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特表2024-500674ガス放電チャンバブロワのエネルギー消費量を低減すること
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ガス放電チャンバブロワのエネルギー消費量を低減すること
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/00 20060101AFI20231227BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H01S3/00 G
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535679
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 US2021062705
(87)【国際公開番号】W WO2022140074
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/129,122
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】モヘビ,モハマド,タギ
(72)【発明者】
【氏名】ミナカイス,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,スペンサー,ライアン
【テーマコード(参考)】
2H197
5F172
【Fターム(参考)】
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA20
2H197DA01
5F172AD02
5F172AD06
5F172EE22
5F172ZA02
5F172ZZ01
(57)【要約】
一部の一般的態様では、光源のための装置が、光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視するように構成された監視モジュールと、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワの動作速度を低下させるように構成されたデクリメントモジュールと、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度を上昇させるように構成されたインクリメントモジュールとを備える。ブロワは、エネルギーをガス混合物に供給するように構成されたエネルギー源からの利得媒体を含むガス混合物をガス放電チャンバ内で移動させるように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源のための装置であって、
前記光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視する監視モジュールと、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、前記光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワであって、エネルギーをガス混合物に供給するエネルギー源からの利得媒体を含む前記ガス混合物を前記ガス放電チャンバ内で移動させるブロワの動作速度を低下させるデクリメントモジュールと、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるインクリメントモジュールと、を備えた装置。
【請求項2】
前記ブロワの前記ベースライン速度が、前記ガス放電チャンバの使用年数と関連するものであり、前記ベースライン速度が、前記ガス放電チャンバが経時的に老朽化するにつれて変化する、請求項1の装置。
【請求項3】
前記1つ以上の動作状態のそれぞれが、前記光源に又は前記光源により生成される光ビームに関する性能測定基準によって定められる、請求項1の装置。
【請求項4】
前記1つ以上の性能測定基準が、前記光ビームと関連する波長ヒストグラム、前記光ビームと関連するエネルギードーズ誤差、前記光ビームと関連するエネルギー誤差、及び前記光源内の前記ガス放電チャンバの動作点を含む、請求項3の装置。
【請求項5】
関連性能測定基準の少なくとも1つがその性能測定基準の閾値範囲内にない場合に前記障害状況にフラグが立てられ、前記関連性能測定基準の全てがその対応する閾値範囲内にある場合に前記障害状況がクリアである、請求項3の装置。
【請求項6】
前記光源の前記動作状態の少なくとも1つが、前記ブロワの前記動作速度が前記関連性能測定基準の値が前記性能測定基準の閾値範囲外になる前に調整されるように能動的であり、前記動作状態の少なくとも1つが、前記ブロワの前記動作速度が、前記関連性能測定基準の前記値が前記性能測定基準の前記閾値範囲外になった後に調整されるように反応的である、請求項5の装置。
【請求項7】
各能動的動作状態が、前記性能測定基準の実際の閾値範囲よりも狭い限られた閾値範囲と関連付けられており、前記ブロワの前記動作速度が、前記能動的動作状態の障害状況を前記限られた閾値範囲に基づいて判定することによって、前記関連性能測定基準の前記値が前記実際の閾値範囲外になる前に調整される、請求項6の装置。
【請求項8】
前記光源の前記1つ以上の動作状態に関する前記障害状況が、ローパスフィルタ又は加重和フィルタを使用して判定される、請求項1の装置。
【請求項9】
前記デクリメントモジュールが、デクリメント速度ステップサイズだけ前記ブロワの前記動作速度を低下させ、前記インクリメントモジュールが、インクリメント速度ステップサイズだけ前記ブロワの前記動作速度を上昇させる、請求項1の装置。
【請求項10】
前記インクリメント速度ステップサイズが前記デクリメント速度ステップサイズよりも大きい、請求項9の装置。
【請求項11】
前記インクリメント速度ステップサイズが、1分につき25回転(rpm)以下であり、前記デクリメント速度ステップサイズが、前記インクリメント速度ステップサイズの約2分の1、3分の1、4分の1、又は5分の1である、請求項9の装置。
【請求項12】
前記ブロワの前記動作速度が、最低ブロワ速度及び最高ブロワ速度により定められたブロワ速度範囲内で前記インクリメントモジュール及び前記デクリメントモジュールによって調整される、請求項1の装置。
【請求項13】
前記デクリメントモジュール及び前記インクリメントモジュールがそれぞれ前記ブロワの第2高調波のエイリアシングされた周波数が前記光源と関連付けられたスペクトル特徴制御システムと干渉するブロワ動作速度を回避する、請求項1の装置。
【請求項14】
干渉する前記ブロワ動作速度が、前記光源が光ビームを生成する繰り返し率に依存する、請求項13の装置。
【請求項15】
前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるベースラインモジュールを更に備えた、請求項1の装置。
【請求項16】
前記装置が、前記監視モジュールが監視状態であり、前記デクリメントモジュールがデクリメント状態であり、前記インクリメントモジュールがインクリメント状態である、前記光源のための状態機械である、請求項1の装置。
【請求項17】
前記ブロワの前記動作速度を前記デクリメント状態において低下させた後に、前記状態機械が、前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記デクリメント状態から前記インクリメント状態に遷移する、請求項16の装置。
【請求項18】
前記状態機械が、前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるベースライン状態を更に含み、前記状態機械が、前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記デクリメント状態から前記ベースライン状態に遷移する、請求項16の装置。
【請求項19】
前記ベースライン状態が前記ブロワの前記動作速度を前記ベースライン状態において上昇させた後に、前記状態機械が、前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ベースライン状態から前記インクリメント状態に遷移する、請求項18の装置。
【請求項20】
前記状態機械が、前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記監視状態から前記ベースライン状態に遷移する、請求項18の装置。
【請求項21】
前記ブロワの前記動作速度を前記インクリメント状態において上昇させた後に、前記状態機械が、前記ブロワの上昇動作速度が目標速度よりも大きい場合に前記インクリメント状態から前記監視状態に遷移する、請求項16の装置。
【請求項22】
前記状態機械が、前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記監視状態から前記インクリメント状態に遷移する、請求項16の装置。
【請求項23】
前記状態機械が、1つ以上の終了基準が満たされた場合に前記監視状態から前記デクリメント状態に遷移し、前記終了基準が、前記ベースライン速度、前記光源により生成された光ビームパルスの数、及び前記光源の性能の改善をもたらすイベントのうちの1つ以上に基づいている、請求項16の装置。
【請求項24】
光源のためのブロワコントローラであって、
前記光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワであって、エネルギーをガス混合物に供給するエネルギー源からの利得媒体を含む前記ガス混合物を前記ガス放電チャンバ内で移動させるブロワと通信状態にある制御システムを備え、前記制御システムが、
前記光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視し、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、前記ブロワの動作速度をデクリメント状態において低下させ、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ブロワの前記動作速度をインクリメント状態において上昇させるブロワコントローラ。
【請求項25】
前記制御システムが、
コンピュータ可読メモリモジュールと、
前記コンピュータ可読メモリモジュールに結合された1つ以上の電子プロセッサとを備える、請求項24のブロワコントローラ。
【請求項26】
前記1つ以上の動作状態に関する前記障害状況が、前記障害状況に前記障害状況がクリアである場合に0の値が、前記障害状況にフラグが立てられた場合に1の値が割り当てられる2進法を用いて定められる、請求項24のブロワコントローラ。
【請求項27】
前記制御システムが更に、前記ブロワの前記低下動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記ブロワの前記動作速度を前記インクリメント状態において上昇させる、請求項24のブロワコントローラ。
【請求項28】
光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワを制御する方法であって、
前記光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視すること、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、前記ブロワの動作速度をデクリメントすること、並びに
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ブロワの前記動作速度をインクリメントすることを含む方法。
【請求項29】
前記ブロワの前記動作速度をデクリメントすることが、前記ブロワの動きにより引き起こされる前記光源内の振動の量を減らすことを含む、請求項28の方法。
【請求項30】
前記ブロワの前記動作速度をデクリメントすることが、前記ブロワの前記動作速度をデクリメント速度ステップサイズだけ低下させることを含み、前記ブロワの前記動作速度をインクリメントすることが、前記ブロワの前記動作速度をインクリメント速度ステップサイズだけ上昇させることを含む、請求項28の方法。
【請求項31】
それぞれが前記光源の前記1つ以上の動作状態に関する前記障害状況に依存する、前記ブロワの前記インクリメント速度ステップサイズ及び前記デクリメント速度ステップサイズを決定することを更に含む、請求項30の方法。
【請求項32】
前記ブロワの前記動作速度をデクリメント及びインクリメントすることが、最低ブロワ速度及び最高ブロワ速度により定められたブロワ速度範囲内で前記ブロワの前記動作速度を調整することを含む、請求項28の方法。
【請求項33】
前記光源の前記1つ以上の動作状態の前記障害状況に依存する前記ブロワの前記ブロワ速度範囲を決定することを更に含む、請求項32の方法。
【請求項34】
前記ブロワの前記低下動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記ブロワの前記動作速度をインクリメントすることを更に含む、請求項28の方法。
【請求項35】
前記1つ以上の動作状態に関する前記障害状況を監視することが、1つ以上の終了基準を、前記終了基準の1つ以上が満たされる場合にのみ前記ブロワの前記動作速度を低下させるように監視することを含む、請求項28の方法。
【請求項36】
前記終了基準が、前記ベースライン速度と、前記光源により生成された光ビームパルスの数とに基づいており、前記終了基準が、前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度よりも大きく、前記光ビームパルスの数が最小パルス数よりも多い場合に満たされる、請求項35の方法。
【請求項37】
利得媒体を含むガス混合物を保持し、エネルギーを前記ガス混合物に供給するエネルギー源を収容し、光ビームを生成する1つ以上のガス放電チャンバであって、少なくとも1つが前記エネルギー源からの前記ガス混合物を前記ガス放電チャンバ内で移動させるブロワを保持するガス放電チャンバを備えた光発生装置と、
前記ブロワの動作速度を調整する装置であって、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況を監視する監視モジュール、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上となる場合に、前記ブロワの前記動作速度を低下させるデクリメントモジュール、及び
前記光源の1つ以上の動作状態の前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるインクリメントモジュールを備えた装置と、を備えた紫外線光源。
【請求項38】
