(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-04
(54)【発明の名称】二環式芳香化学物質
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20231222BHJP
C07C 49/623 20060101ALI20231222BHJP
C07C 49/653 20060101ALI20231222BHJP
C07C 35/36 20060101ALI20231222BHJP
C07C 35/23 20060101ALI20231222BHJP
C07C 35/32 20060101ALI20231222BHJP
【FI】
C11B9/00 P
C11B9/00 E
C07C49/623 CSP
C07C49/653
C07C35/36
C07C35/23
C07C35/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536363
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2021085881
(87)【国際公開番号】W WO2022129167
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペルツァー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッテンヴェルク,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ジーゲル,ヴォルフガング
【テーマコード(参考)】
4H006
4H059
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB12
4H006FC26
4H006FC30
4H006FC32
4H006FE12
4H059BA14
4H059BA23
4H059BB18
4H059CA31
4H059DA09
4H059EA35
(57)【要約】
本発明は、芳香化学物質としての新規二環式化合物に関する。具体的には、芳香化学物質として及びまた組成物の芳香を向上及び/又は改質するための二環式芳香化合物の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)
【化1】
の少なくとも1つの化合物、
又はその塩又はその立体異性体、
及び
式(Ib)
【化2】
の少なくとも1つの化合物、
又はその塩又はその立体異性体を含む混合物であって、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、n、pは、独立して0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、-CH
3、-C
2H
5、又はC
3H
7である、混合物。
【化3】
【請求項2】
Yは、=Oであり、
m、n、及びpは、1であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
Yは、-OHであり、
m、n、及びpは、1であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
式(Ia)の化合物の総量と式(Ib)の化合物の総量との重量比は、1:99~99:1の範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
組成物に芳香の印象を付与するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の混合物の使用。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の混合物を組成物に添加する工程を少なくとも含む、組成物に芳香の印象を付与する方法。
【請求項7】
前記芳香の印象は、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート及びアセティックノートからなる群から選択される、請求項5又は6のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項8】
化合物(Ia)及び(Ib)の混合物の総量は、前記組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以上から70.0重量%以下の範囲の量で前記組成物に存在する、請求項5又は6のいずれか一項に記載の使用又は方法。
【請求項9】
(i)請求項1~4のいずれか一項に記載の混合物、並びに
(ii)式(Ia)及び(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの芳香化学物質、又は
(iii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方を含む組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの非芳香化学物質担体(iii)は、界面活性剤、オイル成分、酸化防止剤、消臭活性剤及び溶媒からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
式(Ia)の化合物、
【化4】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、nは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rは又、CH
3であるという条件である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化5】
【請求項12】
式(Ia)の化合物、
【化6】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、nは、0又は1であり、
Rは、Hであり、R
1は、C
2H
5又はC
3H
7であり、或いは
Rは、CH
3であり、R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化7】
【請求項13】
Yは、=Oであり、
m、nは、1であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項11又は12に記載の式(Ia)の化合物。
【請求項14】
Yは、-OHであり、
m、nは、1であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項11又は12に記載の式(Ia)の化合物。
【請求項15】
Yは、-OHであり、
mは、1であり、nは、0であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項11又は12に記載の式(Ia)の化合物。
【請求項16】
Yは、=Oであり、
mは、1であり、nは、0であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項11又は12に記載の式(Ia)の化合物。
【請求項17】
組成物に芳香の印象を付与するための、請求項11~16のいずれか一項に記載の、式(Ia)の化合物の使用。
【請求項18】
少なくとも請求項11~16のいずれか一項に記載の式(Ia)の化合物を添加する工程を含む、組成物に芳香の印象を付与するための方法。
【請求項19】
(i)請求項11~16のいずれか一項に記載の式(Ia)の少なくとも1つの化合物、及び
(ii)式(Ia)の化合物以外の少なくとも1つの芳香化学物質、又は
(iii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方を含む組成物。
【請求項20】
式(Ib)の化合物、
【化8】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
pは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rは又、CH
3であるという条件である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化9】
【請求項21】
式(Ib)の化合物、
【化10】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
pは、0又は1であり、
Rは、Hであり、R
1は、C
2H
5又はC
3H
7であり、或いは
Rは、CH
3であり、R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化11】
【請求項22】
Yは、=Oであり、
pは、1であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項20又は21に記載の式(Ib)の化合物。
【請求項23】
Yは、-OHであり、
pは、1であり、
Rは、CH
3であり、
R
1は、CH
3である、請求項20又は21に記載の式(Ib)の化合物。
【請求項24】
組成物に芳香の印象を付与するための、請求項20~23のいずれか一項に記載の、式(Ib)の化合物の使用。
【請求項25】
請求項20~23のいずれか一項に記載の式(Ib)の化合物を添加する工程を少なくとも含む、組成物に芳香の印象を付与するための方法。
【請求項26】
(i)請求項20~23のいずれか一項に記載の式(Ib)の少なくとも1つの化合物、及び
(ii)式(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの芳香化学物質、又は
(iii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方を含む組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香化学物質としての新規二環式化合物に関する。具体的には、芳香化学物質としての及びまた組成物の芳香を向上及び/又は改質するための二環式化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香化学物質、特に芳香剤は、特に、化粧品、洗浄及び洗濯用組成物の分野で大きな関心を集めている。天然由来の芳香剤は、ほとんどが高価であり、多くの場合、その入手できる量が限られており、環境条件の変動により、その含有量、純度なども変動する。従って、これらの望ましくない要因を回避するために、より高価な天然芳香剤に似た官能特性を有する、又は新規で興味深い官能プロファイルを有する合成物質を生成することが非常に大きな関心を集めている。
【0003】
多数の合成芳香化学物質(芳香剤及び香料)が既に存在しているにもかかわらず、非常に多様な用途分野で望まれる多数の特性を満たすことができるようにするために、新しい成分が常に必要とされている。これらには、第1に、官能特性が含まれる、即ち、化合物は、有利な匂い(嗅覚)又は味覚特性を有する必要がある。更にまた、芳香化学物質は、例えば、効率的な調製方法、他の芳香剤との相乗効果の結果としてのより良好な感覚プロファイルを提供する可能性、特定の適用条件下でのより高い安定性、より高い拡張性、より良好で高い持続性などの、更なる肯定的な二次特性も有する必要がある。
【0004】
感覚的印象、特に、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スイートノート、ドライノート、及びアセティックノートからなる群から選択される印象を付与することができる芳香化学物質の必要性が高まっている。このような特性は、例えば、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、及び香りディスペンサー用組成物などの組成物において特に関心となっている。
【0005】
特に関心となっているのは、組成物に1つ以上の明確な感覚的印象を与え、これにより、豊かで興味深い感覚プロファイル、特に組成物の嗅覚プロファイルに寄与することができる芳香化学物質である。これに関して、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート、及びアセティックノート、又はこれらのノートの2つ以上の任意の組み合わせを付与することができる芳香化学物質が、大きな関心となっている。加えて、持続性及び粘り強さは、組成物において、及び組成物で処理された表面に長期持続する匂いの印象を得るために特に関心となっている。
【0006】
しかしながら、化学構造が少し変化するだけさえで、匂い及びまた風味などの感覚特性が大きく変化するため、特定の匂いなどの特定の感覚特性を持つ物質を対象として探索することは非常に困難である。従って、新しい芳香化学物質の探索は、ほとんどの場合、望まれる匂い及び/又は風味を持つ物質が実際に見つかるかどうかさえわからないままでは、困難で骨の折れる作業である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現に特許請求されている発明の目的は、芳香化学物質として、組成物において単独で又は混合物として使用できる物質を提供することであり、特に、心地よい匂いを有する強い匂い物質が求められている。更に、それらは、他の芳香化学物質と組み合わせることができる必要があり、新規で有利な感覚プロファイルの生成を可能にし、組成物に使用できる。
【0008】
現に特許請求されている発明の目的は、好ましくは、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート、及びアセティックノートからなる群から選択される印象の2つ以上の組み合わせである、心地よい嗅覚の印象を有する、新しい芳香化学物質、又は芳香化学物質の混合物を提供することである。
【0009】
本発明の更なる目的は、芳香化学物質が、その迅速で経済的な製造を可能にする、容易に入手可能な出発原料から得られることができる必要があることである。これは、ケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物及び香りディスペンサー用組成物などの組成物において芳香化学物質を使用する際に特に関心となっている。
【0010】
この目的は、10~16の炭素原子を有する二環式化合物である新規の化合物を提供することによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
現に特許請求されている発明の第1の態様は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物、
【化1】
又はその塩又はその立体異性体、
及び
式(Ib)の少なくとも1つの化合物、
【化2】
又はその塩又はその立体異性体を含む混合物に関し、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、n、pは、独立して0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、-CH
3、-C
2H
5、又はC
3H
7である。
【化3】
【0012】
更なる態様では、現に特許請求されている発明は、式(Ia)の一般化合物の化合物、
【化4】
又はその塩又は立体異性体に関し、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、nは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rはまた、CH
3であるという条件である。
【化5】
【0013】
