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特表2024-500207流体ハンドリングシステム、方法およびリソグラフィ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-05
(54)【発明の名称】流体ハンドリングシステム、方法およびリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524128
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2021083013
(87)【国際公開番号】W WO2022135825
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】20216868.8
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ベレンゼン、クリスチアヌス、ヴィルヘルムス、ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ポレット、テオドルス、ヴィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ユーメレン、エリク、ヘンリクス、エヒディウス、カタリナ
(72)【発明者】
【氏名】ガットビージョ、ジョヴァンニ、ルカ
(72)【発明者】
【氏名】クイペルス、コーエン
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA06
2H197AA09
2H197AA12
2H197BA09
2H197BA11
2H197BA17
2H197CA01
2H197CA03
2H197CA05
2H197CA06
2H197CA08
2H197CB16
2H197CC16
2H197CD02
2H197CD12
2H197CD13
2H197CD43
2H197DB27
2H197DB28
2H197DB29
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
(57)【要約】
【解決手段】リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムが開示される。流体ハンドリングシステムは、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、リソグラフィ装置における投影システムの一部および基板の表面の間の液体制限空間に液浸液を制限するように構成される。流体ハンドリングシステムは、流体ハンドリングシステムおよび基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える、コーティングされている外表面を有する交換可能プレートを備える。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムであって、
投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、前記リソグラフィ装置における前記投影システムの一部および前記基板の表面の間の液体制限空間に前記液浸液を制限するように構成され、
前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える、コーティングされている外表面を有する交換可能プレート、または、各プレートが、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える外表面を備える複数の交換可能プレート、
を備える流体ハンドリングシステム。
【請求項2】
プレート支持メンバを更に備え、
前記プレート支持メンバは、各プレートが取付け可能および取外し可能なように構成される、
および/または、
前記プレート支持メンバは、各プレートの一または複数の前記流体開口に流体を供給する、または、各プレートの一または複数の前記流体開口から流体を取り出すように構成される一または複数の導管を備える、
および/または、
前記プレート支持メンバは、少なくとも一つのプレートの少なくとも一部を受けるように構成される空洞を備える、
請求項1に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項3】
前記プレート支持メンバの導管は、プレートの複数の流体開口に流体を供給する、または、プレートの複数の流体開口から流体を取り出すように構成される、
および/または、
各プレートは、ねじ、接着剤、磁力、毛管力または静電力の少なくともいずれかによって、前記プレート支持メンバに取り付けられる、
および/または、
一または複数の前記流体開口を通じた前記流体の流路に垂直な面において、各導管が実質的に矩形断面を有する、
請求項2に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項4】
少なくとも一つのプレートが前記流体ハンドリングシステムに取り付けられている時、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間の前記チャネルに亘る間隔を局所的に低減するように、プレートの少なくとも一部が前記空洞から突出する、
および/または、
各プレートは実質的に平面構造であり、各プレートの前記外表面が前記プレートの主表面である、
および/または、
各プレートは、流体供給開口である流体開口の第1組と、流体取出開口である流体開口の第2組と、を備え、流体開口の前記第2組が、流体開口の前記第1組より、前記放射ビームのビーム経路から更に離れて設けられる、
請求項2または3に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項5】
複数の前記流体開口は、前記チャネルから液浸液および/または気体を取り出すように構成される、
および/または、
複数の前記流体開口は、前記チャネルに液浸液および/または気体を供給するように構成される、
および/または、
前記流体開口は前記液体制限空間の中間点の周りに設けられ、前記流体開口はオプションで円形、正方形、長方形または星形の構成、またはそれらの任意の組合せのいずれかで設けられる、
請求項1から4のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項6】
一または複数のプレートは、鉄等の金属および/または金属箔、および/またはプラスチック材料を備える、
および/または、
一または複数のプレートは、5μmおよび5mmの間、好ましくは10μmおよび100μmの間の厚さを有する、
請求項1から5のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項7】
一または複数のプレートの前記外表面はコーティングされている、
および/または、
複数の前記プレートは、同じプレート支持メンバに取付け可能である、
および/または、
前記複数のプレートの少なくともいずれかは、L字状またはV字状等に実質的に尖っている、
および/または、
前記複数のプレートは、前記放射ビームのビーム経路を囲むように構成される、
請求項1から6のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項8】
一または複数のプレートの前記外表面は、疎液性コーティングおよび/または親液性コーティングでコーティングされている、
および/または、
一または複数のプレートは、マイクロシーブおよび/または多孔メンバを備える、
請求項1から7のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項9】
前記プレートは、前記放射ビームのビーム経路が通過するように構成される開口を備える、
および/または、
前記流体ハンドリングシステムは複数の交換可能プレートを備え、前記プレートの全ては複数の流体開口を備える外表面を備え、各外表面は前記流体ハンドリングシステムおよび前記チャネルの間の境界表面である、
請求項1から8のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項10】
各プレートは、前記リソグラフィ装置のスキャニングまたはステッピング方向と揃うように設けられるコーナーを備える、
および/または、
前記複数のプレートは、実質的に正方形配置で前記ビーム経路を囲むように構成される、
請求項7に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項11】
一または複数のバンパプレートを更に備え、
各バンパプレートの外表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび前記チャネルの間の境界表面を提供し、
バンパプレートの表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間の前記チャネルに亘る最小の間隔を提供する、
請求項1から10のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項12】
各バンパプレートは、金属、ゴムおよび/またはプラスチック材料を備える、請求項11に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の流体ハンドリングシステムを備えるリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2020年12月23日に出願された欧州出願20216868.8の優先権を主張し、その全体が参照によって本書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本発明は、流体ハンドリングシステムおよびデバイス製造方法に関する。本発明は、リソグラフィ装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上に適用するように構成される装置である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用されうる。リソグラフィ装置は、例えば、基板(例えば、ウェーハ)上に提供される放射感応性材料(レジスト)の層上に、パターニングデバイス(例えば、マスク)のパターン(しばしば「デザインレイアウト」または「デザイン」とも表される)を投影してもよい。公知のリソグラフィ装置は、全体パターンをターゲット部分上に一回で露光することによって各ターゲット部分が照射されるいわゆるステッパと、放射ビームを通じて所定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンしながら、この方向に平行または非平行に基板を同時にスキャンすることによって各ターゲット部分が照射されるいわゆるスキャナを含む。
【0004】
半導体製造プロセスが継続的に進歩するにつれて、一般的に「ムーアの法則」と表されるトレンドに従って、過去数十年に亘ってデバイス毎のトランジスタ等の機能要素の量が着実に増加しながら、回路要素の寸法は継続的に低減されている。半導体産業は、ムーアの法則に遅れないように、ますます小さいフィーチャを生成することを可能にする技術を追い求めている。パターンを基板上に投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用してもよい。この放射の波長は、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nmおよび13.5nmである。
【0005】
より小さいフィーチャの解像度における更なる改良が、比較的高い屈折率を有する水等の液浸流体を露光中に基板上に提供することによって実現されてもよい。液浸流体の効果は、流体中の露光放射が気体中より短い波長を有するため、より小さいフィーチャの結像を可能にすることである。液浸流体の効果は、システムの実効的な開口数(NA)を増加させ、焦点深度も増加させるという点にもある。
【0006】
液浸流体は、流体ハンドリング構造によって、リソグラフィ装置の投影システムおよび基板の間の局所的な領域に制限されてもよい。このような液浸流体の使用は、基板の表面上における液滴の存在に繋がりうる。このような液滴は、基板上に乾燥スポットをもたらし、液滴が液浸液のメニスカスに当たると、液浸液中に捕捉された気体による泡の形成に繋がりうるため、問題となりうる。液浸液中の泡は、基板上にプリントされる欠陥に繋がりうる。このような泡が導入される可能性は、基板の相対速度を低減することによって低減されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
流体ハンドリング構造には、液浸流体および気体の流れを提供するための開口がある。流体ハンドリング構造のメンテナンスは、開口における閉塞を解消するためのオペレーションを含む。流体ハンドリング構造のメンテナンスは、リソグラフィ装置の利用可能性を低減する恐れがある。
【0008】