前記利得媒体が、電圧信号が前記エネルギー源に印加されることに応答して深紫外(DUV)光を放出する、請求項37の紫外線光源。
【請求項39】
ガス利得媒体が、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を含む、請求項38の紫外線光源。
【請求項40】
前記光発生装置が、シード光ビームを生成する主発振器と、前記シード光ビームから出力光ビームを生成するパワー増幅器とを備えた2つのガス放電チャンバを備える、請求項37の紫外線光源。
【請求項41】
前記光発生装置が、複数のガス放電チャンバを備えており、前記ガス放電チャンバのそれぞれが、光ビームをビームコンバイナに向けて放出する、請求項37の紫外線光源。
【請求項42】
前記装置が、前記ブロワの前記低下動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に、前記ブロワの前記動作速度を上昇させる、請求項37の紫外線光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2020年12月22日に出願されたREDUCING ENERGY CONSUMPTION OF A GAS DISCHARGE CHAMBER BLOWERと題する米国出願第63/129,122号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 開示される主題は、光源のガス放電チャンバに配置されたブロワを制御することによって、光源の動作中にブロワが消費するエネルギーを低減することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィで使用されるガス放電光源の一種は、エキシマ光源又はレーザと呼ばれる。一般的に、エキシマレーザは、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含み得る1種類以上の貴ガス、及びフッ素又は塩素を含み得る反応性ガスの組み合わせを使用する。エキシマレーザは、電気的シミュレーション(供給されるエネルギー)及び(ガス混合物の)高い圧力の適切な条件下でエキシマ(擬似分子)を生成することができ、エキシマは、励起状態でのみ存在する。励起状態のエキシマは、紫外領域の増幅光を生じさせる。エキシマ光源は、単一のガス放電チャンバ又は複数のガス放電チャンバを使用する可能性がある。エキシマ光源が作動しているとき、エキシマ光源は深紫外(DUV)光ビームを生成する。DUV光は、例えば、約100ナノメートル(nm)~約400nmの波長を含む可能性がある。
【0004】
[0004] DUV光ビームは、(シリコンウェーハなどの)基板のターゲット部分上に所望のパターンを施す機械であるフォトリソグラフィ露光装置又はスキャナに向けられる可能性がある。DUV光ビームは、マスクを通してウェーハのフォトレジスト上にDUV光ビームを投影する投影光学システムと相互作用する。このようにして、チップ設計の1つ以上の層がフォトレジスト上にパターニングされ、その後、ウェーハはエッチング及び洗浄される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一部の一般的態様では、光源のための装置が、光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視するように構成された監視モジュールと、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワの動作速度を低下させるように構成されたデクリメントモジュールと、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度を上昇させるように構成されたインクリメントモジュールとを備える。ブロワは、エネルギーをガス混合物に供給するように構成されたエネルギー源からの利得媒体を含むガス混合物をガス放電チャンバ内で移動させるように構成されている。
【0006】
[0006] 実施例が以下の特徴の1つ以上を含む可能性がある。例えば、ブロワのベースライン速度は、ガス放電チャンバの使用年数に関連する可能性があり、ベースライン速度はガス放電チャンバが経時的に老朽化するにつれて変化する。
【0007】
[0007] 1つ以上の動作状態のそれぞれは、光源に又は光源により生成された光ビームに関する性能測定基準によって定められる可能性がある。1つ以上の性能測定基準は、光ビームと関連する波長ヒストグラム、光ビームと関連するエネルギードーズ誤差、光ビームと関連するエネルギー誤差、及び光源内のガス放電チャンバの動作点を含む可能性がある。障害状況は、関連性能測定基準の少なくとも1つがその性能測定基準の閾値範囲内にない場合にフラグが立てられる可能性があり、関連性能測定基準の全てがその対応する閾値範囲内にある場合、障害状況はクリアになる。光源の動作状態の少なくとも1つは、ブロワの動作速度が、関連性能測定基準の値が性能測定基準の閾値範囲外になる前に調整されるように能動的(proactive)である可能性がある。動作状態の少なくとも1つは、ブロワの動作速度が、関連性能測定基準の値が性能測定基準の閾値範囲外になった後に調整されるように反応的である可能性がある。各能動的動作状態は、性能測定基準の実際の閾値範囲よりも狭い限られた閾値範囲と関連付けられる可能性があり、ブロワの動作速度は、能動的動作状態の障害状況を限られた閾値範囲に基づいて判定することによって、関連性能測定基準の値が実際の閾値範囲外になる前に調整される可能性がある。
【0008】
[0008] 光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況は、ローパスフィルタ又は加重和フィルタを使用して判定される可能性がある。
【0009】
[0009] デクリメントモジュールは、デクリメント速度ステップサイズだけブロワの動作速度を低下させるように構成される可能性があり、インクリメントモジュールは、インクリメント速度ステップサイズだけブロワの動作速度を上昇させるように構成される可能性がある。インクリメント速度ステップサイズはデクリメント速度ステップサイズよりも大きい可能性がある。インクリメント速度ステップサイズは、1分につき25回転(rpm)以下である可能性があり、デクリメント速度ステップサイズは、インクリメント速度ステップサイズの約2分の1、3分の1、4分の1、又は5分の1である可能性がある。
【0010】
[0010] ブロワの動作速度は、最低ブロワ速度及び最高ブロワ速度により定められたブロワ速度範囲内でインクリメントモジュール及びデクリメントモジュールによって調整される可能性がある。
【0011】
[0011] デクリメントモジュール及びインクリメントモジュールはそれぞれ、ブロワの第2高調波のエイリアシングされた周波数が光源と関連付けられたスペクトル特徴制御システムと干渉するブロワ動作速度を回避するように構成される可能性がある。干渉するブロワ動作速度は、光源が光ビームを生成する繰り返し率に依存する可能性がある。
【0012】
[0012] 装置はまた、ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合に、ブロワの動作速度を上昇させるように構成されたベースラインモジュールを備える可能性がある。
【0013】
[0013] 装置は、監視モジュールが監視状態であり、デクリメントモジュールがデクリメント状態であり、インクリメントモジュールがインクリメント状態であり得る、光源のための状態機械である可能性がある。ブロワの動作速度をデクリメント状態において低下させた後に、状態機械は、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にデクリメント状態からインクリメント状態に遷移することができる。状態機械は、ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワの動作速度を上昇させるように構成されたベースライン状態を含む可能性があり、状態機械は、ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合にデクリメント状態からベースライン状態に遷移することができる。ベースライン状態がブロワの動作速度をベースライン状態において上昇させた後に、状態機械は、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にベースライン状態からインクリメント状態に遷移することができる。状態機械は、ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合に監視状態からベースライン状態に遷移することができる。ブロワの動作速度をインクリメント状態において上昇させた後に、状態機械は、ブロワの上昇動作速度が目標速度よりも大きい場合にインクリメント状態から監視状態に遷移することができる。状態機械は、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合に監視状態からインクリメント状態に遷移することができる。状態機械は、1つ以上の終了基準が満たされる場合に監視状態からデクリメント状態に遷移することができ、終了基準は、ベースライン速度、光源により生成された光ビームパルスの数、及び光源の性能の改善をもたらすイベントのうちの1つ以上に基づいている。
【0014】
[0014] 他の一般的な態様では、光源のためのブロワコントローラが、光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワであって、エネルギーをガス混合物に供給するように構成されたエネルギー源からの利得媒体を含むガス混合物をガス放電チャンバ内で移動させるように構成されたブロワと通信状態にある制御システムを備える。制御システムは、光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視し、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、ブロワの動作速度をデクリメント状態において低下させ、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度をインクリメント状態において上昇させるように構成されている。
【0015】
[0015] 実施例が以下の特徴の1つ以上を含む可能性がある。例えば、制御システムは、コンピュータ可読メモリモジュールと、コンピュータ可読メモリモジュールに結合された1つ以上の電子プロセッサとを備える可能性がある。
【0016】
[0016] 1つ以上の動作状態に関する障害状況は、障害状況に障害状況がクリアである場合に0の値が、障害状況にフラグが立てられた場合に1の値が割り当てられる2進法を用いて定められる可能性がある。
【0017】
[0017] 制御システムは、ブロワの低下動作速度がベースライン速度を下回る場合に、ブロワの動作速度をインクリメント状態において上昇させるように構成される可能性がある。
【0018】
[0018] 他の一般的な態様では、光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワを制御する方法が実行される。方法は、光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視すること、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合にブロワの動作速度をデクリメントすること、並びに光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度をインクリメントすることを含む。
【0019】
[0019] 実施例が以下の特徴の1つ以上を含む可能性がある。例えば、ブロワの動作速度は、ブロワの動きにより引き起こされる光源内の振動の量を減らすことによってデクリメントされる可能性がある。ブロワの動作速度は、ブロワの動作速度をデクリメント速度ステップサイズだけ低下させることによってデクリメントされる可能性があり、ブロワの動作速度は、ブロワの動作速度をインクリメント速度ステップサイズだけ上昇させることによってインクリメントされる可能性がある。方法は更に、それぞれが光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況に依存する、ブロワのインクリメント速度ステップサイズ及びデクリメント速度ステップサイズを決定することを含む可能性がある。
【0020】
[0020] ブロワの動作速度は、最低ブロワ速度及び最高ブロワ速度により定められたブロワ速度範囲内でブロワの動作速度を調整することによってデクリメント及びインクリメントされる可能性がある。方法はまた、光源の1つ以上の動作状態の障害状況に依存するブロワのブロワ速度範囲を決定することを含む可能性がある。
【0021】
[0021] 方法は更に、ブロワの低下動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワの動作速度をインクリメントすることを含む可能性がある。
【0022】
[0022] 1つ以上の動作状態に関する障害状況は、1つ以上の終了基準を、終了基準の1つ以上が満たされる場合にのみブロワの動作速度を低下させるように監視することによって監視される可能性がある。終了基準は、ベースライン速度と、光源により生成される光ビームパルスの数とに基づいている可能性があり、終了基準は、ブロワの動作速度がベースライン速度よりも大きく、光ビームパルスの数が最小パルス数よりも多い場合に満たされる。
【0023】
[0023] 他の一般的な態様では、紫外線光源が、利得媒体を含むガス混合物を保持し、エネルギーをガス混合物に供給するように構成されたエネルギー源を収容し、光ビームを生成するように構成された1つ以上のガス放電チャンバであって、その少なくとも1つがエネルギー源からのガス混合物をガス放電チャンバ内で移動させるように構成されたブロワを保持するように構成されているガス放電チャンバと、ブロワの動作速度を調整するように構成された装置とを備える。装置は、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況を監視するように構成された監視モジュールと、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上となる場合に、ブロワの動作速度を低下させるように構成されたデクリメントモジュールと、光源の1つ以上の動作状態の障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度を上昇させるように構成されたインクリメントモジュールとを備える。
【0024】
