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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】半導体試料の電気的特性の予測
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20231227BHJP
【FI】
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538009
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 IL2021051287
(87)【国際公開番号】W WO2022137224
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】17/134,025
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504144253
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】アダン オフェル
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA02
4M106BA04
4M106CA39
4M106DB02
4M106DJ17
4M106DJ20
4M106DJ27
(57)【要約】
半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを獲得することと、前記構造パラメータの少なくとも一部と、試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係の情報を提供するモデルを獲得することと、モデルおよびDmetrologyを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定することと、試験ツールのための方策を生成することであり、方策は、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、生成することとを行うように構成された方法およびシステムが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサおよびメモリ回路(PMC)を含むシステムであって、前記PMCが、
- 半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを獲得することと、
- 前記構造パラメータの少なくとも一部と、前記半導体試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係の情報を提供するモデルを獲得することと、
- 前記モデルおよび前記Dmetrologyを使用して、前記試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って前記所与の電気的特性に影響を与える前記複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定することと、
- 試験ツールのための方策を生成することであり、前記方策は、前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、前記複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、生成することと
を行うように構成される、システム。
【請求項2】
前記方策が、前記試験ツールによって、前記複数の構造パラメータのうちの前記他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量よりも多い前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量の取得を可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記構造パラメータが、
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の寸法の情報を提供するパラメータ、
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の形状の情報を提供するパラメータ、
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の場所の情報を提供するパラメータ、および
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の材料の情報を提供するパラメータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記影響基準は、前記1つまたは複数の所与の構造パラメータが、前記複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータよりも前記所与の電気的特性に影響を与えるようなものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記試料の前記所与の電気的特性の情報を提供する電気測定値を獲得し、
少なくとも、前記電気測定値と、前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータとを使用して、前記1つまたは複数の所与の構造パラメータが前記影響基準に従って前記所与の電気的特性に影響を与えるかどうかを確認する
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記方策を使用して前記試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送り、
前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、
前記データおよび前記モデルを使用して前記試料の前記所与の電気的特性を予測する
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記方策を使用して前記試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送り、
前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、
前記データおよび前記モデルを使用して前記試料のリソグラフィプロセスを手直しする
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記方策を使用して新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、
前記試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrology/newを獲得することと、
前記モデルおよび前記Dmetrology/newを使用して、前記試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って前記所与の電気的特性に影響を与える前記複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータを決定することと、
前記試験ツールによる前記新しい試料の試験のために前記方策を更新することであり、
前記方策は、前記1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、前記複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、更新することと
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記更新された方策に従って前記新しい試料の試験を実行するためにコマンドを前記試験ツールに送り、
前記新しい試料の前記1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、
前記データおよび前記モデルを使用して、前記新しい試料の前記所与の電気的特性を予測する
ように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記更新された方策に従って前記新しい試料の試験を実行するためにコマンドを前記試験ツールに送り、
前記1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、
前記データおよび前記モデルを使用して前記新しい試料のリソグラフィプロセスを手直しする
ように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記試料が、第1のリソグラフィプロセスによって第1の層に形成された第1の特徴部と、前記第1の層の下に埋め込まれる第2の層に形成され、前記第1のリソグラフィプロセスの前に第2のリソグラフィプロセスによって形成された第2の特徴部とを含み、前記システムが、
前記第1の特徴部と相互作用するように一次電子ビームの電子を誘導し、
前記第2の特徴部と相互作用するように前記一次電子ビームの電子を誘導し、
前記第1の特徴部および前記第2の特徴部の少なくとも一方から散乱または反射された電子に応答して検出信号を生成し、
前記第1の特徴部と前記第2の特徴部との間の少なくとも1つの空間的関係を、少なくとも前記検出信号を使用して決定する
