(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】共用ガス供給アーキテクチャのためのガス供給システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20231226BHJP
F16K 3/04 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H01L21/68 A
F16K3/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536110
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2021062760
(87)【国際公開番号】W WO2022132576
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャクラヴァルティ, アルン チャクラヴァルティ
(72)【発明者】
【氏名】ニーマ, チャハル
(72)【発明者】
【氏名】カングデ, アビジット エー.
(72)【発明者】
【氏名】ネヴィル, エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ジャマカンディ, ヴィシャル エス.
(72)【発明者】
【氏名】ランゲランド, カート アール.
(72)【発明者】
【氏名】アラム, サイード エー.
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, ミン
(72)【発明者】
【氏名】ル, ケネス
【テーマコード(参考)】
3H053
5F131
【Fターム(参考)】
3H053AA35
3H053BA12
3H053BB02
3H053BC01
3H053DA01
3H053DA12
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA11
5F131BA17
5F131BA33
5F131BA37
5F131BA39
5F131BB03
5F131BB04
5F131CA32
5F131CA42
5F131DA22
5F131DA23
5F131DA42
5F131DB02
(57)【要約】
例示的な基板処理システムは、リッドプレートを含み得る。本システムは、リッドプレートに着座したガススプリッタを含み得る。ガススプリッタは、複数のガス入口とガス出口とを画定し得る。ガス出口の数は、ガス入口の数よりも多くてよい。本システムは、ガススプリッタに接合された複数のバルブブロックを含み得る。各バルブブロックは、多数のガス管腔を画定し得る。ガス管腔の各々の入口は、ガス出口のうちの1つと流体連結していてよい。ガススプリッタとバルブブロックの各々との間の接合部は、チョークを含み得る。本システムは、リッドプレートに着座した複数の出力マニホールドを含み得る。本システムは、ガス管腔のうちの1つの出口を出力マニホールドのうちの1つに結合させることができる複数の出力溶接部を含み得る。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システムであって、
リッドプレートと、
前記リッドプレートに着座したガススプリッタであって、複数のガス入口と複数のガス出口とを画定し、前記複数のガス出口の数は前記複数のガス入口の数よりも多い、ガススプリッタと、
前記ガススプリッタに各々接合された複数のバルブブロックであって、
前記複数のバルブブロックの各々は、多数のガス管腔を画定し、
前記ガス管腔の各々の入口は、前記複数のガス出口のうちの1つと流体連結しており、
前記ガススプリッタと前記複数のバルブブロックの各々との間の接合部は、前記複数のガス出口の各々及び前記ガス管腔の入口の各々の直径よりも小さい直径を有するチョークを含む
複数のバルブブロックと、
前記リッドプレートに着座した複数の出力マニホールドと、
複数の出力溶接部であって、各出力溶接部は、前記ガス管腔のうちの1つの出口を前記出力マニホールドのそれぞれに流体的に結合させる、複数の出力溶接部と
を備える、半導体処理システム。
【請求項2】
前記複数のバルブブロックの各々の前記ガス管腔のうちの1つは、ガスを処理チャンバから遠ざけるように方向づけする迂回管腔を画定する、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項3】
前記ガススプリッタは、前記複数のガス入口と前記複数のガス出口との間に延在する複数のガスチャネルを画定する、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項4】
前記複数のガスチャネルのうちの少なくとも1つは、単一のガス入口から2つのガス出口にガス流を分割する、請求項3に記載の半導体処理システム。
【請求項5】
複数のガス源を前記ガススプリッタのガス入力部に流体的に結合させる複数の入力溶接部
を更に備える、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項6】
前記ガススプリッタ及び前記複数のバルブブロックの各々は、熱源を含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項7】
前記ガススプリッタの上方に支持された遠隔プラズマユニットであって、前記複数の出力マニホールドの各々に流体的に結合されている遠隔プラズマユニット
を更に備える、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項8】
前記遠隔プラズマユニットの出口に結合されたセンターマニホールドと、
各々が前記センターマニホールドの複数の出口ポートのうちの1つに流体的に結合された複数のサイドマニホールドであって、前記複数のサイドマニホールドの各々は、前記複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合されたガス管腔を画定する、複数のサイドマニホールドと
を更に備える、請求項7に記載の半導体処理システム。
【請求項9】
前記複数のサイドマニホールドの各々は更に、前記サイドマニホールドの長さの少なくとも一部に沿って延在する冷却チャネル
を備える、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項10】
前記リッドプレートの下方に位置決めされた複数の処理チャンバであって、各処理チャンバは、前記複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合された処理領域を画定する、複数の処理チャンバ
を更に備える、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項11】
半導体処理システムであって、
複数のガス入口と複数のガス出口とを画定し、前記複数のガス出口の数は前記複数のガス入口の数よりも多い、ガススプリッタと、
前記ガススプリッタに各々接合された複数のバルブブロックであって、
前記複数のバルブブロックの各々は、多数のガス管腔を画定し、
前記ガス管腔の各々の入口は、前記複数のガス出口のうちの1つと流体連結しており、
前記ガススプリッタと前記複数のバルブブロックの各々との間の接合部は、前記複数のガス出口の各々及び前記ガス管腔の入口の各々の直径よりも小さい直径を有するチョークを含む
複数のバルブブロックと、
複数の出力溶接部であって、各出力溶接部は、前記ガス管腔のうちの1つの出口を複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合させる、複数の出力溶接部と
を備える、半導体処理システム。
【請求項12】
前記バルブブロックの各々に結合された複数のバルブ
を更に備える、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項13】
複数のガス源を前記ガススプリッタのガス入力部に流体的に結合させる複数の入力溶接部
を更に備える、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項14】
前記複数の入力溶接部の少なくとも幾つかは、単一の入力部を含み、単一の入力部から複数の出力部へ流れを分割するガスチャネルを画定する、
請求項13に記載の半導体処理システム。
【請求項15】
前記複数の入力溶接部の各々の周りに位置決めされたヒータジャケット
を更に備える、請求項13に記載の半導体処理システム。
【請求項16】
前記ガススプリッタの上方に支持された遠隔プラズマユニットであって、複数の出力マニホールドの各々に流体的に結合されている遠隔プラズマユニット
を更に備える、請求項13に記載の半導体処理システム。
【請求項17】
前記遠隔プラズマユニットを前記ガススプリッタの上面の上方に上昇させる支持構造であって、3つの支持脚を含み、複数の入力溶接部が前記支持脚のうちの2つの間に延在する、支持構造
を更に備える、請求項16に記載の半導体処理システム。
【請求項18】
複数の隔離バルブであって、前記複数の隔離バルブの各々は、前記遠隔プラズマユニットと前記複数の出力マニホールドのうちの1つとの間に流体的に結合される、複数の隔離バルブ
を更に備える、請求項16に記載の半導体処理システム。
【請求項19】
前記複数の出力マニホールドの各々を支持するリッドプレートと、
前記リッドプレートの下方に位置決めされた複数の処理チャンバであって、各処理チャンバは、前記複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合された処理領域を画定する、複数の処理チャンバと
