(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-09
(54)【発明の名称】メタン改質用触媒及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 23/78 20060101AFI20231226BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20231226BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20231226BHJP
B01J 35/56 20240101ALI20231226BHJP
B01J 23/83 20060101ALI20231226BHJP
B01J 23/63 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B01J23/78 M
B01J37/08 ZAB
B01J37/02 301M
B01J35/04 331A
B01J23/83 M
B01J23/63 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539046
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 KR2022011080
(87)【国際公開番号】W WO2023068497
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0141052
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】スジ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヨン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ソン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・スン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】サンジン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ソジン・キム
【テーマコード(参考)】
4G169
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA08
4G169BA17
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC12A
4G169BC12B
4G169BC13A
4G169BC40A
4G169BC40B
4G169BC42A
4G169BC50A
4G169BC50B
4G169BC58A
4G169BC59A
4G169BC62A
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169BC70A
4G169BC70B
4G169BC71A
4G169CB81
4G169CC01
4G169CC17
4G169CC21
4G169CC25
4G169CC40
4G169DA06
4G169EA06
4G169EA18
4G169EB11
4G169EB12Y
4G169EB17Y
4G169EC23
4G169EC30
4G169FA01
4G169FA04
4G169FB23
4G169FB30
4G169FC08
(57)【要約】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、多孔性金属支持体;及び上記多孔性金属支持体に担持され、上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性金属支持体;及び
前記多孔性金属支持体に担持され、下記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分
からなる、メタン改質用触媒:
[化学式1]
Sr
1-xA
xTi
1-yB
yO
3-δ
前記化学式1において、
Aは、Y、La又はBaであり、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
xは、0以上1未満の実数であり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【請求項2】
前記化学式1は、下記化学式2で表されるものである、請求項1に記載のメタン改質用触媒:
[化学式2]
SrTi
1-yB
yO
3-δ
前記化学式2において、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【請求項3】
前記化学式1は、下記化学式3又は4で表されるものである、請求項1に記載のメタン改質用触媒:
[化学式3]
SrTi
1-yNi
yO
3-δ
[化学式4]
Sr
1-xY
xTi
1-yNi
yO
3-δ
前記化学式3及び4において、
xは、0超過1未満の実数であり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【請求項4】
前記多孔性金属支持体は、NiFeCrAl、NiCrAl、ステンレス鋼(stainless steel)及びインコネル(inconel)の中から選択される1種以上で構成されるものである、請求項1に記載のメタン改質用触媒。
【請求項5】
前記メタン改質用触媒の総重量を基準に、前記ペロブスカイト系触媒成分の含量は、3重量%~40重量%である、請求項1に記載のメタン改質用触媒。
【請求項6】
水蒸気改質工程(steam reforming)、二酸化炭素改質工程(CO
2 reforming)、触媒部分酸化工程(catalytic partial oxidation)、自己熱改質工程(autothermal reforming)、三重改質工程(tri-reforming)又は混合改質工程(mixed reforming)に適用されるものである、請求項1に記載のメタン改質用触媒。
【請求項7】
多孔性金属支持体;及び
前記多孔性金属支持体に担持された金属酸化物触媒を含み、
600℃以上の温度で、前記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、前記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である、触媒。
【請求項8】
前記金属酸化物触媒は、下記化学式5で表されるものである、請求項7に記載の触媒:
[化学式5]
A
xB
yO
3-δ
前記化学式5において、
Aは、Y、La、Ba及びSrの中から選択される1種以上であり、
Bは、Ni、Co、Fe、Ti、Mn、Cr、Mo、Ru及びRhの中から選択される1種以上であり、
xは、0超過1以下の実数であり、
yは、0超過1以下の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【請求項9】
下記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液を準備するステップ;
多孔性金属支持体に前記ペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液をコーティングするステップ;並びに
乾燥及び焼成するステップ
を含む、メタン改質用触媒の製造方法:
[化学式1]
Sr
1-xA
xTi
1-yB
yO
3-δ
前記化学式1において、
Aは、Y、La又はBaであり、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
xは、0以上1未満の実数であり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【請求項10】
前記化学式1は、下記化学式2で表されるものである、請求項9に記載のメタン改質用触媒の製造方法:
[化学式2]
SrTi
1-yB
