(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】低温でのケイ素含有膜のプラズマ強化堆積
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20231227BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20231227BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20231227BHJP
C23C 16/24 20060101ALI20231227BHJP
C23C 16/515 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 105A
C23C16/42
C23C16/24
C23C16/515
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536991
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021062339
(87)【国際公開番号】W WO2022132524
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アイディン, アイクト
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャナキラマン, カーティック
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA09
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4K030BA30
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5F004AA04
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(57)【要約】
例示的な堆積方法は、ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に流入させることを含みうる。本方法は、半導体処理チャンバの面板とペデスタルとの間の処理領域内でプラズマを発生させることを含みうる。ペデスタルは、パターニングされたフォトレジストを含む基板を支持しうる。本方法は、基板の温度を約200℃以下に維持することを含みうる。本方法はまた、パターニングされたフォトレジストに沿ってケイ素含有膜を堆積させることを含みうる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に流入させることと、
前記半導体処理チャンバの面板とペデスタルとの間の前記処理領域でプラズマを発生させることであって、前記ペデスタルはパターニングされたフォトレジストを含む基板を支持する、プラズマを発生させることと、
前記基板の温度を約200℃以下に維持することと、
前記パターニングされたフォトレジストに沿ってケイ素含有膜を堆積させることと
を含む、堆積方法。
【請求項2】
前記半導体処理チャンバを約0.5Torr以上の処理圧力に維持すること
を更に含む、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項3】
前記パターニングされたフォトレジストは、フィーチャの上部、側壁及び底部を画定し、前記ケイ素含有膜は、前記上部を覆う厚さが前記側壁における厚さの少なくとも40%であることによって特徴付けられる、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項4】
前記ケイ素含有膜は、前記側壁における厚さが前記底部における厚さの少なくとも50%であることによって特徴付けられる、請求項3に記載の堆積方法。
【請求項5】
前記プラズマは、約5kHz以上のパルス周波数、10%未満のデューティサイクル、及び約300W以下のパワーで動作するパルス状電源によって発生させられる、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項6】
前記面板と前記ペデスタルとの間の間隔は、約400ミル以上である、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項7】
前記ケイ素含有前駆体と共に水素を流すことであって、前記水素は約300sccm以上の流量で導入される、水素を流すこと
を更に含む、請求項1に記載の堆積方法。
【請求項8】
ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に流入させることと、
前記半導体処理チャンバの面板とペデスタルとの間の前記処理領域でプラズマを発生させることであって、前記ペデスタルはパターニングされたフォトレジストを含む基板を支持する、プラズマを発生させることと、
前記基板の温度を約200℃以下に維持することと、
前記パターニングされたフォトレジストと共に、アモルファスシリコン膜を堆積させることと
を含む、堆積方法。
【請求項9】
前記基板の前記温度は、約100℃以下に維持される、請求項8に記載の堆積方法。
【請求項10】
前記パターニングされたフォトレジストは、フィーチャの上部、側壁及び底部を画定し、前記アモルファスシリコン膜は、前記上部を覆う厚さが前記側壁における厚さの少なくとも40%であることによって特徴付けられる、請求項8に記載の堆積方法。
【請求項11】
前記アモルファスシリコン膜は、前記側壁における前記厚さが前記底部における厚さの少なくとも50%であることによって特徴付けられる、請求項10に記載の堆積方法。
【請求項12】
前記プラズマは、約5kHz以上のパルス周波数、10%未満のデューティサイクル、及び約300W以下のパワーで動作するパルス状電源によって発生させられる、請求項8に記載の堆積方法。
【請求項13】
前記面板と前記ペデスタルとの間の間隔は、約400ミル以上である、請求項8に記載の堆積方法。
【請求項14】
前記ケイ素含有前駆体と共に水素を流すことであって、前記水素は約300sccm以上の流量で導入される、水素を流すこと
を更に含む、請求項8に記載の堆積方法。
【請求項15】
酸素を含むケイ素含有前駆体を、半導体処理チャンバの処理領域に流入させることと、
前記半導体処理チャンバの面板とペデスタルとの間の前記処理領域でプラズマを発生させることであって、前記ペデスタルはパターニングされたフォトレジストを含む基板を支持する、プラズマを発生させることと、
前記基板の温度を約200℃以下に維持することと、
前記パターニングされたフォトレジストと共に、酸化ケイ素膜を堆積させることと
を含む、堆積方法。
【請求項16】
前記基板の前記温度は、約100℃以下に維持される、請求項15に記載の堆積方法。
【請求項17】
前記プラズマは、約5kHz以上のパルス周波数、10%未満のデューティサイクル、約300W以下のパワーで動作するパルス状電源によって発生させられる、請求項15に記載の堆積方法。
【請求項18】
前記面板と前記ペデスタルとの間の間隔は、約400ミル以上である、請求項15に記載の堆積方法。
【請求項19】