を更に備える、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項20】
半導体処理システムであって、
複数の処理チャンバであって、各処理チャンバは処理領域を画定する、複数の処理チャンバと、
前記複数の処理チャンバの上方に位置決めされたリッドプレートと、
前記リッドプレートに着座した複数の出力マニホールドであって、前記複数の出力マニホールドの各々は、前記複数の処理チャンバのうちの1つの処理領域と流体連結している、複数の出力マニホールドと、
前記リッドプレートに着座したガススプリッタであって、複数のガス入口と複数のガス出口とを画定するガススプリッタと、
前記ガススプリッタに各々接合された複数のバルブブロックであって、
前記複数のバルブブロックの各々は、多数のガス管腔を画定し、
前記ガス管腔の各々の入口は、前記複数のガス出口のうちの1つと流体連結しており、
前記ガススプリッタと前記複数のバルブブロックの各々との間の接合部は、前記複数のガス出口の各々及び前記ガス管腔の入口の各々の直径よりも小さい直径を有するチョークを含む
複数のバルブブロックと、
複数の溶接部であって、各溶接部は、前記ガス管腔のうちの1つの出口を前記出力マニホールドのそれぞれに流体的に結合させる、複数の溶接部と
を備える、半導体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年12月14日出願の「GAS DELIVERY SYSTEM FOR A SHARED GAS DELIVERY ARCHITECTURE」と題する米国特許出願第17/120,976号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容を全て、参照により本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本技術は、半導体プロセス及び機器に関する。より具体的には、本技術は、基板処理システム及び構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]半導体処理システムは、多くの場合、クラスタツールを利用して、多数のプロセスチャンバを統合する。この構成は、制御された処理環境から基板を取り出すことなく、幾つかの連続した処理工程の実行を容易にし得る、又は、可変チャンバにおいて一度に複数の基板に対して同様のプロセスを実行することを可能にし得る。これらのチャンバは、例えば、ガス抜きチャンバ、前処理チャンバ、移送チャンバ、化学気相堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、エッチングチャンバ、計測チャンバ、及び他のチャンバを含み得る。クラスタツールにおけるチャンバの組み合わせ、及びこれらのチャンバが動作する工程条件とパラメータは、特定のプロセス方策及びプロセスフローを使用して特定の構造を製造するために選択される。
【0004】
[0004]クラスタツールは、多くの場合、一連のチャンバ及びプロセス工程に基板を連続的に通すことによって、多数の基板を処理する。プロセス方策及びシーケンスは、典型的には、クラスタツールを通して各基板の処理を指示、制御、及び監視するマイクロプロセッサコントローラにプログラムされる。ウエハのカセット全体がクラスタツールを通して正常に処理されると、更なる処理のために、カセットは更に別のクラスタツール又は化学機械研磨機等のスタンドアロンツールに渡される場合がある。
【0005】
[0005]ロボットは、通常、様々な処理チャンバ及び保持チャンバを通してウエハを移送するために使用される。各プロセス及びハンドリング工程に必要な時間の量は、単位時間当たりの基板のスループットに直接影響を与える。クラスタツールにおける基板のスループットは、移送チャンバに位置決めされた基板ハンドリングロボットの速度に直接関係し得る。処理チャンバ構成が更に発展すると、従来のウエハ移送システムでは不十分な場合がある。更に、クラスタツールの規模が大きくなると、構成要素構成が処理又は保守工程を適切にサポートできなくなる可能性がある。
【0006】
[0006]従って、クラスタツール環境内で基板を効率的に導くために使用できる改良されたシステム及び方法が必要である。これら及び他の必要は、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0007】
[0007]例示的な基板処理システムは、リッドプレートを含み得る。本システムは、リッドプレートに着座したガススプリッタを含み得る。ガススプリッタは、複数のガス入口と複数のガス出口とを画定し得る。複数のガス出口の数は、複数のガス入口の数よりも多くてよい。本システムは、ガススプリッタに各々接合された複数のバルブブロックを含み得る。複数のバルブブロックの各々は、多数のガス管腔を画定し得る。ガス管腔の各々の入口は、複数のガス出口のうちの1つと流体連結していてよい。ガススプリッタと複数のバルブブロックの各々との間の接合部は、複数のガス出口の各々及びガス管腔の入口の各々の直径よりも小さい直径を有するチョークを含み得る。本システムは、リッドプレートに着座した複数の出力マニホールドを含み得る。本システムは、複数の出力溶接部を含み得る。各出力溶接部は、ガス管腔のうちの1つの出口を出力マニホールドのそれぞれに流体的に結合させることができる。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、複数のバルブブロックの各々のガス管腔のうちの1つは、ガスを処理チャンバから遠ざけるように方向づけする迂回管腔を画定し得る。ガススプリッタは、複数のガス入口と複数のガス出口との間に延在する複数のガスチャネルを画定し得る。複数のガスチャネルのうちの少なくとも1つは、単一のガス入口から2つのガス出口にガス流を分割し得る。本システムは、複数のガス源をガススプリッタのガス入力部に流体的に結合させる複数の入力溶接部を含み得る。ガススプリッタ及び複数のバルブブロックの各々は、熱源を含み得る。本システムは、ガススプリッタの上方に支持された遠隔プラズマユニットを含み得る。遠隔プラズマユニットは、複数の出力マニホールドの各々に流体的に結合され得る。本システムは、遠隔プラズマユニットの出口に結合されたセンターマニホールドを含み得る。本システムは、各々がセンターマニホールドの複数の出口ポートのうちの1つに流体的に結合された複数のサイドマニホールドを含み得る。複数のサイドマニホールドの各々は、複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合されたガス管腔を画定し得る。複数のサイドマニホールドの各々は、サイドマニホールドの長さの少なくとも一部に沿って延在する冷却チャネルを含み得る。本システムは、リッドプレートの下方に位置決めされた複数の処理チャンバを含み得る。各処理チャンバは、複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合された処理領域を画定し得る。
【0009】
[0009]本技術の幾つかの実施形態は、基板処理システムも包含し得る。本システムは、複数のガス入口と複数のガス出口とを画定するガススプリッタを含み得る。複数のガス出口の数は、複数のガス入口の数よりも多くてよい。本システムは、ガススプリッタに各々接合された複数のバルブブロックを含み得る。複数のバルブブロックの各々は、多数のガス管腔を画定し得る。ガス管腔の各々の入口は、複数のガス出口のうちの1つと流体連結していてよい。ガススプリッタと複数のバルブブロックの各々との間の接合部は、複数のガス出口の各々及びガス管腔の入口の各々の直径よりも小さい直径を有するチョークを含み得る。本システムは、複数の出力溶接部を含み得る。各出力溶接部は、ガス管腔のうちの1つの出口を複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合させることができる。
【0010】
[0010]幾つかの実施形態では、本システムは、バルブブロックの各々に結合された複数のバルブを含み得る。本システムは、複数のガス源をガススプリッタのガス入力部に流体的に結合させる複数の入力溶接部を含み得る。複数の入力溶接部の少なくとも幾つかは、単一の入力部を含んでいてよく、単一の入力部から複数の出力部へ流れを分割するガスチャネルを画定し得る。本システムは、複数の入力溶接部の各々の周りに位置決めされたヒータジャケットを含み得る。本システムは、ガススプリッタの上方に支持された遠隔プラズマユニットを含み得る。遠隔プラズマユニットは、複数の出力マニホールドの各々に流体的に結合され得る。本システムは、遠隔プラズマユニットをガススプリッタの上面の上方に上昇させる支持構造を含み得る。支持構造は、3つの支持脚を含み得る。複数の入力溶接部は、支持脚のうちの2つの間に延在し得る。本システムは、複数の隔離バルブを含み得る。複数の隔離バルブの各々は、遠隔プラズマユニットと複数の出力マニホールドのうちの1つとの間に流体的に結合され得る。本システムは、複数の出力マニホールドの各々を支持するリッドプレートを含み得る。本システムは、リッドプレートの下方に位置決めされた複数の処理チャンバを含み得る。各処理チャンバは、複数の出力マニホールドのうちの1つに流体的に結合された処理領域を画定し得る。
【0011】
