(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ファイバ取り付け機能を備える光学ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20231227BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20231227BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539256
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2021064702
(87)【国際公開番号】W WO2022146797
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】シッダルタ ラヴィチャンドラン
(72)【発明者】
【氏名】ブレット ピー. ウィルカーソン
(72)【発明者】
【氏名】ラフール アガルワル
(57)【要約】
光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージの製造は、前側ファイバ結合領域にV溝をエッチングすることによって、フォトニック集積回路を準備することと、フォトニック集積回路を有機再配線層上で組み立てることと、有機再配線層をエッチングすることと、光ファイバを前側ファイバ結合領域に取り付けることと、を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法であって、
前側ファイバ結合領域にV溝をエッチングすることによって、フォトニック集積回路を準備することと、
前記フォトニック集積回路を有機再配線層上で組み立てることと、
前記有機再配線層をエッチングすることと、
光ファイバを前記前側ファイバ結合領域に取り付けることと、を含む、
方法。
【請求項2】
システムオンチップを準備することと、
前記システムオンチップを前記有機再配線層上で組み立てることと、を更に含む、
請求項1の方法。
【請求項3】
アンダーフィルを塗布することと、
前記アンダーフィルをエッチングすることと、を更に含む、
請求項1の方法。
【請求項4】
前記V溝を保護する犠牲層を塗布することと、
前記犠牲層をエッチングすることと、を更に含む、
請求項1の方法。
【請求項5】
前記有機再配線層を第1キャリアから解放することと、
前記フォトニック集積回路を第2キャリアに転送することと、を更に含む、
請求項1の方法。
【請求項6】
前記フォトニック集積回路を前記第2キャリアから解放することと、
前記フォトニック集積回路を基板に取り付けることと、を更に含む、
請求項5の方法。
【請求項7】
前記半導体チップパッケージは、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである、
請求項1の方法。
【請求項8】
成形化合物は、前記フォトニック集積回路、前記システムオンチップ及び前記取り付け後のファイバを封止する、
請求項2の方法。
【請求項9】
光ファイバ取り付け機能を備える装置であって、
システムオンチップと、
前側ファイバ結合領域にV溝を有するフォトニック集積回路と、
前記システムオンチップ及びフォトニック集積回路と通信する有機再配線層と、
前記前側ファイバ結合領域に取り付けられた光ファイバと、を備える、
装置。
【請求項10】
前記装置は、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである、
請求項9の装置。
【請求項11】
成形化合物は、前記システムオンチップ、前記フォトニック集積回路及び前記取り付け後のファイバを封止する、
請求項9の装置。
【請求項12】
前記取り付け後のファイバは、グローブトップによって固定される、
請求項9の装置。
【請求項13】
光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法であって、
フォトニック集積回路を有機再配線層上で組み立てることと、
前記フォトニック集積回路上の裏側ファイバ結合領域をエッチングすることによって、前記フォトニック集積回路内のグレーティングカプラへのレンズの作動距離を短縮することと、
光ファイバを前記裏側ファイバ結合領域に取り付けることと、を含む、
方法。
【請求項14】
システムオンチップを準備することと、
前記システムオンチップを前記有機再配線層上で組み立てることと、を更に含む、
請求項13の方法。
【請求項15】
成形化合物を塗布することと、
アンダーフィルを塗布することと、
前記成形化合物をエッチングすることと、を更に含む、
請求項13の方法。
【請求項16】
前記有機再配線層を第1キャリアから解放することと、
前記フォトニック集積回路を第2キャリアに転送することと、を更に含む、
請求項13の方法。
【請求項17】
前記フォトニック集積回路を前記第2キャリアから解放することと、