[0024] 実施例が以下の特徴の1つ以上を含む可能性がある。例えば利得媒体は、電圧信号がエネルギー源に印加されることに応答して深紫外(DUV)光を放出するように構成される可能性がある。ガス利得媒体は、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を含む可能性がある。光発生装置は、シード光ビームを生成するように構成された主発振器と、シード光ビームから出力光ビームを生成するように構成されたパワー増幅器とを備えた2つのガス放電チャンバを備える可能性がある。光発生装置は複数のガス放電チャンバを備える可能性があり、ガス放電チャンバのそれぞれは、光ビームをビームコンバイナに向けて放出するように構成される可能性がある。
【0025】
[0025] 装置は、ブロワの低下動作速度がベースライン速度を下回る場合に、ブロワの動作速度を上昇させるように構成されたベースラインモジュールを備える可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】[0026] リソグラフィ露光装置により使用される光ビームを生成する紫外線光源であって、それぞれがブロワと、ブロワの速度を少なくとも部分的に制御するように構成された装置とを有する1つ以上のガス放電チャンバを有する光発生装置を含む紫外線光源のブロック図である。
図2】[0027] 監視モジュール、デクリメントモジュール、インクリメントモジュール、任意選択的にベースラインモジュールを備えた図1の装置の実施例のブロック図である。
図3】[0028] 光源の全体の障害状況が、図1及び図2の装置による使用について光源の1つ以上の動作状態に基づいてどのように決定されるかを示す概略図である。
図4A】[0029] ベースライン速度が様々な放電チャンバについて放電チャンバの使用年数に対してどのように変化するかを示す例示的なグラフである。
図4B】[0029] ベースライン速度が様々な放電チャンバについて放電チャンバの使用年数に対してどのように変化するかを示す例示的なグラフである。
図4C】[0029] ベースライン速度が様々な放電チャンバについて放電チャンバの使用年数に対してどのように変化するかを示す例示的なグラフである。
図5】[0030] 装置の実施例を示す状態機械であって、(監視モジュールにより実行される)監視状態、(デクリメントモジュールにより実行される)デクリメント状態、及び(インクリメントモジュールにより実行される)インクリメント状態を含む状態機械の図である。
図6A】[0031] 状態機械がデクリメント状態にある間にデクリメントモジュールにより実行される手順のフローチャートである。
図6B】[0032] 状態機械が監視状態にある間に監視モジュールにより実行される手順のフローチャートである。
図6C】[0033] 状態機械がベースライン状態にある間にベースラインモジュールにより実行される手順のフローチャートである。
図6D】[0034] 状態機械がインクリメント状態にある間にインクリメントモジュールにより実行される手順のフローチャートである。
図7A】[0035] 図1及び図2の光源のブロワの速度を制御するための装置により実行される手順のフローチャートである。
図7B】[0036] 図7Aの手順に含まれ得る付加的なステップである。
図8】[0037] 光発生装置が主発振器-パワー増幅器構成に2つのガス放電チャンバを備える光源の実施例のブロック図である。
図9A】[0038] 光発生装置が複数のガス放電チャンバを備える光源の実施例及びリソグラフィ露光装置の実施例のブロック図である。
図9B】[0039] 図9Aのリソグラフィ露光装置の投影光学システムの実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0040] 図1を参照すると、紫外線光源100が、1つ以上のガス放電チャンバ104と装置110とを備えた光発生装置105を備える。図1の例では、光発生装置105は1つの放電チャンバ104を備えているが、(図8及び図9Aに示すような)複数の放電チャンバ104を備える可能性もある。ガス放電チャンバ104は、ガス放電チャンバ104の内部キャビティ104i内に利得媒体を含むガス混合物107を保持し、エネルギーをガス混合物107に供給することによって光ビーム102を生成するように構成されたエネルギー源106を収容するように構成されている。ガス混合物107の利得媒体は、電圧信号がエネルギー源106に印加されることに応答して深紫外(DUV)光を放出するように構成されている。エネルギー源106は、エネルギーのない期間が散在する高圧放電を用いて短い(例えばナノ秒の)電流パルスでエネルギーをガス混合物107に供給するように構成される可能性がある。ガス混合物107は、エネルギー源106からのエネルギーがガス混合物107に提供されるときに誘導放出によってガス混合物107の利得媒体に生じる反転分布から光ビーム102のパルスを生成する。したがって、光ビーム102は、例えば248ナノメートル(nm)又は193nmの波長を含むDUV範囲内の波長を中心とする光のパルスを含むパルス光ビームである。DUV光源の場合、ガス混合物107のガス利得媒体には、例えばフッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)が含まれる可能性がある。光ビーム102は経路に沿ってリソグラフィ露光装置101に向けられる。光ビーム102は、マイクロ電子フィーチャをリソグラフィ露光装置101に受け入れられた基板又はウェーハ上にパターニングするのに使用される。ウェーハ上にパターニングされるマイクロ電子フィーチャのサイズはパルス光ビーム102の波長に依存し、より低い波長は小さい最小フィーチャサイズ又はクリティカルディメンジョンをもたらす。例えば、パルス光ビーム102の波長が248nm又は193nmである場合、マイクロ電子フィーチャの最小サイズは、例えば50nm以下である可能性がある。
【0028】
[0041] 具体的には、エネルギー源106はカソード及びアノードを備える可能性があり、カソードとアノードとの電位差がガス混合物107に電場を形成する。電場は、反転分布を生じさせ、誘導放出による光パルスの発生を可能にするのに十分なエネルギーをガス混合物107中の利得媒体に提供する。かかる電位差が繰り返し生み出されることで、最終的に光ビーム102を構成する光パルス列が形成される。「放電事象」は、ガス混合物107の利得媒体中の放電及び光パルスの放出を生じさせるのに十分な電位差を形成する電圧の印加である。
【0029】
[0042] 光パルスがエネルギー源106の近くのガス混合物107から生成されるとき、ガス混合物107中の分子が回復する期間が存在する。この回復期間はエネルギー源106のパルス間の時間よりも長い。また、エネルギーの別のパルスが、エネルギー源106の最も近くに滞留する回復中のガス混合物107に供給される場合、結果として得られる光ビーム102の光パルスの出力品質が低下することになり、光発生装置105の不具合につながる可能性がある。この問題を解決するために、ガス放電チャンバ104は、ガス放電チャンバ104の壁103A、103Bに取付けられているブロワ108を保持する。様々な実施例において、ブロワ108はファンなどの回転構造を備える可能性がある。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2004年7月20日に発行され、発明者の名義がPartlo,et.al.である米国特許第6,765,946号参照。ブロワ108は、新鮮なガス混合物107が、エネルギー源106の次のパルスが生成される前にエネルギー源106と相互作用できるように、回復中のガス混合物107の部分をエネルギー源106から離れるようにガス放電チャンバ104内で定期的に移動させるように構成されている。ブロワ108の速度が低すぎる場合に、ガス放電チャンバ104においてアーク放電、ドロップアウト、及び非効率性が生じる可能性があり、ガス放電チャンバ104は、ブロワ108が回復中のガス混合物107の部分を十分に除去することができない場合に機能しなくなる可能性がある。別の考慮事項は、ブロワ108の回転又は運動が、光ビーム102の1つ以上のスペクトル特性及びリソグラフィ露光装置101における光ビーム102のドーズ性能に影響を及ぼし得るガス放電チャンバ104内の振動を生じさせ得ることである。
【0030】
[0043] 光源100の動作中、(ブロワ108がブロワ108の回転軸を中心に回転する速度又はレートである)ブロワ108の動作速度が、事前設定された速度で一定に維持される可能性がある。具体的にはブロワ108の動作速度は、ブロワの動作速度108が、光源100が動作するときに経時的に変化しないように最高ブロワ速度に維持される可能性がある。このような条件下において、ブロワ108は、経時的にほぼ一定量のエネルギーを消費する可能性があり、換言すれば、光源100が動作するときに一定の電力を必要とするため、費用がかかり少なくともコスト効率が悪い可能性がある。したがって、本明細書で考察するように、ブロワ108の動作速度は、光源100の1つ以上の動作状態の障害状況及び(ブロワ108の最低許容速度である)ブロワ108のベースライン速度に基づいて、(光源100が動作するときに)装置110によって経時的に変化又は調整される。このように、装置110は、光源100の動作中のブロワ108の安全なブロワ速度範囲を共に定める最低ブロワ速度と最高ブロワ速度の間で動作速度を調整することによって、ブロワ108の動作速度を制御するブロワコントローラとして機能する。換言すれば、光源100が動作するときに、装置110は、光源100内で障害及び/又は問題が生じない安全なブロワ速度範囲内でブロワ108の動作速度を調整し、また、ブロワ108によってより多くのエネルギーが保存され、結果として、光源100によって消費されるエネルギーが少なくなるように、ブロワ108の動作速度を調整する。次に装置110の詳細が示される。
【0031】
[0044] 図2を参照すると、装置110(すなわちブロワコントローラ)は、監視モジュール112、デクリメントモジュール114、及びインクリメントモジュール116を備える。
【0032】
[0045] 一般に、監視モジュール112は、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況を監視するように構成されている。例えば、1つ以上の動作状態のそれぞれは、光源100に又は光源100により生成される光ビーム102に関する性能測定基準によって定義される可能性がある。障害状況は、関連性能測定基準の少なくとも1つがその性能測定基準の閾値範囲内にない場合にフラグが立てられたと見なされる可能性があり、関連性能測定基準の全てがその各閾値範囲内にある場合障害状況はクリアであると見なされる。したがって、光源100が動作するときに、監視モジュール112は、1つ以上の関連性能測定基準を監視することによって光源100の1つ以上の動作状態を監視することができる。
【0033】
[0046] 一般に、デクリメントモジュール114は、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度が(ブロワ108の最低許容速度である)ブロワ108のベースライン速度以上となる場合にブロワ108の動作速度を低下させるように構成されている。例えば、デクリメントモジュール114は、ブロワ108の動作速度をデクリメント速度ステップサイズだけ低下させるように構成される可能性がある。
【0034】
[0047] 一般に、インクリメントモジュール116は、光源100の1つ以上の動作状態の障害状況にフラグが立てられた場合に、ブロワ108の動作速度を上昇させるように構成されている。インクリメントモジュール116は、ブロワ108の動作速度をインクリメント速度ステップサイズだけ上昇させるように構成される可能性がある。一例では、インクリメントステップサイズは、例えば1分につき25回転(rpm)以下である可能性がある。この例では、インクリメント速度ステップサイズは、デクリメント速度ステップサイズよりも大きく、デクリメント速度ステップサイズはインクリメント速度ステップサイズの約2分の1、3分の1、4分の1、又は5分の1である可能性がある。
【0035】
[0048] 装置110はまた、ブロワ108の動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワ108の動作速度を上昇させるように構成されたベースラインモジュール118を備える可能性がある。
【0036】
[0049] 光源100が動作するとき、ブロワ108の動作速度は、最低ブロワ速度と最高ブロワ速度とにより定められるブロワ速度範囲内でインクリメント及びデクリメントモジュール114、116、並びにベースラインモジュール118によって調整される。ブロワ速度範囲は、光源100が問題及び/又は障害を有さず、適切に動作する安全範囲である。このように、装置110は、ブロワ108によって最小エネルギーが消費され、光源100により消費されるエネルギーが減るように動作速度を安全なブロワ速度範囲内で調整することによってブロワ108の動作速度を制御する。
【0037】
[0050] 装置110のモジュール112、114、116、118は、ブロワ108と通信状態にあることによってブロワ108を制御する制御システムに実装される可能性がある。したがって、ブロワコントローラ108の制御システムは、光源100の1つ以上の動作状態の障害状況を監視し、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合にブロワ108の動作速度をデクリメント状態で低下させ、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワ108の動作速度をインクリメント状態で上昇させるように構成されている。ブロワコントローラ110の制御システムはまた、ブロワ108の低下動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワ108の動作速度をインクリメント状態で上昇させるように構成される可能性がある。
【0038】