本発明の目的は、メンテナンスのためのダウンタイムが低減される流体ハンドリングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様によれば、リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムが設けられる。流体ハンドリングシステムは、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、リソグラフィ装置における投影システムの一部および基板の表面の間の液体制限空間に液浸液を制限するように構成される。流体ハンドリングシステムは、流体ハンドリングシステムおよび基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える、コーティングされている外表面を有する交換可能プレートを備える。
【0010】
本発明の第2態様によれば、リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムが設けられる。流体ハンドリングシステムは、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、リソグラフィ装置における投影システムの一部および基板の表面の間の液体制限空間に液浸液を制限するように構成される。流体ハンドリングシステムは、各プレートが、流体ハンドリングシステムおよび基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える外表面を備える複数の交換可能プレートを備える。
【0011】
本発明の第3態様によれば、リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムが設けられる。流体ハンドリングシステムは、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、リソグラフィ装置における投影システムの一部および基板の表面の間の液体制限空間に液浸液を制限するように構成される。流体ハンドリングシステムは、流体ハンドリングシステムおよび基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のための交換可能プレートを備え、プレートは多孔メンバを備える。
【0012】
本発明の第4態様によれば、リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムが設けられる。流体ハンドリングシステムは、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、リソグラフィ装置における投影システムの一部および基板の表面の間の液体制限空間に液浸液を制限するように構成される。流体ハンドリングシステムは、一または複数のバンパプレートを備え、各バンパプレートの外表面は、流体ハンドリングシステムおよび当該流体ハンドリングシステムおよび基板の間のチャネルの間の境界表面を提供し、バンパプレートの表面は、流体ハンドリングシステムおよび基板の間のチャネルに亘る最小の間隔を提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、第1から第4態様のいずれかに係るリソグラフィ装置が設けられる。
【0014】
本発明の更なる実施形態、特徴および利点や、本発明の各種の実施形態、特徴および利点の構造および動作が、付随的な図面を参照しながら以下で詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下では、対応する参照符号が対応する部分を表す以下の付随的な模式図を参照して、例示のみを目的として発明の実施形態が記述される。
【0016】
図1は、リソグラフィ装置の模式的な概要を示す。
【0017】
図2A、2B、2Cおよび2Dは、それぞれ、全周に亘って延在してもよい、各バージョンの左側および右側に例示される異なる特徴を有する流体ハンドリングシステムの二つの異なるバージョンを断面で示す。
【0018】
図3A、3Bおよび3Cは、リソグラフィ装置における流体ハンドリングシステムおよび基板の一部を示す。
【0019】
図4Aおよび4Bは、第1実施形態に係る流体ハンドリング構造の一部を示す。
【0020】
図5A、5Bおよび5Cは、第2実施形態に係る流体ハンドリング構造の一部を示す。
【0021】
図6は、第3実施形態に係るダンパ表面を示す。
【0022】
図7は、第4実施形態に係るダンパ表面を示す。
【0023】
図示される特徴は必ずしも実寸通りではなく、示されるサイズおよび/または配置に限定されるものではない。図は、発明に必須ではないオプションの特徴を含むと理解される。更に、装置の全ての特徴が図のそれぞれにおいて示される訳ではなく、図は特定の特徴を記述する上で関連するコンポーネントのいくつかのみを示してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本文書では、「放射」および「ビーム」の用語が、紫外放射(例えば、365、248、193、157または126nmの波長を有するもの)を含む全てのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0025】
このテキストで使用される「レチクル」、「マスク」または「パターニングデバイス」の用語は、入射する放射ビームに、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応するパターン形成された断面を付与するために使用されうる一般的なパターニングデバイスを表すものと広義に解釈されてもよい。用語「ライトバルブ」も、この文脈で使用されうる。古典的なマスク(透過型または反射型、バイナリ型、位相シフト型、ハイブリッド型等)の他に、他のこのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイおよびプログラマブルLCDアレイを含む。
【0026】
図1は、リソグラフィ装置を模式的に示す。リソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、UV放射またはDUV放射)を調整するように構成される照明システム(イルミネータとも表される)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに応じてパターニングデバイスMAを正確に配置するように構成される第1ポジショナPMに接続されるマスクサポート(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストでコーティングされたウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに応じて基板サポートWTを正確に配置するように構成される第2ポジショナPWに接続される基板サポート(例えば、基板テーブル)WTと、基板Wのターゲット部分C(例えば、一または複数のダイを含む)上に、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに形成されたパターンを投影するように構成される投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。コントローラ500は、装置の全体動作を制御する。コントローラ500は、中央制御システムまたはリソグラフィ装置の各種のサブシステム内における複数の別のサブコントローラのシステムでもよい。
【0027】
稼働中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して、放射源SOからの放射ビームBを受ける。照明システムILは、放射の方向付け、形成および/または制御のための、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電型および/または他のタイプの光学コンポーネント等の各種のタイプの光学コンポーネント、またはそれらの任意の組合せを含んでもよい。イルミネータILは、パターニングデバイスMAの面で、その断面において所望の空間および角度強度分布を有するように、放射ビームBを調整するために使用されてもよい。
【0028】
ここで使用される用語「投影システム」PSは、使用中の露光放射、および/または、液浸液または真空の使用等の他の要素にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁気型および/または静電型の光学システム、またはそれらの任意の組合せを含む各種のタイプの投影システムを包含するものと広義に解釈されるべきである。用語「投影レンズ」のここでの使用は、より一般的な用語「投影システム」PSと同義に解釈されてもよい。
【0029】
リソグラフィ装置は、投影システムPSと基板Wの間の液浸空間11を満たすために、基板Wの少なくとも一部が比較的高い屈折率を有する水等の液浸液によって覆われてもよいタイプである(液浸リソグラフィとも表される)。液浸技術に関するより多くの情報は、参照によって本書に援用されるUS6,952,253において与えられている。
【0030】
リソグラフィ装置は、二つ以上の基板サポートWTを有するタイプ(「デュアルステージ」とも呼ばれる)でもよい。このような「マルチステージ」装置では、基板サポートWTが並行的に使用されてもよい、および/または、他の基板W上にパターンを露光するために他方の基板サポートWT上の他方の基板Wが使用されている間に、基板Wの後続の露光の準備ステップが一方の基板サポートWT上に位置する基板W上で実行されてもよい。
【0031】
基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置は測定ステージ(不図示)を備えてもよい。測定ステージは、センサおよび/またはクリーニングデバイスを保持するように設けられる。センサは、投影システムPSの特性または放射ビームBの特性を測定するように設けられてもよい。測定ステージは、複数のセンサを保持してもよい。クリーニングデバイスは、リソグラフィ装置の部分、例えば投影システムPSの部分または液浸液を提供するシステムの部分をクリーニングするように設けられてもよい。測定ステージは、基板サポートWTが投影システムPSから離れている時に、投影システムPSの下を移動してもよい。
【0032】
稼働中、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されているマスクMA等のパターニングデバイス上に入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(デザインレイアウト)によってパターン形成される。マスクMAを経た放射ビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集光する投影システムPSを通過する。第2ポジショナPWおよび位置測定システムIFによって、例えば、放射ビームBの経路中の集光および整列位置に異なるターゲット部分Cを配置するために、基板サポートWTが正確に駆動されうる。同様に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に配置するために、第1ポジショナPMおよび適切な他の位置センサ(図1では明示的に示されない)が使用されてもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して整列されてもよい。図示される基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占めるが、これらはターゲット部分の間の空間に配置されてもよい。ターゲット部分Cの間に配置される基板アライメントマークP1、P2は、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0033】
発明を明らかにするために、デカルト座標系が使用される。デカルト座標系は、三つの軸、すなわち、x軸、y軸およびz軸を有する。三つの軸のそれぞれは、他の二つの軸に直交する。x軸周りの回転は、Rx回転と表される。y軸周りの回転は、Ry回転と表される。z軸周りの回転は、Rz回転と表される。x軸およびy軸は水平面を定め、z軸は鉛直方向を定める。デカルト座標系は発明を限定するものではなく、説明のためだけに使用される。代わりに、円筒座標系等の他の座標系が発明を明らかにするために使用されてもよい。例えば、z軸が水平面に沿う成分を有するように、デカルト座標系の方向は異なるものでもよい。
【0034】
液浸技術は、より小さいフィーチャの解像度の向上を可能にするために、リソグラフィシステムに導入されている。液浸リソグラフィ装置では、比較的高い屈折率を有する液浸液の液体層が、装置の投影システムPS(これを通じてパターン形成されたビームが基板Wに向かって投影される)と基板Wの間の液浸空間11に介在する。液浸液は、投影システムPSの最終要素の下で、基板Wの少なくとも一部を覆う。このように、露光中の基板Wの少なくとも一部が液浸液に浸る。
【0035】
