(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】フォトレジストの露光後ベークのための装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
H01L21/30 568
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536957
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021059552
(87)【国際公開番号】W WO2022132363
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブッフベルガー, ジュニア, ダグラス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】デュコヴィッチ, ジョン オー.
(72)【発明者】
【氏名】ネマニ, シュリニヴァス ディ.
【テーマコード(参考)】
5F146
【Fターム(参考)】
5F146KA04
5F146KA10
(57)【要約】
本明細書では、フォトリソグラフィプロセス中に空隙を介在させることなく、電場及び/又は磁場をフォトレジスト層に印加するための方法及び装置が提供される。本方法及び装置は、処理流体が充填されるように構成されるチャンバ本体と、基板キャリアとを含む。基板が基板キャリア上に搬入される間、基板キャリアは処理空間の外側に配置されるが、処理流体に進入するのと同時又は進入する前のどちらかで、処理位置まで回転される。基板キャリアは、基板の露光後のベークプロセスを実行するために電場が利用される前に、電極と平行な処理位置まで回転される。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空間を画定するチャンバ本体であって、
底面、
1つ又は複数の側壁、及び
前記チャンバ本体の前記底面を通って配置された流体ポート
を備える、チャンバ本体と、
基板キャリアと、
主要面を含む、前記底面の上方に配置される電極と、
前記チャンバ本体内に配置され、前記基板キャリアを処理位置にガイドするように構成されたトラックであって、1つ又は複数の基板の各々のデバイス側は、前記処理位置にある間、前記電極の主要面に平行である、トラックと、
前記キャリアトラックの少なくとも一部と平行な位置に前記基板キャリアを位置決めするように動作可能なアクチュエータと
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
トラックは、
前記チャンバ本体の前記底面に対して第1の角度で配置された第1のトラックセグメントと、
前記第1のトラックセグメントに連結された移行トラックセグメントと、
前記移行トラックセグメントに連結され、前記電極の前記主要面に平行な第2のトラックセグメントと
を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
搬入デバイスが、アクチュエータに連結され、搬入位置から前記第1のトラックセグメントと平行な角度付けされた位置まで前記基板キャリアを回動させるように構成されている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記角度付けされた位置は、水平面に対して約60度~約90度である、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板キャリアが前記処理位置にある間の前記電極と前記基板キャリアとの間の距離が、約7mm未満である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記トラックは接地されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板キャリアは、前記基板キャリアを前記トラックに連結する1つ又は複数のトラックコネクタを含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板キャリアは複数の単一キャリアを有するバッチキャリアであり、前記電極はバッチ電極であり、前記バッチ電極は複数の電極デバイスを含み、前記複数の電極デバイスの各々が互いに平行に配置されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記トラックは、前記チャンバ本体の前記1つ又は複数の側壁に連結される、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記基板キャリアの各々が、その上に配置された絶縁層を含む、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
処理空間を画定するチャンバ本体であって、
底面、
1つ又は複数の側壁、及び
前記チャンバ本体の前記底面を通って配置された流体ポート
を備える、チャンバ本体と、
回動アセンブリであって、
基板支持面を含む基板キャリア、
前記基板支持面に平行な主要面を含むように配置される電極、及び
前記基板キャリア及び前記電極に連結され、前記基板キャリア及び前記電極を軸を中心に回動させるように構成されたアクチュエータ
を備える、回動アセンブリと
を備える、基板処理装置。
【請求項12】
前記チャンバ本体は、前記底面に配置された1つ又は複数の接地された接続部を含む、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記基板キャリアは、前記電極から電気的に絶縁されている、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記電極は、電源に電気的に接続されている、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項15】
流体蓄積槽が、前記チャンバ本体の前記1つ又は複数の側壁の外側の下方に配置されている、請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項16】
基板キャリアが移送位置にある間に、前記基板キャリア上に1つ又は複数の基板を位置決めすることであって、前記基板キャリア上の前記1つ又は複数の基板は、前記基板キャリアが前記移送位置にあるときに、実質的に水平な配向を有している、1つ又は複数の基板を位置決めすることと、
流体ポートからチャンバ本体の処理空間に処理流体を流入させることと、
流体進入位置に前記基板キャリアを配向することであって、前記1つ又は複数の基板は、前記実質的に水平な配向から約60度~約90度である流体進入配向を有する前記流体進入位置で前記基板キャリア上に配置される、前記基板キャリアを配向することと、
前記基板キャリア上に配置された前記1つ又は複数の基板の少なくとも一部を、前記流体進入配向にある間に、前記処理流体中に浸漬することと、
前記基板キャリアを処理位置に位置決めすることであって、前記基板キャリア上に配置された前記1つ又は複数の基板は、前記処理流体内に完全に浸漬され、前記基板のデバイス側は、第2の電極の主要面に平行である、前記基板キャリアを処理位置に位置決めすることと
を含む、基板処理方法。
【請求項17】
前記電極の前記主要面は、前記処理位置にある間、前記チャンバ本体の底面に対して直角である、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記基板の少なくとも一部を前記処理流体内に浸漬した後に、前記基板キャリアは、前記基板の前記デバイス側が前記チャンバ本体の底面と平行になるように、軸を中心に回動される、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記基板キャリアは、前記基板の前記デバイス側が前記チャンバ本体の前記底面と平行になるように、トラックに沿って搬送され回転される、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記処理流体が、前記チャンバ本体の1つ又は複数の側壁の上面の上方を流れ、前記チャンバ本体の外側に配置された流体蓄積槽に流入する、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項21】
処理空間を画定するベースアセンブリであって、
底面、
1つ又は複数の側壁、
チャンバ本体を通って配置された流体入口、及び
前記チャンバ本体を通って配置された流体出口
を備える、ベースアセンブリと、
電極アセンブリであって、
穿孔された電極、及び
前記ベースアセンブリ及び前記穿孔された電極の側方に連結されたアクチュエータ
を備える、電極アセンブリと
を備える、基板処理装置。
【請求項22】
前記穿孔された電極は電極メッシュである、請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記アクチュエータは、軸を中心に前記穿孔された電極を回動させるように構成されている、請求項21記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記ベースアセンブリは、前記1つ又は複数の側壁の外側に配置された堰を更に備える、請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項25】
前記ベースアセンブリに連結された加熱アセンブリを更に備える、請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項26】
前記処理空間内に1つ又は複数のクランプを更に備える、請求項21に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、基板を処理するための方法及び装置に関し、より具体的には、フォトリソグラフィプロセスを改善するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路は、単一のチップ上に数百万の構成要素(例えば、トランジスタ、キャパシタ及び抵抗器)を含みうる複雑なデバイスに進化してきた。フォトリソグラフィは、チップ上に構成要素を形成するために使用されうるプロセスである。概して、フォトリソグラフィのプロセスにはいくつかの基本的な段階が含まれる。最初に、基板上にフォトレジスト層が形成される。化学的増幅型フォトレジストは、レジスト樹脂と光酸発生剤とを含みうる。光酸発生剤は、その後の露光段階で電磁放射に露光されると、現像プロセスにおけるフォトレジストの溶解性を変化させる。電磁放射は、任意の適切な波長を有し、例えば、193nmのArFレーザ、電子ビーム、イオンビーム、又は他の適切な放射源からのものでありうる。
【0003】
[0003]露光段階において、基板の特定の領域を選択的に電磁放射に露光させるために、フォトマスク又はレチクルが使用されうる。他の露光方法は、マスクレス露光法でありうる。光酸発生剤は光への露光によって分解されうるため、それによって酸が生成され、レジスト樹脂内に潜在的な酸の画像がもたらされる。露光後、基板は、露光後ベークプロセスにおいて加熱されうる。露光後ベークプロセスの間、光酸発生剤によって生成された酸は、レジスト樹脂と反応し、この後の現像プロセスの間のレジストの溶解性を変化させる。
【0004】
[0004]露光後ベークの後に、基板、特にフォトレジスト層が現像され、すすがれる。使用されるフォトレジストのタイプに応じて、電磁放射線に露光された基板の領域は、除去に対する耐性を有するか、又はより除去され易くなるかのどちらかである。現像とすすぎの後に、マスクのパターンは、ウェット又はドライのエッチングプロセスを使用して、基板に転写される。
【0005】
[0005]チップ設計の進化には、より高速な回路及びより高い回路密度が継続的に必要になる。より高い回路密度への需要によって、集積回路部品の寸法の縮小が必要となる。集積回路部品の寸法が縮小するにつれて、より多くの要素が、半導体集積回路上の所与のエリア内に配置されることが求められる。それに応じて、リソグラフィ処理は、更により小さなフィーチャを基板上に転写しなければならず、リソグラフィは、精密に、正確に、かつ損傷なく行われなければならない。フィーチャを精密かつ正確に基板上に転写するために、高解像度リソグラフィは、短波長の放射を提供する光源を使用しうる。短波長は、基板又はウエハ上の最小プリント可能サイズを縮小することに役立つ。しかし、短波長リソグラフィは、低スループット、ラインエッジラフネスの増大、及び/又はレジスト感度の低下といった問題に悩まされる。
【0006】
[0006]リソグラフィの露光/現像解像度の向上のため、電磁放射が伝達されるフォトレジスト層の一部分の化学的特性を修正するように、露光プロセスの前又は後に基板上に配置されたフォトレジスト層に電場を生成するために、電極アセンブリが利用されうる。しかしながら、そのようなシステムを実装する際の課題は、まだ十分に克服されていない。
【0007】
[0007]したがって、浸漬フィールドガイド式の露光後ベーク処理を改良するための改良された方法及び装置が必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本開示は、概して、基板処理装置に関する。具体的には、本開示の実施形態は、チャンバ本体、基板キャリア、電極、トラック、及びアクチュエータを含む基板装置に関する。チャンバ本体は、処理空間(process volume)を画定し、底面、1つ又は複数の側壁、及びチャンバ本体の底面を通って配置された流体ポートを含む。電極は、主要面を含む底面の上方に配置される。トラックは、チャンバ本体内に配置され、基板キャリアを処理位置にガイドする(guide)ように構成される。1つ又は複数の基板の各々のデバイス側は、処理位置にある間、電極の主要面と平行である。アクチュエータは、キャリアトラックの少なくとも一部と平行な位置に基板キャリアを位置決めするように動作可能である。