[0051] 装置110は、例えばコンピュータ可読メモリモジュールと、コンピュータ可読メモリモジュールに結合された1つ以上の電子プロセッサとを備える可能性がある。モジュール112、114、116、118のそれぞれはメモリモジュールと通信状態にある可能性があり、1つ以上の電子プロセッサによって制御される可能性がある。例えば、各モジュール112、114、116、118は、1つ以上のプログラマブルプロセッサを備える又はこれにアクセスできる可能性があり、それぞれが入力データに作用し適切な出力を生成することによって所望の機能を実行する命令のプログラムを実行することができる。各モジュール112、114、116、118は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアのいずれかに実装される可能性がある。更なる実施例では、各モジュール112、114、116、118は、モジュール112、114、116、118の1つ以上から出力された情報、ガス放電チャンバ104からの情報、又は光発生装置105の他の側面についての情報であって、装置110の動作中にモジュール112、114、116、118が様々に使用できる情報を記憶するようにも構成されているメモリモジュール内のメモリにアクセスする。メモリモジュール内のメモリは、読み取り専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリである可能性があり、コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具体化するのに適した記憶デバイスを提供する可能性がある。装置110はまた、(キーボード、タッチ対応デバイス、音声入力デバイスなどの)1つ以上の入力デバイス及び音声出力又はビデオ出力などの1つ以上の出力デバイスを備える可能性がある。
【0039】
[0052] 装置110がブロワコントローラとして機能する例では、1つ以上の動作状態に関する障害状況は、(制御システムによって)2進法を用いて定められる可能性がある。具体的には障害状況には、障害状況がクリアである場合にゼロ(0)の値が、障害状況にフラグが立てられた場合に1の値が割り当てられる可能性がある。次に光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況の詳細が示される。
【0040】
[0053] 図3を参照すると、光源100の全体の障害状況327が、光源100の1つ以上の動作状態に基づいて各反復で装置110によって決定される。1つ以上の動作状態のそれぞれは、光源100に又は光源100により生成される光ビーム102に関する性能測定基準320_1~320_Nによって定められる。装置110がブロワ108を制御するのに使用する障害状況327は、ブロワ108の速度の変化により著しく影響を受けるシステムパラメータ、メトリクス、及び信号に基づいている必要がある。
【0041】
[0054] 図3の例では、1つ以上の性能測定基準320_1~320_Nは、光ビーム102と関連するスペクトル特徴精度、光ビーム102と関連するエネルギードーズ誤差、光ビーム102と関連するエネルギー誤差、光源100内の光発生装置105のアクチュエータ動作点、及びガス放電チャンバドロップアウト率を含む。
【0042】
[0055] スペクトル特徴精度は、光源100により生成される光ビーム102のスペクトル特徴(波長など)の安定性及び精度を表す。具体的には、波長に関するスペクトル特徴精度は、光ビーム102のM個(Mは1以上の整数である)のパルスの移動ウィンドウにわたって計算される光ビーム102の波長の誤差の平均及び標準偏差に基づいている。スペクトル特徴精度の値は、直接測定/計算される可能性がある、又は他の測定データから推定される可能性がある。
【0043】
[0056] エネルギードーズ誤差は、ウェーハにおける所望の又は目標ドーズ量とリソグラフィ露光装置107に受け入れられたウェーハにおける実際のドーズ量との差を表す。ウェーハにおけるドーズ量は、光ビーム102が露光時間にわたって送達する単位面積当たりの光エネルギーの量又はウェーハにおける特定のパルス数である。エネルギードーズ誤差は直接測定/計算される可能性がある一方、代替的にエネルギードーズ誤差を他の測定データから推定することも可能である。
【0044】
[0057] エネルギー誤差は、光ビーム102の測定エネルギーの標準偏差を表す。具体的には、エネルギー誤差は、光ビーム102のパルスのエネルギーと目標エネルギーの量の差と見なされる可能性がある。エネルギー誤差は直接測定される可能性がある一方、代替的にエネルギー誤差を他のデータから推定することも可能である。
【0045】
[0058] 光発生装置105のアクチュエータ動作点は、可能な設定、値、又は条件の範囲内で、光発生装置105内のアクチュエータが動作している場所を特徴付ける。一部の実施例では、図8を参照して以下で考察するように、アクチュエータは、光発生装置805の第1の放電チャンバ804Aを含む第1のステージ(第1のステージは主発振器を構成する)及び第2の放電チャンバ804Bを含む第2のステージ(第2のステージはパワー増幅器を構成する)に結合されているタイミングモジュールである可能性がある。かかるタイミングモジュールは、第1の放電チャンバ804Aの第1のエネルギー源806Aに送信される第1のトリガ信号と第2の放電チャンバ804Bの第2のエネルギー源806Bに送信される第2のトリガ信号との間の相対的なタイミングを制御する。この相対的なタイミングは差動タイミングと称される可能性がある。これらの実施例では、光発生装置805のアクチュエータ動作点のメトリックは、ピーク効率差動タイミング(Tpeak)からの実際の相対的なタイミングの変位を定量化することができる。ここでTpeakは、光発生装置805が(エネルギー源806A、806Bを介して)光発生装置805に印加された特定の入力エネルギーにおいて最大エネルギーを有する光ビーム802を生成するときの相対的なタイミングの値である。このアクチュエータ動作点のメトリックは、エネルギー源806A、806Bに供給された電圧又はエネルギー、光ビーム802の出力エネルギー、及び差動タイミングに基づいて計算又は推定される可能性がある。
【0046】
[0059] ガス放電チャンバドロップアウト率は、ブロワ108が回復中のガス混合物107の部分を十分に除去できないために、ガス混合物がガス放電チャンバ104の中を十分な速さで移動せず、ガス放電チャンバ104にアーク放電及びエネルギー損失を生じさせる故障メカニズムを定量化する。
【0047】
[0060] 一部の実施例では、以上で考察したように、光源100に関する性能測定基準320_1~320_Nの1つ以上は、動作中の特定の瞬間に又は特定のシステム内で利用できない可能性があり、装置110は、他の利用可能なデータに基づいて障害状況327を決定するのに利用できない性能測定基準の値を推定することができる。全体の障害状況327を計算するために、装置110は性能測定基準320_1、320_2、...320_Nを受け取る。
【0048】
[0061] 1つ以上の性能測定基準320_1~320_Nのそれぞれは、動作中に発生し得るノイズ効果や一時的な性能の問題を取り除くために対応するフィルタ322_1~322_Nを通過させる対応する値321_1~321_Nと関連付けられている。例えばフィルタ322_1~322_Nのそれぞれはローパスフィルタ又は加重和フィルタである可能性があり、これによって光源100の1つ以上の動作状態320_1~320_Nに関する障害状況327は、フィルタ322_1~322_N(ローパスフィルタ又は加重和フィルタを含む)を使用して決定されることになる。また、フィルタ322_1~322_Nのそれぞれは、性能測定基準320_1~320_Nの値321_1~321_Nをフィルタリングするための設定可能な伝達関数を有する可能性がある。
【0049】
[0062] 性能測定基準320_1~320_Nのフィルタリングされた値323_1~323_Nが、対応するフィルタ322_1~322_Nのそれぞれから出力される。性能測定基準320_1~320_N(すなわち動作状態)のそれぞれと関連付けられている対応する障害状況325_1~325_Nを判定するために、フィルタリングされた値323_1~323_Nのそれぞれは、その対応する性能測定基準320_1~320_Nと関連付けられている対応する閾値範囲324_1~324_Nと比較される。対応する性能測定基準320_1~320_Nがその性能測定基準320_1~320_Nの閾値範囲324_1~324_N内にないと判定された場合、その性能測定基準320_1~320_Nの障害状況325_1~325_Nにフラグが立てられる。対応する性能測定基準320_1~320_Nがその性能測定基準320_1~320_Nの閾値範囲324_1~324_N内にあると判定された場合、その性能測定基準320_1~320_Nの障害状況325_1~325_Nはクリアである。上記のように、障害状況325_1~325_Nには、障害状況325_1~325_Nがクリアである場合にはゼロ(0)の値が、障害状況325_1~325_Nにフラグが立てられた場合には1の値が割り当てられる可能性がある。
【0050】
[0063] 各障害状況325_1~325_Nは、光源100に関連する性能測定基準320_1~320_Nの障害状況325_1~325_Nに基づいて光源100の全体の障害状況327を判定する(コントローラであり得る)障害状況モジュール326に入力される。例えば一部の実施例では、障害状況325_1~325_Nのいずれか1つにフラグが立てられた(すなわち1の値が与えられた)場合に、光源100の全体の障害状況327にフラグが立てられる(すなわち1の値が与えられる)。そして、障害状況325_1~325_Nの全てがクリアである(すなわち0の値を有する)場合に、光源100の全体の障害状況327はクリアである(すなわち0の値を有する)。このようにして、光源100の全体の障害状況327は判定される可能性があり、装置110は、光源100の障害状況327に基づいてブロワ108を制御し、これによってブロワ108による動作中のエネルギー消費を減らすことができる。他の実施例では、障害状況モジュール326は、複数の障害状況325_1~325_Nにフラグが立てられた場合にのみ、全体の障害状況325にフラグを立てるように構成される可能性がある。
【0051】
[0064] 次にブロワ108のベースライン速度の詳細が示される。
【0052】
[0065] 図4Aから図4Cを参照すると、ブロワ108のベースライン速度は、ガス放電チャンバ104の使用年数に関連している可能性がある。図4Aから図4Cの例では、ベースライン速度は、ガス放電チャンバ104が経時的に老朽化するにつれて変化する。換言すれば、ベースライン速度は、ガス放電チャンバ104が生成する光ビーム102のパルス数が経時的に増加するにつれて(またガス放電チャンバ104が老朽化するにつれて)変化する。これらの例では、装置110は、ブロワ108のベースライン動作速度を最低ベースライン速度bminと最高ベースライン速度bmaxとの間で調整する。装置110のモジュール114、116、118のいずれか又は別のモジュールがこの調整を実行する可能性がある。一般に、ブロワ108のベースライン速度は、ガス放電チャンバ104が老朽化し、性能障害、性能問題、及び/又は性能誤差が老朽化した光源100内(及びガス放電チャンバ104内)でより頻繁に発生するにつれて上昇させる必要がある。放電チャンバ104が老朽化するにつれてガス放電チャンバ104のベースライン速度を上昇させることによって、老朽化した光源100内で発生し得る性能障害、性能問題、及び/又は性能誤差は軽減又は緩和される。
【0053】
[0066] 図4Aの例では、装置110は、ベースライン速度を時刻t1aにおいて最高ベースライン速度bmaxから最低ベースライン速度bminに調整する。このとき、時刻t1aにおいて装置110はベースライン速度を徐々に上昇させ始める。ブロワ108のベースライン速度は、ガス放電チャンバ104が経時的に老朽化するにつれて(又は光ビーム102のパルスがガス放電チャンバ104によって生成されるにつれて)一定の割合429a(すなわち傾き)でインクリメントされる。ブロワ108のベースライン速度は、ベースライン速度がガス放電チャンバ104の寿命の終わりである時刻t2aにおいて最高ベースライン速度bmaxに達するように、最低ベースライン速度bminから最高ベースライン速度bmaxに上昇又はインクリメントされる。
【0054】
[0067] 図4Bの例では、装置110は、ベースライン速度を時刻t1bにおいて最高ベースライン速度bmaxから最低ベースライン速度bminに調整する。ガス放電チャンバ104が時刻t1bと時刻t2bとの間の時間dLの間使用年数がまだ浅い間、ブロワ108のベースライン速度は変化せず、最低ベースライン速度bminで一定のままである。ガス放電チャンバ104が時刻t1bと時刻t2bとの間使用年数が浅いため、この例では、光源100内の性能問題を軽減又は緩和するためにベースライン速度を上昇させることを要しない。
【0055】
[0068] 時刻t2bにおいて、装置110はベースライン速度を上昇させる又はインクリメントすることを始める。ブロワ108のベースライン速度は、ガス放電チャンバ104が古くなり経時的に老朽化するにつれて(及び光ビーム102のパルスがガス放電チャンバ104によって生成されるにつれて)一定の割合429b(すなわち傾き)でインクリメントされる。ブロワ108のベースライン速度は、ベースライン速度がガス放電チャンバ104の寿命の終わりである時刻t3bにおいて最高ベースライン速度bmaxに達するように、最低ベースライン速度bminから最高ベースライン速度bmaxに上昇する又はインクリメントされる。
【0056】
[0069] 図4Cの例は、ブロワ108のベースライン速度がより短い時間dSの間一定のままであり、ベースライン速度が割合429bよりも緩やかな割合429cでインクリメントされる点を除いて図4Bの例と同様である。ベースライン速度を時刻t1cにおいて最低ベースライン速度bminまでデクリメントし、この最低ベースライン速度bminを時間dSの間維持した後、時刻t2cにおいて、ベースライン速度は、ガス放電チャンバ104が古くなり、ブロワ108のベースライン速度がガス放電チャンバ104の寿命の終わりである時刻t3cで最高ベースライン速度bmaxに達するまで経時的に老朽化するにつれて一定の割合429cで上昇する。
【0057】
[0070] 図5を参照すると、装置110(図2)は、光源100のための状態機械510として表されている。この状態機械510の表現において、監視モジュール112は監視状態512によって表され、デクリメントモジュール114はデクリメント状態514によって表され、インクリメントモジュール116はインクリメント状態516によって表される。状態機械510はまた、ベースラインモジュール118(図2)を表すベースライン状態518を含むことがある。また、この実施例では、状態機械510は、ブロワ108の動作速度を変化させる又は調整するための、状態機械510からのコマンド又は命令が存在しないパッシブ状態511を含む。
【0058】
[0071] 状態機械510は、ガス放電チャンバ104から生成される光ビーム102のパルス数が閾値を上回る場合、又は状態機械510が閾値の期間パッシブ状態511にあった後、パッシブ状態511からデクリメント状態514に遷移する(T(P-D))。一般に、デクリメント状態514は、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況327がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合にブロワ108の動作速度を低下させるように構成されている。
