(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】エキシマレーザの波長をその繰り返し周波数の関数として変調するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20231226BHJP
H01S 3/10 20060101ALN20231226BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
H01S3/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532729
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 US2021061536
(87)【国際公開番号】W WO2022132447
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シモネリ,ジェームズ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】テン,クオ-タイ
【テーマコード(参考)】
2H197
5F172
【Fターム(参考)】
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA20
2H197DB03
2H197HA03
5F172AD02
5F172AD06
5F172DD03
5F172EE22
5F172NN24
5F172NQ14
5F172ZZ01
(57)【要約】
1つ以上のアクチュエータが、波形が供給されることに応答して波長を制御する、2つ以上の波長(色)のレーザ放射を生成するためのシステムにおいて波長を制御するための装置及び方法。波形の特性、及び/又は波形を制御するためのコントローラの特性は、レーザの現在の繰り返し率に基づいて決定される。現在の繰り返し率が決定され、それが新しい場合に新しい波形が要求される。波長を決定するILCアルゴリズムに繰り返し率に応じた補正が適用されるシステムも開示される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザシステムであって、
前記レーザシステムを少なくとも2つのバースト、すなわち第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバースト及び第2の繰り返し率で発射された複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで発射するためのトリガ回路と、
第1の印加波形に応答する前記第1のバーストパルスのそれぞれと第2の印加波形に応答する前記第2のバーストパルスのそれぞれの各波長を制御する波長制御デバイスと、
前記第2の繰り返し率と前記第1の繰り返し率との比較を実行し、前記比較に少なくとも部分的に基づいて前記第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するための比較器とを備えたレーザシステム。
【請求項2】
前記比較器が、前記第2の繰り返し率が前記第1の繰り返し率と異なる場合に、前記第1の印加波形と異なる第2の印加波形を使用することを決定する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項3】
前記比較器が、前記第2の繰り返し率が前記第1の繰り返し率と同じである場合に、前記第1の印加波形と同じ第2の印加波形を使用することを決定する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項4】
前記比較器が、前記第2の繰り返し率を入力として用いて前記第2の印加波形の1つ以上のパラメータを計算する、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項5】
前記比較器が、前記第2の繰り返し率に少なくとも部分的に基づいて前記第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するフィールドプログラマブルゲートアレイを備える、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項6】
前記比較器がルックアップテーブルを有するメモリを備え、前記ルックアップテーブルが、前記第2の繰り返し率に基づいて前記第2の印加波形の1つ以上のパラメータを返す、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のパラメータが前記第2の印加波形の振幅の大きさを含む、請求項6に記載のレーザシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のパラメータが前記第2の印加波形の振幅の大きさの時間変化を含む、請求項6に記載のレーザシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のパラメータが前記第2の印加波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含む、請求項6に記載のレーザシステム。
【請求項10】
前記フィードバックアルゴリズムが反復学習制御アルゴリズムである、請求項9に記載のレーザシステム。
【請求項11】
前記比較器が、前記第2のバースト内の複数のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、前記第2の印加波形を前記第2のバーストに印加する、請求項9に記載のレーザシステム。
【請求項12】
前記比較器が、前記第2のバースト内の第3のパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用される前に、前記第2の印加波形を前記第2のバーストに印加する、請求項11に記載のレーザシステム。
【請求項13】
前記比較器が、前記第2のバースト内の前記複数のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、前記第1のバースト中に印加された第1のトリガ波形を前記第2のバーストに印加する、請求項9に記載のレーザシステム。
【請求項14】
前記比較器が、前記第1の印加波形を前記第1のトリガ波形として印加する、請求項13に記載のレーザシステム。
【請求項15】
前記比較器が、デフォルト波形を前記第1のトリガ波形として印加する、請求項13に記載のレーザシステム。
【請求項16】
前記比較器が、一定レベルを前記第1のトリガ波形として印加する、請求項13に記載のレーザシステム。
【請求項17】
前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理するための遷移管理ユニットを更に備える、請求項13に記載のレーザシステム。
【請求項18】
前記遷移管理ユニットが、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の前記遷移を、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形とをクロスフェードさせることによって管理する、請求項17に記載のレーザシステム。
【請求項19】
前記遷移管理ユニットが、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の前記遷移を、前記第1のトリガ波形のゼロ交差において前記第1のトリガ波形から前記第2の印加波形に切り替わることによって管理する、請求項17に記載のレーザシステム。
【請求項20】
前記遷移管理ユニットが、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の前記遷移を、前記第1のトリガ波形の極大値又は極小値において前記第1のトリガ波形から前記第2の印加波形に切り替わることによって管理する、請求項17に記載のレーザシステム。
【請求項21】
レーザシステムを制御する方法であって、
第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバーストで前記レーザシステムを発射すること、
複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで、前記第2のバーストパルスが発射される第2の繰り返し率を決定しながら、前記レーザシステムを発射することを開始すること、
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定すること、及び
前記第2のバースト波形を前記アクチュエータに印加することを含む方法。
【請求項22】
前記第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第1のバースト波形の1つ以上のパラメータと異なる前記第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第1のバースト波形の前記パラメータと同じである前記第2のバースト波形のパラメータを決定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、前記第2の繰り返し率を入力として用いて前記第2のバースト波形のパラメータを計算することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、前記第2の繰り返し率をフィールドプログラマブルゲートアレイへの入力として用いて、前記第2のバースト波形のパラメータを決定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、前記第2の繰り返し率を用いてルックアップテーブルで前記第2のバースト波形のパラメータを調べることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上のパラメータが、前記第2のバースト波形の振幅の大きさを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記1つ以上のパラメータが、前記第2のバースト波形の振幅の大きさの時間変化を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上のパラメータが、前記第2のバースト波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記フィードバックアルゴリズムが反復学習制御アルゴリズムである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定する前に、前記第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスを使用して前記第2の繰り返し率を計算することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のバースト内の前記複数の第1のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を前記第2のバーストに印加することを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
第1のトリガ波形を印加することが前記第1のバースト波形を印加することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
第1のトリガ波形を印加することがデフォルト波形を印加することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
第1のトリガ波形を印加することが、前記第2のバースト内の前記複数の第1のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を前記第2のバーストに印加することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
第1のトリガ波形を印加することが、前記第1のバースト中に前記第1のトリガ波形として印加された第1の印加波形を印加することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
第1のトリガ波形を印加することが、デフォルト波形を前記第1のトリガ波形として印加することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
第1のトリガ波形を印加することが、一定レベルを前記第1のトリガ波形として印加することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理することを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理することが、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形とをクロスフェードさせることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理することが、前記第1のトリガ波形のゼロ交差において前記第1のトリガ波形から前記第2の印加波形に切り替わることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理することが、前記第1のトリガ波形の極大値又は極小値において前記第1のトリガ波形から前記第2の印加波形に切り替わることを含む、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2020年12月16日に出願されたAPPARATUS FOR AND METHOD OF MODULATING A LIGHT SOURCE WAVELENGTHと題する米国出願第63/126,230号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、光を生成するエキシマレーザなどのレーザシステム並びに光の中心波長を制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを半導体材料のウェーハなどの基板に、通常は基板のターゲット部分に付与する。代替的にマスク又はレチクルと称されるパターニングデバイスが、ウェーハの個々の層上に形成される回路パターンを生成するのに使用されることがある。パターンの転写は通常、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層への結像によって行われる。一般に、単一の基板が、連続的にパターニングされている隣接するターゲット部分を含むことになる。