ように試験ツールを制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの前記第1の取得レートと、他の構造パラメータの情報を提供するデータの前記第2の取得レートの間の比が、複数の試料にわたる前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの変動の情報を提供するデータに依存する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
プロセッサおよびメモリ回路(PMC)によって、
- 半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを獲得することと、
- 前記構造パラメータの少なくとも一部と、前記試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係の情報を提供するモデルを獲得することと、
- 前記モデルおよび前記Dmetrologyを使用して、前記試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って前記所与の電気的特性に影響を与える前記複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定することと、
- 試験ツールのための方策を生成することであり、前記方策は、前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、前記複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、生成することと
を含む方法。
【請求項14】
前記方策が、前記試験ツールによって、前記複数の構造パラメータのうちの前記他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量よりも多い前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量の取得を可能にする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記構造パラメータが、
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の寸法の情報を提供するパラメータ、
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の形状の情報を提供するパラメータ、
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の場所の情報を提供するパラメータ、および
前記試料の1つまたは複数の構造特徴部の材料の情報を提供するパラメータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記影響基準は、前記1つまたは複数の所与の構造パラメータが、前記複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータよりも前記所与の電気的特性に影響を与えるようなものである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記方策を使用して前記試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、
前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得することと、
前記データおよび前記モデルを使用して、前記試料の前記所与の電気的特性を予測することと
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記方策を使用して前記試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、
前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得することと、
前記データおよび前記モデルを使用して前記試料のリソグラフィプロセスを手直しすることと
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記方策を使用して新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、
前記試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrology/newを獲得することと、
前記モデルおよび前記Dmetrology/newを使用して、前記試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って前記所与の電気的特性に影響を与える前記複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータを決定することと、
前記試験ツールによる前記新しい試料の試験のために前記方策を更新することであり、
前記方策は、前記1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、前記複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、更新することと
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)によって実行されると、前記PMCに、
- 半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを獲得することと、
- 前記構造パラメータの少なくとも一部と、前記試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係の情報を提供するモデルを獲得することと、
- 前記モデルおよび前記Dmetrologyを使用して、前記試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って前記所与の電気的特性に影響を与える前記複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定することと、
- 試験ツールのための方策を生成することであり、前記方策は、前記1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、前記複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、生成することと
を含む動作を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、一般に、試料の試験の分野に関し、より具体的には、試料の試験の自動化に関する。
【背景技術】
【0002】
製造されるデバイスの超大規模集積に関連する高密度および高性能への現在の要求は、サブミクロンの特徴部、トランジスタおよび回路の速度の向上、ならびに信頼性の改善を必要とする。そのような要求は、高い精度および高い均一性によるデバイス特徴部の形成を必要とし、それは、次には、デバイスがまだ半導体ウエハの形態である間のデバイスの自動試験を含む製造プロセスの注意深いモニタリングを必要とする。
【0003】
試験プロセスは、試料の寸法を測定するために、および/または試料の欠陥を検出および分類する(例えば、自動欠陥分類(ADC)、自動欠陥レビュー(ADR)、など)ために半導体製造中の様々なステップで使用される。
【発明の概要】
【0004】
本開示の主題の特定の態様に従って、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)を含むシステムが提供され、PMCは、半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを獲得することと、前記構造パラメータの少なくとも一部と、半導体試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係の情報を提供するモデルを獲得することと、モデルおよびDmetrologyを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定することと、試験ツールのための方策を生成することであり、方策は、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、生成することとを行うように構成される。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、方策が、試験ツールによって、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量よりも多い1つまたは複数の所与の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量の取得を可能にする。
【0006】