【0059】
[0072] 具体的には、図6Aも参照すると、デクリメント状態514においてデクリメントモジュール114は、光源100の障害状況327がクリアである(例えば0である)かどうかを判定する(532)。障害状況327がクリアでない(すなわちフラグが立てられている又は1の値を有する)場合(532)に、デクリメントモジュール114はデクリメント状態514を終了し、状態機械510は、ブロワ108の動作速度が問題及び/又は障害が光源100内で発生しない安全な動作速度にインクリメントされるように、デクリメント状態514からインクリメント状態516に遷移する(T(D-I))。
【0060】
[0073] 障害状況がクリアである(すなわち0の値を有する)場合(532)に、デクリメントモジュール114は、ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも大きいかどうかを判定する(533)。ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも大きくない(つまり、ブロワ108のベースライン速度以下であるか又は下回る)場合に、デクリメントモジュール114はデクリメント状態514を終了し、状態機械510は、ブロワ108の動作速度が問題及び/又は障害が光源100内で発生しないベースライン速度を上回る安全な動作速度にインクリメントされるように、デクリメント状態514からベースライン状態518に遷移する(T(D-B))。
【0061】
[0074] ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも大きい場合(533)に、デクリメントモジュール114は、提案される新しいブロワ速度がベースライン速度よりも大きいかどうかを判定する(534)。提案される新しいブロワ速度は、デクリメント速度ステップサイズを引いたブロワ108の動作速度である。ブロワ108の提案される新しい速度がベースライン速度よりも大きくない(つまり、提案される新しいブロワ速度がベースライン速度であるか又はベースライン速度より小さい)場合(534)に、デクリメントモジュール114はデクリメント状態514を終了し、状態機械510は、光源100の1つ以上の動作状態及びブロワ108の動作速度を監視できるようにデクリメント状態514から監視状態512に遷移する(T(D-M))。
【0062】
[0075] 一方、提案される新しいブロワ速度がベースライン速度よりも大きい場合(534)に、デクリメントモジュール114は、ブロワ速度が最後に変化したとき以来ガス放電チャンバ104が生成した光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも大きいかどうかを判定する(541)。閾値パルス数は、ブロワ速度を変化させる頻度を低下させるために正の整数に事前設定される可能性がある。例えばブロワ速度を変化させる頻度は、光発生装置105及び同様に性能測定基準がブロワ速度の変化の効果を調整するのに十分な時間を有することを保証するように設定される可能性がある。また、このステップ541を実行することなくデクリメント状態514で動作することを可能にする。
【0063】
[0076] ガス放電チャンバ104が生成する光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多くない(つまり、閾値パルス数以下である)場合(541)に、デクリメントモジュール114はステップ532に戻り、ステップ532、533、534を繰り返す。ガス放電チャンバ104が生成した光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多い場合(541)に、デクリメントモジュール114は、ブロワ108にその動作速度を低下させる又はデクリメントするように指示する(542)。例えばデクリメント状態514は、ブロワ108の動作速度をデクリメント速度ステップサイズだけデクリメントすることができる。
【0064】
[0077] ブロワ108の動作速度をデクリメント状態514において低下させた(542)後、デクリメントモジュール114は、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況327がクリアである(例えば0の値を有する)かどうかを問い合わせること(532)に戻る。
【0065】
[0078] したがって、要するにデクリメントモジュール114は、障害がない場合(532)、ブロワ108の速度がベースライン速度よりも大きい場合(533)、提案される新しいブロワ速度がベースライン速度よりも大きい場合(534)、及びブロワ速度の最後の変化以来一定数の光ビーム102のパルスが生成された場合(541)にブロワ108の速度を低下させる(524)。このようにして、ブロワ108により消費されるエネルギーは、特に光源100及びガス放電チャンバ104の寿命の初期に大幅に減る。
【0066】
[0079] 図5を再度参照すると、図6Aを参照して以上で考察したように、ブロワ108の提案される新しい速度がベースライン速度よりも大きくない(つまり、提案される新しいブロワ速度がベースライン速度であるか又はベースライン速度より小さい)場合(534)に、デクリメントモジュール114はデクリメント状態514を終了し、状態機械510は、光源100の1つ以上の動作状態及びブロワ108の動作速度を監視できるようにデクリメント状態514から監視状態512に遷移する(T(D-M))。
【0067】
[0080] 一般に、監視状態512において、監視モジュール112は終了基準を監視し、障害がなく、ブロワ速度がベースライン速度よりも大きく、終了基準イベントの発生がない間、監視状態512にとどまるように構成されている。図6Bを参照すると、監視状態512において、監視モジュール112は、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況327がクリアである(例えば0の値を有する)かどうかを判定する(537)。障害状況327がクリアでない(すなわちフラグが立てられた)場合(537)に、状態機械510は、ブロワ108の動作速度が問題及び/又は障害が光源100内で発生しない安全な動作速度に上昇するように、監視状態512からインクリメント状態516に遷移する(T(M-I))。
【0068】
[0081] 障害状況がクリアである(すなわち0の値を有する)場合(537)に、監視モジュール112は、ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも大きいかどうかを判定する(538)。ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも小さい、すなわちこれを下回る場合(538)に、状態機械510は、ブロワ108の動作速度が問題及び/又は障害が光源100内で発生しない安全な動作速度に上昇するように、監視状態512からベースライン状態518に遷移する(T(M-B))。ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも大きい場合(538)に、監視モジュール112は、1つ以上の終了基準が満たされているかどうかを判定する(536)。例えば終了基準は、ベースライン速度、光源100により生成される光ビーム102のパルス数、及び光源100の性能の改善をもたらすイベントのうちの1つ以上に基づいている可能性がある。終了基準が満たされる場合に、状態機械510は、監視状態512からデクリメント状態514に遷移する(T(M-D))(なぜなら光源100がブロワ108の動作速度を低下させるのに安全な状態にあると判定されるため)。終了基準が満たされない場合に、監視モジュール112は、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況327がクリアである(例えば0の値を有する)かどうかを判定すること(537)に戻る。ステップ536で評価され得る1つの可能な終了基準は、ブロワ108の速度が下限閾値(200rpmなど)を加えたベースライン速度よりも大きいかどうかについての判定である。このケースでは、ブロワ速度を(デクリメント状態514によって)低下させることがより適切であると思われる。ステップ536で評価され得る別の可能な終了基準は、現在生成されている光ビーム102のパルス数が、1億パルスなどの所定の閾値よりも多いかどうかを判定することである。代替的に、生成される光ビーム102のパルス数に基づいてステップ536において終了基準のセットを評価する代わりに、監視モジュール112は、特定の性能改善イベントが発生したかどうかを評価することができる。例えば性能改善イベントは、ガス混合物107が少なくとも部分的に又は完全に置き換えられるガス補充又はガス注入である可能性がある。かかるイベントは、光源100の改善された性能をもたらす可能性がある。
【0069】
[0082] 図5を再度参照すると、図6Aを参照して以上で考察したように、ブロワ108の動作速度がベースライン速度以下である場合(533)に、デクリメントモジュール114はデクリメント状態514を終了し、状態機械510は、ブロワ108の動作速度が問題及び/又は障害が光源100内で発生しない、ベースライン速度を上回る安全な動作速度にインクリメントされるように、デクリメント状態514からベースライン状態518に遷移する(T(D-B))。ベースライン状態518は図6Cを参照して考察される。一般に、ベースライン状態518は、ブロワ108の動作速度がベースライン速度以下である場合にブロワ108の動作速度を上昇させるように構成されている。ベースラインモジュール118は、光源100の障害状況327がクリアである(例えば0に等しい)かどうかを判定する(539)。障害状況327がクリアでない(したがって、フラグが立てられているか又は1の値を有する)場合(539)に、状態機械510は、ブロワ108の動作速度が問題及び/又は障害が光源100内で発生しない安全な動作速度にインクリメントされるように、ベースライン状態518からインクリメント状態516に遷移する(T(B-I))。
【0070】
[0083] 障害状況がクリアである(すなわち0の値を有する)場合(539)に、ベースラインモジュール118は、ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも小さいかどうかを判定する(540)。ブロワ108の動作速度がベースライン速度以上である場合(540)に、状態機械510は、(動作速度を上昇させる必要がないため)ベースライン状態518から監視状態512に遷移する(T(B-M))。一方、ブロワ108の動作速度がベースライン速度よりも小さい場合(540)は、ベースラインモジュール118は、ブロワ速度が最後に変化したとき以来ガス放電チャンバ104が生成した光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多いかどうかを判定する(548)。以上で考察したように、閾値パルス数は、ブロワ速度を変化させる頻度を低下させるために正の整数に事前設定される可能性がある。ガス放電チャンバ104が生成した光ビーム102のパルス数が閾値パルス数以下である場合(548)に、ベースラインモジュール118は、ブロワ速度が最後に変化したとき以来ガス放電チャンバ104が生成した光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多いかどうかを問い合わせし続ける。
【0071】
[0084] ガス放電チャンバ104が生成した光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多い場合(548)に、ベースラインモジュール118は、ブロワ108の動作速度を上昇させる又はインクリメントする(549)。例えばベースラインモジュール118は、ブロワ108の動作速度をインクリメント速度ステップサイズだけインクリメントすることができる。一例として、インクリメント速度ステップサイズは1分につき約5回転(rpm)である可能性がある。ブロワ108の動作速度を上昇させた後に、ベースラインモジュール118は、光源100の障害状況327がクリアである(例えば0に等しい)かどうかを判定するために再びステップ439に戻る。
【0072】
[0085] 図5を再度参照すると、図6Aから図6Cを参照して以上で考察したように、状態機械510は、デクリメント状態514、監視状態512、及びベースライン状態518のいずれか1つからインクリメント状態516に遷移することができる。例えば、デクリメント状態514にあるときに、障害状況327がクリアでない(つまりフラグが立てられているか又は1の値を有する)場合(532)に、デクリメントモジュール114はデクリメント状態514を終了し、状態機械510はデクリメント状態514からインクリメント状態516に遷移する(T(D-I))。一般に、インクリメント状態516において、ブロワ108の動作速度は、問題及び/又は障害が光源100内で発生しない安全な動作速度にインクリメントされる。次に図6Dに示す実施例を参照してインクリメント状態516を考察する。
【0073】
[0086] 具体的にはインクリメント状態516において、インクリメントモジュール116は、光源100の障害状況327がクリア(例えば0)であるかどうかを判定する(544)。障害状況327がクリアでない場合(例えば障害状況が1である場合)(544)に、インクリメントモジュール116は、ブロワ108に新しい目標速度を設定する(545)。ブロワ108の新しい目標速度は、大きいインクリメント速度ステップサイズ(例えば100rpmなど)を加えたブロワ108の動作速度に等しい可能性がある。このアイデアは、障害が発生したときにブロワ108の速度を大幅に上昇させるということである。ブロワ108に新しい目標速度が設定された(545)後又は障害状況がクリアである(例えば障害状況が0である)とインクリメントモジュール116が判定した(544)後に、インクリメントモジュール116は、ブロワ108の動作速度が新しい目標速度未満であるかどうかを判定する(535)。ブロワ108の動作速度が新しい目標速度未満でない(535)、つまりブロワ108の動作速度が新しい目標速度以上である場合(535)に、状態機械510はインクリメント状態516から監視状態512に遷移する(T(I-M))。
【0074】
