保持要素は、インターフェース要素に対してブロック位置から解放位置に回転軸周りに回転可能であり、
- ブロック位置では、インターフェース要素は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置への動きが保持要素によって解放可能にロックされており、
- 解放位置では、インターフェース要素は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置に可動であり、
- 第1のトリガ位置から第2のトリガ位置へのトリガの動きによって、保持要素がブロック位置から解放位置に回転する。
【0052】
保持要素は、トリガ面の1つと相互作用するように構成された第1の保持インターフェースを少なくとも1つ含むことができる。保持要素はカラーを含むことができる。カラーは、1つまたはそれ以上のカラートリガアーム、好ましくは2つのトリガアームを含み、それらのアームは回転軸に対して互いに反対側に配置されている。1つまたはそれ以上のカラートリガアームは、第1の保持インターフェースを含む。第1の保持インターフェースは、第1の保持面を含むことができ、第1の保持面は、傾斜した保持面でよく、回転軸に沿って傾斜したトリガ面でよいトリガインターフェースに対向する。傾斜したトリガ面は、傾斜した保持面と相互作用するように構成されている。傾斜したトリガ面および傾斜した保持面は、互いの上で摺動するように構成され、そのように向けられている。トリガが第1のトリガ位置から第2のトリガ位置に動かされるときに、傾斜したトリガ面および傾斜した保持面は、傾斜したトリガ面が傾斜した保持面に押し付けられるように機械的に接触する。それらの面が互いの上で摺動すると、傾斜した保持面およびカラートリガアームに軸方向の力を加えるトリガアームおよび傾斜したトリガ面の軸方向運動によって、回転軸周りにカラートリガアームおよびカラーが回転する。カラーの回転は、回転不能にされているニードルホルダおよびニードルホルダレッジに対するものである。
【0053】
トリガ面および保持面のうちの一方だけが傾斜していることも可能である。
【0054】
保持要素はさらに、第2の保持インターフェースを少なくとも1つ含み、第2の保持インターフェースは、インターフェース要素と、具体的には、ニードルホルダレッジの面でよいインターフェース機能と相互作用するように構成されている。保持要素は、1つまたはそれ以上のカラー保持アーム、好ましくは2つの保持アームを含むことができ、それらのアームは、回転軸に対して互いに反対側に配置されている。カラー保持アームはそれぞれ、第2の保持インターフェースを含み、第2の保持インターフェースは、第2の保持面を含むことができる。第2の保持面はそれぞれ、ニードルホルダ面でよいインターフェース機能に対向する。ニードルホルダの第1の軸方向位置では、カラー保持アームがニードルホルダに対して回転するときに、ニードルホルダ面が第2の保持面の上で摺動するように、ニードルホルダ面は第2の保持面と機械的に接触している。それにより第2の保持面は、ニードルホルダ面の軸方向の動きをブロックする。
【0055】
1つまたはそれ以上のカラートリガアームおよび1つまたはそれ以上のカラー保持アームは、回転軸の周りに交互に配置されており、それぞれ隣り合うカラートリガアームとカラー保持アームとはある間隔だけ離れている。その間隔は、ニードルホルダレッジおよび/またはトリガアームを受けるように構成されている。
【0056】
出口駆動機構の組み立てられた状態では、カラーは、ベース要素内で回転できるように、ベース要素アームによって囲まれた容積の内側に配置されている。
【0057】
トリガが第1のトリガ位置から第2のトリガ位置に動かされると、カラートリガアームに加えられた力によって、カラートリガアームがニードルホルダおよびニードルホルダレッジに対して回転する。回転はニードルホルダレッジがカラーの間隔に対向するまで続く。
【0058】
さらに、ニードルホルダレッジは、ニードルホルダの第1の軸方向位置において軸方向運動がカラー保持アームによってブロックされている。さらに、保持要素の解放位置では、駆動ばねはニードルホルダを第2の軸方向位置に動かす。カラーのブロック位置および解放位置は、軸方向位置ではなく、回転/角度だけが異なる。
【0059】
トリガインターフェースはさらに、トリガおよびそのインターフェースの軸方向運動を保持要素の回転運動に変換するように構成されている。トリガインターフェースは、カラーと機械的に相互作用できるように回転軸に沿って延びるアームを含むことができる。
【0060】