yO
3-δ
前記化学式2において、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【請求項11】
前記化学式1は、下記化学式3又は4で表されるものである、請求項9に記載のメタン改質用触媒の製造方法:
[化学式3]
SrTi
1-yNi
yO
3-δ
[化学式4]
Sr
1-xY
xTi
1-yNi
yO
3-δ
前記化学式3及び4において、
xは、0超過1未満の実数であり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【請求項12】
前記多孔性金属支持体は、NiFeCrAl、NiCrAl、ステンレス鋼(stainless steel)及びインコネル(inconel)の中から選択される1種以上で構成されるものである、請求項9に記載のメタン改質用触媒の製造方法。
【請求項13】
金属酸化物触媒の前駆体溶液を準備するステップ;
多孔性金属支持体に前記金属酸化物触媒の前駆体溶液をコーティングするステップ;並びに
乾燥及び焼成して、前記多孔性金属支持体に金属酸化物触媒が担持された触媒を製造するステップを含み、
600℃以上の温度で、前記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、前記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である、触媒の製造方法。
【請求項14】
前記金属酸化物触媒は、下記化学式5で表されるものである、請求項13に記載の触媒の製造方法:
[化学式5]
A
xB
yO
3-δ
前記化学式5において、
Aは、Y、La、Ba及びSrの中から選択される1種以上であり、
Bは、Ni、Co、Fe、Ti、Mn、Cr、Mo、Ru及びRhの中から選択される1種以上であり、
xは、0超過1以下の実数であり、
yは、0超過1以下の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年10月21日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0141052号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、メタン改質用触媒及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
地球温暖化による温室効果ガス削減活動の一部として、二酸化炭素転換技術に関する研究が多く進行中にある。二酸化炭素転換技術の一つである二酸化炭素改質反応は、メタンと二酸化炭素とを反応させて水素と一酸化炭素からなる合成ガスを得る技術である。
【0004】
合成ガスは、多様なダウンストリームの原料として開発価値の高い物質である。合成ガス(H2/CO)を工業的に得ることができる方法として、天然ガスの改質反応は、大きく下記反応式1~5のような水蒸気改質工程(steam reforming)、二酸化炭素改質工程(CO2 reforming)、触媒部分酸化工程(catalytic partial oxidation)、自己熱改質工程(autothermal reforming)、三重改質工程(tri-reforming)などに分類することができる。
[反応式1]
CH4+H2O → 3H2+CO △H=226kJ/mol
[反応式2]
CH4+CO2 → 2H2+2CO △H=261kJ/mol
[反応式3]
CH4+0.5O2 → 2H2+CO △H=-44kJ/mol
[反応式4]
自己熱改質工程(autothermal reforming):反応式1+反応式3
[反応式5]
三重改質工程(tri-reforming):反応式1+反応式2+反応式3
【0005】
一方、上記改質工程には、改質活性のために種々の触媒が使用されることができる。 この中で、改質工程に貴金属触媒を使用する場合、ニッケル基盤触媒に比べて相対的に炭素沈積が少なく発生して反応効率が高いという長所があるが、貴金属触媒が高価であることから、経済性が低下するという問題がある。
【0006】
これによって、改質工程において比較的に安価なニッケル触媒が主に使用されている。特に、上記ニッケル触媒として、アルミナのような支持体にニッケル金属を担持させた触媒が商用触媒として多く使用されているが、このような場合には、ニッケル触媒の表面に必然的に生成される炭素によってニッケル触媒が非活性化されるという問題がある。
【0007】
したがって、当該技術分野においては、炭素沈積に抵抗性を有し、メタンの改質工程に効果的に適用することができる触媒の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願は、メタン改質用触媒及びその製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の一実施態様は、
多孔性金属支持体;及び
上記多孔性金属支持体に担持され、下記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分
からなる、メタン改質用触媒を提供する。
[化学式1]
Sr1-xAxTi1-yByO3-δ
上記化学式1において、
Aは、Y、La又はBaであり、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
xは、0以上1未満の実数であり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0010】
また、本出願の他の実施態様は、
多孔性金属支持体;及び
上記多孔性金属支持体に担持された金属酸化物触媒を含み、
600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である、触媒を提供する。
【0011】
また、本出願の他の実施態様は、
上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液を準備するステップ;
多孔性金属支持体に上記ペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液をコーティングするステップ;並びに
乾燥及び焼成するステップ
を含む、メタン改質用触媒の製造方法を提供する。
【0012】
また、本出願の他の実施態様は、
金属酸化物触媒の前駆体溶液を準備するステップ;
多孔性金属支持体に上記金属酸化物触媒の前駆体溶液をコーティングするステップ;並びに
乾燥及び焼成して、上記多孔性金属支持体に金属酸化物触媒が担持された触媒を製造するステップを含み、
600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である、触媒の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分を別途のバインダーなしに直接多孔性金属支持体上にコーティングして、ペロブスカイトナノ粒子の形態に形成されることができる。これによって、メタン改質用触媒の活性表面積が増加することができるという特徴がある。
【0014】
また、本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、熱伝導度の高い多孔性金属支持体に触媒成分を直接担持させるので、メタン改質反応時に高い空間速度でも良い活性を示すことができ、炭素沈積や焼結現象なしに長時間安定的な駆動が可能であるという特徴がある。
【0015】
また、本出願の一実施態様に係る触媒は、600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値が、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である特性を有することで、別途の添加剤なしに多孔性金属支持体に金属酸化物触媒を直接担持させることができる。よって、高温の炭化水素反応でも、触媒の活性減少なしに長時間運転が可能であり、高い空間速度でもコークの沈積や触媒成分の焼結現象なしに安定的な運転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本出願の実施例1に係るメタン改質用触媒の表面の電子顕微鏡写真を示す図である。