いくつかの実施形態によれば、構造パラメータは、試料の1つまたは複数の構造特徴部の寸法の情報を提供するパラメータ、試料の1つまたは複数の構造特徴部の形状の情報を提供するパラメータ、試料の1つまたは複数の構造特徴部の場所の情報を提供するパラメータ、および試料の1つまたは複数の構造特徴部の材料の情報を提供するパラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、影響基準は、1つまたは複数の所与の構造パラメータが、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータよりも所与の電気的特性に影響を与えるようなものである。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、システムは、試料の所与の電気的特性の情報を提供する電気測定値を獲得し、少なくとも、電気測定値と、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータとを使用して、1つまたは複数の所与の構造パラメータが影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与えるかどうかを確認するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、システムは、方策を使用して前記試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送り、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、データおよびモデルを使用して試料の所与の電気的特性を予測するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、システムは、方策を使用して試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送り、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、データおよびモデルを使用して試料のリソグラフィプロセスを手直しするように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、システムは、方策を使用して新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrology/newを獲得することと、モデルおよびDmetrology/newを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータを決定することと、試験ツールによる新しい試料の試験のために方策を更新することであり、方策は、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、更新することとを行うように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、システムは、更新された方策に従って新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送り、新しい試料の1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、データおよびモデルを使用して新しい試料の所与の電気的特性を予測するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、システムは、方策を使用して新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrology/newを獲得することと、モデルおよびDmetrology/newを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータを決定することと、試験ツールによる新しい試料の試験のために方策を更新することであり、方策は、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、更新することとを行うように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、システムは、更新された方策に従って新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送り、新しい試料の1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、データおよびモデルを使用して新しい試料の所与の電気的特性を予測するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、システムは、更新された方策に従って新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送り、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得し、データおよびモデルを使用して新しい試料のリソグラフィプロセスを手直しするように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、試料は、第1のリソグラフィプロセスによって第1の層に形成された第1の特徴部と、第1の層の下に埋め込まれる第2の層に形成され、第1のリソグラフィプロセスの前に第2のリソグラフィプロセスによって形成された第2の特徴部とを含み、システムは、第1の特徴部と相互作用するように一次電子ビームの電子を誘導し、第2の特徴部と相互作用するように一次電子ビームの電子を誘導し、第1の特徴部および第2の特徴部の少なくとも一方から散乱または反射された電子に応答して検出信号を生成し、第1の特徴部と第2の特徴部との間の少なくとも1つの空間的関係を、少なくとも検出信号を使用して決定するように試験ツールを制御するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートの間の比は、複数の試料にわたる1つまたは複数の所与の構造パラメータの変動の情報を提供するデータに依存する。
【0018】
本開示の主題の特定の態様に従って、プロセッサおよびメモリ回路(PMC)によって、半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを獲得することと、前記構造パラメータの少なくとも一部と、試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係の情報を提供するモデルを獲得することと、モデルおよびDmetrologyを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定することと、試験ツールのための方策を生成することであり、方策は、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、生成することとを含む方法が提供される。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、方策は、試験ツールによって、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量よりも多い1つまたは複数の所与の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量の取得を可能にする。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、構造パラメータは、試料の1つまたは複数の構造特徴部の寸法の情報を提供するパラメータ、試料の1つまたは複数の構造特徴部の形状の情報を提供するパラメータ、試料の1つまたは複数の構造特徴部の場所の情報を提供するパラメータ、および試料の1つまたは複数の構造特徴部の材料の情報を提供するパラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、影響基準は、1つまたは複数の所与の構造パラメータが、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータよりも所与の電気的特性に影響を与えるようなものである。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、方策を使用して前記試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得することと、データおよびモデルを使用して試料の所与の電気的特性を予測することとを含む。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、方策を使用して試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを獲得することと、データおよびモデルを使用して試料のリソグラフィプロセスを手直しすることとを含む。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、方策を使用して新しい試料の試験を実行するためにコマンドを試験ツールに送ることと、試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrology/newを獲得することと、モデルおよびDmetrology/newを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータを決定することと、試験ツールによる新しい試料の試験のために方策を更新することであり、方策は、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする、更新することとを含む。
【0025】
本開示の主題の特定の他の態様に従って、プロセッサによって実行されると、プロセッサに上述のような動作を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0026】