【0009】
[0009]別の実施形態では、基板処理装置は、チャンバ本体と、回動アセンブリ(swing assembly)とを含む。チャンバ本体は、処理空間を画定し、底面、1つ又は複数の側壁、及びチャンバ本体の底面を通って配置された流体ポートを含む。回動アセンブリは、基板支持面を有する基板キャリアと、基板支持面に平行に配置された主要面を有する電極と、基板キャリア及び電極に連結され、軸を中心に基板キャリア及び電極を回動させるように構成されたアクチュエータとを含む。
【0010】
[0010]更に別の実施形態では、基板処理方法について説明する。基板処理方法は、基板キャリアが移送位置(transfer position)にある間に、基板キャリア上に1つ又は複数の基板を位置決めすることを含む。基板キャリア上の1つ又は複数の基板は、基板キャリアが移送位置にあるとき、実質的に水平な配向を有する。本方法は、流体ポートからチャンバ本体の処理空間に処理流体を流入させることと、基板キャリアを流体進入位置に配向することとを更に含む。流体進入位置にある間、1つ又は複数の基板は、実質的に水平な配向から約60度~約90度である流体進入配向を有する基板キャリア上に配置される。本方法は、基板キャリア上に配置された1つ又は複数の基板の少なくとも一部を、流体進入配向にある間に、処理流体中に浸漬することと、基板キャリアを処理位置に位置決めすることであって、基板キャリア上に配置された1つ又は複数の基板は、処理流体内に完全に浸漬され、基板のデバイス側は、第2の電極の主要面に平行である、基板キャリアを処理位置に位置決めすることとを更に含む。
【0011】
[0011]更に別の実施形態では、基板処理装置は、処理空間及び電極アセンブリを画定するベースアセンブリを含む。ベースアセンブリは、底面、1つ又は複数の側壁、チャンバ本体を通って配置された流体入口、及びチャンバ本体を通って配置された流体出口を含む。電極アセンブリは、穿孔された電極と、ベースアセンブリと穿孔された電極の側方に連結されたアクチュエータとを含む。
【0012】
[0012]本開示の上述の特徴を詳しく理解しうるように、上記で簡単に要約された本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態が添付する図面に示されている。しかし、添付する図面は、例示的な実施形態のみを示しており、したがってその範囲を限定すると見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態を許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】[0013]本明細書に記載される1つの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ(immersion field guided post exposure bake chamber)の概略断面図である。
【
図1B】本明細書に記載される1つの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図1C】本明細書に記載される1つの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図1D】本明細書に記載される1つの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図1E】本明細書に記載される1つの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図1F】[0014]本明細書に記載される
図1A~1Eの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略平面図である。
【
図2A】[0015]本明細書に記載される別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図2B】本明細書に記載される別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図2C】[0016]本明細書に記載される
図2A及び
図2Bの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略平面図である。
【
図3A】[0017]本明細書に記載される実施形態による
図1A~1Fの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用される基板キャリアの概略平面図である。
【
図3B】[0018]本明細書に記載される実施形態による
図1A~1Fの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用される基板キャリアの概略底面図である。
【
図3C】[0019]本明細書に記載される実施形態による
図1A~1Fの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用される基板キャリアの概略側面図である。
【
図3D】[0020]本明細書に記載される実施形態による
図2A~2Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用される基板キャリアの概略断面側面図である。
【
図3E】[0021]
図3Dの基板キャリアの別の概略断面側面図である。
【
図3F】[0022]本明細書に記載される別の実施形態による、
図2A~2Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用される基板キャリアの更に別の概略断面側面図である。
【
図4A】[0023]本明細書に記載される別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図4B】本明細書に記載される別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図4C】本明細書に記載される別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図4D】本明細書に記載される別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図5A】[0024]本明細書に記載される更に別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図5B】本明細書に記載される更に別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図5C】本明細書に記載される更に別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図6A】[0025]本明細書に記載される実施形態による、
図5A~5Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用される基板キャリアの概略断面側面図である。
【
図6B】[0026]本明細書に記載される実施形態による、
図6Aの基板キャリアの一部の概略断面平面図である。
【
図7A】[0027]本明細書に記載される更に別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図7B】[0028]本明細書に記載される
図7Aの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの別の概略断面側面図である。
【
図7C】[0029]本明細書に記載される更に別の実施形態による、浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略断面図である。
【
図7D】[0030]本明細書に記載される実施形態による、
図7A~7Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの平面図である。
【
図8】[0031]本明細書に記載される実施形態による浸漬露光後のベークプロセス(immersion post exposure bake process)を実行するための方法の工程を示す。
【
図9】[0032]本明細書に記載の別の実施形態による浸漬露光後のベークプロセスを実行するための方法の工程を示す。
【
図10】[0033]本明細書に記載される更に別の実施形態による浸漬露光後のベークプロセスを実行するための方法の工程を示す。
【
図11】[0034]本明細書に記載される更に別の実施形態による浸漬露光後のベークプロセスを実行するための方法の工程を示す。
【
図12】[0035]本明細書に記載される更に別の実施形態による浸漬露光後のベークプロセスを実行するための方法の工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0036]理解を容易にするため、可能な場合、図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号が使用された。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると想定されている。
【0015】
[0037]本開示は、概して、露光後ベークプロセスのための方法及び装置に関する。本明細書で開示する方法及び装置は、半導体用途のためのフォトリソグラフィプロセスにおいて、ラインエッジ/幅ラフネス(line edge/width roughness)を低減し、露光解像度を向上させることに役立つ。
【0016】
[0038]本明細書で開示される方法及び装置は、フォトリソグラフィプロセスのフォトレジスト感度及び生産性を改善する。露光後のベーク手順中に光酸発生剤により生成される荷電種のランダムな拡散は、ラインエッジ/幅ラフネス及びレジスト感度の低下に寄与する。本明細書で説明するような電極アセンブリは、フォトリソグラフィプロセス中に電場及び/又は磁場をフォトレジスト層に印加するために利用される。電場及び/又は磁場の印加は、光酸発生剤により生成される荷電種の拡散を制御する。更に、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間には、その間に発生する電場を向上させるために、中間媒体が利用される。
【0017】
[0039]フォトレジスト層と電極アセンブリとの間に画定される空隙により、電極アセンブリに印加される電圧降下が生じ、よって、不利なことには、フォトレジスト層に発生することが望ましい電場のレベルが低下する。フォトレジスト層における電場のレベルが不正確であると、結果的に、フォトレジスト層に荷電種を特定の所望の方向に駆動又は生成するための電圧電力が不十分又は不正確になり、よって、フォトレジスト層に対するラインエッジプロファイル制御の低下につながりうる。従って、フォトレジスト層と相互作用する電場のレベルをある所望のレベルに維持するために、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間に中間媒体が載置され、その間に空隙が生じるのを防止する。そうすることで、電場によって生成された荷電種は、ライン及び間隔方向に沿って所望の方向に導かれ、不正確でランダムな拡散に起因するラインエッジ/幅ラフネスを実質的に防止する。こうして、生成された電場の制御されたレベル又は所望のレベルにより、フォトレジスト層の露光プロセス及び/又は現像プロセスに対する精度及び感度が向上する。1つの例では、中間媒体は、スラリ、ゲル、溶液、又は固体媒体といった、電極アセンブリから基板上に配置されたフォトレジスト層に伝達する際に決められた範囲で印加される電圧レベルを効率的に維持しうる、非気相媒体である。
【0018】
[0040]中間媒体を使用している間でさえ、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間には、電圧降下がなおも存在する。この電圧降下は、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の距離に直接関係している。したがって、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の距離を短縮することは、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の電場の均一性を向上させることに役立つ。中間媒体を使用する間に考慮すべきもう1つの点は、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間のバブリング(bubbling)である。フォトレジスト層と電極アセンブリとの間でのバブリング及びエアポケット(air pocket)の形成により、電場内が不均一になるため、露光後ベークプロセス後のフォトレジスト内の欠陥及び不正確さの数が増加する。フォトレジストと電極アセンブリとの間の距離を短縮するための本明細書に記載の本装置及び方法は、有益には、フォトレジスト層と電極アセンブリとの間の気泡又はエアポケットの数を低減する。
【0019】
[0041]
図1A~1Eは、本明細書に記載される1つの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100の概略断面図である。浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100は、チャンバ本体102と電極アセンブリ135を含む。チャンバ本体102は浸漬槽であり、キャリア101上の基板150を受け入れるように構成されており、基板150とキャリア101が中間媒体139に完全に浸漬されるようになっている。中間媒体139は、電極アセンブリ135から基板150上に配置されたフォトレジスト層に伝達する際に、印加される電圧レベルを決められた範囲に効率的に維持しうるスラリ、ゲル、溶液、又は固体媒体などの非気相媒体である。