商用化されている液浸リソグラフィでは、液浸液は水である。水は、典型的には、半導体製造プラントにおいて一般的に使用される超純水(UPW)等の高純度の蒸留水である。液浸システムでは、UPWが頻繁に浄化され、液浸空間11への液浸液としての供給の前に、追加的な処理ステップを経なければならない場合もある。フッ化炭化水素等の炭化水素および/または水溶液等の、高い屈折率を有する水以外の他の液体も液浸液として使用されうる。更に、液体以外の他の流体も、液浸リソグラフィにおける使用が見込まれている。
【0036】
本明細書では、最終要素100と最終要素100に対向する表面の間の液浸空間11に使用中の液浸液が制限される局所化された液浸についての記述において参照がなされる。対向する表面は、基板Wの表面または基板Wの表面と同一面上の支持ステージ(または、基板サポートWT)の表面である(なお、以下のテキストにおける基板Wの表面への参照は、特に断らない限り、加えてまたは代えて基板サポートWTの表面も表し、逆も同様である)。投影システムPSと基板サポートWTの間に存在する流体ハンドリング構造12は、液浸液を液浸空間11に制限するために使用される。液浸液によって満たされた液浸空間11は平面視で基板Wの最表面より小さく、下方で基板Wおよび基板サポートWTが移動する間、液浸空間11は投影システムPSに対して実質的に静止したままである。
【0037】
非制限液浸システム(いわゆる「オールウェット」液浸システム)および浴式液浸システム等の他の液浸システムも見込まれている。非制限液浸システムでは、液浸液が最終要素100の下の表面より多くを覆う。液浸空間11外の液体は、薄い液体フィルムとして存在する。液体は、基板Wまたは基板Wおよび基板Wと同一面上の基板サポートWTの表面全体を覆ってもよい。バス型システムでは、基板Wが液浸液の浴槽に完全に浸る。
【0038】
流体ハンドリング構造12は、液浸液を液浸空間11に供給し、液浸液を液浸空間11から除去することで、液浸液を液浸空間11に制限する構造である。それは、流体供給システムの一部である特徴を含む。PCT特許出願公報番号WO99/49504に開示された配置は、液浸空間11の液浸液を供給または回収し、投影システムPS下のステージの相対移動に応じて動作するパイプを備える初期の流体ハンドリング構造である。より新しいデザインでは、流体ハンドリング構造が、投影システムPSの最終要素100と基板サポートWTまたは基板Wの間の液浸空間11の境界の少なくとも一部に沿って延び、部分的に液浸空間11を定める。
【0039】
流体ハンドリング構造12は、異なる機能の選択肢を有してもよい。各機能は、流体ハンドリング構造12がその機能を実現することを可能にする対応する特徴から得られてもよい。流体ハンドリング構造12は、バリアメンバ、シールメンバ、流体供給システム、流体除去システム、液体制限構造等の、それぞれ機能を表す多くの異なる用語によって表されてもよい。
【0040】
バリアメンバとしての流体ハンドリング構造12は、液浸空間11からの液浸液の流れに対するバリアである。液体制限構造としての構造は、液浸液を液浸空間11に制限する。シールメンバとしての流体ハンドリング構造12のシーリングフィーチャは、液浸液を液浸空間11に制限するためのシールを形成する。シーリングフィーチャは、ガスナイフ等のシールメンバの表面における開口からの追加的な気体流を含んでもよい。
【0041】
一実施形態では、流体ハンドリング構造12が流体供給システムとして液浸流体を供給してもよい。
【0042】
一実施形態では、流体ハンドリング構造12が流体制限システムとして少なくとも部分的に液浸流体を制限してもよい。
【0043】
一実施形態では、流体ハンドリング構造12が流体制限構造等のバリアメンバとして液浸流体に対するバリアを提供してもよい。
【0044】
一実施形態では、流体ハンドリング構造12が、例えば液浸流体の流れおよび/または位置の制御を支援するために、気体流を生成または使用してもよい。
【0045】
気体流は液浸流体を制限するためのシールを形成してもよく、流体ハンドリング構造12はシールメンバと表されてもよい。このようなシールメンバは流体制限構造でもよい。
【0046】
一実施形態では、液浸液が液浸流体として使用される。この場合の流体ハンドリング構造12は、液体ハンドリングシステムでもよい。以上の記述を参照して、これらの段落における流体に関して定義される特徴への参照は、液体に関して定義される特徴を含むものと理解される。
【0047】
リソグラフィ装置は、投影システムPSを有する。基板Wの露光中、投影システムPSは、パターン形成された放射のビームを基板W上に投影する。基板Wに到達するために、放射ビームBの経路は、投影システムPSから、投影システムPSと基板Wの間の流体ハンドリング構造12によって制限された液浸液を通過する。投影システムPSは、ビームの経路の最後に液浸液と接触するレンズ要素を有する。液浸液と接触するこのレンズ要素は、「最終レンズ要素」または「最終要素」と表されてもよい。最終要素100は、少なくとも部分的に流体ハンドリング構造12によって囲まれる。流体ハンドリング構造12は、最終要素100の下方および対向する表面の上方に液浸液を制限してもよい。
【0048】
図2a、2b、2cおよび2dは、各種の流体ハンドリングシステムに存在してもよい異なる特徴を示す。デザインは、特に断らない限り、図2a、2b、2cおよび2dと同じいくつかの特徴を共有してもよい。ここで記述される特徴は、示されるようにまたは必要に応じて、個別にまたは組合せで選択されてもよい。図は、全周に亘って延在してもよい、左側および右側に例示される異なる特徴を有する流体ハンドリングシステムの異なるバージョンを示す。このように、例えば、流体ハンドリングシステムは、全周に亘って延在する同じ特徴を有してもよい。例えば、流体ハンドリングシステムは、図2aの左側、または図2aの右側、または図2bの左側、または図2bの右側、または図2cの左側、または図2cの右側、または図2dの左側、または図2dの右側の特徴のみを有してもよい。あるいは、流体ハンドリングシステムには、これらの図からの特徴の任意の組合せが、周方向の異なる位置に提供されてもよい。流体ハンドリングシステムは、以下で記述される各種の流体ハンドリング構造12を備えてもよい。
【0049】
図2aは、最終要素100の底面の周りの流体ハンドリング構造12を示す。最終要素100は、逆円錐台形状を有する。円錐台形状は、平らな底面および円錐面を有する。円錐台形状は、平らな表面から突出して平らな底面を有する。平らな底面は、放射ビームBが通過してもよい最終要素100の底面の光学的にアクティブな部分である。最終要素100は、コーティング30を有してもよい。流体ハンドリング構造12は、円錐台形状の少なくとも一部を囲む。流体ハンドリング構造12は、円錐台形状の円錐面に対向する内表面を有する。内表面および円錐面は、相補的な形状を有してもよい。流体ハンドリング構造12の頂面は、実質的に平らでもよい。流体ハンドリング構造12は、最終要素100の円錐台形状の周りにフィットしてもよい。流体ハンドリング構造12の底面は実質的に平らでもよく、使用中に底面は基板サポートWTおよび/または基板Wの対向面と平行でもよい。このように、流体ハンドリング構造12の底面は、基板Wの表面に対向する表面と表されてもよい。底面および対向面の間の距離は、30から500マイクロメートルの範囲内でもよく、望ましくは80から200マイクロメートルの範囲内でもよい。
【0050】
流体ハンドリング構造12は、最終要素100より基板Wおよび基板サポートWTの対向面の近くまで延在する。液浸空間11は、従って、流体ハンドリング構造12の内表面、円錐台部分の平らな表面および対向面の間で定められる。使用中、液浸空間11は液浸液で満たされる。液浸液は、最終要素100および流体ハンドリング構造12の間の相補的な表面の間のバッファ空間(一実施形態では、相補的な内表面および円錐面の間の空間の少なくとも一部)の少なくとも一部を満たす。
【0051】
液浸液は、流体ハンドリング構造12の表面に形成される開口を通じて、液浸空間11に供給される。液浸液は、流体ハンドリング構造12の内表面における供給開口20を通じて供給されてもよい。代えてまたは加えて、液浸液は、流体ハンドリング構造12の底面に形成される下方供給開口23から供給される。下方供給開口23は、放射ビームBの経路を囲んでもよく、アレイまたは単一スリットにおける一連の開口として形成されてもよい。液浸液は液浸空間11を満たすために供給され、投影システムPS下の液浸空間11を通じた流れは層状になる。下方供給開口23からの液浸液の供給は、追加的に泡の液浸空間11内への進入を防ぐ。この液浸液の供給は、液体シールとして機能してもよい。
【0052】
液浸液は、内表面に形成される回収開口21から回収されてもよい。回収開口21を通じた液浸液の回収は、減圧の適用によって行われてもよい。回収開口21を通じた回収は、液浸空間11を通じた液浸液の流速の結果でもよい。あるいは、回収は、両方の結果でもよい。回収開口21は、平面視において供給開口20の反対側に配置されてもよい。加えてまたは代えて、液浸液は、流体ハンドリング構造12の頂面に配置されるオーバーフロー回収部24を通じて回収されてもよい。供給開口20および回収開口21の機能が入れ替えられてもよい(すなわち、液体の流れ方向が逆になる)。この場合、流体ハンドリング構造12および基板Wの相対動作に応じて、流れの方向を変えられる。
【0053】
加えてまたは代えて、液浸液は、流体ハンドリング構造12の下方から、その底面に形成される回収開口25を通じて回収されてもよい。回収開口25は、液浸液のメニスカス33を流体ハンドリング構造12に対して保持する機能を担ってもよい。メニスカス33は、流体ハンドリング構造12および対向面の間に形成され、液体空間および外部気体環境の間の境界として機能する。回収開口25は、単相流の液浸液を回収してもよい多孔プレートでもよい。底面における回収開口は、液浸液が回収される一連のピニング開口32でもよい。ピニング開口32は、二相流の液浸液を回収してもよい。
【0054】
オプションで、流体ハンドリング構造12の内表面に対する径方向の外側に、ガスナイフ開口26が設けられる。気体は、液浸空間11における液浸液の液体制限を支援するために高められた速度で、ガスナイフ開口26を通じて供給されてもよい。供給される気体は湿っていてもよく、実質的に二酸化炭素を含んでもよい。ガスナイフ開口26の径方向の外側に、ガスナイフ開口26を通じて供給される気体を回収するための気体回収開口28が設けられる。
【0055】
更なる開口、例えば、大気、気体ソースまたは真空に開放されたものが、流体ハンドリング構造12の底面、すなわち、基板Wに対向する流体ハンドリング構造12の表面に存在してもよい。このようなオプションの更なる開口50の一例が、図2aの右側における点線で示される。示されるように、更なる開口50は、双方向矢印によって示されるように、供給部または取出部でもよい。例えば、供給部として構成される場合、更なる開口50は、液体供給部または気体供給部その他の任意の供給部に接続されてもよい。あるいは、取出部として構成される場合、更なる開口50は、流体を取り出すために使用されてもよく、例えば、大気、気体ソースまたは真空に接続されてもよい。例えば、少なくとも一つの更なる開口50は、ガスナイフ開口26および気体回収開口28の間、および/または、ピニング開口32およびガスナイフ開口26の間に存在してもよい。
【0056】
図2aの左側および右側の流体ハンドリング構造12の二つの異なるバージョンは、メニスカス33を留める。図2aの右側の流体ハンドリング構造12のバージョンは、ピニング開口32の固定された位置のために、実質的に最終要素100に対して固定された位置にメニスカス33を留めてもよい。図2aの左側の流体ハンドリング構造12のバージョンは、回収開口25の下方にメニスカス33を留めてもよく、メニスカス33は、回収開口25の長さおよび/または幅に沿って移動してもよい。露光時に放射ビームBを基板Wの両端まで向けるために、基板Wを支持する基板サポートWTが投影システムPSに対して駆動される。リソグラフィ装置によって露光される基板Wのアウトプットを最大化するために、基板サポートWTが(および、基板Wも)、可能な限り速く駆動される。しかし、臨界相対速度(しばしば、臨界スキャン速度と表される)があり、それを超えると流体ハンドリング構造12および基板Wの間のメニスカス33が不安定になる。不安定なメニスカス33は、例えば、一または複数の液滴の形で液浸液を失うという、より大きいリスクを伴う。更に、不安定なメニスカス33は、特に制限された液浸液が基板Wの縁を超えた時に液浸液内への気泡の混入をもたらすという、より大きいリスクを伴う。
【0057】
基板Wの表面上に存在する液滴は、熱負荷を与える可能性があり、欠陥の原因になりうる。液滴は、蒸発して乾燥しみを残す可能性があり、移動して粒子等の汚染物質を運ぶ可能性があり、より大きい液浸液の塊と衝突してより大きい塊内に気体の泡を導入する可能性があり、蒸発してそれが配置される表面に対して熱負荷を与える可能性がある。このような熱負荷は、表面が結像中の基板Wに対するリソグラフィ装置のコンポーネントの位置決めと関連する場合、ディストーションの原因および/または位置決め誤差のソースになりうる。このように、表面上の液滴の形成は望ましくない。このような液滴の形成を避けるために、基板サポートWTの速度はメニスカス33が安定している臨界スキャン速度までに制限される。これは、リソグラフィ装置のスループットを制限する。