前記フォトニック集積回路を基板に取り付けることと、を更に含む、
請求項16の方法。
【請求項18】
前記パッケージは、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである、
請求項13の方法。
【請求項19】
成形化合物は、前記フォトニック集積回路及び前記システムオンチップを封止する、
請求項14の方法。
【請求項20】
光ファイバ取り付け機能を備える装置であって、
システムオンチップと、
薄化された裏側結合領域を有するフォトニック集積回路と、
前記システムオンチップ及びフォトニック集積回路と通信する有機再配線層と、
前記薄化された裏側ファイバ結合領域に取り付けられ、前記フォトニック集積回路内のグレーティングカプラへのレンズの作動距離を短縮する光ファイバと、を備える、
装置。
【請求項21】
前記装置は、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである、
請求項20の装置。
【請求項22】
成形化合物は、前記システムオンチップ及び前記フォトニック集積回路を封止する、
請求項20の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フォトニック集積回路は高帯域幅通信を可能とし、効率が高い。フォトニック集積回路を、システムオンチップ及びメモリチップを含む他のチップとコパッケージング(co-packaging)することには課題がある。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1A】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える非限定的な例示の半導体チップパッケージの上面図である。
【
図1B】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える例示の半導体チップパッケージの断面について説明する図である。
【
図2A】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法について説明するフロー図である。
【
図2B】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法について説明するフロー図である。
【
図2C】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法について説明するフロー図である。
【
図3A】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える非限定的な例示の半導体チップパッケージの上面図である。
【
図3B】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える例示の半導体チップパッケージの断面について説明する図である。
【
図4A】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法について説明するフロー図である。
【
図4B】幾つかの実施形態に係る、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、前側ファイバ結合領域にV溝をエッチングすることで、フォトニック集積回路を準備することと、上記フォトニック集積回路を有機再配線層上で組み立てることと、上記有機再配線層をエッチングすることと、光ファイバを前側ファイバ結合領域に取り付けることと、を含む。
【0004】
幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、システムオンチップを準備することと、上記システムオンチップを上記有機再配線層上で組み立てることと、を含む。幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、アンダーフィルを塗布することと、上記アンダーフィルをエッチングすることと、を含む。幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、上記V溝を保護する犠牲層を塗布することと、上記犠牲層をエッチングすることと、を含む。幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、上記有機再配線層を第1キャリアから解放することと、上記フォトニック集積回路を第2キャリアに転送(transferring)することと、を含む。幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、上記フォトニック集積回路を上記第2キャリアから解放することと、上記フォトニック集積回路を基板に取り付けることと、を含む。
【0005】
幾つかの実施形態において、上記半導体チップパッケージは、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである。幾つかの実施形態において、成形化合物は、上記フォトニック集積回路及び上記取り付け後のファイバを封止する。