[0087] ブロワ108の動作速度が目標速度未満である場合(535)に、インクリメントモジュール116は、ガス放電チャンバ104により生成された光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多いかどうかを判定する(546)。ガス放電チャンバ104により生成された光ビーム102のパルス数が閾値パルス数以下である場合に、インクリメントモジュール116は、ガス放電チャンバ104により生成された光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多いかどうかを問い合わせし続ける(546)。ガス放電チャンバ104により生成された光ビーム102のパルス数が閾値パルス数よりも多い場合に、インクリメントモジュール116は、ブロワ108の動作速度を規定量だけ上昇させる又はインクリメントする(547)。例えばインクリメントモジュール116は、ブロワ108の動作速度をインクリメント速度ステップサイズだけ、例えば25rpmだけインクリメントすることができる。ブロワ108の動作速度を上昇させた(547)後、インクリメントモジュール116は、ブロワ108の上昇動作速度が目標速度未満であるかどうかを判定する(535)ためにステップ535に戻る。
【0075】
[0088] より一般的に図7Aを参照すると、装置110はブロワ108を制御するための手順760を実行する。手順760は、装置110(図2)及びガス放電チャンバ104内のブロワ108を含む光源100(図1)に対して実行される可能性がある。手順760はまた、状態機械510(図5)に対して実行される可能性がある。以下において手順760は、ブロワ108を含む光源100について説明される。
【0076】
[0089] 手順760は、光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視すること(761)を含む。例えば図6Bを参照して以上で考察したように、監視モジュール112は、光源100の1つ以上の動作状態の障害状況327(図3)を監視する(537)。
【0077】
[0090] 次に装置110は、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合にブロワ108の動作速度をデクリメントする(763)。例えば図6Aを参照すると、光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況327がクリアである場合(532)且つブロワ108の低下動作速度がベースライン速度を上回る場合(534)に、デクリメントモジュール114はブロワ108の動作速度をデクリメントする(542)。ブロワ108の動作速度をデクリメントすることは、ブロワ108の動作速度をデクリメント速度ステップサイズだけ低下させることを含む可能性がある。また、ブロワ108の動作速度をデクリメントすることは、ブロワ108の動きが引き起こす光源100内の振動の量を減らすことを含む可能性がある。
【0078】
[0091] 一方、図7を再度参照すると、装置110は、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワ108の動作速度をインクリメントする(765)。例えば図6Dを参照すると、光源100の障害状況327にフラグが立てられた場合に、インクリメントモジュール116は、ブロワ108の動作速度をインクリメントする(547)。ブロワ108の動作速度をインクリメントすることは、ブロワ108の動作速度をインクリメント速度ステップサイズだけ上昇させることを含む可能性がある。このようにして、インクリメントモジュール116は、ブロワ108が光源100内に問題及び/又は障害をもたらし得る動作速度で動作することを妨げる。
【0079】
[0092] 図7Bも参照すると、手順760は、ブロワの低下動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワの動作速度をインクリメントすること(767)を更に含む可能性がある。例えば図6Cを参照すると、ベースラインモジュール118が(デクリメントモジュール114が低下させた)ブロワ108の低下動作速度がベースライン速度を下回っていると判定した場合(540)に、ベースラインモジュール118はブロワ108の動作速度を上昇させる又はインクリメントする(549)。したがって、インクリメントモジュール116と同様に、ベースラインモジュール118は、ブロワ108が光源100内に問題及び/又は障害をもたらし得る動作速度で動作することを妨げる。
【0080】
[0093] 一例では、ブロワ108の動作速度をデクリメント及びインクリメントすることは、最低ブロワ速度と最高ブロワ速度とにより定められたブロワ速度範囲内でブロワ108の動作速度を調整することを含む可能性がある。換言すれば、ブロワ108の動作速度は、インクリメント及びデクリメントモジュール114、116(並びにベースラインモジュール118)によって最低ブロワ速度と最高ブロワ速度との間で調整される。以上で説明したように、ブロワ速度範囲は、光源100が問題及び/又は障害を有さず、適切に動作する安全範囲である。このように、装置110は、ブロワ108によって最小エネルギーが消費され、光源100により消費されるエネルギーが減るように動作速度を安全なブロワ速度範囲内で調整することによってブロワ108の動作速度を制御することができる。
【0081】
[0094] 一部の実施例では、手順760は更に、それぞれが光源100の1つ以上の動作状態に関する障害状況327に依存する、ブロワ108のインクリメント速度ステップサイズ及びデクリメント速度ステップサイズを決定することを含む。具体的には、光源100の1つ以上の研究が、例えばユーザが光源100の安定性を双方が維持し、光源100の性能に悪影響を及ぼさない(その結果、光源100の障害状況327がクリアのままである)最大のインクリメント速度ステップサイズ及びデクリメント速度ステップサイズを決定することによって実行される可能性がある。また、手順760は更に、光源100の1つ以上の動作状態の障害状況327に依存するブロワ108のブロワ速度範囲を決定することを含む可能性がある。同様に、光源100の1つ以上の研究は、例えばユーザが、ブロワ108がブロワ速度範囲内で動作するときに光源100の性能が悪影響を受けない(その結果、光源100の障害状況327がクリアのままである)ように最低ブロワ速度及び最高ブロワ速度(ひいてはブロワ速度範囲)を決定することによって実行される可能性がある。
【0082】
[0095] 図3を再び参照すると、一部の実施例では、光源100の(各性能測定基準320_1~320_Nと関連付けられている)動作状態の少なくとも1つは能動的であり、動作状態の少なくとも1つは反応的である。具体的には、能動的動作状態では、ブロワ108の動作速度は、関連性能測定基準320_1~320_Nの値323_1~323_Nが性能測定基準320_1~320_Nの閾値範囲324_1~324_N外になる前に(例えば、インクリメントモジュール116又はデクリメントモジュール114によって)調整される。反応的動作状態では、ブロワ108の動作速度は、関連性能測定基準320_1~320_Nの値323_1~323_Nが性能測定基準320_1~320_Nの閾値範囲324_1~324_N外になった後に(例えば、インクリメントモジュール116又はデクリメントモジュール114によって)調整される。また、一部の実施例では、各能動的動作状態は、性能測定基準320_1~320_Nの実際の閾値範囲324_1~324_Nよりも狭い限られた閾値範囲と関連付けられており、ブロワ108の動作速度は、能動的動作状態の障害状況325_1~325_Nを限られた閾値範囲に基づいて判定することによって、関連性能測定基準320_1~320_Nの値323_1~323_Nが実際の閾値範囲324_1~324_N外になる前に(例えば、インクリメントモジュール116又はデクリメントモジュール114によって)調整される。
【0083】
[0096] 図8を参照すると、光源100(図1)の実施例800が、2つのガス放電チャンバ804A、804Bを備えた光発生装置805であって、リソグラフィ露光装置801に向けられるパルス出力光ビーム802を生成する光発生装置805を備える。パルス出力光ビーム802は、半導体基板すなわちウェーハ870をパターニングするためにリソグラフィ露光装置801により使用される紫外領域の(例えば深紫外領域の)波長を有する。図8の例では、ガス放電チャンバ804Aは、シード光ビーム802sを生成するように構成された主発振器の一部であり、ガス放電チャンバ804Bは、シード光ビーム802sから出力光ビーム802を生成するように構成されたパワー増幅器の一部である。放電チャンバ804A、804Bのそれぞれは、対応するブロワ808A、808Bを備え、ブロワ808A、808Bのそれぞれは、対応するエネルギー源806A、806Bからの利得媒体を含む対応するガス混合物807A、807Bを対応するガス放電チャンバ804A、804B内で移動させるように構成されている。図8の例では、装置110は、2つのブロワ808A、808Bの動作速度を制御するように構成されている。具体的には装置110は、光源800内の問題及び/又は障害が発生しない(又は少なくとも軽減される)ことを保証しつつ、光源800の動作中に最小のエネルギー又は電力量を消費するようにブロワ808A、808Bを制御する。光源800の他の実施例も可能である。
【0084】
[0097] 各放電チャンバ804A、804Bは、対応する内部キャビティ873A、873B内に対応するガス混合物807A、807Bを保持するように構成されている。対応する放電チャンバ804A、804B内で使用されるガス混合物807A、807Bは、所要の波長、帯域幅、及びエネルギーを中心とする対応する光ビーム802s、802を生成するのに適したガスの組み合わせである可能性がある。例えばガス混合物807A、807Bは、約193nmの波長の光を放出するフッ化アルゴン(ArF)を含む可能性がある。各放電チャンバ804A、804Bは、対応するブロワ808A、808Bと、この実施例では対応する光学コンポーネント875A、876A、877A、875B、876B、877Bとを保持するように構成された対応するチャンバ壁803A_1、803A_2、803B_1、803B_2によって画定されている。各放電チャンバ804A、804Bは、各内部キャビティ873A、873B内のガス混合物807A、807Bにエネルギーを供給するように構成された対応するエネルギー源806A、806Bを収容する。例えば各エネルギー源806A、806Bは、電位差を形成し、動作時にガス混合物807A、807Bの利得媒体を励起する一対の電極を備える可能性がある。
【0085】
[0098] 各放電チャンバ804A、804Bは1つ以上の光学コンポーネントを備える可能性がある。例えば放電チャンバ804Aは、放電チャンバ804Aの内部キャビティ873Aと関連した光学コンポーネント875A、876Aを備える。光学コンポーネント875A、876Aは、光ビームが放電チャンバ804Aの内部キャビティ873Aに出入りすることを可能にするウィンドウを備える可能性がある。光学コンポーネント875Aは、シード光ビーム802sが放電チャンバ804Aを出ることを可能にする部分反射/部分透過光カプラである可能性がある。また、光源800は更に、放電チャンバ804Aから出力されたシード光ビーム802sの波長及び/又は帯域幅を選択するスペクトル特徴選択モジュールに対応する光学コンポーネント877Aなどの、放電チャンバ804Aの外部にある他の光学コンポーネントを備える可能性がある。例えばスペクトル特徴選択モジュール877Aは、ビーム拡大プリズム又はビームスプリッタの1つ以上を備える可能性がある。この例では、光学コンポーネント875Aはチャンバ壁803A_1内に保持されており、光学コンポーネント876Aはチャンバ壁803A_2内に保持されている。
【0086】
[0099] 放電チャンバ804Bは、放電チャンバ804Bの内部キャビティ873Bと関連した光学コンポーネント875B、876Bを備える。光学コンポーネント875B、876Bは、光ビーム(シード光ビーム802s及び光ビーム802など)が放電チャンバ804Bの内部キャビティ873Bに出入りすることを可能にするウィンドウを備える可能性がある。また、光源800は更に、放電チャンバ804Bを通って戻るように光ビーム802を誘導するように構成されたビーム反転器又は回転器に対応する光学コンポーネント877Bなどの、放電チャンバ804Bの外部にある他の光学コンポーネントを備える可能性がある。図8の例では、光学コンポーネント875Bはチャンバ壁803B_1内に保持されており、光学コンポーネント876Bはチャンバ壁803B_2内に保持されている。
【0087】
[0100] 光源800の動作使用中に、装置110は、2つのブロワ808A、808Bの各動作速度を制御する。一部の実施例では、ブロワ808Aの動作速度の制御は、ブロワ808Bの動作速度の制御から独立している可能性がある。一部の実施例では、各ブロワ808A、808Bは専用装置(810A、810B)によって独立に制御される。また、装置810Bは、放電チャンバ804A、804Bが出力光ビームのパラメータにそれぞれどのように影響を及ぼすかについての違いを考慮して、装置810Aと設計が異なる可能性がある。更に、これらの実施例ではブロワ808A、808Bの制御は結合されていないが、装置810A、810Bによる同時制御は、各ブロワ808A、808Bがチャンバ804A、804Bのフレーム内の振動を駆動する方法が異なるため、1つのみを制御する場合とは性能の点で異なった結合をする可能性がある。
【0088】
[0101] 他の実施例では、ブロワ808A及び/又はブロワ808Bの動作速度の制御は、光発生装置105と関連する性能測定基準に依存する可能性があり、したがって、2つのブロワ808A、808Bの制御は結合される可能性がある。
【0089】
[0102] 一部の実施例では、第1の放電チャンバ804Aのブロワ810Aを制御するように構成された単一の装置110を備えることが可能であるが、第2の放電チャンバ804Bのブロワ810Bを制御するのに装置110を使用しない。
【0090】
[0103] 具体的には図8の例において、装置110(図2)は、光源800の1つ以上の動作状態の障害状況を監視する監視モジュール112と、光源800の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ対応するブロワ808A、808Bの低下動作速度がベースライン速度以上である場合に適切なブロワ808A、808Bの動作速度を低下させるデクリメントモジュール114と、光源800の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合に適切なブロワ808A、808Bの動作速度を上昇させるインクリメントモジュール116とを備える。このようにして、装置110は、光源800の動作中に最小のエネルギー又は電力量を消費するようにブロワ808A、808Bを制御し、これによって光源800内の問題及び/又は障害は、光源800の障害状況及びブロワ808A、808Bのベースライン速度に基づいて軽減又は緩和される。