カラーは、針の偶発的な動きに関して付加的な安全性をもたらす。ニードルホルダはカラーが回転運動を受けたときにのみ解放され、その回転運動はトリガの軸方向運動に依存する。ニードルホルダは、回転不能にされているので、そのままでは回転することができない。さらに、カラーのブロック位置において、カラー保持アームの表面は、圧縮された駆動ばねによってニードルホルダレッジの表面に向かって押圧される。これは、カラーが偶発的に回転できないことを保証する。
【0061】
一実施形態において、自動注射器は出口駆動ユニットを含み、その出口駆動ユニットは、トリガおよびインターフェース要素に動作可能に連結されており、
- 出口駆動ユニットは、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置にインターフェース要素を動かすためのエネルギーを供給するように構成されており、出口駆動ユニットは、第1の駆動ユニット状態および第2の駆動ユニット状態を有し、
- 第1の駆動ユニット状態では、出口駆動ユニットにはエネルギーが蓄積されており、インターフェース要素は第1の軸方向位置にあり、保持要素はブロック位置にあり、インターフェース要素は、第2の軸方向位置への動きが妨げられており、
- 第2の駆動ユニット状態では、保持要素が解放位置にあるときに、インターフェース要素が回転軸に沿って第1の軸方向位置から第2の軸方向位置に動かされるように、出口駆動ユニットはインターフェース要素にエネルギーを伝達でき、
- 第1のトリガ位置から第2のトリガ位置へのトリガの動きによって、出口駆動ユニットが第1の駆動ユニット状態から第2の駆動ユニット状態に変化する。
【0062】
出口駆動ユニットは駆動ばねを含むことができる。駆動ばねは、回転軸に沿ってトリガとニードルホルダとの間に配置することができる。ニードルホルダが第1の軸方向位置にあるときに、駆動ばねは、駆動ばねが圧縮されている第1の駆動ユニット状態にある。ニードルホルダが解放されて第2の軸方向位置に動くことができるときは、駆動ユニットは第2の駆動ユニット状態にあり、そこで、駆動ばねは伸長し、機械的エネルギーをニードルホルダに伝達することができる。伸長する駆動ばねの力の下で、ニードルホルダは、回転軸に沿ってその第2の軸方向位置に動く。
【0063】
ニードルホルダの解放がトリガによって開始されると、次いで、ニードルホルダは、駆動ばねによって第2の軸方向位置に動かされる。その第2の軸方向位置は、注射および投薬のための位置とすることができる。このように、トリガは、自動的に起こる注射を開始し、トリガがニードルホルダの解放を開始すると駆動ばねによって駆動される。
【0064】
一実施形態において、トリガは、流体の投薬を引き起こすこともできる。
【0065】
一実施形態において、ハウジングは、全体的なベースを有する形状を有することができ、そのベースは、長手方向軸に沿って延びる高さよりも直径が大きい。一実施形態において、その形状は、筒、具体的には、縁部の丸い筒を含む。
【0066】
一実施形態において、自動注射器は、単回用量を供給するための、使い捨てまたは単回使用のデバイスである。
【0067】
ここで、添付の図面を参照しながら単なる例として実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1A】
図1Aから
図1Fは、蠕動ポンプ装置の概略図を示す。概略的な蠕動ポンプ装置の上面図を示す。
【
図1C】遊星ギアを有する蠕動ポンプ装置の上面斜視図を示す。
【
図1D】遊星ギアを有する蠕動ポンプ装置の底面斜視図を示す。
【
図1E】渦巻ばねを有する遊星ギアの斜視図を示す。
【
図1F】蠕動ポンプ装置および針駆動機構の断面図を示す。
【
図2B】ダイヤフラムポンプ装置および針駆動機構の断面図を示す。
【
図2C】渦巻ばねを有するダイヤフラムポンプ装置の斜視図を示す。
【
図3A】異なる動作位置にあるダイヤフラムポンプの切欠図を示す。
【
図3B】異なる動作位置にあるダイヤフラムポンプの切欠図を示す。
【
図3C】異なる動作位置にあるダイヤフラムポンプの切欠図を示す。
【
図4B】第1の状態にあり、ベース要素と組み立てられた、駆動ばねを有する針駆動機構の図を示す。
【
図4C】第1の状態にある駆動ばねを有する針駆動機構の図を示す。
【
図4D】第2の状態にある駆動ばねを有する針駆動機構の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図および以下の説明の全体を通して同じ参照番号は同じ構成に該当する。
【0070】
