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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-05
(54)【発明の名称】ネガ型感光性組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/075 20060101AFI20231225BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
G03F7/075 521
G03F7/027 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521426
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2021087183
(87)【国際公開番号】W WO2022136489
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2020216910
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100206265
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 逸子
(72)【発明者】
【氏名】山崎 章
(72)【発明者】
【氏名】能谷 敦子
【テーマコード(参考)】
2H225
【Fターム(参考)】
2H225AC31
2H225AC32
2H225AC38
2H225AC63
2H225AD06
2H225AM22P
2H225AM23P
2H225AM25P
2H225AM32P
2H225AM85P
2H225AN11P
2H225AN39P
2H225BA01P
2H225BA05P
2H225BA33P
2H225CA21
2H225CB06
2H225CC01
2H225CC13
(57)【要約】
【課題】特定のテーパーアングルを有するパターンを形成することができ、透過率が高い硬化膜を形成することができる、ネガ型感光性組成物の提供。
【解決手段】(I)ポリシロキサン、(II)アクリルポリマー、(III)(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物、および(IV)重合開始剤、(V)溶媒を含んでなる、ネガ型感光性組成物であって、(III)成分は、2種以上の組み合わせであり、(III)成分の含有量は、(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、10.0~25.0質量%である、組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)ポリシロキサン、
(II)アクリルポリマー、
(III)(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物、
(IV)重合開始剤、および
(V)溶媒
を含んでなる、ネガ型感光性組成物であって、
(III)成分は、2種以上の組み合わせであり、
(III)成分の含有量は、(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、10.0~25.0質量%である、組成物。
【請求項2】
(I)ポリシロキサンが、式(Ia)で表される繰り返し単位を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【化1】
(ここで、
Iaは、水素、C1~30の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、飽和または不飽和の、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表し、
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基は、それぞれ、非置換であるか、またはフッ素、ヒドロキシもしくはC1~8アルコキシで置換されており、かつ
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基において、メチレン(-CH-)が、置きかえられていないか、または1以上のメチレンがオキシ、イミノもしくはカルボニルで置きかえられており、ただし、RIaはヒドロキシ、アルコキシではない)
【請求項3】
(I)ポリシロキサンが、以下の式(Ic)で示される繰り返し単位をさらに含んでなる、請求項2に記載の組成物。
【化2】
【請求項4】
(I)ポリシロキサンの含有量が、(I)ポリシロキサンおよび(II)アクリルポリマーの総含有量を基準として、8.0~35.0質量%である、請求項1~3の少なくともいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(III)成分が、2つ以上の水酸基を有するポリオール化合物と、2つ以上の(メタ)アクリル酸とが反応したエステル化合物である、請求項1~4の少なくともいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(III)成分が、3種以上の組み合わせである、請求項1~5の少なくともいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物を基板に塗布し、露光し、現像することを含んでなる、パターンの製造方法。
【請求項8】
現像の後に、さらに加熱することを含んでなる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
加熱後のテーパーアングルが、15~80°の範囲内である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項7~9の少なくともいずれか一項に記載の方法を含んでなる、デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネガ型感光性組成物に関するものである。また、本発明はそれを用いたパターンの製造方法、およびそれを用いたデバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)、量子ドットディスプレイ、薄膜トランジスタアレイ等の表示デバイスにおいて、画素間を仕切るために、隔壁が形成される。この隔壁の形成方法として、感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィによる方法が知られている。
感光性樹脂組成物を用いて隔壁のパターンが形成される場合、形成されるパターンの壁があるニーズに応じたテーパーアングルを有することが要求される。テーパーアングルを露光量、現像時間、ポストベーク温度等のプロセスによって調整する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
隔壁に透光性を持たせることによって、見かけの開口率を向上させ、輝度改善させるという提案がされており、透過率の高い隔壁が求められている。さらに、隔壁に隣接する材料のUV硬化が可能となり、製造工程の改善が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-167447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、特定のテーパーアングルを有し、透過率の高い硬化膜のパターンを形成できる、ネガ型感光性組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるネガ型感光性組成物は、