[0011]本技術の幾つかの実施形態は、基板処理システムも包含し得る。本システムは、複数の処理チャンバを含み得る。各処理チャンバは、処理領域を画定し得る。本システムは、複数の処理チャンバの上方に位置決めされたリッドプレートを含み得る。本システムは、リッドプレートに着座した複数の出力マニホールドを含み得る。複数の出力マニホールドの各々は、複数の処理チャンバのうちの1つの処理領域と流体連結していてよい。本システムは、リッドプレートに着座したガススプリッタを含み得る。ガススプリッタは、複数のガス入口と複数のガス出口とを画定し得る。本システムは、ガススプリッタに各々接合された複数のバルブブロックを含み得る。複数のバルブブロックの各々は、多数のガス管腔を画定し得る。ガス管腔の各々の入口は、複数のガス出口のうちの1つと流体連結していてよい。ガススプリッタと複数のバルブブロックの各々との間の接合部は、複数のガス出口の各々及びガス管腔の入口の各々の直径よりも小さい直径を有するチョークを含み得る。本システムは、複数の溶接部を含み得る。各溶接部は、ガス管腔のうちの1つの出口を出力マニホールドのそれぞれに流体的に結合させることができる。
【0012】
[0012]上記技術は、従来のシステム及び技法に勝る多数の利点を提供し得る。例えば、処理システムは、従来の設計をはるかに超えて拡張され得るマルチ基板処理能力を提供し得る。更に、処理システムは、チャンバ間のクロストークを防止しながら、複数のチャンバ間で均等なフロー分割を提供することができる。また、処理システムは、流路の転換を利用して堆積速度を調整する能力を提供することができる。これら及び他の実施形態を、それらの利点及び特徴の多くと共に、以下の説明及び添付の図と併せて、より詳細に説明する。
【0013】
[0013]開示された技術の性質及び利点の更なる理解は、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理システムを示す概略上面図である。
【
図2】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチャンバシステムの移送領域を示す概略等角図である。
【
図3】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチャンバシステムの移送領域を示す概略等角図である。
【
図4】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチャンバシステムの移送領域を示す概略等角図である。
【
図5】本技術の幾つかの実施形態に係るチャンバシステムを示す概略部分等角図である。
【
図6】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理システムを示す概略上面図である。
【
図7】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なガススプリッタを示す概略上面図である。
【
図8】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なバルブブロックを示す概略等角図である。
【
図9】本技術の幾つかの実施形態に係るガススプリッタと多数のバルブブロックとの間の例示的な接合部を示す概略上面図である。
【
図10A】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチョークプレートを示す概略等角図である。
【
図10B】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチョークプレートを示す概略断面上面図である。
【
図11】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理システムを示す概略等角図である。
【
図12】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な支持プレートを示す概略等角図である。
【
図13】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なセンターマニホールドを示す概略等角図である。
【
図14】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なサイドマニホールドを示す概略等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0029]図の幾つかは概略図として含まれている。図は例示のためのものであり、縮尺又は比率通りであると明記されていない限り、縮尺又は比率通りであるとみなすべきではないことを理解されたい。更に、概略図は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較して、全ての態様又は情報を含まない場合があり、説明のために誇張された材料を含む場合がある。
【0016】
[0030]添付の図では、同様の構成要素及び/又は特徴には、同じ参照ラベルが付いている場合がある。更に、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素を区別する文字を付けることで区別され得る。本明細書で第1の参照ラベルのみを使用した場合、その説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のいずれか1つに適用される。
【0017】
[0031]基板処理は、ウエハ又は半導体基板上の材料を追加、除去、又は他の方法で修正するための時間集約的な工程を含み得る。基板を効率的に移動させることで、待ち行列時間を短縮し、基板のスループットを向上させることができる。クラスタツール内で処理される基板の数を向上させるために、メインフレーム上に追加のチャンバを組み込むことができる。移送ロボット及び処理チャンバは、ツールを長くすることによって継続的に追加することができるが、これは、クラスタツールの設置面積が拡大するにつれて空間的に非効率になる可能性がある。従って、本技術は、限定された設置面積内で処理チャンバの数を増加させたクラスタツールを含み得る。移送ロボットの周りの限られた設置面積に対応するために、本技術は、ロボットから横方向外側に処理チャンバの数を増加させることができる。例えば、従来のあるクラスタツールは、ロボットの周りの半径方向のチャンバ数を最大にするために、中央に位置する移送ロボットのセクションの周りに位置決めされた1つ又は2つの処理チャンバを含むことがある。本技術は、別のチャンバ列又はチャンバ群として横方向外側に追加のチャンバを組み込むことによって、この概念を拡張することができる。例えば、本技術は、1又は複数のロボットアクセス位置の各々でアクセス可能な3、4、5、6、又はそれ以上の処理チャンバを含むクラスタツールに適用可能である。
【0018】
[0032]しかし、追加のプロセス位置が追加されると、中央ロボットからこれらの位置にアクセスすることは、各位置における追加の移送能力なしではもはや実行可能でない場合がある。幾つかの従来技術は、移行中に基板が着座したままであるウエハキャリアを含み得る。しかし、ウエハキャリアは、基板上の熱的不均一性や粒子汚染の原因となることがある。本技術は、処理チャンバ領域に垂直にアライメントされた移送セクションと、追加のウエハ位置にアクセスするために中央ロボットと協働して動作し得るカルーセル又は移送装置を組み込むことによって、これらの問題を克服する。本技術は、幾つかの実施形態では、従来のウエハキャリアを使用しない場合があり、移送領域内で、特定のウエハをある基板支持体から異なる基板支持体へ移送する場合がある。
【0019】
[0033]更に、多数のチャンバにプロセスガスを供給するために単一のガス源を使用すると、チャンバ間の不均一なガス流及びチャンバ間のクロストークの可能性が生じ得る。本技術は、ガス源からの流れが各チャンバ間で等しくなるようにする受動的な流れ制御デバイスを組み込むことによって、これらの問題を克服する。更に、本技術では、チャンバ間のクロストークを防ぐと共に、遠隔プラズマユニットへの逆流を防ぐ隔離バルブを組み込むことができる。
【0020】
[0034]残りの開示では、本構造及び方法が採用され得る4位置チャンバシステム等の特定の構造を常に特定するが、本システム及び方法は、説明した構造的能力から利益を得ることができる任意の数の構造及びデバイスに同様に適用できることが容易に理解されるであろう。従って、本技術は、任意の特定の構造のみでの使用に限定されるものとみなすべきではない。更に、本技術の基礎を提供するために例示的なツールシステムを説明するが、本技術は、説明する工程及びシステムの一部又は全部から利益を得ることができる任意の数の半導体処理チャンバ及びツールと共に組み込むことができることを理解されたい。
【0021】
[0035]
図1は、本技術の幾つかの実施形態に係る、堆積、エッチング、焼成、及び硬化チャンバの基板処理ツール又は処理システム100の一実施形態を示す上面図である。図においては、一組の前方開口型統一ポッド102が様々なサイズの基板を、各々が複数の処理領域108に流体的に結合された移送領域を有する基板処理システムであってよいチャンバシステム又はクワドセクション109a~cに位置決めされた基板処理領域108の1つに供給される前に供給し、これらはロボットアーム104a及び104bによってファクトリインターフェース103内に受け入れられ、ロードロック又は低圧保持エリア106内に載置される。クワドシステムを図示したが、スタンドアロンチャンバ、ツインチャンバ、及び他の複数のチャンバシステムを組み込んだプラットフォームも、本技術によって同様に包含されることを理解されたい。移送チャンバ112に収納された第2のロボットアーム110を使用して、基板ウエハを保持エリア106からクワドセクション109に輸送してまた戻すことができ、第2のロボットアーム110は、クワドセクション又は処理システムの各々が接続され得る移送チャンバに収納され得る。各基板処理領域108は、周期的層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、並びにエッチング、前洗浄、アニール、プラズマ処理、ガス抜き、配向、及び他の基板プロセスを含む任意の数の堆積プロセスを含む多数の基板処理工程を実行するように備えられていてよい。