【
図2】本出願の実施例1に係るメタン改質用触媒の断面の電子顕微鏡写真を示す図である。
【
図3】本出願の実施例22に係る触媒の表面の電子顕微鏡写真を示す図である。
【
図4】本出願の比較例12に係る触媒の表面の電子顕微鏡写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0018】
本明細書において、ある部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これはある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた別の部材が存在する場合も含む。
【0019】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0020】
現在、改質器分野で多く使用されている触媒の場合、一般的に、粉末状(powder) 触媒とペレット状(pellet)支持体触媒が主になっている。上記粉末状触媒の場合には、触媒の分散度に優れて性能に優れるが、これを直接的に産業に使用するのは困難である。例えば、上記粉末状触媒を使用して改質器を駆動させる場合には、触媒が反応後に生成される物質と共に出るようになるが、このとき出口部分の流管に粉末形態の触媒が次第に累積して、最終的には管全体が詰まってしまう現象が発生し得る。よって、産業に使用される商用化された改質器には粉末状触媒を使用することができないという短所がある。
【0021】
また、上記ペレット状支持体触媒の場合には、現在産業用改質器に多く使用されている。物質伝達速度の限界のため、触媒性能だけからすると、粉末状触媒よりも性能は劣るが、支持体を使用したので、長時間使用が可能であるという長所が存在する。しかしながら、上記ペレット状支持体触媒として多く使用されるγ-Al2O3ペレットの場合には、構造的強度が弱くてよく砕けることがあり、これによって反応器内に差圧を発生させるという短所がある。また、上記ペレット状支持体触媒の特性上、体積が大きくて高容量の改質器に使用する場合には、その体積がかなり大きくなる。また、すべての改質反応は反応温度に敏感になるが、既存のペレット状触媒の場合には、熱伝導度が大きく低下して反応器全般にまんべんなく熱が分布されないという短所がある。
【0022】
そこで、本出願では、熱及び物質伝達速度が高い多孔性金属支持体に触媒をコーティングする方法を通じて、粉末状の短所である流管詰まりの現象のみならず、粉末状とペレット状の共通的な短所である熱及び物質伝達速度を改善しようとした。
【0023】
そこで、本出願においては、長時間安定的に高い活性を維持することができるメタン改質用触媒を提供しようとする。
【0024】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、多孔性金属支持体;及び上記多孔性金属支持体に担持され、下記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分からなる。
[化学式1]
Sr1-xAxTi1-yByO3-δ
上記化学式1において、
Aは、Y、La又はBaであり、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
xは、0以上1未満の実数であり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0025】
本出願の一実施態様において、上記化学式1は、下記化学式2で表されることができるが、これにのみ限定されるものではない。
[化学式2]
SrTi1-yByO3-δ
上記化学式2において、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0026】
本出願の一実施態様において、上記化学式1は、下記化学式3又は4で表されることができるが、これにのみ限定されるものではない。
[化学式3]
SrTi1-yNiyO3-δ
[化学式4]
Sr1-xYxTi1-yNiyO3-δ
上記化学式3及び4において、
xは、0超過1未満の実数であり、
yは、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0027】
本出願の一実施態様において、上記多孔性金属支持体は、800℃以上の高温で熱的安定性を維持することができる材料で構成されることができる。
【0028】
本出願の一実施態様において、上記多孔性金属支持体は、NiFeCrAl、NiCrAl、ステンレス鋼(stainless steel)及びインコネル(inconel)の中から選択される1種以上で構成されることができる。
【0029】
上記多孔性金属支持体は、多様な形状を有する支持体であって、熱容量が小さく熱伝達能力に優れて、所望の形状に成形して使用することができる。上記多孔性金属支持体の形態、大きさなどは特に制限されず、上記多孔性金属支持体の気孔率は、10%~99%であってもよく、好ましくは50%~96%であってもよい。また、上記多孔性金属支持体の平均気孔サイズは、150μm~3,000μmであってもよく、400μm~2,000μmであってもよく、600μm~1,700μmであってもよい。上記多孔性金属支持体は、上述した多孔性金属支持体の材料、気孔サイズ、気孔率などを考慮して、当該技術分野に知られている方法を用いて当業者が適宜製造することができる。本出願の一実施態様によれば、後述する実施例のように多様な材料、気孔サイズなどを有する多孔性金属支持体を適用することができる。
【0030】
本出願の一実施態様において、上記メタン改質用触媒の総重量を基準に、上記ペロブスカイト系触媒成分の含量は、3重量%~40重量%であってもよく、6重量%~35重量%であってもよく、7重量%~30重量%であってもよい。上記メタン改質用触媒の総重量を基準に、上記ペロブスカイト系触媒成分の含量が3重量%未満の場合には、触媒表面に活性点が相対的に少ないという理由で反応性が低下するおそれがあるので、好ましくない。また、上記触媒成分の含量が40重量%を超過する場合には、上記多孔性金属支持体に比べて相対的に多量の触媒成分を含有するようになって、気孔構造を維持し難く、触媒成分と多孔性金属支持体との結合が容易でないこともあり、これによってメタン改質反応の実益が少なくなるおそれがある。
【0031】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分を別途のバインダーなしに直接多孔性金属支持体上にコーティングして、ペロブスカイトナノ粒子の形態に形成されることができる。これによって、メタン改質用触媒の活性表面積が増加することができるという特徴がある。
【0032】
本出願の一実施態様において、上記メタン改質用触媒は、水蒸気改質工程(steam reforming)、二酸化炭素改質工程(CO2 reforming)、触媒部分酸化工程(catalytic partial oxidation)、自己熱改質工程(autothermal reforming)、三重改質工程(tri-reforming)又は混合改質工程(mixed reforming)に適用されることができ、 メタン改質工程が特に限定されるものではない。
【0033】
また、本出願においては、高温の触媒反応に適用できるように、ハニカムやペレット担体のような機械的強度を有し、見掛け密度が低くて重量増大の問題もなく、気孔率に優れて圧力損失が小さい金属発泡体のような多孔性金属支持体を触媒の担体として適用した。また、上記多孔性金属支持体に触媒成分の安定的な導入のために、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値と類似した熱膨脹係数(coefficient of thermal expansion, CTE)値を有する金属酸化物触媒を担持させた。
【0034】