本開示の主題の特定の実施形態の利点の中には、計測データと試料の電気的特性との間の相関を理解することがある。いくつかの実施形態によれば、提案される解決策は、動的であり、連続的な学習を提供する。いくつかの実施形態によれば、提案される解決策は、試料の電気的特性を予測することに関連する試料の計測データのスマートで集中的な取得を提供する。いくつかの実施形態によれば、提案される解決策は、試料の生産プロセスが、複雑であり、多数の異なるパラメータを含む場合であっても有効である。いくつかの実施形態によれば、提案される解決策は、生産ラインの初期段階においてさえ試料の電気的特性を予測することを可能にする。いくつかの実施形態によれば、提案される解決策は、試料のオンデバイス測定値を使用して電気的特性を予測することを可能にする。いくつかの実施形態によれば、提案される解決策は、試料のリソグラフィプロセスを手直しすることを可能にする。いくつかの実施形態によれば、提案される解決策は、生産ラインの歩留りを改善する。
【0027】
本開示を理解し、本開示を実際にどのように実行できるかを確かめるために、実施形態が、次に、単に非限定的な例として、添付の図面を参照して、説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の主題の特定の実施形態による試験システムの一般化されたブロック図である。
図2】例えば訓練フェーズ中に実行することができる試料の試験の方法の一般化された流れ図である。
図2A】試料の1つまたは複数の構造パラメータと試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係を決定する方法を示す図である。
図3】例えば実行時フェーズ中に実行することができる試料の試験の方法の一般化された流れ図である。
図3A】試料の1つまたは複数の構造パラメータと試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係を決定する方法を示す図である。
図3B】試料の1つまたは複数の電気的特性を予測する方法の一般化された流れ図である。
図4】試料の複数の層の1つまたは複数の構造パラメータの情報を提供するデータを取得する方法の一般化された流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の詳細な説明において、多数の特定の詳細が、本開示の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、本開示の主題はこれらの特定の詳細なしに実践され得ることが当業者によって理解されるであろう。他の場合には、よく知られた方法、手順、構成要素、および回路は、本開示の主題を不明瞭にしないように詳細には記載されていない。
【0030】
特に明記されない限り、以下の議論から明らかなように、本明細書の全体を通して、「獲得する」、「使用する」、「送る」、「決定する」、「生成する」、「更新する」、「可能にする」、などのような用語を利用する議論は、データを他のデータに操作および/または変換するコンピュータの動作および/またはプロセスを参照し、前記データは、電子量などの物理量として表され、および/または前記データは物理的対象を表すことが認識される。「コンピュータ」という用語は、非限定の例として、本出願で開示されるシステム103およびそのそれぞれの部分を含む、データ処理能力をもつ任意の種類のハードウェアベースの電子デバイスを包含するように広く解釈されるべきである。
【0031】
本明細書で使用される「非一時的メモリ」および「非一時的ストレージ媒体」という用語は、本開示の主題に適する任意の揮発性または不揮発性コンピュータメモリを包含するように広く解釈されるべきである。
【0032】
本明細書で使用される「試料」という用語は、半導体集積回路、磁気ヘッド、フラットパネルディスプレイ、および他の半導体製造製品を生産するために使用される任意の種類のウエハ、マスク、および他の構造体、それらの組合せおよび/または一部を包含するように広く解釈されるべきである。
【0033】
本明細書で使用される「試験」という用語は、任意の種類の計測関連動作、ならびに製造中の試料の欠陥の検出および/または分類に関連する動作を包含するように広く解釈されるべきである。試験は、試験されるべき試料の生産中または生産後に非破壊試験ツールを使用することによって行われる。非限定の例として、試験プロセスは、同じまたは異なる検査ツールを使用して、試料またはその一部に関連して行われる実行時走査(単一の走査または多数の走査)、サンプリング、レビュー、測定、分類、および/または他の動作を含むことができる。同様に、試験は、試験されるべき試料の生産の前に行うことができ、例えば、試験方策の生成および/または他のセットアップ動作を含むことができる。特に明記されない限り、本明細書で使用される「試験」という用語またはその派生語は、検査区域の解像度またはサイズに関して限定されないことに留意されたい。
【0034】
本明細書で使用される「欠陥」という用語は、試料上または試料内に形成された任意の種類の異常なものまたは望ましくない特徴部を包含するように広く解釈されるべきである。
【0035】
本明細書で使用される「設計データ」という用語は、試料の階層的な物理的設計(レイアウト)を示す任意のデータを包含するように広く解釈されるべきである。設計データは、それぞれの設計者によって提供されてもよく、および/または物理的設計から導き出されてもよい(例えば、複雑なシミュレーション、簡単な幾何学的演算およびブール演算、などにより)。設計データは、非限定的な例として、GDSIIフォーマット、OASISフォーマット、などの様々なフォーマットで提供されてもよい。設計データは、ベクトルフォーマット、グレースケール強度画像フォーマット、またはそれ以外で提示されてもよい。
【0036】
特に明記されない限り、別個の実施形態の文脈に記載されている本開示の主題の特定の特徴はまた、単一の実施形態において組合せて提供されてもよいことが認識される。逆に、単一の実施形態の文脈に記載されている本開示の主題の様々な特徴はまた、別個にまたは任意の適切なサブ組合せで提供されてもよい。以下の詳細な説明では、多数の特定の詳細が、方法および装置の完全な理解を提供するために記載される。
【0037】
これを念頭に置いて、本開示の主題の特定の実施形態による試験システムの機能ブロック図を示す図1に注目する。図1に示された試験システム100は、試料製造プロセスの一部として試料(例えば、ウエハおよび/またはその一部)を試験するために使用することができる。図示の試験システム100は、試料製造中に獲得された画像を使用して、計測関連情報(および必要に応じて欠陥関連情報)を自動的に決定することができるコンピュータベースのシステム103を含む。システム103は、1つまたは複数の低解像度試験ツール101、および/または1つまたは複数の高解像度試験ツール102、および/または他の試験ツールに動作可能に接続することができる。試験ツールは、画像を捕捉する、および/または捕捉した画像をレビューする、および/または捕捉した画像に関連する測定を可能にするかもしくは行うように構成される。システム103は、さらに、CADサーバ110およびデータリポジトリ109に動作可能に接続することができる。
【0038】
システム103は、ハードウェアベース入力インターフェース105およびハードウェアベース出力インターフェース106に動作可能に接続されたプロセッサおよびメモリ回路(PMC)104を含む。PMC104は、以下でさらに詳述するように、システム103を動作させるために必要なすべての処理(システム103によって少なくとも部分的に実行され得る図2図2A図3図3A、および図3Bに記載されている方法を参照)を行うように構成され、プロセッサ(別個には図示せず)およびメモリ(別個には図示せず)を含む。PMC104のプロセッサは、PMCに含まれる非一時的コンピュータ可読メモリに実装されたコンピュータ可読命令に従っていくつかの機能モジュールを実行するように構成することができる。そのような機能モジュールは、以下、PMCに含まれるとして参照される。PMC104に含まれる機能モジュールは、ディープニューラルネットワーク(DNN)112を含む。DNN112は、試料の画像に基づいてアプリケーション関連データを出力するための機械学習アルゴリズムを使用したデータ処理を可能にするように構成される。
【0039】
非限定の例として、DNN112の層は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)アーキテクチャ、リカレントニューラルネットアーキテクチャ、リカーシブニューラルネットワークアーキテクチャ、敵対的生成ネットワーク(GAN)アーキテクチャ、またはその他に従って編成することができる。オプションとして、層の少なくとも一部は、複数のDNNサブネットワークに編成されてもよい。DNNの各層は、当技術分野において一般に次元、ニューロン、またはノードと呼ばれる多数の基本計算要素(CE)を含むことができる。
【0040】
通常、所与の層の計算要素は、先行層および/または後続層のCEと接続することができる。先行層のCEと後続層のCEとの間の各接続は、重み付け値に関連づけられる。所与のCEは、それぞれの接続を介して前の層のCEからの入力を受け取ることができ、各々の所与の接続は、所与の接続の入力に適用することができる重み付け値に関連づけられる。重み付け値は、接続の相対的強度、したがって、所与のCEの出力へのそれぞれの入力の相対的影響を決定することができる。所与のCEは、活性化値(例えば、入力の加重和)を計算し、計算された活性化に活性化関数を適用することによって出力をさらに導き出すように構成することができる。活性化関数は、例えば、恒等関数、決定論的関数(例えば、線形、シグモイド、閾値、など)、確率関数、または他の適切な関数とすることができる。所与のCEからの出力は、それぞれの接続を介して後続層のCEに送出することができる。同様に、上述のように、CEの出力における各接続は、後続層のCEの入力として受け取られる前にCEの出力に適用することができる重み付け値に関連づけられ得る。重み付け値に加えて、接続およびCEに関連づけられる閾値(制限関数を含む)が存在してもよい。
【0041】