更なる態様では、本発明は、式(Ib)の化合物、
【化6】
又はその塩又はその立体異性体に関し、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
pは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rはまた、CH
3であるという条件である。
【化7】
【0014】
現に特許請求されている発明の更に別の態様は、芳香化学物質としての、好ましくは芳香剤としての、一般式(Ia)又は一般式(Ib)の化合物又はそれらの混合物の使用に関する。
【0015】
現に特許請求されている発明の更なる態様は、少なくとも一般式(Ia)又は一般式(Ib)の化合物又はそれらの混合物を添加する工程を含む、組成物に芳香の印象(aroma impression)を付与する方法に関する。
【0016】
現に特許請求されている発明の更なる態様は、一般式(Ia)又は一般式(Ib)の化合物又はそれらの混合物、及び(i)現に特許請求されている発明の化合物とは異なる少なくとも1つの更なる芳香化学物質、又は(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は(iii)(i)及び(ii)の混合物を含む組成物に関する。
【0017】
現に特許請求されている発明の別の態様は、芳香化学物質組成物の芳香特性を改質するための、一般式(Ia)又は一般式(Ib)の化合物又はそれらの混合物の使用に関する。
【0018】
現に特許請求されている発明の更なる態様は、一般式(Ia)又は一般式(Ib)の化合物又はそれらの混合物を使用して、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート、アセティックノート、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される芳香の印象を組成物に付与することに関する。
【0019】
現に特許請求されている発明の更なる態様は、組成物の芳香を増強する方法に関する。前述の方法は、芳香化学物質組成物を得るために、現に特許請求されている発明の化合物とその混合物を、例えば、少なくとも1つの他の芳香化学物質及び/又は少なくとも1つの非芳香化学物質担体などの他の成分と混合する工程を含む。
【0020】
現に特許請求されている発明の更に別の態様は、化学組成物の芳香を改質する方法に関する。前述の方法は、芳香が改質された芳香化学物質組成物を得るために、現に特許請求されている発明の化合物又はその混合物を芳香化学物質組成物に組み込む工程を含む。
【0021】
現に特許請求されている発明の化合物及びその芳香化学物質組成物は、有利な官能特性、特に心地よい芳香の印象を有する。従って、それらは、香水組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物並びに口腔及び歯科衛生用製品を含む)、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い組成物を含む)、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物、作物保護組成物及び他の組成物における成分として好ましく使用することができる。
【0022】
心地よい芳香の印象、低い揮発性、及び優れた溶解性により、現に特許請求されている発明の化合物を、心地よい芳香が望まれる組成物における適切な成分にする。それらの物理的特性により、現に特許請求されている発明の化合物は、香水組成物における他の芳香化学物質及び通常の成分と良好に組み合わされることができる。これにより、例えば、芳香組成物、特に新規で有利な感覚プロファイルを有する香水組成物の生成が可能になる。
【0023】
更に、現に特許請求されている発明の化合物は、容易に入手可能な出発物質から出発する単純な合成によって、良好な収率及び純度で生成されることができる。従って、現に特許請求されている発明の化合物は、大規模で簡易的なコスト効率のよい方法で生成されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、現に特許請求されている発明、又は現に特許請求されている発明の用途及び使用を限定することを意図するものではない。更に、前述の技術分野、背景、概要、又は以下の詳細な説明で提示された理論に拘束される意図はない。
【0025】
本明細書で使用される「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「から構成される(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、「含む(includes)」又は「含む(containing)」、「含む(contains)」と同義であり、包括的又は無制限であり、追加の、列挙されていない部材、要素又は方法の工程を除外しない。本明細書で使用される「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「から構成される(comprised of)」という用語は、「からなる(consisting of)」、「からなる(consists)」及び「からなる(consists of)」という用語を含むことを理解されたい。
【0026】
更に、明細書及び特許請求の範囲における「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」などの用語は、同様の要素を区別するために使用され、必ずしも順序又は時系列を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載の主題の実施形態は、本明細書に記載又は例示された以外の順序で操作できることを理解されたい。備えのために、「(A)」、「(B)」及び「(C)」又はAA)、BB)及びCC)又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「(i)」、「(ii)」などの用語は、方法又は使用又はアッセイの工程に関し、工程の間に時間又は時間間隔の一貫性はない、即ち、工程は同時に実行されることができる、又は、本明細書の上記又は下記に記載されているように、用途で別段の指示がない限り、そのような工程の間には、秒、分、時間、日、週、月、又は更には年の時間間隔があり得る。
【0027】
以下の文章では、主題の様々な態様がより詳細に定義されている。そのように定義されている各態様は、反対のことが明確に示されていない限り、任意の他の態様と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であると示された任意の特徴は、好ましい又は有利であると示された任意の他の特徴と組み合わせることができる。
【0028】
本明細書に渡る「一実施形態」又は「一実施形態」又は「好ましい実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が、現に特許請求されている発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書に渡る様々な場所での「一実施形態では」又は「好ましい実施形態では」又は「好ましい実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではないが、指す場合がある。更に、本開示から当業者には明らかなように、1つ以上の実施形態では、特徴、構造、又は特性を任意の適切な方法で組み合わせることができる。更に、当業者には理解されるように、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、いくつかの特徴を含むが、他の実施形態に含まれる他の特徴を含まず、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、主題の範囲内にあり、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲では、特許請求された実施形態のいずれかが任意の組み合わせで使用される。
【0029】
更に、本明細書に渡り定義される範囲には、最終値も含まれる、即ち、1~10の範囲は、1と10の両方が範囲に含まれることを意図する。疑義を避けるために、本出願人は、適用法(applicable law)に従って任意の均等物(equivalents)を得る権利を有するものとする。
【0030】
定義
本発明の文脈において、「芳香」という用語は、感覚特性を指し、匂い及び/又は風味を含む。
【0031】
「芳香化学物質」という用語は、感覚的又は官能的(本明細書では交換可能に使用される)印象を得るために使用される物質を意味し、嗅覚及び/又は風味の印象を得るためのその使用を含む。「嗅覚の印象」又は「ノート」という用語(本明細書では交換可能に使用される)は、肯定的又は否定的な判断のない匂いの印象を意味し、本明細書で使用される場合、「香りの印象」又は「芳香剤の印象」又は「芳香の印象」(本明細書では交換可能に使用される)という用語は、一般的に心地よいと感じられる匂いの印象に関連している。従って、「芳香剤」又は「香り」は、心地よい匂いの印象を主に誘発する芳香化学物質を意味する。風味は、味覚の印象を誘発する芳香化学物質を意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、「芳香組成物」という用語は、芳香を誘発する組成物を指す。芳香組成物という用語は、「匂い組成物」及び/又は「風味組成物」を含む。匂い組成物は、主に匂いの印象を誘発する組成物であり、風味組成物は、主に味覚の印象を誘発する組成物である。
【0033】
匂い組成物という用語は、主に一般的に心地よいと感じられる匂いの印象を誘発する、「芳香剤組成物」又は「香り組成物」(本明細書では交換可能に使用される)を含む。
【0034】
一般的な快楽主義的表現「有利な感覚特性」又は「有利な官能特性」は、芳香化学物質によって伝達される官能的印象の快適さ(niceness)及び明確さ(conciseness)を表している。「快適さ」及び「明確さ」は、調香師などの当業者によく知られている用語である。快適さは、一般的に、自発的にもたらされ、肯定的に知覚された心地よい感覚的印象を指す。しかしながら、「快適である」は、「甘い(sweet)」と同義である必要はない。「快適である」は、ムスク又はサンダルウッドの匂いでもあり得る。「明確さ」とは一般的に、自発的にもたらされる感覚的印象を指し、同じ試験パネリストにおいて、特定の何かを再現可能に同一的に思い出させるものをもたらす。例えば、ある物質が、自発的に「リンゴ」の匂いを思い出させる匂いを有する場合があると、その匂いは、明確に「リンゴ」になる。このリンゴの匂いが、例えば、甘くて完熟したリンゴを思い出させるため、非常に心地よい場合、その匂いは、「快適である」と呼ばれる。しかしながら、典型的には酸っぱいリンゴの匂いも、明確であり得る。物質の匂いをかぐと両方の反応が起こり、この例では、これにより快適で明確なリンゴの匂いがする場合、この物質は、特に有利な感覚特性を有する。
【0035】
組成物、方法又は2つの化合物の使用を参照して本明細書で使用される場合、表現「の組み合わせ」、「と組み合わせて」又は「と組み合わせた」は、2つの化合物は、前述の化合物の物理的混合物の形態で使用される必要はなく、別々に使用(例えば、添加)されることができるということを考慮に入れる。化合物が別々に使用される場合、それらは、任意の順序で連続的に(即ち、次々に)、又は併行して(即ち、基本的に同時に)、使用(例えば、添加)されることができる。
【0036】
「増強」又は「増強する」という用語は、本明細書では、芳香化学物質の又は組成物の芳香を向上及び/又は改質する効果を表すために使用される。「向上する」という用語は、芳香の快適さ及び/又は明確さの改善、及び/又は強度の改善を含む。「改質」という用語は、芳香プロファイルの変化を含む。
【0037】
強度は、閾値の決定によって決定されることができる。もはや定義する必要はないが、匂いの閾値は、代表する試験パネリストが匂いの印象を依然として知覚できる、関連するガス空間内の物質の濃度である。
【0038】
増強物効果は、例えば、デオドラント、消臭剤、又はチューインガムにおける味覚分野などで、匂いが特に迅速且つ集中的に伝達される、トップノートを特徴とする用途が必要な芳香剤組成物で特に望まれる。
【0039】
「本発明は、に関する」及び「本発明は、を対象とする」という用語は、本発明に渡り同義的に使用される。
【0040】
「粘り強さ」という用語は、芳香化学物質の経時的な蒸発挙動を表す。粘り強さは、例えば、芳香化学物質を試験ストリップに塗布し、続いて試験ストリップの匂いの印象を嗅覚的に評価することによって決定されることができる。高い粘り強さを有する芳香化学物質の場合、パネリストが、依然として芳香の印象を識別できるまでの時間間隔は長くなる。
【0041】
「持続性」という用語は、特に、例えば洗浄などの表面のその後の処理後の、例えば、皮膚又は繊維製品などの表面との芳香化学物質の相互作用を表す。持続性は、例えば、芳香化学物質を含む繊維製品洗剤組成物で繊維製品を洗浄し、続いて洗浄直後の繊維製品(濡れた繊維製品)の嗅覚的評価、及び長期保存後の乾燥した繊維製品の評価によって決定されることができる。
【0042】
「安定性」という用語は、酸素、光、及び/又は他の物質と接触した際の芳香化学物質の挙動を表す。安定性の高い芳香化学物質は、長期に渡り、好ましくは多種多様な組成物及び様々な保存条件下で、その芳香プロファイルを維持する。
【0043】
組成物に又は組成物で処理された表面に長期に渡り続く芳香の印象を付与するために、組成物における芳香化学物質の粘り強さ、持続性及び安定性は、好ましくは高くある必要がある。
【0044】
本明細書で特に明記しない限り、本明細書に記載の「化合物」は、一般式(Ia)又は一般式(Ib)又はそれらの混合物によって定義される化合物に関する。
【0045】
化合物:
本発明の一実施形態は、式(Ia)の化合物、
【化8】
又はその塩又は立体異性体を対象とし、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、nは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、CH
3、C
2H
5、又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rは又、CH
3であるという条件である。
【化9】
【0046】
本発明の別の実施形態は、式(Ia)の化合物、
【化10】
又はその塩又は立体異性体を対象とし、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、nは、0又は1であり、
Rは、Hであり、R
1は、C
2H
5又はC
3H
7であり、或いは
Rは、CH
3であり、R
1は、CH
3、C
2H
5、又はC
3H
7である。
【化11】
【0047】
本発明の一実施形態では、式(Ia)の化合物は、
Yは=O、であり、
m、nは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である化合物である。
【0048】
本発明の別の実施形態では、式(Ia)の化合物は、
Yは、-OHであり、
m、nは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である化合物である。
【0049】
本発明の別の実施形態では、式(Ia)の化合物は、
Yは、-OHであり、