【0058】
図2aにおける流体ハンドリングシステムの左側は、スプリング60を備えてもよい。スプリング60は、流体ハンドリング構造12に対して基板Wの方向の付勢力を及ぼすように構成される調整可能な受動スプリングでもよい。このように、スプリング60は、基板Wの上方の流体ハンドリング構造12の高さを制御するために仕様されうる。このような調整可能な受動スプリングは、その全体が参照によって本書に援用されるUS7、199、874において記述されている。他の付勢デバイス(例えば、電磁力を使用するもの)も適切である。スプリング60は、オプションで図2aの左側と共に示されるが、図2aの左側の他の特徴と共に含まれる必要はない。スプリング60は、他のいずれの図にも示されないが、図2a、2b、2c、または2dに関して記述される他の各種の流体ハンドリングシステムと共に含まれうる。
【0059】
図2bは、最終要素100に対するメニスカス33の移動を可能にする流体ハンドリング構造12の二つの異なるバージョンを左側および右側に示す。メニスカス33は、移動する基板Wの方向に移動してもよい。これはメニスカス33および移動する基板Wの間の相対速度を小さくし、安定性の向上およびメニスカス33の崩壊のリスクの低減をもたらしうる。メニスカス33が崩壊する基板Wの速度を大きくすることで、投影システムPSの下方における基板Wの移動を速くできる。このようにスループットが高められる。
【0060】
図2aと共通する図2bに示される特徴は、同じ参照番号を共有する。流体ハンドリング構造12は、円錐台形状の円錐面と相補的な内表面を有する。流体ハンドリング構造12の底面は、円錐台形状の平らな底面より対向面に近い。
【0061】
液浸液は、流体ハンドリング構造12の内表面に形成される供給開口34を通じて液浸空間11に供給される。供給開口34は、内表面の底側(例えば、円錐台形状の底面より下方)に配置される。供給開口34は、放射ビームBの経路から離れた周りで、内表面の周りに配置される。
【0062】
液浸液は、流体ハンドリング構造12の底面における回収開口25を通じて液浸空間11から回収される。流体ハンドリング構造12の下方で対向面が移動するため、メニスカス33が回収開口25の表面上を対向面の移動と同じ方向に移動する可能性がある。回収開口25は、多孔部材で形成されてもよい。液浸液は、単相で回収されてもよい。液浸液は、二相流で回収されてもよい。二相流は、流体ハンドリング構造12内のチャンバ35で受け取られて、液体および気体に分離される。液体および気体は、別のチャネル36、38を通じてチャンバ35から回収される。
【0063】
流体ハンドリング構造12の底面の内周部39は、プレート40を形成するために内表面から液浸空間11内に延在する。内周部39は、放射ビームBの形状およびサイズにマッチするサイズの小さい開口を形成する。プレート40は、いずれかの端部で液浸液を隔離する機能を担ってもよい。供給される液浸液は、開口に向かって内側に流れ、内側開口を通り、プレート40の下方で包囲する回収開口25に向かって径方向の外側に流れる。
【0064】
流体ハンドリング構造12は、図2bの右側に示されるように、二つの部分(内側部分12aおよび外側部分12b)で構成されてもよい。内側部分12aおよび外側部分12bは、主に対向面に平行な面内で互いに相対的に移動してもよい。内側部分12aは、供給開口34を有してもよいし、オーバーフロー回収部24を有してもよい。外側部分12bは、プレート40および回収開口25を有してもよい。内側部分12aは、内側部分12aおよび外側部分12bの間を流れる液浸液を回収するための中間回収部42を有してもよい。
【0065】
このように、図2bの流体ハンドリング構造の二つの異なるバージョンは、基板Wと同じ方向におけるメニスカス33の移動を許容し、スキャン速度の高速化およびリソグラフィ装置のスループットの向上を可能にする。しかし、図2bの左側の流体ハンドリング構造12における回収開口25の表面上のメニスカス33の移動速度は遅い可能性がある。図2bの右側の流体ハンドリング構造12は、内側部分12aおよび最終要素100に対して外側部分12bを移動させることによって、より速いメニスカス33の移動を可能にする。しかし、内側部分12aおよび外側部分12bの間の接触を防ぐために、その間に十分な液浸液が提供されることを担保するように、中間回収部42を制御することは困難である可能性がある。
【0066】
図2cは、図2aおよび/または2bに関して前述されたような流体ハンドリング構造12に対して液浸液のメニスカス33を留めるために使用されてもよい、流体ハンドリング構造12の二つの異なるバージョンを左側および右側に示す。図2aおよび/または2bと共通する図2cに示される特徴は、同じ参照番号を共有する。
【0067】
流体ハンドリング構造12は、円錐台形状の円錐面と相補的な内表面を有する。流体ハンドリング構造12の底面は、円錐台形状の平らな底面より対向面に近い。液浸液は、流体ハンドリング構造12の表面に形成される開口を通じて液浸空間11に供給される。液浸液は、流体構造12の内表面における供給開口34を通じて供給されてもよい。代えてまたは加えて、液浸液は、流体構造12の内表面における供給開口20を通じて供給されてもよい。代えてまたは加えて、液浸液は、下方供給開口23を通じて供給される。液浸液は、取出部(例えば、内表面に形成される回収開口21および/またはオーバーフロー回収部24および/または後述されるような流体ハンドリング構造12の表面における一または複数の開口)を介して回収されてもよい。
【0068】
図2cの左側および右側の流体ハンドリング構造12の二つの異なるバージョンは、メニスカス33を留める。図2cの右側の流体ハンドリング構造12のバージョンは、回収開口32aの固定された位置のために、実質的に最終要素100に対して固定された位置にメニスカス33を留めてもよい。図2cの左側の流体ハンドリング構造12のバージョンは、回収開口25の下方にメニスカス33を留めてもよく、メニスカス33は、回収開口25の長さおよび/または幅に沿って移動してもよい。
【0069】
図2bに関して前述されたように、流体ハンドリング構造12の底面の内周部は、左側に示されるようなプレート40を形成するために、内表面から液浸空間11内に延在してもよい。前述されたように、これは、小さい開口を形成してもよい、いずれかの端部で液浸液を隔離してもよい、および/または、液浸液を開口に向かって内側に流し、内側開口を通し、プレート40の下方で包囲する回収開口25に向かって径方向の外側に流してもよい。この特徴は図2cにおける左側に示されるが、オプションで他の示される特徴と組み合わせられてもよい。好ましくは、左側に示されるように、液浸液は、流体ハンドリング構造12の内表面に形成される供給開口34を通じて液浸空間11に供給される。供給開口34は、内表面の底側(例えば、円錐台形状の底面より下方)に配置される。供給開口34は、放射ビームBの経路から離れた周りで、内表面の周りに配置される。代えてまたは加えて、液浸液は、流体構造12の内表面における供給開口20を通じて供給されてもよい。代えてまたは加えて、液浸液は、下方供給開口23を通じて供給される。供給開口34が好ましい液体供給部であるが、供給開口34、供給開口20および/または下方供給開口23の任意の組合せが提供されてもよい。
【0070】
図2cの左側に示されるように、流体ハンドリングシステムは、前述されたような流体ハンドリング構造12および更なるデバイス3000を備えてもよい。流体ハンドリング構造12は、回収開口25等の取出部および下方供給開口23等の液体供給開口を有してもよい。流体ハンドリング構造12は、更なるデバイス3000との組合せで、図2aの左側、図2aの右側、図2bの左側、図2bの右側または図2cの右側(後述される)に関して開示されるような任意の構成を備えてもよいと理解される。
【0071】
更なるデバイス3000は、液滴キャッチャと表されてもよい。更なるデバイス3000は、流体ハンドリング構造12が表面上を移動した後の、基板Wの表面上の液体の残存を低減するために提供される。更なるデバイス3000は、液体供給部3010および少なくとも一つの取出部3020を備えてもよい。少なくとも一つの取出部3020は、平面視で少なくとも一つの供給部3010を囲む形状に形成されてもよい。少なくとも一つの液体供給部3010は、更なるデバイス3000の少なくとも一部および基板Wの表面の間の空間3110に、更なる液体を提供するように構成されてもよい。更なるデバイス3000は、少なくとも一つの取出部3020を介して、液体の少なくとも一部を回収するように構成されてもよい。更なるデバイス3000は、基板Wの表面上に残った液体を、空間3110における液体と合わせるために使用されてもよく、基板Wの表面上に残存する液体の量が低減されるように、液体を取り出すために更なるデバイス3000が使用される。
【0072】
図2cでは、更なるデバイス3000が、流体ハンドリング構造12と別のデバイスとして示される。更なるデバイス3000は、流体ハンドリング構造12の近傍に配置されてもよい。あるいは、更なるデバイス3000は、流体ハンドリング構造12の一部でもよい(すなわち、流体ハンドリング構造12と一体的に構成されてもよい)(図3d参照。但し、いずれの構成も選択可能である)。
【0073】
更なるデバイス3000は、流体ハンドリング構造12によって提供される液体と別の液体を空間3110に提供するように構成されてもよい。
【0074】
加えてまたは代えて、流体ハンドリング構造12は、図2cの右側に示されるようなコンポーネントを有してもよい。より具体的には、流体ハンドリング構造12は、流体ハンドリング構造12の表面に形成される、少なくとも一つの液体供給部、二つの取出部(例えば、回収開口32aおよび32b)および二つの気体供給部(例えば、気体供給開口27aおよび27b)を備えてもよい。気体供給開口27aは、省略されうる、すなわち、オプションである。少なくとも一つの液体供給部は、前述された流体ハンドリング構造12の底面における下方供給開口23、供給開口20、または図2bの左側に関して記述された流体ハンドリング構造12の内表面に形成される液体供給開口34と同じでもよい。液体供給部、取出部および気体供給部は、流体ハンドリング構造12の表面に形成されてもよい。具体的には、これらのコンポーネントは、基板Wに対向する流体ハンドリング構造12の表面、すなわち、流体ハンドリング構造12の底面に形成されてもよい。
【0075】
二つの取出部の少なくとも一つは、内部に多孔質材料37を備えてもよい。多孔質材料37は、開口(例えば、流体ハンドリング構造12が、下方の流体ハンドリング構造12から流体を取り出し、単相流の液浸液を回収してもよい回収開口32a)内に提供されてもよい。回収開口32b等の二つの取出部の他方は、二相取出部として液浸流体を回収してもよい。多孔質材料37は、流体ハンドリング構造12の底面と同一平面上になくてもよい。
【0076】
具体的には、流体ハンドリング構造12は、液体供給部(例えば、下方供給開口23)を備えてもよい。液体供給部の径方向の外側に第1取出部(例えば、回収開口32a)があり、第1取出部の径方向の外側に第1気体供給部(例えば、気体供給開口27a)があり、第1気体供給部の径方向の外側に第2取出部(例えば、回収開口32b)があり、第2取出部の径方向の外側に第2気体供給部(例えば、気体供給開口27b)がある。図2aと同様に、更なる開口、例えば、大気、気体ソースまたは真空に開放されたものが、(流体ハンドリング構造12に関して)前述されたように、流体ハンドリング構造12の底面に存在してもよい。
【0077】
例えば、少なくとも一つの更なる開口(不図示)は、流体ハンドリング構造12の底面に提供されてもよい。更なる開口はオプションである。更なる開口は、以上の配置において記述されたように、第1取出部(例えば、回収開口32a)および第1気体供給部(例えば、気体供給開口27a)の間に設けられてもよい。代えてまたは加えて、更なる開口は、以上の配置において記述されたように、第2取出部(例えば、回収開口32b)および第2気体供給部(例えば、気体供給開口27b)の間に設けられてもよい。更なる開口は、前述された更なる開口50と同じでもよい。
【0078】
オプションで、流体ハンドリング構造12は、凹部29を備える。凹部29は、回収開口32aおよび回収開口32bの間、または、気体供給開口27aおよび回収開口32bの間に提供されてもよい。凹部29の形状は、流体ハンドリング構造12の周りで一様でもよく、オプションで傾斜表面を含んでもよい。回収開口32aおよび回収開口32bの間に凹部29が提供される場合、図2cに示されるように、気体供給開口27bが傾斜表面に提供されてもよい。凹部29が供給開口27aおよび回収開口32bの間に提供される場合、気体供給開口27bが傾斜表面または基板Wの表面に平行な流体ハンドリング構造12の底面の一部に提供されてもよい。あるいは、凹部29の形状は、流体ハンドリング構造12の周りで変動してもよい。凹部29の形状は、気体供給部から供給される気体の流体ハンドリング構造12の下方の流体に対する影響を変えるために変動してもよい。
【0079】