図1Aは、本開示の第1の実施形態の上面図を示す。図は概略的な蠕動ポンプ装置100を示す。圧搾ユニット130が、回転軸Xro周りに回転可能に配置されている。圧搾ユニット130は3つのローラ140を含む。圧搾ユニット130は3つのアームを含み、アームは径方向外側に延びる。ローラ140はそれぞれ、回転軸Xroに対して圧搾ユニット130の1つのアームの径方向外側の終端部に配置されている。ローラ140は、圧搾ユニット130と一緒に回転軸Xro周りに回転することができる。この回転中に、ローラはまた、それらの独自の回転軸周りに回転軸Xroの反対方向に回転する。ローラ140は、約120°の角度で離れるように、回転軸Xroの周りで周方向に均等に分布されている。ローラ140は、様々な角度で離れることもできる。ローラ140は、回転軸Xroを中心とした圧搾ユニット130の回転に加えて、それらの独自の回転軸周りに別々に回転することができる。ローラ140は、径方向外側の方向にチューブ120を圧搾するように構成されている。チューブ120は、流体材料、たとえば液体薬剤または薬剤製剤を含む。ローラ140がチューブ120を圧搾できるように、チューブ120は、回転軸Xroの周りで回転軸Xroから径方向に離して配置されている。チューブ120は、円弧の断面を含む。チューブ120の一方の終端部は針180と流体連絡している。その終端部は、チューブ120の円弧ではなく、回転軸Xroに沿った注射位置から離れたある位置に配置されている。さらに、チューブ120の1セクションは、圧搾ユニット130が回転中にチューブ120のそのセクションに干渉しないように、その終端部を円弧と連結している。
【0071】
チューブ120は、筒状壁125によって機械的に支持されており、その壁125は、ローラ140がチューブ120を圧搾するときにチューブ120が径方向外側に動かないように、チューブ120よりも径方向にさらに外側に載置されている。3つのローラ140が回転すると、それらはチューブ120を壁125に押圧する。これが、チューブ120を通して針180まで強制的に流体を動かす。次いで、チューブ120は、拡張してその元の形状に戻って、開口部135を通してチューブ120と流体連絡しているパウチ110などの可撓性の一次パック110からより多くの薬物を引き込む。パウチ110は、チューブ120よりも大きい直径を有し、チューブ120よりも大きい体積を収容することができる。チューブ120から針180まで流体が動かされるとすぐに、潰れ可能のパウチからの流体がチューブ120を流体で再充填する。そのことは、チューブ120から針180への流体の絶え間ない流れを保証する。
【0072】
図1Bは、
図1Aに示されている概略的な蠕動ポンプ装置100の斜視図を示す。図は、チューブ120がローラ140によって圧搾されているときにチューブ120を機械的に支持するための、端部が開放された筒状壁125を示す。さらに、針駆動機構300に連結された針180が示されている。針駆動機構300は、遊星ギア150(ここには図示せず)の中央歯車160の内側に配置されており、ハウジング105に連結されているかまたはと一体化されている。針駆動機構300は、中央歯車160が回転軸Xro周りに回転するときに針駆動機構が回転しないように、中央歯車160から機械的にデカップリングされている。
【0073】
図1Cは、圧搾ユニット130を駆動するための遊星ギア150を含む蠕動ポンプ装置の上面斜視図を示す。遊星ギアは、回転軸Xroである中心軸を有する。遊星ギア150は、回転軸Xro周りに回転するリング歯車155を含む。遊星ギアはさらに、3つの遊星歯車190を有し、遊星歯車190は、回転軸Xro周りに回転するリング歯車155および中央歯車160と回転連絡している。遊星歯車190は、中央歯車160周りに回転し、同時に、それらの独自の回転軸Xp1、Xp2、Xp3周りに回転する。遊星歯車190はそれぞれ、同じ直径を有し、その直径は、中央歯車160の直径よりも大きく、リング歯車155の直径よりも小さい。径方向の最も外側のリング歯車155を回すために必要な力および中央歯車160を回すために必要な力を決定する歯数比が定められるように、リング歯車155、遊星歯車190および中央歯車160はそれぞれ、それらの回転が連結するような歯車を構成する。中央歯車160は、中央歯車160の動きが圧搾ユニット130を同じ方向に動かすように、圧搾ユニット130に機械的に連結されている。
【0074】
図1Dは、
図1Cの図と比べて異なる角度から見た、圧搾ユニット130を駆動するための遊星ギア150を含む蠕動ポンプ装置の底面斜視図を示す。
【0075】
図1Eは、渦巻ばね170、たとえばねじりばねを有する遊星ギア150の斜視図を示す。遊星ギア150は、渦巻ばね170によって駆動され、それによりリング歯車155を駆動する。次いで、リング歯車155の回転は、所定の歯数比で、遊星歯車190を介して中央歯車160に移される。
【0076】