【0004】
[0004] リソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行又は逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向に放射ビームでスキャンすることによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することが可能である。本明細書では簡略化のため、ステッパ及びスキャナの双方を単にスキャナと呼ぶことにする。
【0005】
[0005] パターンを照明し、これを基板上に投影するのに使用される光源は、多数の構成のうちのいずれか1つである可能性がある。リソグラフィシステムで一般的に使用される深紫外線エキシマレーザには、248nm波長のフッ化クリプトン(KrF)レーザ及び193nm波長のフッ化アルゴン(ArF)レーザが含まれる。
【0006】
[0006] 基板にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することがある。この放射の波長によって、基板上に形成され得るフィーチャの最小サイズが決まる。リソグラフィ装置は、4~20nmの範囲内、例えば6.7nmもしくは13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射、又は約120から約400nmの範囲内、例えば193もしくは248nmの波長を有する深紫外線(DUV)放射を使用することがある。
【0007】
[0007] リソグラフィ装置は、単色モードと称され得る単一波長で動作することがある。しかしながら、一部の適用例では波長を変化させる能力を有することが望まれる。例えば、メモリの3D NAND層では(すなわち、相互に積層されたNAND(ANDでない)ゲートに似た構造のメモリ)。2Dから3D NANDアーキテクチャへの移行には、製造プロセスの大きな変更が必要である。3D NAND製造では、課題は、極端なアスペクト比(穴径のその深さに対する比)におけるエッチングプロセス及び堆積プロセスによって主として決定される。超高アスペクト比(HAR)フィーチャを有する複雑な3D構造を構築することは複雑であり、規模を達成するためには、極めて高い精度、及び最終的にはプロセス均一性及びプロセス再現性を必要とする。更に、多層スタック高さが増すにつれて、スタック、例えばメモリアレイの上部及び下部において一貫したエッチング及び堆積結果を得ることの難しさも増す。
【0008】
[0008] これらの考慮事項は、より大きな焦点深度の必要性をもたらす。リソグラフィ焦点深度(DoF)は、関係式DOF=±m2 λ/(NA)2によって求められ、ここでλは照射光の波長であり、NAは開口数であり、m1及びm2はレジスト処理に依存する実際的因子である。3D NANDリソグラフィではより大きな焦点深度の要件があるため、ときとして露光パス毎に異なるレーザ波長を使用して、ウェーハ上で1つより多くの露光パスが設定される。
【0009】
[0009] 多焦点イメージング(MFI)は、対物レンズの所与の開口数(NA)に対してDoFを効果的に増加させるために(例えば複数の波長による)複数の焦点レベルを使用する。これによって、DoFが製品層のニーズに応じてMFIによって最適化され得る一方、結像NA、ひいては露光寛容度(プロセスウィンドウ)を大きくすることができる。
【0010】
[0010] また、レーザ放射を集束させるレンズを構成する材料は分散性であるため、波長によって異なる深さに集束するようになる。これは、波長を変化させる能力を有することが望ましい別の理由である。
【0011】
[0011] 単色モードでは、2つのアクチュエータ、すなわちステッパモータ及び圧電変換器(PZT)が互いに連動して動作して中心波長を安定させる。動作時、ステッパモータは解像度が限られているため、PZTが一次アクチュエータとして使用される。一方、2色モードでは、波長安定性は中心波長、すなわち2つの交流スペクトルの平均に基づいており、このモードでは、PZTは交流波長を発生させる波形の生成を担当する。
【0012】
[0012] 具体例として、2つの異なる波長のDUV光を発生させる適用例では、基準波長は露光中に2つのセットポイントを有する。すなわち、第1の波長の第1のセットポイントと第2の波長の第2のセットポイントである。このため、基準波長はこれら2つのセットポイントの間で変調されることになる。あらゆる波長ターゲット変化には所定の整定時間が必要である。
【0013】
[0013] DUV光源は、DUV光の波長を制御するためのシステムを備える。通常、これらの波長制御システムは、波長安定性を促進するためのフィードバック補償器及びフィードフォワード補償器を備える。フィードフォワード補償器は、波長ターゲットの要求される変化、すなわち波長変化イベントを補償する。かかるイベントが発生する場合、システムが新しい波長に安定して落ち着く整定時間が割り当てられる必要がある。
【0014】
[0014] 典型的にはMFIアルゴリズムは、レーザがMFIモードで、例えば6kHzなどの特定の(又は実質的にそれに近い)繰り返し率でのみ動作すると推測するため、この単一の動作ポイントにおける性能のためのPZTディザの基本波形を較正及び最適化する。そして、この基本波形は、予定動作ポイントの(適度に)外側のドリフト及び動作を補償する反復学習制御(ILC)アルゴリズムを使用してバースト間で修正される。
【0015】
[0015] ただし、ウェーハ全体で繰り返し率が1つしか存在しなくなるという仮定は、特定の使用事例において成り立たないことがある。例えば、繰り返し率がウェーハの縁部近くのフィールドについて大幅に変化し得る場合がある。ILCアルゴリズムなどのアルゴリズムが、各連続フィールドの繰り返し率が前のフィールドの繰り返し率と同様になる(すなわち変わらない)という仮定に基づいて構築されている限りにおいて、かかる繰り返し率がより低いフィールドを含むことで、ウェーハスクラップにつながり得る長期にわたる欠陥(corruption)が学習補償にもたらされることがある。
【0016】
[0016] ウェーハ全体に1つの繰り返し率が使用されるという仮定は要件であるとともに、ウェーハの中心でも利用可能な繰り返し率の範囲を制限し、スキャナの線量制御最適化に悪影響を及ぼす可能性があり、最悪の場合、線量コントローラが解決に達することを不可能にし、生産を停止する可能性がある。
【発明の概要】
【0017】
[0017] 以下は、1つ以上の実施形態の基本的な理解を得るために、そのような実施形態の簡略化された概要を示す。この概要は、想定される全ての実施形態を広く概観するものではなく、全ての実施形態の重要な又は不可欠な要素を識別することは意図しておらず、また、いずれかの又は全ての実施形態の範囲を規定することも意図していない。その唯一の目的は、後に提示される更に詳細な説明の前置きとして、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を簡略化した形態で示すことである。
【0018】
[0018] ある実施形態のある態様によれば、レーザシステムであって、レーザシステムを少なくとも2つのバースト、すなわち第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバースト及び第2の繰り返し率で発射された複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで発射するためのトリガ回路と、第1の印加波形に応答する第1のバーストパルスの各パルスの波長及び第2の印加波形に応答する第2のバーストパルスの各パルスの波長を制御するように適合された波長制御デバイスと、第2の繰り返し率と第1の繰り返し率との比較を実行し、比較に少なくとも部分的に基づいて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するための比較器とを備えたレーザシステムが開示される。比較器は、第2の繰り返し率が第1の繰り返し率と異なる場合に、第1の印加波形と異なる第2の印加波形を使用することを決定することがある。比較器は、第2の繰り返し率が第1の繰り返し率と同じである場合に、第1の印加波形と同じ第2の印加波形を使用することを決定することがある。比較器は、第2の繰り返し率を入力として用いて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを計算することがある。比較器は、第2の繰り返し率に少なくとも部分的に基づいて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するフィールドプログラマブルゲートアレイを備えることがある。比較器は、第2の繰り返し率に基づいて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを返すルックアップテーブルを有するメモリを備えることがある。1つ以上のパラメータは、第2のバースト波形の振幅の大きさ、第2のバースト波形の振幅の大きさの時間変化、及び/又は第2のバースト波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含むことがある。フィードバックアルゴリズムは反復学習制御アルゴリズムである場合がある。
【0019】
[0019] ある実施形態の別の態様によれば、比較器は、第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、第2の印加波形を第2のバーストに印加することがある。比較器は、第2のバースト内の2つの第1のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、第2の印加波形を第2のバーストに印加することがある。比較器は、第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を第2のバーストに印加することがある。比較器は、第1の印加波形を第1のトリガ波形として印加することがある。比較器は、デフォルト波形を第1のトリガ波形として印加することがある。比較器は、一定レベルを第1のトリガ波形として印加することがある。
【0020】
[0020] ある実施形態の別の態様によれば、レーザシステムは更に、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理するための遷移管理ユニットを備えることがある。遷移管理ユニットは、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を、第1のトリガ波形と第2の印加波形とをクロスフェードさせることによって管理することがある。遷移管理ユニットは、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を、第1のトリガ波形のゼロ交差において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることによって管理することがある。遷移管理ユニットは、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を、第1のトリガ波形の極大値又は極小値において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることによって管理することがある。
【0021】
[0021] ある実施形態の別の態様によれば、レーザシステムを制御する方法であって、第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバーストでレーザシステムを発射すること、複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで、第2のバーストパルスが発射される第2の繰り返し率を決定しながら、レーザシステムを発射することを開始すること、第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定すること、及び第2のバースト波形をアクチュエータに印加することを含む方法が開示される。第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することは、第1のバースト波形の1つ以上のパラメータと異なる第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することを含むことがある。第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することは、第1のバースト波形のパラメータと同じである第2のバースト波形のパラメータを決定することを含む。第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することは、第2の繰り返し率を入力として用いて第2のバースト波形のパラメータを計算することを含むことがある。第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することは、第2の繰り返し率をフィールドプログラマブルゲートアレイへの入力として用いて、第2のバースト波形のパラメータを決定することを含むことがある。第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することは、第2の繰り返し率を用いてルックアップテーブルで第2のバースト波形のパラメータを調べることを含むことがある。1つ以上のパラメータは、第2のバースト波形の振幅の大きさ、第2のバースト波形の振幅の大きさの時間変化、及び/又は第2のバースト波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含むことがある。フィードバックアルゴリズムは反復学習制御アルゴリズムである場合がある。
【0022】
[0022] ある実施形態の別の態様によれば、方法は更に、第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定する前に、第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスを使用して第2の繰り返し率を計算することを含むことがある。方法は更に、第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を第2のバーストに印加することを含むことがある。第1のトリガ波形を印加することは、第1のバースト波形を印加することを含むことがある。第1のトリガ波形を印加することは、デフォルト波形を印加することを含むことがある。第1のトリガ波形を印加することは、第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を第2のバーストに印加することを含むことがある。第1のトリガ波形を印加することは、第1の印加波形を第1のトリガ波形として印加することを含むことがある。第1のトリガ波形を印加することは、デフォルト波形を第1のトリガ波形として印加することを含むことがある。第1のトリガ波形を印加することは、一定レベルを第1のトリガ波形として印加することを含むことがある。