前記ケイ素含有前駆体を流入させることが、酸化窒素とシランを約2:1以下の体積流量比で前記処理領域に流入させることを含む、請求項15に記載の堆積方法。
【請求項20】
前記ケイ素含有前駆体と共に水素を流すことであって、前記水素は約300sccm以上の流量で導入される、水素を流すこと
を更に含む、請求項15に記載の堆積方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年12月17日に出願された「低温でのケイ素含有膜のプラズマ強化堆積(PLASMA ENHANCED DEPOSITION OF SILICON-CONTAINING FILMS AT LOW TEMPERATURE)」と題する、米国特許出願第17/125,349号の利益及び優先権を主張するものであり、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本技術は、半導体プロセス及びチャンバ部品に関する。より具体的には、本技術は、変更された部品及び堆積方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]集積回路は、基板表面に複雑にパターニングされた材料層を生成するプロセスによって可能になる。基板上にパターニングされた材料を生成するには、露出した材料の形成及び除去の制御された方法が必要である。例えば、多重パターニング技法(multiple patterning technique)では、パターニングされたフォトレジストのパターンを後続の堆積層に転写することを含みうる多段階の製造工程の一部として、パターニングされたフォトレジストが半導体基板上に堆積されうる。そのため、フォトレジスト材料の熱安定性が、例えばパターニングされた膜を堆積させるために利用可能なプロセスを制限することがある。このように、温度が安定したパターニング膜を形成するために、フォトレジストのパターニングとプラズマ堆積との間に中間パターン転写プロセスが含まれることがある。中間プロセスは、製造の複雑さと時間を増加させる基板移送又は他の工程を含み、半導体製造の効率と歩留まりを制限しうる。
【0004】
[0004]したがって、高品質のデバイス及び構造を製造するために使用することができる改善されたシステム及び方法が必要とされる。本技術は、これらの必要性及びその他の必要性に対処する。
【発明の概要】
【0005】
[0005]例示的な堆積方法は、ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に流入させることを含みうる。本方法は、半導体処理チャンバの面板とペデスタルとの間の処理領域内でプラズマを発生させることを含みうる。ペデスタルは、パターニングされたフォトレジストを含む基板を支持しうる。本方法は、基板の温度を約200℃以下に維持することを含みうる。本方法はまた、パターニングされたフォトレジストに沿ってケイ素含有膜を堆積させることを含みうる。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、本方法は、半導体処理チャンバを約0.5Torr以上の処理圧力に維持することを含みうる。パターニングされたフォトレジストは、トレンチを画定しうる。パターニングされたフォトレジストは、フィーチャの上部、側壁、及び底部を画定しうる。ケイ素含有膜は、上部を覆う厚さが側壁における厚さの少なくとも40%であることによって特徴付けられうる。ケイ素含有膜は、側壁における厚さが底部における厚さの少なくとも50%であることによって特徴付けられうる。プラズマは、約5kHz以上のパルス周波数で動作し、10%未満のデューティサイクルを使用する電源によって、発生させられうる。プラズマのパワーは、約300W以下でありうる。面板とペデスタルとの間の間隔は、約400ミル以上でありうる。本方法は、ケイ素含有前駆体と共に水素を流すことを更に含みうる。水素は、約300sccm以上の流量で導入されうる。
【0007】
[0007]本技術のいくつかの実施形態は、堆積方法を包含しうる。例示的な方法は、ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に流入させることを含みうる。本方法は、半導体処理チャンバの面板とペデスタルとの間の処理領域内でプラズマを発生させることを含みうる。ペデスタルは、パターニングされたフォトレジストを含む基板を支持しうる。本方法は、基板の温度を約200℃以下に維持することを含みうる。本方法はまた、パターニングされたフォトレジストと共に、アモルファスシリコン膜を堆積させることを含みうる。
【0008】
[0008]本技術のいくつかの実施形態は、堆積方法を包含しうる。例示的な方法は、ケイ素含有前駆体を半導体処理チャンバの処理領域に流入させることを含みうる。ケイ素含有前駆体は、酸素を含みうる。本方法は、半導体処理チャンバの面板とペデスタルとの間の処理領域内でプラズマを発生させることを含みうる。ペデスタルは、パターニングされたフォトレジストを含む基板を支持しうる。本方法は、基板の温度を約200℃以下に維持することを含みうる。本方法はまた、パターニングされたフォトレジストと共に、酸化ケイ素膜を堆積させることを含みうる。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態において、ケイ素含有前駆体を流入させることは、酸化窒素とシランを約2:1以下の体積流量比で処理領域に流入させることを含みうる。
【0010】
[0010]このような技術は、従来のシステム及び技法に比べ、多くの利点を提供しうる。例えば、本方法及びシステムは、パターニングされたフォトレジスト上に配置され、改善された被覆率を示し、フォトレジスト材料の劣化を抑制したプラズマ堆積ケイ素含有膜を提供しうる。このように、本技術の実施形態の動作は、マルチパターニングのような改善されたCMOS製造プロセスを生成し、より小さな半導体フィーチャの製造を容易にしうる。加えて、本方法及びシステムは、例えば、パターニングされた構造を準備するために使用される堆積及び除去プロセスの数を減らすことによって、改善されたプロセス統合を提供しうる。これらの実施形態及びその他の実施形態は、その利点や特徴の多くと共に、後述の説明及び添付図面と併せて、より詳細に説明される。
【0011】
[0011]開示された技術の性質及び利点は、本明細書の残りの部分と図面を参照することによって更に理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図2】[0013]本技術のいくつかの実施形態による堆積方法における例示的な工程を示す。
【
図3】[0014]A及びBは、本技術のいくつかの実施形態による堆積方法の動作中の例示的な処理チャンバの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0015]いくつかの図面は、概略図として含まれている。図面は例示を目的としており、縮尺どおりであると明記されていない限り、縮尺どおりであるとみなしてはならないことを理解するべきである。更に、概略図として、図面は、理解を助けるために提供されており、現実的な描写に比べてすべての態様又は情報を含まない場合があり、例示を目的として強調された素材を含むことがある。
【0014】