一例において、チューブ120内のデッドボリュームは、小径のチューブ120を使用することによって最小限に抑えることができる。チューブ120の直径は、たとえば、0.5mm~1mm、特に、0.86mmまたは0.9mmとすることができる。本例では、渦巻ばね170は、完全に付勢されているときに約20~25回転しか供給できないが、ポンプは、一次パックを空にするために120回転を必要とする。これは、必要なポンプ回転数を実現するギアリングシステムの使用を必要とする。このような理由から、歯数比1:5の遊星ギアを採用可能である。これは、エピサイクリックギアを使用することによって実現できる。
【0077】
このような構成において、流体の動きはすべて、動作リザーバを通して引いたり押したりすることで行われるため、パウチ110には負荷がかからない。ポンプ装置は、基本的には、パッチポンプの用途にも適している。
【0078】
図1Fは、蠕動ポンプ装置100および針駆動機構300の断面を示し、針駆動機構300は針180を含む。針駆動機構300は、
図4A~
図4Dに詳細に記載されている。
【0079】
図2Aは、本開示の第2の実施形態を示す。図は、ダイヤフラムポンプ装置200の斜視図を示す。ダイヤフラムポンプ装置200はダイヤフラムポンプ230を含み、ダイヤフラムポンプ230は、回転軸Xroに沿った方向にポンプ内のダイヤフラムを作動させるためのダイヤフラムアクチュエータ235を有する。ダイヤフラムアクチュエータ235が回転軸Xroに沿って動かされるときに、ダイヤフラムアクチュエータ235が動いている方向に応じて流体がポンプ230中に引っ張られるかまたはポンプ230から押し出されるように、ダイヤフラムポンプ230は流体を含むパイプ220と流体連絡している。したがって、ダイヤフラムアクチュエータ235の動きは、液体の動きの軸に沿っておらず、その軸に対してある角度を成す。角度は90°でよく、そのため、ダイヤフラムアクチュエータ235の動きが回転軸Xroに沿っているときに、流体はそれに垂直に動かされる。流体の流れを有効にするために、ダイヤフラムアクチュエータ235は、回転軸Xroに沿ってある方向に動き、続いて、回転軸Xroに沿って反対方向に動くように、交互に動く必要がある。そのとき、ある方向の動きによって、パイプ220の一方の側からダイヤフラムポンプ230に流体を流れ込ませることができ、その後の反対方向の動きによって、もう一方の側でダイヤフラムポンプ230から流体が押し出され、ダイヤフラムポンプ230は2つの側の間に配置されている。パイプ220は針180と流体連絡している。パイプ220を通して輸送される流体は、投薬動作のために針180を通して動かされる。このような構成において、ダイヤフラムポンプ230は静止しているが、ダイヤフラムポンプ230内でダイヤフラムアクチュエータ235は、回転軸Xroに沿って動く。ダイヤフラムアクチュエータ235の動きは、回転軸Xro周りに回転する筒状カム240によって引き起こされる。筒状カム240は、その径方向内側に、正弦曲線形の溝250を含む。ダイヤフラムアクチュエータ235は、その溝250に機械的に連結されている。筒状カム240が回転すると、ダイヤフラムアクチュエータ235は、その動きが溝250の形状をたどる。その動きは、
図3A~
図3Cに詳細に記載されている。溝250に機械的に連結され、その形状をたどる、ダイヤフラムアクチュエータ235の機構によって、正弦曲線形状の振幅がダイヤフラムアクチュエータ235に移される。それによりダイヤフラムアクチュエータ235は、強制的に周期的変動をさせられ、そのことがパイプ220および針180を通る流体の連続的な流れを保証する。本機構はさらに、可撓性の一次パックを含み、その一次パックはパウチ110でよい。そのパウチ110は、パイプ220と流体連絡しており、針180まで動くことができる連続的流体がパイプ220に存在することを保証する。
【0080】
ダイヤフラムポンプ装置はさらに、渦巻ばね170(ここでは図示せず)を含み、渦巻ばね170は、筒状カム240に機械的に連結されている。筒状カム240の回転は、渦巻ばね170によって駆動される。渦巻ばね170は、付勢されているときに一定量の位置エネルギーを有する。そのエネルギーは、回転軸Xro周りの筒状カム240の一定の旋回数に十分である。旋回数は、ダイヤフラムアクチュエータ235の変動数に関係し、変動数は、パイプ220を通して、最後に針180を通して動かされる流体の量に関係する。したがって、渦巻ばね170の設定エネルギーによって、針180を通して動かされる流体の量を予め設定することができる。流体が薬剤を含む場合は、渦巻ばね170のエネルギーによって薬剤用量を設定することができる。
【0081】