図2dは、流体ハンドリング構造12の二つの異なるバージョンを左半分および右半分に示す。図2dの左半分の流体ハンドリング構造12は、液浸液のバッファ量を保持する液体注入バッファ41aと、液体注入バッファから空間11に液浸液を供給する液体注入孔41を有する。液体注入孔41の外側には、多孔部材が設けられる内側回収バッファ43aに液体を導くための内側液体回収開口43が設けられる。図2cに関して記述されたものと同様の凹部29は、内側液体回収開口43の外側に設けられる。流体ハンドリング構造12の下面における凹部29の外側には、外側回収孔44aが開いている気体案内溝44が設けられる。外側回収孔44aは、多孔部材が設けられる外側回収バッファ44bに二相回収流を導く。最も外側には、気体シーリングバッファ容量45aおよび流体ハンドリング構造12下の空間の間を接続し、液浸液に含ませるために気体流を提供する気体シーリング孔45が設けられる。
【0080】
図2dの右半分の流体ハンドリング構造12は、その内側傾斜面に液体供給開口20を有する。流体ハンドリング構造12の下方には、(内側から外側に向かって)多孔部材37が設けられる取出開口25と、第1ガスナイフ開口26aと、第2ガスナイフ開口26bと、第3ガスナイフ開口26cが設けられる。これらの開口のそれぞれは、バッファ容量を提供する流体ハンドリング構造12の下方における溝内に開口する。流体ハンドリング構造12の最も外側の部分は、流体ハンドリング構造12および基板Wの間のより大きい間隔を提供するようにステップ状になっている。
【0081】
図2a~2dは、流体ハンドリングシステムの一部として使用されうる異なる構成の例を示す。以上で提供された例は具体的な取出部および回収部を参照したが、全く同じタイプの取出部および/または回収部を使用する必要はないと理解される。いくつかの場合、部材の位置を示すために異なる用語が使用されるが、同じ機能的特徴が提供されてもよい。前述の取出部の例は、回収開口21、オーバーフロー回収部24、回収開口25(好ましくは、多孔プレートおよび/またはチャンバ35を備える)、気体回収開口28、ピニング開口32、回収開口32a、回収開口32b、および/または中間回収部42を含む。前述の供給部の例は、供給開口20、下方供給開口23、ガスナイフ開口26、気体供給開口27a、気体供給開口27b、および/または供給開口34を含む。一般的に、流体、液体または気体を取り出す/回収するために使用される取出部は、それぞれ、流体、液体または気体を取り出す/回収する他の使用例の少なくともいずれかと交換可能である。同様に、流体、液体または気体を供給するために使用される供給部は、それぞれ、流体、液体または気体を供給する他の使用例の少なくともいずれかと交換可能である。取出部は、取出部内に流体、液体または気体を引き込む減圧に接続されることで、空間から流体、液体または気体を取り出してもよい/回収してもよい。供給部は、対応する供給部に接続されることで、空間に流体、液体または気体を供給してもよい。
【0082】
前述されたように、液浸流体/液体の使用は基板上のより小さいフィーチャの解像度を高める上で有用であるが、基板上に導入される欠陥に関する液浸流体/液体の使用上の課題がある。
【0083】
一般的に、液浸液が使用される場合、液浸液の液滴が基板Wの表面上に残されうる。液浸液の縁におけるメニスカス33は、基板Wの表面上の液滴と衝突しうる。液滴がメニスカス33に当たると、気体が液浸液内に捕捉されうる。これは、液浸液中の泡をもたらす。液浸液における泡の形成は、基板W上の欠陥に繋がりうる。基板Wの表面上に残る液滴は、乾燥スポットをもたらしうる、および/または、レジストの化学的特性に影響を及ぼしうるため、欠陥に繋がる。
【0084】
液滴の発生率は流体ハンドリングシステムに対する基板Wの移動速度と共に増加することが知られている。いくつかの場合では、臨界スキャン速度以下では液滴形成がない/無視でき、臨界スキャン速度以上では無視できない液滴形成がある。臨界スキャン速度は、液浸液および基板W上に提供されるレジストの間の静的後退接触角度に関する。静的後退接触角度が増加すると、臨界スキャン速度も増加する。臨界スキャン速度はリソグラフィ装置のスループットの制限要因となりうるため、臨界スキャン速度を大きくすることが望ましい。臨界スキャン速度を大きくするための努力は、レジストの組成を変えることによって、または、レジスト上にトップコートを提供することによって、静的後退接触角度を増加させることを含む。
【0085】
図3Aから3Cは、リソグラフィ装置における流体ハンドリングシステムおよび基板Wの一部を示す。図3Aに示されるように、流体ハンドリングシステムおよび基板Wの間にはチャネル306がある。チャネル306は、液浸液309および/または気体310を備えてもよい。チャネル306に接する流体ハンドリングシステムの一部は、流体ハンドリング構造307と表されてもよい。図3Bは、チャネル306の表面を提供する流体ハンドリング構造307の表面を示す。この表面は、ダンパ表面308と表されてもよい。
【0086】
流体ハンドリング構造307は、第1流体供給メンバ301を備える。第1流体供給メンバ301は、第1流体供給導管301bおよびダンパ表面308における第1流体供給開口301aを備える。第1流体供給メンバ301は、少なくとも図2Aおよび2Cを参照して前述されたような下方供給開口23でもよい。
【0087】
流体ハンドリング構造307は、第1流体取出メンバ302も備える。第1流体取出メンバ302は、第1流体取出導管302bおよびダンパ表面308における第1流体取出開口302aを備える。第1流体取出メンバ302は、少なくとも図2Aおよび2Cを参照して前述されたようなピニング開口32または回収開口32aでもよい。
【0088】
流体ハンドリング構造307は、第2流体供給メンバ303を備えてもよい。第2流体供給メンバ303は、第2流体供給導管303bおよびダンパ表面308における第2流体供給開口303aを備える。第2流体供給メンバ303は、少なくとも図2Aおよび2Cを参照して前述されたようなガスナイフ開口26または気体供給開口27aでもよい。
【0089】
流体ハンドリング構造307は、第2流体取出メンバ305を備えてもよい。第2流体取出メンバ305は、第2流体取出導管305bおよびダンパ表面308における第2流体取出開口305aを備える。第2流体取出メンバ305は、少なくとも図2Aおよび2Cを参照して前述されたような気体回収開口28または回収開口32bでもよい。
【0090】
図3Aから3Cには示されないが、流体ハンドリング構造307は、任意の数の更なる開口を備えてもよい。例えば、流体ハンドリング構造307は、第3流体供給メンバを備えてもよい。第3流体供給メンバは、第2流体供給メンバ303および第2流体取出メンバ305の間に配置されてもよい。第3流体供給メンバは、第3流体供給導管およびダンパ表面308における第3流体供給開口を備えてもよい。
【0091】
図3Aでは、ダンパ表面308が実質的に平面状であり、基板Wの表面に実質的に平行である。あるいは、流体ハンドリング構造307および基板Wの間の距離が変動するように、ダンパ表面308の部分は傾斜または突出していてもよい。
【0092】
図3Bは、流体ハンドリング構造307のダンパ表面308の模式的な平面図である。複数の流体開口301a、302a、303aおよび305aがダンパ表面308に設けられている。複数の流体開口301a、302a、303aおよび305aは、複数の異なる開口の組に設けられる。
【0093】
図3Cは、流体ハンドリング構造307のダンパ表面308および流体ハンドリング構造307を通る第1流体取出導管302bのいくつかの模式的な平面図である。各第1流体取出開口302aについて、それぞれ第1流体取出導管302bがある。各第1流体取出導管302bは、実質的に一定の断面を伴って、流体ハンドリング構造307を通って延びてもよい。図3Cにおける流体開口301a、302a、303aおよび305aの全てについて示されないが、各流体開口301a、302a、303aおよび305aおよび各流体導管301b、302b、303bおよび305bについて、それぞれ流体導管301b、302b、303bおよび305bがあり、実質的に一定の断面を伴って、流体ハンドリング構造307を通って延びてもよい。
【0094】
前述されたような流体ハンドリング構造307の製造は、時間がかかり、難しく、高価である。特に、ダンパ表面308および流体開口301a、302a、303aおよび305aを要求されるレベルの平坦度、粗さで製造し、寸法許容度を満たすには時間がかかる。流体ハンドリング構造307および基板Wの間の衝突またはスクラッチが発生した場合に、損傷した表面を修理または再処理することも高価で時間がかかる。いくつかのアプリケーションでは、ダンパ表面308がコーティングされていてもよい。コーティングはスクラッチ、経年劣化および/または汚染のために限られた寿命を有し、コーティングを交換する処理は難しく高価である。流体ハンドリング構造307のメンテナンス中のリソグラフィ装置の利用可能性の不足は、コストも増加させる。
【0095】
リソグラフィ装置の利用可能性を高め、流体ハンドリング構造のメンテナンスコストを低減する一般的な要請がある。
【0096】
本発明の実施形態は、リソグラフィ装置の利用可能性を高められ、流体ハンドリング構造のメンテナンスコストを低減できる。ここで開示されるのは、全てのタイプの局所液浸リソグラフィ装置において使用されてもよい流体ハンドリング構造の各種の実施形態である。
【0097】
以下で詳細に記述されるように、実施形態は、一または複数の交換可能プレートを備える流体ハンドリング構造を有する流体ハンドリングシステムを提供する。各プレートは、少なくともいくつかの流体開口を備える。各プレートの外表面は、少なくともいくつかのダンパ表面308を提供する。有利なことには、流体ハンドリング構造のメンテナンスでは、プレートを取り外し、新しいまたは再調整されたプレートを流体ハンドリング構造に取り付けるという比較的単純なオペレーションのみが要求される。これは、流体ハンドリング構造のサービスにかかる時間およびコストを低減し、リソグラフィ装置の利用可能性を高める。実施形態の利点は、流体ハンドリング構造のより高い製造可能性、流体ハンドリング構造の本体のより良い保護、製造および修理/再処理における短く安価なターンアラウンドタイムを含んでもよい。
【0098】
図4Aおよび4Bは、第1実施形態に係る流体ハンドリング構造403の一部を示す。流体ハンドリング構造403は、プレート支持メンバ403aおよび交換可能プレート400を備える。プレート支持メンバ403aは、流体ハンドリング構造403の本体の一部であり、プレート400は、プレート支持メンバ403aに取り付けられる。
【0099】
前述されたように、流体ハンドリング構造403および基板Wの間にチャネル306がある。チャネル306は、液浸液309および/または気体310を備えてもよい。
【0100】
流体ハンドリング構造403は、第1流体供給メンバ401を備える。第1流体供給メンバ401は、流体ハンドリング構造403の本体を通じて開口している第1流体供給導管401bを備える。第1流体供給メンバ401は、プレート400を通じて開口している第1流体供給開口401aも備える。
【0101】
流体ハンドリング構造403は、第1流体取出メンバ402を備える。第1流体取出メンバ402は、流体ハンドリング構造403の本体を通じて開口している第1流体取出導管402bを備える。第1流体取出メンバ402は、プレート400を通じて開口している第1流体取出開口402aも備える。
【0102】
流体ハンドリング構造403は、オプションで、第2流体供給メンバ303および第2流体取出メンバ305を備えてもよい。これらは、実質的に、図3Aから3Cを参照して前述されたものでもよい。
【0103】
プレート400は、実質的に平面構造を有してもよい。プレート400の主表面であるプレート400の外表面400aは、チャネル306の表面でもよい。プレート400の外表面400aは、流体ハンドリング構造403のダンパ表面308の少なくとも一部を提供してもよい。
【0104】
プレート支持メンバ403aは、プレート400を受けるために、流体ハンドリング構造403の本体における空洞を備えてもよい。プレート400の外表面400aが、プレート400によって構成されていないダンパ表面308と同一面上に来るように、プレート400の全体が空洞内で受けられてもよい。好ましくは、プレート400の一部が、プレート400によって構成されていないダンパ表面308から突出するように、プレート400は空洞によって部分的に受けられてもよい。このように、プレート400の外表面400aは、プレート400を囲むダンパ表面308より基板Wに近くてもよい。例えば、プレート400を囲むダンパ表面308は、プレート400の外表面400aより、約10μmから200μmだけ基板Wから離れていてもよい。有利なことには、チャネル306の幅がプレート400によって低減される場合、プレート400が、基板Wまたは流体ハンドリング構造403と近い任意の他の表面との衝突の際に損傷する唯一の流体ハンドリング構造403の部分となる。このような衝突後における流体ハンドリング構造403の修理は、プレート400を交換するだけでよい。
【0105】