【0023】
[0023] ある実施形態の別の態様によれば、方法は更に、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することを含むことがある。第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することは、第1のトリガ波形と第2の印加波形とをクロスフェードさせることを含むことがある。第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することは、第1のトリガ波形のゼロ交差において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることを含むことがある。第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することは、第1のトリガ波形の極大値又は極小値において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることを含むことがある。
【0024】
[0024] 実施形態の更なる特徴及び例示的な態様並びに様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。実施形態は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者は追加の実施形態を容易に思いつくであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
[0025] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、実施形態を図示し説明とともに、更に実施形態の原理を説明し、当業者が実施形態を作成して使用できるようにする働きをする。
【0026】
【
図1】[0026] 例示的な実施形態に係るリソグラフィ装置の概略図である。
【
図2】[0027] 例示的な実施形態に係る光源装置の概略上面図である。
【
図3】[0028] 例示的な実施形態に係る、
図2に示す光源装置のガス放電ステージの概略部分断面図である。
【
図4】[0029] 例示的な実施形態に係る、
図2に示す光源装置のガス放電ステージの概略部分断面図である。
【
図5】[0030] ある実施形態のある態様に係る波長制御を行うためのシステムの概念図である。
【
図6】[0031] ある実施形態のある態様に係る波長制御を行うためのプロセスのステップを示すフローチャートである。
【
図7】[0032] ある実施形態のある態様に係る波長制御を行うためのプロセスの一部のステップを示すフローチャートである。
【
図8】[0033] アクチュエータ波形とレーザパルスとの関係を表すグラフである。
【
図9A】[0034] アクチュエータ波形とレーザパルスとの関係を表すグラフである。
【
図9B】[0035] アクチュエータ波形とレーザパルスとの関係を表すグラフである。
【
図10A】[0036] アクチュエータ波形とレーザパルスとの関係を表すグラフである。
【
図10B】[0037] アクチュエータ波形とレーザパルスとの関係を表すグラフである。
【
図11】[0038] ある実施形態のある態様に係る波形制御を行うためのプロセスの一部のステップを示すフローチャートである。
【
図12A】[0039] ある実施形態のある態様に係る波形制御を行うためのシステムの概念図である。
【
図12B】[0040] ある実施形態のある態様に係る波形制御を行うためのシステムの概念図である。
【
図13】[0041] ある実施形態のある態様に係るILC補正制御を行うためのプロセスの一部のステップを示すフローチャートである。
【
図14A】[0042] ある実施形態のある態様に係るILC補正制御を行うためのシステムの概念図である。
【
図14B】[0043] ある実施形態のある態様に係るILC補正制御を行うためのシステムの概念図である。
【
図15】[0044] ある実施形態のある態様に係るコンピュータ制御システムの機能ブロック図である。
【0027】
[0045] 実施形態の特徴及び例示的な態様は、同様の参照符号は全体を通して対応する要素を識別する図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで更に明白になるであろう。図面では、一般に、同様の参照番号が同一の、機能が類似した、及び/又は構造が類似する要素を示す。更に、一般に、参照番号の左端の桁は、参照番号が最初に表示される図面を識別する。他に示されない限り、開示を通じて提供される図面は縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0046] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される1つ又は複数の実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される1つ又は複数の実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
【0029】
[0047] 記載された1つ又は複数の実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」、「例示的な実施形態」などに言及した場合、それは記載された1つ又は複数の実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
【0030】
[0048] 「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(on)」、「上(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、図に示すように、ある要素又は特徴と別の1つ又は複数の要素又は1つ又は複数の特徴との関係を説明するのを容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの様々な方向を包含することを意図している。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0031】
[0049] 本明細書で使用される「約」、「実質的」、「およそ」という語は、特定の技術に基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術に基づいて、「約」、「実質的」、「およそ」という語は、例えばその値の1~15%(例えば、その値の±1%、±2%、±5%、±10%、又は±15%)の範囲内で変化する所与の量の値を示す可能性がある。
【0032】
[0050] 本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実装可能である。また、本開示の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得るタンジブルな機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実装することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。更に、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、及び/又は命令を記載することができる。しかしながらそのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0033】
[0051] このような実施形態を詳述する前に、本開示の実施形態を実装することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0034】
[0052]
図1は、放射線源SOとリソグラフィ装置LAを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、EUV及び/又はDUV放射ビームBを生成し、EUV及び/又はDUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成されている。リソグラフィ装置LAは、照明システムILと、パターニングデバイスMA(例えばマスク)を支持するように構成された支持構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを備える。
【0035】
[0053] 照明システムILは、EUV及び/又はDUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV及び/又はDUV放射ビームBを調節するように構成されている。そのため、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を備えることがある。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、EUV及び/又はDUV放射ビームBに所望の断面形状と所望の強度分布とを与える。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又はこれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを備えることがある。
【0036】
[0054] このように調節された後、EUV及び/又はDUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する(例えば、DUV用の透過型マスク、又はEUV用の反射型マスク)。この相互作用の結果、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’を基板Wに投影するように構成されている。この目的のため、投影システムPSは、基板テーブルWTにより保持された基板Wにパターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’を投影するように構成されている複数のミラー13、14を備えることがある。投影システムPSは、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、これによってパターニングデバイスMAにおける対応するフィーチャよりも小さいフィーチャの像を形成することがある。例えば、4又は8の縮小係数が適用されることがある。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14のみを有するものとして示されているが、投影システムPSは様々な数のミラー(例えば6個又は8個のミラー)を備えることがある。
【0037】
[0055] 基板Wは、前もって形成されたパターンを含むことがある。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV及び/又はDUV放射ビームB’により形成された像を、基板W上に前もって形成されたパターンと位置合わせする。
【0038】
[0056] 相対真空、すなわち大気圧を大きく下回る圧力の少量のガス(例えば水素)が、放射源SO、照明システムIL、及び/又は投影システムPS内に供給されることがある。
【0039】
[0057] 以上で考察したように、主発振器パワー増幅器(MOPA)は2ステージ光共振器装置である。主発振器(MO)(例えば第1の光共振器ステージ)は、(例えばシードレーザから)高コヒーレントな光ビームを生成する。パワー増幅器(PA)(例えば第2の光共振器ステージ)は、ビーム特性を維持しながら光ビームの光パワーを増大させる。MOは、ガス放電チャンバ、入出力光学素子(例えば光カプラ(OC))、及びスペクトル特徴調整器(例えば線幅狭化モジュール(LNM))を備える可能性がある。入出力光学素子及びスペクトル特徴調整器は、ガス放電チャンバを取り囲んで光共振器を形成することができる。
【0040】
[0058] MOPAの性能は、MOの位置合わせに大きく依存する。MOの位置合わせは、ガス放電チャンバの位置合わせ、OCの位置合わせ、及びLNMの位置合わせを含む可能性がある。位置合わせ(例えば、チャンバ、OC、LNMなど)のそれぞれは、MOにおける経時的なアライメント誤差及び変動に寄与する可能性がある。しかしながら、MOの位置合わせは時間がかかり、数時間の人手によるメンテナンス(例えば同期のとれた性能メンテナンス(SPM))を必要とする可能性がある。また、チャンバ、OC、及びLNMの位置が大幅にずれている(例えば、初期基準点がない)場合、最初の位置合わせが困難である(例えば試行錯誤による)可能性がある。更に、MO位置合わせのモニタリング及び調整は、例えばDUVリソグラフィ装置への出力光ビーム(例えばDUV光ビーム)を抑制する(例えば遮断する)可能性がある。
【0041】
[0059] 結像光(例えば可視レーザビーム)が、チャンバ、OC、及びLNMに(例えば、順次又は同時に)投影されて照明し、チャンバの光軸(例えば第1及び第2の光ポート)に沿ったOC及び/又はLNMの位置合わせを指示する可能性がある。ガス放電チャンバからの増幅自然放出(ASE)は、MOキャビティの光軸に沿った(例えば、チャンバ、OC、及びLNMの光軸に沿った)結像光の照準調整(例えばレーザ照準調整)を促進するためのビーコン(例えば基準点)の役割を果たすことができる。また、ASEは、チャンバをMOキャビティの光軸と最初に位置合わせ(例えば粗位置合わせ)するのに使用される可能性がある。更に、センシング装置(例えばカメラ)が、MO(例えば、チャンバポート、OC開口、LNM開口など)内の様々な対物面を視覚的に調べ、アライメント誤差(例えば画像比較)を定量化するのに使用される可能性がある。例えば、センシング装置は、様々な対物面上の結像光の近接場(NF)及び遠方場(FF)領域を調べ、例えばビームプロファイリング(例えば、水平対称性、垂直対称性など)によって調整(例えば微細位置合わせ)を適用することができる。
【0042】