【0020】
[0042]チャンバ本体102は、底面124と、1つ又は複数の側壁104と、チャンバ本体102の底面124を通って配置される第1の流体ポート120と、チャンバ本体102の底面124を通って配置される第2の流体ポート125と、トラック106と、搬入デバイス(loading device)114とを含む。
【0021】
[0043]底面124及び1つ又は複数の側壁104は、処理空間105を画定する。処理空間105は、本明細書に記載されるように、第1の流体ポート120及び第2の流体ポート125の一方又は両方を通して、中間媒体139で少なくとも部分的に充填される。処理空間105は、中間媒体139が液体、スラリ、ゲル、又は固体媒体であるため、片側が少なくとも部分的に開放されうる。中間媒体139は、処理空間105を充填し、1つ又は複数の側壁104を覆う前に、チャンバ本体102の底面124を覆うように、第1の流体ポート120及び第2の流体ポート125の一方又は両方から流れる。中間媒体139が1つ又は複数の側壁104の上面140のレベルまで上昇し、1つ又は複数の側壁104を越えて流体蓄積槽(fluid accumulation basin)112に流出するように、中間媒体139は、処理空間105を完全に満たす。チャンバ本体102の底面124及び1つ又は複数の側壁104が加熱される。いくつかの実施形態では、チャンバ本体102は、その中に配置された1つ又は複数の抵抗加熱要素又は加熱チャネル(図示せず)を含む。
【0022】
[0044]流体蓄積槽112がチャンバ本体102を少なくとも部分的に取り囲むように、流体蓄積槽112がチャンバ本体102の外側に配置される。流体蓄積槽112は、チャンバ本体102の底面124の下方に配置される。代替的には、流体蓄積槽112は、側壁104の1つ以上に取り付けられうる。流体蓄積槽112は、処理空間105から側壁104を越えて流出する中間媒体139のための容器(receptacle)又は排水ます(catch basin)として機能する。流体蓄積槽112は、中間媒体139を流体蓄積槽112から除去するためのドレン(図示せず)を含む。
【0023】
[0045]第1の流体ポート120と第2の流体ポート125は、チャンバ本体102の底面124を通って配置される。第1の流体ポート120及び第2の流体ポート125の各々は、流体入口又は流体出口のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、第1の流体ポート120は流体入口であり、第2の流体ポート125は流体出口である。この実施形態において、流体が第1の流体ポート120を通って処理空間105に導入され、流体が第2の流体ポート120を通って同時に又は周期的に除去される際に、中間媒体139が、処理空間105を通って連続的に循環されうる。
【0024】
[0046]更に他の実施形態では、第1の流体ポート120のみが存在し、中間媒体139は、プロセス工程の間にオーバーフローバルブ129を使用して、チャンバ本体102から除去される。オーバーフローバルブ129は、プロセス工程間で開閉されるように構成されうる。いくつかの実施形態では、オーバーフローバルブ129が開位置にあるとき、中間媒体139は、流体蓄積槽112内に排出される。オーバーフローバルブ129は、代替的には、中間媒体139を除去するための導管(図示せず)に連結されうる。オーバーフローバルブ129は、チャンバ本体102の底面124に配置される。
【0025】
[0047]第1の流体ポート120は、第1の流体導管121、第1のポートバルブ122、及び第1の流体源123を含む。第1の流体導管121は、チャンバ本体102及び処理空間105に流体連結される。第1の流体導管121は、チャンバ本体102の底面124と第1の流体源123との間に配置される。第1の流体導管121は、パイプ又はチャネルである。第1の流体導管121は、チャンバ本体102の底面124上の処理空間105に接続された第1の端部と、第1の流体源123に接続された第2の端部とを有する。第1の流体源123は、中間媒体139を処理空間105内に供給するように構成される流体源である。第1の流体源123は、中間媒体139の分布のための流体パネルの一部でありうる。第1の流体源123は、追加的には、洗浄流体など、他の流体を処理空間105に供給するように構成されうる。第1の流体源123は、処理空間105内への中間媒体139の流れを制御する。第1のポートバルブ122は、第1の流体導管121に沿って、第1の流体源123と処理空間105との間に配置される。第1のポートバルブ122は、ゲートバルブ又はスロットルバルブである。第1のポートバルブ122は、中間媒体139の処理空間105への流入を制御するように構成され、いくつかの実施形態では、第1のポートバルブ122は、中間媒体139の処理空間105への流入を微調整する。いくつかの実施形態において、第1のポートバルブ122は、開位置又は閉位置にあるように構成され、流体が第1の流体源123から処理空間105に流入するのを停止しうる。第1の流体源123は、いくつかの実施形態では、処理流体を予しうる。いくつかの実施形態では、処理流体は、約100℃~約200℃、例えば約110℃~約150℃、例えば約115℃~約130℃の温度に予熱される。
【0026】
[0048]第2の流体ポート125は、第2の流体導管126、第2のポートバルブ127、及び第2の流体源128を含む。第2の流体ポート125は、追加の流体入口又は流体出口のいずれかとして構成されうる。流体入口として利用される場合、第2の流体導管126は、第1の流体導管121に類似しており、第2のポートバルブ127は、第1のポートバルブ122に類似しており、第2の流体源128は第1の流体源123に類似している。第2の流体ポートが流体出口として構成される場合、第2の流体導管126と第2のポートバルブ127は同じままであるが、第2の流体源128は、流体ポンプに置き換えられる。流体ポンプは、第2の流体導管126を通して処理空間105から流体を除去する役割を果たす。第1の流体ポート120及び第2の流体ポート125は、処理空間105内の中間媒体139の循環を増加させるために、底壁124の反対側に配置される。
【0027】
[0049]トラック106は、少なくとも部分的に処理空間105内に配置される。トラック106は、第1のトラックセグメント107、移行トラックセグメント108、第2のトラックセグメント109を含む。第1のトラックセグメント107は、水平面に対してある角度で配置される。水平面は、X軸、チャンバ本体102の底面124、又は第2のトラックセグメント109に平行でありうる。第1のトラックセグメント107は、移行トラックセグメント108に連結され、チャンバ本体102の上部に向かって上方に延びる。よって、第1のトラックセグメント107が、移行トラックセグメント108から、1つ又は複数の側壁104の上面140に向かって延びる。いくつかの実施形態において、第1のトラックセグメント107は、1つ又は複数の側壁104の1つに沿って延び、第1のトラックセグメント107の上部は、処理空間105が満杯のとき、中間媒体139の上面と同じ高さである。第1のトラックセグメント107は、線形トラックセグメントである。しかし、ある実施形態では、第1のトラックセグメント107は、湾曲していてもよい。第1のトラックセグメント107は、基板と基板キャリアの進入角度(angle of entry)がゼロでない角度になるように角度が付けられている。進入角度は、基板150及び/又は基板キャリア101が処理空間105及び中間媒体139に進入する際に、基板150及び基板キャリア101の主平面が水平面と交差する初期角度である。基板150及び基板キャリア101の主平面又は主表面は、上面を通る平面として定義される。基板150に関して、主平面又は主要面は、基板150の上面又はデバイス側と平行な平面である。基板キャリア101に関して、主平面又は主要面は、基板キャリア101の上面に平行な平面である。ここで、上面は、基板がその中に配置されるとき、基板150のデバイス側に平行である。第1のトラックセグメント107は、水平面からの進入角度が約70度~約90度である。移行トラックセグメント108は、第1のトラックセグメント107と第2のトラックセグメント109を接続するトラックの曲線セクションである。第2のトラックセグメント109は、水平なトラックセグメントである。第2のトラックセグメント109は、水平面とX軸に平行である。第2のトラックセグメント109は線形トラックセグメントであり、コネクタ110の上部に配置され、トラック106の第2のトラックセグメント109をチャンバ本体102の底面124に連結する。コネクタ110が更に接地され、トラック106を接地する。トラック106は、電気接続130によって接地に接続される。移行トラックセグメント108への接続部とは反対側の第2のトラックセグメント109の端部には、端部停止部分111が接続されている。端部停止部分111は、基板処理中にキャリア101が確実に第2のトラックセグメント109上に適切に位置決めされるようにするためのガイドとして機能する。
【0028】
[0050]搬入デバイス114は、1つ又は複数の側壁104の上面140の上部に配置される。搬入デバイス114は、1つ又は複数のコネクタを使用して、搬入デバイス114の上面141でキャリア101に連結するように構成される。1つ又は複数のコネクタは、前部コネクタ118aと後部コネクタ118bを含む。前部コネクタ118a及び後部コネクタ118bの各々は、キャリア101を搬入デバイス114及びトラック106に沿って移動させるためのアクチュエータでありうる。いくつかの実施形態では、前部コネクタ118a及び後部コネクタ118bは、搬入デバイス114に連結されており、キャリア101が処理位置に移動する際に、トラック106に連結されるように移行しうる。前部コネクタ118a及び後部コネクタ118bは、前部コネクタ118a及び後部コネクタ118bの各々が移送中に搬入デバイス114及びトラック106と連動するように、シャトル接続部又はスライダーでありうる。いくつかの実施形態では、キャリア101は、アクチュエータとして前部コネクタ118a及び/又は後部コネクタ118bを使用して、トラック106及び搬入デバイス114に沿って移送される。更に他の実施形態では、キャリア101は、外部の作動デバイスによって作動されるか、トラック106及び搬入デバイス内に配置されるコンベヤ上にある。
【0029】
[0051]搬入デバイス114は、アクチュエータ116を使用してチャンバ本体102に連結される。アクチュエータ116は、トラック106に最も近い搬入デバイス114の遠位端と、1つ又は複数の側壁104の上面140とに連結される。アクチュエータ116は、キャリア101と共に搬入デバイス114を水平位置から角度付けされた位置まで回動させるように構成される。
図1Aに示すように、搬入デバイス114とキャリア101は、水平位置に示されている。
【0030】
[0052]電極アセンブリ135は、チャンバ本体102の上方に配置される。電極アセンブリ135は、静電メッシュ136、線形アクチュエータ137、及び電源138を含む。静電メッシュ136は、電極を形成する導電性メッシュである。静電メッシュ136は、静電メッシュ136の主要面として定義されうる線形底面を有している。静電メッシュ136の主要面は、処理位置にあるときに基板150のデバイス側と平行になるように構成される表面である。静電メッシュ136は、1つ又は複数の層で織られることがあり、その静電メッシュ136を貫通して配置される複数の開口部を含む。いくつかの実施形態では、静電メッシュ136は、微細に穿孔された電極板である。静電メッシュ136は、電極アセンブリ135が中間媒体139に浸漬される際に電極アセンブリ135の下に捕捉される気泡又はガスポケットの量を減少させるために利用される。いくつかの実施形態における静電メッシュ136は、炭化ケイ素メッシュなどの非金属メッシュである。他の実施形態では、静電メッシュ136は、銅、アルミニウム、スチールメッシュなどの導電性金属メッシュである。線形アクチュエータ137は、静電メッシュ136の垂直移動を可能にするために、静電メッシュ136の上面に連結される。線形アクチュエータ137は、プロセス環境(図示せず)の上面に連結されてもよく、垂直に下に向かって延びる。電源138は、線形アクチュエータ137を通して静電メッシュ136に電気的に接続される。電源138は、静電メッシュ136に電力を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、例えば4000V未満、例えば3000V未満など、最大5000Vの電位が電源138によって静電メッシュ136に印加される。
図1Aに示されるように、静電メッシュ136は上部位置に配置される。いくつかの実施形態では、静電メッシュ136の上部位置は、チャンバ本体102の処理空間105内にある。いくつかの実施形態では、静電メッシュ136及び電極アセンブリ135は、静電メッシュ136内に蓄積されたいかなる気泡もがメッシュからスピンして外れるように、露光後ベーク処理中に垂直軸を中心に回転される。静電メッシュ136の回転は、更に、欠陥の影響を基板150上方に広げることによって、電場内の欠陥の影響を低減することに役立つ。
【0031】
[0053]
図1A~1Eは、
図1Aに示す初期基板搬入位置(loading position)から処理位置へのキャリア101の移動プロセスを示す。
図1A~1Eは、
図8の方法800で議論される工程を示す。方法800は、第1の工程802、第2の工程804、第3の工程806、第4の工程808、第5の工程810、第6の工程812、第7の工程814、第8の工程816、第9の工程818、及び第10の工程820を含む。