mは、1であり、nは、0であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である化合物である。
【0050】
本発明の別の実施形態では、式(Ia)の化合物は、
Yは、=Oであり、
mは、1であり、nは、0であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である化合物である。
【0051】
本発明の更に別の実施形態では、式(Ia)の化合物は、以下からなる群から選択される:
3,3,8,8-テトラメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ナフタレン-1-オン
3,3,7,7-テトラメチル-2,4,5,6-テトラヒドロインデン-1-オン
3,3,8,8-テトラメチル-1,2,4,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1-オール
3,3,7,7-テトラメチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-1H-インデン-1-オール。
【0052】
本発明の別の実施形態では、式(Ib)の化合物は、
【化12】
又はその塩又はその立体異性体であり、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
pは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rは又、CH
3であるという条件である。
【化13】
【0053】
本発明の別の実施形態では、式(Ib)の化合物は、
【化14】
又はその塩又はその立体異性体であり、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
pは、0又は1であり、
Rは、Hであり、R
1は、C
2H
5又はC
3H
7であり、或いは
Rは、CH
3であり、R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7である。
【化15】
【0054】
本発明の一実施形態では、式(Ia)の化合物は、
Yは、=Oであり、
pは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である化合物である。
【0055】
本発明の一実施形態では、式(Ia)の化合物は、
Yは、-OHであり、
pは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である化合物である。
【0056】
本発明の更に別の実施形態では、式(Ib)の化合物は、以下からなる群から選択される:
4,4,8,8-テトラメチル-9-メチレン-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オン
4,4,8,8-テトラメチル-9-メチレン-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オール。
【0057】
混合物
別の実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物、
【化16】
又はその塩又はその立体異性体、
及び
式(Ib)の少なくとも1つの化合物、
【化17】
又はその塩又はその立体異性体を含む混合物に関し、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、n、pは、独立して0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、-CH
3、-C
2H
5又はC
3H
7である。
【化18】
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、混合物は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含み、
Yは、=Oであり、
m、n、及びpは、1であり
Rは、CH3であり
R1は、CH3である。
【0059】
本発明の好ましい実施形態では、混合物は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含み、
Yは、-OHであり、
m、n、及びpは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である。
【0060】
本発明の一実施形態では、混合物は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含み、式(Ia)の化合物の総量と式(Ib)の化合物の総量との重量比は、1:99~99:1の範囲である。
【0061】
好ましくは10:90~90:10、更により好ましくは40:60~60:40である。
【0062】
本発明の一実施形態では、混合物は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含み、式(Ia)の化合物の総量と式(Ib)の化合物の総量との重量比は、それぞれ、1:99~99:1の範囲の特定の比である。
【0063】
本発明の一実施形態では、混合物は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含み、式(Ia)の化合物の総量と式(Ib)の化合物の総量との重量比は、それぞれ、10:90~90:10の範囲の特定の比である。
【0064】
本発明の一実施形態では、混合物は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含み、式(Ia)の化合物の総量と式(Ib)の化合物の総量との重量比は、40:60~90:10の範囲である。
【0065】
本発明の一実施形態では、混合物は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含み、式(Ia)の化合物の総量と式(Ib)の総量との重量比は、50:50である。
【0066】
使用:
現に特許請求されている発明の一実施形態は、芳香化学物質としての、好ましくは芳香剤/芳香剤組成物としての、式(Ia)の少なくとも1つの化合物、式(Ib)の少なくとも1つの化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物の使用を対象とする。
【0067】
現に特許請求されている発明の更なる実施形態では、組成物の芳香を増強するための、式(Ia)の少なくとも1つの化合物、式(Ib)の少なくとも1つの化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物の使用を対象とする。
【0068】
現に特許請求されている発明の実施形態では、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物、或いは前述の組成物の少なくとも1つ又はそれらのそれぞれの混合物を含む芳香化学物質組成物が、芳香剤として使用される。
【0069】
特に、式(Ia)の化合物又は式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物は、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート、及びアセティックノートからなる群から選択されるノートを付与するために使用される。
【0070】
上記の適切な組成物は、例えば、パーソナルケア、ホームケア、産業用途で使用される組成物、及び医薬組成物又は作物保護組成物などの他の用途で使用される組成物である。
【0071】
好ましくは、現に特許請求されている発明による式(Ia)の化合物又は式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物は、香水組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物並びに口腔及び歯科衛生用製品を含む)、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い組成物を含む)、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される組成物に使用される。現に特許請求されている発明による化合物又は混合物は、上記の組成物において芳香化学物質/芳香剤組成物として、好ましくは芳香剤として使用される。
【0072】
特に、現に特許請求されている発明による式(Ia)の化合物又は式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物は、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、アンバーノート、タバコノート、イオノンノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート、及びアセティックノートからなる群から選択されるノートを付与するために使用される。
【0073】
式(Ia)の化合物又は式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物を使用することに加えて、それらの塩又は立体異性体も同じように使用されることができる。
【0074】
上に挙げた組成物の詳細を以下に示す。
【0075】
同様に、現に特許請求されている発明によれば、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物は、組成物に含まれる他の芳香化学物質(例えば、他の芳香剤)との相乗効果の結果として、化学組成物の感覚プロファイルを改善することができ、このことは、この化合物が、前述の他の芳香化学物質に増強物効果をもたらすことができることを意味する。従って、この化合物は、他の芳香化学物質の増強物として適している。
【0076】
よってまた、現に特許請求されている発明は、芳香化された(例えば、香り付けされた)組成物の芳香特性(例えば、香り特性)を改質するための、現に特許請求されている発明による、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物の使用に関し、具体的には、他の芳香化学物質の増強物としての使用に関する。
【0077】
物質の増強物効果とは、その物質が、芳香化学物質配合物(例えば、香水配合物など)において、配合物の全体的な感覚(例えば、嗅覚)の印象を向上し強化することを意味する。増強物効果は、トップノートを特徴とする用途が必要な場合に特に望まれ、この場合、例えば、デオドラント、消臭剤において、又はチューインガムの味覚分野において、匂いの印象が特に迅速且つ集中的に伝達されることになる。
【0078】
このような増強物効果を達成するために、現に特許請求されている発明の化合物又はその混合物は、例えば、得られる芳香化学物質組成物の総重量に基づいて、例えば、0.001重量%~10重量%(重量%)、例えば、0.01重量%~2重量%、好ましくは0.05重量%~1重量%、特に0.1重量%~0.5重量%の量で使用することができる。
【0079】
更に、本発明による式(Ia)の式化合物の化合物、式(Ib)の化合物、又は式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物は、それが使用されている組成物への更なる肯定的な効果を有し得る。例えば、化合物の存在は、安定性、例えば、組成物の配合安定性、拡張性、又は保持力など、化合物が組み込まれる組成物の全体的な性能を向上させることができる。
【0080】
組成物は、以下の段落に記載されている。
【0081】
組成物:
一実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と少なくとも1つの化合物(Ib)の混合物、並びに
(i)式(Ia)及び(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの化合物、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iii)(i)と(ii)の両方を含む組成物に関する。
【0082】
別の実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物、並びに
(i)式(Ia)及び(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの化合物、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iii)(i)と(ii)の両方を含む組成物に関する。
【0083】
更に別の実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(Ib)の少なくとも1つの化合物、並びに
(i)式(Ia)及び(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの化合物、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iii)(i)と(ii)の両方を含む組成物に関する。
【0084】
好ましくは、組成物は、芳香組成物である。
【0085】
一実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物を含む組成物に関し、この場合、式(Ia)の化合物の量は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以上から70.0重量%以下の範囲である。
【0086】
一実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(Ib)の少なくとも1つの化合物を含む組成物に関し、この場合、式(Ib)の化合物の量は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以上から70.0重量%以下の範囲である。
【0087】
一実施形態では、現に特許請求されている発明は、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と式(Ib)の少なくとも1つの化合物の混合物を含む組成物に関し、この場合、式(Ia)の少なくとも1つの化合物と、式(Ib)の少なくとも1つの化合物とを含む混合物の総量は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以上から70.0重量%以下の範囲である。
【0088】
本発明の組成物における非芳香化学物質担体は、界面活性剤、オイル成分及び溶媒から選択することができる。
【0089】
芳香化学物質(i)は、本発明による化合物とは異なる。
【0090】
それらの物理的特性により、本発明の化合物は、芳香化された(例えば、香り付けされた)香水組成物における他の芳香化学物質(例えば、芳香剤)及び他の通常の成分と良好に組み合わせることができる。これにより、例えば、新規で有利な感覚プロファイルを有する芳香組成物(例えば、香水組成物)の生成が可能になる。特に、既に上記で説明したように、この化合物は、他の芳香化学物質(芳香剤など)に増強物効果を提供することができる。
【0091】
従って、本発明による組成物は、本明細書で定義される、式(Ia)又は(Ib)の少なくとも1つの化合物、或いは式(Ia)及び(Ib)の化合物の混合物、並びに、現に特許請求されている発明の式(Ia)又は(Ib)の化合物とは異なる少なくとも1つの芳香化学物質を含む。
【0092】