本出願の一実施態様に係る触媒は、多孔性金属支持体;及び上記多孔性金属支持体に担持された金属酸化物触媒を含み、600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である。
【0035】
本出願の一実施態様に係る触媒において、上記多孔性金属支持体に関する内容は上述した通りである。
【0036】
本出願の一実施態様において、600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である。特に、800℃~900℃の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の86%~100%であってもよい。上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値が上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%未満であるか100%を超過する場合には、上記多孔性金属支持体と金属酸化物触媒との間の熱膨脹係数値の差が大きくて、冷却/加熱過程で金属酸化物触媒が多孔性金属支持体から離れることがある。また、上記多孔性金属支持体と金属酸化物触媒との間の熱膨脹係数値の差が大きくて、触媒内にクラックが発生することがあり、これによって触媒の安定的な構造を維持することができない。
【0037】
上記熱膨脹係数値は、当該技術分野に知られている方法を用いて測定することができる。より具体的に、上記熱膨脹係数値は、熱機械分析装置(Thermal Mechanical Analyzer, TMA)、ディラトメーター(dilatometer)などを用いて測定することができる。TMA又はディラトメーターは、試料のサイズ変化、体積変化を、時間、温度、及び力に関する関数で測定する機器である。
【0038】
上述のように、本出願の一実施態様に係る触媒は、600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値が、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%であるという特性を有することで、別途の添加剤なしに多孔性金属支持体に金属酸化物触媒を直接担持させることができる。よって、上記触媒は、上記多孔性金属支持体;及び上記多孔性金属支持体に直接担持された金属酸化物触媒のみからなることができ、別途の添加剤を含まなくてもよい。
【0039】
本出願の一実施態様において、上記金属酸化物触媒は、下記化学式5で表されることができる。
[化学式5]
AxByO3-δ
上記化学式5において、
Aは、Y、La、Ba及びSrの中から選択される1種以上であり、
Bは、Ni、Co、Fe、Ti、Mn、Cr、Mo、Ru及びRhの中から選択される1種以上であり、
xは、0超過1以下の実数であり、
yは、0超過1以下の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0040】
本出願の一実施態様において、上記化学式5は、下記化学式6で表されることができるが、これにのみ限定されるものではない。
[化学式6]
Sr1-x’A’x’Ti1-y’B’y’O3-δ
上記化学式6において、
A’は、Y、La又はBaであり、
B’は、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
x’は、0以上1未満の実数であり、
y’は、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0041】
本出願の一実施態様において、上記化学式5は、下記化学式7で表されることができるが、これにのみ限定されるものではない。
[化学式7]
SrTi1-y’By’O3-δ
上記化学式7において、
Bは、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、Mo、Ru又はRhであり、
y’は、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0042】
本出願の一実施態様において、上記化学式5は、下記化学式8又は9で表されることができるが、これにのみ限定されるものではない。
[化学式8]
SrTi1-yNiyO3-δ
[化学式9]
Sr1-x’Yx’Ti1-y’Niy’O3-δ
上記化学式8及び9において、
x’は、0以上1未満の実数であり、
y及びy’は、0超過0.5未満の実数であり、
δは、0超過1未満の実数である。
【0043】
本出願の一実施態様において、上記触媒の総重量を基準に、上記金属酸化物触媒の含量は、3重量%~40重量%であってもよく、6重量%~35重量%であってもよく、7重量%~30重量%であってもよい。上記触媒の総重量を基準に、上記金属酸化物触媒の含量が3重量%未満の場合には、触媒表面に活性点が相対的に少ないという理由で反応性が低下するおそれがあるので、好ましくない。また、上記金属酸化物触媒の含量が40重量%を超過する場合には、上記多孔性金属支持体に比べて相対的に多量の触媒成分を含むようになって、気孔構造を維持し難く、触媒成分と多孔性金属支持体との結合が容易でないこともあり、これによって炭化水素の反応の実益が少なくなるおそれがある。
【0044】
本出願の一実施態様に係る触媒は、炭化水素の改質反応、クラッキング反応、酸化反応、部分酸化反応又は水素化反応に適用されることができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0045】
特に、本出願の一実施態様に係る触媒は、メタンの改質反応に適用されることができ、上記メタンの改質反応は、水蒸気改質工程(steam reforming)、二酸化炭素改質工程(CO2 reforming)、触媒部分酸化工程(catalytic partial oxidation)、自己熱改質工程(autothermal reforming)、三重改質工程(tri-reforming)又は混合改質工程(mixed reforming)を含むことができる。
【0046】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒の製造方法は、上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液を準備するステップ;多孔性金属支持体に上記ペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液をコーティングするステップ;並びに乾燥及び焼成するステップを含む。
【0047】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒の製造方法において、多孔性金属支持体、ペロブスカイト系触媒成分などに関する内容は上述した通りである。
【0048】
特に、本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒の製造方法においては、別途のバインダーなしに多孔性金属支持体にペロブスカイト系触媒成分を直接コーティングさせることができる。
【0049】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒の製造方法は、上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液を準備するステップを含む。
【0050】
上記ペロブスカイト系触媒成分の前駆体は、上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分を構成する金属の前駆体であって、その含量を調節して化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分の金属モル比を調節することができる。また、上記金属の前駆体としては、特に制限がなく、上記金属元素のアンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、又はこれらの混合物を組み合わせて適用することができる。