[0016]添付の図面では、類似の構成要素及び/又は特徴は、同じ参照符号を有しうる。更に、同種の様々な構成要素は、類似した構成要素同士を区別する文字により、参照符号に従って区別されうる。本明細書において第1の参照符号のみが使用されている場合、その説明は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似した構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0015】
[0017]アモルファスシリコン膜又は酸化ケイ素膜のような材料の堆積中に、プラズマ強化堆積は、シャワーヘッド又はガス分配器と基板支持体との間に局所プラズマを生成しうる。プラズマ条件は、プラズマパワー、デューティサイクル、パルス周波数などのプラズマ電源のパラメータの関数でありうるが、基板及び基板支持体の加熱を引き起こす可能性がある。パターニングされたフォトレジストが基板上に配置されており、パターニングされたフォトレジストがトレンチ又は間隙などの凹状フィーチャを画定する場合、堆積プロセスは、フォトレジスト材料が劣化し始める温度を超えてフォトレジストを加熱することがある。このような場合、プラズマ条件下の材料堆積がパターニングされたフォトレジストを損傷することがあり、パターニングされた構造を製造するための堆積プロセスの効果が制限される。
【0016】
[0018]従来技術では、フォトレジストのパターニングをプラズマ堆積から分離するために、中間プロセスを導入することを通して、この限界に対処してきた。例えば、自己整合ダブルパターニング(self-aligned double patterning:SADP)プロセスにおいて、アモルファスシリコンがフォトレジスト材料上に直接堆積される場合には、スペーサマスク又はライナとしてアモルファスシリコンを堆積させることにより、フォトレジストパターンが劣化する可能性がある。そのため、フォトレジストパターンが、フォトレジスト材料よりも高い熱安定性を示す別の層に転写されてもよい。この中間プロセスは、堆積、除去、平坦化など、更なるプロセスを導入する可能性がある。更に、パターン転写プロセスは、第1のシステムで半導体基板上にフォトレジスト材料の堆積を行うことと、上層膜を堆積させるために半導体基板を第2の堆積システムに移すことと、その後、プラズマ処理のために半導体基板を第3のシステムに移すこととを含みうる。本技術は、パターニングされたフォトレジストの凹状フィーチャ内にケイ素含有膜を直接堆積させるための改良された堆積方法を実施することにより、これらの制限を克服することができる。例えば、プラズマ条件、処理パラメータ、及び基板温度を制御することで、フォトレジスト材料の熱劣化を抑えながら、パターニングされたフォトレジスト層の上にケイ素含有膜を堆積させることができる。これにより、中間転写層がなくても、SADPのような多重パターニングプロセスに用いられる特性寸法の凹状フィーチャを画定する基板上での堆積が可能になりうる。
【0017】
[0019]プラズマ処理が実行されうる本技術の実施形態によるチャンバの一般的な態様を説明した後に、特定の方法論及び構成要素の構成が説明されうる。本技法は、多くの膜形成プロセスを改善するために使用され、様々な処理チャンバ及び動作に適用されうるため、本技術は、説明した特定の膜及び処理に限定されることを意図していないことが理解されよう。
【0018】
[0020]
図1は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理チャンバ100の断面図を示す。本図は、本技術の1つ又は複数の態様を組み込み、及び/又は本技術の実施形態による1つ又は複数の工程を実行しうるシステムの概要を示しうる。チャンバ100又は実行される方法の追加の詳細にが、以下で更に説明されうる。チャンバ100は、本技術のいくつかの実施形態に従って膜層を形成するために利用されうるが、本方法は、膜形成が起こりうる任意のチャンバで同様に実行されてよいことが理解されよう。処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、チャンバ本体102の内部に配置された基板支持体104と、チャンバ本体102と接続され、処理領域120の基板支持体104を囲むリッドアセンブリ106とを含みうる。基板103は、開口部126を通して処理領域120に提供されてもよく、この開口部は、スリットバルブ又はドアを用いて処理のために従来通りに密閉されていてもよい。基板103は、処理中に基板支持体104の表面105に載置されうる。基板支持体104は、矢印145で示すように、基板支持体104のシャフト144が位置しうる軸147に沿って、回転可能でありうる。あるいは、基板支持体104は、堆積プロセス中に必要に応じて回転するように持ち上げられてもよい。
【0019】
[0021]プラズマプロファイル変調器111は、基板支持体104上に配置された基板103にわたったプラズマ分布を制御するために、処理チャンバ100内に配置されうる。プラズマプロファイル変調器111は、チャンバ本体102に隣接して配置され、チャンバ本体102をリッドアセンブリ106の他の構成要素から分離することができる第1の電極108を含みうる。第1の電極108は、リッドアセンブリ106の一部であってもよく、又は別個の側壁電極であってもよい。第1の電極108は、環状又はリング状の部材であり、リング電極でありうる。第1の電極108は、処理領域120を囲む処理チャンバ100の外周周囲の連続的なループであってもよく、所望の場合、選択された位置において不連続であってもよい。また、第1の電極108は、例えば、穿孔リング又はメッシュ電極などの穿孔電極であってもよく、又は、例えば、2次ガス分配器などの平板電極であってもよい。
【0020】
[0022]例えば酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウムといった、セラミック又は金属酸化物のような誘電体材料でありうる、1つ又は複数のアイソレータ110a、110bは、第1の電極108と接触して、第1の電極108をガス分配器112及びチャンバ本体102から電気的及び熱的に分離しうる。ガス分配器112は、プロセス前駆体を処理領域120に分配するための開孔118を画定しうる。ガス分配器112は、RF発生器、RF電源、DC電源、パルス状DC電源、パルス状RF電源、又は処理チャンバと接続されうる任意の他の電源などの、第1の電力源142と接続されうる。いくつかの実施形態では、第1の電力源142は、RF電源でありうる。
【0021】
[0023]ガス分配器112は、導電性ガス分配器であっても、非導電性ガス分配器であってもよい。また、ガス分配器112は、導電性及び非導電性の構成要素から形成されうる。例えば、ガス分配器112の本体が導電性である一方で、ガス分配器112の面板は非導電性であってもよい。ガス分配器112は、
図1に示されるような第1の電力源142などによって、電力供給されてもよく、又はいくつかの実施形態では、ガス分配器112は、接地で接続されてもよい(may be coupled with ground)。
【0022】