[0060] 以下で考察される光源装置及びシステムは、主発振器のアライメント時間(例えばSPM)を短縮し、経時的な主発振器のアライメント変動を抑え、主発振器の定量化可能なアライメント誤差をモニタし動的に制御して、例えばDUVリソグラフィ装置に高コヒーレントな光ビームを提供することができる。
【0043】
[0061]
図2から
図4は、様々な例示的な実施形態に係る光源装置200を示している。
図2は、例示的な実施形態に係る光源装置200の概略上面図である。
図3及び
図4は、例示的な実施形態に係る、
図2に示す光源装置200のガス放電ステージ220の概略部分断面図である。
【0044】
[0062]
図2は様々な例示的な実施形態に係る光源装置200を示している。光源装置200は、ガス放電ステージ220(例えばMO)の定量化可能なアライメント誤差をモニタし動的に制御し、例えばDUVリソグラフィ装置(例えばLA)に高コヒーレントで位置合わせされた光ビーム(例えば、光ビーム202、増幅光ビーム204)を提供するように構成されている可能性がある。光源装置200は、ガス放電ステージ220(例えばMO)のアライメント時間を短縮し、経時的なガス放電ステージ220(例えばMO)のアライメント変動を抑えるように更に構成されている可能性がある。光源装置200はスタンドアロンの装置及び/又はシステムとして
図2に示されているが、この開示の実施形態は、例えば放射源SO、リソグラフィ装置LA、及び/又は他の光学システムであるがこれに限らない他の光学システムと共に使用される可能性がある。一部の実施形態では、光源装置200はリソグラフィ装置LAの放射源SOである可能性がある。例えばDUV放射ビームBは、光ビーム202及び/又は増幅光ビーム204である可能性がある。
【0045】
[0063] 光源装置200は、ガス放電ステージ220(例えばMO)及びパワーリング増幅器(PRA)ステージ280(例えばPA)によって形成されたMOPAである可能性がある。光源装置200は、ガス放電ステージ220、ライン解析モジュール(LAM)230、主発振器波面エンジニアリングボックス(MoWEB)240、パワーリング増幅器(PRA)ステージ280、及びコントローラ290を備える可能性がある。一部の実施形態では、上記コンポーネントの全ては3次元(3D)フレーム210内に収容される可能性がある。一部の実施形態では、3Dフレーム210は、金属(例えば、アルミニウム、鋼など)、セラミック、及び/又は任意の他の適切な剛体材料を含む可能性がある。
【0046】
[0064] ガス放電ステージ220は、高コヒーレントな光ビーム(例えば光ビーム202)を出力するように構成されている可能性がある。ガス放電ステージ220は、第1の光共振器素子254、第2の光共振器素子224、入出力光学素子250(例えばOC)、光増幅器260、及びスペクトル特徴調整器270(例えばLNM)を備える可能性がある。一部の実施形態では、入出力光学素子250は第1の光共振器素子254を備える可能性があり、スペクトル特徴調整器270は第2の光共振器素子224を備える可能性がある。入出力光学素子250(例えば第1の光共振器素子254を介して)及びスペクトル特徴調整器270(例えば第2の光共振器素子224を介して)によって第1の光共振器228が定義される可能性がある。第1の光共振器228を形成するために、第1の光共振器素子254は部分的に反射性である(例えば部分ミラー)可能性があり、第2の光共振器素子224は反射性である(例えば、ミラー又は格子)可能性がある。第1の光共振器228は、光増幅器260が発生させた光(例えば増幅自然放出(ASE)201)を一定数のパスのために光増幅器260内に向けて光ビーム202を形成することができる。一部の実施形態では、
図2に示すように、ガス放電ステージ220は、光ビーム202をMOPA装置の一部であるPRAステージ280に出力することができる。
【0047】
[0065] PRAステージ280は、ガス放電ステージ220からの光ビーム202をマルチパス構成で増幅し、増幅光ビーム204を出力するように構成されている可能性がある。PRAステージ280は、第3の光共振器素子282、パワーリング増幅器(PRA)286、及び第4の光共振器素子284を備える可能性がある。第3の光共振器素子282及び第4の光共振器素子284によって第2の光共振器288が定義される可能性がある。第2の光共振器288を形成するために、第3の光共振器素子282は部分的に反射性である(例えば部分ビームスプリッタ)可能性があり、第4の光共振器素子284は反射性である(例えば、ミラー又はプリズム又はビーム反転器)可能性がある。第2の光共振器288は、ガス放電ステージ220からの光ビーム202を一定数のパスのためにPRA286内に向けて増幅光ビーム204を形成することができる。一部の実施形態では、PRAステージ280は、増幅光ビーム204をリソグラフィ装置、例えばリソグラフィ装置(LA)に出力することができる。例えば増幅光ビーム204は、リソグラフィ装置LAの放射源SOからのEUV及び/又はDUV放射ビームBである可能性がある。
【0048】
[0066]
図2から
図4に示すように、光増幅器260は、入出力光学素子250及びスペクトル特徴調整器270に光学的に結合されている可能性がある。光増幅器260は、ASE201及び/又は光ビーム202を出力するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、光増幅器260は、チャンバ261の光軸及び/又はガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸の照準調整を導くためのビーコンとしてASE201を利用することができる。光増幅器260は、チャンバ261、ガス放電媒体263、及びチャンバ調整器265を備える可能性がある。ガス放電媒体263はチャンバ261内に配設される可能性があり、チャンバ261はチャンバ調整器265上に配設される可能性がある。
【0049】
[0067] チャンバ261は、ガス放電媒体263を第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262b内に保持するように構成されている可能性がある。チャンバ261は、第1のチャンバ光ポート262aと、第1のチャンバ光ポート262aと反対側の第2のチャンバ光ポート262bとを備える可能性がある。一部の実施形態では、第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bはチャンバ261の光軸を形成することができる。
【0050】
[0068]
図3に示すように、第1のチャンバ光ポート262aは、入出力光学素子250と光学的に連通している可能性がある。第1のチャンバ光ポート262aは、第1のチャンバ壁261a、第1のチャンバ窓266a、及び第1のチャンバ開口264aを備える可能性がある。一部の実施形態では、
図3に示すように、第1のチャンバ開口264aは矩形開口である可能性がある。
【0051】
[0069]
図4に示すように、第2のチャンバ光ポート262bは、スペクトル特徴調整器270と光学的に連通している可能性がある。第2のチャンバ光ポート262bは、第2のチャンバ壁261b、第2のチャンバ窓266b、及び第2のチャンバ開口264bを備える可能性がある。一部の実施形態では、
図4に示すように、第2のチャンバ開口264bは矩形開口である可能性がある。一部の実施形態では、チャンバ261の光軸は、第1及び第2のチャンバ開口264a、264bを通過する。
【0052】
[0070] ガス放電媒体263は、ASE201(例えば193nm)及び/又は光ビーム202(例えば193nm)を出力するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、ガス放電媒体263は、エキシマレーザ発振用のガス(例えば、Ar2、Kr2、F2、Xe2、ArF、KrCl、KrF、XeBr、XeCl、XeFなど)を含む可能性がある。例えば、ガス放電媒体263はArF又はKrFを含む可能性があり、チャンバ261内の周囲電極(図示せず)からの励起(例えば印加電圧)によって、ASE201(例えば193nm)及び/又は光ビーム202(例えば193nm)を第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bから出力することができる。一部の実施形態では、ガス放電ステージ220は、高電圧電気パルスをチャンバ261内の電極(図示せず)間に印加するように構成された電圧電源(図示せず)を備える可能性がある。
【0053】
[0071] チャンバ調整器265は、チャンバ261の光軸を(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿って)空間的に(例えば、横方向に、角度的に)調整するように構成されている可能性がある。
図2に示すように、チャンバ調整器265は、チャンバ261並びに第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに結合されている可能性がある。一部の実施形態では、チャンバ調整器265は6つの自由度(例えば6軸)を有する可能性がある。例えばチャンバ調整器265は、チャンバ261の光軸の6つの自由度(例えば、前/後、上/下、左/右、ヨー、ピッチ、ロール)の調整を行う1つ以上のリニアモータ及び/又はアクチュエータを備える可能性がある。一部の実施形態では、チャンバ調整器265は、チャンバ261を横方向に及び角度的に調整して、(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿った)チャンバ261の光軸をガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸と位置合わせすることができる。例えば
図2に示すように、ガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸は、(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿った)チャンバ261、入出力光学素子250(例えばOC開口252)、及びスペクトル特徴調整器270(例えばLNM開口272)の光軸によって規定される可能性がある。
【0054】
[0072] 入出力光学素子250は、第1のチャンバ光ポート262aと光学的に連通するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、入出力光学素子250は、光ビームを部分的に反射し、第1の光共振器228を形成するように構成された光カプラ(OC)である可能性がある。例えばOCは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年2月8日発行の米国特許第7,885,309号に以前に説明されている。
図2に示すように、入出力光学素子250は、光を光増幅器260内に向け(例えば反射し)、光増幅器260からの光(例えば、光ビーム202、ASE201)をガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)から外に透過させるための第1の光共振器素子254を備える可能性がある。
【0055】
[0073]
図3に示すように、入出力光学素子250は、OC開口252及び第1の光共振器素子254を備える可能性がある。第1の光共振器素子254は、OC開口252を通過する光をチャンバ261(例えば第1のチャンバ光ポート262a)に対して垂直及び/又は水平方向に角度的に調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、OC開口252は矩形開口である可能性がある。一部の実施形態では、ガス放電ステージ220の位置合わせは、第1のチャンバ開口264a及びOC開口252の位置合わせに基づいている可能性がある。一部の実施形態では、第1の光共振器素子254は、入出力光学素子250からの反射がガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸に平行になるように入出力光学素子250を角度的に調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる。一部の実施形態では、第1の光共振器素子254は、角度調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる調整可能ミラー(例えば、部分反射鏡、ビームスプリッタなど)である可能性がある。一部の実施形態では、OC開口252は固定されている可能性があり、第1の光共振器素子254は調整される可能性がある。一部の実施形態では、OC開口252は調整される可能性がある。例えばOC開口252は、チャンバ261に対して垂直方向及び/又は水平方向に空間的に調整される可能性がある。
【0056】
[0074] スペクトル特徴調整器270(例えばLNM)は、第2のチャンバ光ポート262bと光学的に連通するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、スペクトル特徴調整器270は、光ビームに対してスペクトルライン狭隘化を行うように構成されたライン狭隘化モジュール(LNM)である可能性がある。例えばLNMは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年2月28日発行の米国特許第8,126,027号に以前に説明されている。
【0057】
[0075]
図2に示すように、スペクトル特徴調整器270は、光増幅器260からの光(例えば、光ビーム202、ASE201)を入出力光学素子250方向に再び光増幅器260内に向ける(例えば反射する)ための第2の光共振器素子224を備える可能性がある。
【0058】
[0076]
図4に示すように、スペクトル特徴調整器270は、LNM開口272及び傾斜角度変調器(TAM)274を備える可能性がある。TAM274は、LNM開口272を通過する光をチャンバ261(例えば第2のチャンバ光ポート262b)に対して垂直及び/又は水平方向に角度的に調整するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、LNM開口272は矩形開口である可能性がある。一部の実施形態では、ガス放電ステージ220の位置合わせは、第2のチャンバ開口264b及びLNM開口272の位置合わせに基づいている可能性がある。一部の実施形態では、TAM274は、スペクトル特徴調整器270からの反射がガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸に平行になるようにスペクトル特徴調整器270を角度的に調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる。一部の実施形態では、TAM274は、角度調整する(例えば、倒す及び/又は傾ける)ことができる調整可能ミラー(例えば、部分反射鏡、ビームスプリッタなど)及び/又は調整可能プリズムを備える可能性がある。一部の実施形態では、LNM開口272は固定されている可能性があり、TAM274は調整される可能性がある。一部の実施形態では、LNM開口272は調整される可能性がある。例えばLNM開口272は、チャンバ261に対して垂直方向及び/又は水平方向に空間的に調整される可能性がある。