【0006】
幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える装置は、システムオンチップと、前側ファイバ結合領域にV溝を有するフォトニック集積回路と、上記システムオンチップ及びフォトニック集積回路と通信する有機再配線層と、上記前側ファイバ結合領域に取り付けられた光ファイバと、を含む。
【0007】
幾つかの実施形態において、上記装置は、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである。幾つかの実施形態において、成形化合物は、上記システムオンチップ、上記フォトニック集積回路及び上記取り付け後のファイバを封止する。幾つかの実施形態において、上記取り付け後のファイバは、グローブトップ(glob top)で固定される。
【0008】
幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、フォトニック集積回路を有機再配線層上で組み立てることと、上記フォトニック集積回路上で裏側ファイバ結合領域をエッチングすることにより、上記フォトニック集積回路内のグレーティングカプラ(grating coupler)へのレンズの作動距離を短縮することと、光ファイバを上記裏側ファイバ結合領域に取り付けることと、を含む。
【0009】
幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、システムオンチップを準備することと、上記システムオンチップを上記有機再配線層上で組み立てることと、を含む。幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、成形化合物を塗布することと、アンダーフィルを塗布することと、上記成形化合物をエッチングすることと、を含む。幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、上記有機再配線層を第1キャリアから解放することと、上記フォトニック集積回路を第2キャリアに転送することと、を含む。幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する方法は、上記フォトニック集積回路を上記第2キャリアから解放することと、上記フォトニック集積回路を基板に取り付けることと、を含む。
【0010】
幾つかの実施形態において、上記半導体チップパッケージは、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである。幾つかの実施形態において、成形化合物は、上記フォトニック集積回路及び上記取り付け後のファイバを封止する。
【0011】
幾つかの実施形態において、光ファイバ取り付け機能を備える装置は、システムオンチップと、薄化された裏側結合領域を有するフォトニック集積回路と、上記システムオンチップ及びフォトニック集積回路と通信する有機再配線層と、上記薄化された裏側ファイバ結合領域に取り付けられた光ファイバと、を含む。
【0012】
幾つかの実施形態において、上記装置は、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである。幾つかの実施形態において、成形化合物は、上記システムオンチップ及び上記フォトニック集積回路を封止する。
【0013】
近年の半導体チップでは、マイクロチップの速度と能力を向上させるために、モジュール型チップ又はチップレットを積層してパッケージにする。三次元(3D)チップでは、幾つかのチップレットをインターポーザ上で垂直に積層する。二次元(2.5D)チップでは、チップレットをインターポーザ上で単一層として積層する。
【0014】
ファンアウトパッケージングにおいて、チップレットは、インターポーザの有無にかかわらず、再配線層上でパッケージ化される。最終的なウエハが個々のチップにダイシング又は個片化されてから接合及び封止される従来のパッケージングとは異なり、ウエハレベルパッケージングでは、ダイはウエハ上にある状態でパッケージ化される。ダイファーストファンアウト型ウエハレベルパッケージングにおいて、ダイは、個片化されてから、フェイスダウン又はフェイスアップで一時的キャリアに配置される。そして、ダイファーストファンアウト型ウエハレベルパッケージングは、再構成後のキャリアを成形することと、再配線層を構築し、はんだボールを実装して、一時的キャリアから解放し、更に、再構成後のキャリアを個々のパッケージへとダイシングすることと、を含む。ダイラストファンアウト型ウエハレベルパッケージングにおいて、再配線層をウエハ上で構築してから、ダイを個片化して、再配線層上で組み立て、はんだボールを実装し、一時的キャリアを解放し、そして、再構成後のウエハを個々のパッケージにダイシングする。
【0015】