図1Aは、第1、第2、又は第3の工程802、804、806のいずれかの最中又はその後のものとして示されている。
【0032】
[0054]第1の工程802の間、中間媒体139のような処理流体が処理空間105に導入される。処理流体は、第1の流体ポート120又は第2の流体ポート125の一方又は組み合わせを通して導入される。処理流体は、処理空間105内で連続的に循環され、1つ又は複数の側壁104の上面140上方を流れうる。いくつかの実施形態では、各基板が処理される間に(between each substrate processed)、処理空間105全体の処理流体が空になりうる。更に他の実施形態では、処理流体が連続的に循環されるため、各基板が処理される間に、処理空間は、満杯のままであってもよい。
【0033】
[0055]第2の工程804の間、
図1Fの基板150などの基板がキャリア101の上部に載置される。キャリア101は、電極として機能しうる。基板150が別のチャンバから移送ロボット(図示せず)のブレードによってキャリア上に載置されるように、基板150は、移送位置にあるキャリア101の上部に載置される。移送位置は、基板150のデバイス側が水平面と平行になる位置である。キャリア101と基板150は、移送位置にある間、搬入デバイス114の上部に配置される。第3の工程806では、基板150がキャリア101に固定される。基板150は、機械式クランプを使用してキャリア101に固定されうる(
図3C参照)。基板150は、代替的には、キャリア101に組み込まれた伸縮可能な棚を使用して、又は真空チャックによって、キャリア101に固定されてもよい。
【0034】
[0056]基板150が
図1Aの移送位置でキャリア101によって固定された後に、キャリア101、基板150、及び搬入デバイス114は、第4の工程808の間に、移送位置とは異なる角度付けされた位置まで回動される。
図1Bには、角度付けされた位置が示される。角度付けされた位置にある間、キャリア101、基板150、及び搬入デバイス114の各々は、軸Aを中心に回動される。キャリア101、基板150、及び搬入デバイス114の配向は、第1の角度θ
1だけ変化する。第1の角度θ
1は、約60度~約90度、例えば約70度~約90度、例えば約80度~約90度、例えば約82度~約88度である。第1の角度θ
1は、基板150及びキャリア101が中間媒体139に進入する角度を決定する。第1の角度θ
1は水平面に対してとられており、したがって、第1の角度θ
1はx軸に対してとられていることがある。
【0035】
[0057]角度をつけた位置にある間、搬入デバイス114は、トラック106の第1のトラックセグメント107の上部と一直線上にある。搬入デバイス114の上面141は、第1のトラックセグメント107の上面142と一直線上にある。搬入デバイス114の上面141と第1のトラックセグメント107の上面142とを位置合わせすることにより、キャリア101を搬入デバイス114から第1のトラックセグメント107上に移送することができる。いくつかの実施形態では、搬入デバイス114と第1のトラックセグメント107は、角度をつけた位置にある間に相互作用し、互いに結合する。
【0036】
[0058]搬入デバイス114が角度付き位置に回動された後に、キャリア101及び基板150は、第5の工程810の間に、搬入デバイス114から第1のトラックセグメント107上にかつ処理空間105内に移送される。搬入デバイス114から第1のトラックセグメント107上へのキャリア101と基板150の移送を
図1Cに示す。第5の工程810中に、基板150を保持するキャリア101が、トラック106に沿って移送される。前部コネクタ118a及び後部コネクタ118bは、トラック106又は搬入デバイス114の一方に連結される。
図1Cに示すように、キャリア101が処理空間105に移送される際に、前部コネクタ118aがトラック106に連結される一方で、後部コネクタ118bは、搬入デバイス114に連結される。キャリア101は、トラック106に沿って処理空間105内に移送され、中間媒体139によって浸漬される。キャリア101及び基板150が浸漬される際に形成されるガスポケット又は気泡の量を減少させるために、キャリア101は、図示されたような角度で中間媒体139によって浸漬される。
【0037】
[0059]キャリア101が中間媒体139によって完全に浸漬される前に、キャリア101は移行トラックセグメント108に到達する。キャリア101が移行トラックセグメント108に到達すると、キャリア101は、角度付き位置の角度から水平により近い角度まで回動される。キャリア101と基板150が浸漬される際の回動運動は、キャリア101と基板150の周囲に蓄積される気泡の数とサイズを更に減少させることが判明している。回動運動は更に、より浅いチャンバ本体102の使用を可能にするという点で有益である。浅いチャンバ本体102を使用することで、更に、浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100全体のサイズが縮小される。別個の前部コネクタ118aと後部コネクタ118bを使用することで、更に、キャリア101が湾曲したトラックに沿って移動できるようになり、回動動作が可能になる。
【0038】
[0060]
図1Dは、キャリア部材101がトラック106に沿って処理空間105及び中間媒体139内に移送される際の、キャリア101及び基板150の回動を更に示す。前部コネクタ118aが移行トラックセグメント108に沿って第2のトラックセグメント109に移送される際に、キャリア101の中央部は、トラック106から引き離され、より水平な位置まで回動しうる。
【0039】
[0061]キャリア101及び基板150が中間媒体139内に完全に浸漬された後に、キャリア101及び基板150は、第6の工程812の間に、処理空間105内の処理位置に移送される。キャリア101と基板150の処理位置を
図1Eに示す。処理位置は、基板150のデバイス側がチャンバ本体102の底面124と平行になるような水平位置である。キャリア101内に配置される基板150のデバイス側は、チャンバ本体102の底面124から第1の高さH
1となっている。第1の高さH
1は、基板150のデバイス側の全てにわたって等しくなりうる。
【0040】
[0062]キャリア101及び基板150が処理位置に載置された後に、静電メッシュ136は、基板150の上部デバイス側の表面と平行な位置で処理空間105内まで下げられる。いくつかの実施形態では、静電メッシュ136は、第1~第6の工程802~812を通して下げられうるが、静電メッシュ136は、キャリア101が処理位置に到達した後にのみ処理位置にもたらされる。静電メッシュ136の底面が基板150のデバイス側から第2の高さH2となるように、基板150のデバイス側と近接接触し、かつそのデバイス側と平行な位置に、静電メッシュ136が載置される。第2の高さH2は、約7mm未満、例えば約5mm未満、例えば約3mm未満、例えば約1mm未満、例えば約0.5mm未満である。本明細書で説明する実施形態では、基板150のデバイス側と静電メッシュ136との間の機械的バリアが限られていると、第2の高さH2を低減することが可能である。
【0041】
[0063]いったん第7の工程814が完了し、静電メッシュ136が処理位置内にあると、電場が基板150に印加され、第8の工程816の間に露光後ベークプロセスが実行される。電場は、第1の電極として機能するキャリア101と、第2の電極として機能する静電メッシュ136との間に分布する。電場は、最大約5000V、例えば最大約3500V、例えば最大約3000Vの電圧差を印加することによって、生成されうる。静電メッシュ136と基板150との間の電場は、約10×106V/m未満、例えば1×106V/m未満、例えば1×105V/m未満である。電場は、露光後のベーク工程が完了するまで、基板150に印加される。
【0042】
[0064]第8の工程816中の電場印加後に、静電メッシュ136は、第9の工程818中に、処理位置から遠ざかり、処理空間105の外へ移送される。静電メッシュ136が処理空間105から除去されると、キャリア101はまた、処理空間105内に追随した経路に類似する経路に沿って、処理空間105から取り外される。第9の工程818の間、キャリア101は、基板150がロボット(図示せず)によってキャリアから取り外されるように、移送位置まで再び搬送されうる。
【0043】
[0065]第9の工程818の間にキャリア及び静電メッシュ136が処理空間105から取り外された後に、処理空間105は、オプションで、中間媒体139のような処理流体から排出される。第10の工程820の間、処理流体が処理空間105から排出される。
【0044】
[0066]
図1Fは、本明細書に記載される1つの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100の概略平面図である。浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100は、
図1A~1Eに関して説明したものと同じである。
図1Fは、キャリア101が
図1Aに示すような搬入位置又は移送位置にあるときの露光後ベークチャンバ100の平面図を示す。
図1Fは、キャリア101上の基板150の位置決めを示し、更にトラック106を示す。トラック106と搬入デバイス114は、本明細書では2つの別個のレールとして示されているが、トラックの2つの部分の間のスパンによって取り付けられていてもよい。
図1Fに示すように、静電メッシュ136は、キャリアが静電メッシュ136の下の処理位置にある間、基板150とキャリア101を完全に覆うようにサイズ決めされる。
【0045】
[0067]
図2A及び
図2Bは、本明細書に記載される別の実施形態による、浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100の概略断面図である。
図2A~4Cのチャンバ本体102は、
図1A~1Eのチャンバ本体102に類似している。加えて、トラック106及び搬入デバイス114は、
図1A~1Eのトラック106及び搬入デバイス114に類似している。
図2A~2Cの実施形態は、基板キャリア101が第2の基板キャリア201に置き換えられ、電極アセンブリ135が基板キャリア201の一体型電極リッド203に置き換えられている点で、
図1A~Eの実施形態と異なる。
【0046】
[0068]第2の基板キャリア201は、下部キャリア部分202と電極リッド203とを含む。電極リッド203は、
図2Aに示す基板受け取り位置と、
図2Bに示す基板処理位置との間で回動するように、一端で下部キャリア部分202に連結される。基板受け取り位置にある間、電極リッド203は上昇位置に配置される。上昇位置は、角度付けされた位置でありうる。ここで、電極リッド203は、キャリア部分202に対してある角度で配置され、基板150などの基板は、キャリア部分202上に搬入可能である。電極リッド203の取り付けと構成については、
図3D~3Fを参照してより詳細に説明する。電極リッド203は、電極リッド203を通って配置された複数の開口部が存在するような静電メッシュでありうる。複数の開口部203は、
図2Bに示すように、第2の基板キャリア201が基板処理位置に運ばれる際に、電極リッド203と基板150との間から気泡を逃がすことができる点で有益である。
【0047】
[0069]基板150がキャリア部分202に搬入された後に、電極リッド203は閉位置まで回動する。キャリア部分202を閉じることは、第2の基板キャリア201及び基板150がトラック106に沿って回転及び移送される際に、基板150をキャリア部分202に固定することに役立つ。電極リッド203は、トラック106を通して電源238に電気的に接続される。電源238は、電極リッド203に電力を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、最大5000V(例えば4000V未満、例えば3000V未満など)の電位が電源238によって電極リッド203に印加される。いくつかの実施形態では、トラック106の2つのレールのうちの一方がトラック106を電気的に接地するためのリードラインを含む一方で、トラック106の2つのレールのうちの他方が電源238を電極リッド203に連結するためのリードラインを含むように、キャリア部分202が電気的に接地130される。電極リッド203は、複数のコネクタ118a、118bの1つ以上を通して、トラック106に電気的に接続されうる。
【0048】
[0070]
図2A、2B、及び9を参照して、方法900を説明することができる。本方法は、第1の工程902から始まる。第1の工程902の間、中間媒体139のような処理流体が処理空間105に導入される。第1の工程902は、
図1Aに関して説明した第1の工程802に類似する。第2の工程904の間、基板150は、電極リッド203が搬入位置にある間に、第2の基板キャリア201内に載置される。搬入位置は、電極リッド203が上昇位置にあるときの位置である。
【0049】
[0071]第2の基板キャリア201も同様に、第3の工程906の間、基板150を固定するために利用される。第3の工程906の間、電極リッド203は閉位置まで回動され、基板150は第2の基板キャリア201内に固定される。基板150は、電極リッド203を閉位置まで下げる前か又は下げている間のどちらかで、固定される。第3の工程906に続いて、基板150は、第4の工程908及び第5の工程910の間に、搬入デバイス114から処理空間105内に移送される。第4の工程908及び第5の工程910は、
図8の方法800の第4の工程808及び第5の工程810に類似している。第4の工程908の間、第2の基板キャリア201は、第5の工程910の間にトラックに沿って処理空間に進入する前に、角度のついた位置まで回動される。