[0024]第1の電極108は、処理チャンバ100の接地経路を制御しうる第1の同調回路128と接続されうる。第1の同調回路128は、第1の電子センサ130と、第1の電子コントローラ134とを含みうる。第1の電子コントローラ134は、可変キャパシタ又は他の回路素子であってもよく、又はそれを含んでいてもよい。第1の同調回路128は、1つ又は複数のインダクタ132であってもよく、又はそれを含んでいてもよい。第1の同調回路128は、処理中に処理領域120内に存在するプラズマ条件下で可変又は制御可能なインピーダンスを可能にする任意の回路でありうる。図示されるようないくつかの実施形態では、第1の同調回路128は、接地と第1の電子センサ130との間で平行に接続された第1の回路脚及び第2の回路脚を含みうる。第1の回路脚は、第1のインダクタ132Aを含みうる。第2の回路脚は、第1の電子コントローラ134と直列に接続された第2のインダクタ132Bを含みうる。第2のインダクタ132Bは、第1の電子コントローラ134と、第1及び第2の回路脚の両方を第1の電子センサ130に結合するノードとの間に配置されうる。第1の電子センサ130は、電圧又は電流センサであり、第1の電子コントローラ134と接続され、処理空間120の内部のプラズマ条件のある程度の閉ループ制御を許容しうる。
【0023】
[0025]第2の電極122は、基板支持体104と接続されうる。第2の電極122は、基板支持体104内に埋め込まれてもよく、又は基板支持体104の表面と接続されてもよい。第2の電極122は、板、穿孔板、メッシュ、ワイヤスクリーン、又は導電性要素の他の分散設備(distributed arrangement)でありうる。第2の電極122は同調電極であってもよく、例えば、基板支持体104のシャフト144内に配置された、50オームなどの選択された抵抗を有するケーブルなどの導管146によって、第2の同調回路136と接続されうる。第2の同調回路136は、第2の電子センサ138と、第2の電子コントローラ140とを有しうるが、この第2の電子コントローラ140は、第2の可変キャパシタであってもよい。第2の電子センサ138は、電圧又は電流センサであり、第2の電子コントローラ140と接続され、処理領域120内のプラズマ条件に対する更なる制御を提供しうる。
【0024】
[0026]バイアス電極及び/又は静電チャック電極でありうる第3の電極124は、基板支持体104と接続されうる。第3の電極は、フィルタ148を通して第2の電力源150と連結され、ここでフィルタ148は、インピーダンス整合回路でありうる。第2の電力源150は、DCパワー、パルス状DCパワー、RFバイアスパワー、パルス状RF源若しくはバイアスパワー、又はこれら又は他の電源の組み合わせでありうる。いくつかの実施形態では、第2の電力源150は、RFバイアスパワーでありうる。
【0025】
[0027]
図1のリッドアセンブリ106及び基板支持体104は、プラズマ又は熱処理のための任意の処理チャンバと共に使用されうる。動作において、処理チャンバ100は、処理領域120内のプラズマ条件のリアルタイム制御を許容しうる。基板103は基板支持体104上に配置され、プロセスガスは、任意の所望のフロー計画に従って、入口114を使用してリッドアセンブリ106を通して流されうる。気体は、出口152を通して処理チャンバ100を出ることができる。電力は、処理領域120内にプラズマを確立するために、ガス分配器112と接続されうる。基板は、いくつかの実施形態において、第3の電極124を使用して電気バイアスを受けうる。
【0026】
[0028]処理領域120内のプラズマを励起すると、プラズマと第1の電極108との間に電位差が確立されうる。また、プラズマと第2の電極122との間に電位差が確立されうる。次に、電子コントローラ134、140が、2つの同調回路128、136によって表される接地経路の流れ特性を調整するために使用されうる。堆積速度の独立した制御と、中心からエッジまでのプラズマ密度の均一性の独立した制御を行うために、第1の同調回路128と第2の同調回路136に設定点がもたらされうる。電子コントローラが両方とも可変キャパシタでありうる実施形態では、電子センサは、独立して、堆積速度を最大化し、厚さ不均一性を最小化するように、可変キャパシタを調整しうる。
【0027】
[0029]同調回路128、136の各々は、それぞれの電子コントローラ134、140を使用して調整されうる可変インピーダンスを有しうる。電子コントローラ134、140が可変キャパシタである場合、可変キャパシタの各々の容量範囲、及び第1インダクタ132A及び第2インダクタ132Bのインダクタンスは、インピーダンス範囲を提供するように選択されうる。この範囲は、プラズマの周波数特性や電圧特性に依存し、各可変キャパシタの容量範囲に最小値が存在しうる。それゆえ、第1の電子コントローラ134の容量が最小又は最大であるとき、第1の同調回路128のインピーダンスは高くなり、基板支持体上の空中又は横方向の被覆率(coverage)が最小であるプラズマ形状がもたらされうる。第1の電子コントローラ134の容量が第1の同調回路128のインピーダンスを最小化する値に近づくと、プラズマの空中被覆率は最大まで成長し、基板支持体104の全作業領域を効果的に覆うことになりうる。第1の電子コントローラ134の容量が最小インピーダンス設定から外れると、プラズマ形状がチャンバから収縮し、基板支持体の空中被覆率が低下することがある。第2の電子コントローラ140は、同様の効果を有し、第2の電子コントローラ140の容量が変更されうるので、基板支持体上のプラズマの空中被覆率を増減させうる。
【0028】
[0030]電子センサ130、138は、閉ループでそれぞれの回路128、136を調整するために使用されうる。使用されるセンサの種類に応じて、電流又は電圧の設定点が各センサに設置され、各それぞれの電子コントローラ134、140への調整を決定して、設定点からの偏差を最小化する制御ソフトウェアが、センサに提供されうる。その結果、処理中に、プラズマ形状が選択され、動的に制御されうる。前述の議論は、可変キャパシタでありうる電子コントローラ134、140に基づいているが、調整可能なインピーダンスを有する同調回路128、136を提供するために、調整可能な特性を有する任意の電子構成要素が使用されうることが理解されよう。
【0029】
[0031]
図2は、本技術のいくつかの実施形態による、堆積方法200における例示的な工程を示す。本方法は、上述した処理チャンバ100を含む様々な処理チャンバで実行されうる。処理チャンバ100の追加の態様については、以下で更に説明される。方法200は、本技術による方法のいくつかの実施形態に特に関連してもしなくてもよい、多数のオプション工程を含みうる。例えば、工程のうちの多くは、構造形成のより広い範囲を提供するために記載されているが、本技術にとって重要ではなく、又は容易に理解されるであろう代替の方法論によって実行されてもよい。
【0030】
[0032]方法200は、列挙された工程の開始前に、追加の工程を含んでもよい。例えば、追加の処理工程は、半導体基板上に構造を形成することを含み、これは材料の形成と除去の両方を含みうる。事前の処理工程は、方法200が実行されうるチャンバにおいて実行されてもよく、又は処理は、方法200が実行されうる半導体処理チャンバに基板を搬入する前に、1つ又は複数の他の処理チャンバで実行されてもよい。ともあれ、方法200は、オプションで、上記の処理チャンバ100などの半導体処理チャンバの処理領域、又は上記の構成要素を含みうる他のチャンバの処理領域に、半導体基板を供給することを含みうる。基板は、基板支持体104のようなペデスタルであってもよく、上述の処理領域120のようなチャンバの処理領域内に載置されうる基板支持体上に堆積されうる。方法200は、