図1Aは、非限定的な例示の半導体チップパッケージ100の上面図である。幾つかの実施形態において、半導体チップパッケージ100は、ダイラストファンアウト型ウエハレベルパッケージである。半導体チップパッケージ100は、システムオンチップ(SOC105)と、フォトニック集積回路(PIC110とPIC115)と、を含む。幾つかの実施形態において、パッケージ100は、追加のSOC又はメモリチップを含むことができる。更に、幾つかの実施形態では、パッケージ100は、追加のPICを含むことができる。
【0016】
SOC105は、中央処理装置(CPU)及びメモリを含む、幾つかの構成要素を集積した集積回路又はチップレットである。幾つかの実施形態において、SOC105は、入力/出力ポート及び他の相互接続部を含む。PIC110及びPIC115は、高帯域幅の光ファイバ通信を提供するフォトニクスICである。PIC110は、取り付け後のファイバ120を含み、PIC115は取り付け後のファイバ125を含む。幾つかの実施形態において、PIC110、ファイバ120、PIC115及びファイバ125は、レンズ装置及びグレーティングカプラ等のカプラを含むことができる。SOC105、PIC110及びPIC115は、成形化合物130によって封止され、基板135上で組み立てられる。幾つかの実施形態において、成形化合物130は、エポキシ等のプラスチック複合材料であってもよい。幾つかの実施形態において、基板135は有機ラミネート、ガラス又はシリコンでもよい。
図1Aで見られるように、基板135と成形化合物130は、ファイバ120とファイバ125とが接合する切り込み部を含む。パッケージは、蓋体(図示せず)で覆われていてもよい。
【0017】
更なる説明のために、
図1Bでは、例示の半導体チップパッケージ100の断面を示す。
図1Aで上述したように、SOC105、PIC110及びPIC115は、基板135上のバンプ160でアンダーフィル155により固定されたマイクロバンプ145を含む有機再配線層(RDL140)に取り付けられている。幾つかの実施形態において、有機再配線層140は、高分子又は高分子層である。幾つかの実施形態において、バンプ160は、ボールグリッドアレイ(BGA)又は崩壊制御チップ接続(controlled collapse chip connection)(C4)バンプでよい。SOC105及びPIC110は、成形化合物130によって封止されている。断面の視点により、1つのPIC110及び1本のファイバ120が図示されている。ファイバ120は、PIC110の前側ファイバ結合領域のV溝へと取り付けられている。ファイバ120は、グローブトップ150で固定される。幾つかの実施形態において、グローブトップ150は、エポキシ材料であってよい。
【0018】
更なる説明のために、
図2A、
図2B及び
図2Cでは、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法について説明するフロー図を示す。工程数が多いことにより、フロー図は、
図2A、
図2B及び
図2Cへと分割されている。工程は順番に示されているが、実施形態によっては、工程を並べ替えたり、置き換えたり、あるいは、追加の工程を加えてもよい。
図2Aの方法は、前側ファイバ結合領域にV溝をエッチングすることを含めて、フォトニック集積回路を準備すること202を含む。フォトニック集積回路は、PIC110、及び、他の多くのPICを含むウエハ上にある。幾つかの実施形態において、全てのPICは、前側ファイバ結合領域にV溝をエッチングすることで準備される。
【0019】
図2Aの方法は、前側ファイバ結合領域のV溝にわたり犠牲層(sacrificial layer)を塗布すること204も含む。更に、マイクロバンプ145という、再配線層への接続部に相当する微細なはんだボールも塗布する。更に、PICウエハを個々のPICにダイシング又は個片化する。幾つかの実施形態において、各PICが前側結合領域においてダミーシリコンの短い延長部を有するように、PICウエハを個片化する。
【0020】
図2Aの方法は、システムオンチップを準備すること206も含む。システムオンチップは、SOC105、及び、他の多くのSOCを含むウエハ上にある。SOCを準備すること204は、マイクロバンプ145を塗布することを含む。SOC105を準備すること204は、SOCウエハを個々のSOCにダイシング又は個片化することも更に含む。
【0021】
図2Aの方法は、PICを有機再配線層上に組み立てること208も更に含む。PIC110を有機再配線層140上に組み立てることは、PICマイクロバンプ145を有機再配線層140上のそれらの位置に配置することも含む。上記のように、幾つかの実施形態において、有機再配線層140は、第1キャリア上に形成された高分子又は高分子層である。
【0022】
図2Aの方法は、SOCを有機再配線層上に組み立てること210も更に含む。SOC105を有機再配線層140上に組み立てることは、SOCマイクロバンプ145を、第1キャリア上に形成された有機再配線層140上のそれらの位置に配置することを含む。