【0050】
[0072]
図2Bに示すように、第2の基板キャリア201は、
図8の第6の工程812及び
図1Eの基板キャリア101の処理位置と同様に、第6の工程912の間、トラック106に沿って搬送され、処理位置に移動される。処理位置では、第2の基板キャリア201は第2のトラックセグメント109上にある。
【0051】
[0073]
図2Cは、本明細書で説明する
図2A及び
図2Bの実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバの概略平面図である。
図2Cは、搬入位置における第2の基板キャリア201、並びに処理位置における点線の第2の基板キャリア201’とを示す。電源238がトラック106の第1のレールに接続される一方で、トラック106の第2のレールは接地130される。
【0052】
[0074]第2の基板キャリア201が処理位置に位置決めされた後に、基板150に電場が印加される。基板150が第2の基板キャリア201のキャリア部分202によって接地される際に、電極リッド203に電力を供給することによって、電場が印加される。基板150への電場の印加は、
図8の方法800の第8の工程816に関して説明した電場の印加に類似する。第8の工程816中の電場印加後に、第2の基板キャリア201及び基板150は、処理流体及び処理空間105から取り外され、移送位置に戻される。
図9の第8の工程916は、
図8の第9の工程818に類似する。その後、基板150は、インデックスロボット(図示せず)によって取り外すされうる。第2の基板キャリア201の取り外しに続いて(又は同時に)、
図8の第10の工程810に関して説明した工程に類似した第9の工程918において、処理流体が処理空間105から排出される。
【0053】
[0075]
図3Aは、本明細書に記載される実施形態による、
図1A~1Eの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100と共に利用される基板キャリア101の概略平面図である。基板キャリア101は、第1の部分302、第2の部分304、及びスパン部分306を含む。第1の部分302と第2の部分304は、キャリア101の先頭エッジでスパン部分306によって接続されている。キャリア101の先頭エッジは、処理位置に移動する間に、最初に中間媒体139に入るように構成されているキャリアのエッジである。基板150は、第1の部分302及び第2の部分304の両方の内部に形成された窪み316内に置かれる。いくつかの実施形態では、スパン部分306が基板150の搬入領域の下に延びている場合、窪み316もスパン部分306内に形成されうる。窪み316は、基板150を受け入れるようにサイズ決定され、基板150の側面の少なくとも一部を囲むことによって、基板150が横方向に移動するのを防止する。
【0054】
[0076]開口部310は、第1の部分302と第2の部分304との間に、かつスパン部分306の反対側に、配置される。開口部310は、ロボット(図示せず)が基板150をキャリア101に載置及びキャリア101から除去できるように配置され、ロボットのブレードが第1の部分302と第2の部分304との間に一時的に挿入されるようになっている。基板150がロボットによってキャリア101上に載置されると、1つ又は複数の機械式クランプ308a、308b、308cがクランピング位置(clamping position)まで作動され、基板150を固定する。1つ又は複数の機械式クランプは、第1のクランプ308a、第2のクランプ308b、及び第3のクランプ308cを含む。第1のクランプ308aはスパン部分306に取り付けられ、第2のクランプ308bは第2の部分304に取り付けられ、第3のクランプ308cは第1の部分302に取り付けられる。クランプ308a、308b、308cの各々が互いに約180度の角度で配置されるように、第1のクランプ308a、第2のクランプ308b、及び第3のクランプ308cの各々が、窪み316の周囲に均等に分散される。第1のクランプ308a、第2のクランプ308b、及び第3のクランプ308cの各々は、複数のディボット307の対応する1つの内部に配置される。各ディボット307は、キャリア101の上面内に形成される小さな凹部である。ディボット307は、第1のクランプ308a、第2のクランプ308b、及び第3のクランプ308cの各々の下方に配置される。第1のクランプ308a、第2のクランプ308b、及び第3のクランプ308cがクランピング位置からディボット307内に後退し、基板150を解放しうるように、ディボット307の各々が、第1のクランプ308a、第2のクランプ308b、及び第3のクランプ308cから、わずかに更に外に向かって配置される。いくつかの実施形態では、基板150を窪み316の内部に固定するために、より多い又はより少ないクランプが存在しうる。いくつかの実施形態では、単一のクランプ、2つのクランプ、又は4つ以上のクランプが存在しうる。利用されるクランプの数は、基板150のサイズ及びクランプ機構の種類に依存しうる。
【0055】
[0077]
図3Bは、本明細書に記載される実施形態による、
図1A~1Eの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100と共に利用される基板キャリア101の概略底面図である。第1の部分302と底部分304の各々の底部には、
図1A~1Eに関して説明したように、前部コネクタ118a及び後部コネクタ118bがある。
図3Bに示すように、基板キャリア101の底面上には4つのコネクタ118a、118bがある。4つのコネクタ118a、118bにより、キャリア101を湾曲トラック106に沿って移動させることができる(
図1A~1E参照)。前部コネクタ118a及び/又は後部コネクタ118bのいずれかが、トラック106に沿ったキャリア101の移動を可能にするモータ又はアクチュエータアセンブリを含むことが企図される。いくつかの実施形態では、前部コネクタ118aのみが、モータ又はアクチュエータアセンブリを含む。他の実施形態では、後部コネクタ118bのみが、モータ又はアクチュエータアセンブリを含む。他の実施形態では、前部コネクタ118a及び後部コネクタ118bの各々が、モータ又はアクチュエータアセンブリを含む。本明細書には図示されていないが、前部コネクタ118a又は後部コネクタ118bのいずれもモータアセンブリを含まず、キャリアが代わりにコンベヤシステムに沿って配置され、前部コネクタ118a又は後部コネクタ118bのいずれかによってコンベヤに連結されることが更に企図される。
【0056】
[0078]基板150は、窪み316内に配置される。
図3Bに示すように、窪みは、基板150を載置する棚を形成するように、基板150のエッジ外側から内側に延びる。棚の内面は、基板の底部の下方に配置され、第1の内面312及び第2の内面314として示されている。第1の内面312及び第2の内面314は、凹面である。第1の内面312は、第1の部分302の内側エッジに沿って配置され、第2の内面314は、第2の部分304の内側エッジに沿って配置される。第1の内面312と第2の内面314は、キャリア101の底部に沿って開口部310を形成する。開口部310が基板150の大部分の下方に形成されているものとして構成されているように示されているが、基板150に対してより大きな棚を提供し、キャリア101の基板150との表面の接触面積を増大させるように、開口部310をより狭くして、開口部310と基板150が重なる面積をより小さくしてもよいことが企図される。しかし、窪み316によって形成される棚のサイズを縮小することによって、中間媒体139内に浸漬する間に基板150の周囲に形成されるエアポケットが少なくなる。
【0057】
[0079]
図3Cは、本明細書に記載される実施形態による、
図1A~1Eの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100と共に利用される基板キャリア101の概略側面図である。
図3Cは、基板キャリア101上に形成される第1の棚318及び第2の棚320を示す。第1の棚318は第1の部分302に配置され、第2の棚320は第2の部分304に形成される。基板150の底面152は、第1の棚318と第2の棚320の表面と接触する。基板150のデバイス側151は、第1の棚318及び第2の棚320の反対側に配置され、第1のクランプ308a、第2のクランプ308b、及び第3のクランプ308cによってクランプされる。クランプ308a、308b、308cは、開位置と閉位置との間で作動可能である。
図3Cに示すように、クランプ308a、308b、308cは閉位置にある。開位置に移動するために、クランプ308a、308b、308cは、上方位置まで回転するように軸を中心に作動されうる。代替的には、クランプ308a、308b、308cが半径方向に外側に向かって延びて開位置まで移動し、かつ半径方向に内側に向かって延びて閉位置まで移動するように、クランプ308a、308b、308cは、横方向に移動しうる。
【0058】
[0080]
図3Dは、本明細書に記載される実施形態による、
図2A~2Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用される基板キャリア201の概略断面側面図である。
図3A~3Cの第1の基板キャリア101と区別するために、本明細書では、基板キャリア201が第2の基板キャリア201と称されることがある。
図3D~3Eの基板キャリア201は、下部キャリア部分202と電極リッド203を含む。下部キャリア部分202は、
図3A~3Cの基板キャリア101と構造が類似する。
【0059】
[0081]下部キャリア部分202は、第1の部分302、第2の部分304、及びスパン部分306を含む。窪み316は、第1の部分302と第2部分304の両方の内部に形成される。開口部310は、第1の部分302と第2の部分304との間に、かつスパン部分306の反対側に、配置される。1つ又は複数の機械式クランプ308a、308b、308cが、追加的になおも利用される。
図3D及び
図3Eの下部キャリア部分202は、第3の部分328を更に含み、この第3の部分328は、第1の部分302及び第2の部分304の各々から上に向かって延びるリップを形成する。第3の部分328のリップは、スパン部分306から最も遠い基板150の外側部分の周囲に壁を形成する。第3の部分328により、基板150は、下部キャリア部分202により良好に固定することができる。第3の部分328は、上面に形成された溝326を含む。溝326は、突出部324を受け入れ、基板キャリア201が搬入位置と処理位置との間で移送される間、突出部324(
図3Dに点線で示される)を溝326内部に固定するようにサイズ決めされる。
【0060】
[0082]電極リッド203は、穿孔された電極323、突出部324、アクチュエータ322(
図3Eに示す)を含む。前述のように、穿孔された電極323は、穿孔された板又はメッシュでありうる。穿孔された電極323は導電性材料から形成され、穿孔された電極323が帯電し、穿孔された電極323と基板150との間に電場を形成しうるようになっている。穿孔された電極323は、それを貫通して形成される複数の開口部(図示せず)を有し、穿孔された電極323の底面321の下方及び基板キャリア201内の空間(volume)から、基板キャリア201内の空間の外にガスが流れることができるようになる。複数の開口部は、穿孔された電極323の構造的統合性を維持しつつ、ガスが抜けるように間隔をあけて配置される。基板150と穿孔された電極323との間の空間内のガス及び気泡が減少することにより、穿孔された電極323と基板150との間の電場の均一性が向上する。構造的統合性は、穿孔された電極323を均一な形状に保つことに役立ち、穿孔された電極323が開位置と閉位置との間で作動される際に、穿孔された電極323の変形を低減する。
【0061】
[0083]穿孔された電極323の底面321が基板150の上面151から第3の高さH3となるように、穿孔された電極323は、基板150のデバイス側と近接接触し、かつそのデバイス側と平行に、載置される。第3の高さH3は、約7mm未満、例えば約5mm未満、例えば約3mm未満、例えば約1mm未満、例えば約0.5mm未満である。基板150のデバイス側と穿孔された電極323との間に限られた機械的バリアが存在すると、第3の高さH3が低減されうる。
【0062】
[0084]
図3Eに示すように、アクチュエータ322は穿孔された電極323の一端に連結される。また、アクチュエータ322は、一端で下部キャリア部分202に連結されており、穿孔された電極323と下部キャリア部分202とがアクチュエータ322において連結されるようになっている。アクチュエータ322は、ステッピングモータ、サーボモータ、ACブラシレスモータ、DCブラシ付きモータ、DCブラシレスモータ、又はダイレクトドライブモータなどの回転アクチュエータでありうる。アクチュエータ322は、スパン部分306と同様に、一端で穿孔された電極323に接続される。アクチュエータ322は、基板150が下部キャリア部分202内に搬入された後に、穿孔された電極323が開位置から閉位置に回動するように、穿孔された電極323を軸Fを中心に回動させるように構成される。アクチュエータ322が穿孔された電極323を閉位置まで回動させると、突出部324が溝326に挿入され、穿孔された電極323の反対側の端部が下部キャリア部分202に固定される。突出部324は穿孔された電極323の底面321から延びる。いくつかの実施形態では、代わりに、突出部が下部キャリア部分202の第3の部分328から延びうる。そして、突出部を受けるように穿孔された電極323内に、溝が配置される。
【0063】
[0085]
図3Fは、別の実施形態による、