図3に概略的に示される工程を説明するが、その図解は、方法200の工程と関連して説明されるだろう。
図3は、部分のみの概略図を示しており、処理システムは、図に例示されているようなサブシステム、並びに代替的なサブシステムを含み、本技術の態様からなおも利益を得ることができる任意のサイズ又は構成でありうることが理解されよう。
【0031】
[0033]
図3A~3Bは、本技術のいくつかの実施形態による堆積方法における工程中の例示的な処理チャンバの概略図を示す。
図3A~3Bは、基板支持体104、ガス分配器112、及び第1の電力源142など、チャンバ100内の構成要素に関連する更なる詳細を示しうる。システム300は、いくつかの実施形態において先に論じたチャンバ100の任意の特徴又は態様を含むと理解される。システム300は、堆積動作、除去動作、及び洗浄動作を含む半導体処理動作を実行するために使用されうる。システム300は、議論されており、半導体処理システムに組み込まれうるチャンバ部品の部分図を示し、ペデスタル及びガス分配器の中心を横切る図(それ以外は任意のサイズでありうる)を示しうる。システム300の任意の態様はまた、当業者によって容易に理解されるように、他の処理チャンバ又はシステムと組み合わされてもよい。
【0032】
[0034]システム300は、シャワーヘッド305を含む半導体処理チャンバ350を含み、それを通して処理のために前駆体が供給され、処理領域内にプラズマ310を形成するように構成されうる。シャワーヘッド305は、少なくとも部分的にチャンバ350の内部に示されており、
図1を参照して説明したように、チャンバ350から電気的に絶縁されていると理解されうる。このように、シャワーヘッド305は、ペデスタル又は基板支持体315に保持された基板をプラズマ生成種に曝露するためのダイレクトプラズマシステムのライブ電極又は基準接地電極として機能しうる。ペデスタル315は、チャンバ350の底面を貫通して延びうる。基板支持体は、
図1及び
図2を参照してより詳細に説明されるように、堆積又は除去プロセスの間に半導体基板330を保持しうる支持プラテン320を含みうる。チャンバ100に関連して説明した埋め込み電極に加えて、支持プラテン320はまた、堆積、エッチング、アニーリング、又は脱着を含むがこれらに限定されない処理動作を促進しうる熱制御システムも含みうる。
【0033】
[0035]いくつかの実施形態では、方法200は、
図2に示される工程に先行する1つ又は複数の工程を含みうる。例えば、半導体基板330上にパターニングされたフォトレジスト340を形成するために、1つ又は複数の堆積プロセスが実施されうる。パターニングされたフォトレジスト340は、半導体製造におけるリソグラフィ処理に用いられる材料であるか、又はこれらを含みうるが、これらに限定されない。例えば、SADP又は他の多重パターニングプロセスは、他の技術があまり有効でない特性寸法未満のパターニングされた誘電体及び間隙充填材料を形成するための技術として、パターニングされたフォトレジストを採用しうる。このようにして、半導体基板330は、パターニングされたフォトレジスト340をすでに担持した状態で、チャンバ350に導入されうる。パターニングされたフォトレジスト340は、凹状のトレンチ又は間隙などの1つ又は複数のフィーチャ341を画定し、このフィーチャ341は、上部343、側壁345、及び底部347を含むがこれらに限定されない寸法によって特徴付けられうる。上部343及び側壁345が単一のフォトレジストフィーチャ341によって画定されうる場合、底部347は、例えば、SADPにおけるように、パターニングされたフォトレジスト340が1つ又は複数のトレンチを画定する複数の隆起したフィーチャ341を含む場合、2つの近位側壁345間の表面として画定されうる。
【0034】
[0036]いくつかの実施形態では、フォトレジスト材料は、フォトリソグラフィなどのパターン転写による堆積に適した材料群から選択されうる。これには、光重合性材料、光分解性材料、又は光架橋性フォトレジスト材料が含まれるが、これらに限定されない。高分子フォトレジスト材料は、例えば、閾値温度を超えると劣化、溶融、昇華することにより、熱感度(thermal sensitivity)を示すことがある。例えば、パターニングされたフォトレジスト340が形成される材料は、約50℃以上、約100℃以上、約150℃以上、約200℃以上、約250℃以上、約300℃以上、約350℃以上、約400℃以上、約450℃以上、約500℃以上、又はこれを上回る温度で分解しうる。このようにして、堆積中の処理温度をフォトレジスト材料の特性閾値温度程度又はそれ以下に維持することによって、フォトレジスト材料の熱劣化又はそれに伴うパターン完全性の損失を無視できる状態で、方法200の工程が、パターニングされたフォトレジスト340上のケイ素含有膜360の堆積を促進するように提供されうる。
【0035】
[0037]
図3Aに示されるように、工程205において、方法200は、システム300の処理領域に前駆体307を導入することを含みうる。前駆体307を導入することは、前駆体307が処理領域に制御された分布で導入されるようなサイズ及び位置の、
図1の開孔118のような複数のチャネルを含みうるシャワーヘッド305を通してキャリアガスを流すことを含みうる。前駆体307は、シラン、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)、又は半導体製造の一部としてのアモルファスシリコン膜、酸化ケイ素膜、亜酸化ケイ素膜などのケイ素含有膜の堆積に適合する他のケイ素含有前駆体ガスを含むが、これらに限定されないケイ素含有前駆体でありうるか、又はこれを含みうる。前駆体307はまた、アルゴン、ヘリウム、窒素を含むがこれらに限定されない不活性キャリアガスを含みうる。前駆体307は、支持プラテン320の表面にわたる均一な流量パターンに従って、シャワーヘッド305を介してシステム300に導入されうる。いくつかの実施形態では、前駆体307は、例えば、支持プラテン320の外周周囲のカーテンフロー(curtain flow)を使用して、不均一な流量パターンに従って導入されうる。
【0036】
[0038]いくつかの実施形態では、前駆体307は、約0.1SLM以上、約0.2SLM以上、約0.3SLM以上、約0.4SLM以上、約0.5SLM以上、約1SLM以上、約1.5SLM以上、約2SLM以上、約2.5SLM以上、約3SLM以上、約3.5SLM以上、約4SLM以上、約4.5SLM以上、約5SLM以上、約5.5SLM以上、約6SLM以上、約6.5SLM以上、約7SLM以上、約7.5SLM以上、約8SLM以上、約8.5SLM以上、約9SLM以上、約9.5SLM以上、約10SLM以上、又はこれを上回る流量で処理領域に提供されるシランでありうるか、又はこれを含みうる。例えば、プラズマ強化堆積の一部として、閾値基板温度以下のケイ素含有膜の堆積を可能にする堆積条件を提供するために、特定の流量が選択されてもよい。例えば、プラズマパワーパラメータの制御に加えて、シランの流量により、表面イオン衝突を制限するのに適したイオン濃度と表面加熱を制限するのに適した平均電子温度とを含むプラズマ条件が生成されうる。同様に、プラズマ温度は、処理領域内のガスの相対組成を制御することを通して、少なくとも部分的に制御されうる。