DNN112の重み付け値および/または閾値は、訓練の前に最初に選択することができ、訓練中にさらに反復して調節または修正して、訓練されたDNNにおける重み付け値および/または閾値の最適なセットを達成することができる。各反復の後、DNN112によって作り出された実際の出力と、それぞれのデータの訓練セットに関連づけられた目標出力との間の差(損失関数とも呼ばれる)を決定することができる。差は、誤差値と呼ばれることもある。訓練は、誤差値を示すコスト関数または損失関数が所定の値未満になるとき、または反復間の性能の限定された変化が達成されるとき、完了したと決定することができる。オプションとして、DNNサブネットワークの少なくとも一部(もしあれば)は、DNN全体を訓練する前に別個に訓練されてもよい。
【0042】
システム103は、入力インターフェース105を介して、入力データを受け取るように構成される。入力データは、試験ツールによって作り出されたデータ(および/またはその派生物および/またはそれに関連するメタデータ)、および/または1つまたは複数のデータリポジトリ109、および/またはCADサーバ110、および/または別の関連するデータリポジトリにおいて作り出されたおよび/または格納されたデータを含むことができる。入力データは、画像(例えば、捕捉された画像、捕捉された画像から導き出された画像、シミュレートされた画像、合成画像、など)と、関連する数値データ(例えば、メタデータ、手作りの属性、など)とを含むことができることに留意されたい。画像データは、対象の層に関連するデータ、および/または試料の1つまたは複数の他の層に関連するデータを含むことができることにさらに留意されたい。
【0043】
システム103は、受け取った入力データの少なくとも一部を処理し、出力インターフェース106を介して、結果(またはその一部)を、ストレージシステム107に、試験ツールに、結果をレンダリングするためのコンピュータベースのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)108に、および/または外部システム(例えば、FABの歩留り管理システム(YMS))に送るようにさらに構成される。GUI108は、オペレーティングシステム103に関連する、ユーザによる指定の入力を可能にするようにさらに構成することができる。
【0044】
非限定の例として、試料は、1つまたは複数の低解像度試験機101(例えば、光学検査システム、低解像度SEM、など)で試験することができる。試料の低解像度画像の情報を提供する結果として得られたデータ(以下、低解像度画像データ121と呼ぶ)は、システム103に、直接、または1つまたは複数の中間システムを介して、送出することができる。代替としてまたは追加として、試料は、高解像度機102(例えば、走査電子顕微鏡(SEM)および/または原子間力顕微鏡(AFM))で試験することができる。試料の高解像度画像の情報を提供する結果として得られたデータ(以下、高解像度画像データ122と呼ぶ)は、システム103に、直接、または1つまたは複数の中間システムを介して、送出することができる。
【0045】
画像データは、それに関連するメタデータ(例えば、ピクセルサイズ、欠陥タイプのテキスト記述、画像捕捉プロセスのパラメータ、など)と一緒に受け取って処理することができることに留意されたい。
【0046】
入力データ(例えば、低解像度画像データおよび/または高解像度画像データ、オプションとして、例えば設計データ、合成データ、などのような他のデータと一緒に)を処理すると、システム103は、結果(例えば、命令関連データ123および/または124)を試験ツールのいずれかに送り、結果(例えば、欠陥属性、欠陥分類、など)をストレージシステム107に格納し、GUI108を介して結果をレンダリングし、および/またはそれらを外部システムに(例えば、YMSに)に送ることができる。
【0047】
当業者は、本開示の主題の教示が、図1に示されたシステムに拘束されず、等価なおよび/または変更された機能が、別の方法で連結または分割されてもよく、ソフトウェアとファームウェアおよび/またはハードウェアとの適切な組合せで実装されてもよいことを容易に認識するであろう。
【0048】
図1に示される試験システムは、分散コンピューティング環境で実装することができ、図1に示される前記の機能モジュールは、いくつかのローカルデバイスおよび/またはリモートデバイスに分散させることができ、通信ネットワークによってリンクさせることができることに留意されたい。他の実施形態では、試験ツール102、システム107、および/またはGUI108のうちの少なくとも1つは、試験システム100の外にあり、入力インターフェース105および出力インターフェース106を介してシステム103とデータ通信して動作することができることにさらに留意されたい。システム103は、試験ツールとともに使用されるスタンドアローンコンピュータとして実装することができる。代替として、システムのそれぞれの機能は、少なくとも部分的に、1つまたは複数の試験ツールに統合されてもよい。
【0049】
次に、実行時フェーズの前に実行することができる訓練フェーズを説明する図2に注目する。
【0050】
図2の方法は、半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを獲得する(動作200)ことを含む。試料が複数の層を含む場合、構造パラメータの情報を提供するデータは、層のすべてまたは少なくとも一部について取得することができる。
【0051】
構造パラメータは、試料の構造特徴部の寸法または形状の情報を提供するパラメータ、および試料の構造特徴部の場所の情報を提供するパラメータのうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、Dmetrologyは、例えば、限界寸法(CD)、限界寸法均一性(CDU)、オーバレイ、エッジ配置誤差、3次元プロファイル、構造特徴部の形状、プロセス変動誤差、などを含む構造パラメータの情報を提供する。
【0052】
metrologyの少なくとも一部は、光学的試験および/または電子ビーム試験ツールなどの試験ツールで取得/決定することができる。いくつかの実施形態では、試験ツールは、高解像度試験ツール(例えば、走査電子顕微鏡(SEM)に対応する参照符号102を参照)とすることができる。必要に応じて、システム103は、試験ツールによって提供されたデータ(例えば、画像、および/または画像のメタデータ)をさらに処理して、データDmetrologyを決定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、Dmetrologyは、試料の材料の(例えば、試料の構造特徴部を生産するために使用される材料の)情報を提供するデータを含む構造パラメータの情報を提供する。これは、例えば、材料のタイプ、化学量論的変動、原子欠陥、界面、および材料形態を含むことができる。これらのパラメータは、例えば材料感受性検出器を含む電子試験ツールを使用して測定することができる。電子試験ツールが電子ビームで試料を照明すると、電子と試料の相互作用により、固有の光子が提供され、固有の光子は、検出器で感知することができる。反射された光子は、試料の材料の特性の情報を提供する(例えば、X線光子は、材料の特性の情報を提供する)。
【0054】
図2の方法は、試料の電気的特性の情報を提供するモデルを獲得する(動作210)ことを含む。特に、モデルは、試料の(1つまたは複数の)構造パラメータ(上記のような)(例えば、材料、構造特徴部の寸法/場所/3Dプロファイル、など)と、試料の1つまたは複数の電気的特性との間の関係の情報を提供することができる。電気的特性の例には、過渡、パルス、およびDC特性(例えば、電圧、電流、キャパシタンス、コンダクタンス、など)、キャリア輸送、電荷トラップおよび放出、などが含まれる。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、モデルはGinestra(商標)Simulation Softwareを使用して生成することができる。このソフトウェアは、例えば、https://www.appliedmaterials.com/products/applied-mdlx-ginestra-simulation-softwareに記載されている(このリンクで引用されるコンテンツおよび文書は、参照により本明細書に組み込まれる)。これは限定的ではなく、他の電気的モデルが使用されてもよい(例えば、電気的モデルは、相関技法、などを使用して構築することができる)。
【0056】
この方法は、モデルおよびDmetrologyを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える、複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定する(動作220)ことをさらに含む。いくつかの実施形態では、設計データに関する1つまたは複数の所与の構造パラメータの変動は、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える。
【0057】
特に、影響基準は、1つまたは複数の所与の構造パラメータ(および/または設計データに対するその変動)が、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの変動(および/または設計データに対するその変動)よりも試料の所与の電気的特性に影響を与えることを定義することができる。
【0058】