【0022】
[0036]各クワドセクション109は、第2のロボットアーム110から基板を受け入れ、第2のロボットアーム110に基板を供給することができる移送領域を含み得る。チャンバシステムの移送領域は、第2のロボットアーム110を有する移送チャンバにアライメントされ得る。幾つかの実施形態では、移送領域は、ロボットに対して横方向にアクセス可能であってよい。その後の工程において、移送セクションの構成要素は、基板を上にある処理領域108に垂直方向に平行移動させることができる。同様に、移送領域はまた、各移送領域内の位置間で基板を回転させるように動作可能であり得る。基板処理領域108は、基板又はウエハ上に材料膜を堆積させる、アニールする、硬化させる及び/又はエッチングするための任意の数のシステム構成要素を含み得る。ある構成では、クワドセクション109a及び109bの処理領域等の2組の処理領域は、基板上に材料を堆積させるために使用することができ、クワドセクション109cの処理チャンバ又は領域等の第3の組の処理チャンバは、堆積した膜を硬化させる、アニールする、又は処理するために使用することができる。別の構成では、図示した12個のチャンバすべて等の3組のチャンバすべてが、基板上の膜の堆積及び/又は硬化の両方を行うように構成され得る。
【0023】
[0037]図示したように、第2のロボットアーム110は、複数の基板を同時に供給及び/又は回収するための2つのアームを含み得る。例えば、各クワドセクション109は、第2のロボットアームに横方向にアライメントされ得る移送領域のハウジングの表面に沿って、2つのアクセス部107を含み得る。アクセス部は、移送チャンバ112に隣接する表面に沿って画定され得る。図示した実施形態等の幾つかの実施形態では、第1のアクセス部は、クワドセクションの複数の基板支持体のうちの第1の基板支持体にアライメントされ得る。更に、第2のアクセス部は、クワドセクションの複数の基板支持体のうちの第2の基板支持体にアライメントされ得る。第1の基板支持体は、第2の基板支持体に隣接していてよく、2つの基板支持体は、幾つかの実施形態では、基板支持体の第1の列を画定し得る。図示した構成に示すように、基板支持体の第2の列は、移送チャンバ112から横方向に外側の基板支持体の第1の列の後ろに位置決めされ得る。第2のロボットアーム110の2つのアームは、2つのアームが同時にクワドセクション又はチャンバシステムに進入して、移送領域内の基板支持体に1つ又は2つの基板を供給又は回収できるように、間隔を空けて配置され得る。
【0024】
[0038]説明した移送領域のいずれか1又は複数は、異なる実施形態で示した製造システムから分離された追加のチャンバと共に組み込まれ得る。材料膜のための堆積、エッチング、アニール、及び硬化チャンバの追加の構成が、処理システム100によって企図されることが理解されよう。更に、任意の数の他の処理システムを本技術と共に利用することができ、これらは、基板の移動等の特定の操作のいずれかを実行するための移送システムを組み込んでいてよい。幾つかの実施形態では、記載した保持及び移送エリア等の様々なセクションで真空環境を維持しながら複数の処理チャンバ領域へのアクセスを提供し得る処理システムは、別々のプロセス間で特定の真空環境を維持しながら複数のチャンバで工程を実行することを可能にし得る。
【0025】
[0039]前述のように、処理システム100、又はより具体的には処理システム100又は他の処理システムに組み込まれたクワドセクション又はチャンバシステムは、図示した処理チャンバ領域の下に位置決めされた移送セクションを含み得る。
図2は、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチャンバシステム200の移送セクションを示す概略等角図である。
図2は、上述した移送領域の追加的な態様又は態様の変形例を図示していてよく、説明した構成要素又は特性のいずれかを含み得る。図示したシステムは、多数の構成要素が含まれ得る移送領域を画定する、以下に更に説明するもの等のチャンバ本体であってよい移送領域ハウジング205を含み得る。移送領域は更に、
図1のクワドセクション109に図示した処理チャンバ領域108等の、移送領域に流体的に結合された処理チャンバ又は処理領域によって上方から少なくとも部分的に画定され得る。移送領域ハウジングの側壁は、1又は複数のアクセス位置207を画定していてよく、それを通して、上述したような第2のロボットアーム110等によって、基板が供給及び回収され得る。アクセス位置207は、スリットバルブ又は他の密閉可能なアクセス位置であってよく、これは、幾つかの実施形態では、移送領域ハウジング205内に密封環境を提供するためのドア又は他の密閉機構を含む。2つの上記アクセス位置207を有するように図示したが、幾つかの実施形態では、単一のアクセス位置207のみを含む場合があり、また、移送領域ハウジングの複数の側面のアクセス位置も含まれ得ることを理解されたい。また、図示した移送セクションは、任意の数の形状寸法又は形によって特徴付けられる基板を含む200mm、300mm、450mm、又はそれ以上のあるいはそれ以下の基板を含む任意の基板サイズを収容するようにサイズ設定され得ることを理解されたい。
【0026】
[0040]移送領域ハウジング205内には、移送領域容積を中心に位置決めされた複数の基板支持体210が存在し得る。4つの基板支持体を図示したが、任意の数の基板支持体が同様に本技術の実施形態によって包含されることを理解されたい。例えば、おおよそ3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、又はそれ以上の基板支持体210が、本技術の実施形態に係る移送領域に収容され得る。第2のロボットアーム110は、アクセス部207を通して基板支持体210a及び210bのいずれか又は両方に基板を供給し得る。同様に、第2のロボットアーム110は、これらの場所から基板を回収し得る。リフトピン212が、基板支持体210から突出していてよく、ロボットが基板の下方にアクセスすることを可能にし得る。リフトピンは、基板支持体上に固定されていてよい、又は基板支持体が下に凹み得る場所にあってよい、又は幾つかの実施形態では、リフトピンは更に基板支持体を貫通して上昇又は下降することができる。基板支持体210は、垂直方向に平行移動可能であってよく、幾つかの実施形態では、移送領域ハウジング205の上方に位置決めされた処理チャンバ領域108等の基板処理システムの処理チャンバ領域まで延在していてよい。
【0027】
[0041]移送領域ハウジング205は、アライメントシステム用のアクセス部215を提供することができ、このシステムは、図示したように移送領域ハウジングの開孔を貫通して延在していてよく、隣接する開孔を通して突出又は透過するレーザ、カメラ、又は他の監視装置と連動して動作し、平行移動している基板が適切にアライメントされているかどうかを決定し得るアライナも含み得る。移送領域ハウジング205はまた、基板を位置決めし、様々な基板支持体間で基板を移動させるように多くの方法で動作し得る移送装置220も含み得る。一例では、移送装置220は、基板支持体210a及び210b上の基板を基板支持体210c及び210dに移動させることができ、これにより、追加の基板が移送チャンバ内に供給されることが可能になり得る。追加の移送工程は、上にある処理領域における追加の処理のために、基板支持体間で基板を回転させることを含み得る。
【0028】
[0042]移送装置220は、移送チャンバ内に延在する1又は複数のシャフトを含み得る中央ハブ225を含み得る。シャフトに結合されているのは、エンドエフェクタ235であり得る。エンドエフェクタ235は、中央ハブから半径方向又は横方向外側に延在する複数のアーム237を含み得る。アームが延在する中央本体を図示したが、エンドエフェクタは、様々な実施形態では、シャフト又は中央ハブに各々結合された別々のアームを追加的に含み得る。任意の数のアームが、本技術の実施形態に含まれ得る。幾つかの実施形態では、アーム237の数は、チャンバに含まれる基板支持体210の数と同様であってよい又は等しくてよい。従って、図示したように、4つの基板支持体の場合、移送装置220は、エンドエフェクタから延在する4つのアームを含み得る。アームは、直線状プロファイル又は弓形プロファイル等の任意の数の形状及びプロファイルによって特徴付けられるだけでなく、基板を支持するため、及び/又はアライメント又は係合のため等の基板へのアクセスを提供するためのフック、リング、フォーク、又は他のデザインを含む任意の数の遠位プロファイルを含み得る。
【0029】
[0043]エンドエフェクタ235、又はエンドエフェクタの構成要素もしくは一部は、移送又は移動中に基板に接触するために使用することができる。エンドエフェクタと同様にこれらの構成要素は、導電性材料及び/又は絶縁性材料を含む多数の材料からできていてよい、又はそれらを含み得る。材料は、幾つかの実施形態では、上にある処理チャンバから移送チャンバ内に入り込み得る前駆体又は他の化学物質との接触に耐えるように、コーティング又はメッキされていてよい。
【0030】
[0044]更に、材料は、温度等の他の環境特性に耐えるように提供又は選択され得る。幾つかの実施形態では、基板支持体は、支持体上に配置された基板を加熱するように動作可能であり得る。基板支持体は、表面又は基板の温度を、約100℃以上、約200℃以上、約300℃以上、約400℃以上、約500℃以上、約600℃以上、約700℃以上、約800℃以上、又はそれ以上の温度まで上昇させるように構成され得る。工程中にこれらのいずれかの温度が維持されてよく、従って、移送装置220の構成要素は、これらの記載又は包含された温度のいずれかに暴露され得る。その結果、幾つかの実施形態では、材料のいずれかが、これらの温度条件に対応するように選択されてよく、比較的低い熱膨張係数、又は他の有益な特性によって特徴付けられ得るセラミック及び金属等の材料を含み得る。