【0091】
[0104] 図9Aを参照すると、光源100(図1)の実施例900が、それぞれが対応するガス放電チャンバ904-1~904-Nを備えた複数の光発振器909-1~909-Nを備え、リソグラフィ露光装置901に向けられるパルス光ビーム902を生成する光発生装置905と、制御システム950とを備える。光源900は、半導体基板すなわちウェーハ970をパターニングするために、例えばリソグラフィ露光装置901により使用される紫外領域の出力光ビーム902を生成するように構成されている。具体的には、リソグラフィ露光装置901は、(この例では露光ビームである)光ビーム902を投影光学システム995に通過させることによって形成される成形露光ビーム902’でウェーハ970を露光する。図9Aの例では、光発生装置905は、N個の光発振器909_1~909_N、ひいてはN個のガス放電チャンバ904-1~904-Nを備える(ここでNは1よりも大きい整数である)。ガス放電チャンバ904-1~904-Nのそれぞれは、対応する光ビーム978-1~978-Nをビームコンバイナ993に向けて放出するように構成されている。示されている例では、制御システム950は光発生装置905及びリソグラフィ露光装置901に接続されている。光源900の他の実施例も可能である。
【0092】
[0105] ガス放電チャンバ904-1~904-Nのそれぞれは、対応するブロワ908-1~908-Nを備え、ブロワ908-1~908-Nのそれぞれは、対応するエネルギー源906-1~906-Nからの利得媒体を含む対応するガス混合物907-1~907-Nを対応するガス放電チャンバ904-1~904-N内で移動させるように構成されている。図9Aの例では、装置110(図2)は、ブロワ908-1~908-Nのそれぞれの動作速度を制御するブロワコントローラである制御システム950の一部として備えられている。装置110は、ブロワ908-1~908-Nの動作速度を制御するように構成されている。具体的には、装置110は、光源900内の問題及び/又は障害が発生しない(又は少なくとも軽減される)ことを保証しつつ、光源900の動作中に最小のエネルギー又は電力量を消費するように各ブロワ908-1~908-Nを制御する。
【0093】
[0106] 光発振器909-1の詳細を以下で考察する。光発生装置905の他のN-1個の光発振器は同じ又は類似の特徴を備える。
【0094】
[0107] 光発振器909-1は、例えばカソード及びアノードを含み得るエネルギー源906-1と、ブロワ908-1とを収容するガス放電チャンバ904-1を備える。放電チャンバ904-1はまた、利得媒体を含むガス混合物907-1を含む。放電チャンバ904-1の一方の側にあるスペクトル特徴選択モジュール977-1と放電チャンバ904-1の第2の側にある出力カプラ980-1との間に共振器が形成される。スペクトル特徴選択モジュール977-1は、放電チャンバ904-1のスペクトル出力を細かく調整する、例えば格子及び/又はプリズムなどの回折光学素子を備える可能性がある。一部の実施例では、スペクトル特徴選択モジュール977-1は複数の回折光学素子を備える。例えばスペクトル特徴選択モジュール977-1は4つのプリズムを備える可能性があり、そのうちのいくつかは光ビーム978-1の中心波長を制御するように構成されており、他のものは光ビーム978-1のスペクトル帯域幅を制御するように構成されている。
【0095】
[0108] 一部の実施例では、スペクトル特徴選択モジュール977-1は、例えばスペクトル特徴選択モジュール977-1内の様々なコンポーネントを制御するように構成されているスペクトル特徴制御システムを含む又はこれと通信状態にある可能性がある。これらの実施例では、(この例では制御システム950の一部である)装置110のデクリメントモジュール114及びインクリメントモジュール116はそれぞれ、ブロワ908-1の第2高調波のエイリアシングされた周波数が光源900と関連したスペクトル特徴制御システムと干渉する干渉ブロワ動作速度を回避するように構成される可能性がある。例えば干渉ブロワ動作速度は、光源900が(この例では光ビーム902又は露光ビーム902’を含む)光ビームを生成する繰り返し率に依存している可能性がある。
【0096】
[0109] 光発振器909-1はまた、出力カプラ980-1から出力光ビームを受光するライン中心解析モジュール981-1を備える。ライン中心解析モジュール981-1は、光ビーム978-1の波長を測定又は監視するのに使用され得る測定システムである。ライン中心解析モジュール981-1は制御システム950にデータを提供することができ、制御システム950は、ライン中心解析モジュール981-1からのデータに基づいて光ビーム978-1に関連したメトリクスを決定することができる。例えば制御システム950は、ライン中心解析モジュール981-1が測定したデータに基づいてビーム品質メトリック又はスペクトル帯域幅を決定することができる。
【0097】
[0110] 光発生装置905は、放電チャンバ904-1の内部に流体管998を介して流体結合されているガス供給システム990も備える。流体管998は、ガス又は他の流体をその流体の損失を無にして又は最小限に抑えて輸送することができる任意の導管である。例えば流体管998は、導管998で輸送される1種類以上の流体と反応しない材料で作られている又は被覆されているパイプである可能性がある。ガス供給システム990は、ガス混合物907-1で使用される1種類以上のガスを含む及び/又はそのガスの供給を受けるように構成されているチャンバ991を備える。ガス供給システム990は、ガス供給システム990が放電チャンバ904-1からガスを除去したり放電チャンバ904-1にガスを注入したりすることを可能にするデバイス(ポンプ、バルブ、及び/又は流体スイッチ)も備える。ガス供給システム990は制御システム950に結合されている。ガス供給システム990は、例えば補充手順を実行するように制御システム950によって制御される可能性がある。
【0098】
[0111] 他のN-1個の光発振器は、光発振器904-1に類似しており、類似の又は同じコンポーネント及び下位システムを有する。例えば光発振器909-1~909-Nのそれぞれは、エネルギー源906-1に類似のエネルギー源、スペクトル特徴選択モジュール977-1に類似のスペクトル特徴選択モジュール、及び出力カプラ980-1に類似の出力カプラを備える。光発振器909-1~909-Nは、光ビーム978-1~978-Nの全てが同じ特性を有するように調整又は構成される可能性がある、又は光発振器909-1~909-Nは、少なくとも一部の光発振器が他の光発振器と異なる少なくとも一部の特性を有するように調整又は構成される可能性がある。例えば光ビーム978-1~978-Nの全ては同じ中心波長を有する可能性がある、又は各光ビーム978-1~978-Nの中心波長は異なる可能性がある。光発振器909-1~909-Nの特定の1つにより生成される中心波長は、対応するスペクトル特徴選択モジュールを使用して設定される可能性がある。
【0099】
[0112] 光発生装置905はまた、ビーム制御装置992及びビームコンバイナ993を備える。ビーム制御装置992は、光発振器909-1~909-Nのガス混合物とビームコンバイナ993の間にある。ビーム制御装置992は、光ビーム978-1~978-Nのうちのどれがビームコンバイナ993に入射するかを決定する。ビームコンバイナ993は、ビームコンバイナ993に入射する1つ以上の光ビームから露光ビーム902を形成する。示されている例では、ビーム制御装置992は単一の素子として表されている。ただしビーム制御装置992は、個別のビーム制御装置の集合体として実装される可能性がある。例えばビーム制御装置992はシャッタの集合体である可能性があり、1つのシャッタは各光発振器909-1~909-Nと関連付けられている。
【0100】
[0113] 光発生装置905は他のコンポーネント及びシステムを備える可能性がある。例えば光発生装置905は、光ビームの様々な特性(帯域幅又は波長など)を測定する帯域幅解析モジュールを備えたビーム準備システム994を備える可能性がある。ビーム準備システム994はまた、パルスストレッチャ(図示せず)を備える可能性があり、パルスストレッチャは、パルスストレッチャと相互作用する各パルスを時間的に引き伸ばす。ビーム準備システム994はまた、例えば反射及び/又は屈折光学素子(例えば、レンズ及びミラーなど)、及び/又はフィルタなど、光に作用することができる他のコンポーネントを備える可能性がある。示されている例では、ビーム準備システム994は、露光ビーム902の経路内に位置決めされる。一方、ビーム準備システム994は、光源900内の他の場所に配置される可能性がある。また、他の実施例も可能である。例えば、光発生装置905は、ビーム準備システム994のN個のインスタンスを含む可能性があり、インスタンスのそれぞれは、光ビーム978-1~978-Nの1つと相互作用するように配置される。別の例では、光発生装置905は、光ビーム978-1~978-Nをビームコンバイナ993の方向に向ける光学素子(ミラーなど)を備える可能性がある。
【0101】
[0114] リソグラフィ露光装置901は、液浸システム又は乾式システムである可能性がある。リソグラフィ露光装置901は、露光ビーム902がウェーハ970に到達する以前に通過する投影光学システム995と、センサシステム又はメトロロジシステム997とを備える。ウェーハ970は、ウェーハホルダ996上に保持又は収容される。図9Bも参照すると、投影光学システム995は、スリット995a、マスク995b、及びレンズシステム995cを含む投影対物系を備える。レンズシステム995cは1つ以上の光学素子を含む。露光ビーム902は、リソグラフィ露光装置901に入り、スリット995aに衝突し、ビーム902の少なくとも一部がスリット995aを通過して、成形露光ビーム902’を形成する。図9A及び図9Bの例では、スリット995aは、矩形であり、露光ビーム902を成形露光ビーム902’である細長い矩形の成形光ビームに成形する。マスク995bは、成形光ビームのどの部分がマスク995bを透過し、どの部分がマスク995bによって遮断されるかを決定するパターンを含む。ウェーハ970上の放射感応性フォトレジスト材料の層を露光ビーム902’で露光することによって、ウェーハ970上にマイクロ電子フィーチャが形成される。マスク上のパターンのデザインは、所望の具体的なマイクロ電子回路の特徴によって決定される。
【0102】
[0115] 実施形態は以下の条項を用いて更に説明される可能性がある。1.光源のための装置であって、
光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視する監視モジュールと、
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワであって、エネルギーをガス混合物に供給するエネルギー源からの利得媒体を含むガス混合物をガス放電チャンバ内で移動させるブロワの動作速度を低下させるデクリメントモジュールと、
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度を上昇させるインクリメントモジュールと、を備えた装置。
2.ブロワのベースライン速度が、ガス放電チャンバの使用年数と関連するものであり、ベースライン速度が、ガス放電チャンバが経時的に老朽化するにつれて変化する、条項1の装置。
3.1つ以上の動作状態のそれぞれが、光源に又は光源により生成される光ビームに関する性能測定基準によって定められる、条項1の装置。
4.1つ以上の性能測定基準が、光ビームと関連する波長ヒストグラム、光ビームと関連するエネルギードーズ誤差、光ビームと関連するエネルギー誤差、及び光源内のガス放電チャンバの動作点を含む、条項3の装置。
5.関連性能測定基準の少なくとも1つがその性能測定基準の閾値範囲内にない場合に障害状況にフラグが立てられ、関連性能測定基準の全てがその対応する閾値範囲内にある場合に障害状況がクリアである、条項3の装置。
6.光源の動作状態の少なくとも1つが、ブロワの動作速度が関連性能測定基準の値が性能測定基準の閾値範囲外になる前に調整されるように能動的であり、動作状態の少なくとも1つが、ブロワの動作速度が、関連性能測定基準の値が性能測定基準の閾値範囲外になった後に調整されるように反応的である、条項5の装置。
7.各能動的動作状態が、性能測定基準の実際の閾値範囲よりも狭い限られた閾値範囲と関連付けられており、ブロワの動作速度が、能動的動作状態の障害状況を限られた閾値範囲に基づいて判定することによって、関連性能測定基準の値が実際の閾値範囲外になる前に調整される、条項6の装置。
8.光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況が、ローパスフィルタ又は加重和フィルタを使用して判定される、条項1の装置。
9.デクリメントモジュールが、デクリメント速度ステップサイズだけブロワの動作速度を低下させ、インクリメントモジュールが、インクリメント速度ステップサイズだけブロワの動作速度を上昇させる、条項1の装置。
10.インクリメント速度ステップサイズがデクリメント速度ステップサイズよりも大きい、条項9の装置。
11.インクリメント速度ステップサイズが、1分につき25回転(rpm)以下であり、デクリメント速度ステップサイズが、インクリメント速度ステップサイズの約2分の1、3分の1、4分の1、又は5分の1である、条項9の装置。
12.ブロワの動作速度が、最低ブロワ速度及び最高ブロワ速度により定められたブロワ速度範囲内でインクリメントモジュール及びデクリメントモジュールによって調整される、条項1の装置。
13.デクリメントモジュール及びインクリメントモジュールがそれぞれブロワの第2高調波のエイリアシングされた周波数が光源と関連付けられたスペクトル特徴制御システムと干渉するブロワ動作速度を回避する、条項1の装置。
14.干渉するブロワ動作速度が、光源が光ビームを生成する繰り返し率に依存する、条項13の装置。
15.ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワの動作速度を上昇させるベースラインモジュールを更に備えた、条項1の装置。
16.装置が、監視モジュールが監視状態であり、デクリメントモジュールがデクリメント状態であり、インクリメントモジュールがインクリメント状態である、光源のための状態機械である、条項1の装置。