デッドボリュームを最小限に抑え、用量の正確さを最大限に高めるためには、低容量高周波ポンプが好ましい。これは、ポンプの1ストロークの容量がデバイスによって送達される全容量の50分の1以上であるポンプを用いて実現することができる。試験によれば、そのことが20ストローク超(渦巻ばねが20回の旋回をもたらす)を必要とすると示された。正弦曲線波のプロフィルを有する筒状カムを使用することによって、付加的なギアリングを必要とせずに420回のポンプストロークを実現することができる。
【0082】
本機構はさらに、駆動ばね310を有する針駆動機構300を含む。針駆動機構300は、
図4A~
図4Dに詳細に記載されている。
【0083】
図2Bは、ダイヤフラムポンプ装置200および駆動ばね310を有する針駆動機構300の断面を示す。針180は、針駆動機構300に配置されている。ポンプ工程中に針180が流体で充填されている場合、トリガ(310)によって、針が回転軸Xroに沿って患者の組織中に動き、その後、患者組織中で針の所定の深さに到達すると薬剤が注射されるように、針駆動機構300は渦巻ばね170に機械的に連結されている。これは、
図4Aから
図4Dにより詳細に説明されている。
【0084】
図2Cは、渦巻ばね170を有するダイヤフラムポンプ装置200の斜視図を示す。
【0085】
図3Aから
図3Cは、異なる動作位置にあるダイヤフラムポンプの切欠図を示す。それを示すために、筒状カム240の径方向内側にマーカ260が示されており、マーカ260は、筒状カム240によっておよびそれに関係して引き起こされるダイヤフラムアクチュエータ235の動きを示す。本例の筒状カム240は時計回りに動く。
【0086】
図3Aにおいて、アクチュエータ235は、正弦曲線波の振幅の正のピークまで動かされており、マーカ260は、反時計回りに進んだ位置に配置されている。ダイヤフラムアクチュエータ235の上側への動きに対応する、正弦曲線波の正のピークまでの動きによって、流体が動作リザーバ220からダイヤフラムポンプ230に引き込まれる。
【0087】
図3Bにおいて、筒状カム240はさらに時計回りに回転しており、正弦曲線波によって、ダイヤフラムアクチュエータ235が下方向に正弦曲線波の負のピークまで動いており、そのため、流体が動作リザーバ220を通して針180に向かって押される。
図3Bに示すように、ダイヤフラムアクチュエータ235はマーカ260の位置に到達している。
【0088】
図3Cにおいて、ダイヤフラムアクチュエータ235の動きは、
図3Aに記載したような動きを繰り返す。筒状カム240は回転し続け、正弦曲線波によって、ダイヤフラムアクチュエータ235がさらに反時計回りに動いてマーカ260から離れる。ダイヤフラムアクチュエータ235は、正弦曲線波の次の正のピークに到達し、動作リザーバ220からダイヤフラムポンプ230にさらなる流体を引き込む。
【0089】
本機構は、動作リザーバ220を通って針180に至る流体の連続的な流れをもたらす、ダイヤフラムアクチュエータ235の周期的な動きを保証する。
【0090】
本機構は、筒状カム240が反時計回りに動く場合に、同じ原理で働く。
【0091】
デバイスは、10~40mmの高さ、特に、15~30mmの高さを有することができる。デバイスのベースは、45~90mmの直径、特に、50~70mmの直径を有することができる。具体的には、デバイスの高さは、シリンジを含む典型的な自動注射器と比べて3分の1未満の大きさにできる。そのことは、皮膚からデバイスがトリガされる位置までの距離がずっと小さくなるため、患者のようなユーザにとって有利である。
【0092】
図4Aは、針駆動機構300の分解図を示す。蠕動ポンプに関する
図1A~
図1Fによる第1の実施形態およびダイヤフラムポンプに関する
図2A~
図3Cによる第2の実施形態は両方とも、別段の明記がない限り
図4A~
図4Dによる針駆動機構300を含むことができる。
【0093】
針駆動機構300は、トリガボタン320、駆動ばね310、ニードルホルダ340、カラー360、およびベース要素400を含む。針180は、ニードルホルダ340に機械的に連結されている。
【0094】
トリガボタン320は、トリガボタン本体325と、トリガボタン本体325から回転軸Xroに沿って延びる2つのトリガボタンアーム330を含む。トリガボタン本体325は、筒形状を含み、高さまたは厚さは直径よりも小さく、全体的にディスク様の形状を形成している。トリガボタン本体325は、矩形または正方形の薄いプレートなど、任意の他の形状を含むこともできる。トリガボタン本体325は、デバイスのハウジング105に連結できるかまたはそれと一体化でき、ハウジング105と同じ厚さを有することができる。2つのトリガボタンアーム330は、回転軸Xroに対して互いに反対側に配置されている。トリガボタンアーム330はそれぞれ、径方向外側部材および径方向内側部材を含む。トリガボタンアーム330はそれぞれ、回転軸Xroに対してトリガ本体325から離れる方の終端部に傾斜面を含む。傾斜面は、径方向内側部材に配置されている。