言い換えれば、いくつかの実施形態によれば、所与の電気的特性の変動(例えば、予想されるまたは設計の電気的特性に対する)は、他の構造パラメータの変動よりも1つまたは複数の所与の構造パラメータの変動に最もよく相関する。1つまたは複数の所与の構造パラメータの挙動は、所与の電気的特性の挙動に強く結びつけられるとして識別されている。それゆえに、1つまたは複数の所与の構造パラメータは、試料の所与の電気的特性の挙動を分析するのに、他の構造パラメータよりも関連性が高い。
【0059】
いくつかの実施形態では、影響基準は、1つまたは複数の所与の構造パラメータと所与の電気的特性との間の相関のレベルが事前定義された閾値を超えることを定義することができる。
【0060】
所与の電気的特性が上述で参照されたが、これは、同様に、複数の異なる所与の電気的特性に当てはまる。所与の電気的特性ごとに、1つまたは複数の所与の構造パラメータのセットが、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与えるとして識別され得る(影響基準は、所与の電気的特性ごとに異なる可能性がある)。
【0061】
図2Aは、動作220において実行され得る可能性のある動作を示す。図2Aの方法は、試料の複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrology、または設計データに対するその変動を、電気的モデル(動作210において獲得された)に注入する(動作2201)ことを含むことができる。電気的モデルは、Dmetrologyに関連する1つまたは複数の電気的特性を推定する(動作2202)。
【0062】
図2Aの方法は、分析を実行して、1つまたは複数の推定された電気的特性(または設計電気的特性に対するその変動)と、試料の複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrology(または設計データに対するその変動)との間の関係を決定する(動作2203)ことをさらに含むことができる。
【0063】
動作2203は、多変数分析を実行することを含むことができる。多変数分析は、入力として、
- 試料の複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrology、および/または設計データに対するその変動、
- 試料の1つまたは複数の推定された電気的特性(モデルによって推定されるような)、および/または設計電気的特性に対するその変動(これらの1つまたは複数の電気的特性について、試料の構造パラメータとの相関を理解することが望ましい)
を受け取る。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、多変数分析は、入力として、試料の1つまたは複数の電気的特性の実際の電気測定値をさらに受け取ることができる。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、多変数分析は、Dmetrology(またはその変動)と試料の電気的特性(またはその変動)との間の様々な相関分析(例えば、線形相関分析)を実行することを含む。いくつかの実施形態では、相関分析は、1つまたは複数の電気的特性の各々と1つまたは複数の構造パラメータの各々との間で独立して実行される。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、多変数分析は、試料の1つまたは複数の電気的特性と試料の1つまたは複数の構造パラメータとの間の関係を決定するために、ディープニューラルネットワーク(例えば、DNN112)などの機械学習ネットワークを使用することを含む。機械学習ネットワークは、入力として、
- 試料の複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrology、および/または設計データに対するその変動、
- 試料の1つまたは複数の推定された電気的特性(モデルによって推定されるような)、および/または設計電気的特性に対するその変動(これらの1つまたは複数の電気的特性について、試料の構造パラメータとの相関を理解することが望ましい)
を受け取る。いくつかの実施形態では、試料の電気的特性の実際の電気測定値が提供される。
【0067】
いくつかの実施形態では、機械学習ネットワークの訓練は教師ありである。特に、物理的モデルが、機械学習ネットワークに提供され得る。物理的モデルは、例えば、物理的相関(例えば、試料の電気的特性と構造パラメータとの間の)に関する指示を提供し、それは、機械学習ネットワークが、試料の電気的特性と構造特徴部との間の関係をよりよく予測するのに役立つ。例えば、物理的モデルは、キャパシタンスが試料の面積などの関数であることを示す。物理的モデルは、例えば、ディープニューラルネットワークが多変数分析を実行するときに過剰適合を実行する場合、ディープニューラルネットワークの出力を補正する。
【0068】
図2の方法は、試験ツールのための方策(試験方策)を生成する(動作230)ことをさらに含む。
【0069】
試料の所与の電気的特性について、1つまたは複数の所与の構造パラメータが影響基準に従ってこの所与の電気的特性に影響を与えることが動作220において決定されていると仮定する。特に、これは、1つまたは複数の所与の構造パラメータが他の構造パラメータよりもこの所与の電気的特性に影響を与えるということに対応することができる。
【0070】
方策は、試験ツールによるデータ取得を、1つまたは複数の所与の構造パラメータ、またはその情報を提供するデータに集中させるように生成することができる。
【0071】
特に、方策は、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にする。この基準は、例えば、第1の取得レートが第2の取得レートよりも高いことを定義することができる。取得レートは、特に、取得されるサンプル数、および/または取得される単位時間当りのサンプル数の情報を提供する。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の取得レートは、例えばオペレータが選択することができる事前定義された値だけ第2の取得レートよりも大きくすることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、N個の構造パラメータP1~PNが分析されると仮定する。所与の構造パラメータ(影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える)はパラメータP2に対応すると仮定する。いくつかの実施形態では、方策は、P2の情報を提供するデータの取得レートが、P1の情報を提供するデータの取得レートよりも大きく、P3の情報を提供するデータの取得レートよりも大きく、…、およびPNの情報を提供するデータの取得レートよりも大きいことを可能にする。この例は、限定的なものではない。言い換えれば、これは、所与の構造パラメータの各々の情報を提供するデータの取得レートが、他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータの取得レートよりも大きいことに対応する。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、比は、1つまたは複数の所与の構造パラメータについて取得されるサンプル数(データ量)が、他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータについて取得されるサンプル数(データ量)よりも多い場合に基準を満たす。いくつかの実施形態では、これは、所与の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量が、他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量よりも大きいことに対応する。
【0075】
いくつかの実施形態では、動作230は、複数の試料にわたる1つまたは複数の所与の構造パラメータの変動を考慮に入れることができる。1つまたは複数の所与の構造パラメータの変動は、例えば、適合した統計指標を使用して測定することができ、例えば閾値と比較することができる。例えば、他の試料に対する所与の構造パラメータの標準偏差を決定することができる。しかしながら、これは限定的ではない。所与の構造パラメータが、複数の試料にわたって安定であるとして識別された場合、所与の構造パラメータは、影響基準に従って1つまたは複数の所与の電気的特性に影響を与えていると決定されたが、この所与の構造パラメータの情報を提供するデータの取得レートは、他の構造パラメータの取得レートと比べて高める必要はない(その値は、他の試料から予測することができるので)。それとは反対に、所与の構造パラメータが、所与の電気的特性に影響を与え、試料間で変動していると識別された場合、その取得レートは、他の構造パラメータの各々の取得レートよりも高めることができ、または大きくなるように設定することができる。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、計測データDmetrology(動作200において獲得された)は、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを以前の第1の取得レートで取得すること、および複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータを以前の第2の取得レートで取得することを可能にした以前の方策で取得されたと仮定する。基準は、動作230において生成された方策が、
- 1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを以前の第1の取得レートよりも大きい新しい第1の取得レートで取得すること、
- 他の構造パラメータの情報を提供するデータを以前の第2の取得レートよりも低い新しい第2の取得レートで取得すること