【0031】
[0045]構成要素の結合部を、高温及び/又は腐食性環境での工程に適合させることもできる。例えば、エンドエフェクタ及び端部部分が各々セラミックである場合、結合部は、プレスフィッティング、スナップフィッティング、又は温度によって膨張及び収縮し、セラミックに亀裂を生じさせる可能性があるボルト等の追加の材料を含まない可能性のある他のフィッティングを含み得る。幾つかの実施形態では、端部は、エンドエフェクタと連続していてよく、エンドエフェクタとモノリシックに形成されていてよい。工程又は工程中の抵抗を容易にすることができ、同様に本技術に包含される任意の数の他の材料を用いることができる。移送装置220は、エンドエフェクタが結合され得る駆動システム構成要素と1又は複数の方法で回転運動、ならびに垂直運動、又は横方向運動を促進し得る、複数方向のエンドエフェクタの運動を促進し得る多数の構成要素及び構成を含み得る。
【0032】
[0046]
図3は、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的なチャンバシステムのチャンバシステム300の移送領域を示す概略等角図である。チャンバシステム300は、上述したチャンバシステム200の移送領域と同様であってよく、上述した構成要素、特性、又は構成のいずれかを含む同様の構成要素を含み得る。
図3はまた、以下の図と共に、本技術によって包含される特定の構成要素の結合部を例示し得る。
【0033】
[0047]チャンバシステム300は、移送領域を画定するチャンバ本体305又はハウジングを含み得る。画定された容積内には、前述したように、チャンバ本体を中心に分布した複数の基板支持体310が存在し得る。以下に更に説明するように、各基板支持体310は、図示した第1の位置と、基板処理が実行され得る第2の位置との間で、基板支持体の中心軸に沿って垂直に平行移動可能であってよい。チャンバ本体305は、チャンバ本体を貫通する1又は複数のアクセス部307も画定し得る。移送装置335は、移送領域内に位置決めされ、前述したように、移送領域内の基板支持体310間で基板を係合させ回転させるように構成され得る。例えば、移送装置335は、基板を再位置決めするために移送装置の中心軸を中心に回転可能であってよい。移送装置335は、各基板支持体における基板の再位置決めを更に容易にするために、幾つかの実施形態では横方向に平行移動可能であってよい。
【0034】
[0048]チャンバ本体305は、システムの上にある構成要素のための支持を提供し得る上面306を含み得る。上面306は、真空処理のために上にある構成要素の気密シールを提供するガスケットのための座部を提供するガスケット溝308を画定し得る。幾つかの従来のシステムとは異なり、チャンバシステム300、及び本技術の幾つかの実施形態に係る他のチャンバシステムは、処理チャンバ内に開放移送領域を含んでいてよく、処理領域は、移送領域の上に形成され得る。移送装置335による掃引エリアが形成されるため、処理領域を分離するための支持体又は構造が利用できない可能性がある。その結果、本技術は、以下に説明するように、開放移送領域の上に分離された処理領域を形成するために、上にあるリッド構造を用いることがある。従って、幾つかの実施形態では、チャンバ本体と上にある構成要素との間のシールは、移送領域を画定する外側チャンバ本体壁の周りにのみ生じる場合があり、内部結合は存在しない場合がある。チャンバ本体305はまた、開孔315を画定していてよく、これは、上にある構造の処理領域からの排気流を促進し得る。チャンバ本体305の上面306はまた、上にある構成要素とのシールのために、開孔315の周りに1又は複数のガスケット溝を画定し得る。更に、開孔は、幾つかの実施形態では、構成要素の積み重ねを容易にし得る位置づけ特徴を提供し得る。
【0035】
[0049]
図4は、本技術の幾つかの実施形態に係るチャンバシステム300の上にある構造を示す概略等角図である。例えば、幾つかの実施形態では、第1のリッドプレート405がチャンバ本体305に着座していてよい。第1のリッドプレート405は、第1の面407と、第1の面の反対側の第2の面409とによって特徴付けられ得る。第1のリッドプレート405の第1の面407は、チャンバ本体305に接触していてよく、上述した溝308と協働して構成要素間にガスケットチャネルを生成するための一対の溝を画定し得る。第1のリッドプレート405はまた、開孔410も画定していてよく、これは、基板処理のための処理領域を形成する移送チャンバの上にある領域の分離を提供し得る。
【0036】
[0050]開孔410は、第1のリッドプレート405を貫通して画定されていてよく、移送領域の基板支持体に少なくとも部分的にアライメントされ得る。幾つかの実施形態では、開孔410の数は、移送領域の基板支持体の数と等しくてよく、各開孔410は、複数の基板支持体の基板支持体に軸方向にアライメントされ得る。以下に更に説明するように、処理領域は、チャンバシステム内の第2の位置まで垂直に上昇したときに、基板支持体によって少なくとも部分的に画定され得る。基板支持体は、第1のリッドプレート405の開孔410を通って延在していてよい。従って、幾つかの実施形態では、第1のリッドプレート405の開孔410は、関連する基板支持体の直径よりも大きい直径によって特徴付けられ得る。遊隙の量に応じて、直径は、基板支持体の直径よりも約25%以下だけ大きくてよく、幾つかの実施形態では、約20%以下だけ大きい、約15%以下だけ大きい、約10%以下だけ大きい、約9%以下だけ大きい、約8%以下だけ大きい、約7%以下だけ大きい、約6%以下だけ大きい、約5%以下だけ大きい、約4%以下だけ大きい、約3%以下だけ大きい、約2%以下だけ大きい、約1%以下だけ基板支持体の直径より大きい、又はそれ以下であってよく、これにより、基板支持体と開孔410との間に最小間隙距離を提供し得る。
【0037】
[0051]第1のリッドプレート405は、第1の面407の反対側の第2の面409を含み得る。第2の面409は、第1のリッドプレート405の第2の面409を貫通する環状の凹型棚を生成し得る、凹型レッジ415を画定し得る。凹型レッジ415は、幾つかの実施形態では、複数の開孔410の各開孔周囲に画定され得る。凹型棚は、以下に更に説明するように、リッドスタック構成要素の支持を提供し得る。更に、第1のリッドプレート405は、以下に説明する上にある構成要素からのポンピングチャネルを少なくとも部分的に画定し得る第2の開孔420を画定し得る。第2の開孔420は、前述したチャンバ本体305の開孔315に軸方向にアライメントされ得る。
【0038】
[0052]
図5は、本技術の幾つかの実施形態に係るチャンバシステム300を示す概略部分等角図である。図は、チャンバシステムの2つの処理領域及び移送領域の一部を貫通した部分断面を示し得る。例えば、チャンバシステム300は、前述した処理システム100のクワドセクションであってよく、前述した構成要素又はシステムのいずれかの任意の構成要素を含み得る。
【0039】
[0053]チャンバシステム300は、図を通して展開されるように、チャンバ本体305内に延在し、前述したように垂直方向に平行移動可能であり得る基板支持体310を含む移送領域502を画定するチャンバ本体305を含み得る。第1のリッドプレート405が、チャンバ本体305に重なるように着座していてよく、追加のチャンバシステム構成要素と共に処理領域504のためのアクセスを形成する開孔410を画定し得る。リッドスタック505が各開孔周囲に、又は少なくとも部分的に各開孔内に着座していてよく、チャンバシステム300は、複数の開孔のうちの開孔410の数に等しい数のリッドスタックを含む複数のリッドスタック505を含み得る。各リッドスタック505は、第1のリッドプレート405に着座していてよく、第1のリッドプレートの第2の面を貫通する凹型レッジによって形成された棚に着座していてよい。リッドスタック505は、チャンバシステム300の処理領域504を少なくとも部分的に画定し得る。
【0040】
[0054]図示したように、処理領域504は、移送領域502から垂直方向にオフセットしていてよいが、移送領域に流体的に結合され得る。更に、処理領域は、他の処理領域から分離されていてよい。処理領域は、下方から移送領域を通して他の処理領域に流体的に結合されていてよいが、処理領域は、上方から、他の処理領域の各々から流体的に分離されていてよい。各リッドスタック505はまた、幾つかの実施形態では、基板支持体にもアライメントされ得る。例えば、図示したように、リッドスタック505aは、基板支持体310aの上にアライメントされていてよく、リッドスタック505bは、基板支持体310bの上にアライメントされていてよい。第2の位置等の動作位置まで上昇すると、基板支持体は、別々の処理領域内での個々の処理のために基板を供給し得る。この位置にあるとき、以下に更に説明するように、各処理領域504は、第2の位置にある関連する基板支持体によって下方から少なくとも部分的に画定され得る。
【0041】
[0055]