【0051】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒の製造方法は、多孔性金属支持体に上記ペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液をコーティングするステップを含む。 上記コーティング方法は、当該技術分野に知られている方法を用いることができ、例えば、ディップコーティング(dip-coating)、ウォッシュコーティング(wash-coating)などを用いることができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0052】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒の製造方法は、多孔性金属支持体に上記ペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液をコーティングするステップ後に、乾燥及び焼成するステップを含む。上記乾燥は、50℃~200℃の温度で1時間~48時間の間行われることができ、60℃~150℃の温度で5時間~36時間の間行われることができるが、これにのみ限定されるものではない。また、上記焼成は、空気雰囲気下で350℃~1,100℃の温度で1時間~10時間の間行われることができ、空気雰囲気下で500℃~1,000℃の温度で1.5時間~8時間の間行われることができるが、これにのみ限定されるものではない。
【0053】
本出願の一実施態様において、上記乾燥及び焼成するステップ後に、多孔性金属支持体に担持された触媒の重さを測定するステップをさらに含むことができる。また、上記多孔性金属支持体に担持された触媒の重さを測定することで、所望の触媒の量が多孔性金属支持体に担持されるまで上述した多孔性金属支持体に上記ペロブスカイト系触媒成分の前駆体を含む溶液をコーティングするステップ;並びに乾燥及び焼成するステップを1回~20回繰り返し行うことができる。
【0054】
本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、熱伝導度の高い多孔性金属支持体に触媒成分を担持させるので、メタン改質反応時に高い空間速度でも良い活性を示すことができ、炭素沈積や焼結現象なしに長時間安定的な駆動が可能であるという特徴がある。
【0055】
また、本出願の一実施態様に係る触媒の製造方法は、上記金属酸化物触媒の前駆体溶液を準備するステップ;多孔性金属支持体に上記金属酸化物触媒の前駆体溶液をコーティングするステップ;並びに乾燥及び焼成して、上記多孔性金属支持体に金属酸化物触媒が担持された触媒を製造するステップを含み、600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値は、上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である。
【0056】
本出願の一実施態様に係る触媒の製造方法において、多孔性金属支持体、金属酸化物触媒、乾燥及び焼成などに関する内容は、上述した通りである。
【0057】
本出願の一実施態様に係る触媒の製造方法において、上記多孔性金属支持体に上記金属酸化物触媒の前駆体溶液をコーティングするステップは、ゾル-ゲル(sol-gel) コーティング工程で行われることができる。
【0058】
上記金属酸化物触媒の前駆体は、上記金属酸化物触媒を構成する金属の前駆体であって、その含量を調節して金属酸化物触媒の金属モル比を調節することができる。また、上記金属の前駆体としては、特に制限がなく、上記金属元素のアンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、又はこれらの混合物を組み合わせて適用することができる。
【実施例】
【0059】
以下、本出願を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明する。ところが、本出願に係る実施例は、種々の異なる形態に変形されることができ、本出願の範囲が、以下に詳述する実施例に限定されるものとは解釈されない。本出願の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本出願をより完全に説明するために提供されるものである。
【0060】
<実施例>
<実施例1> SrTi0.97Ni0.03O3-δ/NiCrAl
ペロブスカイト触媒成分の前駆体を含む溶液は、クエン酸法を通じて製造した。硝酸ストロンチウム(Sr(NO3)3H2O)と硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)をクエン酸、エチレングリコールとともに蒸留水に溶解させた。チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)をエタノールに溶解させた後、両溶液を70℃で混合した。その後、3時間撹拌後、常温に冷却して保管した。このとき、上記溶液の濃度は0.1Mであり、ニッケルはチタンに対し3mol%含まれている。
【0061】
多孔性金属支持体(NiCrAl、平均気孔サイズ:1,200μm)に上記製造したペロブスカイト触媒成分の前駆体を含む溶液が担持され得るようにディップコーティングを行い、その後150℃で24時間乾燥し、900℃、空気(air)雰囲気で3時間の間熱処理を進行した。この過程を数回繰り返して、最終的に多孔性金属支持体にSrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0062】
本出願の実施例1に係るメタン改質用触媒の表面の電子顕微鏡写真を下記
図1に示す。また、本出願の実施例1に係るメタン改質用触媒の断面の電子顕微鏡写真を下記
図2に示す。
【0063】
上記触媒担持量は、下記数式1で計算されることができる。
[数式1]
触媒担持量(重量%)=(触媒総重量-多孔性金属支持体重量)/(触媒総重量) ×100
【0064】
<実施例2> SrTi0.95Ni0.05O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し5mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例1と同様に行って、多孔性金属支持体にSrTi0.95Ni0.05O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.95Ni0.05O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0065】
<実施例3> SrTi0.90Ni0.10O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し10mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例1と同様に行って、多孔性金属支持体にSrTi0.90Ni0.10O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.90Ni0.10O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0066】
<実施例4> SrTi0.85Ni0.15O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し15mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例1と同様に行って、多孔性金属支持体にSrTi0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0067】
<実施例5> SrTi0.80Ni0.20O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し20mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例1と同様に行って、多孔性金属支持体にSrTi0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0068】