【0023】
図2Bの方法は、アンダーフィルを塗布すること212も更に含む。アンダーフィル155を塗布すること212は、流動性のある樹脂又はエポキシを塗布することを含む。幾つかの実施形態において、アンダーフィル155は、相互接続部145を安定化させて、SOC105及びPIC110の配置を確実にするように、作用する。
【0024】
図2Bの方法は、成形化合物を堆積すること214も更に含む。成形化合物を堆積すること214は、SOC105及びPIC110の頂部と側部全体に成形化合物130を堆積することを含む。幾つかの実施形態において、成形化合物130は、エポキシ材料である。
【0025】
図2Bの方法は、成形化合物を研磨すること216も更に含む。成形化合物130を研磨すること216は、SOC105及びPIC110の裏側を露出させるように、成形化合物130を研磨することを含む。
【0026】
図2Bの方法は、有機再配線層を第1キャリアから解放し、SOC及びPICの裏側を第2キャリアに転送すること218も更に含む。第1キャリアから解放し、第2キャリアに転送すること218は、SOC105及びPIC110を裏返すことを含む。
【0027】
図2Bの方法は、有機再配線層をエッチングすること220も更に含む。有機再配線層140をエッチングすること220は、SOC105及びPIC110上で有機再配線層140をマスキングし、前側ファイバ結合領域上で有機再配線層140をエッチングすることを含む。
【0028】
図2Cの方法は、接続部を有機再配線層に取り付けること222も更に含む。幾つかの実施形態において、接続部160は、ボールグリッドアレイ(BGA)又は崩壊制御チップ接続(C4)バンプでよい。
【0029】
図2Cの方法は、前側ファイバ結合領域のV溝をカバーしながら、犠牲層をエッチングすること224も更に含む。犠牲層をエッチングすること224は、V溝を保護するために塗布された犠牲層を除去することを含む。犠牲層を除去することで、前側ファイバ結合領域のV溝が露出する。
【0030】
図2Cの方法は、第2キャリアを解放すること226も更に含む。第2キャリアを解放すること226は、SOC105及びPIC110の裏側を第2キャリアから解放することを含む。
【0031】
図2Cの方法は、パッケージを個片化すること228も更に含む。パッケージを個片化すること228は、再構成後のウエハをダイシングして、パッケージを分離することを含む。PIC110を個片化すること228は、過剰なダミーシリコンを除去するために、V溝をダイシングすることを含む。
【0032】
図2Cの方法は、基板を取り付けること230も更に含む。基板135を取り付けること230は、パッケージをBFA又はC4接続部145上に配置することを含む。
【0033】
図2Cの方法は、ファイバを取り付けること232も更に含む。ファイバを取り付けること232は、ファイバ及びレンズ装置120を前側ファイバ結合領域におけるV溝に取り付けることと、ファイバ及びレンズ装置120をグローブトップ150で固定することと、を含む。幾つかの実施形態において、ファイバ及びレンズ装置120は、高帯域幅ファイバ通信用に使用される他のデバイスを含む。
【0034】
図3Aは、非限定的な例示の半導体チップパッケージ300の上面図である。幾つかの実施形態において、半導体チップパッケージ300は、ダイラストファンアウト型ウエハレベルパッケージである。
図1A及び
図1Bの半導体チップパッケージ100と同様に、半導体チップパッケージ300は、システムオンチップ(SOC305)及びフォトニック集積回路(PIC310とPIC315)を含む。幾つかの実施形態において、パッケージ300は、追加のSOC又はメモリチップを含むことができる。更に、幾つかの実施形態では、パッケージ300は、追加のPICを含むことができる。
【0035】
図1A及び
図1Bの半導体チップパッケージ100と同様に、SOC305は、中央処理装置(CPU)及びメモリを含む、幾つかの構成要素を集積した集積回路又はチップレットである。幾つかの実施形態において、SOC305は、入力/出力ポート及び他の相互接続部を含む。PIC310及びPIC315は、高帯域幅光ファイバ通信を提供するフォトニクスICである。PIC310は、取り付け後のファイバ320を含み、PIC315は取り付け後のファイバ325を含む。幾つかの実施形態において、PIC310、ファイバ320、PIC315及びファイバ325は、レンズ装置及びグレーティングカプラ等のカプラを含むことができる。SOC305、PIC310及びPIC315は、成形化合物330によって封止され、基板335上で組み立てられる。幾つかの実施形態において、成形化合物330は、エポキシ等のプラスチック複合材料であってもよい。幾つかの実施形態において、基板335はガラス又はシリコンでもよい。パッケージは、蓋体(図示せず)で覆われていてもよい。
【0036】
更なる説明のために、
図3Bでは、例示の半導体チップパッケージ300の断面を示す。