(I)ポリシロキサン、
(II)アクリルポリマー、
(III)(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物、
(IV)重合開始剤、および
(V)溶媒
を含んでなり、
(III)成分は、2種以上の組み合わせであり、
(III)成分の含有量は、(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、10.0~25.0質量%である。
【0007】
本発明によるパターンの製造方法は、上記のネガ型感光性組成物を基板に塗布し、露光し、現像することを含んでなる。
【0008】
本発明によるデバイスの製造方法は、上記のパターンの製造方法を含んでなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるネガ型感光性組成物は、加熱により特定のテーパーアングルを有するパターンを形成することができる。本発明によるネガ型感光性組成物を用いて形成された硬化膜は、透過率が高い。また、本発明によるネガ型感光性組成物は、厚膜化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】テーパーアングルを説明するための概念図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本明細書において、特に限定されない限り、記号、単位、略号、用語は以下の意味を有するものとする。
本明細書において、特に限定されて言及されない限り、単数形は複数形を含み、「1つの」や「その」は「少なくとも1つ」を意味する。本明細書において、特に言及されない限り、ある概念の要素は複数種によって発現されることが可能であり、その量(例えば質量%やモル%)が記載された場合、その量はそれら複数種の和を意味する。「および/または」は、要素の全ての組み合わせを含み、また単体での使用も含む。
【0012】
本明細書において、~または-を用いて数値範囲を示した場合、これらは両方の端点を含み、単位は共通する。例えば、5~25モル%は、5モル%以上25モル%以下を意味する。
【0013】
本明細書において、炭化水素は、炭素および水素を含み、必要に応じて、酸素または窒素を含むものを意味する。炭化水素基は、1価または2価以上の、炭化水素を意味する。
本明細書において、脂肪族炭化水素は、直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族炭化水素を意味し、脂肪族炭化水素基は、1価または2価以上の、脂肪族炭化水素を意味する。芳香族炭化水素は、必要に応じて脂肪族炭化水素基を置換基として有することも、脂環と縮合していていることもできる、芳香環を含む炭化水素を意味する。芳香族炭化水素基は、1価または2価以上の、芳香族炭化水素を意味する。また、芳香環とは、共役不飽和環構造を有する炭化水素を意味し、脂環とは、環構造を有するが共役不飽和環構造を含まない炭化水素を意味する。
【0014】
本明細書において、アルキルとは直鎖状または分岐鎖状飽和炭化水素から任意の水素をひとつ除去した基を意味し、直鎖状アルキルおよび分岐鎖状アルキルを包含し、シクロアルキルとは環状構造を含む飽和炭化水素から水素をひとつ除外した基を意味し、必要に応じて環状構造に直鎖状または分岐鎖状アルキルを側鎖として含む。
【0015】
本明細書においてアリールとは、芳香族炭化水素から任意の水素をひとつ除去した基を意味する。アルキレンとは、直鎖状または分岐鎖状飽和炭化水素から任意の水素を二つ除去した基を意味する。アリーレンとは、芳香族炭化水素から任意の水素を二つ除去した炭化水素基を意味する。
【0016】
本明細書において、「Cx~y」、「C~C」および「C」などの記載は、分子または置換基中の炭素の数を意味する。例えば、C1~6アルキルは、1以上6以下の炭素を有するアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を意味する。また、本明細書でいうフルオロアルキルとは、アルキル中の1つ以上の水素がフッ素に置き換えられたものをいい、フルオロアリールとは、アリール中の1つ以上の水素がフッ素に置き換えられたものをいう。
【0017】
本明細書において、ポリマーが複数種類の繰り返し単位を有する場合、これらの繰り返し単位は共重合する。これら共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、またはこれらの混在のいずれかである。
本明細書において、%は質量%、比は質量比を表す。
【0018】
本明細書において、温度の単位は摂氏(Celsius)を使用する。例えば、20度とは摂氏20度を意味する。
【0019】
<ネガ型感光性組成物>
本発明によるネガ型感光性組成物(以下、簡単に「組成物」ということがある)は、(I)ポリシロキサン、(II)アクリルポリマー、(III)(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物、(IV)重合開始剤、および(V)溶媒を含んでなり、(III)成分は、2種以上であり、かつ(III)成分の含有量は、(I)成分および(II)成分の合計の総含有量を基準として、10.0~25.0質量%である。
以下、本発明による組成物に含まれる各成分について、詳細に説明する。
【0020】
(I)ポリシロキサン
本発明において用いられるポリシロキサンは、その構造は特に制限されず、目的に応じて任意のものから選択することができる。ポリシロキサンの骨格構造は、ケイ素原子に結合している酸素数に応じて、シリコーン骨格(ケイ素原子に結合する酸素原子数が2)、シルセスキオキサン骨格(ケイ素原子に結合する酸素原子数が3)、およびシリカ骨格(ケイ素原子に結合する酸素原子数が4)に分類できる。本発明においては、これらのいずれであってもよい。ポリシロキサン分子が、これらの骨格構造の複数の組み合わせを含んだものであってもよい。
【0021】
本発明に用いられるポリシロキサンは、好ましくは、式(Ia)で表される繰り返し単位を含んでなる。
【化1】
ここで、
Iaは、水素、C1~30(好ましくはC1~10)の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、飽和または不飽和の、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表し、
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基は、それぞれ、非置換であるか、またはフッ素、ヒドロキシもしくはC1~6アルコキシで置換されており、かつ
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基において、メチレンが、置きかえられていないか、または1以上のメチレンがオキシ、イミノもしくはカルボニルで置きかえられており、ただし、RIaはヒドロキシ、アルコキシではない。
なお、上記したメチレンは、末端のメチルも含むものとする。
また、上記の「フッ素、ヒドロキシもしくはC1~8アルコキシで置換されており」とは、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基中の炭素原子に直結する水素原子が、フッ素、ヒドロキシもしくはC1~8アルコキシで置き換えられていることを意味する。本明細書において、他の同様の記載においても同じである。