<実施例6> Sr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ/NiCrAl
硝酸イットリウム(Y(NO3)2)をストロンチウムに対し8mol%追加して使用したこと以外には、上記実施例1と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0069】
<実施例7> Sr0.92Y0.08Ti0.95Ni0.05O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し5mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例6と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.95Ni0.05O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.95Ni0.05O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0070】
<実施例8> Sr0.92Y0.08Ti0.90Ni0.10O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し10mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例6と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.90Ni0.10O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.90Ni0.10O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0071】
<実施例9> Sr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し15mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例6と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10 重量%であった。
【0072】
<実施例10> Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ/NiCrAl
ニッケル含量をチタンに対し20mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例6と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0073】
<実施例11> Sr0.96Y0.04Ti0.80Ni0.20O3-δ/NiCrAl
硝酸イットリウム(Y(NO3)2)をストロンチウムに対し4mol%追加して使用したこと以外には、上記実施例10と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.96Y0.04Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.96Y0.04Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0074】
<実施例12> Sr0.88Y0.12Ti0.80Ni0.20O3-δ/NiCrAl
硝酸イットリウム(Y(NO3)2)をストロンチウムに対し12mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例10と同様に行って、多孔性金属支持体に Sr0.88Y0.12Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.88Y0.12Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0075】
<実施例13> Sr0.84Y0.16Ti0.80Ni0.20O3-δ/NiCrAl
硝酸イットリウム(Y(NO3)2)をストロンチウムに対し16mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例10と同様に行って、多孔性金属支持体に Sr0.84Y0.16Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.84Y0.16Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0076】
<実施例14> Sr0.92Y0.08Ti0.90Ru0.10O3-δ/NiCrAl
硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)の代わりにルテニウムクロリド(RuCl3)をチタンに対し10mol%で使用したこと以外には、上記実施例8と同様に行って、 多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.90Ru0.10O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.90Ru0.10O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0077】
<実施例15> Sr0.92Y0.08Ti0.85Ru0.15O3-δ/NiCrAl
ルテニウムクロリド(RuCl3)をチタンに対し15mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例14と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.85Ru0.15O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.85Ru0.15O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0078】
<実施例16> Sr0.92Y0.08Ti0.80Ru0.20O3-δ/NiCrAl
ルテニウムクロリド(RuCl3)をチタンに対し20mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例14と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.80Ru0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.80Ru0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0079】
<実施例17> Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ/NiCrAl_800
多孔性金属支持体としてNiCrAl(平均気孔サイズ:1,200μm)の代わりにNiCrAl_800(平均気孔サイズ:800μm)を使用したこと以外には、上記実施例10と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0080】
<実施例18> Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ/NiCrAl_1500
多孔性金属支持体としてNiCrAl(平均気孔サイズ:1,200μm)の代わりにNiCrAl_1500(平均気孔サイズ:1,500μm)を使用したこと以外には、上記実施例10と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0081】
<実施例19> Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ/NiFeCrAl