【0059】
[0077] 一部の実施形態では、TAM274の調整可能ミラー(例えば、部分反射鏡、ビームスプリッタなど)及び/又は調整可能プリズムは複数のプリズム276a~dを含む可能性がある。プリズム276a~dは、光路に沿って逆に反射する狭帯域波長を選択する働きをし得る第2の光共振器素子224への入射光の入射角を操作するように作動される可能性がある。一部の実施形態では、プリズム276aは、ステップ解像度が制限されたステッパモータに取り付けられる可能性があり、粗い波長制御に使用される可能性がある。プリズム276bは、圧電変換器(PZT)アクチュエータを使用して作動されることがあり、プリズム276aと比較して改善された解像度及び帯域幅を提供する。動作時、コントローラ290は、デュアルステージ構成でプリズム276a、276bを使用することができる。
【0060】
[0078] LAM230は、光ビーム(例えば、光ビーム202、結像光206)のライン中心(例えば中心波長)をモニタするように構成されている可能性がある。LAM230は、メトロロジ波長測定のために光ビーム(例えば、ASE201、光ビーム202、結像光206)のエネルギーをモニタするように更に構成されている可能性がある。例えばLAMは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年2月8日発行の米国特許第7,885,309号に以前に説明されている。
【0061】
[0079]
図2に示すように、LAM230は、ガス放電ステージ220及び/又はMoWEB240に光学的に結合されている可能性がある。一部の実施形態では、LAM230は、ガス放電ステージ220とMoWEB240の間に配設されている可能性がある。例えば
図2に示すように、LAM230は、MoWEB240に直接光学的に結合されており、ガス放電ステージ220に光学的に結合されている可能性がある。一部の実施形態では、
図2に示すように、ビームスプリッタ212は、ASE201及び/又は光ビーム202をPRAステージ280に向け、ASE201及び/又は光ビーム202を結像装置に向けるように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、
図2に示すように、ビームスプリッタ212はMoWEB240に配設されている可能性がある。
【0062】
[0080] MoWEB240は、光ビーム(例えば、光ビーム202、結像光206)にビーム整形を行うように構成されている可能性がある。MoWEB240は、光ビーム(例えば、ASE201、光ビーム202、結像光206)の前方及び/又は後方伝搬をモニタするように更に構成されている可能性がある。例えばMoWEBは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年2月8日発行の米国特許第7,885,309号に以前に説明されている。
図2に示すように、MoWEB240は、LAM230に光学的に結合されている可能性がある。一部の実施形態では、LAM230、MoWEB240、及び/又は結像装置は、単一の光学構成を介してガス放電ステージ220に光学的に結合されている可能性がある。
【0063】
[0081] コントローラ290は、入出力光学素子250、チャンバ調整器265、及び/又はスペクトル特徴調整器270と連通するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、コントローラ290は、第1の信号292を入出力光学素子250に、第2の信号294をスペクトル特徴調整器270に、そして第3の信号296をチャンバ調整器265に提供するように構成されている可能性がある。一部の実施形態では、コントローラ290は、信号(例えば、第1の信号292及び/又は第2の信号294)を入出力光学素子250及び/又はスペクトル特徴調整器270に提供し、結像装置400からの出力(例えば2次元(2D)画像比較)に基づいて入出力光学素子250を調整する(例えば第1の光共振器素子254を調整する)及び/又はスペクトル特徴調整器270を調整する(例えばTAM274を調整する)ように構成されている可能性がある。
【0064】
[0082] 一部の実施形態では、第1の光共振器素子254、チャンバ調整器265、及び/又はTAM274は、コントローラ290(例えば、第1の信号292、第2の信号294、及び/又は第3の信号296)と物理的及び/又は電子的に連通している可能性がある。例えば、第1の光共振器素子254、チャンバ調整器265、及び/又はTAM274は、コントローラ290によって(例えば、横方向に及び/又は角度的に)調整されて、(例えば第1及び第2のチャンバ光ポート262a、262bに沿った)チャンバ261の光軸を入出力光学素子250(例えばOC開口252)及びスペクトル特徴調整器270(例えばLNM開口272)によって定められたガス放電ステージ220(例えばMOキャビティ)の光軸と位置合わせすることができる。
【0065】
[0083] 一般的に、同調はLNMで行われる。レーザのライン狭隘化及び同調に用いられる一般的な手法は、LNMに入るときにレーザビームの一部が通過するレーザの放電キャビティの後部にウィンドウを設けることである。そこでビームの一部はプリズムビームエキスパンダで拡大され、レーザのより広域のスペクトルの選択された狭い部分を増幅が行われる放電チャンバに戻るように反射する格子に向けられる。レーザは通常、ビームが格子を照明する角度をアクチュエータ、例えばピエゾアクチュエータなどを使用して変化させることによって同調される。
【0066】
[0084] したがって、主波長アクチュエータはLNMである。以上で考察したように、LNMは複数のプリズム276a~d及び第2の光共振器素子224(例えば格子)を備えることがある。複数のプリズム276a~dは、光路に沿って逆に反射する狭帯域波長を選択する働きをする第2の光共振器素子224への入射光の入射角を操作するように作動されることがある。一部の実施形態では、入射角の大きさが、選択された波長を制御することがある。
【0067】
[0085] 一部の実施形態では、入射角の大きさ、ひいては選択された波長を制御するために、複数のプリズム276a~dは最終入射角度を調整するのに使用されることがある。例えばプリズム276aは、276bよりも更に最終入射角度を制御できることがある。つまり一部の実施形態では、コントローラ290は、デュアルステージ構成でプリズム276a、276bを使用し、プリズム276aは大きなジャンプのため、及び最終入射角度のより微細な変化に使用されるプリズム276bを非飽和にするのに使用される。プリズム276a、276bを制御することは、セットポイント周囲の調整以上を必要とし、代わりにナイキスト周波数での正弦曲線の正確な追跡を、正弦曲線の中心点(すなわち中心波長)の正確な制御に加えて必要とするMFI動作に特に重要である。MFI動作などの結像動作のために中心波長を制御するためのプロセスが存在する。
【0068】
[0086] 多焦点結像動作が2色モードを含むことがある。2色モードでは、波長ターゲットがバースト内(例えばパルスごと)の2つの既知のセットポイント間を行き来することがあり、急速に変化するターゲットを追跡するためにPZTが使用されることがある。上記のように、一部の適用例では、1つの波長を有する1つ以上のパルスを発生させることができ、次に異なる波長を有する1つ以上のパルスを発生させることに切り替わることができることが有益である。
【0069】
[0087] 一部の実施形態では、プロセスは、バースト中のプリズム276bの動きを制御するアクチュエータを動かすことを提供する。つまり、プロセスは中心波長の変化に対処するためのバースト内解決策を提供する。別の態様によれば、アクチュエータの動的モデルを使用して、アクチュエータを作動させて実際の波長と波長ターゲットとの差異を最小限に抑えるための最適制御波形を計算する。
【0070】
[0088] 一部の実施形態では、ディザ波形(又はシーケンス)が、プリズム276bのためのアクチュエータを動かすためのオフセットと結合される可能性がある。例えばディザ波形は量子化をランダム化するのに使用されるノイズの適用形態である場合がある。オフセットは、バーストの終わり(EOB)において及び/又は設定されたパルス間隔で更新される可能性がある。一部の実施形態では、EOB更新は、プリズム276bのためのアクチュエータを動かして、バースト全体の波長測定値を平均化することにより得られた推定中心波長ドリフトをゼロにすることができる。一部の実施形態では、間隔更新は推定プロセスに基づいている可能性がある。
【0071】
[0089] 最適制御波形は、いくつかの方法のいずれか1つを用いて計算される可能性がある。例えば、最適制御波形は動的プログラミングを使用して計算されることがある。この方法は、非線形ダイナミクスを含む複雑なモデルに対処することによく適応している。強い非線形ダイナミクスを有するアクチュエータモデルが採用される場合、所与の波長ターゲットに最適な制御信号を発生させるのに動的プログラミングが使用されることがある。ただし、動的プログラミングは、リアルタイムで実装不可能であり得るかなりの計算資源を必要とするという課題を確実に提示する。これを克服するために、放射源が動作され得る様々な繰り返し率の少なくとも一部に最適な制御パラメータを含む、予め入力されたルックアップテーブル又は予めプログラムされたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのデータ記憶デバイスが使用されることがある。
【0072】
[0090] 別の例では、最適制御波形は、モデル反転フィードフォワード制御を用いて決定されることがある。この方法は、アクチュエータダイナミクスを反転させるデジタルフィルタを構築するためにアクチュエータダイナミックモデルに依存する。所望のアクチュエータ軌跡のための所望の波形をこのフィルタに通すことによって、ゼロ定常状態エラー追跡を達成するために、最適制御波形がリアルタイムで生成される可能性がある。
【0073】
[0091] 別の例では、2つの別々の波長を安定的に実現する最適な解決策が、学習を数回繰り返す間に誤差収束を保証する学習アルゴリズムを使用して得られる。本明細書に開示されるシステム及び方法の実施形態は、分離誤差が20fm未満で1000fmだけ分離された2つの別々の波長を潜在的に実現する可能性がある。
【0074】
[0092] 別の態様によれば、最適制御波形は、FPGAを使用することによって非常に高速でアクチュエータに供給されることがある。
【0075】
[0093] 制御システムは、フィードフォワード制御と反復学習制御(ILC)の組み合わせを含むことがある。
図5に示すように、フィードフォワード制御信号Aが、以下で説明するストリーミングデータ取得ユニット330からの波長測定値及びILC補正/更新則を用いてILCモジュール300によってオフラインで計算される。帯域幅波長制御モジュール(BWCM)340が、フィードフォワード制御信号Aを使用して、BWCM340に含まれるFPGAなどのデータ記憶ユニット内の事前定義されたデータを更新する。そしてBWCM340は、レーザがパルスを発しているときに、例えば60kHzでPZT350を作動させる。レーザ放射の波長は、ライン中心(中心波長)解析モジュール(LAM)360及び発射制御プラットフォーム又はプロセッサ(FCP)370によって測定され、波長測定値が6kHzでデータ取得ユニット330に収集される。
【0076】
[0094]
図5に示すシステムが複数の周波数領域を包含するように構成され得ることが理解されるであろう。破線ボックス内のエリアは、基本的にオフラインで行われ得るプロセスを示す。PZT350は、約60kHzで駆動されることがある。波長データが約6kHzで取得されることがある。
【0077】
[0095] PZT電圧の変化に対する制約を考慮するために、制約付きの2次計画法を用いて、実行可能な動作領域内で最適なフィードフォワード信号を求めることを助けることがある。2次計画法は、制約付きの所与の2次費用関数に対する最適解を数学的に求める手法である。
【0078】
[0096] 標準的なQPソルバは次の構造に関する問題を解決することができる。
【0079】
【0080】
[0097] ここでXは、LX≦bを満たさなければならないことを除いて自由に選ばれ得る設計パラメータである。換言すれば、QPソルバは、LX≦bにより定義された実行可能領域内で費用関数を最小限に抑える最適なXを求める。
【0081】
[0098] 本明細書で説明される適用例における目的は、アクチュエータ位置と所望の制御波形との間の誤差を最小限に抑えながらアクチュエータ制約を満たすフィードフォワード制御を求めることである。PZTダイナミクスは次の状態空間形式で表現することができる。
x(k+1)=Ax(k)+Bu(k)
y(k+1)=Cx(k+1)
ここでA、B、Cは、それぞれPZTダイナミクスを記述する状態、入力、及び出力行列であり、xは状態ベクトル、uは入力ベクトル、yはPZTからの出力である。
上記の動的モデルを置換して、元の費用関数を次のように書き換えることができる。
【0082】
【0083】
[0099] これは次の場合の標準的なQP形式に適合する。
H=PTQP
f=-PTQR
X=U
L=D
b=l
[0100] ここでPはPZT入出力ダイナミクスを表し、Qは重み関数であり、Rは所望の制御波形を示し、Dはアクチュエータ制約を表し、lはアクチュエータ制約の閾値である。
【0084】
[0101] ILCは、反復モードで動作するシステムの制御を追跡する方法である。これらのタスクのそれぞれにおいて、システムは高い精度で何度も同じ動作を実行することが要求される。この動作は、有限時間間隔で選ばれた基準信号を正確に追跡するという目的によって表される。反復は、システムが反復ごとに追跡精度を向上させること、事実上、基準を正確に追跡するのに必要とされる所要の入力を学習することを可能にする。学習プロセスは以前の反復からの情報を用いて、制御信号を改善し、最終的に適切な制御動作が反復的に見られることを可能にする。内部モデル原理は、完全な追跡を達成し得る条件をもたらすが、制御アルゴリズムの設計は、依然として多くの決定がアプリケーションに適合するようになされるものとする。