図4Bは、流体ハンドリングシステムに取り付けられているプレート400の平面図である。図3Aから3Cに示されたものと同様の配置において、複数の流体開口401a、402a、303aおよび305aがあってもよい。複数の流体開口401a、402a、303aおよび305aは、複数の異なる開口の組に設けられてもよい。
【0106】
複数の流体開口401a、402a、303aおよび305aを構成する各組は、液体制限空間の中間点の周りに設けられる流体開口を備えてもよい。複数の流体開口401a、402a、303aおよび305aは、円形、正方形、長方形または星形の構成、またはそれらの任意の組合せのいずれかで設けられてもよい。流体ハンドリングシステムは、投影レンズの両側に対向する二つの側を有してもよい。液体制限空間の中間点は、投影レンズの直下の空間でもよい。
【0107】
プレート400における流体開口の第1組は、複数の第1流体供給開口401aを備えてもよい。プレート400における流体開口の第2組は、複数の第1流体取出開口402aを備えてもよい。流体開口の第2組は、流体開口の第1組より、放射ビームBのビーム経路から更に離れて設けられてもよい。
【0108】
図4Aに示されるように(および、図5Cを参照して後述されるように)、第1流体供給導管401bは、第1流体供給開口401aと異なるサイズおよび/または形状の断面を有してもよい。特に、第1流体供給導管401bの幅等の断面寸法は、第1流体供給開口401aの直径等の最大の断面寸法より実質的に大きくてもよい。加えて、単一の第1流体供給導管401bは、複数の流体供給開口401aを通じて流体を供給してもよい。第1流体供給導管401bは、スロット状/スリット状でもよい。例えば、第1流体供給導管401bは、ダンパ表面308に平行な面において実質的に矩形断面を有してもよい。従って、任意の流体閉塞は、第1流体供給導管401bではなく、第1流体供給開口401aにおいて発生すると期待される。
【0109】
同様に、第1流体取出導管402bは、第1流体取出開口402aと異なるサイズおよび/または形状の断面を有してもよい。特に、第1流体取出導管402bの幅は、第1流体取出開口402aの直径より実質的に大きくてもよい。加えて、単一の第1流体取出導管402bは、複数の流体取出開口402aを通じて流体を取り出してもよい。第1流体取出導管402bは、スロット状/スリット状でもよい。例えば、第1流体取出導管402bは、ダンパ表面308に平行な面において実質的に矩形断面を有してもよい。従って、任意の流体閉塞は、第1流体取出導管402bではなく、第1流体取出開口402aにおいて発生すると期待される。
【0110】
前述されたように、リソグラフィ装置の使用は、流体ハンドリング構造403における汚染および/または損傷の発生をもたらしうる。例えば、レジストフレーク等の汚染粒子が、流体開口401a、402a、303aおよび305aのいくつかを閉塞しうるため、流体開口401a、402a、303aおよび305aが開通される必要がある。スクラッチもダンパ表面308上で発生しうる。
【0111】
流体ハンドリング構造403のサービスは、流体ハンドリング構造403からプレート400を取り外すことと、プレート400を新しいプレート400に交換することを備えてもよい。交換プレート400は、完全に新しいプレート400でもよいし、以前に使用された後に適切に再調整されたプレート400でもよい。流体ハンドリング構造403は、プレート400が取り外されて、新しいプレート400が流体ハンドリング構造403に取り付けられるために、リソグラフィ装置から取り外されてもよい。あるいは、流体ハンドリング構造403は、プレート400が交換される時にリソグラフィ装置内に留まってもよい。
【0112】
流体開口401a、402a、303aおよび305aのいくつかが、他より汚染物質によって閉塞されやすくなっていてもよい。特に、プレート400において液浸液309が流れる流体開口401aおよび402aが、汚染物質によって最も閉塞されやすくなっていてもよい。プレート400の外表面400aが、流体ハンドリング構造403の基板Wに最も近い表面でもよい。この場合、プレート400の外表面400aは、ダンパ表面308の任意の他の部分より、スクラッチ等で損傷されやすい。このように、メンテナンスを必要とする流体ハンドリング構造403の唯一の部分が、プレート400内でもよい。流体ハンドリング構造403の他の部分で必要なメンテナンスは大幅に少なくなる。有利なことには、流体ハンドリング構造403のメンテナンスは、プレート400の交換のみを必要とする。流体ハンドリング構造403の他の部分についてのメンテナンスは、比較的簡単、迅速、安価に実行される。例えば、流体ハンドリング構造403の他の部分はクリーニングのみが必要であり、流体ハンドリング構造403全体は再処理および再認定のために取り外される必要がない。このように、交換可能プレート400の使用は、流体ハンドリング構造403のサービスにかかる時間およびコストを実質的に低減できる。
【0113】
交換可能プレートの使用の他の利点は、同じ流体ハンドリング構造403が、流体開口の異なる配置を有するプレート400と共に使用されてもよいことである。このように、流体ハンドリング構造403は、再構成可能でもよい。
【0114】
プレート400は、多くの任意の技術によって、プレート支持メンバ403aに取り付けられてもよい。例えば、プレート400は、ねじ、ボルト、接着剤、磁力、毛管力、静電力またはファンデルワールス力の少なくともいずれかによって、プレート支持メンバ403aに取り付けられてもよい。特に、プレート400のエッジが液密であることを担保するために、防液性接着剤/ゲルまたは他の防液性物質が、ねじに加えて使用されてもよい。
【0115】
プレート400をプレート支持メンバ403aに取り付けるために使用される技術は、プレート400がプレート支持メンバ403aに取り付けられる時にも、プレート400がプレート支持メンバ403aから取り外される時にも、流体ハンドリング構造403のどの部分も傷付けるべきではない、または、実質的に変えるべきではない。このように、プレート400をプレート支持メンバ403aに溶接する等の技術は、プレートが所期の目的を達成できないため適切ではない。溶接されたプレート400は着脱することが困難であり、取外し処理が流体ハンドリング構造403およびプレート400の両方を傷付ける恐れがある。
【0116】
プレート400の製造は、公知の流体ハンドリング構造307の製造より簡単である。例えば、小さい流体開口を作ることは、流体ハンドリング構造307より薄いプレート400では簡単である。
【0117】
プレート400は、鉄等の金属を備えてもよい。特に、プレート400は、金属箔でもよい。プレート400は、レーザアブレーション、レーザカッティングまたは電子またはイオンビームマシニングを使用して作られてもよい。不適格なプレートも有意なコストではなくなるように、プレート400は箔等の低コスト材料から作られてもよい。光沢のある金属箔が開始材料として使用される場合、ラッピング等の表面仕上げは不要である。流体ハンドリング構造を製造するための公知技術における製造ステップのいくつかは不要である。
【0118】
プレート400は、プラスチック材料を備えてもよい。
【0119】
プレート400の厚さは、5μmおよび5mmの間、好ましくは10μmおよび2mmの間、およびより好ましくは10μmおよび100μmの間でもよい。
【0120】
ダンパ表面308の一部であるプレート400の外表面400aは、コーティングされていてもよい。例えば、プレート400の外表面400aは、疎液性コーティングでコーティングされていてもよい。あるいは、プレート400の外表面400aは、親液性または他のタイプのコーティングでコーティングされていてもよい。交換可能プレート400を使用する利点は、例えば、コーティングの寿命の終わりに必要になるように、プレート400を交換することによってコーティングも変えられることである。
【0121】
実施形態は、マイクロシーブであるプレート400の使用を含む。
【0122】
実施形態は、多孔メンバであるプレート400の使用を含む。
【0123】
図5A、5Bおよび5Cは、第2実施形態に係る流体ハンドリング構造502の一部を示す。第2実施形態は、プレート500が流体取出開口のみを備える点で第1実施形態と異なる。
【0124】
第2実施形態では、流体ハンドリング構造502がプレート支持メンバ502aおよび交換可能プレート500を備える。プレート支持メンバ502aは、流体ハンドリング構造502の本体の一部であり、プレート500は、プレート支持メンバ502aに取り付けられる。
【0125】
前述されたように、流体ハンドリング構造502および基板Wの間にチャネル306がある。チャネル306は、液浸液309および/または気体310を備えてもよい。
【0126】
流体ハンドリング構造502は、第1流体供給メンバ301、第2流体供給メンバ303および第2流体取出メンバ305を備えてもよい。これらは、実質的に、図3Aから3Cを参照して前述されたものでもよい。
【0127】
流体ハンドリング構造502は、第1流体取出メンバ501も備える。第1流体取出メンバ501は、流体ハンドリング構造502の本体を通じて開口している第1流体取出導管501bを備える。第1流体取出メンバ501は、プレート500を通じて開口している第1流体取出開口501aも備える。
【0128】
第1実施形態について記述されたように、プレート500の外表面500aは、チャネル306の表面である。プレート500の外表面500aは、流体ハンドリング構造502のダンパ表面308の少なくとも一部を提供してもよい。プレート支持メンバ502aは、プレート500を受けるために、流体ハンドリング構造502の本体における空洞を備えてもよい。プレート500の外表面500aが、プレート500によって構成されていないダンパ表面308と同一面上に来るように、プレート500の全体が空洞内で受けられてもよい。好ましくは、プレート500の一部が、プレート支持メンバ502aによって構成されていないダンパ表面308から突出するように、プレート500はプレート支持メンバ502aによって部分的に受けられてもよい。このように、プレート500の外表面500aは、プレート500を囲むダンパ表面308より基板Wに近くてもよい。有利なことには、チャネル306の幅がプレート500によって低減される場合、プレート500が、基板Wまたは流体ハンドリング構造502と近い任意の他の表面との衝突の際に損傷する唯一の流体ハンドリング構造502の部分となる。このような衝突後における流体ハンドリング構造502の修理は、プレート500を交換するだけでよい。
【0129】
図5Bは、流体ハンドリングシステムに取り付けられているプレート500の平面図である。図3A、3B、3C、4Aおよび4Bに示されたものと同様の配置において、複数の流体開口301a、501a、303aおよび305aがあってもよい。複数の流体開口301a、501a、303aおよび305aは、複数の異なる開口の組に設けられてもよい。
【0130】
図5Cに示されるように、第1流体取出導管501bは、第1流体取出開口501aと異なるサイズおよび/または形状の断面を有してもよい。特に、単一の第1流体取出導管501bは、複数の流体取出開口501aを通じて流体を取り出してもよい。第1流体取出導管501bは、ダンパ表面308に平行な面において実質的に矩形断面を有してもよい。加えて、第1流体取出導管501bの幅は、第1流体取出開口501aの直径より実質的に大きくてもよい。
【0131】
第2実施形態は、第1実施形態と同様の利点を提供する。特に、流体ハンドリング構造502のサービスは、プレート500の交換のみを必要とする。このように、第2実施形態のプレート500は、流体ハンドリング構造502のサービスにかかる時間を低減するという利点を提供する。汚染物質による開口の閉塞は、液体取出開口において最も発生しやすく、これらは全てプレート500によって構成される。
【0132】
第3実施形態に係るダンパ表面が、図6に示される。第3実施形態は第1実施形態に適用される技術として示されるが、第3実施形態の技術は第1または第2実施形態のいずれに適用されてもよい。
【0133】
第3実施形態では、流体開口の全てが同じプレート内に設けられてもよい。プレート400は、平面視において、中空の正方形等の任意の中空形状でもよい。プレート400は、プレート400が流体ハンドリング構造403に取り付けられている時に、放射ビームBのビーム経路が開口を通過するように設けられる開口を備える。流体開口は、開口の周りに延びてもよい。
【0134】
第4実施形態に係るダンパ表面が、図7に示される。第4実施形態は第1実施形態に適用される技術として示されるが、第4実施形態の技術は第1または第2実施形態のいずれに適用されてもよい。
【0135】
第4実施形態では、複数の交換可能プレート400がある。各プレート400は、前述された第1または第2実施形態に係るプレート400でもよい。従って、各プレート400は複数の流体開口を備えてもよい。各プレート400の外表面500aは、流体ハンドリングシステムおよびチャネル306の間の境界表面(すなわち、ダンパ表面308の一部)でもよい。
【0136】