芳香化学物質(i)は、例えば、以下からなる群から選択される、1つ、好ましくは2、3、4、5、6、7、8又は9つの芳香化学物質であり得る:
ゲラニルアセテート、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、エチルリナロール、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート、シトロネロール、シトロネリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセテート、スチロリルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン、ヘキシルサリチレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、α-イオノン、n-α-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-カルボキシアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシレート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、シス-3-ヘキセニルアセテート、トランス-3-ヘキセニルアセテート、トランス-2/シス-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-プロパナール、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、エチル2-メチルペンタノエート、エトキシメトキシシクロドデカン、2,4-ジメチル-4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ジオキシン、(2-tert-ブチルシクロヘキシル)アセテート及び3-[5,5,6-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル]シクロヘキサン-1-オール。
【0093】
更に別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの芳香化学物質(i)は、メチルベンゾエート、ベンジルアセテート、ゲラニルアセテート、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、リナロール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール及びメチルベンゾエートからなる群から選択される。
【0094】
更に別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの芳香化学物質(i)は、エチルバニリン、バニリン、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン(フラネオール)又は3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン(マルトール)からなる群から選択される。
【0095】
本発明の化合物を組み合わせて、現に特許請求されている発明による組成物を得ることができる更なる芳香化学物質は、例えば、S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,Vol.I and II,Montclair,N.J.,1969,self-published又はK.Bauer,D.Garbe and H.Surburg,Common Fragrance and Flavor Materials,4th Ed.,Wiley-VCH,Weinheim 2001に見られることができる。具体的には、以下のものを挙げることができる:天然原料からの抽出物、例えば、エッセンシャルオイル、コンクリート(concrete)、アブソリュート(absolute)、樹脂、レジノイド、バルサム、例えば、アンバーグリスチンキなどのチンキ剤、アミリス(amyris)オイル、アンゼリカ種子オイル、アンゼリカ根オイル、アニスオイル、バレリアンオイル、バジルオイル、ツリーモスアブソリュート(tree moss absolute)、ベイオイル、よもぎオイル、ベンゾイン樹脂、ベルガモットオイル、蜜蝋アブソリュート(beeswax absolute)、バーチタールオイル、ビターアーモンドオイル、セイバリーオイル、ブチュリーフオイル、カブレバオイル、ケードオイル、カルマスオイル、カンフルオイル、カナンガオイル、カルダモンオイル、カスカリーラオイル、カシアオイル、カシアアブソリュート(cassia absolute)、カストリウムアブソリュート(castoreum absolute)、シダーリーフオイル、シダーウッドオイル、シスタスオイル、シトロネラオイル、レモンオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コリアンダーオイル、コスタスルート(costus root)オイル、クミンオイル、ヒノキオイル、ダバナオイル、ディルウィードオイル、ディルシードオイル、Eau de broutsアブソリュート(absolute)、オークモスアブソリュート(oak moss absolute)、エレミオイル、タラゴンオイル、ユーカリシトリオドラオイル、ユーカリオイル、フェンネルオイル、松葉オイル、ガルバナムオイル、ガルバナム樹脂、ゼラニウムオイル、グレープフルーツオイル、グアイアックウッドオイル、グルジャンバルサム、グルジャンバルサムオイル、ヘリクリサムアブソリュート(helichrysum absolute)、ヘリクリサム(helichrysum)オイル、ジンジャーオイル、イリス根アブソリュート(absolute)、イリス根オイル、ジャスミンアブソリュート(absolute)、カルマスオイル、カモミールオイルブルー、ローマンカモミールオイル、ニンジンシードオイル、カスカリーラオイル、松葉オイル、スペアミントオイル、キャラウェイオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムアブソリュート(absolute)、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート(absolute)、ラバンジンオイル、ラベンダーアブソリュート(absolute)、ラベンダーオイル、レモングラスオイル、ラベージオイル、ライムオイルディスティルド(lime oil distilled)、ライムオイルプレスド(lime oil pressed)、リナロールオイル、リツエアクベバ(litsea cubeba)オイル、月桂樹葉オイル、メイスオイル、マジョラムオイル、マンダリンオイル、マッソイア樹皮(massoia bark)オイル、ミモザアブソリュート(mimosa absolute)、ムスクシードオイル、ムスクチンキ、クラリセージオイル、ナツメグオイル、ミルラアブソリュート(absolute)、ミルラオイル、ギンバイカオイル、クローブリーフオイル、クローブフラワーオイル、ネロリオイル、オリバナムアブソリュート(absolute)、オリバナムオイル、オポパナックスオイル、オレンジブロッサムアブソリュート(absolute)、オレンジオイル、オリガナムオイル、パルマローザオイル、パチョリオイル、パリラオイル、ペルーバルサムオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、プチグレンオイル、ペパーミントオイル、ペッパーオイル、ピメントオイル、パインオイル、ペニーロイヤルオイル、ローズアブソリュート(absolute)、ローズウッドオイル、ローズオイル、ローズマリーオイル、ダルメシアンセージオイル、スペイン(Spanish)セージオイル、サンダルウッドオイル、セロリシードオイル、スパイクラベンダーオイル、スターアニスオイル、エゴノキオイル、マンジュギクオイル、ファーニードルオイル、ティーツリーオイル、テレピンオイル、タイムオイル、トルバルサム、トンカアブソリュート(absolute)、チューベローズアブソリュート(absolute)、バニラ抽出物、バイオレットリーフアブソリュート(absolute)、バーベナオイル、ベチバーオイル、ジュニパーベリーオイル、ワインリース(wine lees)オイル、アブサンオイル、ウィンターグリーンオイル、ヒソップオイル、シベットアブソリュート(absolute)、シナモンリーフオイル、シナモン樹皮オイル、及びそれらの画分、又はそれらから単離された成分など、
炭化水素の群からの個々の芳香剤、例えば、3カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギフォレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタンなど、
脂肪族アルコール、例えば、ヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オールなど、
脂肪族アルデヒド及びそのアセタール、例えば、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-ヘキサ-3-エンなど、脂肪族ケトン及びそのオキシム、例えば、2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オンなど、
脂肪族硫黄含有化合物、例えば、3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオールなど、
脂肪族ニトリル、例えば、2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6オクテンニトリルなど、
脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、(E)及び(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルソバレレート、エチル2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル2-オクチネート、メチル2-ノニネート、アリル2-イソアミルオキシアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート、4-メチル-2-ペンチルクロトネートなど、
非環式テルペンアルコール、例えば、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ラヴァンデュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、並びにそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2ブテノエートなど、
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、ゲラニアル、ネラル、シトロネラル、7ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアル、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタールなど、環状テルペンアルコール、例えば、メントール、イソプレゴール、α-テルピネオール、テルピン-4-オール、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロール酸化物、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチロール、グアジョール、並びにそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエートなど、
環状テルペンアルデヒド及びケトン、例えば、メントン、イソメントン、8メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、カンフル、フェンコン、α-イオノン、β-イオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、β-イソメチルイオノン、α-イロン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、β-ダマセノン、δ-ダマスコン、γ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノ-ナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ヌートカトン、ジヒドロヌートカトン、4,6,8-メガスティグマトリエン-3-オン、α-シネンサル、β-シネンサル、アセチル化シダーウッドオイル(メチルセドリルケトン)など、
環状アルコール、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールなど、
脂環式アルコール、例えば、α-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ペンタン-2オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オールなど、
環状及び脂環式エーテル、例えば、シネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、α-セドレンエポキシド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロ-ナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ-[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズ酸化物、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサンなど、
環状及び大環状ケトン、例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-シス-2-ペンテン-1-イル-2シクロペンテン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタ-デセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、5-シクロヘキサデセン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノンなど、
脂環式アルデヒド、例えば、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、2メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3シクロヘキセンカルバルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒドなど、
脂環式ケトン、例えば、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトンなど、