【0022】
式(Ia)で示される繰り返し単位において、RIaとしては、例えば、(i)メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、およびデシルなどのアルキル、(ii)フェニル、トリル、およびベンジルなどのアリール、(iii)トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピルなどのフルオロアルキル、(iv)フルオロアリール、(v)シクロヘキシルなどのシクロアルキル、(vi)イソシアネート、およびアミノ等のアミノまたはイミド構造を有する窒素含有基、(vii)グリシジルなどのエポキシ構造、またはアクリロイル構造もしくはメタクリロイル構造を有する、酸素含有基が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニルである。RIaがメチルである場合は、原料が入手し易く、硬化後の膜硬度が高く、高い薬品耐性を有するため好ましい。また、RIaがフェニルである場合は、当該ポリシロキサンの溶媒への溶解度を高め、硬化膜がひび割れにくくなるため、好ましい。
【0023】
本発明に用いられるポリシロキサンは、以下の式(Ib)で示される繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。
【化2】
式中、
Ibは、アミノ、イミノ、および/またはカルボニルを含む、窒素および/または酸素含有環状脂肪族炭化水素化合物から複数の水素を除去した基である。
【0024】
式(Ib)における、RIbとしては、好ましくは、イミノおよび/またはカルボニルを含む、窒素含有脂肪族炭化水素環、より好ましくは構成員に窒素を含む5員環または6員環、から複数、好ましくは2つまたは3つの水素を除去した基である。例えばピペリジン、ピロリジン、およびイソシアヌレートから2つまたは3つの水素を除去した基が挙げられる。RIbは、複数の繰り返し単位に含まれるSi同士を連結する。
【0025】
本発明に用いられるポリシロキサンは、以下の式(Ic)で示される繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。
【化3】
【0026】
式(Ib)および式(Ic)で示される繰り返し単位は、配合比が高いと、組成物の感度低下や、溶媒や添加剤との相溶性の低下、膜応力が上昇するためクラックが発生しやすくなることがあるため、ポリシロキサンの繰り返し単位の総数に対して40モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。
【0027】
本発明に用いられるポリシロキサンは、以下の式(Id)で示される繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。
【化4】
式中、
Idは、それぞれ独立に、水素、C1~30(好ましくはC1~10)の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、飽和または不飽和の、脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表し、
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基は、それぞれ、非置換であるか、またはフッ素、ヒドロキシもしくはC1~8アルコキシで置換されており、かつ
前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基において、メチレンが、置きかえられていないか、または1以上のメチレンがオキシ、イミノもしくはカルボニルで置きかえられており、ただし、RIdはヒドロキシ、アルコキシではない。
【0028】
式(Id)で示される繰り返し単位において、RIdとしては、例えば、(i)メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、およびデシルなどのアルキル、(ii)フェニル、トリル、およびベンジルなどのアリール、(iii)トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピルなどのフルオロアルキル、(iv)フルオロアリール、(v)シクロヘキシルなどのシクロアルキル、(vi)イソシアネート、およびアミノ等のアミノまたはイミド構造を有する窒素含有基、(vii)グリシジルなどのエポキシ構造、またはアクリロイル構造もしくはメタクリロイル構造を有する、酸素含有基が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニルが好ましい。RIdがメチルである場合は、原料が入手し易く、硬化後の膜硬度が高く、高い薬品耐性を有するため好ましい。また、RIdがフェニルである場合は、当該ポリシロキサンの溶媒への溶解度を高め、硬化膜がひび割れにくくなるため、好ましい。
【0029】
上記式(Id)の繰り返し単位を有することによって、本発明によるポリシロキサンは、部分的に直鎖構造とすることができる。ただし、耐熱性が下がるため、直鎖構造部分は少ないことが好ましい。具体的には、式(Id)の繰り返し単位は、ポリシロキサンの繰り返し単位の総数に対して30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下である。式(Id)の繰り返し単位を有さないこと(0モル%)も本発明の一態様である。
【0030】
本発明に用いられるポリシロキサンは、2種以上の繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、RIaがメチル、フェニルである式(Ia)で示される繰り返し単位、式(Ic)で示される繰り返し単位を有する、3種類の繰り返し単位を含むものであってもよい。
【0031】
なお、本発明に用いられるポリシロキサンは好ましくはシラノールを有する。ここで、シラノールは、ポリシロキサンのSi骨格に、直接OH基が結合したもののことをいい、前記式(Ia)~(Id)などの繰り返し単位を含むポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に直接ヒドロキシが結合したものである。すなわち、前記式(Ia)~(Id)の-O0.5-に対して、-O0.5Hが結合することによってシラノールが構成される。ポリシロキサン中のシラノールの含有量はポリシロキサンの合成条件、例えばモノマーの配合比や反応触媒の種類などによって変化する。
【0032】
本発明に用いられるポリシロキサンの質量平均分子量は、特に限定されない。ただし、分子量が高い方が塗布性が改良される傾向がある。一方で、分子量が低い方が合成条件の限定が少なく、合成が容易であり、分子量が非常に高いポリシロキサンは合成が困難である。このような理由から、ポリシロキサンの質量平均分子量は、通常500~25,000であり、有機溶媒への溶解性の点から1,000~20,000であることが好ましい。ここで質量平均分子量とは、ポリスチレン換算質量平均分子量であり、ポリスチレンを基準としたゲル浸透クロマトグラフィにより測定することができる。
【0033】
本発明に用いられるポリシロキサンの合成方法は特に限定されないが、例えば、日本国特許6639724号公報に開示の方法により合成できる。
【0034】
(I)ポリシロキサンの含有量は、組成物の総質量を基準として、好ましくは2.0~15.0質量%であり、より好ましくは3.0~12.0質量%である。