図2A~2Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ100と共に利用される基板キャリア201の更に別の概略断面側面図である。
図3Fの基板キャリア201は、
図3D及び
図3Eの基板キャリア201と同様である。クランプ308a、308b、308cが穿孔された電極323の底面321に連結され、第3の部分328が変更された第3の部分328’に置き換えられている点で、
図3Fの基板キャリア201は、
図3D及び
図3Eの基板キャリア201と異なる。変更された第3の部分328’は、外側の溝332を含む。外側の溝332は、変更された第3の部分328’と第2の部分304から形成される。外側の溝332は突出部339を受けるようにサイズ決定される。外側の溝332は、修正された第3の部分328’から半径方向外側に、かつ穿孔された電極323の外側エッジ上に、配置される。
図3Fの突出部339が更に第1の部分302と第2の部分304との間に壁を形成しうるという点で、突出部339は、
図3D及び
図3Eの突出部324とは異なる。
【0064】
[0086]突出部339は基板キャリア201を取り囲んでおり、これにより処理中の基板150のエッジ付近の電場均一性が向上する。いくつかの実施形態では、基板150の上面151と穿孔された電極323との間の均一な磁場の形成をより良好に促進するために、第1の部分302、第2の部分304、スパン部分306、及び突出部339の各々は、第1の部分302、第2の部分304、スパン部分306、及び突出部339の表面の少なくとも一部に、類似の材料でコーティングされる。
【0065】
[0087]クランプ308a、308b、308cの各々が穿孔された電極323の底面321に連結されていることで、基板150をクランプする機械的複雑さが更に低減される。これは、穿孔された電極323が閉位置まで回動する際に、基板150が、基板キャリア201内の所定位置にクランプされるからである。図には明示されていないが、
図3D及び
図3Eの実施形態では、クランプ308a、308b、308cは、代替的には、穿孔された電極323の底面321に連結されうる。
【0066】
[0088]
図4A~4Dは、本明細書に記載する別の実施形態による、浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ400の概略断面図である。
図4A~4Dのチャンバ本体102は、
図1A~1Eのチャンバ本体102に類似している。
図4A~4Dの実施形態のチャンバ本体102は、トラック106、搬入デバイス114、アクチュエータ116を利用しない。基板150は、代わりに回動アセンブリ450を使用して処理空間105と中間媒体139内に移送される。回動アセンブリ450は、基板150を保持するように構成され、電極436を含む。回動アセンブリ450は、水平位置で基板150を受け取り、基板150と電極436を処理空間105内まで回動させるように構成される。
【0067】
[0089]
図4Aに示されるように、回動アセンブリ450は、電極436、アクチュエータ連結器(actuator coupling)437、回動キャリア401、及び電源138を含む。電極436は、本明細書に記載されているように、固体板電極又は静電メッシュである。電極436は、電極436の底面が基板150及び回動キャリア401の上面と平行になるように配置される。いくつかの実施形態では、電極436の底面は、電極436の主要面として定義されてもよく、よって、基板150がいったん回動キャリア401内に配置されると、電極436の主要面が、基板150のデバイス側に最も近接した平行面となる。電極436はアクチュエータ連結器437を通して、電源138に電気的に接続される。回動キャリア401は電極436から電気的に絶縁されており、同時に1つ又は複数の連結部材410によって電極436に連結されている。回動キャリア401は、
図3のキャリア101に類似しており、回動キャリア401は、1つ又は複数の連結部材410に連結される。
【0068】
[0090]1つ又は複数の連結部材410は、剛性の電気絶縁体である。1つ又は複数の連結部材410は、セラミック、ポリマー、又はセラミックとポリマーの組み合わせのいずれか1つから形成されうる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の連結部材410は、石英又はアルミナから形成される。1つ又は複数の連結部材410は、電極436と回動キャリア401のエッジに連結される。1つ又は複数の連結部材410は、電極436と回動キャリア401との間の一定の変位を維持するために剛性である。
【0069】
[0091]いくつかの実施形態では、1つ又は複数の連結部材410は、1つ又は複数の線形アクチュエータ412と連結され、電極436と回動キャリア401との間の変位を増減可能にしうる。1つ又は複数の線形アクチュエータ412は、電極436及び1つ又は複数の連結部材410に接続され、1つ又は複数の連結部材410を電極436に対して移動させる。1つ又は複数の連結部材410は、回動キャリア401に固定され、1つ又は複数の線形アクチュエータ412が1つ又は複数の連結部材410を作動させると、回動キャリア401の電極436に近づいたり離れたりする動きを可能にする。
【0070】
[0092]1つ又は複数の線形アクチュエータ412は、基板150を回動キャリア401に搬入する間、電極436と回動キャリア401とを離間させることが想定される。次いで、電極436と回動キャリア401との間の空間は、基板150が回動キャリア401上に搬入され、回動キャリア401が処理のために準備された後に、1つ又は複数の線形アクチュエータ412によって縮小されるだろう。電極436と回動キャリア401との間の変位を小さくすることは、露光後ベークプロセスの間、電極436と基板150との間の均一な電場を維持することに役立つ。
【0071】
[0093]基板150は、1つ又は複数のクランプ408を用いて回動キャリア401に固定される。1つ又は複数のクランプ408は、
図3A~3Bに関して説明したクランプ308a、308b、308cに類似する。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のクランプ408は、基板を囲むリングが膨張又は充填されて基板150のエッジ部分又は上面に圧力を印加するような、空気圧式クランプ又は液圧式クランプである。
【0072】
[0094]アクチュエータ連結器437は、電極436をアクチュエータ420に連結する。アクチュエータ420は、回動軸Bを中心に回動アセンブリ全体を回転させるように構成される。回動軸Bは、電極436と回動キャリア401の両方からオフセットされている。
【0073】
[0095]
図4A~4Dは、
図10の方法1000の工程を示す。方法1000は、第1の工程1002、第2の工程1004、第3の工程1006、第4の工程1008、第5の工程1010、第6の工程1012、第7の工程1014、第8の工程1016、及び第9の工程1018を含む。工程は、本明細書で説明するように、
図4A~4Dの装置に関して実行される。
【0074】
[0096]第1の工程1002、第2の工程1004、及び第3の工程1006が、
図4Aに関連して説明される。第1の工程1002の間、処理空間105は中間媒体139のような処理流体で充填される。処理流体は、第1の流体ポート120又は第2の流体ポート125の一方を通って導入される。第1の工程1002は、
図8及び
図1A~1Eに関して説明した第1の工程802に類似する。
【0075】
[0097]第2の工程1004は、回動キャリア401が移送位置にある間に、基板150を回動キャリア401上に位置決めすることを含む。移送位置は、前述したように、電極436と水平面に平行な位置である。基板150は、ロボット(図示せず)を用いて回動キャリア401上に載置される。回動キャリア401と電極436は、基板150を回動キャリア401上に位置決めする間、間隔をあけた位置にある。
【0076】
[0098]基板150が回動キャリア401上に載置された後に、基板150は、第3の工程1006の間に回動キャリア401に固定される。基板150は、1つ又は複数のクランプ408を用いて回動キャリア401に固定される。1つ又は複数のクランプ408は、機械式クランプ、空気圧式クランプ、又は液圧式クランプのいずれかである。基板150を回動キャリア401に固定することにより、基板150が移動したり回動キャリア401から脱落したりすることなく、回動キャリア401及び電極436を回動軸Bを中心に回転させることができる。
【0077】
[0099]基板150が回動キャリア401に固定された後に、電極436、回動キャリア401、及び基板150は、第4の工程1008の間、水平な移送位置から角度付けされた位置に回動される。回動キャリア401、電極436、及び基板150は、
図4Bに示されるように、回動軸Bを中心に、角度のついた位置まで回動される。回動アセンブリ450が回動軸Bを中心に回転する際に、回動アセンブリ450はチャンバ本体102の上方に配置される。回動軸Bは、中間媒体139の上面から基板150の半分以上の高さH
4に配置されうる。いくつかの実施形態では、高さH
4は約100mm~約300mm、例えば約150mm~約250mmである。垂直位置又は移送位置からの回動アセンブリ450の回動角度θ
2は、約60度~約90度、例えば約70度~約90度、例えば約80度~約90度、例えば約82度~約88度である。回動角度θ
2は、水平面に対する基板150とキャリア401の進入角度である。また、基板150とキャリア401の進入角度は、処理空間105が中間媒体139で満たされているときに、中間媒体139の上部水平面に対してとられるものとして示されている。進入角度が80度を超えると、基板150、回動キャリア401、電極436の周囲に形成される気泡及びエアポケットの量が実質的に減少することが判明している。
【0078】
[0100]第5の工程1010中に、電極436、回動キャリア401、及び基板150は、処理空間内に移送され、中間媒体139に浸漬される。第5の工程1010を
図4Cに示す。電極436、回動キャリア401、及び基板150が中間媒体139に浸漬されると、回動アセンブリ450は、第4の工程1008の角度付けされた位置からより水平な位置まで回転される。回動アセンブリ450全体を下降させながら回動軸Bを中心に回動アセンブリ450を同時に回動させると、電極436、回動キャリア401、及び基板150が湾曲した経路に沿って浸漬される。回動アセンブリ450が中間媒体139に浸漬されているときに回動アセンブリ450を回動させると、電極436、回動キャリア401、及び基板150の周囲に気泡が蓄積するのを低減することが示されている。いくつかの実施形態では、回動アセンブリ450が回動軸Bを中心に水平位置まで回転する前に、回動アセンブリ450は、中間媒体139に完全に又はほぼ完全に浸漬されうる。回動アセンブリ450が
図4Bの角度付けされた位置から水平位置に回転して戻り始める前に、回動軸Bは、中間媒体139の上面の上方約-150mm~約150mm、例えば約-100mm~約100mm、例えば約-50mm~約50mmの高さH
5でありうる。回動アセンブリ450の最後の部分が中間媒体139に浸漬される際の進入の回動角度θ
3は、約5度~約60度、例えば約10度~約45度である。
【0079】
[0101]電極436全体、回動キャリア401、及び基板150が中間媒体139に浸漬された後に、第6の工程1012において、回動アセンブリ450が処理空間内の処理位置に移送される。回動アセンブリ450の処理位置が、
図4Dに示されている。
図4Dにおいて、基板150のデバイス側は水平に配置されており、
図1の例では、チャンバ本体102の底面124とも平行である。回動キャリア401は、1つ又は複数のコネクタ110の上部に載置される。1つ又は複数のコネクタ110は、回動キャリア401をチャンバ本体102の底面124に電気的及び機械的に接続する。1つ又は複数のコネクタ110は、電気的に接地130されている。回動キャリア401の接地は、更に基板150を接地する。基板及び回動キャリア401がコネクタ110によって接地される代わりに、回動キャリア401は、1つ又は複数の連結部材410を通過し、アクチュエータ連結部437を通って、電源138の電極436との接続と同様の方法で接地された構成要素(図示せず)に向かう接続部によって接地される。
【0080】
[0102]処理位置にある間に、基板150に電場を印加し、露光後ベークプロセスを実行する第7の工程1014が実行される。第7の工程1014は、
図8の方法800の第8の工程816に類似する。電極436と基板150のデバイス側との間の高さH
6は、約7mm未満、例えば約5mm未満、例えば約3mm未満、例えば約1mm未満、例えば約0.5mm未満である。本明細書で説明する実施形態では、基板150のデバイス側と電極436との間の機械的バリアが限られていると、高さH
6を低減することが可能である。
【0081】
[0103]第7の工程1014の露光後ベークプロセスが実行された後に、電極436、回動キャリア401、及び基板150は、第8の工程1016の間に処理空間105の外に移送される。第8の工程1016の間、電極436、回動キャリア401、及び基板150を処理空間105内に載置するために利用される方法と類似しているが、それとは逆の方法における中間媒体139(the intermediate medium 139 in a method similar to, but reversed from, the method utilized to place the electrode 436, the swing carrier 401, and the substrate 150 within the process volume 105)。
【0082】