【0037】
[0039]いくつかの実施形態では、前駆体307は、不活性キャリアガスを含みうる。プラズマシステムにおいて、不活性キャリアガスは、プラズマの点火及びプラズマ条件の制御を容易にする。例えば、前駆体307に所定の不活性ガス留分(fraction)を供給することで、プラズマをイオン化留分、イオン温度、又は電子温度などの特定の堆積条件で動作させることができる。このように、前駆体307は、約0.1SLM以上、約0.2SLM以上、約0.3SLM以上、約0.4SLM以上、約.5SLM以上、約1SLM以上、約1.5SLM以上、約2SLM以上、約2.5SLM以上、約3SLM以上、約3.5SLM以上、約4SLM以上、約4.5SLM以上、約5SLM以上、約5.5SLM以上、約6SLM以上、約6.5SLM以上、約7SLM以上、約7.5SLM以上、約8SLM以上、約8.5SLM以上、約9SLM以上、約9.5SLM以上、約10SLM以上、約10.5SLM以上、約11SLM以上、約11.5SLM以上、約12SLM以上、約12.5SLM以上、約13SLM以上、約13.5SLM以上、約14SLM以上、約14.5SLM以上、約15SLM、又はこれを上回る流量で処理領域に供給されるヘリウム又はアルゴンでありうるか、又はこれらを含みうる。
【0038】
[0040]いくつかの実施形態では、方法200は、オプションで、前駆体307が酸素を含むように、工程210において酸素含有前駆体309を処理領域に流すことを含みうる。
図3Aに示されるように、酸素含有前駆体309は、前駆体307と共にシャワーヘッド305を通して導入されうる。酸素含有前駆体は、二原子酸素、水蒸気、亜酸化窒素などでありうるが、これらに限定されない。プラズマ強化堆積の一部として処理領域に酸素を導入することにより、酸化ケイ素膜又は亜酸化ケイ素膜などの堆積された膜に酸素の導入が可能になりうる。工程210で採用される特定の酸素含有前駆体309は、酸素含有前駆体309のプラズマ分解特性に一部起因して、制御された酸素イオン濃度などの特定のプラズマ堆積条件を提供するように選択されうる。
【0039】
[0041]酸素含有前駆体309は、酸化窒素であってもこれを含んでいてもよく、前駆体307の流量に比例した相対流量でシステム300に供給されうる。相対流量を提供することで、堆積条件を制御可能となり、堆積膜が特定の化学量論によって特徴付けられるようになる。例えば、堆積プラズマ中のケイ素濃度に対して酸素濃度を制御することで、堆積膜にケイ素に対する酸素の準化学量論比(sub-stoichiometric ratio)を含めることができ、その結果、堆積した膜に調整された誘電体特性を与えうる。そのために、酸素含有前駆体309は、オプションの工程210において、前駆体307の流量に対して、約5:1以下、約4:1以下、約3:1以下、約2:1以下、約1:1以下、約1:2以下、約1:3以下、約1:3以下、約1:4以下、約1:5以下、又はこれを下回る相対流量で供給されうる。公称上、酸素含有前駆体309は、約0.1SLM以上、約0.2SLM以上、約0.3SLM以上、約0.4SLM以上、約.5SLM以上、約1SLM以上、約1.5SLM以上、約2SLM以上、約2.5SLM以上、約3SLM以上、約3.5SLM以上、約4SLM以上、約4.5SLM以上、約5SLM以上、約5.5SLM以上、約6SLM以上、約6.5SLM以上、約7SLM以上、約7.5SLM以上、約8SLM以上、約8.5SLM以上、約9SLM以上、約9.5SLM以上、約10SLM以上、約10.5SLM以上、約11SLM以上、約11.5SLM以上、約12SLM以上、約12.5SLM以上、約13SLM以上、約13.5SLM以上、約14SLM以上、約14.5SLM以上、約15SLM以上、又はこれを上回る流量で処理領域に導入されうる。
【0040】
[0042]酸素含有前駆体309を導入した後に、方法200は、オプションで、工程215において、前駆体307と共に水素を処理領域に導入することを含みうる。水素により、堆積した膜の材料構造や化学的特性を調整するためのアプローチとして、方法200の反応条件が制御可能になりうる。例えば、プラズマ強化堆積プロセスでは、プラズマ中の水素濃度を制御することを通して、堆積膜の酸素組成が制御されうる。いくつかの実施形態では、水素は表面の酸化反応を抑制し、堆積材料の共形性を改善しうる。このようにして、前駆体307はまた、約0.01SLM以上、約0.1SLM以上、約0.2SLM以上、約0.3SLM以上、約0.4SLM以上、約.5SLM以上、約1SLM以上、約1.5SLM以上、約2SLM以上、約2.5SLM以上、約3SLM以上、約3.5SLM以上、約4SLM以上、又はこれを上回る流量で処理領域に供給される水素、例えば水素ガスを含みうる。
【0041】
[0043]いくつかの実施形態では、方法200は、工程220において、オプションで、半導体処理チャンバを、低下した堆積温度で実質的に共形コーティングの形成を促進する動作圧力に維持することを含みうる。例えば、圧力は、プラズマ動作中のプラズマ密度に影響を与え、電極表面近傍にプラズマを局所化させ、フォトレジスト340の表面への前駆体の表面吸着にも影響を与える可能性がある。このようにして、動作圧力を閾値圧力より大きいか又は閾値圧力程度に維持することは、例えば、パターニングされたフォトレジスト340のフィーチャ341によって画定される凹部又はトレンチ内にかなりの前駆体濃度を提供することによって、処理空間内の前駆体の解離を低減することによって、又は基板330の表面近傍の領域にプラズマエネルギーを集中させることによって、堆積膜の共形性を改善しうる。いくつかの実施形態では、チャンバ圧力は、約0.1Torr以上、約0.5Torr以上、約1Torr以上、約2Torr以上、約5Torr以上、約10Torr以上、約15Torr以上、約20Torr以上、約25Torr以上、約30Torr以上、約35Torr以上、約40Torr以上、約45Torr以上、約50Torr以上、又はこれを上回り維持されうる。
【0042】
[0044]前駆体307を導入した後に、方法200は、工程225において、プラズマ310を形成することを含みうる。プラズマ310は、直接プラズマ構成において支持プラテン320とシャワーヘッド305との間で発生させられうる。支持プラテンが基準電極として作用しつつ、パルス状プラズマ構成において、シャワーヘッド305がライブ電極として機能するように、シャワーヘッド305に高周波RF(HFRF)パワーが供給されうる。プラズマ310をパルス状プラズマとして形成することで、半導体製造法に用いられる均一のプラズマシステムと比較して、複数の利点が提供されうる。例えば、パルス状プラズマは、処理空間におけるプラズマ生成種の分布に関して、改善された均一性を提供しうる。堆積プロセスはウエハスケールで採用されるので、半導体基板330全体の均一性が向上すると、他のウエハスケールの品質パラメータと同様に、ウエハあたりのデバイス歩留まりが向上する可能性がある。別の例では、高周波パルス状プラズマを形成することで、例えば、イオン濃度又はイオンの方向性を制御することを通して、プラズマ動作中の基板温度の制御が改善されうる。