【0035】
(I)ポリシロキサンと(II)アクリルポリマーの配合比は特に限定されないが、塗膜を厚膜にする場合はアクリルポリマーの配合比が多いことが好ましく、一方で高温プロセスへ適用する場合や、透明性、硬化後の耐薬品性の観点からポリシロキサンの配合比が多いことが好ましい。(I)ポリシロキサンの含有量は、(I)ポリシロキサンおよび(II)アクリルポリマーの総含有量を基準として、好ましくは8.0~35.0質量%であり、より好ましくは10.0~30.0質量%である。
【0036】
(II)アクリルポリマー
本発明に用いられるアクリルポリマーは、一般的に用いられるアクリルポリマー、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキルなどから選択することができる。本発明に用いられるアクリルポリマーは、アクリロイル基を含む繰り返し単位を含むことが好ましく、カルボキシル基を含む繰り返し単位および/またはアルコキシシリル基を含む繰り返し単位をさらに含んでなることも好ましい。
【0037】
カルボキシル基を含む繰り返し単位は、側鎖にカルボキシル基を含む繰り返し単位であれば特に限定されないが、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物から誘導される繰り返し単位が好ましい。
【0038】
アルコキシシリル基を含む繰り返し単位は、側鎖にアルコキシシリル基を含む繰り返し単位であればよいが、以下の式(B)で表される単量体から誘導される繰り返し単位が好ましい。
-(CH-Si(OR(CH3-b (B)
式中、Xはビニル基、スチリル基または(メタ)アクリロイルオキシ基であり、Rはメチル基またはエチル基であり、aは0~3の整数、bは1~3の整数である。
【0039】
また、前記重合体には、水酸基含有不飽和単量体から誘導される、水酸基を含む繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0040】
本発明に用いられるアクリルポリマーの質量平均分子量は、特に限定されないが、1,000~40,000であることが好ましく、2,000~30,000であることがより好ましい。ここで、質量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算質量平均分子量である。
【0041】
(II)アクリルポリマーの含有量は、組成物の総質量を基準として、好ましくは18.0~35.0質量%であり、より好ましくは20.0~32.0質量%である。
【0042】
(II)アクリルポリマーの含有量は、(I)ポリシロキサンおよび(II)アクリルポリマーの総含有量を基準として、好ましくは65.0~92.0質量%であり、より好ましくは70.0~90.0質量%である。
【0043】
(III)(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物
本発明による組成物は(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物(以下、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物ということがある)を2種以上含んでなる。ここで、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基およびメタクリロイルオキシ基の総称である。この化合物は、(I)ポリシロキサンおよび(II)アクリルポリマーなどと反応して架橋構造を形成することができる化合物である。ここで架橋構造を形成するために、反応性基である(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物が必要である。3つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含むことで、より高次の架橋構造を形成することができる。
【0044】
このような(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物としては、(α)2つ以上の水酸基を有するポリオール化合物と、(β)2つ以上の(メタ)アクリル酸と、が反応したエステル類が好ましく用いられる。このポリオール化合物(α)としては、飽和または不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ヘテロ環炭化水素、1級、2級、または3級アミン、エーテルなどを基本骨格とし、置換基として2つ以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。このポリオール化合物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の置換基、例えばカルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、エーテル結合、チオール基、チオエーテル結合などを含んでいてもよい。
【0045】
好ましいポリオール化合物としては、アルキルポリオール、アリールポリオール、ポリアルカノールアミン、シアヌル酸、またはジペンタエリスリトールなどが挙げられる。ここで、ポリオール化合物(α)が3個以上の水酸基を有する場合、すべての水酸基がメタ(アクリル酸)と反応している必要は無く、部分的にエステル化されていてもよい。すなわち、このエステル類は未反応の水酸基を有していてもよい。
このようなエステル類としては、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレートなどが挙げられる。
【0046】
本発明による組成物は、2種以上の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の組み合わせを含んでなり、好ましくは3種以上の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の組み合わせを含んでなる。本発明による組成物が、3種の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の組み合わせを含むことは本発明の好適な一形態である。
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、ガラス転移点の異なる複数の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を組合わせることにより、ポストベーク工程での急激な熱リフローが抑制でき特定のテーパーアングルの形成が可能になると考えられる。
【0047】
2種以上のうち、少なくとも1種の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物が(メタ)アクリロイルオキシ基を3つ以上含む化合物であることが好ましい。より好ましくは、少なくとも1種以上が(メタ)アクリロイルオキシ基を3つ以上(好ましくは3つ)の含む化合物であり、少なくとも1種以上が(メタ)アクリロイルオキシ基を含む2つ化合物である。さらに好ましくは、パターン表面の滑らかさを良好にするために、(III)成分は、1種の(メタ)アクリロイルオキシ基を3つ含む化合物と、2種の(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ含む化合物との組み合わせである。
本発明による組成物中で、(メタ)アクリロイルオキシ基を3つ以上含む化合物の含有量は、(III)成分の総含有量を基準として、好ましくは20.0~50.0質量%であり、より好ましくは30.0~40.0質量%である。