[0104]第9の工程1018の間、中間媒体139のような処理流体は、第1の流体源120、第2の流体源125、又はオーバーフローバルブ129のうちの1つを通して処理空間105から排出される。第9の工程1018の処理空間105からの処理流体の排出は、
図8の方法800の第10の工程820に類似している。
【0083】
[0105]
図5A~5Cは、本明細書に記載される更に別の実施形態による、浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ500の概略断面図である。浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ500は、チャンバ本体102と基板バッチキャリア501を含む。バッチキャリア501は、複数の基板を保持するように構成される。複数の基板は、1つ又は複数のロボット(図示せず)を用いてバッチキャリア501上に載置されうる。チャンバ本体102は、
図1A~1Eに関して説明したチャンバ本体102に類似する。
図5Aのチャンバ本体102は、側壁トラック510と、その上に取り付けられたバッチ電極デバイス536とを更に含む。
図1A~1E及び
図4A~4Dのコネクタ110は、更に支持体503に置き換えられる。
【0084】
[0106]バッチ電極デバイス536は、複数の単一電極506a~506fを含む。バッチ電極デバイス536は、チャンバ本体102の処理空間105内に配置され、処理空間105が中間媒体139で十分に満たされている間、中間媒体139のような処理流体中に完全に浸漬されるように構成される。複数の単一電極506a~506fは、互いに平行に、かつチャンバ本体102の底面124に対して直角に配置される。単一電極506a~506fの各々は、基板150が処理位置にある間、基板150に平行な平面の表面となるように構成される主要面を含む。主要面は、単一電極506a~506fの最大の平面の表面であり、電場を形成するように構成されうる。複数の電極506a~506fは、1つ又は複数の支持ビーム507に沿って配置される。1つ又は複数の支持ビーム507は、電極506a~506fに対して直角に配置される。1つ又は複数の支持ビーム507は、連結部508においてチャンバ本体102の側壁104に連結される。複数の電極506a~506fは、1つ又は複数の支持ビーム507に沿って間隔をあけて配置され、バッチ電極軸Dを中心にセンタリングされる。バッチ電極軸Dは、チャンバ本体102の側壁104に対して直角である。
【0085】
[0107]連結器508は、側壁トラック510とは別の、しかし側壁トラック510と平行なトラック(図示せず)上に配置されうる。代替的には、電極506a~506fの各々は、支持ビームを使用することなく、処理チャンバの側壁104に個別に装着されうる。複数の電極506a~506fの各電極を装着することで、各電極を別々に交換することができ、処理空間105内の機械的な複雑さが軽減される。バッチ電極デバイス536は、電源138に電気的に結合されており、電極506a~506fの各々が、電源138に電気的に接続されるようになっている。いくつかの実施形態では、電源138はいくつかの電源を含む。
【0086】
[0108]バッチキャリア501は、側壁トラック510に沿って配置され、複数の単一基板キャリア又は単一キャリア502a~502fを含む。複数の単一キャリア502a~502fは、1つ又は複数の支持ビーム504によって、まとめて連結される。複数の単一キャリア502a~502fは、互いに平行であり、1つ又は複数の支持ビーム504に沿って間隔をあけて配置される。複数の単一キャリア502a~502fは、バッチキャリア軸Cを中心にセンタリングされる。バッチキャリア軸Cは、1つ又は複数の支持ビーム504が進行する方向に平行である。バッチキャリア501は、アクチュエータ505によってチャンバ本体に連結される。アクチュエータ505は、側壁トラック510に連結される。アクチュエータ505は、バッチキャリア501を側壁トラック510に取り付け、バッチキャリア501を、回転軸Eを中心に回転させるように構成される。複数の単一キャリア502a~502fは、接地される。いくつかの実施形態では、バッチキャリア501は、個々の基板を保持するためのスロットを有するカセットである。
【0087】
[0109]側壁トラック510は、1つ又は複数の側壁104のうちの1つの側壁に取り付けられ、その側壁に沿って配置された垂直トラックである。側壁トラック510は直線的トラックであり、締め具を用いて1つ又は複数の側壁104に連結されうる。側壁トラック510は、チャンバ本体102が中間媒体139で充填されるレベルより上方に延びうる。いくつかの実施形態では、側壁トラック510は、チャンバ空間105から、1つ又は複数の側壁104の上面140の上方に延びる。バッチキャリア501がバッチ電極デバイス536に衝突することなく、バッチキャリア501を水平位置まで完全に回転させることができるように、側壁トラック510がチャンバ空間105から延びる。
【0088】
[0110]
図5A~5Dは、
図11の方法1100内のプロセス工程を示す。
図11の方法1100は更に、第1の工程1102、第2の工程1104、第3の工程1106、第4の工程1108、第5の工程1110、第6の工程1112、第7の工程1014、及び第8の工程1016を含む。第1の工程1102、第2の工程1104、及び第3の工程1106は、バッチキャリア501が
図5Aに示すように移送位置にある間に、完了する。第1の工程1102は、中間媒体139のような処理流体を処理空間105に導入することを含む。第1の工程1102は、
図8の方法800の第1の工程802に類似する。
【0089】
[0111]第2の工程1104は、バッチキャリア501上に複数の基板150を位置決めすることを含む。複数の基板150は、バッチキャリア501が水平移送位置にある間に、1つ又は複数のロボット(図示せず)によってバッチキャリア501上に載置される。水平移送位置は、単一キャリア502a~502f上に位置決めされた基板150の各々の表面が水平面に対して平行、かつ電極506a~506fの各々の主面に対して直角な位置である。
【0090】
[0112]バッチキャリア501の単一キャリア502a~502fの各々の上に基板150が載置された後に、第3の工程1106の間に、基板150が単一キャリア502a~502fの各々に固定される。基板150の各々は、1つ又は複数のクランプ528a~528c(
図6B)を用いて、単一キャリア502a~502fに固定されうる。1つ又は複数のクランプ528a~528cは、機械式クランプ、空気圧式クランプ、又は液圧式クランプのいずれかでありうる。基板150を単一キャリア502a~502fに固定することにより、基板150が単一キャリア502a~502fから移動又は落下することなく、バッチキャリア501を回転軸Eを中心に回転させることができる。
【0091】
[0113]基板150がバッチキャリア501に固定された後に、バッチキャリア501と基板150は、第4の工程1108の間、回転軸Eを中心に回動される。回転軸Eを中心としてバッチキャリア501を回動させることは、バッチキャリア501と基板150を垂直な中間位置まで角度θ
4だけ回動させる。
図5Bは、第4の工程1108後のバッチキャリア501の配向を示す。バッチキャリア501が回動する角度θ
4は、約80度~約90度、例えば約85度~約90度、例えば約90度である。第4の工程1108が実行された後に、基板150の上面は、電極506a~506fの各々の底面と平行になり、バッチキャリア軸Cは、バッチ電極軸Dと平行になる。
【0092】
[0114]第4の工程1108の後に、単一キャリア502a~502f及び基板150は、中間媒体139の深さ及び電極506a~506fの位置に応じて、中間媒体139内に部分的に浸漬されるか、又は全く浸漬されない。
【0093】
[0115]第4の工程1108の後に、バッチキャリア501と基板150は、第5の工程1110の間、側壁トラック510に沿って処理空間105内に移送される。バッチキャリア501及び基板150は、
図5Cに示すように、処理位置に移送され、単一キャリア502a~502fのうちの1つ以上が、チャンバ本体102の底面124に配置される支持体503と接触する。支持体は電気的に絶縁されており、バッチキャリア501のバッチ電極デバイス536との位置合わせを補助する。処理位置内にある間、基板150の各々が、電極506a~506fの1つと単一キャリア502a~502fの1つとの双方によって分離される。電極506a~506fは帯電電極として機能し、単一キャリア502a~502fは接地電極として機能し、基板150と電極506a~506fとの間に電場を形成する。単一キャリア502a~502fの各々が電極506a~506fの1つとセンタリングされるように、バッチキャリア軸Cとバッチ電極軸Dが、処理位置にある間に位置合わせされる。
【0094】
[0116]基板150の1つの上面は、電極506a~506fの1つの底面から距離D1だけ分離される。距離D1は、約7mm未満、例えば約5mm未満、例えば約3mm未満、例えば約1mm未満、例えば約0.5mm未満である。本明細書に記載される実施形態では、基板150のデバイス側と電極506a~506fとの間の機械的バリアが限られている際に、距離D1を短縮することが可能である。
【0095】
[0117]第5の工程1110の後に、第6の工程1112中に、バッチキャリア501内の基板150の各々に電場が印加される。第6の工程1112は、
図8の方法800の第8の工程816に類似する。第6の工程1112の露光後ベークプロセスが実行された後に、バッチキャリア501は、第7の工程1114の間に処理空間105から移送される。第7の工程1114の間、バッチキャリア501は、バッチキャリア501を処理空間105内に載置するために利用される方法に類似するがそれとは逆の方法で、中間媒体139から除去される。
【0096】
[0118]第8の工程1116の間、中間媒体139のような処理流体は、第1の流体源120、第2の流体源125、又はオーバーフローバルブ129のうちの1つを通して処理空間105から排出される。第8の工程1116中の処理空間105からの処理流体の排出は、
図8の方法800の第10の工程820に類似している。
【0097】
[0119]
図6Aは、本明細書に記載される実施形態による、
図5A~5Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバと共に利用されるバッチキャリア501の概略断面側面図である。バッチキャリア501は、複数の単一キャリア502a~502fを含む。
図6Aの実施形態では、6つの単一キャリア502a~502fが存在するが、任意の数の単一キャリア502a~502fが利用される可能性があることが企図される。いくつかの実施形態では、バッチキャリア501は、2つ以上の単一基板キャリア、例えば3つ以上の単一基板キャリアを含む。単一キャリア502a~502fのような単一基板キャリアの各々は、1つ又は複数の支持ビーム507a、507bに接続される。
図6Aの実施形態では、第1の支持ビーム507a及び第2の支持ビーム507bが存在する。支持ビーム507a、507bは、単一キャリア501a~502fをまとめて接続し、バッチキャリア501を形成する。バッチキャリア501は更に、バッチキャリア501を回転させるためにその一端に配置されるアクチュエータ505を含む。
【0098】
[0120]単一キャリア502a~502fの各々は、保持部分520と絶縁部分522とを含む。保持部分520は、基板150を保持するように構成される。絶縁部分522は、絶縁部分522の下方に配置された電極506a~506fなどのあらゆる電極の磁場から基板150を電気的に絶縁するための絶縁材料から形成される。保持部分520は絶縁部分522の上方に配置され、バッチキャリア501上に配置される間、各基板150がその間に配置される絶縁部分522を有するようになっている。
【0099】
[0121]
図6Bは、本明細書に記載される実施形態による、
図6Aのバッチキャリア501の単一基板キャリア502a~502fの概略断面平面図である。単一基板キャリア502a~502fが示されており、第1の部分602、第2の部分604、及びスパン部分606を含んでいる。第1の部分602と第2の部分604は、単一キャリア502a~502fの一方の側でスパン部分606によって接続される。基板150は、
図3Aの窪み316と同様の方法で、第1の部分602と第2の部分604の両方の内部に形成された窪み内に載置される。
【0100】
[0122]開口部610は、第1の部分602と第2の部分604との間に、かつスパン部分606の反対側に、配置される。開口部610は、ロボット(図示せず)が基板150を単一キャリア502a~502fに載置及び単一キャリア502a~502fから除去できるように配置され、ロボットのブレードが第1の部分602と第2の部分604との間に一時的に挿入されるようになっている。基板150がロボットによって単一キャリア502a~502f上に載置されると、1つ又は複数の機械式クランプ528a、528b、528cがクランピング位置(clamping position)まで作動され、基板150を固定する。1つ又は複数の機械式クランプは、第1のクランプ528a、第2のクランプ528b、及び第3のクランプ528cを含む。第1のクランプ528aはスパン部分606に取り付けられ、第2のクランプ528bは第2の部分604に取り付けられ、第3のクランプ528cは第1の部分602に取り付けられる。クランプ528a、528b、528cの各々が互いに約180度の角度で配置されるように、第1のクランプ528a、第2のクランプ528b、及び第3のクランプ528cの各々が、窪みの周囲に均等に分散される。いくつかの実施形態では、基板150を固定するために、より多い又はより少ないクランプが存在しうる。いくつかの実施形態では、液圧式クランプ又は空気圧式クランプが使用されうる。