【0095】
駆動ばね310は、回転軸Xroに沿ってトリガボタン本体325とニードルホルダ340との間に配置されており、回転軸Xroに沿って伸長可能かつ圧縮可能である。カラー360は、ベース要素400の内側に配置できる。駆動ばね310が圧縮されているときは、ニードルホルダ340はカラー360と駆動ばね310との間に配置されている。
【0096】
ニードルホルダ340は、筒形状の本体と、2つのニードルホルダレッジ350とを含み、ニードルホルダレッジ350は、本体から径方向外側に延び、回転軸Xroに対して両側に配置されている。駆動ばね310が回転軸Xroに沿って伸長するときに、ニードルホルダ340および針180が回転軸Xroに沿ってトリガボタン本体325から離れる方に動くように、ニードルホルダ340は駆動ばね310に動作可能に連結されている。ニードルホルダレッジ350は、くさびの形状を有することができ、それらの断面は径方向内側に向かって小さくなる。
【0097】
カラー360は、カラーベース365、2つのカラー保持アーム380、および2つのカラートリガアーム390を含む。2つのカラー保持アーム380および2つのカラートリガアーム390はそれぞれ、回転軸Xroに沿ってカラーベース365からトリガボタン本体325に向かって延びる。2つのカラー保持アーム380は、回転軸Xroに対して反対側に配置されている。2つのカラートリガアーム390は、回転軸Xroに対して反対側に配置されている。カラー保持アーム380およびカラートリガアーム390は、回転軸Xroの周りに交互に配置されており、カラー間隔370によって離間配置されている。カラー保持アーム380は、矩形の形状を含む。カラートリガアーム390も矩形ベースの形状を含むが、その終端部に傾斜面を有し、その傾斜面は、カラーベース365から離れる方を向き、トリガボタンアーム330の径方向内側部材の傾斜面に対向する。トリガボタンアーム330またはカラートリガアーム390のいずれかが傾斜面を含むことも可能である。たとえば、トリガボタンアーム330だけが傾斜面を含む場合に、その傾斜面がカラートリガアームの縁部を押し、それにより回転軸Xroに沿ってさらに動くときに、回転軸Xroに沿った動きがやはりカラー360を回転させる。カラーベース365は孔を含み、そのため、針180が孔を通って回転軸Xroに沿って動くことができる。
【0098】
ベース要素400は、ベース要素本体405および4つのベース要素アーム410を含み、ベース要素アーム410はそれぞれ、回転軸Xroに沿ってベース要素本体405からトリガボタン本体325に向かう方向に延びる。ベース要素本体405は筒形状を含み、高さまたは厚さは直径よりも小さく、全体的にディスク様の形状を形成している。ベース要素本体405は、矩形または正方形の薄いプレートなど、任意の他の形状を含むこともできる。ベース要素本体405は、デバイスのハウジング105に連結できるかまたはそれに一体化できる。ベース要素アーム410は、ベース要素本体405から回転軸Xroに沿って延び、回転軸Xroの周りに配置されており、それにより針駆動機構300が組み立てられたときに、カラー360を受けるように構成された容積を囲む。ベース要素アーム410は、間隔420だけ互いに離れている。間隔420のうちの2つは、トリガボタンアーム330が間隔420内で軸方向に案内されるが回転不能になるように、トリガボタンアーム330の径方向外側部材を受けるように構成されている。他の2つの間隔は、回転軸Xroに沿ってニードルホルダレッジ350を受けるように構成されており、そのときにニードルホルダレッジ350は回転不能である。ベース要素本体405は孔を含み、そのため、注射のために針180が孔を通って回転軸Xroに沿ってデバイスの外側に動くことができる。孔は、針によって貫通できる封止部を用いて封止できる。
【0099】
図4Bは、組み立てられた状態にある針駆動機構300の図を示す。駆動ばね310は、駆動ばね310がニードルホルダ340を付勢するように、回転軸Xroに対してトリガボタン320とニードルホルダ340との間で圧縮されている。トリガボタンアーム330は、回転軸Xroに沿って動くことができるようにベース要素間隔420に部分的に入っており、ベース要素間隔420を形成するベース要素アーム410によって案内される。トリガボタンアーム330は、ベース要素間隔内で軸方向に可動であるときは、ベース要素アーム410によって回転不能にされている。
【0100】
代替的に、トリガボタンアーム330は、ニードルホルダ340によって回転不能にすることもできる。ニードルホルダ340の筒状本体が付加的な溝を含むことができ、その溝は、回転軸Xroに沿って向けられており、トリガボタンアーム330を回転軸Xroに沿って機械的に案内するように構成されており、それによりアーム330が回転不能にされる。