多孔性金属支持体としてNiCrAl(平均気孔サイズ:1,200μm)の代わりにNiFeCrAl(平均気孔サイズ:1,200μm)を使用したこと以外には、上記実施例10と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.80Ni0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0082】
<実施例20> Sr0.92Y0.08Ti0.80Ru0.20O3-δ/NiFeCrAl
多孔性金属支持体としてNiCrAl(平均気孔サイズ:1,200μm)の代わりにNiFeCrAl(平均気孔サイズ:1,200μm)を使用したこと以外には、上記実施例16と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.80Ru0.20O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.80Ru0.20O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0083】
<比較例1> SrTi0.97Ni0.03O3-δ/Al2O3
支持体として多孔性金属支持体(NiCrAl)の代わりにAl2O3を使用したこと以外には、上記実施例1と同様に行って、Al2O3にSrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0084】
<比較例2> Sr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ/Al2O3
支持体として多孔性金属支持体(NiCrAl)の代わりにAl2O3を使用したこと以外には、上記実施例6と同様に行って、Al2O3にSr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0085】
<比較例3> SrTi0.97Ni0.03O3-δ(パウダー)
硝酸ストロンチウム(Sr(NO3)3H2O)と硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)をクエン酸、エチレングリコールとともに蒸留水に溶解させた。チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)をエタノールに溶解させた後、両溶液を70℃で混合した。30分撹拌後、100℃に昇温して3時間撹拌した。このとき、上記溶液の濃度は0.1Mであり、ニッケルはチタンに対し3mol%含まれている。その後、150℃に昇温して24時間乾燥した。乾燥体は、350℃、空気(air)雰囲気で3時間の間熱処理を行った後、グラインディングを進行した。その後、さらに900℃、空気(air)雰囲気で3時間の間熱処理を進行した。最終的にパウダー(powder)状のSrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)触媒を製造した。
【0086】
<比較例4> Sr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ(パウダー)
硝酸イットリウム(Y(NO3)2)をストロンチウムに対し8mol%追加して使用したこと以外には、上記比較例3と同様に行って、最終的にパウダー(powder)状 のSr0.92Y0.08Ti0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)触媒を製造した。
【0087】
<比較例5>
多孔性金属支持体(NiCrAl、平均気孔サイズ:1,200μm)を単独で比較例5として使用した。
【0088】
<比較例6>
多孔性金属支持体(NiFeCrAl、平均気孔サイズ:1,200μm)を単独で比較例6として使用した。
【0089】
<比較例7> SrTi0.97Ni0.03O3-δ/Al2O3/NiCrAl
Al2O3分散溶液を使用してAl2O3が15重量%となるように第1の溶液を製造した。
【0090】
ペロブスカイト触媒成分の前駆体を含む溶液は、実施例1と同様に製造し、第2の溶液と呼ぶ。
【0091】
多孔性金属支持体(NiCrAl、平均気孔サイズ:1,200μm)に上記第1の溶液が担持され得るようにディップコーティングを行い、その後150℃で24時間乾燥し、900℃、空気(air)雰囲気で3時間の間熱処理を進行した。その後、上記第1の溶液のAl2O3が担持された多孔性金属支持体に上記第2の溶液が担持され得るようにディップコーティングを行い、その後150℃で24時間乾燥し、900℃、空気(air)雰囲気で3時間の間熱処理を進行した。この過程を数回繰り返して、最終的に多孔性金属支持体にAl2O3及びSrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)の担持量は、10重量%であった。
【0092】
<比較例8> SrTi0.97Ni0.03O3-δ/メチルセルロース(Methyl Cellulose)/NiCrAl
上記第1の溶液製造のとき、Al2O3の代わりにメチルセルロース(Methyl Cellulose)を使用したこと以外には、上記比較例7と同様に行った。
【0093】
<実験例1> メタンの改質反応評価
メタンの乾式改質反応を行うために、固定層反応システムを導入した。石英管(Quartz tube)反応器(内部直径=1/2inch、長さ=50cm)を使用して、実施例及び比較例のそれぞれの触媒(約2.5g)を充填させた。まず10%H2/N2の条件下で800℃において2時間の間還元過程を経た後、100時間の間触媒反応を進行した。
【0094】
ガス組成:CH4:CO2:N2=1:1.2:0.96
流量:WHSV(Weight Hour Space Velocity)=30,000h-1
反応温度:800℃
反応圧力:1bar
ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて生成ガス組成を分析して、100時間反応後の反応転換率を計算し、下記表1に示す。
転換率(Xi,%)=[(Fiin-Fiout)/Fiin]×100
(Fi=iの流量)
【0095】
<GC分析条件>
1)GCモデル:Agilent 6890
2)オーブン温度:40℃/7分-90℃/5分-180℃/6分
3)検出器:TCD、250℃
4)サンプルループ:0.25mL
5)バルブボックス温度:150℃
【0096】
【0097】
上記結果のように、実施例及び比較例を比較するとき、本願発明に係る多孔性金属支持体及び化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分からなるメタン改質用触媒は、従来のAl2O3を支持体として適用した触媒(比較例1~2)、ペロブスカイト系触媒成分を単独で適用した触媒(比較例3~4)及び多孔性金属支持体を単独で適用した触媒(比較例5~6)に比べて、CH4転換率及びCO2転換率がいずれも優れていることを確認することができる。多孔性金属支持体を活用して活性表面を極大化し、ペロブスカイト系触媒成分を担持して炭素沈積を最小限に抑えた効果とみられる。
【0098】
また、従来のAl2O3を支持体として適用した触媒を多孔性金属支持体に追加で担持した触媒(比較例7)とメチルセルロース(Methyl Cellulose)のような有機バインダーを用いて多孔性金属支持体にペロブスカイト系触媒成分を担持させた触媒(比較例8)の場合にも、本願発明に係るメタン改質用触媒よりもCH4転換率及びCO2転換率が顕著に低いことを確認することができる。
【0099】
したがって、本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、上記化学式1で表されるペロブスカイト系触媒成分を別途のバインダーなしに直接多孔性金属支持体上にコーティングしてペロブスカイトナノ粒子の形態に形成されることができる。これによって、メタン改質用触媒の活性表面積が増加することができるという特徴がある。
【0100】