【0043】
[0045]
図1を参照して説明したように、プラズマシステムは、チャンバ350が処理領域においてパルス状RFグロー放電(pulsed RF glow discharge)を維持できるようにする1つ又は複数の電源を含みうる。例えば、プラズマ310は、所定のパルス周波数とデューティサイクルでプラズマパワーを供給する電源によって生成されうる。これらのパラメータの各々は、パターニングされたフォトレジスト340の材料の熱安定性の限界付近又はそれ以下のケイ素含有膜360の形成に寄与するプラズマ条件を提供するように構成されうる。例えば、プラズマ電源のパルス周波数又はデューティサイクルを構成することで、プラズマ生成種の組成だけでなく、イオン密度及び電子密度の点で、制御されたプラズマ組成を含むようにプラズマ310を生成しうる。
【0044】
[0046]例示的な例として、デューティサイクルは、プラズマ310内のイオンの再結合に影響する可能性があり、デューティサイクルが高いほど、プラズマ310内のイオン密度が高くなる可能性がある。イオン密度の上昇は、次いで、イオン衝突による半導体基板330の加熱を誘発すしうる。
図1を参照して説明したように、支持プラテン320は、例えば、半導体基板330を保持するために用いられる静電チャック電圧を通して、電場を発することがある。静電チャック電圧は、半導体基板330の表面へのイオンの沈殿を誘発し、衝突で誘導される基板の加熱を引き起こす可能性がある。そのため、イオン密度を制御することで、プラズマ堆積中の半導体基板330の温度を制御する1つの手段が提供されうる。
【0045】
[0047]別の例示的な例として、パルス周波数が影響を与えうる。このように、パルス周波数、デューティサイクル、又はプラズマ「オフ時間(off time)」の選択が、動作ウィンドウ内で可能であり、この場合、前駆体がフィーチャ341の底部347に到達することができて局所的プラズマ増強堆積に利用可能となり得る前に、プラズマ310は、限定された基板加熱と、制御されたプラズマ解離及び/又は反応で維持される。得られた反応は、フォトレジストの表面により良好に分散され、共形性が改善されたコーティングに発展する可能性がある。例えば、プラズマパワーが堆積時間の10%に供給されることに対応する10%のデューティサイクルでは、隣接するフィーチャ341を横切る間隙を架橋する上層を形成する代わりに、パターニングされたフォトレジスト340の熱劣化を低減して、実質的な共形コーティングのプラズマ強化堆積が促進されうる。
【0046】
[0048]いくつかの実施形態では、プラズマ310は、シャワーヘッド305に供給されるパワーを有するパルス状RFプラズマとして形成されうる。プラズマパワーは、約500W以下、約450W以下、約400W以下、約350W以下、約300W以下、約250W以下、約200W以下、約150W以下、約100W以下、又はこれを下回るパワーで提供されうる。低いプラズマパワーを維持することで、より共形な堆積が実行され、プラズマからの基板加熱が低減され、フォトレジストが影響を受ける可能性のある温度より低い温度で、堆積が確実に実行されうる。
【0047】
[0049]プラズマ電源は、約0.5kHz以上、約1kHz以上、約1.5kHz以上、約2kHz以上、約2.5kHz以上、約3kHz以上、約3.5kHz以上、約4kHz以上、約4.5kHz以上、約5kHz以上、約5.5kHz以上、約6kHz以上、約6.5kHz以上、約7kHz以上、約7.5kHz以上、約8kHz以上、約8.5kHz以上、約9kHz以上、約9.5kHz以上、約10kHz以上、又はこれを上回るパルス周波数でプラズマ310を駆動しうる。追加的に又は代替的には、プラズマ電源は、約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、又はこれを下回るデューティサイクルでプラズマ310を駆動しうる。デューティサイクル約50%以下など、プラズマの「オフ(off)」時間を長くして動作させることにより、有効なプラズマパワーが更に低減され、プラズマ種によって誘発される温度効果が更に制限されうる。
【0048】
[0050]
図3Bに示されるように、シャワーヘッド305及び支持プラテン320は、処理領域を画定する間隔によって分離されうる。この間隔は、次いで、プラズマ310の特性に影響を与える可能性がある。例えば、間隔はプラズマの構造化を誘発し、空間的に局所化されたプラズマ生成種の密度を定義しうる。ひいては、局所的なプラズマ種の密度及びエネルギー分布は、堆積速度、ケイ素含有膜360の化学構造、エッチング速度、スパッタ速度、又は半導体基板330若しくはパターニングされたフォトレジスト340の表面で生じる他のプラズマ媒介化学反応に影響を及ぼす可能性がある。よって、支持プラテン320の位置は、基板330の表面におけるプラズマ組成を、改善された堆積のために、低減された温度で調整可能にしうる。例示的な例では、支持プラテン320をシャワーヘッド305に近づけすぎると、比較的高いイオン密度と平均プラズマ温度によって特徴付けられうるプラズマ310の負のグロー領域に半導体基板330が配置されうる。このような構成では、半導体基板がパターニングされたフォトレジスト340の熱安定性の限界を超えて加熱されうるため、堆積プロセスが劣った結果をもたらすことになると理解されよう。このようにして、支持プラテン320とシャワーヘッド305との間の間隔は、プラズマ310がケイ素含有膜の堆積を助長するプラズマパラメータを示すように構成される一方で、また、パターニングされたフォトレジスト340に局所的な加熱又は他の損傷効果を誘発しうる高エネルギーのプラズマ種への曝露が制限されうる。
【0049】
[0051]このようにして、工程225は、少なくとも約50ミル、少なくとも約100ミル、少なくとも約150ミル、少なくとも約200ミル、少なくとも約250ミル、少なくとも約300ミル、少なくとも約350ミル、少なくとも約400ミル、少なくとも約450ミル、少なくとも約500ミル、少なくとも約600ミル、少なくとも約700ミル、少なくとも約800ミル、少なくとも約900ミル、少なくとも約1000ミル、少なくとも約1100ミル、少なくとも約1200ミル、少なくとも約1300ミル、少なくとも約1400ミル、少なくとも約1500ミル、又はこれを上回る間隔で、ペデスタルを位置決めすることを含みうる。
【0050】
[0052]プラズマ310を形成した後に、方法200は、工程230において、半導体基板330上にケイ素含有膜360を堆積させることを含みうる。ケイ素含有膜360は、例えば、プラズマ310中のケイ素と酸素の反応によりプラズマ310中で生成された分解生成物であるか又はこれを含み、その後、基板330及びパターニングされたフォトレジスト340上に堆積される。このように、ケイ素含有膜360は、酸化ケイ素、亜酸化ケイ素、又はアモルファスシリコンでありうるか又はこれらを含みうる。ケイ素は、プラズマ堆積膜を形成するために使用される例示的な材料として記載されているが、方法200の工程は、フォトレジスト材料の熱劣化を制限するために適切な低温で、パターニングされたフォトレジスト340上に他のプラズマ生成膜を堆積させるように同様に実行されうる。例えば、炭素やホウ素を含む膜は、感熱性フォトレジスト材料上に実質的な共形性を有した状態で、同様に形成されうる。