のうちの少なくとも1つを可能にすることを定義することができる。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、方策は、試験ツールが、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを取得するのに、複数の構造パラメータのうちの他のパラメータの情報を提供するデータと比較してより多くの時間を当てることを可能にする。
【0078】
複数の所与の構造パラメータが識別されている場合、第1の取得レートは、所与の構造パラメータの各々について必ずしも同じではない。同様に、第2の取得レートは、他の構造パラメータの各々について必ずしも同じではない。
【0079】
試験ツールによるデータ取得は、実際には、限られる(例えば、時間および/またはコストの制約のために)ので、データ取得は、試料の電気的特性(注目する)に影響を与えるデータに焦点を当てる。それゆえに、スマートサンプリングが達成される。
【0080】
動作2202を参照して述べたように、試料のモデルは、データDmetrology(または設計データに対するその変動)に基づいて、試料の1つまたは複数の電気的特性(または予想される特性に対するその変動)を予測するために使用される。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、図2の方法は、試料の1つまたは複数の電気的特性の予測をこれらの電気的特性の実際の測定値と比較する(動作240)ことを含むことができる。それらの間の一致のレベルに応じて、関係(動作2203において決定された)および/またはモデル(動作210において獲得された)が、どの程度まで有効であるかを決定することができる。いくつかの実施形態によれば、一致のレベルが基準を満たしていない場合、この方法を繰り返すことができる(例えば、同じ試料で、および/または別の試料で)。
【0082】
上記のように、訓練フェーズ中に実行することができる図2の方法は、複数の試料に対して繰り返すことができる。
【0083】
次に、図3に注目する。
【0084】
図3の方法は、例えば実行時フェーズ中に実行することができる。いくつかの実施形態では、それは、試料の実時間試験中に実行することができる。
【0085】
この方法は、半導体試料の複数の構造パラメータの情報を提供する計測データDmetrologyを取得する(動作300)ことを含む。データDmetrologyの例は、動作200を参照して既に提供されている。
【0086】
metrologyの少なくとも一部は、光学的試験および/または電子ビーム試験ツールなどの試験ツールで取得することができる。いくつかの実施形態では、試験ツールは、高解像度試験ツール(例えばSEM)とすることができる。いくつかの実施形態では、Dmetrologyの少なくとも一部は、上記のように、材料に敏感な検出器(例えば、光子検出器)で取得することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、実行時中に試験される少なくとも1つの第1の試料と、訓練フェーズ中に使用された少なくとも1つの第2の試料(図2参照)とは、類似性基準に従って類似している。類似性基準は、例えば、第1の試料(または少なくともその第1の区域)および第2の試料(または少なくともその第2の区域)が、同じ物理的構成要素を含むか、または半導体試料の類似したゾーン(例えば、類似したダイ、セル、など)を含むことを定義することができる。
【0088】
取得は、訓練フェーズにおいて生成された方策に従って試験ツールによって実行することができる(図2参照)。特に、コマンドは、方策に従って試験を実行するように試験ツールに送ることができる。結果として、計測データDmetrology/newが獲得される。Dmetrology/newは、主として、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを含む(他の構造パラメータの情報を提供するデータも獲得することができるが、上記のように、1つまたは複数の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの取得/サンプリングレートは、他の構造パラメータの情報を提供するデータのものよりも大きくなるように選択することができる)。方策は、試験ツールによるデータ取得を、分析されるべき少なくとも1つの所与の電気的特性(または分析されるべき複数の所与の電気的特性)に関連する構造パラメータに集中させることができる。
【0089】
この方法は、モデル(このモデルは訓練フェーズ中に動作210において獲得されている)およびDmetrology/newを使用して、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性について、影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与える複数の構造パラメータの中の1つまたは複数の所与の構造パラメータを決定する(動作320)ことをさらに含む。影響基準は、動作220において定義された影響基準と同じにすることができ、それゆえに、繰り返して説明しない。
【0090】
試料の実行時試験中に実行することができる動作320は、訓練フェーズ中に実行される動作220と同様である。
【0091】
動作220は既に訓練フェーズ中に実行されているが、動作320を実行する(実行時フェーズ中に)ことは、いくつかの利点を提供することができる。実際、所与の電気的特性に影響を与える構造パラメータは、経時的に(同じ試料の場合でさえ)漸進的に変化することがある。例えば、訓練フェーズ中に、所与の構造パラメータP1~P3(パラメータP1~PNの中の)が、所与の電気的特性にとって最も関連する構造パラメータであると決定されたと仮定する。実行時中に、パラメータP1、P2、およびP4が、今では、所与の電気的特性にとって最も関連するパラメータであることが発見されることがある。この例は、限定的なものではない。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、動作320は、図3Aに記載される動作を含むことができる。
【0093】
図3Aの方法は、試料の複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrology/new、または設計データに対するその変動を、電気的モデル(電気的モデルは動作210において獲得されている)に注入する(動作3201)ことを含むことができる。電気的モデルは、Dmetrology/newに関連する試料の1つまたは複数の電気的特性(例えば、上記した所与の電気的特性を含む)を推定する(動作3202)。
【0094】
図3Aの方法は、分析を実行して、推定された1つまたは複数の電気的特性(または設計電気的特性に対するその変動)と、試料の複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrology/newまたは設計データに対するその変動との間の関係を決定する(動作3203)ことをさらに含むことができる。動作3203は、多変数分析を実行することを含むことができる。動作3203は、動作2203と同様であり、繰り返して説明しない。
【0095】
図3の方法は、方策を更新する(動作330)ことをさらに含む。上記のように、構造パラメータ(訓練フェーズ中に識別されたものと異なる)が、所与の電気的特性に影響を与えるとして、動作320において識別されることが生じる場合がある。そのため、方策は、この分析の結果を考慮に入れるように更新される。
【0096】
動作320において、第2の所与の構造パラメータが影響基準に従って所与の電気的特性に影響を与えることが識別されたと仮定する。方策は、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの第1の取得レートと、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータの第2の取得レートとの間の比が、基準を満たすことを可能にするように更新することができる。特に、第1の取得レートは、第2の取得レートよりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの各々の情報を提供するデータの第1の取得レートは、複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータの第2の取得レートよりも大きい。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、比は、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータについて取得されたサンプル数(データ量)が、他の構造パラメータの情報を提供するデータについて取得されたサンプル数(データ量)よりも多い場合に基準を満たす。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第2の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量は、他の構造パラメータの各々の情報を提供するデータ量よりも多い。
【0098】
いくつかの実施形態によれば、計測データDmetrology/new(動作300において獲得された)は、以前の第1の取得レートを用いて1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを取得することと、以前の第2の取得レートを用いて複数の構造パラメータのうちの他の構造パラメータの情報を提供するデータを取得することとを可能にした方策を用いて取得されたと仮定する。基準は、動作330において生成された方策が、