図3Aで上述したように、SOC305、PIC310及びPIC315は、基板135上のバンプ360上でアンダーフィル355により固定されたマイクロバンプ345を含む有機再配線層(RDL340)に取り付けられている。幾つかの実施形態において、有機再配線層340は、高分子又は高分子層である。幾つかの実施形態において、バンプ360は、ボールグリッドアレイ(BGA)又は崩壊制御チップ接続(C4)バンプでよい。SOC305及びPIC310は、成形化合物330によって封止されている。断面の視点により、1つのPIC310及び1本のファイバ320が図示されている。ファイバ320は、PIC310の裏側ファイバ結合領域へと取り付けられている。
【0037】
更なる説明のために、
図4A及び
図4Bでは、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法について説明するフロー図を示す。工程数が多いことにより、フロー図は、
図4A及び
図4Bへと分割されている。工程は順番に示されているが、実施形態によっては、工程を並べ替えたり、置き換えたり、あるいは、追加の工程を加えてもよい。
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Aの方法は、フォトニック集積回路を準備すること402を含む。PICを準備すること402は、マイクロバンプ345という、再配線層への接続部に相当する微細なはんだボールも塗布することを含む。フォトニック集積回路は、PIC310、及び、他の多くのPICを含むウエハ上にある。更に、PICウエハを個々のPICにダイシング又は個片化する。
【0038】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Aの方法は、システムオンチップを準備すること404を含む。SOCを準備すること404は、マイクロバンプ345を塗布することを含む。システムオンチップは、SOC305、及び、他の多くのSOCを含むウエハ上にある。SOCを準備すること404は、SOCウエハを個々のSOCにダイシング又は個片化することも更に含む。
【0039】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Aの方法は、PICを有機再配線層上に組み立てること406も更に含む。PIC310を有機再配線層340上に組み立てることは、PICマイクロバンプ345を有機再配線層340上のそれらの位置に配置することも含む。上記のように、幾つかの実施形態において、有機再配線層340は、第1キャリア上に形成された高分子又は高分子層である。
【0040】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Aの方法は、SOCを有機再配線層上に組み立てること408も更に含む。SOC305を有機再配線層340上に組み立てることは、SOCマイクロバンプ345を、第1キャリア上に形成された有機再配線層340上のそれらの位置に配置することを含む。
【0041】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Aの方法は、アンダーフィル355を塗布すること410も更に含む。アンダーフィル355を塗布すること410は、流動性のある樹脂又はエポキシを塗布することを含む。幾つかの実施形態において、アンダーフィルは、相互接続部を安定化させて、SOC305及びPIC310の配置を確実にするように作用する。
【0042】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Aの方法は、成形化合物を堆積すること412も更に含む。成形化合物を堆積すること412は、SOC305及びPIC310の頂部と側部全体に成形化合物330を堆積することを含む。幾つかの実施形態において、成形化合物330は、エポキシ材料である。
【0043】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Aの方法は、成形化合物を研磨すること414も更に含む。成形化合物330を研磨すること414は、SOC305及びPIC310の裏側を露出させるように、成形化合物330を研磨することを含む。
【0044】
図4Bの方法は、PIC310上に裏側ファイバ結合領域をエッチングすること416も更に含む。裏側ファイバ結合領域をエッチングすること416は、SOC305及びPIC310の裏側をマスキングし、裏側ファイバ結合領域をエッチングすることを含む。PIC310を薄くすることにより、レンズ装置320とPIC310内のグレーティングカプラとの作動距離(working distance)が短くなる。レンズ320によって、光波はグレーティングカプラでファイバ320へと導かれ、そして、PIC310を薄くすることで短くなった作動距離により、結合効率が向上する。