複数のプレート400の全てが、同じプレート支持メンバ403aに取付け可能でもよい。
【0137】
図7に示されるように、複数のプレート400は、放射ビームBのビーム経路を囲むように構成されてもよい。複数のプレート400のそれぞれは、ビーム経路を囲むために、平面視において、中空の正方形または円形の配置等の中空形状配置の一部の上に配置されてもよい。特に、複数の交換可能プレート400の少なくともいずれかは、L字状またはV字状等に実質的に尖っていてもよい。複数の交換可能プレート400の少なくともいずれかは、C字状、三日月状、満月状または長方形状でもよい。各プレートは、リソグラフィ装置のスキャニングまたはステッピング方向と揃うコーナーを備えてもよい。図7に示されるように、四つのL字状プレートが、プレート400の正方形構成の四つのコーナーを提供してもよい。
【0138】
有利なことには、複数のプレート400を使用することによって、流体ハンドリング構造403のサービスの際に、交換が必要なプレート400のみが交換されればよい。
【0139】
実施形態は、図2aから2dに示される流体ハンドリングシステムのいずれに組み込まれてもよい。
【0140】
実施形態は、具体的に前述されたものからの更なる特徴の存在および使用を含む。特に、実施形態の流体ハンドリングシステムは、任意の流体供給または取出メンバを通じた流体流を制御するための一または複数のポンプを含んでもよい。流体流を制御するためのポンプの一つは、加えてまたは代えて、流体ハンドリングシステムの外部にあってもよい。
【0141】
実施形態は、前述された技術に対する多くの変更および変形も含む。
【0142】
例えば、第2実施形態の第2の実装では、プレート500が流体取出開口を備えず流体供給開口のみを備えるものとして設けられてもよい。プレート500に設けられる流体供給開口は、一または複数の流体供給メンバの一部でもよく、第1実施形態について記述されたような第1流体供給メンバ401と同様のものでもよい。
【0143】
第2実施形態の第3の実装では、流体ハンドリング構造が、図5Aから5Cに示されるような流体取出開口のみを備える一または複数のプレート500、および、第2実施形態の第2の実装におけるような流体供給開口のみを備える一または複数のプレート500を備えてもよい。有利なことには、流体ハンドリング構造のサービスの際に、交換が必要なプレート500のみが交換されればよい。
【0144】
実施形態は、任意の数の流体取出開口の組および任意の数の流体供給開口の組を備える各プレート400を含む一または複数のプレート400の使用を含む。
【0145】
図では、各プレートおよびダンパ表面における流体開口の全てが円形である。実施形態は、より一般的に、任意の形状を有する任意の流体開口を含む。例えば、流体開口のいくつかは、正方形状または不規則な形状を有してもよい。
【0146】
実施形態は、一または複数のバンパプレート(不図示)を備える流体ハンドリング構造307、403、502も含む。流体開口を備える各プレートと同様に、各バンパプレートは、流体ハンドリング構造307、403、502の表面に対向するチャネル306上に設けられてもよい。各バンパプレートの外表面は、流体ハンドリングシステムおよびチャネル306の間の境界表面を提供してもよい。
【0147】
各外表面は、ダンパ表面308の一部でもよい。バンパプレートは、いずれの流体開口を備えなくてもよく、または、いずれの導管に接続されなくてもよい。各バンパプレートは、金属、ゴムおよび/またはプラスチック材料を備える。各バンパプレートの内部構造は、実質的に蜂の巣状でもよい。
【0148】
バンパプレートの外表面は、流体ハンドリング構造307、403、502および基板Wの間のチャネル306に亘る最小間隔を提供するように設けられてもよい。バンパプレートの目的は、使用中に流体ハンドリング構造307、403、502および基板Wの間の間隔が許容可能レベル以下に低減した場合、衝突の際に基板Wにぶつかる流体ハンドリング構造307、403、502の第1部分をバンパプレートが提供することである。このため、衝突によってもたらされる損傷は、一または複数のバンパプレートおよび/または基板Wのみに及び、流体ハンドリング構造307、403、502の他の部分には及ばない。
【0149】
前述された実施形態では、プレート400、500が、チャネル306の上表面を提供するものとして示された。プレート400、500は、水平に設けられる基板Wの典型的な構成では、チャネル306の上表面を提供する。しかし、実施形態は、より一般的に、基板Wの表面に実質的に平行な流体ハンドリングシステムの表面を提供するプレート400、500を含む。基板Wの表面は、水平に設けられる場合に限定されない。
【0150】
本発明は、リソグラフィ装置を提供してもよい。リソグラフィ装置は、前述されたようなリソグラフィ装置の一部または全部の他の特徴またはコンポーネントを有してもよい。例えば、リソグラフィ装置は、オプションで、ソースSO、照明システムIL、投影システムPS、基板サポートWT等の少なくとも一または複数を備えてもよい。
【0151】
具体的には、リソグラフィ装置は、基板Wの表面の領域に対して放射ビームBを投影するように構成される投影システムPSを備えてもよい。リソグラフィ装置は、以上の実施形態および変形例のいずれかにおいて記述された流体ハンドリングシステムを更に備えてもよい。
【0152】
リソグラフィ装置は、基板Wを流体ハンドリングシステムに対して駆動するように構成されるアクチュエータを備えてもよい。このように、アクチュエータは、基板Wの位置(あるいは、流体ハンドリングシステムの位置)を制御するために使用されてもよい。アクチュエータは、基板サポート(例えば、基板テーブル)WTおよび/または基板Wを保持するように構成された基板ホルダおよび/または基板サポートWTを正確に配置するように構成される第2ポジショナPWでもよい、または、を備えてもよい。
【0153】
本テキストにおいて、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用についての具体的な参照がなされたかもしれないが、ここで記述されるリソグラフィ装置は他の用途を有してもよいと理解されるべきである。可能性のある他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリのためのガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造を含む。
【0154】
文脈が許す限り、発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組合せで実装されてもよい。発明の実施形態は、一または複数のプロセッサによって読み出されて実行されてもよい機械読取可能媒体上に格納された命令によって実装されてもよい。機械読取可能媒体は、機械(例えば、演算デバイス)によって読み取り可能な形態で、情報を格納または送信するための任意のメカニズムを含んでもよい。例えば、機械読取可能媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響または他の形態の伝送信号(例えば 搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、その他を含んでもよい。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして記述されてもよい。但し、このような記述は単に便宜的なものであり、このようなアクションは実際には、演算デバイス、プロセッサ、コントローラ、またはファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスによってもたらされ、アクチュエータまたは他のデバイスに物理的な世界と相互作用させてもよいと理解されるべきである。
【0155】
本テキストにおいて、リソグラフィ装置の文脈における発明の実施形態についての具体的な参照がなされたかもしれないが、発明の実施形態は他の装置で使用されてもよい。発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、またはウェーハ(または他の基板)またはマスク(または他のパターニングデバイス)等のオブジェクトを測定または処理する任意の装置の一部を構成してもよい。これらの装置は、一般的にリソグラフィツールと表されてもよい。このようなリソグラフィツールは、大気(非真空)条件を使用してもよい。
【0156】
以上において、光学リソグラフィの文脈における発明の実施形態の使用についての具体的な参照がなされたかもしれないが、発明は、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないと理解される。
【0157】
実施形態は、以下の番号が付された項目を含む:
1.リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムであって、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、前記リソグラフィ装置における前記投影システムの一部および前記基板の表面の間の液体制限空間に前記液浸液を制限するように構成され、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える、コーティングされている外表面を有する交換可能プレートを備える流体ハンドリングシステム。
2.リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムであって、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、前記リソグラフィ装置における前記投影システムの一部および前記基板の表面の間の液体制限空間に前記液浸液を制限するように構成され、各プレートが、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える外表面を備える複数の交換可能プレートを備える流体ハンドリングシステム。
3.各プレートが取付け可能および取外し可能なように構成されるプレート支持メンバを更に備える、項目1または2に記載の流体ハンドリングシステム。
4.各プレートは、ねじ、接着剤、磁力、毛管力または静電力の少なくともいずれかによって、前記プレート支持メンバに取り付けられる、項目3に記載の流体ハンドリングシステム。
5.前記プレート支持メンバは、各プレートの一または複数の前記流体開口に流体を供給する、または、各プレートの一または複数の前記流体開口から流体を取り出すように構成される一または複数の導管を備える、項目3または4に記載の流体ハンドリングシステム。
6.前記プレート支持メンバの導管は、プレートの複数の流体開口に流体を供給する、または、プレートの複数の流体開口から流体を取り出すように構成される、項目5に記載の流体ハンドリングシステム。
7.一または複数の前記流体開口を通じた前記流体の流路に垂直な面において、各導管が実質的に矩形断面を有する、項目5または6に記載の流体ハンドリングシステム。
8.前記プレート支持メンバは、少なくとも一つのプレートの少なくとも一部を受けるように構成される空洞を備える、項目3から7のいずれかに記載の前記流体ハンドリングシステム。
9.少なくとも一つのプレートが前記流体ハンドリングシステムに取り付けられている時、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間の前記チャネルに亘る間隔を局所的に低減するように、プレートの少なくとも一部が前記空洞から突出する、項目8に記載の流体ハンドリングシステム。
10.各プレートは実質的に平面構造であり、各プレートの前記外表面が前記プレートの主表面である、項目1から9のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
11.複数の前記流体開口は、前記チャネルから液浸液および/または気体を取り出すように構成される、項目1から10のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
12.複数の前記流体開口は、前記チャネルに液浸液および/または気体を供給するように構成される、項目1から11のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
13.各プレートは、流体供給開口である流体開口の第1組と、流体取出開口である流体開口の第2組と、を備え、流体開口の前記第2組が、流体開口の前記第1組より、前記放射ビームのビーム経路から更に離れて設けられる、項目1から12のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
14.前記流体開口は前記液体制限空間の中間点の周りに設けられ、前記流体開口はオプションで円形、正方形、長方形または星形の構成、またはそれらの任意の組合せのいずれかで設けられる、項目1から13のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
15.一または複数のプレートは、鉄等の金属を備える、項目1から14のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