環状アルコールのエステル、例えば、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、デカヒドロ-2-ナフチルアセテート、2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート、3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6インデニルプロピオネート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチレート、4,7メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセテートなど、
脂環式アルコールのエステル、例えば、1-シクロヘキシルエチルクロトネートなど、
脂環式カルボン酸のエステル、例えば、アリル3-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、シス及びトランス-メチルジヒドロジャスモネート、シス及びトランス-メチルジャスモネート、メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート、エチル2-エチル-6,6ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテートなど、
芳香脂肪族アルコール、例えば、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノールなど、
芳香脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、例えば、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2フェニルエチルイソバレレート、1フェニルエチルアセテート、α-トリクロロメチルベンジルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテートなど、
芳香脂肪族エーテル、例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル、2フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドラトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-mジオキシンなど、
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えば、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドラトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、α-ブチルシンナムアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、3メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3メトキシ-ベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールなど、
芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えば、アセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセト-フェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)-エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1ジメチル-4インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5インデニル]エタノン、5’,6’,7’,8’-テトラヒドロ-3’,5’,5’,6’,8’,8’-ヘキサメチル-2-アセトナフトンなど、
芳香族及び脂肪族カルボン酸及びそれらのエステル、例えば、安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、シス-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル3-フェニルグリシデート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシデートなど、
含窒素芳香族化合物、例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シナモニトリル、3メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、メチルアントラニレート、メチル-N-メチルアントラニレート、7ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドとのメチルアントラニレートのシッフ塩基、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3イソプロピル-ピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジンなど、
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えば、エストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルエチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセテートなど、
複素環式化合物、例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンなど、
ラクトン、例えば、1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、シス及びトランス-11-ペンタデセン-1,15-オリド、シス及びトランス-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオエート、エチレン1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンなど。
【0096】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの非芳香化学物質担体(ii)は、界面活性剤、オイル成分、酸化防止剤、消臭活性剤及び溶媒からなる群から選択される。
【0097】
現に特許請求されている発明の文脈において、「溶媒」は、本発明に従って使用される本発明の化合物及び/又はそれ自体の芳香を有さない組成物の任意の更なる成分の希釈に役立つ。
【0098】
溶媒の量は、組成に応じて選択される。
【0099】
更に別の好ましい実施形態では、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、イソプロピルミリステート、及び前述のものの2つ以上の任意の混合物からなる群から選択される。
【0100】
更に別の好ましい実施形態では、溶媒は、組成物の総重量に基づいて、組成物に、総量0.01重量%~99.0重量%、より好ましくは総量0.05重量%~95.0重量%、更により好ましくは総量0.1重量%~80.0重量%、最も好ましくは0.1重量%~70.0重量%、特に総量0.1重量%~60.0重量%で存在する。
【0101】
本発明の更に別の好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.05重量%~10重量%、より好ましくは0.1重量%~5重量%、更により好ましくは0.2重量%~3重量%の総溶媒を含む。本発明の更に別の好ましい実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、20重量%~70重量%、より好ましくは25重量%~50重量%の総溶媒を含む。
【0102】
本発明の一実施形態は、本発明の化合物と、少なくとも1つのオイル成分とを含む組成物を対象とする。
【0103】
好ましい実施形態では、総オイル成分は、組成物の総重量に基づいて、0.1~80重量%、より好ましくは0.5~70重量%、更により好ましくは1~60重量%、更により好ましくは1~50重量%、特に1~40重量%、より詳細には5~25重量%、特に5~15重量%の量で存在する。
【0104】
オイル成分は、例えば、6~18、好ましくは8~10の炭素原子を含む脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール、及び他の更なるエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート及びエルシルエルケートなどから選択することができる。また、C18~C38アルキル-ヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分枝状C6~C22脂肪アルコールとのエステル、より具体的には、ジオクチルマレート、直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール又は三量体トリオール)とのエステル、C6~C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6~C18脂肪酸に基づく液体モノ-、ジ-及びトリグリセリド混合物、C6~C22脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸とのエステル、より具体的には、安息香酸、2~10の炭素原子及び2~6のヒドロキシル基を含むポリオールとのジカルボン酸のエステル、植物オイル、分岐状1級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分岐状C6~C22脂肪アルコールカーボネート、例えば、ジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)など、6~18、好ましくは8~10の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖状及び/又は分岐状C6~C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、アルキル基当たり6~22の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状の対称又は非対称のジアルキルエーテル、例えば、ジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)など、ポリオール及び炭化水素又はそれらの混合物によるエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物が適している。
【0105】
酸化防止剤は、酸素効果及び他の酸化プロセスによって引き起こされる、保護されるべき組成物における望ましくない変化を阻害又は防止できることが理解されるべきである。酸化防止剤の効果は、ほとんどの場合、自動酸化中に発生するフリーラジカルにおけるフリーラジカルスカベンジャーとして作用することにある。
【0106】
好ましい実施形態では、酸化防止剤は、以下からなる群から選択される:
・アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファンなど)及びそれらの誘導体、
・イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、
・D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン(=β-アラニル-L-ヒスチジン)及びそれらの誘導体などのペプチド、
・カロテノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコピン、ルテイン)又はそれらの誘導体、
・クロロゲン酸及びその誘導体、
・リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、
・アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、並びにそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)並びにそれらの塩、
・ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、
・スルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、
・(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、
・α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、
・フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、ボルディン(=植物、ボルド(Peumus boldus)由来のアルカロイド、ボルド抽出物、
・EDTA、EGTA及びそれらの誘導体、
・不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、
・葉酸及びその誘導体、
・ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体、
・ビタミンC及び誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mg
アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、
・トコフェロール及び誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、
・ビタミンA及び誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)、
・ガムベンゾイン(gum benzoin)のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、
・ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)
・ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びそれらの誘導体、マンノース及びその誘導体、
・スーパーオキシドジスムターゼ、
・亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、
・セレン及びその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、
・スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)、及び前述のものの2つ以上の混合物。
【0107】
好ましい実施形態では、酸化防止剤は、ペンタエリスリチル、テトラ-ジ-t-ブチル-ヒドロキシヒドロシンナメート、ノルジヒドログアイアレチン酸、フェルラ酸、レスベラトロール、没食子酸プロピル(propyl gallate)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビルパルミテート、トコフェロール、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0108】