図5はまた、チャンバシステムに第2のリッドプレート510が含まれ得る実施形態も示している。第2のリッドプレート510は、幾つかの実施形態では、第1のリッドプレート405と第2のリッドプレート510との間に位置決めされ得る各リッドスタックに結合され得る。以下に説明するように、第2のリッドプレート510により、リッドスタック505の構成要素にアクセスすることが容易になり得る。第2のリッドプレート510は、第2のリッドプレートを貫通する複数の開孔512を画定し得る。複数の開孔の各開孔は、特定のリッドスタック505又は処理領域504への流体アクセスを提供するように画定され得る。幾つかの実施形態では、遠隔プラズマユニット515がオプションとしてチャンバシステム300に含まれていてよく、第2のリッドプレート510に支持されていてよい。幾つかの実施形態では、遠隔プラズマユニット515は、第2のリッドプレート510を通して複数の開孔の各開孔512に流体的に結合され得る。隔離バルブ520が、各個別の処理領域504に流体制御を提供するために、各流体ラインに沿って含まれていてよい。例えば、図示したように、開孔512aは、リッドスタック505aへの流体アクセスを提供し得る。開孔512aはまた、リッドスタック構成要素のいずれか、ならびに幾つかの実施形態では基板支持体310aに軸方向にアライメントされていてよく、これにより、基板支持体又は特定の処理領域504に関連する構成要素のいずれかを通る中心軸に沿って、個々の処理領域に関連する各構成要素が軸方向にアライメントされ得る。同様に、開孔512bは、リッドスタック505bへの流体アクセスを提供することができ、幾つかの実施形態では、基板支持体310bと同様にリッドスタックの構成要素に軸方向にアライメントされることを含めてアライメントされ得る。
【0042】
[0056]
図6は、本技術の幾つかの実施形態に係る半導体処理システム600の一実施形態を示す概略上面図である。図は、先に図示し説明したシステムのいずれかの構成要素を含んでいてよく、また、先に説明したシステムのいずれかの更なる態様を示し得る。また、図示は、上述の任意のクワドセクション109に見られるような例示的な構成要素も示し得ることを理解されたい。
【0043】
[0057]半導体処理システム600は、前述した第2のリッドプレート510と同様であってよいリッドプレート605を含み得る。例えば、リッドプレート605は、リッドプレート605の下方に位置決めされた多数の処理チャンバへのアクセスを提供する、開孔512と同様の多数の開孔を画定し得る。複数の開孔の各開孔は、特定のリッドスタック、処理チャンバ、及び/又は処理領域への流体アクセスを提供するように画定され得る。
【0044】
[0058]ガススプリッタ610は、リッドプレート605の上面に着座していてよい。例えば、ガススプリッタ610は、リッドプレート605の開孔間の中央に配置され得る。ガススプリッタ610は、多数のガス源からガススプリッタ610に前駆体、プラズマ廃水、及び/又はパージガス等のガスを供給する多数の入力溶接部615に流体的に結合され得る。例えば、各入力溶接部615は、リッドプレート605の下方に位置決めされたガス源から垂直に延在し、フィードスループレート620を通過し得る。フィードスループレート620の上方の入力溶接部615の一部は、水平に曲げることができ、ガスをガススプリッタ610に向かって方向づけすることができる。幾つかの実施形態では、入力溶接部615の一部又は全部は、入力溶接部615の長さに沿った熱損失を防ぐのに役立つヒータジャケット619内に配置され得る。
【0045】
[0059]以下に更に説明するように、ガススプリッタ610は、入力溶接部615からガスを受け入れることができ、ガス流を、各々が多数のバルブブロック625のそれぞれの1つに接合されたより多くのガス出力部に再帰的に分割し得る。バルブブロック625は、バルブブロック625を通るガスの流れの制御を助ける1又は複数のバルブ627と接合していてよい。例えば、各バルブブロック625におけるバルブ627の作動は、パージガス及び/又はプロセスガスがそれぞれの処理チャンバに流されるか、又は処理チャンバからシステム600の別の場所に迂回させられるかを制御し得る。例えば、各バルブブロック625の出口は各々、パージガス及び/又はプロセスガスを特定の処理チャンバに関連する出力マニホールド635に供給し得る出力溶接部630に流体的に結合されていてよい。例えば、出力マニホールド635は、リッドプレート605内に形成された各開孔の上に位置決めされていてよく、リッドスタック構成要素に流体的に結合されて、1又は複数のガスをそれぞれの処理チャンバの処理領域に供給し得る。
【0046】
[0060]
図7は、多数の入力溶接部615に接合されたガススプリッタ610を示す概略上面図である。各入力溶接部615は、入口616と出口618との間に形成されたガスチャネルを画定する。各入力溶接部615の出口618は、ガススプリッタ610のそれぞれのガス入口に結合されていてよく、これにより、各ガス源から入力溶接部615を通ってガススプリッタ610内にガスを流すことが可能になり得る。幾つかの実施形態では、入力溶接部615の1又は複数は、単一の入口616を有していてよく、複数の出口618に分岐し得る。例えば、図示した実施形態は、単一の入口616と、ガススプリッタ610の中央のガス入口と接合する単一の出口618とを有する第1の入力溶接部615aを含む。第2の入力溶接部615bは、単一の入口616を有し、ガスチャネルは、ガススプリッタ610のガス入口に各々結合される2つの別々の出口618にガス流を方向づけする2つのセクションに分割される。ほんの一例として、第1の入力溶接部615aは、テトラエチルオルソシリケート(「TEOS」)又は任意の他のシリコン含有前駆体等の堆積ガスを、ガススプリッタ610の単一のガス入口に供給し得るが、これらに限定されない。第2の入力溶接部615bは、酸素、水、アルコール、又は他の材料を組み込んだ二原子酸素等の酸素含有前駆体、オゾン、及び/又は窒素含有前駆体を、ガススプリッタ610の2つ以上のガス入口に供給し得る。幾つかの実施形態では、1又は複数の迂回溶接部617が、ガススプリッタ610に結合され、ガスを処理チャンバ及びガススプリッタ610から、例えば外部ガス容器に方向づけし得る。このような配置は、最大3つの異なる化学物質(例えば、第1の入力溶接部615aのみからのガス、第2の入力溶接部615bのみからのガス、又は第1の入力溶接部615a及び第2の入力溶接部615bの双方からのガス)が処理チャンバに供給されることを可能にし得る。図示したように、迂回溶接部617は、各々がガススプリッタ610と結合する2つの分岐部を含む。これら各分岐部を通るガス流は、ガススプリッタ610に合流し、ガススプリッタ610から流される。より多くの又はより少ない溶接部を含む配置を含む溶接部の他の配置が可能であり、より多くの溶接部によって、単一の溶接部の配置でより多くの化学物質のガスを処理チャンバに供給することが可能になることを理解されたい。
【0047】
[0061]ガススプリッタ610は、ガススプリッタ610のガス入口とガススプリッタ610のガス出口608との間に延在し、これらを流体的に結合させる多数のガスチャネル606を画定し得る。ガスチャネル606の少なくとも幾つかは、ガススプリッタ610がガス入口よりも多い数のガス出口608を含むように、単一のガス入口から複数のガス出口608へのガス流を分割し得る。図示したように、4つのガスチャネル606aは、第1の入力溶接部615aの出口618から半径方向外側に延在し、第1の入力溶接部615aからの流れを分割して4つの異なるガス出口608aにガスを供給する。各ガス出口608aは、ガススプリッタ610の異なる側面に位置決めされ得る。これにより、単一のガス源が、単一の入力溶接部615(単一の出口を有する)及び単一のガススプリッタ610を使用して、4つのガス出口608aの各々を通して等しい流量のガスを提供することが可能になる。2つのガスチャネル606bは、第2の入力溶接部615bの各出口618に流体的に結合され得る。各ガスチャネル606bは、4つのガス出口608bのうちの異なる1つにガスを供給することができ、各ガス出口608bは、ガススプリッタ610の異なる側面に位置決めされる。このような設計により、2つの出口に分割される単一の入力溶接部615が、4つの異なるガス出口608bにガスを供給することができる。ガススプリッタ610の各側面は、迂回ガスチャネル606cのための入口を含み得る。各迂回ガスチャネル606cは、迂回溶接部617と結合していてよい。ガス入口、ガス出口608、及びガスチャネル606の配置は、ガススプリッタ610の単一の実施形態の単なる典型であり、ガス入口、ガス出口608、及び/又はガスチャネル606の配置及び配向における多数の変形例が可能であることを理解されたい。更に、ガスチャネル606は、所定のガス入口から単一流路を含む任意の数の流路を提供するように配置され得る。ガススプリッタ610は、様々なガス源からの任意の数の入力溶接部を収容するように設計することができ、ガススプリッタによって可能になる化学物質の数が特定の処理工程の要求を満たすようにスケーリングされることを可能にする。
【0048】
[0062]幾つかの実施形態では、ガススプリッタ610は、熱源を含み得る。例えば、ヒータカートリッジ607が、ガススプリッタ610の本体に結合され得る、及び/又は本体内に埋め込まれ得る。幾つかの実施形態では、ヒータカートリッジ607は、ガススプリッタ610の中央に位置決めすることができ、これにより、ガススプリッタ610にわたって均一な温度勾配を得ることができる。ガススプリッタ610内に熱源を配設することによって、システム600の温度制御をより高めることができ、これにより、膜堆積工程の品質及び均一性を向上させることができる。熱源は、ガススプリッタ610を、約75℃以上、約100℃以上、約125℃以上、約150℃以上、約175℃以上、約200℃以上、又はそれ以上の温度に加熱し得る。
【0049】
[0063]