【0048】
本発明の別の一形態において、(III)成分は、現像時のアルカリ溶解性を向上させ、硬化膜の耐熱性を向上させる理由から、イソシアヌレート構造を有する化合物を含むことが好ましい。このような化合物としては、具体的には、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3-アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(3-アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(4-アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、ビス(4-アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレートが挙げられ、好ましくはトリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。
本発明による組成物中で、イソシアヌレート構造を有する化合物の含有量は、(III)成分の総含有量を基準として、好ましくは10.0~50.0質量%であり、より好ましくは10.0~40.0質量%である。
【0049】
(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上含む化合物の分子量は、反応性の観点から、200~2,000であることが好ましく、200~1,500であることがより好ましい。
【0050】
(III)成分の総含有量は、用いられるポリマーや(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の種類などに応じて調整されるが、ポリマーとの相溶性の観点から、(I)ポリシロキサンおよび(II)アクリルポリマーの総含有量を基準として、10.0~25.0質量%であり、好ましくは10.0~20.0質量%である。
【0051】
(IV)重合開始剤
本発明による組成物は重合開始剤を含んでなる。この重合開始剤は、放射線により酸、塩基またはラジカルを発生する重合開始剤と、熱により酸、塩基またはラジカルを発生する重合開始剤とがある。本発明においては、放射線照射直後から反応が開始され、放射線照射後、現像工程前に行われる再加熱の工程を省くことができるため、プロセスの短縮、コスト面において前者が好ましく、より好ましくは光ラジカル発生剤が好ましい。
【0052】
光ラジカル発生剤は、パターンの形状を強固にしたり、現像のコントラストをあげることにより解像度を改良することができる。本発明に用いられる光ラジカル発生剤は、放射線を照射するとラジカルを放出する光ラジカル発生剤である。ここで、放射線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、電子線、α線、またはγ線等を挙げることができる。
【0053】
光ラジカル発生剤の配合量は、光ラジカル発生剤が分解して発生する活性物質の種類、発生量、要求される感度・露光部と未露光部との溶解コントラストにより最適量は異なるが、(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、好ましくは0.001~30質量%であり、さらに好ましくは0.01~10質量%である。配合量が0.001質量%より少ないと、露光部と未露光部との溶解コントラストが低すぎて、添加効果を有さないことがある。一方、光ラジカル発生剤の配合量が30質量%より多い場合、形成される被膜にクラックが発生したり、光ラジカル発生剤の分解による着色が顕著になることがあるため、被膜の無色透明性が低下することがある。また、配合量が多くなると熱分解により硬化物の電気絶縁性の劣化やガス放出の原因となって、後工程の問題になることがある。さらに、被膜の、モノエタノールアミン等を主剤とするようなフォトレジスト剥離液に対する耐性が低下することがある。
【0054】
光ラジカル発生剤の例として、アゾ系、過酸化物系、アシルホスフィンオキサイド系、アルキルフェノン系、オキシムエステル系、チタノセン系開始剤が挙げられる。その中でもアルキルフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系、オキシムエステル系開始剤が好ましく、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。
【0055】
(V)溶媒
本発明による組成物は溶媒を含んでなる。この溶媒は、各成分を均一に溶解または分散させるものであれば特に限定されない。本発明に用いることができる溶媒の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、γ-ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。これらのうち、入手容易性、取扱容易性、およびポリマーの溶解性などの観点から、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類またはエステル類を用いることが好ましい。
【0056】
本発明による組成物の溶媒含有率は、組成物を塗布する方法などに応じて任意に調整できる。例えば、スプレーコートによって組成物を塗布する場合は、組成物のうちの溶媒の割合が90質量%以上とすることもできる。また、大型基板の塗布で使用されるスリット塗布では通常60質量%以上、好ましくは70質量%以上である。本発明の組成物の特性は、溶媒の量により大きく変わるものではない。
【0057】
本発明による組成物は、前記した(I)~(V)を必須とするものであるが、必要に応じて更なる化合物を組み合わせることができる。これらの組み合わせることができる材料について説明すると以下の通りである。なお、組成物全体にしめる(I)~(V)以外の成分は、組成物の総質量を基準として、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
【0058】
本発明による組成物は、必要に応じて、その他の添加剤を含んでもよい。
このような添加剤としては、現像液溶解促進剤、スカム除去剤、密着増強剤、重合阻害剤、消泡剤、界面活性剤、増感剤などが挙げられる。
【0059】
現像液溶解促進剤、またはスカム除去剤は、形成される被膜の現像液に対する溶解性を調整し、また現像後に基板上にスカムが残留するのを防止する作用を有するものである。このような添加剤として、クラウンエーテルを用いることができる。クラウンエーテルとして、最も単純な構造を有するものは、一般式(-CH-CH-O-)で表されるものである。本発明において好ましいものは、これらのうち、nが4~7のものである。クラウンエーテルは、環を構成する原子総数をx、そのうちに含まれる酸素原子数をyとして、x-クラウン-y-エーテルと呼ばれることがある。本発明においては、x=12、15、18、または21、y=x/3であるクラウンエーテル、ならびにこれらのベンゾ縮合物およびシクロヘキシル縮合物からなる群から選択されるものが好ましい。より好ましいクラウンエーテルの具体例は、21-クラウン-7エーテル、18-クラウン-6-エーテル、15-クラウン-5-エーテル、12-クラウン-4-エーテル、ジベンゾ-21-クラウン-7-エーテル、ジベンゾ-18-クラウン-6-エーテル、ジベンゾ-15-クラウン-5-エーテル、ジベンゾ-12-クラウン-4-エーテル、ジシクロヘキシル-21-クラウン-7-エーテル、ジシクロヘキシル-18-クラウン-6-エーテル、ジシクロヘキシル-15-クラウン-5-エーテル、およびジシクロヘキシル-12-クラウン-4-エーテルである。本発明においては、これらのうち、18-クラウン-6-エーテル、15-クラウン-5-エーテルから選択されるものが最も好ましい。その含有量は(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、0.05~15質量%が好ましく、さらに0.1~10質量%が好ましい。