【0045】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Bの方法は、有機再配線層を第1キャリアから解放し、SOC305及びPIC310の裏側を第2キャリアに転送すること418も更に含む。第1キャリアから解放し、第2キャリアに転送すること418は、SOC305及びPIC310を裏返すことを含む。
【0046】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Bの方法は、接続部を有機再配線層に取り付けること420も更に含む。幾つかの実施形態において、接続部360は、ボールグリッドアレイ(BGA)又は崩壊制御チップ接続(C4)バンプでよい。
【0047】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Bの方法は、第2キャリアを解放すること422も更に含む。第2キャリアを解放すること422は、SOC305及びPIC310の裏側を第2キャリアから解放することを含む。
【0048】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Bの方法は、パッケージを個片化すること424も更に含む。パッケージを個片化すること424は、再構成後のウエハをダイシングして、パッケージを分離することを含む。
【0049】
図2A、
図2B及び
図2Cにおける光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造する例示的な方法と同様に、
図4Bの方法は、基板を取り付けること426も更に含む。基板335を取り付けること426は、パッケージをBFA又はC4接続部345上に配置することを含む。
【0050】
図4Bの方法は、ファイバを取り付けること428も更に含む。ファイバを取り付けること428は、ファイバ及びレンズ装置120を薄化された裏側ファイバ結合領域に取り付けることを含む。幾つかの実施形態において、ファイバ及びレンズ装置320は、高帯域幅ファイバ通信用に使用される他のデバイスを含む。
【0051】
上記説明を鑑みて、読者は、光ファイバ取り付け機能を備える半導体チップパッケージを製造することで得られる利点には、以下のようなものが挙げられることが分かるであろう。
●ダイラストウエハレベルファンアウト手法を使用することで、フォトニック集積回路及び他のチップレットのコパッケージングが改善する。
●ダイの領域は、通常、パッケージとして封止される挿入済みファイバに提示される。
【0052】
システムオンチップ、メモリ及びフォトニック集積回路を含む、複合チップ又はチップレットを1つのパッケージにコパッケージングすることにより、パッケージは、小さなフォームファクタで特定の機能を実行することができる。ダイラストウエハレベルファンアウト手法を使用することによって、コスト、市場投入期間及び歩留まりを含む製造が改善する。
【0053】
コパッケージングされたシステムオンチップ及びフォトニック集積回路は、高帯域幅かつ効率に優れた用途で使用可能である。パッケージは、一般的なデータセンタ、あるいは、特定用途デバイスでも使用できる。
【0054】
本開示の様々な実施形態において修正及び変更を行うことができることは、前述の記載から理解されるであろう。本明細書における記載は、例示のみを目的としており、限定的な意味で解釈されるべきではない。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲の文言によってのみ限定される。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ取り付け機能を備える装置であって、
システムオンチップと、
前側ファイバ結合領域にV溝を有するフォトニック集積回路と、
前記システムオンチップ及びフォトニック集積回路と通信する有機再配線層と、
前記前側ファイバ結合領域に取り付けられた光ファイバと、を備える、
装置。
【請求項2】
前記装置は、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである、
請求項
1の装置。
【請求項3】
成形化合物は、前記システムオンチップ、前記フォトニック集積回路及び前記取り付け後のファイバを封止する、
請求項
1の装置。
【請求項4】
前記取り付け後のファイバは、グローブトップによって固定される、
請求項
1の装置。
【請求項5】
光ファイバ取り付け機能を備える装置であって、
システムオンチップと、
薄化された裏側結合領域を有するフォトニック集積回路と、
前記システムオンチップ及びフォトニック集積回路と通信する有機再配線層と、
前記薄化された裏側ファイバ結合領域に取り付けられ、前記フォトニック集積回路内のグレーティングカプラへのレンズの作動距離を短縮する光ファイバと、を備える、
装置。
【請求項6】
前記装置は、ダイラストウエハレベルファンアウトパッケージである、
請求項
5の装置。
【請求項7】
成形化合物は、前記システムオンチップ及び前記フォトニック集積回路を封止する、
請求項
5の装置。
【国際調査報告】