図8は、バルブブロック625のうちの1つを示す概略等角図である。各バルブブロック625は、入口628から1又は複数のバルブ位置632にガスを供給し得る多数のガス管腔626を画定し得る。例えば、第1のガス管腔626aは、(堆積ガスを流すためにガススプリッタ610のガス出口608aの1つに流体的に結合され得る)入口628aから延在し、第1のバルブ位置632a及び第2のバルブ位置632bに流体的に結合され得る。バルブ(バルブ627等)が、第1のバルブ位置632aに結合されていてよく、第1のガス管腔626aを通って流されたガスを選択的に、ガススプリッタ610の迂回ガスチャネル606cに流体的に結合され得る迂回ガス管腔626dに迂回させるように動作し得る。バルブが第2のバルブ位置632aに結合されていてよく、このバルブは、供給ガス管腔626cを通って供給出口634にガスを選択的に流すように動作し得る。供給出口634は、出力マニホールド635のうちの1つを介して処理チャンバのうちの1つにガスを供給するために、出力溶接部630のうちの1つに結合され得る。幾つかの実施形態では、特定のバルブブロック625に接合されたバルブは、堆積ガスの流量が全流量まで増加する間、迂回ガス管腔626dを通る堆積ガスの流れを迂回させることができる。全流量に達すると、バルブは、供給出口634を介して処理チャンバに堆積ガスの安定した全流量を供給するように切り替えられ得る。第2のガス管腔626bは、(ガススプリッタ610のガス出口608bの1つに流体的に結合され得る)入口628bから延在し、第3のバルブ位置632cに流体的に結合され得る。バルブは、第2のガス管腔626bを通って流されたガスを、供給出口634へのその後の供給のために第2のバルブ位置632bに選択的に方向づけするように動作し得る第3のバルブ位置632cに結合されていてよい。
【0050】
[0064]
図9は、多数のバルブブロック625に接合されたガススプリッタ610を示す概略上面図である。図示したように、ガススプリッタ610は、4つの主要な側面を有し、別個のバルブブロック625がガススプリッタ610の各側面に接合されている。しかしながら、他の数のバルブブロック625が単一のガススプリッタに接合され得ることを理解されたい。幾つかの実施形態では、バルブブロック625の数は、各処理チャンバが専用のバルブブロック625を有し得るように、処理システム600内に存在する処理チャンバの数と一致していてよい。これにより、ガス流を各バルブブロック625において互いに独立して切り替えることができ、各処理チャンバに対して別々のガス源を有する処理システムに匹敵する方法でガス流を調整することが可能になり得る。例えば、ガススプリッタ610及びバルブブロック625を介して、4つ全ての処理チャンバに堆積ガスを流すことができる。チャンバのうちの1又は複数における堆積速度が他のチャンバよりも高い場合、堆積速度が高いチャンバ(複数可)に関連するバルブ627及びバルブブロック625は、個々のチャンバの堆積速度を調整するために、堆積ガスの流れをそれぞれのチャンバ(複数可)から迂回させることができる。
【0051】
[0065]ガススプリッタ610がバルブブロック625に接合されると、ガススプリッタ610のガス出口608は、バルブブロック625のそれぞれの入口628にアライメントされて接合され、ガススプリッタ610から供給ガス出口634へのガス流路を提供し得る、及び/又はバルブブロック625とガススプリッタ610との間に迂回流路を提供し得る。例えば、各ガス出口608aは、バルブブロック625の入口628aのうちの1つに接合されていてよく、各ガス出口608bは、バルブブロック625の入口628bのうちの1つに接合されていてよい。ガススプリッタ610の各迂回チャネル606cの露出した端部は、バルブブロック625のうちの1つの迂回ガス管腔626dの出力部に接合され得る。
【0052】
[0066]幾つかの実施形態では、各バルブブロック625は、熱源を含み得る。例えば、ヒータカートリッジ629が、バルブブロック625の本体に結合され得る、及び/又はその内部に埋め込まれ得る。幾つかの実施形態では、ヒータカートリッジ629は、第1のガス管腔626a(TEOS等のプロセスガスを流し得る)に近接して位置決めされていてよく、プロセスガスに熱を提供し得る。バルブブロック625内に熱源を配設することによって、システム600の温度制御をより高めることができ、膜堆積工程の品質及び均一性を向上させることができる。熱源は、バルブブロック625を、約75℃以上、約100℃以上、約125℃以上、約150℃以上、約175℃以上、約200℃以上、又はそれ以上の温度に加熱し得る。
【0053】
[0067]ガススプリッタ610と各バルブブロック625との間の接合面は、チョークを含み得る。例えば、ガススプリッタ610の各ガス出口608の開口部及び/又はバルブブロック625の各入口628の開口部は、チョークを含み得る。チョークは、ガスチャネル606及び/又はガス管腔626に対して短い直径を有する開孔を画定するチョークプレートの形態であってよい。
図10Aは、ガススプリッタ610のガス出口608に固定されたチョークプレート640の一実施形態を示す概略等角図である(ただし、幾つかの実施形態は、代替的に又は追加的に、バルブブロック625の入口628にチョークプレートを含み得る)。チョークプレート640は、ガス出口608に形成されたスロット645内に受け入れられ、固定され得る。幾つかの実施形態では、1又は複数のOリング655が、
図10Bの概略断面上面図に示すように、チョークプレート640を通って流れるいかなるガスも接合部から漏れるのを防ぐために、チョークプレート640の本体とガススプリッタ610及び/又はバルブブロック625の面との間の接合部を密閉するために使用され得る。チョークプレート640は、ガスチャネル606及びガス管腔626の直径よりも小さい直径を有する中央オリフィス650を画定し得る。図示したように、中央オリフィス650の上流側は、中央オリフィス650の下流側よりも小さい直径を有していてよい。例えば、中央オリフィス650の直径は、チョークプレート640の上流側から下流側へテーパ状になっていてよい、及び/又はいきなり直径が増加していてよい。他の実施形態では、中央オリフィス650は、チョークプレート640の厚さにわたって一定の直径を有していてよい。ガスチャネル606及びガス管腔626の直径に対して中央オリフィス650の直径が小さいことで、中央オリフィス650が、下流構成要素(バルブブロック、出力溶接部、マニホールド、リッドスタック等を含む)が更なる流量調整を全く必要とせずに変更又は交換することを可能にする受動流量制御装置として役立つことが可能になる。このような変更は、チョークプレート640の上流の圧力がガススプリッタ610とバルブブロック625の各接合部で同じままである限り、更なる流量調整なしに行うことができ、これは、各接合位置で中央オリフィス650を同じサイズに維持することによって達成され得る。中央オリフィス650によって提供されるチョークポイントは、チョークポイントを通って流れるガスの量が中央オリフィス650の上流の圧力にのみ依存するため、中央オリフィス650を通る流量は、単に上流の圧力の関数となる。
【0054】
[0068]Oリング又はガスケットが、システム600の各構成要素の間に着座していてよい。特に、Oリング又はガスケットは、様々なガスラインの結合部に着座していてよく、これにより、幾つかの実施形態では、構成要素の接続部が密閉され、ガス漏れの防止に役立ち得る。
【0055】
[0069]
図11は、本技術の幾つかの実施形態に係る半導体処理システム700の一実施形態を示す概略上面図である。図は、システム600を含む、図示し前述したシステムのいずれかの構成要素を含んでいてよく、また、前述したシステムのいずれかの更なる態様を示すことができる。また、図示は、上述の任意のクワドセクション109に見られるような例示的な構成要素を示し得ることを理解されたい。
【0056】
[0070]半導体処理システム700は、前述した第2のリッドプレート510と同様であってよいリッドプレート705を含み得る。例えば、リッドプレート705は、リッドプレートの下方に位置決めされた多数の処理チャンバへのアクセスを提供する、開孔512と同様の多数の開孔を画定し得る。システム700は、多数のガス源から上向きに延在する多数の入力溶接部715を含み得る。入力溶接部715は、ガススプリッタ710内に形成されたガスチャネルと結合する前に、フィードスループレート720を通過し得る、及び/又は他の方法でフィードスループレート720に取り付けられ得る。ガススプリッタ710は、各処理チャンバへのガス流、及び/又は迂回チャネルを通るガス流を制御する多数のバルブ727を含み得る多数のバルブブロック725に接合され得る。各バルブブロック725は、出力溶接部730を介して、多数の出力マニホールド735のうちの1つに流体的に結合され得る。各出力マニホールド735は、リッドプレート705に形成された開孔のうちの1つの上に位置決めされていてよく、各開孔の下方に位置決めされたリッドスタック及び処理チャンバの1又は複数の構成要素と流体連結していてよい。
【0057】