【0060】
密着増強剤は、本発明による組成物を用いて硬化膜を形成させたときに、焼成後にかかる応力によりパターンが剥がれることを防ぐ効果を有する。密着増強剤としては、イミダゾール類やシランカップリング剤などが好ましく、イミダゾール類では、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、2-ヒドロキシエチルベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2-ヒドロキシイミダゾール、イミダゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-アミノイミダゾールが好ましく、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2-ヒドロキシイミダゾール、イミダゾールが特に好ましく用いられる。
【0061】
重合阻害剤としては、ニトロン、ニトロキシドラジカル、ヒドロキノン、カテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン及びこれらの誘導体の他、紫外線吸収剤を添加することが出来る。その中でもメチルヒドロキノン、カテコール、4-t-ブチルカテコール、3-メトキシカテコール、フェノチアジン、クロルプロマジン、フェノキサジン、ヒンダードアミンとして、TINUVIN 144、292、5100(BASF社)、紫外線吸収剤として、TINUVIN 326、328、384-2、400、477(BASF社)が好ましい。これらは単独または複数を組み合わせて使用することができ、その含有量は(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、0.01~20質量%とすることが好ましい。
【0062】
消泡剤としては、アルコール(C18)、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、グリセリンモノラウリレート等の高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(PEG)(Mn200~10,000)、ポリプロピレングリコール(PPG)(Mn200~10,000)等のポリエーテル、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等のシリコーン化合物、および下記に詳細を示す有機シロキサン系界面活性剤が挙げられる。これらは単独または複数を組み合わせて使用することができ、その含有量は(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、0.1~3質量%とすることが好ましい。
【0063】
界面活性剤は、塗布特性、現像性等の向上を目的として添加される。本発明で使用することのできる界面活性剤としては、例えば非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
【0064】
非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類やポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンポリオキシピロピレンブロックポリマー、アセチレンアルコール、アセチレングリコール、アセチレンアルコールのポリエトキシレート、アセチレングリコールのポリエトキシレートなどのアセチレングリコール誘導体、フッ素含有界面活性剤、例えばフロラード(商品名、住友スリーエム株式会社)、メガファック(商品名、DIC株式会社)、スルフロン(商品名、旭硝子株式会社)、または有機シロキサン界面活性剤、例えばKP341(商品名、信越化学工業株式会社)などが挙げられる。前記アセチレングリコールとしては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0065】
またアニオン系界面活性剤としては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキル硫酸のアンモニウム塩または有機アミン塩などが挙げられる。
【0066】
さらに両性界面活性剤としては、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリル酸アミドプロピルヒドロキシスルホンベタインなどが挙げられる。
【0067】
これら界面活性剤は、単独でまたは2種以上混合して使用することができ、その含有量は、組成物の総質量を基準として、好ましくは0.005~1質量%、より好ましくは0.01~0.5質量%である。
【0068】
増感剤としては、クマリン、ケトクマリンおよびそれらの誘導体、チオピリリウム塩、アセトフェノン類等が挙げられる。増感色素の添加により、高圧水銀灯(360~430nm)などの安価な光源を用いたパターニングが可能となる。その含有量は(I)成分および(II)成分の総含有量を基準として、好ましくは0.05~15質量%であり、より好ましくは0.1~10質量%である。
【0069】
<パターンの製造方法>
本発明によるパターンの製造方法は、本発明による組成物を基板に塗布し、露光し、現像することを含んでなる。パターンの製造方法を工程順に説明すると以下の通りである。
【0070】
(1)塗布工程
まず、本発明による組成物を基板に塗布する。本発明において、「基板に」は、組成物を基板に直接塗布するケースや、組成物を1以上の中間層を介して基板に塗布するケースも含むものとする。本発明における組成物の塗膜の形成は、感光性組成物の塗布方法として従来知られた任意の方法により行うことができる。具体的には、浸漬塗布、ロールコート、バーコート、刷毛塗り、スプレーコート、ドクターコート、フローコート、スピンコート、およびスリット塗布等から任意に選択することができる。また組成物を塗布する基板としては、シリコン基板、ガラス基板、樹脂フィルム等の適当な基材を用いることができる。これらの基板には、必要に応じて各種の半導体素子などが形成されていてもよい。基材がフィルムである場合には、グラビア塗布も利用可能である。所望により塗膜後に乾燥工程を別に設けることもできる。また、必要に応じて塗布工程を1回または2回以上繰り返して、形成される塗膜の膜厚を所望のものとすることができる。
【0071】
(2)プリベーク工程
組成物を塗布することにより、塗膜を形成させた後、その塗膜を乾燥させ、塗膜中の溶媒残存量を減少させるため、その塗膜をプリベーク(加熱処理)することが好ましい。プリベーク工程は、一般に50~150℃、好ましくは90~120℃の温度で、ホットプレートによる場合には10~300秒間、好ましくは30~120秒間、クリーンオーブンによる場合には1~30分間実施することができる。
【0072】
(3)露光工程