【0085】
[0102] 別の態様によれば、ILC制御を次の方程式によって記述することができる。
Uk=Uk-1+LEk-1
[0103] ここでUkはk回目の反復で使用されたフィードフォワード制御信号であり、LはILCアルゴリズムの収束を決定する学習関数であり、Ekはk回目の反復における誤差である。
【0086】
[0104] ILC制御の安定性及び収束特性は、ILC制御則を次式のようなシステムの動的モデルと組み合わせることによって得ることができる。
Ek=(I-PL)Ek-1
[0105] ここでPはシステムの入出力関係を記述する行列であり、Iは単位行列である。安定性は、(I-PL)の全ての固有値の絶対値が1よりも小さい場合に保証される。収束率もまた行列(I-PL)によって決定される。(I-PL)=0の場合、誤差は1回の反復の後に0に収束することになる。
【0087】
[0106]
図6は、ある実施形態の一態様に係る放射源を制御する方法を示すフローチャートである。ステップS100において、前のパルスバーストが終了する。ステップS110において、アクチュエータは、第1の繰り返し率/第1の周波数を有するパルスを生成するためにあるべき位置と、第2の繰り返し率/第2の周波数を有するパルスを生成するためにあるべき位置との間にある位置に事前配置することによって準備が行われる。ステップS120において、最適制御波形が上記の手法の1つ以上を用いて計算される。ステップS130において、新しいバーストがトリガされたかどうかが判定される。「yes」、すなわち新しいバーストがトリガされた場合、ステップS140において、要求された繰り返し率及び周波数での動作のためのパラメータが、例えばFPGAを使用して放射源に中継される。ステップS150において、現在のバーストが終了したかどうかが判定される。現在のバーストが終了していない場合、ステップS140が繰り返される。バーストが終了した場合、プロセスはステップS160で終了する。
【0088】
[0107]
図7は、ILCにより実行される、初期QPフィードフォワード制御信号を用いてその更新則を計算する方法を示している。ステップS210において、2次計画法を用いて初期フィードフォワード制御信号を展開する。ステップS220において、フィードフォワード制御信号を使用してレーザを発射する。ステップS230において、フィードフォワード信号の誤差が収束したかどうかが判定される。誤差が収束していない場合、ステップS250において反復学習を用いて制御信号を更新する。次いでステップS220において、新しい制御信号を使用してレーザを発射する。誤差が収束した場合、プロセスはステップS240で終了する。
【0089】
[0108] 前述のように、典型的にはMFIアルゴリズムが、レーザがMFIモードで、6kHz(又は実質的にその近く)でのみ動作すると推測するため、この単一の動作ポイントにおける性能のためのPZTディザの基本波形を較正及び最適化する。アルゴリズムは各連続フィールドの繰り返し率が前のフィールドの繰り返し率と同様であると予想するため、例えばウェーハの縁部に、あるいはウェーハの中心にも繰り返し率がより低いフィールドを含むことで、ウェーハスクラップを引き起こす又は線量コントローラが解決に達することを不可能にし、生産を停止することになる長期にわたる欠陥が学習補償にもたらされる。
【0090】
[0109] この問題に対処するために、単一の較正された基本波形を使用するよりむしろ、ある実施形態のある態様によれば、使用すべき波形のパラメータ(例えば振幅、位相)は、繰り返し率又は繰り返し率を含む範囲に基づいて決定される。波形は繰り返し率に基づいてオンザフライで計算されることがある。波形はビニングされる、つまりいくつかの範囲のうち現在指示され要求されている繰り返し率を含む範囲に応じてファームウェアにロードされたルックアップテーブルなどのメモリから選択されることがある。波形はフィールドプログラマブルゲートアレイを使用して決定されることがある。これによってMFIに使用可能な繰り返し率範囲を拡大することができる。
【0091】
[0110]
図8は、交互2色パルス、つまりある色を有する第1のパルスと第2の色を有する第2のパルスが交互に現れるバーストを得るためにアクチュエータに印加される波形800を示している。X軸は時間をミリ秒単位で示す。Y軸は波形800の振幅を任意の単位で示す。円810はレーザからの個々のパルス又はショットを表す。上方の水平線820は、第1の色を有するパルスが発生すると予想されるときのアクチュエータのターゲット位置を示す。下方の水平線830は、第2の色を有するパルスが発生するときのアクチュエータのターゲット位置を示す。
図8に示す理想的な状態では、波形800の最小値及び最大値はターゲットレベルにおけるパルスと一致する。
【0092】
[0111]
図9Aは、特定の繰り返し率で満足のいく結果をもたらし得る波形の使用が別の繰り返し率での準最適動作を引き起こす状態を示している。ここで準最適動作は、波形がその目標値をとった後に発生するパルスをもたらす一定の位相オフセットである。かかる状況では、増大した最大振幅絶対値を有する波形が、パルスが発生したときにその目標値になるように
図9Bに示すように指示される。
【0093】
[0112]
図10Aは、特定の繰り返し率で満足のいく結果をもたらし得る波形の使用が別の繰り返し率での準最適動作を引き起こす状態の別の例を示している。ここで準最適動作は、波形がシーケンス(バースト)内の後のパルスにおいてその目標値をとった後に発生するパルスを再度もたらす可変位相オフセットである。かかる状況では、時間とともに増大する最大絶対値を有する振幅を有する波形が、パルスが発生したときにその目標値になるように
図10Bに示すように指示される。
【0094】
[0113]
図11は、現在の繰り返し率に適した波形を提供するプロセスを示すフローチャートである。バーストがステップS800において開始する。ステップS810において、現在の繰り返し率は決定され(図中のreprate)、ステップS820において、現在の繰り返し率が直前のバーストで使用された繰り返し率と異なっているかどうかが判定される。繰り返し率が新しくない場合は、ステップS830において現在の波形が引き続き使用される。繰り返し率が新しい場合は、ステップS840において、新しい波形(すなわち、新しい波形の1つ以上のパラメータ)が決定され、ステップS850において、新しい波形が採用される。上記のように、新しい繰り返し率が使用されているかどうかの判定までのステップの実行中に、例えば前のバーストからの繰り返し率、又はバーストの初期のパルスの間に満足のいくように動作することが知られている一般的なデフォルト波形であり得る、過渡波形すなわち「第1のトリガ」波形が使用されることがある。新しい波形は、同じ波形が2つの異なる繰り返し率に最適である場合、既存の波形と同じになる可能性がある。
【0095】
[0114] 上記のように、ある実施形態の別の態様によれば、繰り返し率の変化から生じる技術的な問題が所与のバーストの後のパルスにおいてより顕著になる傾向があるため、第1のトリガ波形が、バースト内の所定の数の初期のパルスに、例えば各バーストの最初のパルスであるが繰り返し率を正確に決定するのに十分なパルスの「猶予期間」に使用されることがある。これは、例えば2つ又は3つのパルスである場合がある。第1のトリガ波形は、例えばデフォルト波形である場合がある。第1のトリガ波形は、前のバーストの後半部分に使用された波形である場合がある。第1のトリガ波形は、最も適切な波形が決定され得るまで使用されることになる。
【0096】
[0115]
図12Aは、現在の繰り返し率に基づいて新しい波形を選択するためのシステム860の概念図である。
図12Aに示すシステムにおいて、新しい繰り返し率は、波形を繰り返し率の関数として計算する関数への入力変数として使用される。この関数は、所与のシステムについて発見的に決定されることがある。代替的には、
図12Bに示すように、繰り返し率に基づいて最適な波形を選択するためのシステム870は、例えば10分の1キロヘルツ単位でビニングされた様々な繰り返し率からの波形W1、W2などのパラメータを示すルックアップテーブル880を備える可能性がある。波形は、上記の一例に示された振幅、同様に上記の例として示された振幅の時間的変化、位相、又は周波数によってパラメータ化されることがある。システムはフィールドプログラマブルゲートアレイとして実装されることもある。
図12Bでは、繰り返し率は、上述のように0.10kHz単位ビンでビニングして5kHzから7kHzまで及ぶ。ただし、異なる範囲が使用され、異なる中心点が使用され、様々なビンサイズが使用され得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0097】
[0116] ILCアルゴリズムについて、ある実施形態の別の態様によれば、学習補正も繰り返し率によってビニングされる可能性がある。上記の方法と類似した方法が、バーストの第1のパルスと、繰り返し率が決定される、すなわち繰り返し率推定値がラッチされるパルスとの間のギャップを埋めるのに使用される可能性がある。
【0098】
[0117]
図13は、現在の繰り返し率に適したILC補正を提供するプロセスを示すフローチャートである。バーストがステップS900において開始する。ステップS910において、現在の繰り返し率は決定され(図中のreprate)、ステップS920において、現在の繰り返し率が直前のバーストで使用された繰り返し率と異なっているかどうかが判定される。繰り返し率が新しくない場合は、ステップS930において現在のILC補正が引き続き使用される。一方、繰り返し率が新しい場合は、ステップS940において、新しいILC補正が決定され、ステップS950において、新しいILC補正が採用される。上記のように、新しい繰り返し率が使用されているかどうかの判定までのステップについて、例えば前のバーストからのILC補正、又は少なくともバーストの初期のパルスの間の満足のいく性能で知られている一般的なデフォルトILC補正であり得る、過渡的なILC補正が使用されることがある。新しいILC補正は、同じILC補正が2つの異なる繰り返し率に最適である場合、既存のILC補正と同じになる可能性がある。
【0099】
[0118] 上記のように、ある実施形態の別の態様によれば、繰り返し率の変化から生じる技術的な問題が所与のバーストの後のパルスにおいてより顕著になる傾向があるため、過渡的なILC補正が、バースト内の所定の数の初期のパルスに、例えば各バーストのいくつかの最初のパルスであるが繰り返し率を正確に決定するのに十分なパルスに使用されることがある。過渡的なILC補正は、例えばデフォルトのILC補正である場合がある。過渡的なILC補正は、前のバーストの後半部分に使用されたILC補正である場合がある。過渡的なILC補正は、最も適切なILC補正が決定され得るまで使用されることになる。
【0100】
[0119]
図14Aは、現在の繰り返し率に基づいて新しいILC補正を選択するためのシステム960の概念図である。
図14Aに示すシステムにおいて、新しい繰り返し率は、ILC補正を繰り返し率の関数として計算する関数におけるパラメータとして使用される。この関数は、所与のシステムについて発見的に決定されることがある。代替的には、
図14Bに示すように、繰り返し率に基づいて最適なILC補正を選択するためのシステム970は、例えば10分の1キロヘルツ単位でビニングされた様々な繰り返し率からのILC補正C1、C2などのパラメータを示すルックアップテーブル980を備える可能性がある。システム970はフィールドプログラマブルゲートアレイとして実装されることもある。
図14Bでは、繰り返し率は、上述のように0.10kHz単位ビンでビニングして5kHzから7kHzまで及ぶ。ただし、異なる範囲が使用され、異なる中心点が使用され、様々なビンサイズが使用され得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0101】
[0120] ある実施形態のある態様によれば、システムは、各バーストの第1のトリガ(同様に第1のパルス)に「第1のトリガ」波形を再生することを開始する。システムは、当然のことながら、新しいバーストの第2のトリガまで新しいバーストの繰り返し率を特定しない。そしてシステムは、新しいバーストの繰り返し率をトリガ間の時間の逆数として特定する。この時点でシステムは、(1)その時点の波形が決定された繰り返し率に許容可能な性能をもたらすと決定した場合にその時点の波形を再生し続ける、又は(2)その時点の波形が決定された繰り返し率に許容可能な性能を決定しないと決定した場合に、決定された繰り返し率に許容可能な性能をもたらすことになる新しい波形に移行する可能性がある。
【0102】
[0121] 換言すれば、
[0122] 1.バーストx、パルス1→第1のトリガ波形ごとの作動
[0123] 2.バーストx、パルス2→1)繰り返し率repRate(x)を特定する;(2)決定された繰り返し率に基づいて波形Xを選択する;及び3)選択した波形Xごとの作動を開始する
[0124] 3.バーストx+1、パルス1→第1のトリガ波形ごとの作動
[0125] 4.バーストx+1、パルス2→1)繰り返し率repRate(x+1)を特定する;(2)決定された繰り返し率に基づいて波形Yを選択する;及び3)選択した波形Yごとの作動を開始する
【0103】
[0126] 波形Yは、repRate(x)がrepRate(x+1)と同じである(又は十分に近い)場合に波形Xと同じになる。この文脈では、「に十分近い」は、波形XがrepRate(x)とrepRate(x+1)の両方で許容可能な性能をもたらすことを意味する。
【0104】
[0127] 第1のトリガ波形は、いくつかの波形のいずれか1つである可能性がある。例えば、第1のトリガ波形は単に一定レベルである場合がある。第1のトリガ波形は、波形Yとして使用されることが決定される可能性が最も高いものとして選択され得るデフォルト波形である場合がある。第1のトリガ波形は、波形X、つまり先行するバーストからの波形である場合がある。これらは例に過ぎない。
【0105】
[0128] ある実施形態のある態様によれば、システムは、繰り返し率を仮定することはない。その代わりにシステムは、繰り返し率が特定された後にのみ使用する正しい波形を決定する。
【0106】