更に別の好ましい実施形態では、現に特許請求されている発明による組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.001~25重量%、好ましくは0.005~10重量%、より好ましくは0.01~8重量%、更により好ましくは0.025~7重量%、更により好ましくは0.05~5重量%の総量で酸化防止剤を含むことができる。
【0109】
消臭組成物(デオドラント及び制汗剤)は、体臭を中和、マスク、又は除去する。体臭は、アポクリン汗に対する皮膚細菌の作用によって形成され、不快な臭いの分解生成物が形成される。
【0110】
従って、本発明の一実施形態は、本発明の化合物と、少なくとも1つの消臭活性剤とを含む組成物を対象とする。好ましい実施形態では、消臭活性剤は、制汗剤、エステラーゼ阻害剤、抗菌剤、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0111】
適切な制汗剤は、アルミニウム、ジルコニウム又は亜鉛の塩からなる群から選択される。例としては、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、及び、例えば、1,2-プロピレングリコールとのそれらの複合化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、及び、例えば、グリシンなどのアミノ酸とのそれらの複合化合物である。アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート及びそれらの複合化合物が、好ましく使用される。
【0112】
好ましい実施形態では、制汗剤は、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0113】
汗が脇の下の領域に存在する場合、細胞外酵素-エステラーゼ、主に、プロテアーゼ及び/又はリパーゼが、細菌によって形成され、汗に存在するエステルを分解し、その過程で匂いを放出する。適切なエステラーゼ阻害剤は、例えば、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、及び特にトリエチルシトレートなどのトリアルキルシトレートである。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害し、従って匂いの発生を低減する。遊離酸は、おそらくクエン酸エステルの切断によって放出され、アシル化によって酵素が不活性化される程度まで皮膚のpH値を減少させる。他のエステラーゼ阻害剤は、例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロール硫酸又はリン酸などのステロール硫酸又はリン酸、ジカルボン酸及びそのエステル、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステル、亜鉛グリシネート、及び前述のものの2つ以上の混合物である。
【0114】
好ましい実施形態では、エステラーゼ阻害剤は、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレート、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、シトステロールスルフェート、シトステロールホスフェート、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸、マロン酸ジエチルエステル、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸ジエチルエステル、亜鉛グリシネート及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0115】
現に特許請求されている発明による組成物は、好ましくは組成物の総重量に基づいて、0.01~20重量%、好ましくは0.1~10重量%、より具体的には0.5~5重量%の範囲の総量で、エステラーゼ阻害剤を含む。
【0116】
本明細書で使用される「抗菌剤」という用語は、殺菌及び/又は静菌特性を有する物質を包含する。典型的には、これらの物質、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸及びその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート、クロルヘキシジン、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)など、例えば、サリチル酸-n-オクチルアミド又はサリチル酸-n-デシルアミドなどのサリチル酸-N-アルキルアミドなどは、グラム陽性菌に対して作用する。
【0117】
好ましい実施形態では、抗菌剤は、キトサン、フェノキシエタノール、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール、4-ヒドロキシ安息香酸及びその塩及びエステル、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2’-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)-フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート、クロルヘキシジン、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(TTC)、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。
【0118】
現に特許請求されている発明による組成物は、好ましくは、組成物の総重量に基づいて、0.01~5重量%、好ましくは0.1~2重量%の範囲の総量で抗菌剤を含む。
【0119】
本発明の化合物の特徴的な感覚特性及びその持続性、粘り強さ、並びに安定性により、例えば、洗浄剤(特にランドリーケア製品及び多目的洗浄剤)などの界面活性剤含有組成物に、匂い、好ましくは芳香剤の印象を付与するために特に使用することができる。持続性のあるドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート、及びアセティックノートを、界面活性剤含有組成物に付与するために好ましくは使用することができる。
【0120】
従って、現に特許請求されている発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1つの界面活性剤を含むことができる。
【0121】
好ましい実施形態では、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性界面活性剤、及び前述のものの2つ以上の混合物からなる群から選択される。更に別の好ましい実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤である。
【0122】
本発明による組成物は、通常、組成物の総重量に基づいて、0~40重量%、好ましくは0~20重量%、より好ましくは0.1~15重量%、特に0.1~10重量%の総量で界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤の典型的な例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、任意に部分酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に小麦系野菜製品)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート及びアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、それらは従来の同族体(homolog)分布を有し得るが、狭い範囲の同族体分布を有することが好ましい。
【0123】
双性イオン性界面活性剤は、分子内に少なくとも1つの4級アンモニウム基及び少なくとも1つのCOO(-)又はSO3(-)基を含む界面活性化合物である。特に適切な双性イオン性界面活性剤は、いわゆる、ベタイン、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及びアルキル又はアシル基に8~18の炭素原子を含む2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、及びココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインのCTFA名で知られている脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。
【0124】
また、両性界面活性剤が、特に補助界面活性剤として適している。両性界面活性剤は、C8~C18のアルキル基又はアシル基に加えて、分子内に、少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの-COOH又はSO3H基を含み、分子内塩を形成することができる界面活性化合物である。適切な両性界面活性剤の例は、アルキル基に約8~18の炭素原子を含む、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びアシルサルコシンである。
【0125】
アニオン性界面活性剤は、水溶性アニオン性基、例えば、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート又はホスフェート基及び親油性基が特徴である。皮膚科学的に安全なアニオン性界面活性剤は、関連する教科書から多数の実践者に知られており、市販されている。それらは、特に、それらのアルカリ金属、アンモニウム塩又はアルカノールアンモニウム塩の形態のアルキルスルフェート、それらのアルカリ金属又はアンモニウム塩の形態の、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、直鎖状C12~C18アルキル又はアシル基を含むアシルタウリン、及びスルホスクシネート及びアシルグルタメートである。
【0126】
特に適切なカチオン性界面活性剤は、4級アンモニウム化合物、好ましくはアンモニウムハライド、より具体的には、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリドなどのクロリド及びブロミド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。加えて、容易に生分解される4級エステル化合物、例えば、Stepantexeの名前で市販されているジアルキルアンモニウムメトスルフェート及びメチルヒドロキシアルキルジアルキルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェート、並びにDehyquart(登録商標)シリーズの対応する製品などが、カチオン性界面活性剤として使用され得る。「エステルクワット(Esterquats)」は、一般に、四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解されている。それらは組成物に特定の柔らかさを付与することができる。それらは、有機化学の関連する方法によって調製される既知の物質である。本発明による使用に適した他のカチオン性界面活性剤は、4級化タンパク質加水分解物である。
【0127】
現に特許請求されている発明の一実施形態は、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗浄剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物からなる群から選択される組成物を対象とする。
【0128】
前述の組成物は、好ましくは芳香化学物質組成物であり、より好ましくは芳香剤組成物である。
【0129】
適切な組成物は、例えば、香水組成物、ボディケア組成物(化粧品組成物並びに口腔及び歯科衛生用製品を含む)、衛生用品、洗浄組成物(食器洗い組成物を含む)、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護組成物である。
【0130】
香水組成物は、ファイン芳香剤、液体形態、ゲル状形態又は固体担体に塗布された形態の消臭剤、エアゾールスプレー、芳香洗浄剤、香水キャンドル、及びランプオイル又はマッサージ用オイルなどのオイルから選択することができる。
【0131】
ファイン芳香剤の例は、香水抽出物、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロン、オードソリド(Eau de Solide)、及びエクストラパルファム(Extrait Parfum)である。
【0132】
ボディケア組成物は、化粧品組成物並びに口腔及び歯科衛生用製品を含み、アフターシェーブ、プレシェーブ製品、スプラッシュコロン、固形及び液体ソープ、シャワージェル、シャンプー、シェービングソープ、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型(water-in-oil-in-water type)の化粧品エマルジョン、例えば、スキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け止めクリーム及びローション、アフターサン(after-sun)クリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェーブクリーム及びローション、日焼け防止クリーム及びローションなど、ヘアケア製品、例えば、ヘアスプレー、ヘアジェル、セットヘアローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、パーマネント及びセミパーマネントヘアカラー剤、コールドウェーブ及びヘアスムージング組成物などのヘアシェイプ組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローションなど、消臭剤及び制汗剤、例えば、脇の下用スプレー、ロールオン(roll-on)、デオドラントスティック及びデオドラントクリームなど、装飾化粧品の製品、例えば、アイライナー、アイシャドウ、マニキュア、メイク用品、口紅及びマスカラなど、並びに、口腔及び歯科衛生用製品、例えば、歯磨き粉、デンタルフロス、マウスウォッシュ、口臭除去剤、デンタルフォーム、デンタルジェル、及びデンタルストリップなどから選択することができる。
【0133】
衛生用品は、線香、殺虫剤、忌避剤、噴射剤(propellant)、さび取り剤、香水の香りのフレッシュワイプ(perfumed freshening wipe)、脇の下用パッド、赤ちゃん用おむつ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧用ワイプ、ポケットティッシュ、食器洗剤及び消臭剤から選択することができる。
【0134】
洗浄組成物、例えば、固体表面用の洗浄剤などは、香水の香りの、酸性、アルカリ性、及び中性洗浄剤、例えば、床用洗浄剤、窓用洗浄剤、手洗い用と機械洗い用の両方の食器洗い用組成物、バス用及び衛生用洗浄剤、精練乳、固体及び液体のトイレ用洗浄剤、粉末及び泡状のカーペット用洗浄剤、家具用つや出し剤などのワックス及びつや出し剤、床用ワックス、靴用クリーム、消毒剤、表面消毒剤及びサニタリー用洗浄剤、ブレーキ用洗浄剤、パイプ用洗浄剤、水あか除去剤、グリル及びオーブン用洗浄剤、藻類及びコケ除去剤、カビ除去剤、ファサード洗浄剤(facade cleaner)から選択することができる。
【0135】