17.ブロワの動作速度をデクリメント状態において低下させた後に、状態機械が、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にデクリメント状態からインクリメント状態に遷移する、条項16の装置。
18.状態機械が、ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワの動作速度を上昇させるベースライン状態を更に含み、状態機械が、ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合にデクリメント状態からベースライン状態に遷移する、条項16の装置。
19.ベースライン状態がブロワの動作速度をベースライン状態において上昇させた後に、状態機械が、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にベースライン状態からインクリメント状態に遷移する、条項18の装置。
20.状態機械が、ブロワの動作速度がベースライン速度を下回る場合に監視状態からベースライン状態に遷移する、条項18の装置。
21.ブロワの動作速度をインクリメント状態において上昇させた後に、状態機械が、ブロワの上昇動作速度が目標速度よりも大きい場合にインクリメント状態から監視状態に遷移する、条項16の装置。
22.状態機械が、光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合に監視状態からインクリメント状態に遷移する、条項16の装置。
23.状態機械が、1つ以上の終了基準が満たされた場合に監視状態からデクリメント状態に遷移し、終了基準が、ベースライン速度、光源により生成された光ビームパルスの数、及び光源の性能の改善をもたらすイベントのうちの1つ以上に基づいている、条項16の装置。
24.光源のためのブロワコントローラであって、
光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワであって、エネルギーをガス混合物に供給するエネルギー源からの利得媒体を含むガス混合物をガス放電チャンバ内で移動させるブロワと通信状態にある制御システムを備え、制御システムが、
光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視し、
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、ブロワの動作速度をデクリメント状態において低下させ、
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度をインクリメント状態において上昇させるブロワコントローラ。
25.制御システムが、
コンピュータ可読メモリモジュールと、
コンピュータ可読メモリモジュールに結合された1つ以上の電子プロセッサとを備える、条項24のブロワコントローラ。
26.1つ以上の動作状態に関する障害状況が、障害状況に障害状況がクリアである場合に0の値が、障害状況にフラグが立てられた場合に1の値が割り当てられる2進法を用いて定められる、条項24のブロワコントローラ。
27.制御システムが更に、ブロワの低下動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワの動作速度をインクリメント状態において上昇させる、条項24のブロワコントローラ。
28.光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワを制御する方法であって、
光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視すること、
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、ブロワの動作速度をデクリメントすること、並びに
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度をインクリメントすることを含む方法。
29.ブロワの動作速度をデクリメントすることが、ブロワの動きにより引き起こされる光源内の振動の量を減らすことを含む、条項28の方法。
30.ブロワの動作速度をデクリメントすることが、ブロワの動作速度をデクリメント速度ステップサイズだけ低下させることを含み、ブロワの動作速度をインクリメントすることが、ブロワの動作速度をインクリメント速度ステップサイズだけ上昇させることを含む、条項28の方法。
31.それぞれが光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況に依存する、ブロワのインクリメント速度ステップサイズ及びデクリメント速度ステップサイズを決定することを更に含む、条項30の方法。
32.ブロワの動作速度をデクリメント及びインクリメントすることが、最低ブロワ速度及び最高ブロワ速度により定められたブロワ速度範囲内でブロワの動作速度を調整することを含む、条項28の方法。
33.光源の1つ以上の動作状態の障害状況に依存するブロワのブロワ速度範囲を決定することを更に含む、条項32の方法。
34.ブロワの低下動作速度がベースライン速度を下回る場合にブロワの動作速度をインクリメントすることを更に含む、条項28の方法。
35.1つ以上の動作状態に関する障害状況を監視することが、1つ以上の終了基準を、終了基準の1つ以上が満たされる場合にのみブロワの動作速度を低下させるように監視することを含む、条項28の方法。
36.終了基準が、ベースライン速度と、光源により生成された光ビームパルスの数とに基づいており、終了基準が、ブロワの動作速度がベースライン速度よりも大きく、光ビームパルスの数が最小パルス数よりも多い場合に満たされる、条項35の方法。
37.利得媒体を含むガス混合物を保持し、エネルギーをガス混合物に供給するエネルギー源を収容し、光ビームを生成する1つ以上のガス放電チャンバであって、少なくとも1つがエネルギー源からのガス混合物をガス放電チャンバ内で移動させるブロワを保持するガス放電チャンバを備えた光発生装置と、
ブロワの動作速度を調整する装置であって、
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況を監視する監視モジュール、
光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上となる場合に、ブロワの動作速度を低下させるデクリメントモジュール、及び
光源の1つ以上の動作状態の障害状況にフラグが立てられた場合にブロワの動作速度を上昇させるインクリメントモジュールを備えた装置と、を備えた紫外線光源。
38.利得媒体が、電圧信号がエネルギー源に印加されることに応答して深紫外(DUV)光を放出する、条項37の紫外線光源。
39.ガス利得媒体が、フッ化アルゴン(ArF)、フッ化クリプトン(KrF)、又は塩化キセノン(XeCl)を含む、条項38の紫外線光源。
40.光発生装置が、シード光ビームを生成する主発振器と、シード光ビームから出力光ビームを生成するパワー増幅器とを備えた2つのガス放電チャンバを備える、条項37の紫外線光源。
41.光発生装置が、複数のガス放電チャンバを備えており、ガス放電チャンバのそれぞれが、光ビームをビームコンバイナに向けて放出する、条項37の紫外線光源。
42.装置が、ブロワの低下動作速度がベースライン速度を下回る場合に、ブロワの動作速度を上昇させる、条項37の紫外線光源。
【0103】
[0116] 他の実施例は請求項の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
【手続補正書】
【提出日】2023-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源のための装置であって、
前記光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視する監視モジュールと、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、前記光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワであって、エネルギーをガス混合物に供給するエネルギー源からの利得媒体を含む前記ガス混合物を前記ガス放電チャンバ内で移動させるブロワの動作速度を低下させるデクリメントモジュールと、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるインクリメントモジュールと、を備えた装置。
【請求項2】
前記1つ以上の動作状態のそれぞれが、前記光源に又は前記光源により生成される光ビームに関する性能測定基準によって定められる、請求項1の装置。
【請求項3】
前記1つ以上の性能測定基準が、前記光ビームと関連する波長ヒストグラム、前記光ビームと関連するエネルギードーズ誤差、前記光ビームと関連するエネルギー誤差、及び前記光源内の前記ガス放電チャンバの動作点を含む、請求項の装置。
【請求項4】
前記光源の前記1つ以上の動作状態に関する前記障害状況が、ローパスフィルタ又は加重和フィルタを使用して判定される、請求項1の装置。
【請求項5】
前記デクリメントモジュールが、デクリメント速度ステップサイズだけ前記ブロワの前記動作速度を低下させ、前記インクリメントモジュールが、インクリメント速度ステップサイズだけ前記ブロワの前記動作速度を上昇させる、請求項1の装置。
【請求項6】
前記インクリメント速度ステップサイズが前記デクリメント速度ステップサイズよりも大きい、請求項の装置。
【請求項7】
前記デクリメントモジュール及び前記インクリメントモジュールがそれぞれ前記ブロワの第2高調波のエイリアシングされた周波数が前記光源と関連付けられたスペクトル特徴制御システムと干渉するブロワ動作速度を回避する、請求項1の装置。
【請求項8】
干渉する前記ブロワ動作速度が、前記光源が光ビームを生成する繰り返し率に依存する、請求項の装置。
【請求項9】
前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるベースラインモジュールを更に備えた、請求項1の装置。
【請求項10】
前記装置が、前記監視モジュールが監視状態であり、前記デクリメントモジュールがデクリメント状態であり、前記インクリメントモジュールがインクリメント状態である、前記光源のための状態機械であり、前記ブロワの前記動作速度を前記デクリメント状態において低下させた後に、前記状態機械が、前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記デクリメント状態から前記インクリメント状態に遷移する、請求項の装置。
【請求項11】
前記装置が、前記監視モジュールが監視状態であり、前記デクリメントモジュールがデクリメント状態であり、前記インクリメントモジュールがインクリメント状態である、前記光源のための状態機械であり、前記状態機械が、前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるベースライン状態を更に含み、前記状態機械が、前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記デクリメント状態から前記ベースライン状態に遷移する、請求項の装置。
【請求項12】
前記状態機械が、前記ブロワの前記動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記監視状態から前記ベースライン状態に遷移する、請求項11の装置。
【請求項13】
前記装置が、前記監視モジュールが監視状態であり、前記デクリメントモジュールがデクリメント状態であり、前記インクリメントモジュールがインクリメント状態である、前記光源のための状態機械であり、前記状態機械が、1つ以上の終了基準が満たされた場合に前記監視状態から前記デクリメント状態に遷移し、前記終了基準が、前記ベースライン速度、前記光源により生成された光ビームパルスの数、及び前記光源の性能の改善をもたらすイベントのうちの1つ以上に基づいている、請求項の装置。
【請求項14】
光源のためのブロワコントローラであって、
前記光源のガス放電チャンバ内に配置されたブロワであって、エネルギーをガス混合物に供給するエネルギー源からの利得媒体を含む前記ガス混合物を前記ガス放電チャンバ内で移動させるブロワと通信状態にある制御システムを備え、前記制御システムが、
前記光源の1つ以上の動作状態の障害状況を監視し、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上になる場合に、前記ブロワの動作速度をデクリメント状態において低下させ、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ブロワの前記動作速度をインクリメント状態において上昇させるブロワコントローラ。
【請求項15】
前記1つ以上の動作状態に関する前記障害状況が、前記障害状況に前記障害状況がクリアである場合に0の値が、前記障害状況にフラグが立てられた場合に1の値が割り当てられる2進法を用いて定められる、請求項14のブロワコントローラ。
【請求項16】
前記制御システムが更に、前記ブロワの前記低下動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に前記ブロワの前記動作速度を前記インクリメント状態において上昇させる、請求項14のブロワコントローラ。
【請求項17】
利得媒体を含むガス混合物を保持し、エネルギーを前記ガス混合物に供給するエネルギー源を収容し、光ビームを生成する1つ以上のガス放電チャンバであって、少なくとも1つが前記エネルギー源からの前記ガス混合物を前記ガス放電チャンバ内で移動させるブロワを保持するガス放電チャンバを備えた光発生装置と、
前記ブロワの動作速度を調整する装置であって、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する障害状況を監視する監視モジュール、
前記光源の1つ以上の動作状態に関する前記障害状況がクリアである場合且つ低下動作速度がベースライン速度以上となる場合に、前記ブロワの前記動作速度を低下させるデクリメントモジュール、及び
前記光源の1つ以上の動作状態の前記障害状況にフラグが立てられた場合に前記ブロワの前記動作速度を上昇させるインクリメントモジュールを備えた装置と、を備えた紫外線光源。
【請求項18】
前記光発生装置が、複数のガス放電チャンバを備えており、前記ガス放電チャンバのそれぞれが、光ビームをビームコンバイナに向けて放出する、請求項17の紫外線光源。
【請求項19】
前記装置が、前記ブロワの前記低下動作速度が前記ベースライン速度を下回る場合に、前記ブロワの前記動作速度を上昇させる、請求項17の紫外線光源。
【国際調査報告】