[0129] ある実施形態の別の態様によれば、装置及び方法は、バーストx+1の繰り返し率が決定された後、波形間、例えば(1)バーストxの波形Xからバーストx+1の第1のトリガ波形への、及び(2)第1のトリガ波形からバーストx+1について決定された波形Yへの制御された遷移の提供を含むことがある。
【0107】
[0130] この遷移管理は、いくつかの手法のいずれか1つによって達成される可能性がある。例えば遷移は、新しい波形がランプインする間に現在の波形がランプアウトするクロスフェード技術を用いることによって処理されることがある。換言すれば、出て行く波形の負の利得変化が、出て行く波形のフェードアウトを引き起こす。同時に新しい波形の正の利得変化が、新しい波形のフェードインを引き起こす。遷移は、出て行く波形がいつゼロと交差するかを検出し、そのゼロ交差の1つから始まる新しい波形における同じ方向のスワッピングによって処理されることがある。振幅が変化しない場合、遷移は、時間微分が最小値となる極小値又は極大値で切り替わることによって処理されることがある。これらは例に過ぎない。当然のことながら、既に述べたように、遷移処理は「猶予期間」を超えないように、すなわち新しいバースト中の性能が第1のトリガ波形の使用から容認できないほど低下し始める時間に及ばないように十分に速くなければならない。
【0108】
[0131]
図15に示すように、例えば図示されるかあるいは考察される例示的な実施形態、システム、及び/又はデバイスなどの、様々な実施形態及びその中のコンポーネントが、例えば1つ以上の周知のコンピュータシステムを使用して実施される可能性がある。コンピュータシステム1000は、本明細書に記載された機能を果たすことができる任意の周知のコンピュータである可能性がある。
【0109】
[0132] コンピュータシステム1000は、プロセッサ1004などの1つ以上のプロセッサ(中央処理装置、すなわちCPUとも呼ばれる)を備える。プロセッサ1004は通信インフラストラクチャすなわちバス1006に接続されている。
【0110】
[0133] 1つ以上のプロセッサ1004は、それぞれグラフィック処理装置(GPU)である場合がある。ある実施形態において、GPUは、数学的に集約されたアプリケーションを処理するように設計された専用の電子回路であるプロセッサである。GPUは、コンピュータグラフィックスアプリケーション、画像、及び映像に共通した数学的に集約されたデータなどの、大きなデータブロックを並列処理するために効率的な並列構造を有することがある。
【0111】
[0134] コンピュータシステム1000は、ユーザ入出力インターフェイス1002を介して通信インフラストラクチャ1006と通信するモニタ、キーボード、ポインティングデバイスなどのユーザ入出力デバイス1003も備える。
【0112】
[0135] コンピュータシステム1000は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ又は主メモリ1008も備える。メインメモリ1008は、1つ以上のキャッシュレベルを含むことがある。メインメモリ1008には、制御ロジック(すなわち、コンピュータソフトウェア)及び/又はデータが記憶されている。
【0113】
[0136] コンピュータシステム1000は、1つ以上の二次記憶デバイスすなわち二次メモリ1010も備えることがある。二次メモリ1010は、例えば、ハードディスクドライブ1012及び/又はリムーバブル記憶デバイス又はドライブ1014を含むことがある。リムーバブル記憶ドライブ1014は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光学記憶デバイス、テープバックアップデバイス、及び/又は任意の他の記憶デバイス/ドライブである場合がある。
【0114】
[0137] リムーバブル記憶ドライブ1014は、リムーバブル記憶ユニット1018と情報をやり取りすることがある。リムーバブル記憶ユニット1018は、コンピュータソフトウェア(制御ロジック)及び/又はデータを記憶した、コンピュータが使用可能な又は読出し可能な記憶デバイスを含む。リムーバブル記憶ユニット1018は、フロッピーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光学記憶ディスク、及び/任意の他のコンピュータデータ記憶デバイスである場合がある。リムーバブル記憶ドライブ1014は、よく知られた方法でリムーバブル記憶ユニット1018に対して読出し及び/又は書込みを行う。
【0115】
[0138] 例示的な実施形態によれば、二次メモリ1010は、コンピュータプログラム及び/又は他の命令及び/又はデータをコンピュータシステム1000からアクセス可能にするための他の方法、手段又は他のアプローチを含むことがある。かかる方法、手段又は他のアプローチには、例えば、リムーバブル記憶ユニット1022及びインターフェイス1020が含まれることがある。リムーバブル記憶ユニット1022及びインターフェイス1020の例には、(ビデオゲームデバイスで見られるような)プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェイス、(EPROM又はPROMなどの)リムーバブルメモリチップ及び関連したソケット、メモリスティック及びUSBポート、メモリカード及び関連したメモリカードスロット、並びに/又は任意の他のリムーバブル記憶ユニット及び関連したインターフェイスが含まれることがある。
【0116】
[0139] コンピュータシステム1000は、通信インターフェイス又はネットワークインターフェイス1024を更に備えることがある。通信インターフェイス1024は、コンピュータシステム1000が、(参照番号1028によって個別に及び包括的に参照される)遠隔デバイス、遠隔ネットワーク、遠隔エンティティなどの任意の組み合わせと通信し、且つ情報のやり取りを行うことを可能にする。例えば、通信インターフェイス1024は、コンピュータシステム1000が、有線及び/又は無線であり得る、且つLAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含み得る通信経路1026を介して、遠隔デバイス1028と通信できるようにすることがある。制御ロジック及び/又はデータは、通信経路1026を介してコンピュータシステム1000に対する伝送が行われることがある。
【0117】
[0140] ある実施形態において、制御ロジック(ソフトウェア)が記憶された、非一時的な、有形のコンピュータが使用可能な又は読出し可能な媒体を備えた、非一時的な有形の装置又は製造品は、本明細書においてコンピュータプログラム製品又はプログラム記憶デバイスとも呼ばれる。これには、コンピュータシステム1000、メインメモリ1008、二次メモリ1010、リムーバブル記憶ユニット1018及び1022、並びにこれらの任意の組み合わせを具現化した有形の製造品が含まれるが、これらに限定されない。かかる制御ロジックは、(コンピュータシステム1000などの)1つ以上のデータ処理デバイスによって実行されるときに、かかるデータ処理デバイスに本明細書に記載したような動作を実行させる。
【0118】
[0141] 本開示に含まれる教示に基づき、当業者には、
図15に示したもの以外のデータ処理デバイス、コンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを使用して、本開示の実施形態をなし、且つ使用する方法が明らかになるであろう。特に、実施形態は、本明細書に記載したもの以外のソフトウェア、ハードウェア、及び/又はオペレーティングシステムの実装例とともに動作することがある。
【0119】
[0142] 光リソグラフィの分野での実施形態の使用に特に言及してきたが、実施形態は文脈によってはその他の用途、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0120】
[0143] 本明細書中の言い回し又は専門用語は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではないことが理解されるべきであり、したがって、本明細書の専門用語又は言い回しは、本明細書中の教示に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0121】
[0144] 本明細書で使用される「基板」という用語は、その上に材料層が追加される材料を記述する。一部の実施形態では、基板自体にパターンが付与されると共に、その上に追加された材料にもパターンが付与されるか、又はパターン付与されないままである場合がある。
【0122】
[0145] 以下の例はこの開示の実施形態を説明するものであるが限定的ではない。本技術分野で通常見られ、当業者に自明と思われる各種の条件及びパラメータのその他の適切な変更及び適応も本開示の趣旨及び範囲内にある。
【0123】
[0146] 本文では、ICの製造における本発明による装置及び/又はシステムの使用について特に言及しているが、そのような装置及び/又はシステムは他の多くの可能な用途を有することを明確に理解されるべきである。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCDパネル、薄膜磁気ヘッドなどに使用できる可能性がある。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」という、より一般的な用語と置き換えられると見なしてよいことが当業者には認識される。
【0124】
[0147] 特定の実施形態が上に記載されているが、実施形態は、記載されている以外の方法で実施され得ることが理解されるであろう。この説明は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0125】
[0148] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者らが想定するような1つ以上の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって実施形態及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
【0126】
[0149] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係を用いて実施形態について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的境界を画定できる可能性がある。
【0127】
[0150] 特定の実施形態の前述の説明は、実施形態の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、実施形態の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入るものとする。
【0128】
[0151] 実施形態の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。
【0129】
[0152] 実施形態は以下の条項を用いて更に説明される可能性がある。
1.レーザシステムであって、
レーザシステムを少なくとも2つのバースト、すなわち第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバースト及び第2の繰り返し率で発射された複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで発射するためのトリガ回路と、
第1の印加波形に応答する第1のバーストパルスのそれぞれと第2の印加波形に応答する第2のバーストパルスのそれぞれの各波長を制御する波長制御デバイスと、
第2の繰り返し率と第1の繰り返し率との比較を実行し、比較に少なくとも部分的に基づいて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するための比較器とを備えたレーザシステム。
2.比較器が、第2の繰り返し率が第1の繰り返し率と異なる場合に、第1の印加波形と異なる第2の印加波形を使用することを決定する、条項1に記載のレーザシステム。
3.比較器が、第2の繰り返し率が第1の繰り返し率と同じである場合に、第1の印加波形と同じ第2の印加波形を使用することを決定する、条項1に記載のレーザシステム。
4.比較器が、第2の繰り返し率を入力として用いて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを計算する、条項3に記載のレーザシステム。
5.比較器が、第2の繰り返し率に少なくとも部分的に基づいて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するフィールドプログラマブルゲートアレイを備える、条項3に記載のレーザシステム。
6.比較器がルックアップテーブルを有するメモリを備え、ルックアップテーブルが、第2の繰り返し率に基づいて第2の印加波形の1つ以上のパラメータを返す、条項3に記載のレーザシステム。
7.1つ以上のパラメータが第2の印加波形の振幅の大きさを含む、条項6に記載のレーザシステム。
8.1つ以上のパラメータが第2の印加波形の振幅の大きさの時間変化を含む、条項6に記載のレーザシステム。
9.1つ以上のパラメータが第2の印加波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含む、条項6に記載のレーザシステム。
10.フィードバックアルゴリズムが反復学習制御アルゴリズムである、条項9に記載のレーザシステム。
11.比較器が、第2のバースト内の複数のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、第2の印加波形を第2のバーストに印加する、条項9に記載のレーザシステム。
12.比較器が、第2のバースト内の第3のパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用される前に、第2の印加波形を第2のバーストに印加する、条項11に記載のレーザシステム。
13.比較器が、第2のバースト内の複数のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、第1のバースト中に印加された第1のトリガ波形を第2のバーストに印加する、条項9に記載のレーザシステム。
14.比較器が、第1の印加波形を第1のトリガ波形として印加する、条項13に記載のレーザシステム。
15.比較器が、デフォルト波形を第1のトリガ波形として印加する、条項13に記載のレーザシステム。
16.比較器が、一定レベルを第1のトリガ波形として印加する、条項13に記載のレーザシステム。