16.一または複数のプレートは、金属箔を備える、項目1から15のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
17.一または複数のプレートは、プラスチック材料を備える、項目1から16のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
18.一または複数のプレートは、5μmおよび5mmの間、好ましくは10μmおよび100μmの間の厚さを有する、項目1から17のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
19.一または複数のプレートの前記外表面はコーティングされている、項目2またはそれに従属する項目のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
20.一または複数のプレートの前記外表面は、疎液性コーティングでコーティングされている、項目1から19のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
21.一または複数のプレートの前記外表面は、親液性コーティングでコーティングされている、項目1から20のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
22.一または複数のプレートは、マイクロシーブを備える、項目1から21のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
23.一または複数のプレートは、多孔メンバを備える、項目1から22のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
24.前記プレートは、前記放射ビームのビーム経路が通過するように構成される開口を備える、項目1またはそれに従属する項目のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
25.前記流体ハンドリングシステムは複数の交換可能プレートを備え、前記プレートの全ては複数の流体開口を備える外表面を備え、各外表面は前記流体ハンドリングシステムおよび前記チャネルの間の境界表面である、項目1またはそれに従属する3から23のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
26.複数の前記プレートは、同じプレート支持メンバに取付け可能である、項目2、25または項目2に従属する項目のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
27.前記複数のプレートの少なくともいずれかは、L字状またはV字状等に実質的に尖っている、項目2、25、26、または項目2に従属する項目のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
28.各プレートは、前記リソグラフィ装置のスキャニングまたはステッピング方向と揃うように設けられるコーナーを備える、項目27に記載の流体ハンドリングシステム。
29.前記複数のプレートは、前記放射ビームのビーム経路を囲むように構成される、項目2、項目25から28のいずれか、または項目2に従属する項目のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
30.前記複数のプレートは、実質的に正方形配置で前記ビーム経路を囲むように構成される、項目29に記載の流体ハンドリングシステム。
31.一または複数のバンパプレートを更に備え、各バンパプレートの外表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび前記チャネルの間の境界表面を提供し、バンパプレートの表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間の前記チャネルに亘る最小の間隔を提供する、項目1から30のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
32.各バンパプレートは、金属、ゴムおよび/またはプラスチック材料を備える、項目31に記載の流体ハンドリングシステム。
33.リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムであって、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、前記リソグラフィ装置における前記投影システムの一部および前記基板の表面の間の液体制限空間に前記液浸液を制限するように構成され、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のための交換可能プレートを備え、前記プレートは多孔メンバを備える、流体ハンドリングシステム。
34.リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムであって、投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、前記リソグラフィ装置における前記投影システムの一部および前記基板の表面の間の液体制限空間に前記液浸液を制限するように構成され、一または複数のバンパプレートを備え、各バンパプレートの外表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび当該流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネルの間の境界表面を提供し、バンパプレートの表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間の前記チャネルに亘る最小の間隔を提供する、流体ハンドリングシステム。
35.項目1から34のいずれかに記載の流体ハンドリングシステムを備えるリソグラフィ装置。
36.前記基板の表面に実質的に平行な面において前記投影システムに対して前記基板を支持するように構成される基板ホルダを駆動するように構成される位置決めシステムを更に備える、項目35に記載の装置。
【0158】
発明の具体的な実施形態が前述されたが、発明は記述されたものと異なる態様で実施されてもよいと理解される。以上の記述は例示を目的としており、発明を限定する趣旨ではない。従って、記述された発明に対して以下の請求項の範囲から逸脱することなく変更が加えられてもよいことは当業者にとって明らかである。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置のための流体ハンドリングシステムであって、
投影システムから投影される放射ビームが液浸液を通過することによって基板の表面を照射できるように、前記リソグラフィ装置における前記投影システムの一部および前記基板の表面の間の液体制限空間に前記液浸液を制限するように構成され、
前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える、コーティングされている外表面を有する交換可能プレート、または、各プレートが、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間のチャネル内の液浸液および/または気体の供給および/または取出のために構成される複数の流体開口を備える外表面を備える複数の交換可能プレート、を備え
少なくとも一つのプレートが取付け可能および取外し可能なように構成されるプレート支持メンバを更に備え、
前記プレート支持メンバは、少なくとも一つのプレートの少なくとも一部を受けるように構成される空洞を備え、
少なくとも一つのプレートが前記流体ハンドリングシステムに取り付けられている時、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間の前記チャネルに亘る間隔を局所的に低減するように、少なくとも一つのプレートの一部が前記空洞から突出す
流体ハンドリングシステム。
【請求項2】
各プレートの一または複数の前記流体開口に流体を供給する、または、各プレートの一または複数の前記流体開口から流体を取り出すように構成される一または複数の導管を備えるプレート支持メンバを更に備える、請求項1に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項3】
前記プレート支持メンバの導管は、プレートの複数の流体開口に流体を供給する、または、プレートの複数の流体開口から流体を取り出すように構成される、
および/または、
各プレートは、ねじ、接着剤、磁力、毛管力または静電力の少なくともいずれかによって、前記プレート支持メンバに取り付けられる、
および/または、
一または複数の前記流体開口を通じた前記流体の流路に垂直な面において、各導管が実質的に矩形断面を有する、
請求項2に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項4】
各プレートは実質的に平面構造であり、各プレートの前記外表面が前記プレートの主表面であ
各プレートは、流体供給開口である流体開口の第1組と、流体取出開口である流体開口の第2組と、を備え、流体開口の前記第2組が、流体開口の前記第1組より、前記放射ビームのビーム経路から更に離れて設けられる、
請求項1からのいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項5】
複数の前記流体開口は、前記チャネルから液浸液および/または気体を取り出すように構成される、
および/または、
複数の前記流体開口は、前記チャネルに液浸液および/または気体を供給するように構成される、
および/または、
前記流体開口は前記液体制限空間の中間点の周りに設けられ、前記流体開口はオプションで円形、正方形、長方形または星形の構成、またはそれらの任意の組合せのいずれかで設けられる、
請求項1から4のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項6】
一または複数のプレートは、鉄等の金属および/または金属箔、および/またはプラスチック材料を備える、
および/または、
一または複数のプレートは、5μmおよび5mmの間、好ましくは10μmおよび100μmの間の厚さを有する、
請求項1から5のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項7】
一または複数のプレートの前記外表面はコーティングされている、
および/または、
複数の前記プレートは、同じプレート支持メンバに取付け可能である、
および/または、
前記複数のプレートの少なくともいずれかは、L字状またはV字状等に実質的に尖っている、
および/または、
前記複数のプレートは、前記放射ビームのビーム経路を囲むように構成される、
請求項1から6のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項8】
一または複数のプレートの前記外表面は、疎液性コーティングおよび/または親液性コーティングでコーティングされている、
および/または、
一または複数のプレートは、マイクロシーブおよび/または多孔メンバを備える、
請求項1から7のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項9】
前記プレートは、前記放射ビームのビーム経路が通過するように構成される開口を備える、
および/または、
前記流体ハンドリングシステムは複数の交換可能プレートを備え、前記プレートの全ては複数の流体開口を備える外表面を備え、各外表面は前記流体ハンドリングシステムおよび前記チャネルの間の境界表面である、
請求項1から8のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項10】
各プレートは、前記リソグラフィ装置のスキャニングまたはステッピング方向と揃うように設けられるコーナーを備える、
および/または、
前記複数のプレートは、実質的に正方形配置で前記ビーム経路を囲むように構成される、
請求項7に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項11】
一または複数のバンパプレートを更に備え、
各バンパプレートの外表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび前記チャネルの間の境界表面を提供し、
バンパプレートの表面は、前記流体ハンドリングシステムおよび前記基板の間の前記チャネルに亘る最小の間隔を提供する、
請求項1から10のいずれかに記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項12】
各バンパプレートは、金属、ゴムおよび/またはプラスチック材料を備える、請求項11に記載の流体ハンドリングシステム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の流体ハンドリングシステムを備えるリソグラフィ装置。
【国際調査報告】