[0071]遠隔プラズマユニット760は、リッドプレート705の上で支持されていてよく、各出力マニホールド730に流体的に結合され得る。例えば、以下に更に説明するように、各出力マニホールド730は、マニホールドアセンブリを使用して遠隔プラズマユニット760に流体的に結合され得る中央開孔を画定し得る。遠隔プラズマユニット760は、支持プレート765の上に位置決めされ得る。多数の支持脚770が、リッドプレート705の上面と支持プレート765の底面との間に延在し、遠隔プラズマユニット760を各出力マニホールド730の上方の高さに上昇させることができる。支持脚770は、支持脚770がリッドプレート705の上面まで延在し得るように、ガススプリッタ710及びバルブブロック725の半径方向外側に位置決めされ得る。例えば、支持プレート765は、ガススプリッタ710及びバルブブロック725を越えて延在し、支持脚770に結合され得る第1の端部及び第2の端部を有し得る。支持プレート765の第1の端部は、単一の支持脚770によって支持され得る。支持プレート765の第2の端部は、互いに離れるように角度が付けられて中央間隙を画定する2つの突起767を含み得る。各突起767は、中央間隙がリッドプレート705の上面まで下向きに延在するように、別々の支持脚770に結合され得る。この中央間隙は、フィードスループレート720とガススプリッタ710との間に延在する入力溶接部715(及び場合によっては迂回溶接部)のためのアクセスを提供し得る。中央間隙はまた、ガス源と遠隔プラズマユニット760との間に延在する追加の入力溶接部719のための空間を提供し得る。例えば、アルゴン等の清浄ガスを、追加の入力溶接部719を介して遠隔プラズマユニット760に流す場合がある。
【0058】
[0072]上に示したように、遠隔プラズマユニット760は、マニホールドアセンブリを使用して各出力マニホールド730に流体的に結合され得る。遠隔プラズマユニット760は、膜堆積、チャンバ洗浄、及び/又は他の処理工程用の処理チャンバへのその後の供給のために、前駆体、プラズマ廃水、及び/又はパージガスを出力マニホールド730に提供し得る。マニホールドアセンブリは、遠隔プラズマユニット760のベースと結合し、遠隔プラズマユニット760の単一のガス入力部からの流れを、各出力マニホールド730への別々の流れに分離し得るセンターマニホールドを含み得る。センターマニホールドの各々分離したガス流は、出力マニホールド730のうちの1つへの専用流路の少なくとも一部を画定するサイドマニホールド775に結合され得る。幾つかの実施形態では、隔離バルブ790が、サイドマニホールド775及び出力マニホールド730の各々の間に位置決めされ得る。隔離バルブ790は、各処理チャンバに流体制御を提供するだけでなく、遠隔プラズマユニット760へのガスの逆流を防止し、様々な処理チャンバ間のクロストークを防止し得る。
【0059】
[0073]
図12は、支持プレート765を示す概略等角図である。前述したように、支持プレート765は、単一の突起767aを有する第1の端部と、互いに離れるように角度が付けられて中央間隙を画定する2つの突起767bを有する第2の端部とを含み得る。各突起767は、別々の支持脚に結合され得る。支持プレート765の中間部分は、センターマニホールドに取り付けられていてよい。例えば、支持プレート765の中間部分は、センターマニホールドのための座部769を画定し得る。座部769は、センターマニホールドの取り付けフランジを受容し得る凹部771を含み得る。凹部771は、センターマニホールドの本体を受け入れることができる中央開孔773を画定し得る。
【0060】
[0074]
図13は、本技術の幾つかの実施形態に係るセンターマニホールド780の一実施形態を示す概略等角図である。センターマニホールド780は、システム600及び700を含む先行する半導体処理システムのいずれかにおいて使用され得る。センターマニホールド780は、多数の開孔784を画定する本体782を含み得る。各開孔784は、本体782の異なる側面を貫通して延在していてよく、開孔784の数は、処理システムにおける出力マニホールドの数と等しくてよい。図示したように、本体782は、各々が開孔784を画定する4つの側面を有する。本体782はまた、本体782の上面を貫通して延在し、各開孔784と流体連結していてよい、垂直方向に配向された中央開孔786を画定し得る。本体782の上面は、取り付けフランジ788を含み得る。センターマニホールド780の本体782は、支持プレートの中央開孔(支持プレート765の中央開孔773等)内に挿入されていてよく、取り付けフランジ788は支持プレートの凹部(凹部771等)内に受け入れられる。取り付けフランジ788の上面は、次に、遠隔プラズマユニットの底面に結合され得る。遠隔プラズマユニットの出口は、出口を通して流されたガスが開孔784間で分割され、サイドマニホールド775等のサイドマニホールドを介して各出力マニホールドに供給されるように、中央開孔786にアライメントされ得る。
【0061】
[0075]
図14は、サイドマニホールド775を示す概略等角図である。サイドマニホールド775は、本体777の少なくとも一部を通って延在する流体管腔779を画定する本体777を含み得る。幾つかの実施形態では、流体管腔779の第1の端部は、本体777の近位端の垂直面を通って延在し、概ね水平方向に続いていてよい。流体管腔779は、流体管腔779の第2の端部が本体777の遠位端で水平面を通って延在するように曲がっていてよい。本体777の近位端は、サイドマニホールド775をセンターマニホールド780等のセンターマニホールドと結合させるために使用され得る第1の取り付けフランジ781を含んでいてよく、サイドマニホールド775の流体管腔779はセンターマニホールドの開孔にアライメントされている。本体777の遠位端は、サイドマニホールド775を出力マニホールド730及び/又は隔離バルブ790等の1又は複数の介在構成要素と結合させるために使用され得る第2の取り付けフランジ783を含んでいてよく、サイドマニホールド775の流体管腔779は、出力マニホールド730によって画定された開孔に流体的に結合されている。本体777はまた、1又は複数の冷却チャネル785を受容し得る凹部を画定し得る。例えば、流体管腔779の長さに沿って延在すると共に、第1の取り付けフランジ781及び第2の取り付けフランジ783の各々内の流体管腔を少なくとも部分的に囲む冷却ライン785である。本体777は、流体源からの冷却液を冷却ライン785を通して循環させることができる2つ以上の流体ポート787を含み得る、及び/又はそれに結合され得る。例えば、流体ポート787が、第1の取り付けフランジ781の上に位置決めされ得る。冷却液は、流体ポート787のうちの1つに入り、冷却チャネル785を通って、第1の取り付けフランジ781内の流体管腔779の第1の側面を下り、その周りを流れ得る。冷却液は、次に、第2の取り付けフランジ783内の流体管腔779の周りを流れる前に、本体777の長さに沿って流れ得る。冷却液は、冷却チャネル785の別の部分に沿って、逆の方法で他の流体ポート787に戻ることができる。冷却ラインの使用は、マニホールドアセンブリの適切な温度を維持する助けとなり得、マニホールドアセンブリを通したラジカル損失を低減させるのに役立ち得る。更に、各取り付けフランジを積極的に冷却することによって、センターマニホールド等の取り付けフランジに直接結合された構成要素も、冷却チャネル785を使用して冷却することができる。
【0062】
[0076]これまでの明細では、本技術の様々な実施形態の理解が得られるように、説明の目的で、多数の詳細を記載してきた。しかし、当業者であれば、これらの詳細の一部を省略して、又は追加の詳細を加えて、特定の実施形態を実施することができることは明らかであろう。
【0063】
[0077]幾つかの実施形態を開示してきたが、当業者であれば、実施形態の主旨から逸脱することなく、様々な変更、代替的な構成、及び等価物を使用することができることを認識するであろう。更に、本技術が不必要に不明瞭にならないように、多くのよく知られたプロセスや要素は説明していない。従って、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0064】
[0078]値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしていない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の最小部分までの各介在値もまた、具体的に開示されることを理解されたい。いずれかの記載された値又は記載された範囲の記載されていない介在値と、その記載された範囲の他のいずれかの記載された値又は介在値との間のいかなるより狭い範囲も含まれる。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれる又は除外される場合があり、より小さい範囲に一方、又は両方の限界値が含まれる、又はどちらも含まれない各範囲も、記載された範囲におけるいずれかの具体的に除外された限界値に従って、本技術に含まれる。記載された範囲に限界値の一方又は両方が含まれる場合、それら含まれる限界値の一方又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0065】
[0079]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形の参照を含む。従って、例えば、「ヒータ」への言及は、複数のそのようなヒータを含み、「開孔」への言及は、当業者に周知の1又は複数の開孔及びその同等物への言及等を含む。
【0066】
[0080]また、本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用する場合、「含む、備える(comprise)」、「含む、備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、及び「含む(including)」という用語は、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を指定するものであるが、1又は複数の他の特徴、整数、構成要素、工程、実施、又は群の存在又は追加を排除するものではない。
【国際調査報告】