17.第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理するための遷移管理ユニットを更に備える、条項13に記載のレーザシステム。
18.遷移管理ユニットが、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を、第1のトリガ波形と第2の印加波形とをクロスフェードさせることによって管理する、条項17に記載のレーザシステム。
19.遷移管理ユニットが、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を、第1のトリガ波形のゼロ交差において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることによって管理する、条項17に記載のレーザシステム。
20.遷移管理ユニットが、第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を、第1のトリガ波形の極大値又は極小値において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることによって管理する、条項17に記載のレーザシステム。
21.レーザシステムを制御する方法であって、
第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバーストでレーザシステムを発射すること、
複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで、第2のバーストパルスが発射される第2の繰り返し率を決定しながら、レーザシステムを発射することを開始すること、
第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定すること、及び
第2のバースト波形をアクチュエータに印加することを含む方法。
22.第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第1のバースト波形の1つ以上のパラメータと異なる第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することを含む、条項21に記載の方法。
23.第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第1のバースト波形のパラメータと同じである第2のバースト波形のパラメータを決定することを含む、条項21に記載の方法。
24.第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第2の繰り返し率を入力として用いて第2のバースト波形のパラメータを計算することを含む、条項21に記載の方法。
25.第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第2の繰り返し率をフィールドプログラマブルゲートアレイへの入力として用いて、第2のバースト波形のパラメータを決定することを含む、条項21に記載の方法。
26.第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第2の繰り返し率を用いてルックアップテーブルで第2のバースト波形のパラメータを調べることを含む、条項21に記載の方法。
27.1つ以上のパラメータが、第2のバースト波形の振幅の大きさを含む、条項21に記載の方法。
28.1つ以上のパラメータが、第2のバースト波形の振幅の大きさの時間変化を含む、条項21に記載の方法。
29.1つ以上のパラメータが、第2のバースト波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含む、条項21に記載の方法。
30.フィードバックアルゴリズムが反復学習制御アルゴリズムである、条項29に記載の方法。
31.第2の繰り返し率を用いて、第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定する前に、第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスを使用して第2の繰り返し率を計算することを更に含む、条項21に記載の方法。
32.第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を第2のバーストに印加することを更に含む、条項31に記載の方法。
33.第1のトリガ波形を印加することが第1のバースト波形を印加することを含む、条項32に記載の方法。
34.第1のトリガ波形を印加することがデフォルト波形を印加することを含む、条項32に記載の方法。
35.第1のトリガ波形を印加することが、第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスが第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を第2のバーストに印加することを含む、条項32に記載の方法。
36.第1のトリガ波形を印加することが、第1のバースト中に第1のトリガ波形として印加された第1の印加波形を印加することを含む、条項32に記載の方法。
37.第1のトリガ波形を印加することが、デフォルト波形を第1のトリガ波形として印加することを含む、条項32に記載の方法。
38.第1のトリガ波形を印加することが、一定レベルを第1のトリガ波形として印加することを含む、条項32に記載の方法。
39.第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することを更に含む、条項32に記載の方法。
40.第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することが、第1のトリガ波形と第2の印加波形とをクロスフェードさせることを含む、条項39に記載の方法。
41.第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することが、第1のトリガ波形のゼロ交差において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることを含む、条項39に記載の方法。
42.第1のトリガ波形と第2の印加波形との間の遷移を管理することが、第1のトリガ波形の極大値又は極小値において第1のトリガ波形から第2の印加波形に切り替わることを含む、条項39に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザシステムであって、
前記レーザシステムを少なくとも2つのバースト、すなわち第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバースト及び第2の繰り返し率で発射された複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで発射するためのトリガ回路と、
第1の印加波形に応答する前記第1のバーストパルスのそれぞれと第2の印加波形に応答する前記第2のバーストパルスのそれぞれの各波長を制御する波長制御デバイスと、
前記第2の繰り返し率と前記第1の繰り返し率との比較を実行し、前記比較に少なくとも部分的に基づいて前記第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するための比較器とを備えたレーザシステム。
【請求項2】
前記比較器が、前記第2の繰り返し率が前記第1の繰り返し率と異なる場合に、前記第1の印加波形と異なる第2の印加波形を使用することを決定する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項3】
前記比較器が、前記第2の繰り返し率が前記第1の繰り返し率と同じである場合に、前記第1の印加波形と同じ第2の印加波形を使用することを決定する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項4】
前記比較器が、前記第2の繰り返し率に少なくとも部分的に基づいて前記第2の印加波形の1つ以上のパラメータを決定するフィールドプログラマブルゲートアレイを備える、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項5】
前記比較器がルックアップテーブルを有するメモリを備え、前記ルックアップテーブルが、前記第2の繰り返し率に基づいて前記第2の印加波形の1つ以上のパラメータを返す、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のパラメータが
、前記第2の印加波形の振幅の大きさ
、又は、前記第2の印加波形の振幅の大きさの時間変化を含む、請求項
5に記載のレーザシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のパラメータが前記第2の印加波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含む、請求項
5に記載のレーザシステム。
【請求項8】
前記比較器が、前記第2のバースト内の複数のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、前記第2の印加波形を前記第2のバーストに印加する、請求項
7に記載のレーザシステム。
【請求項9】
前記比較器が、前記第2のバースト内の前記複数のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用された後に、前記第1のバースト中に印加された第1のトリガ波形を前記第2のバーストに印加する、請求項
7に記載のレーザシステム。
【請求項10】
前記比較器が、前記第1の印加波形を前記第1のトリガ波形として印加する、請求項
9に記載のレーザシステム。
【請求項11】
前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理するための遷移管理ユニットを更に備える、請求項
9に記載のレーザシステム。
【請求項12】
前記遷移管理ユニットが、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の前記遷移を、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形とをクロスフェードさせることによって管理する、請求項
11に記載のレーザシステム。
【請求項13】
レーザシステムを制御する方法であって、
第1の繰り返し率で発射された複数の第1のバーストパルスを含む第1のバーストで前記レーザシステムを発射すること、
複数の第2のバーストパルスを含む第2のバーストで、前記第2のバーストパルスが発射される第2の繰り返し率を決定しながら、前記レーザシステムを発射することを開始すること、
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定すること、及び
前記第2のバースト波形を前記アクチュエータに印加することを含む方法。
【請求項14】
前記第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第1のバースト波形の1つ以上のパラメータと異なる前記第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の繰り返し率を用いて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、第1のバースト波形の前記パラメータと同じである前記第2のバースト波形のパラメータを決定することを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、前記第2の繰り返し率をフィールドプログラマブルゲートアレイへの入力として用いて、前記第2のバースト波形のパラメータを決定することを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定することが、前記第2の繰り返し率を用いてルックアップテーブルで前記第2のバースト波形のパラメータを調べることを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のパラメータが、前記第2のバースト波形の振幅の大きさ
、又は、前記第2のバースト波形の振幅の大きさの時間変化を含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上のパラメータが、前記第2のバースト波形用のフィードバックアルゴリズムの補正を含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の繰り返し率を用いて、前記第2のバーストパルスの波長を決定するアクチュエータについて第2のバースト波形の1つ以上のパラメータを決定する前に、前記第2のバースト内の複数の第1のトリガパルスを使用して前記第2の繰り返し率を計算することを更に含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のバースト内の前記複数の第1のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を前記第2のバーストに印加することを更に含む、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
第1のトリガ波形を印加することが、前記第2のバースト内の前記複数の第1のトリガパルスが前記第2の繰り返し率を計算するのに使用されている間に、第1のトリガ波形を前記第2のバーストに印加することを含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
第1のトリガ波形を印加することが、前記第1のバースト中に前記第1のトリガ波形として印加された第1の印加波形を印加すること
、又は、デフォルト波形を前記第1のトリガ波形として印加することを含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形とをクロスフェードさせることによって、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理するこ
とを更に含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のトリガ波形のゼロ交差において前記第1のトリガ波形から前記第2の印加波形に切り替わることによって、前記第1のトリガ波形と前記第2の印加波形との間の遷移を管理するこ
とを更に含む、請求項
21に記載の方法。
【国際調査報告】