また、本出願の一実施態様に係るメタン改質用触媒は、熱伝導度の高い多孔性金属支持体に触媒成分を担持させるので、メタン改質反応時に高い空間速度でも良い活性を示すことができ、炭素沈積や焼結現象なしに長時間安定的な駆動が可能であるという特徴がある。
【0101】
<実施例21> SrTi0.97Ni0.03O3-δ/NiCrAl
金属酸化物触媒の前駆体溶液は、クエン酸法(ペチーニ法、Pechini method)を通じて製造した。硝酸ストロンチウム(Sr(NO3)3H2O)と硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)をクエン酸とともに蒸留水に溶解させた。チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)をエチレングリコールに溶解させた後、両溶液を70℃~90℃で混合した。その後、透明な溶液を得た後、常温に冷却して保管した。このとき、上記溶液の濃度は0.1Mであり、ニッケルはチタンに対し3mol%含まれている。
【0102】
多孔性金属支持体(NiCrAl、気孔サイズ:1,200μm)に上記製造した金属酸化物触媒の前駆体溶液が担持され得るようにコーティングを行い、その後70℃で24時間乾燥し、900℃、空気(air)雰囲気で3時間の間熱処理を進行した。この過程を数回繰り返して、最終的に多孔性金属支持体にSrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)の担持量は、15重量%であった。
【0103】
上記触媒担持量は、下記数式1で計算されることができる。
[数式1]
触媒担持量(重量%)=(触媒総重量-多孔性金属支持体重量)/(触媒総重量) ×100
【0104】
<実施例22> Sr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ/NiCrAl
硝酸イットリウム(Y(NO3)2)をストロンチウムに対し8mol%追加し、ニッケル含量をチタンに対し15mol%に増加させて使用したこと以外には、上記実施例21と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)の担持量は、15重量%であった。
【0105】
上記実施例22に係る触媒の表面の電子顕微鏡写真を下記
図3に示す。
【0106】
<実施例23> Sr0.92Y0.08Ti0.85Ru0.15O3-δ/NiCrAl
硝酸イットリウム(Y(NO3)2)をストロンチウムに対し8mol%追加し、硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)の代わりにルテニウムクロリド(RuCl3)をチタンに対し15mol%で使用したこと以外には、上記実施例21と同様に行って、多孔性金属支持体にSr0.92Y0.08Ti0.85Ru0.15O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.85Ru0.15O3-δ(0<δ<1)の担持量は、15重量%であった。
【0107】
<比較例9> SrTi0.97Ni0.03O3-δ/Al2O3
多孔性金属支持体(NiCrAl、気孔サイズ:1,200μm)の代わりにAl2O3を支持体として適用したこと以外には、上記実施例21と同様に行って、Al2O3にSrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTi0.97Ni0.03O3-δ(0<δ<1)の担持量は、15重量%であった。
【0108】
<比較例10> Sr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ/Al2O3
多孔性金属支持体(NiCrAl、気孔サイズ:1,200μm)の代わりにAl2O3を支持体として適用したこと以外には、上記実施例22と同様に行って、Al2O3にSr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、Sr0.92Y0.08Ti0.85Ni0.15O3-δ(0<δ<1)の担持量は、15重量%であった。
【0109】
<比較例11>SrTiO3/NiCrAl
金属酸化物触媒の前駆体溶液は、クエン酸法を通じて製造した。硝酸ストロンチウム(Sr(NO3)3H2O)をクエン酸、エチレングリコールとともに蒸留水に溶解させた。チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)をエタノールに溶解させた後、両溶液を70℃で混合した。その後、3時間撹拌後、常温に冷却して保管した。このとき、上記溶液の濃度は0.1Mであった。
【0110】
多孔性金属支持体(NiCrAl、気孔サイズ:1,200μm)に上記製造した金属酸化物触媒の前駆体溶液が担持され得るようにコーティングを行い、その後、70℃で24時間乾燥し、900℃、空気(air)雰囲気で3時間の間熱処理を進行した。この過程を数回繰り返して、最終的に多孔性金属支持体にSrTiO3が担持された触媒を製造した。このとき、触媒総重量を基準に、SrTiO3の担持量は、15重量%であった。
【0111】
<比較例12> NiO2/Al2O3
硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)を蒸留水に溶解させた後、溶液滴下含侵法を用いてAl2O3支持体にNiO2を担持した。このとき、触媒総重量を基準に、NiO2の担持量は、15重量%であった。
【0112】
上記比較例12に係る触媒の表面の電子顕微鏡写真を下記
図4に示す。
【0113】
<比較例13>
多孔性金属支持体(NiCrAl、気孔サイズ:1,200μm)を単独で比較例13として使用した。
【0114】
<実験例2> 熱膨脹係数値評価
実施例21~23及び比較例9~11に適用された支持体と金属酸化物触媒との熱膨脹係数値を測定して、下記表2に記載する。
【0115】
上記熱膨脹係数値は、TMA装備(TA Instrument、Q400)を用い、荷重0.1N、N2 flow 100ml/分の測定条件下で測定した。
【0116】
【0117】
<実験例3> メタンの改質反応評価
メタンの乾式改質反応を行うために、固定層反応システムを導入した。石英管(Quartz tube)反応器(内部直径=1/2inch、長さ=50cm)を使用して、実施例及び比較例のそれぞれの触媒(約2.5g)を充填させた。まず10%H2/N2の条件下で800℃において2時間の間還元過程を経た後、100時間の間触媒反応を進行した。
【0118】
ガス組成:CH4:CO2:N2=1:1.12:0.96
流量:GHSV(Gas Hour Space Velocity、CH4基準)=1,000hr-1
~3,150hr-1
反応温度:800℃
反応圧力:1bar
ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて生成ガス組成を分析して、24時間反応後の反応転換率を計算し、下記表3に示す。
転換率(Xi,%)=[(Fiin-Fiout)/Fiin]×100
(Fi=iの流量)
【0119】
<GC分析条件>
1)GCモデル:Agilent 6890
2)オーブン温度:40℃/7min-90℃/5min-180℃/6min
3)検出器:TCD、250℃
4)サンプルループ:0.25mL
5)バルブボックス温度:150℃
【0120】
【0121】
上記結果のように、本出願の一実施態様に係る触媒は、メタンの改質反応時にメタン転換率及びCO2転換率がいずれも優れていることを確認することができる。
【0122】
本出願の一実施態様に係る触媒は、600℃以上の温度で、上記金属酸化物触媒の熱膨脹係数値が上記多孔性金属支持体の熱膨脹係数値の84%~100%である特性を有することで、別途の添加剤なしに多孔性金属支持体に金属酸化物触媒を直接担持させることができる。
【0123】
したがって、本出願の一実施態様によれば、高温の炭化水素反応でも触媒の活性減少なしに長時間運転が可能であり、高い空間速度でもコークの沈積や触媒成分の焼結現象なしに安定的な運転が可能である。
【国際調査報告】