- 以前の第1の取得レートよりも高い新しい第1の取得レートを用いて1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを取得すること、
- 以前の第2の取得レートよりも低い新しい第2の取得レートを用いて他の構造パラメータの情報を提供するデータを取得すること
のうちの少なくとも1つを可能にすることを定義することができる。
【0099】
いくつかの実施形態によれば、方策は、試験ツールが、1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータを取得するのに、複数の構造パラメータのうちの他のパラメータの情報を提供するデータと比較して、より多くの時間を当てることを可能にする。
【0100】
いくつかの実施形態によれば、動作330は、複数の試料にわたる1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの変動を考慮に入れることができる。1つまたは複数の第2の所与の構造パラメータの変動は、例えば、適合した統計指標を使用して測定することができ、例えば閾値と比較することができる。例えば、他の試料に対する第2の所与の構造パラメータの標準偏差を決定することができる。しかしながら、これは限定的ではない。第2の所与の構造パラメータが、複数の試料にわたって安定であるとして識別された場合、第2の所与の構造パラメータは、影響基準に従って1つまたは複数の所与の電気的特性に影響を与えていると決定されたが、この第2の所与の構造パラメータの情報を提供するデータの取得レートは、他の構造パラメータの取得レートと比べて高める必要はない(その値は、他の試料から予測することができるので)。それとは反対に、第2の所与の構造パラメータが、所与の電気的特性に影響を与え、試料間で変動していると識別された場合、その取得レートは、他の構造パラメータの各々の取得レートよりも高めることができ、または大きくなるように設定することができる。
【0101】
図3に示されるように(参照符号340を参照)、いくつかの実施形態によれば、図3の方法は反復して繰り返すことができる。特に、方策が更新された(動作330)後、動作300に戻ることができ、データ取得が、方策に基づいて試験ツールによって実行される。
【0102】
いくつかの実施形態では、動作320および330は、方策をさらに改善するために繰り返されてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態によれば、この方法は、方策の最新の更新に従ってデータDmetrology/newを取得した後、試料の少なくとも1つの所与の電気的特性を予測する(動作350)ことを含むことができる。
【0104】
この方策により、データ取得を、所与の電気的特性に影響を与えるデータDmetrology/newに選択的に集中させることが可能になった。それゆえに、動作350は、図3Bに記載されるような動作を含むことができる。
【0105】
図3Bの方法は、試料の1つまたは複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrology/new、または設計データに対するその変動を、電気的モデルに注入する(動作3501)ことを含むことができる。
【0106】
電気的モデルは、Dmetrology/newに関連する少なくとも1つの所与の電気的特性を推定する(動作3502)。それゆえに、所与の電気的特性の予測が、要求に応じて、獲得される。この予測は、試料の生産プロセスのいくつかの段階で、試料の様々な層に対して実行することができる。この予測は、試料の生産プロセスの初期段階においてさえ、試料の実際の電気的テストを実行する必要なしに実行することができる。
【0107】
図3に示されるように、いくつかの実施形態によれば、この方法は、少なくとも1つの所与の電気的特性の予測を使用して、生産プロセスを補正する(動作360)ことができる。実際、少なくとも1つの所与の電気的特性が設計値から逸脱すると予想されるようである場合、この方法は、所与の電気的特性に影響を与える試料の1つまたは複数の所与の構造パラメータを補正することを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、これは、試料のリソグラフィプロセスを手直しすることを含むことができる。特に、これは、リソグラフィ段階においてレジスト(フォトレジストとも呼ばれる)を手直しすることを含むことができる。これは、試料(ウエハ)が廃棄されないので、プロセス補正をトリガするための費用効果の高い方法である。
【0108】
次に、図4に注目する。
【0109】
動作200および300を参照して説明したように、試料の情報を提供するデータの取得は、試験ツールによって実行される。
【0110】
いくつかの実施形態によれば、データ取得は、米国特許第9,046,475号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される方法に従う以下の動作を含むことができる。
【0111】
試料が少なくとも2つの層を含むと仮定する。第1の層は、第1のリソグラフィプロセスを使用して生産された第1の3次元特徴部を含む。第2の3次元特徴部は、第1の層の下に埋め込まれる第2の層に形成され、第1のリソグラフィプロセスの前に第2のリソグラフィプロセスによって形成される。
【0112】
この方法は、マルチステップイメージングシーケンス(SEMなどの電子ビーム試験ツールを使用する)を実行して、第1および第2の特徴部の少なくとも一部の画像を生成することを含む。これは、第1のイメージングステップ中に第1の特徴部と相互作用するように(例えば、一次電子ビームの電子が少なくとも2000電子ボルトの入射エネルギーを有するように)一次電子ビームの電子を誘導する(動作400)ことを含むことができる。この方法は、第2のイメージングステップ中に第2の特徴部と相互作用するように(例えば、一次電子ビームの電子が少なくとも5000電子ボルトの入射エネルギーを有するように)一次電子ビームの電子を誘導する(動作410)ことをさらに含むことができる。この方法は、第1の特徴部および第2の特徴部の少なくとも一方から散乱または反射された電子に応答して検出信号を生成する(動作420)ことをさらに含む。この方法は、検出信号に基づいて、第1の特徴部と第2の特徴部との間の少なくとも1つの空間的関係を決定する(動作430)ことをさらに含むことができる。これは、例えば、2つの特徴部間のオーバレイを決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、空間的関係は、第1の特徴部を表す情報を使用して決定することができる。この情報は、第2の区域と実質的に相互作用することなく第1の区域と相互作用するように一次電子ビームの電子を誘導することによって生成することができる。この情報は、例えば、第1の特徴部の幅を含むことができる。しかしながら、これは限定的ではない。
【0113】
言い換えれば、この取得方法は、試料の複数の層にわたる複数の構造パラメータの情報を提供するデータDmetrologyを取得することを可能にする。
【0114】
この取得方法は、特に動作360において使用することができる。実際、この取得方法は、試料の複数のリソグラフィ層にわたる構造パラメータを取得することを可能にするので、リソグラフィ層(通常、抵抗材料を基板/層上に堆積させ、フォトリソグラフィプロセスによって抵抗材料を露光し、露光された抵抗材料を現像して後にエッチングされるべきいくつかの区域を画定するパターンを作り出すことによって生産される)のうちの1つまたは複数を手直しするために使用することができる。フォトレジストは、リソグラフィ段階で堆積された多数の層(例えば、ハードマスク、底部反射防止コーティング、これらは後に除去される)上に置かれているので、様々な層の下層位置合せは、この取得方法を使用することによって容易になる。結果として、それは、リソグラフィ層の手直しプロセスを容易にする。
【0115】
本発明は、その適用において、本明細書に含まれる説明に記載されたかまたは図面に示された詳細に限定されないことを理解されたい。
【0116】
本発明によるシステムは、少なくとも部分的に、適切にプログラムされたコンピュータに実装することができることも理解されよう。同様に、本発明は、本発明の方法を実行するためのコンピュータにより読み取り可能なコンピュータプログラムを企図する。本発明は、本発明の方法を実行するためのコンピュータにより実行可能な命令のプログラムを有形に具現する非一時的コンピュータ可読メモリをさらに企図する。
【0117】
本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践および実行することができる。したがって、本明細書で使用された語法および用語は、説明の目的のためのものであり、限定と見なされるべきでないことを理解されたい。そのため、本開示が基づく概念は、本開示の主題のいくつかの目的を実行するために他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に利用することができることを当業者は認識するであろう。
【0118】
添付の特許請求の範囲内でおよび添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、先に記載された本発明の実施形態に様々な変形および変更を適用することができることを当業者は容易に認識するであろう。
図1
図2
図2A
図3
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】