【0101】
ニードルホルダレッジ350は、同じようにしてベース要素間隔420に配置されている。このように、ニードルホルダレッジ350は、ベース要素400によって回転不能にされており、ベース要素400がデバイスのハウジング105の部材である場合に、ニードルホルダレッジ350およびニードルホルダ340は、ハウジング105によって回転不能にされている。さらに、ニードルホルダレッジ350は、カラー360によって軸方向にブロックされている。カラー360は、ベース要素アーム410によって囲まれた空間内に配置されている。
【0102】
ニードルホルダ340は、パイプ(図示せず)を受けるための孔を含む。孔は、ニードルホルダレッジ350から径方向内側に向けることができる。パイプは、針180および
図1A~
図1Fの実施形態によるチューブ120または
図2Aの実施形態によるパイプ220のいずれかと流体連絡している。このように、パウチ110の流体は、投薬のために針180に移送できる。
図1A~
図1Fによる蠕動ポンプの実施形態において、流体連絡を確立するためにパイプの終端部の一方をチューブ120に連結できるように、パイプの一部は、ベース要素400と中央歯車160との間に配置されており、中央歯車160においてチューブ120に連結されている。本機構は、パイプが中央歯車160の回転運動からデカップリングされることを保証する。
【0103】
図4Cは、組み立てられた針駆動機構300の図をベース要素400なしで示す。図では、駆動ばね310は、駆動ばね310がニードルホルダ340を付勢するように、回転軸Xroに対して、トリガボタン320とニードルホルダ340との間で圧縮されている。ニードルホルダ340は、回転軸Xroに対して、駆動ばね310とカラー360との間に配置されている。ニードルホルダレッジ350は、圧縮された駆動ばね310の力がニードルホルダレッジ350を通してカラー保持アーム380に作用するように、カラー保持アーム380の終端面と機械的に接触している。トリガボタンアーム330は、駆動ばね310およびニードルホルダ340に対して径方向外側に配置されている。トリガボタンアーム330の終端部は、カラートリガアーム390の終端部に対向しているが、軸方向に離間配置されている。トリガボタンアーム330の終端部およびカラートリガアーム390の終端部は両方とも傾斜面を含み、そのため、トリガボタンアーム330の傾斜面がカラートリガアーム390の面に向かって押圧されると、それらの面が互いに向かって摺動し、トリガボタンアーム330が回転軸Xroに沿ってさらに動くと、カラートリガアーム390に力が加えられ、カラートリガアーム390およびカラー360が回転する。
【0104】
図4Dは、組み立てられた針駆動機構300の図をベース要素なしで示す。図では、駆動ばね310が回転軸Xroに沿って伸長されている。ニードルホルダ340は、伸長する駆動ばね310の力によって、回転軸Xroに沿ってトリガボタン本体325から離れる方向に動かされている。それによりニードルホルダレッジ350はカラー間隔370に係合されており、それにより回転軸Xroに沿ったニードルホルダ340の動きを案内する。
【0105】
針駆動機構300が
図4Bまたは
図4Cに示す状態にある場合、すなわち、駆動ばね310が圧縮されており、トリガボタン本体325から離れる方向のニードルホルダ340の動きがブロックされている場合に、トリガボタン320が回転軸Xroに沿って駆動ばね310に向かう方向に押圧されると、トリガボタンアーム330はカラートリガアーム390に向かって動かされる。トリガボタンアーム330の傾斜面がカラートリガアーム390の面に向かって押圧されると、トリガボタンアーム330の軸方向運動が、カラートリガアーム390およびカラー360の回転運動を引き起こす。カラー360の回転はニードルホルダレッジ350に対するものである。カラー360が回転するので、カラー保持アーム380もニードルホルダ340に対して回転する。このような回転中に、ニードルホルダレッジ350は、軸方向にカラー保持アーム380に向かって、駆動ばね310によって付勢される。カラー保持アーム380の回転は、カラー間隔370がニードルホルダレッジ350に対向するまで続く。その時点で、ニードルホルダレッジ350はもはやカラー保持アーム380によってブロックされておらず、トリガボタンアーム330は、カラートリガアーム390から係合解除されている。そのときに、ニードルホルダ340は、軸方向にトリガボタン本体325から離れる方向に動く。カラー保持アーム380は、カラートリガアーム390よりも長い。カラー保持アーム380がカラートリガアーム390と同じ長さのものであることも可能である。その場合は、トリガボタンアーム330はそれらの長さが調節される必要がある。次いで、ニードルホルダレッジ350は、カラー間隔370に係合し、ニードルホルダ340は、伸長する駆動ばね310の力の下で、針180と一緒にトリガボタン本体325から離れてベース要素400に、さらに注射部位に向かう方向に動く。