繊維製品洗剤組成物は、液体洗剤、粉末洗剤、漂白剤、浸漬剤及びしみ除去剤などの洗濯前処理剤、柔軟剤、洗濯用石鹸、洗濯用タブレットから選択することができる。
【0136】
食品とは、未加工、調理済み、又は加工済みの食用物質、氷、飲料、或いはその全て又は一部が人間が消費するために使用される、又は使用が意図されている成分、或いはチューインガム、グミ、ゼリー、及び菓子を意味する。
【0137】
栄養補助食品は、食事に更なる栄養価を追加することを意図した食事成分を含む摂取を意図した製品である。食事成分は、以下の物質の1つ又は任意の組み合わせであり得る:ビタミン、ミネラル、ハーブ又は他の植物、アミノ酸、総食事摂取量を増やすことによって食事を補うために人々が使用する食事物質、濃縮物、代謝産物、成分、又は抽出物。栄養補助食品は、錠剤、カプセル、ソフトジェル、ジェルキャップ、液体、又は粉末など、多くの形態で見られることができる。
【0138】
医薬組成物は、病気の診断、治癒、軽減、治療、又は予防に使用することを意図した組成物、並びに人又は他の動物の体の構造又は任意の機能に影響を与えることを意図した物品(食品以外)を含む。
【0139】
作物保護組成物は、農作物及び森林に損害を与える植物病害、雑草及び他の害虫(脊椎動物及び無脊椎動物の両方)の管理を意図した組成物を含む。
【0140】
好ましい実施形態では、組成物は、防腐剤、研磨剤、抗ざ瘡剤、皮膚の老化に対処するための薬剤、抗セルライト剤、抗フケ剤、抗炎症剤、炎症抑制剤、刺激緩和剤、収斂剤、制汗剤、防腐剤、帯電防止剤、結合剤、緩衝剤、担体材料、キレート剤、細胞刺激剤、ケア剤、脱毛剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、皮膜形成剤、固定剤、発泡剤、整泡剤、発泡防止剤、発泡促進剤、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、髪整形剤、整髪剤、水分供与剤、保湿剤、湿潤剤、漂白剤、強化剤、染み抜き剤、蛍光増白剤、含浸剤、防汚剤、摩擦低減剤、潤滑剤、保湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、つや出し剤、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、再脂肪化剤、角質除去剤、シリコーン、皮膚鎮静剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、紫外線フィルター、柔軟剤、懸濁剤、皮膚日焼け止め剤、増粘剤、ビタミン、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、一価又は多価不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、防食剤、ポリオール、電解質、及びシリコーン誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの補助剤を更に含む。
【0141】
本発明の一実施形態は、
(i)本発明による化合物以外の少なくとも1つの化合物、又は
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(i)と(ii)の両方を含む組成物を調製する方法を対象とする。
【0142】
例えば、この方法は、本明細書に記載の現に特許請求されている発明の式(Ia)の化合物又は式(Ib)の化合物又はそれらの混合物と、
(i)式(Ia)の化合物又は式(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの化合物、或いは
(ii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、或いは
(iii)(i)と(ii)の両方を混合することによって実行されることができる。
【0143】
本発明はまた、芳香剤組成物などの組成物の芳香の印象を増強する方法であって、本明細書に記載の現に特許請求されている発明の化合物を組成物に組み込むことを含む方法を対象とする。
【0144】
特に、本発明は、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物を調製する方法を対象とし、この方法は、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物における本明細書に記載の現に特許請求されている発明の化合物を含むことを含む。
一実施形態では、本発明は、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート及びアセティックノートの要素を思い出させるノートを、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物へ付与する方法を対象とし、この方法は、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物における現に特許請求されている発明の化合物を含むことを含む。
【0145】
プロセス
本発明の一実施形態では、本発明の化合物は、ニコチン酸の存在下でα-イソホロンをプレノール又はその類似化合物と反応させて、置換された2-シクロヘキセン-1-オン化合物を形成することによって合成される。
【0146】
更なる実施形態では、2-シクロヘキセン-1-オン化合物を環化反応に供して、本発明の化合物を提供する。
【0147】
文献中の既知の方法によるケト化合物の更なる還元により、対応する-OHが置換された化合物が得られる。
【0148】
実施形態:
以下に、本開示を更に例示するために実施形態のリストを提供するが、本開示を以下に挙げる特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0149】
1.式(Ia)の少なくとも1つの化合物、
【化19】
又はその塩又はその立体異性体、
及び
式(Ib)の少なくとも1つの化合物、
【化20】
又はその塩又はその立体異性体を含む混合物であって、
式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、n、pは、独立して0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、-CH
3、-C
2H
5又はC
3H
7である、混合物。
【化21】
【0150】
2.Yは、=Oであり、
m、n、及びpは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態1に記載の混合物。
【0151】
3.Yは、-OHであり、
m、n、及びpは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態1に記載の混合物。
【0152】
4.式(Ia)の化合物と(Ib)の化合物の重量比は、1:99~99:1の範囲にある、実施形態1~3のいずれかに記載の混合物。
【0153】
5.組成物に芳香の印象を付与するための、実施形態1~4のいずれかに記載の混合物の使用。
【0154】
6.少なくとも実施形態1~4のいずれかに記載の混合物を組成物に添加する工程を含む、組成物に芳香の印象を付与する方法。
【0155】
7.組成物は、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物からなる群から選択される、実施形態5又は6のいずれかに記載の使用又は方法。
【0156】
8.芳香の印象は、ドライフルーツノート、ミントノート、バイオレットノート、タバコノート、イオノンノート、アンバーノート、ウッディノート、ダスティノート、ペッパーノート、シダーウッドノート、スウィートノート、ドライノート及びアセティックノートからなる群から選択される、実施形態5又は6のいずれかに記載の使用又は方法。
【0157】
9.化合物(Ia)及び(Ib)の混合物の総量は、組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以上から70.0重量%以下の範囲の量で組成物に存在する、実施形態5又は6のいずれかに記載の使用又は方法。
【0158】
10.(i)実施形態1~4のいずれかに記載の混合物、並びに
(ii)式(Ia)及び(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの芳香化学物質、又は
(iii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方を含む組成物。
【0159】
11.少なくとも1つの非芳香化学物質担体(iii)は、界面活性剤、オイル成分、酸化防止剤、消臭活性剤及び溶媒からなる群から選択される、実施形態10に記載の組成物。
【0160】
12.組成物は、香水組成物、ボディケア組成物、衛生用品、洗浄組成物、繊維製品洗剤組成物、香りディスペンサー用組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護組成物からなる群から選択される、実施形態10又は11のいずれかに記載の組成物。
【0161】
13.式(Ia)の化合物、
【化22】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、nは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rは又、CH
3であるという条件である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化23】
【0162】
14.式(Ia)の化合物、
【化24】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
m、n、又はpは、1であり、
Rは、Hであり、R
1は、C
2H
5又はC
3H
7であり、或いは
Rは、CH
3であり、R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化25】
【0163】
15.Yは、=Oであり、
m、nは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態13又は14に記載の式(Ia)の化合物。
【0164】
16.Yは、-OHであり、
m、nは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態13又は14に記載の式(Ia)の化合物。
【0165】
17.Yは、-OHであり、
mは、1であり、nは、0であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態13又は14に記載の式(Ia)の化合物。
【0166】
18.Yは、=Oであり、
mは、1であり、nは、0であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態13又は14に記載の式(Ia)の化合物。
【0167】
19.組成物に芳香の印象を付与するための、実施形態13~18のいずれかに記載の式(Ia)の化合物の使用。
【0168】
20.実施形態13~18のいずれかに記載の式(Ia)の化合物を添加する工程を少なくとも含む組成物に芳香の印象を付与する方法。
【0169】
21.(i)実施形態13~18のいずれかに記載の式(Ia)の少なくとも1つの化合物、及び
(ii)式Iaの化合物以外の少なくとも1つの芳香化学物質、又は
(iii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方を含む組成物。
【0170】
22.式(Ib)の化合物、
【化26】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
pは、0又は1であり、
Rは、H又はCH
3であり、
R1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7であり、
但し、R
1がCH
3である場合、Rは又、CH
3であるという条件である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化27】
【0171】
23.式(Ib)の化合物、
【化28】
(式中、
Yは、=O又は-OHであり、
pは、0又は1であり、
Rは、Hであり、R
1は、C
2H
5又はC
3H
7であり、或いは
Rは、CH
3であり、R
1は、CH
3、C
2H
5又はC
3H
7である)
又はその塩又はその立体異性体。
【化29】
【0172】
24.Yは、=Oであり、
pは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態22又は23に記載の式(Ib)の化合物。
【0173】
25.Yは、-OHであり、
pは、1であり、
Rは、CH3であり、
R1は、CH3である、実施形態22又は23に記載の式(Ib)の化合物。
【0174】
26.組成物に芳香の印象を付与するための、実施形態22~25のいずれかに記載の式(Ib)の化合物の使用。
【0175】
27.実施形態22~25のいずれかに記載の式(Ib)の化合物を添加する工程を少なくとも含む、組成物に芳香の印象を付与する方法。
【0176】
28.(i)実施形態22~25のいずれかに記載の式(Ib)の少なくとも1つの化合物、及び
(ii)式(Ib)の化合物以外の少なくとも1つの芳香化学物質、又は
(iii)少なくとも1つの非芳香化学物質担体、又は
(iv)(ii)と(iii)の両方を含む組成物。
【実施例】
【0177】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって詳細に説明される。より具体的には、以下に特定する試験方法は、本出願の一般的な開示の一部であり、特定の実施例に限定されない。
【0178】
分析方法:
特性評価は、13C-NMR及び1H-NMRによって行われる。13C-NMR及び1H-NMRスペクトルが、Bruker DPX-500分光計において測定された。
【0179】
プロセス
実施例1
3,3,8,8-テトラメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ナフタレン-1-オン及び4,4,8,8-テトラメチル-9-メチレン-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オンの合成。
【0180】
工程1:5,5-ジメチル-3-(4-メチルペント-3-エニル)シクロヘキサ-2-エン-1-オン(9)及び3,5,5-トリメチル-4-(4-メチルペント-3-エニル)シクロヘキサ-2-エン-1-オン(10)の合成。
【化30】
【0181】
α-イソホロン(7)500g(3.62モル)、プレノール(8)1544g(17.9モル)、及びニコチン酸43.2g(0.35モル)を、ディーンスターク受容器を備えた反応器に導入し、加熱し、72時間還流した。混合物を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム500mlで洗浄し、更に水500mlで2回洗浄した。混合物を濃縮して、698gの透明な赤色の液体を得、これを次の工程で使用した。
【0182】
化合物9のNMRデータ:
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 5.88(s,1H),5.12 - 5.02(m,1H),2.28 - 2.10(m,8H),1.68(s,3H),1.61(s,3H),1.03(s,6H).