塗膜を形成させた後、その塗膜表面に光照射を行う。光照射に用いる光源は、パターン形成方法に従来使用されている任意のものを用いることができる。このような光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド、キセノン等のランプやレーザーダイオード、LED等を挙げることができる。照射光としてはg線、h線、i線などの紫外線が通常用いられる。半導体のような超微細加工を除き、数μmから数十μmのパターニングでは360~430nmの光(高圧水銀灯)を使用することが一般的である。中でも、液晶表示装置の場合には430nmの光を使用することが多い。このような場合に、本発明による組成物に増感色素を組み合わせると有利であることは上述した通りである。照射光のエネルギーは、光源や塗膜の膜厚にもよるが、一般に5~2,000mJ/cm、好ましくは10~1,000mJ/cmとする。照射光エネルギーが5mJ/cmよりも低いと十分な解像度が得られないことがあり、反対に2,000mJ/cmよりも高いと、露光過多となり、ハレーションの発生を招く場合がある。
【0073】
光をパターン状に照射するためには一般的なフォトマスクを使用することができる。そのようなフォトマスクは周知のものから任意に選択することができる。照射の際の環境は、特に限定されないが、一般に周囲雰囲気(大気中)や窒素雰囲気とすればよい。また、基板表面全面に膜を形成する場合には、基板表面全面に光照射すればよい。本発明においては、パターン膜とは、このような基板表面全面に膜が形成された場合をも含むものである。
【0074】
(4)露光後加熱工程
露光後、重合開始剤により膜内のポリマー間反応を促進させるため、必要に応じて露光後加熱(Post Exposure Baking)を行うことができる。この加熱処理は、後述する加熱工程(6)とは異なり、塗膜を完全に硬化させるために行うものではなく、現像後に所望のパターンだけが基板上に残し、それ以外の部分が現像により除去することが可能となるように行うものである。したがって、本願発明において必須ではない。
【0075】
露光後加熱を行う場合、ホットプレート、オーブン、またはファーネス等を使用することができる。加熱温度は光照射によって発生した露光領域の酸、塩基またはラジカルが未露光領域まで拡散することは好ましくないため、過度に高くするべきではない。このような観点から露光後の加熱温度の範囲としては、40℃~150℃が好ましく、60℃~120℃が更に好ましい。組成物の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的加熱を適用することもできる。また、加熱の際の雰囲気は特に限定されないが、組成物の硬化速度を制御することを目的として、窒素などの不活性ガス中、真空下、減圧下、酸素ガス中などから選択することができる。また、加熱時間は、ウエハ面内の温度履歴の均一性がより高く維持するために一定以上であることが好ましく、また発生した酸、塩基、またはラジカルの拡散を抑制するためには過度に長くないことが好ましい。このような観点から、加熱時間は20秒~500秒が好ましく、40秒~300秒がさらに好ましい。
【0076】
(5)現像工程
露光後、必要に応じて露光後加熱を行ったあと、塗膜を現像処理する。現像の際に用いられる現像液としては、従来、感光性組成物の現像に用いられている任意の現像液を用いることができる。好ましい現像液としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム、コリン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属メタ珪酸塩(水和物)、アルカリ金属燐酸塩(水和物)、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、複素環式アミンなどのアルカリ性化合物の水溶液であるアルカリ現像液が挙げられ、特に好ましいアルカリ現像液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液、水酸化カリウム水溶液、または水酸化ナトリウム水溶液である。これらアルカリ現像液には、必要に応じ更にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤、あるいは界面活性剤が含まれていてもよい。現像方法も従来知られている方法から任意に選択することができる。具体的には、現像液への浸漬(ディップ)、パドル、シャワー、スリット、キャップコート、スプレーなどの方法挙げられる。この現像によって、パターンを得ることができる、現像液により現像が行われた後には、水洗がなされることが好ましい。
【0077】
(6)ポストベーク工程
現像後、得られたパターン膜を加熱することにより硬化させる。加熱工程に使う加熱装置には、前記した露光後加熱に用いたものと同じものを用いることができる。この加熱工程における加熱温度としては、塗膜の硬化が行える温度であれば特に限定されず、任意に定めることができる。ただし、ポリシロキサンのシラノール基が残存すると、硬化膜の薬品耐性が不十分となったり、硬化膜の誘電率が高くなることがある。このような観点から加熱温度は一般的には相対的に高い温度が選択される。一般的に硬化後の残膜率を高く保つために、硬化温度は350℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることが特に好ましい。一方で、硬化反応を促進し、十分な硬化膜を得るために、硬化温度は70℃以上であることが好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上が特に好ましい。加熱時間は特に限定されず、一般に10分~24時間、好ましくは30分~3時間とされる。なお、この加熱時間は、パターン膜の温度が所望の加熱温度に達してからの時間である。通常、加熱前の温度からパターン膜が所望の温度に達するまでには数分から数時間程度要する。
【0078】
図1は、基板1に形成されたパターン2を示す概念図である。本発明では、現像工程後に形成されるパターンは、典型的には、矩形である。パターン側壁と基板とのおりなす角度をテーパーアングル3という。現像後のパターン断面は、図1(a)のように典型的には矩形である(テーパーアングル=90°)。このパターンを加熱すると、塗膜は一時的に軟化して、パターン断面形状が矩形から台形に変化する傾向にある。このため、加熱によってパターン側壁の傾斜角、すなわちテーパーアングルが減少し、パターン断面の底部における幅、すなわち線幅は、増加する傾向にある。図1(b)は、台形のパターン形状であり、テーパーアングル4が、図1(a)と比較すると減少している。
本発明の組成物を用いると、現像後は矩形に近い形状であるが、この加熱によって、テーパーアングルが15~80°、好ましくは40~80°である形状に変化させることができる。さらに加熱をしても、テーパーアングルが、さらに小さくならずに、形状を維持することができる。
テーパーアングルは、基板とパターンが接している部分で定められ、パターンの垂直断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより測定することができる。
【0079】
こうして得られた硬化膜は、高い透過率を有するものである。具体的には、膜厚2μmのときの波長400nmの光に対する透過率が、90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上である。
【0080】