【0051】
[0053]工程230の堆積が、パターニングされたフォトレジスト340の材料の完全性を保持するために適切なプラズマ条件下で実行される場合、半導体基板330は、フォトレジスト材料の熱安定性の閾値温度程度又はそれ以下の温度に維持されうる。いくつかの実施形態では、より低い基板温度を維持することにより、より多様なフォトレジスト材料からパターニングされたフォトレジスト340が形成可能となりうる。加えて、基板温度をパターニングされたフォトレジスト340の閾値温度未満に維持することで、ケイ素含有膜が直接堆積可能となりうる。例えば、熱安定性の比較的低い閾値温度を示す材料もある。このように、プラズマ強化堆積中に基板温度を低く維持することで、材料の選択、パターンの完全性、プロセスの最適化が改善されうる。
【0052】
[0054]いくつかの実施形態では、半導体基板330及びパターニングされたフォトレジスト340は、約400℃以下、約350℃以下、約300℃以下、約250℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約140℃以下、約130℃以下、約120℃以下、約110℃以下、約100℃以下、約90℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約20℃以下、約10℃以下、又はこれを下回る温度に維持されうる。
【0053】
[0055]
図3Aを参照して説明したように、パターニングされたフォトレジスト340は、1つ又は複数の隆起したフィーチャ349を画定しうる。このようにして、ケイ素含有膜360は、側壁345、上部343、底部347など、パターニングされたフォトレジスト340の側面及び垂直面に堆積しうる。時間と共に、ケイ素含有膜360は、側壁345上のケイ素含有膜360の厚さを上部343上のケイ素含有膜360の厚さと比較する相対的な被覆率によって特徴付けられる、実質的に均一なコーティングを形成しうる。同様に、ケイ素含有膜360は、側壁345上の相対的な厚さ対底部347上の相対的な厚さによって特徴付けられうる。有利には、基板温度を適切な温度に維持することにより、パターニングされたフォトレジスト340のフィーチャ341のパターン定義(pattern definition)をほとんど損なうことなく、厚さ比が改善された膜が形成されうる。
【0054】
[0056]いくつかの実施形態では、ケイ素含有膜360の相対的な厚さは、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約95%以上、又はこれを上回る上部対側部の厚さ比によって特徴付けられうる。いくつかの実施形態では、側部対底部の厚さの比率は、同一範囲又は類似の範囲内に収まりうる。このようにして、工程230の堆積プロセスは、フォトレジスト材料の温度を、フォトレジスト材料が熱劣化の影響を受ける温度未満に維持しつつ、プラズマ堆積プロセスによってパターニングされたフォトレジスト340上に形成される実質的な共形ケイ素含有膜360を提供しうる。
【0055】
[0057]このように、方法200及びその構成工程は、半導体基板上にパターニングされた層を堆積させるためのプラズマ強化堆積プロセスに1つ又は複数の改良を提供しうる。例えば、SADPプロセスの一部として、アモルファスシリコン又は酸化ケイ素を、中間転写層上ではなく、パターニングされたフォトレジスト上に直接堆積させることで、半導体デバイスの製造に含まれる堆積、除去、仕上げのプロセスの数が減らされうる。別の例では、フォトレジスト上への堆積は、解像度のペナルティが発生する可能性のある転写工程の回数を減らすことにより、パターンの忠実度を向上させうる。更に、パターニングプロセスの工程数を減らすことで、例えば、ガス交換、ベーキング、平坦化、又は洗浄の工程数を制限することにより、半導体製造工程の無駄を減らし、効率を高め、歩留まりを改善させうる。
【0056】
[0058]上記の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すために、数々の詳細が提示されてきた。しかしながら、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、或いは、追加の詳細があっても、特定の実施形態を実施できることが明らかであろう。
【0057】
[0059]いくつかの実施形態を開示したが、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正例、代替構造物、及び均等物を使用できることが当業者には認識されよう。更に、いくつかの周知のプロセス及び要素は、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきでない。更に、方法又はプロセスは、連続的又は段階的に説明されうるが、動作は、同時に行われてもよく、又は列挙されたものとは異なる順序で行われてもよいことを理解するべきである。
【0058】
[0060]値の範囲が付与されているところでは、文脈上そうでないと明示されていない限り、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値は、下限の単位の最小単位まで具体的に開示されていると理解される。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意のより狭い範囲、及びその記載範囲のその他の任意の記載された値又は介在する値も含まれる。このようなより狭い範囲の上限値及び下限値は、その範囲に個々に含まれるか、又はその範囲から除外される場合がある。この狭い範囲に限界値のいずれかが含まれるか、どちらも含まれないか、又は両方が含まれる場合の各範囲も、記載の範囲内に特に除外された限界値があることを条件として、本技術に包含される。記載された範囲が、限界値の一方又は両方を含む場合、これらの含められた限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0059】
[0061]本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他のことを明らかに示していない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「ある前駆体(a precursor)」への言及は、複数のそのような前駆体を含み、「その(前記)層(the layer)」への言及は、当業者に知られている1つ又は複数の層及びその均等物への言及を含み、その他の形にも同様のことが当てはまる。
【0060】
[0062]また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は動作の存在を特定することを意図しているが、その他の1つ以上の特徴、整数、構成要素、動作、活動、又は群の存在又は追加を除外するものではない。
【国際調査報告】