13C-NMR(CDCl3,125MHz):198.3 ppm(s);163.4 ppm(s);131.6 ppm(s);123.9 ppm(d),123.2 ppm(d),50.6 ppm(t);42.9 ppm(t);37.3 ppm(t);33.2 ppm(s),28.0 ppm(t);27.8 ppm(q);27.8(q),25.5 ppm(q);17.6 ppm(q).
【0183】
化合物10のNMRデータ:
1H NMR(CDCl3,500MHz)δ 5.85(s,1H),5.21 - 5.05(m,1H),2.43(d,J=17.2Hz,1H),2.40 - 2.31(m,1H),2.29 - 2.20(m,1H),2.05 - 1.99(d,J=17.2Hz,1H),1.98(s,4H),1.68(s,3H),1.60(s,3H),1.05(s,3H),1.01(s,3H).
13C-NMR(CDCl3,125MHz):197.7 ppm(s);164.8 ppm(s);131.4 ppm(s);124.8 ppm(d),123.0 ppm(d),50.7 ppm(d);47.0 ppm(t);35.9 ppm(s);28.4 ppm(q),26.8 ppm(q);25.6 ppm(q);25.1(t),24.1 ppm(q);17.7 ppm(q).
【0184】
工程2:3,3,8,8-テトラメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ナフタレン-1-オン(1)及び4,4,8,8-テトラメチル-9-メチレン-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オン(2)の合成
【化31】
【0185】
化合物9及び10を含む工程1から得られた698gの混合物、1385gのトルエン及び120gのリン酸(85%)を反応容器に加え、48時間還流した。混合物を室温に冷却し、1000gの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で処理した。水層を分離し廃棄し、有機層を水500mlずつで2回洗浄した。混合物をロータバップにおいて濃縮し、残留物を蒸留して、化合物1(47.0%)及び2(49.3%)の約1:1の混合物117gを得た。
【0186】
化合物1のNMRデータ:
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ 2.19(s,2H),2.14-2.05(m,4H);1.65-1.57(m,2H);1.49-1.41(m,2H);1.21(s,6H);0.98(s,6H);
13C-NMR(CDCl3,125MHz):199.0 ppm(s);154.5 ppm(s);138.3 ppm(s);53.3 ppm(t);46.3 ppm(t);41.3 ppm(t);33.6 ppm(t);32.7 ppm(s);32.2 ppm(s);28.0 ppm(q);28.0 ppm(q);27.9 ppm(q);27.9 ppm(q);18.5 ppm(t);
【0187】
化合物2のNMRデータ:
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ 4.82(d,J=1.8Hz,1H),2.78(d,J=1.8Hz,1H),2.59(s,1H),2.40(d,J=17.0Hz,1H),2.20(d,J=17.0Hz,1H),2.14-1.95(m,2H);1.94 - 1.78(m,1H)1.71(td,J=14.3,5.3Hz 1H),1.36(dd,J=14.4,5.7Hz,1H),1.12(s,3H);1.01(s,3H),0.93(s,3H);0.88(s,3H)
13C-NMR(CDCl3,125MHz):211.5 ppm(s);146.7 ppm(s);110.6 ppm(t);68.8 ppm(d);53.9 ppm(t);48.5 ppm(d);35.3 ppm(s);35.2 ppm(s);33.3 ppm(t);31.0 ppm(q);28.7 ppm(q);27.3 ppm(q);27.2 ppm(q);25.5 ppm(t)
【0188】
【0189】
化合物11のNMRデータ:
13C-NMR(CDCl3,125MHz):212.0 ppm(s);134.5 ppm(s);131.4 ppm(d);59.1 ppm(d);54.2 ppm(t);42.6 ppm(t);35.9 ppm(s);35.3 ppm(s);34.7 ppm(t);30.6 ppm(q);29.9 ppm(q);29.2 ppm(q);23.0 ppm(t);22.3 ppm(q).
【0190】
実施例2:
3,3,8,8-テトラメチル-1,2,4,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1-オールの調製
【化33】
【0191】
3.5g(12.1ミリモル)の5,5-ジメチル-3-(4-メチルペント-3-エニル)シクロヘキサ-2-エン-1-オン(GC:71%)を100mlのTHFで希釈し、-5℃まで冷却して、THFにおけるLiAlH4の1M溶液5.5g(6.1ミリモル)で処理した。混合物を-5℃で2時間撹拌し、室温まで加熱した。混合物を5%塩酸水溶液で急冷し、MTBEで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータバップにおいて濃縮した。2.9g(GC:58%、収率67%)の粗生成物が単離された。硬化された生成物をカラムクロマトグラフィーにかけて、純度96%で0.5gの化合物4を得た。次いで、これを嗅覚評価に供した。
【0192】
化合物4のNMRデータ:
13C-NMR(CDCl3,125MHz):134.1 ppm(s);130.2 ppm(s);66.6 ppm(d);46.1 ppm(t);44.5 ppm(t);40.4 ppm(t);32.5 ppm(s);31.1 ppm(t);29.4 ppm(q);28.9 ppm(s);28.6 ppm(q);27.5 ppm(q);26.0 ppm(q);17.9 ppm(t).
【0193】
実施例3
3,3,8,8-テトラメチル-1,2,5,6,7,8a-ヘキサヒドロナフタレン-1-オール(12)及び4,4,8,8-テトラメチル-9-メチレン-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オール(5)の調製
【化34】
【0194】
化合物2と11の62:38混合物2g(9.7ミリモル)をTHF100mlで希釈し、-5℃に冷却した。THFにおけるLiAlH4の1M溶液2×4.3g(9.6ミリモル)を、-5℃で6時間に渡り添加した。混合物を-5℃で更に18時間撹拌し、次いで25℃に加温した。これを5%塩酸水溶液で急冷し、MTBEで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータバップにおいて濃縮した。1.7g(GC:化合物5:60%、化合物12:38%、収率83%)の粗生成物が単離された。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにかけて、純度95%で0.2gの化合物5を得た。次いで、これを嗅覚評価に供した。
【0195】
化合物5のNMRデータ:
13C-NMR(CDCl3,125MHz):151.2 ppm(s);108.6 ppm(t);73.8 ppm(d);56.8 ppm(d);48.7 ppm(d);44.5 ppm(t);36.1 ppm(s);34.9 ppm(t);34.6 ppm(s);30.8 ppm(q);30.5 ppm(q);30.0 ppm(q);28.1 ppm(q);26.1 ppm(t).
【0196】
化合物12のNMRデータ:
13C-NMR(CDCl3,125MHz):134.8 ppm(s);130.8 ppm(d);70.6 ppm(d);51.4 ppm(d);45.6 ppm(t);42.6 ppm(t);37.2 ppm(s);36.9 ppm(t);32.9 ppm(s);32.4 ppm(q);31.3 ppm(q);29.5 ppm(q);24.3 ppm(t);23.5 ppm(q).
【0197】
実施例4
嗅覚の印象
本発明の化合物及びそれらの混合物の芳香の印象を以下の表1に示す。
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
有利な組成物
表1の化合物1~6及び混合物を、表2及び3に従って組成物として配合した。表1の化合物1~6及び混合物は、表2及び3では「化合物A」と表示されている。
【0202】
【0203】
【0204】
表2及び表3による組成物、即ち、1A、1B、2A、2Bは、デオポンプスプレー(Deo pump spray)、クリーンヘアコンディショナー、フェイスウォッシュジェル、フォームバスコンセントレート(Foam bath concentrate)、ヘアジェル、セルフフォーミング(Self-foaming)ボディウォッシュ、スプレー可能サンケアエマルジョン、スプレー可能サンプロテクションエマルジョン、エモリエントフェイシャルジェル、2相オイルフォームバス、シャンプー、シャワーバス、ハイドロアルコールAP/デオポンプスプレー(AP/Deo pump spray)、エアゾール、水性/アルコールAP/デオロールオン(AP/Deo roll-on)、スタイリングジェルタイプ「アウトオブベッド(Out of Bed)」、シェービングフォーム、敏感肌用ベビーシャンプー、敏感肌用ボディウォッシュ、敏感頭皮用グロスエンハンシングシャンプー(Gloss Enhancing Shampoo)、デオスティック(Deo Stick)、ベビーワイプ、アフターシェーブバーム、フェイスジェル、フェイスデイケアクリーム、フェイスクレンザー、ボディローション、サンケアSPF50+、スプレー可能ローション、ハンドディッシュクリーナー-レギュラー、ハンドディッシュクリーナー-濃縮液、サニタリー用洗剤-濃縮液、多目的洗浄剤、抗菌柔軟剤、洗剤組成物、粉末洗剤組成物、及び液体洗剤組成物からなる群から選択される様々な組成物に含まれることができるであろう。
【0205】
当業者は、上述の製品における様々な一般的な配合に精通しているであろう。
【0206】
組成物1A、1B、2A及び2Bは、例えば、IP.com番号:IPCOM000258614D、題名New Arroma Chemicals、6~46ページ、表1~表D13に開示されているような特定の配合にて配合することができ、この場合、「芳香剤組成物1A」は、同一量の組成物1A、1B、2A又は2Bによって置き換えられる。
【国際調査報告】