【0106】
保護の範囲は、本明細書で先に与えた例に限定されるものではない。本明細書に開示されている本発明はいずれも、新規の各特徴および特徴の各組合せにおいて具現化され、それらは、特に、特許請求の範囲に記載されている任意の構成のあらゆる組合せを、その構成またはその構成の組合せが特許請求の範囲または実施例に明示的に示されていないとしても含む。
【0107】
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
【0108】
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
【0109】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
【0110】
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
【0111】
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
【0112】
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0113】
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0114】
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
【0115】
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))である。
【0116】
DPP4阻害剤の例は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
【0117】
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
【0118】
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
【0119】
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
【0120】
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
【0121】
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
【0122】
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
【0123】
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
【0124】
本発明の全範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載されているAPIの様々な成分、処方、装置、方法、システムおよび実施形態の修正(追加および/または省略)を行うことができ、本発明がこのような修正およびそのあらゆる等価物を包含することを当業者は理解するであろう。
【0125】
本特許出願は、欧州特許出願第20315494.3の優先権を主張するものであり、その開示内容を参照によって本明細書に組み入れる。
【符号の説明】
【0126】
100 蠕動ポンプ装置
105 ハウジング
110 可撓性の一次パック
120 チューブ
125 筒状壁
130 圧搾ユニット
135 開口部
140 ローラ
150 遊星ギア
155 リング歯車
160 中央歯車
170 渦巻ばね
180 針
190 遊星歯車
Xro 回転軸
Xp1、Xp2、Xp3 遊星歯車の回転軸
200 ダイヤフラムポンプ装置
220 パイプ
230 ダイヤフラムポンプ
235 ダイヤフラムアクチュエータ
240 筒状カム
250 溝
260 マーカ
300 針駆動機構
310 駆動ばね
320 トリガボタン
325 トリガボタン本体
330 トリガボタンアーム
340 ニードルホルダ
350 ニードルホルダレッジ
360 カラー
365 カラーベース
370 カラー間隔
380 カラー保持アーム
390 カラートリガアーム
400 ベース要素
405 ベース要素本体
410 ベース要素アーム
420 ベース要素間隔
【国際調査報告】