【0101】
[0123]支持ビーム507a、507bは、単一キャリア502a~502fを通って配置される。第1の支持ビーム507aは第1の部分602に接続され、第2の支持ビーム507bは第2の部分604に接続される。支持ビーム507a、507bは、単一キャリア502a~502fの外側エッジの周囲に配置され、基板150を、開口部610を通して単一キャリア502a~502f上に載置できるように構成される。単一キャリア502a~502fの下には、絶縁部分522がある。絶縁部分522は、単一キャリア502a~502fの全体及び基板150の下に配置されている。
【0102】
[0124]
図7Aは、更に別の実施形態による浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700の概略断面図である。
図7Aの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700は、
図2A~2C及び
図3D~3Fの基板キャリア201と類似した要素を含む。浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700は、ベース部分701と電極アセンブリ703を含む。電極アセンブリ703は、ベース部分701に連結され、基板150のような基板の出入りを可能にするために、開位置と閉位置との間を移動するように構成される。基板150は、電極アセンブリ703が閉位置に移動する前に、ベース部分701内に載置される。電極アセンブリ703の動きは、回転、回動運動、又は線形運動でありうる。電極アセンブリ703とベース部分701は、処理空間705を形成する。処理空間705は、電極アセンブリ703によって基板150に電場が印加される前に、処理流体で充填される。
【0103】
[0125]浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700のベース部分701は、本体707と堰708とを含む。本体707は、ベース部分701の底面726及び側壁724を形成する。側壁724は底面726から電極アセンブリ703に向かって上方に延びる。底面726は、基板150を支持するように構成され、基板150の下方に配置された空洞722を含む。空洞722は、ロボットブレード(図示せず)がその中に配置できるように構成されており、基板150がロボットブレードによって底面726上に載置され、その後、ロボットブレードが、ベース部分701の構成要素のいずれにも接触することなく、基板150の下から除去できるようになっている。側壁724は、基板150の少なくとも一部を取り囲んでいる。
【0104】
[0126]ベース部分701は更に、1つ又は複数の流体入口702と1つ又は複数の流体出口704を含む。1つ又は複数の流体入口702は、基板150を取り囲み、側壁724の内面に沿って配置された複数の流体入口702でありうる。1つ又は複数の流体出口704は、基板150を取り囲み、本体707の底面726を通って配置された複数の出口704である。1つ又は複数の流体入口702は、流体源710と流体連結されている。流体源710は、第1の流体源123に類似する。流体源710は、処理流体を処理空間705に供給する。1つ又は複数の流体出口704は、排出ポンプ712と流体連結している。排出ポンプ712は、基板150が電場を用いて処理された後に、処理流体を処理空間705から除去するように構成される。1つ又は複数の流体出口704は、ベース部分701の底面726を通って配置され、充填レベルに関係なく、すべての流体が処理空間705から除去できるようにする。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の流体入口702もまた、底面726を通って形成されうる。流体入口702及び流体出口704の各々は、ベース部分701内に配置された環状チャネルの一部である。流体源710及び排出ポンプ712の各々は、ベース部分701を通って配置された環状チャネルと流体接触しており、環状チャネルは、それぞれ流体入口702及び流体出口704を通って処理空間705と流体連結している。
【0105】
[0127]基板150は、1つ又は複数の機械式クランプ308a、308b、308cによってベース部分701の底面726にクランプされる。1つ又は複数の機械式クランプ308a、308b、308cは、
図3A~3Fに関してより詳細に説明される。1つ又は複数の機械式クランプ308a、308b、308cは、基板150をベース部分701に固定し、流体が処理空間705に充填されるか又は処理空間705から排出される際の基板150の移動を妨げる。1つ又は複数の機械式クランプ308a、308b、308cは、更に、流体が空洞722に充填されたり、又は処理中に基板150の下からガスが漏れたりするのを防止することに役立つ。
【0106】
[0128]電極アセンブリ703は、ベース部分701の上部に配置され、リッドを形成する。電極アセンブリ703は、穿孔された電極323を含む。穿孔された電極323は、
図3D~3Fに関してより詳細に説明される。穿孔された電極323の底面321は、基板150に面する。穿孔された電極323の底面321と基板150の上面151との間の距離は、第7の高さH
7である。第7の高さH
7は、約7mm未満、例えば約5mm未満、例えば約3mm未満、例えば約1mm未満、例えば約0.5mm未満である。本明細書に記載される実施形態では、基板150のデバイス側と穿孔された電極323との間の機械的バリアが限られている際に、第7の高さH
7を短縮することが可能である。電極アセンブリ703は、電源738に電気的に接続される。電源738は、穿孔された電極323に電力を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、電源738によって最大5000V、例えば4000V未満、例えば3000V未満の電位が穿孔された電極323に印加される。ベース部分701は、接地され、基板を接地して、穿孔された電極323の反対側の第2の電極を形成する。
【0107】
[0129]堰708は、処理空間705の外側に配置される。堰708は、ベース部分701に連結され、穿孔された電極323を通って逃げる余分な流体を集める。堰708は、堰708とベース部分701との間に配置された槽(basin)720を含む。いくつかの実施形態において、処理空間705からの処理流体は、穿孔された電極323を通って処理空間705から流出する。過剰な処理流体の使用が有益であり、電場914の印加中に処理空間705内の気泡の量を減少させるために利用されうる。出口706は、堰708を貫通して形成され、第2の排出ポンプ714を槽720に流体連結し、槽720からの流体の除去を可能にする。堰708と槽720は、ベース部分701を囲みうる。
【0108】
[0130]
図7Bは、平面7B-7Bを通してとられた、
図7Aの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700の別の概略断面側面図である。
図7Bに示すように、電極アセンブリ703は開位置まで回動しうる。穿孔された電極323は、アクチュエータ322のため、軸Fを中心に開位置まで回動する。
図3D~3Fのアクチュエータ322と同様に、アクチュエータ322は、ベース部分701と同様に穿孔された電極323の一端に連結される。突出部339は、
図3D~3Fで説明した基板キャリア201の実施形態と同様の方法で、外側溝332内に形成される。アクチュエータ322から最も遠い基板の側面に沿って壁を形成する突出部339は、処理空間705内に処理流体を保持することに役立つ可能性があるという点で有益である。
【0109】
[0131]
図7Cは、本明細書に記載される更に別の実施形態による、浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700の概略断面図である。浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700は、
図7A及び
図7Bに関して説明したものに類似するが、追加的に、ベース部分701の下方に配置された加熱アセンブリ740を含む。加熱アセンブリ740は、堰708及びベース部分701の底部に連結される。加熱アセンブリ740により、有益には、基板150が迅速かつ均一に加熱可能になりうる。基板150と加熱アセンブリ740との間の距離が小さいときには、加熱/冷却の不均一性や遅延を引き起こす、基板150と加熱アセンブリ740との間の熱質量は少ない。
図7Cの加熱アセンブリ740は、ハウジング742と、ハウジング742内に配置された複数のランプ744とを含む。ハウジング742は、ベース部分701に連結され、ランプ744からのエネルギーを処理空間705に向かって方向付けるために使用されうる。いくつかの実施形態では、ハウジング742の内面は、ハウジングによって吸収されるエネルギー量を低減するために反射面でありうる。ハウジング742をベース部分701に連結できるように、堰720を貫通する開口部が形成されうる。
【0110】
[0132]
図7Dは、本明細書に記載される実施形態による、
図7A~7Cの浸漬フィールドガイド式の露光後ベークチャンバ700の平面図である。
図7Dに示されるように、1つ又は複数の流体入口702及び1つ又は複数の流体出口704の各々は、基板150の外周周囲に配置される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の流体入口702及び1つ又は複数の流体出口704の各々は、円弧状であり、基板150の外周の一部の周囲で湾曲される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の流体入口702及び1つ又は複数の流体出口704の各々は、約20度より大きい、例えば約30度より大きい、例えば約45度より大きい、基板150の外周周囲に形成される。いくつかの実施形態では、2つ以上の流体入口702及び流体出口704、例えば3つ以上の流体入口702及び流体出口704、例えば4つ以上の流体入口702及び流体出口704が存在する。空洞722は、流体入口702又は流体出口704のいずれとも交差しないように、流体入口702の2つ又は流体出口704の2つの間に配置されうる。穿孔された電極323は、
図7Dに示すベース部分701の上に配置されるだろう。
【0111】
[0133]
図7A~7Dの装置により、
図12の方法1200を参照して説明した工程の利用が可能になる。方法1200は、ベース部分701内に基板を位置決めすることにより、第1の工程1202で開始する。
【0112】
[0134]第1の工程1202は、電極アセンブリ703が開位置にある間に、基板150のような基板をベース部分701内に位置決めすることを含む。穿孔された電極323が基板150に対してある角度で配置され、基板150がベース部分701に配置又はそこから取り外すことができる際の、第1の工程1202の開位置が
図7Bに示されている。
【0113】
[0135]第1の工程1202に続いて、基板150をベース部分701に固定するための第2の工程1204が実行される。基板150をベース部分701に固定することは、1つ又は複数の機械式クランプ308a、308b、308cで基板150をクランプすること、及び/又は、穿孔された電極323を閉位置まで回動させることを含みうる。
【0114】
[0136]いくつかの実施形態では、穿孔された電極323を閉位置まで回動させることは、基板150の固定に続く第3の工程1206の一部であり、又はいくつかの実施形態では、第2の工程1204と第3の工程1206は同時に実行される。
【0115】
[0137]第3の工程1206に続いて、処理流体を処理空間705に導入する第4の工程1208が実行される。処理流体は、1つ又は複数の流体入口702を通って処理空間705に進入し、処理空間705を満たす。処理流体の一部は、穿孔された電極323を通って処理空間705から流出し、堰708に落ちる可能性がある。処理流体の導入に続いて又はそれと同時に、第5の工程1210が、ベース部分701及び処理空間705を加熱するために実行される。ベース部分701及び処理空間705の加熱は、
図7Cの加熱アセンブリ740又は抵抗加熱アセンブリなどの別の加熱アセンブリのうちの1つを用いて実行されうる。基板150は、加熱アセンブリ740によって加熱される。基板150の温度は、処理結果を向上させるために制御される。
【0116】
[0138]第5の工程1210中の加熱に続いて、穿孔された電極323によって基板150に電場を印加することによって、第6の工程1212が実行される。電場を印加することにより、基板とその上に配置されたフォトレジストに露光後ベークプロセスが実行される。第6の工程1212の露光後ベークプロセスの後に、処理流体が、第7の工程1214の間に1つ又は複数の流体出口704を通って処理空間105から排出され、基板150が、第8の工程1216の間にインデクシングロボット(図示せず)によって除去される。
【0117】
[0139]本明細書に記載される実施形態は、露光後ベークプロセスにおけるバブリング(bubbling)の影響を低減しつつ、基板が水平に処理されうる点で有益である。また、本明細書に記載される実施形態により、処理中に電極と基板をより近接して配置できるようになり、電場不均一性の影響が低減される。
【0118】
[0140]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び追加の実施形態を考案してもよい。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】