本発明によるデバイスの製造方法は、上記のパターンの製造方法を含んでなる。本発明による組成物を用いて製造されたパターンは、高い透過率を有し、特定のテーパーアングルを有しており、表示装置において画素間を仕切るための隔壁として好適に用いられる。本発明によるパターンは、厚膜化が可能であるため、より厚い隔壁材料が求められる、マイクロLED、量子ドットディスプレイや有機エレクトロニックルミネッセンスデバイスに好適に用いることができる。
【0081】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例、比較例により何ら限定されるものではない。
【0082】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、HLC-8220GPC型高速GPCシステム(商品名、東ソー株式会社)およびSuper Multipore HZ-N型GPCカラム(商品名、東ソー株式会社)2本を用いて測定する。測定は、単分散ポリスチレンを標準試料とし、テトラヒドロフランを展開溶媒として、流量0.6ミリリットル/分、カラム温度40℃の分析条件で行う。
【0083】
<合成例1:ポリシロキサンA>
撹拌機、温度計、冷却管を備えた2Lのフラスコに、25質量%TMAH水溶液49.0g、イソプロピルアルコール(IPA)600ml、水4.0gを仕込み、次いで滴下ロート中にメチルトリメトキシシラン68.0g、フェニルトリメトキシシラン79.2g、およびテトラメトキシシラン15.2gの混合溶液を調製する。その混合溶液を40℃にて滴下し、同温で2時間撹拌した後、10質量%HCl水溶液を加え中和する。中和液にトルエン400ml、水600mlを添加し、2層に分離させ、水層を除去する。さらに300mlの水にて3回洗浄し、得られた有機層を減圧下濃縮することで溶媒を除去し、濃縮物に固形分濃度35質量%なるようにPGMEAを添加調整し、ポリシロキサンA溶液を得る。得られたポリシロキサンAの質量平均分子量(Mw)=1,700である。
【0084】
<合成例2:アクリルポリマーA>
撹拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた2Lフラスコに、ノルマルブタノール、PGMEA溶媒を仕込み、窒素ガス雰囲気下で、開始剤の10時間半減期温度を参考に、適正な温度まで昇温する。それとは別に、アクリル酸、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレートを10:20:20:50、アゾビスイソブチロニトリル、PGMEAを混合した混合液を調整し、その混合液を前記溶媒中に4時間かけて滴下する。その後、3時間反応させてアクリルポリマーAを得る。得られたアクリルポリマーAのMw=8,700である。
【0085】
<合成例3:アクリルポリマーB>
攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた1Lフラスコに、アゾビスイソブチロニトリル16.4g、ブタノール120gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で、開始剤の10時間半減期温度を参考に、適正な温度まで昇温する。それとは別に、メタクリル酸5.16g、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン46.5g、2-ヒドロキシエチルメタクリレート6.5g、メチルメタクリレート70.08gを混合した混合液を調製し、その混合液を前記溶媒中に4時間かけて滴下する。その後、3時間反応させてアクリルポリマーBを得る。得られたアクリルポリマーBのMw=7,350である。
【0086】
<実施例1>
合成例1で得られたポリシロキサンAを20質量部、合成例2で得られたアクリルポリマーAを40質量部、および合成例3で得られたアクリルポリマーBを40質量部含む溶液に、重合開始剤A(「アデカアークルズ NCI-930」、株式会社ADEKA)を3質量部、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物A(1,10-デカンジオールジアクリレート「A-DOD-N」、新中村化学工業株式会社)を6質量部、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物B(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート「A-DCP」、新中村化学工業株式会社)を6質量部、(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物C(トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート「A-9300」、新中村化学工業株式会社)を6質量部、および界面活性剤A(「KF-53」、信越化学工業株式会社)を0.5質量部加え、PGMEAを加えて固形分が35質量%となるよう溶液を調製し、実施例1の組成物を得る。
【0087】
<実施例2~5、比較例1~6>
実施例1に対して、表1に示す通りに組成を変更した以外は同様にして、実施例2~5および比較例1~6の組成物を調製する。表中の各成分の数値は、質量部を示す。
【表1】
【0088】
得られた各組成物を、スピンコートによってシリコンウエハ上に塗布し、塗布後ホットプレート上で100℃で90秒間加熱(プリベーク)し、膜を形成する。i線露光機を用いて50mJ/cmでマスクを介して露光し、2.38質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬させ、その後、30秒間純水によるリンスを行い、乾燥させる。その結果、50μmのコンタクトホール(C/H)パターンが形成される。
このとき、SEMにより断面観察し、膜厚とテーパーアングルを測定する。結果は表1のとおりである。
【0089】
上記のようにパターンが形成されたウェハをホットプレート上で230℃で30分間加熱(ポストベーク)し、膜を硬化させる。
このとき、SEMにより断面観察し、膜厚とテーパーアングルを測定する。さらに、以下の基準によりパターンリフロー性を評価する。結果は表1のとおりである。
A:ポストベークでリフローが起こり、テーパーアングルが15~80°である。
B:ポストベークでリフローが起こり、テーパーアングルが80°を超える。
C:ポストベーク前後で、リフローが起こらない。つまり、形状が変化しない。
D:ポストベークでリフローが起こり、テーパーアングル測定が不能である。
なお、実施例1~5の組成物を用いた上記の硬化膜を、さらに大気中で、250℃で10分間加熱しても、テーパーアングルの形状変化は起こらない。
【0090】
[透過率]
得られた各組成物を、スピンコートにて無アルカリガラスに塗布し、ホットプレート上で100℃で90秒間プリベークする。i線露光機を用い50mJ/cmで塗布面全面に露光し、2.38質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬させ、30秒間純水によるリンスを行う。その後、200℃で1時間加熱し、硬化させる。得られる硬化膜は2.0μmになるように調整される。得られた硬化膜をUV吸収測定器(U-4000)にて測定し、波長が400nmのところの透過率を求める。得られた結果は、表1のとおりである。
【0091】
[弾性率]
得られた硬化膜を押し込み硬さ測定器「ENT-2100」(株式会社エリオニクス)を用いて、弾性率の測定を行う。得られた結果は表1のとおりである。
【符号の説明】
【0092】
1.基板
2.パターン
3.テーパーアングル
4.テーパーアングル
図1(a)】
図1(b)】
【国際調査報告】